JPWO2010119623A1 - 溶接装置 - Google Patents

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小林  直樹
憲和 大崎
憲和 大崎
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芳行 田畑
英樹 井原
英樹 井原
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Abstract

日時を計時する時計機能を有する計時部(15)と、計時部(15)で計時した日時を記憶する記憶部(17)と、計時部(15)で計時した日時が記憶部(17)に記憶した日時に関連付けられた日時になったときに所定の制御を行なう制御部(12)とを備え、別途温度検出部を設けることなく、高温度状態を回避できる。

Description

本発明は、電極と母材との間にアークを発生させて溶接を行う溶接装置に関するものである。
溶接装置は、内部の温度上昇を抑制するため、冷却ファンを備えたものが知られている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。溶接装置の内部には、半導体やトランスやリアクタなどで構成される溶接装置出力回路が設けられている。溶接装置が動作して溶接出力を行う際に、溶接装置の構成部材に電流が流れることでこれら構成部材が発熱する。この発熱を抑制するため、冷却ファンが使用される場合が多い。
従来の溶接装置は、溶接定格使用率を超えて溶接出力を行った場合、温度異常検出回路内の温度上昇異常検出部が動作し、温度上昇異常を表示して溶接出力を停止する機能を備えている。なお、温度上昇異常は、溶接装置内が冷却ファンにより冷却され、温度上昇異常検出部の動作復帰温度になると解除される。その後、溶接出力が可能な状態となる。
この温度上昇異常検出部は、温度勾配(変化)の大きなインバータ回路の半導体部品近傍に取り付けられる場合が多い。そのため、リアクタのような熱のこもり易い部品は、半導体近傍に取り付けた温度上昇異常検出部の温度上昇異常解除温度で溶接出力を再開した場合、温度が徐々に上昇していくという問題があった。図3Aに温度勾配(変化)の大きい半導体部品近傍の温度変化を示し、図3Bに温度勾配(変化)の小さいリアクタのような熱のこもり易い部品の温度変化を示す。
この問題を解決するための方法として、溶接出力を不可とする温度上昇異常検出温度と溶接出力を可能とする温度上昇異常解除温度との差が大きな温度上昇異常検出部を別途設けるものや、温度上昇異常検出温度よりも低い高温度状態検出部を設けるものや、温度上昇異常解除温度まで温度が低下した後に、タイマで溶接出力を可能とするまでにある程度の時間を余分に設けてこの時間が経過した後に温度上昇異常を解除して溶接出力を可能にするといったものが知られている。
ここで、図4を用いて、従来の溶接装置について説明する。三相交流商用電源の出力を一次整流回路1において整流して直流電力に変換する。変換された直流電力をインバータ回路2により交流電力に変換する。変換された交流電力をトランス3によりアーク加工に適した電圧の交流電力に変換する。この変換した交流電力を二次整流回路4で直流電力に変換し、リアクタ5を通じてトーチ6と母材7との間に出力する。なお、溶接出力は、電流検出部8と電圧検出部9により検出され、溶接出力を行う前に設定した出力設定値になるように制御される。
溶接出力が出力されると、溶接出力回路14内の部品の温度が上昇する。この温度上昇を抑制するために冷却ファン10が設けられている。なお、冷却ファン10は、ファン駆動回路11により制御される。
図3Aにおいて溶接出力が定格出力を超えて出力された場合、溶接出力回路14内の部品の温度上昇値が大きくなり、温度上昇異常検出部13の検出温度が設定されている温度異常検出温度T1を超えると、温度上昇異常と判断され、温度上昇異常制御部12によってインバータ回路2の動作を止めることにより溶接出力を停止する。
従来の溶接装置は、定格使用率を超えて溶接出力を行うことにより温度上昇異常検出部13の検出温度が温度上昇異常温度となると、溶接出力を停止する。そして、冷却ファン10により溶接装置内の温度上昇異常検出部13近傍の部品が冷却され、温度上昇異常検出部13が検出する温度が温度上昇異常解除温度T2に達した時、溶接出力が可能となる。ここで、半導体部品の温度が温度上昇異常解除温度T2になったとしても、温度上昇異常温度による溶接出力の停止と温度上昇異常解除温度による溶接出力の開始を繰り返しているうちに、図3Bのように、温度異常検出部13の近くにない部品がリアクタ5のように熱がこもりやすく温度勾配(変化)が小さいものである場合、このような部品は温度許容値Tlimを超えて高温状態のままである。
なお、この問題に対応するため、溶接出力を不可とする温度上昇異常検出温度と溶接出力を可能とする温度上昇異常解除温度との差が大きな温度上昇異常検出部を別途設けるものがある。また温度上昇異常検出温度よりも低い高温度状態検出部を設けるものもある。また温度上昇異常解除温度まで温度が低下した後に、タイマで或る程度の時間、溶接出力を可能とするまでにある程度の時間を余分に設けてこの時間が経過した後に温度上昇異常を解除して溶接出力を可能にするものも知られている。
しかし、温度異常検出部や高温度状態検出部を別途設ける場合はコストが高くなり、温度異常検出部を取り付けたい箇所に取り付けられない場合に対応できないという課題がある。
また、温度上昇異常解除温度まで低下して動作復帰後に、タイマで或る程度の時間、溶接出力を可能とするまでに余分な時間を設ける場合は、溶接装置の電源を一度切って、再び電源を投入した時に、温度上昇異常検出部が復帰温度になっているときは、タイマがリセットされ、温度上昇異常が出力されないため、リアクタ等の温度勾配の小さい部品が高温状態のままで溶接出力が可能となってしまうという課題がある。
特開2002−66738号公報 特開2008−805号公報
本発明は、別途温度検出部を設けることなく、高温度状態を回避でき、また、温度上昇異常状態の途中で電源を切断され、その後に再投入された場合でも、異常表示がリセットされない溶接装置を提供するものである。
本発明の溶接装置は、日時を計時する時計機能を有する計時部と、計時部で計時した日時を記憶する記憶部と、計時部で計時した日時が記憶部に記憶した日時に関連付けられた日時になったときに所定の制御を行なう制御部とを備えた構成を有する。
かかる構成により、別途温度検出部を設けることなく、高温度状態を回避できる。また、異常解除までの時間をある程度要する場合に、温度上昇異常状態の途中で溶接装置の電源を落として再投入した場合でも、異常表示がリセットされないようにすることができ、コストを抑えた安全な溶接装置を実現することができる。
図1は、本発明の一実施形態における溶接装置の概略構成を示す図である。 図2Aは、本発明の一実施形態における溶接装置内の半導体部品の温度変化を示す図である。 図2Bは、本発明の一実施形態における溶接装置内のリアクタの温度変化を示す図である。 図3Aは、従来の溶接装置における半導体部品の温度変化を示す図である。 図3Bは、従来の溶接装置におけるリアクタの温度変化を示す図である。 図4は、従来の溶接装置の構成を示す図である。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について、図1と図2を用いて説明する。図1は、本実施の形態における溶接装置の概略構成を示す図である。図1において、三相交流商用電源の出力を一次整流回路(第1の整流部)1において整流して直流電力に変換する。変換された直流電力をインバータ回路(インバータ部)2により交流電力に変換する。変換された交流電力をトランス(変圧器)3によりアーク加工に適した電圧の交流電力に変換する。この変換した交流電力を二次整流回路(第2の整流部)4で直流電力に変換し、リアクタ5を通じてトーチ6と母材7との間に出力する。なお、溶接出力は、電流検出部8と電圧検出部9により検出され、溶接出力を行う前に設定した出力設定値になるように制御される。
溶接出力が出力されると、溶接出力回路14内の部品に電流が流れて部品の温度が上昇する。そして、この温度上昇を抑制するために、冷却ファン10が設けられている。なお、冷却ファン10は、ファン駆動回路11により制御される。
溶接作業者の溶接装置への設定等により溶接出力が定格出力を超えて出力された場合、溶接出力回路14内の部品の温度上昇値が大きくなる。この温度上昇値が、温度上昇異常検出部(温度検出部)13の検出温度が設定されている温度異常検出温度T1を超えると、温度上昇異常制御部12内の判断部16によって温度上昇異常と判断され、温度上昇異常制御部12によってインバータ回路2の動作を停止することにより、溶接出力を停止する。なお、温度上昇異常検出部13は、インバータ回路2を構成する図示しない半導体素子の近傍に設けられている。また後述する計時部15は日時を計時する時計機能を有する。
以上のように構成された本実施形態の溶接装置について、温度上昇異常が発生した場合の動作を説明する。溶接出力が定格出力を超えて出力された場合、溶接出力回路14内の部品の温度上昇値が大きくなる。そして、温度上昇異常検出部13の検出温度が、図2Aに示す予め設定された温度異常検出温度T1を超えると、温度上昇異常制御部12内の判断部16により温度上昇異常と判断され、温度上昇異常制御部12によってインバータ回路2の動作を止める。これにより、溶接装置の溶接出力を停止する。この溶接出力を停止している間、冷却ファン10により溶接出力回路14内の部品が冷却される。そして、温度上昇異常検出部13の検出温度が、図2Aに示す予め設定された温度上昇異常解除温度T2に到達すると、温度上昇異常が解除され、溶接出力が可能な状態となる。なお、冷却ファン10は、温度上昇異常制御部12からの出力に基づいて動作するファン駆動回路11により制御される。
一般的に温度上昇異常検出部13は、温度勾配が大きく許容温度のあまり高くない部品を備えたインバータ回路2などに取り付けられる。このインバータ回路2は、冷却能力を向上するために冷却フィン上に配置されている。インバータ回路2は、温度上昇異常の検出と解除を繰り返し行って溶接出力の出力と停止を繰り返すことで、図2Aの破線のように温度異常検出温度T1と温度上昇異常解除温度T2との間で温度変化を繰り返す。
一方、リアクタ5などは、許容温度も高く、温度勾配(変化)もインバータ回路2より大きくない。そのため、インバータ回路2の付近に設けられた温度上昇異常検出部13の検出温度に基づいて繰り返し行われる温度上昇の異常と解除の動作の最初の数回では、リアクタ5は飽和温度に至らない。しかし、図2Bの破線に示すように徐々に温度が上昇していき飽和温度に近付いていく。
また、リアクタ5は、温度勾配がインバータ回路2の温度勾配より大きくないため、インバータ回路2の付近に設けられた温度上昇異常検出部13の検出温度に基づく温度上昇の異常と解除の繰り返し周期では、十分に冷却されない。
リアクタ5の飽和温度がリアクタ5の温度許容値よりも低い値であれば問題ない。しかし、図2Bに示す温度許容値Tlimよりも高い温度で飽和する場合には、リアクタ5の温度が温度許容値Tlimにならないようにする必要がある。リアクタ5の温度を低下させるためには、温度上昇異常検出部13で温度上昇異常を検出して溶接出力を停止した後に、温度上昇異常検出部13の検出温度が温度上昇異常解除温度T2に到達するまでの時間よりも長い時間を確保してリアクタ5を冷却する必要がある。
ここで、温度異常検出温度T1から温度上昇異常解除温度T2に温度が低下するよりも長い停止時間を設定し、カウンタ等を用いてこの停止時間が経過するまでは溶接出力を不可とすることが考えられる。
しかし、溶接装置の電源スイッチ(スイッチ部)が切られ、その後電源が再投入された場合、カウンタがリセットされてしまい、停止時間をカウントすることができなくなる。このため、溶接装置の電源が再投入された場合、温度上昇異常検出部13の検出温度が温度上昇異常解除温度T2より低ければ溶接出力が可能となり、リアクタ5の温度が十分低下してない場合でも溶接出力が行われる。そして、リアクタ5に電流が流れ、リアクタ5の温度が上昇してしまうといった問題がある。
そこで、本実施形態では、日時を計時する時計機能を有する計時部15を設け、温度上昇異常検出温度T1に到達した日時を、温度上昇異常制御部12内の記憶部17に記憶する。すなわち、温度上昇異常検出温度T1に到達した時に、その時の時刻(日時)を年月日時分秒の情報を持った計時部15から温度上昇異常制御部12に出力し、不揮発性の記憶部17に記憶しておく。このとき、記憶部17は、計時部15で計時した日時が、装置の異常履歴対応付けて記憶しておく。温度上昇異常制御部12は、温度上昇異常検出温度T1から温度上昇異常解除温度T2に達するまでの時間に、リアクタ5が安全な温度に到達する時間を加えた時刻(日時)まで、温度上昇異常を解除しないように制御する。なお、温度上昇異常検出温度T1から温度上昇異常解除温度T2に達するまでの時間に、リアクタ5が安全な温度に到達する時間を加えた時間Tは、実験等により予め求めておき、予め温度上昇異常制御部12内の停止時間記憶部18に記憶させておく。
その後、温度上昇異常検出温度T1に到達した時刻から、停止時間記憶部18に記憶された時間Tが経過した時刻が、計時部15で計時している時刻と一致したときに、温度上昇異常制御部12は温度上昇異常を解除し、溶接出力が行われる。なお、停止時間記憶部18は、温度上昇異常制御部12内に設けなくても、溶接装置内であればどこに設けてあってもよい。
このように、本実施の形態によれば、カウンタのように温度上昇異常解除時間をカウントせず、温度上昇異常の復帰時刻(日時)を決定するため、温度上昇異常期間の途中で溶接装置の電源が切られた後に電源が再投入され、この電源が再投入された時点で温度上昇異常の復帰時刻に至っていない場合には、温度上昇異常として溶接出力ができない状態を継続可能となる。すなわち、温度上昇異常検出部13の検出温度が温度上昇異常検出温度T1に達した時刻t1から、時刻t1に時間Tを加えた時刻t2に至るまでは、温度上昇異常検出部13の検出温度が温度上昇異常解除温度T2になっても、溶接出力ができない状態を継続する。このことにより、リアクタ5を十分に低い温度にすることができる。また、時計機能を有する計時部15を設けていることにより、時刻(日時)に基づいて溶接出力の可否判定を行うことができる。
以上のように、本実施形態の溶接装置は、年月日時分秒の情報を計時する計時部15を設け、温度上昇異常検出時の年月日時分秒情報を異常履歴として対応付けて記憶し、異常解除を何分後の時刻(日時)といった情報として扱うことにより、別途温度検出部を設けることなく、高温度状態を回避できる。また、異常解除までの時間をある程度要する場合に、温度上昇異常状態の途中で溶接装置の電源を落として再投入した場合でも、異常表示がリセットされないようにすることができ、コストを抑えた安全な溶接装置を実現することができる。
また、本実施の形態の溶接装置は、時計機能を有する計時部15を備えていることにより、次のようなことを実現することもできる。溶接装置を工場からユーザに出荷した日時を出荷という事実と対応づけて記憶部17に記憶しておく。計時部15により、出荷してからの日時を計時し、出荷した日時から所定日時が経過した場合に、図示しない表示部に溶接装置内の清掃を促す旨を表示するメッセージを表示してユーザに清掃を促すこともできる。この場合、出荷後の初の電源投入時を記憶部17に記憶することにより、電源投入時を基準として清掃のメンテナンスを定期的に促すことができる。また、さらに、清掃後の初の電源投入時を記憶部17に記憶することにより、適正な清掃の時期を定期的に促すことができる。
以上のように本発明の溶接装置は、年月日時分秒の情報を持った計時部を設けることにより、異常履歴の時刻を知ることができる。したがって、ある程度の時間、溶接装置を立ち上げて停止した状態にしておく必要のある異常が発生した場合に、途中で溶接装置のスイッチを切られた場合でも異常解除時刻を設定できる。そのため、安全性を向上することができる。また、年月日時分秒の情報を持った計時部を設けることにより、溶接装置内部の清掃を促すことができる。
本発明は、異常事態が発生しても安全性を向上することができるので、アーク溶接等に用いる溶接装置として産業上有用である。
1 一次整流回路
2 インバータ回路
3 トランス
4 二次整流回路
5 リアクタ
6 トーチ
7 母材
8 電流検出部
9 電圧検出部
10 冷却ファン
11 ファン駆動回路
12 温度上昇異常制御部
13 温度上昇異常検出部
14 溶接出力回路
15 計時部
16 判断部
17 記憶部
18 停止時間記憶部

Claims (5)

  1. 日時を計時する時計機能を有する計時部と、前記計時部で計時した日時を記憶する記憶部と、前記計時部で計時した日時が前記記憶部に記憶した日時に関連付けられた日時になったときに所定の制御を行なう制御部とを備えた溶接装置。
  2. 前記計時部で計時した日時が、装置の異常履歴または前記装置の出荷と対応付けて記憶部に記憶された請求項1記載の溶接装置。
  3. 前記記憶部に前記装置の出荷日時が記憶され、前記計時部で計時した日時が、前記出荷日時から所定日時が経過した場合に、表示部に装置内の清掃を促す旨を表示する請求項2記載の溶接装置。
  4. 前記溶接装置内の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部が検出した温度が予め決められた温度上昇閾値を超えたか否かを判断する判断部と、前記温度検出部で検出した温度が前記温度上昇閾値を超えた日時から溶接出力の停止を継続する時間を記憶する停止時間記憶部とをさらに備え、前記記憶部は、前記判断部で前記温度検出部が検出した温度が前記温度上昇閾値を超えたと判断した時の日時を記憶し、前記制御部は、前記記憶部が記憶された、前記温度検出部で検出した温度が前記温度上昇閾値を超えた日時に、前記停止時間記憶部に記憶された時間を加えた日時を経過してない場合には、前記装置の溶接出力の禁止を継続する請求項1記載の溶接装置。
  5. 前記計時部が計時する日時は、少なくとも、年と月と日と時間を含む請求項1に記載の溶接装置。
JP2010534165A 2009-04-16 2010-03-23 溶接装置 Pending JPWO2010119623A1 (ja)

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