JPWO2011065444A1 - 抗血栓剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、副作用が少なく、効果の優れた抗血栓剤を提供することを目的とする。本発明は、式(1)で表される(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートを有効成分とする抗血栓剤を提供する。【化1】

Description

本発明は、(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートを有効成分とする抗血栓剤に関する。
血管性疾患(血栓症)は心疾患や脳疾患の原因となることが多く、突然心筋梗塞や脳梗塞等の重篤な疾患を引き起こし、死に至るケースも少なくない。また癌や白血病において播種性血管内凝固症を発症したり、種々の外科手術後において深部静脈血栓症、及びそれに続発する肺塞栓症を発症するなど、二次的な血栓症のために時として死に到ることも知られている。さらに糖尿病においても末梢循環障害,腎不全から血液透析に移行する患者が多く、このような血液体外循環路における血液凝固の防止といった観点からも、抗血栓剤の探索は今なお社会的課題となっている。
血栓症の治療剤としては、組織プラスミノーゲンアクチベータt-PA等の血栓溶解剤、チオフィバン、アスピリン等の血小板凝集抑制剤、ヘパリン、ワーファリン等の血液凝固阻止剤等が用いられているが、例えばワーファリンは脳出血等の重大な副作用を引き起こす可能性があるなど、より安全で効果的な抗血栓剤が求められている。
一方、(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネート(以下、「トシル酸スプラタスト」ということがある)は、優れたIgE抗体産生抑制作用を有し、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎の治療薬として知られている(特許文献1)。また、当該トシル酸スプラタストは、排尿障害治療剤(特許文献2)、腎透析に伴う掻痒治療薬(特許文献3)、C型又は非B非C型肝炎ウィルスによる肝機能異常改善剤(特許文献4)、化学物質過敏症治療薬(特許文献5)としても、有用であることが知られている。しかしながら、トシル酸スプラタストが抗血栓剤として優れた効果を有することは全く知られていなかった。
特公平3−70698号公報 WO00/27383号公報 特開平11−315019号公報 特開2002−114672号公報 特開2004−292407号公報
本発明の課題は、副作用が少なく、効果の優れた抗血栓剤を提供することにある。
本発明者らは、血栓症の治療に有用な化合物につき鋭意研究を行ったところ、トシル酸スプラタストが優れた抗血栓作用を有することを見出した。
すなわち本発明は、以下の発明に係る。
1.式(1)で表される(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートを有効成分とする抗血栓剤。
Figure 2011065444
2.心筋梗塞、脳梗塞、肺梗塞、閉塞性動脈硬化症、バージャー病、血栓性静脈炎、静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)、動脈血栓塞栓症、播種性血管内凝固症候群(DIC)からなる群から選ばれる血栓症の予防又は治療に有効である1.に記載の抗血栓剤。
3.式(1)で表される(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートと血小板凝集抑制剤を組み合わせてなる抗血栓剤。
Figure 2011065444
4.式(1)で表される(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートと血小板凝集抑制剤とからなる製剤形態である3.記載の抗血栓剤。
5.(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートと血小板凝集抑制剤とからなるキットである3.又は4.に記載の抗血栓剤。
6.血小板凝集抑制剤がシロスタゾールである3.〜5.のいずれかに記載の抗血栓剤。
7.血栓症の治療方法であって、そのような治療を必要とする患者に式(1)
Figure 2011065444
で表される(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートの有効量を投与することを含む、血栓症の治療方法。
8.血栓症が心筋梗塞、脳梗塞、肺梗塞、閉塞性動脈硬化症、バージャー病、血栓性静脈炎、静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)、動脈血栓塞栓症、播種性血管内凝固症候群(DIC)からなる群から選ばれる、請求項7に記載の方法。
9.血栓症の治療における使用のための式(1)
Figure 2011065444
で表される(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネート。
10.血栓症の治療のための式(1)
Figure 2011065444
で表される(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートの使用。
本発明の治療剤は、血管性疾患、特に血栓症の治療に優れた効果を示し、且つ副作用が少なく非常に有用である。
試験例1の血栓形成抑制作用の結果を示す。 試験例2の出血量(副作用)の結果を示す。A:トシル酸スプラタスト単回投与 B:トシル酸スプラタスト7日間連続投与 試験例3のシロスタゾールとの血栓形成抑制併用効果の結果を示す。
本発明の有効成分である(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネート(トシル酸スプラタスト)は公知化合物であり、例えば特公平3−70689号公報に記載の方法より製造することができる。
本発明でいう治療とは、疾患の予防および治療、ならびに症状の軽減および再発防止のための維持療法を意味する。
トシル酸スプラタストが有効な血管性疾患、特に血栓症とは、心筋梗塞、脳梗塞、肺梗塞、閉塞性動脈硬化症、バージャー病、血栓性静脈炎、静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)、動脈血栓塞栓症、播種性血管内凝固症候群(DIC)等の疾患を指す。
トシル酸スプラタストは、他の血栓症の薬剤と併用して血栓症の予防又は治療に用いることができる。
本発明において、トシル酸スプラタストに併用できる薬剤としては、血栓溶解剤、血小板凝集抑制剤、血液凝固阻止剤等が挙げられる。これらの1つ以上の薬剤と併用することにより、本発明化合物の抗血栓剤の治療効果がさらに向上するばかりでなく、併用できる薬剤単独で使用する場合に比べて投与量を低減できるため、副作用の軽減という面からも好適である。またステント治療等と併用してもよい。
併用できる血栓溶解剤としては、ウロキナーゼ(u-PA)、ストレプトキナーゼ、組織性プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)等が例示される。
併用できる血小板凝集抑制剤としては、チオフィバン、アスピリン、シロスタゾール等が例示される。
併用できる血液凝固阻止剤としては、ヘパリン、ワーファリン等が例示される。
トシル酸スプラタストは、水和物を形成する場合もあるが、それらも本発明の範囲に属するものである。
本発明の抗血栓剤は、種々の形態でヒトに投与することができる。そのような形態としては、例えば、経口剤、注射剤、直腸坐剤、外用剤(軟膏剤、貼付剤、点眼剤など)のいずれでもよく、これら製剤は当業者に周知の慣用方法により製造できる。
経口剤のうち、固形製剤としては、トシル酸スプラタストに賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤などを加えた後、常法により処理して、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、ドライシロップ剤などとすることができる。また、経口液剤としては、トシル酸スプラタストに矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤などを用い、常法により処理して、内服液剤、シロップ剤などとすることができる。
注射剤としては、トシル酸スプラタストにpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により処理して、皮下用注射剤、筋肉内用注射剤、静脈内用注射剤などとすることができる。
直腸投与用坐剤としては、トシル酸スプラタストに賦形剤、さらに必要に応じて界面活性剤などを加えた後、常法により処理して、坐剤とすることができる。
外用剤のうち、軟膏剤、例えばペースト、クリーム、ゲルなどは、トシル酸スプラタストを含む基剤に安定化剤、湿潤剤、保存剤などを必要に応じて配合し、常法により処理して製剤化することができる。上記の基剤としては、例えば白色ワセリン、パラフィン、グリセリン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイトなどが挙げられる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピルなどが挙げられる。
また、外用剤としての貼付剤は、通常の支持体上に、上記の軟膏、クリーム、ゲル、ペーストなどを常法により塗布することにより製造することができる。支持体としては、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布、または軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタンなどのフィルム、あるいは発泡体シートなどが好適である。
併用できる薬剤も、上記のトシル酸スプラタストと同様の投与形態とすることができる。
したがって、トシル酸スプラタストと併用できる薬剤との2成分以上を用いる場合は、これらを含む単一の投与形態としてもよく、これらのそれぞれを含む2つ以上の投与形態としてもよい。そして、2つ以上の投与形態とする場合には、同一投与ルートの形態(例えば、両者ともに経口剤)としてキット化してもよいし、あるいは異なった投与ルートの形態(例えば、一方を経口剤とし、他方を注射剤)としてキット化してもよい。また、本発明の目的が達せられるかぎり、別々に調製した製剤を、同時にまたは時間差をおいて、同一の投与対象に用いてもよく、各製剤の1日当たりの投与回数は異なっていてもよい。
上記の各種製剤中に配合されるべきトシル酸スプラタストの量は、これを投与すべき患者の症状により、あるいはその剤型などにより適宜定め得るが、一般に、成人の投与単位当たり、経口剤では約5〜10,000mg (好ましくは5〜1,000mg)、注射剤では約0.1〜5,000mg(好ましくは0.1〜500mg)、坐剤および外用剤では約5〜10,000mg(好ましくは5〜1,000mg)とするのが望ましい。
また、トシル酸スプラタストの1日当たりの投与量も、患者の症状、体重、年齢、性別、その他の条件に応じて変動し得るが、成人1日当たり、約0.1〜10,000mg(好ましくは5〜1,000mg)とするのが望ましい。該製剤は、1日に1回又は2〜4回に分けて投与することができる。
本発明の好ましい実施形態では、トシル酸スプラタストと血小板凝集抑制剤を併用投与する。トシル酸スプラタストと血小板凝集抑制剤の投与量は、抗血栓効果を増強する範囲であれば特に制限されず、例えば、1日量としてトシル酸スプラタスト300mgに対して、血小板凝集抑制剤を1〜5,000mg程度、好ましくは5〜1,000mg程度とすればよい。トシル酸スプラタストと血小板凝集抑制剤、特にシロスタゾールは抗血栓効果に関し強力な相乗効果があるので、各々の1日投与量を投与してもよいが、単独での有効量の例えば50〜95%程度に減量して投与し、各薬剤の副作用を低減することができる。
好ましい1つの実施形態において、本発明の抗血栓剤は、トシル酸スプラタストと血小板凝集抑制剤を上記の配合比となるように配合した配合剤(複数の有効成分を含有する製剤)として一の剤型に製剤化したもの(1剤型製剤)でも、同時に又は間隔を空けて別々に使用できるように、上記有効成分を単剤(単一の有効成分を含有する製剤)として複数の剤型に製剤化したもの(多剤型製剤)であってもよい。
本発明の抗血栓剤は、トシル酸スプラタストと、血小板凝集抑制剤が併用投与される限り、上記製剤ごとにそれぞれ個別に製造・包装・流通されるものでもよく、又、上記製剤のすべて又は一部を併用投与に適した単一のパッケージ(キット製剤)として製造・包装・流通されるものでもよい。
トシル酸スプラタストと血小板凝集抑制剤を併用する本発明の抗血栓剤をキットとする場合は、それぞれ単独の製剤を、同時に或いは間隔を空けて投与してもよい。
本発明では、上記したトシル酸スプラタストと血小板凝集抑制剤とを、
(a)治療に有効な量のトシル酸スプラタストを含有する抗血栓組成物、並びに
(b)治療に有効な量の血小板凝集抑制剤を含有する抗血栓組成物、
からなる哺乳動物における血栓治療のための医薬組成物の組み合わせからなるキットとすることができる。該キットでは、これを構成する各組成物は公知の各種の製剤形態とすることができ、一般に各々の組成物は、その製剤形態に応じて、通常用いられる各種の容器に収納される。
以下の試験例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
試験例1 血栓形成抑制作用
雄性ICRマウス(10週齢)を用い、麻酔下にローダミン6G(血小板蛍光標識薬)を尾静脈内投与し、開腹した状態で精巣動脈をFeCl3処理し、血栓形成を誘発した。リアルタイムカラー3次元観察装置にて血栓形成を観察し、血栓形成時間を測定した。本発明化合物のトシル酸スプラタスト(IPD)を単回(100mg/kg)または7日間連続(100mg/kg、30mg/kg、10mg/kg)で、それぞれ水に溶解し、FeCl3処理の30分前に経口投与した。また対照薬として、チロフィバン(Tirofiban、0.3μmol/kg)を静脈内投与した。
結果は図1に示すように、コントロール群(水投与群)では、FeCl3刺激後約14分で大血栓が形成された。一方、強力な血小板凝集抑制剤であるチロフィバン(0.3 μmol/kg)静脈内投与群、およびIPD(100mg/kg)単回経口投与群では、それぞれ60分および45分間と、有意に大血栓形成時間の延長が認められた。
またIPDの大血栓形成抑制作用は、7日間の連続経口投与により明らかに増強され、10mg/kg/dayの7日間投与による大血栓形成抑制作用は、100mg/kgの単回経口投与によるそれと同等であった。
試験例2
雄性ICRマウス(10週齢)を用い、ペントバルビタール麻酔下に尾の先端から2mmをメスで切断し,速やかに先端から2cmを37℃の生理食塩液 10mLに浸した。20分後、尾を生理食塩液から取り出し,Triton X-100 (25% in water) 1mLを添加し、546nmの吸光度を測定し、検量線から出血量を求めた。本発明化合物のトシル酸スプラタスト(IPD,100mg/kg)、および対照薬のワーファリン(10mg/kg)は蒸留水に溶解し、尾を切除する1時間前に単回経口投与、あるいは尾を切除する前の7日間連続経口投与した。コントロールは、蒸留水のみ投与した。
結果は図2に示すように、血液凝固阻止剤であるワーファリン10mg/kgが単回あるいは連続投与により顕著な出血量の増加作用を示したのに対し、IPD(100mg/kg)は、単回あるいは7日間連続投与の何れにおいても、出血量に対し有意な影響を及ぼさなかった。
試験例3
雄性ICRマウス(10週齢)を用い、麻酔下にローダミン6G(血小板蛍光標識薬)を尾静脈内投与し、開腹した状態で精巣動脈をFeCl3処理し、血栓形成を誘発した。リアルタイムカラー3次元観察装置にて血栓形成を観察し、血栓形成時間を測定した。トシル酸スプラタスト(IPD)単独投与群としては、IPD(10mg/kg) を水に溶解し、尾を切除する前の7日間経口投与した。血小板凝集抑制剤であるシロスタゾール単独群としては、シロスタゾール(10mg/kg、30mg/kg、100mg/kg) を水に溶解し、尾を切除する1時間前に単回経口投与した。IPD+シロスタゾール併用群としては、IPD (10mg/kg)7日間経口投与し、IPD投与7日目の、尾を切除する1時間前にシロスタゾール(10mg/kg) 単回経口投与した。
結果を図3に示す。FeCl3処理により精巣動脈内に血栓の形成が観察され、血栓は経時的に大きくなった。コントロール群(水投与群)では、FeCl3処理後12±3分で大血栓の形成が観察された。IPD 単独投与群では36±11分、またシロスタゾール単独投与群では25±5分と両群とも有意に血栓の形成が延長し(P<0.05 vs cont)、その作用は用量依存的であった。
IPD+シロスタゾール併用群では85±5分と著しく血栓の形成が延長し(P<0.01 vs cont)、IPD単独投与群およびシロスタゾール単独投与群に比べても有意であった(P<0.01 vs IPD, P<0.01 vs cilostazol;One-way ANOVA, Newman-Keuls Multiple Comparison Test)。
以上の結果、本発明化合物のトシル酸スプラタストは単回投与に於いても血栓形成抑制作用を有し、その作用は連続投与によってさらに増強されることが明らかとなった。また、トシル酸スプラタストのこの作用は、抗凝固薬と異なり、出血量の増加ないし出血時間の延長作用を伴わないことが明らかとなった。
さらに血小板凝集抑制剤(シロスタゾール)との併用により、相乗的に血栓形成抑制作用が増強されることが明らかとなった。

Claims (10)

  1. 式(1)で表される(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートを有効成分とする抗血栓剤。
    Figure 2011065444
  2. 心筋梗塞、脳梗塞、肺梗塞、閉塞性動脈硬化症、バージャー病、血栓性静脈炎、静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)、動脈血栓塞栓症、播種性血管内凝固症候群(DIC)からなる群から選ばれる血栓症の予防又は治療に有効である請求項1に記載の抗血栓剤。
  3. 式(1)で表される(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートと血小板凝集抑制剤を組み合わせてなる抗血栓剤。
    Figure 2011065444
  4. 式(1)で表される(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートと血小板凝集抑制剤とからなる製剤形態である請求項3記載の抗血栓剤。
  5. (±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートと血小板凝集抑制剤とからなるキットである請求項3に記載の抗血栓剤。
  6. 血小板凝集抑制剤がシロスタゾールである請求項3に記載の抗血栓剤。
  7. 血栓症の治療方法であって、そのような治療を必要とする患者に式(1)
    Figure 2011065444
    で表される(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートの有効量を投与することを含む、血栓症の治療方法。
  8. 血栓症が心筋梗塞、脳梗塞、肺梗塞、閉塞性動脈硬化症、バージャー病、血栓性静脈炎、静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)、動脈血栓塞栓症、播種性血管内凝固症候群(DIC)からなる群から選ばれる、請求項7に記載の方法。
  9. 血栓症の治療における使用のための式(1)
    Figure 2011065444
    で表される(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネート。
  10. 血栓症の治療のための式(1)
    Figure 2011065444
    で表される(±)−〔2−〔4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイル〕エチル〕ジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートの使用。
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