JPWO2011068218A1 - 爪白癬の起因菌の同定用キットおよびその同定方法 - Google Patents

爪白癬の起因菌の同定用キットおよびその同定方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、菌種特異的なプライマーセットおよびプローブを用い、リアルタイムPCR法により起因菌を迅速かつ正確に同定することができる爪白癬の起因菌の同定用キットおよび同定方法を提供することを目的とする。プライマーセットおよびプローブを含み、リアルタイムPCR法を用いて爪白癬の起因菌を同定するための同定用キットであって、プライマーセットが、配列番号1の塩基配列を有するプライマーと配列番号2の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセット、および、配列番号3の塩基配列を有するプライマーと配列番号4の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットからなる群より選択される少なくとも一つであり、プローブが、配列番号5の塩基配列を有するプローブ、および、配列番号6の塩基配列を有するプローブからなる群より選択される少なくとも一つである、爪白癬の起因菌の同定用キット。

Description

本発明は、リアルタイムPCR法を用いた爪白癬の起因菌の同定用キットおよびその同定方法に関する。
爪白癬は爪の真菌感染症の90%以上を占めており、重症になると爪が白または黄褐色に変色し、肥厚し、爪床から離れていく。爪白癬の起因菌は様々であるが、紅色白癬菌(トリコフィトン・ルブルム)および毛瘡白癬菌(トリコフィトン・メンタグロファイテス)の2菌種が分離された起因菌の殆どを占めている(非特許文献1)。爪白癬の治療には、テルビナフィン、イトラコナゾール、グリセオフルビン等の経口抗真菌薬や、イミダゾール系、アリルアミン系、ベンジルアミン系、チオカルバミン酸系等の外用抗真菌薬が用いられている。しかしながら、爪白癬は、通常の足白癬または体部白癬に比べて完治しにくく、特に既存の外用抗真菌薬の有効性が低いという問題点がある。爪白癬の治療効果を向上させるためには、起因菌の早期特定および的確な抗真菌剤の選定が不可欠である。
爪白癬を含む白癬の診断には、患部から爪や角質等の試料を採取し、顕微鏡で観察して菌要素の有無を確認するKOH直接鏡検法と、選択培地上で数週間培養してコロニーや菌の微細構造を観察することにより菌種を同定する培養法とがある。しかし、KOH直接鏡検法による診断には熟練が必要のうえ、基本的には菌種を同定できない。一方、培養法は菌種の同定はできるものの、数週間という長い期間を要し、培養陽性率も低く、さらに形態学的な同定には熟練を必要とする。
別の白癬の診断方法として、例えば、爪白癬患者の爪甲から抽出した白癬菌アクチンmRNAをリアルタイムPCRで定量し白癬菌の検出と菌量の推定を試みる方法がある(非特許文献2)。しかし、この方法はmRNAを検出対象としているため取扱いの利便性に欠ける。
さらに、爪真菌症の起因菌を正確に検出できる診断法として、第1回PCRおよびnested−PCRを行う方法が開示されている(特許文献1)。しかし、この方法は電気泳動を必要とするため大量検体の処理には適さない。
特開2008−067605号公報
西本勝太郎:真菌誌 47:103−111,2006 坪井良治:臨皮 57(5):94−97,2003
ウイルスや病原菌の検出にはリアルタイムPCR法を用いることがある。リアルタイムPCR法は、サーマルサイクラーと蛍光検出器を一体化した機器を用いてPCRによるDNAの増幅と蛍光による増幅産物の検出を同時に行う手法である。この方法は、電気泳動による増幅産物の確認を必要としないため、簡便でかつ迅速に結果が得られ、コンタミネーションのリスクも低いという利点がある。しかし、これまで爪白癬の起因菌をリアルタイムPCR法で感度良く定量的に検出・同定するための方法はなかった。
したがって、本発明は、菌種特異的なプライマーセットおよびプローブを用い、リアルタイムPCR法により起因菌を迅速かつ正確に同定することができる、爪白癬の起因菌の同定用キットおよびその同定方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、爪白癬の起因菌のリボゾーマルDNAのITS1領域に特異的なプライマーセットおよびプローブを用いて、リアルタイムPCRを行うことで迅速かつ正確に爪白癬の起因菌を同定できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、プライマーセットおよびプローブを含み、リアルタイムPCR法を用いて爪白癬の起因菌を同定するための同定用キットであって、プライマーセットが、配列番号1の塩基配列を有するプライマーと配列番号2の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセット、および、配列番号3の塩基配列を有するプライマーと配列番号4の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットからなる群より選択される少なくとも一つであり、プローブが、配列番号5の塩基配列を有するプローブ、および、配列番号6の塩基配列を有するプローブからなる群より選択される少なくとも一つである、爪白癬の起因菌の同定用キットを提供する。
配列番号1の塩基配列を有するプライマーと配列番号2の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットによれば、真菌全般(universal)のリボゾーマルDNAのITS1領域の全長(およそ350bp)を増幅することができ、また、配列番号3の塩基配列を有するプライマーと配列番号4の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットによれば、主な起因菌である紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)および毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)のリボゾーマルDNAのITS1領域の一部(およそ150bp)を特異的に増幅することができる。
配列番号5の塩基配列を有するプローブによれば、毛瘡白癬菌のリボゾーマルDNAのITS1領域に特異的に検出でき、配列番号6の塩基配列を有するプローブによれば、紅色白癬菌のリボゾーマルDNAのITS1領域に特異的に検出することができる。
したがって、本発明の同定用キットによれば、主な爪白癬の起因菌である紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)および毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)を迅速かつ正確に同定することができる。
本発明は、また、被検者より採取した爪から全DNAを抽出する工程と、爪白癬の起因菌のリボゾーマルDNAのITS1領域に特異的な、プライマーセットおよびプローブを用意する工程と、リアルタイムPCR法を用いて、プライマーセットによって抽出した全DNAにおける爪白癬の起因菌のリボゾーマルDNAのITS1領域を増幅すると同時に、プローブによって増幅したDNAを検出し、菌種を同定する工程とを含む、爪白癬の起因菌の同定方法を提供する。本発明の同定方法によれば、爪白癬の起因菌を迅速かつ正確に同定することができる。
本発明の同定方法において、上記プライマーセットが、配列番号1の塩基配列を有するプライマーと配列番号2の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセット、および、配列番号3の塩基配列を有するプライマーと配列番号4の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットからなる群より選択される少なくとも一つであることが好ましい。配列番号1の塩基配列を有するプライマーと配列番号2の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットによれば、より広範囲の起因菌を同定することができ、配列番号3の塩基配列を有するプライマーと配列番号4の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットによれば、主な2種類爪白癬の起因菌、すなわち、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)および毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)を正確に効率よく同定することができる。また、プライマーセットは目的に応じて2種類の混合物を使用してもよい。
本発明の同定方法において、上記プローブが、配列番号5の塩基配列を有するプローブ、および配列番号6の塩基配列を有するプローブからなるプライマーセットからなる群より選択される少なくとも一つであることが好ましい。プローブは目的に応じて、1種類または2種類の混合物を使用してもよい。2種類の混合物を使用する場合、一回のリアルタイムPCRで同時に2菌種の同定を可能とする。
本発明の同定用キットおよび同定方法によれば、従来のKOH直接鏡検法または培養法に比べて、高度の熟練や数週間の培養期間が不要となるため、より簡便で迅速な爪白癬の起因菌の同定が可能となる。また、従来のnested−PCRによる同定に比べても、定量性、検出精度、および菌種特異性が向上されるうえ、電気泳動を必要としないため所要時間が大幅に短縮できるという利点がある。
本発明の同定方法は、被検者より採取した爪から全DNAを抽出する工程と、爪白癬の起因菌のリボゾーマルDNAのITS1領域に特異的な、プライマーセットおよびプローブを用意する工程と、リアルタイムPCR法を用いて、プライマーセットによって抽出した全DNAにおける爪白癬の起因菌のリボゾーマルDNAのITS1領域を増幅すると同時に、プローブによって増幅したDNAを検出し、菌種を同定する工程とを含む。
本発明の同定方法によって同定できる爪白癬の起因菌は特に限定されないが、紅色白癬菌(トリコフィトン・ルブルム;Trichophyton rubrum )、毛瘡白癬菌(トリコフィトン・メンタグロファイテス;Trichophyton mentagrophytes)、菫色白癬菌(トリコフィトン・ビオラセウム;Trichophyton violaceum)、岩穴状白癬菌(トリコフィトン・トンズランス;Trichophyton tonsurans)、アルスロデルマ・バンブルゼミイ(Arthroderma vanbreuseghemii)、アルスロデルマ・ベンハミイ(Arthroderma benhamiae)、イヌ小胞子菌(ミクロスポルム・カニス;Microsporum canis)、石膏状小胞子菌(ミクロスポルム・ギプセウム;Microsporum gypseum)、および鼠径表皮菌(エピデルモフィトン・フロッコーズム;Epidermophyton floccosum)が挙げられる。特に、紅色白癬菌および毛瘡白癬菌が分離された爪白癬の起因菌の9割以上を占めているため、この2種類の菌種を同定できることは爪白癬の治療において重要な意義がある。
本発明の同定方法は、爪白癬患者または患者の疑いのあるヒトの爪を検体とする。爪検体は、ニッパーや爪切り等で切り取ることによって採取すればよい。爪検体の量は、リアルタイムPCR(Real−time polymerase chain reaction)の鋳型として十分量のDNAを抽出できる量であればいい。爪の厚みや湿度で変化し得るがおよそ2×2mm、或いはおよそ5〜10mg採取すればよい。
爪検体から全DNAを抽出するには、常法で行うことができ、例えば爪をビーズショックにより粉砕し、100°Cで10分間煮沸等により殺菌した後、フェノール/クロロホルムで抽出し、エタノールで沈澱することにより行うことができる。抽出した全DNAを必要に応じて市販の核酸定量キットで定量してもよい。
本発明の同定方法に使用されるプライマーセットは、爪白癬の起因菌のリボゾーマルDNAのITS1(internal transcribed spacer 1)領域に特異的なものであれば特に限定されない。ITS1領域は転写されない領域であり、転写される他の領域(例えば、28S領域など)に比べて種の進化の段階でDNA配列の多様性を獲得しやすいため、菌種に限定した特異性の高い配列を保持していると考えられている。当業者は周知の方法、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual (3rd Ed.) Cold Spring Harbor University Pressに記載の方法を用いて、爪白癬の起因菌のリボゾーマルDNAのITS1領域の塩基配列に基づき、本発明の同定方法に使用されるプライマーセットを適宜に設計することができる。プライマーの長さは好ましくは15〜30bpであり、より好ましくは18〜25bpであり、GC含量は好ましくは40〜60%、より好ましくは50%前後である。Tm値は所望のPCRアニーリング温度により5〜10℃高く設定することが好ましく、本発明の同定方法においてアニーリング温度が好ましく60〜65℃であり、Tm値が65〜70℃であることが好ましい。プライマーセットによって増幅されるDNA配列の長さは50〜400bpであればよく、好ましくは約150bp以下であることが好ましい。
広範囲の真菌の菌種を同定するためには、真菌リボゾームDNAのITS1領域の特異的配列に相補的であり、真菌全般(universal)のリボゾームDNAのITS1領域を特異的に増幅するプライマーセットを使用することが好ましい。例えば、配列番号1の塩基配列を有するプライマー(dermaF)と配列番号2の塩基配列を有するプライマー(dermaR)とからなるプライマーセットは、殆どの真菌のリボゾーマルDNAのITS1領域の全長(およそ350bp)を増幅することができるため好ましく用いられる。
一方、爪白癬の起因菌の9割以上を占める主な起因菌である紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)および毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)にターゲットを絞って効率よく検出・同定するためには、これらの菌種に限定した特異的なプライマーセットを使用することが好ましい。例えば、配列番号3の塩基配列を有するプライマー(dermaF2)と配列番号4の塩基配列を有するプライマー(dermaR2)とからなるプライマーセットは、紅色白癬菌および毛瘡白癬菌のリボゾーマルDNAのITS1領域の一部(およそ150bp)を特異的に増幅することができるため、好ましく用いられる。また、毛瘡白癬菌と同じく系統分類上のグループIに属するArthroderma vanbreuseghemiiやArthroderma simiiもこのプライマーセットによって増幅される。このプライマーセットによる増幅産物はuniversalプライマーセットによる増幅産物に比べて配列が短いため、リアルタイムPCRに要する時間が短縮でき、主な爪白癬の起因菌の同定を正確かつ効率よく行うことを可能とする。
配列番号1:5’−TAACAAGGTTTCCGTAGGTGAACCT−3’
配列番号2:5’−TCGCTGCGTTCTTCATCGA−3’
配列番号3:5’−SSCCCCATTCTTGTCTACMTYAC−3’
配列番号4:5’−AACGCTCAGACTGACAGCTCTTC−3’
本発明の同定方法に使用されるプローブは、爪白癬の起因菌のリボゾーマルDNAのITS1領域に特異的なものであれば特に限定されない。当業者は周知の方法、例えば、Woottonら(Federhen S.Analysis of compositionally biased regions in sequence databases.Methods Enzymol. 1996;266:554−71)の方法を用いて、様々な爪白癬の起因菌のリボゾーマルDNAのITS1領域の配列に基づいて、菌種特異的なプローブを検索し、設計することができる。プローブの長さは特に限定されておらず、また、特異的な領域の塩基配列の長さやGC含量、Tm値によって変動し得るが、10〜50merであることが好ましい。プローブのTmは好ましくプライマーのTm値より高く、より好ましくはそれより10℃ほど高い。また、Tmの上昇および特異性の向上のため、例えばMGB(Minor Groove Binder;アプライドバイオシステムズジャパン社製)を結合させてもよい。
毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)のリボゾーマルDNAのITS1領域に特異的にハイブリダイズするプローブとしては、配列番号5の配列を有するものが好ましい。このプローブによれば、毛瘡白癬菌であるかどうかを正確に同定することができる。また、毛瘡白癬菌の有性世代であるArthroderma vanbreuseghemiiもこのプローブによって検出されるが、両者は臨床症状も治療法も同じであるため、臨床上両者をさらに区別・同定する必要はない。また、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)のリボゾーマルDNAのITS1領域に特異的にハイブリダイズするプローブとしては、配列番号6の配列を有するものが好ましい。このプローブによれば、紅色白癬菌であるかどうかを正確に同定することができる。また、Trichophyton violaceumもこのプローブとハイブリダイズする。両者を区別するには、ITS1領域の塩基配列(GeneBank Accession No.AB520840およびAB194246)を比較すること(例えば、PCR増幅産物のシークエンシングを行うこと)によって達成できるが、爪白癬の起因菌としてTrichophyton violaceumはごく稀であるため、臨床上両者を区別・同定する意味が殆どない。さらに、全真菌のリボゾーマルDNAのITS1領域に特異的にハイブリダイズするプローブとしては、配列番号7の配列を有するものが好ましい。このプローブによって表在性真菌を広範囲に検出することができ、また定量することにより、表在性真菌の全体量や爪白癬の起因菌が全真菌における割合も確認することができる。
配列番号5:5’−CTCTCTTTAGTGGCTAAAC−3’
配列番号6:5’−CGCGCTCCCCCTGC−3’
配列番号7:5’−TTYAACAAYGGATCTCT−3’
本発明の同定方法に使用されるプローブはリアルタイムPCRによって検出されるために標識する必要がある。標識プローブは当業者がリアルタイムPCRシステムによって任意に選択できるが、TaqMan(商標)プローブが好ましく用いられる。TaqMan(商標)プローブは、標的DNAに特異的にハイブリダイズする塩基配列の5’末端に蛍光色素、3’末端にクエンチャー(消光色素)およびMGB(Minor Groove Binder)によって標識したプローブである。蛍光色素としては、FAM(商標)、VIC(商標)、NED(商標)、JOE(商標)、TAMRA(商標)、Cy−3、ROX(商標)、Texas Red(商標)、およびCy−5などが挙げられる。
TaqMan(商標)プローブは、そのままの状態では、プローブ上にクエンチャーが存在するため、励起光を照射しても蛍光の発生は抑制される。しかし、リアルタイムPCRの増幅反応中において、TaqMan(商標)プローブがアニーリングステップで鋳型DNAに特異的にハイブリダイズし、さらに、伸長反応ステップの際に、Taq DNAポリメラーゼのもつ5’→3’エキソヌクレアーゼ活性により、鋳型にハイブリダイズしたTaqManプローブが分解されると、蛍光色素がプローブから遊離し、クエンチャーによる抑制が解除されて蛍光が発せられ、リアルタイムPCRシステムによって検出される。また、検出される蛍光強度はサンプル中の標的DNAのコピー数に依存するため、検体中の菌体由来DNAを定量することもできる。
本発明において、目的に応じてプライマーセットおよびプローブを選択することができる。主な起因菌であるかどうかを確認する場合、配列番号3の塩基配列を有するプライマーと配列番号4の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットと、配列番号5および/または配列番号6の配列を有するプローブとの組み合わせが好ましい。稀な起因菌を含めた広範囲の真菌の同定には、配列番号1の塩基配列を有するプライマーと配列番号2の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットと、例えば配列番号5および/または配列番号6の配列を有するプローブなど各種起因菌に特異的なプローブとの組み合わせが好ましい。また、一つのプライマーセットおよび一つのプローブを添加した系(シングル系)のほか、複数のプライマーセットおよび複数のプローブを添加した系(マルチ系)を用いて複数の菌種を同時に同定することも可能である。マルチ系の場合、プライマーやプローブ同士が干渉し、検出感度が低下する可能性があるため、使用するプライマーやプローブの配合比や濃度を検討する必要がある。
本発明において、起因菌の菌種の同定は以下のように行われる。シングル系においては、プローブから遊離した蛍光色素が検出された場合、被験起因菌は当該プローブの特異的な菌種であると判定し、蛍光色素が検出されなかった場合、被験起因菌は当該プローブの特異的な菌種でないと判定する。マルチ系においては、複数のプローブが異なる蛍光色素によって標識されるため、検出された蛍光色素の種類に基づき、被験起因菌は当該蛍光色素が標識したプローブの特異的な菌種であると判定する。また、DNAの抽出・精製の失敗による偽陰性を排除するためには、内部標準物(インターナルコントロール)を使用してもよい。インターナルコントロールとしては当業者が適切に選択・モディファイすることができ、例えば、Vollmerらが開発したRNA用インターナルコントロール(Evaluation of novel broad−range real−time PCR assay for rapid detection of human pathogenic fungi in various clinical specimens.J Clin Microbiol. 2008 Jun;46(6):1919−26. Epub 2008 Apr 2.)をDNA用にモディファイすることができる。
本発明の同定キットは、プライマーセットおよびプローブを含み、リアルタイムPCR法を用いて爪白癬の起因菌を同定するための同定用キットである。プライマーセットが、配列番号1の塩基配列を有するプライマーと配列番号2の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセット、および、配列番号3の塩基配列を有するプライマーと配列番号4の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットからなる群より選択される少なくとも一つであり、プローブが、配列番号5の塩基配列を有するプローブ、および、配列番号6の塩基配列を有するプローブからなる群より選択される少なくとも一つである。
本発明の同定キットは、上記特定のプライマーセットおよびプローブのほか、一般的なリアルタイムPCR用キットに含まれる試薬、例えば、DNAポリメラーゼ、dNTP、バッファー、ポジティブコントロールテンプレートなどが含まれてもよい。使用利便性の観点から、PCRおよび蛍光検出するための試薬が全て適量でミックスされている状態で提供されることが好ましい。
本発明の同定キットは、同定目的に応じたプライマーセットおよびプローブの組合せを含むことが好ましい。主な爪白癬の起因菌を同定するためのキットは、配列番号3の塩基配列を有するプライマーと配列番号4の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットと、配列番号5または配列番号6の塩基配列を有するプローブとの組合せが好ましく使用される。稀な起因菌を同定するためのキットは、配列番号1の塩基配列を有するプライマーと配列番号2の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットは好ましく含まれる。
複数のプライマーセットおよびプローブが含まれる同定キットは、一回のリアルタイムPCRで複数の起因菌を同定できるため好ましい。この場合、プライマーセット同士やプローブ同士の干渉による検出感度の低下を防ぐため、ポジティブコントロールによって決定された最適な配合比および配合濃度のプライマーセットおよびプローブを含むキットが好ましい。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1) プライマーセットおよびプローブの菌種特異性
爪白癬の起因菌のリボゾーマルDNAのITS1領域の配列に特異的なプライマーセットおよびプローブを用いて、リアルタイムPCRを行い、菌種特異性を検討した。プライマーセットは、(1)配列番号1の塩基配列を有するプライマーと配列番号2の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセット(dermaF/dermaR)、および、(2)配列番号3の塩基配列を有するプライマーと配列番号4の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセット(dermaF2/dermaR2)の2種類を使用した。インターナルコントロール用プライマーセットとして、配列番号8の塩基配列を有するプライマーと配列番号9の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセット(MS2−TM3−F/MS2−TM3−R)を使用した。プライマーは全てシグマアルドリッチジャパン株式会社より購入した。
dermaF: 5’-TAACAAGGTTTCCGTAGGTGAACCT-3’
dermaR: 5’-TCGCTGCGTTCTTCATCGA-3’
dermaF2: 5’-SSCCCCATTCTTGTCTACMTYAC-3’
dermaR2: 5’-AACGCTCAGACTGACAGCTCTTC-3’
MS2-TM3-F: 5’- GGCTGCTCGCGGATACCC-3’
MS2-TM3-R: 5’-TGAGGGAATGTGGGAACCG -3’
プローブは、(1)配列番号5の塩基配列の5’末端にFAM(商標)蛍光色素、3’末端にNFQおよびMGBによって標識したTaqMan(商標)プローブ(TME−ITS1F)、(2)配列番号6の塩基配列の5’末端にVIC(商標)蛍光色素、3’末端にNFQおよびMGBによって標識したTaqMan(商標)プローブ(TRU−ITS1V)、(3)配列番号7の塩基配列の5’末端にNED(商標)蛍光色素、3’末端にNFQおよびMGBによって標識したTaqMan(商標)プローブ(FU−ITS1N)の3種類を使用した。(4)インターナルコントロール用プローブとして、配列番号10の塩基配列の5’末端にCy5蛍光色素、3’末端にBHQ3によって標識したTaqMan(商標)プローブ(MS2−TM2−Cy5)を使用した。なお、NFQ(Non−fluorescent Quencher;商標)もBHQ3(Black Hole Quencher 3;商標)も非蛍光性消光剤(クエンチャー)である。プローブはアプライドバイオシステムズジャパン株式会社およびシグマアルドリッチジャパン株式会社より購入した。
TME-ITS1F: 5’-[FAM]-CTCTCTTTAGTGGCTAAAC-[NFQ-MGB]-3’
TRU-ITS1V: 5’- [VIC]CGCGCTCCCCCTGC-[NFQ-MGB]-3’
FU-ITS1N: 5’- [NED]TTYAACAAYGGATCTCT-[NFQ-MGB]-3’
MS2-TM2-Cy5: 5’-[Cy5]-ACCTCGGGTTTCCGTCTTGCTCGT-[BHQ3]-3’
皮膚糸状菌などの様々な常在菌を各菌株保存施設より入手した。これらの菌株を通常の培養方法にしたがって培養し、フェノール/クロロホルム法で全DNAを抽出した。それぞれの全DNAをインビトロジェン社Qubit定量キットにより定量し、0.3pg(概ね100コピーのリボソーマルDNA遺伝子に相当する量)を鋳型とし、リアルタイムPCRシステム7500Fast(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社)を用いてリアルタイムPCRを行った。反応液(19μL×50反応分)の組成は以下の通りである。ウェルに19μLずつ分注し、上記抽出したDNAを1μLずつ入れた。

水 357 μL
プライマー(30μM)×4 6.5 μL×4
ROX Reference Dye II 20 μL
プローブ(〜15)μM)×4 20 μL×4
Premix 500 μL
合計 950 μL
リアルタイムPCRシステムの操作はメーカ取扱説明書に従った。初期ホールドは95℃、30秒、PCR反応は、95℃で10秒、60℃で30秒を60サイクル行った。リアルタイムPCRの結果は表1に示した。増幅が見られた場合(陽性)を「+」で示し、増幅が見られなかった場合(陰性)を「−」で示した。
Figure 2011068218
表1から、本検出系では、ITS1領域の全長を増幅するdermaF/dermaRプライマーとFU−ITS1Nプローブにより広範囲の真菌を検出した。また、dermaF/dermaRまたはdermaF2/dermaR2とプローブとのセットで、共に毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)、および、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)を特異的に検出できた。さらに、菌種特異的なプローブは当該菌種のみに反応し、それ以外の菌種には全く反応しなかった(種特異性100%)。
(実施例2) リアルタイムPCRの検出感度
爪白癬の起因菌のリボゾーマルDNAのITS1領域の配列に特異的なプライマーセットおよびプローブを用いて、本発明の同定方法の検出感度を検討した。ポジティブコントロールとして、インビトロジェン社TOPO TA Cloning Kitに付属するpCR2.1ベクターに、Trichophyton rubrum、Trichophyton mentagrophytes、およびAspergillus fumigatusのITS1領域をクローニングしたものを使用した。鋳型濃度を希釈して検出感度の下限を調べた。
本検出系においては、各濃度あたり4回繰り返しのレプリケートで再現性を確認した。結果は表2に示した。1回の増幅を「+」で示し、4回測定において全て増幅が見られた場合、「++++」で示した。
Figure 2011068218
鋳型が非常に希薄な領域においては有限な時間と少数の分子が関与する確率的なPCR増幅現象(ポアソン過程)となるため、陰性/陽性ではなく確率的な値、すなわち検出率で表した。検出系やそれぞれの立場で値は上下するが、一般的にリアルタイムPCR検出系での検出感度は90〜95%が境界として採用されているため、本検出系では100%検出された鋳型濃度をその最低検出感度とした。本検出系において、リボソーマルDNA3〜50コピーの鋳型があれば100%増幅する結果となった。これは白癬などの真菌でおよそ1〜2細胞分に相当するため、実用的には十分な感度であると推定される。また、この検出感度は、100〜500コピーを必要とするnested−PCR法よりも2〜166倍感度が高いことが分かった。
(実施例3 本発明の同定方法を用いた臨床試験)
爪真菌症未治療の皮膚科患者に熟練した医師により直接鏡検を行い、感染の有無を確認した。感染が確認された患者の爪に対してエタノール消毒後、爪の遠位側を爪切りまたはニッパーで切り取り採取した。採取した爪をビーズショッカー(多検体細胞破砕機)(安井器械株式会社)で粉砕し、糸状菌バッファー(200mM Tris−HCl,pH 8.0,25mM EDTA,0.5%SDS,250mM NaCl)中で100℃10分間煮沸後、フェノール/クロロホルム抽出し、次いでエタノール沈澱してDNAを抽出した。DNAを50μLの超純水に溶解して保存した。得られたDNA含有液25μLを鋳型DNAサンプルとし、既知の濃度のポジティブコントロールと共に、実施例1の方法と同様にリアルタイムPCRを行った。
結果を表3に示した。表中、Cは増幅カーブより得られる情報であり、設定された閾値に相当するPCRサイクル数を示す。Cよりは検量線法または比較C法のいずれかを使用することにより鋳型量の定量的な見積ができる。今回は、大量検体に適した比較C法を採用し、そこから算出される鋳型数を示した。なお、比較C法はPCR効率が100%であると仮定して、既知のポジティブコントロールとのCの差を利用して鋳型数を概算する方法である。この方法は増幅効率の差による定量誤差が生じるというデメリットがあるが、対数的な挙動を示すPCRにおいては些末な問題であると考えられる。そして臨床検体においてはソフトウェアLinRegPCR(Ruijter JMら、Amplification efficiency: linking baseline and bias in the analysis of quantitative PCR data.Nucleic Acids Res. 2009 Apr;37(6):e45. Epub 2009 Feb 22.)により増幅効率を確認したところ、実際には差がほとんどなかったため、比較C法を使用した場合において増幅効率は殆ど問題でなく、鋳型のコピー数の概算量を求めることが可能であると判断した。
対照として健常人の爪7人分を本発明の同定方法に付したところ、最大でも100コピー程度の真菌の鋳型量しか検出されなかったため、100コピー程度は通常でも常在しているものと考え、それ以上を爪白癬診断の目安とした。また、実際に臨床検体で検出された鋳型量はどれも100コピーを大幅に上回ったため、この基準が適当であると考えた。
表3より、熟練した医師により直接鏡検陽性と判断された33例の爪白癬爪検体を本発明の同定方法で診断したところ、全例が陽性となった(検出精度100%)。一方、培養法にて菌種が同定された検体は15例であり、そのうち13例が本発明の同定方法の判定結果と一致した。不一致の2例については、本発明の同定方法が種特異性100%であることから、培養法が誤同定である可能性が考えられた。したがって、培養法による菌種同定が39%であったのに対し、本発明の同定精度が100%であった。また、培養法で菌種が同定できなかった残りの16例については全て菌種同定された。一方、健常爪を本発明の同定方法に付しても白癬菌由来のシグナルは全く検出されず(7例全例)、擬陽性判定がないことも示された。なお、表3中、TRはTrichophyton rubrumを表し、TMはTrichophyton mentagrophytesを表し、NDは検出されなかったことを表し、また、ITS1は、一応増幅バンドが見られたものの、同定には至らなかったものを表す。
Figure 2011068218
同様な方法で、皮膚白癬の起因菌を同定した結果は表4に示した。
Figure 2011068218
本発明の同定方法によれば、爪白癬の起因菌を迅速かつ正確に同定することができ、治療方針の策定に有効な起因菌情報を提供できるため、産業上の利用可能性は大である。

Claims (4)

  1. プライマーセットおよびプローブを含み、リアルタイムPCR法を用いて爪白癬の起因菌を同定するための同定用キットであって、
    前記プライマーセットが、配列番号1の塩基配列を有するプライマーと配列番号2の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセット、および、配列番号3の塩基配列を有するプライマーと配列番号4の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットからなる群より選択される少なくとも一つであり、
    前記プローブが、配列番号5の塩基配列を有するプローブ、および、配列番号6の塩基配列を有するプローブからなる群より選択される少なくとも一つである、爪白癬の起因菌の同定用キット。
  2. 被検者より採取した爪から全DNAを抽出する工程と、
    爪白癬の起因菌のリボゾーマルDNAのITS1領域に特異的な、プライマーセットおよびプローブを用意する工程と、
    リアルタイムPCR法を用いて、前記プライマーセットによって前記抽出した全DNAにおける爪白癬の起因菌のリボゾーマルDNAのITS1領域を増幅すると同時に、前記プローブによって前記増幅したDNAを検出し、菌種を同定する工程と
    を含む、爪白癬の起因菌の同定方法。
  3. 前記プライマーセットが、配列番号1の塩基配列を有するプライマーと配列番号2の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセット、および、配列番号3の塩基配列を有するプライマーと配列番号4の塩基配列を有するプライマーとからなるプライマーセットからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項2記載の爪白癬の起因菌の同定方法。
  4. 前記プローブが、配列番号5の塩基配列を有するプローブ、および、配列番号6の塩基配列を有するプローブからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項2または3記載の爪白癬の起因菌の同定方法。
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