JPWO2010055756A1 - トポロジ特定方法、及びトポロジ特定装置 - Google Patents

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Abstract

本発明によるトポロジ特定装置10は、ツリー型のネットワークトポロジを持つネットワークにおいて、接続位置が既知の端末間の第1経路と、接続位置が既知の端末と未知の端末との間の第2経路との重なりの有無を判定する経路重なり判定部4と、第1経路と第2経路の重なりの有無に基づいてネットワークトポロジを決定するトポロジ特定部5とを具備する。

Description

本発明は、ネットワークトポロジ(ネットワークにおける端末とスイッチの接続関係)の決定方法、及び装置に関する。
近年、ネットワーク内の障害箇所等を特定するため、ネットワーク管理においてネットワーク内に存在している端末とスイッチなどの接続関係(ネットワークトポロジ:以下、トポロジと称す)を把握することがしばしば必要となる。インターネットで用いられるIP(Interenet Protocol)ルータでは、一般的にトポロジの決定に利用できるネットワーク管理機能が搭載されていることが多いため、トポロジの決定が容易にできる。一方、IEEE802.3(イーサネット(登録商標))などのLAN(Local Area Network)では、安価なスイッチが用いられることが多い。このようなスイッチには、トポロジを特定するための管理機能が搭載されていないため、トポロジの決定が困難な場合が多い。LANにおいてトポロジを特定する従来技術として、以下の方法がある。
第1の従来技術として、スイッチから接続情報を収集し、この情報を基にトポロジを決定する方法が一般的に知られている。第1の従来技術は、例えば、特開平9−186716号公報に記載されている。特開平9−186716号公報に記載の技術では、ネットワーク内におけるスイッチのそれぞれが、自身のインタフェースに接続されている端末や他のスイッチのアドレスを集め、トポロジを決定する。
第2の従来技術として、端末間の経路において通過するルータ/スイッチを順に調査し、トポロジを決定する方法がある。従来、IPレベルではTraceroute等によって、端末間の経路において通過したルータを順に特定する機能を利用してトポロジを推定できることが一般的に知られている。一方、イーサネット(登録商標)においてもTracerouteと同様に、スイッチにおいてフレームの応答を得る機能がIEEE802.1agとして標準化されたため、Tracerouteと同様の方法によってトポロジを容易に類推することが可能である。
第3の従来技術として、ある端末から、他の複数端末宛にパケットを送出し、このパケットを受信する端末のそれぞれにおいて、パケットがネットワークで得た品質(スループット、遅延、パケットロスなど)の相関関係を調査することでトポロジを決定する方法がある。
しかし、第1及び第2の従来技術では、トポロジの特定に利用する管理機能などを利用できないネットワーク機器がネットワーク内にある場合、その部分のトポロジが特定されないという問題がある。特にLANでは管理機能を持たない安価なスイッチにより構成されていることが一般的である。このような安価なスイッチは、管理機能やIEEE802.1agを利用できないことが多く、一般的な(安価な)構成のLANではトポロジの特定が困難である。
又、第3の従来技術では、トポロジを決定するために、ネットワーク内の全ての端末にトポロジ特定機能を設ける必要があるため、トポロジの特定が可能なネットワークを構築する場合、コストが高くなるという問題がある。
特開平9−186716号公報
本発明の目的は、ネットワーク内の全てのスイッチがトポロジ特定用の特別な機能を有することなく、トポロジを特定するトポロジ特定方法、及びトポロジ特定装置を提供することにある。
本発明によるトポロジ特定方法は、ツリー型のネットワークトポロジを持つネットワークにおいて、第1端末と第2端末との間における第1経路、第3端末と第4端末との間における第2経路とを選択するステップと、第1経路と第2経路の重なりの有無に基づいてネットワークトポロジを決定するステップと、第1経路と第2経路との重なりの有無を判定するステップとを具備する。ここで、重なりの有無を判定するステップは、第2経路上のスイッチに対し、所定の端末宛のフレームを第3端末に転送するように学習させるステップと、この学習の後、第1経路上のスイッチに対し、所定の端末宛のフレームを第1端末に転送するように学習させるステップと、第4端末から所定の端末宛のフレームを送信するステップと、所定の端末宛のフレームの受信端末に応じて、第1経路と第2経路)との重なりの有無を判定するステップとを備える。
第1経路と第2経路を選択するステップは、第1端末、第3端末、第4端末を有する既知ネットワークトポロジを選択するステップと、既知ネットワークトポロジとの接続位置が不明な第2端末を未知端末として抽出するステップとを備える。ネットワークトポロジを決定するステップは、第1経路と第2経路の重なりの有無に応じて、既知ネットワークトポロジに対する未知端末の接続位置を特定するステップを備える。
又、既知ネットワークトポロジにおいて、第1端末、第3端末、第4端末は、それぞれ異なるネットワークを介して第1スイッチに接続される。このとき、ネットワークトポロジを決定するステップは、第1経路と第2経路の重なりの有無に応じて、第1スイッチと未知端末との間に設けられたネットワークを特定するステップを備える。
ネットワークトポロジを決定するステップは、第1経路と第2経路が重ならない場合、未知端末が、第1スイッチと第1端末との間に設けられたネットワークを介して第1スイッチに接続されていると判定するステップを備える。
一方、第1経路と第2経路が重なる場合、ネットワークトポロジを決定するステップは、未知端末が、第1スイッチと第1端末との間に設けられたネットワーク以外のネットワークを介して第1スイッチに接続されていると判定するステップを備える。
又、ネットワークトポロジを決定するステップは、既知ネットワークトポロジにおいて第1スイッチに接続されるすべてのネットワークに、未知端末が接続されていないと判定した場合、未知端末が、新たなネットワークを介して第1スイッチに接続されていると判定するステップを備える。
本発明によるトポロジ特定装置は、ツリー型のネットワークトポロジを持つネットワークにおいて、第1端末と第2端末との間における第1経路と、第3端末と第4端末との間における第2経路との重なりの有無を判定する経路重なり判定部と、第1経路と第2経路の重なりの有無に基づいてネットワークトポロジを決定するトポロジ特定部とを具備する。経路重なり判定部は、第1端末、第3端末、第4端末を有する既知ネットワークトポロジを選択する。又、経路重なり判定部は、既知ネットワークトポロジとの接続位置が不明な第2端末を未知端末として抽出する。トポロジ特定部は、第1経路と第2経路の重なりの有無に応じて、既知ネットワークトポロジに対する未知端末の接続位置を特定する。
第1の態様に係るトポロジ特定装置は、計測フレーム送受信部を更に具備する。経路重なり判定部は、第3端末に対し、所定の端末のアドレスを送信元アドレスとした第1フレームを第4端末に送信させるための送信要求を発行する。計測フレーム送受信部は、送信要求の発行後、第2端末に対し、所定の端末のアドレスを送信元アドレスとした第2フレームを送信する。経路重なり判定部は、計測フレーム送受信部が、第4端末から送出された所定の端末宛の第3フレームを受信した場合、第1経路と第2経路とが重なっていると判定する。
本発明によるトポロジ特定方法、及びトポロジ特定装置によれば、ネットワーク内の全てのスイッチがトポロジ特定用の特別な機能を有することなく、トポロジを特定することができる。
上記発明の目的、効果、特徴は、添付される図面と連携して実施の形態の記述から、より明らかになる。
図1は、本発明によるトポロジ特定装置の第1の実施の形態における構成を示す構成図である。 図2Aは、第1の実施の形態において、トポロジ特定に利用する既知トポロジを示す図である。 図2Bは、図2Aに示すトポロジに基づくトポロジファイルを示す図である。 図3は、本発明によるトポロジ特定方法の概要を示すフロー図である。 図4は、第1の実施の形態においてトポロジの特定に利用する既知トポロジと接続位置が未知の端末を示す図である。 図5は、本発明に係るネットワークにおいて、経路の重なり状況を調査する動作の第1の実施の形態を示すシーケンス図である。 図6は、経路ADと経路BCが重なる場合を示す図である。 図7は、経路ACと経路BDが重なる場合を示す図である。 図8は、経路ABと経路CDが重なる場合を示す図である。 図9Aは、経路ADと経路BC、経路ACと経路BD、経路ABと経路CDが全て重なる場合のトポロジを示す図である。 図9Bは、図9Aに示すトポロジに基づくトポロジファイルを示す図である。 図10は、経路ACと経路BDが重ならない場合を示す図である。 図11Aは、経路ADと経路BC、経路ABと経路CDが重なり、経路ACと経路BDが重ならない場合のトポロジを示す図である。 図11Bは、図11Aに示すトポロジに基づくトポロジファイルを示す図である。 図12は、本発明によるトポロジ特定装置の第2の実施の形態における構成を示す構成図である。 図13Aは、第2の実施の形態において、トポロジ特定に利用する既知トポロジを示す図である。 図13Bは、図13Aに示すトポロジに基づくトポロジファイルを示す図である。 図14は、第2の実施の形態においてトポロジの特定に利用する既知トポロジと接続位置が未知の端末を示す図である。 図15は、本発明に係るネットワークにおいて、経路の重なり状況を調査する動作の第2の実施の形態を示すシーケンス図である。 図16は、経路TDと経路BCが重ならない場合を示す図である。 図17Aは、経路TDと経路BCが重ならない場合のトポロジを示す図である。 図17Bは、図17Aに示すトポロジに基づくトポロジファイルを示す図である。 図18は、経路TLと経路KDが重ならない場合を示す図である。 図19Aは、経路TLと経路KDが重ならない場合のトポロジを示す図である。 図19Bは、経路TLと経路KDが重なる場合のトポロジを示す図である。 図20Aは、経路TLと経路KDが重ならない場合のトポロジを示す図である。 図20Bは、図20Aに示すトポロジに基づくトポロジファイルを示す図である。 図21Aは、検証した全ての経路TLと経路KDが重なる場合のトポロジを示す図である。 図21Bは、図21Aに示すトポロジに基づくトポロジファイルを示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明によるトポロジ特定方法、及びトポロジ特定装置の実施の形態を説明する。実施の形態では、IEEE802.1対応スイッチを備えるLANにおいて、トポロジを特定する方法を一例に説明する。IEEE802.1ネットワークは、ネットワーク内にループが存在しないツリー型のトポロジを持つ(一般的に、物理的にループが存在する場合にも、論理的にツリー型のトポロジが構成される)。このようなネットワークでは、経路分岐に影響しないスイッチを省略すると、例えば、図2A及び図2Bに示すように、3つの端末(端末11、12、13)を含むネットワークは、1つのスイッチ(スイッチ31)に接続されるトポロジで必ず表現できる。本発明によるトポロジ特定方法では、このような3つの端末を含む既知のトポロジと、未知の端末とから1組(2つ)の経路を抽出し、1組の経路が共通のスイッチを含むか否かを検証することで未知の端末と既知のトポロジとの接続位置を特定する。以下、1組の経路が共通のスイッチを含むことを「経路が重なる」と表現する。又、IEEE802.1対応スイッチは、ネットワーク内を転送するフレームに格納された送信元アドレスに従って、フレームの転送方向を学習し、かつ宛先アドレスに従ってフレームの転送方向が決定する。このため、本発明では、通常動作とは異なる転送方向をスイッチに学習させることで、1組の経路の重なりの有無を検証する。詳細は後述する。
1.第1の実施の形態
図1から図11Bを参照して、本発明によるトポロジ特定方法、及びトポロジ特定装置の第1の実施の形態を説明する。第1の実施の形態では、LANに含まれる4つの端末11、12、13、90で構成されるトポロジを決定する方法を一例に説明する。ここでは、図2Aに示すような3つの端末11、12、13を含むネットワークのトポロジを、既知のトポロジ(以下、既知トポロジ100と称す)とし、既知トポロジ100と接続関係が特定されていない端末を端末90として説明する。図2A及び図2Bを参照して、端末11、端末12、端末13は、それぞれネットワーク21、ネットワーク22、ネットワーク23を介してスイッチ31に接続されている。尚、それぞれの端末が異なるインタフェースに接続されたスイッチ31は該ツリーネットワーク内には1つしか存在しえない。又、スイッチ31には、予め、各端末とMACアドレスが対応付けられており、各端末はそれぞれの間で通信可能となっているものとする。
ここで、第1の実施の形態におけるLAN内の端末(端末11、12、13、90)は、図1に示すトポロジ特定装置10を備える。トポロジ特定装置10は、入出力制御部1、計測フレーム送受信部2、計測制御部3、経路重なり判定部4、トポロジ決定部5を備える。又、トポロジ特定装置10は、既知端末リスト6、未知端末リスト7、トポロジファイル8が格納される記憶装置(図示なし)を備える。入出力制御部1は、ネットワークとフレーム/パケットの入出力を制御する。計測フレーム送受信部2は、経路の重なりを調査するための計測用フレームの作成と送受信を行う。計測制御部3は、後述する計測手順を管理し他計測端末へフレームの送信と受信結果の報告を命令する。経路重なり判定部4は、計測用フレームの受信状況に基づき1組の経路の重なりを判定する。トポロジ決定部5は、経路の重なり情報からトポロジを決定し、トポロジファイル8に書き込まれた既知トポロジ100を更新する。
既知端末リスト6には、既知トポロジ100に含まれる既知の端末とスイッチのリストが記録される。ここでは、端末11、12、13、及びスイッチ31が既知端末リスト6に記録される。未知端末リスト7には、ネットワーク内で存在がわかっているものの接続位置が不明な端末のリストが記録される。ここでは、端末90が未知端末リスト7に記録される。トポロジファイル8には、既知トポロジ100が記録される。ここでは、トポロジファイル8として、図2Aに示す既知トポロジ100を表現する構成要素や各構成要素の接続関係が、図2Bのように記録される。トポロジファイル8には、例えばスイッチ毎に接続する端末名や、スイッチ間の接続状態(スイッチ間の接続の有無、及び接続されたスイッチ名)が記録される。
次に、本発明によるトポロジ特定方法を説明する。以下では、端末11のアドレス(IPアドレス、MACアドレス)を便宜上Aとし、同様に端末12及び13のアドレスをそれぞれB、Cとする。又、本実施の形態では、端末11が、経路重なりを判定するホスト端末として動作し、端末12、13に各種の命令を発行するものとする。更に、端末11の既知端末リスト6には、端末11、12、13がそれぞれ11、12、13として登録されているものとする。
先ず、図3及び図4を参照してトポロジ特定方法の概要を説明する。端末11は、図4に示すようなスイッチSWに接続する3つの端末A、B、Cを含む既知トポロジ100を決定し(ステップS101、S102)、未知端末リスト7から未知の端末Dを抽出する(ステップS103)。端末11は、既知トポロジ100内の端末A、B、Cと、未知の端末Dとの重なりの有無に基づいて、既知トポロジ100に対する未知の端末Dの接続位置を特定し、新たなトポロジを決定する(ステップS104〜S106)。以下では、端末A−端末B間の経路を経路AB、端末A−端末C間の経路を経路AC、端末A−端末D間の経路を経路AD、端末B−端末C間の経路を経路BC、端末B−端末D間の経路を経路BD、端末C−端末D間の経路を経路CDとする。
次に図2A〜図4を参照して、トポロジ特定方法の具体例を示す。端末11の計測制御部3は、既知端末リスト6から、自端末である端末11と、他の任意の2台の端末の3台の端末を選択する(ステップS101)。ここでは、端末A、B、Cとして端末11、端末12、端末13がそれぞれ選択される。次に、端末11は、選択した端末を用いて既知トポロジ100を決定する(ステップS102)。詳細には、端末11の計測制御部3は、トポロジ特定部5に3つの端末リストを送りトポロジ作成を依頼する。トポロジ特定部5は、トポロジファイル8が空の場合、3つの端末11、12、13に接続するスイッチSWとしてスイッチ31を定義し、図2Aに示す既知トポロジ100を決定する。トポロジ特定部5は、決定した既知トポロジ100を表現する情報をトポロジファイル8に記録する。ここで、トポロジファイル8に既知のトポロジがある場合、ステップS101、S102は省略される。
次に、端末11の計測制御部3は、未知端末リスト7に端末情報が格納されているか判定し、格納されている場合は、未知端末を抽出して、経路選択処理(ステップS104)に移行する(ステップS103)。ここで、未知端末リスト6に端末情報が格納されていない場合は、処理を終了する。本実施の形態では、端末90が未知端末リスト7にあるため、未知端末Dとして端末90が選択され、ステップS104に移行する。
端末11は、未知端末90の位置を確定するために、端末11、12、13、90の間で取り得る経路を選択し、2経路の組のそれぞれの重なりを調査する(ステップS104、S105)。端末11の経路重なり判定部4は、複数の経路から計測対象の経路組を選択する(ステップS104)。ここで、経路重なり判定部4は、未知端末−既知端末間の経路と、他の既知端末間の経路との組を選択する。このような経路組は、次の3通りある。すなわち、1:経路AD(端末11−端末90)と経路BC(端末12−端末13)の組、2:経路AC(端末11−端末13)と経路BD(端末12−端末90)の組、3:経路AB(端末11−端末12)と経路CD(端末13−端末90)の経路組が選択される。経路の重なりの判定対象となる経路組が決定されると、端末11の計測フレーム送受信部2は、他の端末12、13、90との間で情報を送受信する。この際、端末11の経路重なり判定部4は、他の端末からの情報の受信状況に基づいて、上述の各経路組の重なり判定を行う(ステップS105)。
端末11のトポロジ特定部5は、各経路組の重なり判定結果に応じて未知の端末90と既知トポロジ100に対する接続位置を特定し、新たな既知トポロジ100を生成する(ステップS106)。詳細には、トポロジ特定部5は、重ならなかった経路の組があった場合、未知の端末90との間で経路を形成していた端末の方向に未知のスイッチが存在し、当該2つの端末はそのスイッチに接続されていると判定する。又は、すべての経路の組が重なった場合、未知の端末90はスイッチ31に未知のリンクを介して接続されていると判定する。トポロジ特定部5は、新たな既知トポロジ100に基づきトポロジファイル8を更新する。又、トポロジ特定部5は、他の端末12、13、90に対して更新したトポロジファイル8を転送しても良い。
次に、図5から図11Bを参照して、ステップS105における経路組の重なり判定処理について詳細に説明する。ここでは、一例として、端末11−端末90間の経路ADと端末12−端末13間の経路BCとの重なりを判定する方法について説明する。図5は、第1の実施の形態における経路ADと経路BCの重なり判定処理の動作を示すシーケンス図である。
第1の実施の形態におけるトポロジ特定方法では、端末11によって経路AD上のスイッチ及び経路BC上のスイッチに対し、計測用のMACアドレスを学習させる。この状態において、端末11は、端末13から端末12に対して計測用のフレームを送信させ、そのフレームの受信先に応じて経路ADと経路BCとの重なりの有無を判定する。以下、詳細に説明する。
図5を参照して、端末11の経路重なり判定部4は、端末12に対し、経路BC上のスイッチに計測用アドレスXを設定するためのフレームの送信要求を発行する(ステップS1)。端末12の計測制御部3は、端末11からの送信要求に応じて、フレーム101を端末13に対し送信する(ステップS2)。ここで、フレーム101は、ユニキャストARP(Address Resolution Protocol)リクエストを含むフレームであり、送信元アドレス(IPアドレス、MACアドレス)として計測用アドレスXが設定され、宛先アドレス(IPアドレス、MACアドレス)として端末13のアドレスCが設定される。これにより、端末12から端末13への経路上のスイッチ31は、計測用アドレスXを宛先とするフレームを端末13の方向に転送するよう学習する。尚、計測用アドレスXは、トポロジの特定対象となるネットワーク内で使用されていないアドレスであることが好ましい。
次に端末11の経路重なり判定部4は、計測フレーム送受信部2に依頼し、端末90に対して、計測用のフレーム102を送信する(ステップS3)。ここで、フレーム102は、ユニキャストARPリクエストを含むフレームであり、送信元アドレス(IPアドレス、MACアドレス)として計測用アドレスXが設定され、宛先アドレス(IPアドレス、MACアドレス)として端末90のアドレスDが設定される。これにより、端末11から端末90への経路AD上にスイッチがある場合、当該スイッチは、計測用アドレスXを宛先とするフレームを端末11の方向に転送するよう学習する。
端末12は、フレーム101の送信完了通知を端末11に発行する(ステップS4)。端末11の経路重なり判定部4は送信完了通知を受け付けると端末12に対し、フレーム監視要求を発行する(ステップS5)。端末12は、フレーム監視要求に従い、フレーム103を受信した場合、その旨を端末11に報告するように制御される。この際、経路重なり判定部4は、計測フレーム送受信部2に対し、同様にフレーム監視要求を発行する。端末11の計測フレーム送受信部2は、フレーム監視要求に従い、フレーム103を受信した場合、その旨を端末11に報告するように制御される。
続いて端末11の経路重なり判定部4は、計測用アドレスX宛のフレーム103を送信するようにフレーム送信要求を端末13に発行する(ステップS6)。端末13の計測制御部3は、端末11からのフレーム送信要求に応じてフレーム103を送出し、端末11に対し送信完了を報告する(ステップS7、S8)。
端末12は、フレーム103を受信した場合、端末11に対しフレーム103を受信したことを報告する(ステップS9Yes)。又、端末12は、端末11から監視解除命令が発行されるまで、フレーム103の受信を監視する。
端末11の経路重なり判定部4は、ステップS8において送信完了報告を受けてから所定の時間、フレーム103の受信報告を受け付ける(ステップS10No、S11)。この間に受信報告が入力されると(ステップS10No、S11Yes)、端末11の経路重なり判定部4は、受信の報告元に基づいて、フレーム103を受信した端末を特定し、経路の重なりを判定する(ステップS12)。一方、所定の時間内に受信報告を受信しない場合、端末11は、重なり判定処理を終了し、端末12及び計測フレーム送受信部2に対しフレーム監視解除命令を発行する(ステップS10Yes、ステップS13)。
ステップS1において経路BC上のスイッチに学習させた内容が、ステップS3において送信されたフレーム102によって変更された場合、端末13から送信された計測用アドレスX宛てのフレーム103は、端末11で受信される。これは、経路BC上のスイッチと経路AD上のスイッチが同一であることを示す。このため、ステップS11において、端末11の経路重なり判定部4が、自身の計測フレーム送受信部2からフレーム103の受信報告を受け取った場合、端末11−端末90間の経路ADと、端末12−端末13間の経路BCは重なっていると判定する。
一方、ステップS1において経路BC上のスイッチに学習させた内容が、ステップS3において送信されたフレーム102によって変更されない場合、端末13から送信された計測用アドレスX宛てのフレーム103は、端末12で受信される。このため、ステップS11において、端末11の経路重なり判定部4は、端末12からフレーム103の受信報告を受け取った場合、経路ADと経路BCは重なっていないと判定する。
経路重なり判定部4は、重なり判定の結果をトポロジ特定部5に送った後、端末13と計測フレーム判定部3に対しフレーム監視解除命令を発行する(ステップS13)。端末13と端末11の計測フレーム判定部3は、フレーム監視解除指令に応じてフレーム103の監視を停止する。尚、端末13と端末11の計測フレーム判定部3におけるフレーム監視処理は、所定の時間で解除されるように設定されても構わない。
以上のように、経路ADと経路BCの重なりの有無を判定することができる。同様にして他の経路組の重なりの有無を判定することができる。本発明によれば、スイッチにおいて一般的に用いられているMACアドレス学習機能を利用することで、未知の端末90と既知の端末11、12、13との経路の重なりを知ることができる。尚、ここでは、端末11をホスト端末として各端末からのデータの転送を制御したが、他の端末から制御させても同様である。又、重なりを調査する経路に応じてホスト端末を他の端末に替えて行っても良い。
次に、図6から図11Bを参照して、トポロジ特定部5のトポロジ特定処理について詳細に説明する。トポロジ特定部5は、図4に示すような端末A、B、Cを含む既知のトポロジ100と未知の端末Dとを用いて、端末間の経路の重なりから未知の端末Dと既知トポロジとの接続位置を特定する。ここでは、端末11、12、13、90、ネットワーク21、22、23を、それぞれ端末A、B、C、D、ネットワークa、b、cとし、スイッチ31をスイッチSWとしてトポロジの特定を行う。
既知トポロジ100について、端末Dが接続される可能性がある箇所は、ネットワークa、b、c、及びスイッチSWのいずれかとなる。端末A〜Cの3つのうち2つを結ぶ経路は、ネットワークa、b、c、及びスイッチSWの4箇所のうち、必ず3箇所を通過する。このとき、端末A〜Cの3つのうち、着目した2つの端末間の経路と、残された端末と端末Dの間の経路とに重なりが無い場合、端末Dが接続される箇所は、1つに限定される。一方、2つの経路に重なりがあった場合、少なくとも2つの経路が既知のスイッチSWを通過することがわかる。例えば、図6を参照して、端末Bと端末Cとの間の経路BCは、ネットワークb、c及びスイッチSWの3箇所を通過し、ネットワークaを通過しない。このとき、端末Bから端末Cへの経路BCと、残された端末Aと端末Dの経路ADとに重なりが無い場合、端末Dが接続される箇所は、ネットワークaに限定される。一方、経路BCと経路ADに重なりがある場合、端末Aと端末Dの経路ADは少なくともスイッチSWを通過し、端末Dはネットワークaに接続されていないことがわかる。同様に端末A−端末Bの経路ABと、端末C−端末Dの経路CDとの重なり、又は端末A−Cの経路ACと、端末B−端末Dの経路BDとの重なりを調査すると、端末Dがどこに接続されているかがわかる。このように、端末Dがネットワークa、b、cのいずれかに接続されている場合、重ならない経路組が存在するため、重ならない経路組を特定することで端末Dの接続位置を特定することができる。又、3通りの経路組の全てが重なった場合、端末Dが接続される位置は、スイッチSWに限定される。
以上のように、トポロジ特定部5は、経路重なり判定部4から出力された経路の重なり判定結果に基づいて、既知トポロジ100に対する未知の端末Dの接続位置を特定し、新たなトポロジを決定する。
例えば、経路ADと経路BCが重なり(図6参照)、経路ACと経路BDが重なり(図7参照)、経路ABと経路CDが重なる(図8参照)と判定された場合、トポロジ特定部5は、未知の端子90の接続位置がスイッチ31であることを特定し、ネットワーク91を介してスイッチ31に接続した端末90を加えたトポロジを新たな既知トポロジ100としてトポロジファイル8を更新する(図9A、図9B参照)。
一方、経路が重ならない経路組がある場合、例えば、図10のように経路ACと経路BDが重ならない場合、トポロジ特定部5は、経路BD上に既知のスイッチSWが存在しないと判定し、未知の端末Dが、スイッチSWからみて端末Bの方向に接続されていることを特定する。又、経路BDが、ネットワークb内のスイッチを通過していることを特定する。このため、トポロジ特定部5は、ネットワーク22が、ネットワーク24、25と、スイッチ31に接続するスイッチ32とを含むことを特定する。又、端末12、90が、ネットワーク24、25のそれぞれを介してスイッチ32に接続するトポロジを既知トポロジ100としてトポロジファイル8を更新する(図11A、図11B参照)。
例に示した経路組の他の経路組が重ならない場合でも、同様にして、未知の端末90の接続位置を特定することができる。
以上のように本発明によれば、スイッチにおいて一般的に用いられているMACアドレス学習機能を利用することで、未知の端末90と既知トポロジ100との接続位置を特定することができる。このため、従来から利用されているスイッチ、特に安価で多機能を有しないスイッチを含むネットワークにおいても、トポロジの特定を行うことができる。ネットワーク内の端末は、トポロジ特定装置10を備えることで、どの端末からでもトポロジの特定を行うことができる。
又、ネットワークの端末数が4台以上の場合でも4つの端末のトポロジが上述のように得られるため、同様な動作を繰り返すことで、全ての端末を含むトポロジを特定することができる。以下では、既知の端末が4つある既知トポロジ100(例えば図11Aに示す既知トポロジ100)に対する未知の端末D(図示なし)の接続位置を決定する方法を説明する。ここで、トポロジが既知の端末集合をU、既知のスイッチ集合をSとすると、既知の端末集合Uには端末11、12、13、90が含まれ、既知のスイッチ集合SにはスイッチSW31、SW32が含まれる。
以下、トポロジを特定する端末の動作を示す。先ず、既知の接続の全てに潜在的スイッチを仮定したトポロジを作成する。次に、未知端末Dを含む任意の2つの端末間経路の組を選択し、これらの経路の重なりを調査する。上述の方法の場合、4つの端末11、12、13、90から3つの端末A、B、Cを抽出し、経路ABと経路CD、経路ACと経路BD、経路BCと経路ADのそれぞれの重なりを調査する。これを全てのパターンに対して調査する。例えば、先ず端末11、12、13をそれぞれ端末A、B、Cとして上述のように経路ABと経路CD、経路ACと経路BD、経路BCと経路ADの重なりを調査する。続いて、端末12、13、90をそれぞれ端末A、B、Cとした場合、端末13、90、11をそれぞれ端末A、B、Cとした場合、及び端末90、11、12をそれぞれ端末A、B、Cとした場合についても同様に、経路ABと経路CD、経路ACと経路BD、経路BCと経路ADの重なりを調査する。これにより既知端末間の経路と、既知端末と未知端末間との重なりのすべてのパターンを調査することができる。
経路ABと経路CDが重ならなかった場合、経路ABに未知の端末Dが接続するスイッチは含まれないと判定される。ただし、端末Dが接続されるスイッチ自体が未知である可能性もあるため、既知のすべての接続には潜在的なスイッチを仮定して調査が行われる。経路ACと経路BD、経路BCと経路ADに対しても同様な判定が行われる。
ここで、既知のスイッチ集合Sと潜在的スイッチの集合を候補集合CSWDとする。調査した経路同士で重なりが無かった場合、当該調査対象となった未知の端末Dへの経路に含まれる既知のスイッチと潜在的スイッチを候補集合CSWDから除く。これを全ての経路組のパターンについて行い候補集合CSWDに残されたスイッチを端末Dに接続されるスイッチとして決定する。この際、端末Dに接続されるスイッチが潜在的スイッチであった場合には、既知トポロジ100に新たなスイッチとして追加する。
以上のように、既知トポロジ100内の端末が4台以上の場合でも、未知の端末の接続箇所を特定し、新たなトポロジを決定することができる。
2.第2の実施の形態
次に、図12から図21Bを参照して、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、端末間経路が同一のスイッチを経由するかを調査する回数を第1の実施の形態よりも少なくできる方法を示す。ここでは、図14に示す既知トポロジ100と未知の端末Dとにおいて、1台の計測端末Tが計測用パケットの送出基点となり、着目したネットワーク内のスイッチSWiからみて、未知の端末Dがいずれの方向に接続されているかを判定する。
第2の実施の形態では、LANに含まれるn台の端末51〜5nと計測端末50、及び端末90で構成されるトポロジを決定する方法を一例に説明する。ここでは、図13Aに示すような計測端末50と端末51〜5nを含むネットワークのトポロジを、既知トポロジ100とし、既知トポロジ100と接続関係が特定されていない未知端末を端末90として説明する。図13Aを参照して、計測端末50、及び端末51〜5nは、それぞれネットワーク20、及びネットワーク21〜2nを介してスイッチ31に接続されている。又、既知トポロジ100は、計測端末50を親とするツリー型トポロジであり、端末51〜5nは、ネットワーク21〜2nの先にそれぞれ接続されている子孫端末のうち、それぞれ任意の端末である。尚、それぞれの端末が異なるインタフェースに接続されたスイッチ31は該ツリーネットワーク内には1つしか存在しえない。又、スイッチ31は、予め、各端末とMACアドレスが対応付けられており、各端末はそれぞれの間で通信可能となっているものとする。
本発明による計測端末50は、図12に示すトポロジ特定装置10’を備える。トポロジ特定装置10’は、入出力制御部1’、計測フレーム送受信部2、計測制御部3’、経路重なり判定部4’、トポロジ決定部5、未知端末発見部9を備える。又、トポロジ特定装置10は、既知端末リスト6、未知端末リスト7、トポロジファイル8が格納される記憶装置(図示なし)を備える。入出力制御部1’は、ネットワークとフレーム/パケットの入出力を制御する。又、第2の実施の形態における入出力制御部1’は、未知端末発見部9に対し、外部端末から入力されたフレームのコピーを渡す。未知端末発見部9は、入出力制御部1’から渡されたパケットの送信元アドレスを参照し、既知端末リスト6に存在しない端末であった場合、未知端末リスト7に該端末を登録する。計測フレーム送受信部2は、経路の重なりを調査するための計測用フレームの作成と送受信を行う。計測制御部3’は、後述する計測手順を管理し他計測端末へフレームの送信と受信結果の報告を命令する。経路重なり判定部4’は、計測用フレームの受信状況に基づき1組の経路の重なりを判定する。トポロジ決定部5は、経路の重なり情報からトポロジを決定し、トポロジファイル8に書き込まれた既知トポロジ100を更新する。
既知端末リスト6には、既知トポロジ100に含まれる既知の端末とスイッチのリストが記録される。ここでは、端末11、12、13、及びスイッチ31が既知端末リスト6に記録される。未知端末リスト7には、ネットワーク内で存在がわかっているものの接続位置が不明な端末のリストが記録される。第2の実施の形態における入出力制御部1’は、受信したフレームを未知端末発見部9に転送する。未知端末発見部9は、既知端末リスト6を参照し、これに登録されていない端末からのフレームを受信した場合、該端末のアドレスを未知端末リスト7に加える。本例では、未知端末リスト7に未知端末として端末90が登録されたものとする。トポロジファイル8には、既知トポロジ100が記録される。ここでは、トポロジファイル8として、図13Aに示す既知トポロジ100を表現する構成要素や各構成要素の接続関係が、図13Bのように記録される。トポロジファイル8には、例えばスイッチ毎に接続する端末名や、スイッチ間の接続状態(スイッチ間の接続の有無、及び接続されたスイッチ名)が記録される。
又、本実施の形態における計測端末50以外の端末51〜5nは、あるフレームに対して、破棄する処理、もしくは、送信元に応答を返すPINGサーバ処理を実現するものとする。
次に、本発明によるトポロジ特定方法を説明する。以下では、端末51、52、53のアドレス(IPアドレス、MACアドレス)を便宜上A、B、Cとし、端末5nのアドレスをNとする。又、端末50の既知端末リスト6には、端末51、52、53、・・・、5nがそれぞれ51、52、53、・・・、5nとして登録されているものとする。
図3及び図14を参照して、第2の実施の形態におけるトポロジ特定方法の概要を説明する。先ず、計測端末50は、図14に示すように、計測端末Tを親、計測端末Tの子であるスイッチSWiに接続される端末A、B、C、・・・、Nを含むツリー型トポロジを既知トポロジ100として決定する(ステップS101、S102)。次に、既知トポロジ100と接続位置が未知の端末Dを抽出し、既知トポロジ100内の任意の端末間の経路と、計測端末Tと未知の端末Dと間の経路TDとの重なりの有無に基づいて、未知の端末Dと既知トポロジとの接続位置を特定する(ステップS103〜S106)。
ステップS101及びS102における既知トポロジの決定処理の動作を説明する。計測制御部3’は、計測端末Tを親とするツリートポロジにおいて、計測端末Tの子となるスイッチSWiに着目する。計測制御部3’はスイッチSWiの親として計測端末Tを記憶する。例えば、計測制御部3’は、スイッチ31に着目し、スイッチ31の親として計測端末50を記憶する。次に、計測制御部3’はトポロジファイル8を参照し、スイッチ31に親以外で(子として)直接接続されている端末とスイッチを列挙し、集合として記憶する。ここで、集合の中にスイッチが含まれている場合、計測制御部3’は、該スイッチの子孫となる端末をトポロジファイル8中から検索し、集合内の該スイッチを該子孫となる端末に置き換える。ここでは、集合(端末A〜N)として、図13Aに示す端末51〜5nが登録される。以上のように、計測端末50は、計測端末50を端末T、端末51、52、53、・・・、5n、90を端末A、B、C、・・・、N、ネットワーク20をネットワークt、ネットワーク21、22、23、・・・、2nをネットワークa、b、c、・・・、n、スイッチ31をスイッチSWiとした既知トポロジ100を決定する。
次に、計測端末50は、接続位置が未知の端末Dを抽出する(ステップS103)。詳細には、計測制御部3’は、未知端末リスト7に端末情報が格納されているか判定し、格納されている場合は、未知端末を抽出する(ステップS103)。ここで、未知端末リスト7に端末情報が格納されていない場合は、処理を終了する。本実施の形態では、端末90が未知端末リスト7にあるため、未知端末Dとして端末90が選択される。トポロジ特定部5’は、既知トポロジ100における端末の集合を参照し、集合が1つの端末であった場合、未知端末90はスイッチ31に接続された子であると決定し、トポロジファイルのスイッチ31に接続された端末リストに端末90を加え、処理を終了する。集合に端末が2以上ある場合は、ステップS104に移行する。
計測端末50は、既知トポロジ100内の端末と未知の端末Dと間の経路の重なりの有無に基づいて、未知の端末Dと既知トポロジとの接続位置を特定する(ステップS104〜S106)。ステップS104において、計測制御部3’は、計測端末Tと端末Dとの間の経路TDと、集合(端末A〜N)における任意の2つの端末間の経路を選択し、この2つの経路の重なりを調査するよう経路重なり判定部4’に命令する。ここでは、計測端末50と端末90との間の経路TDと、端末51〜5nの任意の2つの端末間の経路との経路重なりが調査される。
図14から図21Bを参照して、第2の実施の形態における経路組の重なり判定処理について詳細に説明する。ここでは、端末50−端末90間の経路TDと端末52−端末53間の経路BCとの重なりを判定する場合について説明する。図15は、第2の実施の形態における経路TDと経路BCの重なり判定処理の動作を示すシーケンス図である。
第2の実施の形態におけるトポロジ特定方法は、1台の計測端末50からの制御によって、経路TD上のスイッチに対し、計測用のMACアドレスを学習させる。この状態において、計測端末50は、集合内の端末53に対し、他の端末52にPINGを返信させるようなPING要求を発行する。そして計測端末50におけるPINGの受信状況に応じて経路TDと経路BCとの重なりの有無を判定する。以下、詳細に説明する。
図15を参照して、端末50の経路重なり判定部4’は、計測フレーム送受信部2に依頼し、端末90に対して、計測用のフレーム201を送信する(ステップS21)。ここで、フレーム201は、ユニキャストARPリクエストを含むフレームであり、送信元アドレス(IPアドレス、MACアドレス)として端末52のアドレスBが設定され、宛先アドレス(IPアドレス、MACアドレス)として端末90のアドレスDが設定される。これにより、端末50から端末90への経路TD上にスイッチがある場合、当該スイッチは、端末52(アドレスB)を宛先とするフレームを端末50の方向に転送するよう学習する。端末90は、フレーム201を受信した後、端末52を宛先とするフレーム202を返信する(ステップS22)。尚、端末90は、フレーム201を受信した後、このフレームを破棄する。
次に、端末50の経路重なり判定部4’は、端末53に対してPINGリクエストとしてフレーム203を送出する(ステップS23)。フレーム203は、ICMP(Internet Control Message Protocol) Echoリクエストを含むフレームであり、送信元IPアドレスとして端末52のアドレスB、送信元MACアドレスとして計測端末50のアドレスT、宛先アドレス(IPアドレス、MACアドレス)として端末53のアドレスCが設定される。端末53は、フレーム203によるPINGリクエストに応答して、PINGリプライを返す(ステップS24)。この際、端末53は、受け取ったPINGリクエストが端末52から送信されたものと認識し、PINGリプライとしてのフレーム204を端末52宛に送出する。すなわち、フレーム204は、ICMP Echoリプライを含み、送信元アドレス(IPアドレス、MACアドレス)として端末53のアドレスCが設定され、宛先アドレス(IPアドレス、MACアドレス)として端末52のアドレスBが設定される。
計測端末50は、ステップS23の後、所定の時間、フレーム204の受信を受け付ける(ステップS25No、S26)。この間にフレーム204を受信したか否かで経路重なり判定部4’は、経路TDと経路BCが重なっているかどうかを判定する(ステップS27)。所定時間内にフレーム204を受信した場合(ステップS25No、S26Yes)、端末52宛のフレーム204が、経路TD上のMACアドレスが変更されたスイッチを通過したことを示す。この場合、経路重なり判定部4’は、経路TDと経路BCが重なっていると判定する。所定の時間内にフレーム204を受信しない場合(ステップS25Yes)、経路重なり判定部4’は、経路TDと経路BCは重なっていないと判定する。尚、ネットワーク内でフレームが消失する可能性を考慮すると、複数個のフレーム203を端末50が送出する実施例も可能である。又、MACアドレスの学習状況が計測用のフレーム以外のフレームにより変更される可能性もあることから、上記重なり判定を複数回繰り返し、等しい結果が得られた場合のみ計測結果を採用する方法も可能である。
重なり判定処理を終了すると、計測端末50は、端末52に対し解析終了通知を発行する(ステップS28)。端末52は、ARPリクエストを含むフレームを端末51〜5n、90にブロードキャストし、それぞれとの間におけるスイッチのMACアドレステーブルを、通常の転送モードに戻す(ステップS29)。尚、解析終了通知の宛先端末は、端末53以外の端末であれば端末52に限らない。
以上のように、第2の実施の形態における経路重なり判定部4’は、未知の端末との間の経路TDと、既知トポロジ100の任意の2つの端末間の経路との重なりの有無を判定することができる。ここで、経路BCと経路TDが重ならないと判定された場合、トポロジ特定部5’は、図16に示すように端末Dが、スイッチSWiの子ではなく、親(計測端末T)とスイッチSWiの間に新たに追加するスイッチSW(i−1)の子であると判定する。詳細には、図14を参照して集合(端末A〜N)はスイッチSWiの子孫であり、かつ、スイッチSWiに別々のネットワークを介して接続されている。このため、端末A〜Nにおける2端末間の経路は必ずスイッチSWiを経由し、かつ、スイッチSWiからみて親方向のネットワークtを通過しない。このため、端末A〜Nにおける2端末間の経路と経路TDとが重ならない場合、トポロジ特定部5’は、端末Dが、スイッチSWiの子ではなく、親(計測端末50)とスイッチSWiの間に新たに追加するスイッチSW(i−1)の子であると判定する。この場合、トポロジ特定部5’は、図17Aに示すようにネットワーク20とスイッチ31との間に新たなスイッチ30を設け、端末90がスイッチ30にネットワーク40を介して接続するトポロジを新たな既知トポロジ100として登録する。このときのトポロジファイル8は図17Bのように更新される。
一方、経路TDと経路BCが重なると判定された場合、ステップS104に戻り、重なりを判定する経路を再度選択する。このとき経路重なり判定部4’は、端末51〜5nの中から任意の2つの端末K及び端末Lを選択し、端末Kと未知の端末Dとの間の経路KDと、計測端末Tと端末Lとの間の経路TLとの重なりの有無を判定する。例えば、端末Kとして端末52、端末Lとして端末53を選択する。
計測端末50は、ステップS21〜29と同様に、経路KDと経路TLとの重なりを調査する。この際、フレーム201は、端末53宛に送出され、経路TL上にスイッチがある場合、当該スイッチに、端末52宛のフレームを計測端末50宛に転送するように学習させる。又、計測端末50は、未知の端末90宛に、PING要求(宛先アドレスがアドレスDのフレーム203)を送信し、端末90からのPINGリプライの受信の有無によって、経路KDと経路TLとの重なりを調査する。
ここで、経路KDと経路TLが重ならないと判定された場合、トポロジ特定部5’は、図18に示すように端末D(50)が、端末K(52)と同じ方向のネットワークkを介してスイッチSWi(31)に接続されていると判定する。又、端末K(52)が、ネットワークk内のスイッチに直接接続されている子であった場合、図19Aに示すようにネットワークk内にスイッチSW(i+1)を追加し、端末K(52)と端末D(90)をスイッチSW(i+1)の子として接続して、既知トポロジ100を更新する。この場合、ネットワークkには、スイッチSW(i+1)の他、スイッチSW(i+1)と端末K(52)とを接続するネットワークk1、スイッチSW(i+1)と端末D(90)とを接続するネットワークk2が追加される。図20A、図20Bを参照して、このような場合、本例では、スイッチ31に接続するスイッチ32が既知トポロジ100に追加される。すなわち、端末52、90がそれぞれネットワークk1、k2に相当するネットワーク221、222を介して、スイッチSW(i+1)に相当するスイッチ32に接続するように既知トポロジ100及びトポロジファイル8が更新される。
一方、端末K(52)が、ネットワークk内のスイッチに直接接続されている子でない場合、計測制御部3’は、スイッチSWiを親として記憶し、スイッチSWiからみて端末K(52)と同じ方向に、子として接続されているスイッチSW(i+1)を、新たに着目するスイッチとして記憶する。又、計測制御部3’は、スイッチSW(i+1)に対し、子として接続する既知の端末を集合(端末A〜N)として記憶する。以下、ステップS103〜S106と同様にして未知の端末Dの接続位置を特定する。
又、経路KDと経路TLが重なると判定された場合、図19Bに示すように、端末D(90)は端末K(52)と同じ方向には存在しない(同じネットワークkに接続していない)と判定できる。この際、計測制御部3’は、端末Kとして着目した端末52を着目済み端末リスト(図示なし)に追加し、集合(端末51〜5n)から新たな端末Kを選ぶ。新たな端末Kは端末L以外の端末であり、かつ、着目済みリストに無い端末である。ここで、新たな端末Kが選べない場合、端末L以外の端末から任意の端末を新たな端末Lとして選択し、上述と同様に経路KDと経路TLとの重なりの有無を検証し、トポロジを特定する。又、新たな端末Kが選べない場合、かつ新たな端末Lが既に選ばれていた場合、検証した全ての経路KDと経路TLとが重なっていることがわかる。このため、図21Aに示すように、端末90は未知の新たなネットワーク40を介してスイッチ31の子として接続されていることが特定される。トポロジ特定部5’は、図21A、図21Bに示すように既知トポロジ100及びトポロジファイル8を更新して処理を終了する。
以上のように、第2の実施の形態によるトポロジ特定方法によれば、PINGの応答を利用して経路の重なりを判定しているため、1台の測定端末50によって、トポロジを特定できる。又、第1の実施の形態と同様に、スイッチにおけるMACアドレス学習機能を利用してトポロジの特定を行っているため、高度な機能を有しないスイッチを含むネットワークでも、トポロジの特定が可能となる。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。第1及び第2の実施の形態では、ユニキャストARPを用いて経路の重なりを調査したが、これに限定しない。例えば、ユニキャストARPに替えて任意のパケットを利用して、経路上のスイッチの転送先を変更しても良い。ただし、ARPキャッシュのタイムアウトによってAPRリクエストが送信される可能性や、このリセットパケット等の応答がなされる可能性を考慮すると、第1及び第2の実施の形態のように、ユニキャストARPを利用してMACアドレス学習を行うことが好ましい。又、第2の実施の形態では、ICMP Echoを利用したPINGの応答に基づいて経路の重なりを判定しているがこれに限らず、計測端末50からの信号に対する応答が送出されれば、他のプロトコルを利用しても構わない。例えば、ステップS23において、計測端末50は、フレーム203の替わりにTCP(Transmission Control Protocol)におけるコネクション開設要求(SYN)を発行し、端末53からの応答(SYN ACK)の受信状況に基づいて経路の重なりを判定しても良い。あるいは、ステップS23において、計測端末50は、任意のフレームを送信し、端末53に設定されたECHOサーバによる応答フレームの受信状況に基づいて経路の重なりの有無を判定しても良い。
本出願は、日本出願番号2008−291812に基づく優先権を主張するものであり、日本出願番号2008−291812における開示内容は引用により本出願に組み込まれる。

Claims (15)

  1. ツリー型のネットワークトポロジを持つネットワークにおいて、
    第1端末と第2端末との間における第1経路と、第3端末と第4端末との間における第2経路とを選択するステップと、
    前記第1経路と前記第2経路の重なりの有無に基づいてネットワークトポロジを決定するステップと、
    前記第1経路と前記第2経路との重なりの有無を判定するステップと、
    を具備し、
    前記重なりの有無を判定するステップは、
    前記第2経路上のスイッチに対し、所定の端末宛のフレームを前記第3端末に転送するように学習させるステップと、
    前記学習後、前記第1経路上のスイッチに対し、前記所定の端末宛のフレームを前記第1端末に転送するように学習させるステップと、
    前記第4端末から前記所定の端末宛のフレームを送信するステップと、
    前記所定の端末宛のフレームの受信端末に応じて、前記第1経路と前記第2経路との重なりの有無を判定するステップと、
    を備えるトポロジ特定方法。
  2. 請求の範囲1に記載のトポロジ特定方法において、
    前記重なりの有無を判定するステップは、
    前記第3端末が前記第4端末に対し、前記所定の端末のアドレスを送信元アドレスとした第1フレームを送信するステップと、
    前記第1フレームの送信後、前記第1端末が前記第2端末に対し、所定の端末のアドレスを送信元アドレスとした第2フレームを送信するステップと、
    前記第4端末が、前記所定の端末宛の第3フレームを送出するステップと、
    前記第3フレームの受信端末が第1端末である場合、前記第1経路と第2経路とは重なっていると判定するステップと、
    を備えるトポロジ特定方法。
  3. 請求の範囲1又は2に記載のトポロジ特定方法において、
    前記第1経路と前記第2経路を選択するステップは、
    前記第1端末、前記第3端末、前記第4端末を有する既知ネットワークトポロジを選択するステップと、
    既知ネットワークトポロジとの接続位置が不明な前記第2端末を未知端末として抽出するステップと、
    を備え、
    前記ネットワークトポロジを決定するステップは、前記第1経路と前記第2経路の重なりの有無に応じて、前記既知ネットワークトポロジに対する前記未知端末の接続位置を特定するステップを備える
    トポロジ特定方法。
  4. 請求の範囲3に記載のトポロジ特定方法において、
    前記既知ネットワークトポロジにおいて、前記第1端末、前記第3端末、前記第4端末は、それぞれ異なるネットワークを介して第1スイッチに接続され、
    前記ネットワークトポロジを決定するステップは、前記第1経路と前記第2経路の重なりの有無に応じて、前記第1スイッチと前記未知端末との間に設けられたネットワークを特定するステップを備える
    トポロジ特定方法。
  5. 請求の範囲4に記載のトポロジ特定方法において、
    前記ネットワークトポロジを決定するステップは、前記第1経路と前記第2経路が重ならない場合、前記未知端末が、前記第1スイッチと前記第1端末との間に設けられたネットワークを介して前記第1スイッチに接続されていると判定するステップを備える
    トポロジ特定方法。
  6. 請求の範囲5に記載のトポロジ特定方法において、
    前記ネットワークトポロジを決定するステップは、前記第1経路と前記第2経路が重なる場合、前記未知端末が、前記第1スイッチと前記第1端末との間に設けられたネットワーク以外のネットワークを介して前記第1スイッチに接続されていると判定するステップを備える
    トポロジ特定方法。
  7. 請求の範囲6に記載のトポロジ特定方法において、
    前記ネットワークトポロジを決定するステップは、前記既知ネットワークトポロジにおいて前記第1スイッチに接続されるすべてのネットワークに、前記未知端末が接続されていないと判定した場合、前記未知端末が、新たなネットワークを介して前記第1スイッチに接続されていると判定するステップを備える
    トポロジ特定方法。
  8. 請求の範囲1から7のいずれか1項に記載のトポロジ特定方法において、
    前記所定の端末のアドレスは、前記ネットワークで使用されていないアドレスである
    トポロジ特定方法。
  9. ツリー型のネットワークトポロジを持つネットワークにおいて、
    第1端末と第2端末との間における第1経路と、第3端末と第4端末との間における第2経路との重なりの有無を判定する経路重なり判定部と、
    前記第1経路と前記第2経路の重なりの有無に基づいてネットワークトポロジを決定するトポロジ特定部と、
    計測フレーム送受信部と、
    を具備し、
    前記経路重なり判定部は、前記第3端末に対し、所定の端末のアドレスを送信元アドレスとした第1フレームを前記第4端末に送信させるための送信要求を発行し、
    前記計測フレーム送受信部は、前記送信要求の発行後、前記第2端末に対し、所定の端末のアドレスを送信元アドレスとした第2フレームを送信し、
    前記経路重なり判定部は、前記計測フレーム送受信部が、前記第4端末から送出された前記所定の端末宛の第3フレームを受信した場合、前記第1経路と前記第2経路とが重なっていると判定する
    トポロジ特定装置。
  10. 請求の範囲9に記載のトポロジ特定装置において、
    前記経路重なり判定部は、前記第1端末、前記第3端末、前記第4端末を有する既知ネットワークトポロジを選択し、前記既知ネットワークトポロジとの接続位置が不明な前記第2端末を未知端末として抽出し、
    前記トポロジ特定部は、前記第1経路と前記第2経路の重なりの有無に応じて、前記既知ネットワークトポロジに対する前記未知端末の接続位置を特定する
    トポロジ特定装置。
  11. 請求の範囲10に記載のトポロジ特定装置において、
    前記既知ネットワークトポロジにおいて、前記第1端末、前記第3、前記第4端末は、
    それぞれ異なるネットワークを介して第1スイッチに接続され、
    前記トポロジ特定部は、前記第1経路と前記第2経路の重なりの有無に応じて、前記第1スイッチと前記未知端末との間に設けられたネットワークを特定する
    トポロジ特定装置。
  12. 請求の範囲11に記載のトポロジ特定装置において、
    前記トポロジ特定部は、前記第1経路と前記第2経路が重ならない場合、前記未知端末が、前記第1スイッチと前記第1端末との間に設けられたネットワークを介して前記第1スイッチに接続されていると判定する
    トポロジ特定装置。
  13. 請求の範囲11に記載のトポロジ特定装置において、
    前記トポロジ特定部は、前記第1経路と前記第2経路が重なる場合、前記未知端末が、前記第1スイッチと前記第1端末との間に設けられたネットワーク以外のネットワークを介して前記第1スイッチに接続されていると判定する
    トポロジ特定装置。
  14. 請求の範囲11に記載のトポロジ特定装置において、
    前記トポロジ特定部は、前記既知ネットワークトポロジにおいて前記第1スイッチに接続されるすべてのネットワークに、前記未知端末が接続されていないと判定した場合、前記未知端末が、新たなネットワークを介して前記第1スイッチに接続されていると判定する
    トポロジ特定装置。
  15. 請求の範囲9から14のいずれか1項に記載のトポロジ特定装置において、
    前記所定の端末のアドレスは、前記ネットワークで使用されていないアドレスである
    トポロジ特定装置。
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