JPWO2010004630A1 - 高吸水複合体の製造方法及び高吸水複合体の製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
W:吸水量(g/g)
a:対象となる試料の重量(g)
b:試料を入れたティーバッグを所定時間生理食塩水に浸漬し水切りした後のティーバッグ全体の重量(g)
c:試料を入れないティーバッグを上記所定時間生理食塩水に浸漬し、上記と同様に水切りした後のティーバッグの重量の平均値(g)
B タンク
10 スタティックミキサー
11 インジェクションティ
12 混合手段
14 供給手段
16 運搬手段
18 脱溶媒手段
22 基材シート
30 高吸水複合体
32 高吸水性樹脂
34 結合剤
100 製造装置
本発明による高吸水複合体の製造方法は、下記の通り、高吸水性樹脂と非膨潤性の含水媒体とからなるスラリーA及び結合剤成分と水系媒体とからなるスラリーBと準備する工程(以下、準備工程とも称する。)と、これらのスラリーをオンラインで混合して混合スラリーを得る工程(以下、混合工程とも称する。)と、この混合スラリーを基材シート上に供給する工程(以下、供給工程とも称する。)と、高吸水複合体を形成するように混合スラリーから脱溶媒する工程(以下、脱溶媒工程とも称する。)とを有する。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、準備工程は、下記の高吸水性樹脂を非膨潤性の含水媒体に分散して得られるスラリーA、及び結合剤成分を水系媒体に分散して得られるスラリーBをそれぞれ準備する工程である。この工程は、各スラリーを構成する各成分をそれぞれ分散させ得る材料・方法であれば、特に制約はない。例えば、スラリーAの場合、下記の高吸水性樹脂を、水/エタノールの混合媒体などの非膨潤性の含水媒体に添加して、攪拌器などの適当な攪拌手段で分散して、準備してもよい。また、結合剤の場合、下記の結合剤成分を水系媒体に添加して、同様な攪拌手段で分散して、準備してもよい。
本発明において、スラリーAは、イオン交換水に対して少なくとも自重の2000%以上の吸水率を有する高吸水性樹脂と、この高吸水性樹脂に対して非膨潤性の性質を有する含水媒体(非膨潤性の含水媒体)とからなる。
高吸水性樹脂としては、イオン交換水に対して、自重の2000%以上の吸水率を有する樹脂であれば、特に制約はなく、例えば、アクリル酸などの架橋性を有する構成単量体からなるポリアクリル酸樹脂が挙げられ、他の単量体でさらに構成されたものであってもよい。この「架橋」という用語は、通常は、水溶性の材料を、事実上、実質的に水不溶性であるが膨潤性を付与する何らかの手段をいう。このような手段には、例えば、物理的絡み合い、結晶ドメイン、共有結合、イオン錯体及び会合、水素結合のような親水性会合、及び疎水性会合、即ちファンデルワールス力が挙げられる。
非膨潤性の含水媒体としては、水と、有機溶媒などの適当な媒体とからなり、上記の高吸水性樹脂による含水媒体の吸水率が少なくとも200%以下、好ましくは100%以下のものであれば、特に制約はない。非膨潤性の含水媒体を構成する適当な媒体としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、アセトン、アセチルアセトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル類、アセトニトリルなどのニトリル類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコールが挙げられる。なかでも、分散媒体から蒸留などの手法により分離・回収可能な観点から、低い沸点を有するメタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコールが好ましい。また、水などの膨潤性媒体に添加して凝固点が降下する観点から、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコールが好ましい。
スラリーA、並びにスラリーAを構成する高吸水性樹脂及び非膨潤性の含水媒体は、次のような特性を有するものも好ましい。
イオン交換水では、500倍(50000%)程度の水吸収性を、尿等の電解質含有液に対しては50倍(5000%)程度の吸水能(Free swell)をもつ。加圧した等の使用状態によって吸収性は2000%程度まで低下する。
非膨潤性の含水媒体としての水/有機溶媒の混合媒体においては、水は、膨潤性の高い溶媒として作用し、有機溶媒は、膨潤を抑制する非膨潤性の溶媒として作用する。これらの各溶媒は、混合比によって高膨潤の状態から非膨潤の状態への相転移現象を示す。
高吸水性樹脂による吸水率は、温度の低下に伴い、低下する。混合媒体における有機溶媒の濃度が高い場合、比較的吸水率は低いが、このような低吸水率を示す有機溶媒濃度においても、温度依存性は大きい。従って、スラリーは、一般的に30℃以下、好ましくは5〜25℃の範囲で取り扱うのがよい。30℃を超えると、膨潤速度が早くなり、5℃未満では、冷却エネルギーが増大する。
スラリーAの準備工程は、これらの高吸水性樹脂及び非膨潤性の含水媒体を混合し、適当な剪断力/攪拌力を適用して、均一な分散液を調製するように行えばよい。この準備工程において、高吸水性樹脂を単独で非膨潤性の含水媒体に分散しても、攪拌をやめると樹脂は簡単に沈降し、また攪拌中においても、スラリーA中で高吸水性樹脂相互が接近凝集状態を引き起こすことがある。これをそのままの状態にしておくと、高吸水複合体を製造した場合、高吸水複合体に不均一なスポット的なダマが多発し、製品性を大幅に損なうことになる。
本発明において、スラリーBは、上記の高吸水性樹脂を相互に結合する各種合成樹脂、一定の繊維長を有する短繊維若しくはフィブリル状繊維、又はセルローズ系微細繊維などの結合剤成分と、その分散媒体として、上記の高吸水性樹脂の吸水率を少なくとも200%以上とし、高吸水性樹脂を膨潤させる性質を有する含水媒体(水系媒体)とからなる。スラリーBには、高吸水性樹脂が存在しないので、水が大部分の分散系を用いてもさしつかえない。
結合剤成分としては、高吸水複合体において上記の高吸水性樹脂を相互に結合するものであれば、特に制約はなく、例えば、下記の1)〜3)のものが挙げられる。
アクリル系樹脂、合成ゴム系樹脂エチレン、酢酸ビニル系、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられる。合成樹脂の形態としては、水媒体に分散され或いは乳化されたエマルジョン又はサスペンジョンが挙げられる。なかでも、エマルジョンとしては、たとえば、アクリル系樹脂エマルジョン、合成ゴム系樹脂エマルジョン(ラテックス)、エチレン、酢酸ビニル系エマルジョンが挙げられる。また、サスペンジョンとしては、例えば、ポリエチレン樹脂サスペンジョン、ポリプロピレン樹脂サスペンジョン、塩化ビニル樹脂サスペンジョン及びこれらの混合物が挙げられる。
短繊維類としては、ポリエチレン(PE)繊維、プロピレン(PP)繊維、ポリエステル(PET)繊維、PE/PP複合繊維、PE/PET複合繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、アセテート繊維、ビスコースレーヨン繊維、リヨセル繊維が挙げられる。また、フィブリル状繊維としては、フラッシュ紡糸、スプレイ紡糸法、アスピレーター紡糸法、エレクトロニック紡糸法、メルトブローン紡糸法で得られるフィブリル状の微細繊維が挙げられる。これら短繊維類及びフィブリル状繊維を、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBS−Na)や、ポリエーテルなどのノニオン系界面活性剤などの親水性を賦与する親水化剤を用いて、表面処理したものである。
水和性をもち20mL/g以上の抱水度を有するセルローズ系微細繊維としては、バクテリアセルローズ(バイオセルローズ)、MFC(ミクロフィブリル化セルローズ)、非結晶セルローズ粉末等が挙げられる。これらは、その強力な水素結合性を生かして結合剤としても効果を発揮するし、また、上記のスラリーAにおいて述べた分散均一化剤としても働く。従って、水和性を有するセルローズ系微細繊維類は、本発明の目的に適った結合剤である。
水系媒体としては、水単独、又は水と、有機溶媒などの適当な媒体とからなるものであれば、特に制約はない。なかでも、上記の高吸水性樹脂を、自重の200%以上に膨潤させ得るものであってもよい。水系媒体を構成する適当な媒体としては、工程上、媒体の種類を増やすことは、溶媒の回収等を考慮して、上記の非膨潤性の含水媒体で言及した媒体と同種類で水分含有量を多くしたものが挙げられる。
スラリーB、並びにスラリーBを構成する結合剤成分及び非膨潤性の含水媒体は、結合剤成分の例としてセルロース微細繊維のひとつであるMFCを例示し、次のような特性を有するものも好ましい。
抱水度30mL/g程度で、その水分散性は強い非ニュートン粘性を示す。
非膨潤性の含水媒体としての水/有機溶媒の混合媒体においては、水は、安定な分散媒体として作用し、有機溶媒は、濃度が高くなると(たとえばエタノールの場合には、70%以上)、沈降剤として働き、結合剤成分を凝集させるので注意することが肝要である。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、混合工程は、上記の準備工程でそれぞれ準備したスラリーAとスラリーBとを、オンラインで混合して混合スラリーを得る工程である。ここで初めて、スラリーA中の高吸水性樹脂は、スラリーB中の水系媒体と接触するため、高吸水性樹脂の膨潤/膨化を防ぐためには、滞留部をもたず、空気層と接触せず、密閉状態で、スラリーB中の水系媒体との接触から短時間でしかも均一に行われることが必要である。従って、本発明の混合工程は、スタティックミキサーを用いて行われるのが好ましい。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、供給工程は、上記の通り混合した混合スラリーを基材シート上に供給する工程である。この工程は、いわゆる、湿式成形法に準じて行えばよい。つまり、混合スラリーをフレキソコーター、グラビアコーター、などによって基材表面に塗工する方法や、抄紙機等を用いて走行するネット上に供給される基材シートに、混合スラリーを流延する方法であってもよい。
(1)基材シートをあらかじめ界面活性剤により親水化した後、この基材シートに、高吸水性樹脂と、MFCなどの結合剤成分とからなる混合スラリーを直接供給する手段;
(2)混合スラリーに界面活性剤を内部添加しておき、このスラリーに、基材シートに対する浸透性を持たせることによって、混合スラリーを基材シートに直接供給する手段;
(3)混合スラリーを調製する含水媒体として、MFCなどの結合剤成分を安定に分散させるとともに基材シートに浸透性を有する有機溶媒と水との混合媒体を用いることによって、この混合スラリーを基材シートに直接供給する手段;
などである。
本発明による高吸水複合体の製造方法において、脱溶媒工程は、上記の供給工程で得た、基材シート上に供給された混合スラリーを構成する膨潤性及び/又は非膨潤性の含水媒体を、混合スラリーから除去する工程である。この工程により、高吸水複合体が得られる。脱溶媒工程は、このような機能を達成し得るものであれば、特に制約はなく、例えば、加熱により含水媒体を混合スラリーから取り除く手段や、基材シートを介して、この基材シート上に供給された混合スラリーから含水媒体を吸引する手段であってもよい。また、加熱とともに圧力を混合スラリーに印加する手段であってもよい。これにより、基材シート上に、高吸水性樹脂と結合剤とからなる高吸水複合体が得られる。この高吸水複合体は、吸水性を所望する種々の適用例を有し、この適用例としては、子供用又は大人用のおむつなどの吸収性物品や、女性用品、ペット用吸収用品が挙げられる。
本発明の構成要件である各スラリー、高吸水性樹脂、結合剤成分及び含水媒体の関係、及び本発明の特徴と従来技術との比較を下記の表1及び表2にまとめる。
このようにして、本発明による高吸水複合体の製造方法に従って、高吸水性樹脂と結合剤とからなる高吸水複合体が製造される。図3は、本発明による高吸水複合体の製造方法に従って製造される高吸水複合体の概略図であって、(1)は、基材シートを有する例を、(2)は、基材シートを有さない例を、それぞれ示す。図3に示す通り、高吸水複合体30は、一定の吸水率を有する高吸水性樹脂32と、高吸水性樹脂32相互を結合する結合剤34とからなる。高吸水複合体30は、これら高吸水性樹脂32及び結合剤34を担持するように、基材シート22を有してもよい。図3(1)に示す高吸水複合体30では、球状の形態の高吸水性樹脂32と、結合剤34としてMFCとが用いられている。また、図3(2)に示す高吸水複合体30は、基材シートを有さない例であって、球状の形態の高吸水性樹脂32と、結合剤34としてSBR樹脂とを有する。なお、本発明において、結合剤は、上記の結合剤成分を用いて得た高吸水複合体を構成するものであって、例えば、結合剤成分としてSBR樹脂エマルジョン(ラテックス)を用いた場合、高吸水複合体において、結合剤とは、SBR樹脂である。
次に、本発明による高吸水複合体の製造装置の例について、図1及び2を参照して、説明する。
「前記タンクA及びタンクBに流体接続され、前記スラリーA及びスラリーBをオンラインで混合して混合スラリーを得るスタティックミキサー」は、上記の高吸水複合体の製造方法における「前記スラリーAと前記スラリーBとをオンラインで混合して混合スラリーを得る工程」に対応し;
「前記混合スラリーをさらに混合する混合手段」は、上記の高吸水複合体の製造方法において、スタティックミキサーを用いたオンラインでの混合に加えた、スラリーをさらに混合する工程に対応し;
「該基材シート上に前記混合スラリーを供給する供給手段」は、上記の高吸水複合体の製造方法における「前記混合スラリーを基材シート上に供給する工程」に対応し;且つ
「前記混合スラリーから前記の媒体を除去する脱溶媒手段」は、上記の高吸水複合体の製造方法における「前記混合スラリーと前記基材シートとからなる高吸水複合体を形成するように、脱溶媒する工程」に対応する。
[スラリーAの調製]
35.00重量%のSAP(高吸水性樹脂、吸水率=4000%、日本触媒社製)と、0.33重量%のMFC(ミクロフィブリルセルロース繊維、日本吸収体技術研究所社製)とからなるスラリーAを、EtOH/H2O=75/25の重量比の媒体を用いて調製した。
W:吸水量(g/g)
a:対象となる試料の重量(g)
b:試料を入れたティーバッグを所定時間生理食塩水に浸漬し水切りした後のティーバッグ全体の重量(g)
c:試料を入れないティーバッグを上記所定時間生理食塩水に浸漬し、上記と同様に水切りした後のティーバッグの重量の平均値(g)
0.82重量%のMFCからなるスラリーBを、EtOH/H2O=30/70の重量比の媒体を用いて調製した。
図4に示す装置を用いて、上記の通り得たスラリーA及びスラリーBを、それぞれタンクA及びスラリーBに貯溜し、これらのタンクから、6個のエレメントを有する1つのモジュールを2つ連結させてなる、合計12個のエレメント(ノリタケ社製、2−N33−101F)を有するスタティックミキサー10に、40L/時間の流量でスラリーA及びスラリーBをそれぞれ供給して、スタティックミキサー10を経由した混合スラリーを得た。なお、検討中、タンクAに貯溜したスラリーAについては、沈降を防止するために、700rpmのスクリュー型攪拌機を用いて攪拌した。得た混合スラリーについて、下記の事項を検討した。なお、スラリーBについては、凝集・沈降することなく、攪拌しなくても、安定であった。
サンプリング口から得た混合スラリーを1Lのビーカーに受け、指で塊状の物質の存在がないかを確かめながら、混合スラリーの均一性を目視により観察した。
得た混合スラリーが良好に混合されているかどうかをビーカーによってサンプリングし、その後、少量をシャーレに移して、薄い層状にして、5分ごとに目視により観察した。
上記の参考例1において運転開始10分後に得た混合スラリーを、直ちに基材シート(PET製、40g/m2のエアスリー不織布、クラレ社製)上にハンドコート装置により塗工して、高吸水性樹脂/結合剤(MFC)の層を形成し、混合スラリーを構成する液媒体を、基材シートを介して真空状態で脱溶媒した。脱溶媒したシートを、60℃の熱風乾燥機で乾燥して、高吸水複合体1−1を得た。
[均一性]
得た混合スラリーの均一性について、下記の基準に基づいて、視認により官能的に評価した。
△・・・ほぼ均一
▲・・・不均一な部分が散見
×・・・一部に定常的に固まりが発生し、不均一
××・・・スラリー全体が凝集し、全体的に不均一
得た混合スラリーについて、60rpm前後の条件で攪拌して、攪拌時の状態を下記の基準に基づいて官能的に評価した。
△・・・若干滞りがあるものの、攪拌可能
▲・・・攪拌可能ではあるが、極めて困難
×・・・流動性がなく、攪拌不可能
混合スラリーから高吸水複合体をハンドコート塗工する際、基材シート上への成形性について、下記の基準に基づいて、官能的に評価した。
△・・・基材シート表面の全面にほぼ均一に成形可能ではあるが、塗工が困難
▲・・・つまって、全体にかすれると同時に、スラリーの塗工されない部分が観察される
×・・・成形不可能
[表面平滑性]
得た高吸水複合体の表面の状態について、下記の基準により、指で触れることで官能的に評価した。
△・・・ざらざらする箇所が一部に発生
▲・・・ざらざらする箇所が全面に発生
×・・・かさぶた状の固形物が表面に付着し、シートの体をなさない。
得た高吸水複合体の表面の状態について、下記の基準により、視認することで官能的に評価した。
△・・・塊状物質が一部に発生
▲・・・塊状物質が全面に発生し、表面が凹凸を呈する
×・・・塊状物質が全面に発生し、表面に大きな孔あきが散見される
得た高吸水複合体について、下記の基準により、基材シートへの混合スラリーの塗工の濃淡を透視して目視で評価した。
△・・・あまりなし
▲・・・全面に目立つ
×・・・シートの形態をなさない
ティーバッグ法に準じて、測定した。
実施例1において、運転開始10及び20分後に代えて、50分後に得た混合スラリーを用いた以外は、実施例1と同様に行い、高吸水複合体2−1を得た。この高吸水複合体について、実施例1と同様に検討した。
参考例1において運転開始30分後に得た混合スラリー3−1を用いて、実施例1と同様に行い、高吸水複合体3−1を得た。
参考例1のスラリーA及びスラリーBを混合して得た混合スラリーをサンプリングして1Lのビーカーに採取して室温下で経時的変化をトレースした。この経時時間としては、攪拌しながら室温で、5分(比較例1)、10分(比較例2)、30分(比較例3)及び1時間(比較例4)の4条件とし、これらの条件で、載置した。これら一定時間載置したスラリーを用いて、実施例1と同様に、基材シート上に供給等して、上記の所定時間経過後、直ちにハンドコート装置により基材シート上に塗工処理を行い、比較高吸水複合体1〜4を得た。
、[表面平滑性]、[塊状物質の存在]、[塗工濃淡ムラ]及び[高吸水複合体の吸水率]について、検討した。なお、比較高吸水複合体4については、用いた混合スラリーに流動性が全くなかったので、製造できなかった。従って、比較高吸水複合体4についての<高吸水複合体の性能>については、検討できなかった。
Claims (23)
- イオン交換水に対して少なくとも自重の2000%以上の吸水率を有する高吸水性樹脂を、非膨潤性の含水媒体に分散して得られるスラリーAと、
前記高吸水性樹脂の吸水率を少なくとも200%以上とする水系媒体に、前記高吸水性樹脂相互を結合する結合剤成分を分散して得られるスラリーBとを、それぞれ準備する工程と;
前記スラリーAと前記スラリーBとをオンラインで混合して混合スラリーを得る工程と;
前記混合スラリーを基材シート上に供給する工程と;
前記混合スラリーと前記基材シートとからなる高吸水複合体を形成するように、脱溶媒する工程と;
を有する、高吸水性樹脂と結合剤とからなることを特徴とする高吸水複合体の製造方法。 - 前記の混合スラリーを得る工程は、スタティックミキサーを用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記のスラリーを準備する工程において、前記スラリーAに、前記高吸水性樹脂相互の結合及び/又は凝集を防止する分散均一化剤を添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記の供給する工程は、前記スラリーAと前記水系媒体とが接触した後、20分以内に行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記の供給する工程は、前記スラリーAと前記水系媒体とが接触した後、30秒以上10分以内に行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記スラリーAを構成する前記非膨潤性の含水媒体は、水と、水と相溶性を持つ有機溶媒との混合媒体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記混合媒体の含水量は、該スラリーの全量に対して30%以下であることを特徴とする請求項6に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記スラリーBを構成する水系媒体は、水単独、又は水と水に相溶性を有する有機溶媒との混合媒体であることを特徴とする請求項1乃至7に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記混合媒体の含水量は、該スラリーの全量に対して40%以上であることを特徴とする請求項8に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン及びプロピレングリコールからなる群から選択されることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記結合剤成分は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記結合剤成分は、熱可塑性合成繊維の繊維長10mm以下の短繊維体又はフィブリル状繊維体であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記結合剤成分は、抱水量20mL/g以上の水和量を有する繊維長0.5mm以下の微細セルローズ繊維であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記スラリーAは、固形分として15〜50重量%の前記高吸水性樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記スラリーAの前記混合媒体は、エタノール/水=90/10〜60/40の混合媒体であることを特徴とする請求項6乃至14のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記スラリーAは、固形分として0.1〜0.5重量%の前記微細セルローズ繊維を含有することを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記スラリーBは、固形分として0.3〜2.0重量%の前記微細セルローズ繊維を含有することを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記スラリーBの前記混合媒体は、エタノール/水=60/40〜10/90の混合媒体であることを特徴とする請求項8乃至17のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記スラリーBは、無機系固形分を更に含有することを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記無機系固形分の含有量は、スラリーBの全量に対して1〜20重量%であることを特徴とする請求項19に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 前記高吸水複合体は、シート状であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の高吸水複合体の製造方法。
- 高吸水性樹脂と結合剤とからなるシート状の高吸水複合体を製造する高吸水複合体の製造装置であって、
イオン交換水に対して少なくとも自重の2000%以上の含水率を有する高吸水性樹脂を、非膨潤性の含水媒体に分散して得られるスラリーAを貯蔵する攪拌器つきのタンクAと;
前記高吸水性樹脂の吸水率を少なくとも200%以上とする水系媒体に、前記高吸水性樹脂相互を結合する結合剤成分を分散して得られるスラリーBを貯蔵する攪拌器つきのタンクBと;
前記タンクA及びタンクBに流体接続され、前記スラリーA及びスラリーBをオンラインで混合して混合スラリーを得るスタティックミキサーと;
基材シートを走行させる運搬手段と;
該基材シート上に前記混合スラリーを供給する供給手段と;
前記混合スラリーから前記の媒体を除去する脱溶媒手段と;
を有することを特徴とする高吸水複合体の製造装置。 - 前記混合スラリーをさらに混合する混合手段をさらに有することを特徴とする請求項22に記載の高吸水複合体の製造装置。
Applications Claiming Priority (1)
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