JP3858106B2 - シート状吸収体、その製造方法および装置 - Google Patents

シート状吸収体、その製造方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、厚さが比較的薄いシート状の形態でありながら、複数回の液体供給の後にもなお、初期に比べてほとんど遜色のない吸収能力を発揮するように改良されたシート状吸収体、ならびにこのシート状吸収体を製造する方法および装置に関する。このシート状吸収体は、幅広い用途、たとえば人体用の経血処理、尿便処理、あるいは動物用の排泄処理等の用途のための吸収体として有利に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
オムツのような衛生用品に使用されている吸収体は、その主成分として、従来よりフラッフ状木材パルプ(以下「パルプ」と略称する)と、いわゆる高吸水性樹脂(以下「SAP」と略称する)との組合せから成り立っている。しかし近年、物流の効率化、小売店頭での棚効率の向上のため、さらには省資源化のために、従来の比較的嵩張る吸収体製品に対して、薄物化、コンパクト化への社会的要請が大となっている。
【0003】
コンパクト化、薄物化の手段としては、SAPとパルプの組合せにおいては、パルプに対して2〜10倍ほど高い吸水能力を持つSAPの比率を上げ、パルプの比率を下げれば、薄く、コンパクトになり、究極的にはSAP100%の構造をとれば、最大限に薄層、コンパクト化を追求できるはずである。そうした目的で、SAPを主成分として、そのブロッキングを防止することができる、いわゆるパルプレス吸収体の研究、開発が盛んに行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
生体からの体液排出は、環境条件、生活条件等により様々に変化し、しかも回数も一定ではない。このため、多くの吸収体製品に用いられるシート状吸収体には、状況変化に対応して、素早く、しかも多数回にわたって安定した吸収能力を発揮することが要求される。
【0005】
従来のパルプ/SAP2成分系の吸収体の場合には、両成分の組合わせにより、液体に対するパルプの一時貯留性と、SAPの安定貯留機能とを活かし、多数回の吸収要求にもある程度の対応が可能である。ところが、大きい吸収量の確保のためにSAPの割合を増加したSAP単独に近い系では、液体が供給されると同時にSAPが一斉に吸収を開始するために、1回目の吸収スピードはきわめて速いが、2回、3回と液体供給が繰り返されるにしたがって吸収スピードが急激に低下するという基本的な問題を抱えている。
【0006】
本発明は、このような従来の吸収体が有している問題点に対する一つの解決を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの態様によれば、液体透過性シート状基材と、その一方の表面に結合された、粒子状高吸水性樹脂を含む高吸収層とを備えたシート状吸収体において、前記高吸収層が、前記液体透過性シート状基材の前記表面に、所望のパターンで分布された、他の領域よりも高い吸収能力を持つ複数の高吸収領域を形成していることを特徴とするシート状吸収体が提供される。
【0008】
このような構造をもつ本発明のシート状吸収体においては、排出体液などの液体がシート状吸収体の液体透過性シート状基材の表面すなわち高吸収層の存在しない側の表面に接触すると、この液体はまず液体透過性シート状基材に吸収され、その液体浸透性により、それ自身の内部に急速に浸透、拡散され、その後に、液体が供給された表面とは反対側の表面に接して設けられている高吸収層に接触してこれに吸収される。シート状吸収体全体としての吸収スピードは、液体透過性シート状基材への吸収拡散スピードと、高吸収層表面からその内部への順次膨潤、吸収スピードとによって決まる。
【0009】
したがって、高吸収層に厚み差あるいは密度差があれば、液体が供給されたとき、厚みが薄く、あるいは密度の低い部分から膨潤吸収が進む。また高吸収層に含まれている粒子状高吸水性樹脂の粒径に差があれば、粒径の小さい部分から膨潤吸収が進む。本発明の基本的なコンセプトは、シート状吸収体の表面上に所望のパターンで高吸収領域を分布させたことによって生ずる吸収能力差を、膨潤吸収スピードの差に反映させたことにある。
【0010】
また高吸収層に不定形の縁部を与えることにより、その縁部の長さが、単純な直線あるいは曲線に比較して格段に長く、したがってシート状基材に一旦吸収された液体は、この長い接触線をもつ高吸収層に速やかに吸収され、吸収スピードのさらなる向上が得られる。
【0011】
さらに本発明によれば、液体透過性シート状基材の表面上に、所望のパターンで分布された、他の領域よりも高い吸収能力を持つ複数の高吸収領域を形成する高吸収層が設けられたシート状吸収体を製造する方法であって、粒子状高吸水性樹脂を含むスラリー状分散液を準備する分散工程と、前記分散工程で得られた分散液を前記液体透過性シート状基材の表面上に塗布して、所望のパターンで分布された、他の領域よりも高い吸収能力を持つ複数の高吸収領域を形成する塗布工程と、前記塗布工程で形成された高吸収層を乾燥させる乾燥工程と、を備えている方法が提供される。
【0012】
また本発明は、上記の方法を実施するための装置を提供する。この装置は、連続する液体透過性シート状基材の一方の表面上に、粒子状高吸水性樹脂を含むスラリー状分散液を帯状に塗布するための複数のノズルと、このノズルに前記スラリー状分散液を供給するための給送手段とを備え、前記給送手段が、前記分散液の流量を脈動させる機構を有していることを特徴とする。
【0013】
本発明の他の態様によれば、連続する液体透過性シート状基材の一方の表面上に、粒子状高吸水性樹脂を含むスラリー状分散液を帯状に塗布するための複数のノズルと、このノズルに前記スラリー状分散液を供給するための給送手段とを備え、前記ノズルの各々が複数の吐出口を有していることを特徴とするシート状吸収体の製造装置が提供される。
【0014】
これらの装置は、スラリー状分散液が塗布された後に、前記液体透過性シート状基材を加熱下でプレスする熱プレス手段を備えることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明を実施するためには、高吸収層をシート状基材上に形成させ、しかもその高吸収層をいかに所望のパターンで基材上に分布させた高吸収領域を形成させるか、が重要である。
【0016】
高吸収層を形成する構成成分は、主要成分である粒子状の高吸水性樹脂とその結合剤及ぴ補助的添加成分である。補助的添加成分とは、拡散性を改良させるための添加繊維類(たとえば木材パルプ、合成パルプ、合成繊維など)、抗菌剤、タルク等の無機材料等であるが、本発明にとっては主眼目ではないので、主要成分である高吸水性樹脂と結合剤についてより詳しく説明する。
【0017】
高吸水性樹脂とは、水を安定に、しかも多量に保有する性質を持つ物質の総称であって、合成樹脂から微生物起源の物質をも含む、SAPと略称されるものである。ここで「粒子状」とは、見掛け上の表現であって、フレーク状、粉状及びその混合体、あるいは集合体も含む概念として使用される。結合剤としては、いわゆるホットメルト、エマルジョン状バインダー、水溶性糊剤等の接合剤も含まれるが、本発明では、水素結合性の強い木材パルプ類、熱融着性合成繊維類等も結合剤に含まれる。
【0018】
上述のような高吸収層の形成成分を基材上に、所望のパターンに分布、成形させるためには、高吸収層形成成分をスラリー状にして、そのスラリーを基材上に塗布固定するような手段を採用することが有効である。また、このようなスラリー状高吸収成分を基材に固定するためには、それに適合した結合剤の存在が重要である。
【0019】
このような系における結合剤として好ましい物質は、セルローズあるいはセルローズ誘導体からなる、水和性のミクロフィブリル状微細繊維である。このミクロフィブリル状微細繊維とは、一般的には平均直径が2.0μm〜0.01μm、平均で0.1μmもしくはそれ以下の極めて細い繊維状物で、特記すべきことは、ソルベーション(束縛水)として水と結合する、極めて強固な水和性を有することである。この水和性により、含水媒体中に分散されると水和して、大きな粘性を示し、安定に分散状態を保持する性質を示す。なお、本発明において、「ミクロフィブリル」という用語は、強い水和性を示す繊維状物を総称するもとのして使用され、場合によっては平均直径が2.0μmを超えるものも使用可能であり、また、いわゆるフィブリル状物とミクロフィブリル状物との混合体であってもよい。このようなミクロフィブリル状微細繊維のもつ水和性は、食品添加物等においては、流動性の調節に利用されるが、ミクロフィブリル状微細繊維が液体媒体中に分散された状態では、とくにある濃度以上になるとネットワーク構造を作り、分散状態を安定にするように作用する。
【0020】
ミクロフィブリル状微細繊維は、セルローズあるいはセルローズ誘導体をミクロフィブリル化処理することにより得られる。たとえば木材パルプを磨砕および高度叩解することにより得られる。このミクロフィブリルは、MFC(ミクロフィブリレイテッドセルローズ)と呼ばれ、ミクロフィブリル化のより進んだものは、スーパーミクロフィブリレイテッドセルローズ(S−MFC)と呼ばれる。
【0021】
また、たとえば人造セルロース繊維(ポリノジック繊維、ベンベルグ繊維、溶媒紡糸リヨセル)を短いステープル状に切断したものを磨砕および高度叩解することによっても得られる。
【0022】
あるいはミクロフィブリル状微細繊維は、微生物の代謝によっても得ることができる。一般的には、Acetobactor Xylinum等の、いわゆる酢酸菌を適当な炭素源を含む培地で撹拌培養して粗ミクロフィブリルを生成させ、ついで精製することにより得られる。このミクロフィブリル状微細繊維は、バクテリアルセルローズ(BC)と呼ばれる。
【0023】
また紡糸性を有するセルロースの銅アンモニア溶液、アミンオキサイド溶液、セルローズザンテート水溶液、あるいはジアセチルセルローズのアセトン溶液等を剪断応力下で凝固させて得られる、いわゆるフィブリル状物を、さらに離解して得られるミクロフィブリル状の素材もまた本発明において使用することが可能である。
【0024】
これらのミクロフィブリル状微細繊維の詳細については、特公昭48−6641号公報、特公昭50−38720号公報等に記載され、また商品名「セルクリーム」(旭化成(株)製)、商品名「セリッシュ」(ダイセル化学工業(株)製)等として市販されており、とくに本発明に適するものは、S−MFCおよびBCである。
【0025】
さて、上記のような粒子状SAPとミクロフィブリル状微細繊維を安定なスラリー状の分散液として取扱うためには、分散媒体を適切に選択することが重要である。SAPがその製造工程上で最初からスラリー状を呈している場合、例えばシクロヘキサン/水系で重合反応が行われるアクリル酸のサスペンジョン重合のような系では、重合反応終了後、サスペンジョン状で架橋処理を行ったのち、そのスラリー中にミクロフィブリル状微細繊維の水分散液、あるいは溶媒/水分散液を撹拌下で添加することによって、部分膨張したSAPとミグロフィブリル状微細繊維を含む安定なスラリーが得られる。
【0026】
市販の乾燥されたSAPを上記ミクロフィブリル状微細繊維とともに安定に分散させたスラリーを得るためには、水と有機溶媒との混合媒体に分散させることが望ましく、そのような有機溶媒としては、原則的には水と相溶性があり、かつSAP粒子を膨潤ないし溶解させないものであることが必要である。このような有機溶媒の例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジオキサン、アセトン、テトラヒドロフラン、グリセリン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジメチルスルホキサイド等が挙げられる。
【0027】
この有機溶媒と水とからなる混合溶媒にSAP粒子およびミクロフィブリル状微細繊維が分散されると、ミクロフィブリル状微細繊維が混合溶媒中で示す粘性により、ミクロフィブリル状微細繊維およびSAP粒子の安定な分散液が形成される。
【0028】
上記のようにして得られた高吸水性樹脂と結合剤を含むスラリーは、液体透過性シート状基材の表面に塗工されて高吸収層を形成する。液体透過性シート状基材は、高吸収層を支える基材であると同時に、製造工程におけるスラリーからの固液分離の役割も演ずる。したがって基材構成成分が高吸収層との親和性を持つと同時に、基材の構造が固形物は透過しないが、液体は透過できるような細孔を持っていることが望ましい。その意味では天然繊維、化学繊維、そして合成繊維を原料とする不織布類を基材にすることが望ましい。特にセルロース系のミクロフィブリル状微細繊維を結合剤として用いる場合には、水素結合性のあるセルロース系繊維をシート状基材に混在させることが望ましい。
【0029】
本発明において、高吸収層は、上記スラリーを液体透過性シート状基材の表面に塗布して形成されるが、塗布された結果として、所望のパターンで分布された吸収能力の高い複数の高吸収領域を形成していることが必要である。
【0030】
高吸収領域の分布状態の例を示すと、(1)ほぼ全面に分布した薄い高吸収層の上にさらに部分的に厚い層が存在する場合;(2)高吸収層のない基材が露出している部分と高吸収層の存在する部分が別々に存在している場合;そして(3)高吸収領域の中に薄い層と厚い層が共存している場合に分けられる。高吸収領域の存在パターンは、例えば図11のような海島状パターン、図12のように薄い縁部を持った連続帯状パターン、あるいは図13のように海島と帯状パターンの組合せのようにさまざまな態様のものが考えられる。
【0031】
このような不均一な分布をもって高吸収層を形成するための代表的な手段は、スラリー状分散液の吐出量もしくは吐出幅に適度な脈動を与えてパターン状の分布を形成させるか、あるいは塗布後の未だ固化する前に賦形することである。
【0032】
吐出された分散液に適度な脈動を与えるための一つの手段は、脈動を伴って吐出する性質を有する、たとえばプランジャポンプ、チューブポンプ等のポンプを使用することである。吐出量の脈動を生じないタイプのポンプを使用する場合には、その吐出側に適当な脈動付加装置を設ける。
【0033】
図1は、本発明のシート状吸収体における高吸収層の吸収能力の高い複数の高吸収領域と、吸収能力の低い低吸収領域とを模式的に示すもので、図面にやや白い色で表された部分は吸収能力の大きい領域110、黒い色で表された部分は吸収能力の小さい領域120を示している。
【0034】
図2は、図1に示されたシート状吸収体の一部の縦断面図で、符号10は、適当な液体透過性を有する不織布のような材料からなるシート状基材を示し、このシート状基材10の一方の表面に、吸収能力の大きい領域110およびこれよりも吸収能力の小さい領域120を形成する高吸収層100が設けられている。
【0035】
高吸収層100は、高吸水性樹脂の粒子101と、各粒子101の周囲に存在するミクロフィブリル状微細繊維102とで構成され、ミクロフィブリル状微細繊維102は、高吸水性樹脂の粒子101を相互に、そしてシート状基材10の表面に結合するとともに、吸収すべき液体を各粒子に移送する手段として機能する。
【0036】
図1および図2に示した例では、高吸収層100の吸収能力の大きい領域110と吸収能力の小さい領域120との間の吸収能力の差は、高吸収層100の厚さの差で実現されている。この厚さは、見掛け上は高吸収性樹脂の層構成で表現され、図2のように薄い層は1層、厚い層は2層以上の層から構成されている。
【0037】
つぎに、図1および図2に示したシート状吸収体を製造するために使用される装置の一例の構造を、図3を参照して説明する。図3において、符号11は、ミクロフィブリル状微細繊維およびSAPを含むスラリー状分散液が供給されるスラリー供給管を示し、このスラリー供給管11に、先端にそれぞれノズル12を備えた複数のパイプ13が接続されている。また各パイプ13は、スラリー供給管11からスラリー状分散液を吸引し、これをノズル12から吐出するための給送手段としてのポンプ14が設けられ、共通のモータ15により駆動されるようになっている。
【0038】
一方、ノズル12から吐出されるスラリー状分散液を塗布すべき液体透過性シート状基材10は、図中の矢印の方向に一定の速度で搬送されるようになっている。各ポンプ14は、スラリー状分散液を周期的に変動する圧力でノズル12に供給することができるもので、この結果、液体透過性シート状基材10上には、ノズル12の数に対応する数でスラリー状分散液の帯16が形成され、帯16の各々は、高吸収層の厚みの変化と不定形の縁部を持つことになる。
【0039】
パターン分布を形成させるための一つの手段は、一定の流量で供給された分散液を液体透過性シート状基材の表面に塗布する段階で、塗布層の厚さおよび(または)幅に適当なパターンを与えることができるような構造ないしは機能をもつノズルを使用することである。
【0040】
このようなノズルの形態としては、図4および図5に示すようなものが適用できる。図4に示すノズル12は、筒状の本体20の先端部から所定の長さの2本のスリットを形成して、先端部を2つの部分21および22に分割した構造を有し、その結果、2つの部分21および22の先端にそれぞれ吐出口が形成されることになる。また図5に示すノズル12は、筒状の本体20の先端部から所定の長さの4本のスリットを形成して、先端部を4つの部分23〜26に分割した構造を有し、この場合には、4つの部分23〜26の先端にそれぞれ吐出口が形成されることになる。。
【0041】
他の形態のノズルの例を図6〜図8に示す。図6のノズル12は、剛性の、あるいは適度な柔軟性を持つチューブ31の先端に一体的に舌部32を形成した構造を有する。また図7のノズル12は、チューブ31の先端に、別に用意された剛性の、あるいは適度な柔軟性を持つ舌部33を取り付けた構造を有する。さらに図8に示すノズル12は、チューブ31の先端に、別に用意された柔軟性な舌部34と、その外側に位置する補強体35とを取り付けた構造を有する。
【0042】
図6〜図8に示した構造のノズルの場合にも、本体31の先端開口と、舌部32〜34の各々の先端とに、それぞれ吐出口が形成され、各ノズルは複数の吐出口を有することとなる。
【0043】
これらのノズル12は、スラリー状分散液を塗布すべき液体透過性シート状基材15に対して、図9に示すようにほぼ垂直に、あるいは図10に示すように適当な角度θだけ傾斜させて配置される。このように配置されたノズル12からスラリー状分散液が吐出されると、吐出圧力に応じて抵抗の低い開口部のある方向に分散液が吐出し、不定形の縁部をもったパターンでコーティングが行われることになる。
【0044】
このようなことが比較的簡単に行われるのは、用いられるSAPとミクロフィブリル状微細繊維を含有するスラリーが大きな構造粘性(チクソトロビック−フロー)を持つためで、吐出流速を持っているときは高い流動性を持ちつつノズルから噴出するが、吐出後、直ちに流動性を失い、固形化するという特性も寄与していると思われる。
【0045】
このような結果として液体透過性シート状基材の表面には、厚みの変化と不定形の縁部を持つ帯状の形態を持った複数の高吸収領域が形成されることになる。
【0046】
シート状基材上に高吸収層のパターン分布を形成させるための他の手段は、へッダーを含むノズル部分、あるいは基材のフィード機構部分のいずれか、あるいは両方に振動発生部を組み込んで揺動効果を与えることである。これによっても、高吸収層の厚さ、または幅が周期的に変化する構造を付与することができる。パターン分布を形成させる方法の例として、ポンプの脈動を利用する方法、特殊なノズルを利用する方法、及び装置を振動させて分散スラリーに揺動効果を与える方法等について説明したが、これらの方法に組合せる手段として、分散スラリーの主成分であるSAPについて、粒度や形状の違った、あるいは吸収連度の大きな違いを発生する違った種類のSAPを共存させる方法もある。この場合には、均一な分散性とノズルからの吐出安定性を考えると、比較的細かい粒度を持つSAPの分散系に、粒経の大きい、あるいは形状の違ったSAPを一部分散させることが望ましい。
【0047】
さて、このようなパターン分布を形成させる目的は、濃度分布(濃いところと淡いところ)、密度分布(密度の高いところと低いところ)、厚みの分布(厚いところと薄いところ)を持たせ、また同時に薄い、濃度の低い部分の表面積を増大させ、濃度の低いまたは高吸収層の存在しない部分を利用して急速な吸水性と拡散効果とを持たせ、厚い部分によって時間はかかるが安定な吸収能力を持たせるような多相構造による多回数吸収に適応した吸収体の機能設計に主眼をおいている。しかし一方、このような構造付与によって、吸収体シート全体に身体になじむ可撓性を賦与することもできる。即ち、高吸収層が厚くコートされた部分は剛性を持ち撓みにくいが∵高吸収層の少ない、あるいは無い部分は基材そのものの特質を保持し、極めて撓みやすい構造となっている。
【0048】
上述した様な手段により得られるパターン分布を持ったシート状吸収体の一例を模式図で示したのが図11〜図13である。図11は脈動を利用したパターン、図12は二股ノズルを利用した例、図13はその組合せで得られるパターンである。
【0049】
パターン分布をもってスラリーを塗布されたシート状吸収体は、プレス圧着によりシート基材と安定に結合され、脱溶媒、乾燥により構造が固定される。この際、パターン分布をもつ、厚薄度の大きい、溶媒を多量に含んだ未乾燥のシート状吸収体は、プレス時にプレスロールに付着し、部分剥離が生じやすい。そのため表面をティッシュや不織布でカバーしてプレスする方法もあるが、効果的なのは熱プレスを行い、基材になじませると同時に、プレス面の吸収層を脱溶媒して構造固定することにより、表面を安定化させたのちに剥離すると、カバー材なしでもこうした巻き付きは生じない。
【0050】
この方法は工業的に極めて有効な方法である。図14〜図16は、本発明のパターンで分布された吸収能力の高い複数の高吸収領域を持ったシート状吸収体の製造プロセスの一例を示したものである。
【0051】
図14の塗布装置は、相互に平行に軸支されたサクションロール41および熱プレスロール42を備え、液体透過性シート状基材10は、ガイドロール43を介してサクションロール41に導かれ、その周面上を約1/4周した位置で、熱プレスロール42の周面に接触し、その後は熱プレスロール42に接触した状態で約半周し、ガイドロール44を介して乾燥機(図示せず)へ導かれる。
【0052】
サクションロール41内にはサクション部45が設けられ、その周面に接触して搬送される液体透過性シート状基材10を吸引する吸引領域を形成している。ノズル12は、この吸引領域内において液体透過性シート状基材10の表面上にスラリー状分散液を吐出することができる位置に配置されており、液体透過性シート状基材10上に所定のパターンでスラリー状分散液の層を形成する。吸引領域に形成された減圧は、スラリー状分散液を液体透過性シート状基材10表面に密着させると同時に、スラリー状分散液に含まれていた余剰の溶媒を周囲の空気とともに吸引する。この吸引された流体は、パイプ46を介してストレーナ47に導かれて溶媒と気体が分離される。分離された溶媒は、スラリー状分散液を形成するためにパイプ49を経て取出されて再利用され、気体はパイプ48から真空ポンプ(図示せず)を経て外部に放出される。
【0053】
液体透過性シート状基材10は、ついで熱プレスロール42に接触した状態で搬送され、その過程でスラリー状分散液層は加熱されることで液体透過性シート状基材に密着され、ついでガイドロール44を経て乾燥機に導かれ、最終的に乾燥される。
【0054】
図15に示した塗布装置では、ノズル12に対向する位置の吸引領域45に加えて、熱プレスロール42とのニップ部分に位置する第2の吸引領域50が設けられていることのみで、図11に示した塗布装置と相違している。この第2の吸引領域50は、サクションロール41と熱プレスロール42との間でスラリー状分散液が押圧されている状態でスラリー状分散液中の溶媒をさらに高度に吸引分離する。
【0055】
図16に示した塗布装置では、ノズル12はサクションロール41上ではなく、その前段に設けられた保持ロール51の周面上でスラリー状分散液を塗布するように構成されている点で、図11に示したものと相違している。
尚、本発明の応用についてば吸収体製品を主眼において説明したが、このような吸水機能を利用できる用途、例えば保冷材、保水材、露結防上剤、海底ケーブル被覆材、そして水損防止材等への分野応用も可能である。
【0056】
【実施例】
以下に実施例について説明する。
【0057】
(実施例1)
<スラリーの調製>
エタノール60部、水40部からなる分散媒体になるように、S−MFCの3重量%水分散母液を加えて、S−MFC0.6重量%の分散液を調製した。この中へ30重量%相当のSAP(三菱化学製、商品名「US−40」、平均粒子径約200μm)を、プロペラ付撹拌機で撹拌しながら添加してスラリーとした。
【0058】
<スラリーの基材上へのパターン状の成形>
図16に示すスラリー塗布装置(図3にスラリー吐出部分を拡大して示した)を用い、基材として使用された40g/m2のTCF(セルロース系不織布)の上面に、SAPの平均的な付着量として125g/m2となるように、多列に並ぺたチュープポンブを利用してスラリーを基材上にパターン状に成形した。チューブポンブのストロークによって生ずる脈動により、断続的で中心部のスラリーが厚くなっている長円形状のパターンを持つシートが成形された。
【0059】
<パターン状に成形されたスラリーの基材への結合>
基材にスラリーをパターン成形したシートは、図16に示すような160℃の熱プレスロールとサクションロールで熱プレスされると同時に、余剰の分散媒体の吸引除去が行われる。その後、熱ロールに約5秒間接触きせて表面を脱溶媒し、塗布したスラリーを基材へ安定に結合させた。その後、熱ロールから剥離して風乾し、シート吸収体とした。その際、スラリーの基材からの部分剥離による熱ロールへの付着は見られなかった。比較のために熱プレスロールを加熱せずに室温でシートを通したところ、基材上にパターン成形されたスラリーが大部分剥離してロール表面に付着してきた。この事からも、熱ブレスによるSAPの基材への結合効果が確認できた。
【0060】
熱プレス後、乾燥されたシートは図1のようなパターン分布を示し、その基材との結合状態は、図2の一部断面図のようになり、塗布したSAPは、薄い部分では1層、厚い部分ではほぼ3層、中間部分ではほぼ2層の構成であった。これら厚みの違った層が、シート状吸収体に所望の均等でないが連続的な濃度分布を与えることになる。
【0061】
<パターン成形ざれたシートの特性>
このシート状吸収体のSAP付着パターンの濃い部分と淡い部分および中間部分のサンプル片を採取し、断面をルーペで観察してSAPの重なり(層数)を確認し、吸液特性として吸収液量と吸液速度で評価した。
▲1▼吸収液量:0.9%NaCl水溶液(生理食塩水)を用いてJlS K−7223の吸水量試験方法に準じた。
▲2▼吸液速度:約5mm×l0mmのサンプル片複数を大容量の0.9%NaCl水溶液中に浸漬し、肉眼観察でサンプル中のSAPがほぼ完全に膨潤するまでの時間(秒)を測定した。
【0062】
吸収液量については、濃い部分から淡い部分までを含めた10cm×10cmのサイズでシート状吸収体からサンプルを採取し、シート全体としての平均的な値として全吸収量で6.0kg/m2の結果を得た。吸収過程を観察すると、まず淡い部分が吸収し、段々と中間領域、濃い領域へと進行していくのが分かった。分離した各部位における吸液速度の違いを下表に示した。
【0063】
【表1】
Figure 0003858106
上記の結果から、得られたシート状吸収体は柔軟で、吸液速度の異なる高吸収領域分布をもつ特有の性能を有することが分かる。
【0064】
(実施例2)
<粒子径の異なるSAPからスラリーの調製>
平均粒径が200μmおよび800μmのSAPを準備した。200μmのものは実施例1で使用したの三菱化学製「US40」をブランクにして、800μmのものはより表面架橋度を大きくした造粒品を使用した。
【0065】
下表は、SAP1gに対して20ccの生理食塩水の吸水時間を測定したもので、これらのSAPの吸液速度(実施例1参照)は、粒子径が大きくなると内部まで水の浸透に時間がかかり、膨潤が遅くなっている。
【0066】
【表2】
Figure 0003858106
このような性質を持ったSAPをそれぞれ実施例1と同様の方法で、2種類の30重量%のスラリーを調製した。
【0067】
<スラリーの基材への塗布>
粒径の異なったSAPを含有する2種類のスラリーが供給できるように、図3に示すスラリーの塗布装置に2本のヘッダーを設置し、それぞれのポンプへ交互に異なるスラリーが供給できるように改造した装置を使用した。
【0068】
この装置で基材のTCF上に、SAPの平均的な付着量がそれぞれ125g/m2となるように、実施例1と同様の条件でパターン状にスラリーを付着させたシート状吸収体を得た。前記したように、このパターンでは、1列毎に交互にSAP粒子経の異なるスラリーが塗布されているものが得られる。同じ濃度のSAPが塗布されているが、粒径の違いにより、粒径の大きい方のパターンが相対的に厚くなっている。
【0069】
得られた異なったSAPを保有しているシートを10cm×10cmの大きさに切り取り、シャーレに入れ、60ccの生理食塩水を20cc毎5分間隔で3回に分けて添加し、吸収状態を観察した結果を下表に示す。
【0070】
細かい粒子からまず膨潤し、次いで大きな粒子が膨潤していく過程がわかった。
【0071】
【表3】
Figure 0003858106
(実施例3)
<第一分散液の用意>
木材パルプ(ウエアハウザー製、N材KP)とSAP(ヘキストセラ二一ズ社製、商品名「IM−4500」)に、少量の抄紙粘剤(PEO)を添加して、パルプ/SAP=4部/6部を含有する、EtOH/水=50/50系分散液を用意した。調製したスラリー濃度は約2%であった。
【0072】
<第一分散液からのシート状吸収体の成形>
上記スラリー状分散液を、60メッシュのプラスチックメッシュ上に配置した親水化処理したPE/PET不織布(ユニチカ製、商品名「エルベス」)20g/m2に注いで湿式成形し、吸収体マットを得た。この吸収マットをプレス後乾燥したところ、パルプ/SAP=4/6からなる100g/m22の高吸収層を持ったシート状吸収体が得られた。
【0073】
<第二分散液の調製>
実施例1と同様にして調製したEtOH/水=6/4系分散媒体に、SAP30%、MFC0.6%を含有するスラリーを用意した。
【0074】
<第二分散液からのシート状吸収体の成形>
上記パルプ/SAPの均一層を持つ第一分散液からのシート状吸収体の上に、第二分故液を内径3mmのシリコーンゴムチュープをセットした実験用チユーブポンプ(商品名「MASTER FLEX」)を用いて、5mm間隔をおいて海島パターン状にスラリーを供給し、乾燥する前に130℃に加熱したテフロンコーティングされた家庭用アイロンを用いて熱ブレスして乾燥させた。第二分散被から形成された層は、厚薄はあるが平均的に約120g/m2のSAPを含んでいた。
【0075】
<海島状の高吸収領域を持ったシート状吸収体とその性状>
得られたシート状吸収体は、第一分散液から由来するほぼ均一な高吸収層(SAP約60g/m2)に、第二分散液から由来する高吸収層(SAP約120g/m2)が、図11に一部尾がついたようなパターンで分布する形状を持ち、厚薄の2層構造を持ったシート状吸収体が得られた。
【0076】
上記のシート状吸収体から10cm×10cmを切取り、シャーレに配置し、0.9%食塩水を注いで、多回吸収性テストを行った。吸収テストは15ccずつ5分間の間隔をおいて、4回に分けて行った。その結果を下表に示す。
【0077】
【表4】
Figure 0003858106
(実施例4)
<SAPスラリーの調製>
実施例1と同様の方法でSAPとMFCとからなるスラリーを調製した。
【0078】
<液体透過性基材の用意>
本州キノクロス製のSAP含有エアレイドパルプシート(商品名「B‐SAP」)で目付85g/m2のものを用意した。この中には20g/m2のSAPがブレンドされていた。
【0079】
<スラリーの吐出、パターン成形>
スラリーポンプから上記スラリーを図5のような開裂状の吐出口を持つノズルから、上記の移動する基材上に、多列の帯状の不定形の縁部を持つパターンで吐出し、表面温度140℃の熱ロールで加圧プレスし、風乾後、シート状吸収体とした。このシートのパターンは、図12の模式図に近いパターンで高吸収層が分布していた。
【0080】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、従来のシート状吸収体に比較して優れた柔軟性を持つとともに、環境条件、生活条件等により様々に変化し、しかも回数も一定ではない生体からの体液排出に対応して、素早く、しかも多数回にわたって安定した吸収能力を発揮することが可能である。しかも、1回目の吸収スピードが速いことはもちろん、2回、3回と液体供給が繰り返されても、吸収スピードの低下が少ないという特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状吸収体の一例を示す平面図。
【図2】図1のシート状吸収体の部分拡大断面図。
【図3】本発明のシート状吸収体を製造するための装置の一例を概略的に示す斜視図。
【図4】図3の装置に適用されるスラリー状分散液吐出用ノズルの一例を示し、(A)は側面図、(B)は底面図である。
【図5】図3の装置に適用されるスラリー状分散液吐出用ノズルの他の例を示し、(A)は側面図、(B)は底面図である。
【図6】本発明のシート状吸収体を製造するために使用されるスラリー状分散液吐出用ノズルの例を示す斜視図。
【図7】本発明のシート状吸収体を製造するために使用されるスラリー状分散液吐出用ノズルの例を示す斜視図。
【図8】本発明のシート状吸収体を製造するために使用されるスラリー状分散液吐出用ノズルの例を示す斜視図。
【図9】液体透過性シート状基材に対するノズルの接触状態の一例を示す説明図。
【図10】液体透過性シート状基材に対するノズルの接触状態の他の例を示す説明図。
【図11】パターン分布を持ったシート状吸収体の一例を模式的に示す説明図。
【図12】パターン分布を持ったシート状吸収体の他の例を模式的に示す説明図。
【図13】パターン分布を持ったシート状吸収体のさらに他の例を模式的に示す説明図。
【図14】本発明のシート状吸収体を製造するための装置を示す系統図。
【図15】本発明のシート状吸収体を製造するための他の装置を示す系統図。
【図16】本発明のシート状吸収体を製造するためのさらに他の装置を示す系統図。
【符号の説明】
10 シート状吸収体
11 スラリー供給管
12 ノズル
13 パイプ
14 ポンプ
15 モーター
16 帯
20 本体
21〜24 部分
31 チューブ
32〜34 舌部
35 補強体
41 サクションロール
42 熱プレスロール
43,44 ガイドロール
45 サクション部
46 パイプ
47 ストレーナ
48,49 パイプ
100 高吸収層
101 高吸水性樹脂の粒子
102 ミクロフィブリル状微細繊維
110 高吸収領域
120 低吸収領域

Claims (18)

  1. 液体透過性シート状基材と、その一方の表面に結合された、粒子状高吸水性樹脂を含む高吸収層とを備えたシート状吸収体において、
    前記高吸収層、所望のパターンで分布された、他の領域よりも高い吸収能力を持つ複数の高吸収領域形成されており、
    前記粒子状高吸水性樹脂の前記高吸収層の厚み方向における分布は、略一定であることを特徴とするシート状吸収体。
  2. 前記高吸収層が、ミクロフィブリル状微細繊維と、このミクロフィブリル状微細繊維によって相互に結合された粒子状高吸水性樹脂とを含む請求項1に記載のシート状吸収体。
  3. 当該シート状吸収体は、前記の一方の表面上に、前記高吸収層が存在する部分と、前記高吸収層が存在しない前記シート状基材が露出する部分とが存在する請求項1または2に記載のシート状吸収体。
  4. 前記高吸収領域における前記高吸収層の厚さが、他の領域よりも厚くなっている請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート状吸収体。
  5. 前記高吸収領域の厚さが、これに隣接する吸収能力の低い領域に向かうにしたがって薄くなっている請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート状吸収体。
  6. 前記高吸収領域が不定形の縁部を持っている請求項1〜のいずれか1項に記載のシート状吸収体。
  7. 前記高吸収層のパターンが、不定形の縁部を持つ帯状である請求項1〜のいずれか1項に記載のシート状吸収体。
  8. 前記高吸収層の、前記液体透過性シート状基材の表面におけるパターンが、相互に独立する島状領域の集合である請求項1〜のいずれか1項に記載のシート状吸収体。
  9. 前記高吸収層のパターンが、島状領域の列と、長さ方向に沿ってパターンの幅が変化している帯状領域との組合せからなっている請求項1〜のいずれか1項に記載のシート状吸収体。
  10. 前記液体透過性シート状基材が親水性不織布である請求項1〜のいずれか1項に記載のシート状吸収体。
  11. 前記粒子状高分子吸収体が、吸水機能もしくは形態の異なる複数種の粒子状高分子吸収体の組み合わせからなる請求項1〜10のいずれか1項に記載のシート状吸収体。
  12. 液体透過性シート状基材の表面上に、所望のパターンで分布された、他の領域よりも高い吸収能力を持つ複数の高吸収領域を有する高吸収層が設けられたシート状吸収体を製造する方法であって、
    粒子状高吸水性樹脂を含むスラリー状分散液を準備する分散工程と、
    前記分散工程で得られた分散液を前記液体透過性シート状基材の表面上に、前記高吸収層の厚さ及び/又は幅に適当なパターンを与えるように、塗布して、所望のパターンで分布された、他の領域よりも高い吸収能力を持つ複数の高吸収領域を形成する塗布工程と、
    前記塗布工程で形成された高吸収層を乾燥させる乾燥工程と、
    を備えている方法。
  13. 前記塗布工程が、前記分散液の流量を脈動させながら前記液体透過性シート状基材の表面に塗布することにより行われる請求項12に記載の方法。
  14. 前記塗布工程が、前記分散液を、各々が複数の吐出口を有する吐出ノズルを介して前記液体透過性シート状基材の表面に塗布することにより行われる請求項12に記載の方法。
  15. 前記吐出ノズルに前記分散液を供給する供給経路を部分的あるいは全体的に揺動させる請求項14に記載の方法。
  16. 連続する液体透過性シート状基材の一方の表面上に、粒子状高吸水性樹脂を含むスラリー状分散液を帯状に塗布するための複数のノズルと、このノズルに前記スラリー状分散液を供給するための給送手段とを備え、前記給送手段が、前記分散液の流量を脈動させる機構を有していることを特徴とするシート状吸収体の製造装置。
  17. 連続する液体透過性シート状基材の一方の表面上に、粒子状高吸水性樹脂を含むスラリー状分散液を帯状に塗布するための複数のノズルと、このノズルに前記スラリー状分散液を供給するための給送手段とを備え、前記ノズルの各々が複数の吐出口を有していることを特徴とするシート状吸収体の製造装置。
  18. 前記スラリー状分散液が塗布された後に、前記液体透過性シート状基材を加熱下でプレスする熱プレス手段を備えた請求項16または17に記載の装置。
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