JPWO2010110313A1 - 生活習慣病を予防または治療するための医薬組成物およびそれに役立つ食品 - Google Patents

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Abstract

生活習慣病を予防または治療するための医薬組成物およびそれに役立つ食品の提供。マンノース単位が数を基準として66%以上を占める重合度3〜10の糖を有効成分とする。

Description

本発明は、特定の重合度のマンノオリゴ糖を含む、生活習慣病を予防または治療するための医薬組成物および食品に関する。
肥満は、食の欧米化による高脂肪性の食事の摂取、日常の運動不足およびストレス過多による過食などが原因となり年々増加傾向にある。また、肥満は、肝臓中に多くの脂質を蓄積し、糖尿病、高血圧症、高脂血症、さらには心疾患や脳卒中などの生活習慣病を誘発する。したがって、肥満を防ぐことは、生活習慣病を予防する上で非常に重要な要素となる。特に高齢化社会を迎えようとしている現代においては、生活習慣病の増加が問題となってきており、予防医学の観点からも肥満を防ぐ手段が注目されている。そのため種々の食品中から肥満防止にかかわる物質の探索やその作用についての研究が行われており、中でもマンノオリゴ糖が注目されている。
特開2006−169256は、マンノオリゴ糖が血清脂質改善作用を有することを開示し、特開2008−022778は、マンノオリゴ糖が糖尿病予防作用を有することを開示し、そして、特開2006−083127は、マンノオリゴ糖が、体内脂肪低減作用等、肥満に起因する生活習慣病予防の効果を有することを開示している。また、日本食品工学会誌.6(4),301-304(2005) は、マンノオリゴ糖が、摂取された脂肪の吸収を抑制する作用を有することを報告し、医学と薬学.54(4),505-509(2005) は、マンノオリゴ糖が肝臓脂質を低減する作用を有することを報告している。
しかし、これまで、マンノオリゴ糖の重合度の違いによってその作用の程度が大きく変動することは知られていない。
特開2006−169256 特開2008−022778 特開2006−083127
日本食品工学会誌.6(4),301-304(2005) 医学と薬学.54(4),505-509(2005)
本発明は、生活習慣病を予防または治療するための医薬組成物を提供することを目的とする。本発明は、また、生活習慣病の予防に役立つ食品を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、既に報告されているマンノオリゴ糖の糖構成を厳選し、重合度が3〜10で構成される単体もしくはそれらの混合物が、脂肪や糖質の体内への取り込みを抑制して、肝臓中に蓄積される脂質をより強力に低減することを見出した。本発明者らは、また、そのような混合物が、ビフィズス菌の増殖を促進することを見出した。
本発明は、マンノース単位が数を基準として66%以上を占める重合度3〜10の糖を有効成分とする生活習慣病を予防または治療するための医薬組成物に向けられている。好ましくは、有効成分は、マンノース単位が数を基準として90%以上、より好ましくは、95%以上を占める重合度3〜10の糖であり、最も好ましくは、マンノース単位だけからなる重合度3〜10の糖である。
好ましい態様において、本発明の糖は、マンナンを加水分解処理することによって得られ、そのマンナンは、好ましくは、コーヒー豆および/またはコーヒー抽出残渣から得られる。
好ましい態様において、本発明のマンノオリゴ糖は、β−1,4−マンノオリゴ糖である。
好ましい態様において、予防または治療される生活習慣病は、脂肪吸収および/または糖質吸収によるものであり、特に好ましくは、肝臓脂質の増加によるものである。
本発明は、また、生活習慣病を予防または治療する方法であって、生活習慣病を病むおそれがあるか又は病んでいる患者に、有効量の上記医薬組成物を投与することを含んでなる方法にも向けられている。
本発明は、マンノース単位が数を基準として66%以上を占める重合度3〜10の糖の使用であって、生活習慣病を予防または治療するための医薬品の製造にも向けられている。
本発明は、また、マンノース単位が数を基準として66%以上を占める重合度3〜10の糖を含む食品にも向けられている。
本発明の医薬組成物は、強力な脂質および/または糖質の吸収抑制作用を示し、肝臓中に蓄積する脂肪を低減することから、内臓脂肪低下作用、血清脂質改善作用、血糖値低下または上昇抑制作用、血圧低下または上昇抑制作用等を発揮し、ひいては肥満症、メタボリックシンドローム、高脂血症、糖尿病、心筋梗塞、動脈硬化症、脳梗塞、脳卒中、狭心症、高コレステロール血症等の生活習慣病予防または治療に有用である。本発明の医薬組成物は、ビフィズス菌増殖促進作用を持つことから、腸内環境を良好に保ってガンなどの生活習慣病を予防または治療することにも有用である。また、毎日の食事により摂取することができる本発明の食品は、生活習慣病の予防に役立つ。
実施例1で得られた画分の投与による脂質吸収の抑制を示す。 実施例3で得られた画分の投与による肝臓脂質の低減を示す。 実施例3で得られた分画の投与による糖質吸収の抑制を示す。
本発明における、マンノース単位が数を基準として66%以上を占める重合度3〜10の糖は、マンノースのほか、グルコース、フルクトースおよびガラクトースのような単糖類の少なくとも1種を構成単位とする。
そのような糖は、重合度1〜10のマンノースを主体としたオリゴ糖を含むマンナンの加水分解物から重合度2以下の糖を極力除去して得られる画分である。加水分解されるマンナンは、いかなる供給源からのものであってもよい。例えば、コーヒー豆、コーヒー抽出残渣、ココナッツ椰子から得られるコプラミール、または南アフリカ産椰子科植物HuacraPalmに含まれるマンナン、ツクネイモマンナン、ヤマイモマンナンを挙げることができる。特に、コーヒー豆および/またはコーヒー抽出残渣から得られるマンナンが好ましい。
この画分は、通常、マンノース単位が3〜10であるマンノオリゴ糖の各単体、即ち、マンノトリオース、マンノテトラオース、マンノペンタオース、マンノヘキサオース、マンノヘプタオース、マンノオクタオース、マンノノナオース、およびマンノデカオースの混合物を主成分とするが、更に各単体に分画したものであってもよい。本発明の画分には、重合度2以下のオリゴ糖が僅かながら残存してもよいが、極力少ない方が良く、マンノース単位が数を基準として90%以上を占める重合度3〜10の糖が好ましく、95%以上含有しているのがより好ましく、マンノース単位だけからなる重合度3〜10の糖が最も好ましい。
本発明における、マンノース単位が数を基準として66%以上を占める重合度3〜10の糖は、好ましくは、コーヒー生豆、焙煎したコーヒー豆または使用済みコーヒー残渣中に含まれるマンナンを、酸加水分解、高温加熱加水分解、酵素加水分解、微生物発酵の中から選ばれる1種または2種以上の方法で処理し、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理、イオン交換膜処理等の方法で精製した後、コーヒー残渣と分離し、イオン交換カラムクロマトグラフィーまたはエタノールなどの溶剤処理で重合度2以下の画分を極力除去することにより得ることができる。
酸加水分解に使用される酸としては、硫酸、塩酸を挙げることができる。酸性の程度はpH0〜2である。高温加熱加水分解の温度は190〜250℃である。酵素加水分解は、マンナンまたはマンナンの供給源を水性媒体に懸濁させ、たとえば市販のセルラーゼおよびヘミセルラーゼ等を加えて撹拌することにより行われる。使用される酸素の濃度は、0.01%〜1%であり、温度は、30〜80℃である。微生物発酵で使用する菌株として、Aspergillus niger, Bacillus subtilis, Rhizopus oryzaeを挙げることができる。
吸着樹脂処理で使用される樹脂としては、スチレンジビニルベンゼン重合体を挙げることができる。イオン交換樹脂処理で使用されるイオン交換樹脂としては、SK−1Bを挙げることができる。
重合度2以下の画分を極力除去するために行われるイオン交換カラムクロマトグラフィーで使用する充填剤としては、UBK−530、UBK−510Lを挙げることができる。2種類のイオン交換樹脂をそれぞれ充填し、直列に接続したカラムに数回通すことにより、さらに高純度な画分を得ることができる。
上記の方法によって得られた画分を含有する反応液は、必要に応じて精製することができる。精製法としては、骨炭、活性炭、炭酸飽充法、吸着樹脂、マグネシア法、溶剤抽出法等での脱色・脱臭、イオン交換樹脂、イオン交換膜、電気透析等での脱塩または脱酸が挙げられる。精製条件は、反応液中の色素、塩、および酸等の量およびその他の要因に応じて適宜選択すればよい。これら精製法を組み合わせてもよい。
本発明者らは、マンノース単位だけからなる重合度3以上、好ましくは重合度4以上の単体が、脂肪吸収抑制効果および糖質吸収抑制効果を強く発揮することを見出した。また、マンノース単位が数を基準として90%以上を占める重合度3〜10の糖の画分が肝臓脂質を大きく低減することを見出した。これら結果より、脂肪および糖質の吸収を抑制して、肝臓中の脂質を効率よく低減させるには、マンノース単位が数を基準として66%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、最も好ましくはマンノース単位だけからなる重合度3〜10の糖の混合物もしくは単体が有用であることが明らかとなった。
本発明における生活習慣病予防または治療は、本発明の医薬組成物を経口的に摂取することにより脂質吸収および糖質吸収を抑えることで可能になる。摂取した食事の脂肪や糖質の量に関係なく、体内吸収される脂質量や糖質量を抑制することが可能なため、食事の好みを変えることなく、肥満に起因する生活習慣病を予防することができる。
本発明における肝臓脂質低減とは、体内に吸収される脂質量および/または糖質量が抑制されることにより、肝臓中に蓄積される中性脂肪および総コレステロールが低減されることを意味している。肝臓脂肪を低減できれば、高脂血症や高コレステロール血症の直接的な予防効果だけではなく、糖尿病、動脈硬化、肝不全などの生活習慣病を網羅的に予防することが可能となる。
本発明者らは、マンノース単位だけからなる重合度4以上の単体が、ビフィズス菌の増殖をも促進することを見出した。この結果より、ビフィズス菌の増殖を促進して腸内環境を良好に保ち、大腸癌などの生活習慣病を予防するのにも、マンノース単位が数を基準として66%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、最も好ましくはマンノース単位だけからなる重合度3〜10の糖の混合物もしくは単体が有用である。
本発明の生活習慣病予防または治療のための医薬組成物は、賦形剤およびその他の添加剤とともに、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤等の任意の形態に製剤化することができる。賦形剤および添加剤として、乳糖、ショ糖、結晶セルロース、コーンスターチ、寒天、ペクチン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、レシチン、塩化ナトリウム等の固形のもの、グリセリン、ポリビニルピロリドン、オリーブ油、エタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、水等の液状のものが挙げられる。医薬組成物中における、マンノース単位が数を基準として66%以上を占める重合度3〜10の糖の画分の量は、医薬組成物全量の0.1〜100重量%、好ましくは1〜100重量%、より好ましくは5〜95重量%である。
本発明の医薬組成物をヒトに経口的に投与する場合、本発明の画分の量は、年齢、体重、性別、投与方法等に依存して変動するが、例えば、成人男性一人当たりの1日の摂取量は、好ましくは約10〜500mg/kg体重、より好ましくは約30〜70mg/kg体重である。
本発明における、マンノース単位が数を基準として66%以上を占める重合度3〜10の糖を含む食品としては、例えば、液体コーヒー、インスタントコーヒー、およびコーヒーミックス飲料等を挙げることができる。液体コーヒーとしては、缶あるいはいわゆるペットボトル容器に入れられて市販されているコーヒー飲料あるいはコーヒー入り飲料と呼ばれるものが挙げられ、インスタントコーヒーとしては、焙煎粉砕コーヒーを熱湯で抽出した抽出液を噴霧あるいは凍結乾燥方法により水分を除去した可溶性粉末コーヒーと呼ばれるものが挙げられる。また、コーヒーミックス飲料としては、可溶性粉末コーヒーに砂糖、クリーミングパウダーなどを添加して混合した飲料などが挙げられる。これら食品中における、マンノース単位が数を基準として66%以上を占める重合度3〜10の糖の割合は、食品全量の0.1〜80重量%、好ましくは1〜70重量%、より好ましくは3〜60重量%である。
本実施例は本発明の実施態様を具体的に説明したものであって、本発明の範囲を限定することを意図しない。
実施例1
マンノオリゴ糖の高純度分画
常法により得た焙煎粉砕コーヒー10kgを、商業上使用されるパーコレション系にて抽出し、濃縮してコーヒー抽出残渣7kg(乾燥重量)を得た。
これを粒径を約1mmに粉砕してから4mの熱栓流反応器に送った。次いで、水を加えて総固形分濃度が約14重量%であるスラリーにしてから熱処理した。滞留時間8分に対応する速度で高圧蒸気とともに栓流反応器にポンプ輸送し、6.35mmφオリフィスを用いて約210℃に維持した。その後、大気圧下に噴出することによって、反応を急止した。マンノオリゴ糖を含むコーヒー抽出液1kgに活性炭200gを加え60℃に加温して1時間攪拌後、珪藻土を加えて攪拌後濾過した。濾液を、強陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK−1B)を充填したカラムおよび弱陰イオン交換樹脂(ダイヤイオンSA−12A)を充填したカラムに順次通した後真空凍結乾燥し、マンノースおよびマンノオリゴ糖のみを含む固形分650gを得た。
内径40Φ、長さ1500mmのカラムに2種類のイオン交換樹脂(ダイヤイオンUBK−510LとUBK−530)を直列に接続したカラムクロマトグラフィーにより、種々の重合度(Degree of Polymerization、以下、「DP」という)の高純度画分を得た。
この操作において、カラムおよび移動相を65℃に保った。流速は20ml/分とし、カラムクロマトグラフィーに付する試料は上記固形分10gに水を20g加えて溶解したものであった。特定のDPのマンノオリゴ糖を主成分とする画分を得た後、それを再度カラムに注入する操作を繰り返し、DP2、DP3、DP4およびDP5を各々単独に90%以上含有する高純度画分を得た。DP6以上の画分についてはDP6〜10が合計で90%以上となるものを得た。ここで、例えば、DP3は、3のマンノース単位のみからなるマンノオリゴ糖を意味する。各画分をそれぞれ真空凍結乾燥した。各画分の乾燥物中の成分を表1に示した。
実施例2
実施例1で得られた画分の投与による脂質吸収の抑制
SD系雄ウイスターラットを実験に用いた。検疫および馴化期間を兼ねて7日間の予備飼育を行い、体重の推移および一般状態に異常が認められない個体を1群10匹、6群に分けて実験に供した。動物は温度、湿度、換気回数および照明時間をコントロールされた環境下飼育された。コーンオイル6mLにコール酸80mg、コレステロールオリエート2gを加え、その後注射用水6mLの割合で加え、10分間超音波処理して懸濁状態にしたものを対照液とした。実験試料は、この対照液に、未分画品、実施例1で得られたDP2、DP3、DP4、DP5およびDP6以上の各画分を700mg/2mL対照液/kg体重になるように加えることにより調製した。各実験試料の投与は、無麻酔下の動物に、注射筒および経口ゾンデを用いて強制経口投与で行った。投与前、投与後30、60、120、180、240および330分に非麻酔下で、尾静脈から採血し、市販のトリグリセライド測定キットを用いて、血清中の中性脂肪含量を測定し、その時間内に存在した総脂肪量を計算した。
その結果を表2および図1に示した。
血中中性脂肪量において、未分画品および画分投与群は、対照群と比べて低く推移する傾向を示した。また、DP3以上のそれぞれの群は、未分画品群およびDP2群と比べて低くなる傾向を示した。この結果は、未分画品や各画分投与でも血中中性脂肪量を低減することができるが、DP3以上を混合物や単体で投与することにより、より優れた脂肪吸収の抑制作用を発揮することを明らかにしている。
実施例3
高DP画分,中DP画分,低DP画分の調製
実施例1で得られたマンノースおよびマンノオリゴ糖のみを含む固形分10gに水を20g加えて溶解し、実施例1と同じ方法で分画した。但し、溶出液はフラクションコレクターを用い50mlずつ分画し、溶出容量1200〜1450mlの画分を高DP画分、1450〜1650mlの画分を中DP画分、1650〜2100mlまでを低DP画分とした。各画分をそれぞれ真空凍結乾燥し、試験に用いた。乾燥物中の含有量を表3に示した。
実施例4
実施例3で得られた画分の投与による肝臓脂質の低減
ICR系雌マウスを実験に用いた。検疫および馴化期間を兼ねて7日間の予備飼育を行い、体重の推移および一般状態に異常が認められない個体を1群8匹、5群に分けて実験に供した。動物は温度、湿度、換気回数および照明時間をコントロールされた環境下飼育された。実験飼料は、40%牛脂を含んだ高脂肪飼料をベースとして、未分画品、低DP、中DPおよび高DPの各画分1%を配合した飼料および画分無添加飼料(対照飼料)を56日間にわたり自由摂取させた。投与期間終了後、肝臓を採取し、約0.5gの肝臓組織に対して4.5mL冷0.1MPBSを加えホモジナイズした後、3000rpm遠心して上清を採取した。上清を試料として市販のトリグリセライド測定キットを用いて脂質量を測定した。
その結果を表4および図2に示した。
肝臓中脂質は、未分画品および各画分投与群は対照群と比べて有意に少なくなった。また中DP画分群および高DP画分群は未分画品群および低DP画分群と比べて有意に少なくなった。この結果から、各画分を投与することにより肝臓中脂質が少なくなるが、中でも中DP画分および高DP画分の投与が、より肝臓中脂質を低減することが明らかとなった。このことは、中DP画分以上、つまりDP3以上を90%以上含有している混合物を長期投与することにより、さらに顕著な肝臓脂質の低減作用を発揮することを示唆している。
実施例5
実施例3で得られた高DP分画の投与による糖質吸収の抑制
Wister系雄ラットを用いた。検疫および馴化期間を兼ねて7日間の予備飼育を行った後、増体重および一般状態に異常が認められない個体を1群10匹、3群に分けて実験に供した。動物は温度、湿度、換気回数および照明時間をコントロールされた環境下飼育された。対照群にデンプン12g/kg体重を水で溶解させた試料を投与し、未分画群にデンプン12g/kg体重およびマンノオリゴ糖未分画品1.7g/kg体重を水で溶解させた試料を投与し、そして、高DP群にはデンプン12g/kg体重および実施例3で得られた高DP1.7g/kg体重を水で溶解させた試料を投与した。注射筒および経口ゾンデを用いて無麻酔下で強制経口投与した。投与前、投与後15分、30分、60分、120分、180分および240分に無麻酔下で各々の動物の尾静脈から採血した。市販のキットを用いて血糖値を測定し、その時間内に存在した総血糖量を計算した。
その結果を表5および図3に示した。
高DP群は、対照群および未分画群と比べて総血糖量が低くなる傾向を示した。この結果は、高DPであるDP3以上の混合物を投与することにより糖質吸収が抑制されたことを示している。
実施例6
実施例3で得られた画分の腸内菌叢への影響
実施例4の対照飼料群および高DP画分群について、その投与期間終了後に、盲腸内容物を全量採取し、直ちに氷冷して菌叢を測定した。この測定は、光岡の方法(「腸内菌の世界」光岡知足編、1984年発行、冬至書房新社)に従った。総嫌気性菌数(EG培地またはBL培地上の集落数)と総好気性菌数(TS培地上の集落数)の和を総菌数とした。そのうち、BL培地上の集落の形状、グラム染色性、及び細胞の形態によってビフィズス菌群を同定し計数して、ビフィズス菌数とし、総菌数に占めるビフィズス菌の割合を算出した。結果を表6に示した。高DP画分群では、ビフィズス菌の割合が増加することが確認された。
実施例7
錠剤の調製方法
実施例1で得られたDP6以上の画分パウダー50%に、乳糖20%、デンプン20%、結晶セルロース6%を混合後、ヒドロキシプロピルセルロース10%エタノール溶液を3%になるように加えて練合造粒し、径0.8mmのスクリーンで押し出して、顆粒を調製・乾燥後に、ステアリン酸マグネシウムを1%の量で添加して圧縮成型することにより、一錠300mgの錠剤を調製した。この錠剤は、1日3錠程度服用することにより、生活習慣病予防効果または治療効果が期待できる。
実施例8
粉末剤の調製方法
実施例1で得られたDP6以上の分画パウダー90%にデキストリン10%および水を加えて、流動層造粒機により混和、加熱、造粒により造粒物を得た。得られた造粒物をそのままもしくは粉砕した粉末をスティック充填機を用いて、1スティックあたり2gとなるように充填した。この粉末剤は、1日1包程度服用することにより、生活習慣病予防効果または治療効果が期待できる。
実施例9
コーヒー飲料の調製
実施例1で得られたDP6以上の画分パウダー3gを濃縮コーヒー抽出液(コーヒー固形分11g)および人工甘味料0.17gに水1000mlを加えて希釈してUHT殺菌した後、ペットボトルに充填した。このコーヒー飲料は、本来のコーヒー飲料よりもコクのあるコーヒー味を有しており、毎日継続的に摂取することが可能であり、生活習慣病予防に役立つことが期待できる。
本発明の生活習慣病予防または治療剤機能を有する組成物は、医薬品だけでなく化粧品、飲食品、飼料等幅広い分野で使用することも可能であり、肥満に起因する生活習慣病予防または治療の効果が期待することができる。

Claims (12)

  1. マンノース単位が数を基準として66%以上を占める重合度3〜10の糖を有効成分として含んでなる、生活習慣病を予防または治療するための医薬組成物。
  2. 前記糖が、マンノース単位が数を基準として90%以上を占める重合度3〜10の糖である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記糖が、マンノース単位だけからなる重合度3〜10の糖である、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記糖が、β−1,4−マンノオリゴ糖である、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記糖が、マンナンを加水分解処理することによって得られる、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記マンナンが、コーヒー豆および/またはコーヒー抽出残渣から得られるものである、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記生活習慣病が脂肪吸収によるものである請求項1に記載の組成物。
  8. 前記生活習慣病が糖質吸収によるものである請求項1に記載の組成物。
  9. 前記生活習慣病が肝臓脂質の増加によるものである請求項7または8に記載の組成物。
  10. 生活習慣病を予防または治療する方法であって、生活習慣病を病むおそれがあるか又は病んでいる患者に、有効量の請求項1に記載の組成物を投与することを含んでなる方法。
  11. マンノース単位が数を基準として66%以上を占める重合度3〜10の糖の使用であって、生活習慣病を予防または治療するための医薬品の製造における使用。
  12. マンノース単位が数を基準として66%以上を占める重合度3〜10の糖を含む食品。
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