JPWO2010090273A1 - 蒸発装置の運転管理装置、運転管理装置を備えた造水装置、蒸発装置の運転管理方法及び造水方法 - Google Patents

蒸発装置の運転管理装置、運転管理装置を備えた造水装置、蒸発装置の運転管理方法及び造水方法 Download PDF

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Abstract

加熱することによって硫酸カルシウムを含む被処理水を蒸発濃縮する蒸発装置4の運転条件を制御する運転管理装置6であって、所定温度におけるイオン強度と硫酸カルシウムの飽和溶解度積との関係により予め決定される飽和溶解度積曲線データと、被処理水におけるイオン強度を算出するイオン強度算出手段62と、前記被処理水における硫酸カルシウムの溶解度積を算出する溶解度積算出手段63と、イオン強度算出手段62及び溶解度積算出手段63により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、前記飽和溶解度積曲線データとを比較することにより、前記被処理水のイオン強度値に対する硫酸カルシウムの溶解度積値が、飽和溶解度積値を超えない蒸発装置4の運転条件を算出する運転条件算出手段64と、運転条件算出手段64が算出した運転条件となるように蒸発装置4の運転条件を変更する運転条件変更手段65とを備えている。この発明によれば硫酸カルシウムスケール析出を防止しつつ、効率よく淡水を生成することができる蒸発装置の運転管理装置を提供することができる。

Description

本発明は、蒸発装置の運転管理装置、運転管理装置を備えた造水装置、蒸発装置の運転管理方法及び造水方法に関する。
近年、海水淡水化装置で海水を濃縮する過程で析出する硫酸カルシウムのスケール防止法として原海水を予めナノろ過膜(NF膜)でろ過して海水中のスケール成分、特に硫酸イオン(SO 2―)の大部分を取り除いた海水を淡水化装置例えば蒸発式のMSF(多段フラッシュ型海水淡水化装置)またはMED(多重効用型海水淡水化装置)に給水するシステムが開発されてきた(例えば、特許文献1参照)。その方法の一例として特許文献1及び非特許文献1があり、その効果的運転例が示されている。
ここで、海水をNF膜で処理すると大幅に組成が変わることになる。この一例を非特許文献1におけるデータを引用して図8に示す。図8の横軸は海水の成分、左の縦軸はTDS(Total Dissolved Solids:全溶解固形分)と塩素イオン(Cl)の濃度(ppm) 、右の縦軸は全硬度成分の濃度(ppm)を表している。海水はサウジアラビアの海水であり、NF膜処理によりTDSは45,460ppmから28,260ppmに、塩素イオン(Cl)は21,587ppmから16,438ppmに、硫酸イオン(SO 2−)は3,100ppmから2ppm以下に、全硬度(Total Hardness)は7,500ppmから220ppmに低減し、原海水とは大幅に組成比率が変わっていることが判る。
また、従来、海水淡水化装置の運転管理の指針として、図9に示すようなグラフが採用されてきた。このグラフは、非特許文献2に紹介されているものであり、海水濃縮水中における硫酸カルシウムの飽和溶解度について、加熱温度と標準海水の濃縮倍数との関係に沿ってまとめたものである。図9におけるグラフのX軸は加熱温度を示し、一例として150°F(65℃)の運転温度の場合、海水が2倍以上濃縮されると硫酸カルシウム無水塩(anhydrite)が析出することを表している。従って、例えば、MSFやMED等の蒸発装置により淡水を生成する場合、硫酸カルシウムのスケールが析出することを防止するためには、海水濃縮水中における硫酸カルシウムの飽和溶解度以下となるように、蒸発装置の加熱温度や濃縮倍数を調節する必要がある。
特表2003−507183号公報
The New NF-SWRO Operation Increased Significantly UmmLujjSWRO Plant Output and Recovery, A.M.Hassan, et al. Proceeding of IDA Conference, March 2002, at Manama, Bahrain Stop Scale in Sea Water Evaporators, F.C.Standiford and J.R.Sinek, Chemical Engineering Progress 57,58(1961)
しかしながら、海水そのままを濃縮していく場合には、硫酸カルシウムが析出する濃度限界を予測する上で図9のグラフは役立つが、NF膜等で海水中の硫酸イオン、カルシウムなどのイオンを除去した海水を濃縮する場合には有効な指標にはならないという問題があった。つまり、NF膜等で海水中の硫酸イオン、カルシウムなどのイオンを除去した場合、海水に溶存している各種のイオン比率は大幅に変化することになるため、図9のグラフのデータに基づいて海水淡水化装置の運転管理を行ったとしても、硫酸カルシウムのスケールが発生することを効果的に防止することが難しいという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、硫酸カルシウムスケール析出を防止しつつ、効率よく淡水を生成することができる蒸発装置の運転管理装置、運転管理装置を備えた造水装置、蒸発装置の運転管理方法及び造水方法を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、加熱することによって硫酸カルシウムを含む被処理水を蒸発濃縮する蒸発装置の運転条件を制御する運転管理装置であって、所定温度におけるイオン強度と硫酸カルシウムの飽和溶解度積との関係により予め決定される飽和溶解度積曲線データと、前記被処理水におけるイオン強度を算出するイオン強度算出手段と、前記被処理水における硫酸カルシウムの溶解度積を算出する溶解度積算出手段と、前記イオン強度算出手段及び前記溶解度積算出手段により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、前記飽和溶解度積曲線データとを比較することにより、前記被処理水のイオン強度値に対する硫酸カルシウムの溶解度積値が、飽和溶解度積値を超えない前記蒸発装置の運転条件を算出する運転条件算出手段と、前記運転条件算出手段が算出した運転条件となるように前記蒸発装置の運転条件を変更する運転条件変更手段とを備えている運転管理装置により達成される。
この運転管理装置において、前記被処理水の全溶解固形分(TDS)を算出する全溶解固形分算出手段を備えており、前記イオン強度算出手段は、全溶解固形分(TDS)とイオン強度との関係により予め決定されるイオン強度近似式に基づいて、イオン強度を算出することが好ましい。
また、前記被処理水の導電率を検知する導電率検知手段を備えており、前記全溶解固形分算出手段は、導電率と全溶解固形分(TDS)との関係により予め決定される全溶解固形分近似式に基づいて、全溶解固形分(TDS)を算出することが好ましい。
また、前記運転条件算出手段は、前記イオン強度算出手段及び前記溶解度積算出手段により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、前記飽和溶解度積曲線データとを比較することにより、イオン強度に対する硫酸カルシウムの溶解度積が、飽和溶解度積値を超えないイオン強度値、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積値を算出し、前記運転条件変更手段は、前記運転条件算出手段が算出した飽和溶解度積値を超えないイオン強度値、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積値となるように、前記被処理水のイオン強度、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積を変更することが好ましい。
また、本発明の上記目的は、硫酸カルシウムを含む被処理水を加熱することによって蒸発濃縮する蒸発装置と、上記いずれかの運転管理装置とを備える造水装置により達成される。
また、本発明の上記目的は、加熱することによって硫酸カルシウムを含む被処理水を蒸発濃縮する蒸発装置の運転条件を制御する運転管理方法であって、前記被処理水におけるイオン強度を算出するイオン強度算出ステップと、前記被処理水における硫酸カルシウムの溶解度積を算出する溶解度積算出ステップと、前記イオン強度算出ステップ及び前記溶解度積算出ステップにより算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、所定温度におけるイオン強度及び硫酸カルシウムの飽和溶解度積の関係により予め決定される飽和溶解度積曲線データとを比較することにより、前記被処理水のイオン強度値に対する硫酸カルシウムの溶解度積値が、飽和溶解度積値を超えない前記蒸発装置の運転条件を算出する運転条件算出ステップと、前記運転条件算出ステップが算出した運転条件となるように前記蒸発装置の運転条件を変更する運転条件変更ステップとを備えている運転管理方法により達成される。
この運転管理方法において、前記被処理水の全溶解固形分(TDS)を算出する全溶解固形分算出ステップを備えており、前記イオン強度算出ステップは、全溶解固形分(TDS)とイオン強度との関係により予め決定されるイオン強度近似式に基づいて、イオン強度を算出することが好ましい。また、前記被処理水の導電率を検知する導電率検知ステップを備えており、前記全溶解固形分算出ステップは、導電率と全溶解固形分(TDS)との関係により予め決定される全溶解固形分近似式に基づいて、全溶解固形分(TDS)を算出することが好ましい。
あるいは、上記運転管理方法は、前記被処理水の導電率を検知する導電率検知ステップを備えており、前記イオン強度算出ステップは、導電率とイオン強度との関係により予め決定される第2イオン強度近似式に基づいて、イオン強度を算出することが好ましい。
また、前記運転条件算出ステップは、前記イオン強度算出手段及び前記溶解度積算出手段により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、前記飽和溶解度積曲線データとを比較することにより、イオン強度に対する硫酸カルシウムの飽和溶解度積が、飽和溶解度積値を超えないイオン強度値、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積値を算出し、前記運転条件変更手段は、前記運転条件算出手段が算出した飽和溶解度積値を超えないイオン強度値、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積値となるように、前記被処理水のイオン強度、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積を変更することが好ましい。
また、本発明の上記目的は、上記運転管理方法を用いて硫酸カルシウムを含む被処理水を蒸発濃縮することにより淡水を生成する造水方法により達成される。
また、本発明の上記目的は、加熱することによって硫酸カルシウムを含む被処理水を蒸発濃縮する蒸発装置と、前記蒸発装置の運転条件を制御する運転管理装置とを備える造水装置であって、前記運転管理装置は、所定温度におけるイオン強度、及び、硫酸カルシウムの飽和溶解度積の関係により予め決定される飽和溶解度積曲線データを複数の温度下で予め算出した飽和溶解度積曲線データ群と、前記被処理水におけるイオン強度を算出するイオン強度算出手段と、前記被処理水における硫酸カルシウムの溶解度積を算出する溶解度積算出手段と、前記イオン強度算出手段及び前記溶解度積算出手段により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、前記飽和溶解度積曲線データ群とを比較することにより、前記被処理水のイオン強度値に対する硫酸カルシウムの溶解度積値が、飽和溶解度積値を超えない所定の飽和溶解度積曲線データを選定すると共に、前記所定の飽和溶解度積曲線データに対応する温度を算出する運転条件算出手段と、前記運転条件算出手段が算出した温度となるように前記蒸発装置の加熱温度を変更する運転条件変更手段とを備えている造水装置により達成される。
本発明によれば、硫酸カルシウムスケール析出を防止しつつ、効率よく淡水を生成することができる蒸発装置の運転管理装置、運転管理装置を備えた造水装置、蒸発装置の運転管理方法及び造水方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る造水装置を示す概略構成図である。 イオン強度に対する硫酸カルシウムの飽和溶解度積曲線データを示すグラフである。 イオン強度と全溶解固形分(TDS)との関係により求めたイオン強度近似式を示すグラフである。 導電率と全溶解固形分(TDS)との関係により求めた全溶解固形分近似式を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る造水装置を示す概略構成図である。 イオン強度に対する硫酸カルシウムの飽和溶解度積曲線データを複数の温度下で予め算出した飽和溶解度積曲線データ群を示すグラフである。 本発明に係る造水装置の変形例を示す概略構成図である。 海水をNF膜で処理した場合の海水の組成変化を説明するための説明図である。 海水濃縮水中における硫酸カルシウムの飽和溶解度について、加熱温度と濃縮倍数との関係に沿ってまとめたグラフである。
以下、本発明に係る蒸発装置4の運転管理装置6、及びこれを備えた造水装置について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る造水装置の概略構成図である。
図1に示すように、造水装置1は、海水等の原水が貯留されるタンク2と、原水に含まれるスケール成分を除去するナノ濾過膜装置3aと、ナノ濾過透過水(NFP)を濃縮するRO膜装置(逆浸透膜装置)3bと、蒸発装置4と、凝縮装置5と、蒸発装置4の運転条件を管理する運転管理装置6とを備えている。
ナノ濾過膜装置3aは、タンク2に貯留される海水等の原水に含まれるスケール成分、特に硫酸イオン(SO 2−)の大部分を除去する。RO膜装置3bは、ナノ濾過透過水(NFP)を濃縮し、蒸発装置4により蒸発する被処理水を生成する装置である。ナノ濾過膜装置3a及びRO膜装置3bは、タンク2と蒸発装置4との間に配置されている。
蒸発装置4は、加熱することによって被処理水を蒸発濃縮する装置であり、密閉型の蒸発室41、間接式加熱器42および被処理水を散布する散布ノズル43を備えている。蒸発室41内の底部は、散布ノズル43から伝熱管421に散布された被処理水の一部が、伝熱管421の熱交換作用により水蒸気となって蒸発した後の濃縮水が貯留される濃縮水貯留部44を構成している。また、蒸発室41の底部には、生成された濃縮水を外部に排出するための濃縮水排出部45が設けられている。蒸発室41の上部には、伝熱管421の熱交換作用により伝熱管421の外表面において生成した水蒸気を外部に排出するための蒸気排出部46が設けられている。
間接式加熱器42は、蒸発室41内に設けられる複数の伝熱管421と、これら複数の伝熱管421の両端にそれぞれ接続されている第1ヘッダ422、第2ヘッダ423とを備えている。第1ヘッダ422は、伝熱管421内に蒸気を導く蒸気導入部47を備えている。この蒸気導入部47には、ボイラ等の蒸気発生手段7において生成される駆動蒸気を導く駆動蒸気管路90が接続している。第2ヘッダ423は、伝熱管421の熱交換作用により伝熱管421内で生成した淡水を外部に排出する淡水排出部48を備えている。
散布ノズル43は、蒸発室41の内部において間接式加熱器42の上方に配置されており、被処理水供給管路91を介してRO膜装置3bと接続している。この散布ノズル43は、被処理水を伝熱管421の外表面に向けて散布する散布手段である。
蒸発室41の上部に設けられる蒸気排出部46には、凝縮装置5に蒸気を導く蒸気取出管路92が接続している。凝縮装置5は、図示しない冷却水供給管路から導かれた冷却水によって、蒸気取出管路92を介して導かれた水蒸気を間接的に冷却して凝縮水(淡水)を生成する装置である。冷却水としては、図示しない冷却塔等で冷却された工業用水や冷凍装置で冷却された冷水(チラー水)等を使用できる。
運転管理装置6は、蒸発装置4の運転条件を管理する装置であり、図1に示すように、飽和溶解度積曲線データ記憶部61、イオン強度算出手段62、溶解度積算出手段63、蒸発装置4の運転条件を算出する運転条件算出手段64、及び、運転条件変更手段65を備えている。
飽和溶解度積曲線データ記憶部61は、所定温度におけるイオン強度に対する硫酸カルシウムの飽和溶解度積の関係により予め決定される飽和溶解度積曲線データが格納された記憶媒体である。飽和溶解度積曲線データは、例えば、“Journal of Chemical and Engineering Data Vol.13 No.2,April,1964”に報告されている硫酸カルシウムの溶解度に関する文献値(表1)を採用し、この値をイオン強度と溶解度積に換算することにより作成することができる。つまり、表1に示されたNaCl溶液中の硫酸カルシウムの飽和溶解度のデータ(温度範囲25〜200℃、NaCl濃度範囲0.0〜6.0Mol)を全てイオン強度と硫酸カルシウム飽和溶解度積に換算して整理することにより得ることができる。具体的な換算値の一例として125℃における無水硫酸カルシウムのイオン強度と飽和溶解度積の関係を表2に示す。また、表2に示したデータに基づいて作成した飽和溶解度積曲線データを図2に示す。図2におけるグラフのX軸はイオン強度を、Y軸は硫酸カルシウムの飽和溶解度積(Ksp)を示している。図2は運転温度が125℃の場合のグラフであるが、運転温度別に同様なグラフを作成して運転指針とすることが出来る。
Figure 2010090273
Figure 2010090273
なお、飽和溶解度積曲線データ記憶部61が格納する飽和溶解度積曲線データを“Journal of Chemical and Engineering Data Vol.13 No.2,April,1964”に報告されている硫酸カルシウムの溶解度に関する文献値(表1)を採用し、この値をイオン強度と溶解度積に換算することにより作成する代わりに、例えば、イオン強度の異なる海水を複数準備し、それぞれについて加熱温度を変えて蒸発させて、硫酸カルシウムが析出する濃度を確認することによっても作成することができる。
イオン強度算出手段62は、被処理水のイオン強度を算出する手段である。例えば、被処理水が、ナノ濾過膜装置3a及びRO膜装置3bにより海水から生成されるものであれば、被処理水中に含まれる主要イオン成分(Naイオン,Caイオン,Mgイオン,Kイオン,Clイオン,SOイオン等)の濃度をイオン分析計621により測定して、下記の式1に基づいて算出する。
(式1)
IC:1/2Σ(m×Zi2)
IC:溶液のイオン強度 [mol/kg・H2O]
:各イオンのモル濃度[mol/kg・H2O]
:各イオンの電荷
溶解度積算出手段63は、被処理水に含まれる硫酸カルシウムの溶解度積を算出する手段である。この溶解度積算出手段63は、被処理水に含まれるCaイオン及びSOイオンの濃度を硫酸カルシウム濃度計631により測定して、下記の式2に基づいて算出する。
(式2)
IPC:[Ca]×[SO
IPC:硫酸カルシウムの溶解度積[mol/L
[Ca]:Caイオンのモル濃度 [mol/L]
[SO]:SOイオンのモル濃度 [mol/L]
運転条件算出手段64は、イオン強度算出手段62及び溶解度積算出手段63により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値の関係と、飽和溶解度積曲線データ記憶部61が記憶する飽和溶解度積曲線データとを比較することにより、被処理水のイオン強度に対する硫酸カルシウムの溶解度積が、飽和溶解度を越えないような蒸発装置4の運転条件を算出する機能を有している。本実施形態においては、イオン強度算出手段62及び溶解度積算出手段63により算出した被処理水のイオン強度値及び硫酸カルシウム溶解度積値の関係が、図2のA点に示すように飽和溶解度積曲線データを超えるものである場合、被処理水のイオン強度値及び硫酸カルシウム溶解度積値の関係が、飽和溶解度積曲線データよりも下の領域に位置する硫酸カルシウムの溶解度積、或いは、イオン強度の値を算出するように構成されている。
飽和溶解度積曲線データよりも下の領域に位置する硫酸カルシウムの溶解度積、或いは、イオン強度の値は、蒸発装置4の淡水回収率と、蒸発装置4において生成される濃縮水の濃度である最高ブライン濃度から逆算して求めることができる。
一般に、蒸発装置の淡水回収率(a)と給水濃度(Cf)が設定されると最高ブライン濃度(Cb)は、Cb=Cf x(1/(1−a))から算出できる。
また、蒸発装置の最高ブライン濃度が高くなると沸点上昇も高くなり、蒸発効率の低下を招くことになるので、蒸発装置に許容される最高ブライン濃度の上限には自ずと制約がある。最高ブライン濃度の硫酸カルシウムの溶解度積を、想定される最高ブライン濃度及び運転温度により決定される硫酸カルシウムの飽和溶解度積を超えないように制御することが必要である。さらに設定された回収率から求めた給水濃度の硫酸カルシウムの溶解度積を、所定の運転温度での給水濃度から算出したイオン強度により決定される硫酸カルシウムの飽和溶解度積を超えないように制御することが必要である。
運転条件変更手段65は、運転条件算出手段64が算出した運転条件となるように、蒸発装置4の運転条件を変更する手段である。具体的には、運転条件算出手段64が算出した飽和溶解度積曲線データを超えないイオン強度、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積となるように、被処理水のイオン強度、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積を調整する機能を有する。本実施形態においては、RO膜装置3b及び蒸発装置4を接続する被処理水供給管路91と、タンク2とを接続する管路93の途中に配置されるバルブ931に開閉指令を発するように構成されており、被処理水に海水を混入することにより被処理水のイオン強度或いは硫酸カルシウムの溶解度積を制御できるように構成されている。なお、例えば、逆浸透膜濃縮水などを混合することにより被処理水のイオン強度或いは硫酸カルシウムの溶解度積を制御するように構成してもよい。
このように、本実施形態に係る運転管理装置6は、イオン強度と硫酸カルシウムの飽和溶解度積との関係に基づいて、硫酸カルシウムの溶解度積が飽和溶解度積を超えないように蒸発装置4の運転条件を制御しているので、蒸発装置4内部に硫酸カルシウムのスケールが析出することを確実に防止することができる。
以上、本発明に係る造水装置1の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態においては、イオン強度算出手段62が、被処理水中に含まれるNaイオン,Caイオン,Mgイオン等の主要イオン成分の濃度を測定して上記式1に基づいて被処理水のイオン強度を算出するように構成しているが、イオン強度算出手段62が、被処理水の全溶解固形分(TDS)とイオン強度との関係により予め決定されるイオン強度近似式に基づいて、イオン強度を算出するようにしてもよい。このような構成を採用する場合、被処理水の全溶解固形分(TDS)を算出する全溶解固形分算出手段を被処理水供給管路91に備えるようにする。なお、被処理水の全溶解固形分(TDS)を算出するには、被処理水の一定量を蒸発乾固して溶存している全固形物の重量を測定することにより行うことができる。
イオン強度近似式は、海水の組成、NF膜処理海水の組成、NF膜処理海水をRO膜で濃縮した海水の組成、それぞれを混合したMED給水、MED濃縮ブラインなど各種の試料の組成(Naイオン、Caイオン、Mgイオン、Kイオン、Clイオン、SOイオン、TDS、導電率)をそれぞれ分析して得たデータを、上記の式1に準じて解析して求めたイオン強度を基準とし、下記のように、このイオン強度とTDSの関係式(式3)、および、TDSと導電率の関係式(式4)が成立することを見出した。図3にイオン強度と全溶解固形分(TDS)との関係により求めたイオン強度近似式のグラフを示す。
(式3)
Y=a+aX+a
但し、上記式3における係数a、a、aは、被処理液の濃度レベルとその濃縮率により変動するが、下記範囲で問題なく適用することができる。
−2.2×10−12 < a < −1.8×10−12
1.8×10−5 < a <2.2×10−5
−0.00393 < a <−0.0321
ここで、Yは、近似式により算出される被処理水のイオン強度[mol/kg・H2O]であり、Xは、被処理水の全溶解固形分(TDS)[mg/L]である。
このように、被処理水の全溶解固形分(TDS)とイオン強度との関係により予め決定されるイオン強度近似式に、全溶解固形分算出手段が算出する被処理水の全溶解固形分(TDS)を代入してイオン強度を算出することにより、被処理水中に含まれるNaイオン,Caイオン,Mgイオン等の主要イオン成分の濃度をそれぞれ測定することなく極めて簡便にかつ精度よく被処理水のイオン強度を算出することが可能になる。この結果、硫酸カルシウムのスケールが析出することを防止しつつ、効率よく淡水を製造することができる。
また、上記においては、全溶解固形分算出手段は、被処理水の一定量を蒸発乾固して溶存している全固形物の重量を測定することにより被処理水の全溶解固形分(TDS)を算出するように構成されているが、このような方法により被処理水の全溶解固形分(TDS)を算出することは、比較的手間が掛かり効率性に欠ける面がある。そこで、例えば、全溶解固形分算出手段が、導電率と全溶解固形分(TDS)との関係により予め決定される全溶解固形分近似式に基づいて、被処理水の全溶解固形分(TDS)を算出するようにしてもよい。このような構成を採用する場合、被処理水の導電率を検知する導電率検知手段を被処理水供給管路91に備えるようにする。
全溶解固形分近似式も、上記イオン強度近似式と同様、海水の組成、NF膜処理海水の組成、NF膜処理海水をRO膜で濃縮した海水の組成、それぞれを混合したMED給水、MED濃縮部ラインなど各種の試料の組成を分析したデータを解析して、導電率と全溶解固形分(TDS)の関係式が、下記の式4で示す2次式で表すことができることを見出した。図4に導電率と全溶解固形分(TDS)との関係により求めた全溶解固形分近似式のグラフを示す。
(式4)
Y=b+bX+b
但し、上記式4における係数b、b、bは、被処理液の濃度レベルとその濃縮率により変動するが、下記範囲で問題なく適用することができる。
1.8×10−6 < b < 2.2×10−6
0.4798 < b < 0.5854
944 < b < 1154
ここで、Yは、近似式により算出される被処理水の全溶解固形分(TDS)[mg/L]であり、Xは、導電率検知手段により検知された被処理水の導電率 [μS/cm]である。
このように、導電率と全溶解固形分(TDS)との関係により予め決定される全溶解固形分近似式に、導電率検知手段により検知された被処理水の導電率を代入して被処理水の全溶解固形分(TDS)を算出することにより、単に被処理水の導電率とCaイオン及びSOイオンの濃度とを計測するのみで、イオン強度と硫酸カルシウム溶解度積を指標とした蒸発装置4の運転管理を効率よく行うことができる。
次に本発明に係る造水装置1の第2の実施形態について図5及び図6を用いて以下に説明する。第2の実施形態に係る造水装置1は、図5に示すように、タンク2、ナノ濾過膜装置3a、RO膜装置3b、蒸発装置4を備えているが、これらは上記第1の実施形態に係る造水装置1が備える装置と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第2の実施形態に係る造水装置1における運転管理装置6は、図5に示すように、飽和溶解度積曲線データ群記憶部66、イオン強度算出手段62、溶解度積算出手段63、蒸発装置4の運転条件を算出する運転条件算出手段64、及び、運転条件変更手段65を備えている。なお、イオン強度算出手段62及び溶解度積算出手段63は、上記第1の実施形態に係る構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
飽和溶解度積曲線データ群記憶部66は、イオン強度、及び、硫酸カルシウムの飽和溶解度積の関係により決定される飽和溶解度積曲線データを複数の温度下で予め算出した飽和溶解度積曲線データ群が格納された記憶媒体である。複数の温度化における飽和溶解度積曲線データは、上述のように、例えば、“Journal of Chemical and Engineering Data Vol.13 No.2,April,1964”に報告されている硫酸カルシウムの溶解度に関する文献値(表1)を採用し、この値をイオン強度と溶解度積に換算することにより作成することができる。つまり、表1に示されたNaCl溶液中の硫酸カルシウムの飽和溶解度のデータ(温度範囲25〜200℃、NaCl濃度範囲0.0〜6.0Mol)を全てイオン強度と硫酸カルシウムの飽和溶解度積に換算して整理することにより得ることができる。得られた所定温度範囲のイオン強度と硫酸カルシウム飽和溶解度積との関係を模式的にグラフ化したもの(飽和溶解度積曲線データ群)を図6に示す。図6におけるグラフのX軸はイオン強度を、Y軸は飽和溶解度積(Ksp)を示している。また、図6には、T1℃、125℃、T2℃、T3℃の各温度における飽和溶解度積曲線を示している。T1℃、125℃、T2℃、T3℃の各温度は、T1<125℃<T2℃<T3℃となる温度関係を有している。なお、温度が高くなるに連れて、同一イオン強度に対する飽和溶解度積(Ksp)の値が低くなり、CaSOが析出する危険性が高くなる。
運転条件算出手段64は、イオン強度算出手段62及び溶解度積算出手段63により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、飽和溶解度積曲線データ群とを比較することにより、被処理水のイオン強度値に対する硫酸カルシウムの溶解度積値が、飽和溶解度積値を超えない所定の飽和溶解度積曲線データを選定すると共に、選定した所定の飽和溶解度積曲線データに対応する温度を算出する機能を有している。例えば、イオン強度算出手段62及び溶解度積算出手段63により算出した被処理水のイオン強度値に対する硫酸カルシウムの溶解度積値が図6におけるB点である場合、このB点は、T1℃、125℃及びT2℃における飽和溶解度積曲線よりも下方に存在しているため、運転条件算出手段64は、T1℃、125℃及びT2℃の温度の中の最高温度であるT2℃を算出するように構成される。
運転条件変更手段65は、蒸発装置4における駆動温度が、運転条件算出手段64が算出した温度(例えば、T2℃)となるように、ボイラ等の蒸気発生手段7から蒸発装置4に送られる蒸気の量を制御する。
このように、第2の実施形態に係る造水装置1によれば、運転管理装置6が、硫酸カルシウムのスケール析出が防止できる蒸発装置4の駆動温度条件を算出して、その温度下で蒸発装置4が駆動できるように制御するため、スケール析出を確実に防止して効率よく淡水を製造することができる。
また、上記第2の実施形態に係る造水装置1においても、第1の実施形態と同様、イオン強度算出手段62が、被処理水の全溶解固形分(TDS)とイオン強度との関係により予め決定されるイオン強度近似式(式3)に基づいて、イオン強度を算出するように構成してもよい。
また、被処理水の全溶解固形分(TDS)を算出する全溶解固形分算出手段が、導電率と全溶解固形分(TDS)との関係により予め決定される全溶解固形分近似式(式4)に基づいて、被処理水の全溶解固形分(TDS)を算出するように構成してもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、単一の蒸発装置4を備えるように造水装置1を構成しているが、図7に示すように複数の蒸発装置4を直列的に接続する多重効用型の蒸発装置4を備えるように構成してもよい。多重効用型の蒸発装置4を備えるようにした場合、各蒸発装置4が運転管理装置6を備えるように構成する。そして、各運転管理装置6が有するイオン強度算出手段62及び溶解度積算出手段63が、各蒸発装置4における散布手段が散布する被処理水のイオン強度及び硫酸カルシウムの溶解度積をそれぞれ算出するように構成する。このような構成により、各蒸発装置4に硫酸カルシウムのスケールが発生することを防止しつつ、効率的に飲料用等の淡水を製造することができる。
また、上記式3におけるXに、上記式4のYを代入することにより求められる、導電率とイオン強度との関係により予め決定される第2イオン強度近似式に基づいて、導電率検知手段によって検知される導電率から直接的にイオン強度を算出するようにしてもよい。このような構成により、イオン強度の算出をより迅速に行うことが可能になる。
1 造水装置
2 タンク
3a ナノ濾過膜装置
3b RO膜装置
4 蒸発装置
5 凝縮装置
6 運転管理装置
61 飽和溶解度積曲線データ記憶部
62 イオン強度算出手段
63 溶解度積算出手段
64 運転条件算出手段
65 運転条件変更手段
7 蒸気発生手段
本発明の上記目的は、加熱することによって硫酸カルシウムを含む被処理水を蒸発濃縮する蒸発装置の運転条件を制御する運転管理装置であって、所定温度におけるイオン強度と硫酸カルシウムの飽和溶解度積との関係により予め決定される飽和溶解度積曲線データと、被処理水におけるイオン強度を算出するイオン強度算出手段と、被処理水における硫酸カルシウムの溶解度積を算出する溶解度積算出手段と、前記イオン強度算出手段及び前記溶解度積算出手段により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、前記飽和溶解度積曲線データとを比較し、算出した前記硫酸カルシウムの溶解度積値が、算出した前記イオン強度における硫酸カルシウムの飽和溶解度積値を超える場合、被処理水のイオン強度値に対する硫酸カルシウムの溶解度積値が飽和溶解度積値を超えない前記蒸発装置の運転条件を算出する運転条件算出手段と、前記運転条件算出手段が算出した運転条件となるように前記蒸発装置の運転条件を変更する運転条件変更手段とを備えている運転管理装置により達成される。
また、前記運転条件算出手段は、前記イオン強度算出手段及び前記溶解度積算出手段により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、前記飽和溶解度積曲線データとの比較結果に基づき、イオン強度に対する硫酸カルシウムの溶解度積が、飽和溶解度積値を超えないイオン強度値、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積値を算出し、前記運転条件変更手段は、前記運転条件算出手段が算出した飽和溶解度積値を超えないイオン強度値、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積値となるように、被処理水のイオン強度、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積を変更することが好ましい。
また、本発明の上記目的は、加熱することによって硫酸カルシウムを含む被処理水を蒸発濃縮する蒸発装置の運転条件を制御する運転管理方法であって、被処理水におけるイオン強度を算出するイオン強度算出ステップと、被処理水における硫酸カルシウムの溶解度積を算出する溶解度積算出ステップと、前記イオン強度算出ステップ及び前記溶解度積算出ステップにより算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、所定温度におけるイオン強度及び硫酸カルシウムの飽和溶解度積の関係により予め決定される飽和溶解度積曲線データとを比較し、算出した前記硫酸カルシウムの溶解度積値が、算出した前記イオン強度における硫酸カルシウムの飽和溶解度積値を超える場合、被処理水のイオン強度値に対する硫酸カルシウムの溶解度積値が、飽和溶解度積値を超えない前記蒸発装置の運転条件を算出する運転条件算出ステップと、前記運転条件算出ステップが算出した運転条件となるように前記蒸発装置の運転条件を変更する運転条件変更ステップとを備えている運転管理方法により達成される。
また、前記運転条件算出ステップは、前記イオン強度算出手段及び前記溶解度積算出手段により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、前記飽和溶解度積曲線データとの比較結果に基づき、イオン強度に対する硫酸カルシウムの飽和溶解度積が、飽和溶解度積値を超えないイオン強度値、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積値を算出し、前記運転条件変更手段は、前記運転条件算出手段が算出した飽和溶解度積値を超えないイオン強度値、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積値となるように、前記被処理水のイオン強度、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積を変更することが好ましい。
なお、硫酸カルシウムの溶解度積、或いは、イオン強度の値は、蒸発装置4の淡水回収率と、蒸発装置4において生成される濃縮水の濃度である最高ブライン濃度から逆算して求めることできる。

Claims (12)

  1. 加熱することによって硫酸カルシウムを含む被処理水を蒸発濃縮する蒸発装置の運転条件を制御する運転管理装置であって、
    所定温度におけるイオン強度と硫酸カルシウムの飽和溶解度積との関係により予め決定される飽和溶解度積曲線データと、
    前記被処理水におけるイオン強度を算出するイオン強度算出手段と、
    前記被処理水における硫酸カルシウムの溶解度積を算出する溶解度積算出手段と、
    前記イオン強度算出手段及び前記溶解度積算出手段により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、前記飽和溶解度積曲線データとを比較することにより、前記被処理水のイオン強度値に対する硫酸カルシウムの溶解度積値が、飽和溶解度積値を超えない前記蒸発装置の運転条件を算出する運転条件算出手段と、
    前記運転条件算出手段が算出した運転条件となるように前記蒸発装置の運転条件を変更する運転条件変更手段とを備えている運転管理装置。
  2. 前記被処理水の全溶解固形分(TDS)を算出する全溶解固形分算出手段を備えており、
    前記イオン強度算出手段は、全溶解固形分(TDS)とイオン強度との関係により予め決定されるイオン強度近似式に基づいて、イオン強度を算出する請求項1に記載の運転管理装置。
  3. 前記被処理水の導電率を検知する導電率検知手段を備えており、
    前記全溶解固形分算出手段は、導電率と全溶解固形分(TDS)との関係により予め決定される全溶解固形分近似式に基づいて、全溶解固形分(TDS)を算出する請求項2に記載の運転管理装置。
  4. 前記運転条件算出手段は、前記イオン強度算出手段及び前記溶解度積算出手段により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、前記飽和溶解度積曲線データとを比較することにより、イオン強度に対する硫酸カルシウムの溶解度積が、飽和溶解度積値を超えないイオン強度値、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積値を算出し、
    前記運転条件変更手段は、前記運転条件算出手段が算出した飽和溶解度積値を超えないイオン強度値、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積値となるように、前記被処理水のイオン強度、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積を変更する請求項1に記載の運転管理装置。
  5. 硫酸カルシウムを含む被処理水を加熱することによって蒸発濃縮する蒸発装置と、請求項1に記載の運転管理装置とを備える造水装置。
  6. 加熱することによって硫酸カルシウムを含む被処理水を蒸発濃縮する蒸発装置の運転条件を制御する運転管理方法であって、
    前記被処理水におけるイオン強度を算出するイオン強度算出ステップと、
    前記被処理水における硫酸カルシウムの溶解度積を算出する溶解度積算出ステップと、
    前記イオン強度算出ステップ及び前記溶解度積算出ステップにより算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、所定温度におけるイオン強度及び硫酸カルシウムの飽和溶解度積の関係により予め決定される飽和溶解度積曲線データとを比較することにより、前記被処理水のイオン強度値に対する硫酸カルシウムの溶解度積値が、飽和溶解度積値を超えない前記蒸発装置の運転条件を算出する運転条件算出ステップと、
    前記運転条件算出ステップが算出した運転条件となるように前記蒸発装置の運転条件を変更する運転条件変更ステップとを備えている運転管理方法。
  7. 前記被処理水の全溶解固形分(TDS)を算出する全溶解固形分算出ステップを備えており、
    前記イオン強度算出ステップは、全溶解固形分(TDS)とイオン強度との関係により予め決定されるイオン強度近似式に基づいて、イオン強度を算出する請求項6に記載の運転管理方法。
  8. 前記被処理水の導電率を検知する導電率検知ステップを備えており、
    前記全溶解固形分算出ステップは、導電率と全溶解固形分(TDS)との関係により予め決定される全溶解固形分近似式に基づいて、全溶解固形分(TDS)を算出する請求項7に記載の運転管理方法。
  9. 前記被処理水の導電率を検知する導電率検知ステップを備えており、
    前記イオン強度算出ステップは、導電率とイオン強度との関係により予め決定される第2イオン強度近似式に基づいて、イオン強度を算出する請求項6に記載の運転管理方法。
  10. 前記運転条件算出ステップは、前記イオン強度算出手段及び前記溶解度積算出手段により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、前記飽和溶解度積曲線データとを比較することにより、イオン強度に対する硫酸カルシウムの飽和溶解度積が、飽和溶解度積値を超えないイオン強度値、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積値を算出し、
    前記運転条件変更手段は、前記運転条件算出手段が算出した飽和溶解度積値を超えないイオン強度値、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積値となるように、前記被処理水のイオン強度、或いは、硫酸カルシウムの溶解度積を変更する請求項6に記載の運転管理方法。
  11. 請求項6に記載の運転管理方法を用いて硫酸カルシウムを含む被処理水を蒸発濃縮することにより淡水を生成する造水方法。
  12. 加熱することによって硫酸カルシウムを含む被処理水を蒸発濃縮する蒸発装置と、前記蒸発装置の運転条件を制御する運転管理装置とを備える造水装置であって、
    前記運転管理装置は、所定温度におけるイオン強度、及び、硫酸カルシウムの飽和溶解度積の関係により予め決定される飽和溶解度積曲線データを複数の温度下で予め算出した飽和溶解度積曲線データ群と、
    前記被処理水におけるイオン強度を算出するイオン強度算出手段と、
    前記被処理水における硫酸カルシウムの溶解度積を算出する溶解度積算出手段と、
    前記イオン強度算出手段及び前記溶解度積算出手段により算出したイオン強度値及び硫酸カルシウムの溶解度積値と、前記飽和溶解度積曲線データ群とを比較することにより、前記被処理水のイオン強度値に対する硫酸カルシウムの溶解度積値が、飽和溶解度積値を超えない所定の飽和溶解度積曲線データを選定すると共に、前記所定の飽和溶解度積曲線データに対応する温度を算出する運転条件算出手段と、
    前記運転条件算出手段が算出した温度となるように前記蒸発装置の加熱温度を変更する運転条件変更手段とを備えている造水装置。
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