JPWO2010082537A1 - アンダーキャップ - Google Patents

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Abstract

本発明は、帽子にヘルメット同様の充分な耐衝撃性を付与するためのアンダーキャップ10を提供し、このアンダーキャップ10は、帽子の内側に装着されて人体の頭部を覆うキャップ本体12と、このキャップ本体12に形成された緩衝部材14とを備え、可撓性材料から形成される。キャップ本体12は、人体の頭部の頭頂部に対応する頂面部12Aと、この頂面部12Aから周囲に延びるようにして形成されて下方に垂れることにより人体の頭頂部を除いた頭部を覆う周囲部12Bとを備えている。この周囲部12Bは、周囲部12Bを複数に分割しこれらの分割された複数の周囲部12Bの重畳又は離反を許容する複数のスリット16を有する。緩衝部材14は、上方に向けて開口する中空の円筒形状を有する複数の突起18から成っている。

Description

本発明は、例えば、野球帽、麦わら帽子等のファッションやスポーツ等のために一般的に着用される通常の帽子の内側に装着されて、頭部を衝撃から保護するアンダーキャップの改良に関するものである。
例えば、震災等の災害時や工事現場等においては、飛来物や落下物から人体の頭部を保護するため、ヘルメットを着用する必要が生じる場合がある。しかし、このヘルメットは、一般に、所定形状を有する硬質材料から形成されているため、日常的に携帯することは難しく、また、保管に際しても、大きなスペースを要する。また、比較的軽量であっても300g以上の重さを有するヘルメットは、着用すると頸椎を損傷したり、不快感を感じ、心身に影響を及ぼすおそれがあるため、咄嗟の事態に備えて平常時に着用したり、日常的に携帯することには抵抗感を伴うのが、実際であった。
これらの点を考慮して、近年では、帽子自体に頭部を保護する機能を付加し、コンパクトに折り畳んで容易に持ち運びできると共に軽量化を図った保護帽も提案されるに至っている(例えば、特許文献1乃至3等参照)。しかし、このように、帽子自体に頭部の保護機能を付加すると、帽子のデザイン選択の余地が限定され、着用者が気に入ったデザインの帽子を着用することができない問題があった。
このため、更に、緩衝性を有する材料から形成され、日常的に着用される帽子の内側に着用して使用するアンダーキャップ(インナーキャップ)も提案されるに至っている(例えば、特許文献4乃至6等参照)。これらのアンダーキャップは、専ら、その材質自体の特性により、耐衝撃性を確保しようとするものであるが、材料の選択だけでは、ヘルメット同様の充分な耐衝撃性能を付与することは困難であると同時に、耐衝撃性を高めようとすると、いきおい極端に厚い厚みを確保することが必要となり、これらのアンダーキャップの本旨であるファッション性の確保にも影響を及ぼす問題がある。
この点、材質だけでなく、アンダーキャップに突起を設ける等して耐衝撃性能を確保する保護帽、あるいは、アンダーキャップも提案されている(例えば、特許文献7及び8等参照)。しかし、これらの従来技術によっても、充分な耐衝撃性能を確保することはできなかった。
特開2001−115325号公報 特開2003−9324号公報 特開2006−124906号公報 特開2005−163228号公報 特開2007−138319号公報 特開2007−138320号公報 特開平10−72719号公報 特開2002−339140号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、日常的に容易に携帯可能で咄嗟の事態に対応することができ、かつ、着用者の好みやファッション性を損なうことなく、充分な耐衝撃性を備えるアンダーキャップを提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、帽子の内側に装着されて人体の頭部を覆うキャップ本体とこのキャップ本体に形成された緩衝部材とを備えたアンダーキャップにおいて、このアンダーキャップは、可撓性材料から形成され、キャップ本体は、人体の頭部の頭頂部に対応する頂面部と頂面部から周囲に延びるようにして形成されて下方に垂れることにより人体の頭頂部を除いた頭部を覆う周囲部とを備え、この周囲部は、周囲部を複数に分割し分割された複数の周囲部の重畳又は離反を許容する複数のスリットを有し、緩衝部材は、上方又は下方のいずれか又は両方に向けて開口する中空の円筒形状又は五角形以上の多角形状を有する複数の突起であることを特徴とするアンダーキャップを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、複数の突起は、キャップ本体のうち少なくとも人体の頭部の前頭部及び後頭部に対応する部分に形成されることを特徴とするアンダーキャップを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、複数の突起は、キャップ本体のうち人体の左右の側頭部に対応する部分にも形成され、側頭部に対応する部分に形成された突起は、前頭部及び後頭部に対応する部分に形成された突起よりも低く形成されていることを特徴とするアンダーキャップを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、キャップ本体及び緩衝部材は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、合成ゴム、ポリブデン、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリアリルスルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、フッ素樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ABS樹脂のうちのいずれか又はこれらの複合材から形成されていることを特徴とするアンダーキャップを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第4のいずれかの解決手段において、複数の突起は、少なくとも1.3mm以上の間隔を開けて配置されていることを特徴とするアンダーキャップを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、キャップ本体には通気孔が形成されていることを特徴とするアンダーキャップを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第1乃至第6のいずれかの解決手段において、キャップ本体は、頂面部と周囲部との境界に折り目加工が施されていることを特徴とするアンダーキャップを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第1乃至第7のいずれかの解決手段において、キャップ本体及び緩衝部材は発泡材料から形成されていることを特徴とするアンダーキャップを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第1乃至第8のいずれかの解決手段において、キャップ本体及び緩衝部材は、緩衝部材である突起の表面を被覆する発泡樹脂シートを有することを特徴とするアンダーキャップを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第10の手段として、上記第1乃至第9のいずれかの解決手段において、キャップ本体及び緩衝部材のうち人体の頭部側の面の少なくとも一部又は全部を被覆する布製カバーを更に備えていることを特徴とするアンダーキャップを提供するものである。
本発明によれば、上記のように、アンダーキャップを可撓性材料から形成しているため、折り畳んで携行することが可能であり外出先等における不意の事態にも対応することができると共に、複数のスリットによりキャップ本体の周囲部の重畳又は離反を許容しているため、年齢や性別を問わず様々な大きさの人体の頭部に対応して日常的に使用される帽子の内側に適切に装着することができるため、任意の帽子に適用して着用者の好みやファッション性を維持しつつ、同時に、上方や下方に開口した中空の円筒形状又は五角形以上の多角形状の複数の突起を緩衝部材としているため、中腹付近で適切に撓んで頭部に加わった衝撃を効果的に吸収することができ、充分な耐衝撃性能を確保することができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、強い衝撃が加わる可能性が高いと同時に、帽子を着用した場合に隙間ができやすい前頭部及び後頭部に対応する部分に緩衝部材である円筒形状の突起を形成しているため、ファッション性や着用者の好みに与える影響を最小限に止めつつ、効果的に頭部を衝撃から保護することができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、側頭部に対応する部分にも緩衝部材である複数の突起を形成すると共に、この突起を前頭部及び後頭部に比し低く形成しているため、ファッション性に最も影響を与える側頭部の膨らみを抑制してファッション性に与える影響を最小限に止めつつ、耐衝撃性を更に効果的に高めることができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、緩衝部材である複数の突起を適切な間隔を開けて配置しているため、これらの突起が中腹付近で適切に撓んで衝撃を吸収することができるため、可撓性を有するアンダーキャップでありながら、充分な耐衝撃性を確保することができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、キャップ本体及び緩衝部材である複数の突起を、比較的安価でありながら耐衝撃性に優れるポリエチレン等の適切な材料から形成しているため、全体の厚みをファッション性に大きな影響を与えることがない薄さに維持しつつ、緩衝部材である複数の突起の形状等と相俟って、充分な耐衝撃性を確保することができると共に、甚大なコストを要することなく、これを達成することができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、キャップ本体に通気孔を形成しているため、着用しても頭部が蒸れて不快感を感じるのを抑制することができ、日常的に着用される帽子の着用感を損なうことなく通常の帽子に装着しつつ、充分な耐衝撃性を確保することができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、キャップ本体は、頂面部と周囲部との境界に折り目加工が施されているため、アンダーキャップを帽子の内側に装着する際に、装着作業を円滑に行うことができると共に、アンダーキャップを、できるだけ帽子の自然な形状に沿って装着して、ファッション性に与える影響を最小限に止めることができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、キャップ本体及び緩衝部材を、例えば、発泡ポリエチレン等の発泡材料から形成しているため、充分な耐衝撃性を備えつつ、軽量化も図ることができるので、携行がより一層容易になり、外出先での不意の事態に適切に対応することができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、キャップ本体及び緩衝部材は、緩衝部材である突起の表面を被覆する発泡樹脂シート(例えば、高発泡ポリエチレンシート(スポンジ)等)を有しているため、着用解除後に頭部や髪に突起の跡が残存するのを防止することができる実益がある。
本発明によれば、上記のように、アンダーキャップのうち、人体の頭部側の表面の少なくとも一部又は全部が布製カバーにより被覆されているため、キャップ本体や緩衝部材である複数の突起等の樹脂製材料から形成された部分が直接頭部に接触した場合の装着感の低下、違和感の発生を防止して通常の帽子に近い装着感、使用感を確保することができると共に、特に、夏場等における頭部からの発汗を吸収することができる実益もある。
本発明のアンダーキャップの側面図である。 本発明のアンダーキャップを平面上に展開した状態の上面図である。 本発明のアンダーキャップを帽子に装着した状態を示す斜視図である。 図4は、本発明に用いられる突起を示し、同図(A)は湾曲部における拡大斜視図、同図(B)は平面部における拡大斜視図である。 本発明に用いられる突起の縦断面図である。 本発明に用いられる突起が衝撃を受けた状態の正面図である。
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明すると、図1乃至図3は、本発明のアンダーキャップ10を示し、このアンダーキャップ10は、図1乃至図3に示すように、帽子1の内側に装着されて人体の頭部を覆うキャップ本体12と、このキャップ本体12に形成された緩衝部材14とを備えている。
このアンダーキャップ10は、例えば、樹脂等の可撓性材料から形成される。このため、コンパクトに折り畳んで、カバンの中等に収納することができるため、外出等に際して携行することができ、必要な場合のみ取り出して着用することができると共に、硬質のヘルメット等と異なり、保管に際して、嵩張らず、大きなスペースを必要としない。
(1.帽子)
このアンダーキャップ10が内側に装着される帽子1は、図示の実施の形態では、図3に示すように、野球帽であるのが示されているが、その種類に特に限定はなく、いわゆるキャップ、ハットのいずれをも問わず、使用者が任意に選択した帽子1に幅広く適用することができる。
そのような帽子1として、一例を挙げれば、具体的には、例えば、野球やゴルフ等のスポーツの際に実際に選手が着用するキャップを挙げることができる。この場合、例えば、野球用の帽子であれば、これまで打席に立つ際には、ヘルメットで頭部を保護していたものの、守備の際には特に頭部への衝撃に対する配慮がなされていなかったが、本発明のアンダーキャップ10を着用することにより、守備の際にも打球や送球、人との衝突からの頭部の保護を達成することができる。同様に、ゴルフの際にも、飛来したゴルフボールからの頭部の保護に資することができる。更に、児童の運動用の紅白帽等に適用しても、転倒等の際の頭部への衝撃を低減することができる。
また、このようなスポーツ用の帽子1ではなくても、日常的に頭部に着用する布帽子や麦わら帽子、あるいは、手ぬぐい(ほっかぶり)等も挙げることができる。この場合、例えば、児童等の通学帽にも、簡易に適用することにより、硬質のいわゆるヘルメットを着用する場合と異なり、児童が抵抗なく受け入れやすく、児童の通学や歩行等の安全を確保することもできる。同様に、高齢者が着用する帽子1に適用すれば、転倒等の際に、頭部を衝撃から保護することができる。更には、任意の帽子1に使用することができるため、ファッションに敏感な女性でも抵抗なく受け入れることができる。
更には、このアンダーキャップ10の装着の目的や場所も、特に限定されるものではなく、例えば、旅行先やアウトドアレジャー等の外出先、また、オフィスや入院中の病院において緊急災害に遭遇した場合や、自転車や自動車の運転をする場合等、幅広い箇所で、幅広い目的で使用することができる。
(2.キャップ本体)
キャップ本体12は、図1乃至図3に示すように、人体の頭部の頭頂部に対応する頂面部12Aと、この頂面部12Aから周囲に延びるようにして形成された周囲部12Bとを備えている。この場合、特に、図2に示すように、キャップ本体12は、自由状態で展開した場合には、略円形の平板状態とすることができる一方、図1及び図3に示すように、に示すように、その可撓性により、頂面部12Aを中心として、周囲部12Bが下方に垂れ下がるように湾曲することができる。周囲部12Bは、このようにして下方に垂れ下がることにより、図3に示すように、人体の頭頂部を除いた頭部、具体的には、前頭部、後頭部、側頭部を覆うことができる。
この周囲部12Bには、図2に示すように、複数のスリット16が形成されている。これらの複数のスリット16により、周囲部12は、図2に示すように、複数に分割されると共に、図1に示すように、これらの分割された周囲部12Bが部分的に重畳すること又は離反することが許容される。このため、図3に示すように、アンダーキャップ10を帽子1の内側に装着する場合に、周囲部12Bを下方に垂らした状態で、その内径を当該帽子1のサイズに合わせて調整することができる。具体的には、帽子1の内径が小さい場合には、図1に示すように、分割された周囲部12Bの一部を重畳させて縮径することにより帽子1内に装着し、帽子1の内径が大きい場合にはスリット16を拡げて分割された周囲部12Bが相互に離反するように拡径することにより帽子1内に装着する。
なお、この場合、できるだけキャップ本体12が、頭部の全体を覆うことができるように、アンダーキャップ10のサイズを、通常想定される帽子1の中でも最大のサイズに合わせて比較的大きめに設定して、できるだけ分割された各周囲部12Bを重畳させるように設定することが好ましい。このように重畳させることにより、アンダーキャップ10を帽子1の内側に容易に着脱しつつ、装着時の強度を確保することもできる。また、この場合に、例えば、児童用の帽子等の比較的小さいサイズの帽子1に適用した場合に、周囲部12Bの一部が帽子1からはみ出す場合には、アンダーキャップ10を切断可能な材質から形成することにより、当該余剰部分を切断してはみ出さないように対応することができる。これにより、帽子1としてのデザインやファッション性に影響を与えるのを防止することができる。
また、これらの複数のスリット16の個数や、大きさ、形状については、帽子1への装着作業に却って手間を伴うことなく、適切にサイズ調整をすることができれば、特に限定はない。但し、これらの複数のスリット16の開始位置は、図1及び図2に示すように、周囲部12Bの垂れ下がりの勾配が急になり始める箇所に設定した方が好ましく、また、この始点に、図1乃至図3に示すように、円形の切り込み16aを形成して、分割された周囲部12Bの重畳又は離反を円滑に行うことができるようにすることが望ましい。なお、このキャップ本体12の厚みは、軽量化や帽子1のデザインに影響を与えないように、突起18を含めた全体の高さをできるだけ低減することができる範囲で、かつ、折り畳みに支障がない範囲で設定することが好ましく、具体的には、0.7mm〜1.5mm程度、望ましくは、0.8mm〜1.3mm程度に設定し、最も望ましい値として1.0mmを挙げることができる。
更に、このキャップ本体12には、図1及び図2に示すように、通気孔12aを形成することが望ましい。これにより、着用しても頭部が蒸れて不快感を感じるのを抑制することができ、日常的に着用される帽子1の着用感を損なうことなく通常の帽子1に装着しつつ、充分な耐衝撃性を確保することができる。この場合、これらの通気孔12aは、具体的には、図1及び図2に示すように、キャップ本体12のうち、頂面部12Aに形成することが好ましい。これは、蒸気の上昇を考慮してできるだけ、効率良く換気をするためである。加えて、このキャップ本体12の内側、即ち、着用者の頭部に直接接触する面には、布製の生地を縫製することにより、通常の帽子1と同様の着用感を確保することもできる。
(3.緩衝部材)
本発明における緩衝部材14は、特に、図4乃至図6に示す実施の形態においては、上方に向けて開口する中空の円筒形状を有する複数の突起18から成っている。このように、本発明においては、緩衝部材14である突起18の形状の特徴によって、これらの突起18に飛来物・落下物等の衝撃が加わった場合に、特に、図6に示すように、その中腹付近が撓むように弾性変形して衝撃を吸収し、後に述べる実施例に示すように、充分な耐衝撃性を実現することができる。
これは、例えば、中実の円柱形状とした場合には、図6のように、中腹付近で屈曲することが困難となり、衝撃が吸収されずに頭部に伝わりやすいが、本発明のように、中空の円筒形状とすることにより、中腹部での屈曲による衝撃吸収が円滑に行われるためであると考えられる。また、中実の円筒形状とした場合、突起の頂面に平板部が存在すると衝撃により加わった応力が当該平板部に集中しやすくなり、衝撃吸収性能が低下すると考えられる。更には、角形の突起であると、衝撃により加わった応力が、均等に分散しにくくなり、やはり、衝撃吸収性が低下する。この点、本発明では、上記のように、突起18を、中空の円筒形状で、かつ、開口した形状とすることにより、中腹を膨らませて効果的に衝撃を吸収することができ、また、例えば、突起18の一部にのみ衝撃が加わった場合でも、応力が均等に分散して衝撃を効率的に吸収することができる。
このことから、また、本発明における突起18は、必ずしも、上方に開口した中空の円筒形状に限定されるものではなく、同様に、中空であれば、中腹部での屈曲を確保することができるため、下方に開口させたり(キャップ本体12を貫通して頭部に開口する)、また、上方及び下方の双方に開口させることもできる。また、必ずしも、円筒形状に限定されるものではなく、比較的円形に近い形状であれば、同様に、衝撃による応力を分散して衝撃を効果的に吸収することができるため、五角形以上の多角形状とすることもできる。
また、このような形状に関する配慮のみならず、折り畳み可能な可撓性を有するアンダーキャップ10においては、その材質の選定も、効果的な耐衝撃性の確保のためには、重要な要素となる。即ち、特に、緩衝部材14である複数の突起18が硬すぎると、上記のような中腹での撓みが困難となり、衝撃が頭部に直接伝達されやすくなる。一方、柔軟すぎると、衝撃が加わった場合に圧縮されて潰れることにより、効果的に衝撃を吸収することができなくなる。同様に、この突起18を支えるキャップ本体12も、柔軟すぎると、衝撃を受けた突起18が撓むことなくキャップ本体12に潜り込んでしまう一方、硬すぎると折り畳むことが困難になると共に、装着したときの触感が低下する。このため、本発明においては、鋭利検討した結果、キャップ本体12及びこれらの複数の突起18を、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂から形成することが、緩衝部材14としての複数の突起18の上記中腹での撓みによる耐衝撃性を確保する上で最も望ましいことを突き止め、これらのポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂から複数の突起18及びキャップ本体12を形成することにより、コンパクトに折り畳みが可能な可撓性を備えつつ、充分な耐衝撃性能をも確保している。
また、このように、キャップ本体12と複数の突起18とを同じ材料から形成することにより、アンダーキャップ10全体を、例えば、射出成形等により、簡易に一体成形して製造することもでき、製造の手間やコストも低減することができる。とりわけ、繊維強化樹脂等の特殊な材料を使用することなく、また、比較的安価なポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂を使用しているため、低コストで製造、使用者への提供を実現することができる点でも、有利である。但し、これらのキャップ本体12及び複数の突起18の材質は、必ずしも、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂に限定されるものではなく、形状の工夫や材質の調整等により、ポリエチレン樹脂等と同様の耐衝撃性や可撓性を確保することができれば、他に、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、合成ゴム、ポリブデン、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリアリルスルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、フッ素樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ABS樹脂のうちのいずれか又はこれらの複合材等を使用することもできる。
更に、これらの複数の突起18については、これらの外形や材質のみならず、その高さも、耐衝撃性能を確保する上で重要な要素となる。具体的には、耐衝撃性能を高めるためには、突起18の高さをできるだけ高く設定することが望ましいが、高すぎると装着される帽子1のデザインに影響を与え、ファッション性の確保が困難となる。一方、低すぎると、撓みによる衝撃吸収能力が低下するおそれがある。この点、本発明においては、ファッション性に影響を与えることなく、充分な耐衝撃性能を確保することができる高さ(キャップ本体12から突出する部分のみの高さ)として、具体的には、好ましくは、7mm〜13mm、より望ましくは、8mm〜11mm程度(上記キャップ本体12の肉厚1.0mmを加えた全体の高さは、9mm〜12mm)、最も望ましい値として、10mmを挙げることができ、これによれば、特に、産業用安全帽に関する「JIS T8131」規格、ひいては、これと同様の試験方法を定める厚生労働省告示の保護帽規格における墜落による危険を防止するための規格にほぼ相当する耐衝撃性をクリアすることもできる。
また、これらの突起18については、この高さのみならず、外径や内径、更には、肉厚も、耐衝撃性能に影響を与えると考えられる。このため、開口を有する円筒形状の突起18について、外径は、好ましくは5mm〜8mm程度、より望ましくは、5.5mm〜6.5mm(次に述べるベスト値6.0mmに±0.5mmを含んだ値)に設定することができ、最も望ましい値として、6.0mmに設定することができる。この場合、肉厚は、厚すぎると中腹での膨らみによる衝撃吸収に欠け、一方、薄すぎると突起18が潰れすぎて衝撃が伝達されると考えられるため、1.0mm〜1.25mmとすることが望ましく、その結果、外径及び肉厚が定まれば、内径の適切な範囲も必然的に定まり、上記外径の好適な範囲から、内径は、好ましくは2.5mm〜6mm程度(下限値は、上記外径の好適な範囲の下限値5mmにおいて、1.25mmの肉厚とした場合の値、上限値は、上記外径の好適な範囲の上限値である8mmにおいて1.0mmの肉厚とした場合)、より望ましくは、3.0mm〜4.5mm(同様に、下限値は、上記外径の望ましい範囲の下限値5.5mmにおいて、1.25mmの肉厚とした場合の値、上限値は、上記外径の望ましい範囲の上限値である6.5mmにおいて1.0mmの肉厚とした場合)に設定することができ、最も望ましい値として、3.5mmに設定することができる。
これにより、上記材質及び形状上の特徴と相俟って、後述する実施例に示すとおり、可撓性材料でありながら、ヘルメット同様の耐衝撃性を有するJIS T8131規格に相当する試験に合格するレベルの高い衝撃吸収性能を実現することができ、従来の折り畳み可能な保護帽あるいはアンダーキャップの観念を根底から覆すことができた。
加えて、これらの各々の突起18の形状や材質、大きさだけではなく、これらの配置も、充分な耐衝撃性の確保を左右すると考えることができる。この点、本発明においては、これらの複数の突起18は、好ましくは、少なくとも1.3mm以上とする一方、あまりに疎とならないように10mm以下の間隔とすることが好ましく、より望ましくは、5mm程度の間隔を開けて配置することで、好適な配置としている。
また、これらの複数の突起18は、図1乃至図3に示すように、キャップ本体12のうち少なくとも人体の頭部の前頭部及び後頭部に対応する部分には形成する。これにより、帽子1の内側の中でも、特に前頭部及び後頭部付近は隙間ができやすいと同時にデザインに与える影響が少ないため、ファッション性や着用者の好みに与える影響を最小限に止めつつ、強い衝撃が加わる可能性が高い前頭部及び後頭部を効果的に衝撃から保護することができる。
一方、これらの複数の突起18は、図1乃至図3に示すように、キャップ本体12のうち人体の左右の側頭部に対応する部分にも形成することが望ましい。これにより、更に、頭部の保護機能を高めることができる。但し、この場合、この左右の側頭部に対応する部分に形成された突起18は、前頭部及び後頭部に対応する部分に形成された突起18よりも低く形成することが望ましい。これは、左右の側頭部は、前頭部及び後頭部に比べ強い衝撃が加わる可能性がそれ程高くはないことに加え、特に、帽子1の左右の側頭部に膨らみができると、前頭部及び後頭部に比べて、帽子1のデザインに与える影響が大きいので、これを抑制してファッション性に与える影響を最小限に止めつつ、耐衝撃性を更に効果的に高めるためである。この場合、これらの左右の側頭部に対応する部分に形成される突起18の高さは、上述した突起18の好ましい高さの範囲内で、前頭部及び後頭部に対応する部分に形成される突起18よりも低い高さに形成する。なお、これらの複数の突起18は、少なくとも人体の頭部の前頭部及び後頭部に対応する部分に形成すれば、キャップ本体12の全体に形成することを妨げるものではない。但し、その場合には、キャップ本体12の重畳時に、突起18同士が重なり合わないように配慮する必要がある。
(4.他の実施の形態1:材質)
なお、これらのキャップ本体12及び緩衝部材14は、発泡材料から形成することもできる。これにより、充分な耐衝撃性を備えつつ、軽量化も図ることができるので、携行がより一層容易になり、外出先での不意の事態に適切に対応することができる。この場合、発泡材料としては、具体的には、上述したポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等に発泡剤等を添加して発泡させたものを好適に使用することができる。
但し、この場合、その発泡率は2倍〜3倍程度の低発泡に設定することが好ましい。あまりに発泡率を上げると、剛性が低下し、自己保型性を確保することが困難になると共に、特に、緩衝部材14である突起18の中腹部での屈曲による衝撃吸収力が低下するおそれがあるためである。
(5.他の実施の形態2:発泡樹脂シート)
また、キャップ本体12及び緩衝部材14は、少なくとも緩衝部材14である突起18の表面を被覆する図示しない発泡樹脂シートを有する形態とすることもできる。この発泡樹脂シートを使用すると、着用解除後に頭部や髪に突起18の跡が残存するのを防止することができる。この発泡樹脂シートとしては、具体的には、例えば、高発泡ポリエチレンシート(スポンジ)等を使用することができ、また、突起18の跡を残存させないためには、全ての突起18全体を覆うように発泡樹脂シートを設置することが好ましい。
(6.他の実施の形態3:布製カバー)
更に、本発明のアンダーキャップ10は、図示しない布製カバーを備えることもできる。具体的には、キャップ本体12の形状にほぼ付合して形成された図示しない布製カバーを形成し、この布製カバーにより、キャップ本体12及び緩衝材14のうち、人体の頭部側の表面の少なくとも一部又は全部を布製カバーにより被覆することができる。
これにより、人体の頭部は布製カバーに接触することになるため、キャップ本体12や緩衝部材14である複数の突起18等の樹脂製材料から形成された部分が直接頭部に接触した場合の装着感の低下、違和感の発生を防止して通常の帽子に近い装着感、使用感を確保することができると共に、特に、夏場等における頭部からの発汗を吸収することができる。従って、この布製カバーとしては、通常の帽子に使用される布と同様の材質のものを使用することが好ましい。
次に、本発明のアンダーキャップ10において、適切な緩衝部材14(突起18)を得るために行った各種実験例について説明する。具体的には、まず、適切な材質の選択のために、一般の産業用ヘルメットにおいても緩衝材として使用されている発泡スチロールについて、衝撃吸収試験を行った。この衝撃吸収試験は、JIS T8131規格に準拠して行った。具体的には、人頭模型の前頭部又は後頭部に相当する部位に発泡スチロールをセットし、この発泡スチロールに1mの高さから5kgのストライカーを自由落下させて衝撃吸収性能を数値で表す試験を行った。なお、この規格においては、衝撃吸収値が、10kN未満となることが合格の基準となる。
この場合において、40倍発泡スチロール(発泡倍率を40倍に設定して成形された製品)を使用して、実験例1として立方体の箱型形状(高さ15mm、幅及び奥行き10mm)、実験例2として中空の円筒形状(高さ10mm、直径25mm、内径15mm、肉厚10mm)、実験例3として台形状(高さ10mm、下辺の幅20mm、上辺の幅17mm)の形状をそれぞれ設定した。これらの実験例1〜実験例3についての試験結果を、次の表1に示す。
Figure 2010082537
これらの実験例1から実験例3は、一般的な緩衝材として使用されている発泡スチロールで、できるだけ高さを低くした形状で、衝撃吸収性を確保することができないかを確認するために行ったものである。しかし、表1から解るように発泡スチロールから成る緩衝部材14では、高さを15mmとした実験例1でも、JIS規格相当の試験に合格することはできないことが判明した。このため、発泡スチロールは、コンパクトに折り畳んで携行可能とする必要があるアンダーキャップの材質としては不適格であるとの結論に達した。
そこで次に、可撓性を有しつつ緩衝作用があると考えられるその他の材質についても、同様に、JIS規格に準拠して、衝撃吸収試験を行った。具体的には、実験例4として角形スポンジ(高さ20mm)、実験例5として外層が塩化ビニル樹脂で内層が発泡ポリエチレンから形成された断熱用ホース(直径35mm、内径10mm、肉厚25mm:因幡電工社製品番PME−16−10φ)を20mmの長さに切断(輪切り)して開口を上下に向けて設置したもの(高さ20mm)、実験例6として梱包材として使用されるエアークッション(いわゆるプチプチ(登録商標):高さ30mm)、実験例7として枕等に使用されるウレタンフォームから成る角形低反発材(高さ100mm:京都西川社製)、実験例8として同じくウレタンフォームから成る角形低反発材(高さ35mm:京都西川社製)、実施例9として100mm四方の角形発泡ポリエチレン(高さ20mm)、実験例10として同じく100mm四方の角形発泡ポリエチレン(高さ30mm)、更に実験例11として厚さ20mmのウレタンフォームから成る角形低反発材(高さ20mm:京都西川社製)の上にポリエチレン樹脂から成る円筒を設置したもの(全体の高さ35mm)使用して、衝撃吸収試験を行った。その結果を、次の表2に示す。
Figure 2010082537
これらの実験例4〜実験例11は、できるだけ高さを低くしてファッション性に影響を与えなることなく衝撃を適切に吸収することができる材質を模索するために行ったものである。この表2から解るように、低反発材を使用した実験例7は合格基準をクリアしたが、高さが100mmであり、一般の帽子の内側に装着することは困難であることが判明した。高さを20〜35mmの範囲に設定した実験例では、実験例11を除き、いずれの材質についても、JIS規格相当の試験をクリアすることができなかった。
このことから、実験例11において使用したポリエチレン樹脂、及び、これと同等の性質を有するポリプロピレン樹脂を使用すれば、コンパクトに折り畳んで持ち運ぶことができつつ、充分な耐衝撃性能を実現できる可能性があることを突き止めた。但し、この実験例11においても、全体の高さは35mmであり、帽子1の内側に装着するためには、更なる薄型化が望まれる。この場合、円筒自体の高さもさることながら、下地材(キャップ本体12に相当)として低反発材を使用したことから、ある程度の厚みが必要となった可能性があるため、次に、材質としてポリエチレン樹脂から成る円筒に絞って、より全体の高さを抑えることを試みつつ充分な衝撃吸収性能を確保できる限界を模索した。
この場合、ポリエチレン樹脂から成る円筒の衝撃吸収結果が良好であったことから、下地材としても、同じくポリエチレン樹脂、又は、これとほぼ同質のポリプロピレン樹脂を使用すれば、更に高さを低減しても、充分に衝撃を吸収することができると考え、厚さ1mmの板状のポリプロピレン樹脂の上に、各種形状を有するポリエチレン樹脂から成る円筒を設置して、好適な例を探った。具体的には、実験例12として高さ13mmのリブ付き有底円筒(円筒の中腹付近から下辺にかけての側面の3箇所にリブが形成されたもの)を、実験例13として高さ7.3mmの無底円筒を、実験例14として高さ7.2mmの有底円筒を、実験例15として高さ10mmの有底円筒を、実験例16として高さ9mmの有底円筒をそれぞれ設定した。なお、この場合、実験例13及び14については、複数の円筒を間隔を開けることなく設置する一方、実験例15については5mmずつの間隔を開けて、また、実験例16については3mmずつの間隔を開けて複数の円筒を設置した。実験例12については、リブ同士を隣接させて複数の円筒を配置することにより円筒本体はリブの奥行き分だけ離れて設置された状態とした。また、これらの円筒は、いずれも、直径が6mm、内径が4mm、肉厚が1mmであった。これらの実験例14〜16についても、実験例1〜11と同様に、JIS規格に準拠して衝撃吸収試験を行った。その結果を、次の表3に示す。
Figure 2010082537
この表3から解るように、複数の円筒を間隔を開けて配置した実験例15(円筒の高さ10mm:板状のポリプロピレンの厚み1mmを含めた全体の高さは11mm)及び実験例16(円筒の高さ9mm:板状のポリプロピレンの厚み1mmを含めた全体の高さは10mm)、のみがJIS規格相当の試験をクリアして充分な耐衝撃性能を確保することができた。
一方、この表3において、リブ付の円筒を使用した実験例12については、基準値をクリアできなかったことから、円筒は、図6に示すように中腹付近で撓むことにより衝撃を吸収していることが推測された。即ち、実験例12については、円筒側面に形成されたリブが、円筒が撓むことを抑制するため、充分に衝撃を吸収することができないことが判明した。
同様に、円筒間に間隔を設定しなかった実験例13及び実験例14についても、基準値をクリアすることができなかったのは、円筒が密接して配置された結果、衝撃を受けた際に、図6に示すように、中腹付近で膨らんで衝撃を吸収することが制限されたためと考えられる。このことから、円筒は、その中腹付近で撓むことにより衝撃を吸収していると考えられ、緩衝部材14である突起18を設置するに際しては、相互に、ある程度の間隔を開けて設置すべきとの結論に達した。
そこで、更に、この円筒(突起18)間に、少なくとも、どの程度の間隔を設定すれば、図6に示すように円筒が中腹で撓むことができるかを検討するため、最も良好な結果であった実験例16について衝撃を受けた際に膨らんだ中腹付近の最大の外径(d:図6参照)を測定したところ、7.3mmであった。即ち、自然状態における直径である6mmから、全体として1.3mm、左右に各々0.65mm膨らんで衝撃を吸収していた。このことから、各円筒(突起18)について少なくとも左右に0.65mmの膨らみを許容することができる間隔、具体的には、2つの円筒間では、少なくとも各々の円筒の左右への膨らみの倍である1.3mm以上の範囲で、上限としてあまりに疎とならない間隔、具体的には5.0mm程度までに設定すれば、JIS規格相当の試験をクリアして充分な耐衝撃性能を確保できることが確認された。事実、円筒間の間隔が1.3mm以上5.0mm以下である実験例15及び実験例16とも、JIS規格相当の試験をクリアして充分な耐衝撃性能を確保することができている。
本発明は、野球帽、ゴルフ帽、児童用の紅白帽等の各種スポーツ用の帽子や、児童の通学帽、更には、ファッションのために着用される布帽子や麦わら帽子等、キャップ、ハットを問わず、幅広く適用することができる。

Claims (10)

  1. 帽子の内側に装着されて人体の頭部を覆うキャップ本体と前記キャップ本体に形成された緩衝部材とを備えたアンダーキャップにおいて、前記アンダーキャップは、可撓性材料から形成され、前記キャップ本体は、人体の頭部の頭頂部に対応する頂面部と前記頂面部から周囲に延びるようにして形成されて下方に垂れることにより前記人体の頭頂部を除いた頭部を覆う周囲部とを備え、前記周囲部は、前記周囲部を複数に分割し前記分割された複数の周囲部の重畳又は離反を許容する複数のスリットを有し、前記緩衝部材は、上方又は下方のいずれか又は両方に向けて開口する中空の円筒形状又は五角形以上の多角形状を有する複数の突起であることを特徴とするアンダーキャップ。
  2. 請求項1に記載されたアンダーキャップであって、前記複数の突起は、前記キャップ本体のうち少なくとも前記人体の頭部の前頭部及び後頭部に対応する部分に形成されることを特徴とするアンダーキャップ。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載されたアンダーキャップであって、前記複数の突起は、前記キャップ本体のうち前記人体の左右の側頭部に対応する部分にも形成され、前記側頭部に対応する部分に形成された突起は、前記前頭部及び前記後頭部に対応する部分に形成された突起よりも低く形成されていることを特徴とするアンダーキャップ。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたアンダーキャップであって、前記キャップ本体及び前記緩衝部材は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、合成ゴム、ポリブデン、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリアリルスルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、フッ素樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ABS樹脂のうちのいずれか又はこれらの複合材から形成されていることを特徴とするアンダーキャップ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたアンダーキャップであって、前記複数の突起は、少なくとも1.3mm以上の間隔を開けて配置されていることを特徴とするアンダーキャップ。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載されたアンダーキャップであって、前記キャップ本体には通気孔が形成されていることを特徴とするアンダーキャップ。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載されたアンダーキャップであって、前記キャップ本体は、前記頂面部と前記周囲部との境界に折り目加工が施されていることを特徴とするアンダーキャップ。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載されたアンダーキャップであって、前記キャップ本体及び前記緩衝部材は発泡材料から形成されていることを特徴とするアンダーキャップ。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載されたアンダーキャップであって、前記キャップ本体及び前記緩衝部材は、前記緩衝部材である前記突起の表面を被覆する発泡樹脂シートを有することを特徴とするアンダーキャップ。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載されたアンダーキャップであって、前記キャップ本体及び前記緩衝部材のうち前記人体の頭部側の面の少なくとも一部又は全部を被覆する布製カバーを更に備えていることを特徴とするアンダーキャップ。
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