JPWO2010143639A1 - 投射型表示装置 - Google Patents

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Abstract

本発明に係る投射型表示装置は、コヒーレント光を発光する光源(11)を少なくとも一つ含む光源部と、前記光源部が発光した光を変調して画像光を生成する画像光生成部(15)と、前記画像光を投射する投射部(16)と、前記光源部と前記画像光生成部との間の光路中に配置され、通過する光に対して散乱状態を時間的に変化させる液晶散乱素子(20)と、前記液晶散乱素子の複数の透明基板の対向するそれぞれの面に形成された透明電極と、前記透明電極間に挟持された、電圧印加状態において自発分極を有するスメクチック相からなる液晶を有する液晶層とを備え、前記透明電極を介して前記液晶層に交流電圧を印加することを特徴とする。

Description

本発明は、投射型表示装置に係り、特に、コヒーレント性を有する光源を使用した投射型表示装置に関する。
データプロジェクタあるいは背面投射型テレビジョン受像機のようなスクリーンに投影画像を表示する表示装置の光源としては、従来超高圧水銀(UHP)ランプが使用されてきたが、光源寿命の観点からレーザが提案されている。
また、UHPランプはその性質から赤色の波長である645nm近傍の波長帯域がブロードなスペクトルとなるため、赤色光源としてレーザを使用し、青色、緑色波長帯にはUHPランプを使用する併用型の光源も提案されている。
しかし、レーザを光源とした投射型表示装置では、投影画像中にレーザ光のコヒーレント性に起因する粒上のスペックルノイズが発生し、投影画像の画質が劣化するという問題がある。
そこで、スペックルノイズを低減した投射型表示装置としては、光源となるレーザ光の光路中に拡散素子を配置し、この拡散素子を人の目で認識できる速さより高速に回転・振動させる形態をなす。このように拡散素子を機械的に動作させることによってコヒーレント性を有するレーザ光を空間的に位相がずれた状態とし、スペックルノイズを解消するものである(例えば、特許文献1)。
また、拡散素子等を機械的に振動させる作用なしにスペックルノイズを解消するものとして、半導体レーザダイオードから発射された光の光路中に、複合液晶膜を配置し、この複合液晶膜に電圧を印加して入射する光の位相を変化させる画像表示装置が提案されている(特許文献2)。同様に、スペックルノイズを解消するものとして、ニオブ酸リチウムなどの不規則な分極反転ドメインを形成した強誘電性基体(結晶)に電極を形成した電気光学素子に電圧を印加することで、誘電性基体の屈折率を時間的に変化させる光学装置が提案されている(特許文献3)。
日本国特開平6−208089号公報 日本国特開2005−338520号公報 国際公開第99/049354号パンフレット
しかし、特許文献1のような構成では、拡散素子を回転または振動させるためにモータまたはコイルを含む駆動装置を必要とするため、装置が大型化するばかりか、機械的な振動によりノイズが発生するなど信頼性にも問題があった。
また、特許文献2は、液晶レンズ(複合液晶膜)に用いられる液晶の屈折率異方性を利用して印加する電圧によって透過する光の位相を変調させるので、例えば、ネマチック液晶で構成されている場合、スペックルノイズを十分に低減できるように、変化させる位相量(リタデーション値:「屈折率異方性」と「液晶膜の厚さ」と、の積)を大きくしなければならない。その場合、位相量を大きくするために液晶膜の厚さを大きくしなければならず、液晶膜の厚さが大きくなるにつれて応答速度が遅くなる。また、所望の応答速度を得るために高い電圧を印加しなければなない、という問題があった。
特許文献3も強誘電性基体に印加する電圧によって透過する光の位相を変調させるので、変化させる位相量を大きくするためには、同様に強誘電性基体を厚くしなければならず、また、この強誘電性基体中に不規則に形成したドメインに直流電圧を重畳した交流電圧を制御して加える必要がある。さらに無機結晶を用いるため、加工等の作製に困難性があるという問題があった。また、この他に、透過する光の位相を変調する機能とは異なり、光を散乱させるものとしては、動的散乱モード(DSM:Dynamic Scattering Mode)として、例えば、ネマチック液晶内のイオン(導電性材料)が可動して空間電荷効果を引き起こすことで、液晶が不規則な分子運動をすることによって、光を散乱させる効果は期待できる。しかし、電流効果型駆動のため、液晶や導電性材料が分解劣化を引き起こして、長期使用による信頼性に問題があった。
本発明は、従来技術のかかる問題を解決するためになされたものであり、コヒーレント性を有する光源を使用した場合に簡易的な構成によって、スペックルノイズを安定して低減することのできる信頼性の高い投射型表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、コヒーレント光を発光する光源を少なくとも一つ含む光源部と、前記光源部が発光した光を変調して画像光を生成する画像光生成部と、前記画像光を投射する投射部と、前記光源部と前記画像光生成部との間の光路中に配置され、通過する光に対して散乱状態を時間的に変化させる液晶散乱素子と、前記液晶散乱素子の複数の透明基板の対向するそれぞれの面に形成された透明電極と、前記透明電極間に挟持された、電圧印加状態において自発分極を有するスメクチック相からなる液晶を有する液晶層とを備え、前記透明電極を介して前記液晶層に交流電圧を印加することを特徴とする投射型表示装置を提供する。
また、前記液晶散乱素子と前記画像生成部との間の光路中に散乱光を集光する集光レンズを配置してもよい。
また、前記液晶層の界面は、配向処理がされていなくてもよい。
また、前記液晶は、カイラルスメクチックC相液晶であってもよい。
また、前記液晶は、Iso−N()−SmCの相転移系列を持つ構成としてもよい。
また、前記液晶散乱素子は、前記液晶層が複数層重ねられて構成されてもよい。
また、複数の前記液晶層のうち、第1の液晶層に印加する交流電圧の位相と第2の液晶層に印加する交流電圧の位相とが異なってもよい。
また、前記液晶散乱素子は、プリズムアレイシートを有する構成としてもよい。
また、前記液晶散乱素子は、入射する光を反射する反射層を有する構成としてもよい。
また、前記散乱状態となる電圧は3〜100Vrmsであってもよい。
また、前記散乱状態となる電圧の周波数は70〜1000Hzであってもよい。
さらに、前記光源部と前記液晶散乱素子との間の光路中および、前記液晶散乱素子と前記画像光生成部との間の光路中に、入射する光を散乱させて出射する光散乱素子を配置してもよい。さらに、前記光源部と前記液晶散乱素子との間の光路中に、入射する光を散乱させて出射する光散乱素子を配置してもよい。さらに、前記液晶散乱素子と前記画像光生成部との間の光路中に、入射する光を散乱させて出射する光散乱素子を配置してもよい。
本発明は、コヒーレント性を有する光源を使用した場合に簡易にスペックルノイズを安定して低減することができるという効果を有する投射型表示装置を提供することができるものである。
第1の実施形態に係る投射型表示装置の構成概念図。 液晶散乱素子の断面模式図。 別の構成を有する液晶散乱素子の断面模式図。 液晶散乱素子の散乱角を示す模式図。 透過した光の半値全幅を示すグラフ。 第2の実施形態に係る投射型表示装置の構成概念図。 第3の実施形態に係る投射型表示装置の構成概念図。 第4の実施形態に係る投射型表示装置の構成概念図。 反射型の液晶散乱素子の断面模式図。 液晶散乱素子の印加電圧に対する透過率の実測値(実施例1)。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る投射型表示装置10の構成の例を示す模式図である。発光手段であるコヒーレント光を発する光源として、例えば半導体レーザや固体レーザなどの、少なくとも1つのレーザ11から出射された光はコリメータレンズ12によって略平行光となるように集光され、偏光子13を通過する。レーザ11として例えば、半導体レーザは直線偏光の光を出射するが、製造ばらつきや使用環境温度変化により、その偏光方向にばらつきや時間的変動を有する場合がある。偏光子13は、この光の偏光状態を一定にするためのものである。偏光子13を通過した光は、本願発明の液晶散乱素子20によって光の散乱状態を時間的に変化させることにより空間的な光干渉性を平均化して出射するものである。液晶散乱素子20を透過した散乱光は、集光レンズ14により、画像生成手段である空間光変調器15に集光される。また、レーザ11から出射する光は、ファイバなどを用いて導光されることで散乱される光でもよく、この場合、投射型表示装置10は、コリメータレンズ12、偏光子13を含まない構成としてもよい。
液晶散乱素子20で散乱された光は、集光レンズ14を通過後、均質化されて空間変調器15へ照射される。集光レンズ14としては、例えば、液晶散乱素子20で散乱された散乱角が大きい光も集光できるように、開口数が大きなコンデンサレンズを使用できる。具体的に、開口数は、0.55以上が好ましく、開口数が大きいほど、光を効率よく取り込むことができ、光利用効率を高くすることができる。空間光変調器15としては、典型的には透過型液晶パネルが使用可能であるが、反射型の液晶パネルやデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)などを使用してもよい。このように空間光変調器15に入射した光束は、画像信号に応じて変調され、投影レンズ16によってスクリーン17などに投影される。なお、光源は、1つのレーザ光源のみを使用する構成であっても、異なる波長の光を出射するレーザ光源を複数配置する構成であっても、コヒーレント性を有さない光源とレーザ光源とを組み合わせて用いる構成であってもよい。
次に、本願発明の液晶散乱素子20の具体的構成の断面図を、図2を用いて説明する。液晶散乱素子20は、平坦な2枚の透光性基板21a、21bのそれぞれ一方の面に透明電極22a、22bを設け、互いの透明電極面を対向させて略平行に配置し、透光性基板間の空隙に液晶を充填させている。また、透光性基板の周りにはシール材24によってシールされる。液晶が充填された液晶層23に交流電圧を印加するために、透明電極22a、22bに対して電圧を供給する配線を施し、電源25に接続する。また、透光性基板21a、21b上には透明電極同士の短絡を防ぐ目的で、図示しない絶縁膜、配向膜のいずれか、または両方を設けることもできる。
本発明の液晶散乱素子20は、入射するコヒーレント光に対して光の散乱状態を時間的に変化させることにより、スペックルパターンの時間的な変化を発現させる機能を有する。これによって投射された画像は、スペックルノイズが減少した状態で観測される。この液晶散乱素子20は、自発分極を有するスメクチック相液晶に交流電圧を印加することで自発分極の方向が高速反転することにより誘起される、光散乱モードを用いているところに特徴がある。
また、本発明の液晶散乱素子20は、後述するように、自発分極を有するスメクチック相液晶に電圧を印加した光散乱モードを用いるが、自発分極を有し、印加する電圧の変化によって時間的に入射する光の散乱状態を変化させることができる材料を用いた素子であれば、これに限らない。例えば、この他の材料として高分子−液晶複合膜、電場応答コレステリック相液晶を用いた素子等であってもよい。
また、液晶の位相変調を用いた通常のディスプレイでは、液晶分子の配向を規制するために、ラビング処理などの配向処理を施した配向膜を形成するが、本願発明の投射型表示装置に係る液晶散乱素子20は、液晶分子の配向状態が規制されている必要はない。スペックルノイズ低減のために、入射する光の散乱状態を変化させるためには、電圧印加時に加え、電圧印加しない初期状態においても、液晶の配向状態がランダムであり、電圧非印加時においても透過する光が散乱状態となるので、液晶層23の界面には配向処理がされていない状態、つまり配向膜が形成されていなくてもよい。この構成により、液晶散乱素子20を透過する光は、偏光の一部が解消されるかまたは、偏光が完全に解消されるため、投射型表示装置において、解消された光を使用することができる。
また、液晶散乱素子20とは異なる構成として、図3に示す液晶散乱素子26を用いるものであってもよい。液晶散乱素子26は、液晶散乱素子20の構成に加え、光が出射する側にプリズムアレイシート27を設けた構成を有する。プリズムアレイシート27は、後述する散乱角の広がりを補正する作用を有する。また、図3において、プリズムアレイシート27は、一方向に溝の長手方向が延伸するものを1枚、透光性基板21bに積層したものであってもよく、また、溝の長手方向が互いに直交するように2枚のプリズムアレイシートが重なるように配置されるものであってもよい。2枚のプリズムアレイシートを用いる場合、2次元的に出射する光の発散角を制御できる効果が得られる。
また、液晶散乱素子20、26へ入射する光を、光軸が略同一で、開口数NAが小さい複数の収束光または平行光とするための、図示しない複数光生成部が、レーザ11と液晶散乱素子20、26との間の光路中に備わっていてもよい。この場合、液晶層23は、複数光生成部で生成されたこれら複数の光を散乱させることによって、液晶層23より擬似的に複数の発光源を生成させる。そして、集光レンズ14は、液晶層23を出射する複数の発光源毎の発散光を効率よく取り込むとともに、入射するこれらの光を平行光または収束光とする複数のレンズ構造を有するものを用いることができる。この場合、例えば集光レンズ14は、一体化されたアレイ型の集光レンズとすることが好ましく、ここでは出射側集光レンズアレイと定義する。そして、出射側集光レンズアレイに含まれる個々のレンズの構造、焦点距離および液晶層23との間隔などは、所望の機能を実現できるよう適宜設計されるとよい。
また、液晶散乱素子20、26に入射する光を複数光にする複数光生成部は、例えば、一体化されたアレイ型の集光レンズとすることができ、ここでは入射側集光レンズアレイと定義する。入射側集光レンズアレイは、例えば、縦横長さ比が9:16の矩形状の集光レンズを縦16個×横9個のアレイ状に並べ、光軸と略直交する平面の外形が正方形のものとすることができ、以下、この構造を有する場合について説明する。
レーザ11から出射した光は、略平行光となった後、複数光生成部(入射側集光レンズアレイ)で集光される焦点位置近傍に配置された液晶層23に入射する。ここで、入射側集光レンズアレイに含まれる個々のレンズは、焦点距離が比較的長い収束光を生成する開口数NAinが0.1以下のものを利用するとよい。このとき、液晶層23には縦16個×横9個の疑似的な発光源が生成されるため、これらの疑似的な発光源に1:1対応した出射側集光レンズアレイも縦横長さ比9:16の矩形状集光レンズを縦16個×横9個に並べた構成とすればよい。
ここで、入射側集光レンズアレイと液晶散乱素子20、26とが空気を介して配置された場合、出射側集光レンズアレイの個々の集光レンズの開口数NAoutは光取込角の半角θとNAout=sinθで関係付けられる。そのため、NAout>NAinの関係を有し、液晶層23により散乱された光を効率よく取り込むNAoutとなるように出射側集光レンズアレイの焦点距離を設定するとよい。具体的には、θ=15°(取込角30°)〜40°(取込角80°)に相当するNAout=0.26〜0.64とすることが好ましい。なお、入射側集光レンズアレイと液晶散乱素子20、26とが屈折率n>1の接着剤などの透明媒体を介して配置される場合であっても、出射側集光レンズアレイが所望の焦点距離を有するようにNAoutを設定するとよい。
さらに、出射側集光レンズアレイの光出射側に光束全体をカバーする単一の集光レンズを配置してもよい。この場合、出射側集光レンズアレイの個々の集光レンズの主光線が空間光変調器15に集まるようにすることで効率よく空間光変調器15に集光できる。また、出射側集光レンズアレイを後述する一対の凸レンズアレイからなる所謂フライアイレンズとすることにより、出射側集光レンズアレイ毎の出射光の空間光量分布が平均化されるため、空間光変調器15の照射光の光量分布が均一化された投射画像が得られる。
また、液晶散乱素子20、26は、液晶層23が1層で構成されているが、これに限らず、2層以上の液晶層を有し、各液晶層に電圧を印加できる構成であってもよい。この場合、複数の液晶層によって、さらに入射する光の散乱状態を大きくすることができ、スペックルノイズを大きく低減できる効果を得ることができる。さらに、複数の液晶層が積層される場合、各液晶層に対して印加する電圧の大きさ、交流電圧の位相を任意に設定することができる。例えば、液晶層毎に印加する交流電圧の位相が異なることで、入射する光の散乱状態を時間に対してより大きく変化させることができる。また、複数の液晶層を積層して液晶散乱素子を構成する場合、液晶散乱素子20の構成を複数重ねるものであってもよく、また、液晶散乱素子20と液晶散乱素子26の両方を含む構成であってもよい。
次に、具体的に液晶層23を形成する材料およびモードについて説明する。本光散乱モードを発現する材料としては、例えば、強誘電液晶組成物として、カイラルスメクチック(SmC)相液晶が挙げられ、このカイラルSmC相液晶は、螺旋ピッチの構造を有する。そして、これまで、このカイラルSmC相液晶を対向配置させた配向膜付き基板間に封入させたものとして、以下の2つモードを例示する。1つは、この螺旋ピッチよりも狭い間隔の空間に封入することで、電圧非印加時において強誘電性を発現させた表面安定化強誘電性液晶(Surface Stabilized Ferroelectric Liquid Crystal=SSFLC)モード(例えば、N.A.Clark,S.T.Lagerwall:Appl.Phys.Lett.36,899(1980))である。もう1つは、この螺旋ピッチよりも十分に広い間隔(厚さ)の空間に封入することで、カイラルSmC相液晶の螺旋構造が残るように配向させたDHFLC(Deformed Helix Ferroelectric Liquid Crystal)モードがある。
DHFLCモードは、自発分極の方向が螺旋周期に沿って回転しているため、打ち消し合う。したがって、初期状態(電圧非印加時)では、強誘電性が見かけ上キャンセルされる。一方、電圧印加時には、螺旋構造の連続的な歪みが生じるとともに自発分極が発現するモード(例えば、L.A.Beresnev, et al.:Liq.Cryst.5,(4)1171(1989))である。本願発明の液晶散乱素子20の液晶層23は、カイラルSmC相液晶の螺旋ピッチよりも十分に広い間隔(厚さ)の空間とし、螺旋構造が残るような構造とする。
また、DHFLCモードと同様に自発分極の特性を利用するものとして、Twisted FLC(例えば、V.Pertuis and J.S.Patel:Ferroelectrics,149,193(1993))や、τ−Vminモード(例えば、J.R.Hughes,et.al: Liq.Cryst.13,597(1993))も利用できる。
また、カイラルスメクチックC(SmC )相液晶を、配向処理を行った配向膜付きの基板によって何らかの配向を施してできる反強誘電性液晶も利用できる。この場合も、自発分極の方向は層内でランダムであるので、電圧非印加時には強誘電性が見かけ上キャンセルされるが、電圧印加にともない強誘電相への相転移が起こり、自発分極が発現するモードである。また、カイラルスメクチックA(SmA)相液晶を用いたelectroclinicモードを利用するものであってもよい。
また、カイラルスメクチックC相液晶以外に、相構造として層法線から傾きを有するヘキサチック相液晶としてSmI相液晶、SmF相液晶がある。さらに、SmI相液晶およびSmF液晶が3次元秩序を有する相として、クリスタルJ,G,K,H相液晶があり、SmI相液晶およびSmF相液晶を含むこれらの液晶相は、不斉点の導入で強誘電性を示すことが知られており、同様に利用できる。
このように、液晶層23には、自発分極を有するスメクチック相を有する液晶組成物が用いられるが、電圧非印加時には必ずしも強誘電性を示している必要はなく、所望の電圧印加により自発分極を有すればこの範疇に含まれる。また、高分子安定化などにより、ポリマー化されているものや結晶であっても同様に利用できる。この他に、強誘電性を示す側鎖型高分子液晶も同様に利用できる。この場合、高分子安定化や高分子量化は、液晶相の安定化をもたらすので、使用温度範囲が広く安定する効果を有する。
液晶層23に用いられるスメクチック相液晶組成物の自発分極(Ps)の値は、上限、下限ともとくに制限はないが、入射するコヒーレント光を散乱させるために外部電場に対して応答が良いものが好ましいため、一般的に自発分極の絶対値が大きい組成物が好まれる。また、自発分極が大きい組成物ほど駆動電圧を低減できる効果もあるので、自発分極の絶対値は、常温(25℃)で10nC/cm以上が好ましく、20nC/cm以上がより好ましく、40nC/cm以上であることがさらに好ましい。
次に、液晶層23に用いられるスメクチック相液晶組成物の自発分極の、温度特性について説明する。一般的に、カイラルスメクチックC相が発現することによって得られる強誘電液晶組成物は、棒状液晶分子が液晶層の層方向からの傾きによって発現する間接型強誘電体であって、分子分極とこの傾き角によって自発分極の値が決まる。多くの場合、スメクチックC相を示す液晶組成物は、スメクチックC相温度領域より高温側においてスメクチックA相に転移するが、このときの相転移は、二次相転移であり、液晶層の厚さ方向を基準としたときの傾き角は、温度の上昇にともなって0°に徐々に近づくので、自発分極も温度の上昇にともなって0に近づく。
一方、スメクチックC相から(カイラル)ネマチック相に転移する場合、このときの相転移は、一次相転移であり、傾き角は転移点で有限値から0まで急激に変化ため、相転移温度付近でも自発分極は0ではない一定の値を保持する。即ち、カイラルスメクチック相液晶組成物のうち、相転移系列であるIso−N()−SmA−SmCを持つ液晶組成物に対して、スメクチックA相を持たないIso−N()−SmCを持つ液晶組成物は、スメクチックC相を発現する上限の温度付近おいても、自発分極が0付近とはならないので、交流電圧を印加することで自発分極の方向が高速反転することにより誘起される、光散乱モードを効率的に得ることができる。
ここで、Iso−N()−SmA−SmCを持つ液晶組成物は、Iso−N()−SmCを持つ液晶組成物に対して、配向膜に対する配向性は良好である。また、本願発明の液晶素子が配向膜を含まない構成である場合、これらの液晶組成物いずれも用いることができるが、上記の理由で、Iso−N()−SmCを持つ液晶組成物が高温においても、0ではない自発分極を有するので好ましい。
次に、液晶層23の厚さ(セルギャップ)としては、上記の螺旋構造が残る間隔として5μm以上あると好ましい。また、スペックルノイズ低減には、入射するコヒーレント光に対する散乱の度合いが大きくなるほど効果的であり、そのため一般に液晶層23のセルギャップは厚い方が好ましいが、厚さが増すことにより印加する電圧を大きくしなければならないことから200μm以下が好ましい。さらに、上記の螺旋構造が確実に残るとともに、印加する電圧を抑制できる効果を得るためには、この間隔(厚さ)が、20μm以上、100μm以下であると、より好ましい。
液晶層23に印加する交流電圧の周波数は、5〜1000Hzにおいて使用することが好ましい。また、入射する光に対し、十分な時間的散乱状態が得られるとともに、低周波駆動とすることによってスペックルノイズ低減に必要となる印加電圧を低くするため、70〜200Hz程度で駆動するのがより好ましい。また、この範囲の周波数で駆動するとき、必要な電圧としては、3〜100Vrms、好ましくは10〜60Vrms、より好ましくは2〜40Vrms程度である。
また、スペックルノイズを低減するためには、液晶層23によって一定の散乱角が得られるようにする。なお、散乱角は、液晶層23を透過した光の強度分布について半値全幅(FWHM)を満たす角度で定義される。散乱角については具体的に、図4Aおよび図4Bを用いて説明する。図4Aは、液晶散乱素子20に入射する光と、散乱して透過する光の様子を示した模式図であり、液晶散乱素子20から十分に離れた距離Lにおいて、入射する光の直進方向と直交する断面A−A´を示す。なお、距離L[mm]は、液晶散乱素子20の厚さを無視できる程度の距離である。図4Bは、光軸と、液晶散乱素子20と光軸とが交わる点を基点としてA−A´の断面へ向かう光線が光軸となす角度を横軸にしたときの光強度分布を示す図である。ここで、光強度の半値全幅となる角度を拡散角θ[°]とし、拡散角θとなるA−A´の断面の拡散領域をW[mm]とすると、散乱角θと距離Lは、tanθ=W/2Lで与えることができる。
散乱角θは、その値が大きいと、直進方向に透過する光の強度が小さくなるが、一方で、値が小さいと十分に散乱させることができず、スペックスノイズを十分に低減できなくなる。したがって、散乱角θは10°〜70°の範囲が好ましく、20°〜60°の範囲であれば、より好ましく、30°〜50°の範囲であれば、さらに好ましい。また、液晶散乱素子20は、直進入射する光の光量に対して直進して透過する光の光量の比で表される直進透過率が70%以下であれば好ましく、20%以下であればより好ましく、10%以下であればさらに好ましい。また、5%以下であれば最も好ましい。なお、光が一定の散乱角で散乱されていれば直進透過率の下限は0%であってもよい。
透光性基板21a、21bは、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート等を用いるのでもよいが、耐久性等の点からガラス基板が好適である。透明電極22a、22bとしては、Au、Al等からなる金属膜を用いることができるが、ITO、SnO等からなる膜を用いる方が金属膜に比べ、光の透過性がよく、機械的耐久性が優れているため、好適である。
シール材24は、液晶層23の強誘電性液晶が透光性基板21a、21b間から漏れ出さないようにするためのものであり、確保すべき光学的有効領域の外周に設けられる。シール材24用の材料としては、エポキシ、アクリル等の樹脂系接着剤が取り扱い上好ましいが、加熱またはUV光の照射によって硬化させるのでもよい。また、所望のセル間隔を得るためにガラスファイバ等のスペーサを数%混入させるのでもよい。
なお、透光性基板21a、21bの各基板面のうち液晶層23と接しない基板面上に反射防止膜を設けることは、光の利用効率を改善することになるため、好適である。係る反射防止膜として誘電体多層膜、波長オーダーの薄膜等を用いることができるが、その他の膜でもよい。これらの膜は、蒸着法やスパッタリング法等を用いて形成することができるが、その他の方法で形成するのでもよい。
また、絶縁膜を形成する場合には、SiO、ZrO、TiO等の無機材料を用いて、スパッタリング等によって真空成膜する方法、ゾルゲル法によって化学的に成膜する方法等を用いることができる。なお、液晶分子を配向させる場合、ポリイミド、ポリビニルアルコール(PVA)等の膜をラビングする方法、特定方向に偏光したUV光等を、光反応性官能基を有する化学物質に照射して光配向させる方法、SiO等を斜め蒸着して得られる方法、ダイヤモンドライクカーボン等へイオンビーム照射して得られる方法等によって作製された配向膜の表面に液晶を接触させることによって設定することができる。絶縁膜、配向膜は透明電極同士の短絡を防いだり、液晶層が長時間の通電駆動により焼付く(image sticking)ことを防いだりできるため、都合が良い。
次に、スペックルノイズの指標となるスペックルコントラストCについて説明する。このスペックルコントラストは、(3)式で表されるように画素の明るさの平均値となる(2)式に対する、画素の明るさ標準偏差σとなる(1)式で示されるものである。ここでNは全画素数を表し、Iは各画素に対する明るさ、Iavrは全画素の明るさの平均を示すものである。このスペックルコントラストCが低い値になるにつれて投射される画像で観察されるスペックルノイズが低減されるものである。以下、本願発明の液晶散乱素子を配置した投射型表示装置は、このスペックルコントラストによって評価する。なお、スペックルコントラストは、25%以下であればよく、20%以下であれば好ましく、また、15%以下であればより好ましい。
Figure 2010143639
Figure 2010143639
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(第2の実施形態)
図5は、本実施形態に係る投射型表示装置30の構成模式図を示すものであり、投射型表示装置30を構成する各光学部品等のうち、投射型表示装置10を構成する光学部品等と同じものは、同じ番号を付して説明の重複を避ける。投射型表示装置30は、光源であるレーザ11から表示対象となるスクリーン17の間の光路中において、偏光子13と液晶散乱素子20との間の光路中に光散乱素子31、液晶散乱素子20と集光レンズ14との間の光路中に光散乱素子32が配置されて構成される。これらの光散乱素子31、32は、時間的に散乱能が変化する液晶散乱素子20とは異なり、入射する光に対し時間的に変化しない一定のレベルの散乱能を有するものである。また、光散乱素子31、32いずれも配置されていてもよいが、光散乱素子31または光散乱素子32いずれか一方が配置されていてもよく、液晶散乱素子20に積層される構成を有するものであってもよい。
光散乱素子31、32は、例えば時間的に散乱能が変化しない散乱板を用いることができるが、これに限らず、入射する光を均質的に散乱するものであればよく、例えば、高分子分散型液晶やコレステリック液晶で構成されてもよい。また、散乱角は、第1の実施の形態において説明した定義に基づき、光散乱素子31、32の散乱角の上限は、液晶散乱素子の散乱角の上限以下であることが好ましく、また、10°以上であることが好ましい。このように、本実施形態に係る投射型表示装置30のように少なくとも1つの光散乱素子(光散乱素子31および/または光散乱素子32)と液晶散乱素子20とを組み合わせて用いると、液晶散乱素子20単独で散乱能を低減させた場合と同様に、光学系全体でスペックルノイズを十分に低減することができる。これによって、光散乱素子20の液晶層に印加する電圧を低く抑えることができるので、光散乱素子20の信頼性を高めることができる効果を奏する。
(第3の実施形態)
図6は、本実施形態に係る投射型表示装置40の構成模式図を示すものであり、投射型表示装置40を構成する各光学部品等のうち、投射型表示装置30を構成する光学部品等と同じものは、同じ番号を付して説明の重複を避ける。投射型表示装置40は、液晶散乱素子20または26で散乱された光が、空間光変調器15において画像を形成する領域内の光強度が均一に照射されるように、集光レンズ14と空間光変調器15との間の光路中に、光量均一化手段41を備える。なお、投射型表示装置40は、光散乱素子31、32を備えるものを示すが、第1の実施形態に係る投射型表示装置10のように、これらを備えないものであってもよい。
光量均一化手段41としては、ロッドインテグレータ42と集光レンズ43との組み合わせが考えられる。例えば、ロッドインテグレータ42は、少なくとも光の出射面が、空間光変調器15の画像を形成する面(以下、「画像形成面」という)と相似形となるガラスブロックを有し、このガラスブロックに入射する光がその側面で全反射して導波した後出射する。また、ロッドインテグレータ42の側面から漏れる光の損失を低減するために側面に反射膜や保護膜が形成されていてもよい。そして、ロッドインテグレータを出射した光が、空間光変調器15の画像形成面に結像するように、開口数および焦点距離が設定された集光レンズ43が配置される。なお、液晶散乱素子20または26で散乱して進行する光の散乱角が狭い場合は、集光レンズ43を配置しなくてもよい。つまり、この場合、ロッドインテグレータ42の端部を出射する光を、直接、空間光変調器15に入射してもよい。
また、他の光量均一化手段41として、空間光変調器15の画像形成面と相似形となる一対の凸レンズアレイと集光レンズとの組み合わせにより構成されるものであってもよい。なお、凸レンズアレイは、最小単位のレンズで定義される単位レンズが、2次元的に配置されて構成される。このとき、一方の凸レンズアレイの単位レンズを出射する光が、空間光変調器15の画像形成面に結像するように、他方の凸レンズアレイの単位レンズが配置された所謂フライアイレンズとしてもよい。この場合、それぞれの単位レンズの光軸のずれを、空間光変調器15の画像形成面で一致させるように、凸レンズアレイの光出射部に集光レンズを配置するとよい。
また、空間光変調器15が偏光依存性を有する場合、光量均一化手段41へ入射する光が、偏光状態の均一性を保たない光であるとき、特定の直線偏光の光に変換することで利用する光の損失を抑えることができる。この構成として、例えば、一対の凸レンズアレイの間の光路中に、アレイ状に配置された偏光ビームスプリッタと、光が入射する領域のうち特定の領域のみに1/2波長板を有する、空間分割1/2波長板と、を配置することで、特定の直線偏光の光に変換して出射することができる。このような構成においては、空間光変調器15が、入射する光に対して偏光依存性を有する液晶素子などから構成される場合、とくに、光利用効率を高くすることができるので有効である。
(第4の実施形態)
図7は、本実施形態に係る投射型表示装置50の構成模式図を示すものであり、投射型表示装置50を構成する各光学部品等のうち、投射型表示装置10を構成する光学部品等と同じものは、同じ番号を付して説明の重複を避ける。投射型表示装置50は、液晶散乱素子60で散乱および反射された光が、放物面反射鏡51で反射され、集光レンズ14で集光されて空間光変調器15に入射し、投影レンズ16によってスクリーン17などに投影される。なお、投射型表示装置50は、第3の実施形態に示す光散乱素子31、32を、液晶散乱素子60の前後の光路中に配置してもよく、また、放物面反射鏡51と空間光変調器15との間の光路中に、図6に示すように光量均一化手段41を配置し、光量均一化手段41としては、図6に示すようなロッドインテグレータ42と集光レンズ43との組み合わせ、を配置してもよい。
図8は、液晶散乱素子60の具体的構成の断面図であり、液晶散乱素子20を構成する光学部品等と同じものは、同じ番号を付して説明の重複を避ける。液晶散乱素子60は、光が入射する側とは反対側に、光を高い反射率で反射する反射層61が形成される。また、この場合、液晶散乱素子60は、透光性基板21bを有さないものであってもよい。反射層は金などの金属の膜によって構成されるものであったり、高い屈折率の材料と低い屈折率の材料とが交互に積層される光学多層膜から構成されるものであったりしてもよい。
また、図7の投射型表示装置50において、液晶散乱素子60は、液晶層23、反射層61の順番に光が入射するように、また、入射角が略45°となるように設置することで、例えば、進行方向を90°偏向させることができる。このように、液晶散乱素子60を略45°傾斜させる場合、液晶散乱素子60を反射して進行する光の中心部(光軸)が、放物面反射鏡51の焦点位置付近に合うようにするように設置するとよい。また、放物面反射鏡51は、一般的な集光レンズに比べて、液晶散乱素子60を反射および散乱した光の取込角度、即ち開口数(NA)を大きく設定できるため、スクリーン17側に投射する光の利用効率を高く設定できる。
(実施例1)
厚さが約1.1mmの2枚の石英ガラスからなる透明基板上のそれぞれ一方の面に透明電極となるシート抵抗値約100Ω/□のITOを成膜し、ポリイミドを約50nm成膜してラビング処理をして液晶に対して略水平となる作用を有する配向膜とした。一対の透明基板を配向膜が形成された面を対向させて、スペーサを混入させたシール材によって透明基板の外周をシールし、約25μmのセルギャップを設けた。なお、上記のITO、絶縁膜はこのシール材の部分に設けない。
次に、スメクチック相液晶組成物であるFelix017/100a(AZエレクトロニックマテリアル社)をシール材に設けた図示しない注入口から注入し、封止材によって注入口を封止して液晶散乱素子を作製した。また、液晶散乱素子は電極取り出し部分を設け、挟持された液晶層に電圧を印加できる構造を有し、電極取り出し部分より外部電源に接続できる。なお、この強誘電液晶組成物の比抵抗値は2.6×1012Ω・cm、自発分極の値は室温(25℃)で47nC/cmである。
作製した液晶散乱素子に波長633nmのレーザ光を投射して印加する電圧(Vsup[Vrms])を変えたときのレーザ光の直進透過率(Tr[%])を調べた。外部電源より透明電極を介して、100Hzの矩形交流波で液晶層に印加する電圧値を0Vrmsから大きくすると、3Vrmsより入射するレーザ光の散乱が始まった。図9に印加電圧の大きさに対し、レーザ光の直進透過率を測定したグラフを示す。この結果より、約8Vrmsで大きく散乱が発現し、直進透過率は約10%となっていることが確認された。したがって、この液晶散乱素子を投射型表示装置に具備させて、液晶層に印加する電圧を調整して光の散乱状態を発現させることによってスペックルノイズを低減して投射表示を行うことができる。また、印加電圧を増加して約18Vrmsまではスペックルノイズの低減効果は確認されたが、さらに印加電圧を増加させると、強誘電液晶が電界方向にそろいやすくなるため散乱の度合いが低下し、そのために直進透過率が増加してスペックルノイズが観測された。
具体的に液晶散乱素子によって散乱状態を発現する約8Vrms、100Hzの矩形交流電圧を印加した状態でのスペックルコントラストを調査した。図1の投射型表示装置において光源として波長約633nmのコヒーレント光となるHe−Neレーザを発光させて、液晶散乱素子を出射した光の直進方向に、散乱角が10°となる拡散板を配置し、スクリーン17に映し出された画像をデジタルカメラによって撮影した。デジタルカメラの撮影はスクリーン面に対して略垂直となる角度からスクリーンの中央付近の約1.5cm四方の正方形領域を撮影した。このとき、デジタルカメラの撮影条件は、縦方向200ピクセル×横方向200ピクセル=40000ピクセルの画素数において、各画素の明るさを0〜255の256段階で分析し、スペックルコントラストを計算した。
このときの画素明るさ平均Iavrは104であり、画素明るさの標準偏差σは18となり、これによるスペックルコントラストCは約17%であり、目視でのスペックルノイズも目立たない画像を得ることができた。
(実施例2)
実施例2は実施例1と同様の製法に基づいて液晶散乱素子を作製したが、実施例1で行ったポリイミドにはラビング処理をせずに、電圧非印加時において強誘電性液晶がランダムな配向となるようにした。
作製した液晶散乱素子に波長633nmのレーザ光を投射して電圧印加によりレーザ光の直進透過率を調べた。外部電源より透明電極を介して、100Hzの矩形交流波で液晶層に印加する電圧値を0Vrmsから大きくすると、約10Vrmsで大きく散乱が発現し、直進透過率は約1.7%となっていることが確認された。
上記素子を用いて、液晶散乱素子によって散乱状態を発現する約10Vrms、100Hzの矩形交流電圧を印加した状態でのスペックルコントラストを調査した。このときの画素明るさ平均Iavrは107であり、画素明るさの標準偏差σは16となり、これによるスペックルコントラストCは約15%であり、配向膜にラビング処理を施して初期配向を規制した時よりも効果的にスペックルノイズを低減できることが確認された。
(実施例3)
実施例3では、実施例1で作製した液晶散乱素子を用いて、耐レーザ特性を調べた。具体的に、85℃の温度条件下において、Arレーザ(460〜520nmマルチスペクトル)のレーザ光を90mW/mmの照射密度で280時間照射した。その後、該液晶散乱素子の外観に大きな変化はなく、交流矩形電圧を100Hzで10Vrms印加したところ照射前に比べてスペックルノイズが目立って観察されることがなく、かつ、照射前同様、問題なく動作することが確認された。
(実施例4)
実施例4では、実施例1で作製した液晶散乱素子に対して、液晶層のセルギャップを約50μmとし、配向膜の代わりにITO膜の上にSiOの絶縁膜を成膜した以外は同様の構成とし、電圧非印加時において、強誘電液晶の配向状態がランダムになるようにした液晶散乱素子を作製した。
上記素子を用いて、液晶散乱素子によって散乱状態を発現する約30Vrms、200Hzの矩形交流電圧を印加した状態でのスペックルコントラストを実施例1と同様の測定方法にて調査した。このとき、光源として、波長約532nmのコヒーレント光を発射する固体レーザを発光させた。このときの画素明るさ平均Iavrは102であり、画素明るさの標準偏差σは12となり、これによるスペックルコントラストCは約12%であり、十分効果的にスペックルノイズを低減できることが確認された。
また、このとき作製した液晶散乱素子の散乱角は60°であり、スペックルノイズを低減するのに十分な散乱角を有する。また、本実施例により、液晶セルのセルギャップを厚くすることによって、よりスペックスノイズの低減効果が大きくなり、また、配向膜を用いない構成であっても同様に、スペックスノイズの低減効果が得られることが確認された。
(実施例5)
実施例5では、実施例4で作製した液晶散乱素子を用いて、耐レーザ特性を調べた。具体的に80℃の温度条件下において、Arレーザ(460〜520nmマルチスペクトル)のレーザ光を100mW/mmの照射密度で750時間、素子の正面から照射した。その後、該液晶散乱素子の外観に大きな変化はなく、実施例4と同様に、交流矩形電圧を200Hzで30Vrms印加してスペックルコントラストCを測定したところ、画素明るさ平均Iavrは95であり、画素明るさの標準偏差σは12となり、これによるスペックルコントラストCは約13%であり、照射前に比べてスペックルノイズが目立って観察されることがなく、かつ、照射前同様、問題なく動作することが確認された。さらに、無機物であるSiO絶縁膜を用いることで、より信頼性、耐レーザ性能が向上することが期待できる。
(実施例6)
実施例6では、実施例4で作製した液晶散乱素子の光利用効率の測定を行った。なお、光利用効率は、液晶散乱素子を出射する光の光量に対する投射された映像の光量の比とした。実施例6では、具体的に、実施例4で作製した液晶散乱素子に、約30Vrms、200Hzの矩形交流電圧を印加した状態で、光源として波長約633nmのコヒーレント光となるHe−Neレーザを発光させ、液晶散乱素子を出射した方向に、散乱角が10°となる拡散板と、ロッドインテグレータ、空間光変調器、投影レンズを配置した。このときの光利用効率は、約24%であった。さらに、ロッドインテグレータと空間光変調器との間の光路中に、開口数0.58の集光レンズを配置したときの光利用効率は約29%であった。なお、この構成は、図6の液晶散乱素子20から投影レンズ16の並びに相当する。また、(図6の集光レンズ43に相当する)集光レンズの開口数を大きくすることによって、光利用効率をより大きくすることができる。
(実施例7)
実施例7では、実施例4で作製した液晶散乱素子に対して、液晶層内のスメクチック相液晶組成物としてFelix016/000(AZエレクトロマテリアル社)を用いた以外は同様の構成とした液晶散乱素子を作製した。なお、この強誘電液晶組成物の自発分極は室温(25℃)で−4.7nC/cmである。
上記素子を用いて、液晶散乱素子によって散乱状態を発現する約30Vrms、200Hzの矩形交流電圧を印加した状態でのスペックルコントラストを、実施例4と同様に、波長約532nmのコヒーレント光を用いた測定方法にて調査した。このときの画素明るさ平均Iavrは107であり、画素明るさの標準偏差σは17となり、これによるスペックルコントラストCは約15%であり、Felix017/100a使用時に比べて値は大きいものの、スペックルノイズを低減する効果を十分に発揮できることが確認された。
同様に、上記素子を用いて、液晶散乱素子によってさらに大きな散乱状態を発現する約40Vrms、70Hzの矩形交流電圧を印加した状態でのスペックルコントラストを調査した。このときの画素明るさ平均Iavrは100であり、画素明るさの標準偏差σは14となり、これによるスペックルコントラストCは約14%であり、より効果的にスペックルノイズを低減できることが確認された。
(実施例8)
実施例8では、実施例4で作製した液晶散乱素子を2枚重ね、これらの間を透明な光硬化性接着剤で接着した2層の液晶層を有する液晶散乱素子を作製した。
上記素子を用いて、液晶散乱素子によって散乱状態を発現する約30Vrms、200Hzの矩形交流電圧を印加した状態でのスペックルコントラストを、実施例4と同様の測定方法とは異なり、液晶散乱素子を出射した光の方向に、拡散板を配置せずに調査した。このときの画素明るさ平均Iavrは87であり、画素明るさの標準偏差σは8.5となり、これによるスペックルコントラストCは約10%であり、拡散板を配置しない場合であっても、十分効果的にスペックルノイズを低減できることが確認された。
(実施例9)
実施例9では、実施例8で作製した2層の液晶層を有する液晶散乱素子を用いて、液晶散乱素子の光の出射側に実施例1で用いた拡散板を配置した。液晶散乱素子の各液晶層には、それぞれ約60Vrms、100Hzの矩形交流電圧を同相の状態で与えた状態で実施例1と同じ測定方法で、光源として波長約532nmのコヒーレント光となる固体レーザを発光させ、スペックルコントラストを調査した。このとき、画素明るさ平均Iavrは100であり、画素明るさの標準偏差σは13.0となり、これによるスペックルコントラストCは約13%であり、十分効果的にスペックルノイズを低減できることが確認された。
(実施例10)
実施例10では、実施例9と同じ2層の液晶層を有する液晶散乱素子を用い、液晶散乱素子の光の出射側に実施例1で用いた拡散板を配置した。液晶散乱素子の各液晶層には、それぞれ約60Vrms、100Hzの矩形交流電圧を印加するが、これらの間に約90degの位相差を与えた状態で実施例1と同じ測定方法で、光源として波長約532nmのコヒーレント光となる固体レーザを発光させ、スペックルコントラストを調査した。このとき、画素明るさ平均Iavrは108であり、画素明るさの標準偏差σは11.9となり、これによるスペックルコントラストCは約11%であり、十分効果的にスペックルノイズを低減できることが確認された。
(実施例11)
実施例11では、実施例4で作製した液晶散乱素子について、使用温度に対する特性について評価した。具体的には、液晶散乱素子の液晶層には、約30Vrms、200Hzの矩形交流電圧を与えた状態で、光源として波長約532nmのコヒーレント光を発射する固体レーザを発光させ、実施例1と同じ測定方法で、スペックルコントラストを調査し、この結果を表1に示す。表1より、30℃の動作温度において十分効果的にスペックルノイズを低減できることが確認された。
Figure 2010143639
(実施例12)
実施例12では、実施例4で作製した液晶散乱素子の液晶層に用いたFelix017/100aに代え、スメクチック相液晶組成物としてFelixR0424(AZエレクトロニックマテリアル社)を用い、それ以外は同じ構成となる液晶散乱素子を作製した。また、FelixR0424は、相転移系列がIso−N−SmCを有し、スメクチックC相の上限温度領域が97.8℃となる特性を有する。そして、作製した液晶散乱素子の液晶層には、約100Vrms、100Hzの矩形交流電圧を与えた状態で、光源として波長約532nmのコヒーレント光を発射する固体レーザを発光させ、実施例1と同じ測定方法で、スペックルコントラストを調査し、この結果を表2に示す。表2より、30〜90℃の動作温度において十分効果的にスペックルノイズを低減できることが確認された。
Figure 2010143639
(比較例1)
比較例1では、液晶散乱素子の代わりに時間的に散乱状態が変化しない(静止型)散乱板を配置した投射型表示装置において、実施例1と同様の仕様のデジタルカメラでスクリーン中央付近の約1.5cm四方の正方形領域を撮影した。このときの画素明るさ平均Iavrは103であり、画素明るさの標準偏差σは30となり、これによるスペックルコントラストCは約29%であり、実施例に比べて約2倍の値となった。また、目視において粒状のスペックルノイズが目立って観察された。
(比較例2)
比較例2では、強誘電性を示す液晶の代わりに負の誘電異方性を持つネマチック相液晶組成物を用いて同様にスペックルコントラストを調査した。構成は、上記実施例2と同様で負の誘電異方性を持つネマチック液晶組成物を注入した液晶素子に、外部電源より透明電極を介して、100Hzの矩形交流波で液晶層に印加する電圧値を0Vrmsから40Vrmsまで大きくした。しかし、液晶層を透過する光によってスクリーンに映し出された画像に変化は見られなかった。また、10Vrmsの交流矩形電圧を印加した場合のスペックルコントラストを調査すると画素明るさ平均Iavrは105であり、画素明るさの標準偏差σは33となり、これによるスペックルコントラストCは約31%とであって、スペックルノイズ低減効果が確認されなかった。なお、負の誘電異方性を持つネマチック液晶組成物の比抵抗値は1.9×1014Ωcmであった。
(比較例3)
比較例3では、動的散乱モード(DSM)方式による駆動方法を用いる液晶散乱素子として、強誘電性を示す液晶の代わりに負の誘電異方性を持つネマチック相液晶組成物に四級アンモニウム塩を0.1wt%添加し、それ以外の構成は、上記実施例1と同じものとした。
このように、ネマチック液晶に導電性成分(四級アンモニウム塩)を添加し、DSM方式を用いる液晶素子を作製し、実施例3と同様に85℃の温度条件下において、Arレーザ(460〜520nmマルチスペクトル)のレーザ光を90mW/mmの照射密度で照射して耐レーザ特性を調べた。このとき、上記条件にて30時間経過後に、14Vrmsで70Hzの交流矩形電圧を印加したところ、スペックルノイズ低減効果が大きく損なわれていることが確認された。DSM方式での駆動には導電性成分の添加によって、該素子の比抵抗値が108Ωcm〜1010Ωcm程度であることが必要であり、耐レーザ試験時の比抵抗値を測定すると照射前の108Ωcmから30時間照射後に1010Ωcmとなっていた。比抵抗値の上昇によってDSM発現に必要な電圧も上昇しており、負の誘電異方性を持つネマチック液晶のDSMを用いる方式は耐レーザ特性に問題があることが確認された。
本出願を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2009年6月12日出願の日本特許出願(特願2009-141259)、2009年11月10日出願の日本特許出願(特願2009-257354)、及び、2010年3月18日出願の日本特許出願(特願2010-062949)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
以上のように、本発明にかかる光ヘッド装置は、コヒーレント性を有する光源を使用した場合に、簡便にかつ、安定してスペックルノイズを低減することができるという効果を有する投射型表示装置を提供することができるものである。
10、30、40、50 投射型表示装置
11 レーザ
12 コリメータレンズ
13 偏光子
14、43 集光レンズ
15 空間光変調器
16 投影レンズ
17 スクリーン
20、26、60 液晶散乱素子
21a、21b 透光性基板
22a、22b 透明電極
23 液晶層
24 シール材
25 電源
27 プリズムアレイシート
31、32 光散乱素子
41 光量均一化手段
42 ロッドインテグレータ
51 放物面反射鏡
61 反射層

Claims (14)

  1. コヒーレント光を発光する光源を少なくとも一つ含む光源部と、
    前記光源部が発光した光を変調して画像光を生成する画像光生成部と、
    前記画像光を投射する投射部と、
    前記光源部と前記画像光生成部との間の光路中に配置され、通過する光に対して散乱状態を時間的に変化させる液晶散乱素子と、
    前記液晶散乱素子の複数の透明基板の対向するそれぞれの面に形成された透明電極と、
    前記透明電極間に挟持された、電圧印加状態において自発分極を有するスメクチック相からなる液晶を有する液晶層とを備え、
    前記透明電極を介して前記液晶層に交流電圧を印加することを特徴とする投射型表示装置。
  2. 前記液晶散乱素子と前記画像生成部との間の光路中に散乱光を集光する集光レンズが配置される請求項1に記載の投射型表示装置。
  3. 前記液晶層の界面は、配向処理がされていないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の投射型表示装置。
  4. 前記液晶は、カイラルスメクチックC相液晶である請求項1〜3いずれか1項に記載の投射型表示装置。
  5. 前記液晶は、Iso−N()−SmCの相転移系列を持つ請求項4に記載の投射型表示装置。
  6. 前記液晶散乱素子は、前記液晶層が複数層重ねられて構成される請求項1〜5いずれか1項に記載の投射型表示装置。
  7. 複数の前記液晶層のうち、第1の液晶層に印加する交流電圧の位相と第2の液晶層に印加する交流電圧の位相と、が異なる請求項6に記載の投射型表示装置。
  8. 前記液晶散乱素子は、プリズムアレイシートを有する請求項1〜7いずれか1項に記載の投射型表示装置。
  9. 前記液晶散乱素子は、入射する光を反射する反射層を有する請求項1〜8いずれか1項に記載の投射型表示装置。
  10. 前記散乱状態となる電圧が3〜100Vrmsである請求項1〜9いずれか1項に記載の投射型表示装置。
  11. 前記散乱状態となる電圧の周波数が70〜1000Hzである請求項1〜10いずれか1項に記載の投射型表示装置。
  12. 前記光源部と前記液晶散乱素子との間の光路中、および、前記液晶散乱素子と前記画像光生成部との間の光路中に、入射する光を散乱させて出射する光散乱素子が配置された請求項1〜11いずれか1項に記載の投射型表示装置。
  13. 前記光源部と前記液晶散乱素子との間の光路中に、入射する光を散乱させて出射する光散乱素子が配置された請求項1〜11いずれか1項に記載の投射型表示装置。
  14. 前記液晶散乱素子と前記画像光生成部との間の光路中に、入射する光を散乱させて出射する光散乱素子が配置された請求項1〜11いずれか1項に記載の投射型表示装置。
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