JP3729162B2 - 光変調素子及びそれを用いた光源と表示装置ならびにその駆動方法 - Google Patents

光変調素子及びそれを用いた光源と表示装置ならびにその駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光変調素子に関し、特に表面プラズモンを応用した光変調素子と、この光変調素子を用いた光源と表示装置、並びにこれらの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の表示装置、特にフィールドシーケンシャル(フィールド順次)表示装置として、例えば、平成2年発行、小林駿介編著「カラー液晶ディスプレイ」117頁には、カラーのフィルター円板を用いた装置が示されている。この装置では、モノクロブラウン管の前に光の3原色である赤、緑、青に塗り分けられたカラーのフィルター円板が配置され、表示に同期して回転することによりカラー表示が可能となる。同様に、白色光源の前にカラーのフィルタ円板を置きブラックシャッタ(白黒のシャッタ式表示素子)を組み合わせてもカラー表示が可能である。また、他の方式の装置として、前記「カラー液晶ディスプレイ」120頁及び121頁に、モノクロCRT(陰極線管)の前にπセルと呼ばれる高速液晶表示素子を2つと偏光板及びカラー偏光板を3枚組み合わせる事によりフィールド順次カラー表示を行なう装置が示されている。さらに、CRTやLED(発光ダイオード)や冷陰極管をバックライトとして用い、液晶ディスプレイをブラックシャッタとして用いた例も前記「カラー液晶ディスプレイ」122頁及び123頁に示されている。この装置では、3原色の各々の色のバックライトを用意し高速で交互に点滅させている。これらの一例が、「月刊ディスプレイ」1998年7月号の11頁から16頁にフィールドシーケンシャル・フルカラーLCDとして示されている。この例では、現在普及している液晶表示装置の照明光である冷陰極管バックライトを、赤・緑・青と時間的に切り替えている。
【0003】
近年、前記したようなカラーフィルタやカラー光源を用いることなく、カラー表示を実現する表示装置として、表面プラズモン波(SPW)という金属と絶縁体(誘電体)の界面で保たれる電磁波を利用した光変調素子と、この光変調素子を利用してカラー表示を可能にした表示装置、光源が提案されている。すなわち、金属等の導体は正の固有の電荷の連続領域の中で静電的に釣り合った電子のガスとして定義できる。これは1立方センチメートル内に10の23乗個の電子が存在する事にほぼ等しい電子密度を有した「凝縮された」電子プラズマと考えられる。通常のプラズマ振動である体積プラズマ振動の他に表面プラズマ振動と呼ばれる縦波が存在する。この表面プラズマ振動による電場は金属表面に平行な方向には周期的な波動の形態を有し、金属表面に垂直な方向には指数関数的に減少する減衰波の形態を有する。また、プラズモンとは金属内のプラズマ振動(伝導電子気体の集団的な波の励起)の量子である。電子密度が高いために量子効果が著しい。この表面プラズモン波は共振結合によって光学的に励起する事が可能である。この共振の条件は、金属と絶縁体の界面近傍での媒体の屈折率と厚さに強く依存する。また、光波の強度は、光波を表面プラズモン波に結合する事により変調する事が出来る。一般的には、表面プラズモン波と光波間の結合が強ければ出射光波の減衰が大きくなり、結合が弱ければ出射光波はほぼ減衰しない。
【0004】
全反射減衰(ATR)効果は高屈折率プリズムを介して表面プラズモン波を光学的に励起するために利用されている。自由空間を移動する光は臨界角を超える角度でプリズムを介し金属−絶縁体界面に送られ、表面プラズモン波領域に重なるであろうエバネッセント波の領域を形成する。エバネッセント波の伝播係数Kevと表面プラズモンの伝播定数Kspが一致すると金属表面に表面プラズモン共鳴が励起される。表面プラズモン波を光学的に励起するためには主に二つの形態が使用される。第1の形態はオットー(Otto)の全反射(ATR)形状である。このオットーの形状を図11(a)に示す。このオットーの形状では厚い絶縁体102上に重ねられた金属媒体層101と高屈折率プリズム103との間に小さい空隙104が存在する。入射光によって表面プラズモン波105が光学的に励起される。また、表面プラズモン波を光学的に励起する第2の形態は図11(b)に示すクレットシーマン(Kretschmann)の変形ATR形状である。この形状では薄い金属箔101がプリズム103と絶縁体102の間に挿入されている。この構成でも反射光106とならない吸収光により表面プラズモン波105が光学的に励起されるが、空隙が存在しないのでより実用的である。尚、エバネッセント波を発生するための高屈折率プリズム103は、入射光の波長より細かい周期を有する回折格子等、その他の光学部品としてもよい。
【0005】
ここで、エバネッセント波の伝播定数(波数)kevは、光学部品としてプリズムを用いた場合、次式に示すようになる。
【数1】
Figure 0003729162
但し、cは真空中での光速度、ωは角振動数、λは波長、n(ω)およびn(λ)は角振動数ωおよび波長λの時のプリズムの屈折率、k0(ω)は真空中で角振動数ωの時の波数、θは光のプリズムの底面に対する入射角である。従って、プリズムの屈折率n(ω)もしくはn(λ)と、光の入射角θを調節する事によりエバネッセント波の波数と金属表面プラズモンの伝播定数とを一致させる事が出来る。
【0006】
一方、表面プラズモンの伝播定数kspは、表面プラズモンの角振動数をω、金属の誘電率と金属に接する低屈折率媒質の誘電率をそれぞれεm ,ε0 とすると、
【数2】
Figure 0003729162
で与えられる。但し、εm ( ω)およびεm ( ω)は角振動数ωおよび波長λの時の金属の誘電率である。ここでεm は複素数である事から、伝播定数kspもまた複素数である。kev=kspの時にプリズムを用いて発生されたエバネッセント波が表面プラズモンを発生させる。金属表面プラズモンを強く励起するためには、その金属表面プラズモン自身が寿命の長い波動でなければならない。すなわち、伝播係数kspの虚数項が小さく、伝播に伴う減衰が小さい事が必要である。
【0007】
伝播係数kspの虚数項を、各複素数を、ksp=ksp′+iksp″、εm =εm ′+iεm ″(これらのεは、正確には角振動数もしくは波長に依存している)とおいて近似的に解くと、
【数3】
Figure 0003729162
となる。従って、金属表面プラズモンの強度を決めている因子は、εm ″/(εm ′)2 であり(これらのεは、正確には角振動数もしくは波長に依存している)、金属表面プラズモンを励起する金属としては、|εm ″/(εm ′)2 |の値の小さい金属である事が望まれる。具体的には、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等が使用可能である。
【0008】
この表面プラズモンを利用し、低屈折率の誘電体として液晶等の電界印加で屈折率が変化する物質を使用して電界で波長を選択して表示を行う液晶表示装置(米国特許5,451,980 号明細書)ならびにプロジェクタ(米国特許5,570,139 号明細書)が提案されている。また、その素子の学会発表での例が、1995年の米国の「アプライド・フィジックス・レター誌」67巻19号の2759頁から2761頁に示されている。この文献には、図12(a)のように、液晶を用いて吸収波長を可変とし反射光の波長域を電気的に変化させた素子が示されており、さらに図12(b)のように、前記素子での電圧値を変えたときの波長に対する反射光強度の特性の測定(破線)および計算結果(実線)が示されている。前記素子では、プリズム103として60°のSF6 ガラスプリズムを用い、金属薄膜101として50nmの銀薄膜を蒸着し、配向膜108としてMgF2 を50°の斜方蒸着により50nm形成している。基板110はガラス基板上に透明電極であるITO膜を形成した上に同じ配向膜108を斜方蒸着している。スペーサ109により4μmのセルギャップとした後、液晶107としてメルク社製のBL009を注入している。この素子に同図(a)のように白色光を偏光板を介してp偏光の直線偏光として入射して電圧を印加して反射光の波長依存性を調べた結果が同図(b)である。電圧0Vでは、 640nm近辺に吸収極大がある。電圧を印加していくと吸収極大が低波長側にシフトしていき、10Vで 560nm、30Vで 450nmとなっている。測定結果と計算結果は良好に一致している。
【0009】
また、他の技術として、吸収された光の再放出を利用する技術がある。その例として、米国,1997年「エスアイディー97ダイジェスト」63頁から66頁に示されている技術を説明する。図13(a)は、従来のクレットシーマン法を対称構造とし特定波長域の透過光を得る素子の断面図であり、図13(b)は前記素子で中央の媒体の屈折率を変えた時の波長に対する透過光強度の計算結果を示す図である。この素子は、図12(a)に示された構造の素子において、基板110側を取り除き上側と同じ構造を下側に対称に設けたものと同様と考えられる。但し、中央部の電気光学物質111の膜厚は図12(a)の素子に比べて極めて薄く設定される。この対称的な構造と非常に薄い中央の電気光学物質111により、入射側の界面で発生した表面プラズモン波が次の金属との界面での表面プラズモン波に結合することが可能となり出射側に表面プラズモン波を生じる。この表面プラズモン波が同じ波長の光を再び放出させる。このようにして吸収された光を再放出することが可能である。図13(b)はこの素子において、中央の物質の屈折率異方性dnを0から0.2 、0.5 に変化させた時の理論計算結果である。dnが0の時は、 450nmの波長の光を放出し、0.2では 530nmの光、0.5では 650nmの光を放出する。表面プラズモンは表面での効果であるので、このような再放出を起こすには、中央の物質の膜厚は極めて薄く一波長程度とされる。中央の物質として液晶材料を用いた場合、この膜厚の薄さのために、通常の液晶素子の応答速度より二桁ほど速い応答速度が実現できると考えられる。
【0010】
また、前記文献の他の技術として、図14に示す技術は、表面プラズモンを利用したフィールドシーケンシャル表示を行う直視型の液晶表示装置の構成例を示す。ここでは、図13(a)に記載の素子を素子100として1つ用い、これに線光源112からの光をシリンドリカルレンズ113を通して上で前記素子100に入射し、時間毎に光の3原色の内の1色を選択し、階段状表面を有する反射板114により液晶パネル115の全体に光を照射しフィールドシーケンシャル表示を可能としている。更に、特許や他の文献では、これらを利用した他の液晶表示素子やプロジェクタも提案されている。前記米国特許5,570,139 号明細書に記載の技術として、図15に示すように、表面プラズモンを利用した液晶表示素子用の光源の例を示す。白色光が右上から照射され、順次複数(3個)の単位素子100A,100B,100Cに入射されることで、その出射光が光源として成立する。各単位素子100A,100B,100Cで特定波長域、すなわち、青、緑、赤の吸収を行い、黄、マゼンタ、シアンの各色を得る。これを3つの素子で繰り返すことにより、所定の色の光を得る。
【0011】
一方、プロジェクタに利用している例として、1997年「エスピーアイイー誌」3019巻の35頁から40頁に示される技術がある。この技術は、図16に示すように、本技術による表面プラズモンを利用したプロジェクタの例の断面図を示す。中央の表面プラズモン素子100Dは図15とほぼ同じ構成であり、図15のプリズム103を一つにまとめただけの違いである。入射側にはランプ116、反射板117、リレーレンズ118、インテグレータ119、偏光板120が配置され、出射側には投影レンズ121を通して図外のモノクロの変調を行い像を得る反射型液晶表示装置等を配置し、画像の表示を行っている。ランプから出た光は反射板により一方向に集まるようにされ、リレーレンズとインテグレーターにより狭い領域の平行光に近づけられる。偏光板により一方の偏光にそろえ、表面プラズモン素子で色の選択と画像の表示を行い、投影レンズを介して最終的な投影が行われる。フィールドシーケンシャル表示でプロジェクトが可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の光変調素子、特に表面プラズモンを利用した光変調素子及びこれを利用した表示装置では、次のような問題が生じている。第1の問題点は、構造が複雑である点である。その理由は、従来の技術では、特定の波長域の3原色の光を同時に得るのに電界による波長が可変な単位素子が3個必要であるためである。第2の問題点は、光のロスが大きい点である。その理由は、表面プラズモンを吸収された反射光、もしくは、吸収した光の再放出光のみを利用しているためである。そのため、利用されなかった光は全くのロスとなってしまう。例えば、図14の技術ではフィールドシーケンシャル表示のある色を表示している期間は、3原色の内の他の2色は全く利用されない。第3の問題点は、時間的にも空間的にも分割できる光変調素子が存在しないことである。
【0013】
本発明の目的は、構造を簡便とした光変調素子を提供することにある。また、本発明の他の目的は、光のロスを最小限とした光変調素子を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、時間的にも空間的にも分割できる光変調素子を提供することにある。また、本発明は前記したような光変調素子を用いた表示装置とその表示方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、対向配置された金属薄膜間に挟まれた電気光学物質からなり、一方の金属薄膜の表面に生じる表面プラズモンを他方の金属薄膜での表面プラズモンに結合し入射光の進行方向とほぼ平行な方向に再放出する光変調素子とミラーとからなり、前記光変調素子が前記金属薄膜を平行とするように2つ配置され、前記ミラーのミラー面が前記金属薄膜と平行となるよう配置され、前記2つの光変調素子の一方に入射する複数の波長光のうち前記金属薄膜で反射される波長光を前記他方の光変調素子に入射し、前記他方の光変調素子から再放出された波長光を前記ミラーにより反射するよう前記2つの光変調素子および前記ミラーを配置してなり、前記複数の波長光を空間的に分割して放出し、前記波長光の波長が時間に応じて互いに入れ替わることを特徴とする。前記光変調素子としては、それぞれ斜面に金属薄膜が設けられ、かつその金属薄膜が対向配置された一対のプリズムと、前記対向配置された金属薄膜間に挟まれた電気光学物質から構成されたものを用いることができる。 前記電気光学物質として液晶物質を用いることができる。また、前記プリズムに代えて入射光の波長より短い周期を有する回折格子を採用することも可能である。さらに、前記光変調素子を利用して、光源が構成でき、あるいは液晶表示装置や液晶プロジェクタが構成できる。
【0015】
本発明の光変調素子では、単位素子で発生する吸収し再放出による透過光と反射光の双方を出射光もしくは次の単位素子への入射光もしくはミラーへの入射光とする事により、すべての光をロスなく最終的な出射光に利用できる。また、空間的に光の色を分割できる。さらに、電圧により波長を変える事による時間的にも分割が可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1(a)を参照すると、第1の本発明の実施の形態は、クレットシーマン法を対称構造とした第1及び第2の単位素子1,2と、1つのミラー3からなり、必要に応じ偏光方向を一方向に揃える素子が加えられる。ここでは、偏光変換素子4が光入射路に設けられる。前記クレットシーマン法を対称構造とした第1及び第2の単位素子1,2は、それぞれ直角三角形断面をした二つのプリズム11,12を互いの斜面を対向配置し、各斜面にそれぞれ金属薄膜13,14を形成し、さらに、対向配置された前記金属薄膜13,14の間に電界強度に応じて屈折率が変化する電気光学物質15を介挿配置している。そして、前記第1及び第2の単位素子1,2は、各プリズムの一面同士がほぼ接した状態で平行に配置され、結果として各プリズム11,12の底辺及び前記金属薄膜13,14が平行な位置に配置される。同時に前記ミラー3の表面も前記平行な面と平行で、且つ、前記単位素子1,2同士が接していない側の第2の単位素子2のプリズムの頂点に一端がほぼ接するように配置される。また、前記偏光変換素子4は、前記ミラー3が接していない側の第1の単位素子1の入射光側の位置、すなわち第2の単位素子2と接していない側のプリズム12面に対向する位置に配置される。
【0018】
図1(b)は、前記第1の実施の形態の動作を説明する図であり、RGB(赤、緑、青)の3原色の光がどのように伝達するかを模式的に示した図である。前記偏光変換素子4によって直線偏光とされた白色光は、第1の単位素子1のプリズム12の一面に入射され、金属薄膜14に到達される。ここで、ある時間においては、入射側の第1の単位素子1では赤の光を吸収し再放出する。そのため、赤の光が出射される。他の緑と青の光を含む反射光は、第2の単位素子2に入射する。第2の単位素子2では、プリズム11を通して金属薄膜13に到達され、青の光を吸収し再放出する。そのため、反射光として緑の光が出射される。また、青の光は第2の単位素子2を透過後、ミラー3において反射され、出射される。このように白色光が赤、緑、青の順に空間的に分割される。また、第1の単位素子1と第2の単位素子2にそれぞれ電圧を印加することにより、電気光学物質15における屈折率が変化されるため、前記した吸収・再放出の光波長を変えることが可能である。例えば、第1の単位素子1で緑、第2の素子で赤を吸収・再放出するようにすると、白色光が緑・青・赤の順に空間的に分割される。このような時間的なスイッチングを行うことにより、空間的に分割された光を時間的にも分割することが可能である。また、光のロスは極めて小さい。特に入射側に無偏光の光を直線偏光の光に揃える前記した偏光変換素子4を挿入しておくことにより、光のロスはほとんどなくなる。
【0019】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、前記第1の実施の形態の電界で屈折率が変化する電気光学物質15として液晶物質を用いている。この場合、必要に応じて液晶物質を配向させるための配向膜が形成される。この第2の実施の形態の動作は、第1の実施の形態と同様である。電圧を印加する事により電気光学物質15としての液晶物質の液晶配向が変化し、液晶の有する屈折率異方性のために液晶物質の屈折率が変化する。これにより電圧による波長を変える事が可能である。特に着目すべき点は、液晶物質の領域が一波長程度の厚みに極めて薄膜化されているため、バルク的なスイッチングでなく表面のみでのスイッチングとなり、通常の液晶物質を用いた素子より二桁ほど高速な応答が得られる点である。これにより高速応答可能な光変調素子が得られる。
【0020】
例えば、図1を参照すると、第1及び第2の単位素子1,2のプリズム11,12として60°のSF6 ガラス(ドイツ:ショット社製)のプリズムを用い、金属薄膜13,14として銀薄膜を蒸着し、さらに図には現れないが配向膜としてMgF2 を斜方蒸着した。このプリズム11,12を電気光学物質15としての液晶を間に挟み接着剤は使用せずに貼り合わせた。前記金属薄膜13,14には配線を施し、電圧を印加できるようにした。それぞれがこのようにして構成された第1及び第2の単位素子1,2をSF6 とほぼ同じ1.805 の屈折率のマッチングオイルを用い光学接着した。更に、ミラー3を配置した。また、白色光源からの光を偏光変換素子4としての偏光板を介して照射した。そして、前記配線間、すなわち金属薄膜13,14間に電圧を印加する事により、赤・緑・青が空間的に分割された。更に電圧値を調整する事により、時間的にもスイッチングする事ができ、(1)赤・緑・青、(2)緑・青・赤、(3)青・赤・緑、の順で高速にスイッチングが可能であった。
【0021】
また、この場合、プリズム11,12として、酸化チタンを加熱しルチルの結晶形としたものを使用した。屈折率は2.8 程度であった。このプリズムを用いて第1及び第2の単位素子1,2を作成し、これらを平行に配置した上で、ミラー3を設けた。また、無偏光の光をp偏光に変換する偏光変換素子4を設けた。このような構成では、偏光変換素子の効果と、高屈折プリズムの使用により、前記構成よりも効率が非常に高められた。なお、プリズムとして屈折率1.92程度のHOYA社のFDS1ガラスを用いた場合も検討したが、ルチルプリズムの方が効率が高かった。
【0022】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態では、第1の実施の形態の電界で屈折率が変化する物質15の代わりに空隙としピエゾ効果(圧電効果)を示す物質をプリズム11,12の対向間の片方の端もしくは両方の端に配置したものである。図2(a)は、第3の実施の形態の構成を示す図である。第1の実施の形態で設けていた電気光学物質15の代わりに、プリズム11,12間の両端にピエゾ物質16が設けられ、このピエゾ物質16によってプリズム11,12間に空隙17が設けられる。図2(b1),(b2)はこの第3の実施の形態の動作を説明する図である。この第3の実施の形態では、第1および第2の実施の形態と異なり、電圧の印加により屈折率を変化させるのではなく、空隙17の厚みを変化させる。ピエゾ物質16に電圧を印加すると、電圧値により歪みを生じ図2(b1)に示すような伸長、あるいは図2(b2)のように縮小させ、これにより空隙17の厚みを変化する事が可能である。この性質を利用し、表面プラズモンの結合条件を変化させ、第1および第2の実施の形態と同様の効果を得る。この方式の利点は、液晶を用いた場合に比べると空隙17の領域は液晶より低屈折率であるため、プリズム11,12が高屈折率である必要が無い。この事は、低コスト化に有利となる。
【0023】
前記第3の実施の形態の具体例としては、ピエゾ効果を有する物質として薄膜化が容易な点で酸化亜鉛(ZnO)を使用した。液晶を用いない点とピエゾ物質を使用するための以下の工程以外は第2の実施の形態と同様に作成することが可能である。各単位素子1,2のプリズム11の銀薄膜13の両端部に酸化亜鉛の薄膜16を形成しパターニングした。しかる上で、ごく少量の銀ペーストを制御式ディスペンサで塗布してプリズム12の銀薄膜14を形成した面を貼りあわせ、前記酸化亜鉛の薄膜16によって両プリズム11,12の各銀薄膜13,14の間に空隙17を形成している。なお、ミラー3と偏光変換素子4を使用した。この具体例によって、第1の実施の形態の具体例と同様の高い効率が得られた。なお、前記第3の実施の形態では、ピエゾ物質として酸化亜鉛を使用したが、薄膜化が可能であればどのような物質でも構わない。例えば、窒化アルミ(AlN)でもマグネトロンスパッタ法やデュアルビームスパッタリング法で良好な薄膜が形成される。また酸化亜鉛ではECRプラズマスパッタリング法で更に良好な薄膜が得られた。一方、最近ではPZT系でも薄膜化が可能である。
【0024】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態では、第3の実施の形態と同様にピエゾ効果を示す物質を使用するが、図3(a)に示すように、第1の実施の形態における電気光学物質15の代わりには空隙17のみが設けられ、各々の単位素子1,2のプリズム11,12の各表面で入射、透過、反射等の光が通る面以外にピエゾ効果を示す物質16が配置される。この第4の実施の形態では、第3の実施の形態と同様に空隙の厚みを変化させる。ピエゾ物質16に電圧を印加すると電圧値により歪みを生じ、図3(b1)のような伸長、図3(b2)のような縮小をさせ、その結果プリズム11,12間の空隙17の厚みを変化させる事が可能である。この方式の利点は、第3の実施の形態の利点に加えて、ピエゾ物質16を薄膜化する必要がなく、また、図のようにプリズムの全面に設ける場合はパターニングが不要であるためにパターニング精度が要求されず、安価に作成できる点がある。更に、ピエゾ物質16用の電極の取り出しが容易である。なお、ピエゾ物質16の伸縮方向とプリズム11,12間の対向方向が異なるため、若干、図中の左右方向に移動が生じるが、これはきわめて小さい範囲であり、無視できる。なお、この第4の実施の形態では、ピエゾ物質16として第3の実施の形態と同様な物質が利用できるが、この実施の形態では第3の実施の形態のような薄膜化の必要がないため、更に種々のピエゾ物質が使用可能である。
【0025】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態では、第1から第4の実施の形態のプリズム11,12の代わりに回折格子を使用する実施の形態である。図4に示すように、第1の実施の形態のプリズムを配置していた部分に回折格子18が使用される。すなわち、所要の厚さの電気光学物質15の両面に金属薄膜13,14を形成し、これら金属薄膜13,14の表面に回折格子18をそれぞれ配設したものである。回折格子18としては、入射光の波長より細かい周期を有する回折格子が選ばれる。本実施の形態では、第1から第4の実施の形態に従い、液晶のような電気光学物質を用いてもピエゾ効果を示す物質を用いてもどちらでも構わない。この第5の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の動作が可能であるとともに、特に大きなプリズムが必要でないため、装置全体がコンパクトになり、かつ軽量化も可能である。
【0026】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5の実施の形態で使用する第2の単位素子の出射側にフィルタを設けている。図5は第6の実施の形態として、第1の実施の形態に適用した構成を示している。第2の単位素子2の出射側に波長特性改善用のフィルタ19が設けられている。このフィルタ19の特性は、各々の単位素子で吸収・再放出され出射する光と単位素子1と単位素子2で吸収のみを受けて反射して出射する光とでは波長域や強度が異なる点を補償するための特性である。また、このフィルタ19の特性は、必要に応じて、使用する電圧や膜圧や屈折率等の条件での表面プラズモン吸収では吸収が良好に生じない波長域をカットする特性である。図6(a)は、この第6の実施の形態で使用するフィルタの特性の一例を示している。この特性は、図12(b)に示した特性に近い吸収・再放出の特性であり、波長 460nm、 550nm、 680nmにピークを持っている光変調素子を用いた場合の第2の単位素子の反射光に含まれる不要な波長域の光をカットする特性となっている。図6(b)は、第6の実施の形態を適用した場合の空間分割された各単位空間での出射光の波長特性を示したものである。第1の単位素子1で赤の光を、第2の単位素子2で青の光をそれぞれ吸収・再放出し、第2の単位素子2で緑の光を反射したときについて示した。不要な波長域がカットされ、良好に色が空間分割されている。
【0027】
(第7の実施の形態)
第7の本発明の実施の形態は、第1から第6の実施の形態における電界の印加方法、すなわち駆動方法に関する。図7は、第7の実施の形態における駆動方法の一例を図示したものである。ここでは、同図のようにフィールドシーケンシャルのサブフィールド時間内での吸収する光の波長を固定とせずシフトするための駆動法であることが特徴である。すなわち、サブフィールド内に印加する電圧の振幅を変化させる。図8(a)は前記駆動方法によりシフトされる波長特性範囲を示す図である。また図8(b)は、前記駆動方法を利用する場合(実線)としない場合(破線)で得られる波長特性の違いを示した図である。本駆動方法では、サブフィールド時間内に印加する電圧の振幅を変化させるので、出射される光はその変化に応じて波長特性をシフトしたものの時間平均となる。これにより波長域の幅を調節する事が可能である。同時に第2の単位素子からの反射光の波長域も調整できる。図7では、液晶部分に正負で対称な電圧を印加する事としているが、焼き付き等の問題が生じない場合は片方だけでもよい。ピエゾの場合でも印加電圧値の条件は異なるが、同様にして実現が可能である。
【0028】
(第8の実施の形態)
本発明の第8の実施の形態では、第1から第7の実施の形態の光変調素子を使用することで、圧縮色分割光源を構成している。この実施の形態では、特に図示は省略するが、前記第1から第7の実施の形態では、第1及び第2の単位素子1,2からそれぞれ異なる波長の光を分割して出射することが可能であることから、圧縮色分割光源を構成することが可能である。ここで、圧縮色分割光源とは、時間的にも空間的も分割され、且つ、光のロスが少ない光源である。例えば、図1(b)に示したように、多数の波長域の光を含む白色光源等と第1の実施の形態の光変調素子の組み合わせにより実現される。同様に、白色光源等と第2ないし第7の実施の形態の光変調素子の組み合わせにより実現される。この第8の実施の形態の光源によりフィールドシーケンシャル表示における光のロスがなくなる。
【0029】
(第9の実施の形態)
本発明の第9の実施の形態では、第1から第7の実施の形態の光変調素子、あるいは第8の実施の形態の圧縮色分割光源を使用することで、フィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置を構成している。図9は、この第9の実施の形態による液晶表示装置の一部とその動作を示す図である。すなわち、液晶表示装置の液晶20は、直視型もしくは反射型もしくは投射型の液晶パネルとして構成され、前記液晶20の遮光部21によって区画される開口部22のうち、組みをなす3個単位の開口部22に対向してそれぞれマイクロレンズ23を配置し、各マイクロレンズ23に対して図外の左側に第1ないし第8の実施の形態の光変調素子あるいは光源が配置される。この構成では、分割された各色の光の光路をレンズで調整し、同図の左方向から入射するようにする。マイクロレンズを介して液晶層に入射し、開口部と遮光部から画素構造を透過する。初めの期間では同図(a)のように上の画素から順にから赤・青・緑と表示する。次の期間では同図(b)のように緑・赤・青の順に表示し、最後の期間では同図(c)のように青・緑・赤と表示する。この繰り返しにより、画素毎に色を切り替える方式でのフィールドシーケンシャル表示が可能であり、光のロスが少ない液晶表示装置が得られる。
【0030】
(第10の実施の形態)
本発明の第10の実施の形態では、第1から第9の実施の形態に基づいてプロジェクタを構成している。図示は省略するが、第1から第9の実施の形態をプロジェクタ装置の一部に適用する事により実現される。動作はこれまで述べたのと同様である。プロジェクタのような投射型では光のロスが大きく、光源の強度が必要とされ、消費電力の増加や装置の小型化が困難などの問題を抱えていた。本構成により、光のロスが無いプロジェクタが得られる。また、プロジェクタでの表示方法としては、第9の液晶表示装置を利用した方法以外に、DMD(デジタルミラーデバイス)やTMA(シンフィルム・マイクロミラー・アレイ)等の他の様々な装置を使用した方法がある。更には、本素子を多数使用した形態も可能である。
【0031】
(第11の実施の形態)
本発明の第11の実施の形態は、第9の実施の形態における液晶表示装置、あるいは第10の実施の形態におけるプロジェクタの駆動方法である。空間的に分割されて出射される光は、各々の単位空間毎に強度が異なる。これは、前述の吸収・再放出により出射される光と2回の吸収と反射のみで出射され光の強度差以外に、単位素子の設計条件や作成条件、および、ミラーの反射率や光路差や光路中の媒質の違い等による。そこで、液晶表示装置やプロジェクタで使用するモノクロ変調用装置等でこれを補正するように駆動する。図10は、第11の実施の形態の動作を示す図である。同図(a)は光変調素子により得られる空間分割された各光線の強度である。同図(b)は前記(a)の特性のときにおけるモノクロ変調の強度の設定範囲である。これら(a)と(b)の特性を掛け合わせたものが実際の表示として得られる。この方法により光変調素子で発生する強度差を無くす事が可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、金属薄膜と電気光学物質の界面に生じる表面プラズモンを応用した2つの単位素子とミラーとで光変調素子を構成し、単位素子で発生する吸収し再放出による透過光と反射光の双方を出射光もしくは次の単位素子への入射光もしくはミラーへの入射光とする事により、すべての光をロスなく最終的な出射光に利用でき、また、空間的に光の色を分割でき、さらに、電圧により波長を変える事による時間的にも分割が可能である。これにより、本発明では次のような効果が得られる。
【0033】
第1の効果は、構造が極めて簡便になる点である。その理由は、電界を印加する単位素子が2つのみですむためである。第2の効果は、光のロスが極めて少なく、有効に光を利用できる点である。その理由は、対称構造により再結合された透過光と反射光の双方を巧みに、且つ、有効に使用するためである。第3の効果は、時間的にも空間的にも分割できる光変調素子を提供できることである。その理由は、素子構造により空間的に光を各波長領域ごとに分割できると同時に、電界の印加により波長を可変とすることができ時間的にも分割できるためである。第4の効果は、安価に実現が可能な点である。その理由は、装置構成が簡便となると同時に、ピエゾ効果を利用することにより屈折率が低くなるため、高価なプリズムや高価な回折格子が不必要となり安価なプリズムや安価な回折格子が利用できるためである。第5の効果は、装置全体がコンパクトになり、且つ、軽量化される点である。その理由は、プリズムの代わりに回折格子を使用するためである。第6の効果は、出射される光の波長特性が良好な事である。その理由は、波長特性を補正するフィルタを使用したり、駆動方法を工夫する事により波長特性を改善しているためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の構成とその動作を説明する図である。
【図2】 本発明の第3の実施の形態の構成とその動作を説明する図である。
【図3】 本発明の第4の実施の形態の構成とその動作を説明する図である。
【図4】 本発明の第5の実施の形態の構成を示す図である。
【図5】 本発明の第6の実施の形態の構成を示す図である。
【図6】 本発明の第6の実施の形態でのフィルタの特性例とその分光特性を示す図である。
【図7】 本発明の第7の実施の形態における駆動方法を示す図である。
【図8】 本発明の第8の実施の形態における分光特性を示す図である。
【図9】 本発明の第9の実施の形態の動作を示す図である。
【図10】 本発明の第11の実施の形態の空間分割された光強度を示す図である。
【図11】 従来のオットーの表面プラズモン波発生器とクレットシーマンの表面プラズモン波発生器のそれぞれの説明図である。
【図12】 従来の液晶を用いて吸収波長を可変とし反射光の波長域を電気的に変化させた構造の断面図と、当該素子での電圧値を変えたときの波長に対する反射光強度の特性の測定および計算結果を示す図である。
【図13】 従来のクレットシーマン法を対称構造とし特定波長域の透過光を得る素子の断面図と、当該素子での中央の物質の屈折率を変えたときの波長に対する透過光強度の計算結果を示す図である。
【図14】 従来の表面プラズモンを利用したフィールドシーケンシャル表示を行う直視型の液晶表示装置の構成図である。
【図15】 従来の表面プラズモンを利用した液晶表示素子用の光源の例を示す図である。
【図16】 従来の表面プラズモンを利用したプロジェクタの一例の構成図である。
【符号の説明】
1 第1の単位素子
2 第2の単位素子
3 ミラー
4 偏光変化素子
11,12 プリズム
13,14 金属薄膜
15 電気光学物質
16 ピエゾ物質
17 空隙
18 波長特性改善フィルタ
19 回折格子
20 液晶
21 遮光部
22 開口部
23 マイクロレンズ
100,100A〜100D 素子
101 金属薄膜
102 絶縁体
103 プリズム
104 空隙
105 表面プラズモン波
106 反射光
107 液晶
108 配向膜
109 スペーサ
110 基板
111 電気光学物質
112 線光源
113 シリンドリカルレンズ
114 反射板
115 液晶パネル
116 ランプ
117 反射板
118 リレーレンズ
119 インテグレータ
120 偏光板
121 投影レンズ

Claims (9)

  1. 対向配置された金属薄膜間に挟まれた電気光学物質からなり、一方の金属薄膜の表面に生じる表面プラズモンを他方の金属薄膜での表面プラズモンに結合し入射光の進行方向とほぼ平行な方向に再放出する単位素子とミラーとからなり、前記単位素子が前記金属薄膜を平行とするように2つ配置され、前記ミラーのミラー面が前記金属薄膜と平行となるよう配置され、前記2つの単位素子の一方に入射する複数の波長光のうち前記金属薄膜で反射される波長光を前記他方の単位素子に入射し、前記他方の光変調素子から再放出された波長光を前記ミラーにより反射するよう前記2つの単位素子および前記ミラーを配置してなり、前記複数の波長光を空間的に分割して放出し、前記波長光の波長が時間に応じて互いに入れ替わることを特徴とする光変調素子。
  2. 前記単位素子は、それぞれ斜面に金属薄膜が設けられ、かつその金属薄膜が対向配置された一対のプリズムと、前記対向配置された金属薄膜間に挟まれた電気光学物質からなることを特徴とする請求項1記載の光変調素子
  3. 前記単位素子は、対向配置された金属薄膜の外側に入射光の波長より短い周期を有する回折格子が設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の光変調素子。
  4. 前記電気光学物質として液晶物質を用いる事を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光変調素子。
  5. 各々の単位素子で吸収・再放出され出射する光と吸収のみを受けて反射する光とでは強度が異なる点を補償するための特性、または出射光に含まれる不要波長成分をカットする特性を有するフィルタが前記単位素子の出射側に配置されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の光変調素子。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の光変調素子において、入射される光を複数の波長光に空間分割する動作と共に、前記金属薄膜に印加する電圧を変化させる事を特徴とする光変調素子駆動方法。
  7. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の光変調素子からの放射光を液晶パネル照射し、前記液晶パネル上に画像を表示する事、もしくは、スクリーン上に画像を投影する事を特徴とする表示装置。
  8. 請求項7に記載の表示装置での表示に際し、前記単位素子による空間分割での光出力の強度差を補正するように駆動する事を特徴とする表示装置の駆動方法。
  9. 請求項7に記載の表示装置での表示に際し、前記単位素子に印加する電圧をサブフィールド時間内で変化させることを特徴とする表示装置の駆動方法。
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