JPWO2009139222A1 - 太陽電池および太陽電池の製造方法 - Google Patents

太陽電池および太陽電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

pn接合部を有する半導体基板(1)と、半導体基板(1)の裏面に銀電極(4)とアルミニウム電極(5)とを備え、銀電極(4)とアルミニウム電極(5)とが重なり合っている重複領域(9)を有し、銀電極(4)に含まれるガラス成分のガラス軟化点温度はアルミニウム電極(5)に含まれるガラス成分のガラス軟化点温度以上である太陽電池およびその太陽電池の製造方法である。

Description

本発明は、太陽電池および太陽電池の製造方法に関し、特に、製造コストを抑えつつ、太陽電池モジュールの電気特性および信頼性を優れたものとすることができる太陽電池および太陽電池の製造方法に関する。
近年、エネルギ資源の枯渇の問題や大気中のCO2の増加のような地球環境問題等からクリーンなエネルギの開発が望まれており、特に、太陽電池を用いた太陽光発電が新しいエネルギ源として開発、実用化され、発展の道を歩んでいる。
図9に、従来の一般的な太陽電池の模式的な断面図を示す。ここで、図9に示すように、従来の太陽電池は、p型のシリコン基板11の受光面にはn+層12が形成されており、n+層12上には反射防止膜13と銀電極16とが形成されている。また、シリコン基板11の裏面の一部にはp+層17が形成されており、p+層17上にはアルミニウム電極15が形成されている。また、シリコン基板11の裏面のp+層17以外の領域には銀電極14が形成されている。
図10に、図9に示す構成の従来の太陽電池の製造方法の一例のフローチャートを示す。まず、ステップS1に示すように、p型のシリコン基板11を用意する。次に、ステップS2に示すように、シリコン基板11の表面をエッチングすることによって、ダメージ層の除去等を行なう。
次に、ステップS3に示すように、シリコン基板11の一方の表面である受光面にn型ドーパントを拡散させることによってn+層12を形成し、n+層12上に反射防止膜13を形成する。
次に、ステップS4に示すように、シリコン基板11の受光面とは反対側の裏面に銀ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、150℃〜200℃程度の温度で乾燥させる。
次に、ステップS5に示すように、シリコン基板11の裏面の銀ペーストの印刷箇所以外の箇所のほぼすべてにアルミニウムペーストをスクリーン印刷法により印刷し、150℃〜200℃程度の温度で乾燥させる。このとき、アルミニウムペーストは、銀ペーストの一部と重なり合うようにして印刷される。
次に、ステップS6に示すように、シリコン基板11の受光面の反射防止膜13上に銀ペーストをパターン状にスクリーン印刷法により印刷した後に、150℃〜200℃程度の温度で乾燥させる。
次に、ステップS7に示すように、シリコン基板11の受光面側の銀ペーストならびに裏面側の銀ペーストおよびアルミニウムペーストを700〜750℃で焼成することによって、シリコン基板11の受光面側に銀電極16が形成され、シリコン基板11の裏面に銀電極14およびアルミニウム電極15が形成される。
なお、上記の焼成時にアルミニウムペーストがp型ドーパントとして働くことにより、シリコン基板11の裏面にp+層17が併せて形成され、太陽電池の電気特性の向上に大きく寄与している。以上により、図9に示す構成の従来の太陽電池が完成する。
図11に、上記のようにして製造した図9に示す構成の従来の太陽電池にインターコネクタを接続して形成したインターコネクタ付き太陽電池の模式的な断面図を示す。ここで、図11に示す構成のインターコネクタ付き太陽電池は、上記のようにして製造した従来の太陽電池を複数用意し、太陽電池の受光面側の銀電極16上に、インターコネクタ18の一端をセットするとともに他の太陽電池の裏面側の銀電極14上にインターコネクタ18の他端をセットし、インターコネクタ18、銀電極14および銀電極16にフラックスを塗布した後にこれらを密着させたまま加熱することによって形成することができる。
そして、図11に示す構成のインターコネクタ付き太陽電池を複数製造した後に、その複数のインターコネクタ付き太陽電池を直列または並列に接続することによって太陽電池モジュールが製造される。
近年では、このようにシリコン基板の受光面側の銀ペーストならびに裏面側の銀ペーストおよびアルミニウムペーストを同時に焼成する方式の太陽電池が主流となってきているが、シリコン基板の受光面側の銀ペーストと裏面側の銀ペーストおよびアルミニウムペーストとをそれぞれ個別に焼成する方式も従来から採用されている。
また、従来においては、太陽電池に半田コーティングを行なった後にインターコネクタの接続を行なっていたが、近年では、上記のように太陽電池への半田コーティングを省略する方式が主流となってきており、この方式を採用した場合には、インターコネクタの表面にコーティングされている半田を活用している。
特開2001−127317号公報 特開2006−351530号公報
近年、特に注目されている太陽電池業界においては、太陽電池の信頼性を犠牲にすることなく、太陽電池の電気特性を向上させる技術が望まれている。また、近年の太陽電池の生産量の伸びとともに販売競争の激化が非常に顕著な形となって現れており、電気特性だけでなくコストパフォーマンスについても優れた太陽電池を市場に提供することが望まれている。
一般に、太陽電池および太陽電池モジュールの電気特性は、電気抵抗成分の多寡に起因することが多い。特に、フィルファクター(F.F.)は、太陽電池の両面にそれぞれ形成される銀電極の前駆体となる銀ペーストの組成およびアルミニウム電極の前駆体となるアルミニウムペーストの組成あるいはこれらの組み合わせ、さらには銀電極とインターコネクタとの電気的接続などに基づく電気抵抗成分の多寡に大きく起因し、その中でも銀ペーストの組成および性状によるところが非常に大きい。
銀ペーストは、一般的に、銀粒子、ガラスフリットなどのガラス成分、樹脂やビヒクルなどの有機バインダ、その他無機添加物および有機溶剤などにより構成される。シリコン基板の受光面および裏面のそれぞれに印刷される銀ペーストの組成については量産性に優れたスクリーン印刷法を活用できるようにすることなどの共通点も多いが、銀ペーストの有するべき機能性の違いからシリコン基板の受光面に印刷される銀ペーストと裏面に印刷される銀ペーストとではそれぞれ異なった組成とされている。
シリコン基板の受光面および裏面を問わず、焼成後の銀電極自体の電気抵抗を低くするためには銀粒子の配合比率を増大させることが望ましいが、単純に銀粒子の配合比率を増大させただけでは、銀ペースト中のガラス成分の配合比率が減少することになり、その傾向が過大になった場合にはシリコン基板と銀電極との接着強度の悪化に至る。また、銀粒子の配合比率を増大させていくにつれて、材料コストの面でも割高となることは容易に想像することができる。
また、銀ペースト中のガラス成分は、上記のような焼成工程を経ることによって電極表面近傍に局在化する傾向にあり、シリコン基板の受光面側の電極表面におけるガラス成分の局在化はシリコン基板と銀電極との接着強度を向上させるように働くが、シリコン基板と反対側の電極表面へのガラス成分の局在化は後工程である銀電極へのインターコネクタの取り付け性を悪化させる方向に働く。
すなわち、銀ペースト中のガラス成分の配合比率を減少させることは一般的にはインターコネクタの取り付け性を向上する方向に働くが、同時にシリコン基板と銀電極との接着強度が低下する方向にも働く。一方、銀ペースト中のガラス成分の配合比率を増大させることはシリコン基板と銀電極との接着強度を向上させる方向に働くが、同時にインターコネクタの取り付け性を悪化させる方向にも働く。
また、シリコン基板と銀電極との接着強度を向上させるために焼成温度を高温化した場合には、ガラス成分の電極表面への局在化が促進されるため、インターコネクタの取り付け性が低下する方向に働く。さらには、シリコン基板と銀電極との接着強度の低下およびインターコネクタの取り付け性の低下は該当部分での電気的な接触不良にも直結するため、太陽電池モジュールの電気特性や信頼性にも悪影響を及ぼす。
特に、裏面の銀電極を形成するための銀ペーストの組成を決定するにあたっては、銀電極そのものの電気抵抗だけでなく、銀電極とアルミニウム電極との重複領域で生じる電気抵抗を低下させることによって太陽電池および太陽電池モジュールの電気特性を向上させつつ、シリコン基板と銀電極との接着強度を向上するとともに、インターコネクタの取り付け性を向上させて太陽電池モジュールの信頼性を損なわないことが必要とされる。
また、銀ペーストおよびアルミニウムペーストには、上記のとおり、ガラス成分がそれぞれ含有されているが、ガラス成分の組成および軟化点などの特性については銀ペーストないしアルミニウムペーストの評価によって太陽電池への適応性が判断されてきた(特開2001−127317号公報、特開2006−351530号公報)。そのような経緯から、銀ペーストおよびアルミニウムペーストのガラス成分については互いに相関がなく、その組成や性状が異なっている場合が多く、銀電極とアルミニウム電極とが混在する太陽電池の裏面の電気抵抗が増大する一因となっていた。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、製造コストを抑えつつ、太陽電池モジュールの電気特性および信頼性を優れたものとすることができる太陽電池および太陽電池の製造方法を提供することにある。
本発明は、pn接合部を有する半導体基板と、半導体基板の裏面に銀電極とアルミニウム電極とを備え、銀電極とアルミニウム電極とが重なり合っている重複領域を有し、銀電極に含まれるガラス成分のガラス軟化点温度はアルミニウム電極に含まれるガラス成分のガラス軟化点温度以上である太陽電池である。
また、本発明は、上記の太陽電池を製造する方法であって、半導体基板の裏面に銀電極の前駆体となる銀ペーストを塗布する工程と、半導体基板の裏面にアルミニウム電極の前駆体となるアルミニウムペーストを塗布する工程と、銀ペーストおよびアルミニウムペーストを焼成する工程とを含み、銀ペーストに含まれるガラス成分のガラス軟化点温度は、アルミニウムペーストに含まれるガラス成分のガラス軟化点温度以上である太陽電池の製造方法である。
本発明によれば、製造コストを抑えつつ、太陽電池モジュールの電気特性および信頼性を優れたものとすることができる太陽電池および太陽電池の製造方法を提供することができる。
本発明の太陽電池の一例の模式的な断面図である。 図1に示す構成の太陽電池の裏面の模式的な平面図である。 図1に示す構成を有する太陽電池の製造方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 図1に示す構成を有する太陽電池の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 図1に示す構成を有する太陽電池の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 図1に示す構成を有する太陽電池の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 図1に示す構成を有する太陽電池の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 図1に示す構成を有する太陽電池の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 従来の一般的な太陽電池の模式的な断面図である。 図9に示す構成の従来の太陽電池の製造方法の一例のフローチャートである。 図9に示す構成の従来の太陽電池にインターコネクタを接続して形成したインターコネクタ付き太陽電池の模式的な断面図である。
符号の説明
1,11 シリコン基板、2,12 n+層、3,13 反射防止膜、4,6,14,16 銀電極、4a,6a 銀ペースト、5,15 アルミニウム電極、5a アルミニウムペースト、7,17 p+層、9 重複領域、10 露出領域、18 インターコネクタ。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。また、本発明においては、太陽電池として用いた場合に、太陽光が主に入射する側の半導体基板の表面を受光面とし、受光面の反対側の半導体基板の表面を裏面とする。
図1に、本発明の太陽電池の一例の模式的な断面図を示す。ここで、図1に示す構成の太陽電池は、たとえばp型のシリコン基板からなる半導体基板1の受光面にn+層2が形成され、半導体基板1の受光面の反対側となる裏面の一部にp+層7が形成された構成を有している。なお、この例においては、半導体基板1はp型であり、n+層2はn型であることから、半導体基板1のp型の内部領域とn型のn+層2との界面がpn接合部(p型半導体とn型半導体との接合部)となっているが、本発明においては、この構成に限定されるものではない。
また、半導体基板1の受光面のn+層2上には反射防止膜3および銀電極6が形成されており、半導体基板1の裏面のp+層7上にはアルミニウム電極5が形成され、半導体基板1の裏面のp+層7が形成されていない領域には銀電極4が形成されている。ここで、半導体基板1の裏面においては銀電極4とアルミニウム電極5とが重なり合っている領域である重複領域9が形成されている。
図2に、図1に示す構成の太陽電池の裏面の模式的な平面図を示す。ここで、太陽電池の半導体基板1の裏面のほぼ全面にアルミニウム電極5が形成されているとともに、銀電極4が島状に形成されている。
また、銀電極4の長手方向において、銀電極4とアルミニウム電極5との間には電極が形成されておらず、半導体基板1の裏面が露出している領域である露出領域10が形成されている。また、銀電極4の長手方向に直交する方向には、上記の重複領域9が形成されている。
ここで、たとえば後述するように、半導体基板1の裏面の銀電極4は、銀粒子とガラス成分とを含む銀ペーストを焼成することによって形成され、アルミニウム電極5は、アルミニウム粒子とガラス成分とを含むアルミニウムペーストを焼成することによって形成されるため、銀電極4およびアルミニウム電極5にはそれぞれたとえばガラスフリットなどのガラス成分が含まれることになるが、本発明においては、銀電極4に含まれるガラス成分のガラス軟化点温度がアルミニウム電極5に含まれるガラス成分のガラス軟化点温度以上となっている(すなわち、銀電極4に含まれるガラス成分のガラス軟化点温度が、アルミニウム電極5に含まれるガラス成分のガラス軟化点温度と同一またはそれよりも高くなっている)。
また、太陽電池の裏面における銀電極4とアルミニウム電極5とが重なり合っている領域である重複領域9は、銀電極4とアルミニウム電極5との電気的な接触を取るために必要不可欠であるが、重複領域9においては、焼成工程での高温化を経ることによって銀とアルミニウムとを主に含む合金が形成されてその合金が電気抵抗成分として働く。
これにより、重複領域9においては、その電気抵抗成分の増大により太陽電池のF.F.の損失が生じることになるが、本発明のように、銀ペーストに含有されるガラス成分としてより高温のガラス軟化点温度を有するものを選択することによって、銀ペースト中の銀粒子の配合比率を増大させることなく重複領域9における電気抵抗を低下させることができ、インターコネクタの取り付け後の太陽電池モジュールの電気特性および信頼性を優れたものにすることができる。さらには、銀ペースト中の銀粒子の配合比率の増大を抑えることができることから、高価な銀粒子の使用量を抑えることができ、太陽電池および太陽電池モジュールの製造コストも抑えることができる。
以下、図3〜図8の模式的断面図を参照して、図1に示す構成を有する太陽電池の製造方法の一例について説明する。
まず、図3に示すように、半導体基板1を用意する。なお、この例においては、半導体基板1としてp型のシリコン基板を用いているが、本発明に用いられる半導体基板はp型のシリコン基板に限定されないことは言うまでもない。
次に、図4に示すように、半導体基板1の一方の表面にn+層2を形成する。ここで、n+層2は、たとえば、リンなどのn型ドーパントを熱拡散させることなどにより形成することができる。
次に、図5に示すように、半導体基板1のn+層2上に反射防止膜3を形成する。ここで、反射防止膜3としては、たとえば窒化シリコン膜などを用いることができ、たとえばプラズマCVD法などにより形成することができる。
次に、図6に示すように、半導体基板1のn+層2が形成された側と反対側の表面に銀ペースト4aを塗布する。ここで、銀ペースト4aの塗布は、たとえばスクリーン印刷法などにより行なうことができる。
また、銀ペースト4aとしては、たとえば、銀粒子と、ガラス成分と、有機バインダと、有機溶剤とを含む構成のものを用いることができる。なお、銀ペースト4aに含まれるガラス成分のガラス軟化点温度は、後述するアルミニウムペースト5aに含まれるガラス成分のガラス軟化点温度以上とされる。
また、銀粒子としては、特に限定されず、たとえば太陽電池分野で公知のものを用いることができる。また、銀粒子の形状としては、たとえば、球状、リン片状または針状等が挙げられる。また、銀粒子の平均粒子寸法は、作業性を良好にする観点から、0.05μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。ここで、銀粒子の平均粒子寸法とは、銀粒子の形状が球状である場合は粒子径の平均値を意味し、銀粒子の形状がりん片状または針状である場合には銀粒子の長径(銀粒子の外表面の任意の2点を結ぶ線分のうち最長の長さ)の平均値のことを意味する。
また、ガラス成分としては、後述のアルミニウムペースト5aに含まれるガラス成分のガラス軟化点温度以上のガラス軟化点温度を有するものであれば特に限定されず、たとえば、B23−SiO2−PbO系、SiO2−Bi23−PbO系、B23−SiO2−Bi23系、B23−SiO2−PbO−ZnO系またはB23−SiO2−ZnO系などの従来から公知のガラスフリットなどを用いることができる。
ここで、銀ペースト4aのガラス成分としては、650℃以下のガラス軟化点温度を有するものを用いることが好ましく、600℃以下のガラス軟化点温度を有するものを用いることがより好ましい。銀ペースト4aのガラス成分のガラス軟化点温度が650℃以下である場合、特に600℃以下である場合には、後述の焼成後の銀電極とインターコネクタとの取り付け性が向上する傾向にあるため、太陽電池モジュールの電気特性および信頼性が向上する傾向にある。
なお、本発明において、ガラス軟化点温度は、JIS R3103−01:2001の「ガラスの粘性及び粘性定点−第1部:軟化点の測定方法」の規格にしたがって測定された軟化点のことを意味する。
また、有機バインダも特に限定されず従来から公知のものを用いることができ、たとえば、エチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂およびポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂などの少なくとも1種を用いることができる。
また、有機溶剤も特に限定されず従来から公知のものを用いることができ、たとえば、ターピネオール(α−ターピネオール、β−ターピネオール等)などのアルコール類およびヒドロキシ基含有エステル類(2,2,4―トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチラート、ブチルカルビトールアセテート等)などのエステル類の少なくとも1種を用いることができる。
また、銀ペースト4aには、上記の銀粒子、ガラス成分、有機バインダおよび有機溶剤以外の成分も含まれていても良いことは言うまでもない。
次に、図7に示すように、半導体基板1の銀ペースト4aが塗布された側の表面に銀ペースト4aの一部と重なり合うようにしてアルミニウムペースト5aを塗布する。ここで、アルミニウムペースト5aの塗布は、たとえばスクリーン印刷法などにより行なうことができる。また、アルミニウムペースト5aは、その一部が銀ペースト4aと重なり合うようにして塗布される。
また、アルミニウムペースト5aとしては、たとえば、アルミニウム粒子と、ガラス成分と、有機バインダと、有機溶剤とを含む構成のものを用いることができる。
アルミニウム粒子としては、特に限定されず、たとえば太陽電池分野で公知のものを用いることができる。また、アルミニウム粒子の形状としては、たとえば、球状、リン片状または針状等が挙げられる。また、アルミニウム粒子の平均粒子寸法は、p型シリコン基板からなる半導体基板1との反応性の確保、アルミニウムペースト5aの塗布性および塗布均一性の観点から、2μm以上20μm以下であることが好ましい。ここで、アルミニウム粒子の平均粒子寸法とは、アルミニウム粒子の形状が球状である場合は粒子径の平均値を意味し、アルミニウム粒子の形状がりん片状または針状である場合にはアルミニウム粒子の長径(アルミニウム粒子の外表面の任意の2点を結ぶ線分のうち最長の長さ)の平均値のことを意味する。
また、アルミニウムペースト5aにおけるガラス成分、有機バインダおよび有機溶剤についての説明は、それぞれ上記の銀ペースト4aにおける説明と同様である。
また、アルミニウムペースト5aにも、上記のアルミニウムペースト粒子、ガラス成分、有機バインダおよび有機溶剤以外の成分が含まれていても良いことは言うまでもない。
次に、図8に示すように、半導体基板1の反射防止膜3上に銀ペースト6aを塗布する。ここで、銀ペースト6aの塗布は、たとえばスクリーン印刷法などにより行なうことができる。
また、銀ペースト6aとしては、たとえば、銀粒子と、ガラス成分と、有機バインダと、有機溶剤とを含む構成のものを用いることができる。
ここで、銀ペースト6aにおける銀粒子、ガラス成分、有機バインダおよび有機溶剤についての説明は、それぞれ上記の銀ペースト4aにおける説明と同様である。
また、銀ペースト6aにも、上記の銀粒子、ガラス成分、有機バインダおよび有機溶剤以外の成分が含まれていても良いことは言うまでもない。
なお、上記においては、銀ペースト4a、アルミニウムペースト5aおよび銀ペースト6aの順で塗布を行なったが、この順序に限定されないことは言うまでもない。
その後、半導体基板1の一方の表面に塗布された銀ペースト6aならびに他方の表面に塗布された銀ペースト4aおよびアルミニウムペースト5aを焼成する。これにより、銀ペースト6aは反射防止膜3をファイヤースルーすることによりn+層2と接して図1に示す銀電極6となり、銀ペースト4aおよびアルミニウムペースト5aはそれぞれ図1に示す銀電極4およびアルミニウム電極5となる。以上により、図1に示す構成の太陽電池を製造することができる。
ここで、半導体基板1の一方の表面における銀ペースト6aならびに他方の表面における銀ペースト4aおよびアルミニウムペースト5aは同時に焼成されてもよく、その一部が同時に焼成されてもよく、それぞれ別々に焼成されてもよい。
また、たとえば、銀ペースト6a、銀ペースト4aおよびアルミニウムペースト5aをそれぞれ別々に焼成する場合には、その焼成の順序は特に限定されるものではない。
なお、近年においては、市場からの増産要請から、焼成条件においても高速化が進められてきている。すなわち、従来の焼成条件は、たとえばピーク温度600℃/毎秒3mm程度とされていたが、近年の焼成条件は、たとえばピーク温度750℃/毎秒5mm程度と高速化されている。
したがって、近年の焼成条件のように焼成時にピーク温度が750℃といった高温の条件では、高い軟化点を有するガラス成分を用いた場合でも、そのガラス成分を完全に融解させることができる。
一方、従来の焼成条件のように、ピーク温度が600℃といった低温の条件では、高い軟化点を有するガラス成分を用いた場合には、そのガラス成分を完全に融解せず、融解部分と未融解部分とが並存してしまうため、従来においては高い軟化点を有するガラス成分を用いることは適さなかった。
また、銀ペーストに含有されるガラス成分を焼成した場合には、ガラス成分は銀ペーストの表面近傍に局在化する性質を有する。しかしながら、上記のようなピーク温度が750℃といった近年の焼成条件で、高い軟化点を有するガラス成分を含有する銀ペーストを焼成した場合には、当該ガラス成分は銀ペーストの表面に緩やかに析出するため、完全な膜状とはなりきれずに、部分的な膜状あるいはスポット状に析出する。
そして、当該ガラス成分が部分的な膜状あるいはスポット状に析出した場合には、重複領域9における銀電極4とアルミニウム電極5との接触が当該ガラス成分によって妨げられにくくなり、より直接的な接触となることから、銀電極4とアルミニウム電極5との接触抵抗を低減することができ、太陽電池モジュールの電気特性および信頼性を優れたものとすることができる。
<実施例1〜4および比較例1〜4の太陽電池の作製>
まず、酸でエッチングされた厚さ180μmで一辺が156mmの正方形の表面を有するp型シリコン基板の片側の表面に約800℃〜900℃でリンをn型ドーパントとした熱拡散により約50Ω/□の面抵抗値を有するn+層を形成し、プラズマCVD法によりn+層上に約70〜100nmの厚さの窒化シリコン膜を反射防止膜として形成した。
次に、平均粒子寸法が0.4μmの球状の銀粒子を下記の表1の銀ペースト中の銀粒子の配合比率の欄に記載の質量%となるようにそれぞれ配合した銀ペーストを作製した。
ここで、銀ペーストは、上記の銀粒子と、有機バインダとしてのエチルセルロースと、有機溶剤としての2,2,4―トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチラートと、下記の表1のガラス成分の組成の欄に記載のガラス成分とを混合することにより作製した。また、銀ペーストにおいては、エチルセルロースの質量:2,2,4―トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチラート:ガラス成分の質量=3:13:2とされた。
なお、ガラス成分AはB23−SiO2−PbO系のガラスフリットであり、ガラス成分BはB23−SiO2−PbO−ZnO系のガラスフリットであって、それぞれガラス軟化点温度が表1に示す値になるように調整された。
なお、表1に示すガラス成分のガラス軟化点温度は、JIS R3103−01:2001の「ガラスの粘性及び粘性定点−第1部:軟化点の測定方法」の規格にしたがって測定した。
また、実施例1〜4および比較例1についてはガラス成分Aの配合比率は1.42質量%であった。また、比較例2〜3のガラス成分Bの配合比率は1.42質量%であり、比較例4のガラス成分Bの配合比率は3質量%以上であった。
そして、上記のようにして作製した銀ペーストをp型シリコン基板の裏面となる片側の表面の一部にスクリーン印刷して150℃程度に加熱することによって銀ペーストを乾燥させた。
次に、ガラス成分のガラス軟化点温度が505℃である市販のアルミニウムペーストをその一部のみが銀ペーストと重なり合うようにしてp型シリコン基板の裏面となる表面のほぼ全面にスクリーン印刷法にて印刷し、150℃程度で乾燥させた。
その後、p型シリコン基板の受光面となる他方の表面の一部に所定の銀ペーストをスクリーン印刷法にて印刷し、150℃程度で乾燥させた。
そして、p型シリコン基板の裏面の銀ペーストおよびアルミニウムペーストならびにp型シリコン基板の受光面の銀ペーストを空気中において740℃程度で焼成することによって、p型シリコン基板の受光面に銀電極を形成し、p型シリコン基板の裏面にp+層を形成するとともに銀電極およびアルミニウム電極を形成して太陽電池を完成させた。
以上の太陽電池の作製作業を下記の表1の実施例1〜4および比較例1〜4に示す銀ペーストのそれぞれを用いて行なったこと以外は同一の条件および同一の方法で行なうことによって、実施例1〜4および比較例1〜4の太陽電池を作製した。
<実施例1〜4および比較例1〜4の太陽電池の評価方法>
(i)裏面の銀電極−アルミニウム電極の重複領域の電気抵抗
実施例1〜4および比較例1〜4のそれぞれの太陽電池の裏面の銀電極−アルミニウム電極の重複領域の電気抵抗を、裏面の銀電極間の電気抵抗から同距離のアルミニウム電極の電気抵抗を差し引いて求めることにより行なった。その結果を表1に示す。
なお、表1の裏面の銀電極−アルミニウム電極の重複領域の電気抵抗の欄に示される値は、比較例4の太陽電池の裏面の銀電極とアルミニウム電極との重複領域の電気抵抗を100%としたときの相対値(%)で表わされている。また、この電気抵抗の値は太陽電池を4〜6枚測定したときの平均値が示されている。
(ii)インターコネクタ取り付け後のF.F.損失
以上のようにして作製した実施例1〜4および比較例1〜4のそれぞれの太陽電池の電流−電圧特性を、ソーラーシミュレータ光(AM1.5、エネルギ密度100mW/cm2)のもとで測定し、その測定結果から、インターコネクタ取り付け前のF.F.を算出した。
次に、実施例1〜4および比較例1〜4の太陽電池の裏面の銀電極および半田がコーティングされた厚さ0.2mmかつ幅2mmのインターコネクタに市販のフラックスをそれぞれ塗布し、400℃程度に加熱した半田ごてを用いて、実施例1〜4および比較例1〜4のそれぞれの太陽電池の裏面の銀電極に銅製のインターコネクタを取り付けた。そして、インターコネクタの取り付けを行なった後に上記と同様にしてインターコネクタの取り付け後のF.F.を算出し、上記で算出したインターコネクタの取り付け前のF.F.とインターコネクタの取り付け後のF.F.との差を算出することによってインターコネクタの取り付け後のF.F.損失を算出した。その結果を表1に示す。
なお、表1のインターコネクタの取り付け後のF.F.損失の欄に示される値は、比較例4の太陽電池のインターコネクタの取り付け後のF.F.損失を100%としたときの相対値(%)で表わされている。また、このインターコネクタの取り付け後のF.F.損失の値は太陽電池を2〜3枚測定したときの平均値が示されている。
(iii)インターコネクタ取り付け後の引っ張り試験
上記の実施例1〜4および比較例1〜4の太陽電池に取り付けられたインターコネクタと太陽電池のインターコネクタの取り付け部分以外の部分との角度を45°に保った状態で引っ張り試験機によりインターコネクタを引っ張って、下記の基準によりインターコネクタと実施例1〜4および比較例1〜4の太陽電池の裏面の銀電極との接着強度および剥離モードを評価した。その結果を表1に示す。
<接着強度の判断基準>
A…引っ張り試験機による引っ張り強度が200g以上
B…引っ張り試験機による引っ張り強度が200g未満
<剥離モードの判断基準>
上記の引っ張り試験機による引っ張り試験において、p型シリコン基板の裏面の銀電極のp型シリコン基板からの剥離がなく、インターコネクタと銀電極との接続状態が良好なままp型シリコン基板の割れが先に生じた場合をAモードと定義し、引っ張り試験を実施した測定点数に対するAモード該当率を算出して、下記の基準により評価した。
すなわち、Aモード該当率が高いほど、銀電極−p型シリコン基板の界面、銀電極−インターコネクタの界面および銀電極の内部からの剥離が生じる確率が低いことを示しており、銀電極自体の機械的強度および上記の各界面での接着強度が高いことを示している。A…Aモード該当率が100%
B…Aモード該当率が75%以上100%未満
C…Aモード該当率が50%以上75%未満
D…Aモード該当率が50%未満
Figure 2009139222
表1に示すように、p型シリコン基板の裏面に印刷された銀ペースト中のガラス成分のガラス軟化点温度が、同じく裏面に印刷されたアルミニウムペースト中のガラス成分のガラス軟化点温度以上である実施例1〜4の太陽電池においては、アルミニウムペースト中のガラス成分のガラス軟化点温度が銀ペースト中のガラス成分のガラス軟化点温度よりも高い比較例1〜4の太陽電池と比べて、裏面の銀電極−アルミニウム電極の重複領域の電気抵抗、インターコネクタ取り付け後のF.F.損失、インターコネクタ取り付け後の引っ張り試験におけるインターコネクタと太陽電池の裏面の銀電極との接着強度および剥離モードのいずれもが同等以上に優れる結果となった。
したがって、このことは、実施例1〜4の太陽電池の裏面の銀電極中のガラス成分のガラス軟化点温度がアルミニウム電極中のガラス成分のガラス軟化点温度以上である場合に、裏面の銀電極−アルミニウム電極の重複領域の電気抵抗、インターコネクタ取り付け後のF.F.損失、インターコネクタ取り付け後の引っ張り試験におけるインターコネクタと太陽電池の裏面の銀電極との接着強度および剥離モードのいずれもが優れることを示している。
たとえば、実施例4の太陽電池においては、銀ペースト中のガラス成分のガラス軟化点温度を600℃にまで高温化することによって、銀粉末の配合比率を増大させることなく、裏面の銀電極−アルミニウム電極の重複領域の電気抵抗を比較例4の太陽電池に対して14%にまで低減することができた。
また、実施例1の太陽電池においては、銀ペースト中のガラス成分のガラス軟化点温度を550℃にまで高温化することによって、比較例4の太陽電池と比較して、銀粉末の配合比率を1%低減させながら、裏面の銀電極−アルミニウム電極の重複領域の電気抵抗を比較例4の太陽電池に対して75%にまで低減することができた。
ここで、太陽電池モジュールの電気特性について述べる。一般に、太陽電池および太陽電池モジュールの電気特性を決定する因子の1つであるF.F.は上記のとおり電気抵抗成分の多寡に依存している。太陽電池モジュール全体の電気抵抗成分は、インターコネクタ取り付け後の太陽電池の電気抵抗成分の総和で表わされるため、太陽電池モジュールに使用されるインターコネクタの太陽電池1枚当たりの長さが今回の評価で用いたインターコネクタと同一であると考えた場合、太陽電池モジュール全体の電気抵抗成分は個々の太陽電池の電気抵抗成分の多寡に依存し、インターコネクタ取り付け後の太陽電池のF.F.は太陽電池モジュール全体のF.F.にほぼ一致する。
また、太陽電池の電気抵抗について、電気抵抗測定点間で裏面の銀電極の占める割合が小さいことから裏面の銀電極自体の電気抵抗を一定とし、また使用材料が同一であるアルミニウム電極と受光面の銀電極の電気抵抗を同一とすると、太陽電池の電気抵抗差は各実施例および比較例で示された裏面の銀電極−アルミニウム電極の重複領域の電気抵抗に起因する。したがって、表1に示す裏面の銀電極−アルミニウム電極の重複領域の電気抵抗の値が小さいほど太陽電池モジュール全体の電気抵抗が小さくなり、その電気抵抗の低下に起因する表1に示すインターコネクタ取り付け後のF.F.損失の低下は、結果として、太陽電池モジュール全体の電気特性の向上として反映されると考えられる。
つまり、銀ペースト中のガラス成分のガラス軟化点温度の高温化および銀ペースト中の銀粉末の配合比率の増大の双方の観点から、裏面の銀電極−アルミニウム電極の重複領域の電気抵抗の減少による太陽電池モジュールの電気特性、銀電極とインターコネクタとの接着強度およびインターコネクタの取り付け性の向上を図ることは可能であるが、銀ペースト中の銀粉末の配合比率はできるだけ抑えることが製造コストを抑える面から好ましい。
この製造コストの問題については、太陽電池の裏面の銀電極に用いられる銀ペーストとして、ある一定数値以下の銀電極−アルミニウム電極の重複領域の電気抵抗を達成できるものを所望した場合に、裏面の銀電極の形成に用いられる銀ペースト中のガラス成分のガラス軟化点温度を高温化させることで銀粉末の配合比率を抑えることができることから、本発明は銀ペースト中の銀粉末の配合比率の減少による材料コストの低減に大きく貢献することができると考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、製造コストを抑えつつ、太陽電池モジュールの電気特性および信頼性を優れたものとすることができる太陽電池および太陽電池の製造方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. pn接合部を有する半導体基板(1)と、
    前記半導体基板(1)の裏面に銀電極(4)とアルミニウム電極(5)とを備え、
    前記銀電極(4)と前記アルミニウム電極(5)とが重なり合っている重複領域(9)を有し、
    前記銀電極(4)に含まれるガラス成分のガラス軟化点温度は、前記アルミニウム電極(5)に含まれるガラス成分のガラス軟化点温度以上であることを特徴とする、太陽電池。
  2. 請求の範囲第1項に記載の太陽電池を製造する方法であって、
    前記半導体基板(1)の前記裏面に前記銀電極(4)の前駆体となる銀ペースト(4a)を塗布する工程と、
    前記半導体基板(1)の前記裏面に前記アルミニウム電極(5)の前駆体となるアルミニウムペースト(5a)を塗布する工程と、
    前記銀ペースト(4a)および前記アルミニウムペースト(5a)を焼成する工程とを含み、
    前記銀ペースト(4a)に含まれるガラス成分のガラス軟化点温度は、前記アルミニウムペースト(5a)に含まれるガラス成分のガラス軟化点温度以上であることを特徴とする、太陽電池の製造方法。
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