JPWO2010089936A1 - インク乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
インク乾燥装置は、ポリイミドが塗布された基板(21)が設置される乾燥炉(12)と、基板(21)に対向して配置され、乾燥炉(12)内に空気を送る送風機(41)と、乾燥炉(12)内に設けられ、基板(21)と送風機(41)との間に配置され、空気が流通可能な複数の孔(52)が形成されるパンチング板(51)とを有する。このような構成により、均一なインク乾燥を実現するインク乾燥装置を提供する。
Description
この発明は、一般的には、インク乾燥装置に関し、より特定的には、パーティクルの侵入防止を目的に、乾燥炉内部の圧力を高めるための送風機を備えるインク乾燥装置に関する。
従来のインク乾燥装置に関して、たとえば、特開平10−213334号公報には、設置面積の低減化を可能とし、かつ循環エアの温度変動を抑制することを目的とした基板処理装置が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された基板処理装置においては、その処理領域に、基板に処理液の塗布処理を行なう回転式塗布ユニットと、基板に現像処理を行なう回転式現像ユニットと、基板に加熱処理を行なう加熱ユニットと、基板に冷却処理を行なう冷却ユニットとが併設されている。さらに、処理領域に対向する位置には、各ユニットに清浄な空気を供給するためのファンが設けられている。
液晶ディスプレイの配向膜を形成する方法として、オフセット印刷法などの手段を用いて、基板の表面上にポリイミド(PI)膜などを形成する印刷工程と、印刷されたポリイミド膜を乾燥させる仮乾燥工程と、ポリイミド膜を熱硬化させる焼成工程とが実施されることが知られている。この仮乾燥工程を実施するためのインク乾燥装置においては、乾燥炉内部の圧力を高めるための送風機を設けることにより、外部からのパーティクルの侵入を防ぎ、基板を清浄に保っている。
しかしながら、送風機から乾燥炉内部に空気が供給されると、基板表面が局所的に風を受けたり、基板表面上で予期しない気流が発生したりするおそれがある。この場合、基板上のポリイミド膜に乾燥ムラが生じ、得られた配向膜の表面に風紋のような模様が残るおそれがある。このような模様の発生は、液晶ディスプレイの性能を悪化させる原因となる。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、均一なインク乾燥を実現するインク乾燥装置を提供することである。
この発明に従ったインク乾燥装置は、インクが塗布された基板が設置される乾燥炉と、基板に対向して配置され、乾燥炉内に空気を送る送風機と、乾燥炉内に設けられ、基板と送風機との間に配置されるパンチング板とを備える。パンチング板には、空気が流通可能な複数の孔が形成されている。
このように構成されたインク乾燥装置によれば、基板と送風機との間にパンチング板を配置することにより、送風機から供給された空気が複数の孔を通過して基板に向かう。これにより、空気を散らした状態で基板に到達させることができ、結果、均一なインク乾燥を実現できる。
また好ましくは、送風機は、回転することによって空気を圧送するファンを有する。ファンの回転中心となる軸をパンチング板に向けて延長した場合に、複数の孔は、軸と交差する位置に相対的に近いパンチング板上の領域よりも、軸と交差する位置に相対的に遠いパンチング板上の領域でその開口率が大きくなるように形成される。このように構成されたインク乾燥装置によれば、ファンの回転中心から離れるほど風量が小さくなる傾向が存在するため、その領域で複数の孔の開口率を大きく設定することにより、より均一なインク乾燥を実現できる。
また好ましくは、複数の送風機が、互いに間隔を隔てて設けられている。複数の孔は、その開口率が複数の送風機の各々に対応して変化するように形成される。このように構成されたインク乾燥装置によれば、複数設けられた送風機ごとに風量のばらつきを低減し、より均一なインク乾燥を実現できる。
また好ましくは、パンチング板は、送風機から送られた空気が流入する空間と、基板が設置される空間とを区画するように設けられる。このように構成されたインク乾燥装置によれば、送風機から送られた空気が流入する空間から、基板が設置される空間に向かう空気の全てが、複数の孔を通過することになる。このため、基板が設置される空間において気流を適切に制御し、より均一なインク乾燥を実現できる。
また好ましくは、パンチング板は、乾燥炉に設置された基板に平行に延在する。このように構成されたインク乾燥装置によれば、基板に塗布されたインクに対してより均一な送風が可能となる。
また好ましくは、パンチング板は、送風機とパンチング板との間の距離が、パンチング板と乾燥炉に設置された基板との間の距離よりも小さくなる位置に配置される。このように構成されたインク乾燥装置によれば、パンチング板によって空気を散らした状態で基板に到達させる効果を、より有効に得ることができる。
また好ましくは、乾燥炉内には、基板が設置される第1空間と、基板を上下動させるための駆動部が設けられ、第1空間から空気が流入可能な第2空間とが形成される。インク乾燥装置は、乾燥炉に接続され、第1空間および第2空間からそれぞれ空気を排気する排気部をさらに備える。第1空間および第2空間の圧力は、第1空間の圧力が第2空間の圧力よりも大きくなり、第2空間の圧力が乾燥炉の外部の圧力よりも大きくなるように設定される。このように構成されたインク乾燥装置によれば、外部から第1空間へのパーティクルの侵入および外部から第2空間を通じての第1空間へのパーティクルの侵入を、より確実に防ぐことができる。
また好ましくは、インク乾燥装置は、乾燥炉に接続され、乾燥炉内から空気を排気する排気部をさらに備える。排気部は、乾燥炉内に開口し、空気が流通する排気口を有する。排気口は、送風機に対して、乾燥炉に設置された基板よりも後退した位置に設けられる。このように構成されたインク乾燥装置によれば、排気口を通じて乾燥炉から排気部に排気される空気の流れが、乾燥炉に載置された基板上の気流に影響を与えることを抑制できる。
また好ましくは、インク乾燥装置は、乾燥炉に接続され、乾燥炉内から空気を排気する排気部をさらに備える。排気部は、乾燥炉内に開口し、空気が流通する排気口を有する。排気口には、空気の流通面積を可変とする機構が設けられる。このように構成されたインク乾燥装置によれば、排気口を通じて乾燥炉から排気部に排気される空気の流通面積を調整することによって、乾燥炉内部における気流や圧力を容易に制御することができる。
以上に説明したように、この発明に従えば、均一なインク乾燥を実現するインク乾燥装置を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1におけるインク乾燥装置を示す断面図である。図2は、図1中のインク乾燥装置の一部を模式的に表わした断面図である。
図1は、この発明の実施の形態1におけるインク乾燥装置を示す断面図である。図2は、図1中のインク乾燥装置の一部を模式的に表わした断面図である。
図1および図2を参照して、本実施の形態におけるインク乾燥装置10の基本的な構造についてまず説明すると、インク乾燥装置10は、インクとしてのポリイミドが塗布された基板21が設置される乾燥炉12と、基板21に対向して配置され、乾燥炉12内に空気を送る送風機41と、乾燥炉12内に設けられ、基板21と送風機41との間に配置され、空気が流通可能な複数の孔52が形成されるパンチング板51とを有する。
続いて、図1および図2中のインク乾燥装置10の構造について詳細に説明する。
インク乾燥装置10は、液晶ディスプレイの製造工程において、基板21に形成される配向膜の仮乾燥工程に用いられる。
インク乾燥装置10は、液晶ディスプレイの製造工程において、基板21に形成される配向膜の仮乾燥工程に用いられる。
基板21に配向膜を形成する場合、まず、オフセット印刷法などの手段を用いて、基板21の主表面に配向膜の原料となるポリイミドを印刷する(印刷工程)。次に、ポリイミド膜が形成された基板21を印刷装置からインク乾燥装置10に搬送し、インク乾燥装置10においてポリイミド膜を乾燥させる(仮乾燥工程)。次に、基板21をインク乾燥装置から熱処理装置に搬送し、熱処理装置においてポリイミド膜を焼成させる(焼成工程)。
なお、基板21の主表面に印刷される材料は、ポリイミドに限られず、配向膜の原料となりうる材料が適宜選択される。
乾燥炉12は、筐体形状に形成されており、下壁13dと、下壁13dに対向して配置される上壁13uとを有する。乾燥炉12の内部には、第1空間としての空間14および第2空間としての空間15が形成されている。空間14と空間15とは、下壁13dによって互いに区画されている。空間14は、空間15の上側に配置されている。
空間14には、ポリイミド膜が形成された基板21が設置される。空間14には、基板21を加熱し、ポリイミド膜を乾燥させるためのホットプレート23がさらに設けられている。基板21は、縦横に配列された複数のピン16(図2を参照のこと)によって、ホットプレート23から隙間を隔てた上側に位置決めされる。乾燥炉12には、空間14に基板21を搬入し、搬出するための図示しない可動扉が設けられている。
本実施の形態において、配向膜を形成する基板21は、2160×2460mm、もしくは2850×3050mmのサイズを有する大型基板である。但し、本発明におけるインク乾燥装置を用いて処理される基板の大きさは、上記サイズに限られるものではない。
空間15には、駆動部としてのモータ32および昇降ピン31が設けられている。昇降ピン31は、空間15から下壁13dを貫通し、空間14に達するように形成されている。昇降ピン31の一方端は、空間15においてモータ32に接続されており、昇降ピン31の他方端は、空間14において基板21の裏面に当接するように設けられている。基板21の搬送時、モータ32の駆動により昇降ピン31がその軸方向に変位することによって、基板21が複数のピン16上に載置されたり、複数のピン16上から離脱されたりする。
下壁13dには、昇降ピン31が挿入される図示しない貫通孔が形成されている。空間14と空間15との間は、この貫通孔と昇降ピン31との間に形成された微小な隙間などを通じて空気の出入りが可能な状態にある。
送風機41は、ファン43を有する。ファン43は、プロペラ形状を有する。ファン43が仮想軸である中心軸101(図2を参照のこと)を中心に回転することにより、送風機41から基板21が設置される空間14に向けて送風が行なわれる。これにより、空間14内部の圧力が高まるため、外部から空間14への塵や埃などのパーティクルの侵入を防ぎ、空間14内部の清浄度を保つことができる。
本実施の形態では、送風機41に、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)が設けられている。HEPAフィルタとは、空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、空間14に供給する空気を清浄するためのエアフィルタである。
送風機41は、乾燥炉12の上壁13uに取り付けられており、空間14の外側の空間に配置されている。送風機41は、空間14に設置された基板21から距離を隔てた位置に設けられている。送風機41は、ポリイミド膜が形成された基板21の主表面に対向する位置に設けられている。送風機41は、中心軸101を基板21に向けて延長した線が基板21の主表面に直交するような姿勢で設けられている。
本実施の形態では、複数の送風機41が互いに間隔を隔てて設けられている。複数の送風機41は、空間14に設置された基板21の主表面に平行な平面内に並ぶように設けられている。
パンチング板51は、空間14に配置されている。パンチング板51は、送風機41と、空間14に設置された基板21との間に位置決めされている。パンチング板51は、板形状を有する。パンチング板51は、空間14に設置された基板21に平行に延在するように設けられている。
空間14は、送風機41から送風された空気がまず流入する空間14mと、基板21が設置される空間14nとから構成されている。パンチング板51は、乾燥炉12の内部で空間14mと空間14nとの間を区画するように設けられている。言い換えれば、パンチング板51は、空間14mと空間14nとの間を完全に遮るように設けられている。パンチング板51は、基板21をパンチング板51に対して投影した場合に、その投影した領域の全体がパンチング板51の表面上に含まれるように設けられている。
パンチング板51には、複数の孔52が形成されている。複数の孔52は、空間14mと空間14nとの間を連通させるように形成されている。複数の孔52は、パンチング板51の表面上で平面的に分散して形成されている。複数の孔52は、基板21をパンチング板51に対して投影した場合に、少なくともその投影した領域の全体を含む範囲に広がって形成されている。孔52は、円形の開口形状を有する。孔52は、円形に限られず、たとえば、矩形や多角形等の開口形状を有してもよい。
複数の孔52が形成されたパンチング板51を設けることによって、送風機41から供給された空気は、空間14mから複数の孔52を通って空間14nに進行する。これにより、送風は、基板21の主表面に対して平面的に散らされた状態で行なわれることとなる。また、本実施の形態では、パンチング板51が空間14mと空間14nとの間を区画するように設けられている。このため、空気が複数の孔52を通らずに空間14mから空間14nに進行するということがなく、基板21の周辺において予期しない気流が発生することを防止できる。結果、基板21の主表面に形成されたポリイミド膜を均一に乾燥することができる。
なお、基板21が送風機41からの送風を受けることにより、ポリイミド膜の乾燥が促進されるという効果も得られる。
インク乾燥装置10は、排気部36および排気部38をさらに有する。排気部36および排気部38は、それぞれ空間14および空間15に連通するように乾燥炉12に接続されている。送風機41から空気が供給されることによって空間14内部の圧力が高まり、空間14内部の空気が、排気部36を通じて乾燥炉12の外部に排気される。空間14から空気が侵入することによって空間15内部の圧力が高まり、空間15内部の空気が、排気部38を通じて乾燥炉12の外部に排気される。
本実施の形態では、空間14および空間15内部の圧力が、空間14の圧力が空間15の圧力よりも大きく、空間15の圧力が乾燥炉12の外部の圧力よりも大きくなるように設定される。このような構成により、乾燥炉12の外部から空間14および空間15へのパーティクルの侵入を確実に防ぐことができる。
排気部36は、空間14に開口し、空気が流通する排気口37を有する。排気口37は、送風機41に対して、乾燥炉12に設置された基板21よりも後退した位置に設けられている。排気口37は、送風機41から供給される空気の送風方向において、送風機41と排気口37との間の距離が送風機41と基板21との間の距離よりも大きくなる位置に設けられている。排気口37は、下壁13dの直上に設けられている。
排気口37を、送風機41に対して基板21よりも後退した位置に設けることによって、空間14から排気口37を流通して排気部36に向かう空気流れが、基板21の主表面上の気流に与える影響を小さく抑えることができる。これにより、ポリイミド膜が形成された基板21の主表面上の気流を適切に制御することができる。
なお、空間14の圧力と空間15の圧力との差は、可能な限り小さく(たとえば、1Pa以下)抑えることが好ましい。この場合、空間14および空間15間の圧力勾配に起因し、空間14に予期しない気流が発生することを抑制できる。
このように構成された、この発明の実施の形態1におけるインク乾燥装置10によれば、送風機41と基板21との間にパンチング板51を配置することによって、ポリイミド膜の乾燥ムラを抑えることができる。これにより、ポリイミド膜の表面に風紋のような模様が生じることを抑制し、基板21に高品質な配向膜を形成することができる。
(実施の形態2)
図3は、この発明の実施の形態2におけるインク乾燥装置に用いられるパンチング板を示す平面図である。図中では、送風機41の外観およびファン43の形状が点線により示されている。本実施の形態におけるインク乾燥装置は、実施の形態1におけるインク乾燥装置10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
図3は、この発明の実施の形態2におけるインク乾燥装置に用いられるパンチング板を示す平面図である。図中では、送風機41の外観およびファン43の形状が点線により示されている。本実施の形態におけるインク乾燥装置は、実施の形態1におけるインク乾燥装置10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
図3を参照して、複数の送風機41が互いに間隔を隔てて配置されている。本実施の形態では、複数の送風機41が、矩形形状を有する基板21の四隅および中心に投影される位置に配置されている。
パンチング板51の表面上には、領域56、領域57および領域58が規定されている。ファン43の回転中心である中心軸101をパンチング板51に向けて延長した場合に、領域56は、中心軸101が交差する位置に最も近い範囲に規定され、領域57は、その位置に次に近い範囲に規定され、領域58は、その位置に最も遠い範囲に規定されている。領域56は、中心軸101が交差する位置を中心に矩形形状に広がって規定されている。領域57は、領域58の周縁に沿って帯状に延びるように規定されている。領域58は、領域57の周囲に規定されている。領域56〜58は、複数設けられたパンチング板51の各々に対応して規定されている。各パンチング板51に対応する領域58は、複数設けられたパンチング板51間において繋がっている。
図4は、図3中の2点鎖線IVで囲まれた範囲を拡大して示すパンチング板の平面図である。図3および図4を参照して、本実施の形態では、パンチング板51に形成される複数の孔52が、領域56、領域57および領域58にそれぞれ形成された複数の孔52p、複数の孔52qおよび複数の孔52rからなる。
複数の孔52pは、その開口率(単位面積当たりの、複数の孔52pの開口面積)が最も小さくなるように形成され、複数の孔52qは、その開口率が次に小さくなるように形成され、複数の孔52rは、その開口率が最も大きくなるように形成されている。
図5は、図3中のパンチング板の変形例を示す平面図である。図5を参照して、本変形例では、領域56が、中心軸101が交差する位置を中心に円形状に広がって規定されている。領域57は、領域58の周縁に沿って帯状に延びるように規定されている。領域58は、領域57の周囲に規定されている。本変形例に一例を示すように、領域56〜58が規定される範囲の形状は適宜変更されてもよい。また、複数の孔52の開口率を変化させる段階は、図3および図5中に示す3段階に限られず、2段階であってもよいし、4段階以上であってもよい。
送風機41の特性として、ファン43の回転中心に近い位置では、送風量が大きくなり、ファン43の回転中心から遠い位置では、送風量が小さくなる傾向がある。このため、本実施の形態では、送風量が大きくなる位置で複数の孔52の開口率を小さく設定し、送風量が小さくなる位置で複数の孔52の開口率を大きく設定する。これにより、基板21の主表面が受ける風量に差が生じることを抑制し、ポリイミド膜の乾燥ムラをより効果的に抑えることができる。
このように構成された、この発明の実施の形態2におけるインク乾燥装置によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
(実施の形態3)
図6は、この発明の実施の形態3におけるインク乾燥装置を示す断面図である。図6は、実施の形態1における図2に対応する図である。本実施の形態におけるインク乾燥装置は、実施の形態1におけるインク乾燥装置10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図6は、この発明の実施の形態3におけるインク乾燥装置を示す断面図である。図6は、実施の形態1における図2に対応する図である。本実施の形態におけるインク乾燥装置は、実施の形態1におけるインク乾燥装置10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図6を参照して、本実施の形態では、パンチング板51が、パンチング板51と送風機41との間の距離L1がパンチング板51と基板21との間の距離L2よりも小さくなる位置に配置されている。より好ましくは、パンチング板51は、L1<L(=L1+L2)/5の関係を満たす位置に配置される。
このような構成によれば、送風機41からの送風によって生じる空気流れを、基板21からより離れた位置でパンチング板51により整流することができる。これにより、基板21に対する送風をより均一に行ない、ポリイミド膜の乾燥ムラを効果的に抑えることができる。
なお、送風機41からの送風による乾燥ムラを低減するという観点から、空間14の容積をより大きく設定して乾燥炉12を形成することが好ましい。
このように構成された、この発明の実施の形態3におけるインク乾燥装置によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
(実施の形態4)
図7は、この発明の実施の形態4におけるインク乾燥装置を示す平面図である。図中には、基板21が設置された空間14n内部の平面図が示されている。本実施の形態におけるインク乾燥装置は、実施の形態1におけるインク乾燥装置10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図7は、この発明の実施の形態4におけるインク乾燥装置を示す平面図である。図中には、基板21が設置された空間14n内部の平面図が示されている。本実施の形態におけるインク乾燥装置は、実施の形態1におけるインク乾燥装置10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
図7を参照して、本実施の形態では、排気口37が、矩形形状を有する基板21の周縁に沿って帯状に延びるように形成されている。このような構成によれば、空間14nから排気口37を通じて排気部36に向かう空気流れを、基板21の主表面上において均一に形成することができる。
図8は、図7中のVIII−VIII線上に沿った排気部を示す断面図である。図7および図8を参照して、排気部36は、ベース部材61および板部材62とを有する。ベース部材61には、排気口64が形成されている。板部材62には、排気口64とともに排気口37を構成する排気口65が形成されている。板部材62は、排気口64と排気口65とが重なるようにベース部材61に対して積層される。
このような構成によれば、ベース部材61に対して板部材62を矢印102に示す方向にスライドさせることによって、排気口64と排気口65とが重なる範囲を変化させる。これにより、排気口37において空気が通過する流通面積Sを変化させ、空間14内部の圧力や気流の制御を行なうことができる。この場合、送風機41の流量制御やパンチング板51に形成される孔形状の調整などとともに、空間14内部の圧力や気流制御を行なうためのツールを増やすことができる。これにより、高品質な配向膜を形成することが可能なインク乾燥装置をより簡単に実現できる。
このように構成された、この発明の実施の形態4におけるインク乾燥装置によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
なお、以上に説明した実施の形態1から4におけるインク乾燥装置の構造を適宜組み合わせて、新たなインク乾燥装置を構成してもよい。
続いて、均一なインク乾燥を実現するという本発明による効果を確認するために行なった実施例について説明する。
図9は、本実施例におけるインク乾燥装置を用いた場合の、仮乾燥後の配向膜の表面を示す平面図である。
本実施例では、図3中に示す構造を有するパンチング板51を用いた。一辺の長さが360mmとなる領域56に、直径4mmの孔を中心間ピッチ7mmで千鳥状に配置して形成し(開口率30%)、一辺の長さが510mmとなる領域57に、直径6mmの孔を中心間ピッチ9mmで千鳥状に配置して形成し(開口率40%)、それ以外の領域58に、直径8mmの孔を中心間ピッチ10mmで千鳥状に配置して形成した(開口率60%)。
また、送風機41による送風の風速を0.05m/secに設定した。また、排気量の調整により、基板21が設置される空間14と駆動部が設置される空間15との差圧を1.3Pa程度に抑えた。
図10は、比較のためのインク乾燥装置を用いた場合の、仮乾燥後の配向膜の表面を示す平面図である。比較のためのインク乾燥装置では、パンチング板51を設けずに送風機41からの送風が直接、基板21に向かう構造とした。
図9および図10を比較して分かるように、本実施例におけるインク乾燥装置を用いた場合、配向膜の表面に風紋のような模様が発生することを抑制することができた。これにより、均一なインク乾燥が実現されていることを確認できた。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、主に、液晶ディスプレイの配向膜を形成する工程において、基板に塗布された配向膜材料を乾燥させる装置として利用される。
10 インク乾燥装置、12 乾燥炉、14,14m,14n,15 空間、21 基板、31 昇降ピン、32 モータ、36,38 排気部、37,64,65 排気口、41 送風機、43 ファン、51 パンチング板、52,52p,52q,52r 孔、56,57,58 領域、61 ベース部材、62 板部材、101 中心軸。
Claims (9)
- インクが塗布された基板が設置される乾燥炉(12)と、
基板に対向して配置され、前記乾燥炉(12)内に空気を送る送風機(41)と、
前記乾燥炉(12)内に設けられ、基板と前記送風機(41)との間に配置され、空気が流通可能な複数の孔(52)が形成されるパンチング板(51)とを備える、インク乾燥装置。 - 前記送風機(41)は、回転することによって空気を圧送するファン(43)を有し、
前記ファン(43)の回転中心となる軸(101)を前記パンチング板(51)に向けて延長した場合に、前記複数の孔(52)は、前記軸(101)と交差する位置に相対的に近い前記パンチング板(51)上の領域よりも、前記軸(101)と交差する位置に相対的に遠い前記パンチング板(51)上の領域でその開口率が大きくなるように形成される、請求の範囲1に記載のインク乾燥装置。 - 複数の前記送風機(41)が、互いに間隔を隔てて設けられ、
前記複数の孔(52)は、その開口率が複数の前記送風機(41)の各々に対応して変化するように形成される、請求の範囲2に記載のインク乾燥装置。 - 前記パンチング板(51)は、前記送風機(41)から送られた空気が流入する空間(14m)と、基板が設置される空間(14n)とを区画するように設けられる、請求の範囲1に記載のインク乾燥装置。
- 前記パンチング板(51)は、前記乾燥炉(12)に設置された基板に平行に延在する、請求の範囲1に記載のインク乾燥装置。
- 前記パンチング板(51)は、前記送風機(41)と前記パンチング板(51)との間の距離が、前記パンチング板(51)と前記乾燥炉(12)に設置された基板との間の距離よりも小さくなる位置に配置される、請求の範囲1に記載のインク乾燥装置。
- 前記乾燥炉(12)内には、基板が設置される第1空間(14)と、基板を上下動させるための駆動部(32)が設けられ、前記第1空間(14)から空気が流入可能な第2空間(15)とが形成され、
前記乾燥炉(12)に接続され、前記第1空間(14)および前記第2空間(15)からそれぞれ空気を排気する排気部(36,38)をさらに備え、
前記第1空間(14)および前記第2空間(15)の圧力は、前記第1空間(14)の圧力が前記第2空間(15)の圧力よりも大きくなり、前記第2空間(15)の圧力が前記乾燥炉(12)の外部の圧力よりも大きくなるように設定される、請求の範囲1に記載のインク乾燥装置。 - 前記乾燥炉(12)に接続され、前記乾燥炉(12)内から空気を排気する排気部(36)をさらに備え、
前記排気部(36)は、前記乾燥炉(12)内に開口し、空気が流通する排気口(37)を有し、
前記排気口(37)は、前記送風機(41)に対して、前記乾燥炉(12)に設置された基板よりも後退した位置に設けられる、請求の範囲1に記載のインク乾燥装置。 - 前記乾燥炉(12)に接続され、前記乾燥炉(12)内から空気を排気する排気部(36)をさらに備え、
前記排気部(36)は、前記乾燥炉(12)内に開口し、空気が流通する排気口(37,64,65)を有し、
前記排気口(37,64,65)には、空気の流通面積を可変とする機構が設けられる、請求の範囲1に記載のインク乾燥装置。
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