JPWO2011027443A1 - 殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法 - Google Patents

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Abstract

組織が滑らかで風味がよく、離水が起こりにくく、pHや酸度の低下が起こりにくく、賞味期限が長い殺菌タイプのフレッシュチーズを提供することを目的とし、次の工程(a)〜(d)(a)乳原料を凝乳させてカードを得る工程(b)カードに安定剤を添加する工程(c)カードを加熱して殺菌する工程(d)カードからホエーを分離してチーズカードを得る工程を含むことを特徴とする殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法を提供する。

Description

本発明は、殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法に関し、更に詳細には、組織が滑らかで風味がよく、離水が起こりにくく、pHや酸度の低下も起こりにくい、賞味期限が長い殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法に関する。
フレッシュチーズは、乳原料を乳酸菌、レンネット、酸等により凝乳させて得られるカードからホエーを分離して得られ、熟成を行わないタイプのチーズである。このようなフレッシュチーズとしてはフロマージュブラン、クワルク、カッテージチーズ、マスカルポーネ、リコッタ、モッツァレラ等が知られている。
このようなフレッシュチーズの中でもフロマージュブラン等は乳酸菌または乳酸菌とレンネットを併用して乳原料を凝乳させたものであり、低脂肪で、ヨーグルトと比較してチーズのまろやかな風味があり組織もなめらかである。そのためフロマージュブラン等はヨーロッパでは、パンに塗られたり、蜂蜜やジャムをかけてデザートとして食したり、ケーキなどのお菓子作りに利用され、よく知られるチーズである。
しかし、フロマージュブラン等は乳酸菌が生存しているため保存中にpH、酸度、風味の変化が発生するため賞味期限は一般的に短い。近年、フロマージュブラン等のフレッシュチーズはフランス等から航空便で日本に輸入されているが、賞味期限の短さと、価格が高い点などから、日本での流通量は少ない。
また、フロマージュブラン等を入手することができたとしても、このものは乳酸菌が生存しているため百貨店等の菌的制約のある場所で販売される洋菓子等に利用することも難しい。
そこで、上記菌的制約をなくすために、フロマージュブラン等に殺菌処理を行うことが考えられるが、フロマージュブラン等に通常の殺菌処理である加熱殺菌を行うとβラクトグロブリンなどのホエータンパク質が熱変性し、カゼインミセル表面に結合しカゼインミセルの構造が、加熱前と変化してしまうことで、特徴とする滑らかな食感が失われて商品価値が激しく低下する。このためフロマージュブラン等に加熱殺菌を行うことが難しかった。
ところで、フレッシュチーズに殺菌処理を施す方法として、フレッシュチーズを加熱変性が起きないように加温し、攪拌して液状化し、粘度を40℃で50ポアズ以下にする工程、この工程の前または後にハイメトキシルペクチンを加える工程、pHを3.5〜4.6に調整後、均質化し、次いで加熱殺菌処理を行う工程からなる殺菌フレッシュチーズの製造法が報告されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法は一度製造したフレッシュチーズに加温、液状化、加熱殺菌処理、pH調整等の多種の工程を行うため良好な組織や風味が得られにくく、現実的に良好な組織や風味を有する殺菌タイプのフレッシュチーズを得るためには、ハイメトキシルペクチンの添加量を増やすことや、チーズカードの物性を調整するため、ゲル化剤等の安定剤を併用する方策をとらなければならないという問題もあった。
特開平5−252866号公報
従って、本発明の課題は、簡便な工程で、組織が滑らかで風味がよく、離水が起こりにくく、pHや酸度の低下も起こりにくい、賞味期限が長い殺菌タイプのフレッシュチーズを提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、乳原料を凝乳させて得られるカードに安定剤を加えてから加熱殺菌を行った後、ホエーを分離してチーズカードを得ることにより、上記課題を解決した殺菌タイプのフレッシュチーズが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は次の工程(a)〜(d)
(a)乳原料を凝乳させてカードを得る工程
(b)カードに安定剤を添加する工程
(c)カードを加熱して殺菌する工程
(d)カードからホエーを分離してチーズカードを得る工程
を含むことを特徴とする殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法である。
また、本発明は上記殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法で製造される殺菌タイプフレッシュチーズである。
本発明の殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法によれば、簡便な工程で、組織が滑らかで風味がよく、離水が起こりにくく、pHや酸度の低下も起こりにくい、賞味期限が長い殺菌タイプのフレッシュチーズが得られる。
上記フレッシュチーズはチーズ中の乳酸菌が殺菌されていて賞味期限も長いため、菌的制約のある百貨店で販売される洋菓子に用いたり、一般的なスーパーで取り扱うことができるようになり、市場が拡大することが期待される。
本明細書においてフレッシュチーズとは、乳原料を乳酸菌、レンネット、酸またはこれらの組み合わせにより凝乳させて得られるカードからホエーを分離して得られる熟成を行わないタイプのチーズである。このようなフレッシュチーズとしてはフロマージュブランおよびクワルク等が挙げられる。また、本明細書において殺菌タイプとは、製造直後のフレッシュチーズ中の一般生菌数が、長期間保存しても、劣化しないレベル、例えば、1000個/g以下、好ましくは300個/g以下にまで殺菌されているものをいう。なお、この一般生菌数は、例えば、標準寒天培地を利用して測定することができる。また、国によっては殺菌タイプのフレッシュチーズは、フレッシュチーズと呼べない場合がある。その場合には、この殺菌タイプのフレッシュチーズはフレッシュチーズ様食品として取り扱う。
本発明の殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法(以下、単に「本発明製法」という)の工程(a)は乳原料を凝乳させてカードを得る工程である。この工程(a)で用いられる乳原料や凝乳の方法は、目的とするフレッシュチーズの種類にあわせて公知の乳原料や凝乳方法(ナチュラルチーズ製造技術マニュアル:社団法人中央酪農会議、財団法人蔵王酪農センター)を採用して行えばよい。
本発明製法の工程(b)はカードに安定剤を添加する工程である。この工程(b)で用いられる安定剤は、酸性条件下でタンパク質の凝集を防ぐ作用を有するものであり、例えば、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類等が挙げられる。これらの安定剤の中でもハイメトキシルペクチンが好ましい。これら安定剤はカード100gに対し、0.05〜0.5g、好ましくは0.1〜0.25gで添加する。安定剤の添加量がこの範囲より多いとチーズカードの食感が重くなる。また、安定剤のカードへの添加方法は特に制限されず、カード中に直接安定剤を投入しても良いし、水に分散させ安定剤溶液として投入してもよい。
なお、この工程(b)で安定剤をカードに添加後、よく混合した後、後記する工程(c)の加熱殺菌にあわせた温度、好ましくは50〜80℃程度に予備加熱をした後、均質化しておいてもよい。
本発明製法の工程(c)はカードを加熱して殺菌する工程である。この工程(c)で加熱殺菌は、乳酸菌等が殺菌される条件、例えば、63℃で30分間(LTLT殺菌)またはこれと同等の殺菌条件以上、好ましくは72℃で15秒間(HTST殺菌)またはこれと同等の殺菌条件以上で行われる。
なお、この工程(c)後は、後記する工程(d)でカードからホエーを分離する時の温度と同じ温度まで冷却することが好ましい。
本発明製法の工程(d)はカードからホエーを分離してチーズカードを得る工程である。この工程(d)でホエーの分離は公知の分離手段、例えば、布袋等やモールド等にカードを入れて脱水、遠心分離機による遠心分離、限外ろ過(UF)膜や精密ろ過(MF)膜等による分子分画で行うことができる。これらの分離手段の中でも後記する工程(e)の充填まで高い温度で維持できること、得られるフレッシュチーズの食感等に優れること、チーズカードの収率が高いこと等から、分画分子量が10,000〜150,000、好ましくは50,000〜150,000の限外ろ過膜または細孔径が0.1〜0.5μm、好ましくは0.1〜0.2μmの精密ろ過膜による分子分画が好ましい。これらのろ過膜を用いる濃縮装置は適宜選択することができ、好ましくはクロスフローろ過装置である。また、このホエーの分離の程度は目的とするフレッシュチーズの種類によっても異なるが、例えば、カードの全固形分がろ過前の1.1〜3.0倍、好ましくは1.5〜2.2倍となるまで行う。更に、このホエーの分離は10〜85℃、好ましくは60〜75℃で行う。
なお、この工程(d)後は、目的とするフレッシュチーズの種類によってはクリーム等の脂肪分や、フルーツ、製菓等のソースや具材などの添加を行うこともできる。
上記で得られたチーズカードは、容器に充填する工程(工程(e))を行っても良い。この工程(e)で用いられる容器としては特に制限されないが、例えば、ポリプロピレン製等のカップ容器やピロー包装が挙げられる。また、これら容器へのチーズカードの充填方法は特に制限されないが、ホット充填、冷却充填等が挙げられ、特に、充填時の飛込み菌や容器等が殺菌され汚染リスクの低減、副原料とチーズカードの混合時にも同様に衛生的な環境が得られる、製品の賞味期限を長くできることからホット充填が好ましい。このホット充填を行う際の温度としては、55〜85℃、好ましくは60〜75℃である。
上記チーズカードを充填後の容器はアルミ等の素材のフィルムでシールをし、10℃以下で冷蔵すればよい。
なお、本発明製法は全ての工程を、自動装置化し無菌的に行うことが好ましい。
以上説明した、本発明製法は上記したフレッシュチーズは勿論のこと、乳酸菌の殺菌を、組織の変化や風味等を損なうことなく行うことができるので、例えば、フロマージュブラン、クワルク等のように、少なくとも乳酸菌を凝乳に用い、その乳酸菌が生存し、組織が軟質なフレッシュチーズの製造を目的とすることが好ましい。また、上記フロマージュブラン、クワルク等のフレッシュチーズは、概ね全固形分が5〜30質量%(以下、単に「%」という)程度、全固形分中の脂肪分が0〜40%程度のものである。
具体的に本発明製法でフレッシュチーズとしてフロマージュブランおよびクワルクを製造する態様を以下に挙げる。
まず、生乳または、脱脂乳や脱脂濃縮乳等とクリームなどの脂肪分を組み合わせて、無脂乳固形分が8.0〜16.0%および脂肪分が0〜10.0%となるように標準化した乳原料を均質化、殺菌を行う。このときの殺菌は、乳酸菌単独の場合には72℃で15秒間(HTST殺菌)から120℃〜135℃で1〜3秒間(UHT殺菌)の条件、乳酸菌にレンネットを併用する場合には72〜78℃で15秒間(HTST殺菌)の条件で行う。殺菌後、利用する乳酸菌の最適な発酵温度まで冷却する。ここで用いられる乳酸菌としては、例えば、ラクトコッカス ラクチス サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)、ラクトコッカス ラクチス サブスピーシーズ ラクチス(Lactococcus lactis subsp. lactis)、ロイコノストック メセンテロイデス サブスピーシーズ クレモリス(Leuconstoc mesenteroides subsp. cremoris)、ロイコノストック シュードメセンテロイデス(Leuconostoc pseudomesenteorides)、ラクトコッカス ラクチス サブスピーシーズ ラクチス バイオバール ジアセチラクチス(Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis)、ストレプトコッカス サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、ラクトバチルス デルブルッキー サブスピーシーズ ブルガリカス(Lactbacillus delbrueckii subsp. bulugaricus)、ラクトバチルス デルブルッキー サブスピーシーズ ラクチス(Lactbacillus delbrueckii subsp. lactis)、ラクトバチルス ヘルベティカス(Lactbacillus helveticus)等の単独または組み合わせが挙げられる。これら乳酸菌を含有する市販のDVSスターターを乳原料に添加する場合には0.001〜0.5%で添加し、使用した乳酸菌の最適な発酵温度でpH3.5〜5.0、好ましくはpH4.30〜4.50となるまで発酵させてカードを得る。このカードを10℃以下まで攪拌しながら冷却し、乳酸菌の発酵を停止させる。冷却したカードに、カードの質量9に対して1の割合で安定剤として1〜2%ハイメトキシルペクチン溶液を添加し、十分に混合させてハイメトキシルペクチンをカード中によく分散させる。分散がされていないとうまく凝集を抑制することができない。その後、カードを50〜70℃に予備加熱し、ホモゲナイザーで均質化を行う。次に、カードを加熱し72℃〜78℃で15秒間以上保持しHTST殺菌を行う。殺菌後、60〜70℃まで冷却し、細孔径0.1μmの精密ろ過(MF)膜を有するクロスフローろ過装置を用いたクロスフローろ過でホエーを取除き、カードの全固形分が濾過前の1.5〜2.2倍となるまで濃縮を行い、チーズカードを得、このチーズカードを60〜70℃の温度を保持したまま容器に充填してフロマージュブラン(クワルク)を得る。容器充填後、容器をアルミ素材等のフィルムでシールし、容器ごとフロマージュブラン(クワルク)を10℃以下まで冷却する。
本発明製法で製造される殺菌タイプのフレッシュチーズは、製造直後は勿論のこと、30日間保存後であっても、組織が滑らかで風味がよく、離水が起こりにくく、pHや酸度の低下も起こりにくい。その結果、このフレッシュチーズは通常の非殺菌タイプのフレッシュチーズと比べて賞味期限が10日以上長くなる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
フロマージュブランの製造(1):
脱脂濃縮乳(無脂肪乳固形分30%、脂肪分0.3%未満)とクリーム(無脂肪乳固形分4.8%、脂肪分47.0%)で、無脂肪乳固形分9.38%および脂肪分3.85%に標準化した。ホモゲナイザーで均質化した後、75℃で15秒間保持しHTST殺菌を行った。次いで20℃に冷却し40kgの殺菌乳を準備した。市販のチーズ用乳酸菌DVSスターター(ラクトコッカス ラクチス サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis subsp. cremoris)およびラクトコッカス ラクチス サブスピーシーズ ラクチス(Lactococcus lactis subsp. lactis):クリスチャン・ハンセン社製)を0.01%添加し、20℃でpH4.5となるまで19時間30分発酵させてカードを得た。このカードを10℃以下にプロペラで攪拌しながら冷却し、乳酸菌の発酵を停止させた。冷却したカードに、カードの質量9に対して1の割合で2.0%ハイメトキシペクチン溶液を添加し、十分に混合させてハイメトキシルペクチンをよく膨潤させた。その後、カードを60℃に予備加熱し、ホモゲナイザーで圧力100kg/cmにて均質化し、均質化後タンクを75℃まで加熱し、それを15秒間保持してバッチ殺菌を行った。バッチ殺菌後、65℃まで温度を下げ、60℃〜70℃の温度を保持したまま細孔径が0.1μmの精密ろ過膜を有する濃縮装置を用いたクロスフローろ過を行い、カードの全固形分が濾過前の2倍となるまで濃縮を行い、チーズカードを得、このチーズカードを65℃の温度を保持したまま容器に充填してフロマージュブランを得た。容器充填後、フロマージュブランを7℃以下まで冷却し、30日間保存した。保存前のフロマージュブランを標準寒天培地およびBCP加プレートカウント寒天培地で培養し、一般生菌数および、乳酸菌数を計測した。また、保存前後のフロマージュブランのpHと酸度の測定を乳酸表示表で行った。更に、組織・風味の評価を自由評価した。
標準寒天培地による試験の結果、保存前のフロマージュブランの一般生菌数は30個/gであり、BCP加プレートカウント寒天培地による試験の結果、保存前のフロマージュブランの乳酸菌数は30個/gであったことを確認した。また、このフロマージュブランの保存前のpHは4.46、酸度は0.90であり、チーズカードの組織はなめらかで、硬さも良好であった。更に、30日保存後のフロマージュブランのpHは4.45、酸度は0.90であり、乳酸菌の増殖によるpHおよび酸度の上昇は認められなかった。また更に、30日保存後のフロマージュブランは、風味良好で、離水もなく、組織がなめらかで、硬さも良好であった。
実 施 例 2
フロマージュブランの製造(2):
実施例1において、バッチ殺菌後、15℃まで温度を下げ、15℃を保持したまま細孔径が0.1μmの精密ろ過膜を有する濃縮装置を用いたクロスフローろ過を行い、カードの全固形分が濾過前の2倍となるまで濃縮を行い、チーズカードを得、このチーズカードを15℃の温度を保持したまま容器に充填する以外は実施例1と同様にしてフロマージュブランを得た。
このフロマージュブランは実施例1で得られたものとほぼ同様の性質であった。
実 施 例 3
フロマージュブランの製造(3):
実施例1において、バッチ殺菌後、65℃まで温度を下げ、60℃〜70℃の温度を保持したまま6,000rpmで5分間遠心分離を行う以外は実施例1と同様にしてフロマージュブランを得た。
このフロマージュブランは、実施例1で得られたものと比較してタンパク質の凝集抑制効果がやや劣り組織が多少ざらつき粉っぽさを感じることがあった。また、チーズカードの一部が強く凝集しカードを攪拌しても均一に混ざらないことがあり、保存中の離水もやや多かった。しかし、後記する比較例1で得られたフロマージュブランと比べれば、遙かに良好なものであった。
実 施 例 4
フロマージュブランの製造(4):
実施例1において、バッチ殺菌後、10℃まで温度を下げ、10℃を保持したまま6,000rpmで5分間遠心分離を行い、カードの全固形分が濾過前の2倍となるまで濃縮を行い、チーズカードを得、このチーズカードを10℃を保持したまま容器に充填する以外は実施例1と同様にしてフロマージュブランを得た。
このフロマージュブランは、実施例1と同等に滑らかで良好な組織であったが、保存中に多少離水が発生した。
比 較 例 1
フロマージュブランの製造(5)
実施例1において、カードにハイメトキシペクチンを添加しない以外は実施例1と同様にしてフロマージュブランを得た。
このフロマージュブランは、安定剤としてハイメトキシペクチンを添加していないため、タンパク質の変性による凝集が進み、ボソボソとした組織となり口に含んだ際にザラツキを感じ、フロマージュブランの特徴である滑らかさが失われた状態であった。
本発明の殺菌タイプのフレッシュチーズの製造方法によれば、組織が滑らかで風味がよく、離水が起こりにくく、pHや酸度の低下が起こりにくく、賞味期限が長い殺菌タイプのフレッシュチーズが得られる。
従って、このフレッシュチーズは百貨店で販売される洋菓子や、賞味期限の関係で取り扱いが少なかった一般的なスーパーで取り扱うことができるようになる。

Claims (9)

  1. 次の工程(a)〜(d)
    (a)乳原料を凝乳させてカードを得る工程
    (b)カードに安定剤を添加する工程
    (c)カードを加熱して殺菌する工程
    (d)カードからホエーを分離してチーズカードを得る工程
    を含むことを特徴とする殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法。
  2. 工程(a)において乳原料の凝乳を少なくとも乳酸菌を用いて行うものである請求項1記載の殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法。
  3. 工程(b)において安定剤がハイメトキシルペクチンである請求項1記載の殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法。
  4. 工程(c)においてカードの殺菌を63℃で30分間(LTLT殺菌)またはこれと同等の殺菌条件以上で行うものである請求項1記載の殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法。
  5. 工程(d)においてカードからのホエーの分離を限外ろ過膜または精密ろ過膜で行うものである請求項1記載の殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法。
  6. 更に、工程(e)
    (e)チーズカードを容器に充填する工程
    を含む請求項1記載の殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法。
  7. 工程(e)におけるチーズカードの容器への充填を55〜85℃で行うものである請求項6記載の殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法。
  8. 請求項1ないし7の何れかに記載の殺菌タイプフレッシュチーズの製造方法で製造される殺菌タイプフレッシュチーズ。
  9. フロマージュブランおよびクワルクである請求項8記載の殺菌タイプフレッシュチーズ。
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