JPWO2010001553A1 - 無線装置 - Google Patents
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Abstract
位置情報取得部20は、車両の存在位置および進行方向を取得する。記憶部22は、複数のエリアのそれぞれが設定された位置に関するエリア情報を記憶する。エリア決定部58は、エリア情報を参照しながら、取得した存在位置が複数のエリアのいずれかに含まれているか否かを特定する。推定部60は、特定の結果、存在位置が複数のエリアのいずれかに含まれている場合に、取得した進行方向をもとに、存在位置が含まれているエリア内での進行方向に向かって当該車両が先頭を走行しているか否かを推定する。無線通信部30は、先頭を走行していると推定した場合、信号を送信する。
Description
本発明は、無線技術に関し、特に存在位置をもとに信号を送信する無線装置に関する。
交差点の出会い頭の衝突事故を防止するために、路車間通信の検討がなされている。路車間通信では、路側機と車載器との間において交差点の状況に関する情報が通信される。路車間通信では、路側機の設置が必要になり、手間と費用が大きくなる。これに対して、車車間通信、つまり車載器間で情報を通信する形態であれば、路側機の設置が不要になる。その場合、例えば、GPS(Global Positioning System)等によって現在の位置情報をリアルタイムに検出し、その位置情報を車載器同士で交換しあうことによって、自車両および他車両がそれぞれ交差点へ進入するどの道路に位置するかを判断する(例えば、特許文献1参照)。
IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)では、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能が使用されている。そのため、当該無線LANでは、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。このようなCSMA/CAでは、端末装置間の距離や電波を減衰させる障害物の影響などによって、互いの無線信号が到達しない状況、つまりキャリア・センスが機能しない状況が発生する。キャリア・センスが機能しない場合、複数の端末装置から送信されたパケット信号が衝突する。その結果、パケット信号に含まれたデータが他の端末装置へ伝送されなくなる。このような状態が、車車間通信おいて発生すれば、交差点の出会い頭の衝突事故を防止するという目的が達成されなくなる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、車車間通信においてパケット信号の衝突確率を低減させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の無線装置は、車両の存在位置および進行方向を取得する取得部と、複数のエリアのそれぞれが設定された位置に関するエリア情報を記憶する記憶部と、記憶部において記憶したエリア情報を参照しながら、取得部において取得した存在位置が複数のエリアのいずれかに含まれているか否かを特定する特定部と、特定部における特定の結果、存在位置が複数のエリアのいずれかに含まれている場合に、取得部において取得した進行方向をもとに、存在位置が含まれているエリア内での進行方向に向かって当該車両が先頭を走行しているか否かを推定する推定部と、推定部において先頭を走行していると推定した場合、信号を送信する通信部と、を備える。
本発明の別の態様も、無線装置である。この装置は、車両の存在位置および進行方向を取得する取得部と、複数のエリアのそれぞれが設定された位置に関するエリア情報を記憶する記憶部と、記憶部において記憶したエリア情報を参照しながら、取得部において取得した存在位置が複数のエリアのいずれかに含まれているか否かを特定する特定部と、特定部における特定の結果、存在位置が複数のエリアのいずれかに含まれている場合に、取得部において取得した進行方向をもとに、存在位置が含まれているエリア内での進行方向に向かって当該車両が先頭から一定の範囲内を走行しているか否かを推定する推定部と、推定部において先頭から一定の範囲内を走行していると推定した場合、信号を送信する通信部と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、車車間通信においてパケット信号の衝突確率を低減できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、車両に搭載されたナビゲーション装置に関する。ナビゲーション装置は、地図データを記憶しており、運転者からの要求に応じて目的地までの経路を導出するとともに、導出した経路が重ねられた地図データをモニタに表示する。また、ナビゲーション装置は、無線通信機能を有しており、車車間通信を実行する。例えば、ナビゲーション装置は、車両に搭載された撮像装置にて生成した画像を他の車両へ送信するとともに、他の装置からの画像を受信し、これをモニタに表示する。ここで、無線通信は前述のCSMA/CAを使用しており、特に交差点等において車両の集中によるパケット信号の衝突が発生しやすくなる。そのため、車車間通信におけるパケット信号の衝突確率を低減させるために、本実施例に係るナビゲーション装置は、次の処理を実行する。
ナビゲーション装置において記憶される地図データには、エリア情報が付加されている。例えば、エリア情報では、交差点の近傍等に配置された複数のエリアのそれぞれに対する緯度と経度が示されている。ナビゲーション装置は、GPSによって現在の存在位置を取得するとともに、進行方向も取得する。ナビゲーション装置は、存在位置をもとに複数のエリアのいずれかに進入しているかを判定する。いずれかのエリアに進入している場合、ナビゲーション装置は、当該ナビゲーション装置を搭載した車両がエリアの中で先頭を走行しているかを判定する。ここで、先頭とは、パケット信号の送信機能を有したナビゲーション装置が搭載された車両を対象に判断されればよい。先頭である場合、ナビゲーション装置は、パケット信号を送信する。その際、パケット信号には、存在位置および進行方向に関する情報も格納される。また、ナビゲーション装置は、他の車両からのパケット信号を常時受信し、その内容を確認する。
図1は、本発明の実施例に係る道路状況を示す。これは、ひとつの交差点を上方から見た場合に相当する。図示のごとく、図面の水平方向、つまり左右の方向に向かう道路と、図面の垂直方向、つまり上下の方向に向かう道路とが中心部分で交差している。ここで、図面の上側が方角の「北」に相当し、左側が方角の「西」に相当し、下側が方角の「南」に相当し、右側が方角の「東」に相当する。また、ふたつの道路の交差部分が「交差点」である。第1車両10a、第2車両10b、第3車両10cが、右から左へ向かって進んでおり、第4車両10dが、左から右へ向かって進んでいる。また、第5車両10eが、上から下へ向かって進んでいる。
ここで、第1エリア110が、右から左へ進む道路上の交差点の手前に設定されている。さらに、第2エリア112、第3エリア114、第4エリア116が、左から右へ進む道路上、上から下へ進む道路上、下から上へ進む道路上の交差点の手前に設定されている。つまり、各エリアは交差点の手前に設定されている。複数の車両10のそれぞれは、図示しない無線通信機能と撮像機能とを備えている。例えば、各車両10は、交差点付近の画像を撮像し、無線通信にて他の車両10と交換する。その結果、運転手は、他の車両10において撮像された画像を確認することによって、交差点付近の道路の状態を確認できる。ここで、無線通信システムは、例えば、無線LANのごとくCSMA/CAに対応する。
なお、車両10間において交換される情報は、画像に限定されない。例えば、自己の車両の位置、速度、進行方向などの情報(以下、「走行情報」という)であってもよい。その際、他の車両からの走行情報を受信したナビゲーション装置は、自らの走行情報と他の車両の走行情報とを比較することによって、他の車両の接近を検出する。さらに、ナビゲーション装置は、他の車両の接近を検出すると、運転者に接近を警告する。なお、説明を容易にするために、以下では、画像の交換について説明する。
図2は、本発明の実施例に係るナビゲーション装置100の構成を示す。ナビゲーション装置100は、位置情報取得部20、記憶部22、特定部24、通信制御部28、無線通信部30、アンテナ32、処理部34、IF部36、操作部38、撮像部40、モニタ42、スピーカ44、装置制御部46を含む。また、特定部24は、エリア決定部58、推定部60を含み、処理部34は、ルート探索部54、合成部56を含む。
位置情報取得部20は、図示しないGPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ等を含んでおり、それらから供給されるデータによって、図示しない車両10、つまりナビゲーション装置100が搭載された車両10の存在位置を取得する。また、進行方向、移動速度も取得される。これらの取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。
記憶部22は、電子情報としての地図データを記憶する記憶媒体である。ここで、地図データは、位置情報取得部20において取得した存在位置が含まれるように規定されている。地図データは、ベクトル形式のデータにて形成されており、ベクトル形式のデータでは、道路網表現上の結節点が「ノード」として規定され、道路網表現上のノードとノードとを連結する線分、つまり道路が「リンク」として規定されている。また、リンク内の特定の区間や位置の属性が「リンク内属性」として規定されている。属性として、例えば、踏切のデータ等が含まれる。
また、記憶部22は、地図データに付加されるようにエリア情報を記憶する。エリア情報では、図1に示されたような複数のエリアに対して、各エリアを設定した位置が示されている。つまり、各エリアは、緯度や経度を単位にして、その範囲が分かるように規定されている。図3は、記憶部22に記憶されたエリア情報のデータ構造を示す。エリア情報は、図示のごとく、エリア名欄200、位置情報欄202を含む。エリア名欄200には、図1の第1エリア110等のようなエリアを識別するための名称が含まれている。位置情報欄202には、各エリアを設定した位置が位置情報「A1」等として示されている。位置情報は、例えば、エリアの4つの角に対する緯度、経度によって形成されている。また、位置情報は、例えば、エリアのふたつの対角に対する緯度、経度によって形成されていてもよい。つまり、位置情報は、エリアの設定位置および範囲が分かるように規定されていればよい。図2に戻る。
操作部38は、運転者からの指示を受けつけるインターフェイスであり、ボタン等によって構成されている。操作部38は、例えば、ナビゲーション機能の起動、ルート探索等の指示(以下、「ナビゲーション機能に関する指示」ともいう)を運転者から受けつける。操作部38は、受けつけた指示をIF部36に出力する。撮像部40は、図示しない車両10の前方や後方に設置され、画像を撮像する。ここでは、車両10の前方に設置されているものとする。また、撮像部40は、撮像した画像をデジタル信号に変換した後にIF部36へ出力する。以下では、デジタル信号に変換された画像あるいは画像そのものを区別せずに「画像」という。
モニタ42は、IF部36からの入力に応じて運転者に通知すべき所定の情報を表示する。ナビゲーション機能が実行されている場合に、モニタ42は、記憶部22に記憶された地図データを表示する。また、モニタ42は、運転者が操作部38に入力すべき指示を促すための画像も表示する。このような表示に関しては、公知の技術であるので、説明を省略する。また、モニタ42は、後述のごとく、ナビゲーション装置100が、他の車両に搭載されたナビゲーション装置100からの画像を受けつけた場合に、画像を表示する。スピーカ44は、IF部36からの入力に応じて運転者に通知すべき音声を出力する。
IF部36は、操作部38、撮像部40、モニタ42、スピーカ44に対するデータの入出力を制御する。IF部36は、ナビゲーション機能に関する指示を操作部38から受けつけ、受けつけた指示を処理部34へ出力する。また、IF部36は、指示に対する応答を処理部34から受けつけ、モニタ42、スピーカ44へ出力する。さらに、IF部36は、撮像部40から画像を受けつけ、受けつけた画像を無線通信部30へ出力し、無線通信部30から画像を受けつけ、受けつけた画像をモニタ42へ出力する。
処理部34は、IF部36を介して操作部38からの指示を受けつけ、受けつけた指示に応じて、ナビゲーション機能を実行する。ルート探索部54は、位置情報取得部20によって検出された車両10の存在位置を受けつけるとともに、IF部36を介して操作部38から目的地の指示を受けつける。ルート探索部54は、記憶部22に記憶された地図データを読み出し、地図データを参照しながら、現在地から目的地への経路を検索する。その際、ルート探索部54は、記憶部22において記憶した地図データ上に、位置情報取得部20において取得した存在位置を対応づける。また、経路の検索には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは、説明を省略する。ルート探索部54は、検索結果を合成部56へ出力する。
合成部56は、地図データと検索結果を合成する。つまり、合成部56は、地図データ上に経路を重ねることによって、経路が重ねられた地図データ(以下、「地図データ」という)を生成する。合成部56は、生成した地図データをIF部36へ出力し、IF部36は、地図データをモニタ42へ出力する。モニタ42は、地図データを表示する。一方、ルート探索部54は、IF部36を介して、検索結果をスピーカ44へ出力し、検索結果を音声としてスピーカ44に出力させる。
エリア決定部58は、位置情報取得部20から存在位置および進行方向を受けつけるとともに、記憶部22からエリア情報を受けつける。エリア決定部58は、エリア情報を参照しながら、複数のエリアのいずれかに存在位置が含まれているか否かを特定する。具体的に説明すると、存在位置に対応した緯度と経度と、緯度と経度とによって示されたエリアとを比較し、前者が後者に含まれるかが確認される。また、このような処理は、複数のエリアのそれぞれに対してなされる。エリア決定部58は、いずれかのエリアに存在位置が含まれている場合、その旨を推定部60へ出力する。なお、いずれかのエリアに存在位置が含まれていない場合、エリア決定部58は、何も出力しない。例えば、エリア決定部58は、複数のエリアのいずれかに存在位置が含まれているか否かの特定を定期的に実行し、含まれている限り、その旨を出力し続ける。
推定部60は、エリア決定部58における特定の結果として、存在位置が複数のエリアのいずれかに含まれている旨の通知を受けつける。推定部60は、位置情報取得部20において取得した進行方向をもとに、存在位置が含まれているエリア内での進行方向に向かって、当該車両10が先頭を走行しているか否かを推定する。ここで、存在位置が含まれているエリア内での進行方向に向かって、当該車両10が先頭を走行している場合とは、図1の第1エリア110の第1車両10aに相当する。このような推定処理(以下、「先頭推定処理」という)の詳細は後述する。当該車両10が先頭を走行していると推定した場合、推定部60はその旨を通信制御部28へ出力する。なお、エリア決定部58から定期的に通知を受けている状態が続いた後、通知を受けつけなくなった場合、推定部60も、通信制御部28への通知の出力を中止する。
通信制御部28は、無線通信部30の動作、特に送信動作を制御する。通信制御部28は、推定部60から、当該車両10がエリア内での進行方向に向かって先頭を走行している旨の通知を受けつけると、無線通信部30へ送信許可を出力する。その後、推定部60からの通知を受けつけなくなると、通信制御部28は、送信許可の出力を中止する。
無線通信部30は、無線通信機能を実行する。ここで、無線通信部30は、通信制御部28からの送信許可を受けつけている場合、つまり推定部60において先頭を走行していると推定された場合、パケット信号を送信する。なお、無線通信部30は、送信許可を受けつけても直ちにパケット信号を送信せずに、キャリアセンスを実行し、その結果に応じてパケット信号を送信してもよい。以下では、無線通信部30における送信処理をまず説明する。無線通信部30は、IF部36から画像を受けつけると、画像をパケット信号に含ませる。画像のサイズがパケット信号のサイズよりも大きい場合、無線通信部30は、画像を複数に分割することによって、複数のパケット信号を生成する。
また、無線通信部30は、通信制御部28から送信許可を受けつけると、パケット信号をアンテナ32から送信する。その際、パケット信号には、変調等がなされているが、ここでは説明を省略する。ここで、無線通信部30は、位置情報取得部20において取得した存在位置および進行方向をパケット信号に含める。図4は、無線通信部30において使用されるパケット信号の構成を示す。パケット信号には、先頭から順に、「ヘッダ」、「位置情報」、「速度」、「進行方向」、「データ」が配置される。位置情報が前述の存在位置に相当し、位置情報、速度、進行方向の組合せが前述の走行情報に相当する。また、データの一例が画像である。ここで、速度は含まれなくてもよい。また、データが含まれなくてもよい。図2に戻る。
次に、無線通信部30における受信処理を説明する。無線通信部30は、アンテナ32を介してパケット信号を受信する。無線通信部30は、通信制御部28からの指示に関係なく、パケット信号を受信する。パケット信号の構成は、図4に示したとおりである。無線通信部30は、パケット信号を復調し、復調したパケット信号の中のデータから画像を抽出する。当該画像は、図示しない他の車両10に装備されたナビゲーション装置100にて撮像された画像である。無線通信部30は、画像をIF部36へ出力する。一方、無線通信部30は、パケット信号に含まれた走行情報を推定部60へ出力する。
推定部60は、無線通信部30を介して、図示しない他のナビゲーション装置100からのパケット信号に含まれた走行情報を受けつける。つまり、推定部60は、他の車両10に対する存在位置および進行方向を取得する。その後、推定部60は、先頭推定処理を実行する。推定部60は、他の車両10に対する存在位置をもとに、自らの車両10が含まれているエリアに他の車両10が含まれいるかを判定する。含まれている場合、推定部60は、自らの車両10の進行方向と他の車両10の進行方向とが、同等であるかを判定する。同等であるとは、両者の進行方向の誤差が予め定めた範囲内であることである。
同等である場合、他の車両10の存在位置よりも自らの車両10の存在位置がエリア内の前方に存在するかを判定する。前方に存在する場合、推定部60は、存在位置が含まれているエリア内での進行方向に向かって自らの車両10が先頭を走行していると推定する。なお、推定部60は、所定の期間にわたって走行情報を受けつけない場合も、自らの車両10が先頭に存在すると推定する。装置制御部46は、ナビゲーション装置100全体のタイミングを制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
以上の構成によるナビゲーション装置100の動作を説明する。図5は、ナビゲーション装置100による送信手順を示すフローチャートである。位置情報取得部20は、位置情報を取得する(S10)。エリア決定部58が、位置情報をもとに送信可能に存在すると特定し(S12のY)、推定部60が、当該エリア内において先頭車両であると推定した場合(S14のY)、無線通信部30は、送信を開始する(S16)。推定部60が、当該エリア内において先頭車両でないと推定し(S14のN)、無線通信部30が送信中であれば(S18のY)、通信制御部28は、無線通信部30に送信を停止させる(S20)。
一方、無線通信部30が送信中でなければ(S18のN)、処理は終了される。エリア決定部58が、位置情報をもとに送信可能に存在すると特定しない場合(S12のN)、無線通信部30が送信中であれば(S22のY)、通信制御部28は、無線通信部30に送信を停止させる(S24)。一方、無線通信部30が送信中でなければ(S22のN)、処理は終了される。
図6は、ナビゲーション装置100による先頭車両の推定手順を示すフローチャートである。無線通信部30は、他の車両10からのパケット信号を受信する(S40)。推定部60は、他の車両10の位置および進行方向を把握し(S42)、自らの車両10と他の車両10との位置関係を導出する(S44)。他の車両10が自らの車両10の前方に存在すれば(S46のY)、推定部60は、自らが先頭車両ではないと推定する(S48)。一方、他の車両10が自らの車両10の前方に存在しなければ(S46のN)、推定部60は、自らが先頭車両であると推定する(S50)。
本発明の実施例によれば、予め定められた複数のエリアに存在する場合に、パケット信号を送信するので、パケット信号の送信機会を制限できる。また、パケット信号の送信機会が減少されるので、車車間通信においてパケット信号の衝突確率を低減できる。また、エリアに存在し、かつ当該エリアにおいて先頭を走行している場合に、パケット信号を送信するので、エリア内に複数のナビゲーション装置が存在していても、パケット信号を送信可能なナビゲーション装置を特定できる。また、パケット信号を送信可能なナビゲーション装置が特定されるので、車車間通信においてパケット信号の衝突確率を低減できる。
また、他の車両からのパケット信号に含まれた存在位置および進行方向をもとに、存在位置が含まれているエリア内での進行方向に向かって先頭を走行しているか否かを推定するので、車車間通信であっても先頭を走行しているか否かを推定できる。また、他の車両からのパケット信号に含まれた存在位置および進行方向を使用するので、エリア内での進行方向に向かって先頭を走行しているかを容易に推定できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、位置情報取得部20は、GPS等を使用することによって、現在の存在位置を取得する。しかしながらこれに限らず例えば、位置情報取得部20は、携帯電話システム等に対応しており、接続した基地局装置をもとに現在の存在位置を取得してもよい。具体的には、位置情報取得部20は、接続した基地局装置から、当該基地局装置の識別番号を受信する。また、記憶部22に記憶された地図データ上に、基地局装置の識別番号も対応づけられている。位置情報取得部20は、受信した識別番号をもとに、地図データから存在値を取得する。なお、基地局装置の識別番号が複数であってもよく、その際には、三点計測等の原理によって、存在位置が導出されればよい。本変形例によれば、さまざまな処理によって存在位置を取得できる。
本発明の実施例において、推定部60は、車両10の存在位置、進行方向に関する情報を使用して、エリア内での進行方向に向かって、自らの車両10が先頭を走行しているか否かを推定している。しかしながらこれに限らず例えば、推定部60は、車両10の存在位置、進行方向、速度に関する情報を使用して、エリア内での進行方向に向かって、自らの車両10が先頭を走行しているか否かを推定してもよい。その際、所定の時刻を基準にして、自らの車両10および他の車両10の存在位置を推定し、推定した存在位置をもとに、先頭を走行しているか否かを推定する。具体的には、存在位置を取得した時刻から基準となる時刻までと速度とに応じた距離を進行方向へ進ませることによって、存在位置が推定される。本変形例によれば、所定の時刻を基準にした自らの車両10および他の車両10の存在位置をもとに、先頭を走行しているのか否かを推定するので、比較対象となる時刻を合わせることができ、推定精度を向上できる。
本発明の実施例において、推定部60は、自らの車両10が先頭を走行しているか否かを推定している。しかしながらこれに限らず例えば、推定部60は、自らの車両10がエリア内で先頭から一定の範囲内を走行しているか否かを推定してもよい。ここで、一定の範囲内とは、N番目以内のように示される。具体的に説明すると、記憶部22が記憶するエリア情報には、複数のエリアのそれぞれに対して、Nの値(以下、「許容順番」という)が含まれている。エリア決定部58は、前述のごとく、複数のエリアのいずれかに存在位置が含まれている場合、その旨を推定部60へ出力する。また、エリア決定部58は、存在位置が含まれたエリアに対応した許容順番を記憶部22から取得する。さらに、エリア決定部58は、許容順番も推定部60へ出力する。
推定部60は、エリア決定部58における特定の結果として、存在位置が複数のエリアのいずれかに含まれている旨の通知を受けつけるとともに、許容順番も受けつける。推定部60は、位置情報取得部20において取得した進行方向をもとに、存在位置が含まれているエリア内での進行方向に向かって、当該車両10が許容順番以内を走行しているか否かを推定する。ここで、推定部60は、前述のごとく、他の車両10に対する存在位置をもとに、自らの車両10が含まれているエリアに他の車両10が含まれいるかを判定する。含まれている場合、推定部60は、自らの車両10の進行方向と他の車両10の進行方向とが、同等であるかを判定する。同等である場合、他の車両10の存在位置よりも自らの車両10の存在位置がエリア内の前方に存在するかを判定する。推定部60は、エリア内に複数の車両10が含まれている場合、このような処理を繰り返し実行し、自らの車両10よりも前方に存在する他の車両10の数を計測する。推定部60は、計測した他の車両10の数が許容順番以下であれば、自らの車両10がエリア内で先頭から一定の範囲内を走行していると推定する。
当該車両10がエリア内で先頭から一定の範囲内を走行していると推定した場合、推定部60はその旨を通信制御部28へ出力する。通信制御部28は、当該車両10がエリア内で先頭から一定の範囲内を走行している旨の通知を受けつけると、無線通信部30へ送信許可を出力する。例えば、N=2である場合、図1の第1エリア110の第1車両10aに加えて第2車両10bも、パケット信号を送信する。本変形例によれば、複数のナビゲーション装置100からパケット信号が送信されるので、さらに詳細な情報を取得できる。
10 車両、 20 位置情報取得部、 22 記憶部、 24 特定部、 28 通信制御部、 30 無線通信部、 32 アンテナ、 34 処理部、 36 IF部、 38 操作部、 40 撮像部、 42 モニタ、 44 スピーカ、 46 装置制御部、 54 ルート探索部、 56 合成部、 58 エリア決定部、 60 推定部、 100 ナビゲーション装置。
本発明によれば、車車間通信においてパケット信号の衝突確率を低減できる。
Claims (4)
- 車両の存在位置および進行方向を取得する取得部と、
複数のエリアのそれぞれが設定された位置に関するエリア情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部において記憶したエリア情報を参照しながら、前記取得部において取得した存在位置が複数のエリアのいずれかに含まれているか否かを特定する特定部と、
前記特定部における特定の結果、存在位置が複数のエリアのいずれかに含まれている場合に、前記取得部において取得した進行方向をもとに、存在位置が含まれているエリア内での進行方向に向かって当該車両が先頭を走行しているか否かを推定する推定部と、
前記推定部において先頭を走行していると推定した場合、信号を送信する通信部と、
を備えることを特徴とする無線装置。 - 前記推定部は、前記通信部を介して他の無線装置からの信号を受けつけ、信号に含まれた他の無線装置に対する存在位置および進行方向をもとに、存在位置が含まれているエリア内での進行方向に向かって当該車両が先頭を走行しているか否かを推定し、
前記通信部は、前記取得部において取得した存在位置および進行方向を信号に含めることを特徴とする請求項1に記載の無線装置。 - 前記推定部は、前記通信部を介して他の無線装置から受けつけた信号に含まれた存在位置、進行方向、速度とをもとに、他の無線装置の存在位置を推定し、推定した存在位置を使用して、存在位置が含まれているエリア内での進行方向に向かって当該車両が先頭を走行しているか否かを推定することを特徴とする請求項2に記載の無線装置。
- 車両の存在位置および進行方向を取得する取得部と、
複数のエリアのそれぞれが設定された位置に関するエリア情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部において記憶したエリア情報を参照しながら、前記取得部において取得した存在位置が複数のエリアのいずれかに含まれているか否かを特定する特定部と、
前記特定部における特定の結果、存在位置が複数のエリアのいずれかに含まれている場合に、前記取得部において取得した進行方向をもとに、存在位置が含まれているエリア内での進行方向に向かって当該車両が先頭から一定の範囲内を走行しているか否かを推定する推定部と、
前記推定部において先頭から一定の範囲内を走行していると推定した場合、信号を送信する通信部と、
を備えることを特徴とする無線装置。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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