JPWO2011007761A1 - アルカリ電池用電解液のゲル化剤 - Google Patents

アルカリ電池用電解液のゲル化剤 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011007761A1
JPWO2011007761A1 JP2011522806A JP2011522806A JPWO2011007761A1 JP WO2011007761 A1 JPWO2011007761 A1 JP WO2011007761A1 JP 2011522806 A JP2011522806 A JP 2011522806A JP 2011522806 A JP2011522806 A JP 2011522806A JP WO2011007761 A1 JPWO2011007761 A1 JP WO2011007761A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
viscosity
gelling agent
alkaline
carboxyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011522806A
Other languages
English (en)
Inventor
裕一郎 森光
裕一郎 森光
正豊 吉仲
正豊 吉仲
信一 竹森
信一 竹森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd filed Critical Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Publication of JPWO2011007761A1 publication Critical patent/JPWO2011007761A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M6/00Primary cells; Manufacture thereof
    • H01M6/22Immobilising of electrolyte
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/06Electrodes for primary cells
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M6/00Primary cells; Manufacture thereof
    • H01M6/04Cells with aqueous electrolyte
    • H01M6/06Dry cells, i.e. cells wherein the electrolyte is rendered non-fluid
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/24Alkaline accumulators
    • H01M10/26Selection of materials as electrolytes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0002Aqueous electrolytes
    • H01M2300/0014Alkaline electrolytes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0085Immobilising or gelification of electrolyte
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/38Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of elements or alloys
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/38Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of elements or alloys
    • H01M4/42Alloys based on zinc
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Primary Cells (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

離水の発生が少ないアルカリ電池用電解液のゲルを形成可能なゲル化剤は、カルボキシル基含有重合体の粒子からなり、pH7における0.1重量%水溶液の粘度が3,000mPa・s以上である。カルボキシル基含有重合体の粒子は、通常、α,β−不飽和カルボン酸類を溶解しかつカルボキシル基含有重合体の粒子を溶解しない不活性溶媒中において、α,β−不飽和カルボン酸類を含む重合性材料、例えば、α,β−不飽和カルボン酸類と架橋剤であるエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物とを含む重合性材料を重合することで得られるものであり、重合時のα,β−不飽和カルボン酸類濃度、架橋剤濃度および重合温度のバランスを調整することで、上記粘度を満足するものになる。

Description

本発明は、ゲル化剤、特に、アルカリ電池用電解液のゲル化剤に関する。
アルカリ電池の電極、特に負極として、亜鉛粉末等の電極作用物質とともにアルカリ電解液をゲル化したものが知られており、そのような電極を形成するための一般的なゲル化剤としてカルボキシメチルセルロースや天然ガム等が知られている。
しかし、アルカリ電池用電解液のゲル化剤は、アルカリ電解液による強アルカリ条件下においても長期にわたり安定なゲルを形成可能なことが求められるだけではなく、当該ゲルに対し、良好な電池性能を達成する上で必要な電極作用物質等の分散性を高めることや、アルカリ電池に対して外部からの衝撃が加えられた際に内部を守る耐衝撃性を高める等の各種特性を付与することが同時に求められるものである。そこで、最近は、これらの要請を満足しやすいゲル化剤として、α、β−不飽和カルボン酸類、特にアクリル酸若しくはメタクリル酸またはそれらの塩を主構成単量体成分とするカルボキシル基含有重合体の微粉末または粒状物が多用されるに至っている(例えば、特許文献1、2および3)。
ところが、カルボキシル基含有重合体の微粉末等を用いて形成したゲルは、アルカリ電池を常温で長期間保管したときに、アルカリ電解液が浸出して表面に現れる「離水」と呼ばれる現象を起しやすい。この離水は、アルカリ電池の性能を損なうだけではなく、液漏れ現象、すなわち、アルカリ電池の外装缶からアルカリ電解液が漏れ出す現象の原因ともなる。
また、上述のカルボキシル基含有重合体の微粉末等は、アルカリ電解液へ添加したときに塊状物(ママコ)を生じやすい。このため、アルカリ電解液のゲル化の際にはアルカリ電解液を高速撹拌しながらカルボキシル基含有重合体の微粉末等を添加することで塊状物の生成を抑制しているが、この方法によると、アルカリ電解液のゲル化の過程で多量の空気が泡状に混入し、生成したゲルが泡噛み状態のものになってしまう。泡噛み状態のゲルは、混入した空気泡の分だけ体積が大きくなることから、アルカリ電池の外装缶内へ充填する際に単位容積当たりの充填率が低くなり、電池性能を高めるのが困難になる。そこで、泡噛み状態のゲルは、混入した空気泡を除去する必要があるが、そのために時間と労力をかけても効果的に空気泡を除去するのは非常に困難である。
特開2003−123763号公報 特開2007−294409号公報 特開2002−184395号公報
本発明の目的は、カルボキシル基含有重合体の粒子を用いて形成されたアルカリ電池用電解液のゲルにおいて、離水の発生を抑制することにある。
本発明の他の目的は、カルボキシル基含有重合体の粒子を用いて形成されたアルカリ電池用電解液のゲルにおいて、離水の発生を抑制するとともに、混入した空気泡を容易に除去できるようにすることにある。
本発明のアルカリ電池用電解液のゲル化剤は、カルボキシル基含有重合体の粒子からなり、pH7における0.1重量%水溶液の粘度が3,000mPa・s以上である。このゲル化剤を用いて形成されたアルカリ電解液のゲルは、離水が少ない。
本発明のアルカリ電池用電解液のゲル化剤の一形態は、pH7における0.5重量%水溶液の粘度が40,000mPa・s以上である。特に、この形態のアルカリ電池用電解液のゲル化剤は、pH7における0.5重量%水溶液の粘度(A)とpH7における0.1%水溶液の粘度(B)との比(A/B)が6〜18のものが好ましい。この形態のゲル化剤は、アルカリ電解液のゲルを形成するときに混入する空気泡を容易に除去することができる。
本発明のアルカリ電池用電解液のゲル化剤において、カルボキシル基含有重合体の粒子は、通常、α,β−不飽和カルボン酸類を溶解しかつカルボキシル基含有重合体の粒子を溶解しない不活性溶媒中において、α,β−不飽和カルボン酸類を含む重合性材料を重合することで得られるものである。
本発明のアルカリ電池用電極は、アルカリ電解液に対して電極作用物質および本発明のアルカリ電池用電解液のゲル化剤を添加することで得られるゲル体からなる。この電極は、ゲル体に対して配置された集電体を備えていてもよい。本発明のアルカリ電池用電極は、本発明のゲル化剤を用いて形成されるものであるため、離水が少ない。また、本発明のうちの特定のゲル化剤を用いて形成された電極は、形成時に混入する空気泡の除去が容易であることから密度を高めることができ、アルカリ電池の電池特性を高めることができる。
本発明のアルカリ電池は、本発明のアルカリ電池用電極を備えたものである。このアルカリ電池は、離水による電池性能の低下や液漏れが生じにくい。また、本発明のうちの特定のアルカリ電池用電極を用いたときは、単位容積当りの当該電極の充填率を高めることができ、それによって電池特性を高めることができる。
本発明の他の目的および効果は、以下の詳細な説明において触れる。
本発明に係るアルカリ電池用電解液のゲル化剤は、カルボキシル基含有重合体の粒子からなる。ここで、カルボキシル基含有重合体は、アルカリ電池用電解液、すなわち後述するアルカリ電解液のゲル化剤として利用可能なものであれば種類が特に限定されるものではないが、通常は、α,β−不飽和カルボン酸類を主な単量体成分として含む重合性材料を重合することで調製されたものである。
本発明において好ましいカルボキシル基含有重合体としては、α,β−不飽和カルボン酸類と架橋剤であるエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物とを含む重合性材料(以下、重合性材料Aという場合がある)を重合することで得られる架橋型カルボキシル基含有重合体およびα,β−不飽和カルボン酸類とアルキル基の炭素数が10〜30であるアクリル酸系アルキルエステルとを含む重合性材料(以下、重合性材料Bという場合がある)を重合することで得られるアルキル変性カルボキシル基含有重合体を挙げることができる。
上述の重合性材料A,Bにおいて用いられるα,β−不飽和カルボン酸類は、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸およびフマル酸等のα,β−不飽和カルボン酸並びにアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸パルミチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸エイコサニル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸パルミチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エイコサニルおよびメタクリル酸ベヘニル等のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル等を挙げることができる。このうち、重合性材料Bにおいては、α,β−不飽和カルボン酸を用いるのが特に好ましい。重合性材料A,Bにおいて、α,β−不飽和カルボン酸類は、1種類のものが用いられてもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。
重合性材料Aにおいて用いられるエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリオールの2置換以上のアクリル酸エステル類、ポリオールの2置換以上のアリルエーテル類、フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、メタクリル酸アリル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5−ヘキサジエンおよびジビニルベンゼン等を挙げることができる。ここで、アクリル酸エステル類およびアリルエーテル類を形成するためのポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、サッカロースおよびソルビトールを挙げることができる。
エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物として特に好ましいものは、少量の使用で増粘性の高いゲルを形成可能なゲル化剤を得ることができることから、ポリオールとしてペンタエリスリトールまたはサッカロースを用いたアリルエーテル類である。
エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物は、2種以上のものが併用されてもよい。
重合性材料Bにおいて用いられるアルキル基の炭素数が10〜30であるアクリル酸系アルキルエステルは、アクリル酸またはメタクリル酸とアルキル基の炭素数が10〜30である高級アルコールとのエステルをいい、例えば、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸パルミチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸エイコサニル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸パルミチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エイコサニル、メタクリル酸ベヘニルおよびメタクリル酸テトラコサニル等を挙げることができる。アクリル酸系アルキルエステルは、2種以上のものが併用されてもよい。
アルキル基の炭素数が10〜30であるアクリル酸系アルキルエステルとして特に好ましいものとしては、粘度特性に優れたアルカリ電池用電解液のゲルを形成することができることから、例えば、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エイコサニル、メタクリル酸ベヘニル若しくはメタクリル酸テトラコサニルまたはこれらの混合物(例えば、メタクリル酸ステアリルが10〜20質量部、メタクリル酸エイコサニルが10〜20質量部、メタクリル酸ベヘニルが59〜80質量部およびメタクリル酸テトラコサニルの含有量が1質量部以下の混合物である、日本油脂株式会社の商品名「ブレンマーVMA70」)を挙げることができる。
カルボキシル基含有重合体の粒子は、ラジカル重合開始剤の存在下において、不活性溶媒中で所定の重合性材料、例えば上述の重合性材料AまたはBを重合させることで製造することができる。
ここで用いられるラジカル重合開始剤は、特に限定されるものではなく、例えば、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドおよび第三級ブチルハイドロパーオキサイド等を挙げることができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、α,β−不飽和カルボン酸類100質量部に対して、0.01〜0.45質量部に設定するのが好ましく、0.01〜0.35質量部に設定するのがより好ましい。ラジカル重合開始剤の使用量が0.01質量部未満の場合、反応速度が遅くなり、カルボキシル基含有重合体を経済的に調製するのが困難になる可能性がある。一方、ラジカル重合開始剤の使用量が0.45質量部を超える場合、反応速度が速くなり過ぎる傾向があるため、反応の制御が困難になる。
カルボキシル基含有重合体の粒子の製造において用いられる不活性溶媒は、重合性材料A,Bのような重合性材料に含まれるα,β−不飽和カルボン酸類、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物およびアルキル基の炭素数が10〜30であるアクリル酸系アルキルエステルを溶解することはできるが、重合により生成するカルボキシル基含有重合体の粒子を溶解しない溶媒をいう。
このような不活性溶媒としては、例えば、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、イソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、エチレンジクロライド、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、エチルメチルケトンおよびイソブチルメチルケトン等を挙げることができる。このうち、品質が安定しており、入手が容易であることから、エチレンジクロライドまたはノルマルヘキサンを用いるのが特に好ましい。
不活性溶媒中において重合性材料を重合する際において、反応雰囲気は、通常、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気に設定するのが好ましい。また、重合時の反応温度は、反応溶液の粘度上昇を抑制し、反応制御を容易にする観点から、50〜90℃に設定するのが好ましく、55〜90℃に設定するのがより好ましい。さらに、重合時の反応時間は、反応温度によって異なるので一概に決定するのは困難であるが、通常、2〜10時間に設定するのが好ましい。
上述の反応終了後、反応溶液を80〜130℃に加熱して不活性溶媒を揮散除去すると、通常、平均粒径が1〜10μm程度で白色微粉末状のカルボキシル基含有重合体の粒子を得ることができる。この工程において、加熱温度が80℃未満の場合は乾燥に長時間を要するおそれがあり、また、加熱温度が130℃を超えると、本発明のゲル化剤を用いて調製されるゲルの粘度が悪化するおそれがある。
本発明において用いられるカルボキシル基含有重合体の粒子は、pH7における0.1重量%水溶液の粘度が3,000mPa・s以上、好ましくは3,500mPa・s以上、より好ましくは4,000mPa・s以上のものである。この粘度が3,000mPa・s未満の場合は、離水の少ないアルカリ電解液のゲルを製造するのが困難になる。
カルボキシル基含有重合体の粒子のpH7における0.1重量%水溶液の粘度は、上限が特に規定されるものではないが、通常は10,000mPa・s以下が好ましい。
また、本発明において用いられるカルボキシル基含有重合体の粒子は、pH7における0.5重量%水溶液の粘度が40,000mPa・s以上のもの、特に同粘度が50,000mPa・s以上のものが好ましい。この粘度条件を同時に満足するカルボキシル基含有重合体の粒子は、離水の少ないアルカリ電解液のゲルを製造することができるとともに、アルカリ電解液のゲルを製造するときに混入する空気泡をゲルから容易に除去することができる。
カルボキシル基含有重合体の粒子のpH7における0.5重量%水溶液の粘度は、上限が特に規定されるものではないが、通常は70,000mPa・s以下が好ましい。
なお、pH7における0.1重量%水溶液の粘度およびpH7における0.5重量%水溶液の粘度は、後記する実施例において説明する測定法により測定した場合の値である。
カルボキシル基含有重合体の粒子は、pH7における0.5%水溶液の粘度が40,000mPa・s以上の場合、pH7における0.5%水溶液の粘度(A)とpH7における0.1%水溶液の粘度(B)との比(A/B)が6〜18に設定されているのが好ましく、6〜15に設定されているのがより好ましい。当該比がこの範囲の場合は、アルカリ電解液のゲルを製造するときに混入する空気泡をゲルからより容易に除去することができるが、詳細については後記する。
上述の各粘度は、重合性材料の重合時において、不活性溶媒中におけるα,β−不飽和カルボン酸類濃度、架橋剤濃度またはアルキル基の炭素数が10〜30であるアクリル酸系アルキルエステル濃度および重合温度を制御することで調整することができる。より具体的には、下記の傾向を参照してα,β−不飽和カルボン酸類濃度、架橋剤濃度またはアルキル基の炭素数が10〜30であるアクリル酸系アルキルエステル濃度および重合温度のバランスを調整することで、上記各粘度の条件を満足するカルボキシル基含有重合体の粒子を調製することができる。
・不活性溶媒中におけるα,β−不飽和カルボン酸類濃度を低く設定すると、pH7における0.1重量%水溶液の粘度が下降し、かつ、pH7における0.5重量%水溶液の粘度が下降する傾向がある。
・不活性溶媒中におけるα,β−不飽和カルボン酸類濃度を高く設定すると、pH7における0.1重量%水溶液の粘度が上昇し、かつ、pH7における0.5重量%水溶液の粘度が上昇する傾向がある。
・不活性溶媒中における架橋剤濃度またはアルキル基の炭素数が10〜30であるアクリル酸系アルキルエステル濃度を低く設定すると、pH7における0.1重量%水溶液の粘度が上昇し、かつ、pH7における0.5重量%水溶液の粘度が下降する傾向がある。
・不活性溶媒中における架橋剤濃度またはアルキル基の炭素数が10〜30であるアクリル酸系アルキルエステル濃度を高く設定すると、pH7における0.1重量%水溶液の粘度が下降し、かつ、pH7における0.5重量%水溶液の粘度が上昇する傾向がある。
・重合温度を低く設定すると、0.1重量%水溶液の粘度および0.5重量%水溶液の粘度が共に上昇する傾向がある。
・重合温度を高く設定すると、0.1重量%水溶液の粘度および0.5重量%水溶液の粘度が共に下降する傾向がある。
重合性材料Aを用いて架橋型カルボキシル基含有重合体の粒子を製造する場合、α,β−不飽和カルボン酸類の使用量は、通常、不活性溶媒の100容量部に対して6〜25容量部の範囲に設定するのが好ましく、8〜22容量部の範囲に設定するのがより好ましく、13〜20容量部の範囲に設定するのがさらに好ましい。α,β−不飽和カルボン酸類の使用量が6容量部未満の場合、得られる架橋型カルボキシル基含有重合体粒子の取得量が少なくなり、非効率であって経済性を欠く可能性がある。逆に、α,β−不飽和カルボン酸類の使用量が25容量部を超える場合、重合反応が進行するに従って架橋型カルボキシル基含有重合体の粒子が析出し、反応系を均一に撹拌することが困難になることがあるため、反応の制御が困難になる可能性がある。
また、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物、すなわち架橋剤の使用量は、通常、α,β−不飽和カルボン酸類100質量部に対して、0.01〜2質量部に設定するのが好ましく、0.3〜1.5質量部に設定するのがより好ましい。この使用量が0.01質量部未満の場合、得られるカルボキシル基含有重合体の粒子を用いて製造されるゲルの粘度が低下し、アルカリ電解液による強アルカリ条件下において長期にわたり安定なゲルを形成できなくなる可能性がある。逆に、2質量部を超える場合、得られるカルボキシル基含有重合体の粒子を用いて製造されるゲルに不溶性のゲルが生成しやすくなる可能性がある。
一方、重合性材料Bを用いてアルキル変性カルボキシル基含有重合体の粒子を製造する場合、α,β−不飽和カルボン酸類の使用量は、通常、不活性溶媒の100容量部に対して6〜25容量部の範囲に設定するのが好ましく、8〜22容量部の範囲に設定するのがより好ましく、13〜20容量部の範囲に設定するのがさらに好ましい。α,β−不飽和カルボン酸類の使用量が6容量部未満の場合、得られるアルキル変性カルボキシル基含有重合体の粒子の取得量が少なくなり、非効率であって経済性を欠く可能性がある。逆に、25容量部を超える場合、重合反応が進行するに従ってアルキル変性カルボキシル基含有重合体の粒子が析出し、反応系を均一に撹拌することが困難になることがあるため、反応の制御が困難になる可能性がある。
また、アルキル基の炭素数が10〜30であるアクリル酸系アルキルエステルの使用量は、α,β−不飽和カルボン酸類100質量部に対して20質量部以下に設定するのが好ましく、1〜10質量部に設定するのがより好ましい。この使用量が20質量部を超える場合、得られるカルボキシル基含有共重合体の粒子がアルカリ電解液へ溶解しにくくなり、アルカリ電解液のゲルを製造するのが困難になる可能性がある。
本発明のアルカリ電池用電解液のゲル化剤は、アルカリ電解液に対して添加すると、アルカリ電解液のゲル体を調製することができる。ここで、ゲル化可能なアルカリ電解液は、アルカリ電池において用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、水酸化カリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液等である。
また、アルカリ電解液のゲル体を調製するときに、アルカリ電解液に対して本発明のゲル化剤とともに電極作用物質を添加すると、アルカリ電池用のゲル状の電極を得ることができる。この際、電極作用物質を選択することでアルカリ電池用の正極または負極を製造することができる。正極を製造するために用いられる電極作用物質としては、例えば、二酸化マンガン等のマンガン化合物、オキシ水酸化ニッケル、亜鉛およびコバルトのうちの少なくとも一つとニッケルとの共晶物等のニッケル化合物並びに鉄(VI)酸カリウム、鉄(VI)酸ナトリウム、鉄(VI)酸リチウム、鉄(VI)酸セシウム、鉄(VI)酸銀、鉄(VI)酸ストロンチウム、鉄(VI)酸マグネシウム、鉄(VI)酸カルシウム、鉄(VI)酸バリウムおよび鉄(VI)酸亜鉛等の鉄(VI)酸化合物等が挙げられる。一方、負極を製造するために用いられる電極作用物質としては、例えば、インジウム、ビスマス、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、バナジウム、鉄、銅、ジルコニウム、ニオビウム、銀、ガリウム、亜鉛およびスズ等と亜鉛との亜鉛合金のような亜鉛化合物が挙げられる。電極作用物質は、ゲル状の電極において均一に分散させるのが好ましいため、粉末状のものを用いるのが好ましい。
なお、上述のようなゲル状の電極を製造する場合、電極の導電性および電極作用物質の安定性を高めることができることから、アルカリ電解液として濃度が34〜48質量%の水酸化カリウム水溶液を用いるのが特に好ましい。
上述のようなゲル状の電極は、必要に応じ、アルカリ電池において、集電体を配置して用いることができる。
アルカリ電解液のゲル体(以下、「ゲル体」という場合は上述のゲル状の電極を含む)を製造する場合、必要に応じて防腐剤や安定剤等の各種添加剤をアルカリ電解液に対して添加することができる。また、上述のゲル状の電極を製造する場合においては、アルカリ電解液に対して各種の電極用添加剤を添加することもできる。正極を製造する場合の添加剤としては、アルカリ電池の貯蔵時の容量維持率を改善する観点から、例えば、酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムおよびフッ化カルシウム等を用いることができ、また、導電性を改善する観点から、例えば、黒鉛、アセチレンブラックおよびカーボンブラック等を用いることができる。一方、負極を製造する場合の添加剤としては、ゲル化剤の増粘性向上の観点から、例えば、酸化チタン、酸化ビスマス、酸化銅、酸化インジウム、酸化スズおよび酸化ニオブ等を用いることができる。
アルカリ電解液に対して本発明のゲル化剤等を添加してゲル体を製造する際は、塊状物(ママコ)の生成を抑制するために、アルカリ電解液を高速攪拌しながら本発明のゲル化剤等を添加するのが好ましい。
アルカリ電池用電解液のゲル化剤の使用量は、電極作用物質等の分散性を高める目的や、アルカリ電池に対して外部からの衝撃が加えられた際に内部を守る耐衝撃性を高める目的等に応じて設定することができるため、限定されるものではないが、通常、アルカリ電解液に対して0.5〜4.0重量%に設定するのが好ましく、1.0〜3.0重量%に設定するのがより好ましい。
アルカリ電解液のゲル体の製造では、アルカリ電解液を高速攪拌することから、得られたゲル体は、通常、多量の空気泡が混入し、密度が低下する。このため、ゲル体は、製造時に混入した空気泡が除去されているのが好ましい。
本発明のアルカリ電池用電解液のゲル化剤のうち、pH7における0.5重量%水溶液の粘度が40,000mPa・s以上の条件を併せて満足するものを用いて得られたゲル体は、各種の脱気法、例えば遠心分離法や減圧脱気法を適用することで混入した空気泡を容易に除去することができ、密度を高めることができる。特に、減圧脱気法では、10〜20torr程度の減圧下にゲル体を配置することで混入した空気泡を容易に除去することができることから、このような減圧環境を設定可能な簡易な装置を用いることで大量のゲル体から効率的に空気泡を除去することができる。
本発明のアルカリ電池用電解液のゲル化剤を用いて得られたゲル体は、特に、適度な弾力と固さを持っているときに空気泡の除去が容易になる。特に、減圧脱気法では、減圧によりゲル体中の空気泡が膨張したとき、それを包むゲルがある程度膨張した時点で破裂しやすい程度の弾力と固さを持つ場合、全体として容易に空気泡を除去できる。この観点から、本発明のアルカリ電池用電解液のゲル化剤は、pH7における0.5%水溶液の粘度が40,000mPa・s以上の場合、既述のように、pH7における0.5%水溶液の粘度(A)とpH7における0.1%水溶液の粘度(B)との比(A/B)が6〜18に設定されているのが好ましい。この比が6未満の場合、ゲル体が柔らかい傾向にあるため、減圧下で膨張する空気泡に追従してゲルも柔軟に膨張し、空気泡が抜けないままゲル体が膨張してしまうことがある。逆に、この比が18を超える場合は、ゲル体が固い傾向にあるため、減圧下で空気泡が膨張してもゲル体が破裂しにくくなり、結果として空気泡が抜けないままゲル体が膨張してしまうことがある。
本発明のアルカリ電池は、例えば、金属製の外装缶内に正極と負極とをセパレーターを挟んで物理的に接触しないよう分離した状態で収容し、また、必要に応じて正極または負極に対して集電体を配置した状態で外装缶の両端に正極および負極にそれぞれ連絡する端子が形成されるよう外装缶をガスケット、金属板および金属封口板等で密閉状態に封止した円筒型またはボタン型のものであり、正極および負極の少なくとも一つにおいて本発明のアルカリ電池用電極を用いたものである。
本発明のアルカリ電池のうち、円筒型のアルカリ電池においては、通常、負極において本発明に係るゲル状のアルカリ電池用電極であってゲル体に集電体を配置したものを用いることができ、正極としてアルカリ電池において一般的なものを用いることができる。このような円筒型アルカリ電池の一般的な構造は、例えば、先に挙げた特許文献1に記載のようなものである。一方、ボタン型のアルカリ電池においては、通常、正極および負極の両方において本発明に係るゲル状のアルカリ電池用電極を用いることができる。このようなボタン型アルカリ電池の一般的な構造は、例えば、先に挙げた特許文献3に記載のようなものである。
本発明のアルカリ電池は、本発明のアルカリ電池用電極を用いていることから常温で長期間保管した場合であっても電極においてアルカリ電解液の離水が起こりにくいため、電池性能が損なわれにくく、また、液漏れが生じにくい。また、本発明のアルカリ電池は、pH7における0.5重量%水溶液の粘度が40,000mPa・s以上の条件を満足する本発明のゲル化剤を用いて製造された本発明の電極を用いる場合、当該電極に混入した空気泡を容易に除去して密度を高めることができるため、これまでのゲル状電極を用いる場合よりも単位容積当りの充填率を高めて高い電池性能を達成することができる。
実施例1
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500ml容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(42.9ml)、ペンタエリスリトールアリルエーテル0.248g、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.153gおよびノルマルヘキサン150g(223.9ml)を仕込んだ。これを均一に撹拌、混合した後、反応容器の上部空間、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気に維持した状態で60〜62℃に加熱して保持し、4時間反応させた。
反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱してノルマルヘキサンを留去し、さらに110℃および10mmHgの環境下で8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末の架橋型カルボキシル基含有重合体粒子41gを得た。
実施例2
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500ml容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(42.9ml)、ペンタエリスリトールアリルエーテル0.248g、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.153gおよびノルマルヘキサン150g(223.9ml)を仕込んだ。これを均一に撹拌、混合した後、反応容器の上部空間、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気に維持した状態で64〜66℃に加熱して保持し、4時間反応させた。
反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱してノルマルヘキサンを留去し、さらに110℃および10mmHgの環境下で8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末の架橋型カルボキシル基含有重合体粒子41gを得た。
実施例3
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500ml容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(42.9ml)、ペンタエリスリトールアリルエーテル0.270g、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.153gおよびノルマルヘキサン210.8g(314.6ml)を仕込んだ。これを均一に撹拌、混合した後、反応容器の上部空間、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気に維持した状態で64〜66℃に加熱して保持し、4時間反応させた。
反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱してノルマルヘキサンを留去し、さらに110℃および10mmHgの環境下で8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末の架橋型カルボキシル基含有重合体粒子41gを得た。
実施例4
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500ml容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(42.9ml)、ペンタエリスリトールアリルエーテル0.248g、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.153gおよびノルマルヘキサン150g(223.9ml)を仕込んだ。これを均一に撹拌、混合した後、反応容器の上部空間、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気に維持した状態でリフラックス温度に加熱して保持し、4時間反応させた。
反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱してノルマルヘキサンを留去し、さらに110℃および10mmHgの環境下で8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末の架橋型カルボキシル基含有重合体粒子41gを得た。
実施例5
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500ml容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(42.9ml)、ペンタエリスリトールアリルエーテル0.220g、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.153gおよびノルマルヘキサン210.8g(314.6ml)を仕込んだ。これを均一に撹拌、混合した後、反応容器の上部空間、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気に維持した状態で64〜66℃に加熱して保持し、4時間反応させた。
反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱してノルマルヘキサンを留去し、さらに110℃および10mmHgの環境下で8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末の架橋型カルボキシル基含有重合体粒子41gを得た。
比較例1
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500ml容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(42.9ml)、ペンタエリスリトールアリルエーテル0.293g、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.153gおよびノルマルヘキサン150g(223.9ml)を仕込んだ。これを均一に撹拌、混合した後、反応容器の上部空間、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気に維持した状態でリフラックス温度に加熱して保持し、4時間反応させた。
反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱してノルマルヘキサンを留去し、さらに110℃および10mmHgの環境下で8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末の架橋型カルボキシル基含有重合体粒子41gを得た。
比較例2
撹拌機、温度計、窒素吹き込み管および冷却管を備えた500ml容の四つ口フラスコに、アクリル酸45g(42.9ml)、ペンタエリスリトールアリルエーテル0.135g、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.153gおよびノルマルヘキサン150g(223.9ml)を仕込んだ。これを均一に撹拌、混合した後、反応容器の上部空間、原料および溶媒中に存在している酸素を除去するために、溶液中に窒素ガスを吹き込んだ。次いで、反応容器内を窒素雰囲気に維持した状態で64〜66℃に加熱して保持し、4時間反応させた。
反応終了後、生成したスラリーを90℃に加熱してノルマルヘキサンを留去し、さらに110℃および10mmHgの環境下で8時間減圧乾燥することにより、白色微粉末の架橋型カルボキシル基含有重合体粒子41gを得た。
評価1
実施例1〜5および比較例1,2において得られたカルボキシル基含有重合体の粒子(架橋型カルボキシル基含有重合体粒子)について、pH7における0.1重量%水溶液の粘度およびpH7における0.5重量%水溶液の粘度をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。なお、各粘度の測定方法は次のとおりである。
(pH7における0.1重量%水溶液の粘度)
1L容のガラス製ビーカーに脱イオン交換水およびカルボキシル基含有重合体の粒子を仕込み、マグネティックスターラーで3時間攪拌してカルボキシル基含有重合体の粒子を溶解させた。得られた溶液に中和用の6重量%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、CTFA(ザ・コスメティック・トイレタリ・アンド・フラグランス・アソシエーション)に準拠したS字翼で毎分200回転の速度で1時間撹拌混合することでカルボキシル基含有重合体の水溶液を調製した。ここで、脱イオン水、カルボキシル基含有重合体の粒子および6重量%水酸化ナトリウム水溶液の使用量は、カルボキシル基含有重合体の水溶液においてカルボキシル基含有重合体の濃度が0.1重量%になりかつ水溶液のpHが7になるように設定した。得られたカルボキシル基含有重合体の水溶液について、BH型回転粘度計を用い、ローターNo.5、毎分20回転、温度25℃の条件下、60秒後の粘度を測定した。
(pH7における0.5重量%水溶液の粘度)
1L容のガラス製ビーカーに脱イオン交換水およびカルボキシル基含有重合体の粒子を仕込み、マグネティックスターラーで3時間攪拌してカルボキシル基含有重合体の粒子を溶解させた。得られた溶液に中和用の6重量%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、CTFA(ザ・コスメティック・トイレタリ・アンド・フラグランス・アソシエーション)に準拠したS字翼で毎分200回転の速度で1時間撹拌混合することでカルボキシル基含有重合体の水溶液を調製した。ここで、脱イオン水、カルボキシル基含有重合体の粒子および6重量%水酸化ナトリウム水溶液の使用量は、カルボキシル基含有重合体の水溶液においてカルボキシル基含有重合体の濃度が0.5重量%になりかつ水溶液のpHが7になるように設定した。得られたカルボキシル基含有重合体の水溶液について、BH型回転粘度計を用い、ローターNo.7、毎分20回転、温度25℃の条件下、60秒後の粘度を測定した。
評価2
実施例1〜5および比較例1,2において得られたカルボキシル基含有重合体の粒子(架橋型カルボキシル基含有重合体粒子)を用いてアルカリ電池用の試験用ゲル状負極を製造し、この試験用ゲル状負極について離水性および空気泡の除去性を評価した。評価方法は次のとおりである。結果を表1に示す。
(離水性)
40重量%水酸化カリウム水溶液98.5重量%へカルボキシル基含有重合体の粒子1.5重量%を添加して混合することで調製したゲル溶液100重量部に対し、電極作用物質である亜鉛粉末200重量部を添加して均一に攪拌、混合することで試験用ゲル状負極を製造した。この試験用ゲル状負極を50mlメスシリンダーに約40ml充填して7日間放置した。そして、試験用ゲル状負極から離水した浮き水を含むメスシリンダーの内容物の全体の高さと浮き水を除く試験用ゲル状負極部分のみの高さとをそれぞれ測定し、下記の式に基づいて亜鉛粉末の保持率を算出した。亜鉛粉末の保持率が98%以上であれば、試験用ゲル状負極からの離水が少なく、良好(合格)である。
Figure 2011007761
(空気泡の除去性)
40重量%水酸化カリウム水溶液99重量%へカルボキシル基含有重合体の粒子1重量%を添加して混合することで調製したゲル溶液100重量部に対し、電極作用物質である亜鉛粉末200重量部を添加して均一に攪拌、混合することで試験用ゲル状負極を製造した。この試験用ゲル状負極を200mlビーカーに150g入れ、そのときの試験用ゲル状負極の高さ(減圧前高さ)と、ビーカーを20torrの減圧下に10分間放置した後の試験用ゲル状負極の高さ(減圧後高さ)とをそれぞれ測定し、下記の式に基づいて試験用ゲル状負極の高さ上昇率を算出した。高さ上昇率が200%以下であれば、試験用ゲル状電極の製造時に混入した空気泡の除去性が良好(合格)である。
Figure 2011007761
Figure 2011007761
表1によると、pH7における0.1重量%水溶液の粘度が3,000mPa・s以上である実施例1〜5のカルボキシル基含有重合体の粒子をゲル化剤として用いることで製造した試験用ゲル状負極は、亜鉛粉末の保持率が高く、離水が少ない。また、pH7における0.5重量%水溶液の粘度が40,000mPa・s以上である実施例1〜4のカルボキシル基含有重合体の粒子をゲル化剤として用いることで製造した試験用ゲル状負極は、高さ上昇率が小さいことから製造時に混入した空気泡の除去が容易であり、空気泡を除去して密度を高めることで容積の限られたアルカリ電池の外装缶内への充填率を高めることができる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態若しくは実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。

Claims (16)

  1. カルボキシル基含有重合体の粒子からなり、
    pH7における0.1重量%水溶液の粘度が3,000mPa・s以上である、
    アルカリ電池用電解液のゲル化剤。
  2. pH7における0.5重量%水溶液の粘度が40,000mPa・s以上である、請求項1に記載のアルカリ電池用電解液のゲル化剤。
  3. pH7における0.5重量%水溶液の粘度(A)とpH7における0.1%水溶液の粘度(B)との比(A/B)が6〜18である、請求項2に記載のアルカリ電池用電解液のゲル化剤。
  4. pH7における0.1重量%水溶液の粘度が10,000mPa・s以下である、請求項1から3のいずれかに記載のアルカリ電池用電解液のゲル化剤。
  5. pH7における0.5重量%水溶液の粘度が70,000mPa・s以下である、請求項4に記載のアルカリ電池用電解液のゲル化剤。
  6. 前記カルボキシル基含有重合体の粒子は、α,β−不飽和カルボン酸類を溶解しかつ前記カルボキシル基含有重合体の粒子を溶解しない不活性溶媒中において、前記α,β−不飽和カルボン酸類を含む重合性材料を重合することで得られるものである、請求項1から3のいずれかに記載のアルカリ電池用電解液のゲル化剤。
  7. 前記重合性材料が架橋剤としてエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を含む、請求項6に記載のアルカリ電池用電解液のゲル化剤。
  8. 前記α,β−不飽和カルボン酸類がα,β−不飽和カルボン酸であり、前記架橋剤がペンタエリスリトールアリルエーテルである、請求項7に記載のアルカリ電池用電解液のゲル化剤。
  9. アルカリ電解液に対して電極作用物質およびゲル化剤を添加することで得られるゲル体からなり、
    前記ゲル化剤は、カルボキシル基含有重合体の粒子からなり、かつ、pH7における0.1重量%水溶液の粘度が3,000mPa・s以上のものである、
    アルカリ電池用電極。
  10. 前記ゲル化剤は、pH7における0.5重量%水溶液の粘度が40,000mPa・s以上である、請求項9に記載のアルカリ電池用電極。
  11. 前記ゲル体は、製造時に混入した空気泡が除去されている、請求項10に記載のアルカリ電池用電極。
  12. 前記アルカリ電解液は濃度が34〜48質量%の水酸化カリウム水溶液である、請求項11に記載のアルカリ電池用電極。
  13. 前記ゲル体に対して配置された集電体を備えている、請求項9から12のいずれかに記載のアルカリ電池用電極。
  14. 正極、負極および前記正極と前記負極とに挟まれたセパレータを備え、
    前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方は、アルカリ電解液に対して電極作用物質およびゲル化剤を添加することで得られるゲル体からなり、前記ゲル化剤として、カルボキシル基含有重合体の粒子からなり、かつ、pH7における0.1重量%水溶液の粘度が3,000mPa・s以上のものを用いている、
    アルカリ電池。
  15. 前記ゲル化剤は、pH7における0.5重量%水溶液の粘度が40,000mPa・s以上である、請求項14に記載のアルカリ電池。
  16. 前記ゲル体に集電体が配置されている、請求項14または15に記載のアルカリ電池。
JP2011522806A 2009-07-16 2010-07-12 アルカリ電池用電解液のゲル化剤 Pending JPWO2011007761A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009168135 2009-07-16
JP2009168135 2009-07-16
PCT/JP2010/061786 WO2011007761A1 (ja) 2009-07-16 2010-07-12 アルカリ電池用電解液のゲル化剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2011007761A1 true JPWO2011007761A1 (ja) 2012-12-27

Family

ID=43449369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011522806A Pending JPWO2011007761A1 (ja) 2009-07-16 2010-07-12 アルカリ電池用電解液のゲル化剤

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20120115038A1 (ja)
EP (1) EP2455999A4 (ja)
JP (1) JPWO2011007761A1 (ja)
KR (1) KR20120049211A (ja)
CN (1) CN102473919A (ja)
CA (1) CA2766251A1 (ja)
WO (1) WO2011007761A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6190101B2 (ja) * 2011-08-23 2017-08-30 株式会社日本触媒 ゲル電解質又は負極合剤、及び、該ゲル電解質又は負極合剤を使用した電池
US10074873B2 (en) * 2014-02-26 2018-09-11 Basf Se Inorganic coordination polymers as gelling agents
JP5774190B1 (ja) * 2014-12-12 2015-09-09 ジーンメディカル株式会社 皮下注射用剤及び皮下注射用剤を含有する注射器の製造方法
WO2019027481A1 (en) * 2017-08-04 2019-02-07 National Technology & Engineering Solutions Of Sandia, Llc RECHARGEABLE COPPER OXIDE ELECTRODES FOR ELECTROCHEMICAL APPLICATIONS
CN110521021B (zh) 2017-11-24 2022-05-13 株式会社Lg化学 隔板制造方法、由此制得的隔板和包括该隔板的电化学装置
KR20210048493A (ko) * 2018-08-31 2021-05-03 니폰 제온 가부시키가이샤 전고체 이차 전지용 바인더 조성물, 전고체 이차 전지 전극 합재층용 슬러리 조성물, 전고체 이차 전지 고체 전해질층용 슬러리 조성물, 전고체 이차 전지용 전극, 전고체 이차 전지용 고체 전해질층, 및 전고체 이차 전지

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0828216B2 (ja) * 1988-10-27 1996-03-21 三洋化成工業株式会社 アルカリ電池のゲル状陰極用ゲル化剤
JP2002184395A (ja) 2000-12-12 2002-06-28 Toshiba Battery Co Ltd アルカリ電池用電極、およびアルカリ電池
JP4083482B2 (ja) 2001-08-09 2008-04-30 三洋化成工業株式会社 アルカリ電池用ゲル化剤並びにアルカリ電池
JP4480945B2 (ja) * 2003-02-24 2010-06-16 東芝電池株式会社 筒形アルカリ電池
JP2005038697A (ja) * 2003-07-14 2005-02-10 Toshiba Battery Co Ltd 円筒形アルカリ電池
WO2006006471A1 (ja) * 2004-07-08 2006-01-19 Sanyo Chemical Industries, Ltd. アルカリ電池用ゲル化剤及びアルカリ電池
JP2007294409A (ja) 2006-03-30 2007-11-08 Sanyo Chem Ind Ltd アルカリ電池用ゲル化剤及びアルカリ電池
JP4349405B2 (ja) * 2006-10-19 2009-10-21 パナソニック株式会社 アルカリ電池
US20080193851A1 (en) * 2007-02-09 2008-08-14 Rovcal, Inc. Alkaline electrochemical cell having improved gelled anode
WO2009011264A1 (ja) * 2007-07-19 2009-01-22 Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. 電池用ゲル化剤

Also Published As

Publication number Publication date
EP2455999A4 (en) 2013-07-31
WO2011007761A1 (ja) 2011-01-20
CN102473919A (zh) 2012-05-23
US20120115038A1 (en) 2012-05-10
CA2766251A1 (en) 2011-01-20
KR20120049211A (ko) 2012-05-16
EP2455999A1 (en) 2012-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2011007761A1 (ja) アルカリ電池用電解液のゲル化剤
US3884721A (en) Anode for galvanic cells
SE456057B (sv) Elektokemisk cell med gelad anod samt forfarande for framstellning av en sadan cell
US5686204A (en) Gelling agent for alkaline electrochemical cells
JPS6113561A (ja) アルカリ電池の陰極をゲル化する方法及び陰極ブレンド
JP4331704B2 (ja) アルカリ電池用ゲル化剤及びアルカリ電池
CN107078270B (zh) 电化学元件用电极的制造方法、电化学元件用电极以及电化学元件
US8377595B2 (en) Gelling agent for batteries
SE448330B (sv) Forfarande for att bilda en elektrokemisk cell med en gelad anod samt en cell med en sadan anod
JP2003123763A (ja) アルカリ電池用ゲル化剤並びにアルカリ電池
JPH0828216B2 (ja) アルカリ電池のゲル状陰極用ゲル化剤
JP2012124028A (ja) アルカリ電池用電解液のゲル化剤
JP5514117B2 (ja) アルカリ電池用増粘剤及びアルカリ電池
JP2008034379A (ja) アルカリ電池用増粘剤及びアルカリ電池
JP2006040887A (ja) アルカリ電池
EP3882278A1 (en) Polymer composition
JPWO2019082867A1 (ja) 二次電池電極用バインダー及びその用途
JP2017103217A (ja) アルカリ電池用ゲル化剤
JP2008282787A (ja) 鉛蓄電池用添加剤タブレットおよびその製造法
CN109817981B (zh) 一种碱性电池负极合成凝胶剂
JP5164031B2 (ja) 二次電池負極用バインダー
JPS58206048A (ja) アルカリ電池
JP5711590B2 (ja) アルカリ電池正極用結合剤及びアルカリ電池
WO2023074720A1 (ja) α,β-不飽和カルボン酸化合物の架橋重合体及びその用途
JP2008123791A (ja) ゲル状亜鉛負極の製造方法及び亜鉛アルカリ電池