JPWO2011036891A1 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

本発明の超音波診断装置は、探触子を繰り返し駆動し、前記探触子を駆動することにより送信された超音波が被検体において反射することにより得られた反射エコーを前記探触子によって受信し、複数の受信信号を逐次生成する送受信部と、前記複数の受信信号に基づき、各フレームにおける前記被検体中の血流部分の血流速度データを逐次生成するカラーフローマッピング信号処理部と、前記各フレームにおける血流速度データに対して残像処理を行う残像処理部と、前記受信信号に基づき、Bモード断層画像フレームデータを生成する断層画像信号処理部と、前記残像処理された血流速度データおよび前記Bモード断層画像フレームデータを合成する画像合成部とを備え、前記残像処理部は、最新のフレームの血流速度データと最新より以前のフレームの残像処理された血流速度データに基づいて折り返し判定を行い、前記折り返し判定の結果と最新および最新より以前のフレームの血流速度データに基づいて動的にパーシスタンス係数を変更する。

Description

本発明は、超音波診断装置に関し、特にカラーフローマッピング時の残像処理方法に関する。
超音波診断装置は、超音波を被検体に送信し、その反射エコーに含まれる情報を解析することにより、被検体内の画像を作成する。カラーフローマッピング(Color Flow Mapping、以下CFMと略す場合がある)と呼ばれる手法によって、被検体内の血流を画像化することも可能であり、医療分野全般において、血流状態を表示することのできる超音波診断装置が広く利用されている。
カラーフローマッピングはカラードップライメージング(Color Doppler Imaging、CDI)とも呼ばれ、ドップラ効果を利用する。超音波が血流を照射すると、ドプラ効果により反射エコーに血流速度に応じたドップラ偏移が生じる。このドップラ偏移の情報を直交検波によって検出し、MTI(Moving Target Indicator)フィルタと呼ばれるハイパスフィルタ処理、自己相関処理およびノイズカット処理を施すことによって、血流速度に関する情報が得られる。得られた血流速度の情報を色情報に変換し、二次元的にBモード断層画像に重畳して表示することによって、被検体内の血流状態をユーザに認識させることができる。
血流から得られる反射エコーによる受信信号強度は、Bモード断層画像生成に用いる組織散乱体および組織境界から得られる反射エコーによる受信信号強度に比べ、かなり小さい。このため、カラーフローマッピングにおける信号処理によって得られる血流速度および血流パワー(移動する血流量)は不安定になりやすい。
特に、観察したい部分の血流速度が遅い場合、あるいは、観察したい部分が末梢血管である場合、血流パワーが小さくなるため、本来、システムノイズおよび音響ノイズのみをカットするべきノイズカット処理において、血流速度あるいは血流パワーに関する情報が除去されてしまい易い。その結果、血流画像において本来血流として表示される部分が黒く抜けてしまう現象が発生する。例えば、1秒間に数フレームから数十フレームの割合で、被検体内の血流を画像化する場合、そのうちのいくつかのフレームにおいて、血流部分が黒く示されてしまう。このため、断層画像中の血流部分が突然消滅し、画像が滑らかでなくなったり、違和感のあるものとなったりする。
この問題を解決するために、従来のカラーフローマッピングを行う超音波診断装置では、信号処理後段においてパーシスタンス処理(残像処理)と呼ばれる時間方向補間を行うのが通例である。以下、特許文献1に示される従来のカラーフローマッピングにおけるパーシスタンス処理を説明する。
図7に示す従来の超音波診断装置において、超音波送受信部402は、探触子401を駆動し、超音波を被検体へ送信する。また、探触子401によって被検体で生じる反射エコーを受信し、受信信号を生成する。Bモード断層画像を生成する場合、超音波送受信部402は、Bモード断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号を断層画像信号処理部409へ出力する。カラーフローマッピング断層画像を生成する場合は、カラーフローマッピング断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号をカラーフローマッピング処理部403(以下、CFM信号処理部と略す)へ出力する。一般的に、カラーフローマッピング断層画像を生成する場合、安定したカラーフローマッピング断層画像を得るために、超音波送受信部402は、同じ音響線上において超音波の送受信を複数回行う。
CFM信号処理部403は、受信信号に対して直交検波処理、MTIフィルタ処理および自己相関処理を行い、血流速度および血流パワーを算出したのち、システムあるいは音響ノイズを排除するノイズカット処理を行い、フレームメモリ部404に血流速度および血流パワーを出力する。
フレームメモリ部404は、リングバッファで構成されており、現在の走査フレームからNフレーム前(Nは、1以上の整数)までの血流速度および血流パワーをフレーム単位で保存している。ここで、フレームとは、1画面のCFM断層画像を構成する血流速度データおよび血流パワーデータ群を示す。
フレームメモリ選択部405は、フレームメモリ部404から、あらかじめ設定された複数のCFMフレームデータを選択し、パーシスタンス演算部407へ出力するようフレームメモリ部404に指令を出力する。パーシスタンス演算部407は、フレームメモリ部404から読み出されたCFMフレームデータとパーシスタンス係数設定部406から出力されるパーシスタンス係数に基づいてパーシスタンス演算を実施し、CFM DSC(Digital Scan Converter)部408に出力する。パーシスタンス演算は、単純な重み付け演算であり、パーシスタンス係数設定部406から出力されるパーシスタンス係数は、あらかじめシステムから設定された固定係数である。
CFM DSC部408は、パーシスタンス演算部407から出力されるCFMフレームデータの座標を変換し、画像合成部411へ出力する。
断層画像信号処理部409は受信信号に対してダイナミックフィルタ処理を施すことにより、不要なノイズをカットしたのち、包絡線検波処理およびダイナミックレンジ圧縮処理を施して断層画像DSC部410に断層画像フレームデータを出力する。断層画像DSC部410は、断層画像信号処理部409からの断層画像フレームデータの座標を変換し、画像合成部411へ出力する。
画像合成部411は、CFM DSC部410および断層画像DSC部410から出力される各フレームデータを画素ごとに合成し、合成画像フレームデータを生成する。具体的には、血流速度がゼロである場合は、断層画像フレームデータを表示し、そうでない場合は、CFMフレームデータを表示するように2つのデータを画素ごと、あるいは、対応する測定点のデータごとに合成する。また、血流速度や血流の方向に応じてデータを色情報に変換し、表示部412に出力する。表示部412は、画像合成部411から受け取ったデータを表示する。
特開平2-286140号公報
従来の超音波診断装置におけるパーシスタンス処理は、血流速度が遅く、あるいは、血流パワーが小さく、これらが不安定な状態にあることに起因してCFM信号処理部403の出力結果が不安定になり、表示血流に黒抜けが発生することを防止する。具体的には、現在走査中のフレームデータよりも過去のフレームデータに重みを置いたパースタンス係数を用いることによって、残像効果を生じさせ、画像に黒抜けが発生するのを抑制する。
しかし、このような特徴は、血流速度が激しく変化する動脈の診断には適していない場合がある。例えば、頚動脈では、心臓の拡張収縮に応じて血流が激しく変化し、収縮期には、心周期に対してごく短い時間において血流が速くなり、拡張期では、血流が遅くなる。また、血流速度の最大値と最小値との差も他の診断部位に比べて大きい。その結果、拡張期における頚動脈の血流速度は、心周期に対して比較的長い時間、小さな値で一定となり、CFM信号処理部403の出力が安定しない状態に陥る。
表示する血流の画像に黒抜けが生じるのを抑制するためには、パーシスタンス処理によって、残像効果が高くなるようにパーシスタンス係数を設定することが好ましい。これにより、血流速度が低速となる場合でも、黒抜けが発生しない滑らかな動画表示が可能となるからである。しかし、この場合、収縮期における高速な血流速度の表示ができなくなる。
また、従来の超音波診断装置におけるパーシスタンス処理は、末梢血管の診断には適していない場合がある。例えば、甲状腺、肝臓、腎臓などの臓器には、主流血管から派生する末梢血管が存在する。これらの臓器の診断にあたり、末梢血管構造を把握することは非常に重要である。
末梢血管における時間的な血流変化は、比較的安定しているのであるが、血管が物理的に細いために、血流パワーが頚動脈や心臓の場合と比べ、極端に小さくなる傾向にある。従って、血流パワーが小さいことにより、ドップラ偏移の検出が不安定となり、CFM信号処理部403の出力が結果として安定しない状態に陥る。
このため、パーシスタンス処理を行わない場合、断層画像中の末梢血管は、時間的に点滅して表示されることになり、動画として見づらくなる。逆にパーシスタンス処理を行う場合、時間的方向に対して断層画像中の末梢血管の血流が平滑化されるため、パーシスタンス処理により末梢血管が消滅する可能性がある。この場合、末梢血管の検出率が著しく低下することになる。
本発明は、このような従来技術の課題を解決し、血流速度が激しく変化する頚動脈などのような診断部位において、血流変化が明確に認識でき、かつ、低速な血流速度でも黒抜けが発生しない滑らかな血流動画を表示することができる超音波診断装置を提供することを目的とする。また、末梢血管など血流パワーが小さい血管部分でも見やすい動画表示を行うことのできる超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波診断装置は、探触子を繰り返し駆動し、前記探触子を駆動することにより送信された超音波が被検体において反射することにより得られた反射エコーを前記探触子によって受信し、複数の受信信号を逐次生成する送受信部と、前記複数の受信信号に基づき、各フレームにおける前記被検体中の血流部分の血流速度データを逐次生成するカラーフローマッピング信号処理部と、前記各フレームにおける血流速度データに対して残像処理を行う残像処理部と、前記受信信号に基づき、Bモード断層画像フレームデータを生成する断層画像信号処理部と、前記残像処理された血流速度データおよび前記Bモード断層画像フレームデータを合成する画像合成部とを備え、前記残像処理部は、最新のフレームの血流速度データと最新より以前のフレームの残像処理された血流速度データに基づいて折り返し判定を行い、前記折り返し判定の結果と最新および最新より以前のフレームの血流速度データに基づいて動的にパーシスタンス係数を変更する。
ある好ましい実施形態の超音波診断装置は、探触子を繰り返し駆動し、前記探触子を駆動することにより送信された超音波が被検体において反射することにより得られた反射エコーを前記探触子によって受信し、複数の受信信号を逐次生成する送受信部と、前記複数の受信信号に基づき、各フレームにおける前記被検体中の血流部分の血流速度データを逐次生成するカラーフローマッピング信号処理部と、前記各フレームにおける血流速度データに対して残像処理を行う残像処理部と、前記受信信号に基づき、Bモード断層画像フレームデータを生成する断層画像信号処理部と、前記残像処理された血流速度データおよび前記Bモード断層画像フレームデータを合成する画像合成部とを備え前記残像処理部は、最新のフレームの血流速度データを記憶する第1のメモリ部と、最新より1つ前のフレームの残像処理された血流速度データを記憶する第2のメモリ部と、前記第1のメモリ部および前記第2のメモリ部から血流速度データをそれぞれ読み出し、折り返し判定を行う折り返し判定部と、前記折り返し判定の結果および前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに応じてパーシスタンス係数を決定するパーシスタンス係数決定部と、前記パーシスタンス係数および前記折り返し判定の結果に基づいて、前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに対しパーシスタンス演算を行い、演算結果を前記残像処理された血流速度データとして出力するパーシスタンス演算部とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記折り返し判定部は、前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データおよび前記第2のメモリ部に記憶された血流速度データと複数の閾値とを比較することによって、折り返しが発生しているかどうか、および、前記最新のフレームの血流速度データが折り返し領域にあるかどうかを判定する。
ある好ましい実施形態において、前記残像処理部は、前記血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値のパーシスタンス係数を含む参照テーブルを記憶している第3のメモリ部をさらに含む。
ある好ましい実施形態において、前記参照テーブルは、所定の値以上の血流速度に対して一定の値のパーシスタンス係数が対応付けられている。
ある好ましい実施形態の超音波診断装置は、探触子を繰り返し駆動し、前記探触子を駆動することにより送信された超音波が被検体において反射することにより得られた反射エコーを前記探触子によって受信し、複数の受信信号を逐次生成する送受信部と、前記複数の受信信号に基づき、各フレームにおける前記被検体中の血流部分の血流速度データを逐次生成するカラーフローマッピング信号処理部と、前記各フレームにおける血流速度データに対して残像処理を行う残像処理部と、前記受信信号に基づき、Bモード断層画像フレームデータを生成する断層画像信号処理部と、前記残像処理された血流速度データおよび前記Bモード断層画像フレームデータを合成する画像合成部とを備え、前記残像処理部は、最新のフレームの血流速度データを記憶する第1のメモリ部と、最新より1つ前のフレームの残像処理された血流速度データを記憶する第2のメモリ部と、前記第1のメモリ部および前記第2のメモリ部から血流速度データをそれぞれ読み出し、折り返し判定を行う折り返し判定部と、前記折り返し判定の結果および前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに応じて第1のパーシスタンス係数を決定する第1のパーシスタンス係数決定部と、前記第1のパーシスタンス係数および前記折り返し判定の結果に基づいて前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに対しパーシスタンス演算を行う第1のパーシスタンス演算部と、前記折り返し判定の結果および前記第2のメモリ部に記憶された血流速度データに応じて第2のパーシスタンス係数を決定する第2のパーシスタンス係数決定部と、前記第2のパーシスタンス係数および前記折り返し判定の結果に基づいて前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに対しパーシスタンス演算を行う第2のパーシスタンス演算部と、前記第1のパーシスタンス演算部から出力される演算結果の絶対値および前記第2パーシスタンス演算部から出力される演算結果の絶対値を比較し、大きい方の演算結果を前記残像処理された血流速度データとして出力する最大値選択部とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記折り返し判定部は、前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データおよび前記第2のメモリ部に記憶された血流速度データと複数の閾値とを比較することによって、折り返しが発生しているかどうか、および、前記最新のフレームの血流速度データが折り返し領域にあるかどうかを判定する。
ある好ましい実施形態において、前記残像処理部は、前記血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値の第1のパーシスタンス係数を含む第1の参照テーブルを記憶している第3のメモリ部と、前記血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値の第2のパーシスタンス係数を含む第2の参照テーブルを記憶している第4のメモリ部とをさらに含む。
ある好ましい実施形態において、前記第1の参照テーブルと前記第2の参照テーブルにおいて、同じ血流速度の値に応じて対応付けられた第1のパーシスタンス係数と第2のパーシスタンス係数とは互いに異なる値である。
ある好ましい実施形態において、前記第1の参照テーブルは、所定の値以上の血流速度に対して一定の値のパーシスタンス係数が対応付けられている。
ある好ましい実施形態において、前記最新より以前のフレームの残像処理された血流速度データは、前記最新より1つ前のフレームの残像処理された血流速度データである。
本発明によれば、最新のフレームの血流速度データおよび最新より前のフレームの血流速度データに基づき、折り返しの判定を行い、折り返し判定の結果および最新のフレームの血流速度データに基づき、パーシスタンス係数を動的に変更する。このため、血流変化が明確に認識でき、かつ、低速な血流速度でも黒抜けが発生しない滑らかな血流動画を表示することが可能な超音波診断装置が実現する。
また、本発明によれば、最新のフレームの血流速度データに基づき決定されたパーシスタンス係数を用いて残像処理された血流速度、および、最新より前のフレームの血流速度データに基づき決定されたパーシスタンス係数を用いて残像処理された血流速度を求め、絶対値の大きいほうを選択して血流画像表示に用いる。このため、血流パワーが不安定となる末梢血管の血流表示を点滅させずに、かつ、平滑化に起因する末梢血管の血流消滅を起こさない血流動画を表示することが可能となる。
本発明による超音波診断装置の第1の実施形態を示すブロック図である。 (a)および(b)は、第1の実施形態において、パーシスタンス係数を用いて血流速度データのパーシスタンス演算を行う場合に考慮する折り返し演算を説明する模式図である。 (a)は、第1の実施形態における折り返し判定を説明するための模式図であり、(b)は、参照テーブルのデータが満たす関係を示すグラフである。 本発明による超音波診断装置の第2の実施形態を示すブロック図である。 (a)および(b)は、第2の実施形態において、パーシスタンス係数を用いて血流速度データのパーシスタンス演算を行う場合に考慮する折り返し演算を説明する模式図である。 (a)は、第2の実施形態における折り返し判定を説明するための模式図であり、(b)および(c)は、第1および第2の参照テーブルのデータが満たす関係を示すグラフである。 従来の超音波診断装置を示すブロック図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明による超音波診断装置の第1の実施形態を説明する。図1は、本発明による超音波診断装置の第1の実施形態を示すブロック図である。図1に示す超音波診断装置11は、探触子101と、超音波送受信部102と、CFM信号処理部103と、残像処理部115と、断層画像信号処理部111と、CFM DSC部110と、断層画像DSC部112と、画像合成部113と、表示部114とを備える。これらの構成のうち、探触子101および表示部114には汎用の探触子および表示装置を用いることが可能であり、探触子101および表示部114を超音波診断装置11が備えていなくてもよい。
超音波送受信部102は、探触子101を駆動する駆動信号を生成し、探触子101へ出力することによって、探触子101から被検体に向けて超音波を送信する。また、送信された超音波が被検体において反射することによって得られた反射エコーを探触子101によって受信し、受信信号を生成する。より具体的には、探触子101は複数の圧電素子を含み、各圧電素子から送信される超音波が超音波ビームを構成し、被検体を複数の超音波ビームによって走査するように、超音波送受信部102が各圧電素子の遅延制御を行いながら探触子101を駆動する。反射エコーは各圧電素子によって受信され、超音波送受信部102が、各圧電素子の遅延制御を行うことにより、送信された超音波ビームに対応する受信信号が生成する。被検体を超音波ビームが1回走査することによって1フレーム分のデータが得られる。1秒間に数回〜数十回繰り返して超音波の送受信を行うことにより、毎秒数フレームから数十フレームの受信信号が逐次生成する。
本実施形態の超音波診断装置11は、Bモード断層画像とカラーフローマッピング画像と生成し、これらを合成して表示部114に表示する。このため、超音波送受信部102の上述した超音波の送受信は、Bモード断層画像の生成およびカラーフローマッピング画像の生成のそれぞれについて行われる。Bモード断層画像の1秒当たりのフレーム数およびカラーフローマッピング画像の1秒当たりのフレーム数は同じであってもよいし、異なっていてもよい。フレーム数が同じである場合には、Bモード断層画像生成のための超音波の送受信およびカラーフローマッピング画像生成のための超音波の送受信を交互に繰り返し行ってもよい。
Bモード断層画像を生成する場合、超音波送受信部102は、Bモード断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号を断層画像信号処理部111へ出力する。カラーフローマッピング断層画像を生成する場合は、カラーフローマッピング断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号をCFM信号処理部103へ出力する。一般的に、カラーフローマッピング断層画像を生成する場合、安定したカラーフローマッピング断層画像を得るために、超音波送受信部102は、同じ音響線上において超音波の送受信を複数回行う。
CFM信号処理部103は、受信信号に対して直交検波処理、MTIフィルタ処理および自己相関処理を行い、血流速度および血流パワーを算出したのち、システムあるいは音響ノイズを排除するノイズカット処理を行う。CFMフレームデータは少なくとも血流速度データを含む。この他、血流パワーデータや血流速度の分散データを含んでいてもよい。CFM信号処理部103はこの処理を、各フレームを構成する受信信号ごとに逐次繰り返して行う。CFM信号処理部103で生成したCFMフレームデータはフレームごとに残像処理部115へ出力される。
残像処理部115は、パーシスタンス係数を用いて、フレームごとにCFMフレームデータに対して残像処理を行う。本実施形態の超音波診断装置11は、パーシスタンス係数を最新のフレームの血流速度に応じて決定する。つまり、パーシスタンス係数は一定ではなく、最新のフレームの血流速度に基づく動的な値である。これにより、血流速度に応じてパーシスタンス係数を変化させ、残像効果を調整することができる。ただし、血流を動画で表示するためには、パルスドプラ法を用いて超音波の送受信を行う必要があり、このため、計測できる血流速度はパルス繰り返し周波数(PRF)による制限を受ける。その結果、血流速度に折り返しが生じ、血流速度を正確に評価することが困難となる。
本実施形態の超音波診断装置11は折り返しが生じているかどうかを判定するため、最新のフレームの血流速度データと1つ前のフレームの血流速度データを用いる。このために、残像処理部115は、フレームメモリ部(第1のメモリ部)104と、折り返し判定部105と、パーシスタンス係数決定部106と、パーシスタンス係数参照メモリ部(第3のメモリ部)107とパーシスタンス演算部108とパーシスタンスメモリ部(第2のメモリ部)109とを含む。
フレームメモリ部104は、最新のフレームの(現在走査中の)CFMフレームデータを記憶する。パーシスタンスメモリ部109は、最新より1つ前のフレームのパーシスタンス演算部108の出力結果であるCFMフレームデータを記憶する。パーシスタンスメモリ部109のCFMフレームデータは残像処理が施されている。以下、フレームメモリ部104およびパーシスタンスメモリ部109にそれぞれ記憶されたCFMフレームデータのうち、血流速度データをVcurrentおよび血流速度データVout-1と呼ぶ。
折り返し判定部105は、フレームメモリ部104からCFMフレームデータのうちの血流速度データVcurrentとパーシスタンスメモリ部109からCFMフレームデータのうちの血流速度データVout-1を読み出し、折り返し判定を行う。より具体的には、血流速度データVcurrentおよび血流速度データVout-1と複数の閾値とを比較することによって、折り返しが発生しているかどうか、および、血流速度データVcurrentが折り返し領域にあるかどうかを判定し、結果をパーシスタンス係数決定部106およびパーシスタンス演算部108に出力する。
パーシスタンス係数決定部106は、折り返し判定部105からの2つの判定結果とフレームメモリ部104から読み出した血流速度データVcurrentに基づいて、パーシスタンス係数参照メモリ部107への参照インデックスを作成する。また、パーシスタンス係数参照メモリ部107にアクセスし、参照インデックスに対応付けられたパーシスタンス係数を読み出し、パーシスタンス演算部108に設定する。パーシスタンス係数参照メモリ部107には、あらかじめ血流速度の値に対応付けられたパーシスタンス係数の参照テーブルが記憶されている。この参照テーブルは、血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値のパーシスタンス係数を含む。
パーシスタンス演算部108は、パーシスタンス係数決定部106から設定されたパーシスタンス係数と折り返し判定部105からの折り返し発生の判定結果とに基づいて、以下に示す式(1)で血流速度データに対してパーシスタンス演算を行う。パーシスタンス演算によって求められる残像処理された血流速度データをVoutとし、パーシスタンス係数をCpersistence(0<Cpersistence<1)とすると、残像処理された血流速度データは以下の式(1)で求められる。
Vout=(1−Cpersistence)×Vcurrent+Cpersistence×Vout-1 ・・(1)
CFMフレームデータが、血流速度データ以外のデータを含む場合には、同様に最新のフレームのデータおよび最新より1つ前のフレームのデータと求めたパーシスタンス係数Cpersistenceを用いてパーシスタンス演算を行い、残像処理されたデータを得る。
折り返し判定部105からの折り返し発生の判定結果が真であった場合は、式(1)の演算式を符号なし演算で扱い、偽であった場合は、符号付演算で扱う。
上述したように測定にパルス波を用いるため、ドップラ偏移によって直接測定できる血流速度はパルス波の繰り返し周波数(PRF)の制限を受ける。具体的には、±PRF/2を超える周波数変化に対応する血流速度は反対向きの血流として観測される折り返しが発生する。
図2(a)および(b)は、残像処理された血流速度データVout、最新のフレームの血流速度データVcurrentおよび最新より1つ前のフレームのパーシスタンス演算部108の出力結果である血流速度データVout-1の大きさの関係を示している。図2(a)および(b)において、横軸の第1象限部分は速度Vがゼロを意味し、横軸の第2象限部分は、+Vまたは−Vを意味する。速度Vが正である場合、第1または第2象限に位置し、速度Vが負である場合には、第3または第4象限に位置する。
例えば、図2(a)に示すように、Vcurrentが第2象限にあり、Vout-1が第3象限にあり、折り返しが発生していると判定された場合、Vout-1は実際には、+PRF/2に対応する血流速度よりも大きな値であったことなるから、ゼロを通らない、つまり、符号変化をともなわない演算である。したがって、VcurrentおよびVout-1の符号(プラスまたはマイナス)をとって、式(1)にこれらの値を代入し演算を行う。
一方、例えば、図2(b)に示すように、Vcurrentが第1象限にあり、Vout-1が第4象限にあり、折り返しが発生していないと判定された場合、式(1)の演算は、ゼロを通り、符号変化が生じる演算となる。したがって、符号をつけたVcurrentおよびVout-1を式(1)に代入し演算を行う。この演算は、1フレーム分の血流速度データの各画素または測定点ごとに行われる。また、演算結果であるVoutは、折り返しが発生している場合、符号なしの値となる。この場合、血流速度データVoutの最上位ビットを符号として扱うことで符号あり値としてCFM DSC部110およびパーシスタンスメモリ部109に出力される。
CFM DSC部110は、パーシスタンス演算部108から出力される血流速度データの座標を変換し、画像合成部113へ出力する。
断層画像信号処理部409は受信信号に対してダイナミックフィルタ処理を施すことにより、不要なノイズをカットしたのち、包絡線検波処理およびダイナミックレンジ圧縮処理を施して断層画像DSC部410に断層画像フレームデータを出力する。断層画像DSC部410は、断層画像信号処理部409からの断層画像フレームデータの座標を変換し、画像合成部411へ出力する。
画像合成部411は、CFM DSC部410および断層画像DSC部410から出力される各フレームデータを画素ごとに、あるいは、対応する測定点のデータごとに合成し、合成画像フレームデータを生成する。具体的には、血流速度がゼロである場合は、断層画像フレームデータを表示し、そうでない場合は、CFMフレームデータを表示するように2つのデータを画素ごとに、あるいは、対応する測定点のデータごとに合成する。また、血流速度や血流の方向に応じてデータを色情報に変換し、表示部412に出力する。表示部412は、画像合成部411から受け取ったデータを表示する。
次に、パーシスタンス係数の決定についてより詳細に説明する。パーシスタンス係数を決定するために、まず、血流速度に折り返しが発生しているかどうかを折り返し判定部105において判定する。
折り返し判定部105は、フレームメモリ部104から最新のCFMフレームデータに含まれる血流速度データVcurrentとパーシスタンスメモリ部109から1フレーム前のパーシスタンス演算部108の出力結果であるCFMフレームデータに含まれる血流速度Vout-1とを読み出し、VcurrentおよびVout-1の値から以下の2つの判定を行う。
1.折り返しが発生しているかどうか。
2.Vcurrentが折り返し領域にあるかどうか。
この2つの状態の判定には、あらかじめ定められた閾値とVcurrentおよびVout-1とを比較することにより行う。具体的には、閾値Vthおよび血流ゼロ速度VzeroとVcurrentおよびVout-1とを比較する。
Figure 2011036891
図3(a)は、閾値Vth、血流ゼロ速度Vzero、VcurrentおよびVout-1の大きさの関係を示している。図3(a)において、横軸の第1象限部分は血流ゼロ速度Vzeroを意味し、横軸の第2象限部分は、Vmaxまたは−Vmaxを意味する。速度Vが正である場合、第1または第2象限に位置し、速度Vが負である場合には、第3または第4象限に位置する。
ここで、Vthおよび−Vthには、例えば、隣接するフレームの時間間隔において、想定される血流速度の変化の最大値を設定する。
表1は、折り返し判定部105において判定される条件と判定結果とを示している。
条件(0)に示すように、Vout-1が正である場合、想定される血流速度の変化の最大値はVthまたは−Vthであるから、Vcurrentが−Vthよりも小さくなることはない。したがって、Vcurrent<−Vthを満たしていれば、Vcurrentは、実際には、+PRF/2に対応する最大血流速度Vmaxよりも大きな値となっており、折り返しが発生しているとともに、Vcurrentが折り返し領域にあると判定される。条件(1)は、条件(0)の符号が逆転した場合である。
条件(2)に示すように、Vout-1が−Vthより小さい場合、Vcurrentが正の値となることは、想定される血流速度の変化の最大値を超える変化であるから、折り返しが発生している。また、VcurrentがVzeroを挟む±Vthの範囲にあるため、Vcurrentは折り返し領域ではない。条件(3)は、条件(2)の符号が逆転した場合である。
条件(0)から(3)のいずれも満たさない場合には、折り返しが発生しておらず、また、Vcurrentが折り返し領域にないと判定する。
パーシスタンス係数決定部106は、折り返し判定部105から出力される2つの判定結果とフレームメモリ部104から読み出した血流速度データVcurrentの絶対値に基づいて、パーシスタンス係数参照メモリ部107への参照インデックスを作成する。表2に作成される参照インデックスを示す。
Figure 2011036891
折り返しが発生しており、かつ、Vcurrentが折り返し領域にある場合、血流速度Vcurrentは、実際には、Vmaxをまたは−Vmaxを超える大きな値と考えられる。このため、参照インデックスはVmaxとなる。その他の場合には、Vcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)となる。
パーシスタンス係数参照メモリ部107には、参照インデックスに対応付けられたパーシスタンス係数によって構成される参照テーブルが記憶されている。パーシスタンス係数決定部106は、パーシスタンス係数参照メモリ部107にアクセスし、作成された参照インデックスに対応付けられたパーシスタンス係数を読み出し、パーシスタンス演算部108へ出力する。
図3(b)は、参照インデックスとパーシスタンス係数との対応関係の一例を示すグラフである。図3(b)において、横軸は参照インデックスを示し、縦軸は、パーシスタンス係数を示している。表2に示したように、参照インデックスは、VmaxまたはVcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)である。Vcurrentの絶対値が閾値Vth以下である場合には、Vcurrentの増大にともなって単調に減少するパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられている。つまり、Vcurrentの絶対値が閾値Vth以下である場合には、最新のフレームの血流速度Vcurrentに応じて異なるパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられる。これにより、最新のフレームの血流速度Vcurrentが小さい場合には、パーシスタンス係数Cpersistenceが大きくなる。つまり、1つ前のフレームの血流速度Vout-1の重みが大きくなる。その結果、最新のフレームの血流速度Vcurrentが小さい場合には、1つ前のフレームの血流速度Vout-1を大きく反映させた血流速度Voutが決定され表示部114に表示される。このため、カラーフローマッピング画像の変化が滑らかとなり、黒抜けが生じにくくなる。
また、最新のフレームの血流速度Vcurrentが大きい場合には、パーシスタンス係数Cpersistenceが小さくなる。つまり、1つ前のフレームの血流速度Vout-1の重みが小さくなる。その結果、最新のフレームの血流速度Vcurrentが大きい場合には、1つ前のフレームの血流速度Vout-1の影響が小さくなり、急激な血流速度の増大をリアルタイムで反映させたカラーフローマッピング画像を実現できる。
また、Vcurrentの増大にともなってパーシスタンス係数Cpersistenceが単調に減少するため、時間の経過とともに血流速度が増大する場合には、パーシスタンス係数Cpersistenceが減少し、残像効果が小さくなり、カラーフローマッピング画像の変化が急激になる。時間の経過とともに血流速度が減少する場合には、パーシスタンス係数Cpersistenceが増大し、残像効果が大きくなり、カラーフローマッピング画像の変化が緩やかになる
なお、表1および表2から分かるように、Vcurrent<−Vthでも、Vout-1>0であれば、参照インデックスはVmaxとなる(条件(0))一方、Vout-1<0であれば、参照インデックスはVcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)となる(条件(4))。このため、Vcurrent<−Vthを満たしていても、Vout-1が正か負であるかによって、参照インデックスが異なり、パーシスタンス係数Cpersistenceも異なる。その結果、Vcurrent<−Vthを満たす隣接する領域であっても、Vout-1が正か負であるかによってカラーマッピングフロー画像として表示される色が異なり、画像に不連続な色調部分が生じてしまう。
このような不自然な表示を抑制するため、Vcurrentの絶対値が閾値Vth以上である場合には、参照インデックスに同じ値のパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられていることが好ましい。これにより、折り返しが発生する血流領域、あるいはその境界近傍において、自然な表示を行うことができる。
このように本実施形態の超音波診断装置によれば、CFMフレームデータに対して血流速度および折り返し状態に基づいてパーシスタンス係数を動的に決定したのちにパーシスタンス演算を実施することにより、頚動脈のような血流変化が激しい診断部位においても血流変化が明確に認識でき、かつ、低速な血流速度でも黒抜けが発生しない滑らかな血流動画を表示することが可能となる。
なお、上記実施形態では、CFMフレームデータの血流速度に基づいてパーシスタンス係数を動的に決定し、血流速度にパーシスタンス演算を行っているが、上述したようにCFMフレームデータの他のデータ、例えば、血流パワーデータに対してパーシスタンス演算を行ってもよいし、Bモード断層画像データに対してパーシスタンス演算を行ってもよい。
また、上記実施形態では、最新のフレームおよび1つ前のフレームの血流速度データを用いてパーシスタンス処理を行っていたが、2つ前、あるいは3つ以上前のフレームの血流速度データも用いてパーシスタンス処理を行ってもよい。また、式(1)に限られず、他の演算式を用いてパーシスタンス処理を行ってもよい。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明による超音波診断装置の第2の実施形態を説明する。図4は、本発明による超音波診断装置の一実施形態を示すブロック図である。図4に示す超音波診断装置12は、探触子101と、超音波送受信部102と、CFM信号処理部103と、残像処理部115’と、断層画像信号処理部111と、CFM DSC部110と、断層画像DSC部112と、画像合成部113と、表示部114とを備える。これらの構成のうち、探触子101および表示部114には汎用の探触子および表示装置を用いることが可能であり、探触子101および表示部114を超音波診断装置12が備えていなくてもよい。
第1の実施形態で説明したように、超音波送受信部102は、探触子101を駆動する駆動信号を生成し、探触子101へ出力することによって、探触子101から被検体に向けて超音波を送信する。また、送信された超音波が被検体において反射することによって得られた反射エコーを探触子101によって受信し、受信信号を生成する。より具体的には、探触子101は複数の圧電素子を含み、各圧電素子から送信される超音波が超音波ビームを構成し、被検体を複数の超音波ビームによって走査するように、超音波送受信部102が各圧電素子の遅延制御を行いながら探触子101を駆動する。反射エコーは各圧電素子によって受信され、超音波送受信部102が、各圧電素子の遅延制御を行うことにより、送信された超音波ビームに対応する受信信号が生成する。被検体を超音波ビームが1回走査することによって1フレーム分のデータが得られる。1秒間に数回〜数十回繰り返して超音波の送受信を行うことにより、毎秒数フレームから数十フレームの受信信号が逐次生成する。
本実施形態の超音波診断装置12は、Bモード断層画像とカラーフローマッピング画像と生成し、これらを合成して表示部114に表示する。このため、超音波送受信部102の上述した超音波の送受信は、Bモード断層画像の生成およびカラーフローマッピング画像の生成のそれぞれについて行われる。Bモード断層画像の1秒当たりのフレーム数およびカラーフローマッピング画像の1秒当たりのフレーム数は同じであってもよいし、異なっていてもよい。フレーム数が同じである場合には、Bモード断層画像生成のための超音波の送受信およびカラーフローマッピング画像生成のための超音波の送受信を交互に繰り返し行ってもよい。
Bモード断層画像を生成する場合、超音波送受信部102は、Bモード断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号を断層画像信号処理部111へ出力する。カラーフローマッピング断層画像を生成する場合は、カラーフローマッピング断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号をCFM信号処理部103へ出力する。一般的に、カラーフローマッピング断層画像を生成する場合、安定したカラーフローマッピング断層画像を得るために、超音波送受信部102は、同じ音響線上において超音波の送受信を複数回行う。
CFM信号処理部103は、受信信号に対して直交検波処理、MTIフィルタ処理および自己相関処理を行い、血流速度および血流パワーを算出したのち、システムあるいは音響ノイズを排除するノイズカット処理を行う。CFMフレームデータは少なくとも血流速度データを含む。この他、血流パワーデータや血流速度の分散データを含んでいてもよい。CFM信号処理部103はこの処理を、各フレームを構成する受信信号ごとに逐次繰り返して行う。CFM信号処理部103で生成したCFMフレームデータはフレームごとに残像処理部115’へ出力される。
残像処理部115’は、パーシスタンス係数を用いてフレームごとにCFMフレームデータに対して残像処理を行う。本実施形態の超音波診断装置12は、パーシスタンス係数を血流速度に応じてパーシスタンス係数を決定する。つまり、パーシスタンス係数は一定ではなく、血流速度に応じた動的な値である。これにより、血流速度に応じてパーシスタンス係数を変化させ、残像効果を調整することができる。ただし、血流を動画で表示するためには、パルスドプラ法を用いて超音波の送受信を行う必要があり、このため、計測できる血流速度はパルス繰り返し周波数(PRF)による制限を受ける。その結果、血流速度に折り返しが生じ、血流速度を正確に評価することが困難となる。
本実施形態の超音波診断装置12は折り返しが生じているかどうかを判定するため、最新のフレームの血流速度データと1つまえのフレームの血流速度データを用いる。また、残像処理部115’は2つパーシスタンス演算部を備え、残像効果をあまり与えずに速やかに血流速度を変化させる第1のパーシスタンス演算と残像効果を強力に与え血流速度変化をなるべく維持する第2のパーシスタンス演算を同時に行う。このようにして生成した残像効果の異なる2つの血流速度データのうち絶対値の大きい方を用いて血流画像を構成する。これにより、血流パワーが小さい末梢血管でも、血流表示を点滅させずに、かつ、平滑化に起因する末梢血管の血流消滅を起こさない動画を表示することが可能となる。
このために、残像処理部115’は、フレームメモリ部(第1のメモリ部)104と、折り返し判定部105と、第1のパーシスタンス係数決定部106Aと、第1のパーシスタンス係数参照メモリ部(第3のメモリ部)107Aと第1のパーシスタンス演算部108Aと、第2のパーシスタンス係数決定部106Bと、第2のパーシスタンス係数参照メモリ部(第4のメモリ部)107Bと第2のパーシスタンス演算部108Bと、最大値選択部116と、パーシスタンスメモリ部(第2のメモリ部)109とを含む。
フレームメモリ部104は、最新のフレームの(現在走査中の)CFMフレームデータを記憶する。パーシスタンスメモリ部109は、最新より1つ前の最大値選択部の出力結果であるCFMフレームデータを記憶する。パーシスタンスメモリ部109のCFMフレームデータは残像処理が施されている。第1の実施形態と同様、フレームメモリ部104およびパーシスタンスメモリ部109にそれぞれ記憶されたCFMフレームデータのうち、血流速度データをVcurrentおよび血流速度データVout-1と呼ぶ。
折り返し判定部105は、フレームメモリ部104からCFMフレームデータのうちの血流速度データVcurrentとパーシスタンスメモリ部109からCFMフレームデータのうちの血流速度データVout-1を読み出し、折り返し判定を行う。より具体的には、血流速度データVcurrentおよび血流速度データVout-1と複数の閾値とを比較することによって、折り返しが発生しているかどうか、および、血流速度データVcurrentが折り返し領域にあるかどうかを判定し、結果を第1のパーシスタンス係数決定部106A、第2のパーシスタンス係数決定部106B、第1のパーシスタンス演算部108Aおよび第2のパーシスタンス演算部108Bに出力する。
第1のパーシスタンス係数決定部106Aは、折り返し判定部105からの2つの判定結果とフレームメモリ部104から読み出した血流速度データVcurrentに基づいて、第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107Aへの参照インデックスを作成する。また、第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107Aにアクセスし、参照インデックスに対応付けられた第1のパーシスタンス係数を読み出し、第1のパーシスタンス演算部108Aに設定する。第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107Aには、あらかじめ血流速度の値に対応付けられた第1のパーシスタンス係数を含む第1の参照テーブルが記憶されている。この第1の参照テーブルは、血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値のパーシスタンス係数を含む。
これに対し、第2のパーシスタンス係数決定部106Bは、折り返し判定部105からの2つの判定結果とパーシスタンスメモリ部109から読み出した血流速度データVout-1に基づいて、第2のパーシスタンス係数参照メモリ部107Bへの参照インデックスを作成する。また、第2のパーシスタンス係数参照メモリ部107Bにアクセスし、参照インデックスに対応付けられた第2のパーシスタンス係数を読み出し、第2のパーシスタンス演算部108Bに設定する。第2のパーシスタンス係数参照メモリ部107Bには、あらかじめ血流速度の値に対応付けられた第2のパーシスタンス係数を含む第2の参照テーブルが記憶されている。第2の参照テーブルも、血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値のパーシスタンス係数を含むが、以下において詳細に説明するように、同じ血流速度値に対して対応付けられる第1のパーシスタンス係数値と第2のパーシスタンス係数値とは値が異なっている。
第1のパーシスタンス演算部108Aは、第1のパーシスタンス係数決定部106Aから設定されたパーシスタンス係数と折り返し判定部105からの折り返し発生の判定結果とに基づいて、以下に示す式(1)で血流速度データに対してパーシスタンス演算を行う。
パーシスタンス演算によって求められる残像処理された血流速度データをVoutとし、パーシスタンス係数をCpersistence(0<Cpersistence<1)とすると、残像処理された血流速度データは以下の式(1)で求められる。
Vout=(1−Cpersistence)×Vcurrent+Cpersistence×Vout-1 ・・(1)
同様に第2のパーシスタンス演算部108Bも、第2のパーシスタンス係数決定部106Bから設定されたパーシスタンス係数と折り返し判定部105からの折り返し発生の判定結果とに基づいて、式(1)で血流速度データに対してパーシスタンス演算を行う。
第1のパーシスタンス演算部108Aおよび第2のパーシスタンス演算部108Bにおける演算は、決定したパーシスタンス係数が互い異なる点を除いて同じである。CFMフレームデータが、血流速度データ以外のデータを含む場合には、同様に最新のフレームのデータおよび最新より1つ前のフレームのデータと求めたパーシスタンス係数Cpersistenceを用いて第1のパーシスタンス演算部108Aおよび第2のパーシスタンス演算部108Bでパーシスタンス演算を行い、残像処理されたデータをそれぞれ得る。
折り返し判定部105からの折り返し発生の判定結果が真であった場合は、式(1)の演算式を符号なし演算で扱い、偽であった場合は、符号付演算で扱う。
上述したように測定にパルス波を用いるため、ドップラ偏移によって直接測定できる血流速度はパルス波の繰り返し周波数(PRF)の制限を受ける。具体的には、±PRF/2を超える周波数変化に対応する血流速度は反対向きの血流として観測される折り返しが発生する。
図5(a)および(b)は、残像処理された血流速度データVout、最新のフレームの血流速度データVcurrentおよび最新より1つ前のフレームのパーシスタンス演算部108の出力結果である血流速度データVout-1の大きさの関係を示している。図5(a)および(b)において、横軸の第1象限部分は速度Vがゼロを意味し、横軸の第2象限部分は、+Vまたは−Vを意味する。速度Vが正である場合、第1または第2象限に位置し、速度Vが負である場合には、第3または第4象限に位置する。
例えば、図5(a)に示すように、Vcurrentが第2象限にあり、Vout-1が第3象限にあり、折り返しが発生していると判定された場合、Vout-1は実際には、+PRF/2に対応する血流速度よりも大きな値であったことなるから、ゼロをとらない、つまり、符号変化を伴わない演算である。したがって、VcurrentおよびVout-1の符号(プラスまたはマイナス)をとって、式(1)にこれらの値を代入し演算を行う。
一方、例えば、図5(b)に示すように、Vcurrentが第1象限にあり、Vout-1が第4象限にあり、折り返しが発生していないと判定された場合、式(1)の演算は、ゼロを通り、符号変化が生じる演算となる。したがって、符号をつけたVcurrentおよびVout-1を式(1)に代入し演算を行う。この演算は、1フレーム分の血流速度データの各画素または測定点ごとに行われる。また、演算結果であるVoutは、折り返しが発生している場合、符号なしの値となる。この場合、血流速度データVoutの最上位ビットを符号として扱うことで符号あり値として最大値選択部116にそれぞれ出力される。
最大値選択部116は、第1のパーシスタンス演算部108Aおよび第2のパーシスタンス演算部108Bからそれぞれ演算結果、つまり、残像処理された血流速度データを受け取り、画素ごとに、あるいは、対応する測定点のデータごとに血流速度の絶対値を比較し、大きい方の血流速度を選択して、最新のフレームの残像処理された血流速度データを構成し、これをCFM DSC部110およびパーシスタンスメモリ部109に出力する。CFM DSC部110は、選択した血流速度データの座標を変換し、画像合成部113へ出力する。
断層画像信号処理部409は受信信号に対してダイナミックフィルタ処理を施すことにより、不要なノイズをカットしたのち、包絡線検波処理およびダイナミックレンジ圧縮処理を施して断層画像DSC部410に断層画像フレームデータを出力する。断層画像DSC部410は、断層画像信号処理部409からの断層画像フレームデータの座標を変換し、画像合成部411へ出力する。
画像合成部411は、CFM DSC部410および断層画像DSC部410から出力される各フレームデータを画素ごとに、あるいは、対応する測定点のデータごとに合成し、合成画像フレームデータを生成する。具体的には、血流速度がゼロである場合は、断層画像フレームデータを表示し、そうでない場合は、CFMフレームデータを表示するように2つのデータを画素ごとに、あるいは、対応する測定点のデータごとに合成する。また、血流速度や血流の方向に応じてデータを色情報に変換し、表示部412に出力する。表示部412は、画像合成部411から受け取ったデータを表示する。
次に、第1および第2のパーシスタンス係数の決定についてより詳細に説明する。第1および第2のパーシスタンス係数を決定するために、まず、血流速度に折り返しが発生しているかどうかを折り返し判定部105において判定する。
折り返し判定部105は、フレームメモリ部104から最新のCFMフレームデータに含まれる血流速度データVcurrentとパーシスタンスメモリ部109から1フレーム前のパーシスタンス演算部108の出力結果であるCFMフレームデータに含まれる血流速度Vout-1とを読み出し、VcurrentおよびVout-1の値から以下の2つの判定を行う。
1.折り返しが発生しているかどうか。
2.Vcurrentが折り返し領域にあるかどうか。
この2つの状態の判定には、あらかじめ定められた閾値とVcurrentおよびVout-1とを比較することにより行う。具体的には、閾値Vthおよび血流ゼロ速度VzeroとVcurrentおよびVout-1とを比較する。
Figure 2011036891
図6(a)は、閾値Vth、血流ゼロ速度Vzero、VcurrentおよびVout-1の大きさの関係を示している。図6(a)において、横軸の第1象限部分は血流ゼロ速度Vzeroを意味し、横軸の第2象限部分は、Vmaxまたは−Vmaxを意味する。速度Vが正である場合、第1または第2象限に位置し、速度Vが負である場合には、第3または第4象限に位置する。
ここで、Vthおよび−Vthには、例えば、隣接するフレームの時間間隔において、想定される血流速度の変化の最大値を設定する。
表3は、折り返し判定部105において判定される条件と判定結果とを示している。
条件(0)に示すように、Vout-1が正である場合、想定される血流速度の変化の最大値はVthまたは−Vthであるから、Vcurrentが−Vthよりも小さくなることはない。したがって、Vcurrent<−Vthを満たしていれば、Vcurrentは、実際には、+PRF/2に対応する最大血流速度Vmaxよりも大きな値となっており、折り返しが発生しているとともに、Vcurrentが折り返し領域にあると判定される。条件(1)は、条件(0)の符号が逆転した場合である。
条件(2)に示すように、Vout-1が−Vthより小さい場合、Vcurrentが正の値となることは、想定される血流速度の変化の最大値を超える変化であるから、折り返しが発生している。また、VcurrentがVzeroを挟む±Vthの範囲にあるため、Vcurrentは折り返し領域ではない。条件(3)は、条件(2)の符号が逆転した場合である。
条件(0)から(3)のいずれも満たさない場合には、折り返しが発生しておらず、また、Vcurrentが折り返し領域にないと判定する。
第1のパーシスタンス係数決定部106Aは、折り返し判定部105から出力される2つの判定結果とフレームメモリ部104から読み出した血流速度データVcurrentの絶対値に基づいて、第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107への参照インデックスを作成する。表4に作成される参照インデックスを示す。
Figure 2011036891
折り返しが発生しており、かつ、Vcurrentが折り返し領域にある場合、血流速度Vcurrentは、実際には、Vmaxをまたは−Vmaxを超える大きな値と考えられる。このため、参照インデックスはVmaxとなる。その他の場合には、Vcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)となる。
第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107Aには、参照インデックスに対応付けられた第1のパーシスタンス係数によって構成される第1の参照テーブルが記憶されている。第1のパーシスタンス係数決定部106Aは、第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107Aにアクセスし、作成された参照インデックスに対応付けられた第1のパーシスタンス係数を読み出し、第1のパーシスタンス演算部108Aへ出力する。
図6(b)は、参照インデックスと第1のパーシスタンス係数との対応関係の一例を示すグラフである。図6(b)において、横軸は参照インデックスを示し、縦軸は、パーシスタンス係数を示している。表4に示したように、参照インデックスは、VmaxまたはVcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)である。Vcurrentの絶対値が閾値Vth以下である場合には、Vcurrentの増大にともなって単調に増加する第1のパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられている。つまり、Vcurrentの絶対値が閾値Vth以下である場合には、最新のフレームの血流速度Vcurrentに応じて異なるパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられる。
これに対し、第2のパーシスタンス係数決定部106Bは、折り返し判定部105から出力される2つの判定結果とパーシスタンスメモリ部109から読み出した血流速度データVout-1の絶対値に基づいて、第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107への参照インデックスを作成する。表5に作成される参照インデックスを示す。
Figure 2011036891
第2のパーシスタンス係数決定部106Bは、条件(2)から(4)の場合に、パーシスタンスメモリ部109から読み出した血流速度データVout-1の絶対値を参照インデックスとして生成する点で第1のパーシスタンス係数決定部106Aと異なっている。
第2のパーシスタンス係数参照メモリ部107Bには、参照インデックスに対応付けられた第2のパーシスタンス係数によって構成される第2の参照テーブルが記憶されている。第2のパーシスタンス係数決定部106Bは、第2のパーシスタンス係数参照メモリ部107Bにアクセスし、作成された参照インデックスに対応付けられた第2のパーシスタンス係数を読み出し、第2のパースタンス演算部108Bへ出力する。
図6(c)は、参照インデックスと第2のパーシスタンス係数との対応関係の一例を示すグラフである。図6(c)において、横軸は参照インデックスを示し、縦軸は、パーシスタンス係数を示している。表5に示したように、参照インデックスは、VmaxまたはVout-1の絶対値Abs(Vout-1)である。Vout-1の絶対値が閾値Vth以下である場合には、Vout-1の増大にともなって単調に増加する第2のパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられている。つまり、Vout-1の絶対値が閾値Vth以下である場合には、1つ前の血流速度Vout-1に応じて異なる第2のパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられる。
図6(b)および図6(c)に示すように、参照インデックスがいずれの値をとっても第2のパーシスタンス係数のほうが第1のパーシスタンス係数より大きい。つまり、第1のパーススタンス係数は、最新のフレームの血流速度に対応づけられ、かつ、小さな値である。第1のパーススタンス係数が大きくなれば、1つ前のフレームの血流速度をより考慮した演算となるため、第1のパーシスタンス演算部108Aは、残像効果を抑制し、すみやかに血流速度を変化させる演算を行う。これに対し、第2のパーススタンス係数は、1つ前のフレームの血流速度に対応付けられ、かつ、大きな値であるため、第2のパーシスタンス演算部108Bは、残像効果を高め、血流速度の変化を抑制する演算を行う。
また、上述したように第1のパーシスタンス演算部108Aは、残像効果を抑制し、速やかに血流速度を変化させる演算を行うため、血流速度は高いものの、血流パワーが小さいために血流を正しく検出できない場合、突然血流速度がゼロとなる可能性がある。この場合、血流速度が高くなるにつれて、血流画像に色調あるいは諧調の色付けを行っていると、血流画像が突然暗い諧調で色づけされ、画像が点滅するように表示される。このため、参照インデックスが増加するにつれて第1のパーシスタンス係数を単調に増加させ、血流速度が高くなるにつれて残像効果を高め、血流画像の点滅を抑制することができる。
また、第2のパーシスタンス演算部108Bは、残像効果を高めた画像表示を行うため、血流速度が高くなるにつれて、血流画像に色調あるいは諧調の色付けを行っていると、血流速度が低い場合には、暗めの表示が必要以上に長い時間残像として表示されてしまう。例えば、探触子を動かした場合に、血流表示が尾引く印象を与えてしまう。このため、参照インデックスが増加するにつれて第2のパーシスタンス係数を単調に増加させ、血流速度が低くなるにつれて残像効果を抑制することができる。従って、血流速度の絶対値に基づく参照インデックスと第1および第2のパーシスタンス係数との間に適切な単調増加する関係を設定することにより、高品位な血流表示を実現することができる。
なお、表3、表4および表5から分かるように、Vcurrent<−Vthでも、Vout-1>0であれば、参照インデックスはVmaxとなる(条件(0))一方、Vout-1<0であれば、参照インデックスはVcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)となる(条件(4))。このため、Vcurrent<−Vthを満たしていても、Vout-1が正か負であるかによって、参照インデックスが異なり、パーシスタンス係数Cpersistenceも異なる。その結果、Vcurrent<−Vthを満たす隣接する領域であっても、Vout-1が正か負であるかによってカラーマッピングフロー画像として表示される色が異なり、画像に不連続な色調部分が生じてしまう。
このような不自然な表示を抑制するため、Vcurrentの絶対値が閾値Vth以上である場合には、参照インデックスに同じ値のパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられていることが好ましい。これにより、折り返しが発生する血流領域、あるいはその境界近傍において、自然な表示を行うことができる。
このようにして決定した第1および第2のパーシスタンス係数を用いて第1のパーシスタンス演算部108Aおよび第2のパーシスタンス演算部108Bがそれぞれパーシスタンス処理の施された最新の血流速度データを生成する。
最大値選択部116は、2つの血流速度データの絶対値の大きいほうを選択し、選択した血流速度データを残像処理された血流速度データとして出力する。つまり、絶対値の大きな血流速度データが得られるように、2つのパーシスタンス処理の結果を選択するため、甲状腺、肝臓、腎臓などに存在するような血流パワーが不安定となる末梢血管の血流表示を点滅させずに、かつ、平滑化に起因する末梢血管の血流消滅を起こさない血流動画を表示することが可能となる。
なお、上記実施形態では、CFMフレームデータの血流速度に基づいてパーシスタンス係数を動的に決定し、血流速度にパーシスタンス演算を行っているが、上述したようにCFMフレームデータの他のデータ、例えば、血流パワーデータに対してパーシスタンス演算を行ってもよいし、Bモード断層画像データに対してパーシスタンス演算を行ってもよい。
また、上記実施形態では、最新のフレームおよび1つ前のフレームの血流速度データを用いてパーシスタンス処理を行っていたが、2つ前、あるいは3つ以上前のフレームの血流速度データも用いてパーシスタンス処理を行ってもよい。また、式(1)に限られず、他の演算式を用いてパーシスタンス処理を行ってもよい。
本発明は、被検体の血流状態を表示することのできる超音波診断装置に好適に用いることができる。
101、401 探触子
102、402 超音波送受部
103、403 CFM信号処理部
104、404 フレームメモリ部
105 折り返し判定部
106 パーシスタンス係数決定部
106A 第1のパーシスタンス係数決定部
106B 第2のパーシスタンス係数決定部
107 パーシスタンス係数参照メモリ部
107A 第1のパーシスタンス係数参照メモリ部
107B 第2のパーシスタンス係数参照メモリ部
108、407 パーシスタンス演算部
108A 第1のパーシスタンス演算部
108B 第2のパーシスタンス演算部
109 パーシスタンスメモリ部
110、408 CFM DSC部
111、409 断層画像信号処理部
112、410 断層画像 DSC部
113、411 画像合成部
114、412 表示部
115、115’ 残像処理部
116 最大値選択部
405 フレームメモリ選択部
406 パーシスタンス係数設定部
本発明は、超音波診断装置に関し、特にカラーフローマッピング時の残像処理方法に関する。
超音波診断装置は、超音波を被検体に送信し、その反射エコーに含まれる情報を解析することにより、被検体内の画像を作成する。カラーフローマッピング(Color Flow Mapping、以下CFMと略す場合がある)と呼ばれる手法によって、被検体内の血流を画像化することも可能であり、医療分野全般において、血流状態を表示することのできる超音波診断装置が広く利用されている。
カラーフローマッピングはカラードップライメージング(Color Doppler Imaging、CDI)とも呼ばれ、ドップラ効果を利用する。超音波が血流を照射すると、ドプラ効果により反射エコーに血流速度に応じたドップラ偏移が生じる。このドップラ偏移の情報を直交検波によって検出し、MTI(Moving Target Indicator)フィルタと呼ばれるハイパスフィルタ処理、自己相関処理およびノイズカット処理を施すことによって、血流速度に関する情報が得られる。得られた血流速度の情報を色情報に変換し、二次元的にBモード断層画像に重畳して表示することによって、被検体内の血流状態をユーザに認識させることができる。
血流から得られる反射エコーによる受信信号強度は、Bモード断層画像生成に用いる組織散乱体および組織境界から得られる反射エコーによる受信信号強度に比べ、かなり小さい。このため、カラーフローマッピングにおける信号処理によって得られる血流速度および血流パワー(移動する血流量)は不安定になりやすい。
特に、観察したい部分の血流速度が遅い場合、あるいは、観察したい部分が末梢血管である場合、血流パワーが小さくなるため、本来、システムノイズおよび音響ノイズのみをカットするべきノイズカット処理において、血流速度あるいは血流パワーに関する情報が除去されてしまい易い。その結果、血流画像において本来血流として表示される部分が黒く抜けてしまう現象が発生する。例えば、1秒間に数フレームから数十フレームの割合で、被検体内の血流を画像化する場合、そのうちのいくつかのフレームにおいて、血流部分が黒く示されてしまう。このため、断層画像中の血流部分が突然消滅し、画像が滑らかでなくなったり、違和感のあるものとなったりする。
この問題を解決するために、従来のカラーフローマッピングを行う超音波診断装置では、信号処理後段においてパーシスタンス処理(残像処理)と呼ばれる時間方向補間を行うのが通例である。以下、特許文献1に示される従来のカラーフローマッピングにおけるパーシスタンス処理を説明する。
図7に示す従来の超音波診断装置において、超音波送受信部402は、探触子401を駆動し、超音波を被検体へ送信する。また、探触子401によって被検体で生じる反射エコーを受信し、受信信号を生成する。Bモード断層画像を生成する場合、超音波送受信部402は、Bモード断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号を断層画像信号処理部409へ出力する。カラーフローマッピング断層画像を生成する場合は、カラーフローマッピング断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号をカラーフローマッピング処理部403(以下、CFM信号処理部と略す)へ出力する。一般的に、カラーフローマッピング断層画像を生成する場合、安定したカラーフローマッピング断層画像を得るために、超音波送受信部402は、同じ音響線上において超音波の送受信を複数回行う。
CFM信号処理部403は、受信信号に対して直交検波処理、MTIフィルタ処理および自己相関処理を行い、血流速度および血流パワーを算出したのち、システムあるいは音響ノイズを排除するノイズカット処理を行い、フレームメモリ部404に血流速度および血流パワーを出力する。
フレームメモリ部404は、リングバッファで構成されており、現在の走査フレームからNフレーム前(Nは、1以上の整数)までの血流速度および血流パワーをフレーム単位で保存している。ここで、フレームとは、1画面のCFM断層画像を構成する血流速度データおよび血流パワーデータ群を示す。
フレームメモリ選択部405は、フレームメモリ部404から、あらかじめ設定された複数のCFMフレームデータを選択し、パーシスタンス演算部407へ出力するようフレームメモリ部404に指令を出力する。パーシスタンス演算部407は、フレームメモリ部404から読み出されたCFMフレームデータとパーシスタンス係数設定部406から出力されるパーシスタンス係数に基づいてパーシスタンス演算を実施し、CFM DSC(Digital Scan Converter)部408に出力する。パーシスタンス演算は、単純な重み付け演算であり、パーシスタンス係数設定部406から出力されるパーシスタンス係数は、あらかじめシステムから設定された固定係数である。
CFM DSC部408は、パーシスタンス演算部407から出力されるCFMフレームデータの座標を変換し、画像合成部411へ出力する。
断層画像信号処理部409は受信信号に対してダイナミックフィルタ処理を施すことにより、不要なノイズをカットしたのち、包絡線検波処理およびダイナミックレンジ圧縮処理を施して断層画像DSC部410に断層画像フレームデータを出力する。断層画像DSC部410は、断層画像信号処理部409からの断層画像フレームデータの座標を変換し、画像合成部411へ出力する。
画像合成部411は、CFM DSC部410および断層画像DSC部410から出力される各フレームデータを画素ごとに合成し、合成画像フレームデータを生成する。具体的には、血流速度がゼロである場合は、断層画像フレームデータを表示し、そうでない場合は、CFMフレームデータを表示するように2つのデータを画素ごと、あるいは、対応する測定点のデータごとに合成する。また、血流速度や血流の方向に応じてデータを色情報に変換し、表示部412に出力する。表示部412は、画像合成部411から受け取ったデータを表示する。
特開平2-286140号公報
従来の超音波診断装置におけるパーシスタンス処理は、血流速度が遅く、あるいは、血流パワーが小さく、これらが不安定な状態にあることに起因してCFM信号処理部403の出力結果が不安定になり、表示血流に黒抜けが発生することを防止する。具体的には、現在走査中のフレームデータよりも過去のフレームデータに重みを置いたパースタンス係数を用いることによって、残像効果を生じさせ、画像に黒抜けが発生するのを抑制する。
しかし、このような特徴は、血流速度が激しく変化する動脈の診断には適していない場合がある。例えば、頚動脈では、心臓の拡張収縮に応じて血流が激しく変化し、収縮期には、心周期に対してごく短い時間において血流が速くなり、拡張期では、血流が遅くなる。また、血流速度の最大値と最小値との差も他の診断部位に比べて大きい。その結果、拡張期における頚動脈の血流速度は、心周期に対して比較的長い時間、小さな値で一定となり、CFM信号処理部403の出力が安定しない状態に陥る。
表示する血流の画像に黒抜けが生じるのを抑制するためには、パーシスタンス処理によって、残像効果が高くなるようにパーシスタンス係数を設定することが好ましい。これにより、血流速度が低速となる場合でも、黒抜けが発生しない滑らかな動画表示が可能となるからである。しかし、この場合、収縮期における高速な血流速度の表示ができなくなる。
また、従来の超音波診断装置におけるパーシスタンス処理は、末梢血管の診断には適していない場合がある。例えば、甲状腺、肝臓、腎臓などの臓器には、主流血管から派生する末梢血管が存在する。これらの臓器の診断にあたり、末梢血管構造を把握することは非常に重要である。
末梢血管における時間的な血流変化は、比較的安定しているのであるが、血管が物理的に細いために、血流パワーが頚動脈や心臓の場合と比べ、極端に小さくなる傾向にある。従って、血流パワーが小さいことにより、ドップラ偏移の検出が不安定となり、CFM信号処理部403の出力が結果として安定しない状態に陥る。
このため、パーシスタンス処理を行わない場合、断層画像中の末梢血管は、時間的に点滅して表示されることになり、動画として見づらくなる。逆にパーシスタンス処理を行う場合、時間的方向に対して断層画像中の末梢血管の血流が平滑化されるため、パーシスタンス処理により末梢血管が消滅する可能性がある。この場合、末梢血管の検出率が著しく低下することになる。
本発明は、このような従来技術の課題を解決し、血流速度が激しく変化する頚動脈などのような診断部位において、血流変化が明確に認識でき、かつ、低速な血流速度でも黒抜けが発生しない滑らかな血流動画を表示することができる超音波診断装置を提供することを目的とする。また、末梢血管など血流パワーが小さい血管部分でも見やすい動画表示を行うことのできる超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波診断装置は、探触子を繰り返し駆動し、前記探触子を駆動することにより送信された超音波が被検体において反射することにより得られた反射エコーを前記探触子によって受信し、複数の受信信号を逐次生成する送受信部と、前記複数の受信信号に基づき、各フレームにおける前記被検体中の血流部分の血流速度データを逐次生成するカラーフローマッピング信号処理部と、前記各フレームにおける血流速度データに対して残像処理を行う残像処理部と、前記受信信号に基づき、Bモード断層画像フレームデータを生成する断層画像信号処理部と、前記残像処理された血流速度データおよび前記Bモード断層画像フレームデータを合成する画像合成部とを備え、前記残像処理部は、最新のフレームの血流速度データと最新より以前のフレームの残像処理された血流速度データに基づいて折り返し判定を行い、前記折り返し判定の結果と最新および最新より以前のフレームの血流速度データに基づいて動的にパーシスタンス係数を変更する。
ある好ましい実施形態の超音波診断装置は、探触子を繰り返し駆動し、前記探触子を駆動することにより送信された超音波が被検体において反射することにより得られた反射エコーを前記探触子によって受信し、複数の受信信号を逐次生成する送受信部と、前記複数の受信信号に基づき、各フレームにおける前記被検体中の血流部分の血流速度データを逐次生成するカラーフローマッピング信号処理部と、前記各フレームにおける血流速度データに対して残像処理を行う残像処理部と、前記受信信号に基づき、Bモード断層画像フレームデータを生成する断層画像信号処理部と、前記残像処理された血流速度データおよび前記Bモード断層画像フレームデータを合成する画像合成部とを備え前記残像処理部は、最新のフレームの血流速度データを記憶する第1のメモリ部と、最新より1つ前のフレームの残像処理された血流速度データを記憶する第2のメモリ部と、前記第1のメモリ部および前記第2のメモリ部から血流速度データをそれぞれ読み出し、折り返し判定を行う折り返し判定部と、前記折り返し判定の結果および前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに応じてパーシスタンス係数を決定するパーシスタンス係数決定部と、前記パーシスタンス係数および前記折り返し判定の結果に基づいて、前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに対しパーシスタンス演算を行い、演算結果を前記残像処理された血流速度データとして出力するパーシスタンス演算部とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記折り返し判定部は、前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データおよび前記第2のメモリ部に記憶された血流速度データと複数の閾値とを比較することによって、折り返しが発生しているかどうか、および、前記最新のフレームの血流速度データが折り返し領域にあるかどうかを判定する。
ある好ましい実施形態において、前記残像処理部は、前記血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値のパーシスタンス係数を含む参照テーブルを記憶している第3のメモリ部をさらに含む。
ある好ましい実施形態において、前記参照テーブルは、所定の値以上の血流速度に対して一定の値のパーシスタンス係数が対応付けられている。
ある好ましい実施形態の超音波診断装置は、探触子を繰り返し駆動し、前記探触子を駆動することにより送信された超音波が被検体において反射することにより得られた反射エコーを前記探触子によって受信し、複数の受信信号を逐次生成する送受信部と、前記複数の受信信号に基づき、各フレームにおける前記被検体中の血流部分の血流速度データを逐次生成するカラーフローマッピング信号処理部と、前記各フレームにおける血流速度データに対して残像処理を行う残像処理部と、前記受信信号に基づき、Bモード断層画像フレームデータを生成する断層画像信号処理部と、前記残像処理された血流速度データおよび前記Bモード断層画像フレームデータを合成する画像合成部とを備え、前記残像処理部は、最新のフレームの血流速度データを記憶する第1のメモリ部と、最新より1つ前のフレームの残像処理された血流速度データを記憶する第2のメモリ部と、前記第1のメモリ部および前記第2のメモリ部から血流速度データをそれぞれ読み出し、折り返し判定を行う折り返し判定部と、前記折り返し判定の結果および前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに応じて第1のパーシスタンス係数を決定する第1のパーシスタンス係数決定部と、前記第1のパーシスタンス係数および前記折り返し判定の結果に基づいて前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに対しパーシスタンス演算を行う第1のパーシスタンス演算部と、前記折り返し判定の結果および前記第2のメモリ部に記憶された血流速度データに応じて第2のパーシスタンス係数を決定する第2のパーシスタンス係数決定部と、前記第2のパーシスタンス係数および前記折り返し判定の結果に基づいて前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに対しパーシスタンス演算を行う第2のパーシスタンス演算部と、前記第1のパーシスタンス演算部から出力される演算結果の絶対値および前記第2パーシスタンス演算部から出力される演算結果の絶対値を比較し、大きい方の演算結果を前記残像処理された血流速度データとして出力する最大値選択部とを含む。
ある好ましい実施形態において、前記折り返し判定部は、前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データおよび前記第2のメモリ部に記憶された血流速度データと複数の閾値とを比較することによって、折り返しが発生しているかどうか、および、前記最新のフレームの血流速度データが折り返し領域にあるかどうかを判定する。
ある好ましい実施形態において、前記残像処理部は、前記血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値の第1のパーシスタンス係数を含む第1の参照テーブルを記憶している第3のメモリ部と、前記血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値の第2のパーシスタンス係数を含む第2の参照テーブルを記憶している第4のメモリ部とをさらに含む。
ある好ましい実施形態において、前記第1の参照テーブルと前記第2の参照テーブルにおいて、同じ血流速度の値に応じて対応付けられた第1のパーシスタンス係数と第2のパーシスタンス係数とは互いに異なる値である。
ある好ましい実施形態において、前記第1の参照テーブルは、所定の値以上の血流速度に対して一定の値のパーシスタンス係数が対応付けられている。
ある好ましい実施形態において、前記最新より以前のフレームの残像処理された血流速度データは、前記最新より1つ前のフレームの残像処理された血流速度データである。
本発明によれば、最新のフレームの血流速度データおよび最新より前のフレームの血流速度データに基づき、折り返しの判定を行い、折り返し判定の結果および最新のフレームの血流速度データに基づき、パーシスタンス係数を動的に変更する。このため、血流変化が明確に認識でき、かつ、低速な血流速度でも黒抜けが発生しない滑らかな血流動画を表示することが可能な超音波診断装置が実現する。
また、本発明によれば、最新のフレームの血流速度データに基づき決定されたパーシスタンス係数を用いて残像処理された血流速度、および、最新より前のフレームの血流速度データに基づき決定されたパーシスタンス係数を用いて残像処理された血流速度を求め、絶対値の大きいほうを選択して血流画像表示に用いる。このため、血流パワーが不安定となる末梢血管の血流表示を点滅させずに、かつ、平滑化に起因する末梢血管の血流消滅を起こさない血流動画を表示することが可能となる。
本発明による超音波診断装置の第1の実施形態を示すブロック図である。 (a)および(b)は、第1の実施形態において、パーシスタンス係数を用いて血流速度データのパーシスタンス演算を行う場合に考慮する折り返し演算を説明する模式図である。 (a)は、第1の実施形態における折り返し判定を説明するための模式図であり、(b)は、参照テーブルのデータが満たす関係を示すグラフである。 本発明による超音波診断装置の第2の実施形態を示すブロック図である。 (a)および(b)は、第2の実施形態において、パーシスタンス係数を用いて血流速度データのパーシスタンス演算を行う場合に考慮する折り返し演算を説明する模式図である。 (a)は、第2の実施形態における折り返し判定を説明するための模式図であり、(b)および(c)は、第1および第2の参照テーブルのデータが満たす関係を示すグラフである。 従来の超音波診断装置を示すブロック図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明による超音波診断装置の第1の実施形態を説明する。図1は、本発明による超音波診断装置の第1の実施形態を示すブロック図である。図1に示す超音波診断装置11は、探触子101と、超音波送受信部102と、CFM信号処理部103と、残像処理部115と、断層画像信号処理部111と、CFM DSC部110と、断層画像DSC部112と、画像合成部113と、表示部114とを備える。これらの構成のうち、探触子101および表示部114には汎用の探触子および表示装置を用いることが可能であり、探触子101および表示部114を超音波診断装置11が備えていなくてもよい。
超音波送受信部102は、探触子101を駆動する駆動信号を生成し、探触子101へ出力することによって、探触子101から被検体に向けて超音波を送信する。また、送信された超音波が被検体において反射することによって得られた反射エコーを探触子101によって受信し、受信信号を生成する。より具体的には、探触子101は複数の圧電素子を含み、各圧電素子から送信される超音波が超音波ビームを構成し、被検体を複数の超音波ビームによって走査するように、超音波送受信部102が各圧電素子の遅延制御を行いながら探触子101を駆動する。反射エコーは各圧電素子によって受信され、超音波送受信部102が、各圧電素子の遅延制御を行うことにより、送信された超音波ビームに対応する受信信号が生成する。被検体を超音波ビームが1回走査することによって1フレーム分のデータが得られる。1秒間に数回〜数十回繰り返して超音波の送受信を行うことにより、毎秒数フレームから数十フレームの受信信号が逐次生成する。
本実施形態の超音波診断装置11は、Bモード断層画像とカラーフローマッピング画像と生成し、これらを合成して表示部114に表示する。このため、超音波送受信部102の上述した超音波の送受信は、Bモード断層画像の生成およびカラーフローマッピング画像の生成のそれぞれについて行われる。Bモード断層画像の1秒当たりのフレーム数およびカラーフローマッピング画像の1秒当たりのフレーム数は同じであってもよいし、異なっていてもよい。フレーム数が同じである場合には、Bモード断層画像生成のための超音波の送受信およびカラーフローマッピング画像生成のための超音波の送受信を交互に繰り返し行ってもよい。
Bモード断層画像を生成する場合、超音波送受信部102は、Bモード断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号を断層画像信号処理部111へ出力する。カラーフローマッピング断層画像を生成する場合は、カラーフローマッピング断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号をCFM信号処理部103へ出力する。一般的に、カラーフローマッピング断層画像を生成する場合、安定したカラーフローマッピング断層画像を得るために、超音波送受信部102は、同じ音響線上において超音波の送受信を複数回行う。
CFM信号処理部103は、受信信号に対して直交検波処理、MTIフィルタ処理および自己相関処理を行い、血流速度および血流パワーを算出したのち、システムあるいは音響ノイズを排除するノイズカット処理を行う。CFMフレームデータは少なくとも血流速度データを含む。この他、血流パワーデータや血流速度の分散データを含んでいてもよい。CFM信号処理部103はこの処理を、各フレームを構成する受信信号ごとに逐次繰り返して行う。CFM信号処理部103で生成したCFMフレームデータはフレームごとに残像処理部115へ出力される。
残像処理部115は、パーシスタンス係数を用いて、フレームごとにCFMフレームデータに対して残像処理を行う。本実施形態の超音波診断装置11は、パーシスタンス係数を最新のフレームの血流速度に応じて決定する。つまり、パーシスタンス係数は一定ではなく、最新のフレームの血流速度に基づく動的な値である。これにより、血流速度に応じてパーシスタンス係数を変化させ、残像効果を調整することができる。ただし、血流を動画で表示するためには、パルスドプラ法を用いて超音波の送受信を行う必要があり、このため、計測できる血流速度はパルス繰り返し周波数(PRF)による制限を受ける。その結果、血流速度に折り返しが生じ、血流速度を正確に評価することが困難となる。
本実施形態の超音波診断装置11は折り返しが生じているかどうかを判定するため、最新のフレームの血流速度データと1つ前のフレームの血流速度データを用いる。このために、残像処理部115は、フレームメモリ部(第1のメモリ部)104と、折り返し判定部105と、パーシスタンス係数決定部106と、パーシスタンス係数参照メモリ部(第3のメモリ部)107とパーシスタンス演算部108とパーシスタンスメモリ部(第2のメモリ部)109とを含む。
フレームメモリ部104は、最新のフレームの(現在走査中の)CFMフレームデータを記憶する。パーシスタンスメモリ部109は、最新より1つ前のフレームのパーシスタンス演算部108の出力結果であるCFMフレームデータを記憶する。パーシスタンスメモリ部109のCFMフレームデータは残像処理が施されている。以下、フレームメモリ部104およびパーシスタンスメモリ部109にそれぞれ記憶されたCFMフレームデータのうち、血流速度データをVcurrentおよび血流速度データVout-1と呼ぶ。
折り返し判定部105は、フレームメモリ部104からCFMフレームデータのうちの血流速度データVcurrentとパーシスタンスメモリ部109からCFMフレームデータのうちの血流速度データVout-1を読み出し、折り返し判定を行う。より具体的には、血流速度データVcurrentおよび血流速度データVout-1と複数の閾値とを比較することによって、折り返しが発生しているかどうか、および、血流速度データVcurrentが折り返し領域にあるかどうかを判定し、結果をパーシスタンス係数決定部106およびパーシスタンス演算部108に出力する。
パーシスタンス係数決定部106は、折り返し判定部105からの2つの判定結果とフレームメモリ部104から読み出した血流速度データVcurrentに基づいて、パーシスタンス係数参照メモリ部107への参照インデックスを作成する。また、パーシスタンス係数参照メモリ部107にアクセスし、参照インデックスに対応付けられたパーシスタンス係数を読み出し、パーシスタンス演算部108に設定する。パーシスタンス係数参照メモリ部107には、あらかじめ血流速度の値に対応付けられたパーシスタンス係数の参照テーブルが記憶されている。この参照テーブルは、血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値のパーシスタンス係数を含む。
パーシスタンス演算部108は、パーシスタンス係数決定部106から設定されたパーシスタンス係数と折り返し判定部105からの折り返し発生の判定結果とに基づいて、以下に示す式(1)で血流速度データに対してパーシスタンス演算を行う。パーシスタンス演算によって求められる残像処理された血流速度データをVoutとし、パーシスタンス係数をCpersistence(0<Cpersistence<1)とすると、残像処理された血流速度データは以下の式(1)で求められる。
Vout=(1−Cpersistence)×Vcurrent+Cpersistence×Vout-1 ・・(1)
CFMフレームデータが、血流速度データ以外のデータを含む場合には、同様に最新のフレームのデータおよび最新より1つ前のフレームのデータと求めたパーシスタンス係数Cpersistenceを用いてパーシスタンス演算を行い、残像処理されたデータを得る。
折り返し判定部105からの折り返し発生の判定結果が真であった場合は、式(1)の演算式を符号なし演算で扱い、偽であった場合は、符号付演算で扱う。
上述したように測定にパルス波を用いるため、ドップラ偏移によって直接測定できる血流速度はパルス波の繰り返し周波数(PRF)の制限を受ける。具体的には、±PRF/2を超える周波数変化に対応する血流速度は反対向きの血流として観測される折り返しが発生する。
図2(a)および(b)は、残像処理された血流速度データVout、最新のフレームの血流速度データVcurrentおよび最新より1つ前のフレームのパーシスタンス演算部108の出力結果である血流速度データVout-1の大きさの関係を示している。図2(a)および(b)において、横軸の第1象限部分は速度Vがゼロを意味し、横軸の第2象限部分は、+Vまたは−Vを意味する。速度Vが正である場合、第1または第2象限に位置し、速度Vが負である場合には、第3または第4象限に位置する。
例えば、図2(a)に示すように、Vcurrentが第2象限にあり、Vout-1が第3象限にあり、折り返しが発生していると判定された場合、Vout-1は実際には、+PRF/2に対応する血流速度よりも大きな値であったことなるから、ゼロを通らない、つまり、符号変化をともなわない演算である。したがって、VcurrentおよびVout-1の符号(プラスまたはマイナス)をとって、式(1)にこれらの値を代入し演算を行う。
一方、例えば、図2(b)に示すように、Vcurrentが第1象限にあり、Vout-1が第4象限にあり、折り返しが発生していないと判定された場合、式(1)の演算は、ゼロを通り、符号変化が生じる演算となる。したがって、符号をつけたVcurrentおよびVout-1を式(1)に代入し演算を行う。この演算は、1フレーム分の血流速度データの各画素または測定点ごとに行われる。また、演算結果であるVoutは、折り返しが発生している場合、符号なしの値となる。この場合、血流速度データVoutの最上位ビットを符号として扱うことで符号あり値としてCFM DSC部110およびパーシスタンスメモリ部109に出力される。
CFM DSC部110は、パーシスタンス演算部108から出力される血流速度データの座標を変換し、画像合成部113へ出力する。
断層画像信号処理部409は受信信号に対してダイナミックフィルタ処理を施すことにより、不要なノイズをカットしたのち、包絡線検波処理およびダイナミックレンジ圧縮処理を施して断層画像DSC部410に断層画像フレームデータを出力する。断層画像DSC部410は、断層画像信号処理部409からの断層画像フレームデータの座標を変換し、画像合成部411へ出力する。
画像合成部411は、CFM DSC部410および断層画像DSC部410から出力される各フレームデータを画素ごとに、あるいは、対応する測定点のデータごとに合成し、合成画像フレームデータを生成する。具体的には、血流速度がゼロである場合は、断層画像フレームデータを表示し、そうでない場合は、CFMフレームデータを表示するように2つのデータを画素ごとに、あるいは、対応する測定点のデータごとに合成する。また、血流速度や血流の方向に応じてデータを色情報に変換し、表示部412に出力する。表示部412は、画像合成部411から受け取ったデータを表示する。
次に、パーシスタンス係数の決定についてより詳細に説明する。パーシスタンス係数を決定するために、まず、血流速度に折り返しが発生しているかどうかを折り返し判定部105において判定する。
折り返し判定部105は、フレームメモリ部104から最新のCFMフレームデータに含まれる血流速度データVcurrentとパーシスタンスメモリ部109から1フレーム前のパーシスタンス演算部108の出力結果であるCFMフレームデータに含まれる血流速度Vout-1とを読み出し、VcurrentおよびVout-1の値から以下の2つの判定を行う。
1.折り返しが発生しているかどうか。
2.Vcurrentが折り返し領域にあるかどうか。
この2つの状態の判定には、あらかじめ定められた閾値とVcurrentおよびVout-1とを比較することにより行う。具体的には、閾値Vthおよび血流ゼロ速度VzeroとVcurrentおよびVout-1とを比較する。
Figure 2011036891
図3(a)は、閾値Vth、血流ゼロ速度Vzero、VcurrentおよびVout-1の大きさの関係を示している。図3(a)において、横軸の第1象限部分は血流ゼロ速度Vzeroを意味し、横軸の第2象限部分は、Vmaxまたは−Vmaxを意味する。速度Vが正である場合、第1または第2象限に位置し、速度Vが負である場合には、第3または第4象限に位置する。
ここで、Vthおよび−Vthには、例えば、隣接するフレームの時間間隔において、想定される血流速度の変化の最大値を設定する。
表1は、折り返し判定部105において判定される条件と判定結果とを示している。
条件(0)に示すように、Vout-1が正である場合、想定される血流速度の変化の最大値はVthまたは−Vthであるから、Vcurrentが−Vthよりも小さくなることはない。したがって、Vcurrent<−Vthを満たしていれば、Vcurrentは、実際には、+PRF/2に対応する最大血流速度Vmaxよりも大きな値となっており、折り返しが発生しているとともに、Vcurrentが折り返し領域にあると判定される。条件(1)は、条件(0)の符号が逆転した場合である。
条件(2)に示すように、Vout-1が−Vthより小さい場合、Vcurrentが正の値となることは、想定される血流速度の変化の最大値を超える変化であるから、折り返しが発生している。また、VcurrentがVzeroを挟む±Vthの範囲にあるため、Vcurrentは折り返し領域ではない。条件(3)は、条件(2)の符号が逆転した場合である。
条件(0)から(3)のいずれも満たさない場合には、折り返しが発生しておらず、また、Vcurrentが折り返し領域にないと判定する。
パーシスタンス係数決定部106は、折り返し判定部105から出力される2つの判定結果とフレームメモリ部104から読み出した血流速度データVcurrentの絶対値に基づいて、パーシスタンス係数参照メモリ部107への参照インデックスを作成する。表2に作成される参照インデックスを示す。
Figure 2011036891
折り返しが発生しており、かつ、Vcurrentが折り返し領域にある場合、血流速度Vcurrentは、実際には、Vmaxをまたは−Vmaxを超える大きな値と考えられる。このため、参照インデックスはVmaxとなる。その他の場合には、Vcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)となる。
パーシスタンス係数参照メモリ部107には、参照インデックスに対応付けられたパーシスタンス係数によって構成される参照テーブルが記憶されている。パーシスタンス係数決定部106は、パーシスタンス係数参照メモリ部107にアクセスし、作成された参照インデックスに対応付けられたパーシスタンス係数を読み出し、パーシスタンス演算部108へ出力する。
図3(b)は、参照インデックスとパーシスタンス係数との対応関係の一例を示すグラフである。図3(b)において、横軸は参照インデックスを示し、縦軸は、パーシスタンス係数を示している。表2に示したように、参照インデックスは、VmaxまたはVcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)である。Vcurrentの絶対値が閾値Vth以下である場合には、Vcurrentの増大にともなって単調に減少するパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられている。つまり、Vcurrentの絶対値が閾値Vth以下である場合には、最新のフレームの血流速度Vcurrentに応じて異なるパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられる。これにより、最新のフレームの血流速度Vcurrentが小さい場合には、パーシスタンス係数Cpersistenceが大きくなる。つまり、1つ前のフレームの血流速度Vout-1の重みが大きくなる。その結果、最新のフレームの血流速度Vcurrentが小さい場合には、1つ前のフレームの血流速度Vout-1を大きく反映させた血流速度Voutが決定され表示部114に表示される。このため、カラーフローマッピング画像の変化が滑らかとなり、黒抜けが生じにくくなる。
また、最新のフレームの血流速度Vcurrentが大きい場合には、パーシスタンス係数Cpersistenceが小さくなる。つまり、1つ前のフレームの血流速度Vout-1の重みが小さくなる。その結果、最新のフレームの血流速度Vcurrentが大きい場合には、1つ前のフレームの血流速度Vout-1の影響が小さくなり、急激な血流速度の増大をリアルタイムで反映させたカラーフローマッピング画像を実現できる。
また、Vcurrentの増大にともなってパーシスタンス係数Cpersistenceが単調に減少するため、時間の経過とともに血流速度が増大する場合には、パーシスタンス係数Cpersistenceが減少し、残像効果が小さくなり、カラーフローマッピング画像の変化が急激になる。時間の経過とともに血流速度が減少する場合には、パーシスタンス係数Cpersistenceが増大し、残像効果が大きくなり、カラーフローマッピング画像の変化が緩やかになる
なお、表1および表2から分かるように、Vcurrent<−Vthでも、Vout-1>0であれば、参照インデックスはVmaxとなる(条件(0))一方、Vout-1<0であれば、参照インデックスはVcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)となる(条件(4))。このため、Vcurrent<−Vthを満たしていても、Vout-1が正か負であるかによって、参照インデックスが異なり、パーシスタンス係数Cpersistenceも異なる。その結果、Vcurrent<−Vthを満たす隣接する領域であっても、Vout-1が正か負であるかによってカラーマッピングフロー画像として表示される色が異なり、画像に不連続な色調部分が生じてしまう。
このような不自然な表示を抑制するため、Vcurrentの絶対値が閾値Vth以上である場合には、参照インデックスに同じ値のパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられていることが好ましい。これにより、折り返しが発生する血流領域、あるいはその境界近傍において、自然な表示を行うことができる。
このように本実施形態の超音波診断装置によれば、CFMフレームデータに対して血流速度および折り返し状態に基づいてパーシスタンス係数を動的に決定したのちにパーシスタンス演算を実施することにより、頚動脈のような血流変化が激しい診断部位においても血流変化が明確に認識でき、かつ、低速な血流速度でも黒抜けが発生しない滑らかな血流動画を表示することが可能となる。
なお、上記実施形態では、CFMフレームデータの血流速度に基づいてパーシスタンス係数を動的に決定し、血流速度にパーシスタンス演算を行っているが、上述したようにCFMフレームデータの他のデータ、例えば、血流パワーデータに対してパーシスタンス演算を行ってもよいし、Bモード断層画像データに対してパーシスタンス演算を行ってもよい。
また、上記実施形態では、最新のフレームおよび1つ前のフレームの血流速度データを用いてパーシスタンス処理を行っていたが、2つ前、あるいは3つ以上前のフレームの血流速度データも用いてパーシスタンス処理を行ってもよい。また、式(1)に限られず、他の演算式を用いてパーシスタンス処理を行ってもよい。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明による超音波診断装置の第2の実施形態を説明する。図4は、本発明による超音波診断装置の一実施形態を示すブロック図である。図4に示す超音波診断装置12は、探触子101と、超音波送受信部102と、CFM信号処理部103と、残像処理部115’と、断層画像信号処理部111と、CFM DSC部110と、断層画像DSC部112と、画像合成部113と、表示部114とを備える。これらの構成のうち、探触子101および表示部114には汎用の探触子および表示装置を用いることが可能であり、探触子101および表示部114を超音波診断装置12が備えていなくてもよい。
第1の実施形態で説明したように、超音波送受信部102は、探触子101を駆動する駆動信号を生成し、探触子101へ出力することによって、探触子101から被検体に向けて超音波を送信する。また、送信された超音波が被検体において反射することによって得られた反射エコーを探触子101によって受信し、受信信号を生成する。より具体的には、探触子101は複数の圧電素子を含み、各圧電素子から送信される超音波が超音波ビームを構成し、被検体を複数の超音波ビームによって走査するように、超音波送受信部102が各圧電素子の遅延制御を行いながら探触子101を駆動する。反射エコーは各圧電素子によって受信され、超音波送受信部102が、各圧電素子の遅延制御を行うことにより、送信された超音波ビームに対応する受信信号が生成する。被検体を超音波ビームが1回走査することによって1フレーム分のデータが得られる。1秒間に数回〜数十回繰り返して超音波の送受信を行うことにより、毎秒数フレームから数十フレームの受信信号が逐次生成する。
本実施形態の超音波診断装置12は、Bモード断層画像とカラーフローマッピング画像と生成し、これらを合成して表示部114に表示する。このため、超音波送受信部102の上述した超音波の送受信は、Bモード断層画像の生成およびカラーフローマッピング画像の生成のそれぞれについて行われる。Bモード断層画像の1秒当たりのフレーム数およびカラーフローマッピング画像の1秒当たりのフレーム数は同じであってもよいし、異なっていてもよい。フレーム数が同じである場合には、Bモード断層画像生成のための超音波の送受信およびカラーフローマッピング画像生成のための超音波の送受信を交互に繰り返し行ってもよい。
Bモード断層画像を生成する場合、超音波送受信部102は、Bモード断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号を断層画像信号処理部111へ出力する。カラーフローマッピング断層画像を生成する場合は、カラーフローマッピング断層画像の生成に適した送受信を行い、得られた受信信号をCFM信号処理部103へ出力する。一般的に、カラーフローマッピング断層画像を生成する場合、安定したカラーフローマッピング断層画像を得るために、超音波送受信部102は、同じ音響線上において超音波の送受信を複数回行う。
CFM信号処理部103は、受信信号に対して直交検波処理、MTIフィルタ処理および自己相関処理を行い、血流速度および血流パワーを算出したのち、システムあるいは音響ノイズを排除するノイズカット処理を行う。CFMフレームデータは少なくとも血流速度データを含む。この他、血流パワーデータや血流速度の分散データを含んでいてもよい。CFM信号処理部103はこの処理を、各フレームを構成する受信信号ごとに逐次繰り返して行う。CFM信号処理部103で生成したCFMフレームデータはフレームごとに残像処理部115’へ出力される。
残像処理部115’は、パーシスタンス係数を用いてフレームごとにCFMフレームデータに対して残像処理を行う。本実施形態の超音波診断装置12は、パーシスタンス係数を血流速度に応じてパーシスタンス係数を決定する。つまり、パーシスタンス係数は一定ではなく、血流速度に応じた動的な値である。これにより、血流速度に応じてパーシスタンス係数を変化させ、残像効果を調整することができる。ただし、血流を動画で表示するためには、パルスドプラ法を用いて超音波の送受信を行う必要があり、このため、計測できる血流速度はパルス繰り返し周波数(PRF)による制限を受ける。その結果、血流速度に折り返しが生じ、血流速度を正確に評価することが困難となる。
本実施形態の超音波診断装置12は折り返しが生じているかどうかを判定するため、最新のフレームの血流速度データと1つまえのフレームの血流速度データを用いる。また、残像処理部115’は2つパーシスタンス演算部を備え、残像効果をあまり与えずに速やかに血流速度を変化させる第1のパーシスタンス演算と残像効果を強力に与え血流速度変化をなるべく維持する第2のパーシスタンス演算を同時に行う。このようにして生成した残像効果の異なる2つの血流速度データのうち絶対値の大きい方を用いて血流画像を構成する。これにより、血流パワーが小さい末梢血管でも、血流表示を点滅させずに、かつ、平滑化に起因する末梢血管の血流消滅を起こさない動画を表示することが可能となる。
このために、残像処理部115’は、フレームメモリ部(第1のメモリ部)104と、折り返し判定部105と、第1のパーシスタンス係数決定部106Aと、第1のパーシスタンス係数参照メモリ部(第3のメモリ部)107Aと第1のパーシスタンス演算部108Aと、第2のパーシスタンス係数決定部106Bと、第2のパーシスタンス係数参照メモリ部(第4のメモリ部)107Bと第2のパーシスタンス演算部108Bと、最大値選択部116と、パーシスタンスメモリ部(第2のメモリ部)109とを含む。
フレームメモリ部104は、最新のフレームの(現在走査中の)CFMフレームデータを記憶する。パーシスタンスメモリ部109は、最新より1つ前の最大値選択部の出力結果であるCFMフレームデータを記憶する。パーシスタンスメモリ部109のCFMフレームデータは残像処理が施されている。第1の実施形態と同様、フレームメモリ部104およびパーシスタンスメモリ部109にそれぞれ記憶されたCFMフレームデータのうち、血流速度データをVcurrentおよび血流速度データVout-1と呼ぶ。
折り返し判定部105は、フレームメモリ部104からCFMフレームデータのうちの血流速度データVcurrentとパーシスタンスメモリ部109からCFMフレームデータのうちの血流速度データVout-1を読み出し、折り返し判定を行う。より具体的には、血流速度データVcurrentおよび血流速度データVout-1と複数の閾値とを比較することによって、折り返しが発生しているかどうか、および、血流速度データVcurrentが折り返し領域にあるかどうかを判定し、結果を第1のパーシスタンス係数決定部106A、第2のパーシスタンス係数決定部106B、第1のパーシスタンス演算部108Aおよび第2のパーシスタンス演算部108Bに出力する。
第1のパーシスタンス係数決定部106Aは、折り返し判定部105からの2つの判定結果とフレームメモリ部104から読み出した血流速度データVcurrentに基づいて、第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107Aへの参照インデックスを作成する。また、第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107Aにアクセスし、参照インデックスに対応付けられた第1のパーシスタンス係数を読み出し、第1のパーシスタンス演算部108Aに設定する。第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107Aには、あらかじめ血流速度の値に対応付けられた第1のパーシスタンス係数を含む第1の参照テーブルが記憶されている。この第1の参照テーブルは、血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値のパーシスタンス係数を含む。
これに対し、第2のパーシスタンス係数決定部106Bは、折り返し判定部105からの2つの判定結果とパーシスタンスメモリ部109から読み出した血流速度データVout-1に基づいて、第2のパーシスタンス係数参照メモリ部107Bへの参照インデックスを作成する。また、第2のパーシスタンス係数参照メモリ部107Bにアクセスし、参照インデックスに対応付けられた第2のパーシスタンス係数を読み出し、第2のパーシスタンス演算部108Bに設定する。第2のパーシスタンス係数参照メモリ部107Bには、あらかじめ血流速度の値に対応付けられた第2のパーシスタンス係数を含む第2の参照テーブルが記憶されている。第2の参照テーブルも、血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値のパーシスタンス係数を含むが、以下において詳細に説明するように、同じ血流速度値に対して対応付けられる第1のパーシスタンス係数値と第2のパーシスタンス係数値とは値が異なっている。
第1のパーシスタンス演算部108Aは、第1のパーシスタンス係数決定部106Aから設定されたパーシスタンス係数と折り返し判定部105からの折り返し発生の判定結果とに基づいて、以下に示す式(1)で血流速度データに対してパーシスタンス演算を行う。
パーシスタンス演算によって求められる残像処理された血流速度データをVoutとし、パーシスタンス係数をCpersistence(0<Cpersistence<1)とすると、残像処理された血流速度データは以下の式(1)で求められる。
Vout=(1−Cpersistence)×Vcurrent+Cpersistence×Vout-1 ・・(1)
同様に第2のパーシスタンス演算部108Bも、第2のパーシスタンス係数決定部106Bから設定されたパーシスタンス係数と折り返し判定部105からの折り返し発生の判定結果とに基づいて、式(1)で血流速度データに対してパーシスタンス演算を行う。
第1のパーシスタンス演算部108Aおよび第2のパーシスタンス演算部108Bにおける演算は、決定したパーシスタンス係数が互い異なる点を除いて同じである。CFMフレームデータが、血流速度データ以外のデータを含む場合には、同様に最新のフレームのデータおよび最新より1つ前のフレームのデータと求めたパーシスタンス係数Cpersistenceを用いて第1のパーシスタンス演算部108Aおよび第2のパーシスタンス演算部108Bでパーシスタンス演算を行い、残像処理されたデータをそれぞれ得る。
折り返し判定部105からの折り返し発生の判定結果が真であった場合は、式(1)の演算式を符号なし演算で扱い、偽であった場合は、符号付演算で扱う。
上述したように測定にパルス波を用いるため、ドップラ偏移によって直接測定できる血流速度はパルス波の繰り返し周波数(PRF)の制限を受ける。具体的には、±PRF/2を超える周波数変化に対応する血流速度は反対向きの血流として観測される折り返しが発生する。
図5(a)および(b)は、残像処理された血流速度データVout、最新のフレームの血流速度データVcurrentおよび最新より1つ前のフレームのパーシスタンス演算部108の出力結果である血流速度データVout-1の大きさの関係を示している。図5(a)および(b)において、横軸の第1象限部分は速度Vがゼロを意味し、横軸の第2象限部分は、+Vまたは−Vを意味する。速度Vが正である場合、第1または第2象限に位置し、速度Vが負である場合には、第3または第4象限に位置する。
例えば、図5(a)に示すように、Vcurrentが第2象限にあり、Vout-1が第3象限にあり、折り返しが発生していると判定された場合、Vout-1は実際には、+PRF/2に対応する血流速度よりも大きな値であったことなるから、ゼロをとらない、つまり、符号変化を伴わない演算である。したがって、VcurrentおよびVout-1の符号(プラスまたはマイナス)をとって、式(1)にこれらの値を代入し演算を行う。
一方、例えば、図5(b)に示すように、Vcurrentが第1象限にあり、Vout-1が第4象限にあり、折り返しが発生していないと判定された場合、式(1)の演算は、ゼロを通り、符号変化が生じる演算となる。したがって、符号をつけたVcurrentおよびVout-1を式(1)に代入し演算を行う。この演算は、1フレーム分の血流速度データの各画素または測定点ごとに行われる。また、演算結果であるVoutは、折り返しが発生している場合、符号なしの値となる。この場合、血流速度データVoutの最上位ビットを符号として扱うことで符号あり値として最大値選択部116にそれぞれ出力される。
最大値選択部116は、第1のパーシスタンス演算部108Aおよび第2のパーシスタンス演算部108Bからそれぞれ演算結果、つまり、残像処理された血流速度データを受け取り、画素ごとに、あるいは、対応する測定点のデータごとに血流速度の絶対値を比較し、大きい方の血流速度を選択して、最新のフレームの残像処理された血流速度データを構成し、これをCFM DSC部110およびパーシスタンスメモリ部109に出力する。CFM DSC部110は、選択した血流速度データの座標を変換し、画像合成部113へ出力する。
断層画像信号処理部409は受信信号に対してダイナミックフィルタ処理を施すことにより、不要なノイズをカットしたのち、包絡線検波処理およびダイナミックレンジ圧縮処理を施して断層画像DSC部410に断層画像フレームデータを出力する。断層画像DSC部410は、断層画像信号処理部409からの断層画像フレームデータの座標を変換し、画像合成部411へ出力する。
画像合成部411は、CFM DSC部410および断層画像DSC部410から出力される各フレームデータを画素ごとに、あるいは、対応する測定点のデータごとに合成し、合成画像フレームデータを生成する。具体的には、血流速度がゼロである場合は、断層画像フレームデータを表示し、そうでない場合は、CFMフレームデータを表示するように2つのデータを画素ごとに、あるいは、対応する測定点のデータごとに合成する。また、血流速度や血流の方向に応じてデータを色情報に変換し、表示部412に出力する。表示部412は、画像合成部411から受け取ったデータを表示する。
次に、第1および第2のパーシスタンス係数の決定についてより詳細に説明する。第1および第2のパーシスタンス係数を決定するために、まず、血流速度に折り返しが発生しているかどうかを折り返し判定部105において判定する。
折り返し判定部105は、フレームメモリ部104から最新のCFMフレームデータに含まれる血流速度データVcurrentとパーシスタンスメモリ部109から1フレーム前のパーシスタンス演算部108の出力結果であるCFMフレームデータに含まれる血流速度Vout-1とを読み出し、VcurrentおよびVout-1の値から以下の2つの判定を行う。
1.折り返しが発生しているかどうか。
2.Vcurrentが折り返し領域にあるかどうか。
この2つの状態の判定には、あらかじめ定められた閾値とVcurrentおよびVout-1とを比較することにより行う。具体的には、閾値Vthおよび血流ゼロ速度VzeroとVcurrentおよびVout-1とを比較する。
Figure 2011036891
図6(a)は、閾値Vth、血流ゼロ速度Vzero、VcurrentおよびVout-1の大きさの関係を示している。図6(a)において、横軸の第1象限部分は血流ゼロ速度Vzeroを意味し、横軸の第2象限部分は、Vmaxまたは−Vmaxを意味する。速度Vが正である場合、第1または第2象限に位置し、速度Vが負である場合には、第3または第4象限に位置する。
ここで、Vthおよび−Vthには、例えば、隣接するフレームの時間間隔において、想定される血流速度の変化の最大値を設定する。
表3は、折り返し判定部105において判定される条件と判定結果とを示している。
条件(0)に示すように、Vout-1が正である場合、想定される血流速度の変化の最大値はVthまたは−Vthであるから、Vcurrentが−Vthよりも小さくなることはない。したがって、Vcurrent<−Vthを満たしていれば、Vcurrentは、実際には、+PRF/2に対応する最大血流速度Vmaxよりも大きな値となっており、折り返しが発生しているとともに、Vcurrentが折り返し領域にあると判定される。条件(1)は、条件(0)の符号が逆転した場合である。
条件(2)に示すように、Vout-1が−Vthより小さい場合、Vcurrentが正の値となることは、想定される血流速度の変化の最大値を超える変化であるから、折り返しが発生している。また、VcurrentがVzeroを挟む±Vthの範囲にあるため、Vcurrentは折り返し領域ではない。条件(3)は、条件(2)の符号が逆転した場合である。
条件(0)から(3)のいずれも満たさない場合には、折り返しが発生しておらず、また、Vcurrentが折り返し領域にないと判定する。
第1のパーシスタンス係数決定部106Aは、折り返し判定部105から出力される2つの判定結果とフレームメモリ部104から読み出した血流速度データVcurrentの絶対値に基づいて、第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107への参照インデックスを作成する。表4に作成される参照インデックスを示す。
Figure 2011036891
折り返しが発生しており、かつ、Vcurrentが折り返し領域にある場合、血流速度Vcurrentは、実際には、Vmaxをまたは−Vmaxを超える大きな値と考えられる。このため、参照インデックスはVmaxとなる。その他の場合には、Vcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)となる。
第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107Aには、参照インデックスに対応付けられた第1のパーシスタンス係数によって構成される第1の参照テーブルが記憶されている。第1のパーシスタンス係数決定部106Aは、第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107Aにアクセスし、作成された参照インデックスに対応付けられた第1のパーシスタンス係数を読み出し、第1のパーシスタンス演算部108Aへ出力する。
図6(b)は、参照インデックスと第1のパーシスタンス係数との対応関係の一例を示すグラフである。図6(b)において、横軸は参照インデックスを示し、縦軸は、パーシスタンス係数を示している。表4に示したように、参照インデックスは、VmaxまたはVcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)である。Vcurrentの絶対値が閾値Vth以下である場合には、Vcurrentの増大にともなって単調に増加する第1のパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられている。つまり、Vcurrentの絶対値が閾値Vth以下である場合には、最新のフレームの血流速度Vcurrentに応じて異なるパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられる。
これに対し、第2のパーシスタンス係数決定部106Bは、折り返し判定部105から出力される2つの判定結果とパーシスタンスメモリ部109から読み出した血流速度データVout-1の絶対値に基づいて、第1のパーシスタンス係数参照メモリ部107への参照インデックスを作成する。表5に作成される参照インデックスを示す。
Figure 2011036891
第2のパーシスタンス係数決定部106Bは、条件(2)から(4)の場合に、パーシスタンスメモリ部109から読み出した血流速度データVout-1の絶対値を参照インデックスとして生成する点で第1のパーシスタンス係数決定部106Aと異なっている。
第2のパーシスタンス係数参照メモリ部107Bには、参照インデックスに対応付けられた第2のパーシスタンス係数によって構成される第2の参照テーブルが記憶されている。第2のパーシスタンス係数決定部106Bは、第2のパーシスタンス係数参照メモリ部107Bにアクセスし、作成された参照インデックスに対応付けられた第2のパーシスタンス係数を読み出し、第2のパースタンス演算部108Bへ出力する。
図6(c)は、参照インデックスと第2のパーシスタンス係数との対応関係の一例を示すグラフである。図6(c)において、横軸は参照インデックスを示し、縦軸は、パーシスタンス係数を示している。表5に示したように、参照インデックスは、VmaxまたはVout-1の絶対値Abs(Vout-1)である。Vout-1の絶対値が閾値Vth以下である場合には、Vout-1の増大にともなって単調に増加する第2のパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられている。つまり、Vout-1の絶対値が閾値Vth以下である場合には、1つ前の血流速度Vout-1に応じて異なる第2のパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられる。
図6(b)および図6(c)に示すように、参照インデックスがいずれの値をとっても第2のパーシスタンス係数のほうが第1のパーシスタンス係数より大きい。つまり、第1のパーススタンス係数は、最新のフレームの血流速度に対応づけられ、かつ、小さな値である。第1のパーススタンス係数が大きくなれば、1つ前のフレームの血流速度をより考慮した演算となるため、第1のパーシスタンス演算部108Aは、残像効果を抑制し、すみやかに血流速度を変化させる演算を行う。これに対し、第2のパーススタンス係数は、1つ前のフレームの血流速度に対応付けられ、かつ、大きな値であるため、第2のパーシスタンス演算部108Bは、残像効果を高め、血流速度の変化を抑制する演算を行う。
また、上述したように第1のパーシスタンス演算部108Aは、残像効果を抑制し、速やかに血流速度を変化させる演算を行うため、血流速度は高いものの、血流パワーが小さいために血流を正しく検出できない場合、突然血流速度がゼロとなる可能性がある。この場合、血流速度が高くなるにつれて、血流画像に色調あるいは諧調の色付けを行っていると、血流画像が突然暗い諧調で色づけされ、画像が点滅するように表示される。このため、参照インデックスが増加するにつれて第1のパーシスタンス係数を単調に増加させ、血流速度が高くなるにつれて残像効果を高め、血流画像の点滅を抑制することができる。
また、第2のパーシスタンス演算部108Bは、残像効果を高めた画像表示を行うため、血流速度が高くなるにつれて、血流画像に色調あるいは諧調の色付けを行っていると、血流速度が低い場合には、暗めの表示が必要以上に長い時間残像として表示されてしまう。例えば、探触子を動かした場合に、血流表示が尾引く印象を与えてしまう。このため、参照インデックスが増加するにつれて第2のパーシスタンス係数を単調に増加させ、血流速度が低くなるにつれて残像効果を抑制することができる。従って、血流速度の絶対値に基づく参照インデックスと第1および第2のパーシスタンス係数との間に適切な単調増加する関係を設定することにより、高品位な血流表示を実現することができる。
なお、表3、表4および表5から分かるように、Vcurrent<−Vthでも、Vout-1>0であれば、参照インデックスはVmaxとなる(条件(0))一方、Vout-1<0であれば、参照インデックスはVcurrentの絶対値Abs(Vcurrent)となる(条件(4))。このため、Vcurrent<−Vthを満たしていても、Vout-1が正か負であるかによって、参照インデックスが異なり、パーシスタンス係数Cpersistenceも異なる。その結果、Vcurrent<−Vthを満たす隣接する領域であっても、Vout-1が正か負であるかによってカラーマッピングフロー画像として表示される色が異なり、画像に不連続な色調部分が生じてしまう。
このような不自然な表示を抑制するため、Vcurrentの絶対値が閾値Vth以上である場合には、参照インデックスに同じ値のパーシスタンス係数Cpersistenceが対応付けられていることが好ましい。これにより、折り返しが発生する血流領域、あるいはその境界近傍において、自然な表示を行うことができる。
このようにして決定した第1および第2のパーシスタンス係数を用いて第1のパーシスタンス演算部108Aおよび第2のパーシスタンス演算部108Bがそれぞれパーシスタンス処理の施された最新の血流速度データを生成する。
最大値選択部116は、2つの血流速度データの絶対値の大きいほうを選択し、選択した血流速度データを残像処理された血流速度データとして出力する。つまり、絶対値の大きな血流速度データが得られるように、2つのパーシスタンス処理の結果を選択するため、甲状腺、肝臓、腎臓などに存在するような血流パワーが不安定となる末梢血管の血流表示を点滅させずに、かつ、平滑化に起因する末梢血管の血流消滅を起こさない血流動画を表示することが可能となる。
なお、上記実施形態では、CFMフレームデータの血流速度に基づいてパーシスタンス係数を動的に決定し、血流速度にパーシスタンス演算を行っているが、上述したようにCFMフレームデータの他のデータ、例えば、血流パワーデータに対してパーシスタンス演算を行ってもよいし、Bモード断層画像データに対してパーシスタンス演算を行ってもよい。
また、上記実施形態では、最新のフレームおよび1つ前のフレームの血流速度データを用いてパーシスタンス処理を行っていたが、2つ前、あるいは3つ以上前のフレームの血流速度データも用いてパーシスタンス処理を行ってもよい。また、式(1)に限られず、他の演算式を用いてパーシスタンス処理を行ってもよい。
本発明は、被検体の血流状態を表示することのできる超音波診断装置に好適に用いることができる。
101、401 探触子
102、402 超音波送受部
103、403 CFM信号処理部
104、404 フレームメモリ部
105 折り返し判定部
106 パーシスタンス係数決定部
106A 第1のパーシスタンス係数決定部
106B 第2のパーシスタンス係数決定部
107 パーシスタンス係数参照メモリ部
107A 第1のパーシスタンス係数参照メモリ部
107B 第2のパーシスタンス係数参照メモリ部
108、407 パーシスタンス演算部
108A 第1のパーシスタンス演算部
108B 第2のパーシスタンス演算部
109 パーシスタンスメモリ部
110、408 CFM DSC部
111、409 断層画像信号処理部
112、410 断層画像 DSC部
113、411 画像合成部
114、412 表示部
115、115’ 残像処理部
116 最大値選択部
405 フレームメモリ選択部
406 パーシスタンス係数設定部

Claims (11)

  1. 探触子を繰り返し駆動し、前記探触子を駆動することにより送信された超音波が被検体において反射することにより得られた反射エコーを前記探触子によって受信し、複数の受信信号を逐次生成する送受信部と、
    前記複数の受信信号に基づき、各フレームにおける前記被検体中の血流部分の血流速度データを逐次生成するカラーフローマッピング信号処理部と、
    前記各フレームにおける血流速度データに対して残像処理を行う残像処理部と、
    前記受信信号に基づき、Bモード断層画像フレームデータを生成する断層画像信号処理部と、
    前記残像処理された血流速度データおよび前記Bモード断層画像フレームデータを合成する画像合成部と
    を備え、
    前記残像処理部は、
    最新のフレームの血流速度データと最新より以前のフレームの残像処理された血流速度データに基づいて折り返し判定を行い、前記折り返し判定の結果と最新および最新より以前のフレームの血流速度データに基づいて動的にパーシスタンス係数を変更する超音波診断装置。
  2. 前記残像処理部は、
    前記最新のフレームの血流速度データを記憶する第1のメモリ部と、
    前記最新より以前のフレームの残像処理された血流速度データを記憶する第2のメモリ部と、
    前記第1のメモリ部および前記第2のメモリ部から血流速度データをそれぞれ読み出し、前記折り返し判定を行う折り返し判定部と、
    前記折り返し判定の結果および前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに応じてパーシスタンス係数を決定するパーシスタンス係数決定部と、
    前記パーシスタンス係数および前記折り返し判定の結果に基づいて、前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに対しパーシスタンス演算を行い、演算結果を前記残像処理された血流速度データとして出力するパーシスタンス演算部とを含む請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記折り返し判定部は、前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データおよび前記第2のメモリ部に記憶された血流速度データと複数の閾値とを比較することによって、折り返しが発生しているかどうか、および、前記最新のフレームの血流速度データが折り返し領域にあるかどうかを判定する請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記残像処理部は、前記血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値のパーシスタンス係数を含む参照テーブルを記憶している第3のメモリ部をさらに含む、請求項2または3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記参照テーブルは、所定の値以上の血流速度に対して一定の値のパーシスタンス係数が対応付けられている請求項4に記載の超音波診断装置。
  6. 前記残像処理部は、
    前記最新のフレームの血流速度データを記憶する第1のメモリ部と、
    前記最新より以前のフレームの残像処理された血流速度データを記憶する第2のメモリ部と、
    前記第1のメモリ部および前記第2のメモリ部から血流速度データをそれぞれ読み出し、前記折り返し判定を行う折り返し判定部と、
    前記折り返し判定の結果および前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに応じて第1のパーシスタンス係数を決定する第1のパーシスタンス係数決定部と、
    前記第1のパーシスタンス係数および前記折り返し判定の結果に基づいて前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに対しパーシスタンス演算を行う第1のパーシスタンス演算部と、
    前記折り返し判定の結果および前記第2のメモリ部に記憶された血流速度データに応じて第2のパーシスタンス係数を決定する第2のパーシスタンス係数決定部と、
    前記第2のパーシスタンス係数および前記折り返し判定の結果に基づいて前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データに対しパーシスタンス演算を行う第2のパーシスタンス演算部と、
    前記第1のパーシスタンス演算部から出力される演算結果の絶対値および前記第2パーシスタンス演算部から出力される演算結果の絶対値を比較し、大きい方の演算結果を前記残像処理された血流速度データとして出力する最大値選択部と、
    を含む請求項1に記載の超音波診断装置。
  7. 前記折り返し判定部は、前記第1のメモリ部に記憶された血流速度データおよび前記第2のメモリ部に記憶された血流速度データと複数の閾値とを比較することによって、折り返しが発生しているかどうか、および、前記最新のフレームの血流速度データが折り返し領域にあるかどうかを判定する請求項6に記載の超音波診断装置。
  8. 前記残像処理部は、
    前記血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値の第1のパーシスタンス係数を含む第1の参照テーブルを記憶している第3のメモリ部と、
    前記血流速度の値に応じて対応付けられた異なる2つ以上の値の第2のパーシスタンス係数を含む第2の参照テーブルを記憶している第4のメモリ部と、
    をさらに含む、請求項6または7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記第1の参照テーブルと前記第2の参照テーブルにおいて、同じ血流速度の値に応じて対応付けられた第1のパーシスタンス係数と第2のパーシスタンス係数とは互いに異なる値である請求項8に記載の超音波診断装置。
  10. 前記第1の参照テーブルは、所定の値以上の血流速度に対して一定の値のパーシスタンス係数が対応付けられている請求項8に記載の超音波診断装置。
  11. 前記最新より以前のフレームの残像処理された血流速度データは、前記最新より1つ前のフレームの残像処理された血流速度データである請求項1から10のいずれかに記載の超音波診断装置。
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