実施の形態1.
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(E−UTRANのHome−eNodeB(Home−eNB;HeNB)、UTRANのHome−NB(HNB))と、non−CSGセル(E−UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、E−UTRANについては、図7のような構成が提案されている(非特許文献1 4.6.1.章参照)。
図7について説明する。移動端末装置(以下「移動端末」または「UE」という)71は、基地局装置(以下「基地局」という)72と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。基地局72は、eNB72−1と、Home−eNB72−2とに分類される。eNB72−1は、MME、あるいはS−GW、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という)73とS1インタフェースにより接続され、eNB72−1とMME部73との間で制御情報が通信される。ひとつのeNB72−1に対して、複数のMME部73が接続されてもよい。eNB72−1間は、X2インタフェースにより接続され、eNB72−1間で制御情報が通信される。
Home−eNB72−2は、MME部73とS1インタフェースにより接続され、Home−eNB72−2とMME部73との間で制御情報が通信される。ひとつのMME部73に対して、複数のHome−eNB72−2が接続される。あるいは、Home−eNB72−2は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME部73と接続される。Home−eNB72−2とHeNBGW74とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW74とMME部73とはS1インタフェースを介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB72−2がひとつのHeNBGW74と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW74は、ひとつまたは複数のMME部73と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
さらに現在3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB72−2間のX2インタフェースはサポートされない。MME部73からは、HeNBGW74はeNB72−1として見える。Home−eNB72−2からは、HeNBGW74はMME部73として見える。Home−eNB72−2が、HeNBGW74を介してMME部73に接続されるか否かに関係なく、Home−eNB72−2とMME部73との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。HeNBGW74は、複数のMME部73にまたがるような、Home−eNB72−2へのモビリティ、あるいはHome−eNB72−2からのモビリティはサポートしない。Home−eNB72−2は、唯一のセルをサポートする。
図8は、本発明に係る移動端末(図7の移動端末71)の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末71の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、およびアプリケーション部802からのユーザデータが、送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータは、エンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは、変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局72に送信信号が送信される。
また、移動端末71の受信処理は、以下のとおりに実行される。基地局72からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末71の一連の処理は、制御部810によって制御される。よって制御部810は、図8では省略しているが、各部801〜809と接続している。
図9は、本発明に係る基地局(図7の基地局72)の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局72の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME部73、HeNBGW74など)との間のデータの送受信を行う。EPCは、通信装置に相当する。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。Home−eNB72−2間のX2インタフェースはサポートされない方向であるため、Home−eNB72−2では、他基地局通信部902が存在しないことも考えられる。EPC通信部901および他基地局通信部902は、それぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、ならびにEPC通信部901および他基地局通信部902からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部904へ保存される。
送信データバッファ部904に保存されたデータは、エンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。
また、基地局72の受信処理は以下のとおりに実行される。ひとつもしくは複数の移動端末71からの無線信号が、アンテナ908により受信される。受信信号は、周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901および他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は、制御部911によって制御される。よって制御部911は、図9では省略しているが、各部901〜910と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているHome−eNB72−2の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。Home−eNB72−2は、eNB72−1と同じ機能を有する。加えて、HeNBGW74と接続する場合、Home−eNB72−2は、適当なサービングHeNBGW74を発見する機能を有する。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に唯一接続する。つまり、HeNBGW74との接続の場合は、Home−eNB72−2は、S1インタフェースにおけるFlex機能を使用しない。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に接続されると、同時に別のHeNBGW74や別のMME部73に接続しない。
Home−eNB72−2のTACとPLMN IDは、HeNBGW74によってサポートされる。Home−eNB72−2をHeNBGW74に接続すると、「UE attachment」でのMME部73の選択は、Home−eNB72−2の代わりに、HeNBGW74によって行われる。Home−eNB72−2は、ネットワーク計画なしで配備される可能性がある。この場合、Home−eNB72−2は、1つの地理的な領域から別の地理的な領域へ移される。したがって、この場合のHome−eNB72−2は、位置によって、異なったHeNBGW74に接続する必要がある。
図10は、本発明に係るMME(図7のMME部73)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1001は、MME部73とPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002は、MME部73と基地局72との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部1001から、ユーザプレイン通信部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部1002から、ユーザプレイン通信部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。
HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME部73とHeNBGW74との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データは、HeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け状態(LTE−IDLE状態、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。
MME部73は、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area:TA)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME部73に接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理は、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行ってもよい。
CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルとの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルとの関係であってもよい。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDとの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されてもよい。これらのCSGに関する管理は、MME部73の中の他の部分で行われてもよい。MME部73の一連の処理は、制御部1006によって制御される。よって制御部1006は、図10では省略しているが、各部1001〜1005と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているMMEの機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。MMEは、CSG(Closed Subscriber Group)のメンバーの1つ、あるいは複数の移動端末のアクセスコントロールを行う。MMEは、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
図11は、本発明に係るHeNBGWである図7に示すHeNBGW74の構成を示すブロック図である。EPC通信部1101は、HeNBGW74とMME部73との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102は、HeNBGW74とHome−eNB72−2との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME部73からのデータのうちレジストレーション情報などを、複数のHome−eNB72−2に送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。
ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は、制御部1104によって制御される。よって制御部1104は、図11では省略しているが、各部1101〜1103と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているHeNBGW74の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。HeNBGW74は、S1アプリケーションについてリレーする。Home−eNB72−2へのMME部73の手順の一部分であるが、HeNBGW74は、移動端末71に関係しないS1アプリケーションについて終端する。HeNBGW74が配置されるとき、移動端末71に無関係な手順がHome−eNB72−2とHeNBGW74との間、そしてHeNBGW74とMME部73との間を通信される。HeNBGW74と他のノードとの間でX2インタフェースは設定されない。HeNBGW74は、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
次に移動体通信システムにおける一般的なセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末は、セルサーチを開始すると、ステップST1201で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は現在504通りが検討されており、この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号RS(Reference Signal)を検出し受信電力の測定を行う。参照信号RSには、PCIと1対1に対応したコードが用いられており、そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST1201で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RS受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST1203で、ステップST1202までで検出されたひとつ以上のセルの中から、RSの受信品質が最も良いセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
次にステップST1204で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。したがってPBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、TAC(Tracking Area Code)が含まれる。
次にステップST1206で、移動端末は、ステップST1205で受信したSIB1のTACと、移動端末が既に保有しているTACとを比較する。比較した結果、同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して異なる場合は、移動端末は該セルを通してコアネットワーク(Core Network,EPC)(MMEなどが含まれる)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにTAの変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TAの更新を行う。コアネットワークは、TAの更新後、移動端末にTAU受領信号を送信する。移動端末は、該セルのTACで、移動端末が保有するTAC(あるいはTACリスト)を書き換える(更新する)。その後、移動端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
LTEやUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録したひとつまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録されたひとつまたは複数の移動端末とがひとつのCSGを構成する。このように構成されたCSGには、CSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。なお、ひとつのCSGには、複数のCSGセルがあってもよい。移動端末は、どれかひとつのCSGセルに登録すれば、そのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにはアクセス可能となる。
また、LTEでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBが、CSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的には、ホワイトリストはSIM(Subscriber Identity Module)/USIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報が格納される。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACとが対応付けられていれば、どちらか一方でよい。また、CSG−IDおよびTACと、GCI(Global Cell Identity)とが対応付けられていればGCIでもよい。
以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon−CSGセル用とに分割(PCIスプリットと称する)することが議論されている(非特許文献5参照)。またPCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知されることが議論されている。非特許文献5は、PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有していない移動端末は、全PCIを用いて、例えば504コード全てを用いて、セルサーチを行う必要がある。これに対して、PCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
また3GPPでは、ハイブリッドセルのためのPCIは、CSGセル用のPCI範囲の中には含まれないことが決定されている(非特許文献1 10.7章参照)。
HeNBおよびHNBに対しては、様々なサービスへの対応が求められている。例えば、オペレータは、ある決められたHeNBおよびHNBに移動端末を登録させ、登録した移動端末のみにHeNBおよびHNBのセルへのアクセスを許可することで、該移動端末が使用できる無線リソースを増大させて、高速に通信を行えるようにする。その分、オペレータは、課金料を通常よりも高く設定する、といったサービスである。
このようなサービスを実現するため、登録した(加入した、メンバーとなった)移動端末のみがアクセスできるCSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入されている。CSGセル(Closed Subscriber Group cell)は、商店街やマンション、学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。例えば、商店街では店舗毎、マンションでは部屋毎、学校では教室毎、会社ではセクション毎にCSGセルを設置し、各CSGセルに登録したユーザのみが該CSGセルを使用可能とするような使用方法が要求されている。HeNB/HNBは、マクロセルのカバレッジ外での通信を補完するためだけでなく、上述したような様々なサービスへの対応が求められている。このため、HeNB/HNBがマクロセルのカバレッジ内に設置される場合も生じる。
LTE−Aで検討される技術の一つとして、ヘテロジーニアスネットワークス(Heterogeneous networks:HetNets)が加えられた。3GPPでは、ピコeNB(ピコセル(pico cell))、ホットゾーンセル用のノード、HeNB/HNB/CSGセル、リレーノード、リモートラジオヘッド(RRH)のような低出力電力のローカルエリアレンジ(Local-area range)のネットワークノード(ローカルエリアレンジノード(local area range node)、ローカルエリアノード(local area node)、ローカルノード(local node))を扱う。したがって、通常のeNB(マクロセル)に、このようなローカルエリアレンジノードを一つ以上組み入れたネットワークの運用が要求される。通常のeNB(マクロセル)に、このようなローカルエリアレンジノードを一つ以上組み入れたネットワークがヘテロジーニアスネットワークスと呼ばれ、干渉低減方法、キャパシティ改善方法などが検討される。
現在3GPPでは、インフラ(infrastructure)の消費電力低減(Energy Saving)について議論がされている。具体的には、以下の議論がなされている。キャパシティーブースター(capacity booster)として採用された基地局、あるいはセルは、トラフィック負荷(traffic load)を監視し、トラフィックがある閾値以下で、ある期間その状態が続いた場合、スイッチオフ(switch off)できる(非特許文献8参照)。動作中の基地局にて負荷が高い場合、該基地局は、スイッチオフされた基地局に対してスイッチオンを要求できる(非特許文献8参照)。スイッチオフできる基地局とは、基本的なカバレッジ(basic coverage)と基本的なキャパシティー(basic capacity)とを提供するセルとされている(非特許文献9参照)。
実施の形態1で解決する課題について、以下に説明する。非特許文献8では、基本的なカバレッジと基本的なキャパシティーとを提供するセルについて考慮されている。一般的に、基本的なカバレッジと基本的なキャパシティーとを提供するセルは、ワイドエリアeNB(wide-area eNBs)と考えられている(非特許文献10参照)。このことから、非特許文献8では、ローカルエリアレンジのネットワークノードについては考慮されていない。よって、従来の技術では、ローカルエリアレンジのネットワークノードにおける、低消費電力化が実現できないという課題が発生する。
以降、便宜のためローカルエリアレンジのネットワークノードを、ローカルeNB(Local eNB)と記載する。また、ワイドエリアeNBの代表例としては、通常のeNB(マクロセル)が考えられる。ローカルeNBはローカル基地局装置に相当する。ローカル基地局装置であるローカルeNBは、出力電力が比較的小さい。ワイドエリア基地局装置であるワイドエリアeNB、たとえば通常のeNB(マクロセル)は、出力電力が比較的大きい。換言すれば、ローカルeNBの出力電力は、ワイドエリアeNBの出力電力に比べて小さい。
非特許文献8では、X2インタフェースを用いて、消費電力の低減を実現することが規定されている。一方、上記のとおりローカルeNBの一つであるHeNBにおいては、X2インタフェースがサポートされない(非特許文献1 4.6.1.章参照)。よってHeNBでは、非特許文献8に開示される方法では消費電力の低減を実現することができないという課題が発生する。
また、非特許文献8に開示された方法を、図13の状況に適用した場合、以下の課題が発生する。図13は、非特許文献8の課題を説明するロケーション図である。マクロセル1301のカバレッジ1302の境界付近、つまりセルエッジ付近にローカルeNB1303が設置されている。ローカルeNB1303のカバレッジ1304内に、移動端末1305が存在する。移動端末1305は、マクロセル1301のカバレッジ1302の外、つまりマクロセル1301の圏外に存在する。移動端末1305は、待受け状態とし、ローカルeNB1303にキャンプオンしているとする。
該移動端末1305は、待受け状態であるので、ローカルeNB1303のトラフィックに影響を及ぼさない。よってローカルeNB1303は、移動端末1305がキャンプオンしている場合であっても、トラフィックがある閾値以下で、ある期間その状態が続いた場合は、スイッチオフが可能となる。該ローカルeNB1303がスイッチオフした場合、該移動端末1305は圏外となり、移動体通信システムとしてのサービスを受けることができないという課題が発生する。
また、動作中の基地局、図13ではマクロセル1301にて負荷が高い場合、該基地局は、スイッチオフされた基地局、図13ではローカルeNB1303に対して、スイッチオンを要求できる。しかし、移動端末1305は、マクロセル1301の圏外に位置し、さらに待受け状態である。よって移動端末1305の存在により、マクロセル1301の負荷が高くなることはない。すなわち、該移動端末1305の存在を理由に、該ローカルeNB1303のスイッチがオンされることはない。これにより、該移動端末1305が移動体通信システムとしてサービスを受けることができない状況が継続するという課題が発生する。
実施の形態1での解決策を以下に示す。本実施の形態では、ローカルeNBにて消費電力の低減をサポートする。消費電力の低減をサポートするための実現方法の具体例を以下に示す。通常の動作から消費電力低減動作への移行のきっかけ(トリガ)の具体例を、以下に3つ開示する。消費電力の低減動作を、低電力動作またはEnergySaving動作と称し、この動作状態を低電力動作状態と称する。通常の動作を、通常動作またはNormal動作と称し、この動作状態を通常動作状態と称する。
(1)ローカルeNBと接続状態にある移動端末が、予め定める期間存在しない場合。具体的には、ローカルeNBの傘下に、ある期間、CONNECTEDの移動端末が存在しない場合、あるいはローカルeNBの傘下に、ある期間、IDLEの移動端末のみが存在する場合。
(2)ローカルeNBの送信動作および受信動作のための電源を切断する指示が与えられた場合。具体的には、ローカルeNBの電源がオフ(OFF)された場合、具体例としては電源スイッチがOFFされた場合、あるいは消費電力低減がオン(ON)された場合、具体例としては消費電力低減スイッチがONされた場合。
(3)他のノードからEnergySaving動作への移行が指示された場合。該指示には、X2インタフェースまたはS1インタフェースまたはバックホールリンクを用いることができる。
EnergySaving動作の具体例としては、移動端末に送信すべき信号である下り送信信号の送信動作を停止し、移動端末から送信される信号である上り送信信号の受信動作を行う。すなわち、送信動作をOFFし、受信動作をONする。受信動作をONする点で、非特許文献8に開示されているスイッチオフとは異なる。また、EnergySaving動作で受信動作をONすることによって、後に述べるEnergySaving動作からNormal動作への移行トリガの具体例(1)「ローカルeNBが移動端末からの上り送信を受信した場合」を用いることが可能となる。
送信動作をOFFする具体例としては、ユーザデータおよび制御データの送信をOFFする。制御データの具体例としては、ユーザデータに付随する、Ack/Nackなどの制御データ、移動端末によるセルサーチに用いるデータ、報知情報、ページングなどである。傘下にCONNECTEDの移動端末が存在しなければ、ユーザデータおよびユーザデータに付随する制御データを送信する必要はない。一方、傘下にCONNECTEDの移動端末が存在しない場合であっても、移動端末によるセルサーチに用いるデータ、報知情報、ページングの送信は必要となる。よってEnergySaving動作において、移動端末によるセルサーチに用いるデータ、報知情報、ページングの送信をOFFすることは、低消費電力化に有効である。
またLTE、LTE−Aでは、移動端末によるセルサーチに用いるSSおよびRS、報知情報の送信に用いるPBCHおよびPDCCH、ならびにページングの送信に用いるPDCCHは、周期的に送信する必要がある。よって、移動端末によるセルサーチに用いるデータ、報知情報、ページングの送信をOFFすることは、低消費電力化に有効である。
受信動作をONする具体例としては、移動端末からの上り送信、具体的には移動端末から送信される上り送信信号を受信する。EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガの具体例を、以下に2つ開示する。
(1)ローカルeNBが、移動端末からの上り送信を受信した場合。
(2)ローカルeNBが、バックホールから、予め定める信号、たとえばページング(Paging)信号を受信した場合。ここでバックホールとは、リレーノードのバックホールリンクだけでなく、ピコセルやフェムトセル(HeNB)のような有線のバックホールリンクも含むものとする。
移動端末からの上り送信の受信、あるいはバックホールからのページング(Paging)信号の受信でNormal動作へ移行する点において、非特許文献8に開示されている動作中の基地局の負荷に応じてEnergySaving動作中のローカルeNBがスイッチオンされる点と異なる。
移動端末からの上り送信の具体例を以下に3つ開示する。
(1)移動端末に対して、上り送信が許可されているリソースが時間的に離散している。これにより、ローカルeNBが、EnergySaving動作で該上り送信信号(以下「上り信号」という場合がある)を受信するため、連続受信を要せず、間欠受信で足りることとなる。EnergySaving動作における間欠受信動作は、連続受信動作と比較して低消費電力化に有効である。
(2)送信が許可されているリソースが時間的に周期を持っている。これにより、移動端末に対する度々の送信が許可されているリソースの通知が不要となる。これにより、無線リソースを有効に活用することができる。
(3)送信が許可されているリソースの周波数的割当が決まっている。これにより、移動端末およびローカルeNBの処理の負荷を軽減することができる。
LTE、LTE−Aにおいては、上記移動端末からの上り送信にPRACHを用いることができる。
上記のとおり、上り送信が許可されているリソースが時間的に離散していることにより、EnergySaving動作の受信動作において、該タイミングのみ受信動作を行えばよくなる。つまり、EnergySaving動作の受信動作を連続にONする必要がなくなる。よって、低消費電力化に有効となる。この受信動作は、間欠受信動作と称されることもある。
移動端末が上記上り送信に用いる設定の具体例について、以下に開示する。該上り送信に用いる設定は、EnergySavingを行っているローカルeNB毎とする。これにより、ローカルeNBは、EnergySaving時に、自セルの上り送信の設定パラメータを用いて、間欠受信すればよい。よって、ローカルeNBにおいて、自由度の高いEnergySaving動作を実現することができる。
移動端末が該上り送信に用いる設定を、移動端末が知る方法の具体例について、以下に2つ開示する。
(1)移動端末は、該上り送信に用いる設定をサービングセルから通知される。
(2)ローカルeNBがHeNBである場合において、移動端末がHeNBの属するCSGに登録される際、移動端末は、該HeNBの上り送信に用いる設定を通知される。通知方法の具体例としては、HeNBのオーナーにより設定され、該HeNBから通知される方法、ホワイトリスト通知の際にホワイトリストと共にネットワーク側から通知される方法などがある。
上記、上り送信に用いる設定を、移動端末が知る方法の具体例(1)について、以下にさらに開示する。3GPP R3−093387(以下「非特許文献11」という)には、セルフオーガナイズドネットワーク(Self Organized Network:SON)を目的として、RACH設定(RACH Configuration)をeNB間でX2インタフェースを用いて通知することが開示されている。一方、上記のとおりローカルeNBの一つであるHeNBにおいては、X2インタフェースがサポートされない(非特許文献1 4.6.1.章参照)。よって、HeNBでは、非特許文献11に開示される方法でRACH設定を通知することができないという課題が発生する。
本実施の形態1では、ローカルeNBは、自セルの上り送信の設定パラメータを、S1インタフェースを用いて周辺のノードへ通知する。ローカルeNBが、自セルの上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードを決定する方法の具体例について、以下に開示する。
ローカルeNBが自セルの上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードは、ローカルeNBの周辺無線環境の測定結果に基づいて決定する。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの測定結果がある。周辺セルの測定結果の具体例としては、受信品質、受信電力、パスロス(Path Loss)などがある。
ローカルeNBは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードの受信品質あるいは受信電力が、ある閾値以上であるか、あるいは閾値より大きければ、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードとして、該ノードを選択する。または、ローカルeNBは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードのパスロスが、ある閾値未満あるいは以下であれば、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードとして、該ノードを選択する。自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードは、1つであっても複数であってもよい。上記の方法で、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードを選択することにより、周辺のノードを選択することが可能となる。これにより、無駄なノードにまで、自セルの上り送信の設定パラメータを通知する必要がなくなり、ローカルeNBの処理の負荷を軽減することができる。
ローカルeNBの上り送信の設定パラメータの通知を受けたノードは、傘下の移動端末に対して、該情報を通知する。通知の方法の具体例を、以下に2つ開示する。(1)報知情報を用いて通知する。(2)個別信号を用いて通知する。
LTE、LTE−Aにおける報知情報を用いて通知する具体例について、以下に開示する。RACH設定(RACH Configuration)を用いる。RACH設定を用いる場合の具体例について、以下に2つ開示する。
(1)現在のRACH設定中に、サービングセル用、つまりローカルeNBの上り送信の設定パラメータの通知を受けたノード用のRACH設定と、ローカルeNBのRACH設定とを設ける。
(2)現在のRACH設定とは別に、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるための上り送信設定を設ける。
上り送信の設定パラメータの具体例を、以下に2つ開示する。
(1)上り送信が許可されているリソース。リソースの具体例としては、時間的リソースと周波数的リソース、あるいは時間的リソースなどがある。LTE、LTE−Aにおいては、RACH設定。さらに具体例としては、「RACH-ConfigCommon」、「PRACH-config」などがある(3GPP TS36.331 V9.0.0(以下「非特許文献12」という)参照)。
(2)上り周波数情報。ローカルeNBと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報。上り周波数情報の具体例としては、キャリア周波数、周波数バンド、コンポーネントキャリアなどがある。LTE、LTE−Aにおいては、「freqInfo」、「ul-CarrierFreq」、「ul-Bandwidth」などがある(非特許文献12参照)。
コンポーネントキャリアについて、以下に説明する。LTE−Aシステムでは、LTEシステムの周波数帯域幅(transmission bandwidths)より大きい周波数帯域幅をサポートすることが考えられている(3GPP TR 36.814 V1.5.0(以下「非特許文献13」という)5章参照)。そのため、LTE−A対応の移動端末は、同時に1つあるいは複数のコンポーネントキャリア(component carrier:CC)を受信することが考えられている。LTE−A対応の移動端末は、同時に複数のコンポーネントキャリア上の受信および送信、あるいは受信のみ、あるいは送信のみをキャリアアグリゲーション(carrier aggregation)するための能力(capability)を持つことが考えられている。
また、移動端末は、基地局の下り送信、具体的には基地局から送信される下り送信信号を受信し、受信した下り送信に基づいて、基地局の周波数に同期するのが一般的である。該機能は、オートマティックフリークェンシーコントロール(Automatic Frequency Control:AFC)と称される。移動端末がEnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるために、該ローカルeNBへ上り送信を行う場合、以下の課題が発生する。本実施の形態1では、ローカルeNBのEnergySaving動作として、送信動作をOFFするので、移動端末がAFCを行う場合に、基となる基地局の下り送信が存在しない。したがって、移動端末がどのようにAFCを実行するかが課題となる。
本実施の形態1での解決策を以下に3つ開示する。
(1)移動端末は、サービングセルの下り送信(下りリンク)を受信し、該下り送信の周波数でAFCを実行する。移動端末は、移動端末の上りリンクの周波数を、ローカルeNBと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報に設定する。移動端末は、該上りリンクの周波数を用いて、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるために、該ローカルeNBへ上り送信を行う。これによって、移動端末がEnergySaving動作中のローカルeNBに対して、AFCを実行することが可能となる。
(2)EnergySaving動作中のローカルeNBは、サービングセルの下り送信(下りリンク)を受信し、該下り送信の周波数でAFCを実行する。ローカルeNBは、ローカルeNBの移動端末からの上りリンクを受信するための周波数を、ローカルeNBと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数に設定する。ローカルeNBは、該周波数を用いて、移動端末からの上り送信を受信する。ローカルeNBは、上記AFC動作を、移動端末からの上り送信を受信する前に行ってもよい。移動端末からの上り送信の具体例としては、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるための上り送信がある。
(3)上記(1)および(2)を組み合わせて用いる。この場合、移動端末の周波数と、ローカルeNBの周波数とが、(1)あるいは(2)を単独で用いる場合と比較して、より精度良く一致する。よって、移動端末からローカルeNBへの上りリンクの通信品質が向上するという効果を得ることができる。
次に、移動端末がEnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるために、上り送信(以降、ウェイクアップ用上り送信と称すこともある)を行う状況の具体例について、以下に4つ開示する。
(1)サービングセルの受信品質が下がった場合、あるいはサービングセルとなり得るセルが存在しない場合。例えば、サービングセルのセルエッジに、EnergySaving動作中のローカルeNBが存在した場合、移動端末からのウェイクアップ上り送信により、該ローカルeNBがNormal動作に移行する。これによって、サービングセルから該ローカルeNBへハンドオーバ、あるいは該ローカルeNBをセルリセレクトすることで、該移動端末が移動体通信システムのサービスを継続的に受けることができる。
(2)従来の技術のRACH送信の条件が満たされた場合。具体例としては、TAU送信、移動端末側からのサービスリクエスト(発呼と称される場合もある)が発生した場合。
(3)周期的。
(4)ユーザが操作をした場合。
上記(1)のサービングセルの受信品質が下がった場合の判断方法の具体例について、以下に開示する。移動端末の測定結果に基づいて、サービングセルの受信品質、たとえば受信電力、SIRなどが、ある閾値(以降、ウェイクアップ上り送信閾値と称することもある)を下回った場合、または閾値以下となった場合、または閾値未満となった場合、ウェイクアップ上り送信を行うと判断する。あるいは、移動端末の測定結果に基づいて、サービングセルの受信品質、たとえばパスロスなどが、ある閾値(以降、ウェイクアップ上り送信閾値と称することもある)を上回った場合、または閾値以上となった場合、または閾値より大きくなった場合、ウェイクアップ上り送信を行うと判断する。
該ウェイクアップ上り送信閾値の移動端末への通知方法の具体例について、以下に2つ開示する。
(1)サービングセルから傘下の移動端末へ通知する。通知方法としては、報知情報が考えられる。状態によらず、傘下の移動端末へ通知可能となることから有効である。また、閾値の変更が容易となることから柔軟な移動体通信システムの構築が可能となる。また、LTE、LTE−Aにおいては、ウェイクアップ上り送信閾値を周辺セル測定開始閾値(Sintrasearch)(非特許文献3 5.2.4.2章参照)と併用してもよい。パラメータを削減でき、無線リソースを有効に活用することができる。
(2)静的に決定する。移動端末への無線リソースを用いた通知が不要となることから、無線リソースを有効に活用することができる。
特に、ローカルeNBがHeNBである場合において、移動端末がEnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるために、上り送信、具体的にはウェイクアップ上り送信を行う状況の具体例について、以下に2つ開示する。
非特許文献1には、CSGセルのセルセレクションおよびリセレクション方法が、オートノーマスサーチ機能(autonomous search function)に基づくことが開示されている。また非特許文献3には、サービング周波数とは異なる周波数にて「適切なセル」であるCSGセルをサーチするために、移動端末はオートノーマスサーチ機能を用いることが開示されている。さらに非特許文献1には、移動端末は、CSGセルの手動のセレクション(以下「マニュアルセルセレクション」という場合がある)をサポートすることが開示されている。移動端末中に構成されたCSGホワイトリストが空であるならば、移動端末によるCSGセルのオートノーマスサーチ機能は無能とされることが開示されている。
(1)CSGセルの手動のセレクションのとき。さらに具体例としては、セレクションのための測定を行う前にウェイクアップ上り送信を行う。これにより、移動端末の周辺に、EnergySaving動作を行っているHeNBが存在した場合であっても、該HeNBをNormal動作へ移行させることが可能となる。したがって、該HeNBも対象に含めたCSGセルセレクションを行うことが可能となる。
(2)オートノーマスサーチ機能が動作中は、周期的に行う。これにより、移動端末の周辺に、EnergySaving動作を行っているHeNBが存在した場合であっても、該HeNBをNormal動作へ移行させることが可能となる。したがって、該HeNBも対象に含めたCSGセルセレクションを行うことが可能となる。このように構成した場合であっても、該移動端末中に構成されたCSGホワイトリストが空である場合は、オートノーマスサーチ機能が動作しなくなる。これに伴い、HeNBのEnergySaving動作を解除するための上り送信が止まることになる。したがって、無駄な上り送信がなくなるという効果を得ることができる。CSGホワイトリストは、許可CSGリスト(Allowed CSG ID List)と呼ばれることもある。
上記のとおり、ローカルeNBとしては、ピコeNB(ピコセル(pico cell))、ホットゾーンセル用のノード、HeNB/HNB/CSGセル、リレーノード、リモートラジオヘッド(RRH)などが考えられる。ローカルeNBの種別毎に、EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガを分けてもよい。またローカルeNBの種別毎に、ウェイクアップ上り送信を分けてもよい。またローカルeNBの種別毎に、移動端末がEnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるために上り送信、具体的にはウェイクアップ上り送信を行う状況を分けてもよい。
具体例としては、リレーノードについては、ウェイクアップ上り送信を行う状況を、サービングセルの受信品質が下がった場合とし、HeNBについては、ウェイクアップ用上り送信を行う状況を、オートノーマスサーチ機能が動作中は、周期的に行うとしてもよい。これにより、ローカルeNBの種別毎に、最適なEnergySaving動作を行うことが可能となる。
以上に述べた本実施の形態1では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1と同様に実施可能であり、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また本実施の形態1では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1と同様に実施可能であり、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
本実施の形態1は、非特許文献8などに開示される従来の消費電力の低減技術と組み合わせて用いることができる。
実施の形態1を用いた具体的な動作例を、図14および図15を用いて説明する。図14は、実施の形態1の解決策を説明するロケーション図である。図14において、図13に対応する部分については同一の参照符を付して、説明を省略する。移動端末1401は、マクロセル1301のカバレッジ1302内、つまりマクロセル1301の圏内に存在する。
次に、図15を用いて、実施の形態1の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する。図15は、実施の形態1の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。本動作例では、サービングセルがマクロセル1301である場合について説明する。
ステップ1501において、ローカルeNB1303は、上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードを決定する。決定方法の具体例は、上記のとおりである。本動作例においては、上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードの1つとして、マクロセル1301が選択されたとする。
ステップST1502において、ローカルeNB1303は、自セル、すなわちローカルeNB1303の上り送信の設定パラメータをマクロセル1301に通知する。上り送信の設定パラメータの具体例は、上記のとおりである。また、上り送信の具体例は、上記のとおりであるが、本動作例においては、上り送信の具体例として、PRACHを用いる。よって、上り送信の設定パラメータの具体例として、ローカルeNB1303のRACH設定とする。また、上り送信の設定パラメータとして、ローカルeNBと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報を通知してもよい。
ステップST1503において、ローカルeNB1303は、通常の動作から消費電力低減動作(EnergySaving動作)への移行のトリガの有無を判断する。移行のトリガの具体例は、上記のとおりである。EnergySaving動作への移行のトリガが有ると判断した場合は、ステップST1504へ移行する。EnergySaving動作への移行のトリガが無いと判断した場合は、ステップST1503の判断処理を繰り返す。
ステップST1504において、ローカルeNB1303は、EnergySaving動作へ移行する。EnergySaving動作の具体例としては、上記のとおり、送信動作をOFFし、受信動作をONする。
ステップST1505において、ローカルeNB1303は、間欠受信を開始する。具体例としては、ローカルeNB1303のRACH設定で上り送信を受信するための、間欠受信を開始する。
ステップST1502の処理は、ステップST1503の処理の後、あるいはステップST1504の処理の後、あるいはステップST1505の処理の後に行っても、同じ効果を得ることができる。
ステップST1506において、サービングセルであるマクロセル1301は、傘下の移動端末に対して、自セル、すなわちマクロセル1301のRACH設定を通知する。傘下の移動端末(UE)には、移動端末1401が含まれる。
ステップST1507において、マクロセル1301は、傘下の移動端末に対して、ステップST1502で受信したローカルeNB1303のRACH設定を通知する。また、ローカルeNBと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報を通知してもよい。該ローカルeNBがEnergySaving動作中であるか否かを示す情報を含めてもよい。傘下の移動端末には、移動端末1401が含まれる。
ステップST1508において、移動端末1401は、ウェイクアップ用上り送信を行うか否かを判断する。ウェイクアップ用上り送信を行う状況の具体例は、上記のとおりである。本動作例において、ウェイクアップ用上り送信を行う状況として、サービングセルの受信品質が下がった場合とする。具体例としては、移動端末1401は、サービングセルであるマクロセル1301(以下「サービングセル1301」という場合がある)の受信品質が、ウェイクアップ上り送信閾値未満となるか否かを判断する。サービングセル1301の受信品質が、ウェイクアップ上り送信閾値未満となる場合は、ステップST1509へ移行する。サービングセル1301の受信品質が、ウェイクアップ上り送信閾値未満とならない場合は、ステップST1508の判断処理を繰り返す。
ステップST1509において、移動端末1401は、ウェイクアップ用上り送信としてのRACH送信を行う。移動端末1401による周辺セルの測定にて発見できないローカルeNBに対して、移動端末が上り送信を行うことを可能としてもよい。該RACH送信では、移動端末1401がステップST1507で受信した、ローカルeNB1303のRACH設定を用いて、該RACHを送信する。また、移動端末1401がステップST1507で受信した、ローカルeNBと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数を用いて、該RACHを送信してもよい。また上記のとおり、マクロセル1301の下り送信を用いて、ローカルeNBに対してAFCを実施して、該RACHを送信してもよい。
ステップST1510において、ローカルeNB1303は、EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガの有無を判断する。移行トリガの具体例は、上記のとおりである。本動作例においては、移行トリガの具体例として、ローカルeNB1303が移動端末1401からの上り送信を受信した場合とする。ローカルeNB1303は、ウェイクアップ用上り送信としてのRACHを受信したか否かを判断する。RACHを受信したと判断した場合は、ステップST1511へ移行する。RACHを受信していないと判断した場合は、ステップST1510の判断処理を繰り返す。
ステップST1511において、ローカルeNB1303は、Normal動作へ移行する。
以上の実施の形態1により、以下の効果を得ることができる。本実施の形態1によれば、ローカルeNBにおけるEnergySaving動作を実現することが可能となり、移動体通信システムにおけるインフラの消費電力の低減を実現することができる。
また、非特許文献8の従来の技術では、X2インタフェースを用いたインフラの消費電力の低減について規定されている。本実施の形態1では、X2インタフェースを用いないインフラの消費電力の低減方法を開示した。これによって、X2インタフェースをサポートしないHeNBなどにおいても、消費電力の低減が可能となる。HeNBは上記のとおり、数多く設置されることが要求されているため、HeNBで消費電力の低減が実現可能となることは、移動体通信システム全体の消費電力の低減に大きく寄与する。
実施の形態1では、非特許文献8の従来の技術に開示されたネットワーク側の負荷を用いないで、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させることができる。つまり、移動端末の位置(ロケーション)によらず、また移動端末の状態によらず、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させることができる。
これによって、非特許文献8の従来の技術を用いた場合に課題であった図13に示すようなロケーションにおいても、ローカルeNB1303をスイッチオン、すなわちNormal動作へ移行することが可能となり、移動端末1305が移動体通信システムとしてサービスを受けることができないという課題を解決することが可能となる。
また本実施の形態では、EnergySaving動作として送信動作をOFFし、受信動作をONすることを開示した。これにより、EnergySaving動作中に、ローカルeNBの送信部の電源を一括してOFFし、受信部の電源のみをONすればよくなる。したがって、EnergySaving動作を実現するためのハードウェアの設計が容易になる。
実施の形態1 変形例1.
実施の形態1の変形例1において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合であっても、マクロセルの周辺にローカルeNBが多数存在した場合には、以下の2つの課題が発生する。
(1)ローカルeNBからマクロセルへ通知される、ローカルeNBの上り送信の設定パラメータが多くなる。つまり、マクロセルから傘下の移動端末へ通知する、ローカルeNBの上り送信の設定パラメータの種類が増加する。これにより、マクロセルか傘下の移動端末へ通知する、ローカルeNBの上り送信の設定パラメータの情報量が増加する。よって、無線リソースを多く用いなければならないという課題が発生する。
(2)移動端末が行う、ウェイクアップ用上り送信のための上り送信の設定パラメータの種類が増加する。よって移動端末は、該種類分の上り設定を行う必要が生じ、また該種類分上り送信を行う必要が生じる。これにより、移動端末の処理負荷が高くなり、また移動端末の消費電力が増加するという課題が発生する。
実施の形態1の変形例1の課題を、図15および図16を用いて再度説明する。図16は、実施の形態1の変形例1の課題を説明するロケーション図である。図16において、図13および図14に対応する部分については同一の参照符を付して、説明を省略する。マクロセル1301のカバレッジ1302の境界付近、つまりセルエッジ付近に、複数のローカルeNB、具体的にはローカルeNB1601、ローカルeNB1603、ローカルeNB1605、ローカルeNB1607が設置されている。ローカルeNB1601は、カバレッジ1602を持つ。ローカルeNB1603は、カバレッジ1604を持つ。ローカルeNB1605は、カバレッジ1606を持つ。ローカルeNB1607は、カバレッジ1608を持つ。
図16に示すようなロケーションで実施の形態1を実行した場合の移動体通信システムのシーケンス例を、図15を用いて説明する。ステップST1501において、ローカルeNB1303のみならず、ローカルeNB1601、ローカルeNB1603、ローカルeNB1605、ローカルeNB1607においても、上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードとして、マクロセル1301が選択される。
ステップST1502において、ローカルeNB1303は、マクロセル1301へ、ローカルeNB1303の上り送信の設定パラメータを通知する。ステップST1502において、ローカルeNB1601は、マクロセル1301へ、ローカルeNB1601の上り送信の設定パラメータを通知する。ステップST1502において、ローカルeNB1603は、マクロセル1301へ、ローカルeNB1603の上り送信の設定パラメータを通知するステップST1502において、ローカルeNB1605は、マクロセル1301へ、ローカルeNB1605の上り送信の設定パラメータを通知する。ステップST1502において、ローカルeNB1607は、マクロセル1301へ、ローカルeNB1607の上り送信の設定パラメータを通知する。
ステップST1507において、マクロセル1301は、傘下の移動端末(移動端末1401も含まれる)に対して、ステップST1502で受信したローカルeNB1303、ローカルeNB1601、ローカルeNB1603、ローカルeNB1605、ローカルeNB1607のRACH設定を通知する。このように、ローカルeNBの上り送信の設定パラメータの情報量が増加し、無線リソースを多く用いなければならないという課題が発生する。
ステップST1508において、移動端末1401は、ウェイクアップ用上り送信を行うか否か判断し、ウェイクアップ用上り送信を行うと判断した場合、ステップST1509において、ウェイクアップ用上り送信を行う。該ウェイクアップ用上り送信の設定パラメータには、ステップST1507で受信したローカルeNB1303、ローカルeNB1601、ローカルeNB1603、ローカルeNB1605、ローカルeNB1607のRACH設定を用いる。
このとき、移動端末1401は、ローカルeNB1303のカバレッジ1304内に位置するが、ローカルeNB1601のカバレッジ1602、ローカルeNB1603のカバレッジ1604、ローカルeNB1605のカバレッジ1606、ローカルeNB1607のカバレッジ1608内には無い。よって、移動端末1401のロケーションにおいては、ローカルeNB1303のRACH設定のみを用いて、ウェイクアップ用上り送信を行えばよい。なぜならば、例えばローカルeNB1603がEnergySaving動作からNormal動作へ移行したとしても、移動端末1401は、該ローカルeNB1603から移動体通信システムのサービスを受けることはできないからである。
しかし、ローカルeNBのEnergySaving動作として、送信動作がOFFされていることから、移動端末1401は、いずれのローカルeNBの圏内に自移動端末が位置するかを判断することができない。よって移動端末1401は、ステップST1509において、ステップST1507で受信したローカルeNB1303、ローカルeNB1601、ローカルeNB1603、ローカルeNB1605、ローカルeNB1607のRACH設定を用いて、ウェイクアップ用上り送信を行う必要が生じる。これにより、該種類分、たとえば図16の場合は5種類の上り設定を行う必要が生じ、また該種類回、たとえば図16の場合は5回上り送信を行う必要が生じる。これにより、移動端末1401の処理負荷が高くなり、また移動端末1401の消費電力が増加するという課題が発生する。
実施の形態1の変形例1での解決策を以下に示す。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
本変形例では、移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う場合の上り送信に用いる設定を、サービングセルの上り送信に用いる設定と併用する。ローカルeNBは、サービングセルの上り送信に用いる設定に基づいて、EnergySaving動作を行う。ローカルeNBは、EnergySaving動作中、該サービングセルの上り送信に用いる設定において送信が許可されるリソースの受信が可能となるように間欠受信してもよい。
これにより、サービングセルは、傘下の移動端末へローカルeNBの上り送信の設定パラメータを通知する必要が無くなる。これにより、無線リソースを有効に活用することができる。また、サービングセルの処理の負荷を軽減することができる。また、移動端末が行う、ウェイクアップ用上り送信のための上り送信の設定パラメータの種類を減らすことが可能となる。これにより、移動端末の処理の負荷を軽減することができ、また移動端末の低消費電力化を図ることができる。
ローカルeNBが、該サービングセルの上り送信に用いる設定、すなわち上り送信の設定パラメータを知る方法の具体例として、以下の(A1)および(A2)の2つを開示する。
(A1)非特許文献11には、セルフオーガナイズドネットワーク(Self Organized Network:SON)を目的として、RACH設定(RACH Configuration)をeNB間にてX2インタフェースを用いて通知することが開示されている。一方、上記のとおり、ローカルeNBの一つであるHeNBにおいては、X2インタフェースがサポートされない(非特許文献1 4.6.1.章参照)。よって非特許文献11に開示の方法では、HeNBに対して、RACH設定を通知することができないという課題が発生する。本実施の形態1の変形例1では、サービングセルは、自セルの上り送信の設定パラメータを、S1インタフェースを用いて周辺のノードへ通知する。
(A2)ローカルeNBは、初期化の際、電源ONの際、あるいは送信OFFの際に、周辺無線環境の測定を行う場合がある。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの測定結果がある。周辺セルの測定の際、ローカルeNBは、報知情報まで受信し、報知情報をデコードし、報知情報に含まれる周辺セルの上り送信に用いる設定である上り送信の設定パラメータを知り、該周辺セルの上り送信に用いる設定を記憶する。該測定、報知情報の受信、周辺セルの上り送信に用いる設定の記憶は、すべてのローカルeNBではなく、EnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが行うようにしてもよい。
ローカルeNBが、サービングセルの上記上り送信に用いる設定である上り送信の設定パラメータを知る方法の上記(A1)の具体例を用いた場合に、サービングセルが、自セルの上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードを決定する方法の具体例として、以下の(B1)および(B2)の2つを開示する。自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードは、1つであっても複数であってもよい。上記方法で、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードを選択することにより、周辺のノードを選択することが可能となる。これにより、無駄なノードにまで自セルの上り送信の設定パラメータを通知する必要がなくなり、サービングセルの処理の負荷を軽減することができる。
(B1)サービングセルの周辺無線環境の測定結果に基づいて、自セルの上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードを決定する。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの測定結果がある。周辺セルの測定結果の具体例としては、受信品質、受信電力、パスロスなどがある。サービングセルは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードの受信品質あるいは受信電力が、ある閾値以上であるか、あるいは閾値より大きければ、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードとして、該ノードを選択する。または、サービングセルは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードのパスロスが、ある閾値未満あるいは以下であれば、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードとして、該ノードを選択する。
(B2)サービングセルの傘下の移動端末の測定結果の報告に基づいて、自セルの上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードを決定する。具体例としては、あるノードの受信品質あるいは受信電力が、ある閾値以上であるか、あるいは閾値より大きければ、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードとして、該ノードを選択する。または、サービングセルは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードのパスロスが、ある閾値未満あるいは以下であれば、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードとして、該ノードを選択する。
ローカルeNBが、上記上り送信に用いる設定である上り送信の設定パラメータを知る方法の上記(A2)の具体例を用いた場合に、ローカルeNBが報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定である上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルを決定する方法の具体例として、以下の(C)を開示する。
(C)ローカルeNBの周辺無線環境の測定結果に基づいて、決定する。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの測定結果がある。周辺セルの測定結果の具体例としては、受信品質、受信電力、パスロスなどがある。
ローカルeNBは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードの受信品質あるいは受信電力が、ある閾値以上であるか、あるいは閾値より大きければ、報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定である上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルとして、該セルを選択する。または、ローカルeNBは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードのパスロスが、ある閾値未満あるいは以下であれば、報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定である上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルとして、該セルを選択する。
報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定の記憶を行う周辺セルは、1つであっても複数であってもよい。上記方法で、報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定の記憶を行う周辺セルを選択することにより、周辺のセルを選択することが可能となる。これにより、無駄な周辺セルの報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定の記憶をする必要がなくなり、ローカルeNBの処理の負荷を軽減することができる。
上り送信の設定パラメータの具体例を、以下に2つ開示する。
(1)上り送信が許可されているリソース。リソースの具体例としては、時間的リソースと周波数的リソース、あるいは時間的リソースなどがある。LTE、LTE−Aにおいては、RACH設定。さらに具体例としては、「RACH-ConfigCommon」、「PRACH-config」などがある(非特許文献12参照)。
(2)上り周波数情報。サービングセルと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報。上り周波数情報の具体例としては、キャリア周波数、周波数バンド、コンポーネントキャリアなどがある。LTE、LTE−Aにおいては「freqInfo」、「ul-CarrierFreq」、「ul-Bandwidth」などがある(非特許文献12参照)。
本実施の形態1の変形例1におけるAFCの実行方法の具体例を以下に3つ開示する。
(1)移動端末は、サービングセルの下り送信(下りリンク)を受信し、該下り送信の周波数でAFCを実行する。移動端末は、移動端末の上りリンクの周波数を、サービングセルと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報に設定する。移動端末は、該上りリンクの周波数を用いて、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるために、該ローカルeNBへ上り送信を行う。これによって、移動端末がAFCを実行することが可能となる。
(2)EnergySaving動作中のローカルeNBは、サービングセルの下り送信(下りリンク)を受信し、該下り送信の周波数でAFCを実行する。ローカルeNBは、ローカルeNBの移動端末からの上りリンクを受信するための周波数を、サービングセルと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報に設定する。ローカルeNBは、該周波数を用いて、移動端末からの上り送信を受信する。ローカルeNBは、上記AFC動作を、移動端末からの上り送信を受信する前に行ってもよい。移動端末からの上り送信の具体例としては、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるための上り送信がある。
(3)上記(1)および(2)を組み合わせて用いる。この場合、移動端末の周波数と、ローカルeNBの周波数が、(1)あるいは(2)を単独で用いる場合と比較して、より精度良く一致する。よって、移動端末からローカルeNBへの上りリンクの通信品質が向上するという効果を得ることができる。
次に、移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う状況の具体例について、以下に4つ開示する。
(1)サービングセルの受信品質が下がった場合、あるいはサービングセルとなり得るセルが存在しない場合。例えば、サービングセルのセルエッジに、EnergySaving動作中のローカルeNBが存在した場合、移動端末からのウェイクアップ上り送信により、該ローカルeNBがNormal動作に移行する。これによって、サービングセルから該ローカルeNBへハンドオーバ、あるいは該ローカルeNBをセルリセレクトすることで、該移動端末が移動体通信システムのサービスを継続的に受けることができる。
(2)従来の技術のRACH送信の条件が満たされた場合。具体例としては、TAU送信、移動端末側からのサービスリクエスト(発呼と称される場合もある)が発生した場合。サービングセルの傘下の移動端末からサービングセルへの通常の上り送信をローカルeNBが受信する。該上り送信を受信したローカルeNBは、自セルに近い移動端末が存在すると判断し、EnergySaving動作からNormal動作へ移行する。上り送信の具体例としては、PRACHなどがある。該判断の具体例としては、ローカルeNBは移動端末からの上り送信の受信品質あるいは受信電力が、ある閾値以上であるか、あるいは閾値より大きければ、自セルに近い移動端末が存在すると判断する。または、ローカルeNBは移動端末からの上り送信のパスロスが、ある閾値以下あるいは未満であれば、自セルに近い移動端末が存在すると判断する。
(3)周期的。
(4)ユーザが操作をした場合。
実施の形態1の変形例1を用いた具体的な動作例を、図16および図17を用いて説明する。実施の形態1の変形例1の解決策を説明するロケーション図である図16は、上記のとおりであるので、説明を省略する。図17は、実施の形態1の変形例1の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図17において、図15に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
本動作例では、ローカルeNBが、サービングセルの上り送信に用いる設定である上り送信の設定パラメータを知る方法の上記具体例(A2)を用いた場合について開示する。また、ローカルeNBについては、ローカルeNB1303を例として説明するが、ローカルeNB1601、ローカルeNB1603、ローカルeNB1605、ローカルeNB1607においても同様の動作が行われる。
ステップST1701において、ローカルeNB1303は、周辺セルの測定を行う。ステップST1702において、ローカルeNB1303は、上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルを決定する。決定する具体的な方法例は、上記のとおりである。図16に示すロケーションにおいて、ローカルeNB1303は、上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルとして、マクロセル1301を選択する。
ステップST1703において、ローカルeNB1303は、ステップST1702で決定した周辺セルの上り送信の設定パラメータを記憶する。図16に示すロケーションにおいて、ローカルeNB1303は、マクロセル1301の上り送信の設定パラメータを記憶する。次いで、ローカルeNB1303は、ステップST1503およびステップST1504の処理を行う。
ステップST1704において、ローカルeNB1303は、間欠受信を開始する。具体例としては、ステップST1703で記憶したマクロセル1301の上り送信の設定パラメータ、たとえばRACH設定にて上り送信を受信するための、間欠受信を開始する。次いで、マクロセル1301は、ステップST1506の処理を行い、移動端末1401は、ステップ1508の処理を行う。
ステップST1705において、移動端末1401は、RACH送信を行う。該RACH送信では、ステップST1703で記憶した、マクロセル1301の上り送信の設定パラメータを用いて、該RACHを送信する。またステップST1703で記憶した、マクロセル1301と傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数を用いて、該RACHを送信してもよい。次に、ローカルeNB1303は、ステップST1510およびステップST1511の処理を行う。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例1と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例1と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例1と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態1の変形例1により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
マクロセルの周辺に、ローカルeNBが多数存在した場合であっても、マクロセルから傘下の移動端末へ、ローカルeNBの上り送信の設定パラメータを通知する必要が無くなる。これにより、無線リソースを有効に活用することができる。また、サービングセルの処理の負荷を軽減することができる。
また、ローカルeNBのEnergySaving動作として、送信動作がOFFされていることから、移動端末が、いずれのローカルeNBの圏内に自移動端末が位置するかを判断することができない場合であっても、ウェイクアップ用上り送信のための上り送信の設定パラメータの種類を減らすことが可能となる。これにより、移動端末の処理の負荷を軽減することができ、また移動端末の低消費電力化を図ることができる。
実施の形態1 変形例2.
実施の形態1の変形例2において解決する課題について説明する。実施の形態1、および実施の形態1の変形例1の解決策を実行した場合であっても、基地局、例えばマクロセルが密集して配置されている場合には、以下の課題が発生する。
マクロセルからローカルeNBへ通知される、マクロセルの上り送信の設定パラメータが多くなることが考えられる。あるいは、ローカルeNBで選択される、上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルが多くなることが考えられる。
該ローカルeNBは、ウェイクアップ用上り送信を行う移動端末が、どのマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いてウェイクアップ用上り送信を行うか知るすべがない。よって、該ローカルeNBは、通知された複数のマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いて、あるいは記憶した複数のマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いて、EnergySaving動作を行う必要が生じる。よって、ローカルeNBのEnergySaving動作が非効率となり、低消費電力化が非効率となる課題が発生する。
上記課題は、上り送信の設定パラメータのうち、上り送信が許可されている時間的リソース、あるいは上り送信が許可されている時間的リソースの周期などが異なる場合に、特に顕著となる。なぜならば、該複数のマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いたウェイクアップ用上り送信を受信するために、EnergySaving動作中のローカルeNBは、該時間において受信動作をONする必要があるからである。
実施の形態1の変形例2の課題を、図17および図18を用いて再度説明する。図18は、実施の形態1の変形例2の課題を説明するロケーション図である。マクロセル1801は、カバレッジ1802を持つ。マクロセル1803は、カバレッジ1804を持つ。マクロセル1805は、カバレッジ1806を持つ。ローカルeNB1807は、カバレッジ1808を持つ。ローカルeNB1807は、マクロセル1801、マクロセル1803、マクロセル1805のセルエッジ付近に設置されている。マクロセル1803のカバレッジ1804内には、移動端末1809が存在する。
図18に示すようなロケーションで実施の形態1の変形例1を実行した場合の移動体通信システムのシーケンス例を、図17を用いて説明する。ステップST1702において、ローカルeNB1807にて、上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルとして、マクロセル1801のみならず、マクロセル1803、マクロセル1805が選択される。
ステップST1704において、ローカルeNB1807は、間欠受信を開始する。具体例としては、ステップST1703で記憶したマクロセル1801、マクロセル1803、マクロセル1805の上り送信の設定パラメータ、たとえばRACH設定にて上り送信を受信するための、間欠受信を開始する。
このように複数のマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いて、EnergySaving動作を行う必要が生じる。よって、ローカルeNBのEnergySaving動作が非効率となり、低消費電力化が非効率となる課題が発生する。このとき、マクロセル1801、マクロセル1803、マクロセル1805の上り送信の設定パラメータにて上り送信が許可されている時間的リソース、あるいは上り送信が許可されている時間的リソースの周期などが異なる場合に、特に顕著に課題が発生する。該異なる時間において、ローカルeNB1807は受信動作をONする必要が生じるからである。
実施の形態1の変形例2での解決策を以下に示す。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
ウェイクアップ用上り送信の設定を別途設ける。別途設ける具体的な方法例を以下に2つ開示する。
(1)現在規格にて決定されている既存の上り送信に用いる設定パラメータの中から、特定の設定パラメータを選択する。該設定を移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う場合の上り送信に用いる設定とする。
(2)移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う場合の上り送信に用いる設定、すなわち上り送信の設定パラメータを新設する。以降、該設定を、ローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定と称することもある。以降、ローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定に基づいて送信される信号を、ローカルeNBウェイクアップ用上り送信、あるいはローカルeNBウェイクアップ用RACHと称することもある。該ローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定は、1種類であってもよいし、複数あってもよい。具体例としては、新たなプリアンブルシーケンスを設けてもよい。具体例としては、新たな周波数−時間軸の物理リソースを設けてもよい。該新たな周波数−時間軸の物理リソースを、「PRACH Configration Index」に加えてもよい。ローカルeNBウェイクアップ用上り送信の具体的な信号例としては、PN符号などが考えられる。
このようにローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定を別途設けることによって、基地局、例えばマクロセルが密集して配置されている場合であっても、ウェイクアップ用上り送信を行う移動端末が用いる上り送信の設定パラメータの種類が増加することが無くなる。よって、多くのマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いて、EnergySaving動作を行う必要が無くなる。これによって、効率的なEnergySaving動作が実現可能となり、効率的な消費電力の低減を行うことができる。
移動端末が、該ローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定である上り送信の設定パラメータを知る方法の具体例について、以下に2つ開示する。
(1)静的(Static)に決定する。具体例としては、規格上決定する。
(2)各基地局は、傘下の移動端末に対して、現在用いられているローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定である上り送信の設定パラメータを通知する。通知の方法の具体例は、以下の2つである。(1)報知情報を用いて通知する。(2)個別信号を用いて通知する。
実施の形態1の変形例2を用いた具体的な動作例を、図18および図19を用いて説明する。まず、実施の形態1の変形例2の解決策を説明するロケーション図である図18は、上記のとおりであるので、説明を省略する。図19は、実施の形態1の変形例2の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図19において、図15に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
本動作例では、移動端末が、ローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定である上り送信の設定パラメータを知る方法の上記具体例(1)を用いた場合について開示する。
ローカルeNB1807は、ステップST1503およびステップST1504の処理を行う。次にステップST1901において、ローカルeNB1807は、間欠受信を開始する。具体例としては、静的に決定されたローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定である上り送信の設定パラメータにて上り送信を受信するための、間欠受信を開始する。次に、サービングセルであるマクロセル1803は、ステップST1506の処理を行い、移動端末1809は、ステップ1508の処理を行う。
ステップST1902において、移動端末1809は、ローカルeNB1807に対して、RACH送信を行う。該RACH送信では、静的に決定されたローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定である上り送信の設定パラメータを用いて、該RACHを送信する。次に、ローカルeNB1807は、ステップST1510およびステップST1511の処理を行う。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例2と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例2と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例2と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例2と同様の効果を得ることができる。
実施の形態1の変形例2により、実施の形態1および実施の形態1の変形例1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
基地局、例えばマクロセルが密集して配置されている場合であっても、ウェイクアップ用上り送信を行う移動端末が用いる上り送信の設定パラメータの種類が増加することが無くなる。
また、ウェイクアップ用上り送信を行う移動端末が、どのマクロセル圏内に位置するかを、ローカルeNBが知るすべがなくとも、多くのマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いて、EnergySaving動作を行う必要が無くなる。これによって、効率的なEnergySaving動作が実現可能となり、効率的な消費電力の低減を行うことができる。
実施の形態1 変形例3.
実施の形態1の変形例3において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合であっても、周辺にEnergySaving動作を行っているローカルeNBが存在しない場合には、以下課題が発生する。
実施の形態1において開示した、移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う状況を満たせば、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在しないにも関わらず、該移動端末はウェイクアップ用上り送信を行う。これにより、以下の2つの課題が発生する。
(1)移動端末から、該上り送信により、EnergySaving動作からNormal動作へ移行するローカルeNBが存在しない無用な上り送信が行われる。これにより、無線リソースの無駄が発生し、無用な上り干渉が発生するという課題が生じる。
(2)移動端末は、EnergySaving動作からNormal動作へ移行するローカルeNBが存在しない、無用な上り送信を行う必要が生じる。これにより、移動端末の処理負荷が高くなり、消費電力の無駄が発生するという課題が生じる。
実施の形態1の変形例3での解決策を以下に示す。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
移動端末が、周辺にローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行う。あるいは、移動端末が、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行う。あるいは、移動端末が、周辺にEnergySaving動作中、すなわち低電力動作状態のローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行う。
移動端末が、周辺にローカルeNBが存在するか否かを判断する方法の具体例としては、サービングセルから傘下の移動端末に対して、周辺にローカルeNBが存在するか否かに関する情報を通知する方法が挙げられる。
周辺にローカルeNBが存在するか否かに関する情報の具体例としては、(1)ローカルeNBが存在するか否かの情報、(2)ローカルeNBが存在する情報、(3)ローカルeNBが存在しない情報、がある。これら(1)〜(3)のいずれかの情報を受信した移動端末は、ローカルeNBがEnergySaving動作中であるか否かを判断することはできないが、周辺にローカルeNBが存在しない場合に行う、移動端末からの無用なウェイクアップ用上り送信を削減することが可能となる。
移動端末が、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かを判断する方法の具体例としては、サービングセルから傘下の移動端末に対して、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かに関する情報を通知する方法が挙げられる。
周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かに関する情報の具体例としては、(1)EnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かの情報、(2)EnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在する情報、(3)EnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在しない情報、がある。これら(1)〜(3)のいずれかの情報を受信した移動端末は、ローカルeNBがEnergySaving動作中であるか否かを判断することはできないが、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在しない場合に行う、移動端末からの無用なウェイクアップ用上り送信を削減することが可能となる。
移動端末が、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かを判断する方法の具体例としては、サービングセルから傘下の移動端末に対して、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かに関する情報を通知する方法が挙げられる。
周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かに関する情報の具体例としては、(1)EnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かの情報、(2)EnergySaving動作中のローカルeNBが存在する情報、(3)EnergySaving動作中のローカルeNBが存在しない情報、がある。これら(1)〜(3)のいずれかの情報を受信した移動端末は、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在しない場合に行う、移動端末からの無用なウェイクアップ用上り送信を削減することが可能となる。
サービングセルから傘下の移動端末に対して、周辺にローカルeNBが存在するか否かに関する情報、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かに関する情報、または周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かに関する情報を通知する方法の具体例を、以下に2つ開示する。(1)報知情報を用いて通知する。(2)個別信号を用いて通知する。
また、実施の形態1を適用する場合、前述の図15に示すステップST1507の「傘下の移動端末に対して、ステップST1502で受信したローカルeNB1303のRACH設定を通知」によって、「周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かに関する情報」を合わせて通知することが可能となる。該ステップST1507の「傘下の移動端末に対して、ステップST1502で受信したローカルeNB1303のRACH設定を通知」によって、上記(2)のEnergySaving動作中のローカルeNBが存在する情報を合わせて通知することが可能となる。
サービングセルが、周辺にローカルeNBが存在するか否かを知る方法の具体例について、以下に開示する。ローカルeNBは、設置されたことを周辺セルへ通知する。該通知には、S1インタフェースまたはX2インタフェースまたはバックホールリンクを用いることができる。ローカルeNBが、設置されたことを通知する周辺セルを決定する方法の具体例は、実施の形態1の変形例1の「ローカルeNBが報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定である上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルを決定する方法」と同様であるので、説明を省略する。
サービングセルが、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かを知る方法の具体例について、以下に開示する。ローカルeNBは設置された場合、EnergySaving動作を実行可能な能力を有するか否かに関する情報を周辺セルへ通知する。
EnergySaving動作を実行可能な能力を有するか否かに関する情報の具体例としては、(1)EnergySaving動作を実行可能な能力を有するか否かの情報、(2)EnergySaving動作を実行可能な能力を有する情報、(3)EnergySaving動作を実行可能な能力を有しない情報、がある。これら(1)〜(3)のいずれかの情報の通知には、S1インタフェースまたはX2インタフェースまたはバックホールリンクを用いることができる。ローカルeNBは設置された場合、EnergySaving動作を実行可能な能力を有するか否かに関する情報を通知する周辺セルを決定する方法の具体例は、実施の形態1の変形例1の「ローカルeNBが報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定である上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルを決定する方法」と同様であるので、説明を省略する。
サービングセルが、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かを知る方法の具体例として、以下の(A)および(B)の2つを開示する。
(A)ローカルeNBは、EnergySaving動作中か否かに関する情報を周辺セルへ通知する。EnergySaving動作中か否かに関する情報の具体例としては、(1)EnergySaving動作開始を示す情報、(2)EnergySaving動作終了を示す情報、(3)EnergySaving動作中か否かを示す情報、(4)EnergySaving動作中を示す情報、(5)EnergySaving動作中ではないことを示す情報がある。
非特許文献9には、基地局がスイッチオフした場合、そのことを他の基地局に、X2インタフェースを用いて通知することが開示されている。一方、上記のとおりローカルeNBの一つであるHeNBにおいては、X2インタフェースがサポートされない(非特許文献1 4.6.1.章参照)。よって非特許文献9に開示される方法では、HeNBに対して、スイッチオフしたことを通知することができないという課題が発生する。実施の形態1の変形例3では、EnergySaving動作中か否かに関する情報を、X2インタフェース、あるいはS1インタフェースを用いて周辺のノードへ通知する。
ローカルeNBが、EnergySaving動作中か否かに関する情報を通知する周辺セルを決定する方法の具体例は、実施の形態1の変形例1の「ローカルeNBが報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定である上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルを決定する方法」と同様であるので、説明を省略する。
また、実施の形態1を適用する場合、前述の図15に示すステップST1503において、ローカルeNB1303が、通常の動作から消費電力低減動作(EnergySaving動作)への移行のトリガの有無を判断し、以降トリガが有ると判断した後に、ステップST1502の処理を実行して、マクロセル1301へ、ローカルeNB1303の上り送信の設定パラメータを通知した場合を考える。つまり、ステップST1503において「YES」と判断した後、あるいはステップST1504の後、あるいはステップST1505の後に、ステップST1502を行った場合を考える。
この場合、該ステップST1502の「マクロセル1301へ、ローカルeNB1303の上り送信の設定パラメータを通知」によって、「EnergySaving動作中か否かに関する情報」を合わせて通知することが可能となる。該ステップST1502の「マクロセル1301へ、ローカルeNB1303の上り送信の設定パラメータを通知」によって、上記(1)のEnergySaving動作開始を示す情報、あるいは上記(4)のEnergySaving動作中を示す情報を合わせて通知することが可能となる。
(B)サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号(Paging信号)を新たに設ける。サービングセルは、EnergySaving動作中のローカルeNBの、該呼出信号に対しての応答信号(Ack信号)を受信することで、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在することを知る。
サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号の具体例について、以下に開示する。サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号が用いるキャリアについて開示する。呼出信号は、サービングセルと傘下の移動端末との間で用いられている下りキャリアと同じキャリアを、あるいはサービングセルと傘下の移動端末との間で用いられているCC(コンポーネントキャリア)と同じCCを用いる。
ローカルeNBが傘下の移動端末への下り送信に、サービングセルと同じ下りキャリア、あるいは同じCCを用いていた場合を考える。その場合、ローカルeNBは、自分の送信信号が干渉源(以降、自己干渉と称することもある)となり、サービングセルからの下り信号を受信することはできない。一方、本発明では、ローカルeNBは、EnergySaving動作において、送信動作をOFFすることを開示している。よって、上記自己干渉を生じさせることなく、EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号に、サービングセルと傘下の移動端末との間で用いられている下りキャリアと同じキャリアなどを用いることができる。
また、EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号に、傘下の移動端末との間で用いられる通常の下りキャリアと同じキャリアを用いることができることによって、サービングセルの処理負荷の増加を抑えつつ、EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号を新たに設けることが可能となる。
サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号をローカルeNBが受信するために用いる識別子(RNTI)の具体例について、以下に2つ開示する。
(1)移動端末が、サービングセルからの呼出信号を受信するために用いる識別子を用いる。
(2)サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号をローカルeNBが受信するために用いる識別子を新たに設ける(以降、P−RNTI_ローカルeNBと称することもある)。LTE、LTE−Aにおいて、移動端末は、ページングチャネル(PCH)を受信するために、以下の動作を行う(3GPP TS 36.321 V9.1.0(以下「非特許文献14」という)5.5章参照)。
P-RNTI(Paging-RNTI)用にPCH割当がPDCCH上で受信された場合、該PDCCHの割当情報に示されているとおり、PDSCH上にマッピングされるPCHのデコードを試みる。なお、P-RNTIはシステムで1つ、固定とされている(非特許文献14 7.1章参照)。よって、サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号をローカルeNBが受信するために用いる識別子と、従来の移動端末がサービングセルからの呼出信号を受信するために用いる識別子(P-RNTI)とを同じにした場合、EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号であっても、同じサービングセル傘下の移動端末が、PCHのデコードを試みる必要が生じる。
P-RNTIとは別に、P−RNTI_ローカルeNBを設けることにより、EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号に対して、同じサービングセルの傘下の移動端末が、PCHのデコードを試みることを防ぐことができ、移動端末の処理負荷が増加することを防ぎ、消費電力の増加を防ぐことができる。該P−RNTI_ローカルeNBは、システムとして1つとしてもよい。またP−RNTI_ローカルeNBは、システムとして静的に決定するとしてもよい。これにより、ローカルeNBに割当不要という効果を得ることができる。
サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号の送信タイミングの具体例について、以下に開示する。
(1)送信タイミングは、時間的に離散している。これにより、ローカルeNBがEnergySaving動作にて該EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号を受信するため、連続受信を要せず、間欠受信で足りることとなる。EnergySaving動作における間欠受信動作は、連続受信動作と比較して、低消費電力化に有効である。
(2)送信が許可されているリソースが時間的に周期を持っている。これにより、ローカルeNBに対する度々の送信が許可されているリソースの通知が不要となる。またサービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号の送信タイミングと、ウェイクアップ用上り送信が許可されている時間的リソースとを同じとすることで、更なる低消費電力化が実現できる。またサービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号の送信タイミングの周期と、ウェイクアップ用上り送信が許可されている時間的リソースの周期とを同じとすることで、更なる低消費電力化が実現できる。
また、上記呼出信号に対しての、EnergySaving動作中のローカルeNBの、該呼出信号に対しての応答信号(Ack信号)の送信方法の具体例について、以下に開示する。
応答信号は、バックホールリンク、S1インタフェース、X2インタフェースを用いて通知してもよい。
応答信号は、サービングセルの傘下の移動端末とサービングセルとの間で用いられている上りキャリアと同じキャリア、あるいはサービングセルの傘下の移動端末とサービングセルとの間で用いられているCCと同じCCを用いる。これにより、サービングセルは1つのキャリアを用いて受信動作を行えばよく、サービングセルの処理の負荷を軽減することができるという効果を得ることができる。また周波数利用効率を上げるという点からも有効である。実施の形態1の変形例1を用いる場合、移動端末からのウェイクアップ用上り送信で用いる上り周波数情報と、上記応答信号で用いる上り周波数情報とが同じとなる。これにより、ローカルeNBにおける応答信号の送信動作と、ウェイクアップ用上り送信の受信動作とにおいて、同じ周波数を用いることとなる。よってローカルeNBにおいて自己干渉が発生し、受信品質が劣化してウェイクアップ用上り送信の受信失敗が発生する可能性がある。該課題の解決策を以下に開示する。該応答信号の送信動作とウェイクアップ用上り送信の受信動作とのタイミングを異ならせる。これにより、ローカルeNBにおける自己干渉の発生を防止することができる。
次に、移動端末が周辺にローカルeNBが存在すると判断した場合、あるいは周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在すると判断した場合、あるいは周辺にEnergySaving動作中、すなわち低電力動作状態のローカルeNBが存在すると判断した場合に、移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う状況の具体例について、以下に5つ開示する。
(1)サービングセルの受信品質が下がった場合、あるいはサービングセルとなり得るセルが存在しない場合。例えば、サービングセルのセルエッジに、EnergySaving動作中のローカルeNBが存在した場合、移動端末からのウェイクアップ上り送信により、該ローカルeNBがNormal動作に移行する。これによって、サービングセルから該ローカルeNBへハンドオーバ、あるいは該ローカルeNBをセルリセレクトすることで、該移動端末が移動体通信システムのサービスを継続的に受けることができる。
(2)従来の技術のRACH送信の条件が満たされた場合。具体例としては、TAU送信、移動端末側からのサービスリクエストが発生した場合(発呼と称される場合もある)。
(3)周期的。
(4)ユーザが操作をした場合。
(5)セルセレクションのための周辺セルの測定の際、あるいはセルリセレクションのための周辺セルの測定の際、あるいはハンドオーバのための周辺セルの測定の際に、以下に該当する周辺セルを発見した場合。周辺にローカルeNBが存在する周辺セル、あるいは周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在する周辺セル、あるいは周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在する周辺セル。この場合、移動端末は周辺セルの測定の際に、周辺セルの報知情報を受信、デコードすることで、周辺にローカルeNBが存在するか否かに関する情報、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かに関する情報、または周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かに関する情報を取得すればよい。
実施の形態1の変形例3を用いた具体的な動作例を、図14および図20を用いて説明する。まず、実施の形態1の変形例3の解決策を説明するロケーション図である図14は、上記のとおりであるので、説明を省略する。図20は、実施の形態1の変形例3の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図20において、図15に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
本動作例においては、移動端末が、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行う場合を示す。また、サービングセルが、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かを知る方法は、上記具体例(B)について示す。
ローカルeNB1303は、ステップST1501、ステップST1502、ステップST1503およびステップST1504の各処理を行う。次に、ステップST2001において、ローカルeNB1303は、間欠受信を開始する。具体例としては、ローカルeNB1303のRACH設定にて上り送信を受信するための、間欠受信を開始する。また併せて、サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号を受信するための間欠受信を開始する。つまり、EnergySaving動作中であっても、両信号の割当てられる送信タイミング、あるいは時間的リソースで受信を行う。
ステップST2002において、サービングセルであるマクロセル1301は、ローカルeNB1303へEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号を送信する。
ステップST2003において、ローカルeNB1303は、マクロセル1301からEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号を受信したか否かを判断する。EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号を受信した場合は、ステップST2004へ移行する。EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号を受信していない場合は、ステップST2003の判断処理を繰り返す。
ステップST2004において、ローカルeNB1303は、マクロセル1301へEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号に対する応答信号(Ack信号)を送信する。
ステップST2005において、マクロセル1301は、EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号に対する応答信号を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップST2006へ移行する。受信しなかった場合は、ステップST2007へ移行する。
ステップST2006において、マクロセル1301は、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在すると判断する。
ステップST2007において、マクロセル1301は、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在しないと判断し、ステップST2002へ戻る。
ステップST2008において、マクロセル1301は、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在する情報を、移動端末1401へ通知する。次に、マクロセル1301は、ステップST1506およびステップST1507の処理を行う。
ステップST2009において、移動端末1401は、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かを判断する。存在すると判断した場合は、ステップST1508へ移行する。存在しないと判断した場合は、ステップST2009の判断処理を繰り返す。次に、移動端末1401は、ステップST1508およびステップST1509の処理を行い、ローカルeNB1303は、ステップST1510およびステップST1511の処理を行う。
本動作例においては、移動端末1401は、ステップST2008において、マクロセル1301から、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在する情報を受信した場合は、ステップST2009で、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在すると判断する。反対に、ステップST2008において、マクロセル1301から、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在する情報を受信しない場合は、ステップST2009で、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在しないと判断する。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例3と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例3と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例3と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例3と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例3により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
移動端末が、周辺にローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行うことができる。あるいは、移動端末が、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行うことができる。あるいは、移動端末が、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行うことができる。
よって、周辺にローカルeNBが存在する、あるいはEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在する、あるいは周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在する場合にのみ、ウェイクアップ用上り送信を行うことになる。
これにより、例えば周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在しない場合のウェイクアップ用上り送信のような、無用な上り送信を削減することができる。これによって、無線リソースを有効に活用することができ、無用な干渉を除去することが可能となる。また、移動端末の低消費電力化を実現することができる。
実施の形態1 変形例4.
実施の形態1の変形例4において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合、移動端末からの上り送信電力を決定する際に、以下の課題が発生する。
LTE、LTE−Aにおいて、実施の形態1の解決策を実行し、移動端末からの上り送信にPRACHを用いた場合を考える。
3GPP TS 36.213 V9.0.1(以下「非特許文献15」という)には、PRACHの初期送信電力について、以下の式(1)に示すように規定されている。
PPRACH=min{Pcmax,PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER+PL} [dBm]…(1)
式(1)において、「PL」はパスロスを示す。式(1)の「Pcmax」は、以下の式(2)で決定され、式(1)の「PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER」は、以下の式(3)に示すように規定される(非特許文献14 5.1.3章参照)。
Pcmax=min{Pemax,Pumax} …(2)
式(2)において、「Pemax」は、セル毎に設定され、傘下の移動端末に報知される値であり、「Pumax」は、移動端末の能力(Capability)から決定される。
PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER=preambleInitialReceivedTargetPower
+DELTA_PREAMBLE+(PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER-1)*powerRampingStep …(3)
式(3)において、「preambleInitialReceivedTargetPower」は、RACH設定の一部であり、「DELTA_PREAMBLE」は、プリアンブルフォーマットに基づいて決定される(非特許文献14 7.6章参照)。プリアンブルフォーマットは、RACH設定の一部である。「PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER」は、何回目のプリアンブル送信かを示す。「powerRampingStep」は、RACH設定の一部であり、「*」は乗算「×」を示す(非特許文献12参照)。
LTE、LTE−Aにおいて、実施の形態1の解決策を実行した場合、移動端末で式(1)の「PL」と式(2)の「Pemax」とが不確定となり、移動端末がPRACHの初期送信電力を決定できないという課題が発生する。
また、3GPP R1−094839(以下「非特許文献16」という)には、以下の事項が開示されている。サービングセルが、自セルの調整情報(coordination Information)を範囲内のHeNBへ、自セルと接続中(Connected中)の移動端末経由で通知する技術が開示されている。その場合に、該移動端末が該通知に必要な上り送信電力を、該移動端末によるHeNBの下り受信品質の測定値に基づいて、サービングセルが該移動端末へ通知する、あるいは該移動端末が推測することが開示されている。
一方、実施の形態1では、EnergySaving動作中のローカルeBNは、送信動作をOFFしている。つまり、移動端末は、EnergySaving動作中のローカルeNBの下り受信品質を測定することはできない。
よって、実施の形態1においては、非特許文献16に開示される技術を用いて、上り送信電力を決定することはできない。
実施の形態1の変形例4での解決策を以下に示す。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
まず、「Pemax」についての解決策を開示する。ローカルeNBは、自セルの「Pemax」を実施の形態1の上り送信の設定パラメータと同様に、S1インタフェースを用いて周辺のノードへ通知する。その後、実施の形態1の上り送信の設定パラメータと同様の方法を取ることにより、PRACHを送信する移動端末は、「Pemax」を知ることができる。移動端末は、該「Pemax」を用いて、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの初期送信電力を決定する。
次に、「PL」についての解決策を開示する。移動端末は、サービングセルのパスロスを用いる。これにより、PRACHを送信する移動端末は、「PL」を確定することができる。移動端末は、該「PL」を用いて、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの初期送信電力を決定する。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例4と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例4と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例4と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例4と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、および実施の形態1の変形例3とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例4により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。LTE、LTE−Aにおいては、実施の形態1の解決策を実行し、移動端末からの上り送信にPRACHを用いた場合であっても、移動端末がPRACHの初期送信電力を決定することができる。
実施の形態1 変形例5.
実施の形態1の変形例5において解決する課題について説明する。実施の形態1の変形例4の解決策を実行した場合であっても、以下の課題が発生する。
実施の形態1の変形例4では、移動端末は、PRACHの初期送信電力を決定する際、模擬的にサービングセルのパスロスを用いる。よって、移動端末の存在する位置によっては、無用に大きいPRACHの初期送信電力となり、在圏できないローカルeNBのEnergySaving動作を解除してしまう。よって、ローカルeNBの低消費電力化が非効率になるという課題が発生する。また、移動端末の存在する位置によっては、無用に大きいPRACHの初期送信電力となり、無用な上り干渉が発生するという課題が生じる。
実施の形態1の変形例5の課題を、図21を用いて再度説明する。図21は、実施の形態1の変形例5の課題を説明するロケーション図である。図21において、図13に対応する部分については同一の参照符を付して、説明を省略する。
場所Aに、移動端末2101が存在している場合を考える。移動端末2101が、ウェイクアップ用上り送信として、PRACHを送信する場合を考える。移動端末2101が、PRACHの初期送信電力を決定する際、模擬的にサービングセルのパスロスを用いる。場所Aに位置する移動端末2101のサービングセル(マクロセル)1301のパスロスは、サービングセル1301から移動端末2101への下り信号2102に基づいて測定される。実施の形態1の変形例4で開示した、PRACHの初期送信電力を求める式(1)で「PL」は加えられている。サービングセルから遠くに位置する移動端末は、パスロス「PL」も大きくなり、同じ位置から該サービングセルへの上り信号にも同様に大きな送信電力が必要であるという趣旨である。
場所Aに位置する移動端末2101のサービングセル(マクロセル)1301のパスロスがPL_Aであったとする。この場合、移動端末2101のウェイクアップ用上り送信としてのPRACH初期送信電力にも、該「PL_A」が加えられる。よって概念的に、ウェイクアップ用上り信号パワーは、場所Aからマクロセル1301へ届く上り送信電力と等しい大きさとなるので、PRACH2103のようになる。よって、場所Aに位置する移動端末2101から送信されるウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2103を、ローカルeNB1303が受信可能となる。場所Aは、ローカルeNB1303のカバレッジ1304外である。よって、ローカルeNB1303が、EnergySaving動作を解除したとしても、移動端末2101が、ローカルeNB1303経由で移動体通信システムのサービスを受けることはできない。よって、ローカルeNBで無駄なEnergySaving動作の解除が発生し、低消費電力化が非効率になるという課題が発生する。
場所Bに、移動端末2104が存在している場合を考える。移動端末2104は、ウェイクアップ用上り送信として、PRACHを送信する場合を考える。移動端末2104が、PRACHの初期送信電力を決定する際、模擬的にサービングセルのパスロスを用いる。場所Bに位置する移動端末2104のサービングセル(マクロセル)1301のパスロスは、サービングセル1301から移動端末2104への下り信号2105に基づいて測定される。
場所Bに位置する移動端末2104のサービングセル(マクロセル)1301のパスロスがPL_Bであったとする。この場合、移動端末2104のウェイクアップ用上り送信としてのPRACH初期送信電力にも、該「PL_B」が加えられる。よって概念的に、ウェイクアップ用上り信号パワーは、場所Bからマクロセル1301へ届く上り送信電力と等しい大きさとなるので、PRACH2106のようになる。よって、場所Bに位置する移動端末2104から送信されるウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2106を、ローカルeNB1303が受信可能となる。しかし、ローカルeNB1303が受信可能となるためには、ウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2107程度の送信電力であれば十分である。よって、無用に大きいPRACHの初期送信電力となり、無用な上り干渉が発生するという課題が発生する。
実施の形態1の変形例5での解決策を以下に示す。実施の形態1の変形例4の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1の変形例4と同様とする。
ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの初期送信電力を決定する際に用いる「PL」の値を固定値とする。該値の具体例としては、ローカルeNBのセルエッジから、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを送信した場合にローカルeNBが受信可能となる、必要十分な値、すなわち大き過ぎもせず、小さ過ぎもしない値が挙げられる。該値の具体例を以下に2つ開示する。
(1)静的(Static)に決定する。具体例としては、規格上決定する。
(2)ローカルeNB毎とする。各ローカルeNBは、上り送信の設定パラメータとして、サービングセルへ通知する。各基地局は、傘下の移動端末に対して通知する。通知の方法の具体例を以下に2つ開示する。(1)報知情報を用いて通知する。(2)個別信号を用いて通知する。
図22は、実施の形態1の変形例5の解決策を用いた場合の概念図である。図22において、図13および図21に対応する部分については同一の参照符を付して、説明を省略する。
場所Aに、移動端末2101が存在している場合を考える。移動端末2101は、ウェイクアップ用上り送信としてPRACHを送信する場合、PRACHの初期送信電力を決定するために、「PL」として固定値を用いる。該固定値がローカルeNBのセルエッジからウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを送信した場合にローカルeNBが受信可能となる、必要十分な値、すなわち大き過ぎもせず、小さ過ぎもしない値であった場合を考える。この場合、移動端末2101のウェイクアップ用上り送信としてのPRACH初期送信電力にも該固定値の「PL」が加えられる。よって概念的には図22のウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2201のようになる。よって、場所Aに位置する移動端末2101から送信されるウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2201をローカルeNB1303が受信不可能となる。
場所Aは、ローカルeNB1303のカバレッジ1304外である。よってローカルeNB1303がEnergySaving動作を解除したとしても、移動端末2101がローカルeNB1303経由で移動体通信システムのサービスを受けることはできない。本変形例のようにすることによって、このローカルeNBの無駄なEnergySaving動作の解除が起こらないので、低消費電力化が非効率になるという課題を解決することができる。
場所Bに移動端末2104が存在している場合を考える。移動端末2104は、ウェイクアップ用上り送信としてPRACHを送信する場合、PRACHの初期送信電力を決定する際、「PL」として固定値を用いる。この場合、移動端末2104のウェイクアップ用上り送信としてのPRACH初期送信電力にも、該固定値「PL」が加えられる。よって概念的には、図22のウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2202のようになる。よって、場所Bに位置する移動端末2104から送信されるウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2202を、ローカルeNB1303が受信可能となる。
また、ウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2202の送信電力は、ローカルeNB1303が受信可能となるために十分である、ウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2107の送信電力と大きい差がなくなる。よって、無用に大きいPRACHの初期送信電力となることを防ぎ、無用な上り干渉が発生するという課題を解決することができる。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例5と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例5と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例5と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例5と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1の変形例4と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、および実施の形態1の変形例3とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例5により、実施の形態1の変形例4の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの初期送信電力が必要以上に大きくなることを防ぐことができる。よって、ローカルeNBの無駄なEnergySaving動作の解除を防止し、効率的な低消費電力化を図ることができる。また無用な干渉の発生を抑制することができる。
実施の形態1 変形例6.
実施の形態1の変形例6において解決する課題について説明する。実施の形態1を用いた場合であっても、以下の課題が発生する。
非特許文献15(6.1章)には、ランダムアクセスプロシジャー(Random access procedure)について開示されている。該プロシジャーについて図23を用いて説明する。図23は、非特許文献15に開示されているランダムアクセスプロシジャーを説明する移動体通信システムのシーケンス図である。
ステップST2301において、移動端末(UE)は、ランダムアクセスプリアンブル(Random Access Preamble)を、PRACHを用いて基地局(eNB)に送信する。該PRACHの初期送信電力は、実施の形態1の変形例4などで示したとおりである。
ステップST2302において、ランダムアクセスプリアンブルを受信した基地局は、ランダムアクセスレスポンス(Random Access Response)を、PDCCHを用いて移動端末に送信する。移動端末は、ランダムアクセスレスポンスが含まれていないかを確認するために、RA−RNTI(Random Access RNTI)を用いて、PDCCHを受信する必要がある。RA−RNTIとは、移動端末が、ランダムアクセスレスポンスを受信するために用いる識別子である。
ステップST2303において、ランダムアクセスレスポンスを受信した移動端末は、ランダムアクセスレスポンスにて割当てられたPUSCHを用いて、スケジュールドトランスミッション(Scheduled Transmission)を基地局に送信する。
ステップST2304において、スケジュールドトランスミッションを受信した基地局は、コンテンションレゾリューション(Contention Resolution)を移動端末に送信する。上記のように、移動端末は、基地局でPRACHが受信されたか否かを判断するために、RA−RNTIを用いて、PDCCHを受信する必要がある。
EnergySaving動作中のローカルeNBが、該移動端末からのウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを受信し、Normal動作へ移行して下り送信を開始したとする。しかし、該移動端末がサーチ動作、例えば図12に示す動作を行い、その結果として該ローカルeNBを発見(Detect)するまでには時間を要する。よって該移動端末が、図23のステップST2302における該ローカルeNBからのランダムアクセスレスポンスの受信を失敗と判断する可能性が高くなるという課題が発生する。
また、該移動端末のサービングセルは、該ローカルeNBとは異なるセルである。移動端末は、異なる2つの基地局からのPDCCHは受信できない。よって、該ローカルeNBからのランダムアクセスレスポンスがマッピングされるPDCCHを受信するために、移動端末は、ハンドオーバあるいはセルリセレクションを実行する必要がある。周辺にEnergySaving中のローカルeNBが存在するという確証もなく、存在したとしても、該ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの受信に成功し、該ローカルeNBがNormal動作へ移行するという確証もない時点で、移動端末は、ハンドオーバあるいはセルリセレクションを実行する必要がある。このように、移動端末の無駄なハンドオーバ処理、あるいは無駄なセルリセレクション処理が発生する。
実施の形態1の変形例6での解決策を以下に示す。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
ウェイクアップ用上り送信としてPRACHを送信した移動端末は、ランダムアクセスレスポンスを受信しなくてもよいものとする。基地局は、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを受信した場合は、ランダムアクセスレスポンスを、PDCCHを用いて送信しないものとする。
基地局において上記判断を可能とするために、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHと、従来のPRACHとを区別できるようにする。具体例としては、ランダムアクセスプリアンブルに、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを示すインジケータを設ける。これにより、基地局は、図23のステップST2301におけるランダムアクセスプリアンブルの受信時に、該区別を実行することができ、ランダムアクセスレスポンスを送信しない処理を行うことができる。
図24は、実施の形態1の変形例6の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図24において、図23に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
移動端末は、ステップST2301において、ランダムアクセスプリアンブルを、PRACHを用いて基地局に送信する。ステップST2401において、ランダムアクセスプリアンブルを受信した基地局は、該ランダムアクセスプリアンブルが、ウェイクアップ用上り送信であるか否かを判断する。ウェイクアップ用上り信号であると判断した場合は、ステップST2402へ移行する。ウェイクアップ用上り信号ではないと判断した場合は、ステップST2302へ移行する。ステップST2302では、基地局は、ランダムアクセスレスポンスを、PDCCHを用いて移動端末に送信する。
ステップST2401の処理の判断の具体例としては、ランダムアクセスプリアンブル中に、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを示すインジケータがマッピングされていれば、該ランダムアクセスプリアンブルは、ウェイクアップ用上り送信であると判断する。一方、ランダムアクセスプリアンブル中に、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを示すインジケータがマッピングされていなければ、該ランダムアクセスプリアンブルは、ウェイクアップ用上り送信信号ではないと判断する。
ステップST2402において、基地局は、EnergySaving動作中であるか否かを判断する。EnergySaving動作中であると判断した場合は、ステップST2403へ移行する。EnergySaving動作中ではないと判断した場合は、処理を終了する。
ステップST2403において、EnergySaving中の基地局は、Normal動作へ移行する。
ステップST2404において、ランダムアクセスプリアンブルを送信した移動端末は、該ランダムアクセスプリアンブルがウェイクアップ用上り送信であるか否かを判断する。ウェイクアップ用上り信号であると判断した場合は、処理を終了する。ウェイクアップ用上り信号ではないと判断した場合は、ステップST2303へ移行する。ステップST2303では、移動端末が、ランダムアクセスレスポンスにて割当てられたPUSCHを用いて、スケジュールドトランスミッションを基地局に送信する。ステップST2304では、基地局は、コンテンションレゾリューションを移動端末に送信する。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、および実施の形態1の変形例5とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例6により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを送信した移動端末は、ランダムアクセスレスポンスがマッピングされるPDCCHを受信する必要がなくなる。これにより、ウェイクアップ用上り送信としてPRACHを送信した移動端末が、ランダムアクセスレスポンスの受信失敗と判断することがなくなる。また、サービングセルとは異なるセルからのPDCCHを受信する必要がなくなるので、無駄なハンドオーバ処理、および無駄なセルリセレクション処理を削減できる。
また、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを受信した基地局は、ランダムアクセスレスポンスの送信を削減することができる。これにより、基地局の処理の負荷を軽減することができ、無線リソースを有効に活用することができる。
実施の形態1 変形例7.
実施の形態1の変形例7において解決する課題について説明する。実施の形態1の変形例6を用いた場合であっても、以下の課題が発生する。
プリアンブルの送信は、基地局で正常に受信されるまで繰り返される。しかし、ウェイクアップ用上り送信としてPRACHを送信した移動端末は、ランダムアクセスレスポンスを受信しなくてもよいものとすると、該移動端末は、該PRACHが基地局で正常に受信されたか否かを判断することができない。よって、プリアンブル送信動作が不確定となる問題が発生する。
これに伴い、上り送信電力を決定する際に、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5を用いた場合であっても、以下の課題が発生する。何回目のプリアンブル送信であるかを示す「PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER」が不確定となる問題が発生する。移動端末がPRACHの初期送信電力を決定できないという課題が再度発生する。
実施の形態1の変形例7での解決策を以下に示す。実施の形態1と実施の形態1の変形例4、あるいは実施の形態1と実施の形態1の変形例5の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と実施の形態1の変形例4、あるいは実施の形態1と実施の形態1の変形例5と同様とする。
ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの初期送信電力を決定する際に、PRACHの送信回数を固定値回繰り返すとする。移動端末の周辺セルの測定により、新たにローカルeNBを検出した場合に繰り返し送信を止めるとしてもよい。
ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの初期送信電力を決定する際に、PRACHの送信回数を固定値とする場合は、移動端末は、PRACHの送信回数までは、自動的にPRACHの再送を行う。
本変形例では、実施の形態1と実施の形態1の変形例4、あるいは実施の形態1と実施の形態1の変形例5と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、および実施の形態1の変形例3とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例7により、実施の形態1、実施の形態1の変形例4、および実施の形態1の変形例5の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。ウェイクアップ用上り送信としてPRACHを送信した移動端末は、ランダムアクセスレスポンスを受信しなくてもよいとした場合においても、移動端末がPRACHの送信動作を確定することができ、さらに初期送信電力を決定することができる。
実施の形態1 変形例8.
実施の形態1の変形例8において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合であっても、以下の課題が発生する。
実施の形態1を実行し、あるローカルeNBがEnergySaving動作からNormal動作へ移行した場合を考える。この移行により、ある移動端末が、該ローカルeNBのカバレッジ内に位置することとなり、正常に待受けることができたとする。しかし、該移動端末がCONNECTED状態へ移行しないと仮定する。その場合、該ローカルeNBは、通常の動作から消費電力低減動作への移行のきっかけ(トリガ)を検出し、再度EnergySaving動作に移行する。これにより、該移動端末が該ローカルeNBに在圏できなくなり、他の周辺セルも存在しない場合において該移動端末は、圏外となり移動体通信システムのサービスを受けられないという課題が発生する。
実施の形態1の変形例8での解決策を以下に4つ開示する。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
(1)ローカルeNBの上り送信の設定を用いて、ウェイクアップ用上り送信を行う。ローカルeNBがEnergySaving動作へ移行した場合、該ローカルeNBがNormal動作時に正常に待受けていた移動端末を仮定する。該移動端末にとって、Normal動作時の該ローカルeNBは、サービングセルとなる。該ローカルeNBのEnergySaving動作への移行に伴い、該移動端末におけるサービングセルの受信品質が下がることになる。よって、該移動端末が、ウェイクアップ用上り送信を行う状況が満たされ、該移動端末が、ウェイクアップ用上り送信を行うこととなる。このウェイクアップ用上り送信を受信した該ローカルeNBは、EnergySaving動作からNormal動作へ移行する。
(2)ローカルeNBにキャンプオンした後に圏外になった場合、ウェイクアップ用上り送信を行う。キャンプオン中のローカルeNBがEnergySaving動作へ移行したために、該移動端末が圏外となった場合に有効である。該ローカルeNBがEnergySaving動作を実行可能な能力を有する場合のみ、移動端末は該ウェイクアップ用上り送信を行うとしてもよい。該能力を有しない場合は、キャンプオン中のローカルeNBがEnergySaving動作へ移行したために、該移動端末が圏外となる状況は発生しない。よって、移動端末が無駄な上り送信を行うことを防ぐことができ、無線リソースの有効活用、上り干渉の低減、移動端末の低消費電力化を実現できるという効果を得ることができる。
(3)ウェイクアップ用上り送信を受信したローカルeNBは、一定期間(T_a)はNormal動作を行うものとする。移動端末が、周期的(T_b)にウェイクアップ用上り送信を行う。T_a≧T_bとすることで、ウェイクアップ用上り信号を受信可能な範囲に移動端末が存在する場合に、該ローカルeNBが、再度EnergySaving動作へ移行することを防ぐことができる。
(4)ローカルeNBは、通常の動作から消費電力低減動作への移行のきっかけ(トリガ)が存在した場合であっても、通常の動作から消費電力低減動作へ移行する前に、傘下に待受け中の移動端末が存在するか否かを確認する。傘下に待受け中の移動端末が存在する場合は、Normal動作を継続する。一方、傘下に待受け中の移動端末が存在しない場合は、EnergySaving動作へ移行する。これにより、傘下に待受け中の移動端末が存在する場合に、該ローカルeNBがEnergySaving動作へ移行することを防ぐことができる。該判断は、通常の動作から消費電力低減動作への移行のきっかけ(トリガ)として実施の形態1に示す具体例(1)「ローカルeNBの傘下にある期間、CONNECTEDの移動端末が存在しない場合、あるいはローカルeNBの傘下にある期間、IDLEの移動端末のみが存在する場合」に適用してもよい。
傘下に待受け中の移動端末が存在するか否かを確認する方法の具体例について、以下に開示する。傘下の移動端末宛に一斉呼出を行う。該呼び出しに応答する移動端末が存在すれば、傘下にCONNECTED中の移動端末、あるいはIDLE中の移動端末が存在すると判断する。一方、該呼び出しに応答する移動端末が存在しなければ、傘下にCONNECTED中の移動端末もIDLE中の移動端末も存在しないと判断する。
一斉呼び出しの方法の具体例について、以下に開示する。傘下の移動端末宛に、一斉呼出信号(Paging信号)を新たに設ける。傘下の移動端末宛の一斉呼出に用いる識別子(以降、P−RNTI_一斉と称することもある)を新たに設ける。従来のP−RNTIとは別にP−RNTI_一斉を新設することで、以下の効果を得ることができる。従来の方法では、P−RNTIを受信した移動端末は、自移動端末宛の呼び出しであるかを確認するために、PCHのデコードを試みる必要がある。一方、P−RNTI_一斉を受信した移動端末は、全移動端末宛であることを認識できるため、PCHのデコードを行い、自移動端末宛であるかを確認する必要はなく、応答することが可能となる。これにより、移動端末の処理の負荷を軽減することができ、制御遅延を防止することができる。
該傘下の移動端末宛の一斉呼出の技術は、ローカルeNBのみではなく、すべてのタイプのeNBで用いることができる。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例8と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例8と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例8と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例8と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5、実施の形態1の変形例6、および実施の形態1の変形例7とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例8により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。ローカルeNBが、傘下に移動端末が待受けているにも関わらず、EnergySaving動作に移行し、該移動端末が圏外となることを防ぐことができる。
実施の形態1 変形例9.
実施の形態1の変形例9では、実施の形態1の変形例8の課題に対する別の解決策を、以下に開示する。
ローカルeNBは、EnergySaving動作中であっても、移動端末のメジャメントに必要な信号、あるいはチャネルを、ある期間送信する。これにより、ローカルeNBがEnergySaving動作中であっても、移動端末は該ローカルeNBの存在を確認することが可能となる。メジャメントに必要な信号、あるいはチャネルの具体例を、以下に3つ開示する。(1)SS(2)PBCH(3)RSなどがある。
ある期間の具体例を以下に2つ開示する。
(1)周期的に送信を行う。周期、および送信期間の値を指定して行う。該値の指定方法の具体例を以下に開示する。静的に決定する。あるいは、ローカルeNB自身で決定する。あるいは上位装置からS1インタフェースを用いて、あるいはX2インタフェースを用いて指示する。
(2)指定期間に送信を行う。送信開始指示、および送信停止指示を行う。あるいは送信開始指示、および送信期間を指示し、送信期間満了後、自動的に送信を停止する。該値の指定方法の具体例を、以下に開示する。ローカルeNB自身で決定する。あるいは上位装置からS1インタフェースを用いて、あるいはX2インタフェースを用いて指示する。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例9と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例9と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5、実施の形態1の変形例6、および実施の形態1の変形例7とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例9により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。ローカルeNBがEnergySaving動作へ移行したとしても、該ローカルeNBのカバレッジ内に存在する移動端末が、該ローカルeNB受信品質を測定することができる。これにより、該移動端末が、EnergySaving動作中のローカルeNBの存在を知ることができる。よって、該移動端末が圏外になることを防ぐことができる。また、該移動端末が無用なセルリセレクションを行うことを防ぐことができる。さらには、これを基に、実施の形態1などに開示している上り送信を行うことが可能となる。よって、EnergySaving動作を行っているローカルeNBをNormal動作へ移行させるための、上り送信を的確に、かつ無駄なく送信することができる。
実施の形態1 変形例10.
実施の形態1の変形例10では、実施の形態1に加えて、さらなる低消費電力化を実現できるEnergySaving動作について、以下に開示する。
ローカルeNBが属するトラッキングエリア(TA)内に移動端末が存在する場合、該ローカルeNBは、実施の形態1で開示したEnergySaving動作を行う。一方、ローカルeNBが属するトラッキングエリア(TA)内に移動端末が存在しない場合、該ローカルeNBは、電源をOFFする。これにより、EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガが発生しない場合において、受信動作をもOFFすることができ、さらなる低消費電力化を行うことができる。なぜなら、該ローカルeNBが属するトラッキングエリア内に移動端末が存在しない場合は、(1)ウェイクアップ用上り送信を行う可能性のある移動端末が、該ローカルeNBの周辺に存在しないこととなり、また(2)バックホールを通じての該ローカルeNBが、Paging信号を受信する可能性がないこととなる。よって、該ローカルeNBが属するトラッキングエリア内に移動端末が存在しない場合は、EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガが発生しないと言える。
図25は、実施の形態1の変形例10の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図25において、図15に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
ステップST2501において、MMEは、ローカルeNBが属するトラッキングエリア内に移動端末が存在するか否かを判断する。移動端末は、自端末が属するトラッキングエリアが変更した場合は、トラッキングエリアアップデートを行うため、ステップST2501の判断は、従来の技術を複雑にすることなく実現可能である。ステップST2501において、移動端末が存在すると判断した場合は、ステップST2502へ移行し、移動端末が存在しないと判断した場合は、ステップST2503へ移行する。
ステップST2502において、MMEは、S1インタフェース、あるいはX2インタフェースを用いて、該ローカルeNBへEnergySaving動作の指示を行う。あるいは、MMEは、HeNBGW経由で上記EnergySaving動作の指示を行ってもよい。EnergySaving動作の指示とは、送信動作をOFFし、受信動作をONする指示としてもよい。また送信動作をOFFし、間欠受信をONする指示としてもよい。その後、ステップST2501の判断へ戻る。
ステップST2503において、MMEは、S1インタフェース、あるいはX2インタフェースを用いて、該ローカルeNBへ電源OFFの指示を行う。あるいは、MMEは、HeNBGW経由で上記電源OFFの指示を行ってもよい。電源OFFの指示とは、送信動作をOFFし、受信動作をOFFする指示としてもよい。また、送信動作をOFFし、間欠受信をOFFする指示としてもよい。その後、ステップST2501の判断に戻る。ステップST2503において電源OFFの指示を受信したローカルeNBは、ステップST1501、ステップST1502およびステップST1503の各処理を行い、その後、ステップST2504に移行する。
ステップST2504において、ローカルeNBは、EnergySaving動作を行うべきか否かを判断する。ステップST2504の判断の具体例を、以下に開示する。ローカルeNBは、EnergySaving動作の指示を受信した場合、EnergySaving動作を行うべきと判断する。ローカルeNBは、EnergySaving動作の指示を受信していない場合、EnergySaving動作を行うべきでないと判断する。ローカルeNBは、電源OFFの指示を受信した場合、EnergySaving動作を行うべきでないと判断する。ローカルeNBは、電源OFFの指示を受信していない場合、EnergySaving動作を行うべきと判断する。EnergySaving動作を行うべきと判断した場合は、ステップST1504へ移行する。EnergySaving動作を行うべきでないと判断した場合は、ステップST2505へ移行する。
ステップST2505において、ローカルeNBは、電源をOFFする。具体例としては、送信動作をOFFし、受信動作をOFFする。あるいは、送信動作をOFFし、間欠受信をOFFする。
ステップST2506において、ローカルeNBは、EnergySaving動作の指示を受信したか否かを判断する。受信したと判断した場合は、ステップST1504へ移行し、受信していないと判断した場合は、ステップST2506の処理を繰り返す。ローカルeNBは、ステップST1504およびステップST1505の処理を行った後、ステップST2507に移行する。
ステップST2507において、ローカルeNBは、電源OFFの指示を受信したか否か判断する。受信したと判断した場合は、ステップST2505へ移行し、受信していないと判断した場合は、ステップST2507の処理を繰り返す。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例10と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例10と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例10と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例10と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5、実施の形態1の変形例6、実施の形態1の変形例7、実施の形態1の変形例8、および実施の形態1の変形例9とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例10により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガが発生しない場合において、受信動作をもOFFすることが可能となる。一方、EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガが発生する可能性のある場合、EnergySaving動作へ移行することができ、受信動作をONすることが可能となる。これにより、実施の形態1の効果を維持しつつ、さらなる低消費電力化を実現することができる。
実施の形態1 変形例11.
実施の形態1の変形例11において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合であっても、以下の課題が発生する。
HeNBは、他のセルの配置位置とは無関係に、オーナーによって配置される。よって、他のセルの受信品質が良好な場所に、HeNBが設置される可能性もある。具体例としては、他のセルの近傍にHeNBが配置されることも考えられる。このようなロケーションにおいて、他のセルがサービングセルであった場合、他のセルの近傍に配置されるHeNBの周辺では、サービングセルの受信品質は悪くならない。例えばウェイクアップ用上り送信を送信するトリガとしてサービングセルの受信品質で判断する場合など、よって、移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う状況が発生しない。よって、他のセルの近傍にHeNBが設置された場合、移動端末からのウェイクアップ用上り送信では、該HeNBは、EnergySaving動作からNormal動作へ移行できないという課題が発生する。
図26は、実施の形態1の変形例11の課題を説明するロケーション図である。マクロセル2601は、カバレッジ2609を持つ。カバレッジ2609の付近は、マクロセル2601からのパスロスが、例えば「9」とする。HeNB2602は、マクロセル2601からのパスロスが、例えば「1」付近に設置されている。HeNB2603は、マクロセル2601からのパスロスが、例えば「2」付近に設置されている。HeNB2604は、マクロセル2601からのパスロスが、例えば「7」付近に設置されている。HeNB2605は、マクロセル2601からのパスロスが、例えば「8」付近に設置されている。HeNB2606は、マクロセル2601からのパスロスが、例えば「9」付近に設置されている。図26の実線2607は、マクロセル2601からのパスロス「3」のロケーションを示す。図26の実線2608は、マクロセル2601からのパスロス「6」のロケーションを示す。図26の実線2609は、マクロセル2601からのパスロス「9」のロケーションを示す。
実施の形態1において、ウェイクアップ用上り送信を行う状況の具体例として(1)サービングセルの受信品質が下がった場合を用い、サービングセルの受信品質が下がったことを判断する方法として、ウェイクアップ上り送信閾値として、パスロスの値「9」を用いる場合を考える。上記の条件で、移動端末がウェイクアップ用上り信号を送信した場合であれば、図26に示すようなロケーションでは、該ウェイクアップ用上り信号でHeNB2606のみがNormal動作へ移行する可能性がある。HeNB2602、HeNB2603、HeNB2604、およびHeNB2605は、該ウェイクアップ用上り信号でNormal動作へ移行する可能性はない。なぜならば、HeNB2602、HeNB2603、HeNB2604、およびHeNB2605は、マクロセル2601からのパスロスが閾値「9」未満に位置するからである。よって、該HeNB2602、HeNB2603、HeNB2604、およびHeNB2605の周辺では、移動端末はウェイクアップ用上り送信を行う状況に達しないためである。
HeNBが移動端末のオーナーの家に設置されている場合などは、帰宅時にユーザの処理を介さないで、該HeNBがEnergySaving動作からNormal動作への移行する手段は、ユーザに優しいシステムの構築という観点でも重要である。該手段は、移動端末が、たとえ待受け中であっても必要である。
前述のように、非特許文献8は、X2インタフェースを用いた技術であることから、HeNBには適用できない。また非特許文献8は、待受け中の移動端末を考慮していない。
実施の形態1の変形例11での解決策を以下に示す。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
サービングセルから傘下の移動端末に対して、HeNBが存在する情報と、該HeNBが存在するロケーションに対するパスロスの情報とを通知する。該情報を受信した移動端末は、サービングセルの受信品質が、HeNBが存在すると通知を受けたパスロスとなった場合、ウェイクアップ用上り送信を行う。これにより、該HeNBの周辺に該移動端末が存在した場合は、該HeNBをNormal動作へ移行することが可能となる。
また、該情報を受信した移動端末は、いずれかのCSGへ登録している場合、すなわちホワイトリストが空でない場合は、サービングセルの受信品質が、HeNBが存在すると通知を受けたパスロスとなったときに、ウェイクアップ用上り送信を行うようにしてもよい。あるいは、該情報を受信した移動端末は、いずれかのCSGへ登録していない場合、すなわちホワイトリストが空である場合は、サービングセルの受信品質が、HeNBが存在すると通知を受けたパスロスとなったときであっても、ウェイクアップ用上り送信を行わないようにしてもよい。
HeNBが存在する情報と、該HeNBが存在するロケーションに対するパスロスの情報との具体例を以下に示す。図27は、実施の形態1の変形例11の解決策のパスロスの情報の具体例である。
(1)HeNBが存在するパスロス。図26に示すロケーションの場合であれば、図27(1)に示すような情報となる。移動端末がウェイクアップ上り信号をパスロスに合わせて送信することができ、無駄な上り送信を削減できる。
(2)パスロスの範囲とその範囲内にHeNBが存在するか否か。図26に示すロケーションの場合であれば、図27(2)に示すような情報となる。HeNBの設置数によらず、HeNBが存在する情報と、該HeNBが存在するロケーションに対するパスロスの情報との情報量が一定となる。設置されるHeNBが増加した場合、上記方法(1)と比較して、情報量を削減することができる。これにより、無線リソースを有効に活用することができる。またパスロスの範囲の分け方を静的に決定しておき、例えばインデックス1は、0以上3未満を示し、インデックス2は、3以上6未満を示し、インデックス3は、6以上を示すとしておけば、さらなる情報量の削減に繋がる。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例11と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例11と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5、実施の形態1の変形例6、実施の形態1の変形例7、実施の形態1の変形例8、実施の形態1の変形例9、および実施の形態1の変形例10とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例11により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。他のセルの受信品質が十分な場所に設置される可能性のあるHeNBにおいても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態1 変形例12.
実施の形態1の変形例12において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合であっても、ローカルeNBがHeNBであり、該HeNBがクローズドアクセスモードで動作する場合は、以下の課題が発生する。
実施の形態1を用いて、移動端末からのウェイクアップ用上り送信を受信したことにより、該HeNBが、EnergySaving動作からNormal動作へ移行したとする。一方、該移動端末は、該HeNBが属するCSGへ未登録であったとする。この場合、該HeNBがNormal動作となっても、該移動端末はアクセスすることはもちろん、キャンプオンすることもできないという課題が発生する。また、HeNBのEnergySaving動作を無駄に解除することとなり、低消費電力化が非効率になるという課題が発生する。
実施の形態1の変形例11での解決策を、以下に2つ開示する。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
(1)HeNBはEnergySaving動作からNormal動作へ移行する場合、クローズドアクセスモードでは動作せず、オープンアクセスモード、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作する。これにより、たとえウェイクアップ用上り送信を行った移動端末が、該HeNBの属するCSGに未登録であっても、アクセスおよびキャンプオンが可能となる。
(2)HeNBは、ウェイクアップ上り送信を行った移動端末が、自HeNBが属するCSGに登録しているか否かを判断し、登録している場合にEnergySaving動作からNormal動作へ移行する。登録していなければ、EnergySaving動作を継続する。これにより、HeNBの無駄なEnergySaving動作の解除を削減することができる。
(3)HeNBは、ウェイクアップ上り送信を行った移動端末が、自HeNBが属するCSGに登録しているか否かを判断し、登録している場合にEnergySaving動作からクローズドアクセスモードとして、あるいはクローズドアクセスモードを許可して、Normal動作へ移行する。登録していなければ、オープンアクセスモード、あるいはハイブリッドアクセスモードとして、あるいはクローズドアクセスモードを禁止して、Normal動作へ移行する。
HeNBがウェイクアップ上り送信を行った移動端末が、自HeNBが属するCSGに登録しているか否かを判断する方法の具体例について、以下に開示する。移動端末からのウェイクアップ上り信号に、移動端末の識別情報、たとえばUE−IDなどを入れる。HeNBは、該移動端末の識別情報に基づいて、該移動端末が自HeNBが属するCSGに登録しているか否かを判断する。該判断は、HSS(Home Subscriber Server)に問い合わせることで行ってもよい。HSSとは、3GPP移動体通信網における加入者情報データベースであり、認証情報および在圏情報の管理を行うエンティティ(entity)である。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5、実施の形態1の変形例6、実施の形態1の変形例7、実施の形態1の変形例8、実施の形態1の変形例9、実施の形態1の変形例10、および実施の形態1の変形例11とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例11により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。移動端末によるウェイクアップ用上り送信の受信により、HeNBがEnergySaving動作からNormal動作へ移行したにも関わらず、該移動端末が該HeNBの属するCSGに未登録という理由で、該移動端末が該HeNBにアクセスできない、あるいはキャンプオンできないという状況の発生を防ぐことができる。これにより、効率的な低消費電力化を実現することができる。
実施の形態1 変形例13.
実施の形態1の変形例13において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合であっても、ローカルeNBがいずれのセルのカバレッジ内にも位置しない、孤立セルの場合、以下の課題が発生する。
実施の形態1では、移動端末は、ウェイクアップ用上り送信を行う場合、サービングセルの下り送信を用いて、AFCを実行する。しかし、孤立セルの場合、該AFCを実行することができないという課題が発生する。AFCが実行できないと、移動端末側とローカルeNB側とで周波数のずれが発生する。これにより、受信品質の劣化が生じる。
実施の形態1の変形例11での解決策を以下に2つ開示する。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
(1)移動端末は、ウェイクアップ用上り送信を行う状況を満たせば、ウェイクアップ用上り送信を行う。該ウェイクアップ用上り送信の具体例を以下に開示する。移動端末は、所定の周波数−時間領域において所定の信号を送信する。ローカルeNB側では所定の周波数−時間領域での受信電力を測定し、該受信電力が所定の閾値を超えた場合にEnergySaving動作からNormal動作へ移行する。
所定の周波数−時間領域の具体例としては、周波数領域に幅を持たせる。周波数に幅を持たせることで、周波数のずれが生じた場合の影響を抑えることができる。所定の周波数−時間領域は、静的に決定されているとしてもよい。
所定の信号の具体例としては、ランダムな信号、あるいはPN信号などがある。
(2)ローカルeNBは、自セルが孤立セルだと判断した場合、EnergySaving動作へ移行しない。一方、ローカルeNBは、自セルが孤立セルではないと判断した場合、実施の形態1のEnergySaving動作を実行する。
自セルが孤立セルだと判断する具体的な方法例を以下に開示する。ローカルeNBは、初期化の際、電源ONの際、あるいは送信OFFの際、周辺無線環境の測定を行う場合がある。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの受信品質がある。ローカルeNBは、すべての周辺セルの受信品質あるいは受信電力が、ある閾値以下であるか、あるいは閾値より小さければ、自セルは孤立セルであると判断する。または、ローカルeNBは、すべての周辺セルのパスロスが、ある閾値より大きいか、あるいは閾値以上であれば、自セルは孤立セルであると判断する。
本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例13と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例13と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5、実施の形態1の変形例6、実施の形態1の変形例7、実施の形態1の変形例8、実施の形態1の変形例9、実施の形態1の変形例10、実施の形態1の変形例11、および実施の形態1の変形例12とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例12により、実施の形態1の効果に加えて、孤立セルの問題を解消することが可能となるという効果を得ることができる。
実施の形態1 変形例14.
実施の形態1の変形例14において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策においては、UEに設定するローカルeNBの上り送信設定を、ローカルeNBの周辺ノードであるマクロセルにS1インタフェースにより通知し、該マクロセルからUEに通知する形態となっている。したがって、EnergySaving動作を実現するために、コアネットワーク側の処理および周辺ノードであるマクロセルの処理量が増加するという課題が発生する。
実施の形態1の変形例14での解決策を以下に示す。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
本変形例では、ローカルeNBがHeNBである場合に、UEは、セルの識別情報に対応付けてHeNBの上り送信設定を記憶する手段を備える。セルの識別情報の具体例としては、CSG−ID、PCI、GCI、hnb−Nameなどがある(非特許文献12参照)。具体例としては、UEは、UEが管理しているCSGホワイトリストにあるCSG−IDに対応付けてHeNBの上り送信設定を記憶する手段を備える。この上り送信設定を記憶する手段は、端末側記憶手段に相当する。上り送信設定の記憶方法として、以下に2つ開示する。
(1)UEが登録したCSGセルをサービングセルとしているときの、HeNBの上り送信設定を記憶する。
(2)移動端末がHeNBの属するCSGに登録される際、移動端末は、該HeNBの上り送信に用いる設定、すなわち上り送信設定を通知される。上り送信設定の通知方法の具体例としては、HeNBのオーナーにより設定され、該HeNBから通知される方法、ホワイトリスト通知の際にホワイトリストと共にネットワーク側から通知される方法などがある。このようにして通知されたHeNBの上り送信設定を記憶する。
HeNBの上り送信設定を記憶することにより、UEは記憶している上り送信設定にてウェイクアップ用上り送信を行うことが可能となり、マクロセルがHeNBの上り送信設定をUEに通知する必要が無くなる。
さらに、UEはHeNBの周辺セルのPCIを記憶する手段を備える。周辺セルのPCIは、複数記憶することができる。周辺セルのPCIの記憶方法として、以下に3つ開示する。
(1)移動端末がHeNBの属するCSGに登録される際、移動端末は、該HeNBの周辺セルのPCIを通知される。周辺セルのPCIの通知方法の具体例としては、HeNBのオーナーにより設定され、該HeNBから通知される方法、ホワイトリスト通知の際にホワイトリストと共にネットワーク側から通知される方法などがある。このようにして通知される周辺セルのPCIを記憶する。
(2)HeNBからeNBへハンドオーバしたときに、ハンドオーバ先のeNBのPCIを記憶する。
(3)HeNBからeNBへのセル再選択が生じたときに、再選択先のeNBのPCIを記憶する。
UEが、EnergySaving動作を行っているHeNBの登録した上り送信設定に従い、ウェイクアップ用上り送信を行う状況の具体例について、以下に4つ開示する。以下の(1)〜(4)の状況になったとき、すなわち(1)〜(4)の条件に合致したとき、UEはウェイクアップ用上り送信を行う。
(1)サービングセルのPCIが、登録したPCIとなったとき、UEは、登録したHeNB宛にウェイクアップ用上り送信を行うことを許可する。このウェイクアップ用上り送信を行うことが許可された状態(以下「上り送信許可状態」という場合がある)になったとき。
(2)上記(1)の上り送信許可状態において、UEがサービスリクエストを行ったとき。すなわち、通常の上り送信が生じた場合。
(3)上記(1)の上り送信許可状態において、UEがサービングセルからページングを受信したとき、すなわち着呼したとき。
(4)上記(1)の上り送信許可状態において、サービングセルの受信品質が閾値以下となったとき。
実施の形態1では、サービングセルからHeNBの上り送信設定をUEが受信した後に、ウェイクアップ用の上り送信が可能となる構成になっているが、本変形例では、UEが予めHeNBの近隣セルを認識することで、HeNBがEnergySaving動作を行うために、サービングセルが新たな処理をする必要がなくなる。したがって、該HeNBのセルの近傍にUEが位置したときにのみ、ウェイクアップ用上り送信を行うことが可能となるので、UEが無駄に上り送信を行う必要がなくなる。
本変形例では、UEが上記(1)〜(4)などのウェイクアップ用上り送信を行う条件に合致し、1度送信した後に、ウェイクアップ用上り送信の送信禁止期間を設ける。送信禁止期間を経た後、HeNBのセルを検出できず、再度ウェイクアップ用上り送信を行う条件に合致した場合、再度送信を行う。
禁止時間の設定方法について、以下に具体例を3つ開示する。
(1)移動端末がHeNBの属するCSGに登録される際、移動端末は、該HeNBの上り送信の禁止時間を登録する。
(2)該HeNBの報知情報により、禁止時間を設定する。
(3)サービングセルの報知情報により、禁止時間を設定する。
UEがウェイクアップ用上り送信を停止する場合について、以下に具体例を2つ開示する。
(1)HeNBのセルがサービングセルとして選択されたとき。
(2)セル選択/再選択を行うメジャメントの際に、HeNBのセルを検出したとき。
上記(2)のHeNBのセルを検出したか否かの判断は、検出したセルをサービングセルとできるか否かの閾値、もしくはそれよりも少し低めの受信品質を閾値とする。
実施の形態1の変形例14を用いた具体的な動作例を、図28および図29を用いて説明する。図28は、実施の形態1の変形例14の解決策を説明するロケーション図である。図28において、HeNB2803のカバレッジ2804は、周辺に位置するeNBであるマクロセル2801のカバレッジ2802内に位置し、移動端末2805は、マクロセル2801のカバレッジ2802内、つまりマクロセル2801の圏内に存在する。
また、マクロセル2801のPCIは、移動端末2805に登録されている。
次に、図29を用いて、実施の形態1の変形例14の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する。図29は、実施の形態1の変形例14の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。本動作例では、周辺セルがマクロセル2801である場合について説明する。図29において、図15に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
HeNB2803は、実施の形態1と同様に、ステップST1503、ステップST1504およびステップST1505の処理を行う。ステップST2901において、マクロセルであるeNB2801は、傘下の移動端末(UE)2805に対して、第一同期信号(P−SS)、第二同期信号(S−SS)および参照信号(RS)を送信する。UE2805は、eNB2801から送信されるP−SS、S−SSおよびRSを受信し、ステップST2902において、受信したP−SS、S−SSおよびRSを用いて受信品質を測定する。
ステップST2903において、UE2805は、ステップST2902の受信品質の測定結果に基づいて、サービングセルの選択を行う。ステップST2904において、UE2805は、ウェイクアップ用上り送信を行うか否かを判断する。本動作例においては、ウェイクアップ用上り送信を行う状況として、サービングセルのPCIがUE2805に登録されているPCIと合致した場合とする。
サービングセルのPCIが、UE2805に登録されているPCIと合致する場合は、ステップST1509に移行する。サービングセルのPCIが、UE2805に登録されているPCIと合致しない場合は、ステップST2910に移行する。ステップST2910では、予め定める時間が経過したか否かを判断する。ステップST2910において、予め定める時間が経過したと判断した場合は、ステップST2902に戻り、前述と同様の処理を繰返し行い、予め定める時間が経過していないと判断した場合は、ステップST2910の判断を繰り返す。
ステップST1509において、UE2805は、ウェイクアップ用上り送信としてのRACH送信を行う。該RACH送信では、UE2805に登録されたHeNB2803の上り送信設定を用いて、該RACHを送信する。
ステップST1510において、HeNB2803は、ウェイクアップ用上り送信としてUE2805から送信されたRACHを受信したか否かを判断する。UE2803からのRACHを受信したと判断した場合は、ステップST1511に移行し、UE2803からのRACHを受信していないと判断した場合は、ステップST1510の処理を繰り返す。ステップST1511において、HeNB2803は、EnergySaving動作からNormal動作に移行する。
ステップST1511でNormal動作に移行した後、ステップST2905において、HeNB2803は、同期信号P−SS,S−SS、および参照信号RSをUE2805に送信する。
UE2805は、ステップST2906、ステップST2907およびステップST2908において、該HeNB2803をサービングセルとするか否かの判断を行う。具体的には、ステップST2906において、UE2805は、HeNB2803から送信される同期信号P−SS,S−SSおよび参照信号RSを用いて、受信品質を測定する。ステップST2907において、UE2805は、ステップST2906の受信品質の測定結果に基づいて、サービングセルの選択を行う。ステップST2908において、UE2805は、ステップST2907で選択したサービングセルがHeNB2803であるか否かを判断する。ステップST2908において、サービングセルがHeNB2803であると判断した場合は、ステップST2909に移行し、サービングセルがHeNB2803ではないと判断した場合は、ステップST2906に戻り、前述と同様の処理を繰返し行う。ステップST2909において、UE2805は、RACH送信を停止する。
以上の実施の形態1の変形例14により、以下の効果を得ることができる。本変形例によれば、HeNBとUEとの間で上り送信信号を送受信するために必要な上り送信設定は、UEの記憶手段に記憶される。これによって、ネットワーク側からHeNB、あるいは周辺のマクロセルを介してUEに上り送信設定を通知する必要がない。つまり本変形例では、S1インタフェースを用いずに、EnergySaving動作を行うように構成されているので、ネットワーク側でのHeNBのEnergySaving動作の制御が不要となる。また、HeNBのEnergySaving動作を行うためのサービングセルによる新たな処理も不要となる。
したがって、UEにHeNBの周辺セルのPCIおよび上り送信設定を初期登録するといった静的な登録サービスのみで、ネットワーク側の制御方式を大きく変更することなく、HeNBのEnergySaving動作が可能となる。つまり本変形例では、ネットワーク側の構成を大きく変更することなく、HeNBをNormal動作状態からEnergySaving動作状態に移行可能な構成にすることができる。したがって、HeNBなどのローカルエリアレンジのネットワークノードにおける低消費電力化を効率良く行うことができる。
また本変形例は、特許文献1に記載の、HeNB等のフェムト基地局の無線通信システムで、無線通信システムのセル内のUEの在圏状況に応じて、S1インタフェース等を用いて、ネットワーク側からの制御信号により、フェムト基地局の送信出力を停止する方法とは異なる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例2、変形例3、変形例4、変形例5、変形例6、変形例7、変形例8、変形例9、変形例12、および変形例13とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1 変形例15.
実施の形態1の変形例15において解決する課題について説明する。実施の形態1の変形例14の解決策においては、HeNBの周辺セルのカバレッジ内に、該HeNBが設置されない場合、例えば、該HeNBが孤立セルとなっている場合には、ウェイクアップ用上り送信を行う条件が発生しないため、該HeNBのEnergySaving動作を行うことができないという課題が発生する。
実施の形態1の変形例15での解決策を以下に示す。実施の形態1の変形例14の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1の変形例14と同様とする。
UEは、HeNBの設置場所およびウェイクアップ用上り送信を行うエリアを記憶する手段と、自らの位置を測定する機能、例えばGPSによる位置測定機能とを備える。HeNBの設置場所およびウェイクアップ用上り送信を行うエリアの記憶方法として、以下に具体例を2つ開示する。
(1)移動端末がHeNBの属するCSGに登録される際、移動端末は、該HeNBの設置場所と該HeNBのカバレッジエリアとを通知される。通知方法の具体例としては、HeNBのオーナーにより設定され、該HeNBから通知される方法、ホワイトリスト通知の際にホワイトリストと共にネットワーク側から通知される方法などがある。
このようにして通知されるHeNBの設置場所と該HeNBのカバレッジエリアとを記憶する。
(2)ウェイクアップ用上り送信を行うエリアは、HeNBの設置位置を中心とし、HeNBの設置位置からの距離を閾値とする。例えば、HeNBのセル半径を閾値とすることが考えられる。
(1)の方法などによって通知されるHeNBの設置場所および該HeNBのカバレッジエリアから、ウェイクアップ用上り送信を行うエリアの境界として、前記閾値を求め、求めた閾値と、通知されたHeNBの設置場所とを記憶する。
UEは、自らの位置を測定するGPS機能等により、自らの位置がウェイクアップ用上り送信を行うエリアに位置するか否かを判断し、自らの位置がウェイクアップ用上り送信を行うエリアに位置する場合に、ウェイクアップ用上り送信を行う。UEがウェイクアップ用上り送信を行う状況の具体例について、以下に3つ開示する。以下の(1)〜(3)の状況になったとき、すなわち(1)〜(3)の条件に合致したとき、UEはウェイクアップ用上り送信を行う。
(1)UEがウェイクアップ用上り送信を行うエリアに位置するときに、UEは、ウェイクアップ用上り送信を行うことを許可する。例えば、該エリア境界を第1の閾値とした場合、HeNBとUEとの間の直線距離が第1の閾値よりも小さい(直線距離<第1の閾値)とき、UEは、ウェイクアップ用上り送信を行うことを許可する。このウェイクアップ用上り送信を行うことが許可された状態である上り送信許可状態になったとき。
(2)上記(1)の上り送信許可状態において、UEがHeNBの設置位置からの直線距離を算出し、前回のUEの位置測定時の距離が、現在のUEの位置測定時(以下「現測定時」という場合がある)の距離よりも大きい(前回のUEの位置測定時の距離>現測定時の距離)となったとき。
(3)上記(1)および(2)のいずれかになった場合で、HeNBの設置位置とUEの位置が極めて近い場合は、UEの位置測定誤差の影響を避けるために、例外を設ける。例外は、例えば、HeNBの設置位置と上記第1の閾値との間に、第2の閾値を設け、HeNBとUEとの間の直線距離が第2の閾値よりも小さい(直線距離<第2の閾値)となったとき。
実施の形態1の変形例15を用いた具体的な動作例を、図30および図31を用いて説明する。図30は、実施の形態1の変形例15の解決策を説明するロケーション図である。図30において、HeNB3001は、その設置位置がUE3004に登録されている。UE3004がHeNB3001にウェイクアップ用上り送信を行うエリアの境界線3002のHeNB3001の設置位置からの距離を第1の閾値とし、HeNB3001の設置位置と第1の閾値で規定される境界線3002との間の境界線3003のHeNB3001の設置位置からの距離を第2の閾値とする。UE3004とHeNB3001との距離をD1とし、UE3004は、ウェイクアップ用上り送信を行うエリア内に存在するとする。
次に、図31を用いて、実施の形態1の変形例15の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する。図31は、実施の形態1の変形例15の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図31において、図15および図29に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
HeNB3001は、実施の形態1と同様に、ステップST1503〜ステップST1505の処理を行う。ステップST3101において、UE3004は、自らの位置測定機能を用いて位置を測定し、HeNB3001との位置関係、具体的にはHeNB3001との距離D1を測定する。ステップST3102において、UE3004は、現測定時の距離、すなわち現在の位置測定値(以下「現測定値」という場合がある)が、ウェイクアップ上り送信を行うエリア内となるか否かを判断する。具体的には、現測定値が第1の閾値よりも小さいか否かの判断を行う。現測定値が第1の閾値よりも小さい(現測定値<第1の閾値)と判断した場合は、エリア内であると判断してステップST3103に移行し、現測定値が第1の閾値以上(現測定値≧第1の閾値)であると判断した場合は、エリア内ではないと判断してステップST3105に移行する。
ステップST3103において、UE3004は、現測定値が第2の閾値よりも小さいか否かを判断する。現測定値が第2の閾値よりも小さい(現測定値<第2の閾値)と判断した場合は、ステップST1509に移行し、現測定値が第2の閾値以上(現測定値≧第2の閾値)であると判断した場合は、ステップST3104に移行する。
ステップST3104において、UE3004は、前回の測定値(前回測定値)が現測定値よりも大きいか否かを判断する。前回測定値が現測定値よりも大きい(前回測定値>現測定値)と判断した場合は、ステップST1509に移行し、前回測定値が現測定値以下(前回測定値≦現測定値)であると判断した場合は、ステップST3105に移行する。ステップST3104の処理を行うことにより、UE3004がHeNB3001から離れていく場合に、ウェイクアップ用上り送信を行わないようにすることができる。これにより、移動端末からの無駄な上り送信を削減することができるという効果を得ることができる。ただし、ステップST3104の処理をオプションとしても、本変形例の課題は解決できる。
ステップST3105では、予め定める時間が経過したか否かを判断する。ステップST3105において、予め定める時間が経過したと判断した場合は、ステップST3101に戻り、前述と同様の処理を繰返し行い、予め定める時間が経過していないと判断した場合は、ステップST3105の処理を繰り返す。
ステップST1509において、UE3004は、ウェイクアップ用RACH送信を行う。すなわち、本変形例では、UE3004がHeNB3001に近づいている場合に、ウェイクアップ用RACH送信を行うことを意味する。
HeNB3001は、実施の形態1の変形例14と同様に、ステップST1510において、UE3004から送信されるウェイクアップ用RACHを受信したと判断すると、ステップST1511およびステップST2905の処理を行う。また、HeNB3001から送信されるP−SS、S−SSおよびRSを受信したUE3004は、実施の形態1の変形例14と同様に、ステップST2906〜ステップST2908の処理を行う。ステップST2908で、UE3004がステップST2907で選択したサービングセルがHeNB3001のセルであると判断した場合、すなわちUE3004がサービングセルとしてHeNB3001のセルを選択した場合、UE3004は、ステップST2909において、ウェイクアップ用RACH送信を停止し、ステップST3106において、UE3004の位置の測定を停止する。
以上の実施の形態1の変形例15により、実施の形態1の変形例14の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。本変形例によれば、HeNBが孤立セルとなる場合、すなわち周辺セルにカバーされていない場合でも、EnergySaving動作が可能となる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例2、変形例3、変形例4、変形例5、変形例6、変形例7、変形例8、変形例9、および変形例12とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1 変形例16.
実施の形態1の変形例16において解決する課題について説明する。実施の形態1の変形例14の解決策において、PCIは有限数(504個)であることから、検出したサービングセルのPCIが、UEのCSGホワイトリストに登録されているHeNBの周辺セルのPCIでない場合が発生する。この場合にウェイクアップ用上り送信を行うと、無駄になってしまう。また、実施の形態1の変形例15の解決策において、UEは自らの位置測定のために該HeNBをサービングセルとするまで、GPS機能を動作させておく必要があり、UEの電力を無駄に消費するという問題がある。
実施の形態1の変形例16での解決策を以下に示す。実施の形態1の変形例14および変形例15の解決策と異なる部分を説明する。説明していない部分については、実施の形態1の変形例14および変形例15と同様とする。
本変形例は、実施の形態1の変形例14と変形例15とを組み合わせることで実現する。まず実施の形態1の変形例14を用いて、PCIを用いた判断により「上り送信許可状態」になった後に、実施の形態1の変形例15を用いて、移動端末自らの位置を測定する機能を用いた「上り送信許可状態」の判断を再度行う。実施の形態1の変形例16を用いた具体的な動作例を、図32を用いて説明する。図32は、実施の形態1の変形例16の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図32において図15、図29および図31に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
本変形例では、まず、実施の形態1の変形例14と同様に、ステップST1503〜ステップST1505、ステップST2901〜ステップST2904およびステップST2910の処理が実行される。ステップST2904において、UE3004は、サービングセルのPCIがUE3004に登録されているPCIと合致するか否かを判断し、サービングセルのPCIがUE3004に登録されているPCIと合致する場合に、ステップST3101に移行する。
ステップST3101において、UE3004は、実施の形態1の変形例15と同様に、自らの位置を測定し、HeNB3001との位置関係を測定する。その後は、実施の形態1の変形例15と同様に、ステップST3102〜ステップST3105、ステップST1509〜ステップST1511、ステップST2905〜ステップST2909およびステップST3106の処理が実行される。本変形例では、UE3004は、ステップST3105において、予め定める時間が経過したと判断すると、ステップST2904に戻り、前述と同様の処理を繰返し行う。
以上の実施の形態1の変形例16により、実施の形態1の変形例14および変形例15の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。本変形例では、UEが検出したサービングセルのPCIが、HeNBの周辺セルのPCIであることを、UEの位置測定により判断することが可能となるので、無駄にウェイクアップ用上り送信を行うことがなくなる。移動体通信システムにおいてPCIが重複する場合であっても、無駄なウェイクアップ用上り送信を行うことがなくなる。また、登録したPCIを検出してから、UEの位置測定を行うので、常時UEの位置測定機能を動作させる必要がなくなり、UEの消費電力を抑えることができる。
本変形例では、実施の形態1の変形例15と変形例16とを組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例2、変形例3、変形例4、変形例5、変形例6、変形例7、変形例8、変形例9、および変形例12とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1 変形例17.
実施の形態1の変形例17において解決する課題について説明する。実施の形態1の変形例14の解決策において、EnergySaving動作を行うHeNBの上り送信設定が、ネットワーク側から変更された場合を考える。この場合に、UEがHeNBにキャンプオンしていないときには、変更後の上り送信設定は、UEが最後に記憶した上り送信設定と異なるので、UEがウェイクアップ用上り送信を行ったとしても、HeNBはウェイクアップ動作ができないことになる。
実施の形態1の変形例17での解決策を以下に示す。実施の形態1の変形例14の解決策と異なる部分を説明する。説明していない部分については、実施の形態1の変形例14と同様とする。
HeNBは、該HeNBの上り送信設定を記憶する手段を備える。この上り送信設定を記憶する手段は、基地局側記憶手段に相当する。本変形例では、ウェイクアップ用上り送信に必要となる上り送信設定が、ネットワーク側から変更された場合は、HeNBはEnergySaving動作への移行を禁止する、あるいはHeNBはEnergySaving動作からNormal動作に復帰する。HeNBのCSG−IDが登録されたUEに記憶されている上り送信設定が、ネットワーク側から変更された上り送信設定に更新されたことを該HeNBが認識した後に、該HeNBのEnergySaving動作への移行を可能とする。
HeNBのCSG−IDが登録されたUEに記憶されている上り送信設定が、ネットワークから変更された上り送信設定に更新されたことを該HeNBが認識するために、実施の形態1の変形例12で開示したウェイクアップ用上り信号と同様に、ウェイクアップ用上り信号に、移動端末の識別情報、例えばUE−IDなどを入れる。
さらに、HeNBは該HeNBのCSG−IDが登録されたUEのUE−IDなどの識別情報を記憶する手段を備える。UEの識別情報の記憶方法として、以下に具体例を開示する。
移動端末(UE)がHeNBの属するCSGに登録される際、該HeNBは、登録される移動端末の識別情報を、HSSからMMEを介して通知され、記憶する。
HeNBは、該HeNBのCSG−IDが登録されたUEと、UEの識別情報とを含むウェイクアップ用上り信号により、該HeNBのCSGに登録されるUEの上り送信設定の状態を管理することが可能となる。
UEが、ウェイクアップ用上り送信を行う状況の具体例について、実施の形態1、実施の形態1の変形例14、および実施の形態1の変形例15で示した状況に加えて、UEが記憶しているHeNBの上り送信設定を変更したときの状況を開示する。
実施の形態1の変形例17を用いた具体的な動作例を、図33を用いて説明する。図33は、実施の形態1の変形例17の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図33において、図15および図29に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
HeNBは、実施の形態1と同様に、ステップST1503〜ステップST1505の処理を行った後、ステップST3301において、HeNBの上り送信設定がネットワーク側から変更されたか否かを判断する。HeNBは、ステップST3301において、HeNBの上り送信設定が変更された、例えば「設定A」から「設定B」に変更されたと判断した場合は、ステップST3302に移行し、HeNBの上り送信設定が変更されていないと判断した場合は、ステップST3301の処理を繰り返す。ステップST3302において、HeNBは、Normal動作へ移行する。
UEは、ステップST3303において、HeNBの上り送信設定を、例えば「設定A」として記憶する。ステップST2901において、eNBから同期信号P−SS,S−SSおよび参照信号RSが送信されると、UEは、実施の形態1の変形例14と同様に、ステップST2902〜ステップST2904およびステップST2910の処理を行う。ステップST2902〜ステップST2904の処理で、UEがウェイクアップ用RACHを送信する条件になったとき、本変形例では、ステップST2904で、サービングセルのPCIがUEに登録されているPCIと合致すると判断されたとき、UEは、ステップST3304において、上り送信設定を「設定A」とし、ウェイクアップ用上り送信として、ウェイクアップ用RACH送信を行う。
ステップST3304でウェイクアップ用RACH送信をした後、UEは、ステップST3305において、RA−RNTIを検出したか否かを判断する。ステップST3305においてRA−RNTIを検出したと判断した場合は、HeNBがステップST3304におけるRACH送信を受信できたことになるので、処理を終了する。ステップST3305においてRA−RNTIを検出できなかったと判断した場合は、ステップST3306に移行する。ステップST3306において、UEは、システム情報識別子(System Information RNTI:SI−RNTI)でHeNBのBCCHを受信する。
ステップST3307において、HeNBは、BCHをUEに送信する。HeNBから送信されるBCHを受信したUEは、ステップST3308において、HeNBの上り送信設定を変更する。例えば、設定Aから設定Bに変更する。ステップST3308において上り送信設定の変更をした後、UEは、ステップST3309において、HeNBにウェイクアップ用RACH送信を行う。ステップST3309でのウェイクアップ用RACH送信は、UEの識別番号(UE−ID)をHeNBに通知することを目的としている。本変形例では、UE−ID=a1とする。
HeNBは、ステップST1510において、UEから送信されるRACHを受信したか否かを判断する。RACHを受信したと判断した場合は、ステップST3310に移行し、RACHを受信していないと判断した場合は、ステップST1510の処理を繰り返す。ステップST3310において、HeNBは、UE−ID=a1のUEに記憶された該HeNBの上り送信設定が更新されたことを認識する。そして、ステップST3311において、HeNBは、該HeNBのCSG−IDを登録している全てのUEに対して、上り送信設定の更新がされたか否かの判断を行う。全てのUEの上り送信設定が更新されたと判断した場合は、ステップST3312に移行し、全てのUEの上り送信設定が更新されていないと判断した場合は、ステップST3311の処理を繰り返す。ステップST3312において、HeNBは、再度EnergySaving動作への移行が可能な状態(以下「移行可能状態」という場合がある)になる。EnergySaving動作への移行可能状態とは、Normal動作からEnergySaving動作へ移行するトリガが与えられれば、EnergySaving動作に移行できる状態を意味する。
以上の実施の形態1の変形例17により、以下の効果を得ることができる。本変形例では、HeNBは、UEとの間で上り送信信号を送受信するために必要な上り送信設定を基地局側記憶手段に記憶している。HeNBは、Normal動作状態のときに、基地局側記憶手段に記憶された上り送信設定が、例えばネットワーク側から変更されると、該HeNBのCSG−IDが登録されたUEのウェイクアップ用上り送信設定が更新されるまでは、EnergySaving動作への移行を禁止する。HeNBは、EnergySaving動作状態のときに、基地局側記憶手段に記憶された上り送信設定が、たとえばネットワーク側から変更されると、EnergySaving動作状態からNormal動作状態に移行するとともに、変更後の上り送信設定をUEに通知する。これによって、ネットワーク側から上り送信設定が変更された場合でも、UEが更新後の上り送信設定を知ることができる。またウェイクアップ用上り信号に、移動端末の識別情報を追加する。これによって、HeNB側で、該HeNBのCSG−IDが登録されたUEの上り送信設定の状態が管理できるようになる。したがって、HeNBにおいて上り送信設定の変更があった場合でも、ネットワーク側の処理なしに、UEに記憶されている該HeNBの上り送信設定が更新されるので、該HeNBのEnergySaving動作の制御を継続して利用できる。
実施の形態1 変形例18.
実施の形態1の変形例18において解決する課題について説明する。特許文献2には、基地局が、ネットワーク側に登録されたUEの位置情報から、エリア内に存在しそうなUE宛に呼び出しを行い、1つも応答が無ければ、基地局の傘下のUEが存在しないと判断して、基地局の電源をOFFする技術が開示されている。
この場合、基地局は傘下のUEが存在しないことを検出するにあたり、常時ネットワーク側に、UEの在圏状況を問い合わせる必要があるので、ネットワーク側への送信処理を無駄に行う必要がある。
実施の形態1の変形例18での解決策を以下に示す。実施の形態1の変形例17の解決策と異なる部分を説明する。説明していない部分については、実施の形態1の変形例17と同様とする。
本変形例では、UEとHeNBとの間で、通信路を確保するときに設定されるパラメータであるUEコンテキストが1つも設定されていない状態が一定期間続いた場合、該HeNBがUEへページングを行い、ページングに対する応答が無い場合は、該HeNBの傘下にUEは存在しないと判断して、EnergySaving動作へ移行する。
UEに対するページングの方法として、以下に具体例を2つ開示する。
(1)ウェイクアップ用上り送信を受信したUE−ID宛にページングを行う。
(2)実施の形態1の変形例8で開示した、一斉呼出信号を新たに設け、傘下の移動端末宛の一斉呼出に用いる識別子であるP−RNTI_一斉にてページングを行う。
実施の形態1の変形例18を用いた具体的な動作例を、図34を用いて説明する。図34は、実施の形態1の変形例18の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図34において、図15および図33に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
UEに対するページングの方法として、ここでは(1)の方法を用いた場合について開示する。また、実施の形態1の変形例17で開示した、ウェイクアップ用上り送信信号を用いる。
HeNBは、実施の形態1と同様に、ステップST1503〜ステップST1505の処理を行う。ステップST3401において、UEは、ウェイクアップ用上り送信のトリガの有無を判断する。UEに何らかのウェイクアップ用上り送信のトリガが発生した場合、例えば、実施の形態1の変形例14において、サービングセルのPCIがUEに登録したPCIとなった場合は、ステップST3310に移行し、ウェイクアップ用上り送信のトリガが発生していない場合は、ステップST3401の処理を繰り返す。ステップST3310において、UEは、UE−IDを含むウェイクアップ用RACH送信を行う。HeNBは、ステップST1510において、UEから送信されるRACHを受信したか否かを判断し、RACHを受信した場合は、ステップST1511に移行し、RACHを受信していない場合は、ステップST1510の処理を繰り返す。ステップST1511において、HeNBは、Normal動作へ移行する。
HeNBにキャンプオンしたUEは、ステップST3402において、通信要求をHeNBおよびネットワーク側(EPC)に送信する。ネットワーク側(EPC)のMMEは、ステップST3403において、HeNBに対して、E−RAB(E-UTRAN Radio Access Bearer) SETUP Requestメッセージにより、通信路の設定要求を行う。
HeNBでは、ステップST3404において、EPCのMMEから送信されるE−RAB SETUP Requestメッセージの内容に応じて、UEコンテキストを生成する。HeNBは、ステップST3405において、UEとのデータトラフィックを監視し、データトラフィックの有無を判断する。ステップST3405において、データトラフィックが無いと判断した場合はステップST3406に移行し、データトラフィックが有ると判断した場合はステップST3405の処理を繰り返す。ステップST3406において、HeNBは、ネットワーク側(EPC)に対して、UEコンテキストの解放を要求するメッセージであるUE Context Release Requestを送信する。これにより、UEコンテキストの解放を要求できる。
ステップST3407において、ネットワーク側のEPCは、HeNBに対して、UEコンテキストの解放要求に対する応答メッセージであるUE Context Release Responseを送信する。HeNBは、EPCから、解放許可を受信すると、ステップST3408において、UEコンテキストの削除を行う。HeNBは、ステップST3410において、HeNB内に全てのUEコンテキストが無いかどうか、すなわちHeNBにUEコンテキストが設定されていないか否かを判断する。ステップST3410において、HeNB内に全てのUEコンテキストが無い、すなわちHeNBにUEコンテキストが設定されていないと判断した場合は、ステップST3411に移行し、UEコンテキストが有ると判断した場合は、ステップST3409に移行する。
ステップST3409では、HeNBは、予め定める時間が経過したか否かを判断する。ステップST3409において、予め定める時間が経過したと判断した場合は、ステップST3410に戻り、前述と同様の処理を繰返し行い、予め定める時間が経過していないと判断した場合は、ステップST3409の処理を繰り返す。ステップST3411において、HeNBは、受信したウェイクアップ用上り送信を送信したUEのUE−ID宛にPCHの送信、すなわちページングを行う。
その後、HeNBは、ステップST3412において、ステップST3411のページングに対するUEからの応答の有無を判断する。ステップST3412において、UEからの応答が無いと判断した場合は、ステップST3413に移行し、UEからの応答が有ると判断した場合は、ステップST3409に移行する。HeNBは、ステップST3413においてEnergySaving動作に移行し、ステップST3414において、送信OFFおよび間欠受信動作に移行する。
以上の実施の形態1の変形例18により、以下の効果を得ることができる。本変形例では、ステップST3410において、HeNB内に全てのUEコンテキストが無いと判断されると、ステップST3411において、HeNBからUEに呼び出し信号としてページング信号が送信される。ステップST3412において、呼び出し信号に対してUEから応答信号が送信されないと判断されると、ステップST3413において、HeNBは、Normal動作からEnergySaving動作に移行する。
HeNBからの呼び出し信号に対して、UEから応答信号が送信されることは、HeNBの傘下にUEが存在することを意味する。またHeNBからの呼び出し信号に対して、UEから応答信号が送信されないことは、HeNBの傘下にUEが存在しないことを意味する。つまりHeNBは、呼び出し信号に対してUEから応答信号が送信されるか否かを確認することによって、ネットワーク側に問い合わせることなく、HeNBの傘下にUEが存在するか否かの判断を行うことができる。
このようにHeNBの傘下にUEが存在するかどうかを判断するにあたり、ネットワーク側にUEの在圏情報を問い合わせることなく、HeNBが判断することが可能となるので、ネットワーク側の処理を増やすことなく、EnergySaving動作への移行が可能となる。例えば、ネットワーク側における処理量を増加させることなく、HeNBの傘下にUEが存在するか否かを判断し、HeNBの傘下にUEが存在しない場合に、HeNBをNormal動作からEnergySaving動作に移行させることができる。したがって、HeNBなどのローカルエリアレンジのネットワークノードにおける低消費電力化を効率良く行うことができる。
実施の形態1 変形例19.
実施の形態1の変形例19において解決する課題について説明する。実施の形態1の変形例18では、HeNBにUEがキャンプオンしているかどうかをページングにて判断するが、UEがHeNBにキャンプオンしている場合は、ページング信号とページングに対する応答とが無駄に送信されるので、無線リソースを無駄に使用してしまう。
実施の形態1の変形例19での解決策を以下に示す。実施の形態1の変形例17の解決策と異なる部分を説明する。説明していない部分については、実施の形態1の変形例17と同様とする。
本変形例においては、ウェイクアップ用上り送信信号に、HeNBをサービングセルに指定したかどうかを表すキャンプオン/オフ(Camp On/Off)信号を付加する。さらに、EnergySaving移行用の上り送信信号を設ける。ウェイクアップ用上り送信信号とEnergySaving移行用の上り送信信号の判別方法を以下に2つ開示する。
(1)上り送信信号に、1ビット(bit)の判別ビットを設けた信号を付加し、ウェイクアップ用であるか、EnergySaving移行用であるかを判別する。
(2)HeNBがEnergySaving動作時に、ウェイクアップ用上り送信(Camp Off)を受信した場合は、ウェイクアップ用上り送信信号であると判別し、HeNBがNormal動作中に、ウェイクアップ用上り送信(Camp Off)を受信した場合は、EnergySaving移行用の上り送信信号であると判別する。
HeNBは、EnergySaving移行用の上り送信を受信した場合、ACK(Acknowledgement)をUE宛に送信し、UEはACKを受信したときに、EnergySaving移行用の上り送信を停止する。
実施の形態1の変形例19を用いた具体的な動作例を、図35を用いて説明する。図35は、実施の形態1の変形例19の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図35において、図15に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
HeNBは、まず実施の形態1と同様に、ステップST1503〜ステップST1505の処理を行う。ステップST3501において、UEは、ウェイクアップ用上り送信のトリガの有無を判断する。UEに何らかのウェイクアップ用上り送信のトリガが発生した場合、例えば、実施の形態1の変形例14において、サービングセルのPCIがUEに登録したPCIとなった場合は、ステップST3502に移行し、ウェイクアップ用上り送信のトリガが発生していない場合は、ステップST3501の処理を繰り返す。ステップST3502において、UEは、HeNBに対して、UE−ID(ここではa1)、およびキャンプオン/オフ状態(ここではCamp Off)を表すキャンプオン/オフ(Camp On/Off)信号を含むウェイクアップ用RACH送信を行う。HeNBは、ステップST1510において、UEから送信されるRACHを受信したか否かを判断し、RACHを受信したと判断した場合は、ステップST1511に移行し、RACHを受信していないと判断した場合は、ステップST1510の処理を繰り返す。ステップST1511において、HeNBは、Normal動作へ移行する。
ステップST3503において、eNBは、UEに対して参照信号RSを送信する。ステップST3504において、HeNBは、UEに対して参照信号RSを送信する。UEは、周辺セルであるeNBとHeNBとから参照信号RSを受信し、受信品質のメジャメント、すなわち測定を実行し、ステップST3505でベストセルの選択を行う。ステップST3506で、UEは、ベストセルがHeNBのセルに指定されたか否かの判断を行い、ベストセルがHeNBのセルとなったとき、すなわち、サービングセルにHeNBを指定し、HeNBにキャンプオンしたときに、ステップST3507に移行する。ステップST3506において、ベストセルがHeNBのセルとならなかったときは、ステップ3505に戻り、前述と同様の処理を繰り返す。
ステップST3507において、UEは、HeNBに対して、UE−ID(ここではa1)、およびキャンプオン/オフ状態(ここではCamp On)を表すキャンプオン/オフ(Camp On/Off)信号を含むウェイクアップ用RACH送信を行う。キャンプオン/オフ信号は、HeNBとの間で上り送信信号および下り送信信号の送受信が可能なキャンプオン状態であるか否か、すなわちキャンプオン状態であるのか、キャンプオフ状態であるのかを表す。キャンプオフ状態とは、HeNBとの間で上り送信信号および下り送信信号の送受信が不可能な状態をいう。
ステップST3508において、HeNBは、UE−ID=a1のUEが自セルにキャンプオンしていることを認識する。
ステップST3509において、eNBは、UEに対して参照信号RSを送信する。ステップST3510において、HeNBは、UEに対して参照信号RSを送信する。UEは、周辺セルであるeNBとHeNBとから、ステップST3509、ステップST3510にて送信された参照信号RSを受信し、受信品質のメジャメントを行う。UEは、ステップST3511にて、ベストセルの選択を行い、ステップST3512にてベストセルがHeNBセルではなくなったかどうか、すなわちベストセルがHeNBのセルに指定されていないかどうかを判断する。ベストセルがHeNBセルでなくなるということは、UEが移動するなどによって、サービングセルであるHeNBの受信品質が低下し、他のセルにキャンプオンしたことを示している。
ステップST3512で、UEはベストセルがHeNBのセルとならなかったときは、ステップST3513に移行する。ステップST3512において、ベストセルがHeNBのセルとなったとき、すなわち、サービングセルにHeNBを指定し、HeNBにキャンプオンしたときは、UEは、ステップ3511に戻り、前述と同様の処理を繰り返す。
UEは、HeNBからキャンプオフ(Camp Off)し、他のセルにキャンプオンした場合、ステップST3513で、HeNBに対して、EnergySaving用RACHメッセージの送信(以下「EnergySaving用RACH送信」という場合がある)を行う。RACHメッセージは、HeNBを、通常動作状態であるNormal動作状態から、低電力動作状態であるEnergySaving動作状態に移行させるための低電力動作用上り送信信号に相当する。RACHメッセージは、UE−IDとキャンプオン/オフ状態を表すキャンプオン/オフ(Camp On/Off)信号とを含む。ここでは、UE−ID=a1、キャンプオン/オフ状態がCamp Offであることを表すキャンプオン/オフ(Camp On/Off)信号を含むRACHメッセージをHeNBに送信する。
HeNBは、UEから送信されるEnergySaving用RACHを受信すると、ステップST3514において、ACKをUE宛に送信する。
ステップST3516において、HeNBは、自セルにキャンプオン(Camp On)しているUEの有無を判断する。キャンプオンしているUEが無いと判断した場合は、ステップST3516に移行し、キャンプオンしているUEが有ると判断した場合、すなわち自セルにキャンプオンしているUEが1つでも存在している場合は、ステップST3515の処理を繰り返す。ステップST3516において、HeNBは、EnergySaving動作に移行する。ステップST3517において、HeNBは、送信OFFかつ間欠受信動作のEnergySaving動作となる。
以上の実施の形態1の変形例19により、以下の効果を得ることができる。本変形例では、HeNBは、UEから送信されるキャンプオン/オフ信号に基づいて、キャンプオン状態のUEが存在するか否かを判断する。これによって、HeNBは、ページングを用いずに、CSG−IDに登録されたUEが、HeNBにキャンプオンしているか否かを判断することが可能となる。したがって、HeNBにおける処理量を増加させることなく、HeNBをNormal動作状態からEnergySaving動作状態に移行させることができるので、HeNBなどのローカルエリアレンジのネットワークノードにおける低消費電力化を効率良く行うことができる。
またHeNBは、ウェイクアップ用上り送信でEnergySaving状態からNormal動作への移行、およびEnergySaving移行用上り送信でNormal動作からEnergySaving動作への移行が可能となる。これによって、的確なEnergySaving動作を行うことができる。
実施の形態1 変形例20.
実施の形態1の変形例20において解決する課題について説明する。実施の形態1の変形例18の解決策とは異なる方法で、HeNBの傘下のUEの存在有無を検出する。
実施の形態1の変形例20での解決策を以下に示す。実施の形態1の変形例18の解決策と異なる部分を説明する。説明していない部分については、実施の形態1の変形例18と同様とする。
本変形例では、HeNBがNormal動作からEnergySaving動作に移行するトリガとして、該HeNBがEnergySaving動作に移行するまでの時間、もしくはEnergySaving動作に移行する時刻を、該HeNBが報知情報として送信する。
HeNBは、報知したEnergySaving動作に移行するまでの時間の経過後、もしくは報知したEnergySaving動作に移行する時刻になったとき、EnergySaving動作に移行する。
HeNBがEnergySaving動作に移行するまでの時間、もしくはEnergySaving動作に移行する時刻を、該HeNBが報知する方法の具体例について、以下に2つ開示する。
(1)HeNBが報知情報として送信するSIBに、EnergySaving動作移行までの時間を付加し、通常のSI Modificationにより報知を行う。
(2)HeNBが報知情報として送信するSIBに、EnergySaving動作への移行時刻を付加し、通常のSI Modificationにより報知を行う。
上記SI Modificationを受信したHeNBにキャンプオンし続けたいUEは、応答を行う。応答の具体例について、以下に3つ開示する。
(1)ウェイクアップ用RACH送信をHeNBに対して送信する。
(2)Normal動作継続用RACH送信を設け、HeNBに対して送信する。
(3)RACHメッセージにウェイクアップ、もしくはNormal動作継続のメッセージを付加し、通常のRACH送信を行う。HeNBは、RACHメッセージにより、ウェイクアップもしくはNormal動作継続を認識する。
実施の形態1の変形例20を用いた具体的な動作例を、図36を用いて説明する。図36は、実施の形態1の変形例20の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図36において、図34に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
ステップST3601で、HeNBは、Normal動作をしている。実施の形態1の変形例18では、EnergySaving動作から、ステップST3601に相当するNormal動作への移行にあたり、UEから送信されるウェイクアップ用RACHをHeNBが受信した場合について記載したが、本変形例では、UEからHeNBへのウェイクアップ用RACH送信の処理はなくてもよい。
HeNBがNormal動作をしている状態で、UEがステップST3402でHeNBおよびネットワーク側すなわちEPCに通信要求を送信すると、実施の形態1の変形例18と同様に、EPCは、ステップST3403の処理を行う。その後、HeNBは、ステップST3404〜ステップST3406の処理を行う。EPCは、HeNBによるステップST3406の処理を受けて、ステップST3407の処理を行う。その後、HeNBは、ステップST3408〜ステップST3410の処理を行う。
HeNBは、ステップST3410で、HeNB内に全てのUEコンテキストが無い、すなわちHeNBにUEコンテキストが設定されていないと判断した場合に、EnergySaving動作への移行を許可し、ステップST3602に移行する。ステップST3602において、HeNBは、SIBに、HeNBがEnergySaving動作へ移行する時刻(以下「EnergySaving移行時刻」という場合がある)を設定する。ステップST3603で、HeNBは、SIBの更新を報知するSI Modificationを、ページングを用いてUEに送信する。
ステップST3603でHeNBから送信されるSI Modificationを受信したUEで、かつHeNBにキャンプオンし続けたいUEは、ステップST3604において、HeNBに対してウェイクアップ用RACH送信を行う。ステップST3605で、HeNBは、EnergySaving移行時刻までにUEからの応答が無いか否か、具体的には、UEからウェイクアップ用RACHを受信したか否かの判断を行う。ウェイクアップ用RACHを受信しなかった場合、すなわちUEからの応答が無い場合は、ステップST3413に移行する。HeNBは、ステップST3413において、EnergySaving動作へ移行し、ステップST3414において、送信OFFおよび間欠受信動作のEnergySaving動作を行う。
ステップST3605で、HeNBが、UEからウェイクアップ用RACHを受信した場合、すなわちUEからの応答が有った場合は、キャンプオンしている、もしくはキャンプオンをしたいUEが存在すると判断してステップST3409に移行し、ステップST3409で、予め定める時間が経過したか否かを判断する。ステップST3409において、予め定める時間が経過したと判断した場合は、ステップST3410に戻り、前述と同様の処理を繰り返し行い、予め定める時間が経過していないと判断した場合は、ステップST3409の処理を繰り返す。
以上の実施の形態1の変形例20により、実施の形態1の変形零18の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。HeNBの傘下にUEが存在するか否かを判断するにあたり、報知情報によりEnergySaving動作への移行を通知できるので、キャンプオンしていないUEに対しても、HeNBの動作状態を通知することが可能となる。したがって、キャンプオンしたいUEが存在する場合に、無駄にHeNBがEnergySaving動作へ移行してしまうことを回避することができる。
実施の形態1 変形例21.
実施の形態1の変形例21において解決する課題について説明する。前述の実施の形態1は、主にHeNBの傘下にUEが存在しない場合のEnergySaving動作からの復帰、もしくはEnergySaving動作への移行について開示したものであるが、UEがHeNBにキャンプオンしていながら、UEのユーザ全てが睡眠中などの理由で、UEが長時間にわたって使用されない場合がある。そのような場合についても、HeNBのEnergySaving動作を行って、消費電力を削減することが望まれている。
実施の形態1の変形例21での解決策を以下に示す。実施の形態1の変形例19の解決策と異なる部分を説明する。説明していない部分については、実施の形態1の変形例19と同様とする。
前述の実施の形態1の変形例9で開示したように、HeNBが、EnergySaving動作中であっても、移動端末のメジャメントに必要な信号、あるいはチャネルを、ある期間送信する動作を、以下の説明では「第2のEnergySaving動作」と称する。本変形例では、HeNBにキャンプオンしているUEと該HeNBとの間において、一定期間データトラフィックが無いことを検出した場合、HeNBは、第2のEnergySaving動作へ移行する。
前述の実施の形態1の変形例9で開示した効果のとおり、第2のEnergySaving動作中は、UEはHeNBの受信品質を測定できるので、無駄なセルリセレクションは発生しない。
第2のEnergySaving動作からNormal動作への移行条件の具体例を、以下に3つ開示する。
(1)UEからウェイクアップ用RACH送信を受信した場合。
(2)UEから通常のRACH送信を受信した場合。すなわちUEから通信要求を受けた場合。
(3)ネットワーク側からページングを受信した場合。
実施の形態1の変形例21を用いた具体的な動作例を、図37を用いて説明する。図37は、実施の形態1の変形例21の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図37において、図15および図35に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
HeNBは、実施の形態1の変形例19と同様に、ステップST1503〜ステップST1505、ステップST1510、ステップST1511、ステップST3504の処理を行う。UEは、実施の形態1の変形例19と同様に、ステップST3501、ステップST3502、ステップST3505〜ステップST3507の処理を行う。eNBは、実施の形態1の変形例19と同様に、ステップST3503の処理を行う。
ステップST3508で、HeNBは、UE−ID=a1のUEが自セルにキャンプオンしていることを認識する。その後、ステップST3701において、HeNBは、一定期間、キャンプオンしている全てのUEのデータトラフィックが無いかどうかを判断し、データトラフィックが無い場合は、ステップST3702に移行し、データトラフィックがある場合は、ステップST3701の処理を繰り返す。ステップST3702において、HeNBは、第2のEnergySaving動作へ移行する。第2のEnergySaving動作に移行すると、HeNBは、ステップST3703で間欠送信かつ間欠受信動作となる。
HeNBは、ステップST3703で第2のEnergySaving動作になった場合、ステップST3704において、間欠送信によって、UEが受信品質を測定するための参照信号RSを送信する。UEは、ステップST3705で、サービングセルの受信品質が低下したか否かの判断を行う。ステップST3705において、サービングセルの受信品質が低下したと判断した場合は、ステップST3706に移行し、サービングセルの受信品質が低下していないと判断した場合は、ステップST3705の処理を繰り返す。
ステップST3706において、UEは、セルを再選択するために用いる受信品質の測定、すなわちメジャメントを行う。本変形例では、UEのユーザが睡眠中などの場合は、UEの移動が生じないので、伝送路の状況が変化しなければ、サービングセルの受信品質は不変である。したがって、ステップST3705では、常にサービングセルの受信品質が低下していないと判断されるので、ステップST3706でのセル再選択用のメジャメント処理は行われない。
HeNBが、ステップST3703で第2のEnergySaving動作になった場合、EPCは、ステップST3707で、HeNBに対してページングを行う。HeNBは、EPCからページングを受信した場合、ステップST3708で、第2のEnergySaving動作からNormal動作に移行する。
以上の実施の形態1の変形例21により、実施の形態1の変形例9の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。本変形例では、UEから送信されるキャンプオン/オフ信号に基づいて、キャンプオン状態のUEが存在すると判断され、かつキャンプオン状態のUEとHeNBとの間で、予め定める期間にわたって上り送信信号の送受信が行われていないと判断されると、HeNBは、Normal動作状態からEnergySaving動作状態に移行する。
これによって、HeNBにUEがキャンプオンしている場合も、第2のEnergySaving動作を行うことができるので、UEが長時間使用されない場合に、HeNBの消費電力を削減することが可能となる。つまり、HeNBにUEがキャンプオンしている場合でも、UEが一定期間使用されないときには、HeNBをNormal動作状態からEnergySaving動作状態に移行させて、HeNBの消費電力を削減することができる。したがって、HeNBなどのローカルエリアレンジのネットワークノードにおける低消費電力化を効率良く行うことができる。
実施の形態1 変形例22.
実施の形態1の変形例22は、実施の形態1の変形例21の課題を別の方法で解決する具体例である。
HeNBは、ユーザ宅に設置されることが多いと考えられ、室内で使用される状況が大部分を占めると考えられる。UEのユーザが睡眠中は、宅内の照明を消灯する場合が多いと考えられることから、UEの周辺の照度に応じて、HeNBのEnergySaving動作を行うことが可能である。最近のUEには、UEの低消費電力化や画面の見やすさを目的として、照度センサを備えたUEが多く存在する。
HeNBは、屋根裏等に設置される場合も考えられるため、HeNBに照度を測定するセンサが備えられていても、適切なEnergySaving動作は困難である。そこで本変形例では、適切なEnergySaving動作を行うために、以下に示す構成を採用している。本変形例では、UEに照度センサを備える。
本変形例では、前述の実施の形態1の変形例19で開示したEnergySaving移行用のRACH送信を使用する。UEは、該UEの周辺の照度が、予め定める閾値以下となった場合に、HeNB宛にEnergySaving移行用のRACH送信を行うことで、HeNBを第2のEnergySaving動作へ移行させる。またUEは、該UEの周辺の照度が、予め定める閾値以上となった場合に、HeNB宛にウェイクアップ用RACH送信を行うことで、HeNBをNormal動作に移行させる。
実施の形態1の変形例22を用いた具体的な動作例を、図38を用いて説明する。図38は、実施の形態1の変形例22の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図38において、図15および図35に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
HeNBは、実施の形態1の変形例21と同様に、ステップST1503〜ステップST1505、ステップST1510、ステップST1511、ステップST3504の処理を行う。UEは、実施の形態1の変形例21と同様に、ステップST3501、ステップST3502、ステップST3505、ステップST3506の処理を行う。eNBは、実施の形態1の変形例21と同様に、ステップST3503の処理を行う。
ステップST3506で、ステップST3505で選択したベストセルがHeNBであると判断されたとき、すなわちUEがHeNBにキャンプオンしたとき、UEは、ステップST3801で、HeNBに対してウェイクアップ用RACH送信を行う。ステップST3801でHeNBに対して送信する信号は、図35のステップST3507でHeNBに対して送信する信号と同じである。しかし、本変形例では、図35に示す変形例と異なり、ステップST3801の処理の直後に、HeNBがステップST3802の処理を行う。ステップST3802において、HeNBは、ACK、例えばランダムアクセスレスポンスをUEに対して送信する。UEは、HeNBから送信されるACK信号を受信すると、ステップST3803で、RACH送信を停止する。
ステップST3801で送信されるウェイクアップ用RACH送信メッセージには、UE−IDおよびキャンプオン(Camp On)状態が通知されており、HeNBは、ステップST3508において、ステップST3801で通知されたUE−ID、例えばUE−ID=a1のUEが自セルにキャンプオン状態になったことを認識する。
UEは、UEに備えた照度センサなどでUEの周辺の照度を測定し、ステップST3804において、一定期間、UEの周辺の照度が、予め定める閾値以下であるか否かを判断する。ステップST3804において、UEの周辺の照度が予め定める閾値以下となった場合は、ステップST3805に移行し、UEの周辺の照度が、予め定める閾値を超えた場合は、ステップST3804の処理を繰り返す。ステップST3805において、UEは、HeNBに対してEnergySaving用RACH送信を行う。なお、図示はしていないが、UEが通信中(RRC_Connected)の場合は、ステップST3805のEnergySaving用RACH送信は行わない。ステップST3514で、HeNBは、ステップST3805のEnergySaving用RACH送信に対する応答として、ACKをUE宛に送信する。UEは、ステップST3514でHeNBから送信されるACKを受信すると、ステップST3806で、RACH送信を停止する。
ステップST3807において、HeNBは、キャンプオンしている全てのUEからEnergySaving移行用のRACHを受信したか否かの判断を行う。ステップST3807において、キャンプオンしている全てのUEからEnergySaving移行用のRACHを受信したと判断した場合は、ステップST3702に移行する。キャンプオンしている全てのUEからEnergySaving移行用のRACHを受信していない、すなわちキャンプオンしているUEの中に、EnergySaving移行用のRACHを受信していないUEが存在すると判断した場合は、ステップST3807の処理を繰り返す。ステップST3702において、HeNBは、第2のEnergySaving動作へ移行する。第2のEnergySaving動作に移行すると、HeNBは、ステップST3703で間欠送信かつ間欠受信動作となる。
UEは、ステップST3808で、ステップST3804と同様に、照度センサなどでUEの周辺の照度を測定し、一定期間、UEの周辺の照度が予め定める閾値以上であるか否かを判断する。ステップST3808において、UEの周辺の照度が予め定める閾値以上となった場合は、ステップST3809に移行し、UEの周辺の照度が予め定める閾値未満となった場合は、ステップST3808の処理を繰り返す。
ステップST3809で、UEは、HeNBに対してウェイクアップ用RACH送信を行う。HeNBは、UEから送信されるウェイクアップ用RACHを受信すると、ステップST3810で、UE宛にACKを送信し、その後、ステップST3811に移行する。ステップST3811において、HeNBは、Normal動作へ移行する。UEは、HeNBから送信されるACKを受信すると、ステップST3812で、RACH送信を停止する。
以上の実施の形態1の変形例22により、実施の形態1の変形例21の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。本変形例では、HeNBがNormal動作状態のときに、ステップST3804において、一定期間のUEの周辺の照度が閾値以下であると判断されると、ステップST3805において、EnergySaving動作用RACH送信が行われる。HeNBは、キャンプオンしている全てのUEからEnergySaving動作用RACHを受信すると、ステップST3702で第2のEnergySaving動作に移行する。このように本変形例によれば、HeNBに登録されているUEの周辺の照度により、HeNBのEnergySaving動作を制御することが可能となる。
実施の形態1 変形例23.
実施の形態1の変形例23は、実施の形態1の変形例21の課題を別の方法で解決する具体例である。
UEがHeNBにキャンプオンしており、ユーザがUEを使用していない状態として、UEが物理的に静止している状態であることが多いと考えられる。ユーザがUEを操作するときは、UEを手に持って操作するからである。そこで本変形例では、UEに、物理的な静止状態であることを検出するセンサ、例えば加速度センサを備え、物理的な静止状態が一定期間継続した場合に、EnergySaving移行用のRACH送信を使用し、HeNBを第2のEnergySaving動作へ移行させる。また、UEが物理的に動いた場合に、ウェイクアップ用RACHを、HeNB宛に送信することで、HeNBをNormal動作に移行させる。
実施の形態1の変形例23を用いた具体的な動作を説明する。本変形例を用いた場合の動作は、実施の形態1の変形例22で開示した図38のシーケンスのステップST3804およびステップST3808以外は、変形例22を用いた場合の動作と同様である。本変形例では、図38のステップST3804の処理に代えて、UEが、加速度センサによる測定結果に基づいて、一定期間、物理的に静止しているか否かの判断を行うこととすればよい。また図38のステップST3808の処理に代えて、UEが、物理的に動いたか否かの判断を行うこととすればよい。
以上の実施の形態1の変形例23により、実施の形態1の変形例21の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。HeNBに登録されているUEが物理的に静止している状態、例えばユーザの手から離れた待ち受け状態において、HeNBのEnergySaving動作が可能となる。またUEが物理的に動いたとき、例えばユーザがUEを操作しようと手に持ったときに、HeNBのウェイクアップを行うことが可能となる。したがって、HeNBの消費電力を低減することが可能となる。
実施の形態1 変形例24.
実施の形態1の変形例24は、実施の形態1の変形例21の課題を別の方法で解決する具体例である。
実施の形態1の変形例1から変形例23は、主にユーザが意識することなく、HeNBのEnergySaving制御を行う解決策を開示したものであるが、実施の形態1の変形例24では、ユーザがUEからHeNBのEnergySaving動作の制御を明示的に行うものである。明示的にEnergySaving動作の制御を行う具体例として、以下に2つ開示する。
(1)UEにHeNBの低消費電力モードボタンおよび低消費電力モード解除ボタンを設け、ユーザが低消費電力モードボタンおよび低消費電力モード解除ボタンの操作を行う。
(2)UEの操作メニューにEnergySavingモード設定を設け、ユーザがUEの操作メニューで、EnergySavingモード設定を選択し、EnergySavingモードの設定および解除を行う。
EnergySaving動作の制御は、UEのCSGホワイトリストに登録されたHeNB全てに対して行ってもよいし、特定のCSG−IDのHeNBに対して行ってもよい。本変形例において、UEに設けられる低消費電力モードボタンおよび低消費電力モード解除ボタン、ならびにUEの操作メニューは、操作手段に相当する。操作手段は、HeNBを、通常動作状態であるNormal動作状態から、低電力動作状態であるEnergySaving動作状態に移行させる指示の入力操作が可能に構成される。ユーザは、操作手段によって、HeNBをNormal動作状態からEnergySaving動作状態に移行させる指示を入力することが可能である。また操作手段は、HeNBを、低電力動作状態であるEnergySaving動作状態から、通常動作状態であるNormal動作状態に移行させる指示の入力操作が可能に構成される。ユーザは、操作手段によって、HeNBをEnergySaving動作状態からNormal動作状態に移行させる指示を入力することが可能である。
実施の形態1の変形例24を用いた具体的な動作を説明する。本変形例を用いた場合の動作は、実施の形態1の変形例22で開示した図38のシーケンスのステップST3804およびステップST3808以外は、変形例22を用いた場合の動作と同様である。本変形例では、例えば上記EnergySaving動作の制御の(1)を用いる場合、図38のステップST3804の処理に代えて、UEが、低消費電力モードボタンが押下されたか否かの判断を行うこととすればよい。また図38のステップST3808の処理に代えて、UEが、低消費電力モード解除ボタンが押下されたか否かの判断を行うこととすればよい。上記EnergySaving動作の制御の(2)を用いる場合には、図38のステップST3804の処理に代えて、UEが、UEの操作メニューのEnergySavingモード設定でEnergySavingモードに設定されたか否かの判断を行い、図38のステップST3808の処理に代えて、UEが、UEの操作メニューのEnergySavingモード設定でEnergySavingモードが解除されたか否かの判断を行うこととすればよい。
また、図38のステップST3802で送信されるACKに、HeNBのEnergySaving状態フラグを付加することにより、UEは、HeNBの動作状態を判断することが可能となる。これによって、UEの表示手段、例えば液晶表示装置の表示画面上にHeNBの動作状態を表示することが可能となり、その表示に基づいてユーザがHeNBの動作状態を判断することが可能となる。したがってユーザは、低消費電力モードボタンまたは操作メニューのEnergySavingモード設定を操作するだけで、容易にEnergySaving動作の制御をすることが可能となる。
本変形例では、図38を用いて、HeNBにキャンプオンしているUEから、HeNBへのEnergySaving動作の制御を開示したため、第2のEnergySaving動作に対する制御方法の具体例となっているが、本変形例は、実施の形態1の送信OFFかつ間欠受信動作によるEnergySaving動作に対する制御にも適用することができる。
以上の実施の形態1の変形例24により、以下の効果を得ることができる。本変形例では、UEは、低消費電力モードボタンおよび低消費電力モード解除ボタンなどの操作手段を備える。UEのユーザは、操作手段によって、HeNBをNormal動作状態からEnergySaving動作状態に移行させる指示を入力することができる。この指示が入力されると、UEによってEnergySaving動作用RACH信号がHeNBに送信される。HeNBは、UEから送信されるEnergySaving動作用RACH信号を受信すると、Normal動作状態からEnergySaving動作状態に移行する。
またUEのユーザは、操作手段によって、HeNBをEnergySaving動作状態からNormal動作状態に移行させる指示を入力することができる。この指示が入力されると、UEによってウェイクアップ用RACH信号がHeNBに送信される。HeNBは、UEから送信されるウェイクアップ用RACH信号を受信すると、EnergySaving動作状態からNormal動作状態に移行する。
このように本変形例によれば、ユーザがUEを用いて、HeNBのEnergySaving動作の制御およびNormal動作の制御を、ユーザの意思で明示的に行うことが可能となる。したがって、ユーザが必要なときにのみEnergySaving制御用のRACH送信およびNormal制御用のRACH送信が行われるため、無駄に無線リソースを使用することなく、EnergySaving動作およびNormal動作が可能となる。
実施の形態1 変形例25.
実施の形態1の変形例25において解決する課題について説明する。実施の形態1の変形例24において、第2のEnergySaving動作を行う際に、UEはHeNBにキャンプオンしている必要がある。HeNBの近傍に位置しながら、HeNBのセル選択をしていない場合も考えられる。この場合は、UEがHeNBに対して、実施の形態1の変形例24で開示した低消費電力モードの操作を行っても、HeNBはEnergySaving動作ができない。
本変形例において、マニュアルセルセレクション機能により、ユーザが明示的にHeNBのセルサーチを行う。本変形例では、実施の形態1の変形例24で開示した低消費電力モードの操作を行うときに、同時にマニュアルセルセレクションを実行し、HeNBにUEをキャンプオンさせることで、HeNBに対して、第2のEnergySaving動作を行うことが可能となる。また、ユーザが実施の形態1の変形例24で開示したUEの操作により、EnergySaving動作からNormal動作への復帰を試みようとした場合は、HeNBの近傍に位置していると考えられるので、マニュアルセルセレクションによって、HeNBにキャンプオンさせることが可能となる。
実施の形態1の変形例25を用いた具体的な動作例を、図39を用いて説明する。図39は、実施の形態1の変形例25の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図39において図15、図35および図38に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
ステップST3601で、HeNBは、実施の形態1の変形例20と同様に、Normal動作を行っている。UEは、ステップST3901にて、ユーザがUEでHeNBの低消費電力モードをオン(On)する操作を行ったか否かの判断を行う。具体的には、UEの低消費電力モードボタンが押下されたか否か、またはUEの操作メニューのEnergySavingモード設定でEnergySavingモードが設定されたか否かの判断を行う。UEは、ステップST3901で低消費電力モードをオン(On)する操作が行われたと判断した場合は、ステップST3902に移行し、低消費電力モードをオン(On)する操作が行われていないと判断した場合は、ステップST3901の処理を繰り返す。
ステップST3902において、UEは、マニュアルセル選択(マニュアルセルセレクション)を実行し、ステップST3903に移行する。ステップST3903で、UEは、サービングセルがHeNBのセルであるか否か、すなわちサービングセルとしてHeNBのセルが選択されたか否かの判断を行う。ステップST3903において、サービングセルがHeNBのセルであると判断した場合、すなわちHeNBのセルにUEがキャンプオンした場合、UEは、ステップST3805に移行し、ステップST3805において、HeNB宛に、EnergySaving移行用RACH送信を行う。
ステップST3903で、サービングセルがHeNBのセルではないと判断した場合、すなわちHeNBをサービングセルとできなかった場合、UEは、ステップST3904に移行する。UEは、ステップST3904において、HeNBがEnergySaving動作に移行できなかった旨を表すエラー表示をUEの表示画面に表示した後、ステップST3901に戻って、前述の処理を繰り返す。
HeNBは、ステップST3805でUEから送信されるEnergySaving移行用RACHを受信すると、実施の形態1の変形例22と同様に、ステップST3514、ステップST3806、ステップST3702およびステップST3703の処理を行う。UEは、ステップST3514でHeNBから送信されるACK信号を受信すると、実施の形態1の変形例22と同様に、ステップST3806の処理を行う。
以上の実施の形態1の変形例25により、以下の効果を得ることができる。ユーザがUEから低消費電力モードをオン(On)する操作を行ったときに、マニュアルセルセレクションを同時に行うことが可能となり、該UEのHeNBへのキャンプオン(Camp ON)を試みることが可能となる。またオートノーマスサーチ機能を備えていないUEにおいても、HeNBにキャンプオンしているときのEnergySaving制御を行うことが可能となるので、ユーザが意図したEnergySaving動作ができる。
実施の形態1 変形例26.
実施の形態1の変形例26において解決する課題について説明する。実施の形態1において、Normal動作からEnergySaving動作へのトリガの具体例を開示した。実施の形態1で開示したトリガでは、HeNBなどのローカルeNBのセルのカバレッジ(以下「セルカバレッジ」という場合がある)と周辺のマクロセルのカバレッジとの関係で、HeNBがEnergySaving動作に移行すると、UEが圏外になる可能性がある。例えばUEが、HeNBのセルカバレッジ範囲内かつ、周辺のマクロセルのカバレッジ範囲外に存在する場合、該HeNBがEnergySaving動作に移行すると、UEが通信圏外になるので、ユーザは通信ができない状態となる。
実施の形態1の変形例26における解決策を以下に示す。本変形例では、HeNBがNormal動作からEnergySaving動作に移行する際に、該HeNBの周辺セルの状態に応じて、EnergySaving動作に移行する条件(以下「EnergySaving動作移行条件」という場合がある)を分ける。EnergySaving動作移行条件として、以下に具体例を2つ開示する。
(1)HeNBのセルカバレッジが周辺のマクロセルのセルカバレッジに包含されていない場合は、待ち受け状態(IDLE)のUEが存在しないときに、EnergySaving動作へ移行できる。
(2)HeNBのセルカバレッジが周辺のマクロセルのセルカバレッジに包含されている場合は、接続状態(CONNECTED)のUEが存在しないときに、EnergySaving動作へ移行できる。
HeNBのセルカバレッジが、周辺セルのカバレッジに包含されるか否かの判断方法の具体例を以下に開示する。HeNBは、周辺のマクロセルに対して、受信品質のメジャメント、すなわち測定を行う。HeNBのメジャメントにより、周辺のマクロセルの受信品質が、閾値よりも良好であるとHeNBが判断した場合は、HeNBのセルカバレッジは、周辺のマクロセルのセルカバレッジに包含されていると判断する。
HeNBは、Normal動作からEnergySaving動作の移行トリガが発生した場合に、上記の周辺マクロセルのメジャメントを行う。
以上の実施の形態1の変形例26により、以下の効果を得ることができる。HeNBが周辺マクロセルのカバレッジ範囲外に設置されている場合に、該HeNBのEnergySaving動作により、待ち受け(IDLE)状態のUEが通信圏外となることを防ぐことができ、UEのユーザがサービスを受けられない状態になることを防ぐことができる。
実施の形態2.
実施の形態2において解決する課題について説明する。実施の形態1では、主に1台のローカルeNB、例えば1台のHeNBに対するEnergySaving動作の制御についての課題の解決策について開示したが、学校や百貨店など、一般家庭よりも広い範囲をカバーするために複数台のHeNBを設置する場合がある。この場合、複数台のHeNB(以下「HeNB群」という場合がある)を一括して、EnergySaving動作の制御を行う方が、利便性が向上することがある。
実施の形態2の解決策を以下に示す。本実施の形態では、HeNBのEnergySaving動作を、S1インタフェースなどを用いて、ネットワーク側から制御可能に移動体通信システムを構成し、同一のCSG−IDを設定されたHeNBのグループ毎に、EnergySaving動作の制御を行う。ネットワーク側でEnergySaving動作の制御を行う方法の具体例について、前述の図7を用いて、以下に3つ開示する。
(1)MME部73が、複数のHeNB72−2のうちの各HeNB72−2に対するEnergySaving制御信号を設け、該EnergySaving制御信号によりEnergySaving動作を制御する。
(2)MME部73がHeNBGW74に対するEnergySaving制御信号を設け、該EnergySaving制御信号により、HeNBGW74を介して、HeNBGW74配下のHeNB72−2に対してEnergySaving動作を制御する。
(3)HeNBGW74が、複数のHeNB72−2に対する共通のEnergySaving制御信号を設け、該EnergySaving制御信号により、HeNBGW74配下のHeNB72−2に対してEnergySaving動作を制御する。
上記EnergySaving制御信号には、HeNB個別のEnergySaving動作制御であるのか、同一のCSG−IDを設定されたHeNBグループに対するEnergySaving動作制御であるのかを、区別する識別子を設けてもよい。MME部73は、制御装置に相当する。以下、MME部73を、単に「MME」という場合がある。
実施の形態2を用いた具体的な動作例を、図40を用いて説明する。図40は、実施の形態2の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図40において、図15に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、移動体通信システムは、複数のHeNB、具体的には2つのHeNBを備える。以下、2つのHeNBを第1HeNBおよび第2HeNBという。第1HeNBおよび第2HeNBは、同一のCSG−IDが設定されており、S1インタフェースを介してMMEにて制御されるものとし、UEは、第1HeNBおよび第2HeNBのCSG−IDが該UEのCSGホワイトリストに登録されているものとする。
第1HeNBおよび第2HeNBは、実施の形態1と同様に、ステップST1503でEnergySaving動作への移行トリガが有ると判断されると、ステップST1504でEnergySaving動作へ移行し、ステップST1505でEnergySaving動作の1つである送信OFFかつ間欠受信動作となる。
UEは、実施の形態1と同様に、ステップST1508でサービングセルの受信品質が、ウェイクアップ上り送信閾値未満であると判断すると、ステップST1509において、例えば第1HeNBに、ウェイクアップ用上り送信としてウェイクアップ用RACH送信を行う。
第1HeNBは、ステップST1510において、ステップST1509でUEから送信されたウェイクアップ用RACHを受信したと判断すると、ステップST1511において、Normal動作に移行する。その後、第1HeNBは、ステップST4001において、MMEに対して、EnergySaving制御信号を送信することにより、EnergySaving状態を通知する。
MMEは、ステップST4002において、MME配下のHeNBから、EnergySaving制御信号を受信したか否か、すなわちEnergySaving状態を通知されたか否かの判断を行う。MMEは、ステップST4002において、EnergySaving制御信号を受信したと判断した場合は、ステップST4003に移行し、EnergySaving制御信号を受信していないと判断した場合は、ステップST4002の処理を繰り返す。
MMEは、ステップST4003において、EnergySaving管理テーブルを参照し、ステップST4004に移行する。EnergySaving管理テーブルには、グローバルセルIDなどのHeNBの識別子、該HeNBのCSG−ID、該HeNBのEnergySaving状態が管理されている。
ステップST4004において、MMEは、EnergySaving管理テーブル中に、ステップST4002でEnergySaving制御信号を受信したHeNB、本実施の形態では第1HeNBのCSG−IDと同一のCSG−IDのHeNBが存在するか否かの判断を行う。同一のCSG−IDのHeNBが存在すると判断した場合は、ステップST4005に移行し、同一のCSG−IDのHeNBが存在しないと判断した場合は、ステップST4004の処理を繰り返す。
ステップST4005において、MMEは、ステップST4004で第1HeNBとCSG−IDが同一であると判断されたHeNB、本実施の形態では第2HeNBに対して、ウェイクアップ制御信号を送信することにより、ウェイクアップ指示を与える。第2HeNBは、ステップST4006において、MMEからウェイクアップ制御信号を受信したか否か、すなわちウェイクアップ指示を与えられたか否かの判断を行う。ウェイクアップ制御信号を受信したと判断した場合は、ステップST4007に移行し、ウェイクアップ制御信号を受信していないと判断した場合は、ステップST4006の処理を繰り返す。ステップST4007において、第2HeNBは、Normal動作へ移行する。
以上の実施の形態2により、以下の効果を得ることができる。本実施の形態では、HeNBは、EnergySaving動作状態からNormal動作状態に移行すると、ネットワーク側、具体的にはMMEに対して、EnergySaving制御信号を送信することによって、Normal動作状態に移行したことを通知する。ネットワーク側のMMEは、EnergySaving制御信号を受信すると、そのEnergySaving制御信号を送信したUEと同一の群に属するHeNB、すなわち同一のCSG−IDが設定されたHeNBを探索する。そして、MMEは、同一のCSG−IDが設定されたHeNBが見つかれば、そのHeNBに対して、ウェイクアップ制御信号を送信し、EnergySaving動作状態からNormal動作状態に移行するように指示する。
これによって、予め定める同一の群に属する複数のHeNB、具体的には、同一のCSG−IDが設定された複数のHeNBのうちの1台に対して、EnergySaving動作の制御がされた場合に、同一のCSG−IDが設定されたその他のHeNBが連動して、EnergySaving動作の制御を行うことが可能となる。したがって、同一CSG−IDの複数のHeNBを管理するユーザに対して、EnergySaving動作の制御の利便性を向上することができる。
本実施の形態では、図40に示すように、EnergySaving動作からNormal動作への復帰の処理について、HeNB群を連動して制御する場合を説明したが、Normal動作からEnergySaving動作への移行の処理についても、HeNB群を連動して制御するように構成してもよい。この場合、実施の形態1の変形例19を用いて、1台のHeNBに対し、EnergySaving動作への移行の処理がなされたときに、HeNB群を連動して、EnergySaving動作へ移行させることが可能である。これによって、同一CSG−IDの複数のHeNBを管理するユーザに対して、EnergySaving動作の制御の利便性をさらに向上することができる。
実施の形態2 変形例1.
実施の形態2の変形例1において解決する課題について説明する。実施の形態2では、同一CSG−IDのHeNB毎にEnergySaving動作を制御する場合について開示したが、百貨店等では、時間帯により、営業するフロアが限定される場合がある。この場合、複数設置されたHeNBのうち、一部のHeNBのみ稼動させればよいが、実施の形態2の解決策では、一部のHeNBのみにEnergySaving動作の制御を行うことはできない。また、CSG−IDとは別の基準でグループ化を行い、該グループ内のHeNBに対してEnergySaving動作の制御を行いたい場合もある。
実施の形態2の変形例1での解決策を以下に示す。本変形例では、同時にEnergySaving動作の制御を行うグループ設定を設ける。該グループ設定は、例えば、MMEがEnergySaving動作の制御を行う場合は、実施の形態2で開示したMMEのEnergySaving管理テーブルに追加する。HeNBGWがEnergySaving動作の制御を行う場合は、同様にHeNBGWが管理するEnergySaving管理テーブルに、該グループ設定を設ける。本変形例を用いた場合の動作は、実施の形態2で開示した図40のシーケンスのステップST4004以外は、実施の形態2を用いた場合の動作と同様である。本変形例では、図40のステップST4004の処理に代えて、同一CSG−IDかつ同一グループのHeNBの有無を判断するようにすればよい。ここで、同一CSG−IDであるが、同一グループでない、すなわちグループ外のHeNBに対しての制御の具体例を以下に開示する。
(1)EnergySaving制御信号により、通知は行うが、HeNBのEnergySaving状態は不変とする。
(2)MMEもしくはHeNBGWは、グループ外のHeNBには何も通知しない。
以上の実施の形態2の変形例1により、以下の効果を得ることができる。複数のHeNBに対する一括したEnergySaving動作の制御を、CSG−ID単位ではなく、HeNBの管理者がグループを新たに設定して、管理することが可能となる。これによって、複数のHeNBを管理する管理者の利便性を向上することができる。
実施の形態3.
実施の形態3において解決する課題について説明する。HeNBがEnergySaving動作を可能に構成されるとき、UEのユーザは、該HeNBを使ったサービスを受けられる状態にあるかどうかの認識をするすべが無い。UEのユーザは、例えば、CSGホワイトリストに登録したHeNBの近隣で、該HeNBにキャンプオンできた場合に、該HeNBによるサービスを受けられると受動的に認識するしかない。UEのユーザは、該HeNBのCSGに登録することによって特別なサービスを受けるための追加料金を支払っている場合もあり、該HeNBの動作状態をユーザが明示的に認識できるようにすることが望ましい。
実施の形態3の解決策を以下に示す。本実施の形態では、UEは、UEの表示画面上に、UEのCSGホワイトリストに登録されているHeNBの動作状態を表示する機能を備える。動作状態の表示はリスト形式で行ってもよいし、地図上に表示させることで行ってもよい。地図上に表示させる場合の表示内容の具体例を、以下に6つ開示する。
(1)HeNBの設置場所。
(2)HeNBのセルカバレッジ範囲。
(3)HeNBとUEとの相対位置がわかるようなUEの位置。
(4)HeNBのEnergySaving動作状態。
(5)HeNBのCSG−ID。
(6)HeNBのアクセスモード(オープン/クローズ/ハイブリッド)。
上記表示内容の表示例について、図41を用いて説明する。図41は、実施の形態3の解決策を用いた場合のUEの表示画面における表示例を示す図である。図41では、UEの表示画面4101に、UEの位置4102と、HeNBの位置4103,4105,4107とが表示されており、UEの近隣に3つのHeNBが位置していることを示している。図41において、UEの位置4102は、黒丸印と「ユーザ」の文字とによって表示されている。HeNBの位置4103,4105,4107は、黒色の星印と、「フェムト1」、「フェムト2」、「フェムト3」という文字とによって表示されている。以下、「フェムト1」で表されるHeNBを第1HeNB4103といい、「フェムト2」で表されるHeNBを第2HeNB4105といい、「フェムト3」で表されるHeNBを第3HeNB4107という。
第1HeNB4103の状態としては、例えば、セルカバレッジ範囲である通信カバレッジ範囲4104と、EnergySaving動作状態として「off」とが表示される。第2HeNB4105に対しては、例えば、通信カバレッジ範囲4106と、EnergySaving動作状態として「on」が表示される。第3HeNB4107に対しては、例えば、通信カバレッジ範囲4108と、EnergySaving動作状態として「送信off」とが表示される。
EnergySaving動作状態の表示において、「off」は、HeNBがEnergySaving動作をしていない、すなわちNormal動作をしていることを表す。「on」は、HeNBがEnergySaving動作として、第2のEnergySaving動作である間欠送信かつ間欠受信動作をしていることを表す。「送信off」は、HeNBがEnergySaving動作として、送信OFFかつ間欠受信動作をしていることを表す。図41では、上記表示内容(1)〜(6)のうち、(5)のCSG−IDおよび(6)のアクセスモードについては、UEの表示画面4101に表示していないが、必要に応じて表示することができる。
上記表示内容の表示を行う状況の具体例として、以下に3つ開示する。
(1)ユーザが、上記表示内容の表示操作を行ったとき。
(2)ユーザが、マニュアルセルセレクションの操作を行ったとき。
(3)ユーザが、EnergySaving動作制御の操作を行ったとき。
ユーザが、EnergySaving動作制御の操作を行う場合としては、例えば実施の形態1の変形例23に開示したように、UEのユーザが明示的にUEから該HeNBのEnergySaving動作を行う場合が挙げられる。この場合に、上記表示内容をUEの表示画面に表示するようにすると、ユーザフレンドリー、すなわちユーザにとって使い勝手の良いものとなる。
本実施の形態では、複数のHeNBに対して、EnergySaving動作状態の管理が必要となる。HeNBの状態管理方法について、以下に具体例を3つ開示する。
(1)MME毎に、MMEと接続されたHeNBとのS1インタフェースにて管理を行う。HeNBとUEとで自律的にEnergySaving動作制御を行っている場合は、HeNBはEnergySaving動作状態をS1インタフェースにてMMEに通知し、MMEは状態管理のみを行う。MMEがHeNBのEnergySaving動作制御を行っている場合も、MMEがHeNBの状態管理を行う。
(2)HeNB−GW毎に、管理を行う。HeNB−GWにHeNBのEnergySaving動作状態の管理機能を設け、S1インタフェースにてMME、HeNBと、HeNBのEnergySaving動作状態メッセージの送受信を行うことで、HeNBのEnergySaving動作状態の管理を行う。
(3)HSSと同様のHeNB管理サーバを設け、HeNBのEnergySaving動作状態の管理を一括して行う。
HeNBのEnergySaving動作状態を、表示させるUEに通知する方法の具体例について、以下に2つ開示する。
(1)報知情報により、サービングセルもしくは周辺セルから通知する。
(2)UEからの要求により、制御メッセージとして通知する。
以上の実施の形態3により、以下の効果を得ることができる。本実施の形態では、UEは、表示手段を備えており、表示手段によって、HeNBの状態を表す基地局情報を表示する。これによって、HeNBのCSGに登録したUEのユーザは、該HeNBの設置位置やセルカバレッジ範囲であるサービスカバー範囲、動作状態などの基地局情報を視覚的に認識することが可能となる。したがって、HeNBのCSGに登録したUEのユーザは、該HeNBのサービスを受けられるかどうかの判断を明示的に行うことができる。また、HeNBのマニュアルセルセレクション操作や、EnergySaving動作制御時の利便性を向上させることができる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。