JPWO2010050239A1 - プラスチックレンズの製造方法および製造装置 - Google Patents

プラスチックレンズの製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、プラスチックレンズ原料液の撹拌を行う撹拌手段を有する混合室と該混合室と連通した吐出孔とを有する混合吐出部の該吐出孔の先端開口からプラスチックレンズ原料液を吐出すること、キャビティと該キャビティ内にプラスチックレンズ原料液を導入するための注入孔とを有する成形型に、該注入孔の先端開口から上記吐出されたプラスチックレンズ原料液を注入すること、および、注入されたプラスチックレンズ原料液を該成形型内で重合し重合体を得ること、を含むプラスチックレンズの製造方法に関する。注入孔に注入されたプラスチックレンズ原料液がキャビティ内に到達する前に注入孔の先端開口と吐出孔の先端開口とを連結して成形型を固定し、キャビティがプラスチックレンズ原料液により満たされるまで該固定状態を維持する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2008年10月31日出願の日本特願2008−282588号の優先権を主張し、その全記載は、ここに特に開示として援用される。
本発明は、高粘度で初期重合速度の速いプラスチックレンズ原料液から光学欠損の少ない高品質なプラスチックレンズを製造することができるプラスチックレンズの製造方法および製造装置に関する。
背景技術
プラスチックレンズを製造する方法として、重合性プラスチックレンズ原料液を成形型へ注入し、成形型内で重合させる注型重合法が知られている。例えば文献1(特開2006−205710号公報)および英語ファミリーメンバーUS2008/0018005A1、US2008/0029914A1、文献2(特開2006−231600号公報)および文献3(国際公開WO 2008/108280号パンフレット)には、高粘度で初期重合速度の速いプラスチックレンズ原料液から注型重合法によってプラスチックレンズを製造するための各種手段が開示されている。上記出願の全記載は、ここに特に開示として援用される。
発明の概要
上記文献1〜3には、原料液の注入開始から注入終了までの間、成形型を水平面に対してほぼ垂直に固定した状態とし、原料液の混合と吐出を同時進行で行う混合吐出装置の吐出口先端に取り付けられた可撓性の注入管(チューブ)の先端(注入ノズル)を、成形型の注入口先端部に徐々に近づけて注入を行う方法が開示されている。光学欠損を高度に低減する必要があるプラスチック眼鏡レンズを製造するためには、上記のように成形型を固定した状態で注入を行うことは有利である。また、混合吐出装置から吐出された原料液を固定された成形型に導くためには、前記可撓性チューブは、注入ノズルの動作の自由度や製造設備等点から有利である。
しかし、高粘度で初期重合速度の速い原料液の場合、混合された原料液が可撓性チューブ内を移動している間も重合が進むため、可撓性チューブの先端側に近づくほど粘度が高くなり、可撓性チューブ先端側の内壁や注入ノズルに原料液が付着しやすく、可撓性チューブと注入ノズルの交換を定期的に行う必要が生じ作業効率を低下させる場合があった。
そこで、作業効率を向上するためには、可撓性チューブを使用せず(チューブレス化)、成形型側を動かすことが考えられる。しかし、特に、高粘度で初期重合速度の速い原料液からプラスチックレンズを製造する場合には、成形型のキャビティに原料液が注入されている途中で成形型を動かすことは、キャビティ内で液面が動くことにより脈理や巻き込み泡の発生原因となる。
上記の通り、作業効率向上のために、成形型を可動状態とした上で、高品質なプラスチックレンズを得るための手段が求められている。
そこで本発明の目的は、成形型を可動状態として原料液の注入を行うことにより、特に、高粘度で初期重合速度の速いプラスチックレンズ原料液から、高品質なプラスチックレンズを製造するための手段を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
上記文献1〜3に記載されている成形型は、キャビティと、該キャビティ内に原料液を導入するための注入孔とを有する。混合吐出装置の吐出口から吐出された原料液は、注入孔を通ってキャビティ内に導入される。ここで、原料液がキャビティ内を移動する間に成形型を動かすと、成形型の移動に伴いキャビティ内における原料液の流動が大きくなり、特に、高粘度で初期重合速度の速い原料液の場合、その流動の痕跡が重合体に脈理や気泡として現れる。キャビティ内で重合し硬化した部分はレンズとして使用される部分となるため、上記のような脈理や気泡は、レンズにおいて光学欠損となる。他方、注入された原料液がキャビティまで到達しない間、即ち、注入孔を移動している間であれば、成形型を移動させたとしても、キャビティ内の脈理および泡の発生原因となりにくい。
本発明者らは、上記知見に基づき、原料液が注入孔を移動している間に、成形型の姿勢変更を完了することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様は、
複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌を行う撹拌手段を有する混合室と、該混合室と連通した吐出孔と、を有する混合吐出部の該吐出孔の先端開口からプラスチックレンズ原料液を吐出すること、
キャビティと、該キャビティ内にプラスチックレンズ原料液を導入するための注入孔と、を有する成形型に、該注入孔の先端開口から上記吐出されたプラスチックレンズ原料液を注入すること、および、
注入されたプラスチックレンズ原料液を該成形型内で重合し重合体を得ること、
を含むプラスチックレンズの製造方法であって、
注入孔の先端開口が吐出孔の先端開口と離間した状態で成形型を保持しながら前記吐出孔からプラスチックレンズ原料液を吐出し、次いで、該状態から成形型を姿勢変更することにより、注入孔先端開口と吐出孔先端開口とを近づけて上記注入を開始すること、および、
注入されたプラスチックレンズ原料液がキャビティ内に到達する前に注入孔の先端開口と吐出孔の先端開口とを連結して成形型を固定し、キャビティがプラスチックレンズ原料液により満たされるまで該固定状態を維持すること、
を特徴とするプラスチックレンズの製造方法
に関する。
注入孔の先端開口が吐出孔の先端開口と離間した状態で保持された成形型は、水平面に対して傾斜した状態にあることができ、かつ、前記固定状態において、成形型は水平面に対して略垂直な状態にあることができる。
前記成形型は、注入孔先端開口の周囲に平坦面を有することができ、前記固定状態において、該平坦面が吐出孔先端開口と密着した状態にあることができる。
前記吐出孔は、プラスチックレンズ原料液吐出中、軸方向が水平方向に位置した状態で固定されていることができる。
前記成形型の姿勢変更は、水平面に対して傾斜した状態の成形型を、鉛直下方に移動させ、次いで水平面に対する成形型の傾きを変更することにより行うことができる。
前記プラスチックレンズ原料液の注入から成形体を得るまでの工程を、複数の成形型に対して順次行い複数のプラスチックレンズを得ることができる。
前記キャビティがプラスチックレンズ原料液により満たされた後、混合室におけるプラスチックレンズ原料液の撹拌を継続しながら前記吐出を停止し、新たな成形型へのプラスチックレンズ原料液の注入の際に停止した吐出を再開することができる。
吐出再開後、吐出停止中に吐出孔内に保持されていたプラスチックレンズ原料液を排出した後に新たな成形型への注入を行うことができる。
前記プラスチックレンズ原料液は、下記成分(A)と成分(B)との混合液であることができる。
成分(A):分子中に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネートと300〜2500の平均分子量を有するジオールとの反応生成物であるイソシアネート末端プレポリマー成分(B):一般式(I)で表される1種または2種以上の芳香族ジアミン(一般式(I)中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、チオメチル基の何れかである)
本発明の別の態様は、
上記プラスチックレンズの製造方法において使用されるプラスチックレンズ製造装置であって、
複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌および吐出を行う混合吐出手段と、
成形型を可動状態で保持する成形型保持手段と、
上記成形型保持手段に保持された成形型を姿勢変更させる姿勢変更手段と、
上記混合吐出手段の攪拌および吐出、並びに、上記姿勢変更手段による姿勢変更の少なくとも1つを制御する制御部と、
を有するプラスチックレンズ製造装置
に関する。
前記姿勢変更手段は、水平面に対して鉛直方向の成形型の位置を変更する上下位置変更手段と、水平面に対する成形型の傾きを変更する傾き変更手段と、を含むことができる。
本発明によれば、高粘度で初期重合開始速度の速い原料液から、高品質なプラスチック眼鏡レンズを製造することができる。本発明によれば、チューブレス化が可能となり作業性を大きく向上することができる。
発明を実施するための形態
[プラスチックレンズの製造方法]
本発明のプラスチックレンズの製造方法は、複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌を行う撹拌手段を有する混合室と、該混合室と連通した吐出孔と、を有する混合吐出部の該吐出孔の先端開口からプラスチックレンズ原料液を吐出すること、キャビティと、該キャビティ内にプラスチックレンズ原料液を導入するための注入孔と、を有する成形型に、該注入孔の先端開口から上記吐出されたプラスチックレンズ原料液を注入すること、および、注入されたプラスチックレンズ原料液を該成形型内で重合し重合体を得ること、を含むプラスチックレンズの製造方法である。本発明のプラスチックレンズの製造方法では、注入孔の先端開口が吐出孔の先端開口と離間した状態で成形型を保持しながら前記吐出孔からプラスチックレンズ原料液を吐出し、次いで、該状態から成形型を姿勢変更することにより、注入孔先端開口と吐出孔先端開口とを近づけて上記注入を開始すること、および、注入されたプラスチックレンズ原料液がキャビティ内に到達する前に注入孔の先端開口と吐出孔の先端開口とを連結して成形型を固定し、キャビティがプラスチックレンズ原料液により満たされるまで該固定状態を維持する。成形型内に充填された原料液の重合後、注入孔内の重合体をキャビティ内の重合体から分離するとともに成形型を除去することにより、レンズ形状の成形体を得ることができる。
上記のように、成形型に導入された原料液が、注入孔からキャビティ内に導入される前に成形型を固定し、かつキャビティ内を原料液が移動する間、固定状態を維持することにより、原料液注入のために成形型を動かしたうえでキャビティ内での原料液の流動を低減し、高品質なプラスチックレンズを得ることが可能となる。
以下、本発明について、図面を参照し更に詳細に説明する。
成形型
本発明の製造方法において使用可能な成形型の一例を、図1に示す。但し、本発明において使用される成形型は、キャビティと、キャビティに原料液を導入するための注入孔とを有するものであればよく、図1に示す態様に限定されるものではない。なお、図1に示す成形型1は、原料液注入時にキャビティ10下方に注入孔41が位置するように配置して使用することが好ましい。キャビティ10下方から原料液を注入すると、原料液は既に注ぎ込まれた原料液の液面の下側から注入されるため、注入中に成形型1内の空気を巻き込みにくく、気泡が発生しにくいという利点があり、特に、高粘度で初期重合開始速度が速く、発生した泡を除去しにくい原料液を使用する場合に効果的である。
図1に示す成形型1は、内部に成形したいレンズ形状に対応する空間であるキャビティ10を有し、原料液をキャビティ10内に注入するための注入口40と、前記キャビティ10内の気体または前記混合液を成形型1外部に排出するための排出口50とを、直径方向に対向する位置に有する。図1に示す成形型1は、一対のレンズ母型(レンズの一方の面を形成するためのモールドと他方の面を形成するためのモールド)2が所定の間隔で対向して配置され、かつ前記一対のモールド2の周囲に環状のガスケット3が配置されて、前記モールド2およびガスケット3によってキャビティ10が形成されている。図1中、第1モールド2Aおよび第2モールド2Bは、プラスチックレンズの光学機能面を形成するための成形面を持つ。第1モールド2Aは、例えば、プラスチックレンズの後面(凹面)を形成すべく凸面側に成形面を有する凸面型(下型)であることができ、第2モールド2Bは、プラスチックレンズの前面(凸面)を形成すべく凹面側に成形面を有する凹面型(上型)であることができるが、これらに限定されない。ガスケット3の筒状体31は円筒形状をしており、その内径は、前記第1モールド2Aおよび第2モールド2Bの外径と実質的に同一かまたは若干小さくすることができる。筒状体31は、成形しようとするレンズの周縁部の厚み(キャビティ10の周縁部の間隔)と第1モールド2Aおよび第2モールド2Bの周縁部の保持に必要な厚みとを確保できる高さを有すればよい。また、第2モールド2Bが筒状体31の開口に向かって凸面状である場合、成形型1を真横から観察した際に、第2モールド2Bの凸面の頂点が筒状体31の外壁面より外側に飛び出ないように、筒状体31の高さを設定することが好ましい。図1に示す成形型1の詳細については、文献1〜3を参照することができる。
ガスケット3の注入口40は、注入口先端部と、この注入口先端部と筒状体31外壁面とをつなぐ注入管部43と、これら注入口先端部と注入管部43の内部を通り前記筒状体31内部と外部とを連通する注入孔(貫通孔)41とからなる。
注入口先端部は、図4に示す吐出口先端163との密着性を高める点から、先端開口42の周囲に平坦面(注入口先端面部)44が形成されていることが好ましい。図4に示すように、吐出口16および注入口40の先端の形状は、吐出孔161および注入孔41の軸方向に垂直な面から傾斜した平面からなっていることが好ましい。傾斜角度は、各孔の軸方向に対してほぼ同じ角度(例えば、図4では、いずれも約45度)であることが好ましい。また、注入孔41は、例えば、断面形状が円形で、注入口先端面部44が注入孔41の軸に対して傾斜しているため、注入口開口42は楕円形に形成されている。
注入孔41の内径は吐出口16の吐出孔161の内径と同じか、またはわずかに小さく形成し傾斜角度も同じにすることができ、その場合には注入孔41の開口42は、吐出口16の開口162と同じか、またはわずかに小さい相似した楕円形状であることができる。なお、図1に示す成形型1では、注入口先端面部44は、外形状が略正方形の平面を有しており、そのほぼ中央に注入孔先端側の開口42が位置している。ただし、注入口先端面部44の形状はこれに限定されず、例えば、円形や楕円形、四角形や三角形などの多角形であることもできる。また、注入管部43は、折り曲げることにより、注入孔41内で重合した樹脂を分断破壊しやすいようにすることもできる。
排出口50は、キャビティ10と外部とを連結する排出孔(貫通孔)51と、前記排出孔51を介して前記キャビティ10と連通する凹部を有する液溜め部53と、前記液留め部53と筒状体31外壁面を連結するくびれ部54とからなり、液溜め部53の上端部に、排出口開口52が設けられている。排出孔51は、前述の注入孔41と直径方向に対向する位置に設けられている。排出孔51を設ける位置を、注入孔41と直径方向上に相対する位置にすることで、注入口40を下側にして原料液を注入した時に、最後まで排気が妨げられることなく注入を行うことができる。また、前記くびれ部54は、前記液溜め部53より細くなっているので、この部分を折り曲げることにより、排出孔51内で重合した樹脂を分断破壊しやすいようにすることもできる。
混合吐出部
混合吐出部は、複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌を行う撹拌手段を有する混合室および該混合室と連通した吐出孔を備えた吐出口を有する。攪拌手段としては、高速で回転する回転軸、スタティックミキサー等を挙げることができる。特に、後述する成分(A)と成分(B)のように高粘度であり初期重合開始速度が速い重合性成分の混合には、反応射出成形機(以下、RIM(Reaction Injection Molding)成形機)を使用することが好ましい。
後述する成分(A)、成分(B)を混合する場合を例にとり、RIM成形機の構造および動作を図2および図3に基づいて説明する。図2は、RIM成形機の構造を示す説明図であり、図3はRIM成形機の混合吐出部の構造を示す説明図である。
RIM成形機は、成分(A)を保管する材料タンク11Aと、成分(B)を保管する材料タンク11Bと、成分(A)と成分(B)混合し吐出する混合吐出部15と、前記材料タンク11Aと前記混合吐出部15をつなぐ材料流路13Aと、前記材料タンク11Bと前記混合吐出部15をつなぐ材料流路13Bとからなる。材料流路13A、13Bのそれぞれの途中には、成分中の異物をろ過するためのフィルター14A、14Bが設けられている。混合吐出部15には材料流路13A、13Bを通って送られてきた成分(A)、(B)を混合するための高速で回転する回転軸もしくはスタティックミキサーを備えており、図3に示すように攪拌子171を備えた回転軸をモーターにより回転することにより攪拌することが好ましい。
成分(A)および成分(B)は前記それぞれの材料タンク中で減圧下におかれ十分に脱気されるとともに所定の温度で保管される。脱気が不十分であると成形品中に泡が混入し、製品としての性能や外観を損ねる場合や、成形品の機械的強度の低下を招く場合がある。十分に脱気され温度も均一化された各成分はポンプ12A、12Bにより材料タンク11A、11Bから材料流路13A、13B中に押し出されフィルター14A、14Bを通過し混合吐出部15へ送られる。混合吐出部15で短時間に均一に混合された混合液は、図4に示す吐出孔161を通り、吐出孔161の先端開口162から吐出される。
後述する成分(A)と成分(B)とを混合する場合、成分(A)を加温して粘度を低下させた後に行うことが、泡不良を回避するという観点から好ましい。成分(A)は一般に粘度が高いため、成分(B)との混合前に加温して、ある程度の流動性を付与することにより、成分(B)との混合を容易にするという観点から、8000CPS以下になるように加温しておくことが好ましい。またこの粘度以下であれば、後述するRIM成形機を用いた時に混合前の脱泡を容易に行うこともできる。成分(A)の加熱温度は、好ましくは6000CPS以下になる温度であり、さらに好ましくは4000CPS以下である。混合吐出部15では、通常、プラスチックレンズ原料液を吐出する間、プラスチックレンズ原料液の混合室17への供給、供給されたプラスチックレンズ原料液の混合、および混合されたプラスチックレンズ原料液の吐出が同時進行で連続的に行われる。吐出流量や吐出停止は、ポンプ12Aとポンプ12Bを、図示しない制御部により制御することにより行うことができる。また、前記攪拌子171を備えた回転軸を回転させるモーターの回転数、ON/OFFも制御部により制御するようにすることができる。
成形型の動作
次に、図1に示す成形型1へ原料液を注入する際の成形型1の動作を、図4に基づき説明する。
連続製造ラインでは、通常、複数の成形型1を原料液注入位置に順次搬入および搬出するとともに、原料液注入位置において、該位置に配置された原料液混合吐出装置(混合吐出部)15から成形型1に原料液を注入する。原料液注入位置に搬入された成形型1は、注入口40の注入孔先端開口42が混合吐出部吐出口16の吐出孔(貫通孔)先端開口162と離間した状態にある。キャビティ10内を原料液が移動する間、成形型1が水平面に対して傾斜した状態にあることも可能であるが、傾斜した状態では周辺側の液面上昇速度と中央付近の液面上昇速度との差が生じることによって空気が巻き込まれる可能性があるため、光学的欠損低減の観点からは、キャビティ10内を原料液が移動する間、水平面に対して略垂直に成形型1を固定することが好ましい。この場合、水平面に対して傾斜した状態で保持した成形型1(図4(a))を、キャビティ10への原料液の注入が始まる前に水平面に対して略垂直状態に移動させること(図4(b)〜(e))が好ましい。上記傾斜角度は、例えば鉛直方向に対して30〜60°程度であるが、該傾斜角度に限定されるものではない。また、本発明において、「略垂直」とは、垂直状態から5°程度まで傾斜した状態も含むものとする。なお、図4に示す態様では、注入口先端面部44は傾斜角度45°であり、吐出口先端163は傾斜角度45°である。そして、注入口先端面部44を水平状態から45°に傾斜させた状態にするために、成形型1を45°から垂直状態に姿勢変更している。次いで、上記状態に保持された成形型1は、該状態から姿勢変更することにより、注入孔先端開口42と吐出孔先端開口162とを近づけることで注入孔41への原料液の注入が開始される。この状態では、吐出孔161から吐出された原料液の少なくとも一部が注入孔41に導入される程度に、注入孔41の先端開口42と吐出孔161の先端開口162が接触していればよい。
その後、注入されたプラスチックレンズ原料液がキャビティ10内に到達する前に、注入孔先端開口42と吐出孔先端開口162とを連結した状態で成形型1を固定する。即ち、本発明では上記姿勢変更をキャビティ10内に原料液が導入される前に完了する。このとき、図4に示す態様では、注入孔41と吐出孔161は90°の角度で連結する。なお、本発明において、「連結」とは、吐出孔から吐出された原料液が流下することなく注入孔に導入される程度に、注入孔の先端開口と吐出孔の先端開口が接触している状態をいうものとする。
以降、キャビティ10が原料液により満たされるまで該固定状態を維持することにより、キャビティ10内での原料液の流動による脈理や気泡発生を抑制することができ、これにより高品質なプラスチックレンズを得ることができる。
各動作の好ましい具体的態様を以下に説明する。
はじめに、上述したとおり、成形型1を傾斜させた状態で、かつ、注入孔41の先端開口42を吐出孔161の先端開口162から離間した状態で、成形型1を保持する。このとき、混合吐出部15は攪拌子171の回転を継続しつつ吐出を停止している(図4(a))。
次に、成形型1を傾斜を維持したまま下方に移動させて、注入口先端面部44と、吐出口先端163とを接触させる。このとき注入口先端面部44は水平になっている(図4(b))。
次に、混合吐出部15の吐出を開始する(図4(c))。このとき、吐出孔161は水平方向に向いており、注入口先端面部44は水平になっているので、原料液は注入孔41には侵入していないが、注入口先端面部44が原料液によって濡れるため、後の注入のときの泡の巻き込みを低減できる。
その後、注入口先端面部44と吐出口先端163の上端との接触点を中心に、成形型1を回転させて成形型1を徐々に垂直に近づける(図4(d))。このようにすることにより、注入口先端面部44と吐出口先端163との隙間から流下していた原料液が徐々減るとともに、注入孔41に注入される原料液が増ええていく。これにより注入孔41内での原料液の液面の急激な上昇が抑えられるので、泡の巻き込みを低減できる。
その後、成形型1は垂直になり、注入口先端面部44と吐出口先端163が全周密着し、隙間から流下する原料液はなくなる(図4(e))。そして、原料液はキャビティ10に注入される。このように、注入開始後、図4(c)〜(e)に示すように、注入開始のための姿勢変更に引き続き成形型1を姿勢変更させることにより、注入孔41の先端開口42と吐出孔161の先端開口162を連結させることができる。原料液の成形型1への注入を円滑に行う観点から、注入孔41の先端開口42と吐出孔161の先端開口162が連結した状態で、注入孔41の軸方向と吐出孔161の軸方向が交わることが好ましく、図4(e)に示すように、注入孔41の軸方向と吐出孔161の軸方向が略垂直に交わることが更に好ましい。
キャビティ10に原料液が充填されると、キャビティ10からあふれた原料液は、排出孔を通って液溜め部にたまる。この液溜め部から溢れる前に混合吐出部15からの原料液の吐出は停止される。このとき、混合吐出部15の攪拌子171の回転は継続する(図4(f))。
次いで、成形型1は、注入口封止手段91により、注入孔41が封止されるとともに、垂直の姿勢のまま上昇され、注入口先端部は、吐出口16から離脱する(図4(g))。
本発明の製造方法では、成形型1の姿勢変更に加えて、混合吐出部15側の移動を行い上記連結までの動作を行うことも可能であるが、固定された吐出孔161に対して成形型1を近づけていくことが成形型1の姿勢変更を円滑に行うためには好ましい。この場合、原料液吐出中の吐出孔161は、図4に示すように、軸方向が水平方向に位置した状態で固定されていることが、注入を円滑に行うために好ましい。
なお、注入孔先端開口42と吐出孔先端開口162とを徐々に近づけて、吐出された原料液の一部を流入させる過程を経て連結する方法として、図4には、固定された吐出口に対して注入口を回動させて下側の隙間を徐々に減少させる態様を示したが、本発明は上記態様に限定されるものではない。例えば、成形型を垂直下方向、水平方向、斜め下方向に移動させ注入口と吐出口とを接近させることにより、注入孔先端開口42と吐出孔先端開口162とを、図4(e)に示す状態のように連結することもできる。
次に、注入開始から終了までの成形型保持装置の動作の詳細を、図面に基づき説明する。
図5は、成形型保持手段および姿勢変更手段を含む成形型保持装置の一例を示す説明図である。図6〜10は、図5に示す装置における成形型の動作説明図である。図11は、プラスチックレンズ製造装置の一例を示す説明図である。
図5に示す成形型保持装置6は、成形型1が取り付けられた成形型保持具100を保持するとともに、その位置および姿勢を変更して、混合吐出部15の吐出孔161と成形型1の注入孔41との連結、離脱を行う装置であり、
原料液を注入する成形型1を注入工程位置に搬入するとともに、注入完了後の成形型1を次工程に搬出する搬送手段と、成形型1を姿勢変形可能に保持する保持手段と、成形型1の注入口を封止する封止手段とを有する。前記保持手段は、保持手段に保持された成形型1を姿勢変更させる姿勢変更手段を含む。前記姿勢変更手段は、成形型1の上下位置を変更する手段と、成形型1の傾きを変更する手段と、を有する。前記封止手段は、成形型保持具100 に設けられた成形型注入管部封止手段と、この成形型注入孔封止手段を動作させる駆動手段と、を有する。
前記搬送手段は、回転テーブル71と、この回転テーブル71を回転させる軸となる中空支柱72と、この中空支柱の上端に設けられた歯車73Bと、中空支柱72を回転させるためのステッピングモータ74と、このステッピングモータ74の回転を中空支柱72上端の歯車73Bに伝達するための歯車73Aと、を備えている。
前記上下位置変更手段は、前記回転テーブル71に設けられた貫通孔に上下動自在に挿入された複数のシャフト811と、シャフト811の上端を連結する連結板812と、このシャフト811を上方に付勢するために前記連結板812と前記回転テーブル71の間に設けられたスプリング813(本態様では、各シャフトごとにその周りを捲回するように配設)と、このスプリング813の弾性復元力に抗して前記連結板812を下方に押し下げるための上下位置設定用エアシリンダ814と、前記連結板812の高さを検知するセンサ(上部近接センサ815A,下部近接センサ815B)と、を備えている。
前記傾き変更手段は、前記シャフト811の下端に連結された天板821と、この天板821に設けられたロッドレスエアシリンダ822(以下、単にロッドレスシリンダとも記す)と、このロッドレスエアシリンダ822のピストン部に設置されたカム板823と、成形型保持具100を回転移動させるためのカーブレール824と、このカーブレール824を天板821に取り付けるためのレール支持板825と、前記カム板823を内側に押し出す傾き設定用電動シリンダ826(以下、単に電動シリンダとも記す)と、を備えている。前記ロッドレスシリンダ822は、そのピストン部が、前記回転テーブル71の直径方向に移動するように配置されている。またカーブレール824は、軌道が円弧状をしており、その円弧を含む円の中心は、成形型保持具100に保持された成形型1の注入口先端面部44の注入孔外側開口42の上側に一致するように設定されている。これにより注入孔41の先端開口42の上側を中心に、成形型1が傾斜可能に保持される。前記ロッドレスシリンダ822にエアを供給・排出する管路は、前記中空支柱72の中を通り、電磁弁62を介して空気圧源装置61に連結されている。これより、回転テーブル71の回転による影響を受けずにロッドレスシリンダ822にエアを供給・排出できるようにしている。前記電動シリンダ826は、注入位置に設置してもよい。
前記封止手段は、成形型保持具100に備えられ、原料液の注入終了後、注入された原料液が成形型1外へ流下しないように注入孔41を封止する。前記封止手段は、例えば、溝(封止用溝)を有する板状部材であることができ、この部材を移動させることによって封止用溝に注入管部43を押し込み、その溝によって注入管部43を外側から挟み注入孔41の封止を行うことができる。本方法により注入孔41を封止するためには、注入管部43は弾性を有する樹脂製であることが好ましい。封止手段については、例えば、特開2006−205710号公報、特開2006−231600号公報を参照できる。
前記封止手段駆動手段は、前記成形型保持具100に設けられた注入管封止手段を内側に押し出すための注入管封止用エアシリンダ92を備えている。この前記注入管封止用エアシリンダ92は注入位置に設置してもよい。
図11は、プラスチックレンズ製造装置の一例を示す説明図(レイアウト図)である。図11に示す装置は、混合吐出装置15と成形型保持装置6が設けられる。
混合吐出装置15は、吐出孔161の軸方向が水平でかつ回転テーブルの直径方向中心側に向くように、注入位置に固定されている。
成形型1が固定された成形型保持具100は、トラック式コンベアにより、充填部に搬送される。そしてトラック式コンベアから取り外され、成形型保持装置6に供給位置で取り付けられる。この成形型保持具100の成形型保持装置6への取り付けは、成形型保持具100の案内ローラ101を成形型保持装置6のカーブレール824にあわせるとともに、成形型保持具100のカムフォロア102を成形型保持装置6のカム板823の案内溝827に通すことにより行う。その後、回転テーブル71を回転させて、成形型1を傾き位置に移動させ、前記ロッドレスシリンダ822にエアを供給して、ピストン部を外側に移動させる。これにより、成形型保持具100は傾いた状態で保持される。
続いて、図11に示す装置では、回転テーブル71を回転させて成形型1を二酸化炭素供給位置に移動させ、成形型1内に二酸化炭素を供給する。二酸化炭素は、一般に空気に比べて原料液への溶解度が高い。二酸化炭素が充填された成形型1に原料液の注入を行えば、仮に注入中に原料液に気泡が混入したとしても、混入した気泡は二酸化炭素からなるものであるため、原料液に二酸化炭素が溶解することにより小さな気泡は消滅させることができる。
その後、回転テーブル71を更に回転させて、注入位置に成形型1を移動させる。この注入位置での動作については後述する。
キャビティ10が原料液により満たされることにより、注入が完了する。注入完了後、回転テーブル71を更に回転させて、必要に応じて設けられる泡抜き位置に成形型1を移動させる。泡抜きとは、前記ロッドレスシリンダ822のピストン部を移動させて成形型1を傾けることにより、キャビティ10内に混入した泡を成形型1の排出口50から排出させる工程である。図1に示すように、キャビティ10上方に排出孔51を有する成形型1であれば、成形型1を傾けることにより、排出孔51からキャビティ10内の泡を排出することができる。なお、通常、注入完了後であれば、キャビティ10内に気体からなる空間がないので、泡抜きのために傾けたとしても原料液の流動が小さいため、重度の脈理が発生することはない。
その後、回転テーブル71を回転させて成形型1を垂直位置に移動させ、ロッドレスシリンダ822および電動シリンダ826を駆動させて成形型1を垂直にする。その後回転テーブル71を回転させて成形型1を排出位置に移動させて成形型1を成形型保持装置6から取り外し、再びトラック式コンベアに移し変え次の工程に成形型1を移動させる。なおこのトラック式コンベアでの移動中、低温(例えば室温)で重合反応を更に進行させ(低温重合工程)、その後、トラック式コンベアから成形型1を取り外し、高温炉に入れて成形型1を加熱して高温で重合する(本重合工程)。
なお、低温重合中に、排出口50と注入口40を折り曲げて、排出孔51と注入孔41の部分で重合した樹脂を一度分断しておくと、後述する成形体の取り出し工程が容易になる。
また、この図11に示した例では回転テーブル71が一回転する間に7工程(供給、傾き、CO2、注入、泡抜き、垂直、排出)と、一つの空き工程を有するので、前記保持手段は、回転テーブル71上に等角度で8つ設けて、各工程を同時並行で実施できるようにしている。
次に、上記成形型保持装置6の注入位位置での動作について図5〜図10を用いて説明する。
はじめにステッピングモータ74を駆動して、回転テーブル71を回転させ、成形型1を原料液注入位置に移動させる。これにより成形型1の注入孔41の先端開口42と混合吐出部15の吐出孔161の先端開口162とが、垂直方向に並ぶように成形型1が配置される(図5)。このとき成形型1は、その注入口先端面部44が、混合吐出部15の吐出孔161と平行な水平面上に位置するように保持されている(図4(a)参照)。
この位置決め完了後、上下位置設定用エアシリンダ814にエアを供給してロッドを伸ばし、連結板812を押し下げる。これにより、成形型注入孔41の先端開口42の上端が、吐出孔先端開口162の上端と接触する(図4(b)参照)。この状態の連結板812の位置が、下部近接センサ815Bによって検知されると、電磁弁62が中段の均衡状態に切り替わり、ロッドレスエアシリンダ822のピストン部がフリーな状態になる(図6)。そして、混合吐出装置15の吐出孔161からの原料液の吐出を開始する(図4(c)参照)。この点については、更に後述する。
次に、電動シリンダ826のロッドをあらかじめ設定した移動速度で水平に伸ばすことにより、成形型1を徐々に水平面に対して垂直な状態に近づける。このとき、吐出した原料液の一部が注入孔41内に注入を開始する(図4(d)参照)。
その後、電動シリンダ826のロッドがさらに延び、成形型1が水平面に対して垂直な状態になる(図7)。この状態で、注入孔41の先端開口42と吐出孔161の先端開口162とが連結され、注入孔41先端と吐出孔161先端との隙間から原料液が流下することがなくなる(図4(e)参照)。原料液がキャビティ10内に到達する前に、上記姿勢変更を行い、以降は成形型1を固定することにより、キャビティ10内での原料液の流動による光学的欠損発生を防ぎ、高品質なプラスチックレンズを得ることができる。
キャビティ10内を上昇した原料液は、やがて排出孔51に達する。このようにキャビティ10が原料液により満たされた状態で、混合吐出装置15からの原料液の吐出を停止することができる(図4(f)参照)。この点については、後述する。
上記のように原料液が排出孔51に達したことを検知するには、キャビティ10の内容積と流量からキャビティ10が原料液により満たされるまでの時間を予め算出しておき、算出された時間に基づき検知してもよいし、成形型1上部の液溜め部53(図1参照)における液面をセンサで検知してもよい。
原料液の注入完了後、電動シリンダ826のロッドを縮ませる。また、注入孔封止用エアシリンダ92のシリンダを伸ばして注入孔封止手段を駆動して注入孔41を封止する(図8)。その後、上下位置設定用エアシリンダ814のロッドを縮ませる。これにより連結板812はスプリング813により上昇して、成形型1の注入口先端面部44は、吐出口先端163から離れる(図4(g)および図9参照)。
連結板812が上部近接センサ815Aによって検知されることにより、連結板812が上端に戻ったことを確認する。上部センサ815Aの信号に基づいて、ステッピングモータ74は一定量回転し、回転テーブル71を回転させる。これにより成形型1は泡抜き位置に移動する。また、これと同時にロッドレスシリンダ822の外側からエアを供給してピストン部を内側に移動させることにより、成形型1は逆側に傾斜し泡抜きの姿勢となる(図10)。
上記においては、原料液がキャビティ10内に到達するまでの成形型1の姿勢変更は、水平面に対して傾斜した状態の成形型1を、鉛直下方に移動させ、次いで水平面に対する成形型1の傾きを変更することにより行う態様について説明した。但し、成形型1の姿勢変更は上記態様に限定されるものではなく、鉛直方向における移動のみ、傾き変更のみにより成形型1の姿勢変更を行うことも可能である。また、上記のような姿勢変更のための各機器の動作は図示しない制御部によって制御することができ、混合吐出装置の制御と連携させて制御することもできる。
吐出停止および吐出再開
上記説明したプラスチックレンズ原料液の注入から成形体を得るまでの工程は、複数の成形型1に対して順次行うことができ、これにより複数のプラスチックレンズを連続的に製造することができる。この場合、ある成形型1への原料液の注入が完了した後、新たな成形型1が注入位置に搬入され注入準備が整うまでの間、混合吐出部15の吐出孔161からの原料液の吐出を停止することが好ましい。このように原料液の吐出を一旦停止することは、原料液の廃棄量を低減する上で好ましい。ただし、吐出停止中も混合室中にある原料液の重合反応は進行するため、攪拌を停止すると不均一な状態で重合反応が進行することになる。したがって、重合反応の均一化の点から、吐出停止中も混合室における攪拌は継続することが好ましい。この場合、吐出停止中に吐出孔161内に保持されていた原料液は攪拌されないため、吐出再開後に排出し、新たな成形型1へは導入しないことが好ましい。
成形体の取り出し
前記本重合反応が終了した後、高温炉から成形型1を取り出し、次いで成形型1を除去して成形体を取り出すことによりプラスチックレンズを得ることができる。このとき注入口40および排出口50を手動または自動で折り曲げ、注入孔41および排出孔51内部の重合体をキャビティ10内の重合体から分離することにより、レンズ形状の成形体を得ることができる。
[プラスチックレンズ原料液]
次に、プラスチックレンズ原料液について説明する。
本発明の製造方法は、高粘度であり初期重合速度が速い原料液からプラスチック製のプラスチックレンズを製造する際に好適に使用されるものである。例えば、混合後直ちに重合を開始し、10分以内に硬化するような原料液から、プラスチックレンズを製造するために好適に用いることができる。本発明によれば、光学特性に優れたレンズが得られるため、高い光学特性が求められるプラスチック眼鏡レンズ製造のために好適である。なお、本発明において重合性成分とは、重合性基を有する成分をいい、例えばモノマーまたはプレポリマーであることができる。
前記複数の重合性成分は、下記成分(A)と下記成分(B)を含むものであることができ、好ましくは、下記成分(A)と下記成分(B)とからなるものであることができる。
成分(A):分子中に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネートと300〜2500の平均分子量を有するジオールとの反応生成物であるイソシアネート末端プレポリマー成分(B):一般式(I)で表される1種または2種以上の芳香族ジアミン(一般式(I)中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、チオメチル基の何れかである)
以下、成分(A)、成分(B)について説明する。
(i)イソシアネート末端プレポリマー成分(A)
成分(A)は、分子中に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネートと300〜2500の平均分子量を有するジオールとの反応生成物であるイソシアネート末端プレポリマーである。上記イソシアネート末端プレポリマーの一方の原料であるジイソシアネートが、分子中に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネートであることで、プレポリマー製造時、または重合時の反応コントロールが容易になり、かつ最終的に得られる成形体に適度な弾性を付与することができる。さらに、得られる成形体に高耐熱性と良好な機械特性を与えることもできる。
分子中に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネートとは、主鎖または側鎖に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネートであり、環状構造は、脂環、芳香環、または複素環のいずれであっても良い。但し、分子中に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネートは、黄変を防止すると共に十分弾性や硬度を保持するという観点から、脂環式ジイソシアネートであることが好ましい。脂環式ジイソシアネートに比べ、芳香環を有するイソシアネートでは得られた成形体の黄変が進みやすく、脂肪族鎖状のイソシアネートでは得られた成形体が柔らかくなり、形状保持性が低下する傾向がある。
さらに、脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、1,2−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,2−ジイソシアナートシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナートシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナートシクロヘキサン等を挙げることができる。また、芳香環を有するジイソシアネートとしては、例えば、m−キシリレンジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。特に、前記脂環式ジイソシアネートは、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネートおよび1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記成分(A)のイソシアネート末端プレポリマーのもう一方の原料であるジオールの平均分子量は300〜2500である。本発明において、平均分子量とは、数平均分子量をいうものとする。ジオールの平均分子量が300より小さいと得られる成形体に靭性を付与することができず、2500より大きいと得られた成形体が柔らかくなり形状を保持できなくなる。上記平均分子量は、好ましくは、400〜1000である。
300〜2500の平均分子量を有するジオールは、例えば、ポリエーテル系ジオールまたはポリエステル系ジオールであることができる。これらのジオールは、他成分との相溶性が良いことから好ましい。他成分との相溶性が良くないジオールの場合、得られる成形体の透明性を維持するために相溶化剤などの別成分を添加する必要が出てきたり、透明性が損なわれる可能性がある。
このようなジオールとしては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、エチレングリコールとアジピン酸からなるポリエステルジオール、プロピレングリコールとアジピン酸からなるポリエステルジオール、ジエチレングリコールとアジピン酸からなるポリエステルジオール、1,4−ブタンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール、ネオペンチルグリコールとアジピン酸からなるポリエステルジオール、1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール、1,10−デカンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール、1,4−ブタンジオールとセバシン酸からなるポリエステルジオール、エチレングリコールとε−カプロラクトンからなるポリカプロラクトンジオール、プロピレングリコールとε−カプロラクトンからなるポリカプロラクトンジオール、ジエチレングリコールとε−カプロラクトンからなるポリカプロラクトンジオール、1,4−ブタンジオールとε−カプロラクトンからなるポリカプロラクトンジオール、ネオペンチルグリールとε−カプロラクトンからなるポリカプロラクトンジオール、1,6−ヘキサンジオールとε−カプロラクトンからなるポリカプロラクトンジオール、1,10−デカンジオールとε−カプロラクトンからなるポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートグリコール等が挙げられ、好ましくはポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、1,4−ブタンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール、ネオペンチルグリコールとアジピン酸からなるポリエステルジオール、1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール、1,10−デカンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール等が挙げられる。
成分(A)のイソシアネート末端プレポリマーの原料としては、分子中に硫黄原子を含みかつ300〜2500の平均分子量を有するジオールを用いることができる。ジオールの分子中に硫黄原子を導入すると、アッベ数の低下を抑制しながら屈折率を向上させることが可能となる。また、分子中での硫黄の存在状態は特に限定されるものではないが、スルフィド結合、ジスルフィド結合、チオエステル結合、ジチオエステル結合、チオカーボネート結合、ジチオカーボネート結合のうちの少なくとも1種の結合様式により分子中に取り込まれていることが望ましい。上記の結合様式で硫黄原子が分子中に取り込まれていれば、成分(A)と他成分との相溶性が良好であり、さらに、着色もなく、透明性に優れた成形体を得ることができる。一方、上記以外の結合様式で硫黄原子が分子中に取り込まれている場合は、例えば、成分(A)と他成分との相溶性が悪くなる傾向があり、得られる成形体の透明性を維持するために相溶化剤などの別成分を添加する必要が出てきたり、顕著な着色を示す可能性がある。以上の点からも、本発明では、成分(A)のイソシアネート末端プレポリマーのもう一方の原料であるジオールは、スルフィド結合、ジスルフィド結合、チオエステル結合、ジチオエステル結合、チオカーボネート結合、又はジチオカーボネート結合のうちの少なくとも1種の結合様式により分子中に硫黄を含むことが好ましい。
成分(A)であるイソシアネート末端プレポリマーのイソシアネート基含有率は、10〜20質量%の範囲であることが好ましい。上記イソシアネート基含有率が10質量%以上であれば、高硬度の成形体を得ることができ、20質量%以下であれば、高い靭性(十分な強度)を有する成形体を得ることができる。上記イソシアネート基含有率は、より好ましくは11〜15質量%の範囲である。
(ii)芳香族ジアミン成分(B)
成分(B)は、前記一般式(I)で表される1種または2種以上の芳香族ジアミンである。一般式(I)中のR1、R2およびR3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、チオメチル基の何れかである。R1、R2およびR3が上記置換基であることで、結晶性を抑制しかつ他成分との相溶性を高めることができる。また、これらの置換基がないか、あるいは数が少ないと結晶性が高く取り扱いにくくなり、他の置換基の場合には、他の成分との相溶性が悪くなり得られる材料の透明性が低下する恐れがある。
前記芳香族ジアミンは、より具体的には、例えば、以下の化合物である。1,3,5−トリメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリチオメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリチオメチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、3,5−ジチオメチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジチオメチル−2,6−ジアミノトルエン、1−エチル−3,5−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−エチル−3,5−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1−エチル−3,5−ジチオメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−エチル−3,5−ジチオメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1−チオメチル−3,5−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−チオメチル−3,5−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1−チオメチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−チオメチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3−エチル−5−チオメチル−2,4−ジアミノトルエン、3−エチル−5−チオメチル−2,6−ジアミノトルエン、3−チオメチル−5−エチル−2,4−ジアミノトルエン等。
上記芳香族ジアミンは、R1がメチル基であり、R2およびR3がそれぞれエチル基またはチオメチル基の何れかであることが、得られる成形体が白濁しにくく、かつ得られる成形体に十分な靭性を付与できるという観点から好ましい。前記芳香族ジアミンとしては、より具体的には、例えば、3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、3,5−ジチオメチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジチオメチル−2,6−ジアミノトルエン等を挙げることができる。
成分(A)と成分(B)との混合割合は、成分(B)のアミノ基に対する、成分(A)のイソシアネート基のモル比が1.00〜1.15の範囲であることが、十分な靭性(強度)が得られるという観点から好ましい。上記モル比は、より好ましくは1.02〜1.12の範囲である。
また、プラスチックレンズ原料液へは、必要により、離型剤、抗酸化剤、紫外線安定化剤、着色防止剤等の添加成分を、成形体の透明性と強度を損なわない程度に添加することはできる。添加成分の例は、例えば、米国特許6127505号公報第6〜7欄の記載のものを挙げることかできるが、それらに限られない。上記出願の全記載は、ここに特に開示として援用される。
[プラスチックレンズ製造装置]
本発明のプラスチックレンズ製造装置は、本発明のプラスチックレンズの製造方法において使用されるものであり、複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌および吐出を行う混合吐出手段と、成形型を可動状態で保持する成形型保持手段と、上記成形型保持手段に保持された成形型を姿勢変更させる姿勢変更手段と、上記混合吐出手段の攪拌および吐出、並びに、上記姿勢変更手段による姿勢変更の少なくとも1つを制御する制御部と、を有する。
本発明の製造方法について説明したように、本発明の製造装置における姿勢変更手段は、水平面に対して鉛直方向の成形型の位置を変更する上下位置変更手段と、水平面に対する成形型の傾きを変更する傾き変更手段と、を含むことができる。姿勢変更手段を含めた本発明の製造装置の詳細は、先に本発明のプラスチックレンズの製造方法について説明した通りである。
本発明は、眼鏡レンズの製造分野において有用である。
本発明において使用可能な成形型の一例を示す概略断面図である。 RIM成形機の構造を示す説明図である。 RIM成形機の混合吐出部の構造を示す説明図である。 原料液注入時の成形型動作の説明図である。 成形型保持装置の一例を示す説明図である。 図5に示す装置における成形型の動作説明図である。 図5に示す装置における成形型の動作説明図である。 図5に示す装置における成形型の動作説明図である。 図5に示す装置における成形型の動作説明図である。 図5に示す装置における成形型の動作説明図である。 プラスチックレンズ製造装置の一例を示す説明図である。

Claims (11)

  1. 複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌を行う撹拌手段を有する混合室と、該混合室と連通した吐出孔と、を有する混合吐出部の該吐出孔の先端開口からプラスチックレンズ原料液を吐出すること、
    キャビティと、該キャビティ内にプラスチックレンズ原料液を導入するための注入孔と、を有する成形型に、該注入孔の先端開口から上記吐出されたプラスチックレンズ原料液を注入すること、および、
    注入されたプラスチックレンズ原料液を該成形型内で重合し重合体を得ること、
    を含むプラスチックレンズの製造方法であって、
    注入孔の先端開口が吐出孔の先端開口と離間した状態で成形型を保持しながら前記吐出孔からプラスチックレンズ原料液を吐出し、次いで、該状態から成形型を姿勢変更することにより、注入孔先端開口と吐出孔先端開口とを近づけて上記注入を開始すること、および、
    注入されたプラスチックレンズ原料液がキャビティ内に到達する前に注入孔の先端開口と吐出孔の先端開口とを連結して成形型を固定し、キャビティがプラスチックレンズ原料液により満たされるまで該固定状態を維持すること、
    を特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
  2. 注入孔の先端開口が吐出孔の先端開口と離間した状態で保持された成形型は、水平面に対して傾斜した状態にあり、かつ、前記固定状態において、成形型は水平面に対して略垂直な状態にある、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記成形型は、注入孔先端開口の周囲に平坦面を有し、前記固定状態において、該平坦面が吐出孔先端開口と密着した状態にある請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記吐出孔は、プラスチックレンズ原料液吐出中、軸方向が水平方向に位置した状態で固定されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記成形型の姿勢変更を、水平面に対して傾斜した状態の成形型を、鉛直下方に移動させ、次いで水平面に対する成形型の傾きを変更することにより行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記プラスチックレンズ原料液の注入から成形体を得るまでの工程を、複数の成形型に対して順次行い複数のプラスチックレンズを得る請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記キャビティがプラスチックレンズ原料液により満たされた後、混合室におけるプラスチックレンズ原料液の撹拌を継続しながら前記吐出を停止し、新たな成形型へのプラスチックレンズ原料液の注入の際に停止した吐出を再開する請求項6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 吐出再開後、吐出停止中に吐出孔内に保持されていたプラスチックレンズ原料液を排出した後に新たな成形型への注入を行う請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記プラスチックレンズ原料液は、下記成分(A)と成分(B)との混合液である請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
    成分(A):分子中に環状構造を有する脂肪族ジイソシアネートと300〜2500の平均分子量を有するジオールとの反応生成物であるイソシアネート末端プレポリマー
    成分(B):一般式(I)で表される1種または2種以上の芳香族ジアミン(一般式(I)中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、チオメチル基の何れかである)
    [化1]
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のプラスチックレンズの製造方法において使用されるプラスチックレンズ製造装置であって、
    複数の重合性成分を含むプラスチックレンズ原料液の撹拌および吐出を行う混合吐出手段と、
    成形型を可動状態で保持する成形型保持手段と、
    上記成形型保持手段に保持された成形型を姿勢変更させる姿勢変更手段と、
    上記混合吐出手段の攪拌および吐出、並びに、上記姿勢変更手段による姿勢変更の少なくとも1つを制御する制御部と、
    を有するプラスチックレンズ製造装置。
  11. 前記姿勢変更手段は、水平面に対して鉛直方向の成形型の位置を変更する上下位置変更手段と、水平面に対する成形型の傾きを変更する傾き変更手段と、を含む請求項10に記載のプラスチックレンズ製造装置。
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