JPWO2010143568A1 - 光ディスク及び光ディスク中間層用紫外線硬化型組成物 - Google Patents
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Abstract
基板上に、少なくとも第一の光反射層、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層、第二の光反射層及び光透過層を順に有し、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層が第二の光反射層と直接積層され、光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクであって、第二の光反射層が積層される中間層を形成する紫外線硬化型組成物の硬化膜が、紫外線硬化後に110℃環境下に1時間静置した際の重量減少率が3.5質量%以下である光ディスクにより、高温環境下においても信号特性を好適に保持できる。
Description
本発明は、少なくとも二以上の光反射層を有し、370nm〜430nmの範囲内に発振波長を有する半導体レーザー(以下ブルーレーザーと称す)により記録又は再生を行う光ディスク、及び当該光反射層間に設けられる中間層に適した紫外線硬化型組成物に関する。
高密度記録可能な光ディスクとして主流となっているDVD(Digital Versatile Disc)は厚さ0.6mmの2枚の基板を接着剤で貼り合わせた構造を有している。DVDにおいては高密度化を達成するため、CD(Compact Disc)に比べ短波長の650nmのレーザーを用い、光学系も高開口数化している。
しかし、HDTV(high definition television)に対応した高画質の映像等を記録または再生する為には更なる高密度化が必要となる。DVDの次世代に位置する更なる高密度記録の方法及びその光ディスクの検討が行われており、DVDよりも更に短波長のブルーレーザー及び高開口数の光学系を用いる新しい光ディスク構造による高密度記録方式が提案されている。このような高密度記録方式の光ディスクにおいても更なる高密度化を実現するため、情報記録部位を二層以上設けた多層の光ディスクが求められている。
高密度記録方式の多層光ディスクにおいては、通常、基板上にピットやグルーブ等の凹凸パターンが形成され、当該基板上に光反射層を積層して第一の情報記録部位とし、当該第一の情報記録層上に紫外線硬化型組成物の硬化膜等により中間層を設け、当該中間層に二層目の凹凸パターンを形成して第二の情報記録部位が設けられる。
このような多層光ディスクにおいて凹凸パターンが設けられる中間層としては、例えば、3官能以上のウレタン(メタ)アクリレートと、4官能以上の多官能(メタ)アクリレートを含有する紫外線硬化型組成物からなるもの(特許文献1参照)や、多官能(メタ)アクリレート、単官能(メタ)アクリレート、脂環式(メタ)アクリレート及びメタクリレートを特定量含有する紫外線硬化型組成物からなるもの(特許文献2参照)が開示されている。
これら紫外線硬化型組成物からなる中間層は、極めて良好な剥離性を有し、好適にピットやグルーブ等の凹凸パターンを形成可能な組成物であり、当該組成物からなる中間層から形成される光ディスクは好適な信号特性を示すものである。しかし、ブルーレーザーにより記録又は再生する光ディスクに適用した場合に、高温環境下で信号特性が低下する場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、高温環境下においても信号特性を好適に保持できる光ディスクを提供することにある。
さらに、高温環境下においても揮発成分の発生を抑制でき、信号特性を好適に保持できる光ディスクを与え、かつ、スタンパとの剥離性が良好な中間層を形成できる紫外線硬化型組成物を提供することにある。
本発明においては、基板上に、少なくとも第一の光反射層、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層、第二の光反射層及び光透過層を順に有し、前記紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層が前記第二の光反射層と直接積層され、前記光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクであって、前記第二の光反射層が積層される中間層を形成する紫外線硬化型組成物の硬化膜が、紫外線硬化後に110℃環境下に1時間静置した際の重量減少率が3.5質量%以下であることを特徴とする光ディスクを提供する。
また、本発明は、さらに、基板上に、少なくとも第一の光反射層、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層、第二の光反射層及び光透過層を順に有し、前記紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層が前記第二の光反射層と直接積層され、前記光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクの前記第二の硬化膜を形成する紫外線硬化型組成物であって、紫外線硬化性化合物と重合開始剤とを含有し、前記紫外線硬化性化合物100質量部に対する重合開始剤の含有量が2〜10質量部であり、分子量が215以下の重合開始剤の含有量が、5質量%以下であることを特徴とする光ディスク中間層用紫外線硬化型組成物を提供する。
本発明の光ディスクは、高温環境下においても信号特性の悪化が生じ難く、好適に信号再生が可能となる。また、本発明の光ディスク中間層用紫外線硬化型組成物によれば、高温環境下においても揮発成分の発生を抑制できるため、環境への汚染が少なく、また、スタンパとの剥離性が良好であり、さらに、揮発成分の発生による重量減少を抑制できるため高温環境下でも信号特性を好適に保持できる光ディスクを実現できる。
本発明の光ディスクは、基板上に、少なくとも第一の光反射層、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層、第二の光反射層及び光透過層を順に有し、前記紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層が前記第二の光反射層と直接積層され、前記光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクであり、前記第二の光反射層が積層される中間層を形成する紫外線硬化型組成物の硬化膜が、紫外線硬化後に110℃環境下に1時間静置した際の重量減少率が3.5質量%以下の光ディスクである。なお、本明細書中で(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートをいい、同様に(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基をいう。また、中間層とは、光ディスクの表層以外の部分に設けられ、表裏に他の層を有する層をいう。
[基板]
本発明の光ディスクに使用する基板としては、ディスク形状の円形樹脂基板を使用でき、当該樹脂としてはポリカーボネートを好ましく使用できる。光ディスクが再生専用の場合には、基板上に情報記録を担うピットが光反射層と積層される表面に形成される。レーザー光の発振波長が370〜430nmであるブルーレーザーにより情報の読み取りを行うブルーレイディスクとして使用する際には、1.1mm程度の厚さの基板が使用できる。
本発明の光ディスクに使用する基板としては、ディスク形状の円形樹脂基板を使用でき、当該樹脂としてはポリカーボネートを好ましく使用できる。光ディスクが再生専用の場合には、基板上に情報記録を担うピットが光反射層と積層される表面に形成される。レーザー光の発振波長が370〜430nmであるブルーレーザーにより情報の読み取りを行うブルーレイディスクとして使用する際には、1.1mm程度の厚さの基板が使用できる。
[光反射層]
本発明の光ディスクに使用する光反射層としては、第一の光反射層及び第二の光反射層共に、レーザー光を反射し、記録・再生が可能な光ディスクを形成できるものであればよく、例えば、金、銅、アルミニウムなどの金属又はその合金、シリコンなどの無機化合物を使用できる。なかでも、400nm近傍の光の反射率が高いことから銀又は銀を主成分とする合金を使用することが好ましい。光反射層の厚さは、10〜60nm程度の厚さとすることが好ましい。また、光ディスクの更なる多層化により、第三、第四等の光反射層を設ける場合には、同様の光反射層を好適に用いることができる。
本発明の光ディスクに使用する光反射層としては、第一の光反射層及び第二の光反射層共に、レーザー光を反射し、記録・再生が可能な光ディスクを形成できるものであればよく、例えば、金、銅、アルミニウムなどの金属又はその合金、シリコンなどの無機化合物を使用できる。なかでも、400nm近傍の光の反射率が高いことから銀又は銀を主成分とする合金を使用することが好ましい。光反射層の厚さは、10〜60nm程度の厚さとすることが好ましい。また、光ディスクの更なる多層化により、第三、第四等の光反射層を設ける場合には、同様の光反射層を好適に用いることができる。
[中間層]
本発明の光ディスクにおいては、第一の光反射層と第二の光反射層との間に設けられ、第二の光反射層と直接積層する中間層として、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層を有する。当該第二の光反射層が積層される中間層は、表面にピットやグルーブ等の凹凸パターンが形成される中間層であり、当該第二の光反射層と共に情報記録部位を形成する層である。光ディスクが再生専用の場合には、当該中間層表面に情報記録を担うピットが設けられる。
本発明の光ディスクにおいては、第一の光反射層と第二の光反射層との間に設けられ、第二の光反射層と直接積層する中間層として、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層を有する。当該第二の光反射層が積層される中間層は、表面にピットやグルーブ等の凹凸パターンが形成される中間層であり、当該第二の光反射層と共に情報記録部位を形成する層である。光ディスクが再生専用の場合には、当該中間層表面に情報記録を担うピットが設けられる。
本発明においては、前記第二の光反射層が積層される中間層として、紫外線硬化後に110℃環境下に1時間静置した際の重量減少率が3.5質量%以下、好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である紫外線硬化型組成物の硬化膜を使用する。当該中間層に使用する紫外線硬化型組成物の硬化膜の重量減少率を当該範囲とすることにより、高温環境下においても信号特性の悪化が生じ難く、好適に信号再生が可能となる。
紫外線硬化後に110℃環境下1時間静置した際の重量減少率は、ASTM規格のDesignation:D5403に従って測定することができる。
ASTMのD5403において、紫外線硬化後に110℃環境下に1時間静置した際の重量減少率は、Potential Volatilesとして表され、次の式から求められる。
Potential Volatiles=100[(C−D)/(B−A)]
ここで、A:ガラス基板の重さ、B:ガラス基板+硬化前の中間層、C:ガラス基板+硬化後の中間層、D:ガラス基板+110℃環境下に1時間静置後の中間層、である。
ASTMのD5403において、紫外線硬化後に110℃環境下に1時間静置した際の重量減少率は、Potential Volatilesとして表され、次の式から求められる。
Potential Volatiles=100[(C−D)/(B−A)]
ここで、A:ガラス基板の重さ、B:ガラス基板+硬化前の中間層、C:ガラス基板+硬化後の中間層、D:ガラス基板+110℃環境下に1時間静置後の中間層、である。
第二の光反射層が積層される中間層を形成する紫外線硬化型組成物の硬化膜は、25℃における弾性率が800〜3000MPaであることが好ましく、1500〜2500MPaであることがより好ましい。当該中間層に使用する硬化膜の弾性率を当該範囲とすることにより、スタンパーから剥離しやすく、また硬化時の反りが小さいディスクとなる。
前記第二の光反射層が積層される中間層に使用する紫外線硬化型組成物としては、紫外線硬化性化合物と重合開始剤とを含有し、上記特性の硬化膜を得ることができる組成物を使用すればよく、紫外線硬化性化合物としては、一分子中に三以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(以下、三官能の(メタ)アクリレートと略記する。)や、一分子中に二個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(以下、二官能の(メタ)アクリレートと略記する。)、一分子中に一の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(以下、単官能(メタ)アクリレートと略記する)等の(メタ)アクリレートモノマー、更には、エポキシ(メタ)アクリレートやウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマーを使用できる。
本発明に使用する三官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、等を使用できる。
なかでも、三官能(メタ)アクリレートを好ましく使用でき、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレートは、硬化後の弾性率を高く調整することができるので更に好ましい。
二官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、脂環式構造を有する(メタ)アクリレートとしては、脂環式の二官能(メタ)アクリレートとして、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等を使用できる。
なかでもジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルエーテルモノマー、リン酸基含有(メタ)アクリレート等の紫外線硬化性化合物も必要に応じて使用できる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、等の脂肪族(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタンアダマンチル(メタ)アクリレート、などを使用できる。
第二の光反射層が積層される中間層に使用する紫外線硬化型組成物中の紫外線硬化性化合物としては、一分子中に三以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の40〜80質量%含有し、一分子中に一の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの含有量が10質量%以下含有する組成物が、上記好適な重量減少率や弾性率、あるいは粘度の範囲に調整し易いため好ましい。
三官能(メタ)アクリレートの含有量は、50〜70質量%であることが更に好ましい。また、単官能(メタ)アクリレートの含有量は5質量%以下であることが更に好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。
また、これらモノマー成分に併用して、(メタ)アクリレートオリゴマーを使用しても良い。(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、特に制限されず、各種のウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートを使用できる。なかでも紫外線硬化型組成物の(メタ)アクリロイル基濃度と硬化後の弾性率を好適な範囲に調整しやすいことから、ウレタン(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレートを好ましく使用できる。中でも、ウレタン(メタ)アクリレートを使用すると、硬化膜の架橋点数や架橋点間距離、架橋構造を好適に制御でき、硬化膜に適度な柔軟性を付与することにより反り等の形状変化の少ない硬化膜を形成できる。
本発明に使用するウレタン(メタ)アクリレートとしては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、ヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物と、分子内に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物とから得られるウレタン(メタ)アクリレートを好ましく使用できる。また、ヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物と、分子内に2個のイソシアネート基を有する化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートも好ましく使用できる。
分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネートなどのポリイソシアネート類が挙げられる。なかでも、分子内に2個のイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物を好ましく使用でき、特にトリレンジイソシアネートは、色相の悪化が無く、かつ光線透過性も低下することがないため特に好ましい。
ヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等があり、さらにこれらの(メタ)アクリレートと2個以上のヒドロキシル基を有する化合物とを反応させて得られる化合物でも良い。あるいは2個以上のヒドロキシキル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる化合物でも良く、例えばグリシジルエーテル化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応物、グリコール化合物のモノ(メタ)アクリレート体等が挙げられる。
2個以上のヒドロキシル基を有する化合物としては、ポリオール類が好ましく用いられ、その具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、エオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,3,5−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、1,2−ジメチロールシクロヘキサン、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン等のアルキレンポリオール類等の多量体としての高分子ポリオールが挙げられる。
なかでも、エーテル結合を有するポリエーテルポリオール、多塩基酸との反応や環状エステルの開環重合により得られるエステル結合を有するポリエステルポリオール、又は、カーボネートとの反応により得られるカーボネート結合を有するポリカーボネートポリオールであることが好ましい。これらポリオール類の少なくとも一部、好ましくはポリオール類全量中の15モル%以上、更に好ましくはポリオール類全量中の30モル%以上は、分子量500〜2500であるのが好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前記ポリオール類の多量体のほかに、テトラヒドロフラン等の環状エーテルの開環重合体としてのポリテトラメチレングリコール等、及び、前記ポリオール類の、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイドの付加物等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、前記ポリオール類と、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸等の多塩基酸との反応物、及び、カプロラクトン等の環状エステルの開環重合体としてのポリカプロラクトン等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前記ポリオール類と、エチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、又は、ジフェニルカーボネート、4−メチルジフェニルカーボネート、4−エチルジフェニルカーボネート、4−プロピルジフェニルカーボネート、4,4’−ジメチルジフェニルカーボネート、2−トリル−4−トリルカーボネート、4,4’−ジエチルジフェニルカーボネート、4,4’−ジプロピルジフェニルカーボネート、フェニルトルイルカーボネート、ビスクロロフェニルカーボネート、フェニルクロロフェニルカーボネート、フェニルナフチルカーボネート、ジナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート、あるいは、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、ジ−n−アミルカーボネート、ジイソアミルカーボネート等のジアルキルカーボネート等との反応物等が挙げられる。
使用するポリオールは、1種であっても2種以上を併用してもよいが、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールの2種以上を併用したウレタン(メタ)アクリレートが好ましく、2種を併用することがより好ましい。これらポリオールを併用することで、得られる硬化膜の高温高湿環境下における耐変形性や、表面硬度を好適に調整しやすくなる。2種の併用の例としては、表面硬度を高くする場合には、ポリエステルポリオールとポリカーボネートポリオールとの併用が好ましく、耐湿熱変形性を向上させる場合には、ポリエーテルポリオールとを併用させることが好ましい。これらの中間的な特性とする場合には、ポリエーテルポリオールとポリカーボネートポリオールとを併用することが好ましい。
ポリオール併用時における各ポリオールの含有量としては、使用するポリオールの全量に対して、ポリエーテルポリオールは20〜90質量%であることが好ましく30〜80質量%であることがより好ましい。ポリエステルポリオールの含有量としては、10〜70質量%であることが好ましく、20〜60質量%とすることがより好ましい。ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールの含有量を当該範囲とすることで、硬化物の表面硬度や耐湿熱特性が得られやすい。
また、本発明に使用するウレタン(メタ)アクリレートは、芳香環を有さない構造のものであると透明性が高くなるため好ましい。
本発明に使用するウレタン(メタ)アクリレートとしては、ポリエーテル骨格のウレタンアクリレートとして、DIC(株)社製FAU−742TP、FAU−306、ポリエステル骨格のウレタンアクリレートとして、コグニスジャパン(株)社製Photomer−6892、ダイセルサイテック(株)社製Ebecryl−8405等が好ましく例示できる。
本発明の紫外線硬化型組成物中のウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の20質量%以下であることが好ましく、5〜15質量%であることが特に好ましい。ウレタン(メタ)アクリレート含有量を当該範囲とすることで硬化膜に適度な柔軟性を付与することが可能となり、特に湿度ショックを与えたときの反り変化が小さくなる。
本発明で使用するウレタン(メタ)アクリレートのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量(Mw)としては、1000〜20000であることが好ましく、1500〜10000であることがより好ましい。これにより、本発明の紫外線硬化型組成物を使用した光ディスクの耐久性及び耐光性がより優れたものとなる。分子量が高いと高粘度となり取り扱いが困難となる。一方、分子量が低いと架橋点間距離が短くなるため硬化収縮が大きくなる。なお、GPCは東ソー(株)社製 HLC−8020を用い、カラムはGMHxl−GMHxl−G200Hxl−G1000Hxlwを使用するものとし、溶媒はTHFを用い、1.0ml/minの流量でカラム温度が40℃、検出器温度が30℃、分子量は標準ポリスチレン換算で測定を行うものとする。
上記ウレタン(メタ)アクリレートを使用する場合には、前記第二の光反射層が積層される中間層に使用する紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物中の40質量%以下で使用することが好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートの含有量を当該範囲とすることで硬化膜に適度な柔軟性を付与することが可能となり、特に湿熱環境変化時における反りの少ない硬化膜を実現できる。
本発明で使用するエポキシ(メタ)アクリレートとしては、上記特性を有するものであればよく、例えば、下記式(1)で表されるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートを使用できる。
(式中、Yは−SO2−、−CH2−、−CH(CH3)−又は−C(CH3)2−を表し、Zは各々独立的に、水素原子又は−CH3を表し、nは0又は1以上の整数を表す。)
このようなビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートとしては、油化シェルエポキシ社製エピコート802、1001、1004等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、及びエピコート4001P、4002P、4003P等のビスフェノールF型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応によって得られるエポキシアクリレート等が挙げられる。
中でもYが−C(CH3)2−であり、nが0又は1〜6の整数である構造の付加重合体を主構成成分とするビスフェノールA型のエポキシ(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
また、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールF型等のエポキシ(メタ)アクリレートも好適に使用できる。
本発明で使用するエポキシ(メタ)アクリレートのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量(Mw)としては、500〜3000であることが好ましく、800〜1500であることがより好ましい。エポキシ(メタ)アクリレートの構造、及び分子量を上記の範囲とすることにより、本発明の紫外線硬化型組成物を使用した光ディスクの耐久性及び耐光性がより優れたものとなる。なお、GPCは東ソー(株)社製 HLC−8020を用い、カラムはGMHxl−GMHxl−G200Hxl−G1000Hxlwを使用した。溶媒はTHFを用い、1.0ml/minの流量でカラム温度が40℃、検出器温度が30℃、分子量は標準ポリスチレン換算で測定を行った。
第二の光反射層が積層される中間層に使用する紫外線硬化型組成物は、25℃におけるB型粘度が1000mPa以下であることが好ましく、50〜500mPaであることが特に好ましい。光ディスク中の反射膜間の中間層の厚さは、5〜30μm程度の厚さで形成されるが、当該粘度範囲とすることで、当該厚さの中間層を好適に形成できる。
また、当該紫外線硬化型組成物の(メタ)アクリロイル基濃度は4〜10mmol/gとすることが好ましい。
[開始剤]
第二の光反射層が積層される中間層に使用する紫外線硬化型組成物においては、当該紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物100質量部に対し、使用する重合開始剤の含有量を2〜10質量部とすることが好ましく、3〜8質量部とすることが更に好ましい。また、当該重合開始剤のうち、分子量が215以下の重合開始剤の含有量を、5質量部以下とすることが好ましく、4質量部以下とすることが更に好ましい。また、分子量が215を越える重合開始剤を、紫外線硬化性化合物100質量部に対し1質量部以上含有することが好ましく、1〜5質量部含有することが更に好ましく、1〜3質量部含有することが特に好ましい。分子量が215以下の重合開始剤は含有しなくとも良いが1質量部以上を、分子量が215を越える重合開始剤と併用することで、安定な信号特性が得られやすくなるため好ましい。本発明においては、第二の光反射層が積層される中間層を形成する紫外線硬化型組成物中の重合開始剤を上記のとおり調整することにより、製造工程中に高温下にさらされる場合においても光ディスクの重量減少が生じ難くなり、光ディスクを形成した際の高温高湿環境下においても安定な信号特性を得ることができる。また、光ディスク製造時に揮発成分による排気設備の汚染を低減できる。
第二の光反射層が積層される中間層に使用する紫外線硬化型組成物においては、当該紫外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性化合物100質量部に対し、使用する重合開始剤の含有量を2〜10質量部とすることが好ましく、3〜8質量部とすることが更に好ましい。また、当該重合開始剤のうち、分子量が215以下の重合開始剤の含有量を、5質量部以下とすることが好ましく、4質量部以下とすることが更に好ましい。また、分子量が215を越える重合開始剤を、紫外線硬化性化合物100質量部に対し1質量部以上含有することが好ましく、1〜5質量部含有することが更に好ましく、1〜3質量部含有することが特に好ましい。分子量が215以下の重合開始剤は含有しなくとも良いが1質量部以上を、分子量が215を越える重合開始剤と併用することで、安定な信号特性が得られやすくなるため好ましい。本発明においては、第二の光反射層が積層される中間層を形成する紫外線硬化型組成物中の重合開始剤を上記のとおり調整することにより、製造工程中に高温下にさらされる場合においても光ディスクの重量減少が生じ難くなり、光ディスクを形成した際の高温高湿環境下においても安定な信号特性を得ることができる。また、光ディスク製造時に揮発成分による排気設備の汚染を低減できる。
分子量が215を越える重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン等の分子開裂型や、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、等の水素引き抜き型の光重合開始剤等がある。
なかでも、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、および、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンから選ばれる少なくとも一種を好ましく使用できる。また、硬化性が特に良好となることから、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、および、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンを使用することが好ましく、これらを併用することが特に好ましい。
また、分子量が215以下の重合開始剤としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾフェノン、ベンジル、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステルなどが例示できる。なかでも、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンを上記分子量が215を越えるの重合開始剤と併用して使用することが好ましい。
[添加剤]
前記第二の光反射層が積層される中間層に使用する紫外線硬化型組成物には、必要に応じて、添加剤として、界面活性剤、レベリング剤、熱重合禁止剤、ヒンダードフェノール、ホスファイト等の酸化防止剤、ヒンダードアミン等の光安定剤を使用することもできる。また、増感剤として、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が使用でき、更に、前記の光重合性化合物と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
前記第二の光反射層が積層される中間層に使用する紫外線硬化型組成物には、必要に応じて、添加剤として、界面活性剤、レベリング剤、熱重合禁止剤、ヒンダードフェノール、ホスファイト等の酸化防止剤、ヒンダードアミン等の光安定剤を使用することもできる。また、増感剤として、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が使用でき、更に、前記の光重合性化合物と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
本発明の光ディスクにおいては、上記第二の光反射層が積層される紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層が、第一の光反射層と直接積層されていても良いが、第二の光反射層が積層される紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層と、第一の光反射層の間にさらに、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる第二の中間層が第一の光反射層と直接積層されるよう設けられていても良い。上記第二の光反射層が積層される中間層とは別に、第一の光反射層と積層される第二の中間層を有することで、好適なピット形成や、光反射層と野接着性、あるいは光ディスクの反りの抑制等の複数の要求特性を好適に調整しやすくなる。
本発明においては、前記第一の光反射層と積層される第二の中間層として、紫外線硬化型組成物の硬化膜から形成される中間層を使用することが好ましい。第一の中間層に使用する紫外線硬化型組成物の硬化膜としては、25℃における弾性率が500〜3000MPaであることが好ましく、1000〜2000MPaであることがより好ましい。当該第二の中間層に使用する硬化膜の弾性率は、当該範囲とすることにより、第一の光反射層との接着力が良好であり、また硬化時の反りが小さいディスクとなる。また、当該第二の中間層は、上記第二の光反射層が積層される中間層より300MPa以上、好ましくは500MPa以上低いことが好ましい。
また、光ディスク中の反射膜間の中間層の厚さは、5〜30μm程度の厚さで形成されるが、当該中間層が複数層からなる場合には、当該第二の中間層は、上記第二の光反射層が積層される中間層よりも厚く形成することで好適に反りを低減しやすくなる。このため、上記第二の光反射層が積層される中間層の厚さを10μm以下、好ましくは2〜5μmとし、当該第二の中間層の厚さをこれよりも厚く3〜25μm程度とすることが好ましい。
第二の中間層に使用する紫外線硬化型組成物は、25℃におけるB型粘度が1000mPa以下であることが好ましく、50〜600mPaであることが特に好ましい。粘度を上記範囲とすることで、当該第二の中間層上に、第二の光反射層が積層される中間層を好適に積層できる。
また、第二の中間層が、第二の光反射層が積層される中間層に比して表面張力が高いことが好ましい。これにより、第一の中間層が形成された上に第二の光反射層が積層される中間層を好適に塗布することができる。
前記第二の中間層に使用する紫外線硬化型組成物としては、上記第二の光反射層が積層される中間層に使用する紫外線硬化性化合物として列記した紫外線硬化性化合物から適宜使用できる。
なかでも、前記紫外線硬化性化合物として一分子中に三以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを40〜80質量%含有し、ウレタン(メタ)アクリレートを使用する場合には、40質量%以下であることが好ましい。
また、使用する重合開始剤としては、特に制限されず、上記第二の光反射層が積層される中間層に使用する重合開始剤として列記した各種の重合開始剤を使用できる。重合開始剤の含有量は、2〜10質量%であることが好ましい。
添加剤においても第二の光反射層が積層される中間層に使用する添加剤として列記したものを好適に使用できる。
[光透過層]
本発明の光ディスクにおいては、前記第二の光反射層が積層される中間層上の第二の光反射層上に直接、あるいは、他の層を介して光透過層が形成される。当該光透過層としては、レーザー光の発振波長が370〜430nmであるブルーレーザーを効率良く透過することが好ましく、100μmの厚さにおいて405nmの光の透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
本発明の光ディスクにおいては、前記第二の光反射層が積層される中間層上の第二の光反射層上に直接、あるいは、他の層を介して光透過層が形成される。当該光透過層としては、レーザー光の発振波長が370〜430nmであるブルーレーザーを効率良く透過することが好ましく、100μmの厚さにおいて405nmの光の透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
本発明の光ディスクにおける光透過層の厚みは、光ディスクの構成により適宜調整すればよく、光ディスク中に形成される中間層と光透過層との総厚さが70〜110μmであることが好ましい。光透過層の厚みは、通常、約100μmに設定されるが、厚みは光透過率や信号の読み取り及び記録に大きく影響を及ぼすため、十分な管理が必要である。光透過層は、当該厚さの硬化層単層で形成されていても、複数層が積層されていてもよい。
本発明の光ディスクにおける光透過層は、硬化時に反りが生じ難く、長時間にわたり荷重が加わった際にも再生信号のエラーが増加し難く、経時でエラーが回復することにより好適に信号再生が可能な光ディスクを提供することが好ましい。
このような光透過層としては、例えば、稜間角136°のビッカース圧子を用いて荷重100mNで押し込むことによって得られる弾性率(25℃)が1500MPa以下、好ましくは50〜1300MPa、より好ましくは400〜900MPa、最も好ましくは400〜600MPaである光透過層を好ましく使用できる。当該光透過層により、紫外線硬化時に反りが生じにくく、かつ、長時間の荷重に対しても変形が回復しやすくなるため良好に情報の記録・再生を行うことができる。
ビッカース圧子を用いた弾性率は、ISO標準規格ISO14577に従って測定することができる。
ISO14577において、稜間角136°のビッカース圧子を押し込むことによって得られる弾性率は、押し込み弾性率EITとして表される。塑性変形率は、押し込みクリープCITと表され、次の式から求められる。
ここで、h1:荷重が100mNに達した時の押し込み深さ、h2:荷重が100mNに達した後に60秒間保持した時の押し込み深さ、である。
ISO14577において、稜間角136°のビッカース圧子を押し込むことによって得られる弾性率は、押し込み弾性率EITとして表される。塑性変形率は、押し込みクリープCITと表され、次の式から求められる。
ここで、h1:荷重が100mNに達した時の押し込み深さ、h2:荷重が100mNに達した後に60秒間保持した時の押し込み深さ、である。
ISO14577に従った測定器として、フィッシャー・インスツルメンツ製のフィッシャースコープHM2000を用いて測定することができる。
また、本発明に使用する光透過層は、稜間角136°のビッカース圧子を用いて荷重100mNで押し込み60秒間保持した時の塑性変形率が、30〜90%であることが好ましく、40〜90%であることがより好ましく、40〜60%であることが特に好ましい。塑性変形率を当該範囲とすることで、長時間の荷重によって生じる変形が経時で回復しやすくなる。
また、光透過層の周波数3.5Hzにて測定される動的粘弾性スペクトルにおける60℃の損失弾性率(E’’)が10MPa以下であることが好ましく、0.1〜7MPaであることがより好ましく、1〜7MPaとすることが更に好ましい。。60℃の損失弾性率が当該範囲であると、長時間にわたり荷重が加わった際にも再生信号のエラーが増加し難く、経時でエラーが回復することにより好適に信号再生がしやすくなる。
動的粘弾性スペクトルの測定に際しては、光透過層をダンベルカッターでJIS K 7127の試験片タイプ5の形状に打ち抜き試験片とし、この試験片を用いて、レオメトリックス社製の動的粘弾性測定装置RSA−II(周波数3.5Hz、昇温速度3℃/分)により測定できる。
また、上記にて測定される動的粘弾性スペクトルにおける60℃の損失正接(tanδ)が、0.25以下の光透過層であることが好ましく、0.01〜0.20以下であることが特に好ましい。60℃の損失正接が当該範囲であると長時間にわたり荷重が加わった際にも再生信号のエラーが増加し難く、経時でエラーが回復することにより好適に信号再生がしやすくなる。
また、本発明の光ディスクの中間層及び光透過層は、レーザー光の発振波長が370〜430nmであるブルーレーザーを効率良く透過することが好ましく、100μmの厚さにおいて405nmの光の透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
[光ディスクの構成]
本発明の光ディスクは、基板上に、少なくとも第一の光反射層、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層、第二の光反射層及び光透過層を順に有し、前記紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層が前記第二の光反射層と直接積層され、前記光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクである。
本発明の光ディスクは、基板上に、少なくとも第一の光反射層、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層、第二の光反射層及び光透過層を順に有し、前記紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層が前記第二の光反射層と直接積層され、前記光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクである。
本発明の光ディスクは、再生専用のディスクと、記録・再生可能なディスクのいずれであっても良い。再生専用光ディスクの場合には、前記基板上、及び第二の光反射層を積層する中間層上に情報記録用のピットが設けられた構成である。詳細には、1枚の円形樹脂基板を射出成形する際に、情報記録部位である記録トラック(グルーブ)と呼ばれるレーザー光をトラッキングするための案内溝を設け、次に記録トラックを有する基板上に、、第一の光反射層、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層、及び第二の光反射層が順に積層され、前記第二の光反射層上に少なくとも光透過層を有する。この場合には第二の中間層上にピットが形成される。また、前記第一の光反射層と、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層との間に、さらに紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる第二の中間層を設けた構成も好ましく使用できる。
また、記録・再生可能なディスクは、前記基板と第一の光反射層との間及び第二の中間層と第二の光反射層との間に情報記録層が設けられた構成である。詳細には、1枚の円形樹脂基板上に第一の光反射層を形成し、次いで相変化膜又は光磁気記録膜等の第一の情報記録層を設け、更に、該第一の光反射層上に、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層、及び第二の光反射層、第二の情報記録層を形成して、当該層上に更に光透過層を形成することで、二層の情報記録層を有する構成とすることができる。当該構成においても上記と同様に、第一の光反射層と、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層との間に、さらに紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる第二の中間層を設けてもよい。あるいは、再生専用のディスク及び記録・再生可能なディスク共に、更に層を積層して三層以上の情報記録部位や情報記録層を有する構成としてもよい。
中間層や光透過層を形成するに際し塗布した紫外線硬化型組成物を紫外線照射することにより硬化させる場合、例えばメタルハライドランプ、高圧水銀灯などを用いた連続光照射方式で行うこともできるし、USP5904795記載の閃光照射方式で行うこともできる。効率よく硬化出来る点で閃光照射方式がより好ましい。
紫外線を照射する場合、積算光量は0.05〜1J/cm2となるようにコントロールするのが好ましい。積算光量は0.05〜0.8J/cm2であることがより好ましく、0.05〜0.6J/cm2であることが特に好ましい。本発明の光ディスクに使用する紫外線硬化型組成物は、積算光量が少量であっても、十分に硬化し、光ディスク端面や表面のタックが発生せず、更に光ディスクの反りや歪みが発生しない。
また、書込可能な光ディスクの場合には、光反射層上に情報記録層が設けられる。情報記録層としては、情報の記録・再生が可能であればよく、相変化型記録層、光磁気記録層、あるいは有機色素型記録層のいずれであってもよい。
情報記録層が相変化型記録層である場合には、当該情報記録層は通常、誘電体層と相変化膜から構成される。誘電体層は、相変化層に発生する熱を緩衝する機能、ディスクの反射率を調整する機能を求められ、ZnSとSiO2の混合組成が用いられる。相変化膜は、膜の相変化により非晶状態と結晶状態で反射率差を生じるものであり、Ge−Sb−Te系、Sb−Te系、Ag−In−Sb−Te系合金を用いることができる。
また、本発明の光ディスクにおいては、光透過層が最表面の層であってもよいが、更にその表層にハードコート層を設けてもよい。ハードコート層は、光ディスクの反りの観点から、膜厚が薄いことが好ましく、5μm以下が好ましい。
本発明の光ディスクは、光透過層の面に荷重をかけたのちの信号エラーSERが10−2以下であることが、信号の再生不良が少ないので、好ましい。
[実施態様]
以下、本発明の光ディスクの具体例として、二層型光ディスクの具体的構成の一例を以下に示す。
以下、本発明の光ディスクの具体例として、二層型光ディスクの具体的構成の一例を以下に示す。
二層型光ディスクの好ましい実施態様としては、例えば、図1に示したように、基板1上に、第一の光反射層2と、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層3とが積層され、さらにその上に、第二の光反射層4と、光透過層5とが積層され、光透過層5側からブルーレーザーを入射して情報の記録又は再生を行う二層型光ディスクの構成が例示できる。層の厚さとしては、光透過層5の厚さと中間層3の厚さの和が100±10μmの範囲である。基板1の厚さは1.1mm程度、光反射膜は銀等の薄膜である。
当該構成においては図2のように、最表層にハードコート層6が設けられていてもよい。ハードコート層6は、高硬度で、耐摩耗性に優れる層であることが好ましい。ハードコート層の厚さは、1〜5μmであることが好ましく、3〜5μmであることがより好ましい。また、図3のように、第一の光反射層2と第二の光反射層4との間に、第二の光反射層4と積層される紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層3と、第一の光反射層2と積層される第二の中間層7とが設けられた構成も好ましい。
図1に示す光ディスクの製造方法を以下に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を射出成形することによって、記録トラック(グルーブ)と呼ばれるレーザー光をトラッキングするための案内溝を有する基板1を作製する。次に基板1の記録トラック側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより第一の光反射層2を成膜する。この上に記録トラックを有する中間層3を形成する紫外線硬化型組成物を塗布し、その上に記録トラック(グルーブ)を形成するための型を貼り合わせ、この貼り合わせたディスクの片面または両面から紫外線を照射して、紫外線硬化型組成物を硬化させる。その後、型を剥離して、中間層3の記録トラック(グルーブ)を有する側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより第二の光反射層4を成膜し、この上に、紫外線硬化型組成物を塗付した後、紫外線照射により硬化させ、光透過層5を形成することで、図1の光ディスクを作製する。図2の光ディスクの場合には、この上に更にスピンコート等によりハードコート層6を形成する。
まず、ポリカーボネート樹脂を射出成形することによって、記録トラック(グルーブ)と呼ばれるレーザー光をトラッキングするための案内溝を有する基板1を作製する。次に基板1の記録トラック側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより第一の光反射層2を成膜する。この上に記録トラックを有する中間層3を形成する紫外線硬化型組成物を塗布し、その上に記録トラック(グルーブ)を形成するための型を貼り合わせ、この貼り合わせたディスクの片面または両面から紫外線を照射して、紫外線硬化型組成物を硬化させる。その後、型を剥離して、中間層3の記録トラック(グルーブ)を有する側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより第二の光反射層4を成膜し、この上に、紫外線硬化型組成物を塗付した後、紫外線照射により硬化させ、光透過層5を形成することで、図1の光ディスクを作製する。図2の光ディスクの場合には、この上に更にスピンコート等によりハードコート層6を形成する。
図3に示す光ディスクの製造方法を以下に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を射出成形にすることによって、記録トラック(グルーブ)と呼ばれるレーザー光をトラッキングするための案内溝を有する基板1を作製する。次に、基板1の記録トラック側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより第一の光反射層2を成膜する。
まず、ポリカーボネート樹脂を射出成形にすることによって、記録トラック(グルーブ)と呼ばれるレーザー光をトラッキングするための案内溝を有する基板1を作製する。次に、基板1の記録トラック側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより第一の光反射層2を成膜する。
この上に、中間層を形成するが、まず、基板1に形成された第一の光反射層2上に、記録トラックを有する中間層3を積層するための第二の中間層7を形成する。当該第二の中間層7は、紫外線硬化型組成物を塗布し、ディスクの片面または両面から紫外線を照射して、紫外線硬化型組成物を硬化又は半硬化させ、その上に記録トラックを有する中間層3を形成するための紫外線硬化型組成物を塗布し、その上に記録トラック(グルーブ)を形成するための型を貼り合わせ、この貼り合わせたディスクの片面または両面から紫外線を照射して、紫外線硬化型組成物を硬化させる。その後、型を剥離して、中間層3の記録トラック(グルーブ)を有する側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより第二の光反射層4を成膜し、この上に、紫外線硬化型組成物を塗付した後、紫外線照射により硬化させ、光透過層5を形成することで、図3の光ディスクを作製できる。また、光反射層に相変化型記録層を用いる場合でも上記と同様の方法により光ディスクを作成することができる。
次に、合成例及び実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下実施例中の「部」は「質量部」を表す。
下記表1に示した組成(表中の組成の数値は質量部を表す)により配合した各組成物を60℃で3時間加熱、溶解して、実施例1〜3及び比較例1〜3の各実施例及び比較例の紫外線硬化型組成物を調製した。得られた組成物について、下記の評価を行い、得られた結果を表1に示す。
<試験方法:粘度の測定方法>
紫外線硬化型組成物について、25℃における粘度をB型粘度計((株)東京計器製、BM型)を用いて測定した。
紫外線硬化型組成物について、25℃における粘度をB型粘度計((株)東京計器製、BM型)を用いて測定した。
<試験方法:弾性率の測定方法>
紫外線硬化型組成物を、ガラス板上に硬化塗膜が100±10μmになるように塗布した後、メタルハライドランプ(コールドミラー付き、ランプ出力120W/cm)を用いて窒素雰囲気中で500mJ/cm2で硬化させた。この硬化塗膜の弾性率をティー・エイ・インストルメント(株)社の自動動的粘弾性測定装置で測定し、25℃における動的弾性率E’を弾性率とした。
紫外線硬化型組成物を、ガラス板上に硬化塗膜が100±10μmになるように塗布した後、メタルハライドランプ(コールドミラー付き、ランプ出力120W/cm)を用いて窒素雰囲気中で500mJ/cm2で硬化させた。この硬化塗膜の弾性率をティー・エイ・インストルメント(株)社の自動動的粘弾性測定装置で測定し、25℃における動的弾性率E’を弾性率とした。
<試験方法:Potential Volatiles>
紫外線硬化後に110℃環境下1時間静置した際の重量減少率を、ASTM規格のDesignation:D5403に従って測定した。
ASTMのD5403において、紫外線硬化後に110℃環境下に1時間静置した際の重量減少率は、Potential Volatilesとして表され、次の式から求めた。
Potential Volatiles=100[(C−D)/(B−A)]
ここで、A:ガラス基板の重さ、B:ガラス基板+硬化前の中間層、C:ガラス基板+硬化後の中間層、D:ガラス基板+110℃環境下に1時間静置後の中間層、である。
紫外線硬化後に110℃環境下1時間静置した際の重量減少率を、ASTM規格のDesignation:D5403に従って測定した。
ASTMのD5403において、紫外線硬化後に110℃環境下に1時間静置した際の重量減少率は、Potential Volatilesとして表され、次の式から求めた。
Potential Volatiles=100[(C−D)/(B−A)]
ここで、A:ガラス基板の重さ、B:ガラス基板+硬化前の中間層、C:ガラス基板+硬化後の中間層、D:ガラス基板+110℃環境下に1時間静置後の中間層、である。
<試験方法:光ディスクの耐久性試験>
記録トラック(グルーブ)が形成され、銀を主成分とする合金からなる反射膜が積層されたポリカーボネート円盤に各実施例および各比較例の紫外線硬化型組成物ディスペンサで塗布し、透明ポリカーボネート円盤を重ね合わせた。次いでスピンコーターで硬化塗膜の膜厚が10〜20μmになるよう回転させた。次いで、XENON社製「フラッシュ照射装置RC−800」を用い、透明基板側から空気中で15ショット紫外線を照射して、各組成物を使用した光ディスクサンプルを作製した。
記録トラック(グルーブ)が形成され、銀を主成分とする合金からなる反射膜が積層されたポリカーボネート円盤に各実施例および各比較例の紫外線硬化型組成物ディスペンサで塗布し、透明ポリカーボネート円盤を重ね合わせた。次いでスピンコーターで硬化塗膜の膜厚が10〜20μmになるよう回転させた。次いで、XENON社製「フラッシュ照射装置RC−800」を用い、透明基板側から空気中で15ショット紫外線を照射して、各組成物を使用した光ディスクサンプルを作製した。
得られた各サンプルのPIエラー数を測定し、その後エスペック社製「エタック恒温高湿器SD01」を使用して、80℃85%RH96時間の環境試験を行った。試験後各サンプルのPIエラー数を測定した。
PIエラー比はAudio Dev株式会社製「SA300」により測定した。環境試験前後でのPIエラー数よりPIエラー比(環境試験後のPIエラー数/環境試験前のPIエラー数)を求めた。
表中のオリゴマー等は、下記のとおりである。
FAU−742TP:ウレタンアクリレート(分子量850のポリテトラメチレングリコールの両端にトリレンジイソシアネート/ヒドロキシエチルアクリレートを反応させたウレタンアクリレート) DIC株式会社製 分子量Mw:3700
V5530:ビスフェノールA型エポキシアクリレート(分子量850のビスフェノールA型エポキシ樹脂の両端にアクリル酸を反応させたエポキシアクリレート) DIC株式会社製
TMP(3EO)TA:トリメチロールプロパン1モルに3モルのエチレンオキサイドを付加して得たトリオールのトリアクリレート
DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート
Photomer4094:Glyceryl[4PO]triacrylate コグニスジャパン(株)製
Photomer4017:Hexanediol diacrylate コグニスジャパン(株)製
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
開始剤A:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(分子量:204.3) チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
開始剤B:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(分子量:279.4)チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
開始剤C:KIP150:下式(i)で表されるオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン(m=2及び3の混合物、分子量:469)
FAU−742TP:ウレタンアクリレート(分子量850のポリテトラメチレングリコールの両端にトリレンジイソシアネート/ヒドロキシエチルアクリレートを反応させたウレタンアクリレート) DIC株式会社製 分子量Mw:3700
V5530:ビスフェノールA型エポキシアクリレート(分子量850のビスフェノールA型エポキシ樹脂の両端にアクリル酸を反応させたエポキシアクリレート) DIC株式会社製
TMP(3EO)TA:トリメチロールプロパン1モルに3モルのエチレンオキサイドを付加して得たトリオールのトリアクリレート
DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート
Photomer4094:Glyceryl[4PO]triacrylate コグニスジャパン(株)製
Photomer4017:Hexanediol diacrylate コグニスジャパン(株)製
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
開始剤A:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(分子量:204.3) チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
開始剤B:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(分子量:279.4)チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
開始剤C:KIP150:下式(i)で表されるオリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン(m=2及び3の混合物、分子量:469)
開始剤D:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(分子量:348)
開始剤E:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(分子量:164.2) チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
没食子酸:(大日本住友製薬(株)製)
表1に示すように、中間層の重量減少率が低い実施例1〜10の光ディスクは、PIエラー比が小さく、高温高湿環境下での耐久性は良好であった。一方、比較例1〜4は、PIエラー比が大きく、高温高湿環境下での耐久性がなかった。
1 基板
2 第一光反射層
3 中間層
4 第二光反射層
5 光透過層
6 ハードコート層
7 第二中間層
2 第一光反射層
3 中間層
4 第二光反射層
5 光透過層
6 ハードコート層
7 第二中間層
Claims (13)
- 基板上に、少なくとも第一の光反射層、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層、第二の光反射層及び光透過層を順に有し、前記紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層が前記第二の光反射層と直接積層され、前記光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクであって、
前記第二の光反射層が積層される中間層を形成する紫外線硬化型組成物の硬化膜が、紫外線硬化後に110℃環境下に1時間静置した際の重量減少率が3.5質量%以下であることを特徴とする光ディスク。 - 前記第二の光反射層が積層される中間層を形成する紫外線硬化型組成物の硬化膜の25℃における弾性率が、800〜3000MPaである請求項1に記載の光ディスク。
- 前記第二の光反射層が積層される中間層に使用する紫外線硬化型組成物が、紫外線硬化性化合物と重合開始剤とを含有し、
前記紫外線硬化性化合物として一分子中に二以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを50質量%以上含有し、一分子中に一の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの含有量が10質量%以下である請求項1又は2に記載の光ディスク。 - 前記第二の光反射層が積層される中間層に使用する紫外線硬化型組成物が、前記紫外線硬化性化合物100質量部に対する重合開始剤の含有量が2〜10質量部であり、分子量が215以下の重合開始剤の含有量が、5質量部以下である請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク。
- 前記紫外線硬化型組成物100質量部に対する分子量が215を越える重合開始剤の含有量が1質量部以上である請求項4に記載の光ディスク。
- 前記紫外線硬化型組成物の25℃におけるB型粘度が1000mPa・s以下である請求項1〜5のいずれかに記載の光ディスク。
- 前記第一の光反射層と、前記第二の光反射層が積層される紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層との間に、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる第二の中間層が、前記第一の光反射層と直接積層されるよう設けられた請求項1〜6のいずれかに記載の光ディスク。
- 前記第二の中間層を形成する紫外線硬化型組成物の硬化膜の25℃における弾性率が、500〜3000MPaであり、25℃におけるB型粘度が1000mPa・s以下である請求項7に記載の光ディスク。
- 基板上に、少なくとも第一の光反射層、紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層、第二の光反射層及び光透過層を順に有し、前記紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる中間層が前記第二の光反射層と直接積層され、前記光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクの前記第二の硬化膜を形成する紫外線硬化型組成物であって、
紫外線硬化性化合物と重合開始剤とを含有し、
前記紫外線硬化性化合物100質量部に対する重合開始剤の含有量が2〜10質量部であり、分子量が215以下の重合開始剤の含有量が、5質量部以下であることを特徴とする光ディスク中間層用紫外線硬化型組成物。 - 前記紫外線硬化性化合物が、一分子中に二以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを50質量%含有し、一分子中に一の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの含有量が10質量%以下である請求項9に記載の光ディスク中間層用紫外線硬化型組成物。
- 分子量が215を越える重合開始剤の含有量が1質量%以上である請求項9又は10に記載の光ディスク中間層用紫外線硬化型組成物。
- 前記分子量が215を越える重合開始剤が、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、および、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドから選ばれる少なくとも一種である請求項11に記載の光ディスク中間層用紫外線硬化型組成物。
- 前記紫外線硬化型組成物が、没食子酸を含有する請求項9〜12のいずれかに記載の光ディスク中間層用紫外線硬化型組成物。
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