JPWO2010053085A1 - 反芻動物のアシドーシス防除剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を含有することを特徴とするアシドーシス防除剤を提供する。

Description

本発明は、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を含有するアシドーシスの防除剤に関する。
反芻動物に対する易発酵性の穀物飼料の急激な大量給与は、第一胃内に乳酸を大量に生産し、急性の消化器障害を主体としたルーメンアシドーシスをひきおこす。野外においては粉砕トウモロコシやデンプンなどの盗食や、これらを過食した場合でも本症が認められる。自然採食ではなかなか飽食して発症するまでにはいたらない。濃厚飼料多給形態のわが国では、多くの牛がこの疾病の予備状態であるといっても過言ではない。
易発酵性の炭水化物飼料を過食すると、第一胃内のLactobacilli以外にStreptococcus bovisRuminococcusなどの乳酸産生菌が増殖して、胃内容中の乳酸が増加するためpHが6以下に低下する。反対に繊維分解菌や原虫類は死滅消失するようになる。産生された乳酸のうち、L−乳酸は肝臓で代謝されるが、D−乳酸は代謝されないか、代謝が遅いため、体内に吸収されて血液pHの低下によるアシドーシスの原因となる。
軽症例では一過性の食欲減退、ルーメン運動の低下、乳量や乳脂率の減少、灰白色の軟便を呈し、第一胃内容は水様となる。
急性の重症例では脱水による眼球の陥没や、歩様そうろう、起立不能となって乳熱様姿勢から横臥状態を示し、ついには昏睡状態となり死亡する。
ルーメンアシドーシスが慢性化するとルーメン粘膜にはただれや炎症がおこり、じゅう毛のはく離などが発生し、角化形成が阻害されてルーメンパラケラトーシスや第一胃炎さらには肝膿瘍が発生しやすくなる(非特許文献1)。
本症の治療として、軽症の場合はまず原因となった飼料の給与を中止し、さらに胃洗浄や第一胃切開などにより第一胃内容を排除するなど、煩雑かつ反芻動物に大きな負担がかかる。中症例や重症例には薬物療法が必要である。脱水状態と血液酸性を緩和および乳酸の代謝を促進させるために糖加リンゲル液5〜20リットルに7%重炭酸ナトリウム液500〜750ミリリットルと大量のチアミンを混合して静脈注射し、さらに第一胃内の酸性環境の緩和のため重炭酸ナトリウムなどを1〜2kg経口投与するなど、煩雑かつ反芻動物に大きな負担がかかる。
カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸には、コクシジウム症軽減作用(特許文献1)、抗菌作用(非特許文献2)が知られているが、反芻動物のアシドーシスの予防および治療効果に関しては全く知見が無い。また、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸のアシドーシスに対する効果は確かめられていない。
特開平8-231410号公報
家畜診療、539、306−314(2008) Muroi, H. et al. Bioorganic & Medicinal Chemistry 12,583-587 (2004)
本発明は、反芻動物のアシドーシスを防除することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸が、アシドーシスの防除に用いることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を含有することを特徴とするアシドーシス防除剤。
(2)カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を含有することを特徴とする、アシドーシス防除用飼料用組成物。
(3)カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を含有することを特徴とする、アシドーシス防除用飼料。
(4)(1)に記載のアシドーシス防除剤を含有することを特徴とする、アシドーシス防除用飼料用組成物。
(5)(4)に記載のアシドーシス防除用飼料用組成物を含有することを特徴とする、アシドーシス防除用飼料。
(6)アシドーシスを発症した反芻動物にカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を投与することを特徴とするアシドーシスの防除方法。
(7)カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を1〜1,000g/頭/日 投与することを特徴とする(6)に記載のアシドーシスの防除方法。
(8)アシドーシス防除剤の製造のためのカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の使用。
(9)アシドーシス防除用飼料用組成物の製造のためのカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の使用。
(10)アシドーシス防除用飼料の製造のためのカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の使用。
本発明のアシドーシス防除剤は、アシドーシスを発症している反芻動物に投与することによりアシドーシスを治療することができる。
本発明のアシドーシス防除剤は、アシドーシスを発症していない反芻動物に投与することによりアシドーシスを予防することもできる。
本発明のアシドーシス防除剤により、ルーメンパラケラトーシスや第一胃炎さらには肝膿瘍が発生し易くなる慢性アシドーシスを防除できるので、肉牛の成育が向上し、搾乳牛の乳量が増加する。
本発明の反芻動物のアシドーシス防除剤は、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を含有することを特徴とする。なお、本発明において、防除とは予防および治療を含むものである。
本発明に用いるカシューナッツ殻油は、カシューナッツ ツリー(Anacardium occidentale L.)の実の殻に含まれる油状の液体である。カシューナッツ殻油は、その成分として、アナカルド酸、カルダノール、カルドールを含むものである。特に、アナカルド酸がその活性発現のための主成分であることから、アナカルド酸の比率が高いほうが好ましい。
本発明において使用されるカシューナッツ殻油は、カシューナッツの殻を圧搾することにより抽出した植物油として得ることができる。また、本発明において使用されるカシューナッツ殻油は、加熱または抽出により、例えば、カシューナッツ殻を乾留又は溶剤抽出して得ることもできる。さらに、本発明において使用されるカシューナッツ殻油は、特開平8-231410号公報に記載されている方法によって得ることもできる。
本発明において使用されるカシューナッツ殻油は、加熱せずに、カシューナッツの殻を粉砕・破砕して得られたものであってもよい。また、殻そのものであっても良い。
本発明において使用されるカシューナッツ殻油は、市販品を用いることもできる。
本発明において使用されるアナカルド酸としては、天然物アナカルド酸、合成アナカルド酸、それらの誘導体が挙げられる。また、市販のアナカルド酸を用いてもよい。アナカルド酸は、特開平8−231410号公報に記載されるように、カシューナッツの殻を有機溶剤で抽出処理して得られたカシューナッツ油を、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いてn−ヘキサン、酢酸エチルおよび酢酸の混合溶媒の比率を変えて溶出することによって得ることができる(特開平3−240721号公報、特開平3−240716号公報など)。
本発明のアシドーシス防除剤におけるカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の含有量は、前記防除剤の全量基準で、1質量%〜100質量%が好ましく、より好ましくは5質量%〜95質量%、特に好ましくは10質量%〜90質量%である。1質量%以上であれば、濃厚飼料を多給する環境下で反芻動物を生育させても、ルーメン内のpHを中性域に保持することが期待できる。また、泡沫形成も抑制でき、疾病を効果的の防除することができる。5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上であれば、その傾向は顕著になり好ましい。一方、100質量%でもルーメン内のpHを中性域に保持できるが、反芻動物の嗜好性改善のためには、95質量%以下、特に好ましくは90質量%以下が好ましい。
本発明においては、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の原液を直接経口投与することもできる。
本発明のカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を直接投与する場合、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の投与量は、好ましくは、1〜1,000g/頭/日、より好ましくは10〜200g/頭/日、最も好ましくは35〜100g/頭/日である。1g/頭/日以上であれば、濃厚飼料を反芻動物に多給する環境下で生育させてもルーメン内のpHを中性域に保持することが期待できる。また、泡沫形成も抑制でき、疾病を効果的に防除することができる。10g以上、特に好ましくは35g以上であれば、その傾向は顕著になり好ましい。一方、1,000g以下でもルーメン内のpHを中性域に保持できるが、反芻動物の嗜好性を改善するためには200g以下、特に好ましくは100g以下が好ましい。
本発明のアシドーシス防除剤は、反芻動物のアシドーシスを防除するために用いることができる。
本発明において、アシドーシスとは、反芻動物の第一胃内の胃内容(ルーメン液)のpHが6.5以下、より厳密には6.0以下に低下することをいう。
本発明におけるアシドーシス防除剤は、易発酵性の穀物飼料や濃厚飼料の大量投与によって引き起こされるアシドーシスの防除に用いることができる。
本発明のアシドーシス防除剤は、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の他に、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、シリカゲル、軽質無水ケイ酸等の飼料または医薬品または食品に使用することができる賦形剤であればどのようなものを含んでいてもよい。
また、本発明のアシドーシス防除剤は、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の他に、反芻動物の成長促進に有効な成分、栄養補助成分、保存安定性を高める成分、被覆剤成分等の任意成分をさらに含むものであってもよい。このような任意成分としては、飼料の原料や飼料添加物、食品原料や食品添加物、医薬品原材料等が挙げられる。例えば、エンテロコッカス属細菌、バチルス属細菌、ビフィズス菌等の生菌剤;アミラーゼ、リパーゼ等の酵素;L−アスコルビン酸、塩化コリン、イノシトール、葉酸等のビタミン;塩化カリウム、クエン酸鉄、酸化マグネシウム、リン酸塩類等のミネラル、DL−アラニン、DL−メチオニン、L−リジン等のアミノ酸;フマル酸、酪酸、乳酸、酢酸等の有機酸及びそれらの塩;エトキシキン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、フェルラ酸、ビタミンC、ビタミンE等の抗酸化剤;プロピオン酸カルシウム等の防カビ剤;カルボキシルメチルセルロース(CMC)、カゼインナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等の粘結剤;レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の乳化剤;アスタキサンチン、カンタキサンチン等の色素;各種エステル、エーテル、ケトン類等の着香料、が挙げられる。
本発明のアシドーシス防除剤の剤形は特に制限されず、例えば、粉剤、液剤、固体、錠剤、カプセル剤、乳剤、ペレット剤、被覆剤など任意の形態が挙げられるが、粉剤、液剤、カプセル剤、ペレット剤、被覆剤が好ましい。
粉剤としては、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸に上記賦形剤を添加し、粉末化することもできる。
液剤としては、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸をそのまま用いてもよいし、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸をエタノールなどの溶媒に溶かしてもよいし、あるいは上記賦形剤または任意成分を添加して用いることもできる。
カプセル剤としては、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸をそのままカプセルに詰めてもよいし、あるいは上記賦形剤または任意成分を添加してもよい。
ペレット剤としては、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸に上記賦形剤を添加し、造粒し、ペレット化することもできる。
被覆剤としては、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸に上記賦形剤を添加・造粒し、コーティング剤等で被覆することもできる。
上述のように、本発明のアシドーシス防除剤は、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸および必要に応じて賦形剤または任意成分を混合し、製剤化することにより製造することができる。なお、剤の形態によっては、前記したカシューナッツ殻の粉砕・破砕物、或いは何らの処理もしないでカシューナッツ殻をそのまま他の任意成分と混合させて本発明のアシドーシス防除剤とすることができる。さらに、他の任意成分と混合させず、粉砕・破砕物そのものまたはカシューナッツ殻そのものをアシドーシス防除剤とすることができ、前記アシドーシス防除剤そのものを飼料用組成物、または飼料とすることもできる。また、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸をエタノールなどの溶媒に溶解させ、これを、飼料用組成物または飼料に混合吸収させることもできる。
このように、本発明のアシドーシス防除剤は、有効量のカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を含む。
本発明の飼料用組成物は、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を含有することを特徴とする。本発明の飼料用組成物におけるカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の含有量は、全量基準で0.0005質量%〜100質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜95質量%、特に好ましくは1〜90質量%である。0.0005質量%以上であれば、濃厚飼料を多給する環境下で反芻動物を生育させても、ルーメン内のpHを中性域に保持することが期待できる。また、泡沫形成も抑制でき、疾病を効果的に防除することができる。0.05質量%以上、特に好ましくは1質量%以上であれば、その傾向は顕著になり好ましい。一方、100質量%でもルーメン内のpHを中性域に保持できるが、反芻動物の嗜好性改善のためには、95%以下、特に好ましくは90%以下が好ましい。
本発明のアシドーシス防除剤を飼料用組成物として用いる場合は、動物用サプリメント(以下、サプリメントという。)に用いられる他のサプリメント成分と混合してサプリメントとすることができる。サプリメントの種類や、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸以外の成分は、特に制限されない。
本発明の飼料はカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を含有することを特徴とする。
なお、本発明の飼料におけるカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の含有量は、飼料の乾物質量当たり、全量基準で0.5〜500,000質量ppmが好ましく、より好ましくは5〜300,000質量ppm、特に好ましくは50〜100,000質量ppmである。0.5質量ppm以上であれば、濃厚飼料を多給する環境下で反芻動物を生育させても、ルーメン内のpHを中性域に保持することが期待できる。また、泡沫形成も抑制でき、疾病を効果的に防除することができる。5質量ppm以上、特に好ましくは50質量ppm以上であれば、その傾向は顕著になり好ましい。一方、500,000質量ppmでもルーメン内のpHを中性域に保持できるが、反芻動物の嗜好性改善のためには、300,000質量ppm以下、特に好ましくは100,000質量ppm以下が好ましい。
本発明の飼料は、カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸をそのまま、またはカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を含む飼料用組成物を飼料成分に添加し、混合して製造することができる。この際、粉末状、固形状の飼料用組成物を用いる場合は、混合を容易にするために飼料用組成物を液状又はゲル状の形態にしてもよい。この場合は、水、植物油、液体動物油、鉱物油、合成油、水溶性高分子化合物等の流動性液体を液体担体として用いることができる。また、飼料中におけるカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の均一性を保つために、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カゼインナトリウム、アラビアゴム、グアーガム、タマリンド種子多糖類などの水溶性多糖類を配合することも好ましい。
本発明の飼料を摂取させる動物の種類は、反芻動物である。例えば、本発明の飼料は、牛、ヤギ、羊などの反芻動物の飼育に好適である。摂取させる飼料の量は、動物の種類、体重、年齢、性別、健康状態、飼料の成分などにより適宜調節することができ、このとき飼料に含まれるカシューナッツナッツ殻油が好ましくは1〜1,000g/頭/日、より好ましくは10〜200g/頭/日、さらに好ましくは35〜100g/頭/日である。
飼料を摂取させる方法及び飼育する方法は、動物の種類に応じて、通常用いられる方法をとることができる。
製造例
カシュー・トレーディング(株)よりカシューナッツの殻500kgを入手し、圧搾することによりカシューナッツ殻油(CNSL)158kgを製造した。カシューナッツ殻油の組成は以下の方法で測定した。すなわち、HPLC(Waters600、日本ウォーターズ(株))、検出機(Waters490E、日本ウォーターズ(株))、プリンタ(クロマトパックC−R6A、島津製作所)、カラム(SUPELCOSIL LC18、SUPELCO社)を用いた。アセトニトリル:水:酢酸が80:20:1(容量比)の溶媒を用い、流速は2ml/分とした。280nmの吸光度で検出した。
CNSLには、アナカルド酸が61.8質量%、カルダノールが8.2質量%、カルドールが19.9質量%含まれていた。
CNSL 15kgを30Lのエタノールに溶解し、75kgの大麦(皮つき圧ペン麦、松景精麦(株)製品)に混合吸収させた。凍結乾燥する事によりエタノールを除去しCNSL入り皮つき圧ペン麦90kgを得た。
実施例
試験には67ヶ月齢、体重約600kg、雌のホルスタイン成牛を試験に供試した。試験は投与開始日を0日目とした。
飼料(飼料粗濃比3:9)の給与を0日目より開始し、濃厚飼料に馴致させた。給与飼料は一日当たり、粗飼料として稲わら3kg、濃厚飼料として肥育後期用配合飼料(全国酪農業協同組合連合会の製品)8kgと大麦1kgの設計とし、0日目から66日目まで給与した。19日目より31日目までの期間は、大麦を200g除き、代わりにCNSL入り大麦200gを添加した(CNSL、33g/頭/日)。32日目から51日目までの期間は、大麦を400g除き、代わりにCNSL入り大麦400gを添加した(CNSL、67g/頭/日)。52日目から65日目までの期間は、大麦を600g除き、代わりにCNSL入り大麦600gを添加した(CNSL、100g/頭/日)。
3日目、19日目、32日目、52日目、66日目にルーメン液を採取し、pHを測定した。
試験結果を表1に示した。
Figure 2010053085
濃厚飼料を与えることによりpHが低下したが、カシューナッツ殻油を33g/頭/日 投与することによりルーメン液のpHが改善し、67g/頭/日 投与することによりルーメン液のpHがほぼ改善し、100g/頭/日 投与することにより症状が全快した。カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸にはアシドーシス防除効果が有ると考えられる。
アシドーシスを発症している反芻動物にカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を投与することにより、アシドーシスを防除することができる。また、急性の重症例では昏睡状態となり死亡する場合もあるが、本発明のアシドーシス防除剤は、急性の重症例のアシドーシスの防除も可能である。
慢性アシドーシスではルーメンパラケラトーシスや第一胃炎さらには肝膿瘍が発生し易くなり、産乳成績・繁殖成績の不良や生育不良のため良質な肉が得られず高く売ることが出来ないが、本発明のアシドーシス防除剤により、慢性アシドーシスを防除できるので、生産性の向上が可能である。

Claims (10)

  1. カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を含有することを特徴とするアシドーシス防除剤。
  2. カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を含有することを特徴とする、アシドーシス防除用飼料用組成物。
  3. カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を含有することを特徴とする、アシドーシス防除用飼料。
  4. 請求項1に記載のアシドーシス防除剤を含有することを特徴とする、アシドーシス防除用飼料用組成物。
  5. 請求項4に記載のアシドーシス防除用飼料用組成物を含有することを特徴とする、アシドーシス防除用飼料。
  6. アシドーシスを発症した反芻動物にカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を投与することを特徴とするアシドーシスの防除方法。
  7. カシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸を1〜1,000g/頭/日 投与することを特徴とする請求項6に記載のアシドーシスの防除方法。
  8. アシドーシス防除剤の製造のためのカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の使用。
  9. アシドーシス防除用飼料用組成物の製造のためのカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の使用。
  10. アシドーシス防除用飼料の製造のためのカシューナッツ殻油および/またはアナカルド酸の使用。
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