JPWO2010004630A1 - 高吸水複合体の製造方法及び高吸水複合体の製造装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、製造時のトラブルにも簡便且つ効率的に対応可能で、各成分の特性を損なうことなく品質が一定した高吸水複合体の製造方法を提供する。本発明による高吸水複合体の製造方法は、イオン交換水に対して少なくとも自重の2000%以上の吸水率を有する高吸水性樹脂を、非膨潤性の含水媒体に分散して得られるスラリーAと、前記高吸水性樹脂の吸水率を少なくとも200%以上とする水系媒体に、前記高吸水性樹脂相互を結合する結合剤成分を分散して得られるスラリーBとを、それぞれ準備する工程と;前記スラリーAと前記スラリーBとをオンラインで混合して混合スラリーを得る工程と;前記混合スラリーを基材シート上に供給する工程と;前記混合スラリーと前記基材シートとからなる高吸水複合体を形成するように、脱溶媒する工程と;を有する、高吸水性樹脂と結合剤とからなることを特徴とする。

Description

本発明は、高吸水複合体の製造方法及び高吸水複合体の製造装置に係り、特に、品質が一定した高吸水複合体の製造方法及び高吸水複合体の製造装置に関する。
従来から、吸収体などの吸水性物品に用いるSAP(高吸収性粒子)などの高吸水性樹脂は、水によって膨潤し、寸法安定性を欠いてしまうことから、例えばSAPをシート状などに構造化する際、メタノールなどの非水溶媒に溶解/分散して用いられている。一方、高吸水性樹脂のみでは一体構造化することはむずかしいことから、アクリル系合成樹脂などの結合成分が用いられている。このような結合成分は、上記の高吸水性樹脂とは逆に、水系エマルジョンの形で、活性剤成分を用いて、水に分散させて用いられているのが一般的である。斯かる吸水性物品を構成する高吸水性樹脂及び結合成分などの各成分の物性を考慮すると、それぞれを溶解/分散する溶媒について、それぞれ好適なものや条件が異なる。一方、吸水性物品の製造において取り扱う上では、溶媒が異なることにより、製造システムの設計、特に溶媒の回収プロセスが複雑化する関係から、高吸水性樹脂の特性にも結合成分の特性にも好適となる極めて限定された範囲の水と非水溶媒とからなる混合溶媒を用いて、この混合溶媒にこれらの成分を溶解/分散しているのが現状である。
しかしながら、高吸水性樹脂の特性の点からみれば、溶解/分散に用いる溶媒の濃度において、水の濃度は、低いほうがよく、膨潤性を最小限とし得ることから、メタノールなどの非水溶媒の濃度は、高いほうがよく、一方、結合成分の特性の点からみれば、水の濃度は、高いほうがよく、非水溶媒の濃度は、低いほうがよく、水と非水溶媒とからなる混合溶媒に対する高吸水性樹脂及び結合成分の特性は、トレードオフの関係にある。従って、いずれの成分にも好適な混合溶媒の組成比を見出すことは、用いる高吸水性樹脂及び結合成分の種類によって検討する必要があり、非常に煩雑である。
また、高吸水性樹脂の容積は、製造過程の中で混合溶媒に含まれる水で膨潤してしまい、体積が膨脹し、また、保存期間が長くなることや、雰囲気・温度が高くなるにつれて、その膨脹の程度は、顕著となる。従って、一旦膨潤してしまうと、乾燥させることは困難となり、また、高吸水性樹脂の容積を低下させることが困難となる。従って、乾燥ゾーンを長くしたり、乾燥温度を高くすることが必要となり、更には、溶媒回収プロセスが複雑化し、製造コストやエネルギーコストが増大する点でも、多くの問題が生じる。
また、結合成分においては、このような混合溶媒の温度にそれほど影響を受けないが、高吸水性樹脂においては、溶媒の温度によって、膨潤性、流動性が大きく影響を受け、また沈降による相分離が生じてしまうことから、20℃以下などの低い温度の方が好ましく、製造システムの温度の管理が必要になる。また、冷却に大きなエネルギーが必要になる。
さらに、高吸水性樹脂及び結合成分がともに共存することができる水と非水溶媒とからなる混合溶媒を製造システムの全体に供給することとなると、トラブル時や、運転の中止時、保守などのシステムの維持管理の際、滞在時間や温度が大幅に変動するため、高吸水性樹脂の膨潤性の制御が困難となり、スラリーのロスや、保守管理の点で、問題が生じる。
国際公開第2004/009902号パンフレット
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、製造時のトラブルにも簡便且つ効率的に対応可能で、各成分の特性を損なうことなく品質が一定した高吸水複合体の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、このような高吸水複合体の製造方法を実行する高吸水複合体の製造装置を提供することを目的とする。
本発明による高吸水複合体の製造方法は、イオン交換水に対して少なくとも自重の2000%以上の吸水率を有する高吸水性樹脂を、非膨潤性の含水媒体に分散して得られるスラリーAと、前記高吸水性樹脂の吸水率を少なくとも200%以上とする水系媒体に、前記高吸水性樹脂相互を結合する結合剤成分を分散して得られるスラリーBとを、それぞれ準備する工程と;前記スラリーAと前記スラリーBとをオンラインで混合して混合スラリーを得る工程と;前記混合スラリーを基材シート上に供給する工程と;前記混合スラリーと前記基材シートとからなる高吸水複合体を形成するように、脱溶媒する工程と;を有する、高吸水性樹脂と結合剤とからなることを特徴とする。これにより、高吸水性樹脂などのスラリーを構成する膨潤性の成分の特性に影響を及ぼすことなく、再現性よく高吸水複合体を製造することが可能となる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記の混合スラリーを得る工程は、スタティックミキサーを用いて行われることを特徴とする。これにより、スラリーA及びスラリーBを構成する膨潤性の成分の特性に対する影響を最小限とすることが可能となる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記のスラリーを準備する工程において、前記スラリーAに、前記高吸水性樹脂相互の結合及び/又は凝集を防止する分散均一化剤を添加することを特徴とする。これにより、スラリーAにおける高吸水性樹脂の分散性をさらに向上させることが可能となる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記の供給する工程は、前記スラリーAと前記水系媒体とが接触した後、20分以内に行われることを特徴とする。これにより、高吸水性樹脂の膨潤による容積変化を許容できる範囲内に保つことができる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記の供給する工程は、前記スラリーAと前記水系媒体とが接触した後、30秒以上10分以内に行われることを特徴とする。これにより、高吸水性樹脂を含有するスラリーを更に安定に扱うことができる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記スラリーAを構成する前記非膨潤性の含水媒体は、水と、水と相溶性を持つ有機溶媒との混合媒体であることを特徴とする。これにより、スラリーAを構成する高吸水性樹脂の水に対する、吸水膨潤といった種々の挙動を調整することが可能となる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記混合媒体の含水量は、該スラリーの全量に対して30%以下であることを特徴とする。これにより、スラリーAにおける高吸水性樹脂の膨潤性をより精緻に調整することが可能となる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記スラリーBを構成する水系媒体は、水単独、又は水と水に相溶性を有する有機溶媒との混合媒体であることを特徴とする。これにより、スラリーBにおいて結合剤成分を安定して取り扱うことが可能になる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記混合媒体の含水量は、該スラリーの全量に対して40%以上であることを特徴とする。これにより、スラリーBにおいて結合剤成分をより安定に保持することが可能となる。また、溶媒含有量が下がるためコストも下がり、スラリーの取扱も容易になる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン及びプロピレングリコールからなる群から選択されることを特徴とする。これにより、各スラリーにおける高吸水性樹脂の膨潤性、水との混和性などの特性を最適化する範囲を広範に確保可能となる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記結合剤成分は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする。これにより、熱プレス等の後処理によって高吸水複合体のシート強度の向上効果なども期待できる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記結合剤成分は、熱可塑性合成繊維の繊維長10mm以下の短繊維体又はフィブリル状繊維体であることを特徴とする。これにより、水含有媒体に安定、均一に分散させることができる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記結合剤成分は、抱水量20mL/g以上の水和量を有する繊維長0.5mm以下の微細セルローズ繊維であることを特徴とする。これにより、微細セルローズ繊維の持つ粘度効果により水系媒体中での分散安定性が向上するとともに、強い水素結合性によって、高吸水性樹脂を相互に強固に結合させることができる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記スラリーAは、固形分として15〜50重量%の前記高吸水性樹脂を含有することを特徴とする。これにより、このような高濃度の分散スラリーの作用により、生産性の高い効率的な生産が期待できる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記スラリーAの前記混合媒体は、エタノール/水=90/10〜60/40の混合媒体であることを特徴とする。これにより、高吸水性樹脂を過度に膨潤させることなく安定な分散状態を維持できる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記スラリーAは、固形分として0.1〜0.5重量%の前記微細セルローズ繊維を含有することを特徴とする。これにより、分散液中で示す微細セルローズ繊維の構造粘性によって、高吸水性樹脂の分散液の凝集を防止し長時間安定に分散状態を維持することができる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記スラリーBは、固形分として0.3〜2.0重量%の前記微細セルローズ繊維を含有することを特徴とする。これにより、たとえ一週間以上の間、そのままの状態で放置しても変化しない、スラリーの安定な分散状態を維持することができる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記スラリーBの前記混合媒体は、エタノール/水=60/40〜10/90の混合媒体であることを特徴とする。これにより、スラリーBの分散状態を長時間安定に保つことができる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記スラリーBは、無機系固形分を更に含有することを特徴とする。これにより、臭気の吸着性や発熱性などの、用いる無機系固形分の特性に応じた新しい機能を高吸水複合体に付加できる。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、前記無機系固形分の含有量は、スラリーBの全量に対して1〜20重量%であることを特徴とする。これにより、無機系固形分を、高吸水複合体の内部に安定に担持することができる。
また、本発明による高吸水複合体の製造装置は、高吸水性樹脂と結合剤とからなるシート状の高吸水複合体を製造する高吸水複合体の製造装置であって、イオン交換水に対して少なくとも自重の2000%以上の含水率を有する高吸水性樹脂を、非膨潤性の含水媒体に分散して得られるスラリーAを貯蔵する攪拌器つきのタンクAと;前記高吸水性樹脂の吸水率を少なくとも200%以上とする水系媒体に、前記高吸水性樹脂相互を結合する結合剤成分を分散して得られるスラリーBを貯蔵する攪拌器つきのタンクBと;前記タンクA及びタンクBに流体接続され、前記スラリーA及びスラリーBをオンラインで混合して混合スラリーを得るスタティックミキサーと;基材シートを走行させる運搬手段と;該基材シート上に前記混合スラリーを供給する供給手段と;前記混合スラリーから前記の媒体を除去する脱溶媒手段と;を有することを特徴とする。これにより、これにより、高吸水性樹脂などのスラリーを構成する膨潤性の成分の特性に影響を及ぼすことなく、再現性よく、しかも効率的に高吸水複合体を製造することが可能となる。
本発明による高吸水複合体の製造装置において、前記混合スラリーをさらに混合する混合手段をさらに有することを特徴とする。これにより、スラリーにおける高吸水性樹脂及び結合剤成分の存在形態をより均一にすることが可能となる。
なお、本発明において、「吸水率」とは、ティーバッグ法に準じて測定して得られる吸水量Wであって、下記式により導出される値である。
W=(b−c−a)/a
W:吸水量(g/g)
a:対象となる試料の重量(g)
b:試料を入れたティーバッグを所定時間生理食塩水に浸漬し水切りした後のティーバッグ全体の重量(g)
c:試料を入れないティーバッグを上記所定時間生理食塩水に浸漬し、上記と同様に水切りした後のティーバッグの重量の平均値(g)
この吸水量Wは、高吸水性樹脂の吸水能力を示す指標を意味する。
本発明によれば、スラリーを構成する膨潤性の成分の特性に影響を及ぼすことなく、また、コーティングの直前まで各成分を混合することがないため、各成分間の所望しない反応が起こることが最小限となり、再現性よく高吸水複合体を得ることが可能となる。
また、本発明によれば、製造システムの各種トラブル発生時においても、高吸水複合体を構成する膨潤性の成分の特性に影響を及ぼすことがないため、スラリーの処理が簡単になり、復旧を迅速に行うことが可能となり、効率的に高吸水複合体を得ることが可能となる。
さらに、全工程の運転停止などのトラブル時に、長時間にわたって各スラリーを保存する必要が生じた場合などにも、各スラリーを構成する各成分の反応を考慮することがないため、各成分を無駄にすることなく、これらのより、経済的に高吸水複合体を得ることが可能となる。
本発明による高吸水複合体の製造装置の概略図である。 本発明による高吸水複合体の製造装置の他の概略図である。 本発明による高吸水複合体の製造方法に従って製造される高吸水複合体の概略図であって、(1)は、基材シートを有する例を、(2)は、基材シートを有さない例を、それぞれ示す。 参考例1で用いた装置の概念図である。 スタティックミキサーの1つのモジュールの概略図であって、(1)は、その断面図を示し、(2)は、モジュールからエレメントの抜き出した状態を示す、部分分解斜視図を示す。
符号の説明
A タンク
B タンク
10 スタティックミキサー
11 インジェクションティ
12 混合手段
14 供給手段
16 運搬手段
18 脱溶媒手段
22 基材シート
30 高吸水複合体
32 高吸水性樹脂
34 結合剤
100 製造装置
<<本発明による高吸水複合体の製造方法>>
本発明による高吸水複合体の製造方法は、下記の通り、高吸水性樹脂と非膨潤性の含水媒体とからなるスラリーA及び結合剤成分と水系媒体とからなるスラリーBと準備する工程(以下、準備工程とも称する。)と、これらのスラリーをオンラインで混合して混合スラリーを得る工程(以下、混合工程とも称する。)と、この混合スラリーを基材シート上に供給する工程(以下、供給工程とも称する。)と、高吸水複合体を形成するように混合スラリーから脱溶媒する工程(以下、脱溶媒工程とも称する。)とを有する。
<準備工程>
本発明による高吸水複合体の製造方法において、準備工程は、下記の高吸水性樹脂を非膨潤性の含水媒体に分散して得られるスラリーA、及び結合剤成分を水系媒体に分散して得られるスラリーBをそれぞれ準備する工程である。この工程は、各スラリーを構成する各成分をそれぞれ分散させ得る材料・方法であれば、特に制約はない。例えば、スラリーAの場合、下記の高吸水性樹脂を、水/エタノールの混合媒体などの非膨潤性の含水媒体に添加して、攪拌器などの適当な攪拌手段で分散して、準備してもよい。また、結合剤の場合、下記の結合剤成分を水系媒体に添加して、同様な攪拌手段で分散して、準備してもよい。
[スラリーA]
本発明において、スラリーAは、イオン交換水に対して少なくとも自重の2000%以上の吸水率を有する高吸水性樹脂と、この高吸水性樹脂に対して非膨潤性の性質を有する含水媒体(非膨潤性の含水媒体)とからなる。
(高吸水性樹脂)
高吸水性樹脂としては、イオン交換水に対して、自重の2000%以上の吸水率を有する樹脂であれば、特に制約はなく、例えば、アクリル酸などの架橋性を有する構成単量体からなるポリアクリル酸樹脂が挙げられ、他の単量体でさらに構成されたものであってもよい。この「架橋」という用語は、通常は、水溶性の材料を、事実上、実質的に水不溶性であるが膨潤性を付与する何らかの手段をいう。このような手段には、例えば、物理的絡み合い、結晶ドメイン、共有結合、イオン錯体及び会合、水素結合のような親水性会合、及び疎水性会合、即ちファンデルワールス力が挙げられる。
また、高吸水性樹脂としては、ポリ(アクリル酸)及びポリ(メタクリル酸)のアルカリ金属及びアンモニウム塩、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルエーテル)、ビニルエーテル及びαオレフィンとの無水マレイン酸のコポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルモルホリン)、ポリ(ビニルアルコール)、並びにこれらの混合物及びコポリマーが挙げられる。さらに、加水分解アクリロニトリル−グラフトデンプン、アクリル酸グラフトデンプン、メチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びアルギン酸、キサンタンゴム、イナゴマメゴムなどの天然ゴムのような天然及び修飾天然ポリマーが挙げられる。高吸水性樹脂の形態としては、特に制約はなく、粉体状、針状、フレーク状、粒状等のものが挙げられる。また、粒状としては、螺旋、半螺旋、立方体、ロッド様、多面体の形状を有するものであってもよい。
スラリーAにおける高吸水性樹脂の含量は、スラリーAの分散性を維持し得る範囲であれば、特に制約はないが、例えば、固形分として20〜50重量%であってもよい。20重量%未満であると、必要容量が大きくなるので装置が過大となり、50重量%を超えると、高吸水性樹脂が凝集しやすくなり、また粘度も過大となり、取扱が難しくなる。
(非膨潤性の含水媒体)
非膨潤性の含水媒体としては、水と、有機溶媒などの適当な媒体とからなり、上記の高吸水性樹脂による含水媒体の吸水率が少なくとも200%以下、好ましくは100%以下のものであれば、特に制約はない。非膨潤性の含水媒体を構成する適当な媒体としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、アセトン、アセチルアセトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル類、アセトニトリルなどのニトリル類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコールが挙げられる。なかでも、分散媒体から蒸留などの手法により分離・回収可能な観点から、低い沸点を有するメタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールが好ましい。また、水などの膨潤性媒体に添加して凝固点が降下する観点から、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコールが好ましい。
高吸水複合体の製造において、非膨潤性の含水媒体の取扱性は、作業環境性、液の回収性、及び引火・爆発の危険性を考慮する必要がある。作業環境性については、水が豊富に含まれることが望ましい。液の回収性については、濃度が低すぎると回収効率が下がってしまう。引火・爆発の危険性については、有機溶媒濃度が上がると引火、爆発限界濃度に近づいてしまう。このような特性も、含水媒体の選択に際して、考慮することも必要である。
スラリーAにおける非膨潤性の含水媒体の水と水以外の媒体との使用量の割合としては、スラリーAを構成する高吸水性樹脂の体積相転移現象の濃度範囲を考慮して、適宜選択すればよい。例えば、高吸水性樹脂として架橋ポリアクリル酸樹脂を用い、非膨潤性の含水媒体として、例えば、メタノール又はエタノールと、水とからなる混合媒体を用いた場合、メタノール/水比は、85/15〜60/40であってもよく、エタノール/水比は、90/10〜60/40であってもよい。
(スラリーA、高吸水性樹脂及び非膨潤性の含水媒体の性状)
スラリーA、並びにスラリーAを構成する高吸水性樹脂及び非膨潤性の含水媒体は、次のような特性を有するものも好ましい。
1)高吸水性樹脂の吸水能は、イオンの存在や測定条件によって大きく変化する。
イオン交換水では、500倍(50000%)程度の水吸収性を、尿等の電解質含有液に対しては50倍(5000%)程度の吸水能(Free swell)をもつ。加圧した等の使用状態によって吸収性は2000%程度まで低下する。
2)非膨潤性の含水媒体の特異性
非膨潤性の含水媒体としての水/有機溶媒の混合媒体においては、水は、膨潤性の高い溶媒として作用し、有機溶媒は、膨潤を抑制する非膨潤性の溶媒として作用する。これらの各溶媒は、混合比によって高膨潤の状態から非膨潤の状態への相転移現象を示す。
3)高吸水性樹脂による吸水率の温度依存性
高吸水性樹脂による吸水率は、温度の低下に伴い、低下する。混合媒体における有機溶媒の濃度が高い場合、比較的吸水率は低いが、このような低吸水率を示す有機溶媒濃度においても、温度依存性は大きい。従って、スラリーは、一般的に30℃以下、好ましくは5〜25℃の範囲で取り扱うのがよい。30℃を超えると、膨潤速度が早くなり、5℃未満では、冷却エネルギーが増大する。
(分散均一化剤)
スラリーAの準備工程は、これらの高吸水性樹脂及び非膨潤性の含水媒体を混合し、適当な剪断力/攪拌力を適用して、均一な分散液を調製するように行えばよい。この準備工程において、高吸水性樹脂を単独で非膨潤性の含水媒体に分散しても、攪拌をやめると樹脂は簡単に沈降し、また攪拌中においても、スラリーA中で高吸水性樹脂相互が接近凝集状態を引き起こすことがある。これをそのままの状態にしておくと、高吸水複合体を製造した場合、高吸水複合体に不均一なスポット的なダマが多発し、製品性を大幅に損なうことになる。
このような現象の発生を防止するには、非膨潤性の含水媒体に、分散均一化剤を添加してもよい。分散均一化剤としては、可溶性でんぷん、メチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズ(CMC)、低分子量PEG、MFC(Micro Fibrillated Cellulose)が挙げられる。分散均一化剤の添加量としては、用いる高吸水性樹脂の種類及び/又は量に応じて、適宜選択すればよく、例えば、スラリーAにおいて、0.05〜1.0重量%であってもよい。なかでも、分散均一化剤としてセルローズ微細繊維を用いる場合、セルローズ微細繊維の添加量は、固形分として0.1〜0.5重量%であってもよい。
[スラリーB]
本発明において、スラリーBは、上記の高吸水性樹脂を相互に結合する各種合成樹脂、一定の繊維長を有する短繊維若しくはフィブリル状繊維、又はセルローズ系微細繊維などの結合剤成分と、その分散媒体として、上記の高吸水性樹脂の吸水率を少なくとも200%以上とし、高吸水性樹脂を膨潤させる性質を有する含水媒体(水系媒体)とからなる。スラリーBには、高吸水性樹脂が存在しないので、水が大部分の分散系を用いてもさしつかえない。
(結合剤成分)
結合剤成分としては、高吸水複合体において上記の高吸水性樹脂を相互に結合するものであれば、特に制約はなく、例えば、下記の1)〜3)のものが挙げられる。
1)合成樹脂
アクリル系樹脂、合成ゴム系樹脂エチレン、酢酸ビニル系、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられる。合成樹脂の形態としては、水媒体に分散され或いは乳化されたエマルジョン又はサスペンジョンが挙げられる。なかでも、エマルジョンとしては、たとえば、アクリル系樹脂エマルジョン、合成ゴム系樹脂エマルジョン(ラテックス)、エチレン、酢酸ビニル系エマルジョンが挙げられる。また、サスペンジョンとしては、例えば、ポリエチレン樹脂サスペンジョン、ポリプロピレン樹脂サスペンジョン、塩化ビニル樹脂サスペンジョン及びこれらの混合物が挙げられる。
2)表面親水化処理により水分散性能を賦与した化合繊維類であって、繊維長10mm以下の短繊維又はフィブリル状繊維
短繊維類としては、ポリエチレン(PE)繊維、プロピレン(PP)繊維、ポリエステル(PET)繊維、PE/PP複合繊維、PE/PET複合繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、アセテート繊維、ビスコースレーヨン繊維、リヨセル繊維が挙げられる。また、フィブリル状繊維としては、フラッシュ紡糸、スプレイ紡糸法、アスピレーター紡糸法、エレクトロニック紡糸法、メルトブローン紡糸法で得られるフィブリル状の微細繊維が挙げられる。これら短繊維類及びフィブリル状繊維を、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBS−Na)や、ポリエーテルなどのノニオン系界面活性剤などの親水性を賦与する親水化剤を用いて、表面処理したものである。
3)水和性を有するセルローズ系微細繊維類
水和性をもち20mL/g以上の抱水度を有するセルローズ系微細繊維としては、バクテリアセルローズ(バイオセルローズ)、MFC(ミクロフィブリル化セルローズ)、非結晶セルローズ粉末等が挙げられる。これらは、その強力な水素結合性を生かして結合剤としても効果を発揮するし、また、上記のスラリーAにおいて述べた分散均一化剤としても働く。従って、水和性を有するセルローズ系微細繊維類は、本発明の目的に適った結合剤である。
(水系媒体)
水系媒体としては、水単独、又は水と、有機溶媒などの適当な媒体とからなるものであれば、特に制約はない。なかでも、上記の高吸水性樹脂を、自重の200%以上に膨潤させ得るものであってもよい。水系媒体を構成する適当な媒体としては、工程上、媒体の種類を増やすことは、溶媒の回収等を考慮して、上記の非膨潤性の含水媒体で言及した媒体と同種類で水分含有量を多くしたものが挙げられる。
スラリーBにおける水系媒体の水と水以外の媒体との使用量の割合としては、スラリーA及びスラリーBが混合されたときの高吸水性樹脂の安定性、即ち高吸水複合体の製造に際して混合されるスラリーAを構成する高吸水性樹脂の体積相転移現象の濃度範囲を考慮して、適宜選択すればよい。例えば、スラリーAに、高吸水性樹脂として架橋ポリアクリル酸樹脂を用い、水系媒体として、エタノールと、水とからなる混合媒体を用いた場合、スラリーBにおけるエタノール/水の割合としては、60/40〜10/90であってもよい。
スラリーBの準備工程は、水系媒体に、結合剤成分を添加して、適当な剪断力/攪拌力を適用して、均一な分散液を調製するように行えばよい。例えば、スラリーBを構成する結合剤成分としてMFCを用いる場合、MFCがスラリーB中で示す粘性により、MFCの安定な分散液が形成される。なお、本発明に用い得る水分散スラリーを効率的に生産するには、本発明者らが提案した特許文献1に基づく方法が好ましい。
スラリーBの結合剤成分の含量は、高吸水複合体において高吸水性樹脂などの各成分に所望の結合性を発揮し得るもので有れば、特に制約はなく、たとえば上記MFCの場合には、このスラリーが高粘度であるため、固形分として3重量%以下が好ましく、コーティング性の点で、0.5〜2.0重量%であることがさらに好ましい。
結合剤成分としての上記のセルローズ系微細繊維は、水媒体中で2〜5重量%の分散濃度の木材パルプを強いシェア下で高次叩解、磨砕を長時間続けることにより、一部膨潤した、いわゆる水和状態として得たペースト状のMFCであってもよい。また、酢酸菌を水溶液培地中で撹拌培養することにより菌体外に微細セルロース繊維を生成させ、この生成した微細セルロース繊維を精製凝集、濃縮して得た、0.1〜2.0重量%の濃度の、水和状態にあるペースト状のバクテリアルセルローズ(BC)であってもよい。
ペースト状のMFCやBCは、そのままでは過度に粘度が高く、流動体としては扱えないので、さらに2重量%以下の濃度に希釈して、取扱い易いスラリー状の分散液とするのが望ましい。希釈剤としては、上記の水系媒体を用いてもよく、一般的には水や上述のエタノール等の有機溶媒が用いられる。なお、希釈剤の中にMFCの過乾燥に伴う収縮しわの発生を防ぐ目的で、可塑剤として、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールを少量添加してもよい。
また、スラリーBは、ゼオライトなどの無機系固形分を更に含有してもよい。無機系固形分としては、ゼオライト、炭酸カルシウム、タルク、シリカゲル、活性炭、亜鉛、銀の包接化合物等の吸着剤、鉄粉、銅粉、銀粉等の金属粉が挙げられる。この無機系固形分を更に含有することにより、高吸水複合体に臭気成分の吸着性や発熱性などを賦与することができる。無機系固形分の含有量としては、スラリーBの全量に対して、1〜20重量%であることが好ましい。1重量%未満であると、効果が不十分であり、20重量%を超えると、固形分が高吸水複合体の表面に露出したり脱落したりしやすい。
(スラリーB、結合剤成分及び非膨潤性の含水媒体の性状)
スラリーB、並びにスラリーBを構成する結合剤成分及び非膨潤性の含水媒体は、結合剤成分の例としてセルロース微細繊維のひとつであるMFCを例示し、次のような特性を有するものも好ましい。
1)水に対して水和性をもち極めて安定な分散状態を形成する。
抱水度30mL/g程度で、その水分散性は強い非ニュートン粘性を示す。
2)非膨潤性の含水媒体中での結合剤成分の挙動
非膨潤性の含水媒体としての水/有機溶媒の混合媒体においては、水は、安定な分散媒体として作用し、有機溶媒は、濃度が高くなると(たとえばエタノールの場合には、70%以上)、沈降剤として働き、結合剤成分を凝集させるので注意することが肝要である。
<混合工程>
本発明による高吸水複合体の製造方法において、混合工程は、上記の準備工程でそれぞれ準備したスラリーAとスラリーBとを、オンラインで混合して混合スラリーを得る工程である。ここで初めて、スラリーA中の高吸水性樹脂は、スラリーB中の水系媒体と接触するため、高吸水性樹脂の膨潤/膨化を防ぐためには、滞留部をもたず、空気層と接触せず、密閉状態で、スラリーB中の水系媒体との接触から短時間でしかも均一に行われることが必要である。従って、本発明の混合工程は、スタティックミキサーを用いて行われるのが好ましい。
スタティックミキサーは、いわゆる分割作用、転換作用及び反転作用を有し、複数のエレメントと称される部材で構成される静止型の混合器である。スタティックミキサーにおいて、分割作用とは、各スラリーである被搬送物が1つのエレメントを通過するごとに2分割される作用のことであり、転換作用とは、エレメント間の境界において、被搬送物の回転が正方向の回転から逆方向の回転に転換され、慣性力により流れが乱され、混合が促進される作用のことであり、反転作用とは、エレメントごとに被搬送物の回転が正方向の回転から逆方向の回転になる作用のことである。これらの各作用により、スラリーA及びスラリーBがパイプ中を移動する間に密閉状態で極めて短時間に均一化された混合スラリーが得られる。なお、スタティックミキサーの詳細構成は、下記の本発明による高吸水複合体の製造装置の項で述べるものである。
また、混合工程において、スタティックミキサーを用いたオンラインでの混合に加えて、さらにスラリーを混合する工程を有してもよい。このようなさらなる混合工程は、スタティックミキサーに限らず、攪拌器などの一般的な攪拌手段を用いて行えばよい。なかでも、滞在時間を可及的に少なくするため、出来るだけコンパクトにし得る、パイプ中に攪拌ユニットを設けた”ラインリアクター”などの攪拌手段を用いることが好ましい。
このようにして、スラリーAとスラリーBとからなる混合スラリーを得る。
<供給工程>
本発明による高吸水複合体の製造方法において、供給工程は、上記の通り混合した混合スラリーを基材シート上に供給する工程である。この工程は、いわゆる、湿式成形法に準じて行えばよい。つまり、混合スラリーをフレキソコーター、グラビアコーター、などによって基材表面に塗工する方法や、抄紙機等を用いて走行するネット上に供給される基材シートに、混合スラリーを流延する方法であってもよい。
特に、本発明において、基材シート上に混合スラリーを流延して高吸水複合体を製造する場合、基材シートの有する極性と、混合スラリーの有する極性とを考慮して、次のような手段を講ずることが有利であると考えられる。
つまり:
(1)基材シートをあらかじめ界面活性剤により親水化した後、この基材シートに、高吸水性樹脂と、MFCなどの結合剤成分とからなる混合スラリーを直接供給する手段;
(2)混合スラリーに界面活性剤を内部添加しておき、このスラリーに、基材シートに対する浸透性を持たせることによって、混合スラリーを基材シートに直接供給する手段;
(3)混合スラリーを調製する含水媒体として、MFCなどの結合剤成分を安定に分散させるとともに基材シートに浸透性を有する有機溶媒と水との混合媒体を用いることによって、この混合スラリーを基材シートに直接供給する手段;
などである。
これらの手段は、単独でも、組み合せて用いられてもよい。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、スラリーAとスラリーBとの混合が開始してから高吸水複合体の形成に至る時間は、可及的且つ速やかに行うことが好ましく、供給工程は、上記の混合工程においてスラリーAと、スラリーBを構成する水系媒体とが接触した後、20分間以内に行われることが好ましく、30秒〜10分以内に行うことがより好ましい。20分を超えると、高吸水性樹脂の膨潤が進行し、スラリー中での高吸水性樹脂の容積が増大し、流動性がなくなってしまう。この場合、例えば、装置を構成するパイプ等の部材の閉塞が発生する可能性が増大する。これにより、高吸水性樹脂の膨潤発生とその進行を防ぐことが可能となる。
<脱溶媒工程>
本発明による高吸水複合体の製造方法において、脱溶媒工程は、上記の供給工程で得た、基材シート上に供給された混合スラリーを構成する膨潤性及び/又は非膨潤性の含水媒体を、混合スラリーから除去する工程である。この工程により、高吸水複合体が得られる。脱溶媒工程は、このような機能を達成し得るものであれば、特に制約はなく、例えば、加熱により含水媒体を混合スラリーから取り除く手段や、基材シートを介して、この基材シート上に供給された混合スラリーから含水媒体を吸引する手段であってもよい。また、加熱とともに圧力を混合スラリーに印加する手段であってもよい。これにより、基材シート上に、高吸水性樹脂と結合剤とからなる高吸水複合体が得られる。この高吸水複合体は、吸水性を所望する種々の適用例を有し、この適用例としては、子供用又は大人用のおむつなどの吸収性物品や、女性用品、ペット用吸収用品が挙げられる。
<<本発明における特徴、並びに本発明と従来技術との比較>>
本発明の構成要件である各スラリー、高吸水性樹脂、結合剤成分及び含水媒体の関係、及び本発明の特徴と従来技術との比較を下記の表1及び表2にまとめる。
[本発明における高吸水複合体]
このようにして、本発明による高吸水複合体の製造方法に従って、高吸水性樹脂と結合剤とからなる高吸水複合体が製造される。図3は、本発明による高吸水複合体の製造方法に従って製造される高吸水複合体の概略図であって、(1)は、基材シートを有する例を、(2)は、基材シートを有さない例を、それぞれ示す。図3に示す通り、高吸水複合体30は、一定の吸水率を有する高吸水性樹脂32と、高吸水性樹脂32相互を結合する結合剤34とからなる。高吸水複合体30は、これら高吸水性樹脂32及び結合剤34を担持するように、基材シート22を有してもよい。図3(1)に示す高吸水複合体30では、球状の形態の高吸水性樹脂32と、結合剤34としてMFCとが用いられている。また、図3(2)に示す高吸水複合体30は、基材シートを有さない例であって、球状の形態の高吸水性樹脂32と、結合剤34としてSBR樹脂とを有する。なお、本発明において、結合剤は、上記の結合剤成分を用いて得た高吸水複合体を構成するものであって、例えば、結合剤成分としてSBR樹脂エマルジョン(ラテックス)を用いた場合、高吸水複合体において、結合剤とは、SBR樹脂である。
高吸水複合体において、高吸水性樹脂の含量は、所望する吸水性等を考慮して、適宜選択すればよく、特に制約はないが、高吸水複合体の質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、60〜95質量%であることが更に好ましい。高吸水複合体の厚さについても同様であるが、1.5mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。
<本発明による高吸水複合体の製造装置>
次に、本発明による高吸水複合体の製造装置の例について、図1及び2を参照して、説明する。
図1は、本発明による高吸水複合体の製造装置の概略図であり、図2は、本発明による高吸水複合体の製造装置の他の概略図である。準備工程において準備されたスラリーA及びスラリーBは、攪拌器つきのタンクA及びタンクBにそれぞれ貯蔵される。このタンクA及びタンクBは、それぞれ、分散状態を維持された状態を維持される。スラリーA及びスラリーBは、それぞれのスラリーを構成する高吸水性樹脂及び結合剤成分などの各成分の特性に応じて、所望の温度等の環境で保持されてもよく、そのための冷却ジャケットなどの手段をタンクA及び/又はタンクBに設けてもよい。
次に、スラリーAとスラリーBとを、スタティックミキサーを用いてオンラインで混合して混合スラリーを得ることについて、説明する。
スラリーAとスラリーBとを混合すると、スラリー中の高吸水性樹脂は、スラリーBを構成する水系媒体により、膨潤を開始することとなる。従って、スラリーAとスラリーBとが接触してから、滞留ない状態で、且つ短時間で、混合搬送される必要がある。そこで、本発明においては、スタティックミキサーを用いてオンラインで混合することにより、これを達成している。
図5は、スタティックミキサーの1つのモジュールの概略図であって、(1)は、その断面図を示し、(2)は、モジュールからエレメントの抜き出した状態を示す、部分分解斜視図を示す。スタティックミキサー10は、図1及び2に示したようにインジェクションティ11(図5では図示せず。)を介して、スラリーA及びスラリーBの流動方向の上流に配置されたタンクA及びタンクBと流体接続されている。スタティックミキサー10において、エレメントは、長方形の板であり、各スラリーの搬送方向に対して下流側の板の半分を右に180°捻った、いわゆる右エレメントと、左に180°捻った、いわゆる左エレメントとがある。本発明において、スタティックミキサーのエレメントの個数は、用いる各スラリーの種類、量、粘度等に応じて、種々変更すればよく、特に制約はないが、例えば、6個以上、好ましくは6〜24個が挙げられる。
各エレメントは、例えば休転時、又は万が一の閉塞時には、簡単分解されて、クリーニングされ得る構成であることが望ましい。そのためには、図5に示したように、エレメントが抜き出し可能であるとともに、モジュール化されていることが望ましい。例えば、上記したエレメントを使用する場合には、4つのエレメントを1つのモジュールとして、このモジュールを5個連結してなるもの、つまり、5モジュールで20エレメントを有するスタティックミキサーを用いることも望ましい。
これらの構成により、上記の分割作用、転換作用及び反転作用が発揮され、各スラリーの被搬送物が急速に且つ均一に混合・分散されることとなる。
本発明による高吸水複合体の製造装置において、スタティックミキサー10に加えて、攪拌器などの一般的な混合手段12をさらに有してもよい。
スタティックミキサー10による混合、又はこの混合に加えた混合手段12による混合により、スラリーA及びスラリーBからなる混合スラリーが得られる。
次に、基材シート22への各スラリーの供給について、詳細に説明する。まず、基材シート22は、ローラ及びネットコンベアなどから構成される運搬手段16上に配置される。基材シート22は、混合スラリーが供給される前に、上記の通り、界面活性剤などの処理剤を用いて前処理されたものであってもよい。スラリーA及びスラリーBからなる混合スラリーは、運搬手段16上を移動する基材シート22の動きと同期するように、供給手段14からそれぞれ基材シート22の表面上に供給される。その後、基材シート22は、運搬手段16上を移動しながら真空ポンプなどで構成される脱溶媒手段18により、脱液され、更に乾燥工程(図示せず)を経て、基材シート22上に高吸水複合体が得られる。
なお、本発明による高吸水複合体の製造装置において:
「前記タンクA及びタンクBに流体接続され、前記スラリーA及びスラリーBをオンラインで混合して混合スラリーを得るスタティックミキサー」は、上記の高吸水複合体の製造方法における「前記スラリーAと前記スラリーBとをオンラインで混合して混合スラリーを得る工程」に対応し;
「前記混合スラリーをさらに混合する混合手段」は、上記の高吸水複合体の製造方法において、スタティックミキサーを用いたオンラインでの混合に加えた、スラリーをさらに混合する工程に対応し;
「該基材シート上に前記混合スラリーを供給する供給手段」は、上記の高吸水複合体の製造方法における「前記混合スラリーを基材シート上に供給する工程」に対応し;且つ
「前記混合スラリーから前記の媒体を除去する脱溶媒手段」は、上記の高吸水複合体の製造方法における「前記混合スラリーと前記基材シートとからなる高吸水複合体を形成するように、脱溶媒する工程」に対応する。
(参考例1)
[スラリーAの調製]
35.00重量%のSAP(高吸水性樹脂、吸水率=4000%、日本触媒社製)と、0.33重量%のMFC(ミクロフィブリルセルロース繊維、日本吸収体技術研究所社製)とからなるスラリーAを、EtOH/HO=75/25の重量比の媒体を用いて調製した。
なお、吸水率は、JIS K−7223(1996)のティーバッグ法に準じて得た値であって、下記の通り測定したものである。
すなわち、目開き50μm(255メッシュ)のナイロン製の織物を10×40cmの長方形に細断し、長手方向に折り曲げ、両端をヒートシールして作製したティーバッグの袋の内部に、対象とする高吸水性樹脂1.5g(a)を入れ、これを、生理食塩水(0.9%NaCl水溶液)に60分間浸漬した。浸漬後のティーバッグを傾斜させることにより、10分間水切りを行い、水切り後のティーバッグの重量(g)(b)を計測した。一方、対象とする高吸水性樹脂を入れないティーバッグについて、上記と同様に浸漬及び水切りを行い、浸漬後のティーバッグの重量(g)(c)を計測した。得たa、b及びcから、下記式に従って、吸水量W(g/g)を算出し、これを吸水率とした。
W=(b−c−a)/a
W:吸水量(g/g)
a:対象となる試料の重量(g)
b:試料を入れたティーバッグを所定時間生理食塩水に浸漬し水切りした後のティーバッグ全体の重量(g)
c:試料を入れないティーバッグを上記所定時間生理食塩水に浸漬し、上記と同様に水切りした後のティーバッグの重量の平均値(g)
なお、高吸水性樹脂は、粉体、粒体状を呈しているので、上記のティーバッグに格納して高吸水性樹脂のティーバッグからの脱落を防止している。一方、このティーバッグ法は、高吸水性樹脂だけでなく、高吸水性樹脂を用いて成形されたシート状の高吸水複合体などの複合体についても同様に適用可能であって、この場合、この複合体は、高吸水性樹脂と同様に、ティーバッグに格納して、吸水率を測定してもよい。複合体のティーバッグへの格納が困難である場合は、複合体を細片状に切断して、格納してもよい。
[スラリーBの調製]
0.82重量%のMFCからなるスラリーBを、EtOH/HO=30/70の重量比の媒体を用いて調製した。
[スラリーAとスラリーBとのオンラインでの混合]
図4に示す装置を用いて、上記の通り得たスラリーA及びスラリーBを、それぞれタンクA及びスラリーBに貯溜し、これらのタンクから、6個のエレメントを有する1つのモジュールを2つ連結させてなる、合計12個のエレメント(ノリタケ社製、2−N33−101F)を有するスタティックミキサー10に、40L/時間の流量でスラリーA及びスラリーBをそれぞれ供給して、スタティックミキサー10を経由した混合スラリーを得た。なお、検討中、タンクAに貯溜したスラリーAについては、沈降を防止するために、700rpmのスクリュー型攪拌機を用いて攪拌した。得た混合スラリーについて、下記の事項を検討した。なお、スラリーBについては、凝集・沈降することなく、攪拌しなくても、安定であった。
<均一性>
サンプリング口から得た混合スラリーを1Lのビーカーに受け、指で塊状の物質の存在がないかを確かめながら、混合スラリーの均一性を目視により観察した。
<混合性>
得た混合スラリーが良好に混合されているかどうかをビーカーによってサンプリングし、その後、少量をシャーレに移して、薄い層状にして、5分ごとに目視により観察した。
上記の通り運転して5分毎にサンプリングした混合スラリーについて、均一性を検討したところ、サンプリングしたいずれの混合スラリーについても、良好な均一性が保持されていることが観察された。
また、運転開始0分時にサンプリングして得た混合スラリーと、連続運転50分後にサンプリングして得た混合スラリーとについて、上記の混合性を検討したところ、両者に実質的な違いはなく、いずれのスラリーでも、良好に混合されていることが観察された。このことから、運転時間の経過とともに、混合性には影響がないことが判明した。
(実施例1)
上記の参考例1において運転開始10分後に得た混合スラリーを、直ちに基材シート(PET製、40g/mのエアスリー不織布、クラレ社製)上にハンドコート装置により塗工して、高吸水性樹脂/結合剤(MFC)の層を形成し、混合スラリーを構成する液媒体を、基材シートを介して真空状態で脱溶媒した。脱溶媒したシートを、60℃の熱風乾燥機で乾燥して、高吸水複合体1−1を得た。
また、運転開始20分後に得た混合スラリーについて、同様に行い、高吸水複合体1−2を得た。
高吸水複合体を得るのに用いた混合スラリー及び得た高吸水複合体について、下記の事項を検討した。
<混合スラリーの状態>
[均一性]
得た混合スラリーの均一性について、下記の基準に基づいて、視認により官能的に評価した。
○・・・均一
△・・・ほぼ均一
▲・・・不均一な部分が散見
×・・・一部に定常的に固まりが発生し、不均一
××・・・スラリー全体が凝集し、全体的に不均一
[流動性]
得た混合スラリーについて、60rpm前後の条件で攪拌して、攪拌時の状態を下記の基準に基づいて官能的に評価した。
○・・・滞りなく良好に攪拌可能
△・・・若干滞りがあるものの、攪拌可能
▲・・・攪拌可能ではあるが、極めて困難
×・・・流動性がなく、攪拌不可能
<成形性>
混合スラリーから高吸水複合体をハンドコート塗工する際、基材シート上への成形性について、下記の基準に基づいて、官能的に評価した。
○・・・基材シート表面の全面に均一に成形可能
△・・・基材シート表面の全面にほぼ均一に成形可能ではあるが、塗工が困難
▲・・・つまって、全体にかすれると同時に、スラリーの塗工されない部分が観察される
×・・・成形不可能
<高吸水複合体の性能>
[表面平滑性]
得た高吸水複合体の表面の状態について、下記の基準により、指で触れることで官能的に評価した。
○・・・良好、なめらか
△・・・ざらざらする箇所が一部に発生
▲・・・ざらざらする箇所が全面に発生
×・・・かさぶた状の固形物が表面に付着し、シートの体をなさない。
[塊状物質の存在]
得た高吸水複合体の表面の状態について、下記の基準により、視認することで官能的に評価した。
○・・・発見できず
△・・・塊状物質が一部に発生
▲・・・塊状物質が全面に発生し、表面が凹凸を呈する
×・・・塊状物質が全面に発生し、表面に大きな孔あきが散見される
[塗工濃淡ムラ]
得た高吸水複合体について、下記の基準により、基材シートへの混合スラリーの塗工の濃淡を透視して目視で評価した。
○・・・殆どなし
△・・・あまりなし
▲・・・全面に目立つ
×・・・シートの形態をなさない
[高吸水複合体の吸水率]
ティーバッグ法に準じて、測定した。
(実施例2)
実施例1において、運転開始10及び20分後に代えて、50分後に得た混合スラリーを用いた以外は、実施例1と同様に行い、高吸水複合体2−1を得た。この高吸水複合体について、実施例1と同様に検討した。
(実施例3)
参考例1において運転開始30分後に得た混合スラリー3−1を用いて、実施例1と同様に行い、高吸水複合体3−1を得た。
一方、参考例1において、混合スラリー3−1を得た後、スタティックミキサー中に混合スラリーが存在しないように、スラリーAの供給をストップし、且つスラリーBを更に10分間供給した後、運転を休止した。なお、運転休止時、スタティックミキサー及び関連するラインは、スラリーBで充填された状態となった。これにより、運転休止の状態を長時間放置しても、スタティックミキサー及びそのライン等の閉塞が発生することがなかった。運転休止の20時間後、運転を再開し、再開後30分経過した後、混合スラリー3−2を得た。この混合スラリー3−2を用いて、実施例1と同様に行い、高吸水複合体3−2を得た。なお、運転再開時、スラリーA及びスラリーBともに、外観上の変化は観察されなかった。
これら高吸水複合体について、実施例1と同様に検討した。
(比較例1〜4)
参考例1のスラリーA及びスラリーBを混合して得た混合スラリーをサンプリングして1Lのビーカーに採取して室温下で経時的変化をトレースした。この経時時間としては、攪拌しながら室温で、5分(比較例1)、10分(比較例2)、30分(比較例3)及び1時間(比較例4)の4条件とし、これらの条件で、載置した。これら一定時間載置したスラリーを用いて、実施例1と同様に、基材シート上に供給等して、上記の所定時間経過後、直ちにハンドコート装置により基材シート上に塗工処理を行い、比較高吸水複合体1〜4を得た。
得た比較高吸水複合体について、実施例1と同様に[均一性]、[流動性]、<成形性>
、[表面平滑性]、[塊状物質の存在]、[塗工濃淡ムラ]及び[高吸水複合体の吸水率]について、検討した。なお、比較高吸水複合体4については、用いた混合スラリーに流動性が全くなかったので、製造できなかった。従って、比較高吸水複合体4についての<高吸水複合体の性能>については、検討できなかった。

Claims (23)

  1. イオン交換水に対して少なくとも自重の2000%以上の吸水率を有する高吸水性樹脂を、非膨潤性の含水媒体に分散して得られるスラリーAと、
    前記高吸水性樹脂の吸水率を少なくとも200%以上とする水系媒体に、前記高吸水性樹脂相互を結合する結合剤成分を分散して得られるスラリーBとを、それぞれ準備する工程と;
    前記スラリーAと前記スラリーBとをオンラインで混合して混合スラリーを得る工程と;
    前記混合スラリーを基材シート上に供給する工程と;
    前記混合スラリーと前記基材シートとからなる高吸水複合体を形成するように、脱溶媒する工程と;
    を有する、高吸水性樹脂と結合剤とからなることを特徴とする高吸水複合体の製造方法。
  2. 前記の混合スラリーを得る工程は、スタティックミキサーを用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の高吸水複合体の製造方法。
  3. 前記のスラリーを準備する工程において、前記スラリーAに、前記高吸水性樹脂相互の結合及び/又は凝集を防止する分散均一化剤を添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の高吸水複合体の製造方法。
  4. 前記の供給する工程は、前記スラリーAと前記水系媒体とが接触した後、20分以内に行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  5. 前記の供給する工程は、前記スラリーAと前記水系媒体とが接触した後、30秒以上10分以内に行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  6. 前記スラリーAを構成する前記非膨潤性の含水媒体は、水と、水と相溶性を持つ有機溶媒との混合媒体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  7. 前記混合媒体の含水量は、該スラリーの全量に対して30%以下であることを特徴とする請求項6に記載の高吸水複合体の製造方法。
  8. 前記スラリーBを構成する水系媒体は、水単独、又は水と水に相溶性を有する有機溶媒との混合媒体であることを特徴とする請求項1乃至7に記載の高吸水複合体の製造方法。
  9. 前記混合媒体の含水量は、該スラリーの全量に対して40%以上であることを特徴とする請求項8に記載の高吸水複合体の製造方法。
  10. 前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン及びプロピレングリコールからなる群から選択されることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  11. 前記結合剤成分は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  12. 前記結合剤成分は、熱可塑性合成繊維の繊維長10mm以下の短繊維体又はフィブリル状繊維体であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  13. 前記結合剤成分は、抱水量20mL/g以上の水和量を有する繊維長0.5mm以下の微細セルローズ繊維であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  14. 前記スラリーAは、固形分として15〜50重量%の前記高吸水性樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  15. 前記スラリーAの前記混合媒体は、エタノール/水=90/10〜60/40の混合媒体であることを特徴とする請求項6乃至14のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  16. 前記スラリーAは、固形分として0.1〜0.5重量%の前記微細セルローズ繊維を含有することを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  17. 前記スラリーBは、固形分として0.3〜2.0重量%の前記微細セルローズ繊維を含有することを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  18. 前記スラリーBの前記混合媒体は、エタノール/水=60/40〜10/90の混合媒体であることを特徴とする請求項8乃至17のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  19. 前記スラリーBは、無機系固形分を更に含有することを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  20. 前記無機系固形分の含有量は、スラリーBの全量に対して1〜20重量%であることを特徴とする請求項19に記載の高吸水複合体の製造方法。
  21. 前記高吸水複合体は、シート状であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
  22. 高吸水性樹脂と結合剤とからなるシート状の高吸水複合体を製造する高吸水複合体の製造装置であって、
    イオン交換水に対して少なくとも自重の2000%以上の含水率を有する高吸水性樹脂を、非膨潤性の含水媒体に分散して得られるスラリーAを貯蔵する攪拌器つきのタンクAと;
    前記高吸水性樹脂の吸水率を少なくとも200%以上とする水系媒体に、前記高吸水性樹脂相互を結合する結合剤成分を分散して得られるスラリーBを貯蔵する攪拌器つきのタンクBと;
    前記タンクA及びタンクBに流体接続され、前記スラリーA及びスラリーBをオンラインで混合して混合スラリーを得るスタティックミキサーと;
    基材シートを走行させる運搬手段と;
    該基材シート上に前記混合スラリーを供給する供給手段と;
    前記混合スラリーから前記の媒体を除去する脱溶媒手段と;
    を有することを特徴とする高吸水複合体の製造装置。
  23. 前記混合スラリーをさらに混合する混合手段をさらに有することを特徴とする請求項22に記載の高吸水複合体の製造装置。

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