JPWO2011021622A1 - パターン薄膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

ロールツーロール方式で第1電極(陽極)/有機化合物層/第2電極(陰極)で構成する薄膜型の有機ELパネルの有機化合物層や第2電極(陰極)の形成にも使用出来、帯状基材の搬送方向位置に合わせワイヤー状マスクを移動させ、帯状基材上に高精度にパターン薄膜を形成するパターン形成方法を提供するため、連続走行する帯状基材の上に少なくとも1本のワイヤー状マスクを介して、パターン形成物質を蒸着せることにより、少なくとも2条の帯状のパターン薄膜を形成するパターン薄膜形成方法において、前記帯状基材にはアライメント手段が付けられており、前記アライメント手段の位置を検知手段により検知し、前記ワイヤー状マスクの位置を調整しパターン薄膜を形成することを特徴とするパターン薄膜形成方法。

Description

本発明は、連続して搬送する基材に、ワイヤー状マスクを使用してパターン化した帯状の薄膜を形成する方法に関する。
近年、パソコン、PCカード等に搭載するマルチチップモジュール、携帯電話等の移動体通信機器用の電子部品、有機エレクトロルミネッセンスパネル(以下、有機ELパネルとも言う)、有機TFTパネル、有機太陽電池パネル、有機光電変換パネル、有機電子写真用感光体をはじめとした、様々な有機エレクトロニクスパネル等に対して、小型化、軽量化、高密度化、高精細化、高信頼性等の要求が高まってきている。これに伴い、フィルム上にパターン化した金属薄膜を形成したフレキシブルプリント基板における回路の微細化、高密度化更にコストダウンがこれまで以上に求められてきている。
この様なフレキシブルプリント基板の製造方法としては、例えば、特開平6−21620号公報に記載されている様に、高分子フィルム上に金属薄膜を蒸着した後、それを適当な大きさに切断し、レジストを塗布し、パターニングを施したマスクを用いて露光した後、電解液の中に浸して化学的なエッチングによりレジストパターンを除去することにより製造されている。
従来の技術では、金属薄膜形成後のエッチングの際に、電解液などの影響により金属薄膜と高分子フィルムとの界面が浸食され、フレキシブルプリント基板に欠くことの出来ない性能の一つであるそれらの密着性が低下し、上記の微細化、高密度化に対応出来ないと指摘されている。又、従来の方法では、工程が数多く、1度に作製出来る数量が限られ、結果として高価になり、今後大幅なコストダウンは難しい。
この様に、従来の方法に対して量産性が可能な方法が検討されてきた。例えば、帯状支持体と、パターンを形成する手段との間に帯状のパターン形成用マスクを配置し、帯状支持体の搬送速度に同期しにパターン形成用マスクを移動させ、減圧雰囲気中でロールツーロール方式で支持体上にパターンを形成する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特許文献1に記載のパターンを形成する方法は、フレキシブルプリント配線板を連続的に製造する方法としては優れた方法であるが、有機ELパネルの製造に適応した場合、次の様な問題点があることが判った。
1)特に大面積有機ELパネルにおいて、細幅の複数の発光部を平行に並べて直列に繋げた直列型有機ELパネル(図1参照)が、明るさの均一性の観点から効果的である。しかし、発光部間の非発光部を出来るだけ小さくする要望があり、そのためには、下層の電極に対して基材の幅方向(電極の接続方向)にバラツキ100μm以下の高精度なパターン薄膜形成が必須となるが、従来のロールツーロール方式の連続パターン薄膜形成では、精度を出すのが困難である。
2)帯状基材を間欠駆動させ停止状態でパターン薄膜形成することで上記精度を出すことは可能であるが、加工に時間が掛かるためロールツーロール方式の特徴である高生産性を達成出来ない。
3)従来のパターン形成用マスクでは、マスク強度を保ちながら細いマスクを形成することが困難であり、発光部間の非発光部を出来るだけ小さくするために、微細なパターン成膜が出来ない。
この様な状況下において、ロールツーロール方式で第1電極(陽極)/有機発光物質を含有する有機化合物層(単層部又は多層部)/陰極で構成する薄膜型の積層構造(有機EL構造体)を有する有機ELパネルの有機化合物層や第2電極(陰極)の形成にも使用出来、帯状支持体と、パターンを形成する手段との間にワイヤー状のパターン形成用マスクを配置し、帯状支持体の位置に合わせワイヤー状マスクを移動させ、支持体上に高精度にパターン薄膜を形成するパターン薄膜形成方法の開発が望まれている。
特開2000−183500号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、ロールツーロール方式で第1電極(陽極)/有機発光物質を含有する有機化合物層(単層部又は多層部)/第2電極(陰極)で構成する薄膜型の積層構造(有機EL構造体)を有する有機ELパネルの第1電極(陽極)、有機化合物層及び第2電極(陰極)の形成にも使用出来、帯状基材と、パターンを形成する手段との間にワイヤー状のパターン形成用マスクを配置し、帯状基材の位置に合わせワイヤー状マスクを移動させ、帯状基材上に高精度にパターン薄膜を形成するパターン薄膜形成方法を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
1.連続走行する帯状基材の上に少なくとも1本のワイヤー状マスクを介して、パターン形成物質を蒸着させることにより、少なくとも2条の帯状のパターン薄膜を形成するパターン薄膜形成方法において、前記帯状基材にはアライメント手段が付けられており、前記アライメント手段の位置を検知手段により検知し、前記ワイヤー状マスクの位置を調整しパターン薄膜を形成することを特徴とするパターン薄膜形成方法。
2.前記ワイヤー状マスクは、ワイヤー状マスク位置決めロールにより搬送されることを特徴とする1に記載のパターン薄膜形成方法。
3.前記ワイヤー状マスク位置決めロールは前記帯状基材の幅手方向に移動可能であることを特徴とする2に記載のパターン薄膜形成方法。
4.前記帯状基材の上には、少なくともパターン化され配列された複数の薄膜が形成されていることを特徴とする1から3の何れか1項に記載のパターン薄膜形成方法。
5.1から4の何れか1項に記載のパターン薄膜形成方法により、ロールツーロール方式で帯状基材上に、少なくとも第1電極(陽極)/有機発光物質を含有する有機化合物層/陰極の構成を有する有機エレクトロルミネッセンスパネルを製造することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
ロールツーロール方式で第1電極(陽極)/有機発光物質を含有する有機化合物層(単層部又は多層部)/第2電極(陰極)で構成する薄膜型の積層構造(有機EL構造体)を有する有機ELパネルの有機化合物層や第2電極(陰極)の形成にも使用出来、帯状基材と、パターンを形成する手段との間にワイヤー状のパターン形成用マスクを配置し、帯状基材の位置に合わせワイヤー状マスクを移動させ、帯状基材上に高精度にパターン薄膜を形成するパターン薄膜形成方法を提供することが出来た。
本発明のパターン薄膜形成方法により製造された直列型有機ELパネルの一例を示す概略図である。 本発明のパターン薄膜形成方法により製造された他の直列型有機ELパネルの一例を示す概略拡大断面図である。 帯状の可撓性基材を用いたロールツーロール方式による直列型有機ELパネルの製造工程の模式図である。 図3に示す第2電極形成工程に使用している気相堆積装置の模式図である。 図4に示す第1ワイヤー状マスク位置決めロールの拡大概略図である。 図4(a)の基材保持ロールの蒸着源側から見た状態を示す概略拡大平面図である。 図4から図6に示すパターン薄膜形成方法を使用して第2電極(陰極)迄を形成した図1(b)に示す直列型有機ELパネルを製造する図3に示す直列型有機ELパネルの製造工程のドライ成膜工程までのフロー図である。 図4から図6に示すパターン薄膜形成方法を使用して第2電極(陰極)迄を形成した図1(b)に示す直列型有機ELパネルを製造する図3に示す直列型有機ELパネルの製造工程の封止工程から断裁工程までのフロー図である。
本発明の実施の形態を図1から図8を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は本発明のパターン薄膜形成方法により製造された直列型有機ELパネルの一例を示す概略図である。図1(a)は本発明のパターン薄膜形成方法により製造された直列型有機ELパネルの一例を示す概略斜視図である。図1(b)は図1(a)の幅方向の概略拡大側面図である。
図中、1は直列型有機ELパネルを示す。101は光透過性を有する基材を示す。直列型有機ELパネル1は基材101と、第1電極(陽極)102と、有機機能層103と、第2電極(陰極)104と、接着剤層105と、封止層106と、第1電極用外部接続用電極102a1と、第2電極用外部接続用電極104c1を有している。
本図では第1電極(陽極)102が基材101に3列に配置された第1電極(陽極)102aから102cで構成されている状態を示している。第1電極(陽極)を配置する数は特に限定はなく、必要に応じて適宜選択することが可能である。
第1電極(陽極)102aは第1電極用外部接続用電極102a1を形成する部分を含み、第1電極(陽極)102bは第2電極接合部分102b1を含み、第1電極(陽極)102cは第2電極接合部分102c1を含んでいる。第1電極(陽極)102と基材101との間にガスバリア膜(不図示)を設けても構わない。
第2電極用外部接続用電極104c1は第1電極(陽極)102を形成する際に基材101上に第1電極102と分離された位置に形成されたリード部108(図7参照)と第2電極(陰極)104とが接合されることで形成される。
103は3列に配置された第1電極(陽極)102aから102c毎の上に独立に形成されている有機機能層を示す。
有機機能層103は、第1電極(陽極)102aでは第1電極用外部接続用電極102a1を形成する部分を除き、第1電極(陽極)102bでは第2電極(陰極)104と接続する部分102b1を除き、第1電極(陽極)102cでは第2電極(陰極)104と接続する部分102c1を除き形成されている。
第2電極(陰極)104は、第1電極(陽極)102bと、第1電極(陽極)102cと、リード部108(図7参照)と接続する様に、各第1電極(陽極)102aから102cの上に形成された有機機能層103aから103cの上に形成されている。
第1電極(陽極)102a上の有機機能層103aの上の第2電極(陰極)104aは第1電極(陽極)102bの第2電極接合部分102b1と接合する様に形成されている。
第1電極(陽極)102b上の有機機能層103bの上の第2電極(陰極)104bは第1電極(陽極)102cの第2電極接合部分102c1と接合する様に形成されている。
第1電極(陽極)102c上の有機機能層103cの上の第2電極(陰極)104cはリード部108(図7参照)と接合し、第2電極用外部接続用電極104c1を形成する様に形成されている。
第1電極(陽極)102a上の有機機能層103aの上の第2電極(陰極)104aと、第1電極(陽極)102bの上の有機機能層103b上の第2電極(陰極)104bとの間、第1電極(陽極)102b上の有機機能層103bの上の第2電極(陰極)104bと、第1電極(陽極)102cの上の有機機能層103cの上の第2電極(陰極)104cとの間は間隔が開けられ、接着剤層105で接触しない様な構成となっている。
接着剤層105は第1電極用外部接続用電極102a1の一部と、第2電極用外部接続用電極104c1の一部とを除き第2電極(陰極)104の上に設けられている。
封止層106は接着剤層105の上に封止部材を貼着することで設けられている。
直列型有機ELパネルの課題として、複数の発光部の間に未発光部が形成されることが挙げられており、この未発光部の大きさ(幅)を小さくすることが求められている。小さい未発光部で短絡させずに、第2電極と隣接する第1電極の第2電極接合部分を確実に接合するために、特に基材の幅方向(電極の接続方向)に高精度なパターン薄膜形成が求められている。
又、小さい未発光部で短絡させずに、第2電極と隣接する第1電極の第2電極接合部分を確実に接合するためには、微細なパターン薄膜形成が求められるが、マスクの幅と厚みは同等な大きさが必要であり、マスク強度を保ちながら細いマスクを形成することは困難であり、マスクの細さは100μm程度が限界になっている。このことが微細なパターン薄膜形成の障害になっており、より細いマスクによる微細なパターン薄膜形成が求められている。
図2は本発明のパターン薄膜形成方法により製造された他の直列型有機ELパネルの一例を示す概略拡大断面図である。
(a)に示される直列型有機ELパネル1′に付き説明する。
図1に示す直列型有機ELパネルとの違いは、下記1)から3)であり他は全て同じである。
1)第2電極(陰極)104aから104cは、基材101の上に3列で配置された第1電極(陽極)102aの第1電極用外部接続用電極102a1を形成する部分と、第1電極(陽極)102bの第2電極接合部分102b1と、第1電極(陽極)102cの第2電極接合部分102c1とを除き、各第1電極(陽極)102aから102cの上に形成された有機機能層103aから103cの上に形成されている。
2)第1電極(陽極)102a上に形成された有機機能層103a上に形成されている第2電極(陰極)104aと、第2電極接合部分102b1との接合は導電層107を介してなされている。第1電極102bの上に形成された有機機能層103bの上に形成されている第2電極(陰極)104bと、第2電極接合部分102c1との接合は導電層107を介してなされている。
3)第2電極用外部接続用電極104c1は、第1電極(陽極)102c上に形成された有機機能層103cの上に形成されている第2電極(陽極)104cと導電層107とを接合することで形成されている。他の符号は図1と同義である。
(b)に示される直列型有機ELパネル1″に付き説明する。
図1に示す有機ELパネルとの違いは、第2電極用外部接続用電極104c1が第1電極(陽極)102c上に形成された有機機能層103cの上に形成されている第2電極(陽極)104cにより形成されているのみで、他は全て同じである。他の符号は図1と同義である。
次に、本発明のパターン薄膜形成方法に付き、第2電極(陰極)を形成した、ロールツーロール方式による図1に示される直列型有機ELパネルの製造方法で説明する。
図3は帯状の可撓性基材を用いたロールツーロール方式による直列型有機ELパネルの製造工程の一例を示す模式図である。
図中、2は図1に示される有機ELパネルを製造する製造工程を示す。製造工程2は、基材供給工程3と、有機機能層形成工程4と、ドライ成膜工程5と、封止工程6、断裁工程7とを有している。
基材供給工程3は、繰り出し装置301と、表面処理装置302と、アキュームレータ303とを使用している。繰り出し装置301からは巻き芯に巻き取られロール状態で供給された、1つの有機ELパネル構造体が形成される、一定長さの第1電極が3列と、リード部が1列の4列を1つのブロックとして、このブロックL(図7参照)が搬送方向に連続して既に形成された帯状基材301aが繰り出され、表面処理装置302を介して有機機能層形成工程4に送られる。帯状基材301aには第1電極及びリード部の形成位置を示すアライメントマーク10(図7参照)が予め付けられている。
尚、第1電極は図4から図6に示す本発明のパターン薄膜形成方法で形成することも可能である。
表面処理装置302は、第1電極の表面を洗浄改質する洗浄表面改質処理手段302aと、除電処理手段302bとを有している。洗浄表面改質処理手段302aとしては、例えば低圧水銀ランプ、エキシマランプ、プラズマ洗浄装置等が挙げられる。除電処理手段302bとしては、例えば光照射方式とコロナ放電式等が挙げられる。
アキュームレータ303は、帯状基材301aの交換する時の搬送速度との調整、工程トラブル対応等のために配設されており、一定長さの帯状基材301aを溜める機能を有している。
有機機能層形成工程4は、正孔輸送層をウェット方式で成膜し形成する正孔輸送層形成工程401、発光層をウェット方式で成膜し形成する発光層形成工程402と、電子輸送層をウェット方式で成膜し形成する電子輸送層形成工程403とを有している。
有機機能層形成工程4は、基材供給工程3から搬送されてくる帯状基材301aに付けられたアライメントマーク10(図7参照)を検出装置(不図示)で読み取り、検出装置(不図示)の情報に従って、帯状基材301aの上に形成されている3列の各第1電極の位置に合わせて、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順次形成する。この後、ドライ成膜工程5に搬送される。
正孔輸送層形成工程401は、基材供給工程3から搬送されてくる帯状基材301aをバックアップロール401aで保持し、塗布室(不図示)に配設された塗布装置401bにより、帯状基材301aを連続的に搬送しながら、正孔輸送層形成用塗布液を塗布し、塗膜中の溶媒を乾燥装置401cで除去し正孔輸送層を形成する。アキュームレータ401dは工程トラブル対応等のために配設されており、一定長さの帯状基材301aを溜める機能を有している。
塗布装置401bにより塗布が行われる時は、基材供給工程3から搬送されてくる帯状基材301aに設けられたアライメントマーク10(図7参照)を正孔輸送層形成工程401に配設された検出機(不図示)により検出し、アライメントマーク10(図7参照)に従って塗布装置401bの位置合わせが行われ、バックアップロール401aに保持された帯状基材301aの上に形成された第1電極(陽極)を含めた有機層形成位置に正孔層形成用塗布液が塗布される。尚、塗布は帯状基材201aを連続的に搬送しながら行われる。
発光層形成工程402は、正孔輸送層形成工程401から搬送されてくる帯状基材301aをバックアップロール402aで保持し、塗布室(不図示)に配設された塗布装置402bにより、帯状基材301aを連続的に搬送しながら、発光層形成用塗布液を塗布し、塗膜中の溶媒を乾燥装置402cで除去し発光層を形成する。アキュームレータ402dは工程トラブル対応等のために配設されており、一定長さの帯状基材301aを溜める機能を有している。
塗布装置402bにより塗布が行われる時は、正孔輸送層形成工程401から搬送されてくる帯状基材301aに設けられたアライメントマーク10(図7参照)を発光層形成工程402に配設された検出機(不図示)により検出し、アライメントマーク10(図7参照)に従って塗布装置402bの位置合わせが行われ、バックアップロール402aに保持された帯状の可撓性基材301aの上に形成された正孔輸送層の上に発光層形成用塗布液が塗布される。尚、塗布は帯状基材301aを連続的に搬送しながら行われる。
電子輸送層形成工程403は、発光層形成工程402から搬送されてくる帯状基材301aをバックアップロール403aで保持し、塗布室(不図示)に配設された塗布装置403bにより、帯状基材301aを連続的に搬送しながら、電子輸送層形成用塗布液を塗布し、塗膜中の溶媒を乾燥装置403cで除去し発光層を形成する。アキュームレータ403dは工程トラブル対応等のために配設されており、一定長さの帯状基材301aを溜める機能を有している。
塗布装置403bにより塗布が行われる時は、発光層形成工程401から搬送されてくる帯状基材301aに設けられたアライメントマーク10(図7参照)を電子輸送層形成工程403に配設された検出機(不図示)により検出し、アライメントマーク10(図7参照)に従って塗布装置403bの位置合わせが行われ、バックアップロール403aに保持された帯状基材301aの上に形成された発光層の上に電子輸送層形成用塗布液が塗布される。尚、塗布は帯状基材301aを連続的に搬送しながら行われる。
有機機能層形成工程4で有機機能層形成用塗布液を塗布する方法は特に限定はない。例えば、帯状基材の全面に塗布し乾燥した後、帯状基材301aに設けられたアライメントマーク10(図7参照)に従って、第1電極用外部接続用電極、第2電極接合部、リード部(第2電極用外部接続用電極)の一部が出現する様に有機機能層を溶解する溶媒を使用して払拭する方法が挙げられる。又、帯状基材301aに設けられたアライメントマーク10(図7参照)に従って、第1電極用外部接続用電極、第2電極接合部、リード部(第2電極用外部接続用電極)の一部を除いたストライプ塗布により塗布する方法が挙げられる。又、溶媒を使用して払拭する方法とストライプ塗布により塗布する方法を組合せた方法でもよい。
又、有機機能層によっては、本発明の図4から図6に示す本発明のパターン薄膜形成方法で形成することも可能である。
本図に示される、正孔輸送層形成工程401、発光層形成工程402及び電子輸送層形成工程403はウェット方式の塗布装置と、乾燥装置がそれぞれ1台の場合を示しているが、必要に応じて乾燥装置の後に活性化処理(加熱処理)装置を増加すること等が可能となっている。
ドライ成膜工程5は、第2電極形成工程501を有している。第2電極形成工程501は、パターン形成物質を蒸発させる手段として気相堆積装置501aと、アキュームレータ501bとを使用している。尚、アキュームレータ501bは工程トラブル対応等のために配設されており、一定長さの帯状の可撓性基材301aを溜める機能を有している。
ドライ成膜工程5では電子輸送層形成工程403から搬送されてくる電子輸送層までが形成された帯状基材301aに付けられたアライメントマーク10(図7参照)を検出装置B2(図4参照)で読み取り、検出装置B2(図4参照)の情報に従って、帯状基材301aの搬送方向に沿って移動可能に配置したワイヤー状マスク9(図4参照)を使用し、帯状の可撓性基材301aを連続的に搬送しながら、帯状基材301aの上に形成された電子輸送層の上に第2電極(陰極)を帯状に形成する。
尚、移動可能とは帯状基材301aと同様にワイヤー状マスク9(図4参照)が帯状基材の搬送方向に移動できる状態を言い、移動する速度は、帯状の可撓性基材301aへのスリキズを考慮し、帯状基材301aに同期させることが望ましい。
又、ワイヤー状マスク9と帯状基材301aに速度差がある場合には、帯状基材301aへのスリキズを考慮してワイヤー状マスク9と帯状基材301aを非接触にすることが望ましい。
ワイヤー状マスク9と帯状基材301aを非接触の場合でも、ワイヤー状マスク9にパターン形成物質が付着堆積してマスク寸法が変わるためワイヤー状マスク9は基材の搬送方向に移動させることが望ましい。この場合、ワイヤー状マスク9の移動は連続でも間欠でも良い。
パターン形成物質を蒸発させる手段として気相堆積装置501aとしては特に限定はなく、例えばスパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法等を用いることが出来る。尚、具体的な気相堆積装置は図4から図6で詳細に説明する。
尚、帯状基材301aの搬送方向に形成されたブロックL(図7参照)間に形成されている第2電極(陰極)(電子送層の上に帯状基材の搬送方向に連続して形成されている)を削除し、ブロックL(図7参照)毎にパターン化する工程は、基材の幅方向(電極の接続方向)に比べて必要精度が低いためにレーザー照射装置を使用したパターン形成工程やオイルマスク形成工程等ロールツーロール方式で加工可能なパターン形成工程を配設することが望ましい。
レーザー照射装置を使用したパターン形成工程では、ブロックL(図7参照)間に形成されている第2電極(陰極)をレーザーで削除する。第2電極(陰極)除去時に発生するダストの有機ELパネル構造体への悪影響が懸念されるため、真空から窒素雰囲気に移動した後にダストを吸引しながら行うことが好ましい。
又、オイルマスク形成工程では、有機層形成後に印刷等で第2電極(陰極)を形成しない部分にオイルマスク形成工程でオイルマスクを形成する。オイルマスクを形成した個所には、気相堆積装置501aにより第2電極(陰極)は形成されない。
その場合、オイルマスクは、有機EL素子への悪影響が懸念されるため、第2電極形成後にオイルマスクを除去することが望ましく、オイルマスク除去工程を配設することが好ましい。オイルマスク除去工程では、有機ELパネル構造体にダメージを与えないために、オイルマスクのみにプラズマを当てる等して除去することが好ましい。
封止工程6は、接着剤塗設装置601と、封止部材供給装置602と、貼合装置603と、アキュームレータ604とを使用している。アキュームレータ604は断裁工程7との速度差を調整、工程トラブル対応のために配設されている。
接着剤塗設装置601で第2電極(陰極)までが形成された帯状基材301aを連続的に搬送しながら、第2電極(陰極)が形成された側に、第1電極用接続用電極及び第2電極用接続用電極の上を除き全面に接着剤が塗設される。この後、封止部材供給装置602より搬送されてくる帯状の封止部材602aを貼合装置603により、接着剤が塗設された面側に貼合され、複数の有機ELパネルが連続的に繋がっている状態の有機ELパネル連続体が作製される。この後、断裁工程7に搬送される。
断裁工程7は打ち抜き断裁装置701と、アキュームレータ702と、巻き取り装置703とを使用している。打ち抜き断裁装置701で、有機ELパネル連続体に付けられたアライメントマーク10(図7参照)を検出装置(不図示)で読み取り、検出装置(不図示)の情報に従って矩形に打ち抜き、個別の有機ELパネル8に断裁される。有機ELパネル8が打ち抜かれたスケルトンは巻き取り装置703で巻き取られ回収される。
本図は、第1電極(陽極)が形成された帯状基材を使用し、正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層とをウェット方式で帯状基材を連続搬送しながら成膜して形成し、引き続き、電子輸送層の上にウェット方式の成膜速度に合わせた速度で帯状基材を連続搬送しながらワイヤー状マスクを使用し第2電極をドライ方式で成膜し、封止部材を貼合し、断裁して個別の有機ELパネルを製造する場合を示している。これらの他の製造工程としては、例えば電子輸送層までをウェット方式で帯状基材を連続搬送しながら成膜して形成した後、一旦巻き取り保管する。この後、ワイヤー状マスクを使用し第2電極(陰極)をドライ方式で帯状基材を連続搬送しながら成膜して形成し、断裁までを連続して行う場合をすることも可能である。又は第1電極(陽極)形成から正孔輸送層形成と、発光層形成及び電子輸送層形成と、ワイヤー状マスクを使用し第2電極(陰極)形成から断裁までの3工程に分割することも可能である。
又、正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層からなる有機層の形成をウェット方式で帯状の帯状基材を連続搬送しながら成膜して形成しているが、第2電極(陰極)同様に本発明のワイヤー状マスクを使用した気相堆積方式により形成することも可能である。
図3に示す有機ELパネルの製造工程は、基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層(正孔注入層)/発光層/電子輸送層/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材の層構成を有する有機ELパネルの一例を示したものであるが、第1電極(陽極)と第2電極(陰極)との間に形成される他の代表的な層構成としては次の構成が挙げられる。
(1)基材/第1電極(陽極)/発光層/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(2)基材/第1電極(陽極)/発光層/電子輸送層/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(3)基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(4)基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層(正孔注入層)/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファ層(電子注入層)/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(5)基材/第1電極(陽極)/陽極バッファ層(正孔注入層)/正孔輸送層/有機層(発光層)/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファ層(電子注入層)/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
又、発光層が多層の場合は、積層する数に合わせて成膜・乾燥部のユニットを配設する必要がある。例えば、発光層を多層にすることで白色素子の作製が可能である。本発明において、発光層とは青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を指す。発光層を積層する場合の積層順としては、特に制限はなく、又各発光層間に非発光性の中間層を有していてもよい。本発明においては、少なくとも1つの青発光層が、全発光層中最も陽極に近い位置に設けられていることが好ましい。又、発光層を4層以上設ける場合には、陽極に近い順から、例えば青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層、青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層/緑色発光層、青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層/緑色発光層/赤色発光層の様に青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を順に積層することが、輝度安定性を高める上で好ましい。発光層の膜厚の総和は特に制限はないが、膜の均質性、発光に必要な電圧等を考慮し、通常2nmから5μm、好ましくは2nmから200nmの範囲で選ばれる。更に10nmから20nmの範囲にあるのが好ましい。
本発明は、本図のロールツーロール方式による有機ELパネルの製造に示す様に、帯状基材と、パターンを形成する手段との間に連続走行する帯状基材の搬送方向に沿って移動可能に配置した少なくとも1本のワイヤー状マスクを移動しながら、帯状基材の搬送方向に沿って帯状基材上に高精度に少なくとも2条の帯状のパターン薄膜を成膜するパターン薄膜形成方法に関するものである。尚、本図は帯状基材をロール状で供給し、ロール状で回収する所謂ロールツーロール方式を示しているが、本発明では帯状基材の供給方法、回収方法はロール状でない場合も含む。
図4は図3に示す第2電極形成工程に使用しているパターン形成物質を蒸発させる手段としての気相堆積装置の模式図である。図4(a)は図3に示す第2電極形成工程に使用している気相堆積室と、制御手段と、原料蒸発手段とを有する気相堆積装置の模式図である。図4(b)は図4(a)に示す気相堆積装置を構成している各部、各手段の関係を示す概略ブロック図である。
図中、501aは気相堆積装置を示す。気相堆積装置501aは蒸着室Aと、制御手段Bと、基材保持ロールCと、基材搬送用ロールDと、ワイヤー状マスク位置決めロール群Eと、原料蒸発手段Fと、シャッターG、エアーツーバキュームコネクターHとを有している。
A1は蒸着室Aに配設された排気口を示し減圧手段である排気手段(不図示)に繋がっており、メインバルブA2を介して蒸着室Aを設定した真空度にするようになっている。蒸着室Aの真空度は、必要に応じて適宜設定することが可能となっている。
A3は蒸着室Aの真空度を測定する測定手段である真空度測定計を示す。真空度測定計としては特に限定はなく、例えば電離真空計、ピラニ真空計が挙げられる。
A4は不活性ガス導入口を示し、必要に応じてガス導入バルブA5を介してN、Ar、Ne、He等の不活性ガスが雰囲気ガスとして導入される。
制御手段Bは、メモリーとCPUとを有する制御装置B1と、帯状基材301aの位置を検出する位置検出装置B2と、ワイヤー状マスク位置決めロール群Eの位置制御用装置(不図示)と、蒸着原料の温度測定手段F3とを有している。位置検出装置B2と、ワイヤー状マスク位置決めロール群Eの位置制御用装置(不図示)とにより基材保持ロールC上の帯状基材301aの非蒸着位置とワイヤー状マスク9との位置合わせを行うことが可能となっている。
帯状基材301aの非蒸着位置とワイヤー状マスク9との位置合わせに関しては、図4、図5で説明する。
位置検出装置B2の配設する位置は、基材保持ロールCに保持される帯状基材301aの位置を確認するため基材保持ロールCになるべく近いことが好ましい。本図は、帯状基材301aが蒸着室Aに入る直前の第1基材搬送用ロールD1の上に配設した場合を示している。勿論、蒸着に伴う位置検出装置B2の汚れを防止出来れば、蒸着室Aの中の第2基材搬送用ロールD2の上に配設しても構わない。
位置検出装置B2としては、特に限定はなく、例えば、CCDカメラと画像処理装置による位置検出装置が挙げられる。
位置検出装置B2により帯状基材301aの位置を検出するためのアライメント手段は特に限定はなく、例えば、1)第一1電極(陽極)形成時の位置決めとして基材301aに予め付けた形成されたアライメントマークを検出、2)第1電極(陽極)形成と同時に、帯状基材301aに形成されたアライメントマークを検出、3)第1電極(陽極)又はリード部自体(例えば端部)を検出、4)帯状基材301aの端部を検出する方法等が挙げられる。
基材保持ロールCは、電子輸送層形成工程403(図3参照)から搬送(図中の矢印方向)されてくる有機機能層である正孔輸送層までを積層した帯状の可撓性基材301aを基材保持ロールCの上流側に配置した第2基材搬送用ロールD2と、下流側に配置した第2基材搬送用ロールD3とにより密着保持した状態で搬送される様になっている。
気相堆積装置501aの帯状基材301aの搬送経路には、少なくとも1つ以上のEPCセンサー(エッジポジションコントロールセンサー)が備えられていることが好ましい。EPCセンサーを用い基材のエッジをエアーサーボセンサーや光センサーにて検知して、幅手方向エッジの位置の動きを検知する。帯状基材フィルムの搬送の際の蛇行修正は、単純に、このセンサーの情報に基づきワインダーの位置を幅手方向で適宜修正を行うことで行うことが出来る。
又、蛇行修正を精度よく行うには、蛇行修正装置が使用されることが好ましい。即ち、検知した情報に基づいて搬送方向を制御し、帯状基材の耳端や幅方向の中央が一定の搬送位置となる様にするもので、そのアクチュエーターとして、具体的には1本から2本のガイドロールや駆動付きフラットエキスパンダーロールをライン方向に対して、左右(又は上下)にふることで蛇行修正したり、帯状基材の左右に小型の2本1組のピンチロールを設置(帯状基材の表と裏に1本ずつ設置されていて、それがフィルムの両側にある)し、これにて帯状基材を挟み引っ張り蛇行修正したりしている(クロスガイダー方式)。これらの装置の蛇行修正の原理は、帯状基材が走行中に、例えば左に行こうとする時は前者の方式ではロールを帯状基材が右に行く様に傾ける方法をとり、後者の方法では右側の1組のピンチロールがニップされて、右に引っ張るというものである。これら蛇行防止装置を設置することが出来る。
又、基材保持ロールCに保持された状態の帯状基材301aの非蒸着位置には基材保持ロールCの上流側に配置したワイヤー状マスク巻出手段である第2ワイヤー状マスク位置決めロールE2と、下流側に配置したワイヤー状マスク巻取手段である第3ワイヤー状マスク位置決めロールE3とによりワイヤー状マスク9が帯状の可撓性基材301aと同じ方向に移動(図中の矢印方向)される様になっている。
ワイヤー状マスク巻出手段は、ワイヤー状マスクを、帯状基材301aの幅方向に所定の間隔を離して平行に整列させて送り出すことが出来、且つ該ワイヤー状マスクに適切な張力を与えることが出来る、当該技術において知られている任意の手段であってもよい。好ましくは複数本のワイヤー状マスクを巻き付けたワイヤー状マスク巻出ロールである。回転機構(モーター、ステップモーターなど)に該ロールを取り付け、ワイヤーを所定量巻き出し、且つワイヤーに張力を与えるための駆動ロールとしてもよい。或いは又、ワイヤー状マスク巻取ロールに回転機構が取り付けられて駆動ロールとして機能する場合には、ワイヤー状マスク巻出ロールは、ワイヤー状マスクに張力を与えるために摩擦力などを用いる回転抑制手段を取り付けた従動ロールであってもよい。又、ワイヤー状マスク巻出ロールは、その表面に複数本のワイヤー状マスクのそれぞれを収容する溝を設けたプーリー状のものであってもよい。
ワイヤー状マスク巻取手段は、所定の間隔を離して整列させて送り出された複数本のワイヤー状マスクを巻き取ることが出来、且つ該ワイヤー状マスクに適切な張力を与えることが出来る、当該技術において知られている任意の手段であってもよい。好ましくは複数本のワイヤー状マスクを巻き付けられるワイヤー状マスク巻取ロールである。回転機構(モーター、ステップモーターなど)に該ロールを取り付け、ワイヤー状マスクを所定量巻き取り、且つワイヤーに張力を与えるための駆動ロールとしてもよい。或いは又、ワイヤー状マスク巻出ロールが回転機構が取り付けられて駆動ロールとして機能する場合には、ワイヤー状マスク巻取ロールは、低トルクの巻取用モーター及びワイヤー状マスクに張力を与えるために摩擦力などを用いる回転抑制手段を取り付けた従動ロールであってもよい。又、ワイヤー状マスク巻取ロールは、その表面に複数本の耐熱性金属ワイヤーのそれぞれを収容する溝を設けたプーリー状のものであってもよい。
基材保持ロールCの上の帯状基材301aの非蒸着位置とワイヤー状マスク9とは密着又は非接触で合ってもよい。尚、非接触とは蒸着原料の蒸気の周り込みを防止するため、具体的に間隔が500μm以下が好ましい。密着させることで蒸着原料の蒸気の周り込みを防止することが可能となっている。
基材保持ロールCは、回転可能に気相堆積装置501aに取り付けられている。
基材搬送用ロールDは、第1基材搬送用ロールD1と、第2基材搬送用ロールD2と、第3基材搬送用ロールD3とを有しており、回転可能に気相堆積装置501aに取り付けられている。
ワイヤー状マスク位置決めロール群Eは、第1ワイヤー状マスク位置決めロールE1と、第2ワイヤー状マスク位置決めロールE2と、第3ワイヤー状マスク位置決めロールE3とを有しており、回転可能に気相堆積装置501aに取り付けられている。
第1ワイヤー状マスク位置決めロールE1と、第2ワイヤー状マスク位置決めロールE2と、第3ワイヤー状マスク位置決めロールE3にはワイヤー状マスクの搬送位置を安定にするため予め、帯状基材301aの非蒸着位置に合わせワイヤー状マスクを保持する溝が設けることが好ましい。又、第1ワイヤー状マスク位置決めロールE1と、第2ワイヤー状マスク位置決めロールE2と、第3ワイヤー状マスク位置決めロールE3は位置が調整出来る様に可動式になっている。
この場合は、全てのワイヤー状マスクを等間隔に位置制御する構成だが、個々ワイヤー状マスクを個別に位置制御する構成とすることも可能である。
原料蒸発手段Fは蒸着室Aの下部に配設されており、加熱手段(不図示)を有する原料容器F1と、原料容器F1の中の原料F2の温度測定手段F3と、原料容器F1の加熱用の電流供給部F4とを有している。
原料容器F1の加熱手段としては特に限定はなく、例えばスパッタ方式、抵抗加熱方式等が挙げられる。本図では抵抗加熱方式の場合を示している。原料容器F1の開口部には原料F2が設定した温度に達する迄は、安定した堆積膜面を得るために、制御可能な可動式の蓋(不図示)を配設することが好ましい。尚、原料蒸発手段Fは、原料容器F1内の原料F2の温度を測定するための、熱電対、温度センサー等の温度測定手段F3cを配設し、測定手段F3の結果を制御手段Bにフィードバックし、予め制御手段Bに入力してある設定温度に対し、演算処理し設定温度を維持する様に制御することが好ましい。本図は原料容器F1の温度を制御する場合を示している。これらの制御と可動式の蓋(不図示)の制御と組合せ、設定温度に達したのに合わせ蓋を開ける様な制御も可能である。
シャッターGは基材搬送用ロールDと原料蒸発手段Fとの間に配設されており、蒸着開始及び終了に合わせ開閉が可能となっている。G1はシャッターGの開閉を行うためのモーターを示す。
エアーツーバキュームコネクターHは、帯状基材301aの搬入側の蒸着室Aに配設されたエアーツーバキュームコネクターH1と、搬出側の蒸着室Aに配設されたエアーツーバキュームコネクターH2と、ワイヤー状マスク9の搬入側の蒸着室Aに配設されたエアーツーバキュームコネクターH3と、搬出側の蒸着室Aに配設されたエアーツーバキュームコネクターH4とを有している。エアーツーバキュームコネクターHにより、帯状の可撓性基材301a及びワイヤー状マスク9の搬送時の蒸着室Aの真空度を維持し、連続して蒸着が出来る様になっている。
気相堆積装置501aを構成している各部、各手段の関係を図4の(b)に示す概略ブロック図により説明する。
位置検出装置B2により検出された帯状の可撓性基材301aの位置に関する情報は、制御装置B1のCPUに入力される。ここでは、帯状基材301aに予め形成されているアライメントマーク10の位置情報を検出し、特に帯状基材301aの幅手位置ずれを検知してワイヤー状マスク9の位置の微調整を行う。
CPUに入力された情報はメモリーに予め入力されている設定位置と演算処理を行い、第1ワイヤー状マスク位置決めロールE1と、第2ワイヤー状マスク位置決めロールE2と、第3ワイヤー状マスク位置決めロールE3の位置を調整することが可能となっている。この制御により、帯状基材301aの非蒸着位置とワイヤー状マスクとの位置を合わせることが可能となっている。
測定手段F3により測定された原料容器F1内の原料F2の温度の情報は制御装置B1のCPUに入力される。CPUに入力された情報はメモリーに予め入力されている設定温度に対し、演算処理し、原料容器F1に配設された加熱手段(不図示)の電流供給部F4の電流調整を行うことで原料F2の温度を一定に制御することが可能となっている。これらの原料F2の温度の結果を、シャッターGを開閉するモーターG1にフィードバックして、蒸着開始のタイミングを決めるのに使用することも勿論可能である。
ワイヤー状マスクの断面形状としては、円形、矩形、半円形等が挙げられる。ワイヤー状マスクに使用する材質としては、例えば金属ワイヤーや樹脂ワイヤーを用いることが出来る。金属ワイヤーとしては、銅、金、銀、スズ、クロム、亜鉛、ニッケル、白金、パラジウム、鉄、アルミニウム、鋼、鉛、黄銅、青銅、又は上述の金属合金などが挙げられる。又、樹脂ワイヤーとしては、ポリイミド系のアラミド繊維などの耐熱性のある樹脂線状材料である単繊維も使用可能である。
図5は図4に示す第1ワイヤー状マスク位置決めロールの拡大概略図である。図5(a)は図4に示す第1ワイヤー状マスク位置決めロールの拡大概略斜視図である。図5(b)は図5(a)の第1ワイヤー状マスク位置決めロールの拡大概略側面図である。
図中、E11は第1ワイヤー状マスク位置決めロールE1の周面に配設された溝を示す。溝の数は帯状基材301aの非蒸着位置の数により決められる。本図の場合は図1に示す有機ELパネルを作製する場合の第1ワイヤー状マスク位置決めロールを示しており、溝E11は溝E111、溝E112、溝E113、溝E114の4本から構成されている。
溝E111は第1電極用外部接続用電極102a1(図1参照)を形成するワイヤー状マスク、溝E112は第2電極接合部分102b1(図1参照)を形成するワイヤー状マスク、溝E113は第2電極接合部分102c1(図1参照)を形成するワイヤー状マスク、溝E114は第2電極用外部接続用電極104c1(図1参照)を形成するワイヤー状マスクが入り搬送する様になっている。
溝E111、溝E112、溝E113、溝E114の間隔は帯状基材301aの非蒸着位置の間隔に合わせ適宜決めることが可能となっている。
Iは第1ワイヤー状マスク位置決めロールの幅を示し、幅Iは基材保持ロールC(図4参照)、基材搬送用ロールD(図4参照)と同じ幅であることが好ましい。
Jは溝E113の幅を示し、幅は使用するワイヤー状マスクの幅(太さ)に合わせ適宜決めることが可能である。溝E111、溝E112、溝E114の幅を決める方法は、溝E113の幅を決める方法と同じである。
Kは溝E113の深さを示す。深さは使用するワイヤー状マスクの厚さ(太さ)に合わせ適宜決めることが可能である。溝E111、溝E112、溝E114の深さは溝E113の深さと同じである。
第1ワイヤー状マスク位置決めロールE1の幅I及び溝は帯状基材301aの幅、非蒸着位置に合わせて専用となっているため、帯状基材301aの幅、非蒸着位置が変われば対応して作製する必要がある。他の第2ワイヤー状マスク位置決めロールE2、第3ワイヤー状マスク位置決めロールE3の幅及び溝も同じである。
図6は図4(a)の基材保持ロールの蒸着源側から見た状態を示す概略拡大平面図である。
第2ワイヤー状マスク位置決めロールE2と、第3ワイヤー状マスク位置決めロールE3とに配設された溝に入れられた4本のワイヤー状マスク9の搬送速度は、帯状の可撓性基材301aへのスリキズを考慮し、基材保持ロールCに保持され搬送(図中の矢印方向)する帯状基材301aに同期させることが望ましい。
ワイヤー状マスク9の搬送方向と帯状基材301aの搬送方向とは同じ方向に搬送することが好ましい。
第2ワイヤー状マスク位置決めロールE2と、第3ワイヤー状マスク位置決めロールE3とに配設された溝は予め帯状の可撓性基材301a上の非蒸着位置の位置に合わせ配設されている。このため、第2ワイヤー状マスク位置決めロールE2と、第3ワイヤー状マスク位置決めロールE3とに配設された溝に入れられた4本のワイヤー状マスク9の基材保持ロールCに保持され搬送(図中の矢印方向)する帯状の可撓性基材301a上の非蒸着位置への位置合わせは以下に示す様にして行われる。
図4に示す位置検出装置B2により帯状基材301aの位置が検出され、情報に従って第2ワイヤー状マスク位置決めロールE2と、第3ワイヤー状マスク位置決めロールE3の位置を移動(帯状基材301aの幅方向)することで帯状の可撓性基材301a上の非蒸着位置への位置合わせが行われる。他の符号は図5と同義である。
尚、本図では第3ワイヤー状マスク位置決めロールE3に溝E111、溝E112、溝E113、溝E114が同時に設けられた場合を示しているが、個別に溝を設けたワイヤー状マスク位置決めロールとし、個別に位置を変えることが出来る様にしても構わない。この場合、第1ワイヤー状マスク位置決めロールE1、第2ワイヤー状マスク位置決めロールE2、も同様に個別に位置を変えることが出来る様にし、同じワイヤー状マスクは同時に位置が変えることが出来る様にする必要がある。
図7は図4から図6に示すパターン薄膜形成方法を使用して第2電極(陰極)迄を形成した図1(b)に示す直列型有機ELパネルを製造する図3に示す直列型有機ELパネルの製造工程のドライ成膜工程までのフロー図である。
図8は図4から図6に示すパターン薄膜形成方法を使用して第2電極(陰極)迄を形成した図1(b)に示す直列型有機ELパネルを製造する図3に示す直列型有機ELパネルの製造工程の封止工程から断裁工程までのフロー図である。
以下、図7、図8に示すフロー図に従って有機ELパネルを製造するフローを説明する。
ステップ1は、基材供給工程3(図3参照)から供給される、1つの有機ELパネル構造体が形成される、一定長さの第1電極102が3列と、リード部108が1列の4列を1つのブロック(図中、Lで示される範囲)として、このブロックLが搬送方向に連続して既に形成された帯状基材301aを示す。アライメントマーク10は第1電極102の形成位置及びリード部108の形成位置を示すマークであり、アライメントマーク10は、帯状基材301aの第1電極が形成されている側、裏側、又は第1電極が形成されている側と裏側の両方に付けても構わない。
アライメントマーク10を付ける位置は、Lで示される1つのブロックを識別出来る位置であれば特に限定はなく、帯状基材301a上に配置した第1電極(陽極)102とリード部108のパターンにより適宜決めることが可能である。
本図は、帯状基材301aの搬送方向に配置したLで示される1つのブロック毎にアライメントマーク10を配置した場合を示している。
ステップ2は、有機機能層形成工程4(図3参照)で第1電極(陽極)102を含めた有機層形成位置に形成された有機機能層103の状態を示す。有機機能層103は第1電極(陽極)102aの第1電極用外部接続用電極102a1を形成する部分と、第1電極(陽極)102bの第2電極接合部分102b1と、第1電極(陽極)102cの第2電極接合部分102c1と、リード部108とを除いて第1電極(陽極)102を含めた有機層形成位置にストライプ塗布方式で塗布・乾燥し形成される。
尚、有機機能層形成工程4(図3参照)で第1電極102の上に有機機能層103を形成する方法は特に限定はなく、他の方法として次の方法が挙げられる。
1)帯状基材301aの全面に塗布した後、不要部分の有機機能層を溶媒を使用して払拭する方法。
2)帯状基材301aの全面に塗布した後、不要部分の有機機能層をドライエッチング方式で除去する方法。
3)帯状基材301aにインクジェット等によりパターン塗布する方法。
4)帯状基材301aにマスク等よりパターン蒸着する方法。
5)帯状基材301aの全面に蒸着した後、不要部分の有機機能層をドライエッチング方式で除去する方法。
ステップ3は、ドライ成膜工程5(図3参照)で電子輸送層までが形成された帯状の可撓性基材301aに付けられたアライメントマーク10を位置検出装置B2(図4参照)で読み取り、ワイヤー状マスク9をワイヤー状マスク位置決めロール群Eの位置を調整し帯状の可撓性基材301aの非蒸着位置に合わせ密着させた状態を示す。
ステップ4は、ドライ成膜工程5(図3参照)で、非蒸着位置をワイヤー状マスク9で密着した状態で、第2電極形成用材料を気相成膜装置でベタ成膜し第2電極(陰極)をパターン形成し、封止工程6(図3参照)に搬送する状態を示す。第2電極(陰極)104は、以下に示す状態で形成されている。
1)第1電極(陽極)102a上の有機機能層103aの上に形成された第2電極(陰極)104aは、第1電極(陽極)102aの第1電極用外部接続用電極102a1を残し、第1電極(陽極)102bの第2電極接合部分102b1と接合した状態となっている。
2)第1電極(陽極)102b上の有機機能層103bの上に形成された第2電極(陰極)104bは、第1電極(陽極)102cの第1電極(陽極)102cの第2電極接合部分102c1と接合した状態となっている。
第1電極(陽極)102bの第2電極接合部分102b1と接合した第2電極(陰極)104aと、第1電極(陽極)102bの上に形成された第2電極(陰極)104bとはワイヤー状マスクにより第2電極(陰極)104が形成されないため短絡が防止された状態となっている。
3)第1電極(陽極)102c上の有機機能層103cの上に形成された第2電極(陰極)104cは、リード部108と接合した状態となっている。リード部108は第2電極(陰極)104と接合することで第2電極用外部接続用電極104c1となる。
第1電極(陽極)102cの第2電極接合部分102c1と接合した第2電極(陰極)104bと、第1電極(陽極)102cの上に形成された第2電極(陰極)104cとはワイヤー状マスクにより第2電極接合部分102c1上に第2電極(陰極)104が形成されないため短絡が防止された状態となっている。
本発明で、1)から2)で示される状態の第1電極(陽極)102と第2電極(陰極)104との接続方式を直列型と言う。
ステップ5は、封止工程6(図3参照)で第2電極(陰極)104までが形成された帯状基材301aに付けられたアライメントマーク10を検出装置(不図示)で読み取り、第1電極用外部接続用電極102a1及び第2電極用外部接続用電極104c1を除いて接着剤塗設装置601(図3参照)で接着剤が塗設され接着剤層が形成し、封止部材を貼合し封止層106を形成した状態を示す。ステップ5が終了した段階で複数の有機EL構造体上に封止層106が形成され、連続的に繋がっている状態の有機ELパネル連続体が作製される。
接着剤層の形成方法及び封止部材の貼着方法としては特に限定はなく、例えば、ロール状の接着剤を封止部材にラミネートした接着剤付き封止部材を作成し、ロールラミネータにより有機EL構造体を形成した帯状の可撓性基材の有機EL構造体上に貼合する方法が挙げられる。
ステップ6は断裁工程7(図3参照)で帯状基材301aに付けられたアライメントマーク10を検出装置(不図示)で読み取り、有機EL連続体を切断した状態を示す。ステップ6を終了することで図1に示す有機ELパネルが作製される。
図1から図8示す様に、帯状基材の搬送方向に沿って少なくとも1本のワイヤー状マスクを蒸着位置で帯状基材の非蒸着位置に合わせ、帯状基材の搬送方向に沿って移動可能に配置した少なくとも1本のワイヤー状マスクを介してパターン形成物質を蒸発させる手段でパターン薄膜を形成するパターン薄膜形成方法により次の効果が挙げられる。
1)ロールツーロール方式の連続パターン薄膜形成で、下層の電極に対して基材の幅方向(電極の接続方向)に高精度なパターン薄膜形成が可能になった。
2)ワイヤー状マスクを移動させながら薄膜形成をすることで、帯状基材の薄膜形成面に擦り傷の発生を抑えパターン薄膜形成が可能になり、高品質の製品の生産が可能になった。
3)基材を間欠駆動せずに、ロールツーロール方式で帯状基材の幅方向(電極の接続方向)に高精度なパターン薄膜形成することが可能になった。
4)マスク強度を保ちつつ、100μm以下細いマスクを形成することが可能になった。
5)上記の結果、非発光部が小さい直列型有機ELパネルを生産性の高いロールツーロール方式で連続加工することが可能になった。
以下、本発明のパターン薄膜形成方法を使用して作製する有機EL素子の製造に係わる有機ELパネルの各部材に付き説明する。
(帯状基材)
帯状基材としては透明な樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)或いはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
(ガスバリア層)
帯状基材の表面に必要に応じて設けるガスバリア層としては無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が挙げられる。ガスバリア膜の特性としては、水蒸気透過度が0.01g/m・day以下であることが好ましい。更には、酸素透過度0.1ml/m・day・MPa以下、水蒸気透過度10−5g/m・day以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。ガスバリア膜を形成する材料としては、水分や酸素など素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素などを用いることが出来る。更に該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。バリア膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることが出来るが、特開2004−68143号に記載されている様な大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
(第1電極)
第1電極は、陰極、陽極は特に限定せず、素子構成により選択することが出来るが、好ましくは透明電極を陽極として用いることである。例えば、陽極として用いる場合、好ましくは380nmから800nmの光を透過する電極である。材料としては、4eVより大きな(深い)仕事関数を持つものが適しており、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等を用いることが出来る。
(正孔輸送層)
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層又は複数層設けることが出来る。正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性の何れかを有するものであり、有機物、無機物の何れであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、又導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することが出来るが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、更には米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることも出来る。又、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することが出来る。
又、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されている様な所謂p型正孔輸送材料を用いることも出来る。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることから、これらの材料を用いることが好ましい。
(発光層)
発光層に使用する材料は特に限定はなく、例えば、株式会社 東レリサーチセンター『フラットパネルディスプレイの最新動向 ELディスプレイの現状と最新技術動向』228から332頁に記載されている如き各種材料が挙げられる。
発光層には、発光層の発光効率を高くするために公知のホスト化合物と、公知のリン光性化合物(リン光発光性化合物とも言う)を含有することが好ましい。ホスト化合物とは、発光層に含有される化合物の内で、その層中での質量比が20%以上であり、且つ室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が、0.1未満の化合物と定義される。好ましくはリン光量子収率が0.01未満である。ホスト化合物を複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することが出来る。又、リン光性化合物を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることが出来る。リン光性化合物の種類、ドープ量を調整することで白色発光が可能であり、照明、バックライトへの応用も出来る。
これらのホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、且つ発光の長波長化を防ぎ、尚且つ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。公知のホスト化合物としては、例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等に記載の化合物が挙げられる。
複数の発光層を有する場合、これら各層のホスト化合物の50質量%以上が同一の化合物であることが、有機層全体にわたって均質な膜性状を得やすいことから好ましく、更にはホスト化合物のリン光発光エネルギーが2.9eV以上であることが、ドーパントからのエネルギー移動を効率的に抑制し、高輝度を得る上で有利となることからより好ましい。リン光発光エネルギーとは、ホスト化合物を基材上に100nmの蒸着膜のフォトルミネッセンスを測定し、そのリン光発光の0−0バンドのピークエネルギーを言う。
ホスト化合物は、有機EL素子の経時での劣化(輝度低下、膜性状の劣化)、光源としての市場ニーズ等を考慮し、リン光発光エネルギーが2.9eV以上且つTgが90℃以上のものであることが好ましい。即ち、輝度と耐久性の両方を満足するためには、リン光発光エネルギーが2.9eV以上且つTgが90℃以上のものであることが好ましい。Tgは、更に好ましくは100℃以上である。
リン光性化合物(リン光発光性化合物)とは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において0.01以上の化合物である。先に説明したホスト化合物と合わせ使用することで、より発光効率の高い有機EL素子とすることが出来る。
リン光性化合物は、リン光量子収率は好ましくは0.1以上である。上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定出来る。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定出来るが、本発明に用いられるリン光性化合物は、任意の溶媒の何れかにおいて上記リン光量子収率が達成されればよい。
リン光性化合物の発光は原理としては2種挙げられ、1つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光性化合物に移動させることでリン光性化合物からの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つはリン光性化合物がキャリアトラップとなり、リン光性化合物上でキャリアの再結合が起こりリン光性化合物からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、何れの場合においても、リン光性化合物の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
リン光性化合物は、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることが出来る。リン光性化合物としては、好ましくは元素の周期表で8族−10族の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、又は白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
リン光性化合物のリン光発光極大波長としては特に制限されるものではなく、原理的には中心金属、配位子、配位子の置換基等を選択することで得られる発光波長を変化させることが出来る。
化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当て嵌めた時の色で決定される。
(電子輸送層)
他に発光層側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることが出来、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることが出来る。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることも出来る。
又、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることが出来る。その他、メタルフリー若しくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることが出来る。又、ジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることが出来るし、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることが出来る。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nmから5μm程度、好ましくは5から200nmである。電子輸送層は上記材料の1種又は2種以上からなる一層構造であってもよい。
又、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることも出来る。その例としては、特開平4−297076号公報、特開平10−270172号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)などに記載されたものが挙げられる。この様なn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することが出来るため好ましい。電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、ウェット方式、ドライ方式等の公知の方法により、薄膜化することにより成膜し形成することも出来る。
(第2電極)
第2電極は陰極、陽極は特に限定せず、素子構成により選択することが出来るが、好ましくは透明電極を陽極として用いることである。例えば、陰極として用いる場合、好ましくは仕事関数が4eV以下(浅い)の金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。この様な電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、有機機能層との電気的な接合、及び酸化等に対する耐久性の点から、これら金属とこれより仕事関数の値が大きく(深く)安定な金属である第二の金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム単独等が好適である。
第2電極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することが出来る。又、膜厚は通常10nmから5μm、好ましくは50nmから200nmの範囲で選ばれる。
第2電極として反射率の高い金属材料を用いれば、例えば有機EL素子において、発光した光の一部を反射して外部に取り出すことが出来、又、有機PV素子においては、光電変換層を通過した光を反射し、再度、光電変換層に戻すことで光路長を稼ぐ効果が得られ、何れにおいても外部量子効率の向上が期待出来る。
更に、金属(例えば金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、又は炭素からなるナノ粒子、ナノワイヤー、ナノ構造体であってもよく、ナノ粒子やナノワイヤーの高分散性なペーストであれば、透明で導電性の高い対電極を塗布法や印刷法により形成出来好ましい。
又、対電極側を光透過性とする場合は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、銀及び銀化合物等の対電極に適した導電性材料を薄く1nmから20nm程度の膜厚で作製した後、上記透明電極の説明で挙げた導電性光透過性材料の膜を設けることで、光透過性の電極とすることも出来る。
(接着剤層)
接着剤層に用いられる接着剤としては液状接着剤、シート状接着剤、熱可塑性樹脂等が挙げられる。液状接着剤としては、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型シール剤、2−シアノアクリル酸エステルなどの湿気硬化型等の接着剤、エポキシ系などの熱及び化学硬化型(2液混合)等の接着剤、又、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系のホットメルト型接着剤、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤等を挙げることが出来る。尚、素子を構成する有機層が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化出来るものが好ましい。又、帯状可撓性接着部材の接着剤層の裏面側には前述のガスバリア層が必要に応じて形成されることが好ましい。
シート状の接着剤としては、常温(25℃程度)では非流動性を示し、且つ、加熱すると50℃から100℃の範囲で流動性を発現し、シート状に成形された接着剤を言う。使用する接着剤としては、例えば分子の末端又は側鎖にエチレン性二重結合を有する化合物と、光重合開始剤とを主成分とする光硬化性樹脂が挙げられる。使用に際しては、例えば、予め、封止部材側に貼合して常温(25℃程度)以下にして使用することが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、JIS K 7210規定のメルトフローレートが5から20g/10minである熱可塑性樹脂が好ましく、更に好ましくは、6から15g/10min以下の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。これは、メルトフローレートが5(g/10min)以下の樹脂を用いると、各電極の取出し電極の段差により生じる隙間部を完全に埋めることが出来ず、20(g/10min)以上の樹脂を用いると引っ張り強さや耐ストレスクラッキング性、加工性などが低下するためである。これらの熱可塑性樹脂をフィルム状に成形し可撓性封止部材(帯状可撓性封止部材、枚葉シート状可撓性封止部材)に貼合して使用することが好ましい。貼合方法は一般的に知られている各種の方法、例えばウェットラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、押出しラミネート法、熱ラミネート法を利用して作ることが可能である。
熱可塑性樹脂は、上記数値を満たすものであれば特に限定されるものではないが、例えば機能性包装材料の新展開(株式会社東レリサーチセンター)に記載の高分子フィルムである低密度ポリエチレン(LDPE)、HDPE、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン(CPP)、OPP、ONy、PET、セロファン、ポリビニルアルコール(PVA)、延伸ビニロン(OV)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVOH)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン(PVDC)等の使用が可能である。これらの熱可塑性樹脂の中で特にLDPE、LLDPE及びメタロセン触媒を使用して製造したLDPE、LLDPE、又、LDPE、LLDPEとHDPEフィルムの混合使用した熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
(封止層)
封止層に用いられる封止部材の基材としては特に限定はなく、例えばエチレンテトラフルオロエチル共重合体(ETFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、延伸ナイロン(ONy)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエーテルスチレン(PES)など一般の包装用フィルムに使用されている熱可塑性樹脂フィルム材料、ガラス、金属箔等を使用することが出来る。又、これら熱可塑性樹脂フィルムは、必要に応じて異種フィルムと共押出しで作った多層フィルム、延伸角度を変えて貼り合せて作った多層フィルム等も当然使用出来る。更に必要とする物性を得るために使用するフィルムの密度、分子量分布を組合せて作ることも当然可能である。
熱可塑性樹脂フィルムの場合は、蒸着法やコーティング法でバリア層を形成する必要がある。バリア層としては、例えば金属蒸着膜、金属箔が挙げられる。無機蒸着膜としては薄膜ハンドブックp879からp901(日本学術振興会)、真空技術ハンドブックp502からp509、p612、p810(日刊工業新聞社)、真空ハンドブック増訂版p132からp134(ULVAC 日本真空技術K.K)に記載されている如き金属蒸着膜が挙げられる。例えば、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属が用いられる。又、金属箔の材料としては、例えばアルミニウム、銅、ニッケルなどの金属材料や、ステンレス、アルミニウム合金などの合金材料を用いることが出来るが、加工性やコストの面でアルミニウムが好ましい。膜厚は、1から100μm程度、好ましくは10μmから50μm程度が望ましい。又、製造時の取り扱いを容易にするために、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどのフィルムを予めラミネートしておいてもよい。
1、1′、1″ 有機ELパネル
101 基材
102、102aから102c 第1電極(陽極)
102a1 第1電極用外部接続用電極
103、103aから103c 有機機能層
104、104aから104c 第2電極(陰極)
104c1 第2電極用外部接続用電極
105 接着剤層
106 封止層
107 導電層
108 リード部
2 製造工程
3 基材供給工程
4 有機機能層形成工程
5 ドライ成膜工程
501a 気相堆積装置
6 封止工程
7 断裁工程
9 ワイヤー状マスク
A 蒸着室
B 制御手段
B1 制御装置
B2 位置検出装置
C 基材保持ロール
D 基材搬送用ロール
E ワイヤー状マスク位置決めロール群
E1 第1ワイヤー状マスク位置決めロール
E11、E111からE114 溝
E2 第2ワイヤー状マスク位置決めロール
E3 第3ワイヤー状マスク位置決めロール
F 原料蒸発手段
H、H1からH4 エアーツーバキュームコネクター
I、J 幅

Claims (5)

  1. 連続走行する帯状基材の上に少なくとも1本のワイヤー状マスクを介して、パターン形成物質を蒸着させることにより、少なくとも2条の帯状のパターン薄膜を形成するパターン薄膜形成方法において、
    前記帯状基材にはアライメント手段が付けられており、前記アライメント手段の位置を検知手段により検知し、前記ワイヤー状マスクの位置を調整しパターン薄膜を形成することを特徴とするパターン薄膜形成方法。
  2. 前記ワイヤー状マスクは、ワイヤー状マスク位置決めロールにより搬送されることを特徴とする請求項1に記載のパターン薄膜形成方法。
  3. 前記ワイヤー状マスク位置決めロールは前記帯状基材の幅手方向に移動可能であることを特徴とする請求項2に記載のパターン薄膜形成方法。
  4. 前記帯状基材の上には、少なくともパターン化され配列された複数の薄膜が形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のパターン薄膜形成方法。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載のパターン薄膜形成方法により、ロールツーロール方式で帯状基材上に、少なくとも第1電極(陽極)/有機発光物質を含有する有機化合物層/陰極の構成を有する有機エレクトロルミネッセンスパネルを製造することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
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