JPWO2011049122A1 - プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

口腔内あるいは水の中に入れた時、速やかな崩壊性、溶解性を有し、製造工程及び流通過程において崩れない程度の硬度を有し、保存安定性に優れ、しかも水と一緒に服用するプラバスタチンナトリウム錠剤とバイオアベイラビリティーが同等のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠を提供すること。無水リン酸水素カルシウム及びプラバスタチンナトリウムを含有するプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠等の提供。

Description

本発明は、プラバスタチンナトリウムを有効成分とし、口中に含んだ時あるいは水の中に入れた時、速やかな崩壊性を有し、通常の錠剤と同等の薬物動態を示す、速崩壊性プラバスタチンナトリウム錠及びその製造方法に関する。
医薬品、食品の分野における経口用固形製剤の剤形として、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、チュアブル錠、顆粒剤、散剤などが知られているが、老人、小児や嚥下困難な患者にも適した、取り扱いが容易で服用のし易い剤形の開発が望まれている。
錠剤やカプセル剤では、服用時に水を必要とし、また、大きい製剤や服用数量が多い場合には、飲み込みにくく、咽頭や食道につかえる等の問題が指摘されている。
特に、老人、小児や嚥下困難な患者ではこの問題は大きく、時には喉に詰まって窒息状態に陥ったり、食道に付着して薬物の影響などにより炎症を起こしたりする場合もある。
トローチ剤は口中で徐々に溶解又は崩壊させて、口腔、咽頭などに適用する剤形で、水を必要としないが、誤飲すると咽頭や食道に詰まるおそれがある。
チュアブル錠は噛み砕いて服用する剤形で、水を必要としないが、咀嚼力の弱い老人や小児が服用するのに適していない。
顆粒剤、散剤では、服用時に水を必要とし、また、口腔内に残留したり、服用時にむせたり、義歯間に入り込んで疼痛を起こしたりする問題がある。
一方、近年では、嚥下困難な重症患者に対して、経口又は経鼻に胃管カテーテルを挿入して薬物を投与する経管投与法が実施されている。現状は、錠剤や顆粒剤を粉砕して、あるいは散剤をそのまま用い、水20〜30mlに懸濁させて、注射器で胃管カテーテル内に注入する方法が行われている。しかし、操作が繁雑で、時にはカテーテルの内径が2〜4mmと細いため詰まり易いという問題がある。
これらの背景より、老人や小児もしくは嚥下困難な患者などにも適する剤形として、口中に含んだ時あるいは水の中に入れた時、速やかに崩壊もしくは溶解する口腔内速崩壊錠が知られている。
一方、水で服用する錠剤から、口腔内速崩壊錠に切り替える際には、有効成分量が同じであれば、同一の薬効を示すことが必要であり、そのためには、患者の薬物動態が同一であることが必要である。
プラバスタチンナトリウムは、高脂血症の治療薬として広く利用されているが、低pH領域でラクトン体に変化し、その薬理効果を失うことが知られており(特許文献1)、ラクトン体の生成を防止する必要がある。また、プラバスタチンナトリウムには各種の類縁体が知られており、保存中にこれらの類縁体の生成を防ぐ必要もある。
欧州特許出願公開第0336298号明細書
本発明の課題は、口腔内あるいは水の中に入れた時、速やかな崩壊性、溶解性を有し、製造工程及び流通過程において崩れない硬度を有し、保存安定性に優れ、しかも水と一緒に服用するプラバスタチンナトリウム錠剤とバイオアベイラビリティーが同等のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠を提供することにある。
本発明の他の課題は、上記のような優れた特性を有するプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠を、複雑な工程や特殊な設備を要することなく、通常の打錠法と同一の乾式法によって製造する、工業的生産性に優れた方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、無水リン酸水素カルシウム及びプラバスタチンナトリウムを含有するプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、無水リン酸水素カルシウム及びプラバスタチンナトリウムを含有することを特徴とする、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠及びその製造方法を提供するものである。
すなわち本発明は、
(1)プラバスタチンナトリウム及び無水リン酸水素カルシウムを含有するプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠、
(2)更に、炭酸のアルカリ金属塩又は有機酸のアルカリ金属塩を含有することを特徴とする(1)に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠、
(3)更にクエン酸ナトリウム又は酒石酸ナトリウムを含有することを特徴とする、(1)に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠、
(4)炭酸のアルカリ金属塩を含有することを特徴とする、(2)に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠、
(5)炭酸のアルカリ金属塩が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選択されるいずれか1つである(2)又は(4)に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠、
(6)崩壊剤としてクロスポビドンを含有することを特徴とする、(1)乃至(5)のいずれか1項に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠、
(7)更に結晶セルロース及び/又は粉末セルロースを含有することを特徴とする、(1)乃至(6)のいずれか1項に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠、
(8)結晶セルロースを含有することを特徴とする、(7)に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠、
(9)更にケイ酸カルシウムを含有することを特徴とする、(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠、
(10)更にメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有することを特徴とする、(1)乃至(9)のいずれか1項に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠、
(11)更に甘味剤、香料、滑沢剤を含有することを特徴とする、(1)乃至(10)のいずれか1項に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠、
(12)プラバスタチンナトリウム及び無水リン酸水素カルシウムを含有する組成物を混合し、打錠することによる、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の製造方法、
(13)プラバスタチンナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び無水リン酸水素カルシウムを含有する組成物を混合し、打錠することによる、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の製造方法、
(14)プラバスタチンナトリウム、炭酸水素ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム及びクロスポビドンを含有する組成物を混合し、打錠することによる、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の製造方法、
(15)プラバスタチンナトリウム、炭酸水素ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、クロスポビドン及び結晶セルロースを含有する組成物を混合し、打錠することによる、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の製造方法、
(16)打錠が直接打錠であることを特徴とする、請求項12乃至15のいずれか1項に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の製造方法、
からなる。
本発明により、口腔内あるいは水の中に入れた時、速やかな崩壊性、溶解性を有し、製造工程及び流通過程において崩れない硬度を有し、保存安定性に優れ、しかもバイオアベイラビリティーが同等のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠を提供することができた。
さらに、本発明により、上記のような優れた特性を有する口腔内速崩壊錠を、複雑な工程や特殊な設備を要することなく、通常の打錠方法によって製造する、製造方法を提供することができた。
種々のpH調節剤の添加が血漿中のプラバスタチン濃度推移に及ぼす影響を示す図(n=5)。グラフの横軸は服用後の経過時間を示し、縦軸は血漿中のプラバスタチン量を示す。 炭酸水素ナトリウムの添加量が血漿中のプラバスタチン濃度推移に及ぼす影響を示す図(n=5, mean±S.D.)。グラフの横軸は服用後の経過時間を示し、縦軸は血漿中のプラバスタチン量を示す。 無水リン酸水素カルシウム添加処方における炭酸水素ナトリウムの添加の有無が血漿中のプラバスタチン濃度推移に及ぼす影響を示す図(n=10, mean±S.D.)。グラフの横軸は服用後の経過時間を示し、縦軸は血漿中のプラバスタチン量を示す。
本発明においてプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠とは、プラバスタチンナトリウムを有効成分として含有する製剤であり、製剤の製造工程及び流通過程において実用上十分な強度を有する圧縮成型物であり、口中に含んだ時あるいは水の中に入れた時、速やかな崩壊性、溶解性を有する圧縮成型物である。一例としては、プラバスタチンナトリウム及び無水リン酸水素カルシウムを含有するプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠を挙げることができる。他の一例としては、プラバスタチンナトリウム、炭酸のアルカリ金属塩又は有機酸のアルカリ金属塩、無水リン酸水素カルシウムを含有するプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠を挙げることができる。炭酸のアルカリ金属塩及び有機酸のアルカリ金属塩は、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠のpHをアルカリ性に維持し、更にプラバスタチンナトリウムの薬物動態を、プラバスタチンナトリウム錠と同等にする限りにおいて制限はなく、炭酸のアルカリ金属塩の例としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくともいずれか1つを挙げることができ、有機酸のアルカリ金属塩の例としては、クエン酸ナトリウム又は酒石酸ナトリウムを挙げることができ、好ましくは炭酸水素ナトリウムである。他の一例としては、プラバスタチンナトリウム、炭酸水素ナトリウム、無水リン酸水素カルシウムを含有するプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠を挙げることができる。他の一例としては、プラバスタチンナトリウム、炭酸水素ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、崩壊剤を含有するプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠を挙げることができる。更に他の一例としては、プラバスタチンナトリウム、炭酸水素ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、クロスポピドンを含有するプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠を挙げることができる。更に他の一例としては、プラバスタチンナトリウム、炭酸水素ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、クロスポピドン並びに、結晶セルロース及び/又は粉末セルロースを含有する、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠を挙げることができる。更に他の一例としては、プラバスタチンナトリウム、炭酸水素ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、クロスポピドン及び、結晶セルロースを含有する、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠を挙げることができる。更に他の一例として、プラバスタチンナトリウム、炭酸水素ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、クロスポピドン、結晶セルロース及びケイ酸カルシウムを含有するプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠を挙げることができる。更に他の一例として、プラバスタチンナトリウム、炭酸水素ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、クロスポピドン、結晶セルロース、ケイ酸カルシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有する、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠を挙げることができる。
プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠におけるプラバスタチンナトリウムの配合量は、固形成分全体の、1〜70重量%、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは1〜30重量%である。
プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠における、各成分の配合量はプラバスタチンナトリウムの含有割合に応じて、本発明の効果を有する限りにおいて任意に設定することができる。
例えば、プラバスタチンナトリウム10mgを含み全体が250mgのプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠(プラバスタチン含有量:4重量%)の一例においては、各成分の含有割合は例えば、以下の通りである。無水リン酸水素カルシウムの含有割合は10〜90%、好ましくは20〜85%、さらに好ましくは25〜85%である。クロスポピドンの含有割合は0.5〜15%、好ましくは1〜5%である。結晶セルロースの含有割合は0〜30%、好ましくは5〜20%である。ケイ酸カルシウムの含有割合は0〜5%、好ましくは、0.5〜5%である。メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの含有割合は0〜5%、好ましくは0.3〜3%である。
例えば、プラバスタチンナトリウム10mgを含み全体が200mgのプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠(プラバスタチン含有量:5重量%)の一例においては、各成分の含有割合は例えば、以下の通りである。炭酸水素ナトリウムの含有割合は1〜70重量%、好ましくは3〜60重量%、さらに好ましくは5〜50重量%である。無水リン酸ナトリウムの含有割合は10〜80%、好ましくは20〜75%、さらに好ましくは25〜70%である。クロスポピドンの含有割合は0.5〜15%、好ましくは1〜10%である。結晶セルロースの含有割合は0〜30%、好ましくは5〜20%である。ケイ酸カルシウムの含有割合は0〜5%、好ましくは、0.5〜5%である。メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの含有割合は0〜5%、好ましくは0.3〜3%である。
プラバスタチンナトリウム5mgを含有するプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠においても、上記に準じて各成分の含有割合を設定することができる。
プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠は、上記成分に加え、発明の効果に支障のない限り、錠剤の製造に一般に用いられる種々の添加剤を含むこともできる。
添加剤としては、例えば、滑沢剤、崩壊剤、賦形剤、結合剤、着色剤、着香剤、甘味剤、矯味剤、流動化剤、発泡剤及び界面活性剤等を挙げることができる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール及び硬化油から選択される1つ又は2つ以上の組み合わせを挙げることができ、好ましくはステアリン酸マグネシウムである。
崩壊剤としては、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、カルメロース及びカルメロースカルシウム、コーンスターチから選択される1つ又は2つ以上の組み合わせを挙げることができ、好ましくはクロスポビドンである。
賦形剤としては、例えば、糖類、デンプン類、セルロース類から選ばれる有機賦形剤、並びに無機賦形剤を挙げることができる。糖類としては、例えば、白糖、ブドウ糖及び果糖から選択される1つ又は2つ以上組み合わせを挙げることができる。デンプン類としては、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン及び部分アルファー化デンプンから選択される1つ又は2つ以上の組み合わせを挙げることができる。セルロース類としては、結晶セルロースに加え、例えば、粉末セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムから選択される1つ又は2つ以上組み合わせを挙げることができる。無機賦形剤としては、例えば、合成ヒドロタルサイト、沈降炭酸カルシウム、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミン酸マグネシウム及び水酸化マグネシウムから選択される1つ又は2つ以上の組み合わせを挙げることができる。
結合剤としては、例えば、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ゼラチン、デキストリン、ペクチン、ポリアクリル酸ナトリウム、プルラン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びマクロゴールから選択される1つ又は2つ以上の組み合わせ挙げることができる。
着色剤としては、例えば、食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号などの食用色素;食用レーキ色素、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、酸化チタン、β−カロチン及びリボフラビンから選択される1つ又は2つ以上の組み合わせを挙げることができる。
着香剤としては、例えば、オレンジ、レモン、ハッカ、メントール、メントールミクロン及び各種香料から選択される1つ又は2つ以上の組み合わせを挙げることができる。
甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、グリチルリチン酸二カリウム及びステビアソーマチンから選択される1つまたは2つ以上の組み合わせをなどが挙げられる。
矯味剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、イノシン酸二ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウム及びハチミツから選択される1つ又は2つ以上の組み合わせを挙げることができる。
界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ポリオキシル40、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン及びラウリル硫酸ナトリウムから選択される1つ又は2つ以上の組み合わせを挙げることができる。
発泡剤としては、例えば、酒石酸及び/又は無水クエン酸を挙げることができる。
流動化剤としては、例えば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸及びタルクから選択される1つ又は2つ以上の組み合わせを挙げることができる。
製剤の製造方法としては、湿式造粒法、乾式造粒法、直接打錠法等が知られており、本発明のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の製造においては、本発明の効果を有する限り、制限されないが、好ましくは直接打錠法である。
本発明のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠は、例えば無水リン酸水素カルシウム、結晶セルロース、クロスポピドン、プラバスタチンナトリウム及び前記添加剤を混合後打錠機により直接打錠することにより製造される。
打錠機による成型圧力は通常の錠剤と同程度で良く、50〜2000kg/cm、好ましくは100〜1800kg/cm、より好ましくは200〜1600kg/cm程度である。
かくして得られるプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠は、口腔内あるいは水の中に入れた時の崩壊性、溶解性に優れ、かつ物理的、化学的安定性に優れている。
プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の崩壊性又は溶解性は口腔内での崩壊、溶解時間(健康な成人男子の口腔内で、水分を口に含まず唾液のみで錠剤が完全に溶解するまでの時間)が通常5〜120秒、好ましくは5〜60秒、さらに好ましくは5〜30秒程度である。
プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠は、口中に含む時、唾液により次第に崩壊もしくは溶解するものであるが、口腔内の圧迫すなわち上アゴと舌による圧力、あるいは舌による摩擦、すなわち“なめる”動作等によって、より短時間で崩壊もしくは溶解する。
口腔内の乾いた人、あるいは唾液の少ない人においては、水もしくはお湯を用いて口腔内で崩壊、溶解しても良く、又は、通常の錠剤と同様に水とともにそのまま服用しても何ら差し支えない。
なお、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠は、瞬時(例えば1秒以内)に崩壊、溶解しないため、口中に含んで食感を味わうこともでき、必要なら吐き出すことも可能である。
本発明のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠は水と一緒に服用するプラバスタチンナトリウム錠剤と同等のバイオアベイラビリティーを有する。例えば、イヌに直接又は2ml程度の少量の唾液に溶解して投与した場合には、同等のAUC(area under the blood concentration time curve:薬物血中濃度−時間曲線下面積)およびCmax(最高血中濃度)を示す。
一方、本発明のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の硬度(錠剤硬度計による測定値)は、温湿度下(40℃、湿度75%、開放系、1週間)の安定性試験もしくは室温条件(25℃、湿度60%、開放系、1週間)での安定性試験の後にも、2.0kp以上を示すものである。この硬度は製造工程及び流通過程において崩れない硬度である。
また、本発明のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠は上記温湿度下の安定性試験において、医薬品として問題となる程度のプラバスタチンの類縁物質の増加は認められない。
従って、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠は、製剤の製造工程及び流通過程において崩れない硬度を有し、温湿度下での保存においても実用的な硬度を有し、保存安定性にも優れている。
また、本発明のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠はプラバスタチンナトリウム現行錠(メバロチン(登録商標)錠:第一三共株式会社製;プラバスタチンナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、乳糖水和物及びステアリン酸マグネシウムを含有。)と同等の薬物動態を示し、老人や小児にとっても服用し易い製剤として、また、一般成人用の安全な製剤として、従来の製剤と同様に種々の病気の治療、予防に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するがこれらの実施例は、本発明を限定するものではない。
1.試験方法
実施例で得られた各処方の錠剤について下記に示す試験を行った。
1−1.イヌ評価試験
以下の要領でイヌ試験を行った。
1−1−1.イヌの種類:ビーグル犬、オス、20週齢以上
1−1−2.イヌ処理方法:製剤投与前30分、投与直前、投与後30分にテトラガストリン(60mg/body)を筋肉内投与した。
1−1−3.投与方法:10mgプラバスタチンナトリウム錠(メバロチン(登録商標)錠10:、第一三共株式会社製;「現行錠」という。)を水40mLと共にイヌに服用させた。プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠は水なしで服用させた。
1−1−4.採血時間:投与後15分、30分、1時間、1.5時間、2時間、4時間および8時間
1−2.外観
各錠剤1個を白紙上に置き外観を観察した。
1−3.色調
各錠剤の色調を色差計(型番:日本電色工業株式会社製))を用いて白色板を対照に測定した。安定性試験のための保存品については、試験開始時の錠剤(イニシャル品)とのΔE 値も求めた。
ここで、ΔEは保存開始品との色差より、以下の式にて求めた。

1−4.硬度試験方法
錠剤硬度計(TBH28:エルベーカー社製)を用いて、錠剤の直径方向の破壊強度を測定した。
1−4.口腔内崩壊試験
健康な成人男性の口腔内に、水なしで錠剤を含ませ、錠剤が口腔内から崩壊・溶解するまでの時間を測定した。
1−5.プラバスタチン類縁物質の分析
1−5−1.
プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠1個を水/メタノール(1:1)混合溶液約8mLに加えて懸濁し、さらに水/メタノール(1:1)混合溶液を加えて液量を10mLとした。この液をメンブランフィルター(Millex−LH,孔径 0.45μm、Millipore社製)でろ過し、最初のろ液5mLを除いた後のろ液を試料溶液とした。
1−5−2
プラバスタチンナトリウム(第一三共プロファーマ社製)50mgを、水/メタノール(1:1)混合液約40mLを加え溶解し、更に水/メタノール(1:1)混合溶液を加えて液量を50mLとした。この液1mLを水/メタノール(1:1)混合溶液を加えて正確に100mLとし、この液をメンブランフィルター(Millex−LH、孔径:0.45μm)でろ過し、最初のろ液5mLを除いた後のろ液を標準溶液とした。
試料溶液及び標準溶液20μLを次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行い,それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定し、次式に従い個々の類縁物質量を求めた。類縁物質はプラバスタチンナトリウムに対する相対保持時間で特定し、化合物A、化合物B、化合物Cと表記した。
計算式
個々の類縁物質の量(%)=Ws×A/A×1/R×1/500×1/10×100

:プラバスタチンナトリウムの秤取量(mg)
:試料溶液の各類縁物質のピーク面積
:標準溶液のプラバスタチンのピーク面積
1/500 :希釈換算係数
10 :本品1錠中のプラバスタチンの理論量 (mg)
:プラバスタチンナトリウムに対する相対感度比
化合物A:0.58
化合物B:1.00
化合物C:1.00
その他の類縁物質 :1.00

<試験条件>
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:238nm)
カラム: Column, Ultrasphere ODS, Analytical, 4.6 mm ID, 150 mm length(BECKMAN COULTER 社製)
移動相A:水/メタノール/酢酸(100)/トリエチルアミン混液(750:250:1:1)
移動相B:メタノール/水/酢酸(100)/トリエチルアミン混液(650:350:1:1)
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を表1のように変えて濃度勾配制御した.
Figure 2011049122


流速:プラバスタチンのピークが約 21分になるように調整した(毎分1.3 mL/minの一定量)。
注入量:20μL
インジェクター洗浄液:水/メタノール混液(1:1)
ニードル洗浄液:水/メタノール混液(2:8)
カラム温度:25℃
サンプルクーラー温度:5℃
面積測定範囲:プラバスタチンの保持時間の約3.5倍の範囲(約75分)
実施例1.pH調節剤の影響
pH調節剤として、炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウム及び、合成ヒドロタルサイトを用いたプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の錠剤を作製し、薬物動態を調べた。表2に示す成分をV型混合機(Patterson−Kelley社製)に入れて混合し、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、少量のステアリン酸マグネシウムを臼及び杵に塗布した単発打錠機(N−30E:岡田精工社製)を用いて打錠した。得られた錠剤(処方例1、比較例1、比較例2)の処方を表1に示す。
Figure 2011049122

得られた錠剤(処方例1、比較例1及び比較例2)を水なしで上記「1.試験方法」に記載の方法に従ってイヌに投与した際の血中薬物濃度推移を図1、pKパラメーターを表3に示す。なお、参照として、現行錠をイヌに水と共に投与した際の血中薬物濃度推移も併せて示す。
Figure 2011049122


pH調節剤として炭酸水素ナトリウムを含有した錠剤を水なしで投与した場合に現行錠を水ありで投与した場合と同様のAUC(area under the blood concentration time curve:薬物血中濃度−時間曲線下面積)およびCmax(最高血中濃度)を示した。一方でpH調節剤として酸化マグネシウムを用いた比較例1の錠剤では、現行錠と比較して、AUCおよびCmaxは約60−70%、pH調節剤として合成ヒドロタルサイトを用いた比較例2の錠剤では、AUCおよびCmaxは約50%と、いずれの錠剤も現行錠より低い血中薬物濃度推移を示した。
実施例2.炭酸水素ナトリウムの添加量の影響
炭酸水素ナトリウムの添加量の影響を調べるために、実施例1と同様の方法で、表4に示す錠剤(処方例2、処方例3及び比較例3)を得た。
Figure 2011049122
得られた錠剤を水なしでイヌに投与した際の血中薬物濃度推移を図2、pKパラメーターを表5に示す。なお、参照として、現行錠をイヌに水と共に投与した際の血中薬物濃度推移も併せて示す。
Figure 2011049122
炭酸水素ナトリウムを10mg含有した処方例2の錠剤及び、炭酸水素ナトリウムを50mg含有した処方例3の錠剤を水なしで投与した場合に、現行錠を水ありで投与した場合と比較して、AUCおよびCmaxは約90−100%であり、同様の血中薬物プロファイルを示すことが明らかとなった。一方、炭酸水素ナトリウムを350mg含有した比較例3では、現行錠を投与した場合と比較して、AUCおよびCmaxは約150%と高く、現行錠よりも高い血中薬物濃度推移を示した。
実施例3.安定性試験
錠剤の安定性を調べるために、実施例1と同様の方法で、表6に示す錠剤(処方例4、処方例5、比較例4、比較例5、比較例6、比較例7、比較例8及び比較例9)を得た。
Figure 2011049122

得られた錠剤の実験開始時の初期品(Initial)の外観、硬度および口腔内崩壊時間、並びに温湿度下(40℃、湿度75%、開放系、1週間)保存品の外観および硬度を測定し、温湿度下における、物理的安定性を評価した。結果を表7に示す。
Figure 2011049122

乳糖含有錠(比較例4)、エリスリトール含有錠(比較例6)およびキシリトール含有錠(比較例7)では、温湿度下の保存でΔE値が10以上と著しい外観変化が認められ、錠剤硬度も装置で計測できない程度まで低下した。また、D−マンニトール含有錠(比較例5)では、温湿度下での外観変化はほとんど生じなかったが、硬度が2kp未満に低下していた。
一方、リン酸水素カルシウム含有錠(比較例8及び比較例9)、無水リン酸水素カルシウム含有錠(処方例4及び処方例5)では、温湿度下での外観変化がほとんど生じず、硬度も2kp以上であった。したがって、リン酸水素カルシウムおよび無水リン酸水素カルシウム含有錠では、温湿度下に保存しても十分な硬度を有する錠剤が得られることが判明した。
次に、リン酸水素カルシウム含有錠(比較例9)、無水リン酸水素カルシウム含有錠(処方例5)の温湿度下での化学的安定性を評価するために、初期品および温湿度下での保存品のプラバスタチン類縁物質量の変化を測定した。比較例9と処方例5で差が認められた主要なプラバスタチン類縁物質(化合物A、B、Cと表記する。)の液体クロマトグラフィーにおけるプラバスタチンナトリウムにする相対保持時間及び相対感度を表8に示す。また、これらのプラバスタチン類縁物質及び、これらのプラバスタチン類縁物質に他のプラバスタチン類縁物質を加えたプラバスタチン類縁物質総量の変化の結果を表9に示す。
Figure 2011049122
Figure 2011049122

表9に示すように、リン酸水素カルシウム含有錠(比較例9)は、温湿度下で化合物A、化合物Bおよび化合物Cの割合が増加し、プラバスタチン類縁物質の総量も増加していた。一方、無水リン酸水素カルシウム含有錠(処方例5)では温湿度下で類縁物質量にほとんど変化は認められなかった。
以上の結果より、無水リン酸水素カルシウム含有錠(処方例5)は温湿度下において、物理的にも化学的にも安定であることが明らかになった。

実施例4.無水リン酸水素カルシウム添加処方における炭酸水素ナトリウムの添加量の影響
表10に示す成分のうちステアリン酸マグネシウムを除く成分をV型混合器(筒井理化学器械社製)に入れて混合し、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、錠剤機および外部滑沢噴霧装置(ともに菊水製作所社製)を用いて、少量のステアリン酸マグネシウムを臼及び杵に噴霧しながら打錠し、表10に示す錠剤(処方例6、処方例7)を得た。
Figure 2011049122

実際の口腔内崩壊錠の服用方法を模倣するために、上記「1.試験方法」に記載の方法のうち、「1−1−3.投与方法」において、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠である処方例6及び処方例7の錠剤を少量の唾液で懸濁する改変を行って、イヌに投与した。血中薬物濃度推移を図3、pKパラメーターを表11に示す。なお、参照として、現行錠をイヌに水と共に投与した際の血中薬物濃度推移も併せて示す。
Figure 2011049122

無水リン酸水素カルシウムを含む処方例6の錠剤では、炭酸水素ナトリウム未添加でも、現行錠を水ありで投与した場合と比較して、AUC約110%、Cmaxは約130%と良好な吸収を示した(表11)。また、処方例7の結果が示すとおり、炭酸水素ナトリウムを添加してもAUC約110%、Cmaxは約105%と良好な吸収を示した(表11)。

実施例5.安定性試験
錠剤の安定性を調べるために、小疱例6の錠剤の実験開始時の初期品(Initial)の外観、硬度および口腔内崩壊時間、並びに室温条件下(25℃、湿度60%、開放系、1週間)保存品の外観および硬度を測定し、通常使用時における物理的安定性を評価した。結果を表12に示す。処方例6において外観及び硬度に医薬品としての安定性に影響を与えるような顕著な変化は認められなかった(表12)。
Figure 2011049122
本発明のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠は、口腔内あるいは水の中に入れた時、速やかな崩壊性、溶解性を有しているため、服用が容易であり、かつ製造工程や流通過程における保存安定性に優れている。また、水なしで服用しても水ありで服用する現行錠と同等の薬物動態を示す。
従って、高脂血症の治療に広く用いることができる。

Claims (16)

  1. プラバスタチンナトリウム及び無水リン酸水素カルシウムを含有するプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠。
  2. 更に、炭酸のアルカリ金属塩又は有機酸のアルカリ金属塩含有することを特徴とする請求項1に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠。
  3. 更にクエン酸ナトリウム又は酒石酸ナトリウムを含有することを特徴とする、請求項1に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠。
  4. 炭酸のアルカリ金属塩を含有することを特徴とする、請求項2に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠。
  5. 炭酸のアルカリ金属塩が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選択されるいずれか1つである請求項2又は4に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠。
  6. 崩壊剤としてクロスポビドンを含有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠。
  7. 更に結晶セルロース及び/又は粉末セルロースを含有することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠。
  8. 更に結晶セルロースを含有することを特徴とする、請求項7に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠。
  9. 更にケイ酸カルシウムを含有することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠。
  10. 更にメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有することを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠。
  11. 更に甘味剤、香料、滑沢剤を含有することを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠。
  12. プラバスタチンナトリウム及び無水リン酸水素カルシウムを含有する組成物を混合し、打錠することによる、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の製造方法。
  13. プラバスタチンナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び無水リン酸水素カルシウムを含有する組成物を混合し、打錠することによる、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の製造方法。
  14. プラバスタチンナトリウム、炭酸水素ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム及びクロスポビドンを含有する組成物を混合し、打錠することによる、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の製造方法。
  15. プラバスタチンナトリウム、炭酸水素ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、クロスポビドン及び結晶セルロースを含有する組成物を混合し、打錠することによる、プラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の製造方法。
  16. 打錠が直接打錠であることを特徴とする、請求項12乃至15のいずれか1項に記載のプラバスタチンナトリウム口腔内速崩壊錠の製造方法。
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