JPWO2010092969A1 - 低温焼結セラミック材料およびセラミック基板 - Google Patents

低温焼結セラミック材料およびセラミック基板 Download PDF

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Abstract

焼成後の組成ばらつきが少ないばかりでなく、焼結体の曲げ強度が高く、表面電極の剥離強度が高く、信頼性に優れたセラミック基板を形成することができる低温焼結セラミック材料を提供する。多層セラミック基板(1)のセラミック層(2)を構成するために用いられる低温焼結セラミック材料であって、この低温焼結セラミック材料は、SiをSiO2に換算して48〜75重量%、BaをBaOに換算して20〜40重量%、および、AlをAl2O3に換算して5〜20重量%含有する主成分セラミック材料と、主成分セラミック材料100重量部に対して、MnをMnOに換算して2.5〜5.5重量部、ならびに、MgをMgOに換算して0.1〜10重量部含有する副成分セラミック材料とを含み、実質的にCr酸化物およびB酸化物のいずれをも含まない。

Description

この発明は、銀や銅等の低融点金属材料と同時焼結可能な低温焼結セラミック材料、ならびに、この低温焼結セラミック材料を用いて構成されるセラミック基板、さらには多層セラミック基板に関するものである。
低温焼結セラミック(LTCC:Low Temperature Cofired Ceramic)材料は、比抵抗の小さな銀、銅等の低融点金属材料と同時焼成できるので、高周波特性に優れた多層セラミック基板を形成することができ、情報通信端末等における高周波モジュール用の基板材料として多用されている。
低温焼結セラミック材料としては、Al23等のセラミック材料にB23−SiO2系ガラス材料を混合したいわゆるガラスセラミック複合系が一般的であるが、この系では、出発原料として比較的高価なガラスを用いる必要があり、また、焼成時に揮発しやすいホウ素が含まれているため、得られる基板の組成がばらつきやすく、特殊なさや(セッター)を用いなければならないなど、その管理が煩雑である。
そこで、たとえば特開2002−173362号公報(特許文献1)や特開2008−044829号公報(特許文献2)に記載の低温焼結セラミック材料が提案されている。これらの文献に記載された低温焼結セラミック材料は、出発原料にガラスを用いず、しかも、ホウ素を含まない非ガラス系の低温焼結セラミック材料であるため、上述のような問題に遭遇しない。
しかしながら、これらの文献に記載された低温焼結セラミック材料は、得られるセラミック基板の曲げ強度が低く、用途によっては、基板そのものの強度が十分でないことがあり、また、選択した組成によっては、Qf値が低く、誘電損失が大きくなってしまうこともある。
特開2002−173362号公報 特開2008−044829号公報
本発明は上述の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、焼成後の組成ばらつきの少ない非ガラス系の低温焼結セラミック材料であって、これを焼結させて得られるセラミック基板の強度やQf値を向上させることが可能な低温焼結セラミック材料を提供しようとすることである。
本発明の他の目的は、上記低温焼結セラミック材料を用いて構成されたセラミック基板を提供することにある。
本発明に係る低温焼結セラミック材料は、SiをSiO2に換算して48〜75重量%、BaをBaOに換算して20〜40重量%、および、AlをAl23に換算して5〜20重量%含有する主成分セラミック材料と、主成分セラミック材料100重量部に対して、MnをMnOに換算して2.5〜5.5重量部、および、MgをMgOに換算して0.1〜10重量部含有する副成分セラミック材料とを含み、実質的にCr酸化物およびB酸化物のいずれをも含まないことを特徴としている。ここで、「実質的に」というのは、不純物としてB酸化物およびCr酸化物を0.1重量%未満で含み得ることを意味する。すなわち、B酸化物およびCr酸化物が不純物として混入しても0.1重量%未満であれば本発明の効果を得ることができる。
また、本発明は、本発明の低温焼結セラミック材料を焼結させてなるセラミック層を備えるセラミック基板にも向けられる。
本発明の低温焼結セラミック材料は、出発原料に実質的にガラスが含まれておらず、かつ、ホウ素も含まれていないので、これを焼結させて得られるセラミック基板の組成がばらつきにくく、その焼成プロセスの管理が容易である。しかも、この低温焼結セラミック材料を焼成して得られるセラミック基板は、基板そのものの強度が高いうえ、優れたQf値を有していて、機械的特性ならびに電気的特性の良いものとなる。
この発明に係る低温焼結セラミック材料を用いて構成される第1の実施形態による多層セラミック基板1を図解的に示す断面図である。 この発明に係る低温焼結セラミック材料を用いて構成される第2の実施形態によるセラミック基板21を図解的に示す断面図である。
本発明の低温焼結セラミック材料は、SiをSiO2に換算して48〜75重量%、BaをBaOに換算して20〜40重量%、および、AlをAl23に換算して5〜20重量%含有する主成分セラミック材料と、主成分セラミック材料100重量部に対して、MnをMnOに換算して2.5〜5.5重量部、および、MgをMgOに換算して0.1〜10重量部含有する副成分セラミック材料とを含み、実質的にCr酸化物およびB酸化物のいずれをも含まない。
この低温焼結セラミック材料は、出発原料にガラスを用いず、ホウ素を含まない非ガラス系の低温焼結セラミック材料であるので、これを焼結させて得られるセラミック基板の組成がばらつきにくく、その焼成プロセスの管理が容易である。しかも、得られるセラミック基板は、後述する実験例からわかるように、230MPa以上、特定的な組成では、300MPa以上の曲げ強度を有していて、基板そのものの強度が高いうえ、非晶質部分が比較的少なく、結晶化が促進されたQf値の高いものとなる。
ここで、SiをSiO2に換算して48〜75重量%、BaをBaOに換算して20〜40重量%、および、AlをAl23に換算して5〜20重量%含有する主成分セラミック材料は、得られるセラミック基板の基本成分であって、絶縁抵抗が大きく、比誘電率が小さく、誘電体損失が小さなセラミック基板を得るのに大きく寄与している。
他方、副成分セラミック材料であるMn(特にMnO)は、SiO2−BaO−Al23系主成分セラミック材料と反応して液相成分を作りやすく、焼成時に出発原料の粘性を下げることで焼結助剤として作用するが、揮発性は同じ焼結助剤として作用するB23に比べてはるかに小さい。したがって、焼成ばらつきを低減し、その焼成管理を容易にするとともに、量産性の向上に寄与する。
また、Mg(特にMgO)も、Mnと同様に、焼結助剤として作用するが、揮発性はB23に比べてはるかに小さい。また、Mgにより、焼成時の低温焼結セラミック材料の結晶化が促進され、その結果、基板強度の低下の原因となる液相部分の体積量を減らすことができ、得られるセラミック基板の曲げ強度を向上させることができる。
さらに、詳細なメカニズムは不明であるが、低温焼結セラミック材料からなるセラミック層と銅等の低融点金属材料からなる外部導体膜との反応性を増すことができ、その同時焼成プロセスによって、セラミック層と外部導体膜との接合強度を高めることができる。その結果、セラミック基板に搭載される半導体デバイス等の能動素子やチップコンデンサ等の受動素子とセラミック基板との間で強固なはんだ接合が形成され、その落下等の衝撃による接合破壊を抑制することができる。
なお、主成分セラミック材料100重量部に対して、Mn添加量がMnO換算で2.5重量部未満であると、あるいは、Mg添加量がMgO換算で0.1重量部未満であると、緻密な焼結体が得られず、他方、Mn添加量がMnO換算で5.5重量部を超えると、あるいは、Mg添加量がMgO換算で10重量部を超えると、低温焼結セラミック材料を所定形状に成形してなる未焼成ブロックを焼成するときに、このブロックとブロックが載置されるセッターとが固着してしまうことがある。
また、本発明の低温焼結セラミック材料は、B酸化物(特にB23)を実質的に含んでいないので、その焼成時の組成ばらつきを小さくすることができ、特殊なさや(セッター)を用いなくてもよいなど、その焼成プロセスの管理を容易にすることができる。また、Cr酸化物(特にCr23)を実質的に含んでいないので、マイクロ波帯でのQ値の低下を抑制し、たとえば3GHzで1200以上のQf値を得ることができる。
本発明の低温焼結セラミック材料は、Li2OやNa2O等のアルカリ金属酸化物を含んでいないことが好ましい。これらのアルカリ金属酸化物も、B23と同様、焼成時に揮発しやすく、得られる基板の組成ばらつきの原因となることがあるからである。さらに、これらのアルカリ金属酸化物を含んでいなければ、高温、高湿などに対する耐環境性が向上し、めっき液への溶出を抑制できるといった耐薬品性をも向上させることができる。
なお、本発明の低温焼結セラミック材料は、その副成分セラミック材料に、アルカリ土類金属として、Mg酸化物を含んでいるが、同じアルカリ土類金属のCa酸化物は含んでいないことが好ましい。
また、本発明の低温焼結セラミック材料においては、副成分セラミック材料として、さらに、主成分セラミック材料100重量部に対して、Ce、Zr、Fe、TiおよびZnから選ばれる少なくとも1種を、それぞれ、CeO2、ZrO2、Fe23、TiO2およびZnOに換算して、0.1〜6重量部含有されていることが好ましい。このように、Ce、Zr、Fe、TiおよびZnから選ばれる少なくとも1種(特にCeO2、ZrO2、Fe23、TiO2、ZnOから選ばれる少なくとも1種の酸化物)が含有されていると、非晶質成分として残存しやすいMn(特にMnO)の添加量を減らすことができ、結果として、基板強度の低下の原因となる液相部分の体積量を減らすことができ、得られるセラミック基板の曲げ強度をさらに向上させることができる。
また、本発明の低温焼結セラミック材料は、副成分セラミック材料として、主成分セラミック材料100重量部に対して、さらにCoおよび/またはVを、それぞれCoOおよびV25に換算して、0.1〜5.0重量部含んでいても構わない。これらの成分は、得られるセラミック基板の曲げ強度をさらに向上させることができるとともに、着色料としても機能する。
本発明の低温焼結セラミック材料は、前述のように出発成分としてガラスを含んでいないが、その焼成サイクル中に非晶質成分であるガラスが生成され、焼成後のセラミック基板にはガラスを含むものである。したがって、高価なガラスを用いることなく、安定して低温焼成セラミック基板を作製することができる。また、前述したように、この発明に係る低温焼結セラミック材料は、アルカリ金属を含まないものであることが好ましい。
本発明の低温焼結セラミック材料は、SiO2、BaCO3およびAl23の各セラミック粉末に、MnCO3のセラミック粉末、ならびに、Mg(OH)2のセラミック粉末を、添加・混合することによって製造することができる。好ましくは、SiO2、BaCO3およびAl23の各セラミック粉末に、Mg(OH)2のセラミック粉末を添加してなる混合物を仮焼し、それによって仮焼粉を作製する工程と、上記仮焼粉に仮焼されていないMnCO3のセラミック粉末を添加する工程とを経て製造される。
したがって、低温焼結セラミック材料を含むセラミックグリーンシートは、好ましくは、SiO2、BaCO3およびAl23の各セラミック粉末に、Mg(OH)2のセラミック粉末を添加してなる混合物を仮焼し、それによって仮焼粉を作製する工程と、上記仮焼粉に仮焼されていないMnCO3のセラミック粉末を添加するとともに、バインダを添加し、それによってセラミックスラリーを作製する工程と、このセラミックスラリーを成形し、それによってセラミックグリーンシートを形成する工程とを経て製造される。
上述のように、低温焼結セラミック材料またはセラミックグリーンシートを製造するにあたって、Si成分、Ba成分、Al成分およびMg成分を仮焼してなる仮焼粉を得てから、仮焼していないMn成分を上記仮焼粉に添加するようにすれば、仮焼時に仮焼合成の反応が抑制されるため、仮焼粉の粒径を微小化することができる。したがって、仮焼粉の粉砕工程を簡略化することができるとともに、これを用いて作製されるセラミックグリーンシートの薄層化を容易に進めることができる。また、仮焼粉の色がこげ茶色に変色することを防止でき、したがって、特に銅を主成分とする導電性ペーストを印刷する際、このような仮焼粉を用いて作製されたセラミックグリーンシートの画像認識性を向上させることができる。
次に、第1および第2の実施形態に基づいて、本発明の低温焼結セラミック材料を用いて構成されるセラミック基板およびその製造方法について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、この発明に係る低温焼結セラミック材料を用いて製造されるセラミック基板の一例としての多層セラミック基板1を図解的に示す断面図である。
多層セラミック基板1は、積層された複数のセラミック層2をもって構成される積層体3を備えている。この積層体3において、セラミック層2の特定のものに関連して種々の導体パターンが設けられている。
上述した導体パターンとしては、積層体3の積層方向における端面上に形成されるいくつかの外部導体膜4および5、セラミック層2の間の特定の界面に沿って形成されるいくつかの内部導体膜6、ならびにセラミック層2の特定のものを貫通するように形成され、層間接続導体として機能するビアホール導体7等がある。
積層体3の表面に設けられた外部導体膜4は、積層体3の外表面上に搭載されるべき電子部品8および9への接続のために用いられる。図1では、たとえば半導体デバイスのように、バンプ電極10を備える電子部品8、およびたとえばチップコンデンサのように面状の端子電極11を備える電子部品9が図示されている。また、積層体3の裏面に設けられた外部導体膜5は、この多層セラミック基板1を実装するマザーボード(図示せず)への接続のために用いられる。
このような多層セラミック基板1に備える積層体3は、セラミック層2となるべき複数の積層されたセラミックグリーン層と、導電性ペーストによって形成された内部導体膜6およびビアホール導体7とを備え、場合によっては、導電性ペーストによって形成された外部導体膜4および5をさらに備えた生の積層体を焼成することによって得られるものである。
上述した生の積層体におけるセラミックグリーン層の積層構造は、典型的には、セラミックスラリーを成形して得られた複数枚のセラミックグリーンシートを積層することによって与えられ、導体パターン、特に内部の導体パターンは、積層前のセラミックグリーンシートに設けられる。
セラミックスラリーは、上述した本発明の低温焼結セラミック材料に、ポリビニルブチラールのような有機バインダと、トルエンおよびイソプロピルアルコールのような溶剤と、ジ−n−ブチルフタレートのような可塑剤と、その他、必要に応じて、分散剤等の添加物とを加えてスラリー化することによって、得ることができる。
セラミックスラリーを用いてセラミックグリーンシートを得るための成形にあたっては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートのような有機樹脂からなるキャリアフィルム上で、ドクターブレード法を適用して、セラミックスラリーをシート状に成形することが行なわれる。
導体パターンをセラミックグリーンシートに設けるにあたっては、たとえば、金、銀または銅のような低温焼結金属材料を導電成分の主成分として含む導電性ペーストが用いられ、セラミックグリーンシートにビアホール導体7のための貫通孔が設けられ、貫通孔に導電性ペーストが充填されるとともに、内部導体膜6のための導電性ペースト膜、ならびに外部導体膜4および5のための導電性ペースト膜がたとえばスクリーン印刷法によって形成される。なお、本発明の低温焼結セラミック材料は、前述の低温焼結金属材料のなかでも、特に銅を主成分とする導電性ペーストとの焼結性に優れている。
このようなセラミックグリーンシートは、所定の順序で積層され、積層方向に、たとえば1000〜1500kgf/cm2の圧力をもって圧着されることによって、生の積層体が得られる。この生の積層体には、図示しないが、他の電子部品を収容するためのキャビティや、電子部品8および9等を覆うカバーを固定するための接合部分が設けられてもよい。
生の積層体は、セラミックグリーン層に含まれる低温焼結セラミック材料が焼結可能な温度以上、たとえば850℃以上であって、導体パターンに含まれる金属の融点以下、たとえば銅であれば、1050℃以下の温度域で焼成される。これによって、セラミックグリーン層が焼結するとともに導電性ペーストも焼結して、焼結した導体膜による回路パターンが形成される。
なお、特に、導体パターンに含まれる主成分金属が銅である場合、焼成は、窒素雰囲気のような非酸化性雰囲気中で行なわれ、900℃以下の温度で脱バインダを完了させ、また、降温時には、酸素分圧を低くして、焼成完了時に銅が実質的に酸化しないようにされる。なお、焼成温度がたとえば980℃以上であるならば、導体パターンに含まれる金属として、銀を用いることが難しいが、たとえばパラジウムが20重量%以上のAg−Pd系合金であれば、用いることが可能である。この場合には、焼成を空気中で実施することができる。焼成温度がたとえば950℃以下であるならば、導体パターンに含まれる金属として、銀を用いることができる。
以上のように、焼成工程を終えたとき、図1に示した積層体3が得られる。
その後、電子部品8および9が実装され、それによって、図1に示した多層セラミック基板1が完成される。
なお、この発明は、上述したような積層構造を有する積層体を備える多層セラミック基板に限らず、単に1つのセラミック層を備える単層構造のセラミック基板にも適用することができる。また、この低温焼結セラミック材料からなるセラミック層と他の比誘電率の高い低温焼結セラミック材料からなるセラミック層とからなる複合型の多層セラミック基板にも適用することができる。
[第2の実施形態]
図2は、本発明の低温焼結セラミック材料を用いて構成される第2の実施形態によるセラミック基板21を図解的に示す断面図である。
セラミック基板21は、所定の熱膨張係数α1を有する第1および第2の表層セラミック部22および23と、上記熱膨張係数α1よりも大きい熱膨張係数α2を有しかつ第1および第2の表層セラミック部22および23の間に位置される内層セラミック部24とを備える積層構造を有している。
このようなセラミック基板21において、第1および第2の表層セラミック部22および23ならびに内層セラミック部24のいずれもが、本発明の低温焼結セラミック材料の焼結体から構成される。
セラミック基板21において、第1および第2の表層セラミック部22および23の熱膨張係数α1と、内層セラミック部24の熱膨張係数α2との関係が、上述のように選ばれることにより、セラミック基板21の製造のために実施される焼成工程の後の冷却過程において、第1および第2の表層セラミック部22および23の各々に内層セラミック部24からの圧縮応力がもたらされる。このことから、セラミック基板21の抗折強度を向上させることができる。
なお、上記のような作用効果が確実に達成されるには、前述の熱膨張係数α1と熱膨張係数α2との差は、0.5ppm/℃以上であることが好ましく、表層セラミック部22および23の各厚みは、150μm以下であることが好ましい。
また、上述のように、第1および第2の表層セラミック部22および23ならびに内層セラミック部24のいずれもが、本発明の低温焼結セラミック材料の焼結体から構成されるので、比較的低温で焼成可能であり、また、セラミック基板21を高周波特性に優れたものとすることができる。さらに、表層セラミック部22および23と内層セラミック部24とが互いに実質的に同組成のセラミック焼結体からなるため、前述のように、熱膨張係数が互いに異なっていても、クラックや反りが発生することを抑えることができ、セラミック基板21を信頼性に優れたものとすることができる。
なお、上述のような熱膨張係数の関係を有する表層セラミック部22および23ならびに内層セラミック部24の各々となり得る本発明の低温焼結セラミック材料の具体的な組成例については、後述する実験例において明らかにする。
また、図2では、セラミック基板21に関連して設けられる導体パターンの図示が省略されている。導体パターンとしては、セラミック基板21の外表面上に設けられる外部導体膜の他、セラミック基板21の内部に設けられる内部導体膜やビアホール導体等がある。
上述のように、内部導体膜やビアホール導体が設けられる場合、セラミック基板21に備える表層セラミック部22および23の各々が複数層からなる積層構造を有していたり、内層セラミック部24が複数層からなる積層構造を有していたりすることが通常であるが、これらの積層構造についても、図2では図示が省略されている。
[実験例]
次に、この発明による効果を確認するために実施した実験例について説明する。
まず、出発原料として、いずれも粒径2.0μm以下のSiO2、BaCO3、Al23、MnCO3、Mg(OH)2、CeO2、ZrO2、Fe23、TiO2、ZnOおよびCaOの各セラミック粉末を準備した。次に、これら出発原料粉末を、焼成後に表1および表2に示す組成比率となるように秤量し、湿式混合粉砕した後、乾燥し、得られた混合物を750〜1000℃で1〜3時間仮焼して原料粉末を得た。上記BaCO3は焼成後にBaOになり、上記MnCO3は焼成後にMnOになり、上記Mg(OH)2は焼成後にMgOになるものである。
なお、表1および表2において、SiO2、BaOおよびAl23の主成分セラミック材料は重量%(wt%)を単位として示され、これらの合計は100重量%である。他方、MnO、TiO2、Fe23、MgO、Nb25、CeO2、ZrO2、ZnOおよびCaOの副成分セラミック材料は、主成分セラミック100重量部に対する比率が、重量部を単位として示されている。
Figure 2010092969
Figure 2010092969
次に、上述の各試料に係る原料粉末に、適当量の有機バインダ、分散剤および可塑剤を加えて、セラミックスラリーを作製し、次いで、スラリー中の原料粉末の平均粒径(D50)が1.5μm以下となるように混合粉砕した。
次に、セラミックスラリーを、ドクターブレード法によってシート状に成形し、乾燥し、適当な大きさにカットして、厚さ50μmのセラミックグリーンシートを得た。
次に、所定のセラミックグリーンシートに、銅を主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷法によって印刷し、外部導体膜となる導体パターンを形成した。
次に、得られたセラミックグリーンシートを所定の大きさにカットした後、積層し、次いで、温度60〜80℃および圧力1000〜1500kg/cm2の条件で熱圧着し、生の積層体を得た。
次に、生の積層体を、アルミナ製のセッター上に配置し、窒素−水素の非酸化性雰囲気中において900〜1000℃の温度で焼成し、セラミックグリーンシートと導体パターンとを同時焼結させてなる板状のセラミック焼結体試料を得た。
次に、得られた試料について、摂動法により、3GHzにおける比誘電率εおよびQ値を測定し、Q値については、これに共振周波数fを乗じたQ×f値を求めた。また、DC100Vでの絶縁抵抗(ρ)を測定し、logρを求めた。さらに、3点曲げ強度試験(JIS−R1061)によって曲げ強度を測定した。
これらの評価結果が表3および表4に示されている。なお、表4に示した試料については、焼結性の評価結果も示されている。ここで、焼結性が「○」のものは、順調に焼結が達成されたことを示し、焼結性が「×」のものは、前記の条件では緻密な焼結体が得られなかった、あるいは、過焼結状態であったことを示している。
Figure 2010092969
Figure 2010092969
表1および表3からわかるように、SiをSiO2に換算して48〜75重量%、BaをBaOに換算して20〜40重量%、および、AlをAl23に換算して5〜20重量%含有する主成分セラミック材料と、主成分セラミック材料100重量部に対して、MnをMnOに換算して2.5〜5.5重量部、および、MgをMgOに換算して0.1〜10重量部含有する副成分セラミック材料とを含み、実質的にCr酸化物およびB酸化物のいずれをも含まないという条件を満たす、試料No.1〜36の多層セラミック基板は、230MPa以上の優れた曲げ強度を示していて、基板そのものの機械的強度が高いうえ、Qf値が1200以上、絶縁抵抗(logρ)が12以上のように、優れた電気的特性を示している。
他方、表2および表4からわかるように、前述の条件を満たさない試料No.37〜49は、緻密な焼結体が得られなかった、あるいは、過焼結状態になってしまった。また、緻密な焼結体が得られたとしても、曲げ強度が低く、信頼性の高い多層セラミック基板を得ることができなかった。
1 多層セラミック基板
2 セラミック層
3 積層体
4,5 外部導体膜
6 内部導体膜
7 ビアホール導体
21 セラミック基板
22,23 表層セラミック部
24 内層セラミック部

Claims (4)

  1. SiをSiO2に換算して48〜75重量%、BaをBaOに換算して20〜40重量%、および、AlをAl23に換算して5〜20重量%含有する主成分セラミック材料と、前記主成分セラミック材料100重量部に対して、MnをMnOに換算して2.5〜5.5重量部、および、MgをMgOに換算して0.1〜10重量部含有する副成分セラミック材料とを含み、実質的にCr酸化物およびB酸化物のいずれをも含まない、低温焼結セラミック材料。
  2. 前記副成分セラミック材料として、さらに、前記主成分セラミック材料100重量部に対して、Ce、Zr、Fe、TiおよびZnから選ばれる少なくとも1種を、それぞれ、CeO2、ZrO2、Fe23、TiO2およびZnOに換算して0.1〜6重量部含有する、請求項1に記載の低温焼結セラミック材料。
  3. 請求項1または2に記載の低温焼結セラミック材料を焼結させてなるセラミック層を備える、セラミック基板。
  4. 複数の前記セラミック層を積層してなる積層体と、前記積層体の表面および/または内部に金、銀および銅の少なくとも1種を主成分とする導体パターンとを有する、請求項3に記載のセラミック基板。
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