JPWO2011027543A1 - 横編機の選針装置およびセレクタ - Google Patents

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Abstract

キャリッジの走行に伴ってキャリッジと針床との間隔が変動しても、安定な選針が可能となる横編機の選針装置およびセレクタを提供する。横編機17の選針装置20は、キャリッジ11搭載される選針機構20aと、針溝5に編針6とともに収容されるセレクタ19とを含む。セレクタ19の弾性脚片19cは、先端がキャリッジ11側に湾曲し、ばね支点カム27のカム面に当接する。キャリッジ11側に設ける選針アクチュエータ24の吸着面24aに吸着されている接極子19dを、吸着解除で釈放する際には、弾性脚片19cに基づく弾発力が吸着力よりも大きくなる必要がある。セレクタ19は、針床2側には依存せず、キャリッジ11側のみに依存して支持されるので、キャリッジ11の走行に伴ってキャリッジ11と針床2との間隔が変動しても、安定な弾発力を発生し、安定な選針が可能となる。

Description

本発明は、針床の針溝に編針とともに収容されるセレクタと、針床に対して往復走行するキャリッジに搭載されて編成動作を行う編針をセレクタを介して選択する選針機構とを含む横編機の選針装置、およびセレクタに関する。
従来から、横編機には、編針を個別に選針可能な選針装置を設けて、ニット、タック、ミスの基本的な編成動作などを、編針毎に切換え可能にしている。選針装置は、針床の針溝に編針とともに収容されるセレクタと、針床に沿って往復走行するキャリッジに搭載される選針機構とを含む。キャリッジには、針溝に収容される編針を駆動して編成動作を行わせるカム機構も搭載される。選針機構は、針溝で編針の尾部に設けられるセレクタを介して、選針結果を編針に反映させる。このような選針装置の選針機構では、永久磁石によってセレクタを吸着し、電磁石への通電で吸着力を弱めてセレクタを釈放する形式が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
図8は、特許文献1に開示されている選針装置と基本的に同様な構成を簡略化して示す。横編機1では、針床2を、基板3に一定の間隔でニードルプレート4を立設させて形成する。ニードルプレート4は、紙面に垂直な方向に配列し、隣接するニードルプレート4間に針溝5が形成される。各針溝5には編針6が収容される。各編針6は、図では右方となる歯口に対して、図示を省略している先端側のフックが進退するように、図の左右方向に摺動変位が可能な状態となっている。なお、横編機1では、通常、少なくとも一対の針床2が歯口を挟んで対向して配置される。各針床2は、歯口側が高く、歯口から離れるに従って低くなるように傾斜しているけれども、図では片側の針床2のみを、水平な姿勢で示す。また、以下の説明では、歯口側を先端側、歯口から離れる側を尾端側としてそれぞれ示す場合がある。さらに、針溝5から浮上する方向を上側、針溝5に沈む方向を下側として示す場合がある。
編針6のフックは、図示を省略しているけれども、ニードルジャック7の右側に連結される針本体の先端に設けられる。ニードルジャック7は、先端側に形成される針本体との連結部と、中間部分から突出して、編針6としての編成動作を行うための駆動力を受けるバット7aと、尾端側の弾性脚片7bとを有する。弾性脚片7bは、バット7aが針溝5から浮上するように付勢する。ニードルジャック7の弾性脚片7bの中間部は、セレクトジャック8の先端部で押圧される。セレクトジャック8の先端部からは、バット8aが立設される。セレクトジャック8のバット8aは、選針結果に応じて、図示のBポジションの選針位置から、少し右方となるHポジション、またはさらに右方となるAポジションに移動するか、Bポジションを続けるかの切換えが行われる。セレクトジャック8の尾端側は、二股に分れ、3つの選針位置のいずれかを保持する位置保持部8bとなっている。
セレクタ9は、先端部9aでセレクトジャック8のバット8aを歯口に向う方向に押して、BポジションからHポジションまたはAポジションへの移動を行わせる。セレクタ9の尾端側には、接極子9bが設けられる。なお、図示の接極子9bは、セレクタ9の他の部分とは別体として形成し、機械的に接合しているけれども、一体化することもできる。セレクタ9には、弾性脚片9cも設けられ、弾性脚片9cの先端は、針溝5内で、セレクトジャック8の位置保持部8b上面のばね支点8cを上方から押圧する。セレクトジャック9は、弾性脚片9cによって針溝5から浮上するように付勢される前バット9dに、セレクトジャック8を押して選針位置を切換えるための駆動を受ける。セレクトジャック9の尾端側からは、後バット9eも立設される。また、先端部9aと弾性脚片9cとの接合部付近からは、先端突起9fが立設される。このようなセレクタ9が選針装置10に含まれる。
選針装置10は、針床2の表面に沿って、紙面に垂直な方向に往復走行するキャリッジ11に搭載される選針機構10aも含む。キャリッジ11には、カム板12に搭載されて、ニードルジャック7やセレクトジャック8のバット7a,8aに作用する編成駆動用のカム装置12aも搭載される。選針機構10aは、選針板13に搭載する選針用のカム装置13aと選針アクチュエータ14とを含む。なお、選針機構10aに含まれる選針アクチュエータ14は、ブラケット15を介して、針溝5の尾端部で、底面側からセレクタ9の接極子9bに臨む位置に吸着面14aが設置される。
選針装置10では、接極子9bが選針アクチュエータ14の吸着面14aに吸着されると非選針状態となる。非選針状態では、前バット9dは針溝5内に沈み、セレクタ9が先端部9aでセレクトジャック8を移動させるための駆動を受けることはできない。選針アクチュエータ14の吸着面14aには、釈放位置が設定される。釈放位置では、選針アクチュエータ14に通電すると、発生する電磁力が永久磁石による吸着力を弱めることができる。接極子9bは、弾性脚片9cによって吸着面14aから離れる方向に付勢されている。接極子9bが釈放位置に達するタイミングで通電すると、吸着力が弱まるので、接極子9bは、吸着面14aから釈放される。このような釈放時に、弾性脚片9cの尾端がセレクトジャック8の位置保持部8bの上面を押圧しているばね支点8cは、弾性脚片9cの弾発力を受ける。キャリッジ11側のカム装置13aに、先端突起9fの先端が当接する当接部分13bを設けておけば、この当接部分13bが回転支点となり、先端突起9fの高さの途中から接極子9bまで延びる弾性脚片9cは、図の時計回り方向に回転する。この回転で、接極子9bは選針アクチュエータ14の吸着面から離れ、前バット9dの頭部は針溝5からカム装置13a側に浮上し、選針状態となる。
特許第3459514号公報
横編機1では、生産効率を高めるために、キャリッジ11の走行速度の高速化、選針装置10で選針に要するスペースの低減などが要望されている。図8に示すような形式の選針装置10は、このような要望に応じて開発されている。
しかしながら、図8の選針装置10では、接極子9bを選針アクチュエータ14の吸着面14aから釈放する際のばね支点8cがセレクトジャック8の位置保持部8bの上面に設けられている。ばね支点8cへの押圧を受けるセレクトジャック8の位置保持部8bは、ニードルジャック7の弾性脚片7bを介して、針溝5の底面となる針床2の基板3で支持される。接極子9bの釈放に関与する他の部分は、先端突起9fの先端の回転支点となる当接部分13bも含めて、キャリッジ11側で支持される。キャリッジ11は針床2の表面に沿って走行するので、走行の際に、たとえば選針板13と針床2との間隔が微小な程度変動することは避けられない。この変動は、ばね支点を通じて、弾性脚片9cによる弾発力を変化させ、選針アクチュエータ14の吸着面14aに対する接極子9bの吸着と釈放との切換えを不安定にさせる。特に、キャリッジ11の走行速度を増大させると、選針の不安定さも増大してしまう。
本発明の目的は、キャリッジの走行に伴ってキャリッジと針床との間隔が変動しても、安定な選針が可能となる横編機の選針装置およびセレクタを提供することである。
本発明は、横編機の針床に対して往復走行するキャリッジに、編針駆動用のカム機構とともに搭載される選針機構と、選針機構による選針結果を編針に反映させるために、編針の尾端側に臨んで針溝に収容されるセレクタと、を含む横編機の選針装置において、
選針機構は、針溝の表面側または底面側の一方側からセレクタに作用する選針アクチュエータと、該針溝の他方側からセレクタに作用する復帰および分岐カムとを有し、
選針アクチュエータは、電磁的な吸着状態の解除の有無に基づいて編針を選針するための吸着面を備え、
復帰および分岐カムは、セレクタを針溝内で該一方側に押込んで選針アクチュエータの吸着面に吸着される吸着状態に復帰させてから、選針アクチュエータによる選針結果に応じて異なる経路に分岐するようにセレクタを案内し、
セレクタは、基体と、バットと、接極子と、弾性脚片と、分岐突起とを有し、
基体は、歯口に進退する方向に、大略的に直線状に延びる形状を有し、選針結果に応じて、編針を歯口に向って進出するように押すことが可能な先端部と、該一方側で該吸着面よりも尾端側の表面に当接して、吸着解除の釈放状態では該表面から離れる尾端部とを有し、
バットは、基体の先端部付近で、先端部から尾端部側に間隔をあけた位置を基部として、基部からキャリッジ側に向って頭部が突出し、
接極子は、基体の先端部と尾端部との中間付近よりも尾端部寄りの位置で、基体から該一方側に向って突出するように立設され、頭部が選針アクチュエータの吸着面に吸着されると吸着状態となり、該頭部が該吸着面から離れると釈放状態となり、
弾性脚片は、基部から頭部まで突出するバットの途中から、基体とほぼ平行に、基体の中間付近まで延出されて、先端が該一方側に湾曲して、選針アクチュエータの吸着面よりも先端部側の位置で該一方側の表面に当接し、
分岐突起は、基体の尾端部と接極子との間で該他方側に向って突出して、復帰および分岐カムの作用を受ける、
ことを特徴とする横編機の選針装置である。
また本発明は、前記セレクタの前記バットと前記接極子との中間付近で、前記他方側から前記基体を臨む位置に設けられ、接極子の前記吸着状態では基体の他方側から離れ、前記釈放状態で基体の他方側に当接して、接極子および基体の前記尾端部が前記一方側から離れるように回転する際の支点となる支点部材をさらに含み、
前記選針機構には、該一方側に、前記吸着面で接極子の吸着状態が切換えられる位置付近で、前記弾性脚片のたわみを大きくして弾発力を増大させるように、前記弾性脚片の先端を押圧してばね支点となる、ばね支点カムが設けられる、
ことを特徴とする。
また本発明で、前記選針機構は、
前記選針アクチュエータの吸着面で、前記セレクタの接極子を吸着し、予め定める釈放位置でのみ、該接極子の吸着状態を解除可能であり、
前記復帰および分岐カムは、選針アクチュエータによる接極子への吸着状態へセレクタを復帰させるとともに、釈放位置での吸着状態の解除の有無に応じて、前記分岐突起を異なる経路に案内してセレクタを分岐させる、
ことを特徴とする。
また本発明で、前記選針アクチュエータは、前記釈放位置を、前記走行方向に間隔をあけて複数有し、
前記復帰および分岐カムは、接極子の吸着状態を解除する釈放位置に応じて、前記セレクタを異なる経路に分岐させ、
復帰および分岐カムによって異なる経路に分岐するように案内されたセレクタのバットに作用して、セレクタを異なる選針位置に導く選針カムを、
さらに含むことを、特徴とする。
さらに本発明は、横編機の針床に対して往復走行するキャリッジに搭載され、針溝の表面側または底面側の一方側に臨む選針アクチュエータと針溝の他方側に臨む復帰および分岐カムとを含む選針機構での選針結果を編針に反映させるために、針溝で編針の尾端側に臨むように収容されるセレクタにおいて、
基体と、バットと、接極子と、弾性脚片と、分岐突起とを有し、
基体は、先端部から尾端部まで、大略的に直線状に延びる形状を有し、
バットは、基体の先端部付近で、先端部から尾端部側に間隔をあけた位置を基部として、基部から基体の延びる方向に直交する一方向に頭部が突出し、
接極子は、基体の先端部と尾端部との中間付近よりも尾端部寄りの位置で、基体から該一方向側に向って突出するように立設され、
弾性脚片は、基部から頭部まで突出するバットの途中から、基体とほぼ平行に、基体の中間付近まで延出されて、先端が接極子よりも先端側で該一方向側に湾曲し、
分岐突起は、基体の尾端部と接極子との間で、該一方向と反対の他方向側に向って突出する、
ことを特徴とするセレクタである。
本発明によれば、横編機の選針装置は、針床に対して往復走行するキャリッジに、編針駆動用のカム機構とともに搭載される選針機構と、針床に設けられる針溝に編針とともに収容されるセレクタとを含む。セレクタは、選針機構の選針アクチュエータで接極子が吸着面に電磁的に吸着される吸着状態を解除されるか否かが切換えられる。選針アクチュエータは、針溝の表面側または底面側の一方側に設けられる。セレクタは、先端が一方側に湾曲し、選針アクチュエータの吸着面よりも先端部側の位置で一方側の表面に当接する弾性脚片を有する。選針アクチュエータの吸着面に吸着されている接極子を、吸着解除で釈放する際には、弾性脚片に基づく弾発力が吸着力よりも大きくなる必要がある。弾性脚片は、先端がキャリッジで支持されるので、キャリッジの走行に伴ってキャリッジと針床との間隔が変動しても、安定な弾発力を発生し、安定な選針が可能となる。
また本発明によれば、セレクタの接極子を、吸着面への吸着を解除して釈放状態とすると、セレクタの基体は針溝の他方側で支点部材に当接する。当接後は、当接部分が回転の支点となり、セレクタを針床側で支持するように切換えて、確実に選針状態に移行させることができる。
また本発明によれば、セレクタに対する選針結果に応じて、復帰および分岐カムでセレクタが移動する経路を切替えることができる。
また本発明によれば、セレクタの吸着を解除する釈放位置に応じて、複数の異なる経路にセレクタを案内し、異なる選針位置への案内を切換えることができる。
さらに本発明によれば、横編機の選針装置に用いるセレクタは、選針アクチュエータの吸着面への吸着状態で、弾性脚片の先端がキャリッジ側で支持される。セレクタの支持をキャリッジ側で行うことによって、キャリッジの走行に伴ってキャリッジと針床との間隔が変動しても、安定な弾発力を発生し、キャリッジ側に搭載される選針アクチュエータの吸着面への接極子の吸着と釈放とを切換えて、安定な選針が可能となる。
図1は、本発明の一実施例である横編機17の選針装置20について、主要部分の構成を簡略化して示す右側面断面図である。 図2は、図1の選針装置20の吸着状態と吸着解除直後の釈放状態とを示す部分的な右側面断面図である。 図3は、図1の選針装置20に使用するセレクタ19の構成を示す右側面図である。 図4は、図1の横編機17に使用する編成駆動用のカム機構12aおよび選針機構20aの構成を示すキャリッジ11としての平面図、および編針6の構成を示す右側面図である。 図5は、図1の選針機構20aの主要部分の構成を示す右側面図および背面図である。 図6は、図5の選針アクチュエータ24の底面図および復帰および分岐カム26の平面図である。 図7は、本発明の他の実施例である選針装置40について、主要部分の構成を簡略化して示す右側面断面図である。 図8は、従来からの選針装置の構成を簡略化して示す右側面断面図である。
以下、図1〜図6で、本発明の実施例1の構成を示す。図1では、横編機17の構成を、歯口18を含めて示す。図1〜図6では、横編機17に使用するセレクタ19および選針装置20の構成を説明する。各図では、図8に示す横編機1および選針装置10と対応する部分に同一の参照符を付す。図7は、実施例2の構成を示す。実施例2で、実施例1に対応する部分は、同一の参照符を付す。同一の参照符を付した部分についての重複する説明を省略する。
実施例1ではセレクタ19の接極子19d,19dを針溝5の表面側に吸着し、実施例2ではセレクタ49の接極子49dを針溝5の底面側に吸着する。すなわち、本発明は、針溝5の表面側または底面側の一方側と他方側とのいずれに対する吸着でも同様に適用することができる。
図1は、本発明の実施例1である横編機17の選針装置20について、主要部分の構成を簡略化して、横編機17としての右側方から見た断面図として示す。横編機17は、歯口18を挟んで前後に対向する一対の針床2を備え、各針床2は歯口18に向う先端側が高く、歯口18から離れる尾端側が低くなるように傾斜しているけれども、前側の針床2のみを水平な姿勢で示す。
図2は、(a)と(b)とで、図1の選針装置20の吸着状態と吸着状態を解除した直後の釈放状態とをそれぞれ部分的に、横編機17としての右側方から見た断面図として示す。図1は、図2(b)に相当する。なお、以下の説明では、歯口18に向う方向を先端側として、歯口2から離れる方向を尾端側として、それぞれ示す場合がある。また、針床2からキャリッジ11に向う方向を上として、キャリッジ11から針床2に向う方向を下として、それぞれ示す場合がある。
セレクタ19を含む選針装置20は、キャリッジ11に搭載する選針機構20aも含む。選針機構20aは、キャリッジ11に搭載する選針用のカム装置20bも含む。セレクタ19は、基体19aと、バット19bと、弾性脚片19cと、接極子19dとを有する。基体19aは、歯口18に進退する前後方向に、大略的に直線状に延びる形状を有し、選針結果に応じて、編針6のセレクトジャック7を歯口18に向って進出するように押すことが可能な先端部19eと、尾端部19fとを有する。バット19bは、基体19aの先端部19e付近で、先端部19eから基端側に間隔をあけた位置を基部として、キャリッジ11側に頭部が突出するように立設される。バット19bの頭部は、先端がキャリッジ11側に突出する。接極子19dは、基体19aの中間付近よりも尾端部19f寄りの位置で、キャリッジ11側に向って立設される頭部がキャリッジ11側に設ける選針アクチュエータ24の吸着面24aに吸着状態で吸着され、釈放状態では吸着面24aから離れる。弾性脚片19cは、バット19bの基部から頭部までの高さの中間付近から、基体19aとほぼ平行に、基体19aの中間付近で、接極子19dよりは先端部19e寄りの位置まで延出されて、先端がキャリッジ11側に湾曲する。
なお、編針6の歯口18側は、針本体21となり、先端のフック21aが歯口18に進退し、編目の形成や対向する針床2との間の目移しなどを行う。編針6はべら針であり、フック21aはべら21bで開閉される。目移しでは、針本体21の側面に設けられる羽根21cが使用される。したがって、目移し時には、対向する針床2側に渡す編目を係止する羽根21cが歯口18に進出するまで、編針6は図の右方に移動するように駆動される。目移しを行う場合、歯口18で羽根21cに係止される編目を、対向する針床2側から歯口18に進出する編針6のフック21aに受ける動作も必要となる。このため、ニードルジャック7には、バット7aとともに、バット7cも設けられる。バット7a,7cは、キャリッジ11のカム板12に搭載される編成駆動用のカム機構12aによる駆動を受ける。
横編機17では、各針床2の歯口18側に、可動シンカー22も用いられる。可動シンカー22は、紙面に垂直な方向に、編針6と交互に配列される。可動シンカー22は、ニードルプレート4の歯口18側の先端部分を利用して揺動変位が可能な状態で設置され、線ばね23で歯口18側に進出するように付勢される。
選針機構20aは、選針アクチュエータ24を含む。選針アクチュエータ24はキャリッジ11の選針板13に搭載され、吸着面24aが針床2側に臨む表面に設けられる。吸着状態がいったん解除されて、セレクタ19の接極子19dが吸着面24aから離れている状態から、接極子19dの頭部を吸着面24a側に寄せて吸着状態に復帰させるために、キャリッジ11には、ブラケット25を介して、復帰および分岐カム26も取付けられる。復帰および分岐カム26は、針溝5の底面側からセレクタ19を押込んで浮上させ、吸着状態に復帰させてから、選針結果に応じて異なる経路に案内する。セレクタ19には、復帰および分岐カム26の作用を受けるように、針溝5の底面側に向って突出するように立設される分岐突起19gも設けられる。
接極子19dの吸着面24aへの吸着状態を解除する際には、弾性脚片19cのキャリッジ11側に湾曲している先端が、キャリッジ11側で吸着面24aの前側に設けるばね支点カム27のカム面に当接して、弾発力を受けるばね支点となる。また、吸着状態では、セレクタ19の基体19aの尾端部19fがキャリッジ11側で吸着面24aよりも尾端側に設ける支点板28の表面に当接する。基体19aに対し、針溝5の底面側には、紙面に垂直な方向にニードルプレート4を貫通するワイヤなどの支点部材29が設けられる。図に示すような釈放状態では、支点部材29は基体19aの回転支持部19hに当接している。なお、キャリッジ11側に設ける選針用のカム装置20bは、復帰および分岐カム26、ばね支点カム27、支点板28、および選針カム30を含む。なお、セレクタ19の近傍には、支点部材29とともにニードルプレート4を紙面に垂直な方向に貫通する帯金4aやワイヤ4bも存在している。帯金4aは、ばね支点カム27のカム面で弾性脚片19cの先端が押えられない位置で、弾性脚片19cの上面を押え、弾性脚片19cが針溝5の表面側に浮上しすぎないように規制している。ワイヤ4bは、セレクトジャック8が針溝5内で浮上しすぎないように規制している。
図2(a)に示すように、吸着面24aに接極子19dが吸着状態となっている場合、基体19aの下面の回転支持部19hは支点部材29から離れる。また、弾性脚片19cの上面と帯金4aの下面との間も離れている。基体19aからバット19bが立設される基部の下側は、ワイヤ4bとの接触を避ける形状となっている。さらに、先端部19eの下面は、セレクトジャック8の上面からは離れているので、セレクタ19の支持は針床2側に依存しない。キャリッジ11側からのセレクタ19の支持は、吸着面24aに当接する接極子19dの頭部、支点板28の表面に当接する尾端部19f、およびばね支点カム27のカム面に当接する弾性脚片19cの先端で安定に行われる。この場合、尾端部19fが支点板28の表面に当接する位置が支点となる。接極子19dには吸着面24aへの吸着力が作用する。弾性脚片19cの先端には、ばね支点カム27のカム面からの弾発力が作用する。この吸着力と弾発力とは、支点板28への当接位置を支点とする反対方向のモーメントとなる。キャリッジ11が走行しても、弾発力によるモーメントは選針板13と針床2との間の間隔の変動の影響を受けずに、安定する。吸着力によるモーメントが、選針アクチュエータ24への通電で低下し、弾発力によるモーメントよりも小さくなると、セレクタ19の基体19aは、支点板28への尾端部19fの当接位置を支点として回転する。なお、吸着力を通電で低下させることが可能な接極子19dの釈放位置に対応して、分岐突起19g側の復帰および分岐カム26では、後述するように、分岐突起19gの頭部を逃すようにしている。回転の方向は、接極子19dが吸着面24aから離れる方向、すなわち図の時計回り方向となり、接極子19dは吸着面24aへの吸着状態が解除されて釈放される。吸着状態では弾性脚片19cの弾発力による吸着を解除する方向のモーメントが安定して作用するので、選針アクチュエータ24で吸着状態を解除させる動作も安定して行わせることができる。
支点となる基体19aの尾端部19fと接極子19dの吸着面24aへの吸着位置との間の距離よりも、尾端部19fと弾性脚片19cの先端がばね支点カム27のカム面に当接する位置との間の距離の方が大きい。このため、尾端部19fを支点とするモーメントとしては、弾性脚片19cの弾発力によるモーメントを相対的に大きく利用することができる。図8のようなセレクタ9の構成では、先端が回転支点となるバット9fの当接部分13bと弾性脚片9cの先端のばね支点8cとの間の距離よりも、当接部分13bと接極子9bが選針アクチュエータ14に吸着される位置との間の距離の方が大きい。したがって、弾性脚片9cの弾発力によるモーメントは、相対的に小さく利用することしかできない。
図2(a)に示す吸着状態は、吸着状態の解除で、基体19aが支点板28に当接する尾端部19fの支点まわりに回転すると、基体19aの中間部分の回転支持部19hが支点部材29に当接する。図2(b)に吸着状態の解除直後として示すように、回転支持部19hが支点部材29に当接すると、回転支持部19hが新たな支点となって、基体19aはこの支点まわりの反時計回り方向に回転し、尾端部19fの先端は支点板28の表面から離れる。バット19bの基部は、回転支持部19hよりも先端側にあるので、反時計回り方向の回転で、バット19bの頭部は針溝5から突出する。弾性脚片19dの先端はキャリッジ11側の支点カム27のカム面への当接を続けるので、釈放状態のセレクタ19は、キャリッジ11側と針床2側との両方から支持される。釈放状態から吸着状態への復帰は、復帰および分岐カム26で機械的に確実に行われるので、キャリッジ11の走行に伴う針床2との間の間隔変動があっても、選針動作が不安定にはならない。
図3は、図1の選針装置20に使用するセレクタ19の構成を、横編機17としての右側方から見て示す。セレクタ19は、接極子19dよりも尾端部19f寄りに接極子19iを設けて、接極子19d,19iの位置を異ならせる。接極子19d,19iの位置が異なるセレクタ19を交互に用いることによって、編針6が密に配置されるような場合でも、確実に編針6毎の選針を行うことができる。
なお、接極子19iの位置は、吸着状態で支点となる尾端部19fに、接極子19dの位置よりも近くなる。このため、弾性脚片19cの先端がばね支点として受ける弾発力の作用が接極子19dの位置よりも大きくなり、同じ吸着力では、吸着状態を続けることが困難となる。そこで、接極子19iでは、吸着面に接触する先端の長さLiを接極子19dの先端の長さLdよりも長くして、吸着力が増大するように調整している。
図4は、図1の横編機17に使用するキャリッジ11でのカム機構および選針機構の構成を、右側面で示す編針6の構成と対比させて示す。選針アクチュエータ24の吸着面24aは、セレクタ19の接極子19dを吸着する吸着面24dと、図3に示す接極子19iを吸着する吸着面24iとに分けられる。実際には、単一の接極子を吸着する吸着面を有するユニットを、二段に並べて選針アクチュエータ24を形成している。接極子の位置が3以上ある場合でも、対応する数だけユニットを並べればよい。
二つの吸着面24d,24iに対しては、図の左右方向で示すキャリッジ11の走行方向に対して、同一の釈放位置24b,24cが設定される。釈放位置24b,24cを接極子19d,19iが通過するタイミングに合わせて電磁的に吸着力を弱めれば、吸着面24d,24iに対する接極子19d,19iの吸着状態を解除して釈放させることができる。
なお、図の左側の選針アクチュエータ24では、選針アクチュエータ24の下側に、復帰および分岐カム26のカム面を対応させて示す。復帰および分岐カム26は、セレクタ19の分岐突起19gに作用する。分岐突起19gの頭部を針溝5の底面側から浮上させると、吸着状態の解除で釈放された接極子19d,19iを再び吸着面24d,24iに接触させて、吸着状態に復帰させることができる。また、吸着状態が解除される釈放位置24b,24cに応じて、セレクタ19の分岐突起19gを異なる経路に案内する。また、吸着面24aの先端側に設けるばね支点カム27では、弾性脚片19cのたわみを大きくして弾発力を増大させるように、針床2側に突出するカム面27aでセレクタ19の弾性脚片19cの先端を押圧し、接極子19d,19iが釈放されやすいようにしている。
キャリッジ11の選針板13では、選針アクチュエータ24の先端側に、選針カム30が配置される。選針カム30は、復帰および分岐カム26による分岐突起18gへの作用で異なる経路に分岐され、針溝5から突出するセレクタ19のバット19bの頭部に作用する。選針アクチュエータ24は、接極子19d,19iの吸着状態の解除が可能な釈放位置24b,24cを、キャリッジ11の走行方向に間隔をあけて二つ有している。復帰および分岐カム26と選針カム30とを組合せることで、接極子19d,19iの吸着状態を解除する二つの釈放位置24b,24cに応じて、バット19bを異なる二つの経路31,32に分けて案内することができる。
キャリッジ11は往復走行するので、カム機構や選針機構は左右対称に配置されている。たとえば、キャリッジ11が図の右側に走行する場合を想定すると、編針6はキャリッジ11に対し、相対的に図の左に移動する。編針6の尾端側に設けるセレクタ19の接極子19dは、吸着面24dに吸着され、釈放位置24bに至る。釈放位置24bで接極子19dが釈放されると、復帰および分岐カム26での分岐突起19gの案内に基づく分岐に続き、バット19bは選針カム30の経路31に進入して案内される。経路31は前方に山型に突出するので、セレクタ19の先端部19eはセレクトジャック8を歯口18側に押出す。経路31の山型の頂部までの押出しで、セレクトジャック8のバット8aをAポジションの選針位置に進出させる。釈放位置24bで接極子19dが釈放されずに、釈放位置24cで接極子19dが釈放されると、復帰および分岐カム26での分岐突起19gの案内に基づく分岐に続き、バット19bは選針カム30の経路32に進入して案内される。セレクタ19は、先端部19eでセレクトジャック8を歯口18側に押出し、山型の経路32の頂部でセレクトジャック8のバット8aをHポジションの選針位置に進出させる。接極子19dが釈放位置24b,24cのいずれでも釈放されずに、吸着面24dへの吸着が続けられると、セレクトジャック8のバット8aは、Bポジションの選針位置を保つ。
セレクトジャック8のバット8aは、キャリッジ11のカム板12で、編針6の編成駆動を行うカム装置12aが設けられる範囲のBプレッサ33やHプレッサ34が設けられる領域に案内される。Bプレッサ33は、固定式のプレッサであり、Bポジションのバット8aに作用して、バット8aを針溝5内に押込む。これによって、ニードルジャック7のバット7aも針溝5内に沈み、編成カム35の作用を受けなくなり、編針6はフック21aが歯口18に進出しないで針床2側に留まり、編目形成を行わないミスの動作となる。Hプレッサ34は、例えば三つの部分に分けて配置され、それぞれが揺動して、二点鎖線で示す位置まで退避することが可能な可動式のプレッサである。退避していない状態のHプレッサ34も、Bプレッサ33と同様に、セレクトジャック8のバット8aを針溝5内に押込み、編針6は、タックや目移しの動作を行うこととなる。バット8aがAポジションを通過する場合は、プレッサが配置されていないので、バット7aは針溝5から突出する状態を保ち、編成カム35による駆動を受けて編針6はニットの動作を行うこととなる。
編成カム35よりも先端側には、ニードルジャック7のバット7cに作用し、目移しに関連する動作を編針6に行わせるように駆動する目移しカム36が配置される。編成カム35の左右には、セレクトジャック8のバット8aをBポジションに戻すガイドカム37が配置されている。
なお、吸着面24aに二つの釈放位置24b,24cを設け、選針カム30には対応する経路31,32を設けて、AポジションまたはHポジションへの切換えを行っているけれども、釈放位置24b,24cの数を増やし、対応して経路31,32の数を増やせば、一つの選針装置で多くの動作切換えを行わせることもできる。
図5は、図1の選針装置20の主要部分の構成を示す右側方および正面から見て示す。図6は、図5の選針アクチュエータ24を下方から、復帰および分岐カム26を上方から見てそれぞれ示す。図5(a)に示すように、選針アクチュエータ24には、ばね支点カム27および支点板28が吸着面24aに近接して取付けられ、復帰および分岐カム26はブラケット25を介して間隔をあけて取付けられている。
図5(b)に示すように、復帰および分岐カム26には、中央に凸部26a、左右に凹部26b,26cが設けられる。凹部26b,26cの右側および左側には、それぞれ凸部26aの高さに連なる傾斜面26d,26eが設けられる。たとえば傾斜面26eでは、セレクタ19の分岐突起19gの頭部への当接状態で、経路39として示すように押上げて、接極子19d,19iを吸着面24aに接触させて、吸着状態に復帰させることができる。傾斜面26dも同様の機能を有する。凹部26b、26cは、接極子19d,19iが吸着面24aから釈放される際に、復帰および分岐カム26の分岐案内作用を分岐突起19g側方で受けることを可能にするため、分岐突起19gの頭部に対する逃がしとなっている。凹部26b,26cは、凸部26aよりは低い一定の高さを有し、端にはさらに低くなる傾斜部26f,26gがそれぞれ設けられる。
また、図5(b)に示すように、ばね支点カム27は、カム面27aの両側に傾斜面27b,27cを有している。セレクタの弾性脚片19cの先端が傾斜面27b,27cに当接している状態では、ばね支点カム27にかかる弾発力は弱くなる。この弾発力は、接極子19d,19iを吸着面24d,24rから釈放する方向に作用する。セレクタ19が選針アクチュエータ24が配置されている領域に入り始める際には、弾性脚片19cの先端は、ばね支点カム27の傾斜面27b,27cに当接してから平坦なカム面27aに移行する。したがって、接極子19d,19iの吸着面24d,24iに作用する弾性脚片19cの弾発力は、ばね支点カム27への当接位置の移動とともに、ほとんど作用しない状態から、傾斜面27b,27cに沿って次第に増大し、カム面27aで最大に効く状態を続けるように設定することができる。
図6(a)に示すように、ばね支点カム27の傾斜面27b,27c両端付近から吸着面24d,24iが開始されるので、弾性脚片19cからの弾発力がほとんど作用しない状態で、接極子19d,19iを吸着面24d,24iに、確実に吸着させることができる。また、カム面27aによって押圧され、弾性脚片19cからの弾発力が最大に効いている状態で、接極子19d,19iは釈放位置24b,24cに達するので、電磁的な吸着の解除で、確実に釈放させることができる。
図6(b)に示すように、復帰および分岐カム26では、セレクタ19の分岐突起19gの頭部を経路39に沿って押上げて、接極子19d,19iを吸着状態に復帰させた後、釈放位置24b,24cのいずれかで吸着状態を解除すると、分岐突起19gを凹部26b,26cに落込ませ、経路39A,39Hにそれぞれ分岐させることができる。凹部26b,26cで分岐突起19gが針溝5の底面側に沈むので、回転支持部19hに支点部材29が当接するタイミングが早まり、バット19bを迅速に選針カム30側に突出させることができる。経路39Hは、傾斜部26fを通るので、分岐突起19gの頭部をさらに沈ませ、バット19bを突出させるタイミングを早めることができる。釈放位置24b,24cで吸着状態を解除しなければ、経路39の延長上の経路39Bを通る。経路39A,39Hは、図4に示す選針カム30の経路31,32まで、セレクタ19のバット19bを針溝5からキャリッジ11側に突出させた状態で、をそれぞれ案内する。
なお、吸着面24d,24iでの吸着力を強くするために永久磁石に大形で強力なものを使用すると、釈放位置24b,24cでの吸着状態の解除にも大形で強力な電磁石が必要になる。選針アクチュエータ24の小形化のためには、電磁石を非選針時には永久磁石の磁束を補強する方向に通電し、選針時には永久磁石の磁束を打消す方向に通電するバイポーラ駆動を行うようにすることが好ましい。
また、図1の編針6としては、べら21bでフック21aを開閉するべら針を用いているけれども、フックをスライダで開閉する複合針を用いることもできる。
図7は、本発明の実施例2である選針装置40について、主要部分の構成を簡略化して示す。実施例2では、復帰および分岐カム26を針溝5の表面側、すなわちキャリッジ11側に配置する。選針アクチュエータ44は、ブラケット45を介して、針溝5の底面側に配置する。ばね支点カム27および支点板28は、針溝5の底面側で、選針アクチュエータ44の吸着面44aの先端側および尾端側にそれぞれ配置する。セレクタ49は、基体49a、バット49b、弾性脚部49c、接極子49d、先端部49e、尾端部49f、分岐突起49g、回転支持部49hを有する。これらの各部分の機能は、基本的に、セレクタ19の対応する部分と同等である。ただし、弾性脚部49cの先端および接極子49dが突出する方向は、針溝5の底面側であり、セレクタ19とは異なる。また、分岐突起49gが突出する方向は針溝5の表面側となり、セレクタ19とは異なる。さらに、回転支持部49hも基体49aの上面側に設けられ、セレクタ49の吸着状態では支持部材29から離れている。吸着状態で、セレクタ49は、セレクタ19と同様に、ニードルプレート4を貫通する帯金4aやワイヤ4bからも離れている。また、セレクタ49の先端部49eの下面側は、セレクトジャック8の上面側と離れている。したがって、吸着状態のセレクタ49は、針床側には依存しないで、キャリッジ11にのみ依存して、キャリッジ11の走行時も安定して支持される。
図は、セレクタ49の吸着状態を示す。接極子49dの吸着面44aへの吸着力に基づく、支点板28への尾端部49fの当接部分を支点とするモーメントは、弾性脚部49cの先端がばね支点カム27の表面から受けるばね反力に基づくモーメントよりも大きい。復帰および分岐カム26で分岐突起49gの頭部を逃がす状態で、吸着面44aへの吸着力が低下して、尾端部49fを支点とする接極子49dの吸着力に基づくがモーメントが、支点カム27でのばね反力の基づくモーメントよりも小さくなると、吸着は解除されて、接極子49dが吸着面44dから離れる。基体49aは、尾端部49fが支点板28に当接している部分を支点として、反時計回り方向に回転する。回転支持部49hが支点部材29に当接すると、この当接部分が回転の支点となり、回転方向が時計回り方向に反転して、尾端部49fは支点板28の表面から離れる。時計回り方向の回転で、バット49bは沈むけれども、頭部が選針カム30の案内を受けることが可能な程度、キャリッジ11側に突出していればよい。吸着状態では、バット49bはさらに突出するけれども、図4に示すように、選針カム30には経路31,32の下側に、バット49bを逃がす直線的な経路を設けることができる。
2 針床
5 針溝
6 編針
11 キャリッジ
12a カム機構
19,49 セレクタ
19a,49a 基体
19b,49b バット
19c,49c 弾性脚片
19d,19i,49d 接極子
19e,49e 先端部
19f,49f 尾端部
19g,49g 分岐突起
19h,49h 回転支持部
20,40 選針装置
20a 選針機構
20b カム装置
24,44 選針アクチュエータ
24a,24d,24i,44a 吸着面
24b,24c 釈放位置
26 復帰および分岐カム
27 ばね支点カム
28 支点板
29 支点部材
30 選針カム
31,32.39,39A,39B,39H 経路

Claims (5)

  1. 横編機の針床に対して往復走行するキャリッジに、編針駆動用のカム機構とともに搭載される選針機構と、選針機構による選針結果を編針に反映させるために、編針の尾端側に臨んで針溝に収容されるセレクタと、を含む横編機の選針装置において、
    選針機構は、針溝の表面側または底面側の一方側からセレクタに作用する選針アクチュエータと、該針溝の他方側からセレクタに作用する復帰および分岐カムとを有し、
    選針アクチュエータは、電磁的な吸着状態の解除の有無に基づいて編針を選針するための吸着面を備え、
    復帰および分岐カムは、セレクタを針溝内で該一方側に押込んで選針アクチュエータの吸着面に吸着される吸着状態に復帰させてから、選針アクチュエータによる選針結果に応じて異なる経路に分岐するようにセレクタを案内し、
    セレクタは、基体と、バットと、接極子と、弾性脚片と、分岐突起とを有し、
    基体は、歯口に進退する方向に、大略的に直線状に延びる形状を有し、選針結果に応じて、編針を歯口に向って進出するように押すことが可能な先端部と、該一方側で該吸着面よりも尾端側の表面に当接して、吸着解除の釈放状態では該表面から離れる尾端部とを有し、
    バットは、基体の先端部付近で、先端部から尾端部側に間隔をあけた位置を基部として、基部からキャリッジ側に向って頭部が突出し、
    接極子は、基体の先端部と尾端部との中間付近よりも尾端部寄りの位置で、基体から該一方側に向って突出するように立設され、頭部が選針アクチュエータの吸着面に吸着されると吸着状態となり、該頭部が該吸着面から離れると釈放状態となり、
    弾性脚片は、基部から頭部まで突出するバットの途中から、基体とほぼ平行に、基体の中間付近まで延出されて、先端が該一方側に湾曲して、選針アクチュエータの吸着面よりも先端部側の位置で該一方側の表面に当接し、
    分岐突起は、基体の尾端部と接極子との間で該他方側に向って突出して、復帰および分岐カムの作用を受ける、
    ことを特徴とする横編機の選針装置。
  2. 前記セレクタの前記バットと前記接極子との中間付近で、前記他方側から前記基体を臨む位置に設けられ、接極子の前記吸着状態では基体の他方側から離れ、前記釈放状態で基体の他方側に当接して、接極子および基体の前記尾端部が前記一方側から離れるように回転する際の支点となる支点部材をさらに含み、
    前記選針機構には、該一方側に、前記吸着面で接極子の吸着状態が切換えられる位置付近で、前記弾性脚片のたわみを大きくして弾発力を増大させるように、前記弾性脚片の先端を押圧してばね支点となる、ばね支点カムが設けられる、
    ことを特徴とする請求項1記載の横編機の選針装置。
  3. 前記選針機構は、
    前記選針アクチュエータの吸着面で、前記セレクタの接極子を吸着し、予め定める釈放位置でのみ、該接極子の吸着状態を解除可能であり、
    前記復帰および分岐カムは、選針アクチュエータによる接極子への吸着状態へセレクタを復帰させるとともに、釈放位置での吸着状態の解除の有無に応じて、前記分岐突起を異なる経路に案内してセレクタを分岐させる、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の横編機の選針装置。
  4. 前記選針アクチュエータは、前記釈放位置を、前記走行方向に間隔をあけて複数有し、
    前記復帰および分岐カムは、接極子の吸着状態を解除する釈放位置に応じて、前記セレクタを異なる経路に分岐させ、
    復帰および分岐カムによって異なる経路に分岐するように案内されたセレクタのバットに作用して、セレクタを異なる選針位置に導く選針カムを、
    さらに含むことを、特徴とする請求項3記載の横編機の選針装置。
  5. 横編機の針床に対して往復走行するキャリッジに搭載され、針溝の表面側または底面側の一方側に臨む選針アクチュエータと針溝の他方側に臨む復帰および分岐カムとを含む選針機構での選針結果を編針に反映させるために、針溝で編針の尾端側に臨むように収容されるセレクタにおいて、
    基体と、バットと、接極子と、弾性脚片と、分岐突起とを有し、
    基体は、先端部から尾端部まで、大略的に直線状に延びる形状を有し、
    バットは、基体の先端部付近で、先端部から尾端部側に間隔をあけた位置を基部として、基部から基体の延びる方向に直交する一方向に頭部が突出し、
    接極子は、基体の先端部と尾端部との中間付近よりも尾端部寄りの位置で、基体から該一方向側に向って突出するように立設され、
    弾性脚片は、基部から頭部まで突出するバットの途中から、基体とほぼ平行に、基体の中間付近まで延出されて、先端が接極子よりも先端側で該一方向側に湾曲し、
    分岐突起は、基体の尾端部と接極子との間で、該一方向と反対の他方向側に向って突出する、
    ことを特徴とするセレクタ。
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