JPWO2010044419A1 - 調光方法、調光システムおよび建造物 - Google Patents

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Abstract

複数の透明シート層からなる多重シートを透過する光量を短時間で増加できる調光方法、調光システムおよび建造物を提供する。(a)多重シート10の透明シート層12間に水分を供給する工程と、(b)多重シート10の透明シート層12間を減圧にし、透明シート層12間に水分が存在する状態で透明シート層12同士を密着させることによって、多重シート10を透過する光量を、透明シート層12間に水分を供給する前よりも増加させる工程とを有する調光方法;多重シート10と、多重シート10の透明シート層12間に水分を供給する水分供給手段と、多重シート10の透明シート層12間を減圧にする減圧手段とを備えた調光システム;および、本発明の調光システムを備え、屋根および/または壁の少なくとも一部が、多重シート10で構成されている建造物。

Description

本発明は、調光方法、調光システムおよび建造物に関する。
屋根や壁が、透明シートまたは透明フィルムで構成されている建造物としては、植物栽培用ハウス、家畜舎、養殖施設、スポーツ施設等が挙げられる。該建造物においては、様々な事情から、建造物に入射する光量を調節することが求められる。たとえば、植物栽培用ハウスにおいては、植物が盛んに光合成を行う朝には、できるだけ多くの光をハウス内に入射させ、一方、昼には、ハウス内の温度上昇や植物のストレスを抑えるために、過剰な光が入射しないようにすることがある。
建造物内に入射する光量を調節できるパネル材や建造物としては、下記のものが提案されている。
(1)2枚の透明フィルムと、これらを気密に保持するフレームと、これらで囲まれた空間に接続された真空ポンプおよびエアポンプとを備えたパネル材(特許文献1参照)。
(2)屋根や壁が、複数の透明シート層からなる多重シートで構成され、該多重シートの透明シート層間に水蒸気を供給する水蒸気供給装置を備えた建造物(特許文献2参照)。
(1)のパネル材では、2枚の透明フィルム間の空間を真空ポンプで減圧にし、2枚の透明フィルムを密着させることで、2枚の透明フィルムを透過する光量を増加させている。しかし、本発明者らが追試したところ、2枚の透明フィルムを密着させる前後で、2枚の透明フィルムを透過する光量はほとんど変化しなかった。
(2)の建造物では、多重シートの透明シート層間に水蒸気を供給することによって、透明シート層の表面に結露を発生させ、多重シートを透過する光量を低下させている。しかし、透明シート層の表面に発生した結露は容易には除去できないため、多重シートを透過する光量を、透明シート層間に水蒸気を供給する前のレベルに戻そうとしても、短時間で戻すことができない。また、多重シートを透過する光量を、透明シート層間に水蒸気を供給する前のレベル以上に増加させることはできない。
米国特許第4773190号明細書 特開2007−319138号公報
本発明の目的は、複数の透明シート層からなる多重シートを透過する光量を短時間で増加できる調光方法、調光システムおよび該調光システムを備えた建造物を提供することである。
さらに、本発明の目的は、複数の透明シート層からなる多重シートを透過する光量を低下でき、その後、多重シートを透過する光量を、光量を低下させる前のレベル以上にまで、短時間で増加できる調光方法、調光システムおよび該調光システムを備えた建造物を提供することである。
本発明の調光方法は、対向配置された複数の透明シート層からなる多重シートを透過する光量を調節する調光方法であって、(a)前記多重シートの透明シート層間に水分を供給する工程と、(b)工程(a)の後、前記多重シートの透明シート層間を減圧にし、該透明シート層間に水分が存在する状態で該透明シート層同士を密着させる工程とを有することを特徴とする。
本発明の調光方法においては、前記工程(a)が、(a1)前記多重シートの透明シート層間に水蒸気および/またはミストを供給し、前記透明シート層の対向面に結露を発生させる工程であり、前記工程(b)が、(b1)工程(a1)の後、前記多重シートの透明シート層間を減圧にし、該透明シート層間に水蒸気および/またはミストに由来する水分が存在する状態で、該透明シート層同士を密着させる工程であることが好ましい。
本発明の調光方法は、屋根および/または壁の少なくとも一部が、前記多重シートで構成されている建造物にて、前記多重シートを透過する光量を調整する方法であることが好ましい。
前記透明シート層の材料は、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記す。)、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、またはポリカーボネートであることが好ましい。
さらに、フッ素樹脂としては、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、ETFEと記す。)、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、FEPと記す。)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(以下、THVと記す。)、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、またはポリフッ化ビニルが好ましい。
また、前記透明シート層の全光線透過率は、80%以上であることが好ましい。
本発明の調光システムは、対向配置された複数の透明シート層からなる多重シートを透過する光量を調節する調光システムであって、前記多重シートと、前記多重シートの透明シート層間に水分を供給する水分供給手段と、前記多重シートの透明シート層間を減圧にする減圧手段とを備えたことを特徴とする。
前記水分供給手段は、水蒸気を供給する水蒸気供給手段、またはミストを供給するミスト供給手段であることが好ましい。
本発明の調光システムで用いられる透明シート層の材料、およびフッ素樹脂は、前記調光方法のものと同様のものが好ましく、透明シート層の全光線透過率も前記と同様であることが好ましい。
本発明の建造物は、本発明の調光システムを備えた建造物であって、屋根および/または壁の少なくとも一部が、前記多重シートで構成されていることを特徴とする。
本発明の調光方法によれば、複数の透明シート層からなる多重シートを透過する光量を短時間で増加できる。
また、本発明の調光方法において、多重シートの透明シート層間に水蒸気および/またはミストを供給すれば、多重シートを透過する光量を低下でき、その後、多重シートを透過する光量を、光量を低下させる前のレベル以上にまで、短時間で増加できる。
本発明の調光システムによれば、複数の透明シート層からなる多重シートを透過する光量を短時間で増加できる。
また、本発明の調光システムにおいて、多重シートの透明シート層間に水分を供給する手段を水蒸気および/またはミストを供給する手段とすれば、多重シートを透過する光量を低下でき、その後、多重シートを透過する光量を、光量を低下させる前のレベル以上にまで、短時間で増加できる。
本発明の建造物によれば、建造物に入射する光量を短時間で増加できる。
また、本発明の建造物において、多重シートの透明シート層間に水分を供給する手段を水蒸気および/またはミストを供給する手段とすれば、建造物に入射する光量を低下でき、その後、光量を低下させる前のレベル以上にまで、建造物に入射する光量を短時間で増加できる。
かくして、本発明の調光方法、調光システム、および本発明の調光システムを備えた建造物は、植物栽培用ハウスのような屋根や壁が透明シートまたは透明フィルムで構成されている建造物に有用である。
本発明の調光システムの一例を示す断面図である。 本発明の調光システムの他の例を示す断面図である。 本発明の建造物の一例を示す斜視および断面図である。 本発明の建造物の他の例を示す斜視および断面図である。 例1〜3における照度の比較率を示すグラフである。 例4における照度の比較率の時間変化を示すグラフである。
本明細書における「シート」には、比較的薄い「フィルム」と呼ばれるものも包含される。
本明細書における「対向配置」とは、透明シート層の表面に直交する方向から見たとき、それぞれの透明シート層が重なるように配置され、透明シート層間の一部または全部が、密着されていない状態にあることを意味する。該透明シート層間は、気体(空気等。)が供給された際に空間を形成できればよく、気体の供給前において、透明シート層間に視認できる隙間がなくてもよい。
本明細書における「屋根および/または壁の少なくとも一部」には、屋根または壁に設けられた窓も包含される。
(調光システム)
図1は、本発明の調光システムの一例を示す断面図である。調光システム1は、対向配置された2つの透明シート層12からなり、一方の透明シート層12に給気口14、第1の排気口16および第2の排気口18が設けられた多重シート10と、2つの透明シート層12の周縁を気密に保持する枠材20と、多重シート10の透明シート層12間に水蒸気を供給する水蒸気供給手段30(水分供給手段)と、多重シート10の透明シート層12間を減圧にする減圧手段40とを備えたものである。
水蒸気供給手段30は、水蒸気発生装置32と、水蒸気発生装置32と多重シート10の給気口14とを接続する給気流路34と、給気流路34の途中に設けられた送風機36とを備えたものである。水蒸気発生装置としては、たとえば、加熱器(ヒーター等。)と水浴とを備えたもの、市販の加湿器等が挙げられる。
減圧手段40は、一端が多重シート10の第1の排気口16に接続された排気流路42と、排気流路42の途中に設けられた真空ポンプ44とを備えたものである。
透明シート層12は、光を透過する材料からなるものであればよい。該材料としては、たとえば、透明樹脂が挙げられる。また、透明シート層12の少なくとも一方が透明樹脂からなる可とう性のシートであれば、他方をガラス板または樹脂板としてもよい。
透明樹脂としては、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記す。)、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、透明性、機械的強度、耐候性、耐紫外線性、耐熱性、溶着性等の点から、フッ素樹脂が好ましい。
フッ素樹脂としては、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、ETFEと記す。)、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、FEPと記す。)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(以下、THVと記す。)、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル等が挙げられ、透明性、機械的強度、耐熱性等の点から、ETFE、FEP、またはTHVが好ましく、ETFEが特に好ましい。
透明樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の添加剤等を含んでいてもよい。
透明シート層12は、単層シートであってもよく、積層シートであってもよい。積層シートとしては、たとえば、ポリエチレン層と、EVA層と、ポリエチレン層とがこの順に積層された3層シートが挙げられる。
透明シート層12は、表面処理が施されたものであってもよい。表面処理としては、親水化処理、防汚処理、撥水処理等が挙げられる。
親水化処理の方法としては、透明シート層12の表面に親水化剤(無機質コロイド、親水性樹脂、金属酸化物等。)を塗布する方法、透明シート層12の表面に金属(ケイ素、スズ、チタン等。)の酸化物をスパッタリングする方法等が挙げられる。
多重シート10の内側で透明シート層12同士が向かい合っている面(すなわち、透明シート層12の対向面)の双方が親水化処理された面であってもよく、対向面の片方が親水化処理された面であってもよく、対向面の双方が親水化処理されていない面であってもよい。
透明樹脂からなる透明シート層12の厚さは、透明性、加工性等の点から、800μm以下が好ましく、700μm以下がより好ましい。また、機械的強度等の点から、20μm以上が好ましく、40μm以上がより好ましい。
ガラスからなる透明シート層12の厚さは、3mm〜10mmが好ましい。
透明シート層12の全光線透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。全光線透過率が70%以上であると、植物の光合成に必要な光を確保しやすい。透明シート層12の全光線透過率の上限は、特に制限されない。
透明シート層12の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定に準拠して測定される。
多重シート10の全光線透過率は、多重シートを透過する光量を多くしたい場合には、80%以上となるように調整するのが好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。一方、多重シートを透過する光量を少なくしたい場合には、50〜80%となるように調整してもよい。
以上説明した調光システム1にあっては、多重シート10の透明シート層12間に水蒸気を供給する水蒸気供給手段30を備えているため、透明シート層12の対向面に結露を発生させ、多重シート10を透過する光量を、透明シート層12間に水蒸気を供給する前よりも低下させることができる。
また、多重シート10の透明シート層12間を減圧にする減圧手段40を備えているため、多重シート10の透明シート層12間を減圧にし、透明シート層12間に水蒸気に由来する水分が存在する状態で透明シート層12同士を密着させることによって、多重シート10を透過する光量を、透明シート層12間に水蒸気を供給する前のレベル以上にまで、短時間で増加させることができる。
なお、本発明の調光システムは、対向配置された複数の透明シート層からなる多重シートと、多重シートの透明シート層間に水分を供給する水分供給手段と、多重シートの透明シート層間を減圧にする減圧手段とを備えたものであればよく、図1に示す調光システム1に限定はされない。
たとえば、多重シート10は、図2に示す調光システム2のように、2つの透明シート層12の周縁に枠材を設けることなく、2つの透明シート層12の周縁をヒートシールした袋状のものであってもよい。また、袋状の多重シートは、1枚の透明シートを半分に折りたたみ、3辺をヒートシールして2つの透明シート層からなる多重シートとしたものであってもよく、筒状の透明シートの両端の開口をヒートシールして2つの透明シート層からなる多重シートとしたものであってもよい。
また、給気口と排気口を一つにまとめて給排気口とし、該給排気口に水分供給手段と減圧手段とを切り替え可能に接続してもよい。
また、複数の多重シートを、該多重シート間を連通手段(連通パイプ、連通スリット等。)で連通状態にして並設し、かつ該多重シートの少なくとも一つに給気口を設けて水分供給手段を接続し、該多重シートの少なくとも一つに排気口を設けて減圧手段を接続するようにしてもよい。
また、透明シート層の数は、2に限定はされず、3以上であってもよい。光線透過率、コスト等の点から、2〜5が好ましく、2〜3が特に好ましい。
また、水分供給手段は、図1に示す水蒸気供給手段30に限定はされず、ミスト発生装置と給気流路と送風機とを備えたミスト供給手段であってもよく、水槽と送液ポンプとを備えた流水供給手段であってもよい。ミスト供給手段を備えることによって、水蒸気供給手段30を備えた場合と同様に、透明シート層12の対向面に結露を発生させ、多重シート10を透過する光量を、透明シート層12間にミストを供給する前よりも低下させることができる。一方、流水供給手段を備えた場合、水蒸気供給手段30やミスト供給手段を備えた場合のように、多重シート10を透過する光量を、透明シート層12間に流水を供給する前よりも充分に低下させることはできない。
(調光方法)
本発明の調光方法は、下記の工程(a)〜(c)を有する方法である。
(a)対向配置された複数の透明シート層からなる多重シートの透明シート層間に水分を供給する工程。
(b)工程(a)の後、多重シートの透明シート層間を減圧にし、該透明シート層間に水分が存在する状態で該透明シート層同士を密着させることによって、多重シートを透過する光量を、透明シート層間に水分を供給する前よりも増加させる工程。
(c)工程(b)の後、必要に応じて、透明シート層間に気体の層を形成することによって、多重シートを透過する光量を、透明シート層間に水分を供給する前のレベルに戻す工程。
工程(a):
通常状態の多重シートにおいては、断熱等の目的から、透明シート層間に気体の層が形成されている。多重シートが、図1に示すように、枠材20によって、2つの透明シート層12が所定の間隔で平行に保持されている場合、透明シート層12間を加圧することなく、透明シート層12間に気体の層が形成される。一方、多重シートが、図2に示すように、袋状のものの場合、透明シート層12間を送風機36で加圧することによって、透明シート層12間に気体の層が形成される。
透明シート層間に気体の層が形成されている状態で、透明シート層間に水分を供給すると、多重シートの内側で透明シート層同士が向かい合っている面(すなわち、透明シート層の対向面)の少なくとも一方が水分で濡らされる。
水分は、透明シート層の表面を濡らすことができるものであればよい。該水分としては、水(流水)、水蒸気、ミスト等が挙げられる。なお、水分として水蒸気および/またはミストを供給した場合、下記の理由から、遮光効果や遮熱効果も期待できる。
水分として水蒸気および/またはミストを供給した場合、透明シート層の対向面の少なくとも一方に結露が生じる。また、水蒸気および/またはミストは、これらを含む気体として供給されるため、水蒸気および/またはミストを含む気体が供給されると同時に、透明シート層間の気体が透明シート層に設けられた排気口から追い出される。
透明シート層の対向面に発生した結露は、光を反射、散乱させるため、遮光効果を発揮できる。よって、多重シートを透過する光量を、透明シート層間に水蒸気および/またはミストを供給する前よりも低下させることができる。また、透明シート層の対向面に発生した結露は、赤外線を吸収するため、遮熱効果も発揮できる。一方、水分として流水を供給した場合、遮光効果はほとんど期待できない。
工程(b):
透明シート層の対向面の少なくとも一方が水分で濡らされた状態で、多重シートの透明シート層間を減圧にする。これにより、該透明シート層間に水分が存在する状態で該透明シート層同士が密着することになる。該透明シート層間に水分が存在する状態で該透明シート層同士が密着した場合、透明シート層間に気体が存在しない状態で見かけ上1枚のシートのごとく一体化するため、該透明シート層間に気体の層が形成されている状態や、該透明シート層間に水分が存在しない状態で該透明シート層同士が密着した場合に比べ、光線透過率が高くなる。よって、多重シートを透過する光量が、透明シート層間に水分を供給する前よりも増加する。
工程(c):
多重シートが、図1に示すように、枠材20によって、2つの透明シート層12が所定の間隔で平行に保持されている場合、減圧手段40を停止し、必要に応じて透明シート層12間を送風機36で加圧することによって、透明シート層12間に気体の層が形成される。多重シートが、図2に示すように、袋状のものの場合、減圧手段40を停止し、ついで透明シート層12間を送風機36で加圧することによって、透明シート層12間に気体の層が形成される。透明シート層間に存在していた水分は、給気口、排気口、または必要に応じて設けられた透水性シート(たとえば、特開2005−204650号公報に開示される。)から排水される。透明シート層12間に気体の層が形成されることにより、多重シートを透過する光量を、透明シート層間に水分を供給する前のレベルに戻すことができる。
以上説明した本発明の調光方法にあっては、多重シートの透明シート層間に水分を供給した後、多重シートの透明シート層間を減圧にし、該透明シート層間に水分が存在する状態で該透明シート層同士を密着させているため、多重シートを透過する光量を、透明シート層間に水分を供給する前のレベル以上にまで、短時間で増加させることができる。
(調光方法の具体例)
つぎに、調光システム1を用いた調光方法について、具体的に説明する。
調光システム1を用いた調光方法は、下記工程(a1)〜(c1)を有する。
(a1)多重シート10の透明シート層12間に水蒸気および/またはミストを供給し、透明シート層12の対向面に結露を発生させることによって、多重シート10を透過する光量を、透明シート層12間に水蒸気および/またはミストを供給する前よりも低下させる工程。
(b1)工程(a1)の後、多重シート10の透明シート層12間を減圧にし、透明シート層12間に水蒸気および/またはミストに由来する水分が存在する状態で透明シート層12同士を密着させることによって、多重シート10を透過する光量を、透明シート層12間に水蒸気および/またはミストを供給する前よりも増加させる工程。
(c1)工程(b)の後、必要に応じて、透明シート層間に気体の層を形成することによって、多重シートを透過する光量を、透明シート層間に水蒸気を供給する前のレベルに戻す工程。
工程(a1):
通常状態の多重シート10においては、断熱等の目的から、透明シート層12間に気体の層が形成されている。
透明シート層12間に気体の層が形成されている状態で、水蒸気発生装置32および送風機36を作動させ、水蒸気発生装置32から発生した水蒸気(および該水蒸気の一部が凝集したミスト)を含む気体を、給気流路34経由で給気口14から多重シート10の透明シート層12間に供給すると、透明シート層12間の気体が第2の排気口18から追い出され、その後、透明シート層12間が水蒸気を含む気体で満たされて、透明シート層12の対向面の少なくとも一方に結露が生じる。
透明シート層12の対向面に発生した結露は、光を反射、散乱させるため、遮光効果を発揮できる。よって、多重シート10を透過する光量を、透明シート層12間に水蒸気を供給する前よりも低下させることができる。また、透明シート層12の対向面に発生した結露は、赤外線を吸収するため、遮熱効果も発揮できる。
工程(b1):
透明シート層12の対向面の少なくとも一方に結露が発生した状態で、水蒸気発生装置32および送風機36を停止し、ついで減圧手段40を作動させ、第1の排気口16から透明シート層12間の気体を排気し、透明シート層12間を減圧にする。これにより、透明シート層12間に水分が存在する状態で透明シート層12同士が密着し、多重シート10を透過する光量が、透明シート層12間に水蒸気を供給する前よりも増加する。
工程(c1):
減圧手段40を停止すると、透明シート層12間を加圧することなく、透明シート層12間に気体の層が形成される。透明シート層12間に存在していた水分は、給気口14、第1の排気口16、第2の排気口18、または必要に応じて設けられた透水性シートから排水される。透明シート層12間に気体の層が形成されることにより、多重シート10を透過する光量を、透明シート層12間に水蒸気を供給する前のレベルに戻すことができる。
以上説明した調光システム1を用いた調光方法にあっては、多重シート10の透明シート層12間に水蒸気を供給し、透明シート層12の対向面に結露を発生させているため、多重シート10を透過する光量を、透明シート層12間に水蒸気を供給する前よりも低下させることができる。
また、多重シート10の透明シート層12間を減圧にし、透明シート層12間に水蒸気に由来する水分が存在する状態で透明シート層12同士を密着させているため、多重シート10を透過する光量を、透明シート層12間に水蒸気を供給する前のレベル以上にまで、増加させることができる。
(建造物)
本発明の建造物は、本発明の調光システムを備えた建造物であって、屋根および/または壁の少なくとも一部が、多重シートで構成されているものである。
建造物としては、植物栽培用ハウス(農業用ハウス、園芸用ハウス等。)、家畜舎(牛舎、養豚場、養鶏場等。)、魚等の養殖施設、スポーツ施設(体育館、プール、テニスコート、サッカー場、野球場等。)等が挙げられ、光、温度等の室内環境の調節が重要とされる点から、植物栽培用ハウスが好ましい。
図3は、農業用ハウスの一例を示す斜視および断面図である。農業用ハウス50は、上述の調光システム1を備え、屋根および壁が、調光システム1の多重シート10で構成されているものである。該農業用ハウス50は、農業用ハウス50の骨格をなす、土台52、柱54、桁56、垂木58、棟木60、梁62等と、該土台52、柱54、桁56、垂木58、棟木60等に一体に設けられた枠材(図示略)と、該枠材に周縁が気密に保持された2つの透明シート層12からなる多重シート10と、多重シート10の透明シート層12間に水蒸気を供給する水蒸気供給手段30(水分供給手段)と、多重シート10の透明シート層12間を減圧にする減圧手段40とを備えたものである。
水蒸気供給手段30は、水蒸気発生装置32と、水蒸気発生装置32と多重シート10の給気口14とを接続する給気流路34と、給気流路34の途中に設けられた送風機36とを備えたものである。
減圧手段40は、一端が多重シート10の第1の排気口16に接続された排気流路42と、排気流路42の途中に設けられた真空ポンプ44とを備えたものである。
農業用ハウス50の骨格をなす、土台52、柱54、桁56、垂木58、棟木60、梁62等としては、金属製のパイプ、金属製の型材(アングル材、角材等。)等が挙げられる。これらは、緊結金具(直交クランプ、自在クランプ等。)で連結されている。
多重シート10間に存在する柱54、桁56、垂木58、棟木60等には、多重シート10間を連通状態にする連通パイプ、連通スリット等の連通手段(図示略)が設けられていることが好ましい。多重シート10間を連通状態にすることにより、透明シート層12に設ける給気口14、第1の排気口16ならびに第2の排気口(図示略)の数、および水蒸気供給手段30ならびに減圧手段40の数を最小限に抑えることができる。
農業用ハウス50における調光方法は、上述した調光システム1を用いた調光方法と同様に行えばよい。
以上説明した農業用ハウス50にあっては、屋根および壁を構成する多重シート10の透明シート層12間に水蒸気を供給する水蒸気供給手段30を備えているため、透明シート層12の対向面に結露を発生させ、多重シート10を透過する光量を、透明シート層12間に水蒸気を供給する前よりも低下させることができる。その結果、農業用ハウス50に入射する光量を低下できる。
また、多重シート10の透明シート層12間を減圧にする減圧手段40を備えているため、多重シート10の透明シート層12間を減圧にし、透明シート層12間に水蒸気に由来する水分が存在する状態で透明シート層12同士を密着させることによって、多重シート10を透過する光量を、透明シート層12間に水蒸気を供給する前のレベル以上にまで、短時間で増加させることができる。その結果、農業用ハウス50に入射する光量を短時間で増加できる。
なお、本発明の建造物は、本発明の調光システムを備えた建造物であって、屋根および/または壁の少なくとも一部が、本発明の調光システムの多重シートで構成されているものであればよく、図3に示す農業用ハウス50に限定はされない。
たとえば、図4に示す農業用ハウス51のように、調光システム1の代わりに上述の調光システム2を備えたものであってもよい。
また、図4に示すように給気口14と第1の排気口16を一つにまとめて給排気口とし、該給排気口に水蒸気供給手段30と減圧手段40とを切り替え可能に接続してもよい。
また、屋根の形状は、断面半円状のものであってもよい。また、農業用ハウスの形状は、屋根および壁が一体化された断面半円状のものであってもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されない。
(全光線透過率)
透明シート層の全光線透過率は、JIS K7361−1に準拠して測定した。
(照度の比較率)
多重フィルムの光源側で測定された照度Xと、多重フィルムを挟んで光源とは反対側で測定された照度Yとから、下式より比較率を求めた。
比較率(%)=Y/X×100。
〔例1〕
例1〜3における照度の測定は、温度:25℃、相対湿度(以下、RHと記す。):33%、外光が遮断された室内にて行った。
片面が親水化処理されたETFEフィルム(A)(旭硝子社製、エフクリーン100WT、厚さ:100μm、縦:1250mm、横:1250mm、全光線透過率:93〜94%)および親水化処理されていないETFEフィルム(B)(旭硝子社製、エフクリーン100NT、厚さ:100μm、縦1250mm、横1250mm、全光線透過率:93〜94%)を用意した。
なお、親水化処理は、親水化剤(金属酸化物タイプ)を塗布する方法により行なった。
ETFEフィルム(A)の横方向のほぼ中央付近で、かつ縦方向の下端付近に給排気口(C)を1箇所設け、ETFEフィルム(A)の横方向のほぼ中央付近で、かつ縦方向の上端付近に排気口(D)を1箇所設けた。
ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)とを、ETFEフィルム(A)の親水化処理された面が内側となるように重ね、これらフィルムの周縁を、受け部材と抑え部材とからなる枠材(縦:1150mm、横:1150mm)で気密に挟持し、多重フィルムを作製した。
多重フィルムのETFEフィルム(A)側に、光源ランプ(東芝ライテック社製、反射型陽光ランプDR400/T(L))を設置した。また、多重フィルムのETFEフィルム(B)側に、照度計(英弘精機社製、MS−720、分光放射計)を設置した。光源ランプおよび照度計は、光源ランプの発光部と照度計のセンサ部とを結ぶ直線が、多重フィルムの表面に対して直交するように、かつ多重フィルムの中心を通るように設置した。また、光源ランプの発光部と多重フィルムとの距離は450mmとし、照度計のセンサ部と多重フィルムとの距離は320mmとした。
ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)とが単に重なった状態にて、多重フィルムの光源側と、多重フィルムを挟んで光源とは反対側とで照度を測定し、比較率を求めた。結果を図5に示す。
〔例2〕
ついで、給排気口(C)に、チューブ(塩化ビニル樹脂、内径:25mm)の一端を接続し、該チューブの他端を、真空掃除機(ニクロン工業社製、NC−103、100V、1050W)に接続した。
真空掃除機を作動させ、ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)との間を減圧にし、ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)とを密着させた。
ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)とが密着した状態にて、多重フィルムの光源側と、多重フィルムを挟んで光源とは反対側とで照度を測定し、比較率を求めた。結果を図5に示す。
〔例3〕
ついで、前記チューブの他端を、送風機(淀川電気製作所社製、ELECTRIC BLOWER、サイズ:30φ、50/60Hz、55/51W)に繋ぎかえた。また、ITコンロ(日立製作所社製、MH−B1、100V、1350W)上に設置された水浴を、透明樹脂製の筐体内に入れ、該筐体と送風機とを連結した。
送風機を作動させ、ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)との間に水蒸気を含む空気を供給し、多重シートの内側の表面に結露を発生させた。
ついで、前記チューブの他端を、真空掃除機(ニクロン工業社製、NC−103、100V、1050W)に繋ぎかえた。
真空掃除機を作動させ、ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)との間を減圧にし、ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)との間に水分が存在する状態でETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)とを密着させた。
ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)とが水の薄膜を介して密着した状態にて、多重フィルムの光源側と、多重フィルムを挟んで光源とは反対側とで照度を測定し、比較率を求めた。結果を図5に示す。
図5の結果から明らかなように、多重フィルムを透過する光量は、ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)とが乾燥して密着した状態(例2)では、ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)とが単に重なった状態(例1)とほとんど変わらなかった。一方、ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)とが水の薄膜を介して密着した状態(例3)では、例1および例2よりも、多重フィルムを透過する光量が増加していた。
〔例4〕
例4における照度の測定は、平成20年9月の天候が晴れの日に屋外にて行った。
例1と同様にして、ETFEフィルム(A)およびETFEフィルム(B)の周縁が受け部材と抑え部材とからなる枠材で気密に挟持された多重フィルムを作製した。多重フィルムの表面が真南に向くように、かつ傾斜角度45゜となるよう屋外に設置した。また、多重フィルムのETFEフィルム(B)側に、照度計(英弘精機社製、MS−720、分光放射計)を設置した。照度計のセンサ部と多重フィルムとの距離は300mmとした。
給排気口(C)に、チューブ(塩化ビニル樹脂、内径:25mm)の一端を接続し、該チューブの他端を、送風機(淀川電気製作所社製、ELECTRIC BLOWER、サイズ:30φ、50/60Hz、55/51W)に接続した。また、ITコンロ(日立製作所社製、MH−B1、100V、1350W)上に設置された水浴を、透明樹脂製の筐体内に入れ、該筐体と送風機とを連結した。
送風機を作動させ、ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)との間に水蒸気を含む空気を供給した。多重フィルムの太陽側と、多重フィルムを挟んで太陽とは反対側とで照度の時間変化を測定し、比較率を求めた。結果を図6に示す。多重シートの内側の表面に発生する結露が増えるにしたがって、多重シートを透過する光量が減少した。
水蒸気を含む空気の供給開始から約12分後、前記チューブの他端を、真空掃除機(ニクロン工業社製、NC−103、100V、1050W)に繋ぎかえた。
真空掃除機を作動させ、ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)との間を減圧にした。多重フィルムの太陽側と、多重フィルムを挟んで太陽とは反対側とで照度の時間変化を測定し、比較率を求めた。結果を図6に示す。減圧開始直後にETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)とが水の薄膜を介して密着した状態となり、多重フィルムを透過する光量が短時間で増加した。また、そのときの多重シートを透過する光量は、水蒸気を含む空気の供給開始前のレベルを上回るものであった。
〔例5〕
例5における照度の測定は、温度:25℃、RH:33%、外光が遮断された室内にて行った。
例1と同様にして、ETFEフィルム(A)およびETFEフィルム(B)の周縁が受け部材と抑え部材とからなる枠材で気密に挟持された多重フィルムを作製した。
多重フィルムのETFEフィルム(A)側に、光源ランプ(松下電器産業社製、ナショナル ハイランプ300W型)を設置した。また、多重フィルムのETFEフィルム(B)側に、照度計(東京光電社製、ANA−F11、一般A級照度計)を設置した。光源ランプおよび照度計は、光源ランプの発光部と照度計のセンサ部とを結ぶ直線が、多重フィルムの表面に対して直交するように、かつ多重フィルムの中心を通るように設置した。また、光源ランプの発光部と多重フィルムとの距離は450mmとし、照度計のセンサ部と多重フィルムとの距離は320mmとした。
給排気口(C)に、チューブ(塩化ビニル樹脂、内径:25mm)の一端を接続し、該チューブの他端を、送風機(淀川電気製作所社製、ELECTRIC BLOWER、サイズ:30φ、50/60Hz、55/51W)に接続した。また、ITコンロ(日立製作所社製、MH−B1、100V、1350W)上に設置された水浴を、透明樹脂製の筐体内に入れ、該筐体と送風機とを連結した。真空掃除機(ニクロン工業社製、NC−103、100V、1050W)に連結した。
送風機を作動させ、ETFEフィルム(A)とETFEフィルム(B)との間に水蒸気を含む空気を供給し、多重シートの内側の表面に結露を発生させた。多重フィルムを挟んで光源とは反対側で照度の時間変化を測定した。
水蒸気を含む空気の供給開始から4分後、水蒸気を含む空気を、室内の空気に切り替え、多重フィルムを挟んで光源とは反対側で照度の時間変化を測定した。多重シートの内側の表面の結露がしだいに除去されたが、水蒸気を含む空気を供給する前の照度に戻ったのは、室内の空気に切り替えてから約20分たってからであった。
本発明の調光システムおよび調光方法は、屋根や壁が透明シートまたは透明フィルムで構成されている建造物に入射する光量の調節に有用であり、光、温度等の室内環境の調節が重要とされる植物栽培用ハウスなどに利用される。

なお、2008年10月14日に出願された日本特許出願2008−264753号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
1 調光システム
2 調光システム
10 多重シート
12 透明シート層
30 水蒸気供給手段(水分供給手段)
40 減圧手段
50 農業用ハウス
51 農業用ハウス

Claims (9)

  1. 対向配置された複数の透明シート層からなる多重シートを透過する光量を調節する調光方法であって、
    (a)前記多重シートの透明シート層間に水分を供給する工程と、
    (b)工程(a)の後、前記多重シートの透明シート層間を減圧にし、該透明シート層間に水分が存在する状態で該透明シート層同士を密着させる工程と
    を有する、調光方法。
  2. 前記透明シート層の材料が、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、またはポリカーボネートである請求項1に記載の調光方法。
  3. 前記フッ素樹脂が、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、またはポリフッ化ビニルである請求項2に記載の調光方法。
  4. 前記透明シート層の全光線透過率が、80%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の調光方法。
  5. 前記工程(a)が、前記多重シートの透明シート層間に水蒸気および/またはミストを供給し、前記透明シート層の対向面に結露を発生させる工程(a1)であり、
    前記工程(b)が、工程(a1)の後、前記多重シートの透明シート層間を減圧にし、該透明シート層間に水蒸気および/またはミストに由来する水分が存在する状態で該透明シート層同士を密着させる工程(b1)である、請求項1〜4のいずれかにに記載の調光方法。
  6. 屋根および/または壁の少なくとも一部が、前記多重シートで構成されている建造物において、前記多重シートを透過する光量を調整する、請求項1〜5のいずれかに記載の調光方法。
  7. 対向配置された複数の透明シート層からなる多重シートを透過する光量を調節する調光システムであって、
    前記多重シートと、
    前記多重シートの透明シート層間に水分を供給する水分供給手段と、
    前記多重シートの透明シート層間を減圧にする減圧手段と
    を備えた、調光システム。
  8. 前記水分供給手段が、水蒸気を供給する水蒸気供給手段、またはミストを供給するミスト供給手段である、請求項7に記載の調光システム。
  9. 請求項7または8に記載の調光システムを備えた建造物であって、屋根および/または壁の少なくとも一部が、対向配置された複数の前記多重シートで構成されている、建造物。
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