JPWO2010107085A1 - ジオレフィン化合物、エポキシ樹脂及び該組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
またコンポジット材、車の車体や船舶の構造材として、近年、その製造法の簡便さからRTMが使用されている。このような組成物においてはカーボンファイバー等への含浸のされやすさから低粘度のエポキシ樹脂が望まれている。
(1)
下記式(1)
で表されることを特徴とするジオレフィン化合物、
(2)
前項(1)に記載のジオレフィン化合物を酸化することにより得られることを特徴とするエポキシ樹脂、
(3)
過酸化水素又は過酸を用いてエポキシ化することを特徴とする前項(2)に記載のエポキシ樹脂、
(4)
前項(2)及び(3)のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と硬化剤及び/又は硬化触媒とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物、
(5)
前項(4)に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物、
に関する。
で表されることを特徴とするジオレフィン化合物、及びこれを酸化によりエポキシ化することで得られるエポキシ樹脂に関する。
で表される化合物で、具体的にはシクロヘキセンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸メチル、シクロヘキセンカルボン酸エチル、シクロヘキセンカルボン酸プロピル、シクロヘキセンカルボン酸ブチル、シクロヘキセンカルボン酸ヘキシル、(シクロヘキセニルメチル)シクロヘキセンカルボキシレート、シクロヘキセンカルボン酸オクチル、シクロヘキセンカルボン酸クロライド、シクロヘキセンカルボン酸ブロマイド、メチルシクロヘキセンカルボン酸、メチルシクロヘキセンカルボン酸メチル、メチルシクロヘキセンカルボン酸エチル、メチルシクロヘキセンカルボン酸プロピル、(メチルシクロヘキセニルメチル)メチルシクロヘキセンカルボキシレート、メチルシクロヘキセンカルボン酸クロライド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
環状アセタールに直結する置換基Rはその構造に歪を与えるため、メチル基、エチル基、プロピル基等が好ましい。また市場からの原料の入手のしやすさからエチル基となるものが好ましい。ただし、本構造については相当するアルデヒドとホルムアルデヒド(もしくはその合成等価体)との反応により、容易に合成できるため、必要に応じて合成可能である(米国特許第3097245号公報)。
過酸によるエポキシ化の手法としては具体的には特開2006−52187号公報に記載の手法等が挙げられる。使用できる過酸としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、安息香酸、m−クロロ安息香酸、フタル酸等の有機酸およびそれらの酸無水物が挙げられる。これらの中でも、過酸化水素と反応して有機過酸を生成する効率、反応温度、操作の簡便性、経済性等の観点からは、ギ酸、酢酸、無水フタル酸を使用するのが好ましく、特に反応操作の簡便性の観点から、ギ酸または酢酸を使用するのがより好ましい。
過酸化水素水によるエポキシ化の手法においては種々の手法が適応できるが、具体的には、特開昭59−108793号公報、特開昭62−234550号公報、特開平5−213919号公報、特開平11−349579号公報、特公平1―33471号公報、特開2001−17864号公報、特公平3−57102号公報等に挙げられるような手法が適応できる。
まず、本発明のジオレフィン化合物、ポリ酸類及び4級アンモニウム塩を有機物と過酸化水素水との二層で反応を行う。
ポリ酸類に含まれる具体的なポリ酸及びポリ酸塩としては、タングステン酸、12−タングスト燐酸、12−タングストホウ酸、18−タングスト燐酸及び12−タングストケイ酸等から選ばれるタングステン系の酸、モリブデン酸及びリンモリブデン酸等から選ばれるモリブデン系の酸、ならびにそれらの塩等が挙げられる。
これらの塩のカウンターカチオンとしては、アンモニウムイオン、アルカリ土類金属イオン、アルカリ金属イオン等が挙げられる。
具体的にはカルシウムイオンマグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、ナトリウム、カリウム、セシウム等のアルカリ金属イオン等が挙げられるがこれらに限定されない。特に好ましいカウンターカチオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオンである。
具体的にはトリデカニルメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、トリアルキルメチル(アルキル基がオクチル基である化合物とデカニル基である化合物の混合タイプ)アンモニウム塩、トリヘキサデシルメチルアンモニウム塩、トリメチルステアリルアンモニウム塩、テトラペンチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、ジセチルジメチルアンモニウム塩、トリセチルメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウム塩等が挙げられるがこれらに限定されない。特に炭素数が25〜100の物が好ましい。
またこれら塩のアニオン種に特に限定はなく、具体的にはハロゲン化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、アセテートイオン、炭酸イオン、等が挙げられるが、これらに限定されない。
炭素数が100を上回ると疎水性が強くなりすぎて、4級アンモニウム塩の有機層への溶解性が悪くなる場合がある。炭素数が10未満であると親水性が強くなり、同様に4級アンモニウム塩の有機層への相溶性が悪くなり、好ましくない。
4級アンモニウム塩の使用量は使用するタングステン酸類の価数倍の0.01〜0.8倍当量、あるいは1.1〜10倍当量が好ましい。より好ましくは0.05〜0.7倍当量、あるいは1.2〜6.0倍当量であり、さらに好ましくは0.05〜0.5倍当量、あるいは1.3〜4.5倍当量である。
例えば、タングステン酸であればH2WO4で2価であるので、タングステン酸1モルに対し、4級アンモニウムのカルボン酸塩は0.02〜1.6モル、もしくは2.2〜20モルの範囲が好ましい。またタングストリン酸であれば3価であるので、同様に0.03〜2.4モル、もしくは3.3〜30モル、ケイタングステン酸であれば4価であるので0.04〜3.2モル、もしくは4.4〜40モルが好ましい。
特に本発明においては触媒であるタングステン酸類を溶解した際に、pH5〜9の間になるように調整されることが好ましい。
緩衝液の使用方法は、例えば好ましい緩衝液である燐酸−燐酸塩水溶液の場合は過酸化水素に対し、0.1〜10モル当量の燐酸(あるいはリン酸二水素ナトリウム等の燐酸塩)を使用し、塩基性化合物(たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等)でpH調整を行うという方法が挙げられる。ここでpHは過酸化水素を添加した際に前述のpHになるように添加することが好ましい。また、リン酸二水素ナトリウム又はリン酸水素二ナトリウム等を用いて調整することも可能である。好ましい燐酸塩の濃度は0.1〜60重量%、好ましくは5〜45重量%である。
また、本反応においては緩衝液を使用せず、pH調整無しに、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウムあるいはトリポリ燐酸ナトリウム等(またはその水和物)の燐酸塩を直接添加しても構わない。工程の簡略化、という意味合いではpH調整のわずらわしさが無く、直接の添加が特に好ましい。この場合の燐酸塩の使用量は、過酸化水素に対し、通常0.1〜5モル%当量、好ましくは0.2〜4モル%当量、より好ましくは、0.3〜3モル%当量である。この際、過酸化水素に対し、5モル%当量を超えるとpH調整が必要となり、0.1モル%当量未満の場合、生成したエポキシ樹脂の加水分解物が進行しやすくなる、あるいは反応が遅くなる等の弊害が生じる。
その使用量としては水、あるいは有機溶剤(例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類等の各種溶剤)に溶解するものであれば、その使用量は過剰分の過酸化水素のモル数に対し、通常0.01〜20倍モル、より好ましくは0.05〜10倍モル、さらに好ましくは0.05〜3倍モルである。これらは水、あるいは前述の有機溶剤の溶液として添加しても単体で添加しても構わない。
水や有機溶剤に溶解しない固体塩基を使用する場合、系中に残存する過酸化水素の量に対し、重量比で1〜1000倍の量を使用することが好ましい。より好ましくは10〜500倍、さらに好ましくは10〜300倍である。水や有機溶剤に溶解しない固体塩基を使用する場合は、後に記載する水層と有機層の分離の後、処理を行っても構わない。
得られた有機層は必要に応じてイオン交換樹脂や金属酸化物(特に、シリカゲルやアルミナ等が好ましい)、活性炭(中でも特に薬品賦活活性炭が好ましい)、複合金属塩(中でも特に塩基性複合金属塩が好ましい)、粘度鉱物(中でも特にモンモリロナイト等層状粘度鉱物が好ましい)等により、不純物を除去し、さらに水洗及びろ過等を行った後、溶剤を留去し、目的とするエポキシ化合物を得る。場合によってはさらにカラムクロマトグラフィーや蒸留により精製しても構わない。
で表される構造をメイン構造とするが、式(4)
に示すような各種の構造の化合物が混在する。またエポキシ基同士の重合した高分子量体や、その他副反応物が反応条件によっては生成する。
本発明の硬化性樹脂組成物は本発明のエポキシ樹脂を必須成分として含有する。本発明の硬化性樹脂組成物においては、硬化剤による熱硬化(硬化性樹脂組成物A)と酸を硬化触媒とするカチオン硬化(硬化性樹脂組成物B)の二種の方法が適応できる。
これらエポキシ樹脂としては、シクロヘキセンカルボン酸とアルコール類とのエステル化反応あるいはシクロヘキセンメタノールとカルボン酸類とのエステル化反応(Tetrahedron vol.36 p.2409 (1980)、Tetrahedron Letter p.4475 (1980)等に記載の手法)、あるいはシクロヘキセンアルデヒドのティシェンコ反応(特開2003−170059号公報、特開2004−262871号公報等に記載の手法)、さらにはシクロヘキセンカルボン酸エステルのエステル交換反応(特開2006−052187号公報等に記載の手法)によって製造できる化合物を酸化した物等が挙げられる。
アルコール類としては、アルコール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されないがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2−ヒドロキシメチル−1,4−ブタンジオール等のトリオール類、ペンタエリスリトール等のテトラオール類等が挙げられる。またカルボン酸類としてはシュウ酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられるがこれに限らない。
これらエポキシ樹脂の具体例としては、ERL−4221、UVR−6105、ERL−4299(全て商品名、いずれもダウ・ケミカル製)、セロキサイド2021P、エポリードGT401、EHPE3150、EHPE3150CE(全て商品名、いずれもダイセル化学工業製)及びジシクロペンタジエンジエポキシド等が挙げられるがこれらに限定されるものではない(参考文献:総説エポキシ樹脂 基礎編I p76−85)。
これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
硬化剤による熱硬化(硬化性樹脂組成物A)
本発明の硬化性樹脂組成物Aが含有する硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノール系化合物、カルボン酸系化合物等が挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体、テルペンとフェノール類の縮合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
2〜4官能の多価アルコールとしては、アルコール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されないがエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2,4−ジエチルペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、トリシクロデカンジメタノール、ノルボルネンジオール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、2−ヒドロキシメチル−1,4−ブタンジオール等のトリオール類、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン等のテトラオール類等が挙げられる。
特に好ましい2〜4官能の多価アルコールとしてはシクロヘキサンジメタノール、2,4−ジエチルペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、トリシクロデカンジメタノール、ノルボルネンジオール等の分岐鎖状や環状のアルコール類である。
前記アミン化合物としては、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)=1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)=1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ウンデカンオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル−メタアクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、N,N’,N″,N″’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリルオキシカルボニル)エチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5・1・11・2〕ヘネイコサン−21−オン、β−アラニン,N,−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ドデシルエステル/テトラデシルエステル、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5,1,11,2〕ヘネイコサン−21−オン、2,2,4,4−テトラメチル−21−オキサ−3,20−ジアザジシクロ−〔5,1,11,2〕−ヘネイコサン−20−プロパン酸ドデシルエステル/テトラデシルエステル、プロパンジオイックアシッド,〔(4−メトキシフェニル)−メチレン〕−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)エステル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールの高級脂肪酸エステル、1,3−ベンゼンジカルボキシアミド,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)等のヒンダートアミン系、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系化合物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコールの反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系化合物、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−〔(ヘキシル)オキシ〕フェノール等のトリアジン系化合物等が挙げられるが、特に好ましくは、ヒンダートアミン系化合物である。
市販されているアミン系化合物としては特に限定されず、例えば、チバスペシャリティケミカルズ製として、TINUVIN765、TINUVIN770DF、TINUVIN144、TINUVIN123、TINUVIN622LD、TINUVIN152、CHIMASSORB944、アデカ製として、LA−52、LA−57、LA−62、LA−63P、LA−77Y、LA−81、LA−82、LA−87等が挙げられる。
加熱条件は例えば80〜230℃で1分〜24時間程度が好ましい。加熱硬化の際に発生する内部応力を低減する目的で、例えば80〜120℃、30分〜5時間予備硬化させた後に、120〜180℃、30分〜10時間の条件で後硬化させることができる。
酸性硬化触媒を用いて硬化させる本発明の硬化性樹脂組成物Bは、酸性硬化触媒として光重合開始剤あるいは熱重合開始剤を含有する。さらに、希釈剤、重合性モノマー、重合性オリゴマー、重合開始補助剤、光増感剤等の各種公知の化合物、材料等を含有していてもよい。また、所望に応じて無機充填材、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定剤等、各種公知の添加剤を含有してもよい。
活性エネルギー線カチオン重合開始剤の例は、金属フルオロホウ素錯塩および三フッ化ホウ素錯化合物(米国特許第3379653号)、ビス(ペルフルアルキルスルホニル)メタン金属塩(米国特許第3586616号)、アリールジアゾニウム化合物(米国特許第3708296号)、VIa族元素の芳香族オニウム塩(米国特許第4058400号)、Va族元素の芳香族オニウム塩(米国特許第4069055号)、IIIa〜Va族元素のジカルボニルキレート(米国特許第4068091号)、チオピリリウム塩(米国特許第4139655号)、MF6 −陰イオンの形のVIb族元素(米国特許第4161478号;Mはリン、アンチモンおよび砒素から選択される。)、アリールスルホニウム錯塩(米国特許第4231951号)、芳香族ヨードニウム錯塩および芳香族スルホニウム錯塩(米国特許第4256828号)、およびビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロ金属塩(Journal of Polymer Science, Polymer Chemistry、第2巻、1789項(1984年))である。その他、鉄化合物の混合配位子金属塩およびシラノール−アルミニウム錯体も使用することが可能である。
また、具体例としては、「アデカオプトマーSP150」、「アデカオプトマーSP170」(いずれも旭電化工業社製)、「UVE−1014」(ゼネラルエレクトロニクス社製)、「CD−1012」(サートマー社製)、「RP−2074」(ローディア社製)等が挙げられる。
該カチオン重合開始剤の使用量は、エポキシ樹脂成分100質量部に対して、好ましくは、0.01〜50質量部であり、より好ましくは、0.1〜10質量部である。
また実施例において、エポキシ当量はJIS K−7236に準じて、また粘度は25℃においてE型粘度計を使用して測定を行った。またガスクロマトグラフィー(以下、「GC」という)における分析条件は分離カラムにHP5−MS(0.25mm I.D.x 15m, 膜厚0.25μm)を用いて、カラムオーブン温度を初期温度100℃に設定し、毎分 15℃の速度で昇温させ300℃で60分間保持した。またヘリウムをキャリヤーガスとした。さらにゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)の測定においては以下の通りである。カラムは、Shodex SYSTEM−21カラム(KF−803L、KF−802.5(×2本)、KF−802)、連結溶離液はテトラヒドロフラン、流速は1ml/min.カラム温度は40℃、また検出はUV(254nm)で行い、検量線はShodex製標準ポリスチレンを使用した。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置、ディーンスターク管を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらトルエン150部、下記式(5)
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら水15部、12−タングストリン酸0.95部、リン酸水素2ナトリウム0.78、ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムアセテート2.7部(ライオンアクゾ製 50%ヘキサン溶液、アカード2HTアセテート)を加え、タングステン酸系触媒を生成させた後、トルエン120部、実施例1で得られたジオレフィン化合物D−1を109部加え、さらに再度攪拌することでエマルジョン状態の液とした。この溶液を50℃に昇温し、激しく攪拌しながら、35重量%過酸化水素水55部を加え、そのまま50℃で13時間攪拌した。GCにて反応の進行を確認したところ、反応終了後の基質のコンバ−ジョンは>99%であり、原料ピークは消失していた。
ついで1%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、20%チオ硫酸ナトリウム水溶液25部を加え30分攪拌を行い、静置した。2層に分離した有機層を取り出し、ここにシリカゲル(ワコーゲル C−300)10部、活性炭(NORIT製 CAP SUPER)20部、ベントナイト(ホージュン製 ベンゲルSH)20部を加え、室温で1時間攪拌後、ろ過した。得られたろ液を水100部で3回水洗を行なった後有機溶剤を留去することで、下記式(6)
GPCの測定結果より、式(6)の骨格の化合物を98%含有していることを確認した。さらに、GC測定においては純度93%であった。
また、その粘度は13500mPa・s(30℃ E型粘度計)であり、エポキシ当量は248g/eq.であった。
得られたエポキシ樹脂(EP−1)15部に対し、シリカゲル(ワコーゲル C−300 和光純薬製)105部を使用し、酢酸エチル:ヘキサン=1:4の展開溶媒を用い、カラムクロマトグラフィーにより精製を行った。
得られたエポキシ樹脂(EP−2)は13部であり、得られたエポキシ樹脂の純度はGPCの測定結果より、前記式(6)の骨格の化合物を98%以上含有していることを確認した。さらに、GC測定においては純度約99%であった。
また、その粘度は11000mPa・s(30℃ E型粘度計)であり、エポキシ当量は236g/eq.であった。
実施例1、2で得られた本発明のエポキシ樹脂(EP−1、EP−2)、について、硬化剤として、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH700G、以下、H1と称す)、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドHNA−100、以下、H2と称す)、硬化促進剤としてヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(東京化成工業(株)製 25%メタノール溶液、C1と称す)を使用し、下記表1に示す配合比(重量部)で配合した後、20分間脱泡を行うことで、本発明の硬化性組成物を得た。
実施例4〜6で得られた硬化性樹脂組成物を真空脱泡20分間実施後、横7mm、縦5cm、厚み約800μmの試験片用金型に静かに注型し、その後上からポリイミドフィルムでフタをした。その注型物を前述の条件で硬化させ動的粘弾性用試験片を得た。これらの試験片を用いて下記に示した条件で動的粘弾性試験を実施した結果を表1に示す。
測定条件
動的粘弾性測定器:TA−instruments製、DMA-2980
測定温度範囲:−30℃〜280℃
温速度:2℃/分
試験片サイズ:5mm×50mmに切り出した物を使用した(厚みは約800μm)。
解析条件
Tg:動的粘弾性(DMA)測定に於けるTan−δのピーク点をTgとした。
25℃弾性率:25℃時の弾性率を測定した。
実施例2、3で得られた本発明のエポキシ樹脂(EP−1、EP−2)、比較例として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ダウ・ケミカル社製 ERL−4221 エポキシ当量 140g/eq. 以下、EP−3と称す)について、硬化剤としてH1、硬化促進剤としてC1を使用し、下記表2に示す配合比(重量部)で配合し、20分間脱泡を行い、本発明及び比較用の硬化性組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物を真空脱泡20分間実施後、30mm×20mm×高さ1mmになるように耐熱テープでダムを作成したガラス基板上に静かに注型した。その注型物を、所定の硬化条件で硬化させ、厚さ1mmの透過率用試験片を得た。
これらの試験片を用い、150℃オーブン中96時間放置前後における透過率(測定波長:375nm)を分光光度計により測定し、その変化率を算出した。
得られた硬化性樹脂組成物を真空脱泡20分間実施後、シリンジに充填し精密吐出装置を使用して、中心発光波465nmのチップを搭載した外径5mm角表面実装型LEDパッケージ(内径4.4mm、外壁高さ1.25mm)に注型した。その後、所定の硬化条件で硬化させることで、試験用LEDを得た。
(1)LED点灯試験
点灯試験は、規定電流である30mAでの点灯試験を行った。詳細な条件は下記に示した。測定項目としては、100時間点灯前後の照度を積分球を使用して測定し、試験用LEDの照度の保持率を算出した。
点灯詳細条件
発光波長:465nm
駆動方式:定電流方式、30mA(発光素子規定電流は30mA)
駆動環境:85℃、85%
評価:照度低下が5%未満の場合○、5%以上10%未満の場合△、10%以上の場合×とする。
(2)LEDヒートサイクル試験
ヒートサイクル試験は、冷熱衝撃試験で−40℃×15分〜120℃×15分のサイクルを昇温及び降温に要する時間を2分間として繰り返し、100回、500回で試験用LEDへのクラック及び剥離の発生の有無を目視で観察した。評価は、クラック及び剥離の発生が生じた場合×、クラック及び剥離の発生がない場合○とする。
実施例2、3で得られた本発明のエポキシ樹脂(EP−1)、比較例としてエポキシ樹脂(EP−3)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート(ダウ・ケミカル社製 ERL−4229 エポキシ当量 196g/eq. 以下、EP−4と称す)について、硬化剤としてH1、硬化促進剤としてリン系4級塩(日本化学工業製 PX−4MP、 以下C2と称す)を使用し、下記表3に示す配合比(重量部)で配合した後、20分間脱泡を行うことにより、本発明及び比較用の硬化性樹脂組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物を真空脱泡20分間実施後、シリンジに充填し精密吐出装置を使用して、中心発光波465nmのチップを搭載した外径5mm角表面実装型LEDパッケージ(内径4.4mm、外壁高さ1.25mm)に注型した。その後、所定の硬化条件で硬化させることで、試験用LEDを得た。
点灯試験は、規定電流の2倍である60mAでの点灯試験を行った。詳細な条件は下記に示した。測定項目としては、200時間点灯前後の照度を積分球を使用して測定し、試験用LEDの照度の保持率を算出した。
点灯詳細条件
発光波長:465nm
LED素子:
駆動方式:定電流方式、60mA(発光素子規定電流は30mA)
駆動環境:85℃、85%
(LED点灯試験B)
また、前述のLED点灯試験と同様の環境下において(すなわち、85℃、85%の条件)、試験用LEDを点灯させずに保存し、200時間保持前後の照度を積分球を使用して測定し、試験用LEDの照度の保持率を算出した。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらジシクロペンタジエンジメタノール12部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH 以下、酸無水物H−3と称す)73部、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物(三菱瓦斯化学製 H−TMAn 以下 H−4と称す。)を加え、40℃で1時間、次いで60℃で1時間加熱撹拌を行うことで(GPCによりジシクロペンタジエンジメタノールが0.5%以下になるのを確認した。)、ポリカルボン酸と酸無水物との混合物である硬化剤組成物(HA−1)を100部得た。得られた化合物の官能基当量171g/eq.であった(カルボン酸、酸無水物をそれぞれ1官能基として考える)。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら2,4−ジエチルペンタンジオール(協和発酵ケミカル製 キョウワジオールPD−9)10部、酸無水物(H−3)73部を加え、40℃で1時間、次いで60℃で1時間加熱撹拌を行うことで(GPCによりジシクロペンタジエンジメタノールの消失を確認した。)、ポリカルボン酸と酸無水物との混合物である硬化剤組成物(HA−2)を60部得た。得られた化合物の官能基当量170g/eq.であった。
実施例2で得られた本発明のエポキシ樹脂(EP−1)、硬化剤組成物として合成例1、2でそれぞれ得られた硬化剤組成物(HA−1)(HA−2)、添加剤として燐酸エステル亜鉛錯体(キングインダストリ製 XC−9206 以下AD−1と称する。)、ヒンダートアミン化合物(アデカ製 LA−52 以下AD−2)を使用し、下記表4に示す配合比(重量部)で配合し、本発明及の硬化性組成物を得た。
(熱耐久性透過率試験)
得られた硬化性樹脂組成物を真空脱泡20分間実施後、30mm×20mm×高さ1mmになるように耐熱テープでダムを作成したガラス基板上に静かに注型した。その注型物を、110℃×2時間の予備硬化の後150℃×3時間で硬化させ、厚さ1mmの透過率用試験片を得た。得られた試験片を用い、150℃オーブン中96時間放置前後における透過率(測定波長:400nm)を分光光度計により測定し、その変化率を算出した。
なお、本出願は、2009年3月19日付けで出願された日本特許出願(特願2009−067197)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。
Claims (5)
- 請求項1に記載のジオレフィン化合物を酸化することにより得られることを特徴とするエポキシ樹脂。
- 過酸化水素又は過酸を用いてエポキシ化することを特徴とする請求項2に記載のエポキシ樹脂。
- 請求項2及び3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂と硬化剤及び/又は硬化触媒とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
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