JPWO2010061453A1 - キチン乳化物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、(a)アセチル化度70%以上、かつ、重量平均分子量2.3×103以上であるキチンと、(b)水性溶媒と、(c)油性溶媒と、(d)界面活性剤とを含んでなる、乳化物およびその製造方法に関する。

Description

本発明は、キチン乳化物、より詳細には、アセチル化度が高く、かつ、高分子量のキチンを含有する乳化物およびその製造方法に関する。
キチンは、カニやエビ等の甲殻類の殻、昆虫の表皮、キノコ等の細菌細胞壁から得られる天然ムコ多糖類であって、地球上に大量に存在する生物資源である。このようなキチンは、保湿性、生理活性、生体適合性等、様々な優れた特性を有することが明らかとなってきた。このため、キチンの優れた特性を、繊維、フィルム、化粧品、食品、医薬、医用材料等の分野に利用するために、多くの研究がなされている。
しかしながら、キチンは、その化学構造に由来する強固な水素結合によって、硬い結晶構造を形成しているため、難溶性を示すことが知られている。この難溶性のため、キチンを溶解または良分散させた溶液または分散体を形成することができず、その利用分野は、キチンの粉体を基材中へ物理的に練り込んで成形体とすることによる用途等、極めて限定されたものであった。
本発明者らは、上記のように難溶性であるキチンを溶媒中に溶解または良分散させることができれば、キチンの上記優れた特性の利用が容易となることに着眼して鋭意検討を行ったところ、アルコール(特にメタノール)とハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩(特に塩化カルシウム二水塩)とを含んでなる特定の溶媒を用いると、キチンを溶解させることができることを見出した(特許文献1および非特許文献1)。
その一方、これまでキチンは、その難溶性のため、キチンを脱アセチル化してアセチル化度を70%未満にするか、キチンを分子量2,000未満のオリゴマーまたはN−アセチルグルコサミンまで加水分解するか、およびキチンを修飾しなければ、乳化することができなかった(特許文献1〜4)。すなわち、これまでは、アセチル化度が高く(例えば、70%以上)、かつ、高分子量(例えば、重量平均分子量2.3×10以上)のキチンをそのままで乳化することはできなかった。
したがって、アセチル化度が高く、かつ、高分子量のキチンをそのままで簡便に乳化する方法およびその乳化物が必要とされていた。
特開平06-179702号公報 特開2006-50935号公報 特開2004-307434号公報 特開2005-255644号公報 Akihiro Shirai, Kiyohisa Takahashi, Ratana Rujiravanit, Norio Nishi and Seiichi Tokura, Title: Chitin and Chitosan: The Versatile Environmentally Friendly Modern Materials "Regeneration of Chitin Using New Solvent System", Ed. Mat B Zakaria, Wan Mohamed Wan Muda, Md Pauzi Abdullah, Pb. Universiti Kebangsaan Malaysia Press, 1995
本発明の課題は、アセチル化度が高く、かつ、高分子量のキチンを含有する乳化物、および該乳化物を簡便に製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アセチル化度が高く、かつ、高分子量のキチンを特定の溶媒を用いて溶解させて溶液とした後、次いで、必要に応じて該溶媒を他の溶媒に置換して懸濁物(スラリー)とした後、これらの溶媒に溶解しない溶媒と界面活性剤とを混合することにより、キチンを脱アセチル化、加水分解および修飾することなく、キチンを含有する乳化物を簡便に製造することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明には以下のものが含まれる。
〔1〕(a)アセチル化度70%以上、かつ、重量平均分子量2.3×10以上であるキチンと、(b)水性溶媒と、(c)油性溶媒と、(d)界面活性剤とを含んでなる、乳化物。
〔2〕界面活性剤の配合量が、水性溶媒1重量部に対して0.0005重量部〜0.05重量部である、上記〔1〕に記載の乳化物。
〔3〕油性溶媒の配合量が、水性溶媒1重量部に対して0.1重量部〜10重量部である、上記〔1〕または〔2〕に記載の乳化物。
〔4〕乳化物中の分散体の粒径が50nm〜500μmである、上記〔1〕に記載の乳化物。
〔5〕界面活性剤が、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、レシチン、キラヤサポニンおよびラウリル硫酸ナトリウムから選択される、上記〔1〕に記載の乳化物。
〔6〕有機酸モノグリセリドがジアセチル酒石酸モノグリセリドである、上記〔5〕に記載の乳化物。
〔7〕油性溶媒が、月見草油、杏仁油、スイートアーモンド油、ココナッツオイルおよび大豆油から選択される、上記〔1〕に記載の乳化物。
〔8〕(1)キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る工程と、
(2)キチン溶液に、界面活性剤および油性溶媒を混合する工程と
を含む、キチン乳化物の製造方法。
〔9〕(1)キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る工程と、
(2)キチン溶液を水で希釈し、必要に応じて、生成したキチンの沈殿を水洗し、または透析を行い、溶液中に含まれるカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンとアルコールを水分子で置換して、水和キチンスラリーを得る工程と、
(3)水和キチンスラリーに界面活性剤および油性溶媒を混合する工程と
を含む、キチン乳化物の製造方法。
〔10〕(1)キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る工程と、
(2)キチン溶液を水で希釈し、必要に応じて、生成したキチンの沈殿を水洗し、または透析を行い、溶液中に含まれるカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンとアルコールを水分子で置換して、水和キチンスラリーを得る工程と、
(3)水和キチンスラリーに、親水性溶媒を添加し、水和キチンスラリー中に含まれる水分子を該親水性溶媒で置換して、親水性溶媒和キチンスラリーを得る工程と、
(4)親水性溶媒和キチンスラリーに界面活性剤および油性溶媒を混合する工程と
を含む、キチン乳化物の製造方法。
〔11〕(1)キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る工程と、
(2)キチン溶液を水で希釈し、必要に応じて、生成したキチンの沈殿を水洗し、または透析を行い、溶液中に含まれるカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンとアルコールを水分子で置換して、水和キチンスラリーを得る工程と、
(3)水和キチンスラリーに、親水性溶媒を添加し、水和キチンスラリー中に含まれる水分子を該親水性溶媒で置換して、親水性溶媒和キチンスラリーを得る工程と、
(4)親水性溶媒和キチンスラリーに、親水性溶媒に溶解する油性溶媒を添加し、親水性溶媒和キチンスラリーに含まれる親水性溶媒を該油性溶媒で置換して、油性溶媒和キチンスラリーを得る工程と、
(5)油性溶媒和キチンスラリーに界面活性剤および水性溶媒を混合する工程と
を含む、キチン乳化物の製造方法。
本発明のキチン乳化物は、アセチル化度が高く、かつ、高分子量のキチンを含有するため、キチンが適用される化粧品分野、食品分野、医療分野等に直接的かつ好適に適用することができる。さらに、本発明のキチン乳化物によれば、低粘度であるため、スプレー成形により多孔性フィルム等のキチン成形品を製造することができ、或いは直接患部にスプレーして治癒効果を得ることができる。
また、本発明のキチン乳化物の製造方法によれば、これまで得ることができなかった、アセチル化度が高く、かつ、高分子量のキチンを含有する乳化物を、様々な溶媒中に溶解または懸濁したキチンから簡便に製造することができる。
本発明における「乳化」とは、互いに溶け合わない2種類の液体を激しくかき混ぜた際に、一方の液体がもう一方の液体中に細かい粒子となって分散している状態を意味し、および本発明における「乳化物」とは、乳化状態を室温(20℃〜30℃)、静置条件下、少なくとも30日間保持できるものを意味する。
本発明におけるキチンは、一般に、カニやエビ等の甲殻類の殻、昆虫の表皮、イカ等の骨格、キノコ等の細菌細胞壁から得られる多糖類(ポリN−アセチル−D−グルコサミン)であって、通常は、粉体の性状を有している。本発明では、市販されている任意のキチンを使用することができ、微生物を利用して製造されたものであってもよい。また、キトサンをN−アセチル化した再生キチンであってもよい。さらに、α型およびβ型を含むいかなる立体構造を有するものであってもよい。
本発明におけるキチンのアセチル化度は、70%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上である。当該アセチル化度は、最終生成物の用途に応じて適宜選択すればよい。
上記キチンのアセチル化度の値は、2mol/lの塩酸にて処理されたキチンを、0.1mol/lのNaOHにて中和滴定することによって決定される値である。
本発明におけるキチンの重量平均分子量は、2.3×10以上、好ましくは5×10以上、より好ましくは1×10〜5×10、特に好ましくは5×10〜5×10である。当該重量平均分子量は、最終生成物の用途に応じて適宜選択すればよい。
上記キチンの重量平均分子量の値は、後述する粘度法によって決定される値である。
本発明におけるキチンは、タンパク質に起因する抗原抗体反応等の問題を避けることにより安全性を向上させる観点から、原料由来のタンパク質ができるだけ除去されているものが好ましい。具体的には、キチン中のタンパク質含量(アミノ酸含量として算出)が0.4重量%以下、好適には0.1重量%以下、より好適には0.01重量%以下であることが好ましい。
上記キチン中のタンパク質含量(アミノ酸含量)の値は、アミノ酸18種(リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、スレオニン、トリプトファン、アルギニン、チロシン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、アスパラギン酸、シスチン)をアミノ酸自動分析法および高速液体クロマトグラフ法によって測定することによって決定される値である。
本発明における水性溶媒は、キチン、界面活性剤および油性溶媒と組み合わさって、本願発明の乳化物を形成できるものであり、例えば、水、親水性溶媒等が挙げられる。
上記親水性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、2−ブタノール、t−ブタノール、アリルアルコール等の一価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)等が挙げられるが、これらに限定されない。
なかでも、コストの点から、水、一価アルコール(特にメタノール、エタノール)等が好ましい。
本発明における界面活性剤は、特に限定されず、乳化物に使用される他の材料(キチン、水性溶媒、油性溶媒等)の種類および量、得られる乳化物の用途等に応じて既知の界面活性剤から適宜選択することができ、その例としては、モノグリセリド(1分子のグリセリンに対して1分子の脂肪酸がエステル結合したもの、グリセリンモノ脂肪酸エステル)、有機酸モノグリセリド(上記モノグリセリドに有機酸が1〜2個エステル結合したもの、例えばジアセチル酒石酸モノグリセリド)、レシチン、キラヤサポニン、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、SDS)、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、分子鎖アルキルベンゼン・スルホン酸塩、アルキル硫酸塩、油脂硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン・アルキルエーテル・リン酸塩、ポリオキシエチレン・アルキルフェニルエーテル・リン酸塩、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、脂肪酸アルカノールアミド、芳香族ポリグリコールエーテル等が挙げられる。
なかでも、最終生成物の用途が人に対するものが想定されること、および汎用性の観点から、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、レシチン、キラヤサポニン、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)等を使用することが好ましい。
本発明の乳化物における界面活性剤の配合量は、水性溶媒(本発明の乳化物中に含まれる全てのもの)1重量部に対して、好ましくは0.0005重量部〜0.05重量部、より好ましくは0.01重量部〜0.03重量部である。界面活性剤の配合量が水性溶媒1重量部に対して0.0005重量部未満の場合、乳化が生じず、溶液が分離するおそれがある。その一方、本来、界面活性剤は乳化物の不純物であるため、その量は少ない方がよく、水性溶媒1重量部に対して、0.05重量部を超えると乳化物に対する不純物の許容量を超えるおそれがある。
本発明における油性溶媒は、特に限定されず、乳化物に使用される他の材料(キチン、界面活性剤等)の種類および量、得られる乳化物の用途等に応じて既知の油性溶媒、例えば、油、親油性溶媒等から適宜選択することができる。
上記油としては、例えば、月見草油、杏仁油、スイートアーモンド油、ココナッツオイル、大豆油、ラノリン、ワセリン、ラード、液体ラノリン、ひまし油、ミネラルオイル(350、240、70)、PEG400、オリーブ油、落花生油、ごま油、米油、アプリコット・カーネル油、とうもろこし油、スクワラン、鯨油、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、サフラワー油、棉実油、シリコン油、パルミチ酸イソプロピル、オレイルアルコール、アーモンド油、ひまわり油、アボガド油、小麦胚芽油、小麦ふすま油、アラキス油、菜種油、からし種子油、大麦胚芽油、ライ麦胚芽油、米胚芽油、カロブ胚芽油、ホホバ油、卵黄油、ミンク油、シリコーンオイル等が挙げられる。
上記親油性溶媒としては、トルエン、ニトロベンゼン等が挙げられる。
なかでも、最終生成物の化粧品、食料品、医薬品等としての人体への使用を考えた場合の安全性および入手の容易さの観点から、油、特に月見草油、杏仁油、スイートアーモンド油、ココナッツオイル、大豆油等を使用することが好ましい。
本発明の乳化物における油性溶媒の配合量は、水性溶媒(本発明の乳化物中に含まれる全てのもの)1重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜10重量部、より好ましくは0.1重量部〜0.5重量部の下限、かつ、2重量部〜10重量部の上限の範囲内にある量である。油性溶媒の配合量が水性溶媒1重量部に対して0.1重量部未満の場合、乳化が均一でなくなるおそれがあり、その一方、水性溶媒1重量部に対して10重量部を超える場合、溶液が混合せずに分離するおそれがある。
本発明の乳化物におけるキチン含量は、水性溶媒、油性溶媒および界面活性剤の種類および配合量、乳化物の製造方法、乳化物の用途等に応じて適宜設定することができる。
例えば、後述するように、キチンを水性溶媒または油性溶媒に溶媒和させた後、乳化物を製造する場合、本発明の乳化物におけるキチン含量は、キチンが溶媒和した水性溶媒または油性溶媒に対して、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは1〜6重量%、特に好ましくは2〜4重量%である。これは、キチン含量が0.1重量%未満の場合、溶媒と溶媒和キチンが分離するおそれがあり、その一方、15重量%を超える場合、キチンが溶媒和の状態を解消して固体として析出するおそれがあるためである。
本発明の乳化物は、その製造方法等に応じて、各種の金属塩等を含有し得る。例えば、後記キチン溶液を使用して乳化物を製造した場合、ハロゲン化カルシウム塩、ハロゲン化マグネシウム塩等を含有し得る。
また、本発明の乳化物には、必要に応じて、甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、漂白剤、調味料、苦味料等、酸味料、強化剤、香料、香辛料、製造用剤、酵素、ガムベース、光沢剤、乳化剤、増粘剤、皮膜形成剤、金属イオン封鎖剤、アルカリ剤、油性原料、保湿剤、薬剤、植物抽出エキス等の添加物を配合させることができる。この場合の添加物の添加量は、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の乳化物中の分散体の粒径は、好ましくは50nm〜500μm、より好ましくは500nm〜50μmである。
上記粒径の値は、顕微鏡観察法(倍率:約100〜約800倍)によって決定される値である。
また、本発明は、
(1)キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る工程と、
(2)キチン溶液に、界面活性剤および油性溶媒を混合する工程と
を含む、キチン乳化物の製造方法を提供する。
また、本発明は、
(1)キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る工程と、
(2)キチン溶液を水で希釈し、必要に応じて、生成したキチンの沈殿を水洗し、または透析を行い、溶液中に含まれるカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンとアルコールを水分子で置換して、水和キチンスラリーを得る工程と、
(3)水和キチンスラリーに界面活性剤および油性溶媒を混合する工程と
を含む、キチン乳化物の製造方法を提供する。
また、本発明は、
(1)キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る工程と、
(2)キチン溶液を水で希釈し、必要に応じて、生成したキチンの沈殿を水洗し、または透析を行い、溶液中に含まれるカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンとアルコールを水分子で置換して、水和キチンスラリーを得る工程と、
(3)水和キチンスラリーに、親水性溶媒を添加し、水和キチンスラリー中に含まれる水分子を該親水性溶媒で置換して、親水性溶媒和キチンスラリーを得る工程と、
(4)親水性溶媒和キチンスラリーに界面活性剤および油性溶媒を混合する工程と
を含む、キチン乳化物の製造方法を提供する。
また、本発明は、
(1)キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る工程と、
(2)キチン溶液を水で希釈し、必要に応じて、生成したキチンの沈殿を水洗し、または透析を行い、溶液中に含まれるカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンとアルコールを水分子で置換して、水和キチンスラリーを得る工程と、
(3)水和キチンスラリーに、親水性溶媒を添加し、水和キチンスラリー中に含まれる水分子を該親水性溶媒で置換して、親水性溶媒和キチンスラリーを得る工程と、
(4)親水性溶媒和キチンスラリーに、親水性溶媒に溶解する油性溶媒を添加し、親水性溶媒和キチンスラリーに含まれる親水性溶媒を該油性溶媒で置換して、油性溶媒和キチンスラリーを得る工程と、
(5)油性溶媒和キチンスラリーに界面活性剤および水性溶媒を混合する工程と
を含む、キチン乳化物の製造方法を提供する。
本発明のキチン乳化物は、好ましくは上記のいずれかの方法により製造することができる。
上記キチン溶液を得る工程では、キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る。このような溶媒を用いることにより、難溶性を示すキチンの硬い結晶構造を崩して溶媒をキチン分子内部まで浸透させることが可能となり、その結果、溶媒和が生じて拡がった分子構造になり、溶解状態のキチンを得ることができる。当該工程は、例えば特開平06-179702号公報に記載されるように行うことができる。
当該工程に使用するキチンとしては、当該工程に使用できるものであれば特に限定されず、従来既知の各種のキチン(その誘導体、修飾物等も含む)が挙げられるが、好ましくはキチン乳化物について説明したものが挙げられる。
上記溶媒におけるハロゲン化カルシウム塩としては、塩化カルシウム・2水塩、臭化カルシウム・2水塩、ヨウ化カルシウム・2水塩等が挙げられる。
上記溶媒におけるハロゲン化マグネシウム塩としては、塩化マグネシウム・6水塩等が挙げられる。
また、上記溶媒におけるアルコール中のハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩の濃度は、キチン溶解量の点から、飽和濃度であることが好ましい。
ある実施形態においては、キチンを上記の溶媒中に、好ましくは0.1〜5%(w/v)、より好ましくは0.5〜2%(w/v)となるような濃度で添加し、好ましくは20〜70℃、より好ましくは40℃〜60℃の温度で、還流下充分撹拌しながら溶解させる。使用するキチンの分子量の大きさに応じて、溶媒中のキチン濃度を調節することが好ましい。
上記キチン溶液を水で希釈し、必要に応じて生成したキチンの沈殿を水洗し、溶液中に含まれるカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンとアルコールを水分子で置換することにより、水和キチンスラリーを得ることができる。
ある実施形態においては、キチン溶液を室温に冷却後、濾布(ネル)で不溶部を除去する。その後、蒸留水で希釈する。その際の希釈濃度は、好ましくは75%(v/v)〜10%(v/v)、より好ましくは50%(v/v)〜25%(v/v)である。蒸留水で希釈すると通常キチンが沈澱するので、これを十分水洗をして、アルコールとカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンを除去する。また、水で希釈後、アルコールとカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンを除去するために、透析を行ってもよい。さらに、水洗および透析は繰り返し行ってもよい。さらに、遠心法等によって水分を調節して、所望のキチン含量の水和キチンスラリーを得ることができる。
上記水和キチンスラリーに、親水性溶媒を添加し、水和キチンスラリー中に含まれる水分子を該親水性溶媒で置換することにより、親水性溶媒和キチンスラリーを得ることができる。
上記親水性溶媒としては、例えば、キチン乳化物について説明したものが挙げられ、好ましくはメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、2−ブタノール、t−ブタノール、アリルアルコール等の一価アルコールが挙げられるが、これらに限定されない。特にメタノールおよびエタノールからなる群から選択されるアルコールを使用すると、水和キチンスラリー中に含まれる水分子との置換を好適に完結させることができる。
ある実施形態においては、水和キチンスラリーに好ましくは10〜100%(v/v)、より好ましくは90〜100%(v/v)となるような濃度でアルコールを添加して充分に撹拌し、30分〜1時間静置した後、遠心分離して、所定容量のスラリーに調節する。この操作を数回、好ましくは2〜4回繰り返して、水和キチンスラリー中に含まれる水分子との置換を完結させることにより、アルコール溶媒和キチンスラリーを得ることができる。
また、上記親水性溶媒和キチンスラリーに、親水性溶媒に溶解する別の溶媒(例えば、別の親水性溶媒、油性溶媒(親油性溶媒等)、酸およびアルカリ水溶液等)を添加することにより、親水性溶媒和キチンスラリー中に含まれる親水性溶媒を該別の溶媒で置換した溶媒和キチンスラリーを得ることができる。したがって、別の溶媒として、油性溶媒を使用した場合、油性溶媒和キチンスラリーを得ることができる。
当該工程は、水和キチンスラリーから親水性溶媒和キチンスラリーを得る工程と同様に行うことができる。
上記溶媒における酸としては、アシル化、アルキル化等、触媒反応の目的等で使用されるものであって、例えば、過塩素酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記溶媒におけるアルカリとしては、アシル化、アルキル化反応中間体合成の目的等で使用されるものであって、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記溶媒における油性溶媒としては、例えば、シリコーンオイル、親油性溶媒(トルエン、ニトロベンゼン等)等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記別の溶媒としては、好適には、一価または多価アルコールおよび苛性アルカリ類からなる群から選択される。なかでも、中性で均一分散性を発現させる観点から、エチレングリコール、水酸化ナトリウムを使用することが好ましい。また、水酸化ナトリウム等のアルカリ類は、キチンのアシル化やアルキル化への中間体であるが、脱アセチル化を起こさないために、出来るだけ低濃度とすることが好ましい。
上記親水性または油性溶媒和キチンスラリーは、好ましくは、可視域分光光度計によって測定される550nmでの可視光線透過率が10〜90%であるという特徴を有する。好適には、親水性または油性溶媒和キチンスラリーの可視光線透過率は40%以上であり、より好ましくは60%以上である。また、親水性または油性溶媒和キチンスラリーの可視光線透過率は、通常90%以下であるが、ある場合には80%以下、別の場合には70%以下であり得る。
上記親水性または油性溶媒和キチンスラリー中に分散するキチンの粒径は、好ましくは1〜500μm、より好ましくは5〜50μmである。スラリー中に分散するキチンの粒径は、例えば顕微鏡によって測定することができる。
上記のようにして得られるキチン溶液、水和キチンスラリーまたは親水性溶媒和キチンスラリーに、界面活性剤および油性溶媒を混合することにより、キチン乳化物を得ることができる。或いは、上記のようにして得られる油性溶媒和キチンスラリーに、界面活性剤および水性溶媒を混合することにより、キチン乳化物を得ることもできる。
当該混合工程における界面活性剤、水性溶媒、および油性溶媒としては、キチン乳化物について上述したものが挙げられ、当該工程により乳化物が得られる限り特に限定されない。
また、界面活性剤は、必要に応じて、水性溶媒および油性溶媒に溶解させた状態で混合させることもできる。
上記混合(乳化)工程は、特に限定されず、従来既知の方法を用いて行うことができる。例えば、スパチュラまたはガラス棒を用いて手で撹拌してもよく、また、混合時に撹拌機、ブレンダー、ホモジナイザー、コロイドミル、ジェットミキサー等の乳化機を使用することで、乳化物中のキチンの分散性、粒径の微小化および均一性を高めることもできる。また、転相乳化法、界面活性剤相乳化法、転相温度乳化法、液晶乳化、ゲル乳化等も行うことができ、この場合、キチンの分散性、粒径の微小化および均一性に優れた乳化物が得られる。
上記混合(乳化)工程に使用するキチン溶液、水和キチンスラリー、親水性溶媒和キチンスラリーまたは油性溶媒和キチンスラリーは、濃縮または希釈等の既知の方法により、そのキチン含量を、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは1〜6重量%、特に好ましくは2〜4重量%に予め調整しておくことが好ましい。これは、キチン含量が0.1重量%未満の場合、溶媒と溶媒和キチンが分離するおそれがあり、その一方、15重量%を超える場合、キチンが溶媒和の状態を解消して固体として析出するおそれがあるためである。
また、上記工程において、界面活性剤が水性溶媒(本発明の乳化物中に含まれるすべてのもの)1重量部に対して、好ましくは0.0005重量部〜0.05重量部、より好ましくは0.01重量部〜0.03重量部、および油性溶媒が水性溶媒1重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜10重量部、より好ましくは0.1重量部〜0.5重量部の下限、かつ、2重量部〜10重量部の上限の範囲内になるような量で各成分を使用することが好ましい。
このような量比で各成分を使用することにより、本発明のキチン乳化物を特に容易に得ることができる。すなわち、この場合、キチン乳化物を得るために特別な乳化装置を使用する必要はない。
産業上の利用分野
本発明のキチン乳化物は、キチンおよびキトサンの適用分野に適用することが可能である。すなわち、以下の適用分野に適用することができる。
(1)化粧品分野:ヘルスケア、スキンケア、ヘアケア、オーラルケア、アンチエイジング用等のクリーム、クレンジング等(保湿剤、増粘剤、炎症抑制、紫外線、ヘアダメージ抑制、皮膚ダメージ抑制、皮膚再生)、忌避剤等、
(2)食品分野:腸内代謝改善(乳酸菌増殖、乳糖の消化に必要なβガラクシトーゼの生産促進)、免疫力増強、パンのふくらみ向上、ヒアルロン酸産生促進、変形関節症の予防・改善用等の健康食品、機能性食品等、
(3)医療分野:創傷治癒剤(材)、不織布、人工皮膚、手術用縫合糸、クリーム、医薬品(薬、不織布形状でがん細胞増殖抑制、免疫増強作用(がん細胞増殖抑制や日和見感染菌−Lisera monocytogenesに対する防御効果)、乳酸菌増殖、乳糖の消化に必要なβガラクシトーゼの生産促進、ヒアルロン酸産生促進、変形関節症の予防・改善、炎症改善、治癒(口内炎、歯肉炎、歯槽膿漏等も含む)、鎮痛抑制剤、止血剤、殺菌剤)、生体材料(骨、歯等)等、
(4)植物分野:土壌改良材、植物防除材等、
(5)バイオ分野:細胞増殖用基材等、
(6)成形材料分野:プラスチック製品へのフィラー(増粘剤、生分解素材)、天然素材成形品、フィルム等、
(7)増粘剤等。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例に使用した材料を以下に示す。
〔キチン粉末〕
実施例および比較例には、以下のキチン粉末を使用した。
・甲陽ケミカル(株)製「キチンTCL」を使用した。当該キチン粉末におけるキチンのアセチル化度は95%以上であり、重量平均分子量数十万であった。
・キトサン((株)協和テクノス製「フローナックC」)を無水酢酸にてアセチル化した再生キチンを使用した。当該キチン粉末におけるアセチル化度は97%以上であり、重量平均分子量は50,000〜100,000、タンパク質含量(アミノ酸含量)は、0.01重量%であった。
〔界面活性剤〕
・SDS:キシダ化学(株)製「ドデシル硫酸ナトリウム98%」
・ジアセチル酒石酸モノグリセリド:太陽化学(株)製「サンソフトNo. 641D」
・ペーストレシチン:辻製油(株)製「SLP-ペーストリゾ」
・キラヤニン:キラヤサポニン、丸善製薬(株)製「キラヤニンP-20」
・粉末レシチン:辻製油(株)製「SLP-ホワイトリゾ」
〔オイル〕
・月見草オイル:サミット製油(株)製「月見草油」、ケン化価183〜195
・杏仁油:日光ケミカルズ(株)製「杏仁油」、ケン化価188〜200、比重0.910〜0.918
・スイートアーモンドオイル:日光ケミカルズ(株)製「スイートアーモンド油」、ケン化価188〜200、比重0.911〜0.918
・ココナッツオイル:日光ケミカルズ(株)製「TRIFAT C-24」、ケン化価246〜264、比重0.912〜0.922
・大豆油:シグマアルドリッチジャパン(株)製「大豆油」、Code No. 23-0510-5
また、以下の実施例および比較例における物性の評価方法は以下の通りである。
〔重量平均分子量〕
キチンの分子量は、以下の手順により決定した(粘度法)。
(1)複数の既知の濃度のキチン溶液を作成し、これらの粘度をコーンプレート型回転粘度計で測定する(機器:ブルックフィールド社製「DV-II+Pro」、温度:25℃)。
(2)上記の粘度より対象キチンの固有粘度を計算する。
(3)算出した固有粘度より、以下の粘度式にしたがって重量平均分子量を算出する。
[η]=2.54×10−20.45
〔式中、[η]:固有粘度、M:重量平均分子量〕。
〔アセチル化度〕
キチンのアセチル化度は、以下の手順により決定した。
(前処理)
(1)2M−塩酸100mlとキチン2gを100mlビーカーに入れ、400rpmで30分間攪拌(マグネチックスターラー)する。
(2)混合物を、ろ紙(ADVANTEC製「QUALITVE FILTER PAPRE NO.1」)にてろ過後、ろ過残渣とメタノール100mlをビーカーに入れ、15分間攪拌洗浄する。次いで、混合物を再びろ過する。
(3)上記(2)の操作を4回以上繰り返し行う。
(4)メタノールによる洗浄の終了後、得られた残渣(キチン)を約1時間風乾する。その後、50℃で真空乾燥を12時間行う。
(測定)
(1)前処理したキチンを0.5000g精秤する。
(2)蒸留水50ml(メスシリンダーで計量)を加え、フェノールフタレインを3滴加え、400rpmで攪拌しながら、0.1N水酸化ナトリウム水溶液で滴定する。液の着色(ピンク)が30秒以上続いた点を終点とする。
(3)キチンの重量(a)と0.1N水酸化ナトリウム水溶液の滴定量(b)から次式よりアセチル化度を算出する。
アセチル化度(%)=(2.03×b)/[a+(5.5×b×10−4)]
〔タンパク質含量〕
キチンのタンパク質含量は、以下の手順によりアミノ酸18種(リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、スレオニン、トリプトファン、アルギニン、チロシン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、アスパラギン酸、シスチン)を分析して決定した(アミノ酸分析法)。
(1)キチンを加水分解する(塩酸加水分解;メチオニン、シスチンは過ギ酸酸化処理後、塩酸加水分解)。
(2)アミノ酸分析機(日立製高速アミノ酸分析計L8800k)によって各種アミノ酸量を測定する。
(3)トリプトファンのみ高速液体クロマトグラフ法(日本電子製株式会社製JLC−500 V)にて測定する。
〔乳化物中の分散体の粒径〕
乳化物をスライドガラス上に採取して、倒立顕微鏡(Nikon社製Eclipse TE-2000 U)にて4〜60倍の対物レンズを用い、粒径を観察した。
〔乳化状態〕
乳化物を室温(20℃〜30℃)にて静置し、目視にて状態を観察し、30日経過後まで溶液の分離等が発生していないことを確認した。
〔製造例1〕
(1)メタノール(10l)に塩化カルシウム2水和物(8.5kg;和光純薬製「塩化カルシウム(2水)」)を溶解させて、塩化カルシウム2水和物飽和メタノール溶液を調製した。次いで、55℃に温調されたウォーターバス中で、該溶液(11l)中にキチン粉末(80g)を、撹拌機(「FINE FL-105N」)を用いてダイヤル3〜7の撹拌条件下に溶解させ、キチン溶液を調製した。
(2)上記キチン溶液を、濾布(平均孔径約0.2mm、約4個/mm)を用いて濾過し、不溶物等を除去した。次いで、濾過されたキチン溶液と、等量〜4倍量のイオン交換水を、ブレンダー(オスター製「オスターブレンダー ST−1」)を用いて10,300〜15,700rpmの撹拌条件下に混合し、次いで一晩静置してキチンを沈殿させた。その後、沈殿物を、遠心脱水機((株)コクサン製「H−122」)を用いて500〜1,000rpmの分離条件下に分離し、次いで、分離された沈殿物を、さらに等量〜4倍量のイオン交換水にて洗浄し、同様に遠心分離することにより、水和キチンスラリーを得た。
(3)得られた水和キチンスラリーの一部を乾燥機(yamato社製「DN410H」)にて80℃で一晩乾燥し、キチン濃度を測定した。その測定結果に基づいて蒸留水を添加し、混合することにより、所望のキチン濃度(2.4重量%(実施例1および2)、または5.9重量%(実施例3〜12))を有する水和キチンスラリーを得た。
〔製造例2〕
上記製造例1で得られた水和キチンスラリーを、100mLに50mLのエタノールを加えて充分撹拌し、30〜60分間静置後、遠心分離機(CN-820、アズワン株式会社製)を用いて遠心分離を行い、100mLのスラリーに容量を調節した。この操作を3〜5回繰り返して水分子との置換を完結させ、キチンが均一分散したキチンゲル(6.5重量%)を得た。さらに冷蔵庫内(5℃)で5ヶ月保存し、濃縮したことにより、所望のキチン濃度(12.4重量%)を有するエタノール和キチンスラリーを得た。
〔実施例1〕
上記製造例1で得られた2.4重量%キチンスラリー(30mg;キチン量0.72mg)に、ガラス撹拌棒で撹拌しながら、1%(v/v)SDS水溶液(1ml)を混合し、次いで、スイートアーモンドオイル(5ml)を滴下して乳化物を得た(分散体の粒径:1.8μm〜134μm)。得られた乳化物を室温、静置条件下、30日間保存したところ、安定した乳化状態が保たれていた。
〔実施例2〕
上記製造例1で得られた2.4重量%キチンスラリー(30mg;キチン量0.72mg)に、ガラス撹拌棒で撹拌しながら、1%(v/v)SDS水溶液(3ml)を混合し、次いで、スイートアーモンドオイル(5ml)を滴下して乳化物を得た(分散体の粒径:1.5μm〜85μm)。得られた乳化物を室温、静置条件下、30日間保存したところ、安定した乳化状態が保たれていた。
〔実施例3〕
上記製造例1で得られた5.9重量%キチンスラリー(9.76g;キチン量0.576g)に、ガラス撹拌棒で撹拌しながら、1%(w/v)ジアセチル酒石酸モノグリセリド水溶液(0.5ml)を混合し、次いで、ココナッツオイル(5ml)を混合して乳化物を得た(分散体の粒径:1.7μm〜157μm)。得られた乳化物を室温、静置条件下、30日間保存したところ、安定した乳化状態が保たれていた。
〔実施例4〕
上記製造例1で得られた5.9重量%キチンスラリー(40.2g;キチン量2.372g)に、ガラス撹拌棒で撹拌しながら、1%(v/v)SDS水溶液(6ml)を混合し、次いで、月見草オイル(6ml)を混合して乳化物を得た(分散体の粒径:0.6μm〜99μm)。得られた乳化物を室温、静置条件下、30日間保存したところ、安定した乳化状態が保たれていた。
〔実施例5〕
上記製造例1で得られた5.9重量%キチンスラリー(40.5g;キチン量2.390g)に、ガラス撹拌棒で撹拌しながら、1%(w/v)ジアセチル酒石酸モノグリセリド水溶液(18ml)を混合し、次いで、月見草オイル(18ml)を混合して乳化物を得た(分散体の粒径:0.5μm〜100μm)。得られた乳化物を室温、静置条件下、30日間保存したところ、安定した乳化状態が保たれていた。
〔実施例6〕
上記製造例1で得られた5.9重量%キチンスラリー(20.27g;キチン量1.196g)に、ガラス撹拌棒で撹拌しながら、1%(v/v)SDS水溶液(3ml)を混合し、次いで、スイートアーモンドオイル(10ml)を混合して乳化物を得た(分散体の粒径:1.3μm〜80μm)。得られた乳化物を室温、静置条件下、30日間保存したところ、安定した乳化状態が保たれていた。
〔実施例7〕
上記製造例1で得られた5.9重量%キチンスラリー(20.18g;キチン量1.191g)に、ガラス撹拌棒で撹拌しながら、1%(v/v)SDS水溶液(3ml)を混合し、次いで、杏仁油(10ml)を混合して乳化物を得た(分散体の粒径:1.8μm〜160μm)。得られた乳化物を室温、静置条件下、30日間保存したところ、安定した乳化状態が保たれていた。
〔実施例8〕
上記製造例1で得られた5.9重量%キチンスラリー(20.24g;キチン量1.194g)に、ガラス撹拌棒で撹拌しながら、1%(v/v)SDS水溶液(3ml)を混合し、次いで、ココナッツオイル(10ml)を混合して乳化物を得た(分散体の粒径:1.2μm〜137μm)。得られた乳化物を室温、静置条件下、30日間保存したところ、安定した乳化状態が保たれていた。
〔実施例9〕
上記製造例1で得られた5.9重量%キチンスラリー(20.26g;キチン量1.195g)に、ガラス撹拌棒で撹拌しながら、1%(w/v)ジアセチル酒石酸モノグリセリド水溶液(11ml)を混合し、次いで、ココナッツオイル(10ml)を混合して乳化物を得た(分散体の粒径:1.5μm〜227μm)。得られた乳化物を室温、静置条件下、30日間保存したところ、安定した乳化状態が保たれていた。
〔実施例10〕
上記製造例1で得られた5.9重量%キチンスラリー(10.17g;キチン量0.600g)に、ガラス撹拌棒で撹拌しながら、ペーストレシチン(0.42g)を混合し、次いで、ココナッツオイル(5ml)を混合して乳化物を得た(分散体の粒径:1.0μm〜65μm)。得られた乳化物を室温、静置条件下、30日間保存したところ、安定した乳化状態が保たれていた。
〔実施例11〕
上記製造例1で得られた5.9重量%キチンスラリー(10.13g;キチン量0.598g)に、ガラス撹拌棒で撹拌しながら、1%(w/v)キラヤサポニン水溶液(6ml)を混合し、次いで、ココナッツオイル(5ml)を混合して乳化物を得た(分散体の粒径:1.5μm〜100μm)。得られた乳化物を室温、静置条件下、30日間保存したところ、安定した乳化状態が保たれていた。
〔実施例12〕
上記製造例1で得られた5.9重量%キチンスラリー(10.01g;キチン量0.591g)に、ガラス撹拌棒で撹拌しながら、1%(w/v)粉末レシチン水溶液(3ml)を混合し、次いで、ココナッツオイル(5ml)を混合して乳化物を得た(分散体の粒径:1.3μm〜65μm)。得られた乳化物を室温、静置条件下、30日間保存したところ、安定した乳化状態が保たれていた。
〔実施例13〕
上記製造例2で得られた12.4重量%エタノール和キチンスラリー(4.993g;キチン量0.599g)に、ガラス撹拌棒で撹拌しながら、1%(v/v)SDS水溶液(1.7ml)を混合し、次いで、大豆油(4ml)を混合して乳化物を得た(分散体の粒径:2.4μm〜424μm)。得られた乳化物を室温、静置条件下、30日間保存したところ、安定した乳化状態が保たれていた。
〔比較例1〕
キチン粉末(1.191g)に蒸留水を加えて混合物(20.18g)を得た。該混合物に、スパチュラで撹拌しながら、1%(v/v)SDS水溶液(3ml)を混合し、次いで、ココナッツオイル(10ml)を混合した。その後静置した。該混合物は、オイル加えて撹拌を停止したときから分離が始まり、10分後には3層(油、水、キチン)に明確に分離した。
以上の実施例および比較例の結果を表1および2にまとめる。
Figure 2010061453
Figure 2010061453
表1および2中、
1)SDS:キシダ化学(株)製「ドデシル硫酸ナトリウム98%」
2)サンソフト641D:ジアセチル酒石酸モノグリセリド、太陽化学(株)製「サンソフトNo. 641D」
3)ペーストレシチン:辻製油(株)製「SLP-ペーストリゾ」
4)キラヤサポニン:丸善製薬(株)製「キラヤニンP-20」
5)粉末レシチン:辻製油(株)製「SLP-ホワイトリゾ」
6)月見草オイル:サミット製油(株)製「月見草油」
7)杏仁油:日光ケミカルズ(株)製「杏仁油」
8)スイートアーモンドオイル:日光ケミカルズ(株)製「スイートアーモンド油」
9)ココナッツオイル:日光ケミカルズ(株)製「TRIFAT C-24」
10)大豆油:シグマアルドリッチジャパン(株)製「大豆油」、Code No. 23-0510-5
上記キチン溶液を得る工程では、キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る。このような溶媒を用いることにより、難溶性を示すキチンの硬い結晶構造を崩して溶媒をキチン分子内部まで浸透させることが可能となり、その結果、溶媒和が生じて拡がった分子構造になり、溶解状態のキチンを得ることができる。当該工程は、例えば特開平06-179702号公報に記載されるように行うことができる。
当該工程に使用するキチンは、本発明におけるキチンとして、キチン乳化物について前述したキチンである。
上記溶媒におけるハロゲン化カルシウム塩としては、塩化カルシウム・2水塩、臭化カルシウム・2水塩、ヨウ化カルシウム・2水塩等が挙げられる。
上記溶媒におけるハロゲン化マグネシウム塩としては、塩化マグネシウム・6水塩等が挙げられる。
また、上記溶媒におけるアルコール中のハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩の濃度は、キチン溶解量の点から、飽和濃度であることが好ましい。
ある実施形態においては、キチンを上記の溶媒中に、好ましくは0.1〜5%(w/v)、より好ましくは0.5〜2%(w/v)となるような濃度で添加し、好ましくは20〜70℃、より好ましくは40℃〜60℃の温度で、還流下充分撹拌しながら溶解させる。使用するキチンの分子量の大きさに応じて、溶媒中のキチン濃度を調節することが好ましい。

Claims (11)

  1. (a)アセチル化度70%以上、かつ、重量平均分子量2.3×10以上であるキチンと、(b)水性溶媒と、(c)油性溶媒と、(d)界面活性剤とを含んでなる、乳化物。
  2. 界面活性剤の配合量が、水性溶媒1重量部に対して0.0005重量部〜0.05重量部である、請求項1に記載の乳化物。
  3. 油性溶媒の配合量が、水性溶媒1重量部に対して0.1重量部〜10重量部である、請求項1または2に記載の乳化物。
  4. 乳化物中の分散体の粒径が50nm〜500μmである、請求項1に記載の乳化物。
  5. 界面活性剤が、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、レシチン、キラヤサポニンおよびラウリル硫酸ナトリウムから選択される、請求項1に記載の乳化物。
  6. 有機酸モノグリセリドがジアセチル酒石酸モノグリセリドである、請求項5に記載の乳化物。
  7. 油性溶媒が、月見草油、杏仁油、スイートアーモンド油、ココナッツオイルおよび大豆油から選択される、請求項1に記載の乳化物。
  8. (1)キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る工程と、
    (2)キチン溶液に、界面活性剤および油性溶媒を混合する工程と
    を含む、キチン乳化物の製造方法。
  9. (1)キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る工程と、
    (2)キチン溶液を水で希釈し、必要に応じて、生成したキチンの沈殿を水洗し、または透析を行い、溶液中に含まれるカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンとアルコールを水分子で置換して、水和キチンスラリーを得る工程と、
    (3)水和キチンスラリーに界面活性剤および油性溶媒を混合する工程と
    を含む、キチン乳化物の製造方法。
  10. (1)キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る工程と、
    (2)キチン溶液を水で希釈し、必要に応じて、生成したキチンの沈殿を水洗し、または透析を行い、溶液中に含まれるカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンとアルコールを水分子で置換して、水和キチンスラリーを得る工程と、
    (3)水和キチンスラリーに、親水性溶媒を添加し、水和キチンスラリー中に含まれる水分子を該親水性溶媒で置換して、親水性溶媒和キチンスラリーを得る工程と、
    (4)親水性溶媒和キチンスラリーに界面活性剤および油性溶媒を混合する工程と
    を含む、キチン乳化物の製造方法。
  11. (1)キチンを、メチルアルコールまたはエチルアルコールからなるアルコールと、ハロゲン化カルシウム塩またはハロゲン化マグネシウム塩とを含んでなる溶媒に溶解して、キチン溶液を得る工程と、
    (2)キチン溶液を水で希釈し、必要に応じて、生成したキチンの沈殿を水洗し、または透析を行い、溶液中に含まれるカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンとアルコールを水分子で置換して、水和キチンスラリーを得る工程と、
    (3)水和キチンスラリーに、親水性溶媒を添加し、水和キチンスラリー中に含まれる水分子を該親水性溶媒で置換して、親水性溶媒和キチンスラリーを得る工程と、
    (4)親水性溶媒和キチンスラリーに、親水性溶媒に溶解する油性溶媒を添加し、親水性溶媒和キチンスラリーに含まれる親水性溶媒を該油性溶媒で置換して、油性溶媒和キチンスラリーを得る工程と、
    (5)油性溶媒和キチンスラリーに界面活性剤および水性溶媒を混合する工程と
    を含む、キチン乳化物の製造方法。
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