JPWO2010004959A1 - 光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】離型性、型再現性、基材への密着性に優れ、高屈折率でガラス転移点が高く難燃性であり、低粘度な樹脂組成物を提供する。【解決手段】フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)、一般式(1)で表される化合物(B)(式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。)及び光重合開始剤(C)を含む光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその硬化物に関する。更に詳しくは、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等のレンズ類に特に適する樹脂組成物及び硬化物に関するものである。
従来、上記のレンズはプレス法、キャスト法(注型形成法)等の方法により成形されていた。前者のプレス法は、加熱、加圧、冷却サイクルで製造するため生産性が悪かった。又、後者のキャスト法は、金型にモノマーを流し込んで重合するため製作時間が長くかかるとともに、金型が多数個必要なため製造コストが上がるという問題があった。このような問題を解決するために、紫外線硬化性樹脂組成物を使用することについて種々の提案がなされている(特許文献1、特許文献2)。
これら紫外線硬化型樹脂組成物を使用することによって透過型スクリーンなどに用いる光学レンズシートを製造する方法はある程度成功している。しかしながら、これら従来の樹脂組成物の硬化物は基板との密着性、型からの離型性が悪いという課題があった。密着性が悪いと、使用可能な基板の種類が限られ、意図する光学物性を得づらくなる。離型性が悪いと、離型時に型に樹脂が残り、型が使用できなくなる。又、密着性の良い硬化物を与える樹脂組成物は型への密着も良くなるため離型性が悪くなり易く、一方、離型性の良い樹脂組成物は密着性が悪くなり易いという課題もある。そのため、基板との密着性と型からの離型性の両性能を満足できる樹脂組成物を提供することが望まれている。
これら光学レンズシート等に用いられるレンズ類用組成物については、近年の画像の高精細化や最終製品の薄型化等に伴い屈折率の高い樹脂組成物が望まれており、また、より微細な形状に加工されたり、より薄く加工されたり、ロール状のシートやフィルムに連続加工をしたりするために、低粘度のものが求められる傾向がある。さらに、レンズシートを巻き取ったときなどに微細構造が潰れにくいことも必要であり、この場合、ガラス転移温度(Tg)が高いことが求められる。
その中で、特許文献3では密着性、離型性の両性能を兼ね備えた樹脂組成物が提案されているがより微細な形状に加工するための粘度としては十分なものとは言えず、特許文献4では高屈折率の樹脂組成物の提案がされているが密着性および離型性については言及しておらず、密着性と離型性のバランスの取れた、高屈折率で微細な構造を持つ光学レンズシートについての要求に対しての提案はいずれの特許文献にも記載されていない。特許文献5では、接着剤として用いられる、DOPO誘導体(特許文献5:一般式(1))及び可撓性アクリル樹脂を主成分とする熱硬化性の難燃性アクリル樹脂組成物が記載されている。しかしながら、フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマーを含むレンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物に関しては記載されていない。
又、光学レンズシートを高温環境下で使用しても物性の変化が少ないように、なるべくガラス転移点温度(Tg)の高い硬化物を与えるものが求められる傾向にあり、長期間使用した際に着色による物性低下がおこらないよう、耐光性の良いものが求められ、また最近では家電製品などの部品に、難燃性のものを使用することが求められることもある。しかしながら、高い屈折率、高いTg点、離型性、密着性、低粘度、耐光性、難燃焼を兼ね備えることは難しく、すべてを満足できるものは得られていなかった。
特開昭63−167301号公報 特開昭63−199302号公報 特許第3209554号 特許第3454544号 特開2007−231091号公報
本発明の目的は、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等のレンズシートの製造に適した低粘度の樹脂組成物や、離型性、型再現性、密着性に優れ、高屈折率、難燃性である硬化物を提供するものである。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究の結果、特定の組成を有する紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物が前記課題を解決することを見い出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は
(1)フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)、一般式(1)
で表される化合物(B)
Figure 2010004959
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
及び光重合開始剤(C)を含む光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物、
(2)フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)がo−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレートである前記(1)に記載の樹脂組成物、
(3)更に、フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)および一般式(1)で表される化合物(B)以外の(メタ)アクリレート化合物(D)を含む前記(1)および(2)に記載の樹脂組成物、
(4)(メタ)アクリレート化合物(D)がビスフェノールA骨格を含む構造の化合物である前記(3)に記載の樹脂組成物、
(5)E型粘度計で測定した25℃での粘度が3000mPa・s以下である前記(1)ないし(4)のいずれか一項に記載の樹脂組成物、
(6)前記(1)ないし(5)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化して得られる25℃での屈折率が1.55以上である硬化物、
(7)前記(6)に記載の硬化物を用いる光学レンズシート、
に関する。
本発明の樹脂組成物は、低粘度で、その硬化物は離型性、型再現性、基板との密着性に優れ、高屈折率である。そのため特にフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等の光学レンズシートに適している。
本発明の樹脂組成物は、フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)、一般式(1)で表される化合物(B)、及び光重合開始剤(C)を含む。
本発明に使用し得る、フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)について説明する。
フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシ(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルチオエチル(メタ)アクリレート、フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレート等を挙げることができるが、中でもo−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。本発明においてモノアクリレートモノマー(A)は1種または2種以上を用いてもよい。
フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレートとしては、エトキシ構造部分の繰り返し数が平均で1〜3の正数である化合物が好ましく、原料であるo−フェニルフェノール、p−フェニルフェノールとエチレンオキサイドとの反応生成物と(メタ)アクリル酸を反応させることにより得ることができる。o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノールは、市販品で例えば、O−PP、P−PPとして、何れも三光(株)製)として入手できる。フェニルフェノールとエチレンオキサイドとの反応生成物は公知の方法により得ることができ、又、市販品も使用できる。フェニルフェノールとエチレンオキサイドとの反応生成物を、p−トルエンスルホン酸又は硫酸等のエステル化触媒、ハイドロキノンやフェノチアジン等の重合禁止剤の存在下に、好ましくは溶剤類(例えば、トルエン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等)の存在下、好ましくは70〜150℃で(メタ)アクリル酸と反応させることによりフェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレートが得られる。(メタ)アクリル酸の使用割合は、フェニルフェノールとエチレンオキサイドとの反応生成物1モルに対して1〜5モル、好ましくは1.05〜2モルである。エステル化触媒の量は使用する(メタ)アクリル酸に対して0.1〜15モル%、好ましくは1〜6モル%である。
フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレートとしては、上記o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノールを、アルカリ金属水酸化物存在下、エピハロヒドリンと反応させ、その反応生成物であるエポキシ樹脂と、アクリル酸とを反応させて得られる。
該エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリン、γ−メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が使用でき、中でも工業的に入手が容易なエピクロルヒドリンが好ましい。
エピハロヒドリンの使用量はフェニルフェノール1モルに対し通常2〜20モル、好ましくは3〜15モルである。
該アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、固形物を使用してもよく、その水溶液を使用してもよい。水溶液を使用する場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、又は常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液して水を除去し、エピハロヒドリンを反応系内に連続的に戻す方法でもよい。アルカリ金属水酸化物の使用量は上記o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール 1モルに対して通常0.1〜10.0モルであり、好ましくは0.3〜5.0モル、より好ましくは0.8〜3.0モルである。
反応を促進するためにテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加することは好ましい。4級アンモニウム塩を使用する場合、その使用量としては上記o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール 1モルに対し通常0.1〜20gであり、好ましくは0.2〜15gである。
この際、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の非プロトン性の極性溶媒等を添加して反応を行うことが反応進行上好ましい。
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの使用量に対し通常1〜50質量%、好ましくは2〜30質量%である。又、非プロトン性の極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの使用量に対し通常3〜100質量%、好ましくは5〜80質量%である。
反応温度は通常30〜100℃であり、好ましくは35〜90℃である。反応時間は通常0.2〜10時間であり、好ましくは0.5〜8時間である。アルカリ金属水酸化物存在下、フェニルフェノールとエピハロヒドリンとの反応の反応液を水洗後、又は水洗無しに、加熱減圧下でエピハロヒドリン等を除去する。又、更に、加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い、閉環を確実なものにすることもできる。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量は、使用したフェニルフェノール1モルに対して通常0.01〜0.5モル、好ましくは0.05〜0.3モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗等により除去し、更に加熱減圧下溶剤等を留去することにより目的とするエポキシ樹脂が得られる。このような処方に代表される方法により、特別な精製をすること無しで使用できるエポキシ樹脂が得られる。
フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレートは、前述のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させることにより得られる。前記エポキシ樹脂のエポキシ当量1に対して(メタ)アクリル酸を好ましくは0.8〜1.1当量、より好ましくは0.9〜1.05当量反応させる。
反応は無溶剤で行うことができるが、必要に応じてアルコール性水酸基を有さない溶媒、例えば、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のエステル類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤、更には後述のモノアクリレートモノマー(C)や(メタ)アクリレート化合物(D)などの各種モノマーのうちアルコール性水酸基を有さないもの、例えば、アクリロイルモルホリン、2−フェニルフェノールのエチレンオキサイド付加物の末端アクリル酸エステル化物(例えば、日本化薬(株)製OPP−1、OPP−2)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、KAYARAD HX−220、HX−620等)、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応生成物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等の単独又は混合有機溶媒中で行うことができる。
反応時には、反応を促進させるために触媒を使用することが好ましく、触媒を使用する場合の該触媒の使用量は、反応物に対して0.1〜10質量%である。その際の反応温度は60〜150℃であり、又、反応時間は好ましくは5〜60時間である。使用する触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等を挙げることができる。
又、熱重合禁止剤を使用してもよく、該熱重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2−メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン等が挙げられ、熱重合禁止剤を使用する場合、反応物に対して0.1〜10質量%程度使用するのが好ましい。反応は、適宜サンプリングしながら、サンプルの酸価が5mg・KOH/g以下、好ましくは3mg・KOH/g以下となった時点を終点とする。
本発明の樹脂組成物に使用する、一般式(1)で表される化合物(B)について、以下説明する。
化合物(B)は、式(2)のアルコール化合物と分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物を反応させて得られることを特徴とする。
Figure 2010004959
上記式(2)で表されるアルコール化合物は、下記式(3)のような分子内に少なくとも1個の活性水素を有するリン含有化合物とホルムアルデヒドを反応させて得られることを特徴とする。この化合物は、市販品を利用することができ、例えば三光株式会社製の商品名HCAが挙げられる。
Figure 2010004959
化合物(B)を製造するための分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物は、活性エネルギー線への反応性を化合物(B)に付与させるために反応せしめるものである。具体的には、アクリル酸や(メタ)アクリル酸が挙げられる。
化合物(B)は式(2)のアルコール化合物と分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(以下、「(メタ)アクリル酸等」という)を酸触媒の存在下で脱水縮合させる方法により製造できる。
使用される酸触媒は、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等公知のものから任意に選択でき、その使用量は、(メタ)アクリル酸等に対して通常0.1〜10モル%、好ましくは1〜5モル%である。
反応により生成した水を留去するのには共沸溶媒を用いることができる。ここでいう共沸溶媒とは60〜130℃の沸点を有し、水と容易に分離できるものであり、特に、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素の使用が好ましい。その使用量は任意であるが、好ましくは反応混合物に対し10〜70質量%である。
反応温度は60〜130℃の範囲でよいが、反応時間の短縮と重合防止の点から、75〜120℃が好ましい。
原料として用いる市販品の(メタ)アクリル酸等には、既にp−メトキシフェノール等の重合禁止剤が添加されているのが普通であるが、反応時に改めて重合禁止剤を添加してもよい。そのような重合禁止剤の例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−ベンゾキノン、フェノチアジン等が好ましい。その使用量は反応原料混合物に対し0.01〜1質量%である。
更に、先に挙げたフェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)、一般式(1)で表される化合物(B)の他に、得られる本発明の樹脂組成物の粘度、密着性や、ガラス転移温度(Tg)、硬化物の硬度等を考慮して、成分(A)、成分(B)以外の(メタ)アクリレート化合物(D)を単独あるいは二種類以上を混合して使用してもよい。該(メタ)アクリレート化合物(D)としては、(メタ)アクリレートモノマーや(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、単官能(メタ)アクリレートモノマー、2官能(メタ)アクリレートモノマー、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマー等を挙げることができる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、KAYARAD HX−220、HX−620等)等を挙げることができる。
3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジオール化合物(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ビスフェノールAポリプロポキシジオール等)又はこれらジオール化合物と二塩基酸若しくはその無水物(例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸若しくはこれらの無水物)との反応生成物であるポリエステルジオールと、有機ポリイソシアネート(例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の鎖状飽和炭化水素イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等の環状飽和炭化水素イソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート)を反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを付加した反応生成物等が挙げられる。また、前記有機ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させた化合物等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の末端グリシジルエーテル、フルオレンエポキシ樹脂等のエポキシ樹脂類と(メタ)アクリル酸との反応生成物等を挙げることができる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、上記のジオール化合物と上記の二塩基酸又はその無水物との反応生成物であるポリエステルジオールと、(メタ)アクリル酸の反応生成物等が挙げられる。
中でも本発明の樹脂組成物に使用することのできる(メタ)アクリレート化合物(D)としては、屈折率を考慮するとビスフェノールA骨格を含む構造の化合物が好ましく、例えばビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートモノマー、ビスフェノールAの骨格をもつウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(ビスフェノールAポリエトキシジオール、ビスフェノールAポリプロポキシジオール等のジオール化合物、あるいはこれらジオール化合物と二塩基酸若しくはその無水物との反応生成物であるポリエステルジオールと、有機ポリイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応した化合物)、ビスフェノールAの骨格をもつエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の末端グリシジルエーテル等のエポキシ樹脂類と(メタ)アクリル酸との反応生成物など)が適している。
メタアクリレート化合物(D)としては、屈折率の向上のため、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート、ビナフトール骨格を有するジ(メタ)アクリレート、及びカルバゾリル基を有するアクリレート、フェニルフェノールエポキシアクリレートと芳香族有機ポリイソシアネートを反応させたウレタンアクリレート等を用いることができる。
また、硬化物の密着性や粘度などを考慮すると、(メタ)アクリレート化合物(D)としては単官能あるいは2官能(メタ)アクリレートモノマーが適しており、中でも、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
また、硬化物のガラス転移温度(Tg)を考慮すると(メタ)アクリレート化合物(D)としてはトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
本発明の樹脂組成物に含有される光重合開始剤(C)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシー2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド等のホスフィンオキサイド類等を挙げることができる。好ましくは、アセトフェノン類であり、さらに好ましくは2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを挙げることができる。なお、本発明の樹脂組成物においては、光重合開始剤(C)は単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよいが、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド等のホスフィンオキサイド類を、少なくとも1種は用いるのが好ましい。
本発明の樹脂組成物の各成分の使用割合は、所望の屈折率やガラス転移温度や粘度や密着性等を考慮して決められるが、成分(A)+成分(B)+成分(D)を100質量部とした場合に、成分(A)+成分(B)の含有量は50〜100質量部であり、特に好ましくは70〜100質量部であり、したがって成分(D)の含有量は50質量部未満であり、特に好ましくは30部未満である。また、成分(A)+成分(B)の合計量を100質量部としたときに成分(A)の含有量はそのうちの10〜95質量部であり、特に好ましくは20〜90質量部である。成分(C)は成分(A)+成分(B)+成分(D)の総量100質量部に対して、通常0.1〜10質量部使用されるが、特に好ましくは0.3〜5質量部である。
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物には、前記成分以外に取り扱い時の利便性等を改善するために、離型剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤、酸化防止剤、重合禁止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等を状況に応じて併用して含有することができる。更に、必要に応じて、アクリルポリマー、ポリエステルエラストマー、ウレタンポリマー及びニトリルゴム等のポリマー類、無機あるいは有機の光拡散フィラー等も添加することができる。必要に応じて溶剤を加えて本発明の樹脂組成物を得ることができるが、本発明においては溶剤を添加しないことが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、各成分を常法に従い混合溶解することにより調製することができる。例えば、撹拌装置、温度計のついた丸底フラスコに各成分を仕込み、40〜80℃にて0.5〜6時間撹拌することにより得ることができる。
本発明の樹脂組成物の粘度は、光学レンズシート類を製造するに適した粘度として、E型粘度計(TV−200:東機産業社製)を用いて測定した粘度が25℃で3000mPa・s以下である組成物が好ましい。
常法に従い、本発明の樹脂組成物に紫外線等のエネルギー線を照射することにより硬化して得ることができる硬化物も本発明に含まれる。該硬化物は本発明の樹脂組成物を、例えば、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ等の形状を有するスタンパー上に塗布して該樹脂組成物の層を設け、その層の上に硬質透明基板であるバックシート(例えば、ポリメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、又はこれらポリマーのブレンド品等からなる基板あるいはフィルム)を接着させ、次いで該硬質透明基板側から高圧水銀灯等により紫外線を照射して該樹脂組成物を硬化させた後、該スタンパーから硬化物を剥離して得ることができる。又、これらの応用として連続式での加工により行うこともできる。
この様にして屈折率(25℃)が高く、離型性、型再現性、密着性、耐光性に優れたフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等の光学レンズ部分を形成した光学レンズシートを得ることができ、これらも本発明に含まれる。なお、屈折率はアッベ屈折率計(DR−M2:(株)アタゴ製)等で測定することができる。
本発明の樹脂組成物は、上記したように、光学レンズシート用として有用である。光学レンズシート用以外の用途としては、各種コーティング剤、接着剤等が挙げられる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
合成例1 化合物(A)の合成
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながらp−フェニルフェノール(P−PP 三光株式会社製)181g、エピクロルヒドリン394g、メタノール80gを仕込み溶解させた。更に70℃に加熱しフレーク状水酸化ナトリウム44gを90分かけて分割添加し、その後、更に70℃で60分間反応させた。反応終了後、水200gで二回洗浄を行い生成した塩等を除去した後、加熱減圧下(〜70℃、−0.08MPa〜−0.09MPa)、撹拌しながら、3時間で、過剰のエピクロルヒドリン等を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン480gを加え溶解し、70℃にまで昇温した。攪拌下で10質量%の水酸化ナトリウム水溶液12gを加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行い、得られた溶液をロータリーエバポレーターにて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去することで目的とするエポキシ樹脂(a−1)227gを得た。得られたエポキシ樹脂(a−1)はエポキシ当量が242g/eq.で、常温で白色結晶状であった。
次に、攪拌装置、還流管をつけた1Lフラスコ中に、上記で得られたエポキシ樹脂(a−1)を145.2g(0.6eq.)、熱重合禁止剤として、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを0.57g、アクリル酸を43.3g(0.6eq.)、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを0.57g仕込み、98℃で30時間反応させ、酸価を測定したところ1.2mg・KOH/gであり、常温で白色結晶である生成物を得た。屈折率は1.588であった。
合成例2 化合物(B)の合成
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた2L反応器に、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(三光(株)製HCA)を216.2g(1.0mol)とトルエン246.2gを仕込み、温度80〜90℃にて溶解させた。次に攪拌下、パラホルムアルデヒド30.0g(1.0mol)を徐々に仕込み、80℃〜90℃の反応温度で3時間反応させることで、白色結晶物を246.2g得た。
次いで、得られた結晶物246.2g(1.0mol)、アクリル酸144.7g(2.0mol)、トルエン400g、メトキノン1.5g、P−トルエンスルホン酸一水和物14.5gを仕込み、105〜110℃で13時間脱水縮合反応を行い、得られた反応液を10質量%炭酸ナトリウム水溶液で2回、20質量%食塩水で1回洗浄した後、トルエンを減圧蒸留して淡黄色液状のホスフィンオキサイド化合物(B)を267.9g(収率89.2%)得た。
この化合物(B)は以下の物性を示す。
粘 度(40℃) 6300 CPS
屈折率(20℃) 1.613
1H−NMR
4.80ppm=2H、5.60ppm=1H、6.16ppm=1H、6.45ppm=1H、7.24−7.93ppm=8H
化合物(D)の合成
合成例3
乾燥容器中に、o−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート94.7部、2,4−トリレンジイソシアネート139.3部を仕込み、ビスフェノールAポリ(n=2)プロポキシジオール(水酸基価312mgKOH/g)143.9部を発熱を確認しながら3分割で仕込み、80℃で攪拌し、約10時間反応を行った。反応系におけるイソシアネート基の含有率が11.9質量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート95.7部とp−メトキシフェノール0.2部とジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.06部を仕込み80℃で約12時間反応を行い、イソシアネート基の含有率が0.1質量%以下になったところで反応を終了した。
以下の実施例に示すような組成(数値は質量部を示す)にて本発明の樹脂組成物及び硬化物を得た。又、樹脂組成物及び硬化膜についての評価方法及び評価基準は以下の通り行った。
(1)粘度:E型粘度計(TV−200:東機産業(株)製)を用い、25℃にて測定した。
(2)離型性:硬化した樹脂を金型より離型させるときの難易度を表す。
○・・・・金型からの離型が良好である
△・・・・離型がやや困難あるいは離型時に剥離音がある
×・・・・離型が困難あるいは型に樹脂が残る
(3)型再現性:硬化した紫外線硬化性樹脂層の表面形状と金型の表面形状を観察した。
○・・・・再現性良好である
×・・・・再現性が不良である
(4)密着性:基材上に樹脂組成物を膜厚約50μm程度に塗布し、次いで高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で1000mJ/cm2の照射を行い硬化させたテストピースを作製し、JIS K5600−5−6に準じて密着性評価を行った。
評価結果は0〜2を○とし、3〜5を×とした。
(5)屈折率(25℃):硬化した紫外線硬化性樹脂層の屈折率(25℃)をアッベ屈折率計(DR−M2:(株)アタゴ製)で測定した。
(6)ガラス転移温度(Tg):硬化した紫外線硬化性樹脂層のTg点を粘弾性測定システム(DMS−6000:セイコー電子工業(株)製)において、引っ張りモード、周波数1Hzにて測定した。
(7)難燃性:樹脂組成物を用いて厚さ200μmの硬化膜を作製し、幅1cm×長さ10cmの短冊状に切断し、テストピースとした。テストピースを水平に固定し、一方の側にライターの炎を下から10秒間近づけて保った後、炎を離して状態を観察した。
○・・・・炎を離すとすぐに火が消える
△・・・・炎を離した後も火が消えずにゆっくりと燃え伝わる
×・・・・炎を当てている10秒間のうちにテストピースが全焼する
実施例1
成分(A)としてo−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート62部、成分(B)として合成例2で得た化合物15部、成分(C)として1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン5部、成分(D)としてKAYARAD R−551(日本化薬製:ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート)9部、KAYARAD R−115(日本化薬製:ビスフェノールAエポキシアクリレート)14部を60℃に加温、混合し、本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度は828mPa・sであった。又、この樹脂組成物を高圧水銀灯(80w/cm、オゾンレス)にて600mJ/cm2の照射を行って硬化した、膜厚200μmの紫外線硬化型樹脂層の屈折率(25℃)は1.602であり、ガラス転移温度(Tg)は52℃だった。
さらに、この樹脂組成物をプリズムレンズ金型の上に膜厚が50μmになるように塗布し、その上に基材として易接着PETフィルム(東洋紡コスモシャインA4300、100μm厚)を接着させ、更にその上から高圧水銀ランプで1000mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して硬化させた後剥離して、本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
離型性:○、型再現性:○、密着性:○であった。
実施例2
実施例1において、成分(A)としてo−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート42部、合成例1で得た化合物(p−フェニルフェノールエポキシアクリレート)20部を用い、成分(C)としてジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド0.1部を追加した以外は実施例1と同様に本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度は829mPa・sであった。又、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率(25℃)は1.603であり、ガラス転移温度(Tg)は51℃だった。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
離型性:○、型再現性:○、密着性:○であった。
実施例3
実施例1において、成分(A)としてo−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート52部、成分(B)として合成例2で得た化合物25部を用い、成分(C)としてジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド0.1部を追加し、成分(D)としてKAYARAD R−115(日本化薬製:ビスフェノールAエポキシアクリレート)23部を用いた以外は実施例1と同様に本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度は2511mPa・sであった。又、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率(25℃)は1.606であり、ガラス転移温度(Tg)は59℃だった。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
離型性:○、型再現性:○、密着性:○であった。
実施例4
実施例1において、成分(A)としてo−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート59部を用い、成分(C)としてジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド0.1部を追加し、成分(D)としてKAYARAD R−551(日本化薬製:ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート)9部、合成例3で得た生成物14部、アクリロイルモルホリン3部を用いた以外は実施例1と同様に本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度は1221mPa・sであった。又、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率(25℃)は1.602であり、ガラス転移温度(Tg)は50℃だった。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
離型性:○、型再現性:○、密着性:○であった。
実施例5
実施例1において、成分(C)としてジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド0.1部を追加し、成分(D)としてKAYARAD R−551(日本化薬製:ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート)4部、KAYARAD R−115(日本化薬製:ビスフェノールAエポキシアクリレート)14部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート5部を用いた以外は実施例1と同様に本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度は559mPa・sであった。又、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率(25℃)は1.600であり、ガラス転移温度(Tg)は50℃だった。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
離型性:○、型再現性:○、密着性:○であった。
実施例6
実施例1において、成分(C)としてジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド0.1部を追加し、成分(D)としてKAYARAD R−551(日本化薬製:ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート)4部、KAYARAD R−115(日本化薬製:ビスフェノールAエポキシアクリレート)14部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5部を用いた以外は実施例1と同様に本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度は1025mPa・sであった。又、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率(25℃)は1.601であり、ガラス転移温度(Tg)は53℃だった。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
離型性:○、型再現性:○、密着性:○であった。
実施例7
実施例1において、成分(A)としてo−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート62部を用い、成分(C)としてジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド0.1部を追加し、成分(D)としてKAYARAD R−551(日本化薬製:ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート)9部、KAYARAD R−115(日本化薬製:ビスフェノールAエポキシアクリレート)9部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5部、ビスフェノールフルオレンエトキシジアクリレート5部を用いた以外は実施例1と同様に本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度は812mPa・sであった。又、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率(25℃)は1.605であり、ガラス転移温度(Tg)は50℃だった。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
離型性:○、型再現性:○、密着性:○であった。
実施例8
実施例1において、成分(A)としてo−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート27部を用い、成分(B)として合成例2で得た化合物50部、成分(C)としてジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキシド0.1部を追加し、成分(D)としてKAYARAD R−551(日本化薬製:ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート)9部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート14部を用いた以外は実施例1と同様に本発明の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度は2672mPa・sであった。又、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率(25℃)は1.603であった。
得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして本発明のプリズムレンズシートを得た。
評価結果
離型性:○、型再現性:○、密着性:○、難燃性:○であった。
比較例1
特許文献1(特開昭63−167301)の実施例1に従い、アロニックスM−315(トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート)を70部、テトラヒドロフルフリルアクリレート30部、光重合開始剤として1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン3部を60℃に加温、混合し、比較用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度は134mPa・sであった。又、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率(25℃)は1.52であった。
この結果から比較例1の組成物は本発明の組成物に比べて屈折率が低く、本発明のレンズ類の製造に不向きであることがわかる。
比較例2
特許文献3(特許第3209554号)の実施例1に従い、該文献の合成例1のウレタンアクリレート(ネオペンチルグリコールとアジピン酸のポリエステルジオール、エチレングリコール、トリレンジイソシアネート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートの反応生成物)及び該文献合成例3の化合物(o−フェニルフェノールジエトキシアクリレート)を合成し、上記のウレタンアクリレートを30部、上記のo−フェニルフェノールジエトキシアクリレートを15部、KAYARAD R−551(ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート)を45部、トリブロモフェニルアクリレートを10部、イルガキュアー184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)3部を60℃に加温、混合し、比較用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度は4420mPa・sであった。又、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率(25℃)は1.574であった。
この結果から比較例2の組成物は本発明の組成物に比べて粘度が高く、微細な加工やロール状のシートやフィルムの連続加工に不向きであることがわかる。
なお、以下に特許文献3の合成例1及び3を示す。
合成例1(特許文献3)
ポリエステルジオ−ル(ネオペンチルグリコ−ルとアジピン酸のポリエステルジオ−ル、分子量2000、OH価56.1)120部、エチレングリコ−ル2.48部、トリレンジイソシアネ−ト34.8部を仕込み、昇温後80℃で10時間反応し、次いで2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト24.4部、メトキノン0.1部を仕込み、80℃で10時間反応を行いウレタンアクリレ−トを得た。
合成例3(特許文献3)
下記式で表される化合物258部
Figure 2010004959
(三洋化成(株)製、O−フェニルフェノ−ル1モルとエチレンオキサイド2モルの反応生成物、品名・ニュ−ポ−ルOPE−20、OH価 217.5)、アクリル酸86.5部、トルエン300部、硫酸21部、ハイドロキノン5部を仕込み、加熱し生成水は、溶剤と共に蒸留し、凝縮させ分離器で水が18部生成した時点で反応混合物を冷却した。反応温度は130〜140℃であった。反応混合物をトルエン500部に溶解し、20%NaOH水溶液で中和した後、20%NaCl水溶液100部で3回洗浄する。溶剤を減圧留去して下記式で表される化合物(液体)303部を得た。粘度(25℃)204CPS,屈折率(23℃)1.567であった。
Figure 2010004959
(式中、RはH又はCHであり、nの平均値は1〜5の整数である。)
比較例3
特許文献4(特許第3454544号)の実施例3に従い、該文献の実施例1の化合物100部、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3部を60℃に加温、混合し、比較用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度は20000mPa・s以上であった。又、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率(25℃)は1.619であった。この結果から比較例3の組成物は本発明の組成物に比べて粘度が高く、微細な加工やロール状のシートやフィルムの連続加工に不向きであることがわかる。さらに離型評価を行ったところ、型に樹脂が付着し、離型することが困難(×)であった。
なお、以下に特許文献4の実施例1を示す。
実施例1(特許文献4)
撹はん機、温度計、コンデンサー付水分離器を備えた2L反応器に3,4,5,6−ジベンゾ−1,2−オキサホスファン−2−オキサイド(三光化学 製、製品名SANKO−HCA)を432gを仕込み、徐々に120℃まで加熱し、熔融した後、撹拌下、パラホルムアルデヒド72gを徐々に仕込み、120〜125℃の温度で3時間反応を行った。液体クロマトグラフィーによって反応液中に3,4,5,6−ジベンゾ−1,2−オキサホスファン−2−オキサイドがなくなったことを確認後、室温まで冷却し、20%苛性ソーダ500gを仕込み、均一に溶解する。その後、15%塩酸を撹拌下、弱酸性になるまで徐々に仕込み結晶を析出させる。次いで、結晶を濾過、水洗した後、濾過乾燥を行い、融点が165℃の白色結晶物380gを得た。
マススペクトル及び13C−核磁気共鳴(NMR)の結果から、得られた結晶物は、下記式で示される構造を有する化合物であることがわかった。
Figure 2010004959
次いで、得られた結晶物369g、アクリル酸216g、トルエン600g、メトキノン2.2g、PTS(p−トルエンスルホン酸)21.6gを撹はん機、温度計、コンデンサー付水分離器を備えた1L反応器に仕込み、105〜110℃で13時間脱水縮合反応を行い、得られた反応液を10%炭酸ナトリウム水溶液で2回、20%食塩水で1回洗浄した後、トルエンを減圧蒸留して微黄色の液体303gを得た。このものの40℃に於ける粘度は6300CPS、20℃での屈折率は1.6145であった。
マススペクトル及び13C−核磁気共鳴(NMR)の結果から、得られた粘稠液体は、下記の構造を有するアクリル酸エステルであることがわかった。
Figure 2010004959
比較例4
実施例1において、成分(A)としてo−フェニルフェノールモノエトキシアクリレート77部を用い、成分(B)を用いなかった以外は実施例1と同様に比較用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の粘度は753mPa・sであった。又、実施例1と同様にして得た樹脂層の屈折率(25℃)は1.595であった。難燃性:×であった。
実施例1〜8、比較例1〜4の評価結果から明らかなように、特定の組成を有する本発明の樹脂組成物は低粘度で、離型性、型再現性、基材への密着性に優れ、その硬化物は高屈折率でガラス転移温度(Tg)が50℃以上である。そのため微細構造を有する光学レンズシート、例えば、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等に適している。特に微細な加工が必要な用途や連続加工が必要な工程を含む製造に適している。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物は、主に、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズ等の光学レンズシート用に特に適するものである。

Claims (7)

  1. フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)、一般式(1)
    で表される化合物(B)
    Figure 2010004959
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
    及び光重合開始剤(C)を含む光学レンズシート用エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  2. フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)がo−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノールエポキシ(メタ)アクリレートである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 更に、フェニルエーテル基を有するモノアクリレートモノマー(A)および一般式(1)で表される化合物(B)以外の(メタ)アクリレート化合物(D)を含む請求項1および2に記載の樹脂組成物。
  4. (メタ)アクリレート化合物(D)がビスフェノールA骨格を含む構造の化合物である請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. E型粘度計で測定した25℃での粘度が3000mPa・s以下である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の樹脂組成物を硬化して得られる25℃での屈折率が1.55以上である硬化物。
  7. 請求項6に記載の硬化物を用いる光学レンズシート。
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