JPWO2010050239A1 - プラスチックレンズの製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
プラスチックレンズを製造する方法として、重合性プラスチックレンズ原料液を成形型へ注入し、成形型内で重合させる注型重合法が知られている。例えば文献1(特開2006−205710号公報)および英語ファミリーメンバーUS2008/0018005A1、US2008/0029914A1、文献2(特開2006−231600号公報)および文献3(国際公開WO 2008/108280号パンフレット)には、高粘度で初期重合速度の速いプラスチックレンズ原料液から注型重合法によってプラスチックレンズを製造するための各種手段が開示されている。上記出願の全記載は、ここに特に開示として援用される。
上記文献1〜3には、原料液の注入開始から注入終了までの間、成形型を水平面に対してほぼ垂直に固定した状態とし、原料液の混合と吐出を同時進行で行う混合吐出装置の吐出口先端に取り付けられた可撓性の注入管(チューブ)の先端(注入ノズル)を、成形型の注入口先端部に徐々に近づけて注入を行う方法が開示されている。光学欠損を高度に低減する必要があるプラスチック眼鏡レンズを製造するためには、上記のように成形型を固定した状態で注入を行うことは有利である。また、混合吐出装置から吐出された原料液を固定された成形型に導くためには、前記可撓性チューブは、注入ノズルの動作の自由度や製造設備等点から有利である。
しかし、高粘度で初期重合速度の速い原料液の場合、混合された原料液が可撓性チューブ内を移動している間も重合が進むため、可撓性チューブの先端側に近づくほど粘度が高くなり、可撓性チューブ先端側の内壁や注入ノズルに原料液が付着しやすく、可撓性チューブと注入ノズルの交換を定期的に行う必要が生じ作業効率を低下させる場合があった。
そこで、作業効率を向上するためには、可撓性チューブを使用せず(チューブレス化)、成形型側を動かすことが考えられる。しかし、特に、高粘度で初期重合速度の速い原料液からプラスチックレンズを製造する場合には、成形型のキャビティに原料液が注入されている途中で成形型を動かすことは、キャビティ内で液面が動くことにより脈理や巻き込み泡の発生原因となる。
そこで本発明の目的は、成形型を可動状態として原料液の注入を行うことにより、特に、高粘度で初期重合速度の速いプラスチックレンズ原料液から、高品質なプラスチックレンズを製造するための手段を提供することにある。
上記文献1〜3に記載されている成形型は、キャビティと、該キャビティ内に原料液を導入するための注入孔とを有する。混合吐出装置の吐出口から吐出された原料液は、注入孔を通ってキャビティ内に導入される。ここで、原料液がキャビティ内を移動する間に成形型を動かすと、成形型の移動に伴いキャビティ内における原料液の流動が大きくなり、特に、高粘度で初期重合速度の速い原料液の場合、その流動の痕跡が重合体に脈理や気泡として現れる。キャビティ内で重合し硬化した部分はレンズとして使用される部分となるため、上記のような脈理や気泡は、レンズにおいて光学欠損となる。他方、注入された原料液がキャビティまで到達しない間、即ち、注入孔を移動している間であれば、成形型を移動させたとしても、キャビティ内の脈理および泡の発生原因となりにくい。
本発明者らは、上記知見に基づき、原料液が注入孔を移動している間に、成形型の姿勢変更を完了することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌を行う撹拌手段を有する混合室と、該混合室と連通した吐出孔と、を有する混合吐出部の該吐出孔の先端開口からプラスチックレンズ原料液を吐出すること、
キャビティと、該キャビティ内にプラスチックレンズ原料液を導入するための注入孔と、を有する成形型に、該注入孔の先端開口から上記吐出されたプラスチックレンズ原料液を注入すること、および、
注入されたプラスチックレンズ原料液を該成形型内で重合し重合体を得ること、
を含むプラスチックレンズの製造方法であって、
注入孔の先端開口が吐出孔の先端開口と離間した状態で成形型を保持しながら前記吐出孔からプラスチックレンズ原料液を吐出し、次いで、該状態から成形型を姿勢変更することにより、注入孔先端開口と吐出孔先端開口とを近づけて上記注入を開始すること、および、
注入されたプラスチックレンズ原料液がキャビティ内に到達する前に注入孔の先端開口と吐出孔の先端開口とを連結して成形型を固定し、キャビティがプラスチックレンズ原料液により満たされるまで該固定状態を維持すること、
を特徴とするプラスチックレンズの製造方法
に関する。
成分(A):分子中に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネートと300〜2500の平均分子量を有するジオールとの反応生成物であるイソシアネート末端プレポリマー成分(B):一般式(I)で表される1種または2種以上の芳香族ジアミン(一般式(I)中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、チオメチル基の何れかである)
上記プラスチックレンズの製造方法において使用されるプラスチックレンズ製造装置であって、
複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌および吐出を行う混合吐出手段と、
成形型を可動状態で保持する成形型保持手段と、
上記成形型保持手段に保持された成形型を姿勢変更させる姿勢変更手段と、
上記混合吐出手段の攪拌および吐出、並びに、上記姿勢変更手段による姿勢変更の少なくとも1つを制御する制御部と、
を有するプラスチックレンズ製造装置
に関する。
[プラスチックレンズの製造方法]
本発明のプラスチックレンズの製造方法は、複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌を行う撹拌手段を有する混合室と、該混合室と連通した吐出孔と、を有する混合吐出部の該吐出孔の先端開口からプラスチックレンズ原料液を吐出すること、キャビティと、該キャビティ内にプラスチックレンズ原料液を導入するための注入孔と、を有する成形型に、該注入孔の先端開口から上記吐出されたプラスチックレンズ原料液を注入すること、および、注入されたプラスチックレンズ原料液を該成形型内で重合し重合体を得ること、を含むプラスチックレンズの製造方法である。本発明のプラスチックレンズの製造方法では、注入孔の先端開口が吐出孔の先端開口と離間した状態で成形型を保持しながら前記吐出孔からプラスチックレンズ原料液を吐出し、次いで、該状態から成形型を姿勢変更することにより、注入孔先端開口と吐出孔先端開口とを近づけて上記注入を開始すること、および、注入されたプラスチックレンズ原料液がキャビティ内に到達する前に注入孔の先端開口と吐出孔の先端開口とを連結して成形型を固定し、キャビティがプラスチックレンズ原料液により満たされるまで該固定状態を維持する。成形型内に充填された原料液の重合後、注入孔内の重合体をキャビティ内の重合体から分離するとともに成形型を除去することにより、レンズ形状の成形体を得ることができる。
上記のように、成形型に導入された原料液が、注入孔からキャビティ内に導入される前に成形型を固定し、かつキャビティ内を原料液が移動する間、固定状態を維持することにより、原料液注入のために成形型を動かしたうえでキャビティ内での原料液の流動を低減し、高品質なプラスチックレンズを得ることが可能となる。
以下、本発明について、図面を参照し更に詳細に説明する。
本発明の製造方法において使用可能な成形型の一例を、図1に示す。但し、本発明において使用される成形型は、キャビティと、キャビティに原料液を導入するための注入孔とを有するものであればよく、図1に示す態様に限定されるものではない。なお、図1に示す成形型1は、原料液注入時にキャビティ10下方に注入孔41が位置するように配置して使用することが好ましい。キャビティ10下方から原料液を注入すると、原料液は既に注ぎ込まれた原料液の液面の下側から注入されるため、注入中に成形型1内の空気を巻き込みにくく、気泡が発生しにくいという利点があり、特に、高粘度で初期重合開始速度が速く、発生した泡を除去しにくい原料液を使用する場合に効果的である。
注入口先端部は、図4に示す吐出口先端163との密着性を高める点から、先端開口42の周囲に平坦面(注入口先端面部)44が形成されていることが好ましい。図4に示すように、吐出口16および注入口40の先端の形状は、吐出孔161および注入孔41の軸方向に垂直な面から傾斜した平面からなっていることが好ましい。傾斜角度は、各孔の軸方向に対してほぼ同じ角度(例えば、図4では、いずれも約45度)であることが好ましい。また、注入孔41は、例えば、断面形状が円形で、注入口先端面部44が注入孔41の軸に対して傾斜しているため、注入口開口42は楕円形に形成されている。
注入孔41の内径は吐出口16の吐出孔161の内径と同じか、またはわずかに小さく形成し傾斜角度も同じにすることができ、その場合には注入孔41の開口42は、吐出口16の開口162と同じか、またはわずかに小さい相似した楕円形状であることができる。なお、図1に示す成形型1では、注入口先端面部44は、外形状が略正方形の平面を有しており、そのほぼ中央に注入孔先端側の開口42が位置している。ただし、注入口先端面部44の形状はこれに限定されず、例えば、円形や楕円形、四角形や三角形などの多角形であることもできる。また、注入管部43は、折り曲げることにより、注入孔41内で重合した樹脂を分断破壊しやすいようにすることもできる。
排出口50は、キャビティ10と外部とを連結する排出孔(貫通孔)51と、前記排出孔51を介して前記キャビティ10と連通する凹部を有する液溜め部53と、前記液留め部53と筒状体31外壁面を連結するくびれ部54とからなり、液溜め部53の上端部に、排出口開口52が設けられている。排出孔51は、前述の注入孔41と直径方向に対向する位置に設けられている。排出孔51を設ける位置を、注入孔41と直径方向上に相対する位置にすることで、注入口40を下側にして原料液を注入した時に、最後まで排気が妨げられることなく注入を行うことができる。また、前記くびれ部54は、前記液溜め部53より細くなっているので、この部分を折り曲げることにより、排出孔51内で重合した樹脂を分断破壊しやすいようにすることもできる。
混合吐出部は、複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌を行う撹拌手段を有する混合室および該混合室と連通した吐出孔を備えた吐出口を有する。攪拌手段としては、高速で回転する回転軸、スタティックミキサー等を挙げることができる。特に、後述する成分(A)と成分(B)のように高粘度であり初期重合開始速度が速い重合性成分の混合には、反応射出成形機(以下、RIM(Reaction Injection Molding)成形機)を使用することが好ましい。
次に、図1に示す成形型1へ原料液を注入する際の成形型1の動作を、図4に基づき説明する。
その後、注入されたプラスチックレンズ原料液がキャビティ10内に到達する前に、注入孔先端開口42と吐出孔先端開口162とを連結した状態で成形型1を固定する。即ち、本発明では上記姿勢変更をキャビティ10内に原料液が導入される前に完了する。このとき、図4に示す態様では、注入孔41と吐出孔161は90°の角度で連結する。なお、本発明において、「連結」とは、吐出孔から吐出された原料液が流下することなく注入孔に導入される程度に、注入孔の先端開口と吐出孔の先端開口が接触している状態をいうものとする。
以降、キャビティ10が原料液により満たされるまで該固定状態を維持することにより、キャビティ10内での原料液の流動による脈理や気泡発生を抑制することができ、これにより高品質なプラスチックレンズを得ることができる。
はじめに、上述したとおり、成形型1を傾斜させた状態で、かつ、注入孔41の先端開口42を吐出孔161の先端開口162から離間した状態で、成形型1を保持する。このとき、混合吐出部15は攪拌子171の回転を継続しつつ吐出を停止している(図4(a))。
次に、成形型1を傾斜を維持したまま下方に移動させて、注入口先端面部44と、吐出口先端163とを接触させる。このとき注入口先端面部44は水平になっている(図4(b))。
その後、成形型1は垂直になり、注入口先端面部44と吐出口先端163が全周密着し、隙間から流下する原料液はなくなる(図4(e))。そして、原料液はキャビティ10に注入される。このように、注入開始後、図4(c)〜(e)に示すように、注入開始のための姿勢変更に引き続き成形型1を姿勢変更させることにより、注入孔41の先端開口42と吐出孔161の先端開口162を連結させることができる。原料液の成形型1への注入を円滑に行う観点から、注入孔41の先端開口42と吐出孔161の先端開口162が連結した状態で、注入孔41の軸方向と吐出孔161の軸方向が交わることが好ましく、図4(e)に示すように、注入孔41の軸方向と吐出孔161の軸方向が略垂直に交わることが更に好ましい。
キャビティ10に原料液が充填されると、キャビティ10からあふれた原料液は、排出孔を通って液溜め部にたまる。この液溜め部から溢れる前に混合吐出部15からの原料液の吐出は停止される。このとき、混合吐出部15の攪拌子171の回転は継続する(図4(f))。
次いで、成形型1は、注入口封止手段91により、注入孔41が封止されるとともに、垂直の姿勢のまま上昇され、注入口先端部は、吐出口16から離脱する(図4(g))。
なお、注入孔先端開口42と吐出孔先端開口162とを徐々に近づけて、吐出された原料液の一部を流入させる過程を経て連結する方法として、図4には、固定された吐出口に対して注入口を回動させて下側の隙間を徐々に減少させる態様を示したが、本発明は上記態様に限定されるものではない。例えば、成形型を垂直下方向、水平方向、斜め下方向に移動させ注入口と吐出口とを接近させることにより、注入孔先端開口42と吐出孔先端開口162とを、図4(e)に示す状態のように連結することもできる。
原料液を注入する成形型1を注入工程位置に搬入するとともに、注入完了後の成形型1を次工程に搬出する搬送手段と、成形型1を姿勢変形可能に保持する保持手段と、成形型1の注入口を封止する封止手段とを有する。前記保持手段は、保持手段に保持された成形型1を姿勢変更させる姿勢変更手段を含む。前記姿勢変更手段は、成形型1の上下位置を変更する手段と、成形型1の傾きを変更する手段と、を有する。前記封止手段は、成形型保持具100 に設けられた成形型注入管部封止手段と、この成形型注入孔封止手段を動作させる駆動手段と、を有する。
混合吐出装置15は、吐出孔161の軸方向が水平でかつ回転テーブルの直径方向中心側に向くように、注入位置に固定されている。
成形型1が固定された成形型保持具100は、トラック式コンベアにより、充填部に搬送される。そしてトラック式コンベアから取り外され、成形型保持装置6に供給位置で取り付けられる。この成形型保持具100の成形型保持装置6への取り付けは、成形型保持具100の案内ローラ101を成形型保持装置6のカーブレール824にあわせるとともに、成形型保持具100のカムフォロア102を成形型保持装置6のカム板823の案内溝827に通すことにより行う。その後、回転テーブル71を回転させて、成形型1を傾き位置に移動させ、前記ロッドレスシリンダ822にエアを供給して、ピストン部を外側に移動させる。これにより、成形型保持具100は傾いた状態で保持される。
なお、低温重合中に、排出口50と注入口40を折り曲げて、排出孔51と注入孔41の部分で重合した樹脂を一度分断しておくと、後述する成形体の取り出し工程が容易になる。
また、この図11に示した例では回転テーブル71が一回転する間に7工程(供給、傾き、CO2、注入、泡抜き、垂直、排出)と、一つの空き工程を有するので、前記保持手段は、回転テーブル71上に等角度で8つ設けて、各工程を同時並行で実施できるようにしている。
上記説明したプラスチックレンズ原料液の注入から成形体を得るまでの工程は、複数の成形型1に対して順次行うことができ、これにより複数のプラスチックレンズを連続的に製造することができる。この場合、ある成形型1への原料液の注入が完了した後、新たな成形型1が注入位置に搬入され注入準備が整うまでの間、混合吐出部15の吐出孔161からの原料液の吐出を停止することが好ましい。このように原料液の吐出を一旦停止することは、原料液の廃棄量を低減する上で好ましい。ただし、吐出停止中も混合室中にある原料液の重合反応は進行するため、攪拌を停止すると不均一な状態で重合反応が進行することになる。したがって、重合反応の均一化の点から、吐出停止中も混合室における攪拌は継続することが好ましい。この場合、吐出停止中に吐出孔161内に保持されていた原料液は攪拌されないため、吐出再開後に排出し、新たな成形型1へは導入しないことが好ましい。
前記本重合反応が終了した後、高温炉から成形型1を取り出し、次いで成形型1を除去して成形体を取り出すことによりプラスチックレンズを得ることができる。このとき注入口40および排出口50を手動または自動で折り曲げ、注入孔41および排出孔51内部の重合体をキャビティ10内の重合体から分離することにより、レンズ形状の成形体を得ることができる。
次に、プラスチックレンズ原料液について説明する。
本発明の製造方法は、高粘度であり初期重合速度が速い原料液からプラスチック製のプラスチックレンズを製造する際に好適に使用されるものである。例えば、混合後直ちに重合を開始し、10分以内に硬化するような原料液から、プラスチックレンズを製造するために好適に用いることができる。本発明によれば、光学特性に優れたレンズが得られるため、高い光学特性が求められるプラスチック眼鏡レンズ製造のために好適である。なお、本発明において重合性成分とは、重合性基を有する成分をいい、例えばモノマーまたはプレポリマーであることができる。
成分(A):分子中に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネートと300〜2500の平均分子量を有するジオールとの反応生成物であるイソシアネート末端プレポリマー成分(B):一般式(I)で表される1種または2種以上の芳香族ジアミン(一般式(I)中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、チオメチル基の何れかである)
成分(A)は、分子中に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネートと300〜2500の平均分子量を有するジオールとの反応生成物であるイソシアネート末端プレポリマーである。上記イソシアネート末端プレポリマーの一方の原料であるジイソシアネートが、分子中に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネートであることで、プレポリマー製造時、または重合時の反応コントロールが容易になり、かつ最終的に得られる成形体に適度な弾性を付与することができる。さらに、得られる成形体に高耐熱性と良好な機械特性を与えることもできる。
成分(B)は、前記一般式(I)で表される1種または2種以上の芳香族ジアミンである。一般式(I)中のR1、R2およびR3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、チオメチル基の何れかである。R1、R2およびR3が上記置換基であることで、結晶性を抑制しかつ他成分との相溶性を高めることができる。また、これらの置換基がないか、あるいは数が少ないと結晶性が高く取り扱いにくくなり、他の置換基の場合には、他の成分との相溶性が悪くなり得られる材料の透明性が低下する恐れがある。
本発明のプラスチックレンズ製造装置は、本発明のプラスチックレンズの製造方法において使用されるものであり、複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌および吐出を行う混合吐出手段と、成形型を可動状態で保持する成形型保持手段と、上記成形型保持手段に保持された成形型を姿勢変更させる姿勢変更手段と、上記混合吐出手段の攪拌および吐出、並びに、上記姿勢変更手段による姿勢変更の少なくとも1つを制御する制御部と、を有する。
Claims (11)
- 複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌を行う撹拌手段を有する混合室と、該混合室と連通した吐出孔と、を有する混合吐出部の該吐出孔の先端開口からプラスチックレンズ原料液を吐出すること、
キャビティと、該キャビティ内にプラスチックレンズ原料液を導入するための注入孔と、を有する成形型に、該注入孔の先端開口から上記吐出されたプラスチックレンズ原料液を注入すること、および、
注入されたプラスチックレンズ原料液を該成形型内で重合し重合体を得ること、
を含むプラスチックレンズの製造方法であって、
注入孔の先端開口が吐出孔の先端開口と離間した状態で成形型を保持しながら前記吐出孔からプラスチックレンズ原料液を吐出し、次いで、該状態から成形型を姿勢変更することにより、注入孔先端開口と吐出孔先端開口とを近づけて上記注入を開始すること、および、
注入されたプラスチックレンズ原料液がキャビティ内に到達する前に注入孔の先端開口と吐出孔の先端開口とを連結して成形型を固定し、キャビティがプラスチックレンズ原料液により満たされるまで該固定状態を維持すること、
を特徴とするプラスチックレンズの製造方法。 - 注入孔の先端開口が吐出孔の先端開口と離間した状態で保持された成形型は、水平面に対して傾斜した状態にあり、かつ、前記固定状態において、成形型は水平面に対して略垂直な状態にある、請求項1に記載の製造方法。
- 前記成形型は、注入孔先端開口の周囲に平坦面を有し、前記固定状態において、該平坦面が吐出孔先端開口と密着した状態にある請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記吐出孔は、プラスチックレンズ原料液吐出中、軸方向が水平方向に位置した状態で固定されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記成形型の姿勢変更を、水平面に対して傾斜した状態の成形型を、鉛直下方に移動させ、次いで水平面に対する成形型の傾きを変更することにより行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記プラスチックレンズ原料液の注入から成形体を得るまでの工程を、複数の成形型に対して順次行い複数のプラスチックレンズを得る請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記キャビティがプラスチックレンズ原料液により満たされた後、混合室におけるプラスチックレンズ原料液の撹拌を継続しながら前記吐出を停止し、新たな成形型へのプラスチックレンズ原料液の注入の際に停止した吐出を再開する請求項6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 吐出再開後、吐出停止中に吐出孔内に保持されていたプラスチックレンズ原料液を排出した後に新たな成形型への注入を行う請求項7に記載の製造方法。
- 前記プラスチックレンズ原料液は、下記成分(A)と成分(B)との混合液である請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
成分(A):分子中に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネートと300〜2500の平均分子量を有するジオールとの反応生成物であるイソシアネート末端プレポリマー
成分(B):一般式(I)で表される1種または2種以上の芳香族ジアミン(一般式(I)中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、チオメチル基の何れかである)
[化1]
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のプラスチックレンズの製造方法において使用されるプラスチックレンズ製造装置であって、
複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌および吐出を行う混合吐出手段と、
成形型を可動状態で保持する成形型保持手段と、
上記成形型保持手段に保持された成形型を姿勢変更させる姿勢変更手段と、
上記混合吐出手段の攪拌および吐出、並びに、上記姿勢変更手段による姿勢変更の少なくとも1つを制御する制御部と、
を有するプラスチックレンズ製造装置。 - 前記姿勢変更手段は、水平面に対して鉛直方向の成形型の位置を変更する上下位置変更手段と、水平面に対する成形型の傾きを変更する傾き変更手段と、を含む請求項10に記載のプラスチックレンズ製造装置。
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