JPWO2011024276A1 - クロロシランの精製方法 - Google Patents

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Abstract

ボロン化合物を含有する粗クロロシランを精製する方法であって、ボロン化合物を含有するクロロシランを、イオン交換樹脂に接触させる工程とシリカ系吸着剤に接触させる工程とを含んでなることを特徴とするクロロシランの精製方法が開示される。粗クロロシランをイオン交換樹脂に接触させた後にシリカ系吸着剤に接触させるのが好ましい。またシリカ系吸着剤はシリカゲルが好ましく、イオン交換樹脂は一般式:-CH2NR1R2(ここで、R1等は明細書に定義した通り)で示される官能基を有するものが好ましい。

Description

本発明は、クロロシランの精製方法に関する。
テトラクロロシラン(SiCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、ジクロロシラン(SiHCl)などのクロロシランは、半導体用多結晶シリコン、太陽電池用モノシラン、液晶等の製造原料等として使用されている。かかるクロロシランは、例えば「金属シリコン」と呼ばれる冶金級の低純度シリコンをHCl等で塩素化することにより製造される。
このようにして製造されるクロロシラン中には、金属シリコンに由来する不純物金属元素などが不可避的に含まれる。よって、得られたクロロシランを蒸留によって精製して不可避不純物を可及的に除去して高純度クロロシランとした後、半導体用多結晶シリコン、モノシラン等の原料として使用している。
ところで、金属シリコン中には、ボロン化合物が数百ppbw〜数百ppmwの割合で含まれているが、ボロンはP型アクセプターとなり、多結晶シリコン、モノシラン等の特性に支障をきたす。このため、ボロン化合物を含有するクロロシラン(以下、粗クロロシランとも言う)からボロン化合物を可及的に除去することが望まれるが、ボロン化合物は、その沸点がクロロシランの沸点に比較的近いことから、蒸留によって分離することは難しく、クロロシランの汚染原因となりやすい。
そこで、粗クロロシラン中のボロン化合物を除去するための様々な方法が従来から提案されている。例えば、粗クロロシランを蒸留する際に塩化シラン系ポリマーを添加する方法(特許文献1参照)、気相においてシリカ固定床に粗クロロシランを通過させる方法(特許文献1参照)、ニトリル担持ゼオライトに粗クロロシランを通過させる方法(特許文献3参照)が挙げられる。
しかしながら、粗クロロシランを蒸留する方法では、蒸留操作が物質間の沸点の差を利用する分離法であるため、沸点の近い物質の分離には不適である。例えばジクロロシランと三塩化ホウ素の大気圧下での沸点はそれぞれ約8℃ と約12℃であり、比較的近い。このため、ジクロロシラン中の三塩化ホウ素を除去させるためには、棚段数を多くした蒸留塔を幾本も通す必要があり、多大のエネルギー消費が不可欠となる。特許文献1に開示されたように、粗クロロシランの蒸留の際に塩化シラン系ポリマーを添加した場合でも、かかる事情は変わらない。
また、特許文献2に記載されたようなシリカ固定床を通過させる方法では、シリカの入れ替え頻度が高く、ランニングコストが増大し、工業化に不向きであった。
また、特許文献3に記載されたようなニトリル担持ゼオライトに粗クロロシランを通過させる方法では、吸着剤の入れ替え等にコストがかかる上、吸着剤からの汚染が考えられるという問題があった。
特開2007−1791号公報 特開昭59−83925号公報 特開昭61−197415号公報
よって、本発明の目的は、粗クロロシランからのボロン化合物の除去を、高い除去率で行うことができ、工業化に好適な粗クロロシランの精製方法を提供することにある。
本発明者等は、上記技術課題を解決すべく鋭意検討を行ってきた。その結果、ボロン化合物を含有する粗クロロシランをイオン交換樹脂とシリカゲルに接触させることにより、不純物として含有されるボロン化合物を高度に除去することができ、また、ボロン吸着剤の入替え頻度を低減し、安定して効率よく精製を行うことが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、一態様では、本発明は、ボロン化合物を含有する粗クロロシランを精製する方法であって、
粗クロロシランをイオン交換樹脂に接触させる工程と
粗クロロシランをシリカ系吸着剤に接触させる工程と
を含んでなる方法に関する。
他の態様では、本発明は、ボロン化合物を含有する粗クロロシランをイオン交換樹脂に接触させた後にシリカ系吸着剤に接触させる、粗クロロシランの精製方法に関する。
一実施態様では、各接触工程において、クロロシランは、含水率2%以下に管理したイオン交換樹脂及び/又はシリカゲルに接触させる。一実施態様では、イオン交換樹脂は、一般式(1)
-CHNR (1)
(ここで、R、Rは独立して水素又はアルキル基を表す)
で示される官能基を有する。他の実施態様では、シリカ系吸着剤は、任意に200個サンプリングした粒子の75%以上が40〜1000μmの粒子径範囲内にあり、50%表面積平均粒子径が300μm以下である。また、BETでの比表面積が450m/g以上を有するシリカゲルである。尚、ここで言う粒子径は顕微鏡で測定したシリカゲルの投影面積と等しくなる円相当径である。
本発明の一態様に係るクロロシランの精製方法によれば、煩雑な蒸留操作を必要とせず、吸着操作のみによってボロン化合物を十分に除去することができる。また、吸着層の破過時間を十分に確保して吸着剤の交換頻度を低減させることができるため、低コストでの精製が実施でき、工業化に適している。
本発明の一実施態様に係るクロロシランの精製方法を実施するための設備のフロー図である。
本発明において、精製の対象となる粗クロロシランは、ジクロロシラン(SiHCl)、トリクロロシラン(SiHCl)、テトラクロロシラン(SiCl)等より選ばれる一種のクロロシラン又は二種以上のクロロシラン混合物にボロン又はボロン化合物が不可避的に含まれているものをいう。かかる粗クロロシランとしては、冶金級シリコンを塩素化すること等により得られる粗クロロシランが例示され、該粗クロロシランでは、ジクロロシラン、トリクロロシラン及びテトラクロロシランを主とする混合物にボロン化合物が不可避的に含まれている。
本発明において、粗クロロシランに不可避的に含有されているボロン化合物は、その形態に限定はないが、冶金級シリコンを塩素化すること等により得られる粗クロロシランに含有されるボロンは、三塩化ホウ素、四塩化二ホウ素等の各種塩化物の形態で含有される場合が多い。含まれるボロン化合物の量はまちまちであるが、上記粗クロロシラン中には、通常、数ppbw〜数ppmwのボロン化合物が残留している。
本発明の精製方法の一実施形態では、冶金級シリコンを塩素化すること等により得られる上記ボロン化合物を含有する粗クロロシランを、イオン交換樹脂とシリカゲルの二種の吸着剤に接触させて、粗クロロシラン中のボロン化合物を低減又は除去し、高純度精製クロロシランを得る。かかる精製方法によれば、数ppbw〜数ppmwのボロン化合物が残留している前述の如くの粗クロロシラン中のボロン濃度を1ppbw以下とすることができる。
ここで、粗クロロシランをイオン交換樹脂及びシリカゲルの何れに最初に接触させるかは任意であり、イオン交換樹脂に最初に接触させた後にシリカゲルに接触させても、シリカゲルに最初に接触させた後にイオン交換樹脂に接触させても構わない。しかしながら、本発明者等は、種々のイオン交換樹脂と種々の特性のシリカゲルを組み合わせて鋭意検討した結果、イオン交換樹脂はボロン吸着能力が比較的低いが、ボロン吸着量は多く、一方、シリカゲルはボロン吸着能力が高いが、ボロン吸着量は比較的少ないことを知見した。よって、高純度の精製を長期に維持するためには、粗クロロシランを、イオン交換樹脂、シリカゲルの順に接触させることが望ましい。
使用されるイオン交換樹脂としては、粗クロロシランからボロン化合物をイオン交換除去できるものであれば、基材、官能基等については如何なるものでもよいが、本発明者等が鋭意検討した結果、スチレン単位を有する架橋重合体からなる基材等に、一般式(1):
-CHNR (1)
(上式中、R、Rは水素、アルキル基(炭素数は1〜3が望ましく、特に炭素数1が望ましい)を表す)
で表される官能基を結合してなる陰イオン交換樹脂を好適に使用できることが分かった。またかかる陰イオン交換樹脂においても、BETでの比表面積が15m/g〜20m/g、水銀圧入法での細孔容積が0.5〜1.0ml/gである、スチレン単位を有する架橋共重合体からなる弱塩基性陰イオン交換樹脂が特に好ましいことが分かった。このような弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、例えば、ローム・アンド・ハース社製の「アンバーリストA−21」(登録商標)、三菱化学社製の「ダイヤイオンWA−30」(登録商標)が挙げられる。
使用されるシリカゲルとしては、粗クロロシランからボロン化合物を除去できるものであれば如何なるものでもよいが、本発明者等が鋭意検討した結果、粒子の75%以上が40〜1000μmの粒子径範囲内にあり、50%表面積平均粒子径が300μm以下、BETでの比表面積が450m/g以上のシリカゲルが好ましいことが分かった。シリカゲルの粒子径が大き過ぎると粗クロロシランとの接触面積が小さくなり、吸着効率が低下する。逆に、粒子径が小さい場合は粗クロロシランとの接触面積は大きくなるが、シリカゲル充填層を固定するためのフィルターのメッシュが細かくなり、粗クロロシランを流したときの圧損が増大し、系内へシリカゲルの微粉が混入してしまう不具合が生じる。比表面積の増大に伴い、固液界面が大きくなり、ボロン除去効率が向上する。シリカゲルが好ましいのは、シリコン系の化合物であり、また高純度品の入手も容易であり、高純度クロロシランの品質低下を発生させないからである。
かかるシリカゲルとしては、例えば、和光純薬工業株式会社製の「ワコーゲルC−100」(登録商標)、メルク社製「Grade9385」、「Grade7734」(何れも商標)が挙げられる。
また、上記において、イオン交換樹脂及びシリカゲルの含水率は共に2%以下に調整したものが望ましい。含水率が2%以上であると、イオン交換樹脂の熱劣化、析出シリカによる系内閉塞を生じ、長期安定運転が困難となるためである。
また、粗クロロシランをイオン交換樹脂やシリカゲルのような吸着剤に接触させる方法は、例えば、吸着剤を充填した充填塔や容器内に粗クロロシランを通す方法や、粗クロロシランを貯蔵している容器内に吸着剤を投入する方法などがあり、特に限定するものではないが、経済性や操作性の面からは、吸着剤を充填した充填塔などに粗クロロシランを通す方法が好ましい。
図1は、本発明の一実施態様に係るクロロシランの精製方法を実施するための設備の一例を示すフロー図であり、図中、1は第一充填塔(内径:10.3mm;充填高さ:2400mm)、2は第二充填塔(内径:10.3mm;充填高さ:1200mm)である。第一充填塔1には、例えばスチレン単位を有する架橋共重合体からなり前記式(1)の官能基を有する弱塩基性陰イオン交換樹脂からなる吸着剤が充填されており、該充填塔1の底部に粗クロロシランの供給管3が接続されている。一方、第二充填塔2には、粒子の75%以上が40〜1000μmの粒子径範囲内で、50%表面積平均粒子径が300μm以下、BETでの比表面積が450m/g以上のシリカゲルからなる吸着剤が充填されており、該充填塔2の底部に第一充填塔1の塔頂部から延出した接続管4が接続され、また該充填塔2の塔頂部から精製クロロシランの抜出し管5が延設されている。
かかるクロロシラン精製設備においては、供給管3を通じて粗クロロシランが第一充填塔1に連続的に供給されると、粗クロロシランは、第一充填塔1内に充填された弱塩基性陰イオン交換樹脂層を通過し、その間にボロン化合物がイオン交換樹脂に吸着除去された後、第一充填塔1から接続管4を経て第二充填塔2に流入させられ、そこでシリカゲルによってボロン化合物が更に吸着除去され、抜出し管5を経て精製クロロシランとして連続的に回収される。
かかるクロロシラン精製設備では、粗クロロシランは、最初に弱塩基性陰イオン交換樹脂層を通過した後、シリカゲル層を通過するため、粗クロロシランからのボロン化合物の除去を、高い除去率で簡易に行うことができる。
上記の例では、二基の充填塔を用いて、一基をイオン交換樹脂層とし、他の一基をシリカゲル層としたが、一基の充填塔内に仕切りを設けて塔下方部をイオン交換樹脂充填層、塔上方部をシリカゲル充填層として構成してもよい。更には、ボロン化合物以外の不純物の除去等を併せて行うために、他の精製設備を前後に設けてもよい。
更に、上記実施形態では、吸着剤の一方としてシリカゲルを用いたが、所望の品質のものが入手できるのであれば、シリカゲル以外のシリカ系吸着剤、例えば特許文献2に開示されているような、シリカ粉末、ヒュームドシリカ、無定形シリカ、沈降シリカ等を利用することもできる。シリコン系の化合物からなる吸着剤であれば、高純度クロロシランの品質低下を発生させないからである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されるものではない。
<実施例1>
ボロン濃度3000ppbwの粗トリクロロシランを、イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製の「アンバーリストA−21」(登録商標))とシリカゲル(和光純薬工業株式会社製の「ワコーゲルC−100」(登録商標)(粒子の75%以上が100〜450μmの粒子径範囲内にあり、50%表面積平均粒子径254μm、細孔径70Å、比表面積450m/g)の充填層(イオン交換樹脂充填量=72g、シリカゲル充填量=55g)に135g/hrの流量で通過させた。また、イオン交換樹脂の含水率は1.7%、シリカゲルの含水率は1.5%のものを使用した。また充填層の上流側にイオン交換樹脂を、下流側にシリカゲルを充填した。
トリクロロシランが充填層を通過してから1時間後、イオン交換樹脂、シリカゲル充填層前後のトリクロロシランをサンプリングし、含有ボロン濃度を誘電結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)にて測定した。また、充填層出口のトリクロロシラン中のボロン濃度が1ppb以上となった時点を破過とし、破過時間を測定した(*1)。結果を表1に示す。
Figure 2011024276
表1から分かるように、ボロン濃度3000ppbwの粗トリクロロシランをイオン交換樹脂及びシリカゲルに接触させることで、1ppbw以下の高純度クロロシランを得ることができた。また、破過までに90日を確保することができた。
<比較例1>
ボロン濃度3000ppbwの粗トリクロロシランをイオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製の「アンバーリストA−21」(登録商標))の充填層(イオン交換樹脂充填量=108g)に135g/hrの流量で通過させた。また、イオン交換樹脂の含水率は1.7%のものを使用した。
トリクロロシランが充填層を通過してから1時間後、イオン交換樹脂充填層前後のトリクロロシランをサンプリングし、含有ボロン濃度を誘電結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)にて測定した。また、充填層出口のトリクロロシラン中のボロン濃度が2ppbより高くなった時点を破過とし、破過時間を測定した(*2)。結果を表2に示す。
Figure 2011024276
表2から分かるように、ボロン濃度3000ppbwの粗トリクロロシランをイオン交換樹脂に接触させることで、ボロン濃度は2ppbwとなった。イオン交換樹脂とシリカゲルを接触させた場合と比較して、1.5倍の破過時間を確保することができたが、ボロン濃度2ppbwまでと実施例1のイオン交換樹脂とシリカゲルでの除去能力には及ばないことが判明した。
<比較例2>
ボロン濃度3000ppbwの粗トリクロロシランをシリカゲルの充填層(シリカゲル充填量=165g)に135g/hrの流量で通過させた。充填したシリカゲルは、実施例1におけるものと同じく、和光純薬工業株式会社製の「ワコーゲルC−100」(登録商標)で粒子の75%以上が100〜450μmの粒子径範囲内にあり、50%表面積平均粒子径254μm、細孔径70Å、比表面積450m/g、含水率1.5%のものを使用した。
トリクロロシランが充填層を通過してから1時間後、シリカゲル充填層前後のトリクロロシランをサンプリングし、含有ボロン濃度を誘電結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)にて測定した。また、充填層出口のトリクロロシラン中のボロン濃度が1ppb以上となった時点を破過とし、破過時間を測定した(*1)。結果を表3に示す。
Figure 2011024276
表3から分かるように、ボロン濃度3000ppbwの粗トリクロロシランをシリカゲルに接触させることで、1ppbw以下の高純度クロロシランを得ることができた。しかし、比較例1のイオン交換樹脂に接触した場合と比較して、破過時間は1/4程度であることが判明した。
<実施例2>
ボロン濃度790ppmwの粗テトラクロロシラン50gにイオン交換樹脂2.5gを浸漬した。ローム・アンド・ハース社製の「アンバーリストA−21」(登録商標)、ローム・アンド・ハース社製の「アンバーライトIRA−743」(登録商標)の2種類を使用した。
「アンバーリストA−21」(登録商標)は実施例1におけるものと同じもので、「アンバーライトIRA−743」(登録商標)はスチレン単位を有する架橋重合体からなる基材等に、一般式(2):
-CHNCHCH[CH(OH)]CHOH (2)
で表される官能基を結合してなるイオン交換樹脂である。
イオン交換樹脂を浸漬してから12時間後に粗テトラクロロシランをサンプリングし、含有ボロン濃度を誘電結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)にて測定し、イオン交換樹脂のボロン吸着量を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2011024276
表4から分かるように、一般式(1)
-CHNR (1)
(ここで、R、Rは独立して水素、アルキル基を表す)
で示される官能基を有するイオン交換樹脂はボロン吸着量が大きいことが判明した。
<実施例3>
ボロン濃度13〜24ppbwの粗トリクロロシランをシリカゲル充填層(シリカゲル充填量=約30g)に135g/hrの流量で通過させた。充填したシリカゲルの含水率は1.4〜1.7%で、粒子径の異なるものを3種使用した。
トリクロロシランが通過して1時間後、シリカゲル充填層前後のトリクロロシランをサンプリングし、含有ボロン濃度を誘電結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)にて測定した。結果を表5に示す。
Figure 2011024276
表5から分かるように、ボロン濃度13〜24ppbwのトリクロロシランを粒子径範囲の異なるシリカゲルに接触させた際、シリカゲル粒子径を小さくすることでボロン除去効果が向上することが判明した。
<実施例4>
ボロン濃度3000ppbwの粗トリクロロシランを含水率の異なるイオン交換樹脂充填層(イオン交換樹脂充填量=12g;ローム・アンド・ハース社製の「アンバーリストA−21」(登録商標))にフィードし、イオン交換樹脂とクロロシランの初期接触時の発熱を測定した。また、イオン交換樹脂通過前後のクロロシランをサンプリングし、含有ボロン濃度を誘電結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)にて測定し、イオン交換樹脂のボロン吸着量を測定した。結果を表6に示す。
Figure 2011024276
表6から分かるように、樹脂含水率を下げることで、イオン交換樹脂とクロロシランの初期接触時の発熱を抑制する効果が判明した。イオン交換樹脂の含水率を2%以下に管理することで、イオン交換樹脂とクロロシランの初期接触時に樹脂耐熱温度の100℃以下となり、官能基の熱劣化を抑制することができる。イオン交換樹脂とクロロシランの初期接触時における発熱を耐熱温度の100℃以下に抑制することにより、単位樹脂あたりのボロン吸着量を最大限に確保することができる。
<実施例5>
ボロン濃度3000ppbwの粗トリクロロシランを含水率の異なるシリカゲル充填層(シリカゲル充填量=19g;和光純薬工業株式会社製の「ワコーゲルC−100」(登録商標))にフィードした。シリカゲル通過前後のクロロシランをサンプリングし、含有ボロン濃度を誘電結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)にて測定し、シリカゲルのボロン吸着量を測定した。結果を表7に示す。
Figure 2011024276
表7から分かるように、シリカゲルのボロン吸着量に含水率の影響が無いことが判明した。しかし、含水率5.4%のシリカゲル充填層にクロロシランをフィードした際、シリカゲル充填層にシリカが析出し、差圧上昇が見られた。よって、シリカゲルの含水率を2%以下に管理することで、水とクロロシランから生成するシリカを抑制し、安定運転を確保することができる。
<実施例6>
ボロン濃度3000ppbwの粗トリクロロシランをイオン交換樹脂充填層(イオン交換樹脂充填量=12g;ローム・アンド・ハース社製の「アンバーリストA−21」(登録商標))、及び、シリカゲル充填層(シリカゲル充填量=18g;和光純薬工業株式会社製の「ワコーゲルC−100」(登録商標))にそれぞれ3.24kg/dayの流量で通過させた。充填したイオン交換樹脂の含水率は1.7%、シリカゲルの含水率は1.5%のものを使用した。
各充填層の出口クロロシランをサンプリングし、含有ボロン濃度を誘電結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)にて破過時間を測定した。結果を表8に示す。
Figure 2011024276
表8から分かるように、イオン交換樹脂はシリカゲルの4倍近くの期間、ボロンを吸着することが判明した。
1 第一充填塔
2 第二充填塔
3 供給管
4 接続管
5 抜出し管

Claims (5)

  1. ボロン化合物を含有する粗クロロシランを精製する方法であって、
    粗クロロシランをイオン交換樹脂に接触させる工程と
    粗クロロシランをシリカ系吸着剤に接触させる工程と
    を含んでなる方法。
  2. ボロン化合物を含有する粗クロロシランをイオン交換樹脂に接触させた後にシリカ系吸着剤に接触させる、請求項1に記載の精製方法。
  3. 含水率2%以下に管理したイオン交換樹脂及びシリカ系吸着剤にクロロシランを接触させる、請求項1又は2に記載の精製方法。
  4. イオン交換樹脂が、一般式(1)
    -CHNR (1)
    (ここで、R、Rは独立して水素又はアルキル基を表す)
    で示される官能基を有する、請求項1から3の何れか一項に記載の精製方法。
  5. シリカ系吸着剤が、粒子の75%以上が40〜1000μmの粒子径範囲内、300μm以下の50%表面積平均粒子径、450m/g以上の比表面積を有するシリカゲルである、請求項1から4の何れか一項に記載の精製方法。
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