JPWO2010001474A1 - 符号化装置、復号化装置、符号化方法、および復号化方法 - Google Patents

符号化装置、復号化装置、符号化方法、および復号化方法 Download PDF

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Abstract

パケット再送時における無駄な資源使用を削減しつつ、スループットを向上すること。この課題を解決するために、新規部分取得部(104)は、ブロック生成部(101)によって生成されたブロックの一部分をパケットに含める新規部分として取得する。再送部分取得部(105)は、再送バッファ部(102)によって保持されたブロックのうち、NAKに対応するブロックの一部分をパケットに含める再送部分として取得する。符号化部(106)は、新規部分取得部(104)によって取得された新規部分と再送部分取得部(105)によって取得された再送部分とをグループ化して符号化し、パケットを生成する。変調部(107)は、符号化部(106)から出力されるパケットを変調する。無線処理部(108)は、変調後のパケットに対して所定の無線送信処理を施し、アンテナを介して送信する。

Description

本発明は、符号化装置、復号化装置、符号化方法、および復号化方法に関する。
一般に、無線通信においては、パケットを伝送する伝送路において伝送中のパケットに誤りが発生することがあるため、誤りが発生したパケットを送信装置から受信装置へ再送する再送技術が広く知られている。具体的な再送技術の1つとしては、例えばHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest:ハイブリッド自動再送要求)がある。さらに、HARQは、CC(Chase Combining)型のHARQやIR(Increment Redundancy)型のHARQなどの種類に分かれている。
CC型のHARQにおいては、送信装置は、最初に送信したパケットと同一のパケットを再送し、受信装置は、最初に受信したパケットと再送されたパケットとを合成して、合成後の信号全体に対して復号を実行する。したがって、パケットの再送により、累積的にSNR(Signal to Noise Ratio:信号対雑音比)が上昇して相互情報量が増加する。結果として、受信装置における復号の精度が向上してパケットの誤りを削減することができる。
一方、IR型のHARQにおいては、送信装置は、最初に送信したパケットとは異なる冗長ビットを含むパケットを再送し、受信装置は、最初に受信したパケットと再送されたパケットとのそれぞれに含まれる冗長ビットを利用して復号を実行する。したがって、パケットの再送により、復号に用いられる冗長ビットが増加し、累積的にSNRが上昇して相互情報量が増加する。結果として、受信装置における復号の精度が向上してパケットの誤りを削減することができる。
さらに、これらのHARQにおいては、受信装置においてパケットの各部分に関する尤度を算出し、パケットの再送が必要な場合には、算出された尤度が低い部分を選択して再送することにより、誤っている可能性が高い部分に関して優先的に再送をすることも検討されている。
特開2006−245912号公報
しかしながら、HARQが実行される場合には、常に一度送信されたパケットが再送されることになるため、再送されるパケットがない場合と比べると、新規の情報ビットを含むパケットの送信が遅延することになり、スループットの向上に限界があるという問題がある。すなわち、送信装置は、受信装置が受信したパケットに誤りが発生していることを示すNAKを受信すると、新規の情報ビットを含むパケットに先駆けて、既に送信済みのパケットを再送することになる。したがって、新規の情報ビットを含むパケットの送信は後回しとなり、スループットの向上に限界が生じる。
また、HARQのパケット再送には、パケットの誤りを解消するのに必要以上の資源が使用されることがあるという問題もある。すなわち、例えば図1に示すSNRと相互情報量の関係において、受信装置が復号によりパケットの誤りを解消するためには、相互情報量が閾値Th以上であることが要求されるものとする。このとき、最初に受信されたパケットのみのSNRがa(dB)である場合には、相互情報量が閾値Thに達していないため、送信装置に対してパケットの再送が要求されることになる。
パケットの再送が要求されると、送信装置は、送信済みのパケットを再送するため、受信装置における累積的なSNRはc(dB)にまで上昇する。このとき、相互情報量が閾値Thを超えているため、再送によりパケットの誤りが解消することになる。しかし、実際には、SNRがb(dB)になれば相互情報量が閾値Thに等しくなるため、SNRをb(dB)からc(dB)にするための資源は無駄に使用されていることになる。換言すれば、パケットの再送によって、過剰にエネルギーが消費されている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、スループットを向上することができる符号化装置、復号化装置、符号化方法、および復号化方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、符号化装置は、未送信の情報ビットに対応する新規部分および過去に送信済みの情報ビットに対応する再送部分を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記新規部分および前記再送部分をグループ化して符号化する符号化手段と、前記符号化手段によって符号化されて得られるパケットを送信する送信手段とを有する構成を採る。
また、復号化装置は、未受信の情報ビットに対応する新規部分および過去に受信済みの情報ビットに対応する再送部分を含むパケットを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信されたパケットに、前記再送部分に対応する過去の受信パケットの一部分を合成する合成手段と、前記合成手段によって合成されて得られた合成パケットを復号し、前記新規部分の復号結果を得る新規部分復号手段とを有する構成を採る。
また、符号化方法は、未送信の情報ビットに対応する新規部分および過去に送信済みの情報ビットに対応する再送部分を取得する取得ステップと、前記取得ステップにて取得された前記新規部分および前記再送部分をグループ化して符号化する符号化ステップと、前記符号化ステップにて符号化されて得られるパケットを送信する送信ステップとを有するようにした。
また、復号化方法は、未受信の情報ビットに対応する新規部分および過去に受信済みの情報ビットに対応する再送部分を含むパケットを受信する受信ステップと、前記受信ステップにて受信されたパケットに、前記再送部分に対応する過去の受信パケットの一部分を合成する合成ステップと、前記合成ステップにて合成されて得られた合成パケットを復号し、前記新規部分の復号結果を得る新規部分復号ステップと、前記新規部分復号ステップにて得られた新規部分の復号結果を用いて前記受信ステップにて受信されたパケットの前記再送部分を抽出し、当該再送部分に対応する過去の受信パケットに合成する抽出ステップと、前記抽出ステップにて合成されて得られた合成パケットを復号し、前記再送部分の復号結果を得る再送部分復号ステップとを有するようにした。
本明細書に開示された符号化装置、復号化装置、符号化方法、および復号化方法によれば、スループットを向上することができる。
図1は、SNRと相互情報量の関係を示す図である。 図2は、一実施の形態に係る送信装置の要部構成を示すブロック図である。 図3は、一実施の形態に係るパケットフォーマットの一例を示す図である。 図4は、一実施の形態に係る受信装置の要部構成を示すブロック図である。 図5は、一実施の形態に係る送信装置の動作を示すフロー図である。 図6は、一実施の形態に係るパケットの送信順序の一例を示す図である。 図7は、一実施の形態に係る受信装置の動作を示すフロー図である。 図8は、一実施の形態に係る再送部分の合成を説明する図である。 図9は、一実施の形態に係る繰り返し復号の一例を示す図である。 図10は、他の実施の形態に係る受信装置の要部構成を示すブロック図である。
符号の説明
101 ブロック生成部
102 再送バッファ部
103 送信制御部
104 新規部分取得部
105 再送部分取得部
106 符号化部
107 変調部
108 無線処理部
109 制御チャネル送受信部
201 無線処理部
202 復調部
203 受信バッファ部
204 再送部分合成部
205、208 復号部
206、209 出力切替部
207 再送部分抽出部
210 制御チャネル送受信部
301 符号化部
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下においては、主にCC型のHARQに本発明を適用する場合について説明するものとするが、本発明は、IR型のHARQにも同様に適用することができる。
図2は、本実施の形態に係る符号化装置を備えた送信装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示す送信装置は、ブロック生成部101、再送バッファ部102、送信制御部103、新規部分取得部104、再送部分取得部105、符号化部106、変調部107、無線処理部108、および制御チャネル送受信部109を有している。
ブロック生成部101は、後述する受信装置に対して送信すべき情報ビットから所定サイズのブロックを生成する。ブロック生成部101が生成するブロックのサイズは、1つのパケットが格納可能な情報ビットの量に等しい。すなわち、送信装置が送信する通常のパケットには、1つのブロックに相当する情報ビットが含まれている。そして、ブロック生成部101は、生成したブロックを再送に備えて再送バッファ部102に保持させる。
再送バッファ部102は、ブロック生成部101によって生成された情報ビットのブロックを再送に備えて一時的に保持する。なお、再送バッファ部102は、受信装置において正確に復号され、再送の必要がなくなったブロックについては、順次破棄するようにしても良い。
送信制御部103は、制御チャネルを介して受信された制御信号に応じて、新たに送信するパケットに含まれる新規部分と再送部分とをそれぞれ新規部分取得部104および再送部分取得部105へ通知する。具体的には、送信制御部103は、NAKの受信数が所定数未満である場合には、ブロック生成部101によって生成された新規のブロックを送信するように、新規部分取得部104および再送部分取得部105に対して指示する。一方、送信制御部103は、NAKの受信数が所定数に達した場合には、新規のブロックの一部分とともに、再送バッファ部102によって保持された送信済みのブロックの一部分を送信するように、新規部分取得部104および再送部分取得部105に対して指示する。
ここで、制御チャネルを介して送受信されるACKおよびNAKは、受信装置においてブロックに誤りが発生しているか否かを示している。これらのACKおよびNAKは、受信装置からそれぞれのブロックごとに送信されており、受信装置においてブロックに誤りが発生していることを示すNAKに対応するブロックは再送する必要がある。したがって、所定数のブロックについてNAKが受信されると、それぞれのNAKに対応するブロックの一部分が新規のブロックの一部分とグループ化されて再送されることになる。
新規部分取得部104は、送信制御部103からの指示に従い、NAKの受信数が所定数未満である場合には、ブロック生成部101によって生成されたブロック全体をパケットに含める新規部分として取得する。また、新規部分取得部104は、NAKの受信数が所定数に達した場合には、ブロック生成部101によって生成されたブロックの一部分をパケットに含める新規部分として取得する。
再送部分取得部105は、送信制御部103からの指示に従い、NAKの受信数が所定数未満である場合には、送信済みのブロックを再送するタイミングではないため、再送バッファ部102に保持されたブロックをパケットに含める再送部分として取得することはない。また、再送部分取得部105は、NAKの受信数が所定数に達した場合には、再送バッファ部102によって保持されたブロックのうち、NAKに対応するブロックの一部分をパケットに含める再送部分として取得する。
符号化部106は、新規部分取得部104によって取得された新規部分と再送部分取得部105によって取得された再送部分とをグループ化して符号化し、パケットを生成する。具体的には、符号化部106は、NAKの受信数が所定数未満である場合には、新規部分取得部104によって取得された新規のブロック全体にCRC(Cyclic Redundancy Check)などの冗長ビットを付加して符号化し、得られたパケットを変調部107へ出力する。
また、符号化部106は、NAKの受信数が所定数に達した場合には、新規のブロックの一部分および送信済みのブロックの一部分をグループ化した上で、冗長ビットを付加して符号化し、得られたパケットを変調部107へ出力する。このとき、符号化部106は、例えば図3に示すようなフォーマットのパケットを生成する。図3に示すパケットは、情報データ部分150および冗長データ部分160を有しており、情報データ部分150は、さらに新規部分151および再送部分152を有している。新規部分151は、新規部分取得部104によって取得された新規のブロックの一部分に対応し、再送部分152は、再送部分取得部105によって取得された送信済みのブロックの一部分に対応している。そして、これらの新規部分151および再送部分152がグループ化された情報データ部分150全体に対して、冗長データ部分160が付加されている。
そして、符号化部106は、生成したパケットが新規ブロックのみを含むパケットであるか、新規部分および再送部分を含むパケットであるかを制御チャネル送受信部109へ通知する。なお、符号化部106は、ブロック生成部101において新規ブロックが生成されていない場合などは、再送部分のみを含むパケットを生成しても良い。この場合には、符号化部106は、生成したパケットが再送部分のみを含むパケットであることを制御チャネル送受信部109へ通知する。
以上の新規部分取得部104、再送部分取得部105、および符号化部106は、NAKの受信数が所定数に達した場合に、送信済みのブロックの一部分を新たに生成されたブロックの一部分とグループ化して符号化するグループ符号化部を構成している。
変調部107は、符号化部106から出力されるパケットを変調し、無線処理部108へ出力する。無線処理部108は、変調後のパケットに対して所定の無線送信処理(D/A変換など)を施し、アンテナを介して送信する。
制御チャネル送受信部109は、受信装置から制御チャネルを介してACKおよびNAKを受信する。また、制御チャネル送受信部109は、符号化部106によって新規ブロックのみを含むパケットが生成された場合には、パケットがグループ化されていないことを示す制御信号を送信する。一方、制御チャネル送受信部109は、符号化部106によって新規部分および再送部分を含むパケットが生成された場合には、パケットがグループ化されていることを示す制御信号を送信する。なお、制御チャネル送受信部109は、符号化部106によって再送部分のみを含むパケットが生成された場合には、新規ブロックのみを含むパケットが生成された場合と同様に、パケットがグループ化されていないことを示す制御信号を送信する。
図4は、本実施の形態に係る復号化装置を備えた受信装置の要部構成を示すブロック図である。同図に示す受信装置は、無線処理部201、復調部202、受信バッファ部203、再送部分合成部204、復号部205、出力切替部206、再送部分抽出部207、復号部208、出力切替部209、および制御チャネル送受信部210を有している。
無線処理部201は、アンテナを介してパケットを受信し、受信パケットに対して所定の無線受信処理(A/D変換など)を施す。復調部202は、受信パケットを復調し、再送部分合成部204および再送部分抽出部207へ出力する。
受信バッファ部203は、受信パケットを将来受信されるパケットとの合成に備えて一時的に保持する。そして、受信バッファ部203は、受信パケットが再送部分合成部204へ入力されると、受信パケットに含まれる再送部分に対応するパケットを再送部分合成部204へ出力する。同様に、受信バッファ部203は、受信パケットが再送部分抽出部207へ入力されると、受信パケットに含まれる再送部分に対応するパケットを再送部分抽出部207へ出力する。
再送部分合成部204は、制御チャネル送受信部210によって受信される制御信号を参照し、受信パケットに含まれる再送部分と受信バッファ部203から出力された過去の受信パケットの一部分とを合成する。具体的には、再送部分合成部204は、制御信号を参照して、受信パケットがグループ化されたパケットであるか否かを判断する。そして、再送部分合成部204は、受信パケットがグループ化されていない場合には、受信パケットに再送部分が含まれないため、受信パケットをそのまま復号部205へ出力する。
一方、再送部分合成部204は、受信パケットがグループ化されている場合には、新たな受信パケットに過去の受信パケットまたは出力切替部209から出力される情報ビットを合成する。具体的には、再送部分合成部204は、初回の復号時には、新たな受信パケットに含まれる再送部分に対応する過去の受信パケットの一部分を取得し、新たな受信パケットに合成する。これにより、再送部分合成部204は、新たな受信パケットに含まれる再送部分に対して、過去の受信パケットの情報を合成した合成パケットを生成することになる。
なお、上述したように、受信パケットが再送部分のみを含む場合にも受信パケットがグループ化されていない旨の制御信号が送信装置から送信される。このため、再送部分合成部204は、受信パケットがグループ化されていないと判断された場合にも、受信バッファ部203を検索し、新たな受信パケットに含まれる再送部分に対応するパケットが保持されているか否かを確認するようにしても良い。
そして、再送部分合成部204は、2回目以降の復号時には、出力切替部209から出力される受信パケットの再送部分の復号結果を受信パケットに合成する。これにより、再送部分合成部204は、新たな受信パケットに含まれる再送部分に対して、再送部分の復号結果を合成した合成パケットを生成することになる。このとき、新たな受信パケットに合成される再送部分の復号結果は、前回の復号時に合成される過去の受信パケットの情報や再送部分の復号結果よりも精度が高いため、新たに生成された合成パケットは、より正確に復号されることになる。再送部分合成部204は、初回の復号時および2回目以降の復号時において、それぞれ生成された合成パケットを復号部205へ出力する。
復号部205は、再送部分合成部204から出力される受信パケットまたは合成パケットを復号する。すなわち、再送部分合成部204から受信パケットが出力された場合には、復号部205は、受信パケットの冗長データ部分を利用して受信パケットの復号を実行する。この受信パケットには、再送部分が含まれていないことから、復号結果は、新規ブロックの情報ビットのみを含むことになる。
また、再送部分合成部204から合成パケットが出力された場合には、復号部205は、新たな受信パケットの冗長データ部分のみならず、過去の受信パケットの一部分や新たな受信パケットの再送部分の復号結果を利用して合成パケットの復号を実行する。そして、復号部205は、受信パケットの新規部分に相当する復号結果を出力切替部206へ出力する。復号部205は、過去の受信パケットの一部分や新たな受信パケットの再送部分の復号結果を利用して復号を実行するため、受信パケット単独で復号する場合よりも精度が高い復号結果を得ることができる。
出力切替部206は、復号部205における復号結果から誤り率を算出し、算出された誤り率が所定の閾値以上かつ、復号の繰り返し回数が所定回数未満である場合には、新規部分の復号結果を再送部分抽出部207のみへ出力する。また、出力切替部206は、誤り率が所定の閾値未満である場合には、新規部分の復号結果を再送部分抽出部207へ出力するとともに、新規部分の情報ビットとして図示しない後段の処理部へ出力する。さらに、出力切替部206は、誤り率が所定の閾値以上かつ、復号の繰り返し回数が所定回数に達した場合には、新規部分の復号結果を再送部分抽出部207へ出力するとともに、新規部分の再送が必要である旨を制御チャネル送受信部210へ通知する。
以上の再送部分合成部204、復号部205、および出力切替部206は、受信パケットに含まれる新規部分を復号する新規部分復号部を構成している。
再送部分抽出部207は、制御チャネル送受信部210によって受信される制御信号を参照し、受信パケットの新規部分の復号結果を利用して受信パケットに含まれる再送部分を抽出し、過去の受信パケットに合成する。具体的には、再送部分抽出部207は、受信パケットがグループ化されたパケットであるか否かを示す制御信号を参照して、受信パケットがグループ化されたパケットである場合に、出力切替部206から出力される新規部分の復号結果を利用して再送部分を抽出する。そして、再送部分抽出部207は、抽出した再送部分に対応する過去の受信パケットを受信バッファ部203から取得し、抽出した再送部分と過去の受信パケットとを合成する。これにより、再送部分抽出部207は、過去の受信パケットに対して、新たな受信パケットの再送部分を合成した合成パケットを生成することになる。なお、新たな受信パケットには、過去の複数の受信パケットに関する再送部分が含まれていることもあるため、このような場合には、再送部分抽出部207は、それぞれの過去の受信パケットに対して、対応する再送部分を合成する。
そして、再送部分抽出部207は、出力切替部206から新規部分の復号結果が出力されるたびに、繰り返して新たな受信パケットから再送部分を抽出し、過去の受信パケットに対して、前回の復号時より正確な再送部分を合成した合成パケットを生成する。すなわち、2回目以降の復号時に抽出される再送部分は、前回の復号時よりも精度が高い新規部分の復号結果を用いて抽出されているため、前回の復号時に抽出された再送部分よりも精度が高いことになる。
復号部208は、再送部分抽出部207から出力される合成パケットを復号する。すなわち、復号部208は、誤りがあった過去の受信パケットと新たな受信パケットの再送部分とを利用して合成パケットの復号を実行する。そして、復号部208は、合成パケットの復号結果を出力切替部209へ出力する。復号部208は、新規部分の復号結果を利用して抽出された正確な再送部分の情報を用いて復号を実行するため、単に受信パケットの再送部分を過去の受信パケットに合成して復号する場合よりも精度が高い復号結果を得ることができる。
出力切替部209は、復号部208における復号結果から誤り率を算出し、算出された誤り率が所定の閾値以上かつ、復号の繰り返し回数が所定回数未満である場合には、合成パケット中の再送部分に対応する復号結果を再送部分合成部204のみへ出力する。また、出力切替部209は、誤り率が所定の閾値未満である場合には、合成パケットの復号結果を図示しない後段の処理部へ出力する。さらに、出力切替部209は、誤り率が所定の閾値以上かつ、復号の繰り返し回数が所定回数に達した場合には、再送部分に対応するブロックに関してさらなる再送が必要である旨を制御チャネル送受信部210へ通知する。
以上の再送部分抽出部207、復号部208、および出力切替部209は、受信パケットに含まれる再送部分を復号する再送部分復号部を構成している。
制御チャネル送受信部210は、送信装置から制御チャネルを介してパケットがグループ化されているか否かを示す制御信号を受信する。また、制御チャネル送受信部210は、出力切替部206および出力切替部209から通知される再送の要否に応じて、ACKおよびNAKを送信する。このとき、制御チャネル送受信部210は、受信パケットに含まれるブロックそれぞれを識別し、誤り率が所定の閾値未満となり再送が不要なブロックに関してはACKを送信し、誤り率が所定の閾値以上であり再送が必要なブロックに関してはNAKを送信する。
なお、制御チャネル送受信部210は、受信パケットそれぞれについてACK/NAKを送信せずに、複数の受信パケットごとにACK/NAKを送信するようにしても良い。すなわち、制御チャネル送受信部210は、受信装置に連続して受信される複数のパケットが復号された後、受信パケットに含まれる各ブロックのACK/NAKを送信するようにしても良い。こうすることにより、例えば2つの連続するパケットに同一ブロックに関する再送部分が含まれているような場合、制御信号を削減することができる。
送信装置の制御チャネル送受信部109および受信装置の制御チャネル送受信部210が利用する制御チャネルは、1パケットで再送されるブロック数がN個の場合、(N+2)ビットから構成されている。そして、制御チャネルの1ビット目は、受信装置における受信パケットの新規部分に関するACK/NAKであり、制御チャネル送受信部210から制御チャネル送受信部109へ送信される。したがって、制御チャネルの1ビット目は、グループ化されていない通常のパケットやグループ化されたパケットの新規部分の再送の有無を通知するために利用される。
また、制御チャネルの2ビット目から(N+1)ビット目は、受信装置における受信パケットの再送部分に関するACK/NAKであり、制御チャネル送受信部210から制御チャネル送受信部109へ送信される。したがって、これらのビットは、ブロックごとに別々に設けられており、グループ化されたパケットの再送部分に含まれたそれぞれのブロックの再送の有無を通知するために利用される。
さらに、制御チャネルの(N+2)ビット目は、パケットが通常のパケットであるかグループ化されたパケットであるかを示す信号であり、制御チャネル送受信部109から制御チャネル送受信部210へ送信される。通常のパケットとしては、新規部分のみを含むパケットと再送部分のみを含むパケットとの2種類があるが、受信パケットが通常のパケットであることが判別できれば、受信装置は、受信バッファ部203に同じパケットが保持されているか否かにより、新規のパケットか再送されたパケットであるかを判別することができる。
次いで、上記のように構成された送信装置および受信装置の動作について、図5〜9を参照して具体例を挙げながら説明する。
図5は、本実施の形態に係る送信装置の動作を示すフロー図である。同図においては、制御チャネルを介した制御信号の送受信については省略し、パケット送信に関する処理を図示している。
まず、受信装置へ送信される情報ビットがブロック生成部101へ入力され、情報ビットを含む所定サイズのブロック(以下「通常ブロック」という)が生成される(ステップS101)。生成された通常ブロックは、再送に備えて再送バッファ部102に記憶される(ステップS102)。また、送信制御部103においては、制御チャネル送受信部109によって受信されたブロックごとのACKおよびNAKが管理されており、所定数NのブロックについてNAKが受信されたか否か、すなわち、再送待ちのブロック数が所定数N以上となったか否かが判断される(ステップS103)。
この判断の結果、再送待ちのブロック数が所定数N未満である場合は(ステップS103No)、まだ再送部分を含むグループ化されたパケットを送信する必要がないため、送信制御部103によって、通常ブロックを取得する旨が新規部分取得部104へ指示される。そして、新規部分取得部104によって、ブロック生成部101によって生成された通常ブロックが取得され(ステップS106)、符号化部106へ出力される。
一方、再送待ちのブロック数が所定数N以上である場合は(ステップS103Yes)、再送部分を含むグループ化されたパケットを送信する必要があるため、送信制御部103によって、通常ブロックの一部分(新規部分)を取得する旨が新規部分取得部104へ指示され、再送待ちのブロックの一部分(再送部分)を取得する旨が再送部分取得部105へ指示される。そして、新規部分取得部104によって、ブロック生成部101によって生成された通常ブロックの一部分が新規部分として取得され(ステップS104)、再送部分取得部105によって、再送バッファ部102に保持された送信済みのブロックの一部分が再送部分として取得される(ステップS105)。取得された新規部分および再送部分は、符号化部106へ出力される。
通常ブロック、もしくは新規部分および再送部分が符号化部106へ出力されると、符号化部106によって、符号化が実行され、パケットが生成される(ステップS107)。具体的には、通常ブロックが符号化部106へ入力されると、通常ブロックを情報データ部分として、情報データ部分全体に対するCRCなどを含む冗長データ部分が生成され、新規の通常ブロックを含むパケットが生成される。こうして生成されるパケットは、1つの通常ブロックの情報のみを含んでいる。
また、新規部分および再送部分が符号化部106へ入力されると、新規部分および再送部分を情報データ部分として、情報データ部分全体に対するCRCなどを含む冗長データ部分が生成され、新規部分と再送部分がグループ化されたパケットが生成される。こうして生成されるパケットは、1つの通常ブロックとN個の再送待ちブロックとのそれぞれ一部分ずつの情報を含んでいる。すなわち、このパケットは、1つの再送待ちブロックの情報のみを含むわけではなく、通常ブロックや他の再送待ちブロックの情報とグループ化されているため、過剰に1つの再送待ちブロックの情報が再送されることがない。結果として、パケット再送時における無駄な資源使用を削減しつつ、スループットを向上することができる。
符号化部106によって生成されたパケットは、変調部107によって変調され(ステップS108)、無線処理部108によって所定の無線送信処理が施された上で、アンテナを介して受信装置へ送信される(ステップS109)。また、符号化部106によってパケットが生成された際には、生成されたパケットがグループ化されたパケットであるか否かが制御チャネル送受信部109へ通知されている。そして、制御チャネル送受信部109によって、送信されたパケットがグループ化されているか否かを示す制御信号がパケットの送信と同時に制御チャネルを介して送信される。
送信装置が以上のようなパケット送信を実行することにより、受信装置から所定数NのNAKが受信されるたびに、新規部分および再送部分がグループ化されたパケットが送信されることになる。すなわち、例えば図6に示すような送信順序で送信装置からパケットが送信されることになる。図6は、所定長の送信時間間隔TTI(Transmission Time Interval)#1〜#9において、2つのNAKが受信されるたびにグループ化されたパケットが送信される様子を示している。
すなわち、例えばTTI#1、#2において送信されたブロック#1、#2を含む2つのパケットについて、いずれも受信装置からNAKが返信されると、再送待ちのブロック数が2つとなる。このため、TTI#5において、ブロック#1、#2、#5のそれぞれ一部分がグループ化されたパケットが送信されている。TTI#5において送信されるパケット中、ブロック#1、#2の一部分は、再送バッファ部102に保持された再送待ちのブロックから取得された再送部分に相当し、ブロック#5の一部分は、ブロック生成部101によって生成された通常ブロックから取得された新規部分に相当する。
さらに、図6に示すTTI#5において、ブロック#1、#2の一部分が再送されたにも拘らず、ブロック#1に関しては受信装置からNAKが返信され、ブロック#5に関してもNAKが返信されると、再送待ちのブロック数が2つとなる。このため、TTI#8において、ブロック#1、#5、#8のそれぞれ一部分がグループ化されたパケットが送信されている。TTI#8において送信されるパケット中、ブロック#1、#5の一部分は、再送バッファ部102に保持された再送待ちのブロックから取得された再送部分に相当し、ブロック#8の一部分は、ブロック生成部101によって生成された通常ブロックから取得された新規部分に相当する。
なお、TTI#5におけるグループ化されたパケットの送信により、ブロック#2に関しては受信装置からACKが返信される。これは、ブロック#2に関しては、ブロック#1、#5の一部分とグループ化されたブロック#2の一部分が再送されることにより、十分な誤り訂正が可能であったことを意味している。つまり、TTI#2において送信されたブロック#2について再送が必要であっても、ブロック#2全体を再送する必要はなく、TTI#5における再送のように、一部分のみを新たな通常ブロックや他の再送待ちブロックの一部分とグループ化して送信すれば良いことになる。このように、再送が必要なブロックを一部分ずつ他のブロックの一部分とグループ化して再送することにより、再送に消費されるエネルギーは、各ブロックに関して必要最低限となり、無駄な資源使用を削減することができる。
また、ブロック#2に関するACKが返信された場合、再送バッファ部102に保持されたブロック#2については、破棄されるようにしても良い。こうすることにより、再送バッファ部102の容量を最小限に抑制することができる。
図7は、本実施の形態に係る受信装置の動作を示すフロー図である。同図においては、制御チャネルを介した制御信号の送受信については省略し、パケット受信に関する処理を図示している。
上述した処理によって、送信装置からパケットが送信されると、このパケットは、受信装置のアンテナを介して無線処理部201によって受信される(ステップS201)。受信パケットは、無線処理部201によって所定の無線受信処理が施された上で、復調部202によって復調され(ステップS202)、再送部分合成部204および再送部分抽出部207へ出力される。ここで、受信パケットには、1つのブロックのみを含むグループ化されていないパケットと、新規部分および再送部分を含むグループ化されているパケットとの2種類があるものとし、再送部分のみを含むグループ化されていないパケットは考慮しないこととする。また、受信パケットがグループ化されているか否かは、制御チャネル送受信部210によって制御チャネルから受信される制御信号によって通知される。
制御チャネル送受信部210によって制御信号が受信されると、受信パケットがグループ化されているか否かが判断され(ステップS203)、グループ化されていない場合は(ステップS203No)、その旨が再送部分合成部204へ通知される。そして、再送部分合成部204によって、1つのブロックのみを含む受信パケットがそのまま受信バッファ部203および復号部205へ出力され、受信バッファ部203によって、受信パケットが保持される。また、復号部205によって、受信パケットが復号され(ステップS211)、出力切替部206によって、復号結果の誤り率が算出される。この結果、誤り率が所定の閾値未満であれば、通常ブロックの情報ビットが図示しない後段の処理部へ出力される一方(ステップS212)、誤り率が所定の閾値以上であれば、受信パケットに含まれていたブロックの再送が必要である旨が制御チャネル送受信部210へ通知される。
一方、受信パケットがグループ化されている場合は(ステップS203Yes)、その旨が再送部分合成部204および再送部分抽出部207へ通知される。そして、再送部分合成部204によって、新規部分および再送部分を含む新たな受信パケットに、再送部分に対応する過去の受信パケットの一部分が合成される(ステップS204)。そして、合成により得られた合成パケットが復号部205によって復号され(ステップS205)、新規部分の復号結果が出力切替部206へ出力される。このとき、復号部205による復号は、新たな受信パケットの冗長データ部分のみではなく、過去の受信パケットの一部分の情報も用いて行われるため、復号に利用される情報量が多くなり、合成パケット全体の復号精度が向上する。したがって、受信パケットの冗長データ部分のみを用いて復号する場合よりも、新規部分の復号結果の精度が高くなる。
出力切替部206へ出力された新規部分の復号結果は、再送部分抽出部207へ出力される。そして、再送部分抽出部207によって、新規部分の復号結果が用いられることにより、新たな受信パケットから再送部分が抽出される(ステップS206)。そして、抽出された再送部分に対応する過去の受信パケットが受信バッファ部203から取得され、過去の受信パケットに再送部分が合成される(ステップS207)。そして、合成により得られた合成パケットが復号部208によって復号され(ステップS208)、再送部分の復号結果が出力切替部209へ出力される。このとき、復号部208による復号は、過去の受信パケットに新規部分の復号結果を用いて正確に抽出された再送部分を合成した合成パケットに対する復号であるため、復号に利用される情報が正確となり、合成パケット全体の復号精度が向上する。したがって、例えば制御信号のみに従って新たな受信パケットから再送部分を抽出し、過去の受信パケットに合成する場合よりも、再送部分の復号結果の精度が高くなる。
ここで、再送部分合成部204および再送部分抽出部207における合成について、図8を参照しながら具体例を説明する。
図8に示すように、ブロック1、2は、受信装置からNAKが返信されたため、送信装置において再送待ちのブロックとなっているものとする。この場合、通常ブロック3と再送待ちのブロック1、2のそれぞれ一部分がグループ化されてパケットが生成され、送信装置から送信される。ここでは、ブロック1の部分#1−1、ブロック2の部分#2−1、およびブロック3の部分#3−1がグループ化されたパケットが送信されたものとする。すなわち、送信装置から送信されるパケットは、再送部分#1−1、#2−1と新規部分#3−1とを含んでいる。
パケットが受信装置によって受信されると、受信パケットは、再送部分合成部204および再送部分抽出部207に入力される。そして、再送部分合成部204においては、過去の受信パケットの一部分#1−1’、#2−1’が受信バッファ部203から取得され、それぞれ受信パケットの対応する再送部分#1−1、#2−1に合成される。こうして得られる合成パケットは、通常ブロック3に対応しており、新規部分の情報ビットを得るのに用いられる。新規部分の情報ビットは、部分#3−1に含まれているため、一部分#1−1’、#2−1’の合成により直接的に新規部分の情報量が増えることはない。しかし、一部分#1−1’、#2−1’を受信パケットの再送部分#1−1、#2−1に合成することにより、再送部分の情報量が増えるため、合成パケット全体としての復号結果の精度が向上し、結果として新規部分の復号精度が向上する。
一方、再送部分抽出部207においては、新規部分#3−1の復号結果が用いられることにより受信パケットから再送部分#1−1、#2−1が抽出され、再送部分#1−1、#2−1に対応する過去の受信パケットが受信バッファ部203から取得される。ここでは、再送部分#1−1に対応する過去の受信パケットとして部分#1−1’、#1−2’、#1−3’からなるブロック1を含む受信パケットが取得される。また、再送部分#2−1に対応する過去の受信パケットとして部分#2−1’、#2−2’、#2−3’からなるブロック2を含む受信パケットが取得される。
そして、それぞれの過去の受信パケットに対応する再送部分#1−1、#2−1が合成される。したがって、再送部分#1−1が合成されて得られる合成パケットは、ブロック1に対応し、再送部分#2−1が合成されて得られる合成パケットは、ブロック2に対応する。これらの合成パケットが復号されることにより、誤り率が所定の閾値以上であったため再送が必要となった過去の受信パケットについて、正確な復号結果が得られることになる。また、新たな受信パケットから再送部分#1−1、#2−1が抽出される際には、新規部分#3−1の復号結果が用いられるため、新規部分#3−1の復号結果の精度が高いほど、再送部分#1−1、#2−1が正確に抽出される。すなわち、復号の繰り返しにより、新規部分#3−1の復号結果の精度が向上すれば、過去の受信パケットに合成される再送部分#1−1、#2−1の精度も向上し、合成パケットの復号精度が向上する。
このように、受信パケットの新規部分および再送部分がそれぞれ復号されると、出力切替部206および出力切替部209においては、それぞれの復号結果から誤り率が算出され、算出された誤り率が所定の閾値未満であるか否かが判定される(ステップS209)。この判定の結果、誤り率が所定の閾値未満であれば(ステップS209Yes)、再送は不要となることから、制御チャネル送受信部210からACKが送信されるとともに、情報ビットが図示しない後段の処理部へ出力される(ステップS212)。すなわち、出力切替部206によって誤り率が所定の閾値未満であると判定された場合には、受信パケットの新規部分に相当する情報ビットが出力される。また、出力切替部209によって誤り率が所定の閾値未満であると判定された場合には、受信パケットの再送部分および過去の受信パケットに対応する情報ビットが出力される。
また、復号結果の誤り率が所定の閾値以上であれば(ステップS209No)、出力切替部206および出力切替部209によって、さらに復号の繰り返し回数が所定回数に達しているか否かが判定される(ステップS210)。そして、復号の繰り返し回数が所定回数に達している場合は(ステップS210Yes)、復号を所定回数繰り返しても誤り率が所定の閾値未満とならなかったため、該当するブロックの再送を要求するNAKが制御チャネル送受信部210から送信される。すなわち、出力切替部206において復号の繰り返し回数が所定回数に達していると判定されると、受信パケットの新規部分に相当するブロックの再送を要求するNAKが制御チャネル送受信部210から送信される。同様に、出力切替部209において復号の繰り返し回数が所定回数に達していると判定されると、受信パケットの再送部分に相当するブロックの再送を要求するNAKが制御チャネル送受信部210から送信される。同時に、繰り返し復号は中止される。
一方、復号の繰り返し回数が所定回数に達していない場合は(ステップS210No)、再び受信パケットの新規部分および再送部分の復号が繰り返される。2回目以降の復号が実行される際には、出力切替部209によって、再送部分の復号結果が再送部分合成部204へ出力され、再送部分合成部204によって、受信バッファ部203に保持された過去の受信パケットの一部分の代わりに、再送部分の復号結果が受信パケットに合成される(ステップS204)。これにより、2回目以降の復号時には、前回の復号時よりも正確な情報が新たな受信パケットに合成されることになり、復号部205における復号精度が向上することになる。つまり、新規部分および再送部分の復号結果を利用しながらそれぞれの復号を繰り返すことにより、一方の復号精度が向上すれば他方の復号精度も向上する。
図9は、繰り返し復号によって復号精度が向上し、誤り率が改善される様子の具体例を示す図である。同図においては、左上の第1段階、右上の第2段階、左下の第3段階、および右下の第4段階の順に復号が繰り返されている。また、パケット#1、#2は、通常ブロックを含むパケットであり、パケット#3は、パケット#1、#2のNAKが返信されたために送信される、パケット#1、#2の一部分を含むグループ化されたパケットである。さらに、パケット#4は、パケット#3の送信後にもNAKが返信されたため送信される、パケット#1、#2の一部分を含むグループ化されたパケットである。パケット#3は、パケット#1の一部分Aとパケット#2の一部分Cとを含み、パケット#4は、パケット#1の一部分Bとパケット#2の一部分Dとを含んでいる。
第1段階においては、パケット#4にパケット#1、#2の一部分B、Dが合成されて復号された結果、パケット#4の新規部分が正確に復号される。そして、新規部分の復号結果が利用されてパケット#4から再送部分B、Dが抽出される。このとき、パケット#4の新規部分が正確に復号されているため、精度良くパケット#4の再送部分B、Dが抽出される。
第2段階においては、パケット#4から抽出された再送部分B、Dがパケット#1、#2に合成されて復号された結果、過去のパケット#1、#2の復号精度が向上する。ここでは、パケット#1の誤り率が所定の閾値未満となり、パケット#2の誤り率は依然として所定の閾値以上であるものとする。
第3段階においては、パケット#1の誤り率が所定の閾値未満となっているため、正確なパケット#1の一部分Aが得られる。そして、パケット#1の一部分Aがパケット#3の再送部分Aに合成されて復号された結果、パケット#4の新規部分が正確に復号される。そして、新規部分の復号結果が利用されてパケット#3から再送部分A、Cが抽出される。このとき、パケット#3の新規部分が正確に復号されているため、精度良くパケット#3の再送部分A、Cが抽出される。
第4段階においては、パケット#3から抽出された再送部分Cがパケット#2に合成されて復号された結果、過去のパケット#2の復号精度がさらに向上する。これにより、パケット#2の誤り率が所定の閾値未満となり、すべてのパケット#1〜#4の誤り率が所定の閾値未満となるため、繰り返し復号が終了する。
このように、通常ブロックのみを含むパケット#1、#2と、新規部分および再送部分を含むパケット#3、#4を用いて、新規部分および再送部分の繰り返し復号を実行することにより、互いの復号精度が徐々に向上し、最終的にすべてのパケットの誤り率を所定の閾値未満に低減することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、送信装置は、パケットに含まれるブロックの再送が要求された場合、再送待ちのブロックの一部分を新たな通常ブロックの一部分とグループ化して符号化し、得られたパケットを送信する。このため、再送待ちのブロックに関しては、過剰に情報を再送することがないとともに、新たな通常ブロックの送信が再送によって遅延することがない。結果として、パケット再送時における無駄な資源使用を削減しつつ、スループットを向上することができる。また、受信装置は、新規部分と再送部分がグループ化されたパケットを復号する際、一方の復号結果を用いて他方を復号することを繰り返す。この結果、新規部分および再送部分の復号精度が徐々に向上し、効率良く正確な復号結果を得ることができる。
なお、上記一実施の形態においては、CC型のHARQが実行される場合について説明したが、IR型のHARQが実行される場合にも本発明を適用することができる。IR型のHARQの場合には、受信装置の構成が図10に示すようなものとなる。すなわち、図4に示した受信装置に符号化部301が付加された構成となっている。
IR型のHARQの場合、パケットの再送部分は、送信されるたびに異なる符号化が施されている。つまり、受信装置における新たな受信パケットと過去の受信パケットとでは、同じブロックの情報データ部分に対して異なる冗長データ部分が付加されていることになる。したがって、符号化部301は、出力切替部209から出力される再送部分の復号結果を新たな受信パケットに施された符号化と同様の方法で再符号化する。こうすることにより、再送部分合成部204は、新たな受信パケットと符号化部301によって再符号化された再送部分の復号結果とを合成することが可能となる。
また、上記一実施の形態においては、同一のブロックに対する再送回数の上限を設けなかったが、同一のブロックの再送回数が所定回数に達した場合は、このブロック全体を再送する通常のHARQを実行するようにしても良い。すなわち、同一のブロックの再送回数が所定回数に達した場合は、送信装置の再送部分取得部105によって、該当するブロック全体が再送バッファ部102から取得され、符号化部106によって符号化されるようにしても良い。

Claims (16)

  1. 未送信の情報ビットに対応する新規部分および過去に送信済みの情報ビットに対応する再送部分を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記新規部分および前記再送部分をグループ化して符号化する符号化手段と、
    前記符号化手段によって符号化されて得られるパケットを送信する送信手段と
    を有することを特徴とする符号化装置。
  2. 前記取得手段は、
    1パケットに格納可能なサイズの情報ビットのブロックを生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成されたブロックのうち、パケットに格納されて送信済みのブロックを記憶する記憶手段とを含み、
    前記生成手段によって新たに生成されたブロックの一部分を前記新規部分として取得する一方、前記記憶手段によって記憶されたブロックの一部分を前記再送部分として取得することを特徴とする請求項1記載の符号化装置。
  3. 前記取得手段は、
    前記記憶手段によって記憶されたブロックのうち、再送要求された再送待ちブロックの一部分を前記再送部分として取得することを特徴とする請求項2記載の符号化装置。
  4. 前記取得手段は、
    再送待ちブロック数が所定数に達した場合に、それぞれの再送待ちブロックから前記再送部分を取得することを特徴とする請求項3記載の符号化装置。
  5. 前記符号化手段は、
    パケットの送信先からの再送要求がない場合には、前記取得手段によって取得された前記新規部分のみを符号化し、
    前記符号化手段によって前記新規部分および前記再送部分をグループ化した符号化が実行されたか否かを示す制御信号を送信する制御信号送信手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の符号化装置。
  6. 前記符号化手段は、
    同一のブロックの再送回数が所定回数に達した場合に、当該ブロック全体を前記記憶手段から取得して符号化することを特徴とする請求項2記載の符号化装置。
  7. 未受信の情報ビットに対応する新規部分および過去に受信済みの情報ビットに対応する再送部分を含むパケットを受信する受信手段と、
    前記受信手段によって受信されたパケットに、前記再送部分に対応する過去の受信パケットの一部分を合成する合成手段と、
    前記合成手段によって合成されて得られた合成パケットを復号し、前記新規部分の復号結果を得る新規部分復号手段と
    を有することを特徴とする復号化装置。
  8. 前記新規部分復号手段によって得られた前記新規部分の復号結果を用いて前記受信手段によって受信されたパケットの前記再送部分を抽出し、当該再送部分に対応する過去の受信パケットに合成する抽出手段と、
    前記抽出手段によって合成されて得られた合成パケットを復号し、前記再送部分の復号結果を得る再送部分復号手段と
    をさらに有することを特徴とする請求項7記載の復号化装置。
  9. 前記合成手段は、
    前記再送部分復号手段によって前記再送部分の復号結果が得られた場合に、過去の受信パケットの一部分の代わりに前記再送部分の復号結果を前記受信手段によって受信されたパケットに合成することを特徴とする請求項8記載の復号化装置。
  10. 前記合成手段は、
    前記再送部分復号手段によって前記再送部分の復号結果が得られるたびに、当該再送部分の復号結果を前記受信手段によって受信されたパケットに合成し、
    前記新規部分復号手段は、
    前記新規部分の復号結果の誤り率が所定の閾値未満となるか、または復号の繰り返し回数が所定回数に達するまで、前記合成手段によって合成されて得られた合成パケットを繰り返して復号し、
    前記抽出手段は、
    前記新規部分復号手段によって前記新規部分の復号結果が得られるたびに、当該新規部分の復号結果に対応する再送部分を抽出して過去の受信パケットに合成し、
    前記再送部分復号手段は、
    前記再送部分の復号結果の誤り率が所定の閾値未満となるか、または復号の繰り返し回数が所定回数に達するまで、前記抽出手段によって合成されて得られた合成パケットを繰り返して復号する
    ことを特徴とする請求項9記載の復号化装置。
  11. 前記新規部分復号手段または前記再送部分復号手段による繰り返し復号の結果、復号の繰り返し回数が所定回数に達しても復号結果の誤り率が所定の閾値未満とならない場合に、復号結果の誤り率が所定の閾値以上の前記新規部分または前記再送部分の再送を要求する制御信号を送信する制御信号送信手段をさらに有することを特徴とする請求項10記載の復号化装置。
  12. 前記制御信号送信手段は、
    前記再送部分に含まれる複数のブロックであって、初回送信のタイミングが異なるブロックごとに再送を要求する制御信号を送信することを特徴とする請求項11記載の復号化装置。
  13. 前記制御信号送信手段は、
    複数の受信パケットに含まれる複数の再送部分に対して1つの制御信号を送信することを特徴とする請求項11記載の復号化装置。
  14. 前記合成手段は、
    前記再送部分復号手段によって得られた前記再送部分の復号結果を再符号化する再符号化手段を含み、
    前記再符号化手段による再符号化後の再送部分の復号結果を前記受信手段によって受信されたパケットに合成することを特徴とする請求項9記載の復号化装置。
  15. 未送信の情報ビットに対応する新規部分および過去に送信済みの情報ビットに対応する再送部分を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップにて取得された前記新規部分および前記再送部分をグループ化して符号化する符号化ステップと、
    前記符号化ステップにて符号化されて得られるパケットを送信する送信ステップと
    を有することを特徴とする符号化方法。
  16. 未受信の情報ビットに対応する新規部分および過去に受信済みの情報ビットに対応する再送部分を含むパケットを受信する受信ステップと、
    前記受信ステップにて受信されたパケットに、前記再送部分に対応する過去の受信パケットの一部分を合成する合成ステップと、
    前記合成ステップにて合成されて得られた合成パケットを復号し、前記新規部分の復号結果を得る新規部分復号ステップと、
    前記新規部分復号ステップにて得られた前記新規部分の復号結果を用いて前記受信ステップにて受信されたパケットの前記再送部分を抽出し、当該再送部分に対応する過去の受信パケットに合成する抽出ステップと、
    前記抽出ステップにて合成されて得られた合成パケットを復号し、前記再送部分の復号結果を得る再送部分復号ステップと
    を有することを特徴とする復号化方法。
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