JPWO2010016462A1 - グリセリンからのグリコール及び1−プロパノールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

グリセリンからグリコールを製造する方法であって、銅を成分として含有する触媒を用い、大気圧下又は加圧下、水素共存下で反応させることを特徴とする、グリコール製造方法、及び該製造方法を一工程として含む、1−プロパノールの製造方法。

Description

本発明は、グリコールの製造方法に関し、隣接する水酸基を持つグリセリンを原料とし、銅を主成分とした触媒を用い、大気圧下又は加圧下で水素を共存させて反応させ、グリコールを製造する方法に関する。また、本発明は、該グリコールを製造する方法を一工程として含む1−プロパノールを製造する方法に関する。
プロピレングリコールに代表されるグリコール類はポリエステル原料、有機溶媒、反応中間体などとして用いられ化学工業上非常に重要な物質である。現在のプロピレングリコールの工業的製造法は、プロピレンオキサイドの水和による方法が主として行われている。しかし、プロピレンオキサイドの原料であるプロピレンはナフサを主原料とした化石資源由来の化合物であり、昨今の地球温暖化対策が求められる環境問題に対応した製造方法であるとは言えない。
近年、グリセリンの脱水反応によりアセトール(ヒドロキシアセトン)を製造する方法(特許文献1)や、アセトールを経由しグリコールを製造する方法(特許文献2)が開示されているが、これらの製造方法は反応が2段階であるため工業的には効率的でない。一方、グリセリンから直接プロピレングリコールを、触媒および水素共存下で製造する方法はこれまでにもすでに報告されている(非特許文献1)が、当該方法は反応圧力が高く反応装置が耐圧装置である必要があることから工業的には設備投資が増大するという問題点を有していた。また、同様に水素共存下でグリセリンから直接プロピレングリコールを合成する方法が開示されているが(特許文献3、4)、比較的高い圧力下で行われており工業的に好ましくなく、更にプロピレングリコールの選択率が満足のいくものではない。他方、大気圧下での反応を行う方法も開示されているが(非特許文献2)、同様にプロピレングリコールの選択率は思わしくない。
一方、1−プロパノールは有機溶剤、エステル原料、化成品中間体、医薬品中間体製造用溶媒などとして用いられ、化学工業上重要な物質であるが、これまで低コストで、効率的な製造方法が見つけられていなかった。従来、1−プロパノールは、エチレンのヒドロホルミル化反応によるプロピオンアルデヒドの水添によって得るか(非特許文献3)、あるいは酢酸とプロピレンとの反応から得られるアリルアルコールの水添により得るのが一般的であった(特許文献5)。しかしながら、ヒドロホルミル化反応装置は加圧反応装置でありその建設には大きな設備投資が必要であり、アリルアルコールの原料である酢酸は装置に対する腐食が大きく、耐食性を持たせた設備にはこれも大きな投資が必要であるという問題を有していた。更にこれらの製造方法における原料物質はいずれも化石資源である石油を原料としているため製品の最終形態は二酸化炭素となり近年特に問題となっている地球の気候変動に与える要因の一つとなっている。
これについて、再生可能エネルギーとして近年注目を浴びているBDF(Bio Diesel Fuel)は油脂である動植物油をメタノールと触媒によりメチルエステル(FAME)にエステル交換して製造されるが、その際多量にグリセリンが副生する。現在この副生グリセリンを有効利用する決定的な手段は見つかっておらず、資源の有効利用という観点から非常に大きな問題であり、当該グリセリンを有効利用する方法が求められている。
特開平5−255157号公報 米国特許第5426249号明細書 国際公開第2007/053705号パンフレット 特開2007−283175号公報 特許第2662965号公報
Applied Catalysis A 281 2005 225−231 Journal of Chemical Tecnology and Biotecnology 2008,DOI:10.1002/jctb Industrial Organic Chemistry, Wiley, 4th edition p.131
本発明の第一の課題は、上記従来の技術課題を解決することであり、大気圧下、又は加圧下において高い選択率でグリセリンからグリコールを製造する方法を提供することである。また、本発明の第二の課題は、グリセリンの再生利用方法として1−プロパノールを高効率で製造する方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、銅を主成分とする触媒を用い反応条件を詳細に検討することにより、大気圧下、又は加圧下においても高い選択率でグリセリンからグリコールを製造する方法を見いだし、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、グリセリンから製造したグリコール、例えば1,2−プロパンジオールについて、ヘテロポリ酸あるいはヘテロポリ酸および触媒担体複合体を触媒として用いると、1,2−プロパンジオールの脱水反応により隣接する水酸基を持つ水酸基の二級水酸基を選択的に脱水し、エノール体となったものが反応系内で互変異性によりカルボニル体(低級飽和アルデヒド)を生成することを見いだした。
そして、本発明者らはこのような知見に基づき鋭意検討の結果、上記のグリセリンからグリコール、具体的には1,2−プロパンジオールを製造する方法を第一の工程とし、第一の工程で製造された1,2−プロパンジオールをプロパナールに転化する第二の工程と、該プロパナールを1−プロパノールに転化する第三の工程とを含む1−プロパノールの製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のグリコール製造方法は、以下の項(1)から(13)で定義される。
(1) グリセリンからグリコールを製造する方法であって、銅を成分として含有する触媒を用い、大気圧下又は加圧下、水素共存下で反応させることを特徴とする、グリコール製造方法。
(2)前記反応が大気圧下で行われる(1)に記載の製造方法。
(3) 反応に供給される原料モル数に対する反応に供給される水素のモル数の比が、150から500である(2)に記載の製造方法。
(4) 反応器内に供給される原料モル数に対する反応器内に供給される水素のモル数の比が、150から400である(2)に記載の製造方法。
(5) 反応器内に供給される原料モル数に対する反応器内に供給される水素のモル数の比が、150から300である(2)に記載の製造方法。
(6) 前記反応が加圧下で行われる(1)に記載の製造方法。
(7) 反応に供給される原料モル数に対する反応に供給される水素のモル数の比が、20から30である(6)に記載の製造方法。
(8) グリセリンが脱水されアセトールが生成される第一段反応が150〜260℃で行われ、生成されたアセトールに水素が添加されグリコールが生成する第二段反応が100〜220℃で行われることを特徴とする(1)から(7)のいずれか1つに記載の製造方法。
(9) 前記第一段反応が150〜225℃で行われ、前記第二段反応が120〜175℃で行われることを特徴とする(8)に記載の製造方法。
(10) 前記第一段反応が150〜200℃で行われ、前記第二段反応が120〜160℃で行われることを特徴とする(8)に記載の製造方法。
(11) 前記第一段反応が230〜260℃で行われ、前記第二段反応が150〜220℃で行われることを特徴とする(8)に記載の製造方法。
(12) 前記第一段反応が240〜250℃で行われ、前記第二段反応が150〜175℃で行われることを特徴とする(8)に記載の製造方法。
(13) 前記グリコールが1,2−プロピレングリコールである(1)から(12)のいずれかに記載の製造方法。
(14) (13)に記載の製造方法を用いてグリセリンを1,2−プロピレングリコールに転化する第一の工程と、第一の工程で製造された1,2−プロピレングリコールをプロパナールに転化する第二の工程と、第二の工程で製造されたプロパナールを1−プロパノールに転化する第三の工程とを含む、1−プロパノールの製造方法。
(15) 前記第二の工程が、ヘテロポリ酸あるいは、ヘテロポリ酸−触媒担体複合体からなる触媒を用いて行われることを特徴とする(14)に記載の製造方法。
(16) 前記ヘテロポリ酸あるいは、ヘテロポリ酸−触媒担体複合体のヘテロポリ酸がケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸及びリンモリブデン酸から選ばれるいずれかを含む(15)に記載の製造方法。
(17) 前記ヘテロポリ酸あるいは、ヘテロポリ酸−触媒担体複合体のヘテロポリ酸がケイタングステン酸である(15)に記載の製造方法。
(18) 前記第三の工程が、銅、白金、ニッケル、パラジウム及びルテニウムから選ばれるいずれか1種類以上の触媒成分を含有する水素化触媒を用いて行われることを特徴とする(14)〜(17)のいずれかに記載の製造方法。
(19) 前記第三の工程が、銅、ニッケル、パラジウムから選ばれるいずれか1種類以上の触媒成分を含有する水素化触媒を用いて行われることを特徴とする(14)〜(17)のいずれかに記載の製造方法。
本発明により、大気圧下、又は加圧下において高い選択率でグリセリンからグリコールを製造する方法が提供される。また、本発明の1−プロパノールの製造方法により、グリセリンを有効利用する方法が提供される。さらに、本発明の1−プロパノールの製造方法によれば、グリセリンから1−プロパノールを高効率で得ることができる。
本発明のグリコール製造方法は、グリセリンを原料としてグリコールを製造する方法である。グリセリンから製造されるグリコールは、1,2−プロピレングリコールや1,3−プロピレングリコールが挙げられるが、本発明では、1,2−プロピレングリコール(以下、1,2−プロパンジオールともいう)が好適に製造される。
本発明のグリコール製造方法は、大気圧下、又は加圧下で行うことを特徴としている。グリセリンを原料としたグリコールの製造においては、ある程度高い圧力下(2〜28MPa)で行われるものであり、圧力が低すぎるとグリセリンの転化率が低くなりグリコールの選択率が低くなることが知られている(例えば特許文献4に記載)。本発明の製造方法は、大気圧下、又は上記文献に記載された圧力よりも低い圧力に設定された加圧下においても特定の反応条件とすることにより、高いグリコールの選択率を維持できるものである。
本発明における大気圧とは、おおよそ1気圧(約0.1MPa)をいうが、厳密に1気圧のみの条件に限られるものではなく、大気圧の範囲と当業者が理解する範囲は、本発明でいう大気圧の範囲である。
一方、本発明における加圧下とは、0.2〜0.4MPaを意味し、この中でも、反応に特に適している加圧下の圧力としては0.3MPaが挙げられる。
本発明のグリコール製造方法は、水素共存下で反応させることを特徴としている。本発明のグリコール製造方法における水素共存下とは、原料であるグリセリンが触媒に接する際に、水素が存在していることをいう。したがって、原料であるグリセリンと水素を混合した上で反応装置に供給することもでき、触媒に接する際に原料であるグリセリンと水素が存在している状態であれば、それぞれ別々に装置に供給することもできる。本発明では、反応を大気圧下で行う場合には、選択率を向上させる観点から、比較的多量の水素を供給させることが好ましい。一方、反応を加圧下で行う場合には、少量の水素供給量でも高い選択率を得ることができる。
本発明のグリコール製造方法おける水素供給量は、反応を大気圧下で行う場合には、反応器内に供給される原料モル数に対する反応器内に供給される水素のモル数の比が150から500の範囲が好ましい。より好ましいモル数比の範囲としては150から400の範囲であり、さらに好ましくは150から300の範囲である。本発明における水素供給量が上記範囲を満たすことで、更に選択率良くグリコールを製造することが可能となる。
一方、本発明のグリコール製造方法おける水素供給量は、反応を加圧下で行う場合には、反応器内に供給される原料モル数に対する反応器内に供給される水素のモル数の比が20から30の範囲が好ましい。本発明における水素供給量が上記範囲を満たすことで、選択率良くグリコールを製造することが可能となること、触媒寿命が延びること、さらに経済的にも好ましい。
また、本発明のグリコール製造方法における水素供給量は、反応を大気圧下で行う場合には、触媒の体積1mlに対する水素流量が30〜150ml/min.であることが好ましい。より好ましくは40〜120ml/min.であり更に好ましくは50〜90ml/min.である。本発明における水素供給量が上記の範囲を満たすことで、更に選択率良くグリコールを製造することが可能となり、経済的にも好ましい。一方、本発明のグリコール製造方法における水素供給量は、反応を加圧下で行う場合には、触媒の体積1mLに対する水素流量が0.010〜0.080L/minであることが好ましく、0.022〜0.065L/minであることが特に好ましい。
本発明のグリコール製造方法は、銅を成分として含有する触媒を用いることを特徴としている。本発明に用いる銅を成分として含有する触媒は市販品、市販品を還元したもの、銅の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩などを熱分解したもの、あるいは熱分解後に公知の方法にて還元したもの等、いずれの形態でも触媒として使用することが可能である。
また、本発明のグリコール製造方法に用いる銅を成分として含有する触媒における触媒の担体は特に限定されないが、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素等が単独で或いは各々の酸化物を複合した複合酸化物として好適に使用される。また、銅成分の触媒担体への担持方法は、含浸、共沈等公知の方法で行うことが可能である。
本発明のグリコール製造方法に用いる銅を成分として含有する触媒としては、銅−酸化アルミニウム触媒、銅−酸化クロム触媒、銅−酸化ジルコニウム触媒、銅−二酸化ケイ素触媒、銅−酸化アルミニウム−酸化ジルコニウム触媒、銅−酸化アルミニウム−酸化クロム触媒等が挙げられる。その中でも特に銅−酸化アルミニウム触媒、銅−酸化クロム触媒または、銅−酸化アルミニウム−酸化ジルコニウム触媒を用いることが好ましい。
本発明のグリコール製造方法で使用される反応装置は、反応を大気圧下で行わせる場合には、原料となるグリセリンと水素を触媒に接触させ、反応を進行させることができる装置であれば、特に限定されない。たとえば、気相流通反応装置に所定量の触媒前駆体を入れ、これを公知の方法で還元することにより活性な触媒層を気相流通反応装置内に形成させた装置が例示できる。このような装置に、原料のグリセリンと水素を供給し、反応させることによりグリコールを製造することが可能である。
一方、本発明のグリコール製造方法で使用される反応装置は、反応を加圧下で行わせる場合には、例えば、上記の触媒層が形成された気相流通反応装置に加圧循環ブロワのような加圧手段が設けられ、装置内の圧力が調整可能な固定床加圧気相流通反応装置を用いることができる。
本発明のグリコール製造方法では、グリセリンが脱水されアセトールが生成される第一段反応が150〜260℃、好ましくは150〜250℃で行われ、生成されたアセトールに水素が添加されグリコールが生成する第二段反応が100〜220℃、好ましくは100〜190℃で行われることが好ましい。
上記のような気相流通反応装置の場合には装置内に触媒層ができるが、触媒層の上層部と下層部で異なった2つの温度で反応が進行するように、反応温度を上記の範囲に制御することが好ましい。これは、グリセリンからグリコールが生成する反応は2段階の反応であり、それぞれの反応が進みやすい温度が存在するためである。
本発明における反応温度は、例えば上記のような触媒層を有する反応装置の場合には、触媒の温度を直接測定することにより測定することが可能である。原料が触媒を下向きに通過する装置の場合、触媒層の上部では上述のとおり第一段反応が行われており、触媒層の上部の表面温度を測定することにより、第一段反応の反応温度を測定することができる。また、触媒層の下部では上述のとおり第二段反応が行われており、触媒層の下部の表面温度を測定することにより、第二段反応の反応温度を測定することができる。
上記2つの反応温度は、反応を大気圧下で行う場合には、前記第一段反応が150〜225℃で行われ、前記第二段反応が120〜175℃で行われることがより好ましく、前記第一段反応が150〜200℃で行われ、前記第二段反応が120〜160℃で行われることがさらに好ましい。
一方、反応を加圧下で行う場合には、前記第一段反応が230〜260℃で行われ、前記第二段反応が150〜220℃で行われることがより好ましく、前記第一段反応が240〜250℃で行われ、前記第二段反応が150〜175℃で行われることがさらに好ましい。
本発明の第一段反応温度、第二段反応温度が上記の範囲を満たすことで、十分に反応が進み選択率良くグリコールを製造することが可能となり、経済的にも好ましい。
上記2つの反応温度領域は、温度差を有していることが好ましい。それぞれの反応に適した温度が存在するためである。反応を大気圧下で行わせる場合には、10℃〜80℃の温度差を有していることが好ましく、20℃〜40℃の温度差を有していることが更に好ましい。反応を加圧下で行わせる場合には、20℃〜100℃の温度差を有していることが好ましく、30℃〜90℃の温度差を有していることが更に好ましい。
本発明のグリコール製造法において、反応を加圧下で行う場合には、上記触媒の量は、通常反応装置内に設けることができる触媒量であれば良いが、上記固定床加圧気相流通反応装置の場合には、触媒重量に対する単位時間当たりのグリセリンのフィード重量(WHSV:Weight Hourly Space Velocity;単位、h-1)で代表され、WHSV値で、0.05から0.3h-1の範囲で利用可能であり、触媒の寿命及び収率の観点から好ましくはWHSV値で、0.1から0.3h-1の範囲であり、更に好ましくはWHSV値で、0.2から0.3h-1の範囲であることが好ましい。
上記反応温度領域を制御する方法としては、電気炉、熱風炉、熱媒炉等を用いることにより温度制御することができる。
また、本発明のグリコール製造方法では、原料の反応を十分に行う観点から、原料であるグリコールと水素が触媒に触れている接触時間が、1〜200秒であることが好ましい。さらに好ましくは5〜150秒である。
原料のグリセリンは水分を含んでいても良く、グリセリン中の水分量は任意の範囲で適用可能であり、0〜98重量%の範囲が好ましく、20から80重量%の範囲が更に好ましい。
次に、本発明の1−プロパノールの製造方法について説明する。本発明の1−プロパノールの製造方法は、上記したグリコールの製造方法を1,2−プロパンジオールの製造工程(第一の工程)として含む。さらに、本発明の1−プロパノールの製造方法は、上記第一の工程で製造された1,2−プロパンジオールをプロパナールに転化する第二の工程と、該プロパナールから、1−プロパノールに転化する第三の工程とを含む。
上記第一の工程は、上述したグリコールの製造方法を用いてグリコールを1,2−プロパンジオールに転化する工程である。該工程は上述したグリコールの製造方法で用いる条件をそのまま使用することができる。
上記第二の工程は、第一の工程で製造される1,2−プロパンジオールをプロパナールに転化する工程である。この工程では、ヘテロポリ酸あるいは、ヘテロポリ酸−触媒担体複合体を触媒として用いることが好ましい。ヘテロポリ酸は、ケイ素、リン、ヒ素などのヘテロ原子と、タングステン、バナジウム、モリブデンなどの金属酸素酸骨格からなり、具体的にはケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸などが好ましく例示でき、ケイタングステン酸であることがより好ましい。
また、ヘテロポリ酸は、遊離のヘテロポリ酸であってもよく、プロトンの一部もしくはすべてを他のカチオンで置き換えて、ヘテロポリ酸の塩として使用することもできる。従って、本発明で言うヘテロポリ酸とはこれらのヘテロポリ酸の塩も含まれる。プロトンと置換可能なカチオンとしては、例えば、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが挙げられる。
ヘテロポリ酸は無水物であってもよく、結晶水含有物であってもよいが、無水物の方がより反応が早く、また副生成物の生成が抑制され好ましい。結晶水含有物の場合、予め減圧乾燥や溶媒との共沸脱水等の脱水処理を行なうことにより無水物と同様の効果を得ることができる。
ヘテロポリ酸を触媒として用いることで、一般的に用いられる触媒である酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、シリカ−アルミナなどの触媒と比較して、1,2−プロパンジオールの転化率、プロパナール選択率ともに高い数値を示し、結果としてプロパナールを良好な収率で製造することができる。特にケイタングステン酸を触媒に用いた場合には、更に高いプロパナール選択率を示す。なお、上記触媒として、ヘテロポリ酸を複数種用いることもできる。
上記ヘテロポリ酸−触媒担体複合体は、上記ヘテロポリ酸を、通常触媒担体として用いられる触媒担体に担持させたものである。上記触媒担体としては、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、活性炭などが好ましく例示できる。本発明では触媒担体として二酸化ケイ素を用いることがより好ましい。また、上記触媒担体を複数種用いることもできる。なお、ヘテロポリ酸はその分子サイズが大きいため、安定な担体に物理的に固定して使用する場合が多く、後述の実施例でもヘテロポリ酸−触媒担体複合体として用いているが、ヘテロポリ酸自体の触媒活性は、触媒担体の有無に左右されるものではなく、ヘテロポリ酸を担体に担持させることなく使用しても、同様の効果を奏する。
上記ヘテロポリ酸−触媒担体複合体の具体例は、ケイタングステン酸−酸化アルミニウム複合体、ケイタングステン酸−二酸化ケイ素複合体、ケイタングステン酸−活性炭複合体、ケイモリブデン酸−酸化アルミニウム複合体、ケイモリブデン酸−二酸化ケイ素複合体、ケイモリブデン酸−活性炭複合体、リンタングステン酸−酸化アルミニウム複合体、リンタングステン酸−二酸化ケイ素複合体、リンタングステン酸−活性炭複合体、リンモリブデン酸−酸化アルミニウム複合体、リンモリブデン酸−二酸化ケイ素複合体、リンモリブデン酸−活性炭複合体などが挙げられる。好ましくは、ケイタングステン酸−酸化アルミニウム複合体、ケイタングステン酸−二酸化ケイ素複合体、ケイタングステン酸−活性炭複合体、ケイモリブデン酸−二酸化ケイ素複合体、リンタングステン酸−二酸化ケイ素複合体、リンモリブデン酸−二酸化ケイ素複合体であり、より好ましくはケイタングステン酸−二酸化ケイ素複合体である。
上記ヘテロポリ酸は市販品あるいは公知の方法にて調合したもの等、いずれの形態のものでも触媒として使用することが可能である。同様に上記ヘテロポリ酸−触媒担体複合体についても市販品、当該ヘテロポリ酸の市販品あるいは公知の方法にて調合したものなどを触媒担体に担持させたもの等、いずれの形態のものでも触媒として使用することが可能である。
ヘテロポリ酸−触媒担体複合体における触媒担体へのヘテロポリ酸成分の担持方法は含浸法、共沈法等公知の方法を用いることが可能である。例えば、ケイタングステン酸等のヘテロポリ酸を触媒担体成分である二酸化ケイ素に含浸することによって得られる固体を乾燥して得られる複合体が触媒として使用可能である。
また、ヘテロポリ酸−触媒担体複合体における、ヘテロポリ酸:触媒担体の含有比は、重量比で0.5:99.5から、50:50とすることが好ましい。ヘテロポリ酸:触媒担体中のヘテロポリ酸の含有比が0.5から50である場合、十分な触媒活性を得ることができ、触媒活性が短時間で低下することを防げる。
上記第二の工程は、隣接する水酸基を持つ1,2−プロパンジオールを上記ヘテロポリ酸あるいは、ヘテロポリ酸−触媒担体複合体を触媒として用いることで、1,2−プロパンジオールの二級水酸基のみを選択的に脱離させ、生成したエノール中間体が互変異性によりカルボニル体に異性化することによってプロパナールが生成することが特徴である。
上記第二の工程に供される1,2−プロパンジオールには、水分が含まれていてもよい。1,2−プロパンジオールを含む原料中の水分含有量は、0〜95重量%の範囲が好ましく、0〜70重量%の範囲がより好ましく、0〜30重量%の範囲が最も好ましい。
上記第二の工程で使用される反応装置は特に限定されないが、工業的には、原料をガス化して適当な触媒層を通過させておこなう形式の気相流通反応が可能な装置が好ましい。気相流通反応装置を用いる場合、たとえば、気相流通反応装置に所定量の触媒を入れ、これを公知の方法で前処理することにより活性な触媒層を気相流通反応装置内に形成させる。これにより、1,2−プロパンジオールをガス化し、供給することによりプロパナールを製造することが可能である。
また、上記触媒の前処理は、触媒層を活性化させることができる公知の方法を用いることができ、例えば、窒素気流中、200℃で1時間程度熱処理することにより、触媒層を活性化させることが挙げられる。
上記第二の工程の反応温度は、140℃〜300℃の温度範囲、すなわち、1,2−プロパンジオールが気相状態として存在する温度が好適である。反応を十分に進行させるためには140℃以上が好ましく、生成物選択率を良好に保つためには300℃以下が好ましい。より好ましい温度範囲としては160℃〜240℃の範囲であり、より収率が高くなることから、180℃〜240℃の範囲が更に好ましく、200℃〜220℃の範囲が最も好ましい。
上記第二の工程で用いる触媒の量及び該工程の反応時間は、触媒重量に対する単位時間当たりの1,2−プロパンジオールのフィード重量(WHSV:Weight Hourly Space Velocity;単位、h-1)で代表され、WHSV値で、0.1から20h-1の範囲で利用可能であり、触媒の寿命及び収率の観点から好ましくはWHSV値で、0.5から7h-1の範囲であり、更に好ましくはWHSV値で、1から6h-1の範囲である。後述するように、本発明の1−プロパノールの製造方法を一つの反応装置で行う場合には、この第二の工程が行われる反応装置内の触媒層における反応時間が上記の範囲に収まるように第一の工程における原料のフィード量と水素の供給量を調節することが好ましい。
上記第三の工程は、第二の工程で製造されるプロパナールを1−プロパノールに転化する工程であり、この工程は公知の方法を特段の限定なく用いることができる。例えば触媒として銅、白金、ニッケル、パラジウム、ルテニウムから選ばれるいずれか1種類以上の触媒成分を含有する水素化触媒を用いる工程を用いることができる。
このような工程を行わせる反応装置としては、特段の限定なく公知のものを用いることができ、上記第二の工程で用いられる気相流通反応が可能な装置が好ましい。気相流通反応装置を用いる場合、たとえば、気相流通反応装置に所定量の水素化触媒を入れ、これを公知の方法で前処理することにより活性な触媒層を気相流通反応装置内に形成させる。これにより、プロパナールを転化して1−プロパノールを製造することが可能である。
上記の水素化触媒としては、銅、ニッケル及びパラジウムから選ばれるいずれか1種類以上を成分として含有する触媒が好ましく用いられる。銅を成分として含有する触媒を一例として具体的に説明すると、市販品、市販品を還元したもの、銅の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩などを熱分解したもの、あるいは熱分解後に公知の方法にて還元したもの等、いずれの形態でも触媒として使用することが可能である。
また、水素化触媒における触媒の担体は特に限定されないが、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素等が単独で或いは各々の酸化物を複合した複合酸化物として好適に使用される。また、銅などの成分の触媒担体への担持方法は、含浸、共沈等公知の方法で行うことが可能である。
水素化触媒として好ましく用いられる触媒としては、銅−酸化アルミニウム触媒、銅−酸化クロム触媒、銅−酸化ジルコニウム触媒、銅−二酸化ケイ素触媒、銅−酸化アルミニウム−酸化ジルコニウム触媒、銅−酸化アルミニウム−酸化クロム触媒等が挙げられる。その中でも特に銅−酸化アルミニウム触媒、銅−酸化クロム触媒、銅−酸化アルミニウム−酸化ジルコニウム触媒、または、ラネーニッケル触媒、ラネーコバルト触媒、ラネー銅触媒、パラジウム−活性炭触媒、白金−活性炭触媒等が挙げられる。
上記触媒の量は、通常反応装置内に設けることができる触媒量であれば良いが、上記気相流通反応装置の場合には、触媒重量に対する単位時間当たりのプロパナールのフィード重量(WHSV:Weight Hourly Space Velocity;単位、h-1)で代表され、WHSV値で、0.1から20h-1の範囲で利用可能であり、触媒の寿命及び収率の観点から好ましくはWHSV値で、0.5から7h-1の範囲であり、更に好ましくはWHSV値で、1から6h-1の範囲であることが好ましい。
上記第三の工程は、反応温度を100〜240℃に設定することが好ましく、120℃〜200℃に設定することが特に好ましい。
上記第三の工程における水素供給量は、反応器内に供給される原料(プロパナール)のモル数に対する反応器内に供給される水素のモル数の比が0.1〜500の範囲が好ましい。より好ましいモル数比の範囲としては0.1〜400の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜300の範囲である。本発明における水素供給量が上記範囲を満たすことで、更に選択率良く1−プロパノールを製造することが可能となり、経済的にも好ましい。本発明の1−プロパノールの製造方法を後述する一つの反応装置を用いて行う場合には、この第三の工程が行われる触媒層におけるプロパナールと水素の供給量が上記の範囲に収まるように第一の工程における原料のフィード量と水素の供給量を調節することが好ましい。
本発明の1−プロパノールの製造方法は、上記の通り3つの工程を含むが、各工程はそれぞれ別の反応装置で行われてもよいし、一つの反応装置で反応を行わせてもよい。
本発明の1−プロパノールの製造方法で使用される反応装置は上記の通り特に限定されない。たとえば、気相流通反応装置を3基用い、各々、グリセリンの1,2−プロパンジオールへの転化、1,2−プロパンジオールのプロパナールへの転化、プロパナールの1−プロパノールへの転化に用いることにより、グリセリンから1−プロパノールを製造することが可能である。
また他法としては、例えば気相反応装置のような反応装置1基で1−プロパナールを製造する方法も挙げられる。具体的には、反応装置内に触媒層を3層設け、該反応装置の上部にグリセリンを1,2−プロパンジオールに転化するための触媒を充填し、該反応装置の中部に1,2−プロパンジオールをプロパナールに転化するための触媒を充填し、該反応装置の下部にプロパナールを1−プロパノールに転化するための触媒を充填する。そして、該反応装置の上部から原料であるグリセリン及び水素を同時に供給することによってグリセリンから1−プロパノールを製造することが可能である。
この場合の1−プロパノール製造方法の反応時間は、触媒層体積に対する単位時間当たりの原料フィード体積(WHSV:Weight Hourly Space Velocity;単位、h-1)で代表され、WHSV値で、0.1〜20h-1の範囲で利用可能であり、好ましくはWHSV値で、0.5〜7h-1の範囲であり、更に好ましくはWHSV値で、1〜6h-1の範囲である。各触媒層においてこのような範囲に収まるように、原料のフィード量及び水素の供給量を調整することが好ましい。また、各触媒層の触媒の種類や温度条件は上記の各工程で記載した条件を用いることができる。さらに、原料として用いるグリコールの水分含有量も上記のグリコールの製造方法で記載した条件を用いることができる。
さらに別の方法として、以下に示す気相反応装置のような反応装置を2つ用いる方法も挙げられる。第1の反応装置には触媒層を2層設け、該反応装置の上部にグリセリンを1,2−プロパンジオールに転化するための触媒を充填し、該反応装置の下部に1,2−プロパンジオールをプロパナールに転化するための触媒を充填する。第2の反応装置の触媒層にはプロパナールを1−プロパノールに転化するための触媒を充填する。そして、第1の反応装置にグリセリンと水素を供給し、第一の反応装置で得られたプロパナールと水素を第2の反応装置に供給することによって1−プロパノールを製造することが可能である。
また、第1の反応装置にグリセリンを1,2−プロパンジオールに転化するための触媒を充填し、第2の反応装置の上部に1,2−プロパンジオールをプロパナールに転化するための触媒を充填し、反応装置の下部にプロパナールを1−プロパノールに転化するための触媒を各々充填する方法も挙げられる。そして、第1の反応装置にグリセリンと水素を供給し、第一の反応装置で得られた1,2−プロパンジオールと水素を第2の反応装置に供給することによっても1−プロパノールを製造することが可能である。
上記のように2基の反応装置を用いる場合の原料のフィード量と水素の供給量の比や水素の供給量は、上記グリコールの製造方法、上記第二の工程、上記第三の工程で記載した条件を用いることができ、各触媒層の触媒の種類や温度条件は上記の各工程で記載した条件を用いることができる。また、原料の含水量についても上記した条件を用いることができる。
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例、比較例で用いた固定床常圧気相流通反応装置としては、内径17mm、全長300mmの反応器を用いた。触媒層の長さは30mmに設定した。従って、反応器内における触媒層の占める体積は約6.8cm3となった。該反応器は、上端にキャリアガス導入口と原料流入口を有し、下端にガス抜け口を有する反応粗液捕集容器(冷却装置)を有するものである。反応を行った結果捕集容器に捕集された反応粗液は、ガスクロマトグラフィーにて測定し、検量線補正後、グリセリンなどの原料の残量、1,2−プロパンジオールなどの生成物の収量を決定し、この値から転化率(モル%)、選択率(モル%)を求めた。触媒である銅系触媒は、粒径1.00から1.70mmの市販の触媒を用いた。
<実施例1>
(水素流量の影響)
銅−酸化アルミニウム触媒(日揮化学製 N−242)が、反応装置中30mmの長さに設定された固定床常圧気相流通反応装置を用い、該反応装置の上部から水素を所定の流速で流し、原料である30wt%グリセリン水溶液を1.8g h-1の速度で触媒層へ供給し水素流量の反応に与える影響を見た。反応温度を、反応装置中の触媒層の上部表面を210℃、下部表面を175℃に制御した状態でのグリセリン転化率、1,2−プロパンジオール選択率を表1に示す。
グリセリン転化率は100%である反応条件下において、1,2−プロパンジオール選択率はおおよそ85%と、副生成物が非常に少ないことが分かる。
Figure 2010016462
<実施例2>
(反応温度の影響)
銅−酸化アルミニウム触媒(日揮化学製 N−242)が、反応装置中30mmの長さに設定された固定床常圧気相流通反応装置の上部から、原料である30wt%グリセリン水溶液を1.8g h-1の速度で、水素を流量360ml min. -1の速度で触媒層へ供給し、触媒層の温度変化の反応に与える影響を見た。原料供給モル数に対する水素供給モル数比は164となる。反応温度を変えた場合のグリセリン転化率、1,2−プロパンジオール選択率を表2に示す。
グリセリン転化率は100%である反応条件下において、触媒層下部の温度が175℃以下の反応では1,2−プロパンジオール選択率は概ね90%を超え、190℃での反応においても比較的高い目的生成物への選択性を示した。
Figure 2010016462
<実施例3>
(種々の触媒による反応)
種々の市販触媒を用い、反応原料にグリセリン濃度80%のグリセリン水溶液を用い、水素流量を240ml min. -1とし、反応装置中の触媒層の上部表面を210℃、下部表面を170℃とした。
それ以外の条件は実施例2に準じた。原料供給モル数に対する水素供給モル数比は41となる。グリセリン転化率、1,2−プロパンジオール選択率を表3に示す。
グリセリン濃度80重量%という高濃度のグリセリンを用いても、銅を含有する触媒を用いても、高転化率条件下で目的生成物の選択率は80%を超えることが可能であった。
Figure 2010016462
<比較例1>
原料供給モル数に対する水素供給モル数比が30以下での条件で反応を行った。水素流量を25ml min.-1として反応を行ったため、触媒層体積に対する水素流量比は11であった。その他の条件は実施例1に準じた。結果を表4に示す。
Figure 2010016462
<比較例2>
反応温度を変えて、触媒層の温度変化が反応に与える影響を見た。その他の条件は実施例2に準じた。結果を表5に示す。
Figure 2010016462
以下の実施例及び比較例では、1−プロパノールの製造例を具体的に説明する。
以下の実施例及び比較例で用いた固定床常圧気相流通反応装置は、上記のグリコール製造方法で用いたものと同様に、内径17mm、全長300mmの反応器であり、その上端にキャリアガス導入口と原料流入口があり、下端にガス抜け口を有する反応粗液捕集容器(冷却装置)を有するものである。
以下の実施例及び比較例で用いた触媒について説明すると、グリセリンを1,2−プロパンジオールに転化するときの触媒は銅−酸化アルミニウム触媒であり、1,2−プロパンジオールをプロパナールに転化するときの触媒は二酸化ケイ素担持リンタングステン酸であり、プロパナールからの1−プロパノールへの反応触媒は銅−酸化アルミニウム触媒である。銅−酸化アルミニウム触媒は市販のもの(商品名:N−242、日揮化学製)を、二酸化ケイ素担持リンタングステン酸は市販のリンタングステン酸(和光純薬製、特級グレード)を水に溶解し、市販の二酸化ケイ素(商品名:キャリアクトQ10、富士シリシア化学製)に30重量%の担持量となるように含浸法にて担持した触媒を用いた。
捕集容器に捕集された反応粗液は、ガスクロマトグラフィーにて分析し、検量線補正後、1−プロパノールなどの収量、グリセリンなどの原料の残量を決定し、この値から転化率(モル%)、選択率(モル%)を求めた。
<実施例4>
(1,2−プロパンジオールからの1−プロパノールの合成 反応温度1)
触媒層上部にヘテロポリ酸を担持した二酸化ケイ素触媒0.3gを設置し、触媒層下部に銅−酸化アルミニウム触媒(日揮化学株式会社製 N242)0.5gを設置した反応装置を用い、原料である30wt%1,2−プロパンジオール水溶液を1.8g h-1の速度で、水素を毎分30mlで供給し、反応温度を変えて反応を行った。1,2−プロパンジオール転化率、1−プロパノール選択率、1−プロパノール収率は以下の表6に示す通りであった。原料供給モル数に対する水素供給モル数比は11.3であった。
Figure 2010016462
<実施例5>
(1,2−プロパンジオールからの1−プロパノールの合成、触媒量)
実施例4に記載の下部触媒層の触媒量を変えて反応温度200℃で反応を行った。1,2−プロパンジオール転化率、1−プロパノール選択率、1−プロパノール収率は以下の表7に示す通りであった。
Figure 2010016462
<実施例6>
(1,2−プロパンジオールからの1−プロパノールの合成、反応温度2)
触媒層上部と触媒層下部の反応温度を変えた以外は実施例4に則って反応を行った。1,2−プロパンジオール転化率、1−プロパノール選択率、1−プロパノール収率は以下の表8に示す通りであった。
Figure 2010016462
<実施例7>
(1,2−プロパンジオールからの1−プロパノールの合成、水素流量)
水素流量を変え、反応温度を200℃に固定した以外は実施例4に則って反応を行った。1,2−プロパンジオール転化率、1−プロパノール選択率、1−プロパノール収率は以下の表9に示す通りであった。
Figure 2010016462
<実施例8>
(グリセリンからの1−プロパノールの合成)
触媒層上部に銅−酸化アルミニウム触媒(日揮化学株式会社製 N242)8.7gを設置し、触媒層中部にヘテロポリ酸を担持した二酸化ケイ素触媒0.3gを設置し、更に触媒層下部に銅−酸化アルミニウム触媒(日揮化学株式会社製 N242)0.5gを設置した反応装置を用い、原料であるグリセリン30wt%水溶液を1.8g h-1の速度で、水素を360mlmin.-1の速度で供給し、触媒層上部の上表面と下表面の温度と、触媒層中部と、触媒層下部の反応温度を変えて反応を行った。原料供給モル数に対する水素供給モル数比は164であった。グリセリン転化率、1−プロパノール選択率、1−プロパノール収率は以下の表10に示す通りであった。
Figure 2010016462
以下の表11に結果が示される実験で用いた固定床加圧気相流通反応装置としては、内径28mm、全長1000mmの反応器を用いた。触媒層の長さは150mmに設定した。従って、反応器内における触媒層の占める体積は約92.4cm3となった。該反応器は、上端にキャリアガス導入口と原料流入口を有し、下端に背圧弁を介してガスが排出される反応粗液捕集容器(冷却装置)を有するものである。反応を行った結果捕集容器に捕集された反応粗液は、ガスクロマトグラフィーにて測定し、検量線補正後、グリセリンなどの原料の残量、1,2−プロパンジオールなどの生成物の収量を決定し、この値から転化率(モル%)、選択率(モル%)を求めた。触媒である銅系触媒は、粒径1/8インチタブレットの市販の触媒(N.E.ケムキャット社製、Cu−0825T)を用いた。原料グリセリンは80%の濃度のものを用いた(残りは水)。
上記反応装置の上部から水素を表11に記載の各供給量で供給し、原料グリセリンを表11に記載に記載されるWHSVで供給した。
反応率、アセトール(HA)の選択率、プロピレングリコール(PG)の選択率及び収率を表11に示す。
Figure 2010016462
上記表11に示された結果を見ると、例えば、上記実験No.7及び8の結果を比較すると、大気圧下での反応に比べ、加圧下の反応では、PG(プロピレングリコール)の選択率が高く、HA(アセトール)の選択率が低いことが分かった。また、水素−グリセリンのモル比が大気圧下でのそれよりも小さい条件下で反応を行ってもPGへの選択率が高いということは水素の消費量がより少なく、経済的にも有利であることを示している。
上記実験No.11及び12の比較や、14及び15の比較でも同様の結果が得られた。

Claims (19)

  1. グリセリンからグリコールを製造する方法であって、銅を成分として含有する触媒を用い、大気圧下又は加圧下、水素共存下で反応させることを特徴とする、グリコール製造方法。
  2. 前記反応が大気圧下で行われる請求項1に記載の製造方法。
  3. 反応に供給される原料モル数に対する反応に供給される水素のモル数の比が、150から500である請求項2に記載の製造方法。
  4. 反応に供給される原料モル数に対する反応に供給される水素のモル数の比が、150から400である請求項2に記載の製造方法。
  5. 反応に供給される原料モル数に対する反応に供給される水素のモル数の比が、150から300である請求項2に記載の製造方法。
  6. 前記反応が加圧下で行われる請求項1に記載の製造方法。
  7. 反応に供給される原料モル数に対する反応に供給される水素のモル数の比が、20から30である請求項6に記載の製造方法。
  8. グリセリンが脱水されアセトールが生成される第一段反応が150〜260℃で行われ、生成されたアセトールに水素が添加されグリコールが生成する第二段反応が100〜220℃で行われることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記第一段反応が150〜225℃で行われ、前記第二段反応が120〜175℃で行われることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記第一段反応が150〜200℃で行われ、前記第二段反応が120〜160℃で行われることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  11. 前記第一段反応が230〜260℃で行われ、前記第二段反応が150〜220℃で行われることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  12. 前記第一段反応が240〜250℃で行われ、前記第二段反応が150〜175℃で行われることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  13. 前記グリコールが1,2−プロピレングリコールである請求項1から12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 請求項13に記載の製造方法を用いてグリセリンを1,2−プロピレングリコールに転化する第一の工程と、第一の工程で製造された1,2−プロピレングリコールをプロパナールに転化する第二の工程と、第二の工程で製造されたプロパナールを1−プロパノールに転化する第三の工程とを含む、1−プロパノールの製造方法。
  15. 前記第二の工程が、ヘテロポリ酸あるいは、ヘテロポリ酸−触媒担体複合体からなる触媒を用いて行われることを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記ヘテロポリ酸あるいは、ヘテロポリ酸−触媒担体複合体のヘテロポリ酸がケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸及びリンモリブデン酸から選ばれるいずれかを含む請求項15に記載の製造方法。
  17. 前記ヘテロポリ酸あるいは、ヘテロポリ酸−触媒担体複合体のヘテロポリ酸がケイタングステン酸である請求項15に記載の製造方法。
  18. 前記第三の工程が、銅、白金、ニッケル、パラジウム及びルテニウムから選ばれるいずれか1種類以上の触媒成分を含有する水素化触媒を用いて行われることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の製造方法。
  19. 前記第三の工程が、銅、ニッケル、パラジウムから選ばれるいずれか1種類以上の触媒成分を含有する水素化触媒を用いて行われることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の製造方法。
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