JPWO2010071105A1 - 光スイッチ、画像表示装置、画像形成装置、及び光スイッチの製造方法 - Google Patents

光スイッチ、画像表示装置、画像形成装置、及び光スイッチの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、電気光学結晶(104)と、電気光学結晶(104)の内部の同一平面上に互いに平行に延ばされて配列された複数の電極(106)からなる電極部(107)と、を有し、電極部(107)で発生した電界によって電気光学結晶(104)の一部の屈折率を変化させることによって、電気光学結晶104に入射した入射光の透過と反射とを切り換える。電気光学結晶(104)は、光が入射する入射面及び光を出射する出射面を有し、入射面と出射面との間に電極部(107)が形成される。電極(106)の長手方向と、入射面及び出射面の少なくとも一方の面とがなす角度θxが、【数1】(nは、変調する光の波長における電気光学結晶(104)の屈折率)を満たす角度近傍にされている。

Description

本発明は、光を透過する状態と光を反射する状態とを切り換える光スイッチ、この光スイッチを用いた画像表示装置、画像形成装置、及び光スイッチの製造方法に関する。
ディスプレイ用の光変調用途で用いられる光変調器は、例えば100mW以上の高出力光に対する光変調が行われるので、光損傷に対する耐久性(以下、光耐性と称する)を十分に備える必要がある。
光耐性を得るために、原理上、比較的大口径(ビーム径が数十μm〜数百μm程度)の光ビームを変調することが可能である音響光学変調素子が用いられることがある。
特許文献1には、音響光学素子に関して記載されている。図1A及び図1Bに、その音響光学素子の構成を示す。音響光学素子は、音響光学結晶10内を伝わる音響波によって、音響光学結晶10内の屈折率が変化し、ブラッグ回折を引き起こして光の変調を行う。特許文献1の構成では、光耐性が低い反射防止膜を施さずに、光をブリュースター角で音響光学結晶10内に入射させることによって、光の反射成分を低下させる方法を採っている。具体的に、音響光学素子は、光の入射面11と出射面12とが平行に形成されている。そして、音響光学素子は、入射面11に対してブリュースター角で入射した光を、音響光学結晶10内を進行する超音波が効果的に回折できるように、圧電素子13が設けられた電極13aの中心線が、光の進行方向とほぼ一致するように形成されている。
また、電気光学効果を持つ結晶(以下、電気光学結晶と称する)に電界を印加することで屈折率変化を発生させることによって、光のスイッチングを行う光スイッチが多く提案されている。ディスプレイ用の光変調用途としては、上述の理由の通り、ビーム径が比較的大きな光ビームを変調することができて、高い光耐性を有する光スイッチ素子が望まれる。
特許文献2には、ブラッグ反射を用いた光スイッチが記載されている。図2に、その光スイッチの構成を示す。
図2に示すように、光スイッチは、電気光学効果を有する光導波路層21と、この光導波路層21内に設けられた第1及び第2の電極群31,32とを有する。第1及び第2の電極群31,32のそれぞれは、光導波路層21の厚さ方向と平行に延ばされた複数の板状電極30からなる。各板状電極30は、一定の間隔で配置されている。第1及び第2の電極群31,32のそれぞれの、光導波路層21の厚さ方向と交差する平面における断面の形状は、櫛形状に形成されており、互いの櫛の歯に相当する板状電極30が、交互に配置されている。
上述した光スイッチでは、第1及び第2の電極群31,32の間に電圧を印加することで、隣接する板状電極30間の領域において、屈折率変化が生じる。この結果、光導波路層21内に、周期的な屈折率変化が生じる。この周期的な屈折率変化を生じた部分が回折格子として機能し、入射光がブラッグ回折される。一方、第1及び第2の電極群31,32への電圧印加を停止したとき、回折格子として機能しなくなるので、入射光は、板状電極30間の領域を透過する。この構造の電気光学素子は、光が導波する光導波路層21の厚さを自由に選択できるので、ビーム径が比較的大きな光ビームであっても変調することができ、高い光耐性を実現することができる。
特開平1−149015号公報 特許2666805号公報(特開平1−214827号公報)
ところで、ビーム径が比較的大きな光ビームを変調することができ、かつ高い光耐性を有するバルク型の光スイッチ素子は、小型化と消費電力の低減を図ることが要望されている。
しかし、特許文献1に記載された音響光学素子では、音響光学素子として効率が良いブラッグ回折を起こすために、電極長さを2mm〜3mm以上に延ばして形成する必要がある。したがって、電極長さが短い場合には、回折効率が十分に得られなくなるので、素子を小型化するのが難しいという問題がある。また、音響光学素子の特性上、電極に与える変調信号としては、例えば200MHzの高周波信号が振幅変調された信号を電極に与える必要がある。そのため、動作させるための回路が複雑になってしまうと共に、回路を動作させるためにも大きな電力が必要となるので、素子全体における消費電力が大きくなってしまう。
特許文献2に記載された光スイッチは、小型化が実現可能である。しかし、この光スイッチは、面積が大きな複数の板状電極が、誘電率が高い電気光学結晶の内部に埋め込まれて構成されているので、その電極間容量が大きくなってしまう。そのため、この光スイッチは、消費電力の低減を図ることが非常に困難である。
そこで、本発明は、上述した課題を解決する電気光学結晶を用いた光スイッチを提供することを目的とする。また、本発明は、上述した課題を解決する光スイッチの製造方法、光スイッチを用いた画像表示装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係る光スイッチは、電気光学結晶と、電気光学結晶の内部の同一平面上に互いに平行に延ばされて配列された複数の電極からなる電極部と、を有する。光スイッチは、電極部で発生した電界によって電気光学結晶の一部の屈折率を変化させることによって、電気光学結晶に入射した入射光の透過と反射とを切り換える。電気光学結晶は、光が入射する入射面及び光を出射する出射面を有し、入射面と出射面との間に電極部が形成される。そして、電極の長手方向と、入射面及び出射面の少なくとも一方の面とがなす角度θxが、
Figure 2010071105
(nは、変調する光の波長における電気光学結晶の屈折率)
を満たす角度近傍にされている。
また、本発明に係る画像表示装置は、光源と、光源からの光を変調する本発明の光スイッチと、光スイッチによって変調された光ビームで外部の投写面上を走査する走査手段と、外部から入力された制御信号に応じて光スイッチにおける変調動作を制御する制御部と、を有する。
また、本発明に係る画像形成装置は、光源と、感光体と、光源からの光を変調する本発明の光スイッチと、光スイッチによって変調された光ビームで感光体上を走査する走査手段と、外部から入力された制御信号に応じて光スイッチにおける変調動作を制御する制御部と、を有する。
また、本発明に係る光スイッチの製造方法は、電気光学結晶と、電気光学結晶の内部の同一平面上に互いに平行に延ばされて配列された複数の電極からなる電極部と、を有し、電極部で発生した電界によって電気光学結晶の一部の屈折率を変化させることによって、電気光学結晶に入射した入射光の透過と反射とを切り換える光スイッチの製造方法である。光スイッチの製造方法は、電気光学結晶の端面に対して電極の長手方向がなす角度θxが、
Figure 2010071105
(nは、変調する光の波長における電気光学結晶の屈折率)
を満たす角度近傍で傾斜させて、電気光学結晶の同一平面上に複数の電極を形成する工程を有する。
また、他の本発明に係る光スイッチの製造方法は、電気光学結晶と、電気光学結晶の内部の同一平面上に互いに平行に延ばされて配列された複数の電極からなる電極部と、を有し、電極部で発生した電界によって電気光学結晶の一部の屈折率を変化させることによって、電気光学結晶に入射した入射光の透過と反射とを切り換える光スイッチの製造方法である。光スイッチの製造方法は、電気光学結晶の端面に対して電極の長手方向を直交させて、電気光学結晶の同一平面上に複数の電極を形成する形成工程と、複数の電極が形成された電気光学結晶を切断面に沿って切断する切断工程と、を有する。切断工程では、電極の長手方向に対して切断面がなす角度θxを、
Figure 2010071105
(nは、変調する光の波長における電気光学結晶の屈折率)
を満たす角度近傍にする。
本発明によれば、低い動作電圧で大きな屈折率変化を得ることができるので、消費電力の低減を図ることができる。また、本発明は、比較的大口径の光ビームに対するスイッチ動作を行えるので、高い光耐性を実現することができる。さらに、本発明は、電極部に電圧を印加するだけでスイッチ動作を行うことができるので、スイッチ動作させるための回路も簡単になり、構成の簡素化を図ることができる。
特許文献1に記載された音響光学結晶の構成を示す模式図である。 特許文献1に記載された音響光学結晶の構成を示す模式図である。 特許文献2に記載された光スイッチの構成を示す模式図である。 実施例の光スイッチの構成を示す模式図である。 図3Aに示した光スイッチを電極の配列方向に平行な平面において示す断面図である。 図3Bに示した断面において、電気光学結晶の入射面と電極の長手方向とがなす角度θx、及び入射面に入射する光の光軸と入射面の法線方向とがなすブリュースター角θbを示す断面図である。 図3Aに示した光スイッチにおける電極の長手方向の軸線を含む平面における断面図である。 図3Cに示した光スイッチにおける臨界角θmと、電気光学結晶に対する入射角θaとを示す断面図である。 図3Aに示した電極の長手方向とほぼ直交する平面で示すA−A断面図である。 図3Aに示した光スイッチにおける屈折率変化部を説明するための模式図である。 図3Aに示した光スイッチにおける、印加電圧の変化を説明するための図である。 図3Aに示した光スイッチにおける、屈折率の変化を説明するための図である。 図3Aに示した光スイッチにおける、光の出力の変化を説明するための図である。 P偏光の光を電気光学結晶に入射させたときの入射角と反射率との関係を示す図である。 実施例の光スイッチの電極形成方法を説明するための工程を示す断面図である。 実施例の光スイッチの電極形成方法を説明するための工程を示す断面図である。 マスクの形状を示す平面図である。 実施例の光スイッチの電極形成方法を説明するための工程を示す断面図である。 図7B0に示したマスクを用いて形成されたパターンを示す平面図である。 実施例の光スイッチの電極形成方法を説明するための工程を示す断面図である。 実施例の光スイッチの電極形成方法を説明するための工程を示す断面図である。 実施例の光スイッチの電極形成方法を説明するための工程を示す断面図である。 実施例の光スイッチの電極形成方法を説明するための工程を示す断面図である。 実施例の光スイッチの電極形成方法を説明するための工程を示す断面図である。 実施例の光スイッチの他の電極形成方法を説明するために、マスクの形状を示す平面図である。 図8Aに示したマスクを用いて形成されたパターンを示す平面図である。 貼り合わされた電気光学結晶の概観を示す斜視図である。 切削部を示す平面図である。 実施例の光スイッチの更に他の電極形成方法を説明するために、マスクの形状を示す平面図である。 図9Aに示したマスクを用いて形成されたパターンを示す平面図である。 貼り合わされた電気光学結晶の概観を示す斜視図である。 切削部を示す平面図である。 実施例の光スイッチの更に他の電極形成方法を説明するために、マスクの形状を示す平面図である。 図10Aに示したマスクを用いて形成されたパターンを示す平面図である。 貼り合わされた電気光学結晶の概観を示す斜視図である。 切削部を示す平面図である。 実施例の光スイッチの変形例であるマルチ電極構造を示す模式図である。 図11Aに示した電極の長手方向とほぼ直交する平面における光スイッチを示す断面図である。 図11Aに示した光スイッチにおける屈折率変化部を説明するための模式図である。 実施例の光スイッチの変形例である他のマルチ電極構造を示す模式図である。 図12Aに示した電極の長手方向に平行な軸線を含む平面における光スイッチを示す断面図である。 実施例の光スイッチの変形例であるマルチ電極構造を製造する方法を説明するための図である。 実施例の光スイッチの変形例である他のマルチ電極構造を製造する方法を説明するための図である。 本実施例の光スイッチを備える画像表示装置の一例を示す模式図である。 本実施例の光スイッチを備える画像形成装置の一例を示す模式図である。
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図3Aに、実施例の光スイッチの構成の模式図を示す。図3Bに、図3Aにおける光スイッチを電極の配列方向に平行な平面における断面図を示す。図3Cに、電極106の長手方向に平行な軸線を含む平面における断面図を示す。
図3Aに示すように、光スイッチは、第1の電気光学結晶104と第2の電気光学結晶105とが、例えば高温及び高圧の条件下で接合されて構成されている。図3Bに示すように、接合後の電気光学結晶において、電気光学結晶104と電気光学結晶105との接合境界面は、屈折率がほぼ同等で連続的であるので、光学的に均一な、1つの電気光学結晶と見なすことができる。
電気光学結晶104、105は、例えばタンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)、ニオブ酸リチウム(LN)等の電気光学効果を有する結晶である。
接合前の電気光学結晶104の表面(電気光学結晶105と接合される面)には、複数の溝が互いに平行に形成されており、各溝の内部に電極106が形成されている。電極106は、例えば、電極構成材になる電子伝導体を溝の底部に蒸着することで形成される。電気光学結晶104の表面の溝以外の部分は、十分に研磨されて平坦な面になっている。
接合前の電気光学結晶105の表面は、十分に研磨されて平坦な面にされており、この表面が、上述のような電極106が形成された電気光学結晶104の表面と接合される。接合後の状態において、複数の電極106からなる電極部107が電気光学結晶105の内部に形成されている状態になる。なお、電気光学結晶104、105は、これら電気光学結晶104、105と屈折率が同等であるバインダなどを用いて接合されてもよい。
複数の電極106は、電気光学結晶の内部の同一平面上に互いにほぼ平行に延ばされて配列されており、線状電極として形成されている。また、電極部107は、面積が最大となる主断面、すなわち電極の配列方向に平行な断面が同一平面内に配置されている。
また、複数の電極106は、互いに隣接する電極106の極性が異なるように、外部電源109に電気的に接続されている。したがって、電極部107の各電極106には、互いに隣接する電極106に極性が異なる電圧が印加される。
そして、各電極106は、接合された電気光学結晶の一方の端面と、電極106の長手方向とがなす角度θxが、
Figure 2010071105
を満たす角度の近傍になるように、電気光学結晶の他方の端面に向かって延ばされて設けられている。本実施例では、一方の端面が入射面とされ、他方の端面が出射面とされる。
なお、nは、入射する光の波長における電気光学結晶の屈折率である。また、ここでいう同一平面とは、幾何学的に完全な同一平面に限定されず、製造上の誤差を含んでいる。また、この平面は、後述する屈折率変化部の、屈折率が変化した領域とこの領域の周辺の領域との屈折率界面が、複数の電極106の配列方向に平行な平坦面を有する程度の範囲の平面であればよい。
次に、本実施例の光スイッチの動作を説明する。
本実施例の光スイッチを使用する際には、図3Bに示すように、電気光学結晶の入射面に入射する光の光軸と、入射面の法線方向とがなす角度が、以下に示すブリュースター角θbを満たす角度近傍になるように光を入射面に入射させる。
Figure 2010071105
この式2により、以下の式3が算出される。
Figure 2010071105
なお、nは、入射する光の波長における電気光学結晶の屈折率である。この入射角で電気光学結晶に入射させることによって、電気光学結晶に形成された電極106の長手方向と、電気光学結晶の内部における光の進行方向とをほぼ平行にすることができる。
図4Aに、それぞれの電極106の長手方向とほぼ直交する平面における断面図を示す。電極部107に電圧が印加されていない場合には、図4Aに示すように、電極106の近傍の結晶領域において、屈折率変化が生じない。この状態において、入射光101が電気光学結晶の入射面から入射したとき、その入射光101は、各電極間の間隙領域108(以下、光透過部108と称する)を透過して、出射面から透過光102として外部へ出射される。
一方、電極部107に電圧が印加されている場合には、図4Bに示すように、電極106の近傍の結晶領域において、電極106からの電界による屈折率変化が起こる。このため、電極106の近傍の結晶領域に屈折率変化部201が生じる。この屈折率変化部201は電極部107全体を包囲している。また、屈折率変化部201の、屈折率が変化した変化領域とこの変化領域の周辺の結晶領域との屈折率界面202は、複数の電極106の配列方向に平行な平坦面を有している。
そして、屈折率界面202において、入射光101が全反射される条件となる臨界角θmは、屈折率変化部112の屈折率変化量Δnと、電気光学結晶104、105の屈折率n0との関係から、以下の式4により算出される。
Figure 2010071105
入射角が臨界角θm以上である入射光は、屈折率界面202で全反射されて、反射光103として出射面から外部へ出射される。このとき、反射光103の出射方向は、透過光102の出射方向と異なる。
上述のように、電極部107に印加する電圧を制御することによって、透過状態と反射状態とを切り換えることができる。これにより、光のオン・オフ制御が可能になる。透過光102と反射光103は、出射方向が異なるので、容易に分離することができる。
なお、図3C0に示すように、入射角が臨界角θm以上である入射光を電気光学結晶の入射面から入射させる場合には、
Figure 2010071105
を満たすような角度θaよりも小さな入射角で入射光を入射させる必要がある。
図5A〜図5Cは、本実施例の光スイッチにおける、印加電圧に対する屈折率及び光の出力の変化を説明するための図である。図5Aは、印加電圧の波形を示す図であって、横軸が時間を示し、縦軸が電圧を示す。図5Bは、図5Aに示した印加電圧に対する電極部近傍の屈折率の変化を示す図であって、横軸が時間を示し、縦軸が屈折率を示す。図5Cは、図5Aに示した印加電圧に対する光の出力の変化を示す図であって、横軸が時間を示し、縦軸が光の出力を示す。光の出力の値は、フォトディテクタ等を用いて透過光102を検出した値である。
電極部107に電圧が印加されたときに、主に電極106の近傍領域の屈折率が、その領域の周囲の他の領域の屈折率よりも小さくなる。このため、臨界角θm以上の入射角をもって屈折率界面202に入射した光は、この屈折率界面202で全反射されることになり、フォトディテクタによって検出される透過光102の出力値が低くなる。
電極部107に印加される電圧値がゼロのときには、電極106の近傍領域における屈折率変化が発生しない。このため、入射光101は、電極部106間の光透過部108をそのまま通過し、フォトディテクタによって検出される。このため、透過光102の出力値は、電圧印加時に比べて大きくなる。
次に、本実施例を用いることによって得られる効果について述べる。
一般的に屈折率が比較的大きな電気光学結晶等の結晶に光を入射させたときには、光の反射成分が大きくなってしまう。しかしながら、ブリュースター角θbで結晶へ光を入射及び出射させることで、光の反射成分を少なくすることができる。
一例として、屈折率2.3の電気光学結晶に対する入射角(degree)と、P偏光の反射率との関係を図6に示す。図6に示すように、ブリュースター角θbをもってP偏光の光、または少なくともP偏光成分を含んでいる光を入射させることで、屈折率差が存在する境界に光を入射させたときの反射成分を極めて小さくすることができる。
また、電気光学結晶において、光の入射面と出射面とがほぼ平行である場合には、電気光学結晶から出射される光も、再びブリュースター角θbをもって出射させることができる。このため、光を入射面に入射させるときと同様に、出射面から出射される光の反射成分を極めて小さくすることができる。したがって、本実施例の光スイッチは、反射が少ない光の入射及び出射を実現することができ、光の利用効率の向上を図ることができる。さらに、この光スイッチによれば、反射防止膜を設ける必要がなくなり、製造コストの低減を図ることも可能になる。
また、ブリュースター角θbで光を電気光学結晶に入射させることによって、電気光学結晶に形成された電極106の長手方向と、電気光学結晶内における光の進行方向とをほぼ平行にすることができる。入射光101の進行方向と、電極106の長手方向とが交差するような構成では、電極106の厚さなどによって光が遮光されて光利用効率が低下してしまっていた。しかし、本実施例の構造によって、光の損失を低減させることが可能になり、光利用効率の低下を防ぐことができる。
さらに、本実施例の光スイッチは、導波路構造を形成する必要がない、電気光学結晶104の内部を光が透過するバルク型の光スイッチである。したがって、本実施例の光スイッチは、導波路型の光スイッチよりも比較的大きな口径(数十μm〜数百μm程度)の光ビームをスイッチングすることができる。そのため、単位体積当たりに照射される光の強度を下げることが可能であり、導波路型の光スイッチよりも光耐性を向上させることができる。
さらに、電気光学結晶の入射面に対して光が入射する角度がブリュースター角θbになる。このため、入射面から電気光学結晶に入射する前の光ビームのビーム幅(図3Bに示すように、複数の電極の配列方向に平行な平面上における直径)がlであったとき、電気光学結晶内における光ビームのビーム幅は、l/cosθb、すなわちl/cos(Tan―1(n))に広がる。したがって、本実施例は、電気光学結晶に強い光が入射することによる損傷の負荷を軽減することができるので、光損傷に対する耐久性(光耐性)を向上させ、信頼性を向上することが可能である。
さらに、本実施例の光スイッチにおける高速動作時の消費電力P、印加電圧V、電極間容量C、最大変調動作周波数fmaxの関係は、以下に示す式6群でそれぞれ表される。
Figure 2010071105
ここで、fは動作周波数、Rは出力抵抗、dは電極間隔である。
式6群によれば、電極間に電圧Vを印加したときに、電極間隔dと、電極間に発生する電界強度Eとの関係が反比例であることを示している。この関係によれば、本実施例の光スイッチでは、複数の電極106の間隔が数μm〜数十μm程度の等間隔であり、比較的狭い間隔で配置されている。このため、比較的小さな印加電圧Vによって、電極106間の光透過部108に、更に強い電界を生じさせて屈折率変化部を発生させることができる。したがって、電極部に印加する電圧Vを低くすることが可能となる。また、複数の電極106の断面積が比較的小さく構成されているので、電極間容量Cも小さくすることが可能になる。
ここで再び、上述の式6群によれば、高速動作時の消費電力Pは、印加電圧Vの2乗と電極間容量Cに比例するので、印加電圧Vと電極間容量Cを減らすことで、消費電力を低減することができる。また、動作周波数fmaxは、電極間容量Cに反比例するので、電極間容量Cを減らすことで、動作周波数fmaxの拡大、すなわちスイッチ動作の高速化を行うことができる。
以上のように、本実施例の光スイッチによれば、損失を低減することで高い光利用効率を実現し、かつ高い光耐性による高い信頼性が得られ、消費電力の低減及びスイッチ動作の高速化を図ることができる。
次に、本実施例の光スイッチの各部に用いる望ましい材料や、電極長等の望ましい設定条件について説明する。
本実施例の光スイッチにおいて、電気光学結晶としては、カー定数やポッケルス定数及び屈折率が比較的高い電気光学結晶、例えばタンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、LiTaO(LT)、KTiOPO(KTP)などを用いることが望ましい。この理由は、屈折率変化量Δnが、以下の式7を満たすので、カー定数やポッケルス定数及び屈折率が比較的高い電気光学結晶を用いることによって、大きな屈折率変化Δnを得ることができるからである。
Figure 2010071105
電極106の長さを入射光101の光ビームの大きさに応じて最適化することで、電極間容量をさらに減らすことができる。
具体的には、図3Bで見たときの電極106の長さLが、電気光学結晶中を通過する光ビームがすべて、各電極106間に存在する電気光学結晶の光透過部108を通るように設定されればよい。つまり、図3Cに示すように、電極106の配列方向に直交し、かつ電極106の長手方向の軸線を含む平面において電気光学結晶を見る。この平面上で見たときの電気光学結晶内での光ビームのビーム径をrとし、電極部からの電界によって屈折率が変化した変化領域と、この変化領域周辺の周辺領域との屈折率界面における、全反射の条件とされる電気光学結晶内での臨界角をθmとする。そして、このとき、電極106の長さである電極長Lが、以下の式8を満たす値以上であればよい。
Figure 2010071105
また、電極部107の幅W(複数の電極106が配列された格子状の部分の幅)は、電気光学結晶中を進行する光ビームのビーム幅以上であればよい。図3Bで見たときに電気光学結晶の入射面に入射する前の光ビームのビーム径(複数の電極の配列方向に平行な平面上における直径)をlとしたとき、電気光学結晶の内部での光ビームのビーム幅は、l/cosθbに広がる。したがって、図3Bに示すように、電極部107の幅W(複数の電極の配列方向の幅)は、電気光学結晶の内部におけるビーム幅であるl/cosθb以上に形成されていればよい。ブリュースター角θb=Tan−1(n)であるので、電極部107の幅Wは、l/cos(Tan−1(n))以上に設定されればよい。
Figure 2010071105
なお、各電極106は、電極106の配列方向に直交する方向の厚みである膜厚が、可能な限り均等に形成することが望ましく、また、各電極106の間隔も、可能な限り均等にすることが望ましい。各電極106の膜厚及び間隔を均等にすることによって、比較的平坦な屈折率界面202を形成することができる。屈折率界面202が比較的平坦な面を有することで、反射光103は散乱せずにほぼ同じ方向に進み、その結果、散乱光の影響による消光比の低下を抑制することができる。
また、本実施例の光スイッチにおいて、変調する光の波長に基づいた電極長などの設計を行うことで、電極間容量を減らすことができる。ディスプレイ用途としては、特に波長が400nm〜700nmの可視光を変調する必要がある。しかし、このような波長域では、波長に応じて電気光学結晶の屈折率及び屈折率変化量が僅かであるが異なっている。例えば、電気光学結晶にタンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)を用いた場合、2次の電気光学係数g11−g12と、真空の誘電率ε0と、電気光学結晶の比誘電率εrとから、屈折率n及びカー定数sを、以下の式10群によって算出することができる。
Figure 2010071105
波長440nmの光を用いるときの2次の電気光学係数g11−g12を0.206としたとき、式10群を用いることで、屈折率nが2.409となり、カー定数sが4.67×10−15となる。波長640nmの光を用いるときの2次の電気光学係数g11−g12を0.154としたとき、上述の式10群を用いることで、屈折率nが2.284となり、カー定数sが3.49×10−15となる。
また、間隔が5μmの電極間に5Vの電圧を印加した場合、式7によれば、屈折率変化量Δnは、波長440nmの光の場合に−0.033となり、波長640nmの光の場合に−0.021となる。屈折率界面での臨界角θmは、式4によれば、波長440nmの光を用いた場合に80.6度となり、波長640nmの光を用いた場合に82.3度となる。これらの算出値から明らかなように、使用する波長に応じて臨界角θmも変化することになる。
入射光としてレーザ光を使用する場合には、使用する光の波長が定まるので、電気光学結晶の屈折率nと屈折率変化量Δnから求まる臨界角θm、レーザ光のビーム径rやビーム径lから、式8、9を用いて電極長L、電極部の幅Wが算出される。算出された電極長L、電極部の幅Wを用いることで、必要最低限の電極長と電極の個数で、光スイッチを設計することができる。その結果、消費電力の低減を図り、かつ高速変調が可能な光スイッチを実現できる。
また、入射光として白色光などの波長が比較的長い光を使用する場合には、屈折率変化量が比較的少ない長波長側の光に応じて、入射光の入射角、電極長、印加電圧等の値を設定することが望ましい。
次に、本実施例の光スイッチの電極形成方法について具体的に説明する。
図7A〜図7Hに、光スイッチの電極形成方法の各工程の断面図を示す。
まず、電気光学結晶501の表面にレジスト502を塗布する(図7Aに示す工程)。続いて、図7B0に示すような、電気光学結晶の端面(入射面)から式1を満たす角度だけ端面に対して傾斜された直線に沿ってほぼ平行に並んだ電極形成用のパターンが形成されたマスク503を用いる。このマスク503を用いてレジスト502が塗布された面をマスキングし、レジスト502の塗布面を露光する(図7Bに示す工程)。続いて、レジスト502における露光された部分を除去する(図7Cに示す工程)。これによって、図7C0に示すようなパターンが作られた電気光学結晶が得られる。
次に、露光部分が除去されたレジスト502をマスクとして用いて、電気光学結晶501の露出した表面をエッチング処理する(図7Dに示す工程)。エッチング材料としては、例えばフッ化水素等が用いられる。
続いて、エッチング処理によって溝が形成された電気光学結晶501の面全体に、蒸着やスパッタリングによって電極材料(金、白金など)を堆積させる(図7Eに示す工程)。電気光学結晶501の溝に堆積された電極材料によって、電極504が形成される。この電極504が、図3Aに示した電極106になる。その後、電気光学結晶501からレジスト502を除去する(図7Fに示す工程)。
次に、電気光学結晶501の表面と、電極504の各表面とが同じ高さ、つまり同一平面上に位置するように、それらの面を十分に研磨して平坦な面を形成する(図7Gに示す工程)。これにより、図3Aに示した電気光学結晶104が得られる。
最後に、高温、高圧の条件下で、電気光学結晶501における電極504が形成された面を、他の電気光学結晶505の、研磨された平坦な面に密着させて、これら電気光学結晶501、505を貼り合わせる(図7Hに示す工程)。なお、電気光学結晶501、505は、これらの電気光学結晶と屈折率が同等であるバインダなどを用いて接合されてもよい。貼り合わせ工程において電気光学結晶501、505の貼り合わせられる面は、十分な平坦度を有する面に加工されているものとする。
上述した図7A〜図7Hに示した工程を行うことによって、図3Aに示したように電極106の形成及び電気光学結晶104、105の貼り合わせを行うことができる。
次に、他の電極形成方法を説明する。この電極形成方法では、図7Aに示したようにレジスト502を形成した後、マスク603を用いて、レジスト602が塗布された面をマスキングし、レジスト502の塗布面を露光する(図7Bに示す工程)。このとき、図8Aに示したように、電気光学結晶の端面とほぼ垂直となるような角度をもってほぼ平行に並んだ電極形成用のパターンが形成されたマスク603を用いる。
続いて、レジスト602の露光された部分を除去する(図7Cに示す工程)。これによって、図8Bに示すようなパターンのレジスト502が設けられた電気光学結晶が得られる。引き続き、この電気光学結晶に、図7D〜図7Hに示した工程を同様に施すことによって、図8Cに示したような構造体を作ることができる。次に、この構造体を使って、構造体の両端部を、図8Dに示すように、電極の長手方向に対して所定の角度で傾斜した方向に沿って削り取る。これによって、電気光学結晶の端面(入射面)に対して式1を満たす角度で傾斜された方向に延ばされて互いにほぼ平行に配列された複数の電極が形成されるように構成される。そして、研磨によって、電気光学結晶の端面が十分な平坦度を有するように形成することで、実施例の光スイッチを作製することができる。
次に、更に他の電極形成方法を説明する。この電極形成方法では、1回の電極形成で大量の光スイッチを得ることができる。比較的大きな電気光学結晶基板701の上にレジスト702を塗布した後、マスク703を用いて、レジスト702が塗布された面をマスキングし、その塗布面を露光する(図7Bに示す工程)。このとき、図9Aに示したように、電気光学結晶701の端面(入射面)に対して式1を満たす角度だけ傾斜された方向に延ばされて互いにほぼ平行に配列された複数の電極形成用のパターンが形成されたマスク703を用いる。
続いて、レジスト702の露光された部分を除去する(図7Cに示す工程)。これによって、図9Bに示すようなパターンのレジスト702が設けられた電気光学結晶が得られる。この電気光学結晶に、図7D〜図7Hの工程を同様に施すことによって、図9Cに示したような構造体を作ることができる。この構造体を、各端面に対して垂直な方向に沿って更に切断し、各切断面を平坦に研磨することで、図3Aに示したような電極構造が電気光学結晶の内部に形成された多数の光スイッチを一度にまとめて得ることができる。
次に、更に他の電極形成方法を説明する。この電極形成方法においても、1回の電極形成によって多数の光スイッチを得ることができる。比較的大きな電気光学結晶基板801にレジスト802を塗布した後、マスク803を用いて、レジスト802が塗布された面にマスキングを施し、マスキングを介して塗布面を露光する(図7Bに示す工程)。このとき、図10Aに示したような電気光学結晶801の端面(入射面)に対して垂直な角度をなす方向に延ばされて互いにほぼ平行に配列された電極形成用のパターンが形成されたマスク803を用いる。
続いて、レジスト802の露光された部分を除去する(図7Cに示す工程)。これによって、図10Bに示すようなパターンのレジスト802が設けられた電気光学結晶が得られる。この電気光学結晶に、図7D〜図7Hに示した工程を同様に施すことで、図10Cに示したような構造体を作ることができる。この構造体を使って、この構造体から更に図10Dに示した部分を切断し、電気光学結晶の端面(入射面)に対して式1を満たす角度だけ傾斜された方向に延ばされて互いにほぼ平行に配列された複数の電極が形成されているような構造を構成する。そして、研磨によって端面を十分な平坦度を有するように形成することで、本実施例の光スイッチを一度にまとめて多数作製することができる。
なお、本実施例の光スイッチは、電気光学結晶の内部の光路上に沿って複数の電極部が配置される、マルチ電極構造が採られてもよい。このマルチ電極構造によれば、高い消光比を得ることができる。
電気光学結晶の端面における光の入射及び出射のときに生じる光損失を抑え、高い消光比が得られる小型の光スイッチを実現するためには、マルチ電極構造を採用することが望ましい。
図11Aに、マルチ電極構造を有する光スイッチの構成の模式的な斜視図を示す。図11Bに、図11Aにおける光スイッチに形成された電極106の長手方向とほぼ直交する平面における断面図を示す。
図11Aに示すように、光スイッチは、3つの電気光学結晶104、105、903が積層されて、高温、高圧の条件下で接合されて構成されている。この光スイッチにおいて、各電気光学結晶104、105、903のそれぞれの接合境界面は、屈折率がほぼ同等で連続的であるので、全体で光学的に均一な1つの電気光学結晶と見なすことができる。電気光学結晶104、105、903は、例えばタンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)、ニオブ酸リチウム(LN)等の電気光学効果を有する結晶である。
電気光学結晶104は、電極部904を備える。電極部904は、図3Aに示した電極部ものと同じ電極構造であって、複数の電極106からなる。電気光学結晶105は、電極部905を備える。電極部905の構造も、電極部904の構造と同様である。
電気光学結晶104の電極部904が形成された面は、電気光学結晶105の電極部905が形成された面とは反対の面に接合される。電気光学結晶105の電極部905が形成された面は、電気光学結晶903の表面に接合される。電気光学結晶104、105、903の接合は、高温、高圧の条件下で行われる。また、このような接合を行う代わりに、電気光学結晶104、105、903を、これら電気光学結晶104,105,903と屈折率が同等であるバインダなどを用いて接合されてもよい。
図11Bに示すように、各電気光学結晶の接合後において、各電極部904、905は、複数の電極が配列された方向が、互いに平行になるように配置されている。また、入射光101が電気光学結晶104、105、903を透過する方向において、電極部904の各電極と、電極部905の各電極とがそれぞれ対向する位置に配置されている。
上述のマルチ電極構造を有する光スイッチにおいて、各電極部904、905におけるスイッチ動作は、図3Aに示した光スイッチの電極部における動作とほぼ同じである。各電極部904、905に電圧を印加したときに、図11Cに示すように、電極部904の近傍の結晶領域に屈折率変化部906が形成されると共に、電極部605の近傍の結晶領域に屈折率変化部907が形成される。
各電極部904、905に電圧を印加した状態において、入射光101は、入射角を臨界角以上に維持しながら電気光学結晶104に入射する。入射光101は、屈折率変化部906に到達し、この屈折率変化部906で、第1の透過光成分と第1の反射光成分との2つの光成分に分割される。屈折率変化部906を透過した第1の透過光成分は、この屈折率変化部906に対して光路の後方に配置されている屈折率変化部907に到達する。そして、第1の透過光成分は、この屈折率変化部907で、第2の透過光成分と第2の反射光成分との2つに成分に再び分割される。また、屈折率変化部906で反射した第1の反射光902は、反射光901として電気光学結晶104の出射面から外部へ出射される。屈折率変化部907で反射した第2の反射光902は、反射光902として電気光学結晶105の出射面から外部へ出射される。屈折率変化部907を透過した第2の透過光102は、透過光102として電気光学結晶104の出射面から外部へ出射される。
一方、各電極部904、905への電圧供給を停止したとき、屈折率変化部906、907が形成されないので、入射光101は、電極部904、905を構成する各電極間の光透過部108を透過する。この透過光は、透過光102として、電気光学結晶903の出射面から外部へ出射される。透過光102の出射方向は、上述の反射光901、902の出射方向と異なる。
上述のように、各電極部904、905に電圧を印加した状態において、入射光101のうち、光路の前方に位置する屈折率変化部906を透過してしまった光を、光路の後方に位置する屈折率変化部907で反射させることで、消光比を高めることが可能である。
なお、入射角やビーム径、電極部904と電極部905との間隔が適切に設定されていない場合、屈折率変化部907からの第2の反射光902が電極部904に入射して、これがスイッチング動作に悪影響を及ぼすことで、消光比を低減させる可能性がある。特に、電極部904と電極部905との間隔が比較的狭い場合には、電極部904、905でそれぞれ発生した電界の相互干渉の影響によって、電極部904と電極部905との間に、期待しない屈折率変化部が生じてしまう。この場合には、期待しない光の散乱の影響によって、適切な消光比が得られなくなる可能性がある。このため、電極部904と電極部905との間隔は、電界の相互干渉が生じないような間隔に設定されることが望ましい。実験的には、電極部904と電極部905との間隔は、それぞれの電極部904、905を構成する各電極の配列方向の間隔の3倍以上に設定されることが望ましい。
また、図12A及び図12Bに示すように、入射光101の光路上にのみ、式8に示したように電極長L以上の長さを有する電極で構成される複数の電極部904、905が配置されてもよい。なお、図12Bに、電極106の長手方向の軸線を含む平面における断面図を示す。この構成の場合も、各電極部904、905に電圧を印加した状態において、入射光101のうち、光路の前方に位置する電極部904で反射せずに透過されてきた光を、光路の後方に位置する電極部905で反射させる。これによって、消光比を高めることが可能である。この構成によれば、電極の形成領域を光が透過する領域だけに限定することで、電極の面積及び電気光学結晶の面積を更に小さくすることができる。この結果、図11Aに示した構造と比較して、電極間容量を低下させることができ、消費電力の低減及び高速動作化の更なる改善を図ることができる。また、高価な電極材料、電気光学結晶材料の使用量を少なくすることができるので、製造コストの低減を図ることができる。
図11A及び図12Aに示したマルチ電極構造の光スイッチは、電極部904、905に電圧を印加したときに、各屈折率変化部で光が散乱するので、迷光が発生する。この発生した迷光による影響によって、適切な消光比が得られなくなる場合がある。このため、マルチ電極構造の光スイッチでは、屈折率界面における光の散乱を極力抑える必要がある。屈折率界面が平坦面を有するように形成するためには、1段の電極構造の光スイッチの場合と同様に、電極部を構成する複数の電極が、高さ(複数の電極の配列方向に直交する方向の位置)、膜厚(複数の電極の配列方向に直交する方向の厚み)、電極間隔が等しく揃えられている構造であることが望ましい。
図11Bに示したように、電極部904,905の各電極106の位置を作製時に位置決めして構成することで、光が電極部で反射されてしまうことを極力防ぐことが可能になる。その結果、光の利用効率を向上することができる。
次に、上述のマルチ電極構造の光スイッチの製造方法について説明する。まず、図7A〜図7Gに示す工程によって、複数の電極106からなる電極部を備えた電気光学結晶501を複数作製し、複数の電気光学結晶501を貼り合わせる。この貼り合わせた構造体において、一方の電気光学結晶の電極部が形成された面を、他方の電気光学結晶の電極部が形成された面の反対側の面に貼り合わせる。最後に、図13Aに示すように、複数の電気光学結晶501を貼り合わせた構造体を、他の電気光学結晶506の、研磨された平坦な面に貼り付ける。以上の製造方法によって、図11A又は図12Aに示したような本実施例の光スイッチを製造することができる。
次に、他のマルチ電極構造の光スイッチの製造方法について説明する。まず、図7A〜図7Gに示した工程によって、複数の電極106からなる電極部を備えた電気光学結晶501を作製する。この電気光学結晶501の裏面に、同様に図7A〜図7Gに示した各工程によって、複数の電極106からなる電極部を形成する。これらの製造工程を用いて、2つの電極部を備える1つの電気光学結晶1101を作製する。これら2つの電極部がそれぞれ第1及び第2の電極部904、905となる。最後に、図13Bに示すように、2つの電極部904、905を備える電気光学結晶1101の両面に、他の電気光学結晶506の、研磨された平坦な面をそれぞれ貼り付ける。以上の製造方法によって、図11A又は図12Aに示したような本実施例の光スイッチを製造することができる。
次に、本実施例の光スイッチを実際に設計した場合の配置例について説明する。本実施例では、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)を用いた場合における配置例と、ニオブ酸リチウム(LN)を用いた場合における配置例とについて説明する。
まず、電気光学結晶として、タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)を用いた場合について説明する。
入射光の光ビームの、複数の電極106が配列された平面(電極面)に直交する方向におけるビーム幅lは20μmに設定され、電極面に平行方向におけるビーム幅rも20μmに設定されている。入射光の波長λは640nmであり、この場合におけるタンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)の屈折率nは2.284である。
電極部は、50μm程度の幅Wにする必要があるので、個々の電極106の幅が1μmである10本の電極106を有し、各電極106の間隔xが5μmに設定されている。各電極106は、電極面に直交する深さが1μmに形成された光透過部108と接している。
電極部に外部電源111によって5Vの電圧を印加した場合には、屈折率変化量Δnが−0.0065となる。この条件において、電界印加によって生じる屈折率変化部の屈折率界面によって入射光が全反射するときの臨界角θmは、85.7°である。このとき、電気光学結晶への入射光の入射角は9.9°である。
電極面に直交する方向のビーム幅(直径)20μmの入射光を全て、屈折率変化部の屈折率界面によって反射するためには、電極106の長さLを265μm以上に形成する必要がある。このとき、電極部の総電極間容量はおよそ405pFである。
なお、2段の電極構造の光スイッチを実現する場合、電気光学結晶105の厚さが20μmとしたとき、2つの電極部の間隔を265μm程度にする必要がある。このため、電気光学結晶の全長は795μm以上になり、電気光学結晶全体の、電極面に直交する方向の厚みが60μm以上になる。
次に、電気光学結晶にニオブ酸リチウム(LN)を用いた場合について説明する。
入射光の光ビームの、電極面に対して直交する方向におけるビーム幅lが20μmとされ、電極面に平行な方向におけるビーム幅rも20μmとされる。入射光の波長λは640nmであり、その場合におけるニオブ酸リチウム(LN)の屈折率nは2.284である。
電極部は、50μm程度の幅Wにする必要があるので、個々の電極106の幅が1μmである14本の電極106を有し、各電極106の間隔xが3μmに設定される。各電極106は、電極面に直交する深さ1μmの光透過部108と接している。
電極部に外部電源111によって200Vの電圧を印加した場合には、屈折率変化量Δnが−0.0067である。この条件において、電界印加によって生じる屈折率変化部の屈折率界面によって入射光が全反射するときの臨界角θmは85.6°である。このとき、電気光学結晶への入射光の入射角は10.1°である。
電極面に直交する方向のビーム幅(直径)が20μmの入射光を、全て屈折率変化部の屈折率界面によって反射するためには、電極106の長さLを261μm以上に形成する必要がある。このとき、電極部の総電極間容量はおよそ1.63pFである。
なお、2段の電極構造の光スイッチを実現する場合、電気光学結晶105の厚さを20μmに形成した場合、2つの電極部の間隔を261μm程度に形成する必要がある。このため、電気光学結晶の全長は783μm以上となり、電気光学結晶の高さは60μm以上となる。
上述した図11A及び図12Aに示した例では、光路に沿って、互いに平行に配置された2つの電極部を備える光スイッチについて説明したが、電極部の個数はこの構成に限定されるものではなく、3つ以上の電極部を備える構成にされてもよい。入射光の進行方向に沿って互いに平行に配置される電極部の個数が増えるほど、更に高い消光比を得ることが可能である。
上述したように、本実施例によれば、電極部の電極間隔を比較的狭くすることで電極間容量を小さくすることが可能になり、低い動作電圧で大きな屈折率変化を得ることができる。このため、本実施例は、消費電力の低減を図ることができる。また、複数の電極からなる電極部を有することで、比較的大口径、例えばビーム径が数十μm〜数百μm程度の光ビームに対するスイッチ動作を行える。このため、単位体積当たりに照射される光の強度を下げることが可能であり、高い光耐性を実現することができる。また、本実施例は、電極部に電圧を印加するだけでスイッチ動作を行うことができるので、動作回路も簡単となる。
さらに、本実施例は、電気光学結晶内で電極の長手方向に平行になるような角度で光を通過させることによって、ブリュースター角の条件式を満たした光を入射又は出射することができる。また、本実施例は、反射防止膜を用いることなく、光の入射及び出射のときに生じる反射を抑制することができる。加えて、本実施例は、電極の長手方向と光の進行方向とを平行にすることができる。このため、電極の厚みによって生じる光利用効率の低下も抑制することができ、高い光利用効率を得ることができる。
すなわち、本実施例の光スイッチは、高い光耐性が得られ、小型化が可能で動作回路の構造も簡素であり、ビーム径が比較的大きな光ビームに対するスイッチ動作を低消費電力で実現することができる。
上述した各実施例の光スイッチは、光通信装置、画像表示装置や画像形成装置等に適用することができる。以下に、光スイッチの適用例として、画像表示装置及び画像形成装置を説明する。
[画像表示装置]
図14に、本発明の光スイッチを備える画像表示装置の一例の模式図を示す。図14に示すように、この画像表示装置1201は、レーザ光源1202〜1204、コリメータレンズ1205〜1207、反射ミラー1208、ダイクロイックミラー1209、1210、水平走査ミラー1211、垂直走査ミラー1212、及び光スイッチ1214〜1216を有している。光スイッチ1214〜1216は、本実施例の光スイッチである。
レーザ光源1202からのレーザ光の進行方向に沿って、コリメータレンズ1207、光スイッチ1216、及び反射ミラー1208がそれぞれ順に配置されている。コリメータレンズ1207からの平行光束が光スイッチ1216に入射する。光スイッチ1216は、制御部1219から供給される制御信号に応じて動作する。制御信号がオンの期間(電圧供給期間)のとき、光スイッチ1216の電極部に電圧が印加され、屈折率変化領域が形成される。このため、この屈折率変化領域によって入射光が反射される。このとき、反射光は、反射ミラー1208へ向かう光路から外れる。制御信号がオフの期間(電圧供給停止期間)のとき、入射光は光スイッチ1216を透過して反射ミラー1208へ向かう。
レーザ光源1203からのレーザ光の進行方向に沿って、コリメータレンズ1206、光スイッチ1215、及びダイクロイックミラー1210がそれぞれ順に光路上に配置されている。コリメータレンズ1206からの平行光束は光スイッチ1215に入射する。光スイッチ1215においても、光スイッチ1216と同様な動作が行われる。制御信号がオンの期間(電圧供給期間)のとき、屈折率変化領域によって入射光が反射され、この反射光は、ダイクロイックミラー1210へ向かう光路から外れる。制御信号がオフの期間(電圧供給停止期間)のとき、入射光は光スイッチ1215を透過してダイクロイックミラー1210へ向かう。
レーザ光源1204からのレーザ光の進行方向に沿って、コリメータレンズ1205、光スイッチ1214、及びダイクロイックミラー1209がそれぞれ順に光路上に配置されている。コリメータレンズ1205からの平行光束は光スイッチ1214に入射する。光スイッチ1214においても、光スイッチ1216と同様な動作が行われる。制御信号がオンの期間(電圧供給期間)のとき、屈折率変化領域によって入射光が反射され、この反射光は、ダイクロイックミラー1209へ向かう光路から外れる。制御信号がオフの期間(電圧供給停止期間)のとき、入射光は光スイッチ1214を透過してダイクロイックミラー1209へ向かう。
ダイクロイックミラー1210は、光スイッチ1215からの光束と、反射ミラー1208で反射された光束とが交差する位置に設けられている。ダイクロイックミラー1210は、光スイッチ1215からの光を反射し、かつ、反射ミラー1208からの光を透過するような波長選択特性を有している。
ダイクロイックミラー1209は、光スイッチ1214からの光束とダイクロイックミラー1210からの光束とが交差する位置に設けられている。ダイクロイックミラー1209は、光スイッチ1214からの光を反射し、ダイクロイックミラー1210からの光を透過するような波長選択特性を有している。
水平走査ミラー1211は、ダイクロイックミラー1209からの光束の進行方向に沿って配置されている。水平走査ミラー1211は、制御部1219からの水平走査制御信号に基づいてその動作が制御される。垂直走査ミラー1212は、水平走査ミラー1211からの光束の進行方向に沿って配置されている。垂直走査ミラー1212は、制御部1219からの垂直走査制御信号に基づいてその動作が制御される。
レーザ光源1202、1203、1204として、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に対応する色のレーザ光を出射する光源が用いられる。光スイッチ1214、1215、1216をオン・オフ制御し、かつ、水平走査ミラー1211及び垂直走査ミラー1212を駆動制御することで、外部の投写面としてのスクリーン1213上に、カラー画像を表示することができる。
[画像形成装置]
次に、本実施例の光スイッチを備える、実施例の画像形成装置の構成について説明する。
図15に、実施例の光スイッチを備える画像形成装置の一例の模式図を示す。図15に示すように、この画像形成装置1301は、レーザ光源1302、コリメータレンズ1303、反射ミラー1304、走査ミラー1305、及び光スイッチ1306と、fθレンズ1307及び感光体1308を有している。光スイッチ1306は、本実施例の光スイッチである。
レーザ光源1302からのレーザ光の進行方向に沿って、コリメータレンズ1303、光スイッチ1306、及び反射ミラー1304がそれぞれ順に光路上に配置されている。コリメータレンズ1303からの平行光束は光スイッチ1306に入射する。光スイッチ1306は、制御部1309から供給される制御信号に応じて動作する。制御信号がオンの期間(電圧供給期間)のとき、光スイッチ1306の電極部に電圧が印加され、屈折率変化領域が形成される。このため、この屈折率変化領域によって入射光が反射される。この反射光は、反射ミラー1305へ向かう光路から外れる。制御信号がオフの期間(電圧供給の停止期間)のとき、入射光は光スイッチ1306を透過して反射ミラー1305へ向かう。
走査ミラー1305は、反射ミラー1305からの光束の進行方向に配置されている。走査ミラー1305は、制御部1309から供給される走査制御信号に基づいてその動作が制御される。走査ミラー1305からの光は、fθレンズ1307を介して感光体1308に照射される。なお、fθレンズ1307は、必要に応じて省かれてもよい。
以上のように構成された画像形成装置は、光スイッチ1306をオン・オフ制御し、かつ、走査ミラー1305を制御することで、感光体1308上に画像を形成する。
また、本実施例は、感光体1308の直前に挿入されたfθレンズ1307を使用せずに、スキャンした画像をそのまま感光体1308に投影させる装置として利用することも可能である。
なお、上述した実施例では、電気光学結晶の入射面に対して角度θxをなす方向に電極が延ばされて形成される構成を挙げたが、電気光学結晶の出射面に対して角度θxをなす方向に電極が延ばされて形成された構成でもよいことは勿論である。
以上説明した実施例の光スイッチ及びその光スイッチを利用した装置は、本発明の実施例の一例であり、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細は、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更を行うことができる。つまり、本発明に係る構成や光スイッチの製造方法の手順は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更することができる。
この出願は、2008年12月18日に出願された日本出願特願2008−322726を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
101 入射光
102 透過光
103 反射光
104、105 電気光学結晶
106 電極
107 電極部
108 光透過部
201 屈折率変化部
202 屈折率界面

Claims (14)

  1. 電気光学結晶と、該電気光学結晶の内部の同一平面上に互いに平行に延ばされて配列された複数の電極からなる電極部と、を有し、該電極部で発生した電界によって前記電気光学結晶の一部の屈折率を変化させることによって、前記電気光学結晶に入射した入射光の透過と反射とを切り換える光スイッチであって、
    前記電気光学結晶は、光が入射する入射面及び光を出射する出射面を有し、前記入射面と前記出射面との間に前記電極部が形成され、
    前記電極の長手方向と、前記入射面及び前記出射面の少なくとも一方の面とがなす角度θxが、
    Figure 2010071105
    (nは、変調する光の波長における前記電気光学結晶の屈折率)
    を満たす角度近傍にされている光スイッチ。
  2. 前記電極部は、面積が最大となる主断面が同一平面内に配置された複数の線状電極からなる、請求項1に記載の光スイッチ。
  3. 前記複数の線状電極は、前記主断面に直交する方向の厚みが等しく、等間隔に配置されている、請求項2に記載の光スイッチ。
  4. 前記電極部で発生した電界によって屈折率が変化する前記電気光学結晶の屈折率変化部が前記電極部全体を包囲しており、
    前記屈折率変化部の、屈折率が変化した領域と該領域の周辺の領域との屈折率界面は、複数の前記電極の配列方向に平行な平坦面を有している、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光スイッチ。
  5. 複数の前記電極には、互いに隣接する前記電極の極性が異なるように電圧が印加される、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光スイッチ。
  6. 前記電気光学結晶の前記入射面に入射する光の光軸と、前記入射面の法線方向とがなす角度θbが、
    Figure 2010071105
    (nは、変調する光の波長における前記電気光学結晶の屈折率)
    を満たす角度近傍をもって傾斜させて前記入射面に光が入射される、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光スイッチ。
  7. 前記入射光は少なくともP偏光成分を含んでいる、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光スイッチ。
  8. 前記電気光学結晶中の、前記電極部で発生した電界によって屈折率が変化した領域と該領域の周辺の領域との屈折率界面において、全反射される臨界角をθm、複数の前記電極の配列方向に直交し、かつ前記電極の長手方向の軸線を含む平面上における前記入射光のビーム径をr、複数の前記電極の配列方向に平行な平面上における前記入射光のビーム径をlとするとき、前記電極部を構成する前記電極の長さL、及び複数の前記電極の配列方向の前記電極部の幅Wが、
    Figure 2010071105
    Figure 2010071105
    (nは、変調する光の波長における前記電気光学結晶の屈折率)
    をそれぞれ満たしている、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光スイッチ。
  9. 前記電極部は、前記電気光学結晶中の、前記入射光が透過する光路上に複数配置されている、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光スイッチ。
  10. 光源と、
    前記光源からの光を変調する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光スイッチと、
    前記光スイッチからによって変調された光ビームで外部の投写面上を走査する走査手段と、
    外部から入力された制御信号に応じて前記光スイッチにおける変調動作を制御する制御部と、を有する、画像表示装置。
  11. 光源と、
    感光体と、
    前記光源からの光を変調する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光スイッチと、
    前記光スイッチからによって変調された光ビームで前記感光体上を走査する走査手段と、
    外部から入力された制御信号に応じて前記光スイッチにおける変調動作を制御する制御部と、を有する、画像形成装置。
  12. 電気光学結晶と、該電気光学結晶の内部の同一平面上に互いに平行に延ばされて配列された複数の電極からなる電極部と、を有し、該電極部で発生した電界によって前記電気光学結晶の一部の屈折率を変化させることによって、前記電気光学結晶に入射した入射光の透過と反射とを切り換える光スイッチの製造方法であって、
    前記電気光学結晶の端面に対して前記電極の長手方向がなす角度θxが、
    Figure 2010071105
    (nは、変調する光の波長における前記電気光学結晶の屈折率)
    を満たす角度近傍で傾斜させて、前記電気光学結晶の同一平面上に複数の前記電極を形成する工程を有する、光スイッチの製造方法。
  13. 電気光学結晶と、該電気光学結晶の内部の同一平面上に互いに平行に延ばされて配列された複数の電極からなる電極部と、を有し、該電極部で発生した電界によって前記電気光学結晶の一部の屈折率を変化させることによって、前記電気光学結晶に入射した入射光の透過と反射とを切り換える光スイッチの製造方法であって、
    前記電気光学結晶の端面に対して前記電極の長手方向を直交させて、前記電気光学結晶の同一平面上に複数の前記電極を形成する形成工程と、
    複数の前記電極が形成された前記電気光学結晶を切断面に沿って切断する切断工程と、を有し、
    前記切断工程では、前記電極の長手方向に対して前記切断面がなす角度θxを、
    Figure 2010071105
    (nは、変調する光の波長における前記電気光学結晶の屈折率)
    を満たす角度近傍にする、光スイッチの製造方法。
  14. 前記電気光学結晶中の、前記電極部で発生した電界によって屈折率が変化した領域と該領域の周辺の領域との屈折率界面において、全反射される臨界角をθm、複数の前記電極の配列方向に直交し、かつ前記電極の長手方向の軸線を含む平面上における前記入射光のビーム径をr、複数の前記電極の配列方向に平行な平面上における前記入射光のビーム径をlとするとき、前記電極部を構成する前記電極の長さL、及び複数の前記電極の配列方向の前記電極部の幅Wが、
    Figure 2010071105
    Figure 2010071105
    (nは、変調する光の波長における前記電気光学結晶の屈折率)
    をそれぞれ満たしている、請求項12又は13に記載の光スイッチの製造方法。
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