JP3196499U - 簡易保護帽 - Google Patents

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Abstract

【課題】収納・保存時には扁平に折り畳むことが可能で、使用時には簡単かつ短時間に立体的な帽子形状に組み立てて装用することが可能な簡易保護帽を提供する。【解決手段】長尺のクッション材を渦巻状に巻き取って形成した帽体10と、帽体の縁部に取り付けられた顎紐2とを備え、帽体は中央部を押し出すことで扁平な円盤形状から立体的な帽子形状に変形可能な簡易保護帽1としている。また、帽体上部には硬質材料からなる外殻板を備え、上面部及び側面部を布製のカバーキャップ11によって覆う構成とすることもできる。【選択図】図2

Description

本発明は、主に災害発生時に避難する際に落下物等から頭部の保護を図ることができる簡易保護帽に関するものである。より詳しくは、立体的な帽子形状で頭部に装用することが可能でありつつ、未使用時や使用後には扁平に変形して、収納性に優れると共に、避難後に携帯可能なクッション(座布団)として利用することも可能とされた簡易保護帽に関するものである。
地震や火災のような災害発生時に避難する際に落下物等から頭部の保護を図ることは、避難を成功させる上で最も重要な事項であり、従来より防災頭巾や簡易保護帽が利用されている。これらは、合成樹脂を立体的に成型して得た保護帽と比較すると強度等で見劣りする場合もあるものの、平時には折り畳んだり扁平に変形したりして身近に容易に収納可能な工夫がされているものも多く流通しており、公共施設や学校のように人が多く集まる施設には防災頭巾や簡易保護帽を備えることがしばしば行われている。
このような防災頭巾の例として、例えば特開2013−22039号公開特許公報には、長尺のアラミド繊維体を中央部分で二つ折りにして一端部を開閉自在な開放端とし他端を縫着した閉鎖端とした防災頭巾が開示されている。この防災頭巾ではさらに、頭頂部への落下物の衝撃を緩和可能とするため、低反発ウレタンで構成したクッション材を防災頭巾の頭頂部とその周りに設けている。これによって、鋭いエッジを有する落下物による切傷を防止しつつ、重量ある落下物の衝撃を緩和可能とし、また、未使用時にはA4サイズ程度に折り畳み収納可能な防災頭巾としている。
また、簡易保護帽の例として、特開2000−110022号公開特許公報に開示されたものを挙げることができる。この簡易保護帽は、中空部を有する袋体を備えたことを大きな特徴としており、袋体に充填材を詰めことで立体的に変形して装用可能となる。充填材としては、炭酸ガスのようなガスを利用可能であるので、小型の炭酸ガスボンベを備えておき、これを袋体に接続して充填材である炭酸ガスを充填すれば頗る容易に簡易保護帽を立体的に変形することができる。
これらは平常時には小さく変形して家庭や職場にコンパクトに収納し、災害発生時にはこれを帽子や頭巾として装用可能としたものであり、簡易的な防災具として価値が高いものである。
特開2013−22039号公開特許公報 特開2000−110022号公開特許公報
しかしながら、特開2013−22039号公開特許公報に開示された発明の例では、強靭なアラミド繊維体によって鋭利な落下物等による切傷は防げると期待できるものの、クッション材の厚みを十分に確保することが容易でなく、尖っていたり重量が大きな落下物の場合には衝撃がそのまま頭部に伝わってしまいやすいという課題がある。また、特開2009−062664号公開特許公報に開示された発明の例では、小さく折りたたまれた状態の簡易保護帽を開くのみで立体的な帽子形状が得られるものの、熱可塑性樹脂シートにヒンジ加工及び打ち抜き加工する金型或いは熱可塑性樹脂成型物を成型する金型が必要であり、これら金型は簡易保護帽を平面に展開した相当な大きさのものになることから製造に要する初期投資が相当に大きくなってしまう。同じ理由により、大人用と子供用のように、利用者に応じた様々なバリエーションの製品を製造することも困難になる。しかし、そもそも簡易保護帽は一般の職場や公共施設、学校や幼稚園・保育園などに常備されべきものであり、これを具備する施設に応じたサイズ等のバリエーションの簡易保護帽を準備しなければその効果を十分に発揮することが難しい。
したがって、本考案が解決しようとする課題は、小さく扁平に折りたたんで収納することが可能かつ、災害時には容易に立体的な帽子形状に変形して装用することができ、かつ低価格で製造可能である簡易保護帽を提供することである。また、避難完了後には、携帯可能なクッション(座布団)として利用可能な簡易保護帽を提供することも本考案が解決しようとする課題としている。
(1)上記課題を解決するため、本考案においては、
少なくとも幅が15mm以上かつ厚みが5mm以上である長尺のクッション材を渦巻状に巻き取って形成した帽体と、
該帽体の縁部に取り付けられた顎紐とを備え、
該帽体は中央部を押し出すことで扁平な円盤形状から立体的な帽子形状に変形可能とされている、
ことを特徴とする、簡易保護帽としている。
本考案は、長尺のクッション材を頭部の直径を超える程度になるまで渦巻状に巻き取って帽体としているので、クッション材の幅がそのまま帽体の厚みになる。このため、クッション材の厚みが十分に大きな帽体を得ることができ、重量ある落下物に対しても相当に衝撃を吸収することができる簡易保護帽が得られる。クッション材の厚みが衝撃の吸収性能に大きく影響するため、長尺のクッション材の幅は少なくとも15mm以上とすることが好ましく、より好ましくは25mm以上、さらに好ましくは35mm以上とすると良い。25mmの厚みのクッション材によれば衝撃の吸収性は一般の保護帽のそれと遜色なく、さらに、35mmの厚みのクッション材によれば鋭いエッジを有する落下物であっても貫通することなく頭部を切傷から保護することができるからである。
また、長尺のクッション材の厚みは少なくとも5mm以上であり、好ましくは7mm乃至13mm程度であることが良い。しかし、最大でも15mm以下であることが好ましい。クッション材の厚みが薄すぎると、帽体として必要な直径になるまで渦巻状に巻き取るために必要なクッション材の長さが長くなりすぎて生産性が極端に落ちてしまうほか、巻き取られたクッション材間の密着部があまりに多いとこの部分に鋭利な落下物が入り込んで貫通してしまう危険が高まるため、クッション材の厚みは少なくとも5mm以上であることが好ましい。一方で、クッション材の厚みが厚くなりすぎると、渦巻状に巻き取る際に折れが発生するなどしてうまく巻き取ることが困難になる。この為、クッション材の厚みは最大でも15mm以下であることが好ましく、特に好ましくは7mm乃至13mmとすると良い。
また、クッション材の材質は、衝撃の吸収性に優れる発泡ポリウレタン樹脂、あるいはスチレンブタジエンゴム(SBRスポンジ)を原料とする発泡ゴム使用することができるが、これに限られない。要は、適当に弾性があって容易に折損せず、衝撃の吸収性に優れた材料であれば任意のものを使用可能である。なお、保護帽にしばしば使用される発泡スチロールは、変形させようとした際に容易に折損してしまうために好ましい選択ではない。
本考案は災害時の避難の際などに簡易保護帽として使用するものであるので、装用した際に頭部に安定に固定可能でなければならない。この為に、一般の保護帽が備えるものと同様の顎紐を備えている。顎紐は、帽体の縁部に任意の方法で取り付けることができるが、例えば、いわゆる鳩目やリベットによって帽体を構成するクッション材に固定することが作業性が良く、かつ、強固な固定ができる点で好ましい。なお、渦巻状に巻き取った長尺のクッション材がほどけないようにするため、巻き終わりの部分を固定する必要があるが、この固定に鳩目やリベットを使用することとし、これを同時に顎紐の固定にも使用すると合理的である。また、使用者によって適切な顎紐の長さが異なるため、顎紐にはいわゆるアジャスターを備えておくことが好ましい。
扁平な円盤形状とは、図1に実施例を示す通り、長尺のクッション材を渦巻き状に巻き取った際に得られる形状であり、扁平で未使用時にコンパクトに収納するのに適している。また、この状態は厚みが長尺のクッション材の幅の厚みである円盤形状であるから、簡易保護帽として避難の際に利用したのちに、この扁平な円盤形状にすると携帯可能なクッション(座布団)として利用することも可能である。避難完了後の待機時に少しでも快適に過ごせることが好ましいことは言うまでもなく、厚みのあるクッションはこの目的に貢献するものである。
中央部を押し出して立体的な帽子形状に変形するとは、図3に実施例を示す通り、渦巻き状に巻き取ったクッション材の各ターンを少しずつ滑らせつつ中央部を押し出して椀状に突出させることで帽子形状として装用可能とすることを意図している。このように変形させると、帽体の帽子形状、すなわち、深さやカーブは個人に合わせて相当自由に調整することができ、一種類の簡易保護帽を利用者の頭の大きさや形状によらずに利用することができる。実使用の場面では、円盤形状の帽体を頭に押し付けるようにすると、勝手に帽体が利用者にあった帽子形状に変形するので、実際の組み立ては頗る容易である。
なお、帽体には図1に現れているように縁部から中心を通って他の縁部に至るようなバンド少なくとも1本、好ましくは2本以上を設けることが好ましい。また、2本のバンドを設けた場合にはこれらが略直交するようにされていることがより好ましい。扁平な円盤形状とされた帽体の中央部を押し出す際に、全体がバランス良く椀状に押し出されれば良いのだが、中央部等の特定の箇所のみが押し出されてしまうと渦巻状に巻き取られた長尺のクッション材が隣接するターンから抜け出て巻きがほどけてしまうことが起こり得る。巻きがほどけてしまうと、元の状態を回復するには丁寧に長尺のクッション材を巻き直す他なく、災害が発生して避難を要する際にこのような事態を発生することは大いに好ましくない。そこで、帽体に設けたバンドで渦巻状に巻き取られた長尺のクッション材を押さえ、特定のターンが抜け出て巻きがほどけるという事態を防止するのである。
特定のターンが抜け出て巻きがほどけるという事態を防止するために、渦巻き状に巻き取られた長尺のクッション材をバンドで押さえる代わりに、図3に示すように、帽体の内部を一方の縁部から他方の縁部に貫通するように紐体を設けてもよい。
さらに、前記バンドや前記紐体は弾性を有する素材製のもの、例えば、ゴムバンドやゴム紐で構成すると良い。実際には、バンドや紐体に弾性が無くても、クッション材のクッション性によって帽体が適当にたわんだり圧縮されたりすることによって、帽体が立体的な形状に変形することができるが、より自由な変形を可能にするために、バンドや紐体に適度な弾性があることがより好ましいのである。
(2)上記課題を解決するため、本考案においては、
少なくとも厚みが15mm以上である平板のクッション材を渦巻状にカットして形成した帽体と、
該帽体の縁部に取り付けられた顎紐とを備え、
該帽体は中央部を押し出すことで扁平な円盤形状から立体的な帽子形状に変形可能とされている、
ことを特徴とする、簡易保護帽としている。
本考案は、(1)に記載の構成とほぼ同様の構成・機能を別の手段で得たものである。具体的には、長尺のクッション材を渦巻状に巻き取って帽体を構成することに変えて、厚みが15mm以上である平板のクッション材を渦巻状にカットして帽体を得ている。このようにすることで、(1)とほぼ同一の構成の帽体が得られるが、長尺のクッション材を巻き取るという作業が必要なく、平板状のクッション材をカットするのみで帽体が得られるので、製造を短時間に容易に行うことができるという利点がある。カット作業自体は、いわゆるトムソン型によって材料を打ち抜くことによって完了するので、特に大量に簡易保護帽を製造する際には、全体の費用中に占めるトムソン型の費用の割合が相対的に小さくなるために好ましい構成となる。
また、長尺のクッション材を渦巻状に巻き取った構成と異なり、場所によって渦巻きの幅を変えることも容易である。具体的には、あまり立体的ではなく平面的な頭頂部付近は幅を広くし、より立体的な立ち上がりが急峻な側面部付近は幅を狭くすることが好ましい。このような構成は、図4に示した本考案の一実施例の帽体にも表れている通りであり、同図の例では頭頂部付近は切れ目のない大きな面としており、強度的に有利であるほか、カット線に沿って鋭利な落下物が貫通して頭部を切傷する恐れも少なくなる点で好ましい。
(3)上記課題を解決するため、本考案においては、
前記帽体の縁部に延長して一体に設けられた鍔部を備えている、
ことを特徴とする、(2)に記載の簡易保護帽としている。
簡易保護帽として、落下物から頭部を保護することが最も重要な機能であることは言うまでもないが、目を含む顔面や首筋のような部位は小さな切傷でも重篤な結果を招きかねない重要な個所であるので、これらの部分の保護をも可能であることが好ましい。そこで、本考案においては平板のクッション材をカットする際に、渦巻状の帽体の縁部に鍔部を設けて、簡易保護帽の装用時に顔面や首筋に落下物が直接衝突することを防止するようにしている。
鍔部は、図4に示した本考案の一実施例に現れている通り、帽体部の外縁にいわゆるサンバイザーのように延長するように設けると良い。また、この例では、顔面を保護する前方の鍔部だけでなく、首筋を保護するために後方にも鍔部を設けている。鍔部の大きさや形状は適宜設定すればよく、このような構成では、常時には扁平で収納に便利な形状として保管し、災害時には立体的な帽子形状で鍔をも備えた簡易保護帽とすることができる。
(4)上記課題を解決するため、本考案においては、
前記帽体の上面に硬質材料からなる外殻板を備え、
該外殻板には放射状又は渦巻き状の切れ込みが設けられている、
ことを特徴とする、(1)乃至(3)のいずれか一に記載の簡易保護帽としている。
すでに説明した通り、本考案に係る簡易保護帽の帽体は厚みのあるクッション材によって構成しており、重量のある落下物であっても衝撃を吸収して頭部の保護が図られる。また、厚みがあるために、ガラス片のような鋭いエッジのある落下物に対しても、これがクッション材に喰いこむ過程で停止するなど、切傷を防止する一定の効果が見込める。しかし、鋭いエッジのある落下物の大きさや角度によってはクッション材を貫通してしまい、頭部に切傷を負ってしまう可能性が残っている。
しかし、本考案の構成によれば、クッション材からなる帽体の上面に硬質材料からなる外殻板を備えているので、鋭いエッジのある落下物であっても貫通することなく頭部の保護が図られる。また、外殻板には放射状又は渦巻き状の切れ込みを設けているので、帽体を立体的に組み立てた際に外殻板も立体的に変形して装用に適した形状となる。
なお、帽体と外殻板の固定は帽体の外縁部と外殻板の外縁部を弱く固定すると良い。ここで弱く固定するとは、弛みのある紐や弾性のある紐で縫止するように、帽体と外殻板が分離することはないがある程度の遊びをもって取り付けられている状態を指している。弱く固定する理由は、帽体を立体的に変形しようとした際に、外殻板が強固に固定されているとこのような変形が不可能になってしまうので、お互いが分離はしないがそれぞれが個別に変形して、結果として一体を維持したままに立体的な帽子形状とすることを可能にするためである。
また、このような変形は、一点であれば帽体と外殻板を強固に固定しても可能であるので、強固な固定を行う場合には帽体と外殻板のそれぞれの中央部付近、つまり、頭頂部付近で強固な固定を行うことが好ましい。中央部付近で強固な固定を行うと、帽体と外殻板の位置ずれを発生する懸念が無くなり、簡易保護帽を装用した際に最良の状態で頭部の保護を図ることができるからである。
(5)上記課題を解決するため、本考案においては、
上面部及び側面部が布製のカバーキャップによって覆われている、
ことを特徴とする、(1)乃至(4)のいずれか一に記載の簡易保護帽としている。
簡易保護帽はしばしば小学校の児童等に災害時に備えて配布されるため、児童の興味と好感を惹起するような意匠を簡易保護帽に施すことには実運用上大きな意味がある。また、災害時に簡易保護帽の装用者を容易に発見できるように目立つ色彩を施すなどすれば、実用上の価値も高い。しかし、帽体を渦巻状としたクッション材で構成してこれの中央部を押し出して立体的な帽子形状に変形させる本考案においては、帽体に美しい意匠を施すことはやや困難である。そこで、本考案においては、美しい意匠を施した布製のカバーキャップを被せた構成とすることが好ましい。原料布の段階で任意の意匠を自由に施すことが可能であり、これを被せることで上面や側面部に美しい意匠が表れるようにすることが容易だからである。
また、カバーキャップによって覆われた簡易保護帽を扁平な円盤状にすれば、構造的には布製のカバーをかけたクッション(座布団)とみなすことができる。よって、災害時の避難中は簡易保護帽として利用し、避難完了後はクッションとして使用する際に都合がよい。特に、カバーキャップを防水性のある布製とすれば、避難地の地面が濡れた状態である場合の待機時の快適性を大いに改善できる。
カバーキャップの構成は、一般にインナーキャップやケータリングキャップ等の名称で流通しているものと同様とすることができる。例えば、特開2008−266817号公開特許公報の図1に現れているように、口の大きな袋状のクラウン部の開口部周縁部にゴム紐のような伸縮性を有するバンドを備えたものとし、簡易保護帽の帽体に被せるとその上面と側面を覆った状態で固定するようにすればよい。なお、カバーキャップに蓄光塗料を適用する、または、蓄光塗料を含むテープ等を縫止しておくことが好ましい。夜間などに避難者を発見する一助になり得るからである。
さらに、カバーキャップを難燃繊維製の布によって構成すれば、火災時の避難中に火の粉その他の着火源になり得る落下物があっても、簡易保護帽が着火してしまう恐れがなくなり、より安全な避難に寄与できる点で好ましい。特に、アラミド繊維は優れた難燃性を備えるのみならず、非常に強靭でもあり、鋭利な落下物に対しても貫通させずに頭部を保護できるという利点があるので、カバーキャップの原料素材として非常に好ましい。
(1)長尺のクッション材を渦巻状に巻き取って形成した帽体の中央部を押し出すことで扁平な円盤形状から立体的な帽子形状に変形可能な構成としたので、扁平な円盤形状として未使用時にコンパクトに収納し、使用時には使用者の頭の大きさや形状に合わせた立体的な帽子形状として装用可能な簡易保護帽を提供できる。また、少なくとも幅が15mm以上かつ厚みが5mm以上である長尺のクッション材を使用したので、帽体のクッション材の厚みが十分に厚く落下物の衝撃をよく吸収して頭部の保護を図れる簡易保護帽とすることができ、かつ、製造性にも優れるという効果がある。さらに、顎紐を備えたので、使用時に簡易保護帽を安定して頭部に固定することができる。
(2)少なくとも厚みが15mm以上である平板のクッション材を渦巻状にカットして形成した帽体としたので、(1)とほぼ同様の機能が異なる設計で得られる。また、長尺のクッション材を巻き取るという作業が必要なく、平板状のクッション材をたとえばトムソン型によって打ち抜くことで帽体が完成するので量産性に優れ、安価に簡易保護帽を大量に提供できるという効果がある。また、頭頂部のみを切れ目のない大きな面とすることで、強度に優れ、かつ、カット線に沿って鋭利な落下物が貫通して頭部を切傷する恐れも少なくなるという効果がある。
(3)帽体の縁部を延長して一体に設けた鍔部を備えたので、目を含む顔面や首筋に落下物が直接衝突することを防止できるという効果がある。また、鍔部を備えたにもかかわらず、扁平な形状に変形し、コンパクトな収納に適するという特徴は何ら損なわれない。
(4)帽体の上面に硬質材料からなる外殻板を備えたので、鋭いエッジのある落下物であっても貫通することなく頭部の保護を図ることができるという効果がある。また、外殻板には放射状又は渦巻き状の切れ込みを設けているので、帽体を立体的に組み立てた際に外殻板も立体的に変形して装用に適した形状となる。さらに、帽体と外殻板の固定は帽体の外縁部と外殻板の外縁部を弱く固定することにしたので、一体である状態を維持したままに無理なく立体的な帽子形状に変形することができるという効果がある。
(5)上面及び側面部を布製のカバーキャップによって覆う構成としたので、簡易保護帽に自由に美しい意匠を施すことが可能になり、美観上の利点のみならず、災害時に簡易保護帽の装用者が容易に発見できるようになるなどの実用上の効果を奏する。また、カバーキャップに蓄光塗料を適用するなどにより、夜間などに装用者が発見差易くなるという効果がある。さらに、カバーキャップを難燃繊維製の布で構成することで、火災時の避難中に火の粉その他の着火源になり得る落下物があっても、簡易保護帽が着火してしまう恐れがなくなり、より安全な避難に寄与できる。
本考案の一実施例である簡易保護帽を折り畳んだ状態を示した説明図である。 本考案の一実施例である簡易保護帽を組み立てた状態を示した説明図である。 本考案の一実施例である簡易保護帽の外殻板を示した説明図である。 本考案の一実施例である簡易保護帽を組み立てた状態を示した説明図である。
以下、図面を用いて本考案について詳細な説明を行う。
図1は、本考案の一実施例である簡易保護帽を扁平に畳んだ状態を示した説明図であり、図2は同簡易保護帽を立体的な帽子形状を示した説明図である。さらに、図3は同簡易保護帽の帽体を展開した状態を示す説明図であり、図4は同簡易保護帽の内装体を展開した状態を示す説明図である。
本簡易保護帽(1)の帽体(10)は、衝撃の吸収性に優れた発泡ポリウレタンシートを長尺に切断して、渦巻状に巻き取ったものである。巻き取った発泡ポリウレタンシートがほどけてしまうことが無いように、巻き終わり付近をリベット(3)で固定している。また、リベット(3)は同時にバンド(4)と顎紐(2)を帽体(10)に固定している。
バンド(4)は、図1のように扁平でコンパクトに収納するのに便利な形状から、図2のように帽体(10)の中央部付近を押し出して立体的な帽子形状に変形して装用する際に、長尺のポリウレタンシートが渦巻状の帽体(10)から抜け落ちてほどけてしまうことを防止している。また、バンド(4)の帽体(10)からのずれを少なくするため、帽体(10)の中央部付近でもバンドを固定している。
図から明らかなとおり、本実施例ではバンド(4)が延長して顎紐(2)をも兼ねているので、快適な装用感を得るために、バンド(4)および顎紐(2)は幅広で弾性に富むゴム紐を使用した。このようにすることで、簡易保護帽の組み立てを短時間で行うことが可能になり、より安価に簡易保護帽を提供可能となる。
図では表示を点線として詳細を表示することを省略したが、本簡易保護帽(1)は全体をカバーキャップ(11)で覆っている。カバーキャップ(11)は、調理師等が髪の毛などが落下することを防止するために着用するいわゆるインナーキャップやケータリングキャップと同様に、布製の袋の開口部の周に沿ってゴム紐を縫止している。ただし、本簡易保護帽ではカバーキャップ(11)の材質を難燃繊維として、さらに蓄光塗料を含む顔料で意匠を施している。カバーキャップ(11)に難燃性が付与されていれば、火災時に簡易保護帽が着火してしまう危険が無く、安全に避難できる。また、蓄光塗料を含む顔料で目立つ意匠を施すことで、避難後に発見されやすくなると期待できる。
本簡易保護帽では、必要に応じて外殻板(5)を取り付けることが可能で、これの一実施例の平面図を図3に示す。外殻板(5)は硬質の樹脂板をカットしており、この例では中央部に設けた固定穴(7)で帽体(10)の中央部にリベット固定する。外殻板(5)には略放射状に切れ込み(6)が設けられており、これによって帽体(10)を立体的な帽子形状に変形させた際に、外殻板(5)もこれに沿って立体的に変形することができる。
帽体(10)は厚みのある発泡ポリウレタン樹脂であるから、重量のある落下物に対しても衝撃をよく吸収して頭部を保護するものの、鋭利なエッジを有する落下物の場合には突き刺さってしまい、帽体(10)を貫通して頭部に切傷を負う可能性がある。しかし、硬質の外殻板(5)を帽体(10)の上側に取り付けると、鋭利なエッジを有する落下物といえども容易には貫通することはなく、頭部の切傷を相当程度防止することができる。
上記説明の中で、帽体やバンドをはじめとして原材料の種類の例を示して説明を行ったが、本考案はこれに限られるものではなく、通常の設計行為の中で行われる代替品や軽微な設計変更を行って得た考案についても、本考案の技術的範囲に含まれることは言うまでもないことである。
図4は、本考案の別の一実施例である簡易保護帽の帽体を立体的に組み立てた状態を示す説明図である。本実施例では帽体の構造が実施例1の場合と異なるが、そのほかの点については実施例1の場合とほぼ同一である。
本実施例では、発泡ポリウレタン樹脂の板をトムソン型で打ち抜き加工することで帽体(10)を得た。本実施例においても、製造方法は異なるものの、渦巻状の帽体部分の中央部を押し出して立体的な帽子形状を得るなど、技術的にはほぼ同じ作用効果を得ている。
なお、本実施例では帽体の打ち抜き加工時に、鍔部を備えた形状とした。鍔部(前方)(8a)は、本簡易保護帽(1)を装用した際に、サンバイザーのように目を含む顔面に直接に落下物が衝突することを防止するひさしとして働く。同様に、鍔部(後方)(8b)は、首筋に落下物が衝突することを防止するひさしとして働く。
以上の通り、本実施例はトムソン型で発泡ポリウレタン樹脂の板を打ち抜くだけで帽体(10)が得られ、巻き取りといった工程を要する実施例1の場合と比較して大量生産に適した考案である。また、鍔部を備えることで、頭部のみならず、顔面や首筋の保護をも実現する考案である。
以上説明したとおり、本考案は災害時に非難する際などに使用される簡易保護帽であって、扁平に折り畳むことが可能とされている為に収納・保存性にすぐれ、きわめて簡単かつ短時間に立体的な帽子形状に開いて装用することが可能な優れた特徴を有するものであり、産業上の利用価値はきわめて高い。
1 簡易保護帽
2 顎紐
3 リベット
4 バンド
5 外殻板
6 切れ込み
7 固定穴
8 鍔部(前方)
8b 鍔部(後方)
9a 右側面1
10 帽体
11 カバーキャップ

Claims (5)

  1. 長尺のクッション材を渦巻状に巻き取って形成した帽体と、
    該帽体の縁部に取り付けられた顎紐とを備え、
    該帽体は中央部を押し出すことで扁平な円盤形状から立体的な帽子形状に変形可能
    ことを特徴とする、簡易保護帽。
  2. 少なくとも厚みが15mm以上である平板のクッション材を渦巻状にカットして形成した帽体と、
    該帽体の縁部に取り付けられた顎紐とを備え、
    該帽体は中央部を押し出すことで扁平な円盤形状から立体的な帽子形状に変形可能とされている、
    ことを特徴とする、簡易保護帽
  3. 前記帽体の縁部に延長して一体に設けられた鍔部を備えている、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の簡易保護帽。
  4. 前記帽体の上面に硬質材料からなる外殻板を備え、
    該外殻板には放射状又は渦巻き状の切れ込みが設けられている、
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の簡易保護帽。
  5. 上面部及び側面部が布製のカバーキャップによって覆われている、
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の簡易保護帽。
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