JPWO2010106690A1 - スピーカ装置 - Google Patents

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小林 博之
博之 小林
阿部 泰久
泰久 阿部
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    • H04R9/00Transducers of moving-coil, moving-strip, or moving-wire type
    • H04R9/06Loudspeakers
    • H04R9/063Loudspeakers using a plurality of acoustic drivers

Abstract

振動板の十分な振幅を確保しながら振動板の振動方向に対して薄型化を達成するためのスピーカ装置用磁気回路を得る。平面状に形成されたボイスコイル30を該ボイスコイル30が形成される平面に沿った一軸方向(X軸方向)に振動自在に支持し、振動板10を一軸方向と交差する方向(Z軸方向)に振動自在に支持し、ボイスコイル30の振動を方向変換して振動板10に伝えるスピーカ装置1に用いられる磁気回路20であって、ボイスコイル30で仕切られたスペースの片側に磁極部材20Aを配置し、磁極部材が一軸方向に着磁された磁石21を備える。

Description

本発明は、スピーカ装置用磁気回路及びスピーカ装置に関するものである。
一般的なスピーカ装置として、ダイナミック型スピーカ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このダイナミック型スピーカ装置は、例えば図1に示すように、フレーム3Jと、コーン形状の振動板21Jと、振動板21Jをフレーム3Jに支持するエッジ4Jと、振動板21Jの内周部に接合されたボイスコイルボビン610Jと、ボイスコイルボビン610Jをフレーム3Jに支持するダンパ7Jと、ボイスコイルボビン610Jに巻き回されたボイスコイル611Jと、ヨーク部51J,磁石52J,プレート53Jを備えると共に、ボイスコイル611Jが配置される磁気ギャップが形成された磁気回路とを有する。このスピーカ装置では、音声信号がボイスコイル611Jに入力されると、磁気ギャップ内のボイスコイル611Jに生じたローレンツ力によりボイスコイルボビン610Jが振動し、その振動によって振動板21Jが駆動される。
特開平8−149596号公報(第1図)
前述した一般的なダイナミック型スピーカ装置は、例えば図1に示すように、振動板21Jの音響放射側に対して反対側にボイスコイル611Jが配設され、ボイスコイル611J及びボイスコイルボビン610Jの振動方向と振動板21Jの振動方向が略同じ方向になるように構成されている。そして、このようなスピーカ装置では、振動板21Jが振動するための領域、ボイスコイルボビン610Jが振動するための領域、磁気回路が配置される領域等が振動板21Jの振動方向(音響放射方向)に沿って形成されることになるので、スピーカ装置の全高が比較的大きく成らざるを得ない構造になっている。
詳細には、図1に示すように、スピーカ装置の振動板21Jの振動方向に沿った大きさは、コーン形状の振動板21Jの振動方向に沿った大きさ及び振動板21Jをフレーム3Jに支持するエッジ4Jの全高(a)、振動板21Jとボイスコイルボビン610Jとの接合部からボイスコイル611Jの上端までのボイスコイルボビン高さ(b)、ボイスコイル高さ(c)、磁気回路の主に磁石高さ(d)、磁気回路の主にヨーク部51Jの厚さ(e)等からなる。このようなスピーカ装置においては、充分な振動板21Jの振動ストロークを確保するためには、前述したa,b,c,dの高さを充分に確保する必要があり、また充分な駆動力を得るためには前述したc,d,eの高さを充分に確保する必要があるので、特に、大音量対応型スピーカ装置では、スピーカ装置の全高が大きく成らざるを得ない。
このように、従来のスピーカ装置では、ボイスコイルボビン610Jの振動方向と振動板21Jの振動方向とが同方向になっているので、振動板21Jの振幅を大きくして大音量を得ようとすると、ボイスコイルボビン610Jの振動ストロークを確保するためにスピーカ装置の全高が大きくなってしまい、装置の薄型化を達成し難い。すなわち、装置の薄型化と大音量化を両立し難い問題がある。
この問題を解決する手立てとして、ボイスコイルの振動方向を振動板の振動方向とは異なる方向にして、ボイスコイルの振動を機械的に方向変換して振動板に伝えることが考えられる。これが実現されれば、ボイスコイルの振動ストロークを大きくしても、これが直接スピーカ装置の厚さに影響せず、薄型のスピーカ装置を実現することができる。これを実現して薄型のスピーカ装置を得るためには、磁気回路を含めた駆動系を如何に平坦状にするかが問題になる。従来技術のような円筒のボイスコイルボビンを振動板の振動方向と異なる方向に倒しただけでは磁気回路の厚さが嵩んで薄型化を実現することが難しい。ボイスコイル自体を平面状にして、そのボイスコイルを平面的に往復振動させ且つそれ自体が薄型化された磁気回路が求められる。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、比較的簡単な構造で大音量の再生音を放射することができる薄型のスピーカ装置を提供すること、スピーカ装置の薄型化を達成できる平面状のボイスコイルとそのボイスコイルを駆動する薄型化された磁気回路を得ること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明によるスピーカ装置は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
[請求項1]平面状のボイスコイルと、前記ボイスコイルは該ボイスコイルが形成される平面に沿った一軸方向にて振動し、方向変換された前記ボイスコイルの振動が伝わることで前記一軸方向と交差する方向に振動する振動板とを備えるスピーカ装置に用いられる磁気回路であって、前記ボイスコイルで仕切られたスペースの片側に磁極部材を配置し、前記磁極部材が前記一軸方向に着磁された磁石を備えることを特徴とするスピーカ装置用磁気回路。
[請求項14]静止部と、該静止部に振動自在に支持される振動部とを備え、前記静止部は磁気回路を含み、前記振動部は、平面状に形成されるボイスコイルと、前記ボイスコイルは該ボイスコイルが形成される平面に沿った一軸方向に振動自在に支持され、前記一軸方向と交差する方向に振動自在に支持される振動板と、前記ボイスコイルの振動を方向変換して前記振動板に伝える剛性の振動方向変換部とを備え、前記磁気回路は、前記ボイスコイルで仕切られたスペースの片側に磁極部材を配置し、前記磁極部材が前記一軸方向に着磁された磁石を備えることを特徴とするスピーカ装置。
従来技術の説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の全体構成を示した説明図である(同図(a)がA−A断面図、同図(b)が平面図、同図(c)が動作説明図)。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置の全体構成を示した説明図である(同図(a)がA−A断面図、同図(b)が平面図)。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置用磁気回路を説明する説明図である(同図(a)が斜視図、同図(b)が断面図)。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置用磁気回路の構成例を示した説明図(断面図)である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置用磁気回路の構成例を示した説明図(断面図)である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置における振動方向変換部の構成例と動作を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置における振動方向変換部の構成例と動作を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置における振動方向変換部の形成例を示す説明図である(同図(a)は側面図、同図(b)は斜視図、同図(c)は同図(b)のA部拡大図)。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置における振動方向変換部の形成例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置における振動方向変換部の構成例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置における振動方向変換部の構成例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置における振動方向変換部の構成例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置における振動方向変換部の構成例を示す説明図である。 保持部によるボイスコイルの保持機構の具体例を示した説明図である。 本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置を示した説明図である。 本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置を示した説明図である。 本発明の他の実施形態に係るスピーカ装置を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカ装置を備える電子機器を示した説明図である。 本発明の実施形態に係るスピーカを備えた自動車を示した説明図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むがこれのみに限定されるものではない。なお、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
[スピーカ装置の全体構成;図2,図3]
図2及び図3は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置の全体構成を示した説明図である(同図(a)がA−A断面図,同図(b)が平面図,同図(c)が動作説明図)。スピーカ装置1は、静止部100と、静止部100に振動自在に支持される振動部110とを備え、静止部100は磁気回路20を含み、振動部110は、平面状に形成された形状を備え、該平面に沿った一軸方向(例えばX軸方向)に振動自在に支持されるボイスコイル30と、一軸方向(例えばX軸方向)と交差する方向(例えばZ軸方向)に振動自在に支持される振動板10と、ボイスコイル30の振動を方向変換して振動板10に伝える剛性の振動方向変換部50とを備え、磁気回路20は、ボイスコイル30の平面で仕切られたスペースの片側に磁極部材20Aを配置し、磁極部材20Aが一軸方向に着磁された磁石21を備える。
なお、磁極部材は、少なくとも一軸方向に着磁された磁石を備えていれば良く、必要に応じて他の磁性体(例えば、後述するヨーク部等)を備えていても構わない。また、一軸方向とはボイスコイルが形成される面内にある必要はなく、後述する図6(b)に示される磁石の着磁方向のような、該平面に対し若干斜め方向であっても構わない。
この磁気回路20は、磁石21の一方の磁極から出てボイスコイル30を通る磁束が、ボイスコイル30の一軸方向(例えばX軸方向)と交差する第1の部分30aを横切り、ボイスコイル30を通って磁石21の他方の磁極に入る磁束が、ボイスコイル30の一軸方向(例えばX軸方向)と交差する第2の部分30bを横切る。このような磁気回路20を備えたスピーカ装置1は、ボイスコイル30の平面に沿った一軸方向(例えばX軸方向)にボイスコイル30を振動させ、その振動を方向変換してボイスコイル30の振動と交差する方向(例えばZ軸方向)に振動する振動板10に伝えるスピーカ装置においては、振動板10の振動方向に磁気回路20が嵩張らず、極めて薄型のスピーカ装置を得ることができる。
振動板10は、図2に示した例では、平面視が矩形状であって、平板状の断面を有する。振動板10の形態はこれに限らず、略V字形状(コーン状の形状)或いは略U字形状(ドーム状の形状)の断面を有する形態であったり、平面視が略円形,略楕円形等であってもよい。
静止部100は、振動板10及びボイスコイル30等の振動を支持する部位の総称であって、ここでは、フレーム12が静止部100にあたる。静止部100は磁気回路20を備えるが、磁気回路20自体が静止部100にもなりうる。静止部100は、それ自体が完全に静止していることを意図するわけではなく、それ全体が後述する駆動部14の振動の影響を受けて、或いは他の力を受けて、振動するものであってもよい。振動板10の外周部はエッジ11を介して静止部100であるフレーム12に支持されている。図示の例では、ボイスコイル30の上下に静止部100が配備され、ボイスコイル30の上側の静止部100に磁気回路20が配置され、ボイスコイル30からボイスコイル30の上側の静止部100までの距離が、ボイスコイル30からボイスコイル30の下側の静止部100までの距離より大きくなっている。この上側の静止部100までの距離で磁気回路20の配置スペースが確保されている。
駆動部14は、同図(c)に示すように、磁気回路20、ボイスコイル30、振動方向変換部50を備えており、その中で、振動部110は、ボイスコイル30(ボイスコイル支持部40),振動方向変換部50,振動板10,後述する保持部15等によって構成される。ボイスコイル30が磁気回路20に対面して一軸方向に振動し、その振動を振動方向変換部50が方向変換して振動板10に伝える。図示の例では、X軸方向に沿ってボイスコイル30が振動し、それと直交するZ軸方向に振動板10が振動自在に支持されており、振動方向変換部50は、ボイスコイル30のX軸方向の振動を自身の斜設角度の変化に変換して、振動板10をZ軸方向に振動させる。
ボイスコイル30は、例えば音声信号が入力される導線を巻き回して形成されるか、又は環状の導電部材にて形成され、それ自身が静止部100に振動自在に支持されるか、或いはボイスコイル支持部40を介して静止部100に振動自在に支持される。ボイスコイル支持部40は、例えば平板状の絶縁部材で形成することができ、その表面上又は内部にボイスコイル30が支持される。ボイスコイル30自体に剛性を持たせて平板状に形成することでボイスコイル支持部40は省くことができる。
このボイスコイル30は、保持部15によって静止部100に振動自在に保持されている。保持部15は、ボイスコイル30又はボイスコイル支持部40を振動方向(例えばX軸方向)に沿って振動自在に静止部100に保持すると共に、それ以外の方向へは移動しないように規制する構成を有する。例えば、保持部15は、ボイスコイル30の振動方向(例えば、X軸方向)に沿って変形可能であり、この振動方向に交差する方向には剛性を有する、湾曲板状部材によって形成される。
磁気回路20は、ボイスコイル30の平面で仕切られたスペースの片側に磁極部材20Aを配置し、磁極部材20Aがボイスコイル30の振動方向(例えばX軸方向)に着磁された磁石21を備える。磁極部材20Aはボイスコイル30の片側に配置されれば良く、図示のようにボイスコイル30の上側であっても、或いはボイスコイル30の下側であっても良い。磁石21の配置に関しては後述する各種の形態が実施可能であるが、図2においては3つの磁石をX軸方向に配置し、N極同士が対向する磁極部20G1がボイスコイル30のX軸方向と交差する第1の部分30aに対面し、S極同士が対向する磁極部20G2がボイスコイル30のX軸方向と交差する第2の部分30bに対面している。磁極部20G1,20G2の下には方向が互いに逆向きの一対の磁場が形成されており、その磁場のそれぞれにボイスコイル30の第1の部分30aと第2の部分30bが配置されている。
図3に示したスピーカ装置1(1A)は前述した駆動部14を左右に2つ対向配置した例である(前述したスピーカ装置1と同一箇所は同一符号を付して重複説明を省略する)。このように駆動部14を複数設けることで、比較的大きい駆動力で一つの振動板10を駆動させることができる。
スピーカ装置1(1A)は、複数の駆動部14のボイスコイル30に同じ音声信号を入力することで、各ボイスコイル30は近接又は離間するように1軸方向(例えば図示X軸方向)に沿って振動する。これによって各駆動部14の振動方向変換部50を介して振動板10がボイスコイル30の振動方向とは異なる方向(例えば図示Z軸方向)に振動する。その振動方向が音響放射方向SDである。
このようなスピーカ装置1,1Aによると、ボイスコイル30の振動を振動方向変換部50によって方向変換して振動板10に伝えるので、振動板10の振幅を大きくするために、ボイスコイル30の振幅を大きくしてもスピーカ装置1の音響放射方向の厚さ(スピーカ装置の全高)が厚くなることを抑止できる。これによって、大音量の再生音を放射することができる薄型のスピーカ装置を得ることができる。
また、磁気回路20の磁極部材20Aをボイスコイル30の片側にしか設けないので、ボイスコイルの両側に磁極部材を配置して磁気ギャップを形成するものと比較すると、磁気回路20の設置を省スペース化することができる。特に本発明の実施形態では、振動板10の振動方向に沿ったスペースを削減できるので、スピーカ装置1,1Aの全高を更に薄型化することが可能になる。
図3に示す例のように、複数の駆動部14を設けるものでは、振動板10を複数箇所で支持して大きな駆動力で振動させることができるので、振動板10の面積を大きくしても略同位相で振動板10の全面を振動させることが可能になる。振動板10の面積を大きくすると、低音再生時の大音圧をより小さな振幅で得ることが可能になるので、歪が比較的小さい高品位な低音再生が可能になり、低音再生帯域を低域側に広げることが可能になる。
[スピーカ装置用磁気回路(磁気回路/ボイスコイル);図4〜図6]
図4〜図6は、スピーカ装置用磁気回路(磁気回路20及びボイスコイル30)を説明する説明図である。
ボイスコイル30を振動させるための磁気回路20は、ボイスコイル30を流れる電流(音声電流)に対して同方向のローレンツ力を与えるために、ボイスコイル30の振動方向に交差する部分(第1の部分30a,第2の部分30b)に対して逆向きで一対の磁場を形成している。これによって、ボイスコイル30に音声電流が流れると、ボイスコイル30は一対の磁場が形成された磁極部20G1,20G2の配置方向に沿って振動する。
磁気回路20は、ボイスコイル30の振動方向であるX軸方向に着磁された磁石21と磁極部20G1,20G2を形成するために必要に応じて配置される磁性体(ヨーク部)22によって形成されている。磁気回路20は、磁気回路20がボイスコイル30の下側に配置される場合には磁極部20G1,20G2の上に、磁気回路20がボイスコイル30の上側に配置される場合には下に、Z軸方向に沿った互いに逆向きの磁場を形成している。互いに逆向きの磁場にボイスコイル30を配置し、例えば各磁場を流れる電流がY軸方向で互いに逆方向になるようにボイスコイル30を巻き回すことで、ボイスコイル30にX軸方向に沿ったローレンツ力が働くようにしている。磁石21とヨーク部22の配置はいくつかの異なる形態にして前述と同様な機能を有する磁気回路20を形成することができる。
図4に示した例では、磁気回路20を形成する磁極部材20Aは、複数の磁石21(21A〜21C)を有し、磁極部材20Aが静止部100に取り付けられている(同図(a)が斜視図、同図(b)は断面図)。図示の例では、一軸方向に配置される磁石21(21A〜21C)を3つ備え、磁石21(21A〜21C)間に磁極部20G1,20G2を設けているが、特にこれに限定されない。磁石21(21A〜21C)は、X軸方向に沿って一端がN極で他端がS極になり、磁極部20G1,20G2を挟んで同磁極が対向するように配置されている。また、磁極部材20Aは、ヨーク部22によって形成される磁極部20G1,20G2がボイスコイル30に向けて凸状に形成されている。
一方、ボイスコイル30は、平面形状が略矩形状に形成されており、Y軸方向に沿って形成された直線部30A,30Cと、X軸方向に沿って形成された直線部30B,30Dにより構成されている。ボイスコイル30の直線部30A,30Cは、磁気回路20の磁極部20G1,20G2に対面する第1の部分30aと第2の部分30bであって、磁石21の一方の磁極(N極)から出てボイスコイル30を通る磁束G1が第1の部分30aを横切り、ボイスコイル30を通って磁石21の他の磁極(S極)に入る磁束G2が第2の部分30bを横切るように配置される。
ボイスコイル30の直線部30B,30Dには磁場を印加しないほうが好ましい。また、直線部30B,30Dに磁場が印加されている場合でも、その直線部30B,30Dに生じるローレンツ力が互いに相殺するように構成されている。ボイスコイル30は、例えば巻き数を比較的多くすることで、一対の磁場内の部分を比較的大きくすることができ、スピーカ駆動時に比較的大きな駆動力を得ることができる。
なお、図示の例では、ボイスコイル30を絶縁平面板41(絶縁部材で形成された平板状の板部材)からなるボイスコイル支持部40で支持している例を示しており、この絶縁平面板41に開孔部41bを形成した例を示しているが、ボイスコイル30に剛性を付与して全体を板状に形成することもできる。ボイスコイル30が剛性を有する場合にはボイスコイル支持部40を用いなくても構わない。
図4に示した磁気回路20は、磁極部20G1,20G2を挟むように磁石21(21A〜21C)を複数設け、磁石21(21A〜21C)は磁極部20G1,20G2を挟んで対面する側面が同磁極になっている。これによって、ボイスコイル30の振動方向(X軸方向)に並んだ直線部30A,30Cを互いに逆方向の磁場内に配置でき、ボイスコイル30を流れる音声電流によってボイスコイル30をX軸方向に振動させることができる。
図5及び図6は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置用磁気回路の他の構成例を示した説明図である(各部の符号は図4の説明を援用する)。図5(a)〜(d)に示した例は、静止部100に磁極部材20Aが配置され、磁極部材20Aと離間して配置される平板状の磁性体23が、磁極部材20Aとボイスコイル30を挟んで対面して配置され、磁極部材20Aの端部と磁性体23の端部との間にて磁路が形成されている。このような磁性体23を設けることで、磁路(図面上、点線で示される磁気的な路)における磁気抵抗が比較的小さくなり、磁極部20G1から出る又は磁極部20G2に入る磁束がボイスコイル30の第1の部分30a又は第2の部分30bを集中的に通過することになる。これによって、磁気効率を高め、ボイスコイル30の第1の部分30a又は第2の部分30bを通過する磁束を比較的大きくすることができる。
同図(a)に示す例は、磁性体23をボイスコイル30のX軸方向両端に跨るように延在させた例である。これによると単一部材の組付けで済むので製造工程の簡略化が可能になる。同図(b)に示す例は、磁性体23を、ボイスコイル30の第1の部分30a,第2の部分30bに対面するように磁極部20G1,20G2のそれぞれに対応して設けている。これによると、より効率的にボイスコイル30の第1の部分30a,第2の部分30bを通過する磁束を増加させることができる。
同図(c)に示した例は、磁性体23が静止部100の一部である。すなわち、静止部100自体を磁性体で形成し、その一部を突起させて磁極部材20Aに対面する磁性体23を形成している。これによると、磁気回路20の組み付け作業を簡略化できる。同図(d)に示した例は、磁性体23が静止部100に一体成形されている。静止部100を樹脂成形する場合などにインサート成形によって磁性体23を一体化することができる。これによると、予め静止部100に磁性体23が一体化されているので、磁気回路20の組み付け作業を簡略化できる。
図6(a)に示した例は、ボイスコイル30の片側の静止部100に一対の磁石21(21A,21B)のみを設けた例である。磁石21A,21BはX軸方向に着磁された同磁極が互いに対向するように離間して配置される。磁気効率を高めるために、必要に応じて、磁石21A,21Bに対面するようにボイスコイル30を挟んで磁性体23を配備しても良い。これによっても、磁石21の一方の磁極(N極)から出てボイスコイル30を通る磁束G1が第1の部分30aを横切り、ボイスコイル30を通って磁石21の他方の磁極(S極)に入る磁束G2が第2の部分30bを横切る。
図6(b)に示した例は、一軸方向に沿って配置される磁石21(21A,21B)を磁極部20G1,20G2毎に一対設けている。これによると一対の磁石21A,21Bからでる磁束をボイスコイル30の第1の部分30a,第2の部分30bに集中させることができる。この場合、磁石21A,21Bは破線矢印で示すように斜め方向に着磁されることで、より磁気効率を高めることが可能になる。
図6(c)に示した例は、一軸方向に沿って配置される磁石21(21A,21B)を一つの磁極部20G2に一対設けている。これによっても磁束G1,G2によって逆方向の一対の磁場を形成することができ、各磁場にボイスコイル30の第1の部分30a,第2の部分30bを配置することができる。
[振動方向変換部;図7〜図14]
図7及び図8は、振動方向変換部50の構成例と動作を説明する説明図である。ボイスコイル30の振動を方向変換して振動板10に伝える剛性の振動方向変換部50は、振動板10側とボイスコイル30側のそれぞれに関節部52を形成してボイスコイル30の振動方向に対して斜設されたリンク部分51を有する。すなわち、振動方向変換部50は、一端部がボイスコイル30に角度変更自在に直接又は他の部材を介して連結されるとともに、他端部が振動板10に角度変更自在に直接又は他の部材を介して連結され、振動板10の振動方向及びボイスコイル30の振動方向それぞれに対して斜設されて配置されている。ここで、関節部52とは、2つの剛性を有する部材を回転自在に接合する部分、又は一体化された剛性を有する2つの部分を屈折又は屈曲自在にする部分であり、リンク部分51とは、関節部52が端部に形成された剛性を有する部分である。ここで、剛性とは容易に変形しないことを指し、全く変形しないことのみを指しているわけではない。リンク部分51は、板状又は棒状に形成することができる。
図7に示した実施形態では、一つのリンク部分51を備え、その両端に関節部52(52A,52B)が形成され、一方の関節部52Aがボイスコイル30又はボイスコイル支持部40の端部に形成され、他方の関節部52Bが振動板10側に形成されている。関節部52Bは、振動板10に接続されていてもよいし、振動板10に他の部材を介して接続されていてもよい。
図7(a)は、リンク部分51が振動の中間位置にある場合を示している。リンク部分51は、ボイスコイル30(又はボイスコイル支持部40)と振動板10との間に角度θ0で斜設されている。このとき、ボイスコイル30から振動板10の振動方向に沿って距離H0だけ離れた位置Z0に振動板10側の関節部52Bが配置されている。ボイスコイル30(又はボイスコイル支持部40)は、一軸方向(例えば、X軸方向)に振動するように振動方向が規制されており、振動板10はボイスコイル30の振動方向とは異なる方向(例えばZ軸方向)に振動するように振動方向が規制されている。
同図(b)に示すように、ボイスコイル30の端部に形成された関節部52Aが当初の位置X0から振動方向(X軸方向)にΔX1だけ移動して位置X1に達すると、リンク部分51の傾斜角度がθ1(θ0>θ1)に変換されて、振動板10側の関節部52Bの位置が振動板10の振動方向(Z軸方向)にΔZ1だけ移動して位置Z1に達する。すなわち、振動板10をΔZ1だけ振動方向に沿って押し上げる。
同図(c)に示すように、ボイスコイル30の端部に形成された関節部52Aが当初の位置X0から振動方向(−X軸方向)にΔX2だけ移動して位置X2に達すると、リンク部分51の傾斜角度がθ2(θ0<θ2)に変換されて、振動板10側の関節部52Bの位置が振動板10の振動方向(−Z軸方向)にΔZ2だけ移動して位置Z2に達する。すなわち、振動板10をΔZ2だけ振動方向に沿って押し下げる。
このようにリンク部分51及び関節部52(52A,52B)からなる振動方向変換部50の機能は、ボイスコイル30の振動をリンク部分51の角度変化に変換して振動板10に伝え、振動板10をボイスコイル30の振動方向とは異なる方向に振動させることである。
図8は、振動方向変換部50の他の構成例及びその動作を説明するための説明図である。詳細には、同図(b)は振動板10が基準位置に位置した状態の振動方向変換部50の状態、同図(a)は振動板10が基準位置に対して音響放射側に変位している状態の振動方向変換部50の状態、同図(c)は振動板10が基準位置に対して音響放射側に対して反対方向に変位している状態の振動方向変換部50の状態を示している(振動板10は図示省略している)。
この振動方向変換部50は、リンク部分51が振動板側とは逆側に位置する静止部100からの反力を受けて角度変換する機能を有する。詳しくは、振動方向変換部50は、一端をボイスコイル30側の関節部52Aとし、他端を振動板10側の関節部52Bとする第1のリンク部分51Aと、一端を第1のリンク部分51の中間部との関節部52Cとし、他端を静止部100との関節部52Dとする第2のリンク部分51Bとを有し、第1のリンク部分51Aと第2のリンク部分51Bをボイスコイル30の振動方向に対して異なる方向に傾斜配置している。更に詳しくは、振動方向変換部50は、一端をボイスコイル30側の第1の関節部52Aとし、他端を振動板10側の第2の関節部52Bとする第1のリンク部分51Aと、一端を第1のリンク部分51Aの中間部との第3の関節部52Cとし、他端を静止部100との第4の関節部52Dとする第2のリンク部分51Bとを有し、第1の関節部52Aと、第2の関節部52Bと、第4の関節部52Dとが、第3の関節部52Cを中心とする第1のリンク部分51Aの長さにほぼ等しい直径の円周上にある。
この振動方向変換部50では、関節部52Dが唯一位置変動しない関節部であり、これが静止部100(或いはフレーム12)に対して支持され、静止部100からの反力をリンク部分51に付与している。これによって、ボイスコイル30(或いはボイスコイル支持部40)が基準位置X0からX軸方向にΔX1だけ移動すると、図8(a)に示すように、異なる方向に傾斜配置している第1のリンク部分51Aと第2のリンク部分51Bの角度がほぼ同角度立ち上がることになり、関節部52Dで静止部100からの反力を受けて関節部52Bは確実に振動板10を基準位置Z0からZ軸方向にΔZ1だけ押し上げる。また、ボイスコイル30が基準位置X0からX軸と逆方向にΔX2だけ移動すると、図8(c)に示すように、第1のリンク部分51Aと第2のリンク部分51Bの角度がほぼ同角度下がることになり、関節部52Dで静止部100からの反力を受けて関節部52Bは確実に振動板10を基準位置Z0からZ軸とは逆方向にΔZ2だけ押し下げる。
ここで、関節部52Aから関節部52Cまでのリンク部分の長さaと関節部52Cから関節部52Bまでのリンク部分の長さbと関節部52Cから関節部52Dまでのリンク部分の長さcを実質的に等しくして、ボイスコイル30の移動方向と略平行に関節部52Aと関節部52Dを配置していることが好ましい。このようなリンク機構はスコットラッセルの機構として知られており、関節部52A,52B,52Dは関節部52Cを中心として直径が第1のリンク部分51Aの長さ(a+b=2a)の円周上にある。すなわち、関節部52Aと関節部52Dを通る直線と、関節部52Bと関節部52Dを通る直線とがなす角は常に直角になる。これによって、ボイスコイル30をX軸方向に移動させると、第1のリンク部分51Aと振動板10との関節部52Bは常にX軸と垂直なZ軸に沿って移動することになり、ボイスコイル30の振動方向をそれとは垂直方向に変換して振動板10に伝えることができる。
図9及び図10は、振動方向変換部50の形成例を示す説明図である(図9(a)は側面図、図10(b)は斜視図、図10(c)はA部拡大図)。振動方向変換部50は、前述したようにリンク部分51とその両端に形成される関節部52(52A,52B)を備える。図示の例では、リンク部分51の両端側には関節部52を介して連結部分53(第1の連結部分53A,第2の連結部分53B)が形成されている。ここで、第1の連結部分53Aはボイスコイル30又はボイスコイル支持部40に連結されてボイスコイル30と一体に振動する部分であり、第2の連結部分53Bは振動板10に連結されて振動板10と一体に振動する部分である。
この振動方向変換部50は、リンク部分51と関節部52A,52Bと第1,第2の連結部分53A,53Bが一体に形成されており、関節部52A,52Bは、当該関節部52A,52Bを跨いだ両側の部分で連続する屈折又は屈曲自在な連続部材で形成されている。ここでの連続部材は、リンク部分51と第1,第2の連結部分53A,53Bの全体を形成する部材であっても良いし、リンク部分51と第1,第2の連結部分53A,53Bの一部を形成する部材であってもよい。
振動方向変換部50を板状部材で形成した場合には、関節部52は図9(b)に示すように幅方向に延びる線状に形成されることになる。また、リンク部分51は剛性であることが要求され、関節部52は屈折自在又は屈曲自在であることが要求されるので、リンク部分51或いは連結部分53の厚さt1に対して関節部52の厚さt2を薄肉状に形成することで、一体の部材に異なる性質を持たせている。
また、関節部52とリンク部分51との厚さの変化を傾斜面状に形成し、関節部52を跨いだ両側の部分の端部に面が対面する傾斜面51t,53tを形成する。これによって、リンク部分51が角度変更される際にリンク部分51の厚みが角度変更に対して干渉するのを抑止することができる。
図10に示した例は、屈折自在の連続部材に剛性の部材を一体化してリンク部分51或いは連結部分53を形成しており、関節部52を連続部材のみの部分としている。同図(a)に示す例では、屈折自在なシート状部材である連続部材50Pの表面に剛性部材50Qを貼り付けて、リンク部分51或いは連結部分53を形成している。これによると、連続部材50Pは関節部52を跨いだ両側の部分で連続的に延在しており、関節部52はこの連続部材50Pのみで屈折自在に形成されている。一方、連続部材50Pに剛性部材50Qが貼り付けられたリンク部分51或いは連結部分53は剛性を有する部分に形成されることになる。
同図(b)に示す例では、連続部材50Pを挟持するように剛性部材50Qを貼り付けてリンク部分51或いは連結部分53を形成している。ここでも剛性部材50Qが貼り付けられていない部分が関節部52になる。同図(c)に示す例では、リンク部分51を形成する剛性部材が多層の剛性部材50Q1,50Q2を積層して形成されている。なお、同図(c)において、多層の剛性部材50Q1を多層の剛性部材50Q2と実質的に同じ構造にしても構わない。このように屈折自在な連続部材50Pに剛性部材50Qを部分的に貼り付けることで、屈折自在な関節部52と剛性を有するリンク部分51,連結部分53を一体に形成することができる。
連続部材50Pは、スピーカ装置の駆動時に繰り返される関節部52の屈折に耐え得るだけの強度と耐久性を有し、屈折動作の繰り返し時に音を発しない柔軟性を有するものが好ましい。具体例としては、連続部材50Pは高強度繊維の織物又は不織物によって形成することができる。織物の例としては、均一素材の平織り、縦糸と横糸が異なる材質の平織り、1本交互に糸材質を変えた平織り、交撚糸による平織り、引き揃えの平織り等にすることができ、平織り以外には、三軸,四軸織り、三軸,四軸組布、編み物、一方向引き揃えの繊維等にすることができる。
高強度繊維を全部又は一部に用いる場合には、高強度繊維をボイスコイル30の振動方向に沿って配置することで、ボイスコイル30の振動に対して十分な強度を得ることができる。縦糸と横糸を共に高強度繊維にした場合には、繊維方向をボイスコイル30の振動方向に対して共に約45°傾斜させることで、縦糸と横糸に均等な張力がかかり耐久性を向上させることができる。高強度繊維としては、アラミド繊維,カーボン繊維,ガラス繊維等を用いることができる。また、連続部材の曲げ応力や剛性等の物性を調整するために、ダンプ剤(ダンピング剤、制動材)を塗布(付与)しても構わない。
剛性部材50Qとしては、軽量で成形し易く硬化後に剛性を有するものがよく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属、紙等を用いることができる。剛性部材50Qは板状に成形後、連続部材50Pの関節部52を除く部分の表面に接着剤で貼り付けることによって振動方向変換部50を形成することができる。また、剛性部材50Qとして熱硬化性樹脂を用いる場合には、繊維質の連続部材50Pにおけるリンク部分51や連結部分53に部分的に樹脂を含浸させた後硬化させて振動方向変換部50を形成することができる。また、剛性部材50Qとして樹脂や金属を用いる場合には、インサート成形によってリンク部分51と連結部分53において連続部材50Pと剛性部材50Qを一体化することができる。
図11は、振動方向変換部50の他の例を示した説明図である。ここでは、一対の駆動部14を備えたスピーカ装置1Aに用いられる振動方向変換部50の実施形態を示している(同図(a)は斜視図、同図(b)は同図(a)におけるA部の拡大図)。この振動方向変換部50は一体化された一部品で形成され、前述したように、一対の第1のリンク部分51Aとその両端にそれぞれ関節部52A,52Bが形成され、一対の第2のリンク部分51Bとその両端にそれぞれ関節部52C,52Dが形成されている。また、一対の第1のリンク部分51Aの一端側に関節部52Aを介して第1の連結部分53Aが形成され、一対の第1のリンク部分51Aの他端側に形成される関節部52B間に第2の連結部分53Bが形成され、第2のリンク部分51Bの他端側に形成された関節部52D間に不動の連結部分53Cが形成されている。そして、第1のリンク部分51A,51Aと第2の連結部分53Bが凸状に屈折され、第2のリンク部分51B,51Bと不動の連結部分53Cが凹状に屈折されている。
図11(b)に示すように、関節部52Aは、前述した連続部材50Pによって屈折自在に形成され、第1のリンク部分51Aには前述した剛性部材50Qが貼り付けられ、第1の連結部分53Aにも前述した剛性部材50Qが貼り付けられている。そして、前述した全ての関節部が同様の構成に形成されている。また、各関節部では傾斜面51t,53tが対面して形成されている。
図12,図13,図14は、本発明の実施形態における振動方向変換部50の他の例を示す説明図である(図12(a)が側面図、図12(b)が斜視図、図13が動作説明図、図14(a),(b)が変形例の説明図)。この振動方向変換部50(リンク機構50L)は、駆動部を一対設けて、振動方向変換部50を互いに略左右対称に対向配置させる場合であって、複数のリンク部分で平行リンクを形成している。
この実施形態に係る振動方向変換部50は、一端を第1の連結部分53A(R),53A(L)との関節部52A(R),52A(L)とし、他端を第2の連結部分53Bとの関節部52B(R),52B(L)とする一対の第1のリンク部分51A(R),51A(L)を有する。また、一端を第1のリンク部分51A(R),51A(L)の中間部との関節部52C(R),52C(L)とし、他端を不動の連結部分53Cとの関節部52D(R),52D(L)とする一対の第2のリンク部分51B(R),51B(L)を有する。前述したように第1の連結部分53Aはボイスコイル支持部40に直接又は連結部60を介して連結され、第2の連結部分53Bは振動板10に連結され、不動の連結部分53Cは、静止部となるフレーム12の底部12Aや磁気回路20を形成するヨーク部22等に連結される。
更に、一端が第1の連結部分53A(R),53A(L)から一体的に延設される一対の連結部分53D(R),53D(L)との関節部52E(R),(L)であって、他端が第2の連結部分53Bと一体の連結部分53Eとの関節部52F(R),52F(L)である第3のリンク部分51C(R),(L)を有する。
そして、第1のリンク部分51A(R)と第3のリンク部分51C(R)、第1のリンク部分51A(L)と第3のリンク部分51C(L)、第2のリンク部分51B(R)と第3のリンク部分51C(L)、第2のリンク部分51B(L)と第3のリンク部分51C(R)がそれぞれ平行リンクを形成している。
このような振動方向変換部50のリンク機構50Lは、実質的は、図8に示した実施形態のリンク機構と平行リンク機構を組み合わせた機能を有し、各リンク部分及び連結部分を連続部材50Pに剛性部材50Qを一体化させて形成し、リンク部分間の各関節部は屈折自在な連続部材50Pのみで線状に形成して、リンク部分相互間が関節部を介して一体的に形成されている。
この振動方向変換部50の動作を図13によって説明する。この例ではフレーム12に支持される不動の連結部分53Cが静止部として機能することになる。このような振動方向変換部50によると、ボイスコイル支持部40の振動によって、関節部52A(R),(L)がX軸方向の基準位置X0からX1に移動すると、平行リンク機構によって第2の連結部分53Bとそれに一体の連結部分53Eが平行状態を維持して上昇し、平行リンクを形成している第1のリンク部分51A(R),(L)と第3のリンク部分51C(R),(L)が立ち上がるように角度変更する。その際、関節部52D(L),(R)が静止部となる不動の連結部分53Cの両端で支持されているので、静止部からの反力を受けて第1のリンク部分51A(R),(L)と第3のリンク部分51C(R),(L)の角度変更が確実に行われ、関節部52A(R),(L)の位置X0から位置X1への変位を振動板10の位置Z0から位置Z1への変位に確実に変換する。
同様に、関節部52A(R),(L)がX軸方向の基準位置X0からX2に移動すると、平行リンク機構によって第2の連結部分53Bとそれに一体の連結部分53Eは平行状態を維持して下降し、平行リンクを形成している第1のリンク部分51A(R),(L)と第3のリンク部分51C(R),(L)が倒れるように角度変更する。その際、関節部52D(R),(L)が静止部に支持されているので、静止部からの反力を受けて第1のリンク部分51A(R),(L)と第3のリンク部分51C(R),(L)の角度変更が確実に行われ、関節部52A(R),(L)の位置X0から位置X2への変位を振動板10の位置Z0から位置Z2への変位に確実に変換する。
このような実施形態によると、一つのボイスコイル支持部40のX軸方向の振動が略同位相・略同振幅で振動する関節部52B(R),(L),52F(R),(L)及び第2の連結部分53BにおけるZ軸方向の振動に変換されることになる。これによって、振動板10は、広い範囲で支持されて略同位相・略同振幅の振動が与えられることになるので、面積が広い平面的な振動板10に対してボイスコイル支持部40の振動を略同位相で伝達することができる。
図12(b)に示すように、振動方向変換部50は、連結部分53B,53D(R),(L),第3のリンク部分51C(R),(L)をそれぞれ幅方向一対に平行配置しており、第1のリンク部分51A(R),(L)を二股に形成してその中間部に第2のリンク部分51B(R),(L)との関節部52C(R),(L)が形成され、第2のリンク部分51B(R),(L)及び連結部分53Cは、幅方向一対に平行配置されている連結部分53B,53D(R),(L),第3のリンク部分51C(R),(L)の間に配備されている。
このようにリンク部分を1つのシート状(板状)部品で形成することで、振動板10を面で支持して振動させることができるので、振動板10全体を略同位相で振動させることができ、分割振動を抑制することが可能になる。
また、図12(b)に示すように、この実施形態の振動方向変換部50は、リンク部分を形成する一つの板状部材全体を凸台形状に屈折させて第1のリンク部分51A(R),(L)と第2の連結部分53Bを形成し、この板状部材を部分的に切り出して凹台形状に屈折させて第2のリンク部分51B(R),(L)と不動の連結部分53Cを形成している。
このような実施形態では、2つの対向するボイスコイル30に対して一つの一体部品の装着のみで振動方向変換部のリンク機構を形成することができるので、一対の駆動部を備えたスピーカ装置を形成する場合にも組み立て作業を簡易に行うことができる。また、不動の連結部分53Cを設けることで、ボイスコイル30の対向振動(複数のボイスコイル30が互いに逆方向となるように振動すること)に対しては、特に関節部52D(R),(L)をフレーム12に支持しなくても、この関節部52D(R),(L)の位置が一定に保持されることになり、これによっても振動方向変換部のスピーカ装置への組み込みを簡易化することができる。
そして、図12,図13に示した実施形態では、リンク機構として、右側の第1のリンク部分51A(R)と第3のリンク部分51C(R)、左側の第1のリンク部分51A(L)と第3のリンク部分51C(L)によって平行リンクが形成されているので、ボイスコイル支持部40の対向振動に対して振動板10に固着される第2の連結部分53BをZ軸方向に沿って安定に平行移動させることができる。これによって、平面状の振動板10に対して安定した振動を加えることが可能になる。
図14に示す実施形態は、図12に示した実施形態の改良例である。同図(a)に示す例では、ボイスコイル支持部40の対向振動によって曲げが生じ易いリンク部分に対して凸部510を設けて剛性を高めている。図示の例では、第1のリンク部分51A(R),(L),第2のリンク部分51B(R),(L),連結部分53D(R),(L),連結部分53Cにそれぞれ凸部510が設けられている。また、同図(b)に示す例では、特に強度を必要としないリンク部分において開口部520を設けて振動方向変換部の軽量化を図っている。図示の例では、連結部分53Bに開口部520が設けられている。振動方向変換部の軽量化は特に再生特性の広域化や、所定の音声電流に対する音波の振幅及び音圧レベルを大きくすることに有効である。
[保持部(ダンパ);図15]
保持部15は、ボイスコイル30が磁気回路20に接触しないように、ボイスコイル30又はボイスコイル支持部40を磁気ギャップ20G内の規定位置に保持するとともに、ボイスコイル30又はボイスコイル支持部40を振動方向(X軸方向)に沿って直線的に振動するように支持している。この保持部15は、ボイスコイル支持部40の振動方向と異なる方向、例えばZ軸方向やY軸方向には、ボイスコイル支持部40が移動しないように規制している。保持部15は、ボイスコイル30の振動方向に沿って変形可能であり、該振動方向に交差する方向に剛性を有する、湾曲板部材によって形成することができる。
図15は、保持部15によるボイスコイル支持部40の保持機構の具体例を示した説明図である。ここではボイスコイル支持部40を保持しているが、ボイスコイル30を直接保持することも可能である。保持部15は、例えば、導電性金属で形成され、ボイスコイル支持部40側の端部でボイスコイル30の端部又は該端部からの引出線43と電気的に接続され、フレーム側の端部で音声信号入力端子と電気的に接続されている。前述したように保持部15自体を導電性金属からなる振動配線にしても良いし、保持部15が配線基板(基板上に例えば線状の配線が形成されているもの)になっていてもよい。また、保持部15を樹脂等の絶縁部材で形成しても構わない。ボイスコイル30は、前述したように、平面形状が略矩形状に形成されており、Y軸方向に沿って形成された直線部30A,30Cと、X軸方向に沿って形成された直線部30B,30Dにより構成されている。ボイスコイル30の直線部30A,30Cは、磁気回路20の磁気ギャップ20G内に配置され、磁場の方向がZ軸方向に沿うように規定されている。
図示の例では、保持部15は、ボイスコイル支持部40の振動方向に沿った一方向の変形を許容して他の方向への変形を規制した湾曲板状部材であり、ボイスコイル支持部40を略左右対称に保持している。また、図示の例では、保持部15の両端部は、一端が接続部15Xによってボイスコイル支持部40側に取り付けられており、他端が接続部15Yでフレーム側に取り付けられている。接続部15X,15Yは樹脂等の絶縁体で構成されており、ボイスコイル30から引き出された引出線43は、保持部15と半田等を用いて電気的に接続されており、保持部15は音声信号入力端子と電気的に接続されている。
また、この接続部15X,15Yが電気的な接続端子を形成していてもよく、接続部15Xがボイスコイル30の端部又はその端部から引き出された引出線43に接続され、接続部15Yが音声信号入力端子と電気的に接続されていてもよい。
従来のスピーカ装置に使用されるリード線は、スピーカ装置を駆動する際、振動するので、リード線がスピーカ装置を構成する部材、例えばフレームに接触することを抑止すべく、所定の空間内にてリード線を引き回す必要があり、スピーカ装置の薄型化を阻害する一つの要因となっている。しかし、図15の例のように、ボイスコイル支持部40上に引出線43が形成されることで、引出線43を引き回すための所定の空間を設ける必要がなく、スピーカ装置を薄型化することが可能となる。
接続部15Yには、保持部15の他端が取り付けられており、ボイスコイル支持部40が基本的にX軸方向に振動するよう、接続部15Yは保持部15をフレームに支持している。また、引出線43が導電性の保持部15まで延びて、電気的に接続されることで、引出線43と保持部15とが断線することを抑止でき、スピーカ装置の信頼性を向上させることができる。
湾曲板状部材の導電性金属からなる保持部51は、保持部15の変形によってX軸に沿った方向にボイスコイル支持部6の移動を許容し、Z軸に沿った方向に関しては湾曲板状部材の高い剛性によって移動を規制している。したがって、ボイスコイル支持部40はZ軸方向にはフレームに対して所定の高さが保持されている。また略左右対称に保持部5を設けることで、ボイスコイル支持部40のY方向の動きに対しては保持部15の弾性力による釣り合い状態にあり、これもフレームに対して所定の位置に保持されている
[スピーカ装置の他の形態;図16〜図18]
図16〜図18は、前述したスピーカ装置用磁気回路の構成を組み込んだスピーカ装置の形態例を示した説明図である。各図の符号は前述した説明を援用する。各図は対称軸Oの左側断面図を示している。図16〜図18に示したスピーカ装置1(1B〜1J)は、振動方向変換部50として、両端に関節部52を備えた第1のリンク部分51(51A),第2のリンク部分51(51B),第3のリンク部分51(51C)の備えたリンク機構を構成し、第1のリンク部分51(51A)と第3のリンク部分51(51C)が平行リンクを形成している。所定の間隔をあけて配置された、第1のリンク部分51(51A)と第3のリンク部分51(51C)とでリンク機構を構成することで、振動板10を一体的に振動させることが可能になり、振動板10の分割振動を抑制した高品位な再生音を放射することができる。また、ボイスコイル30の磁気回路20側において、リンク部分を配置することなく、一軸方向に振動するボイスコイル30の振動を振動板10に伝えることができる。また、ボイスコイル30の磁気回路20側における空間を狭くすることができ、スピーカ装置1を薄型化することができる。
スピーカ装置1(1B:図16(a))は、図4に示した磁気回路20又は磁極部材20Aを備えている。スピーカ装置1(1C:図16(b))は、図4に示した磁気回路20又は磁極部材20Aを備え、フレーム12における磁気回路20の搭載高さと振動板10の装着高さをほぼ一致させた例である。リンク部分51の長さを短くすることで更に薄型化が可能になる。スピーカ装置1(1D:図16(c))は、図5(a)に示した磁気回路20又は磁極部材20Aを備えている。スピーカ装置1(1E:図16(d))は、図5(b)に示した磁気回路20又は磁極部材20Aを備えている。スピーカ装置1(1F:図17(a))は、図6(a)に示した磁気回路20又は磁極部材20Aを備えている。スピーカ装置1(1G:図17(b))は、図6(b)に示した磁気回路20又は磁極部材20Aを備え、更にボイスコイル30を挟んだ逆側の静止部100に磁性体23を備えている。スピーカ装置1(1H:図18(a))は、図4に示した磁気回路20又は磁極部材20Aをボイスコイル30の下側に配備したものである。本発明の実施形態に係る全てのスピーカ装置用磁気回路はボイスコイル30に対して上側に設けても下側に設けても構わない。スピーカ装置1(1I:図18(b))は、図6(a)に示した磁気回路20又は磁極部材20Aを上下逆転させて装着した例である。スピーカ装置1(1J:図18(c))は、図16(c)に示した磁気回路20又は磁極部材20を備えた例である。
[スピーカ装置の利点及び適用例]
本発明の実施形態に係るスピーカ装置1は、ボイスコイル30の振動を振動方向変換部50によって方向変換して振動板10に伝えるので、ボイスコイル30の振幅を大きくすることで、振動板10の振幅を大きくしても、スピーカ装置1の音響放射方向の厚さ(スピーカ装置の全高)は厚くならない。これによって、大音量の再生音を放射することができる薄型のスピーカ装置を得ることができる。
また、振動方向変換部50は、比較的構造が簡単な機械的なリンク機構によってボイスコイル30の振動を確実に振動板10に伝えるので、薄型化を実現しながら再生効率の高いスピーカ装置を得ることができ、比較的簡単な構造で高品位な再生音を放射することができる。
振動板10の背面を異なる位置で複数の駆動部14によって支持することができるので、振動板10を大面積にしても振動板10を一体的に振動させることが可能になり、振動板10の分割振動を抑制した高品位な再生音を放射することができる。特に、振動板10の面積を大きくして低音再生を行う際に有効であり、スピーカ装置の薄型化を達成しながら、高品位な低音再生が可能であると共に、最低共振周波数をより低くして再生帯域を拡大することが可能になる。また、振動板10を複数の箇所で支持して平行振動させることができるので、比較的大面積の振動板であっても全面を略同位相で振動させることが可能になる。
磁気回路20は、平面状のボイスコイル30で仕切られたスペースの片側に磁極部材を配置して構成するので、ボイスコイル30の平面に沿った一軸方向にボイスコイル30を振動させ、その振動を方向変換してボイスコイル30の振動と交差する方向に振動する振動板10に伝えるスピーカ装置においては、振動板10の振動方向に磁気回路20が嵩張らず、極めて薄型のスピーカ装置を得ることができる。
以上のように、本発明の実施形態に係るスピーカ装置1は薄型化が可能であり、且つ大音量化の実現も可能である。このようなスピーカ装置は各種電子機器や車載用として効果的に用いることができる。図19は、本発明の実施形態に係るスピーカ装置を備える電子機器を示した説明図である。同図(a)に示した携帯電話或いは携帯情報端末のような電子機器2、或いは同図(b)に示したフラットパネルディスプレイのような電子機器3は、スピーカ装置1の設置に必要な厚さスペースを小さくできるので、電子機器全体の薄型化が可能になる。また、薄型化された電子機器においても充分な音声出力を得ることができる。図20は、本発明の実施形態に係るスピーカを備えた自動車を示した説明図である。同図に示した自動車4は、スピーカ装置1の薄型化によって車内スペースの拡大が可能になる。特にドアパネルに本発明の実施形態に係るスピーカ装置1を内装したものでは、ドアパネルの出っ張りを無くし運転者の操作スペースの拡大が可能になる。また、充分な音声出力が得られるので、雑音が多い高速走行時等でも車内で快適に音楽やラジオ放送を楽しむことができる。
また、スピーカ装置1を備える建築物として、人の居住を用途とする住宅(建築物)や会議、講演会、パーティー等、多数の人数を収容して催しを行うことができるホテル、旅館や研修施設等(建築物)にスピーカ装置1を設置した場合、スピーカ装置1の設置に必要な厚さスペースを小さくできるので、不要なスペースを削除でき、スペースを有効に活用することができる。また、近年、プロジェクターや大画面テレビ等の普及に伴い、音響・映像設備を備える居室を設ける例が見られるようになっており、一方で音響・映像設備を備える居室を設けずに、リビングルーム等をシアタールームとして使用するケースも見られる。このようなケースにおいても、スピーカ装置1を用いることで、簡易にリビングルーム等をシアタールーム化でき、さらにリビングルーム内の空間を有効に活用することが可能である。なお、スピーカ装置1の配置場所は、例えば、居室内の天井や壁等が挙げられる。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。
また、上述の各実施形態における技術を、必要に応じ、平板状のボイスコイルを用いるダイナミック型のスピーカ装置(例:リッフェル型のスピーカ装置、リボン型スピーカ装置、平板状のボイスコイルの音響放射側及び音響放射側とは逆側に磁極部を配置するスピーカ装置)に適用することができ、スピーカ装置を薄型化することができる。
なお、2008年1月28日に国際出願したPCT/JP2008/051197、2008年10月14日に国際出願したPCT/JP2008/68580、2009年1月20日に国際出願したPCT/JP2009/050764、2008年10月27日に国際出願したPCT/JP2008/069480に記載される全ての内容は、本出願に組み込まれる。
本発明は、スピーカ装置に関するものである。
静止部と、該静止部に支持される振動部とを備え、前記静止部は磁気回路を含み、前記振動部は、振動板と、平面状のボイスコイルと、前記ボイスコイルは該ボイスコイルの平面に沿った一軸方向にて前記静止部に支持され、前記ボイスコイルの振動を方向変換して前記振動板に伝える剛性の振動方向変換部とを備え、前記振動方向変換部は、前記ボイスコイルと前記振動板に連結されており、前記磁気回路は、前記一軸方向に着磁された磁石を有する磁極部材と、前記ボイスコイルが配置されるスペースとを備え、前記磁極部材は、前記ボイスコイルに対して当該ボイスコイルの一方の面側に配置されていることを特徴とするスピーカ装置。

Claims (37)

  1. 平面状のボイスコイルと、前記ボイスコイルは該ボイスコイルが形成される平面に沿った一軸方向にて振動し、方向変換された前記ボイスコイルの振動が伝わることで前記一軸方向と交差する方向に振動する振動板とを備えるスピーカ装置に用いられる磁気回路であって、
    前記ボイスコイルで仕切られたスペースの片側に磁極部材を配置し、
    前記磁極部材が前記一軸方向に着磁された磁石を備えることを特徴とするスピーカ装置用磁気回路。
  2. 前記磁石の一方の磁極から出てボイスコイルを通る磁束が、前記ボイスコイルが前記一軸方向と交差する第1の部分を横切り、ボイスコイルを通って前記磁石の他方の磁極に入る磁束が、前記ボイスコイルの前記一軸方向と交差する第2の部分を横切ることを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置用磁気回路。
  3. 前記磁極部材は磁極部を備え、
    前記磁極部を挟んで同じ磁極が対向するように複数の前記磁石を配置することを特徴とする請求項2記載のスピーカ装置用磁気回路。
  4. 前記磁極部を一対設け、各磁極部が前記ボイスコイルの第1の部分と第2の部分にそれぞれ対向していることを特徴とする請求項3記載のスピーカ装置用磁気回路。
  5. 前記磁極部材は前記ボイスコイルに向けて凸状の磁極部を有することを特徴とする請求項4記載のスピーカ装置用磁気回路。
  6. 前記磁極部材は、前記一軸方向に沿って配置される前記磁石を少なくとも3つ備え、
    前記磁石間に前記磁極部が設けられることを特徴とする請求項4記載のスピーカ装置用磁気回路。
  7. 前記磁極部材は、前記一軸方向に沿って配置される前記磁石を前記磁極部毎に一対設けたことを特徴とする請求項4記載のスピーカ装置用磁気回路。
  8. 前記磁石は、前記一軸方向に対して斜め方向に着磁されていることを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置用磁気回路。
  9. 前記磁極部材と磁気的に連結されていない平板状の磁性体が、当該磁極部材と前記ボイスコイルを挟んで対面して配置され、
    前記磁極部材の端部と前記磁性体の端部との間にて磁路が形成されていることを特徴とする請求項4記載のスピーカ装置用磁気回路。
  10. 前記磁性体は、前記振動板と前記ボイスコイルとを振動自在に支持する静止部に支持されていることを特徴とする請求項9記載のスピーカ装置用磁気回路。
  11. 前記磁性体は、前記振動板と前記ボイスコイルとを振動自在に支持する静止部の一部であることを特徴とする請求項9記載のスピーカ装置用磁気回路。
  12. 前記磁性体は、前記振動板と前記ボイスコイルとを振動自在に支持する静止部に一体成形されていることを特徴とする請求項9記載のスピーカ装置用磁気回路。
  13. 前記磁性体は、前記磁極部のそれぞれに対応して設けられることを特徴とする請求項9記載のスピーカ装置用磁気回路。
  14. 静止部と、該静止部に振動自在に支持される振動部とを備え、
    前記静止部は磁気回路を含み、
    前記振動部は、
    平面状に形成されるボイスコイルと、前記ボイスコイルは該ボイスコイルが形成される平面に沿った一軸方向に振動自在に支持され、
    前記一軸方向と交差する方向に振動自在に支持される振動板と、
    前記ボイスコイルの振動を方向変換して前記振動板に伝える剛性の振動方向変換部とを備え、
    前記磁気回路は、
    前記ボイスコイルで仕切られたスペースの片側に磁極部材を配置し、
    前記磁極部材が前記一軸方向に着磁された磁石を備えることを特徴とするスピーカ装置。
  15. 前記磁石の一方の磁極から出た磁束が前記ボイスコイルの前記一軸方向と交差する第1の部分を横切り、前記磁石の他方の磁極に入る磁束が前記ボイスコイルの前記一軸方向と交差する第2の部分を横切ることを特徴とする請求項14記載のスピーカ装置。
  16. 前記ボイスコイルの上下に前記静止部が配備され、前記ボイスコイルの上側の静止部に前記磁気回路が配置され、前記ボイスコイルから当該ボイスコイルの上側の静止部までの距離が、前記ボイスコイルから当該ボイスコイルの下側の静止部までの距離より大きいことを特徴とする請求項15記載のスピーカ装置。
  17. 前記振動方向変換部は、一端部が前記ボイスコイルに角度変更自在に直接又は他の部材を介して連結されるとともに、他端部が前記振動板に角度変更自在に直接又は他の部材を介して連結され、
    前記振動板の振動方向および前記ボイスコイルの移動方向それぞれに対して斜設されて配置されることを特徴とする請求項16に記載のスピーカ装置。
  18. 前記振動方向変換部は、前記振動板側と前記ボイスコイル側のそれぞれに関節部を形成して前記ボイスコイルの振動方向に対して斜設されたリンク部分を有することを特徴とする請求項17に記載のスピーカ装置。
  19. 前記振動方向変換部は、前記リンク部分を角度変換させるリンク機構を備えることを特徴とする請求項18に記載のスピーカ装置。
  20. 前記リンク機構は、前記リンク部分が前記振動板側とは逆側に位置する前記静止部からの反力を受けて角度変換することを特徴とする請求項19記載のスピーカ装置。
  21. 前記静止部はフレームの一部であることを特徴とする請求項20に記載のスピーカ装置。
  22. 前記フレームは平面状の底面を有し、前記振動板は前記フレームの底面に対面して支持され、前記振動方向変換部は前記フレームの底面からの反力により当該底面と交差する方向に前記振動板を振動させることを特徴とする請求項21記載のスピーカ装置。
  23. 前記振動板の外周部はエッジを介して前記フレームに支持されていることを特徴とする請求項14記載のスピーカ装置。
  24. 前記磁気回路は、少なくとも前記磁石とヨーク部を備え、前記静止部が前記ヨーク部によって形成されていることを特徴とする請求項14記載のスピーカ装置。
  25. 前記ボイスコイルは、前記一軸方向と交差する一対の直線部を有することを特徴とする請求項24記載のスピーカ装置。
  26. 前記ボイスコイルの第1の部分及び第2の部分はそれぞれ、前記直線部を含むことを特徴とする請求項25に記載のスピーカ装置。
  27. 前記ボイスコイルを振動方向に沿って振動自在に前記静止部に保持すると共に、それ以外の方向へ移動しないように規制する保持部を備えることを特徴とする請求項14記載のスピーカ装置。
  28. 前記保持部は、前記ボイスコイルの振動方向に沿って変形可能であり、該振動方向に交差する方向に剛性を有する、湾曲板部材によって形成されることを特徴とする請求項27記載のスピーカ装置。
  29. 前記振動方向変換部は、線状の屈折部を有する板状部材によって形成され、前記屈折部を前記関節部とすることを特徴とする請求項14記載のスピーカ装置。
  30. 前記リンク部分の一端には傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項29記載のスピーカ装置。
  31. 前記振動方向変換部は、
    一端を前記ボイスコイル側の関節部とし、他端を前記振動板側の関節部とする第1のリンク部分と、
    一端を前記第1のリンク部分の中間部との関節部とし、他端を前記静止部との関節部とする第2のリンク部分とを有し、
    前記第1のリンク部分と前記第2のリンク部分を前記ボイスコイルの振動方向に対して異なる方向に傾斜配置したことを特徴とする請求項14に記載のスピーカ装置。
  32. 前記振動方向変換部は、一端を前記ボイスコイル側の第1の関節部とし、他端を前記振動板側の第2の関節部とする第1のリンク部分と、
    一端を前記第1のリンク部分の中間部との第3の関節部とし、他端を前記静止部との第4の関節部とする第2のリンク部分とを有し、
    前記第1の関節部と、前記第2の関節部と、前記第4の関節部とが、
    前記第3の関節部を中心とする第1のリンク部分の長さにほぼ等しい直径の円周上にあることを特徴とする請求項14記載のスピーカ装置。
  33. 前記振動方向変換部は前記ボイスコイルの振動方向に対して斜設されたリンク部分を複数備え、
    一方の前記リンク部分の両端部は、前記ボイスコイルの端部及び前記振動板と直接又は他の部材を介して連結しており、
    他方の前記リンク部分の両端部は、両端部間における前記ボイスコイルの一部及び前記振動板と直接又は他の部材を介して連結されることを特徴とする請求項17記載のスピーカ装置。
  34. 前記振動方向変換部は前記ボイスコイルの振動方向に対して斜設された複数のリンク部分を備え、
    前記複数のリンク部分は、所定の間隔で前記磁気回路が配置される位置よりも内側に配置されることを特徴とする請求項17に記載のスピーカ装置。
  35. 請求項14記載のスピーカ装置を備えることを特徴とする自動車。
  36. 請求項14記載のスピーカ装置を備えることを特徴とする電子機器。
  37. 請求項14記載のスピーカ装置を備えることを特徴とする建築物。
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