JPWO2010047316A1 - 液晶配向処理剤及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
Description
このうち、可溶性ポリイミドを含む溶液を使用する方法は、比較的低温の焼成であっても、液晶配向膜としたときの特性が良好なポリイミド膜を形成させることが可能であるという反面、形成された膜の強度が低く上記ラビング処理に伴う問題が起き易い。
(1)ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを反応させて得られるポリアミック酸及びこれをイミド化して得られる可溶性ポリイミドのうち少なくとも1種の重合体を含有し、上記ジアミン成分が、式[1]で表されるジアミン、及び式[2]で表されるジアミンを含有することを特徴とする、液晶配向処理剤。
(2)テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分の含有比率が、モル比で1:0.8〜1:1.2である上記(1)に記載の液晶配向処理剤。
(3)ジアミン成分が、式[1]で表されるジアミンを20モル%以上含有する上記(1)又は(2)に記載の液晶配向処理剤。
(4)ジアミン成分が、式[2]で表されるジアミンを5〜60モル%含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(5)ジアミン成分中の式[2]で表されるジアミンが、式[1]で表されるジアミンの1モルに対して0.1モル〜1.2モル含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(6)式[1]で表されるジアミン及び式[2]で表されるジアミンの、それぞれの有する2つのアミノ基の位置関係が、メタ位又はパラ位である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(7)テトラカルボン酸二無水物成分が、脂環式構造又は脂肪族構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含有する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(8)テトラカルボン酸二無水物成分が、芳香族テトラカルボン酸二無水物を含有する上記(1)〜(7)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の液晶配向処理剤を電極付き基板上に塗布、焼成し、ラビング処理して得られる液晶配向膜。
(10)上記(9)に記載の液晶配向膜を用いた液晶表示素子。
式[1]で表されるジアミンにおいて、ベンゼン環上の各置換基の位置は特に限定されないが、2つのアミノ基の位置関係はメタ又はパラが好ましい。以下にこのジアミンの好ましい具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。
式[1]で表されるジアミンの含有量は、全ジアミン成分の5モル%以上であれば、ラビング処理時の配向膜表面の傷や膜の剥離を抑制する効果が得られるが、20モル%以上であると、ラビング削れの耐性が弱いジアミンと組み合わせても十分な耐性が得られるため好ましい。また、該ジアミンの含有量は95モル%以下であると好ましい。
式[2]で表されるジアミンは、良好な液晶配向性、高温で安定なプレチルト角を発現するために必須な成分である。ジアミン成分中における式[2]で表されるジアミンの含有量は、式[1]で表されるジアミンの1モルに対して0.1〜1.2モル、好ましくは0.3〜1.1モル、より好ましくは0.5〜1.1モルである。式[2]で表されるジアミンの含有量が少ない場合は、所望のプレチルト角が発現しない場合があり、逆に含有量が多い場合は、ラビング削れが悪くなる。
ジアミン成分中における式[2]で表されるジアミンの含有量は、目的のプレチルト角の大きさにより調整できるが、1〜90モル%が好ましく、より好ましくは5〜60モル%である。
式[2]で表されるジアミンにおいて、ベンゼン環上の各置換基の位置は特に限定されないが、2つのアミノ基の位置関係はメタ又はパラが好ましい。以下にこのジアミンの好ましい具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。
また、有機溶媒中の水分は重縮合反応を阻害し、さらには生成したポリアミック酸を加水分解させる原因となるので、有機溶媒はなるべく脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。
また、酸無水物としては無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などを挙げることができる。中でも無水酢酸は、イミド化終了後に、得られたポリイミドの精製が容易となるので好ましい。有機溶媒としては前述したポリアミック酸の重縮合反応時に用いる溶媒を使用することができる。
なお、本発明において、ポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMR(核磁気共鳴吸収)サンプル管に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6、0.05%TMS(テトラメチルシラン)混合品)0.53mlを添加し、完全に溶解させた。この溶液を日本電子データム社製NMR測定器(JNM-ECA500)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。
可溶性ポリイミドのイミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミック酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い、次式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミック酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミック酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミック酸のNH基プロトン一個に対する基準プロトンの個数割合である。
このようにして得られた可溶性ポリイミドの溶液内には、添加した触媒などが残存しているので、可溶性ポリイミドを回収・洗浄してから本発明の液晶配向処理剤に用いることが好ましい。
このようにして回収・洗浄したポリイミドは、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱乾燥して粉末とすることができる。
本発明の液晶配向処理剤は、上記ポリアミック酸及び可溶性ポリイミドのうち少なくとも1種の重合体を含有するが、ポリアミック酸だけを単独で含有することも可能であり、可溶性ポリイミドを単独で含有することも可能である。より良好な印刷性や良残像特性を得たい場合には、ポリアミック酸と可溶性ポリイミドとを適当な比率で含有させた液晶配向処理剤とすることができる。本発明では、液晶配向処理剤に含有される可溶性ポリイミドの含有量は、可溶性ポリイミドとポリアミック酸との合計含有量に対して、10〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。
更には、上記とは異なる構造の可溶性ポリイミドの溶液や、ポリアミック酸の溶液と混合したり、他の樹脂成分を添加してもよい。
以上のようにして得られた液晶配向処理剤は、基板に塗布する前に濾過することが好ましい。
この際、用いる基板としては透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、アクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板などを用いることができ、液晶駆動のためのITO電極などが形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の観点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な基板でも使用でき、この場合の電極はアルミ等の光を反射する材料も使用できる。
液晶セル作製の一例を挙げるならば、液晶配向膜の形成された1対の基板を、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜10μmのスペーサーを挟んで、ラビング方向が0〜270°の任意の角度となるように設置して周囲をシール剤で固定し、液晶を注入して封止する方法が一般的である。液晶封入の方法については特に制限されず、作製した液晶セル内を減圧にした後液晶を注入する真空法、液晶を滴下した後封止を行う滴下法などが例示できる。
実施例及び比較例で使用する化合物の略号は以下の通りである。
<テトラカルボン酸二無水物>
CA1:4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンー1,2−ジカルボン酸無水物
CA2:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
CA3:[3,3,0]ビシクロオクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物
CA4:ピロメリット酸二無水物
DA1:2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン
DA2:1,3−ジアミノ−4−オクタデシルオキシベンゼン
DA3:4−(トランス−4−ペンチルシクロへキシル)ベンズアミド−2’,4’−フェニレンジアミン
DA4:p−フェニレンジアミン
DA5:4−{4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ}−1,3−ジアミノベンゼン
DA6: 4−アミノベンジルアミン
DA7: 3−アミノベンジルアミン
DA8: 1,3−ジアミノ−4−ドデシルオキシベンゼン
DA9: ジ(4−アミノフェニル)メタン
DA10:1,3−ジアミノ−4−テトラデシルオキシベンゼン
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
γBL:γ−ブチロラクトン
BC:ブチルセロソルブ
<分子量の測定>
ポリアミック酸及びポリイミドの分子量は、該ポリイミドをGPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド換算値として数平均分子量と重量平均分子量を算出した。
GPC装置:Shodex社製(GPC−101)
カラム:Shodex社製(KD803、KD805の直列)
カラム温度:50℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30ミリモル/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30ミリモル/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量約900,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製ポリエチレングリコール(分子量約12,000、4,000、1,000)。
ポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMR(核磁気共鳴吸収)サンプル管に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6、0.05%TMS(テトラメチルシラン)混合品)0.53mlを添加し、完全に溶解させた。この溶液を日本電子データム社製NMR測定器(JNM-ECA500)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミック酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い、次式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミック酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミック酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミック酸のNH基プロトン一個に対する基準プロトンの個数割合である。
液晶配向処理剤を透明電極付きガラス基板にスピンコートし、温度70℃のホットプレート上で70秒乾燥させた後、210℃のホットプレートで10分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面をロール径120mmのラビング装置でレーヨン布を用いて、ロール回転数1000rpm、ロール進行速度50mm/sec、押し込み量0.3mmの条件でラビングし、液晶配向膜付き基板を得た。
上記<液晶セルの作製>と同様にして得られた液晶セルを用いてプレチルト角の測定を行った。測定にはautronic社製のTBA107を用いた。測定は、加熱前(23℃)と、液晶セルを60℃に保持した条件で行い、加熱前後のプレチルト角変化量を評価した。
上記<液晶セルの作製>において、ラビングローラーの押し込みを0.5mmに変えた条件でラビングを行い、液晶配向膜付き基板を作製した。この液晶配向膜の表面をレーザー顕微鏡にて観察し、目視にて下記の評価を行った。
○:削れカスやラビング傷がほとんど発生しない。
△:カスが発生する、又はラビング傷がつく。
×:膜が剥離する。ラビング傷がスジ状になって観察される。
上記<液晶セルの作製>において、ラビングローラーの押し込みを0.2mmに変更した以外は同じ条件で液晶セル(アンチパラレル)を作製した。その際、液晶注入時に、液晶セルの注入口から液晶の流動配向の有無を観察し、下記の評価を行った。
○:流動配向が観測されない。
×:スジ状の流動配向が多数観測される。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA1を12.49g(42mmol)、ジアミン成分として、DA4を2.73g(25mmol)、DA3を3.43g(8.4mmol)を用い、さらにDA1を1.71g(8.4mmol)を用いNMP81.37g中、室温で24時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液95.8gに、NMPを242.7g加えて希釈し、無水酢酸42.81gとピリジン19.91gを加え、温度40℃で3時間反応させてイミド化した。この反応溶液を室温程度まで冷却後、メタノール1404.1ml中に投入し、沈殿した固形物を回収した。さらに、この固形物をメタノールで数回洗浄した後、温度100℃で減圧乾燥して、可溶性ポリイミド(SPI−1)の白色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は12,207、重量平均分子量は40,065であった。また、イミド化率は85%であった。このポリイミド粉末1.2gに、γBLを10.8g加え、温度50℃で24時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。この溶液12gを23℃まで冷却後、γBLを2g、及びBCを6g加え、温度50℃で20時間攪拌した。攪拌終了後、23℃まで冷却し、均一な液晶配向処理剤を得た。
この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA1を6.20g(22mmol)、CA3を5.38g(22mmol)、ジアミン成分として、DA4を2.79g(26mmol)、DA3を3.51g(8.6mmol)を用い、さらにDA1を1.75g(8.6mmol)を用いNMP78.49g中、80℃で24時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液50gに、NMPを114.3g加えて希釈し、無水酢酸6.34gとピリジン9.84gを加え、温度100℃で3時間反応させてイミド化した。この反応溶液を室温程度まで冷却後、メタノール631.7ml中に投入し、沈殿した固形物を回収した。さらに、この固形物をメタノールで数回洗浄した後、温度100℃で減圧乾燥して、ポリイミド(SPI−2)の白色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は10,250、重量平均分子量は49,802であった。また、イミド化率は82%であった。このポリイミド粉末1.2gに、γBLを10.8g加え、温度50℃で24時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。この溶液12gを23℃まで冷却後、γBLを2g、及びBCを6g加え、温度50℃で20時間攪拌した。攪拌終了後、23℃まで冷却し、均一な液晶配向処理剤を得た。
この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA2を7.68g(40mmol)、ジアミン成分として、DA4を2.60g(24mmol)、DA3を3.42g(8.4mmol)、DA1を1.63g(8.4mmol)を用い、NMP85.96g中、室温で24時間反応させポリアミック酸(PAA−1)溶液を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は18,374、重量平均分子量は43,407であった。この溶液8gにNMPを10.5g、及びBCを7.5g加え、室温で20時間攪拌し、均一な液晶配向処理剤を得た。
この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA2を8.18g(42mmol)、CA4を1.63g(7.5mmol)、ジアミン成分として、DA7を1.22g(10mmol)、DA1を5.08g(25mmol)、DA3を6.11g(15mmol)を用い、NMP88.96g中、室温で24時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液95.8gに、NMPを228.5g加えて希釈し、無水酢酸15.1gとピリジン6.4gを加え、温度50℃で3時間反応させてイミド化した。この反応溶液を室温程度まで冷却後、メタノール1259.1ml中に投入し、沈殿した固形物を回収した。さらに、この固形物をメタノールで数回洗浄した後、温度100℃で減圧乾燥して、可溶性ポリイミド(SPI−3)の白色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は18,195、重量平均分子量は57,063であった。また、イミド化率は93%であった。このポリイミド粉末1.2gに、γBLを10.8g加え、温度50℃で24時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。この溶液12gを23℃まで冷却後、γBLを2g、及びBCを6g加え、温度50℃で20時間攪拌した。攪拌終了後、23℃まで冷却し、均一な液晶配向処理剤を得た。
この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA2を13.53g(69mmol)、CA4を6.54g(30mmol)、ジアミン成分として、DA1を8.13g(40mmol)、DA6を3.67g(30mmol)、DA8を8.77g(30mmol)用い、NMP161.8g中、室温で24時間反応させポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液34.81gに、NMPを62.65g加えて希釈し、無水酢酸5.15gとピリジン2.19gを加え、温度50℃で3時間反応させてイミド化した。
この反応溶液を室温程度まで冷却後、メタノール366.8ml中に投入し、沈殿した固形物を回収した。さらに、この固形物をメタノールで数回洗浄した後、温度100℃で減圧乾燥して、ポリイミド(SPI−4)の白色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は12,016、重量平均分子量は35,126であった。また、イミド化率は90%であった。
このポリイミド粉末1.2gに、γBLを10.8g加え、温度50℃で24時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。この溶液12gを23℃まで冷却後、γBLを2g、及びBCを6g加え、温度50℃で20時間攪拌した。攪拌終了後、23℃まで冷却し、均一な液晶配向処理剤を得た。
このSPI−4とSPI−3が質量比で7:3となるように混合して、本発明の液晶配向処理剤を得た。この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA2を6.86g(35mmol)、CA4を3.27g(15mmol)、ジアミン成分として、DA7を2.44g(20mmol)、DA1を3.04g(15mmol)、DA3を6.11g(15mmol)を用い、NMP87.0g中、室温で24時間反応させポリアミック酸溶液(PAA−2)を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は15,539、重量平均分子量は47,210であった。この溶液8gにNMPを10.5g、及びBCを7.5g加え、室温で20時間攪拌し、均一な液晶配向処理剤を得た。
このPAA−2とSPI−3が質量比で8:2となるように混合して、本発明の液晶配向処理剤を得た。この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA2を9.80g(50mmol)、CA4を9.60g(44mmol)、ジアミン成分として、DA9を19.8g(100mmol)を用い、NMP222g中、室温で5時間反応させポリアミック酸溶液(PAA−3)を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は11,153、重量平均分子量は29,487であった。この溶液8gにNMPを10.5g、及びBCを7.5g加え、室温で20時間攪拌し、均一な液晶配向処理剤を得た。
このPAA−3とPAA−1が質量比で5:5となるように混合して、本発明の液晶配向処理剤を得た。この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
SPI−3とSPI−4とPAA−3が質量比で1:1:8となるように混合して、本発明の液晶配向処理剤を得た。この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA2を7.84g(40mmol)、ジアミン成分として、DA1を6.51g(32mmol)、DA3を3.26g(8mmol)を用い、NMP70.4g中、室温で24時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は14,119、重量平均分子量は39,572であった。この溶液8gにNMPを10.5g、及びBCを7.5g加え、室温で20時間攪拌し、均一なポリアミック酸溶液(PAA−4)を得た。この溶液を液晶配向処理剤とした。この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA1を13.38g(45mmol)、ジアミン成分として、DA4を3.89g(36mmol)、DA3を3.67g(9mmol)を用い、NMP83.76g中、室温で24時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液98.5gに、NMPを256.1g加えて希釈し、無水酢酸46.68gとピリジン21.71gを加え、温度40℃で3時間反応させてイミド化した。この反応溶液を室温程度まで冷却後、メタノール1480.5ml中に投入し、沈殿した固形物を回収した。さらに、この固形物をメタノールで数回洗浄した後、温度100℃で減圧乾燥して、ポリイミド(SPI−T1)の白色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は12,120、重量平均分子量は35,728であった。また、イミド化率は85%であった。このポリイミド粉末1.2gに、γBLを10.8g加え、温度50℃で24時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。この溶液12gを23℃まで冷却後、γBLを2g、及びBCを6g加え、温度50℃で20時間攪拌した。攪拌終了後、23℃まで冷却し、均一なポリイミド溶液を得た。この溶液を液晶配向処理剤とした。
この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA1を6.48g(23mmol)、CA3を5.63g(23mmol)、ジアミン成分として、DA4を3.89g(36mmol)、DA3を3.67g(9mmol)を用い、NMP78.71g中、80℃で24時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液50gに、NMPを110g加えて希釈し、無水酢酸6.45gとピリジン9.99gを加え、温度100℃で3時間反応させてイミド化した。この反応溶液を室温程度まで冷却後、メタノール617.6ml中に投入し、沈殿した固形物を回収した。さらに、この固形物をメタノールで数回洗浄した後、温度100℃で減圧乾燥して、可溶性ポリイミド(SPI−T2)の白色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は12,105、重量平均分子量は74,076であった。また、イミド化率は82%であった。このポリイミド粉末1.2gに、γBLを10.8g加え、温度50℃で24時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。この溶液12gを23℃まで冷却後、γBLを2g、及びBCを6g加え、温度50℃で20時間攪拌した。攪拌終了後、23℃まで冷却し、均一なポリイミド溶液を得た。この溶液を液晶配向処理剤とした。
この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA2を8.07g(42mmol)、ジアミン成分として、DA4を3.63g(34mmol)、DA3を3.26g(8mmol)を用い、NMP85.73g中、室温で24時間反応させポリアミック酸(PAA−T1)溶液を得た。このアミック酸の数平均分子量は26,985、重量平均分子量は66,365であった。この溶液8gにNMPを10.5g、及びBCを7.5g加え、室温で20時間攪拌し、均一なポリアミック酸溶液を得た。この溶液を液晶配向処理剤とした。
この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA1を30.03g(100mmol)、ジアミン成分として、DA4を9.73g(90mmol)、DA2を3.77g(10mmol)用い、NMP247g中、40度で3時間反応させポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液50gを、NMPにより5重量%に希釈し、さらにイミド化触媒として無水酢酸17.6g、及びピリジン8.2gを加え、40℃で3時間反応させ、可溶性ポリイミド樹脂溶液を調製した。この溶液を0.6Lのメタノール中に投入し、得られた沈殿物を濾別し、乾燥し、白色の可溶性ポリイミド(SPI−T3)を得た。この可溶性ポリイミドの分子量を測定した結果、数平均分子量は13,430、重量平均分子量は26,952であった。また、イミド化率は85%であった。このポリイミド粉末1gをγBL 11.8g、及びBC 4.8gに溶解させ、均一なポリイミド溶液を得た。この溶液を液晶配向処理剤とした。
この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA2を5.59g(29mmol)、ジアミン成分として、DA4を3.08g(28mmol)、DA5を0.571g(1.5mmol)を用い、NMP83.18g中、室温で24時間反応させポリアミック酸(PAA−T2)溶液を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は17,630、重量平均分子量は41,068であった。この溶液12gにNMPを2g、及びBCを6g加え、室温で20時間攪拌し、均一なポリアミック酸溶液を得た。この溶液を液晶配向処理剤とした。
この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA2を5.59g(29mmol)、ジアミン成分として、DA4を2.43g(23mmol)、DA5を0.571g(1.5mmol)、DA1を1.219g(6mmol)を用い、NMP83.18g中、室温で24時間反応させポリアミック酸(PAA−T3)溶液を得た。このポリアミック酸の数平均分子量は16,132、重量平均分子量は34,880であった。この溶液12gにNMPを2g、及びBCを6g加え、室温で20時間攪拌し、均一なポリアミック酸溶液を得た。この溶液を液晶配向処理剤とした。
この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA2を13.53g(69mmol)、CA4を6.54g(30mmol)、ジアミン成分として、DA10を9.62g(30mmol)、DA1を6.10g(30mmol)、DA7を4.89g(40mmol)を用いNMP162.7g、室温で24時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液35.79gに、NMPを63.91g加えて希釈し、無水酢酸5.16gとピリジン2.20gを加え、温度50℃で3時間反応させてイミド化した。
この反応溶液を室温程度まで冷却後、メタノール374.7ml中に投入し、沈殿した固形物を回収した。さらに、この固形物をメタノールで数回洗浄した後、温度100℃で減圧乾燥して、ポリイミド(SPI−T4)の白色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は13,472、重量平均分子量は35,859であった。また、イミド化率は89%であった。
このポリイミド粉末1.2gに、γBLを10.8g加え、温度50℃で24時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。この溶液12gを23℃まで冷却後、γBLを2g、及びBCを6g加え、温度50℃で20時間攪拌した。攪拌終了後、23℃まで冷却し、均一な液晶配向処理剤を得た。
このSPI−T4とSPI−4が質量比で3:7となるように混合して、本発明の液晶配向処理剤を得た。この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
テトラカルボン酸二無水物成分として、CA2を13.33g(68mmol)、CA4を6.54g(30mmol)、ジアミン成分として、DA5を3.81g(10mmol)、DA1を8.13g(40mmol)、DA6を7.64g(50mmol)を用いNMP151.7g、室温で24時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液33.38gに、NMPを59.61g加えて希釈し、無水酢酸5.26gとピリジン2.24gを加え、温度50℃で3時間反応させてイミド化した。
この反応溶液を室温程度まで冷却後、メタノール351.7ml中に投入し、沈殿した固形物を回収した。さらに、この固形物をメタノールで数回洗浄した後、温度100℃で減圧乾燥して、ポリイミド(SPI−T5)の白色粉末を得た。このポリイミドの数平均分子量は10,111、重量平均分子量は33,653であった。また、イミド化率は90%であった。
このポリイミド粉末1.2gに、γBLを10.8g加え、温度50℃で24時間攪拌した。攪拌終了時点でポリイミドは完全に溶解していた。この溶液12gを23℃まで冷却後、γBLを2g、及びBCを6g加え、温度50℃で20時間攪拌した。攪拌終了後、23℃まで冷却し、均一な液晶配向処理剤を得た。
このSPI−T5とSPI−4が質量比で3:7となるように混合して、本発明の液晶配向処理剤を得た。この液晶配向処理剤を用い、ラビング耐性、配向性及びチルト角の評価を行った。この結果を表2に示す。
なお、2008年10月22日に出願された日本特許出願2008−272410号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (9)
- ジアミン成分中の式[2]で表されるジアミンが、式[1]で表されるジアミンの1モルに対して0.1モル〜1.2モル含有する請求項1に記載の液晶配向処理剤。
- ジアミン成分が、式[1]で表されるジアミンを20モル%以上含有する請求項1又は2に記載の液晶配向処理剤。
- ジアミン成分が、式[2]で表されるジアミンを5〜60モル%含有する請求項1から請求項3のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
- 式[1]で表されるジアミン及び式[2]で表されるジアミンの、ぞれぞれの有する2つのアミノ基の位置関係がメタ位又はパラ位である請求項1から請求項4のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
- テトラカルボン酸二無水物成分が、脂環式構造又は脂肪族構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含有する請求項1から請求項5のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
- テトラカルボン酸二無水物成分が、芳香族テトラカルボン酸二無水物を含有する請求項1から請求項6のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
- 請求項1から請求項7のいずれかに記載の液晶配向処理剤を電極付き基板上に塗布、焼成し、ラビング処理して得られる液晶配向膜。
- 請求項8に記載の液晶配向膜を用いた液晶表示素子。
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