JPWO2009128209A1 - 検出方法および検出システム - Google Patents

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Abstract

本発明は、試料液に含まれる被検出物質をパルスイムノアッセイ法で検出する方法に関する。本発明の検出方法は、被検出物質に特異的に結合する認識物質がその表面に固定化されている粒子と、試料液とを含む混合液に交流電圧を印加して、前記粒子をパールチェーン化させるステップを有する。前記混合液は、第1の時間交流電圧を印加するステップおよび第2の時間交流電圧の印加を停止するステップからなるセットを複数回繰り返して、交流電圧を印加される。

Description

本発明は、被検出物質(親和性物質)をパルスイムノアッセイ法で検出する方法およびそれに用いられる検出システムに関する。
従来、試料に含まれる被検出物質を検出するために、被検出物質に特異的に結合しうる抗体を利用する方法が数多く開発されている。そのひとつに、抗原抗体反応によって生じた免疫凝集物を光学的に検出する方法がある。
この方法では、被検出物質を含む液体試料に被検出物質に特異的に結合しうる抗体を一定量加えて免疫凝集物を形成させる。凝集物を形成させた後、液体試料に光を照射すると、光は凝集物に当たって散乱する。透過光の量は凝集物の量に応じて変化し、凝集物の量は被検出物質の濃度に応じて変化する。したがって、透過光を測定することで、液体試料中の被検出物質の濃度を求めることができる。一般的に透過光を測定する免疫比濁法と散乱光を検出する免疫比朧法とは区別されているが、凝集物による光の散乱を観察するという点ではいずれも同じ検出原理である。したがって、透過光だけでなく散乱光または反射光を測定しても、液体試料中の被検出物質の濃度を求めることができる。
この原理を用いて感度をさらに向上させた方法が、ラテックス凝集法である。前述の方法において抗体をラテックス粒子の表面に固定化させておくと、被検出物質と抗体とが結合することでラテックス粒子の凝集物が形成される(サンドイッチ反応)。ラテックス粒子の凝集物は抗原および抗体からなる凝集物よりもはるかに光の散乱が大きいため、ラテックス凝集法では被検出物質をより高感度に検出することができる。
ラテックス凝集法をさらに高感度化させた方法として、パルスイムノアッセイ法が知られている(例えば、特許文献1参照)。以下、図1および図2を用いてパルスイムノアッセイ法について説明する。図1Aは、測定チップの断面図であり、図1Bは、測定装置の構成を示すブロック図である。図2は、測定チップの流路部分の拡大図である。
図1Aに示されるように、測定チップは、2枚のスライドグラス10,12と、その間に配置された1対の電極14,16とから構成されている。電極14,16の厚さは0.02mmであり、電極間の間隔は0.5mmである。2枚のスライドグラス10,12および1対の電極14,16に囲まれた流路18内には、抗体を固定化されたラテックス粒子20と試料液とを含む混合液が供給される。
流路18内に混合液を提供した後、電極14,16に交流電源供給装置30を用いて交流電圧を印加してラテックス粒子20に誘電分極を生じさせることで、図2Aに示されるように、複数のラテックス粒子20を直鎖状に並べることができる(パールチェーン化)。その後、交流電圧の印加を停止すると、図2Bに示されるように、直鎖状に並んでいたラテックス粒子20はブラウン運動により分散する。液体試料中に被検出物質が存在すると、交流電圧の印加を停止した後もラテックス粒子20の凝集物が観察される。図1Bに示されるように、顕微鏡22、CCDカメラ24、画像処理ボード26およびパーソナルコンピューター28から構成される画像処理装置を用いてラテックス粒子20の凝集状態を観察して、被検出物質を検出する。パルスイムノアッセイ法は、複数の担体粒子を積極的に接触させることで凝集反応を促進させることができるため、ブラウン運動に依存したラテックス凝集法に比べてより迅速かつ高感度に被検出物質を検出することができる。
特開平7−83928号公報
しかしながら、上記従来の方法には、被検出物質が粒子間の接触部位に存在する確率がそれほど高くないため、本来は凝集するはずの粒子も凝集しないという問題があった。すなわち、上記従来の方法には、反応効率が低いという問題があった。
また、上記従来の方法には、被検出物質の分子量が小さい場合または被検出物質に抗体が結合しうる部位(エピトープ)が2箇所程度しかない場合、抗体で被検出物質を挟むときに抗体同士が衝突し(立体障害が生じ)、効率よくサンドイッチ反応が生じないという問題もあった。
本発明の目的は、試料液に含まれる被検出物質(親和性物質)をパルスイムノアッセイ法で検出または測定する方法であって、認識物質(例えば抗体)と被検出物質とが効率的に反応して、粒子が効率的に凝集することができる検出方法または測定方法、およびそれに用いられる検出システムまたは測定システムを提供することである。
本発明者は、交流電圧を連続して印加する代わりに、交流電圧の印加および停止を交互に繰り返すことで上記課題を解決しうることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一は、以下の親和性物質(被検出物質)の検出方法(測定方法)に関する。
[1]試料液に含まれる親和性物質をパルスイムノアッセイ法で検出する方法であって、生物学的特異的凝集反応により親和性物質に特異的に結合する認識物質がその表面に固定化されている担体粒子と、試料液とを含む混合液に交流電圧を印加して、前記担体粒子をパールチェーン化させるステップを有し、前記混合液は、第1の時間交流電圧を印加するステップおよび第2の時間交流電圧の印加を停止するステップからなるセットを複数回繰り返して、交流電圧を印加される、親和性物質の検出方法。
[2]前記第1の時間および前記第2の時間は、それぞれ15〜60秒である、[1]に記載の検出方法。
[3]前記セットは、2〜6回繰り返される、[1]または[2]に記載の検出方法。
[4]前記担体粒子は、前記親和性物質の第1の部分に特異的に結合する第1の認識物質がその表面に固定化されている第1の担体粒子と、前記親和性物質の第2の部分に特異的に結合する第2の認識物質がその表面に固定化されている第2の担体粒子とを含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の検出方法。
[5]前記担体粒子は、前記親和性物質の第1の部分に特異的に結合する第1の認識物質、および前記親和性物質の第2の部分に特異的に結合する第2の認識物質がその表面に固定化されている、[1]〜[3]のいずれかに記載の検出方法。
[6]前記担体粒子は、その表面に一種類の前記認識物質が固定化されており、前記親和性物質は、前記一種類の認識物質が特異的に結合する部分を2以上有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の検出方法。
[7]前記生物学的特異的凝集反応は、抗原抗体反応である、[1]〜[6]のいずれかに記載の検出方法。
[8]前記生物学的特異的凝集反応は、核酸の二本鎖形成反応である、[1]〜[7]のいずれかに記載の検出方法。
本発明の第二は、以下の親和性物質(被検出物質)の検出システム(測定システム)に関する。
[9]試料液に含まれる親和性物質をパルスイムノアッセイ法で検出するシステムであって、流路および前記流路に電場を形成するための電極対を有する検出チップと、前記電極対に交流電圧を印加する電圧印加手段と、前記流路の情報を取得する検出手段とを有し、前記電圧印加手段は、第1の時間交流電圧を印加するステップおよび第2の時間交流電圧の印加を停止するステップからなるセットを複数回繰り返して、前記電極対に交流電圧を印加する、親和性物質の検出システム。
本発明によれば、粒子をより効率的に凝集させることができるため、SN比の高い検出および測定を実現することができる。また、本発明によれば、認識分子が結合する部位(例えばエピトープ)が少ない親和性物質についても、高感度に検出または測定することができる。
従来の測定チップおよび測定装置の構成を示す図 従来の測定チップの流路部分を示す拡大図 認識物質が固定化された担体粒子の一例を示す模式図 交流電圧を繰り返し印加した際の担体粒子の状態を示す模式図 パールチェーン化した担体粒子が分散する様子を示す模式図 パールチェーン化した担体粒子が分散する様子を示す模式図 パールチェーン化した担体粒子が分散する様子を示す模式図 検出チップの一例を示す模式図 検出システムの構成の一例を示すブロック図 電圧の印加回数と凝集率との関係を示すグラフ
本明細書において「検出」とは、特定の物質の有無を調べる意味だけでなく、特定の物質の濃度や量を測定する意味も含む。
本発明の検出方法は、試料液に含まれる親和性物質(被検出物質)をパルスイムノアッセイ法で検出する方法であって、担体粒子および試料液を含む混合液に交流電圧を印加して、前記担体粒子をパールチェーン化させるステップを有する。以下の説明では、このステップを、1)親和性物質に特異的に結合する認識物質をその表面に固定化されている担体粒子を準備する第1のステップと、2)試料液と第1のステップで準備した担体粒子とを含む混合液に交流電圧を印加して、担体粒子をパールチェーン化させる第2のステップとに分けて説明する。また、本発明の検出方法は、上記第2のステップの後に、任意に、3)前記交流電圧の印加を停止した後に担体粒子の凝集状態を観察する第3のステップを含んでいてもよい。
本発明の検出方法は、第2のステップにおいて混合液に交流電圧を印加する際に、交流電圧の印加および停止を交互に繰り返して、交流電圧を複数回印加することを主たる特徴とする。すなわち、本発明の検出方法は、複数回パールチェーン化させることを主たる特徴とする。
[第1のステップ]
第1のステップでは、親和性物質に特異的に結合する認識物質をその表面に固定化されている担体粒子を準備する。
認識物質を固定化される担体粒子の種類は、特に限定されない。担体粒子の例には、ラテックス粒子、セラミックス粒子、シリカ粒子、磁性粒子、金属粒子、金属コート粒子、ベントナイト、カオリン、金コロイド、赤血球細胞、白血球細胞、血小板、ゼラチン、リポソーム、花粉、微生物、およびアミノ基やスルフヒドリル基、カルボキシル基など反応性の高い官能基が修飾された粒子などが含まれる。この中ではラテックス粒子が好ましい。ラテックス粒子の例には、ポリスチレン系ラテックス粒子、ポリビニルトルエン系ラテックス粒子、ポリメタクリレート系ラテックス粒子、金属コートラテックス粒子などが含まれる。
担体粒子の直径(平均粒径)は、光学顕微鏡で識別可能な0.5μm以上、かつブラウン運動による分散が容易に生じうる100μm以下であることが好ましい。担体粒子の直径(平均粒径)は、例えば、光学顕微鏡を用いて観察したり、コールターカウンターを用いて電気抵抗を測定したり、光散乱法で散乱光変化量を測定したりすることで測定することができる。
担体粒子に固定化される認識物質は、生物学的特異的凝集反応により親和性物質に特異的に結合しうる物質であれば特に限定されず、天然の物質であってもよいし、人工の物質であってもよい。認識物質の例には、抗体や核酸、酵素、補酵素、レクチン、糖タンパク質、ヘム、ポルフィリンなどが含まれる。たとえば、抗体を認識物質とした場合は、認識物質(抗体)は抗原抗体反応により親和性物質(抗原)に特異的に結合する。また、核酸を認識物質とした場合は、認識物質(核酸)は二本鎖形成反応により親和性物質(他の核酸)に特異的に結合する。認識物質を担体粒子に固定化する方法は特に限定されず、当業者に公知の方法から適宜選択すればよい。たとえば、抗体を担体粒子に固定化する場合、疎水性相互作用を利用した物理吸着や、アミノ基やスルフヒドリル基などを利用した化学修飾などを用いることができる。
図3は、認識物質が固定化された担体粒子の一例を示す模式図である。図3Aに示されるように、認識物質が固定化された担体粒子(修飾粒子)100は、担体粒子110と、担体粒子110の表面に固定化された第1の抗体120a(第1の認識物質)および第2の抗体120b(第2の認識物質)を含む。第1の抗体120aおよび第2の抗体120bは、同一の親和性物質130に結合する抗体であるが、それぞれ異なるエピトープを認識する。すなわち、第1の抗体120aは、親和性物質130の第1のエピトープに結合し、第2の抗体120bは、親和性物質130の第2のエピトープに結合する。したがって、修飾粒子100を含む溶液中に親和性物質130が存在する場合、図3Bに示されるように、修飾粒子100は抗原抗体反応(サンドイッチ反応)により他の粒子100と会合して凝集塊を形成する。
図3の例に示されるように、1つの担体粒子には、親和性物質の第1の部分に特異的に結合する第1の認識物質と、同一の親和性物質の第2の部分に特異的に結合する第2の認識物質がその表面に固定化されていてもよい。
また、それぞれ異なる認識物質が固定化されている複数種類の担体粒子を準備してもよい。たとえば、親和性物質の第1の部分に特異的に結合する第1の認識物質をその表面に固定化されている第1の担体粒子と、同一の親和性物質の第2の部分に特異的に結合する第2の認識物質をその表面に固定化されている第2の担体粒子とを準備してもよい。
たとえば、血液中の脳性ナトリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide;以下「BNP」と略記する。)を検出する場合は、マウス抗BNPモノクローナル抗体50E1(ヒトBNP前駆体の77〜108アミノ酸残基からなるポリペプチドを抗原として作製された抗体)を第1の認識物質とし、マウス抗BNPモノクローナル抗体24C5または26E2(いずれもヒトBNPの11〜22アミノ酸残基からなるポリペプチドを抗原として作製された抗体)を第2の認識物質とすればよい。また、腫瘍マーカーの1つであるα−フェトプロテイン(α-fetoprotein;以下「AFP」と略記する)を検出する場合は、ヤギ抗AFPポリクローナル抗体C−19(ヒトAFPのC末端を認識する抗体)を第1の認識物質とし、ウサギ抗AFPポリクローナル抗体H−140(ヒトAFPの171〜310アミノ酸残基を認識する抗体)を第2の認識物質とすればよい。
1つの親和性物質に結合部位(例えばエピトープ)が複数箇所ある場合は、担体粒子に固定化される認識物質の種類は一種類であってもよい。
認識物質が固定化された担体粒子は、使用する際に各自で調製してもよいし、市販品を購入してもよい。
[第2のステップ]
第2のステップでは、試料液と第1のステップで準備した担体粒子を含む混合液に交流電圧を印加して、担体粒子をパールチェーン化させる。
試料液は、特に限定されず、検出対象や検出目的などに応じて適宜選択すればよい。試料の例には、血液、血漿、血清、それらの希釈物などが含まれる。
混合液の調製方法は、特に限定されず、当業者に公知の方法から適宜選択すればよい。たとえば、第1のステップで担体粒子を懸濁液として準備した場合は、試料液にその懸濁液を適量加えて攪拌し、さらに必要に応じてpHを調整すればよい。また、第1のステップで担体粒子を固形物(例えば、上記懸濁液の凍結乾燥物や風乾乾燥物など)として準備した場合は、その固形物に試料液を適量加えて攪拌し、さらに必要に応じてpHを調整すればよい。
混合液に外部電場を与えると、担体粒子内で双極子が誘起され、この双極子の相互作用により担体粒子が泳動し(誘電泳動)、担体粒子が電界方向と並行に一列に並ぶ(パールチェーン化;図2A参照)。このとき、混合液に親和性物質が存在すれば、担体粒子は親和性物質を介して他の担体粒子に会合するため、複数の担体粒子が凝集する。その後、交流電圧の印加を停止すると、他の担体粒子に会合できなかった担体粒子はブラウン運動により分散する(図2B参照)。従来の検出方法では、この交流電圧の印加は1回行うのみであったが、本発明の検出方法では、交流電圧の印加を複数回繰り返して行う。
以下、図4〜7を参照して、本発明の検出方法における電圧印加の方法を説明する。
図4は、混合液に交流電圧を繰り返し印加した際の担体粒子の状態を示す模式図である。また、図5〜7は、パールチェーン化した担体粒子が分散する様子を示す模式図である。図4〜7において、白い担体粒子(修飾粒子)100は、親和性物質が結合していない粒子を示し、黒い担体粒子(修飾粒子)100は、親和性物質が結合している粒子を示す。
まず、1回目の電圧印加を開始すると、印加開始前は分散していた担体粒子100(図4A参照)は、誘電泳動力によりパールチェーン140を形成する(図4B参照)。その後、電圧印加を停止すると、試料液中に親和性物質130が存在しなければ、担体粒子100は分散する。一方、試料液中に親和性物質130が存在し、かつ担体粒子100間に親和性物質130が存在すれば、これらの担体粒子100は凝集塊150を形成する(図4C参照)。
図5は、試料液中に親和性物質が存在し、かつ担体粒子間に親和性物質が存在する場合の担体粒子の様子を示す模式図である。図5Aは、電圧を印加している状態の担体粒子の様子を示す模式図であり、図5Bは、電圧印加を停止した状態の担体粒子の様子を示す模式図である。これらの図に示されるように、担体粒子100間に親和性物質130が存在すれば、これらの担体粒子100は、サンドイッチ反応により凝集塊150を形成する。
図6は、試料液中に親和性物質が存在するが、担体粒子間に親和性物質が存在しない場合の担体粒子の様子を示す模式図である。図6Aは、電圧を印加している状態の担体粒子の様子を示す模式図を示し、図6Bは、電圧印加を停止した状態の担体粒子の様子を示す模式図を示す。これらの図に示されるように、担体粒子100に親和性物質130が結合していても、担体粒子100間に親和性物質130が存在していなければ、これらの担体粒子100は分散する。
図7は、担体粒子間に親和性物質が存在しても、担体粒子が凝集できない場合の担体粒子の様子を示す模式図である。図7Aは、電圧を印加している状態の担体粒子の様子を示す模式図を示し、図7Bは、電圧印加を停止した状態の担体粒子の様子を示す模式図を示す。これらの図に示されるように、担体粒子100間に親和性物質130が存在していても、親和性物質130に認識物質が結合する部位が足りなければ、これらの担体粒子100は分散する。たとえば、親和性物質にエピトープが1つしかない場合である。また、親和性物質130の分子量が小さい場合も、認識物質間の立体障害により結合が阻害されるため、担体粒子が凝集できない可能性が高い。
図6および図7に示されるように、担体粒子に親和性物質が結合していても、担体粒子が凝集しないことがある。したがって、従来の検出方法のように電圧印加を1回行うのみでは、凝集率は低い値となり、親和性物質を高感度に検出することはできない。そこで、本発明の検出方法では、担体粒子が凝集する確率を高めるために、交流電圧を複数回印加する。
図4の説明に戻る。1回目の電圧印加を停止した後(図4C参照)、2回目の電圧印加を開始すると、分散していた担体粒子100および凝集塊150は、再びパールチェーン140を形成する(図4D参照)。その後、電圧印加を停止すると、担体粒子100間に親和性物質130が存在すれば、これらの担体粒子100は新たに凝集塊150を形成する(図4E参照)。
さらに、3回目の電圧印加を開始すると、分散していた担体粒子100および凝集塊150は、再びパールチェーン140を形成する(図4F参照)。その後、電圧印加を停止すると、担体粒子100間に親和性物質130が存在すれば、これらの担体粒子100は新たに凝集塊150を形成する(図4G参照)。
このように、交流電圧の印加および停止を繰り返してパールチェーン化を複数回行うことで、親和性物質の濃度に応じた適切な値まで凝集率を高めることができる。
各回の電圧を印加する時間は、半数以上の担体粒子がパールチェーンを形成できる時間が好ましい。本発明者らの実験では、半数以上の担体粒子がパールチェーンを形成するのに早くとも15秒はかかり、また60秒超電圧を印加してもパールチェーン化した粒子の数は変化しなかった。このことから、交流電圧を印加する時間(第1の時間)は、それぞれ15〜60秒の範囲内が好ましい。
また、交流電圧の印加は、凝集していない担体粒子が十分に分散した状態で行うことが好ましい。異なる粒子と新たにパールチェーンを形成させるためである。本発明者らの実験では、ある程度の数の担体粒子が分散するのには早くとも15秒はかかり、また60秒でほぼすべての担体粒子が分散していた。このことから、交流電圧の印加を停止する時間(第2の時間)は、それぞれ15〜60秒の範囲内が好ましい。
凝集率は、理論的には親和性物質の濃度に依存するため、交流電圧を印加する回数は、それ以上回数を増やしても凝集率が増加しない回数であることが好ましい。具体的には、交流電圧を印加する回数は、2〜10回の範囲内が好ましく、2〜6回の範囲内が特に好ましい。より正確には、交流電圧を印加するステップおよび交流電圧の印加を停止するステップからなるセットは、2〜10回(好ましくは2〜6回)繰り返されることが好ましい。
混合液に交流電圧を印加する方法(装置)は、特に限定されず、従来のパルスイムノアッセイ法と同じ方法(装置)でよい。例えば、1)ガラスなどからなる基板と、前記基板上に対向するように配置された一対の電極と、前記一対の電極の間に設けられた流路とを有する検出チップを準備し;2)各電極を交流電源供給装置に接続し;3)試料液と担体粒子を含む混合液を流路内に提供した後に電極間に交流電圧を印加すればよい。
検出チップは、上記の例に限られず、従来のパルスイムノアッセイ法で用いられてきた検出チップから選択してもよい。また、検出チップの流路内には、第1のステップで準備した担体粒子を予め配置しておいてもよい。すなわち、混合液の調製は流路内で行われてもよい。たとえば、担体粒子を含む固形物(担体粒子懸濁液の凍結乾燥物や風乾乾燥物など)を予め流路内に配置しておくことで、試料液を注入口から流路内に提供するのみで混合液を調製することができる。
混合液に印加する交流電圧の波形は、正弦波、矩形波、方形波、三角波などであればよく、連続波でもパルス波でもよい。また、周波数は、特に限定されないが、10kHz〜10MHzの範囲内であることが好ましい。
混合液に印加する交流電圧の電界強度は、5〜100V(波高値)/mmの範囲内であることが好ましい。電界強度が5V/mmよりも小さいと、パールチェーン化が生じにくくなり、凝集反応を十分に促進することができない。一方、電界強度が100V/mmより大きいと、混合液の電気分解が生じやすくなり、検出感度が低下してしまう。
図8は、検出チップの一例を示す模式図であり、図8Aは斜視図、図8Bは断面図である。これらの図に示されるように、検出チップ200は、上基板210と、下基板220と、前記上基板210と下基板220との間に配置された1対の対向電極230と、前記電極230とそれぞれ接続している1対の端子240とを有する。上基板210は、下基板220に面する面に凹部を有する。図8Bに示されるように、この凹部は、担体粒子を含む混合液を提供される流路250として機能する。
上基板210および下基板220は絶縁性の板である。上基板210および下基板220は、流路250内の担体粒子を観察する観点から少なくとも一方は透明であることが好ましい。上基板210および下基板220の材料は、例えば透明性を有する有機絶縁材料や無機絶縁材料などである。
透明性を有する有機絶縁材料の例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、シリコン樹脂、ポリフェニレンオキサイドおよびポリスルホンが含まれる。
透明性を有する無機絶縁材料の例には、アルミナ、サファイア、フォルステライト、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ガラスが含まれる。ガラスの例には、アルカリガラス、アルカリソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスが含まれる。
上基板210および下基板220の面積および厚さは、目的に応じて任意に設定することができる。また、流路250の幅および深さも、目的や提供される混合液の量に応じて任意に設定することができる。
流路250の内部表面は、親水性であってもよいし、疎水性であってもよい。また、流路250の内部表面の一部が親水性で、他の部分が疎水性であってもよい。さらに、流路250の内部表面は、担体粒子の吸着を抑制する表面処理が施されていてもよい。
上基板210または下基板220は、流路250内に液体を提供するための注入口260、および流路250内の液体を排出するための排出口270を設けられていてもよい。注入口260および排出口270は、流路250と繋がっていれば、その位置や大きさは特に限定されない。
対向電極230は、下基板220上に形成された電極である。対向電極230の形状は、流路250に平行であれば特に限定されない。対向電極230の材料は、導電性を有するものであれば特に限定されない。対向電極230の材料の例には、金、銀、銅などの無機物質が含まれる。下基板220上に対向電極230を形成する方法は特に限定されず、当業者に公知の方法から適宜選択すればよい。対向電極を形成する方法の例には、スパッタ法、印刷法、ディップコート法が含まれる。
図8に示される検出チップ200は、例えば、1)上基板210および下基板220を準備し、2)上基板210に流路250の形状の凹部を形成し、3)下基板220上に電極230を形成し、4)上基板210と下基板220とを貼り合わせることで、作製することができる。
上基板210に凹部を形成する方法は、切削技術やレーザー除去技術、インプリント技術、フォトリソグラフィーなどの当業者に公知の技術から選択することができる。必要に応じて、注入口260および排出口270を形成してもよい。
下基板220上に電極230を形成する方法は、スパッタや蒸着などの薄膜堆積技術、印刷技術などの当業者に公知の技術から選択することができる。電極薄膜が薄いほど上基板210と下基板220との間の隙間を無くすことが可能であるが、スパッタはこのような薄い電極薄膜を容易に形成することができるので好ましい。
上基板210と下基板220とを貼り合わせる方法は、当業者に公知の技術から選択することができる。
[第3のステップ]
任意に含まれる第3のステップでは、交流電圧の印加を停止した後に、担体粒子の凝集状態を観察する。
前述の通り、交流電圧の印加を停止すると、凝集していない担体粒子はブラウン運動により混合液中に分散するが、特異的結合により凝集した担体粒子は凝集した状態が維持される。したがって、担体粒子の凝集率を求めることにより、被検出物質の有無を検出したり濃度を測定したりすることができる。
凝集率の算出方法は、特に限定されず観察方法(装置)に応じて適宜選択すればよい。例えば、光学顕微鏡に接続したカメラ(CCDカメラなど)で混合液中の担体粒子の凝集状態を撮像し、得られた画像から凝集率を算出すればよい。担体粒子の凝集率は、例えば以下の式により算出することができる。

凝集率(%)=(他の粒子と会合している粒子の数)/(すべての粒子の数)×100
図9は、検出システムの構成の一例を示すブロック図である。図9に示されるように、検出システム300は、光学顕微鏡310、CCDカメラ320、画像処理ボード330、パーソナルコンピューター340および交流電源供給装置350を有する。
交流電源供給装置350は、検出チップ200の対向電極230間に交流電圧を繰り返し印加して、流路250内の担体粒子をパールチェーン化させる。交流電圧の印加を停止した後、CCDカメラ320は、光学顕微鏡310を介して検出チップ200の流路250内の担体粒子を撮像する。得られた画像は画像処理ボード330に入力される。パーソナルコンピューター340および画像処理ボード330は、他の粒子と会合している粒子の数から凝集率を算出する。
以上のように、本発明の検出方法は、交流電圧の印加および停止を繰り返してパールチェーン化を複数回行うことで、親和性物質の濃度に応じた適切な値まで凝集率を高めることができる。したがって、本発明の検出方法は、親和性物質を高感度かつ高精度に検出することができる。
以下、本発明を実施例を参照してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
本実施例では、本発明の検出方法により、抗原抗体反応を利用して甲状腺刺激ホルモン(以下「TSH」と略記する)を検出した例を示す。
1.担体粒子および試料液の準備
平均直径2μmのラテックスビーズ(Bangs Laboratories社)を担体粒子として用意し、それぞれ異なるエピトープに結合する2種類の抗TSHモノクローナル抗体(以下「抗TSH抗体」と略記する)をその表面に固定化した。具体的には、1)2種類の抗TSH抗体を含む溶液にラテックスビーズを加え、2)2時間攪拌し、3)遠心分離して上清を除去し、4)牛血清アルブミン(以下「BSA」と略記する)を添加して、抗TSH抗体を固定化された担体粒子を調製した。
TSHを緩衝溶液(150mM塩化ナトリウム、20mMグリシン、0.1% BSA、pH8.6)に溶解させて、試料液(360pM TSH溶液)を調製した。
2.検出チップの作製
本実施例では、図8に示されるパルスイムノアッセイ用の検出チップを使用した。
まず、上基板を作製した。上基板の材料には、厚さ0.1mmのホウケイ酸ガラス板(D−263;SCHOTT社)を用いた。フォトリソグラフィーおよびウェットエッチングを行い、ガラス板に流路となる凹部を形成した。流路の幅は0.75mm、長さは10mm、深さは10μmである。
次に、下基板を作製した。下基板の材料には、厚さ1.1mmのホウケイ酸ガラス板(D−263;SCHOTT社)を用いた。電極パターンを有するステンシルマスク(ステンレス製)を通してガラス板上にクロムをスパッタした後、さらに金をスパッタして、電極および端子を形成した。クロム薄膜の膜厚は5nm、金薄膜の膜厚は95nmである。クロム薄膜は、ガラス板表面と金薄膜との密着性を向上させる。長辺が対向するように配置された1対の矩形電極のそれぞれの幅は1mm、長さは5mm、矩形電極間の間隔は0.5mmである。
作製した上基板と下基板とをUV硬化性接着剤を用いて貼りあわせて、検出チップを作製した。
3.測定
電極対に印加する電圧ならびにその周波数および波形を制御するべく、電圧印加部として交流電源供給装置(33120A;Hewlett-Packard社)を測定チップの端子に接続した。
抗TSH抗体を固定化された担体粒子を試料液(360pM TSH溶液)に加えて混合し、90秒間室温で反応させた。混合液の量は9μL、混合液中の粒子の濃度は0.4重量%、混合液中のTSHの濃度は36pMである。
反応後の混合液1μLを検出チップの流路内に提供した。検出チップの電極対に交流電圧(20V、100kHz)を15秒間印加して、担体粒子をパールチェーン化させた。電圧の印加を停止してから60秒後に、倒立顕微鏡(オリンパス株式会社)を用いて流路内を透過光観察して、粒子の凝集率を求めた。透過光観察の際、各粒子が顕微鏡の焦点からずれることはなく、常に輪郭をはっきりと確認することができた。
粒子の凝集率は、以下の式により求めた。顕微鏡を用いて撮像した3枚の画像のそれぞれについて凝集率を算出し、その平均値を算出した。

凝集率(%)=(他の粒子と会合した粒子の面積)/(すべての粒子の面積)×100
上記電圧印加、電圧印加の停止および凝集率の算出を1セットとし、7セット繰り返した。
また、比較例として、検出チップの電極対に交流電圧(20V、100kHz)を60秒間印加し、電圧の印加を停止してから60秒後に流路内を透過光観察して粒子の凝集率を求めた(1セットのみ)。
4.結果
図10は、電圧の印加回数(セット数)と凝集率との関係を示すグラフである。横軸は電圧の印加回数(セット数)を示し、縦軸は凝集率を示している。黒丸は、36pM TSH溶液を試料液とした場合の結果を示し、白丸は、緩衝溶液(0M TSH溶液)を試料液とした場合の結果を示す。図10に示されるように、36pM TSH溶液を試料液とした場合、電圧の印加を繰り返すことにより、凝集率が上昇した。一方、緩衝溶液(0M TSH溶液)を試料液とした場合は、電圧の印加を繰り返しても、凝集率はほとんど変化しなかった。このことから、電圧の印加を繰り返すことで、SN比が向上することがわかる。また、電圧を6回印加した場合と7回印加した場合とで、凝集率に大きな差は見られなかった。このことから、電圧の印加を7回以上繰り返しても凝集率はほとんど向上せず、電圧を印加する回数は、6回で十分であることがわかる。
表1は、本発明の検出方法(電圧印加:15秒、4回)により求めた凝集率(実施例)と、従来の検出方法(電圧印加:60秒、1回)により求めた凝集率(比較例)を示す。
Figure 2009128209
表1に示されるように、15秒間の電圧印加を4回繰り返したときの凝集率(61.1%)は、60秒間の電圧印加を1回繰り返したときの凝集率(48.2%)よりも高い値となった。このことから、電圧の印加を繰り返すことで、粒子間の衝突確率が向上し、粒子間に抗原が存在する確率が高まったことが示唆される。
特許文献1に開示されているように、電圧の印加時間を長くすれば、パールチェーン化した粒子の数が増加し、凝集率が上昇することが知られている。しかしながら、上記の実験において、電圧の合計印加時間は、実施例(15秒、4回)と比較例(60秒、1回)とで同じ(60秒)である。このことから、本発明の検出方法によるSN比の向上は、パールチェーン化した粒子の数の増加による寄与よりも、粒子間の衝突確率の向上による寄与のほうが大きいことが示唆される。
以上のように、本発明の検出方法は、従来の検出方法よりもSN比が優れている。また、本発明の検出方法は、TSHのような2価抗原であっても、pMレベルの被検出物質を検出することができる。
本出願は、2008年4月14日出願の特願2008−104445に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明の検出方法および検出システムは、分子量の小さい2価抗原であってもサンドイッチ法により検出することができるため、被検出物質をより高感度に検出することができる。したがって、本発明の検出方法および検出システムは、例えば、血液や血漿を検体としてパルスイムノアッセイ法による検査を行う方法およびそれに用いる検出システムとして有用である。
本発明は、被検出物質(親和性物質)をパルスイムノアッセイ法で検出する方法およびそれに用いられる検出システムに関する。
従来、試料に含まれる被検出物質を検出するために、被検出物質に特異的に結合しうる抗体を利用する方法が数多く開発されている。そのひとつに、抗原抗体反応によって生じた免疫凝集物を光学的に検出する方法がある。
この方法では、被検出物質を含む液体試料に被検出物質に特異的に結合しうる抗体を一定量加えて免疫凝集物を形成させる。凝集物を形成させた後、液体試料に光を照射すると、光は凝集物に当たって散乱する。透過光の量は凝集物の量に応じて変化し、凝集物の量は被検出物質の濃度に応じて変化する。したがって、透過光を測定することで、液体試料中の被検出物質の濃度を求めることができる。一般的に透過光を測定する免疫比濁法と散乱光を検出する免疫比朧法とは区別されているが、凝集物による光の散乱を観察するという点ではいずれも同じ検出原理である。したがって、透過光だけでなく散乱光または反射光を測定しても、液体試料中の被検出物質の濃度を求めることができる。
この原理を用いて感度をさらに向上させた方法が、ラテックス凝集法である。前述の方法において抗体をラテックス粒子の表面に固定化させておくと、被検出物質と抗体とが結合することでラテックス粒子の凝集物が形成される(サンドイッチ反応)。ラテックス粒子の凝集物は抗原および抗体からなる凝集物よりもはるかに光の散乱が大きいため、ラテックス凝集法では被検出物質をより高感度に検出することができる。
ラテックス凝集法をさらに高感度化させた方法として、パルスイムノアッセイ法が知られている(例えば、特許文献1参照)。以下、図1および図2を用いてパルスイムノアッセイ法について説明する。図1Aは、測定チップの断面図であり、図1Bは、測定装置の構成を示すブロック図である。図2は、測定チップの流路部分の拡大図である。
図1Aに示されるように、測定チップは、2枚のスライドグラス10,12と、その間に配置された1対の電極14,16とから構成されている。電極14,16の厚さは0.02mmであり、電極間の間隔は0.5mmである。2枚のスライドグラス10,12および1対の電極14,16に囲まれた流路18内には、抗体を固定化されたラテックス粒子20と試料液とを含む混合液が供給される。
流路18内に混合液を提供した後、電極14,16に交流電源供給装置30を用いて交流電圧を印加してラテックス粒子20に誘電分極を生じさせることで、図2Aに示されるように、複数のラテックス粒子20を直鎖状に並べることができる(パールチェーン化)。その後、交流電圧の印加を停止すると、図2Bに示されるように、直鎖状に並んでいたラテックス粒子20はブラウン運動により分散する。液体試料中に被検出物質が存在すると、交流電圧の印加を停止した後もラテックス粒子20の凝集物が観察される。図1Bに示されるように、顕微鏡22、CCDカメラ24、画像処理ボード26およびパーソナルコンピューター28から構成される画像処理装置を用いてラテックス粒子20の凝集状態を観察して、被検出物質を検出する。パルスイムノアッセイ法は、複数の担体粒子を積極的に接触させることで凝集反応を促進させることができるため、ブラウン運動に依存したラテックス凝集法に比べてより迅速かつ高感度に被検出物質を検出することができる。
特開平7−83928号公報
しかしながら、上記従来の方法には、被検出物質が粒子間の接触部位に存在する確率がそれほど高くないため、本来は凝集するはずの粒子も凝集しないという問題があった。すなわち、上記従来の方法には、反応効率が低いという問題があった。
また、上記従来の方法には、被検出物質の分子量が小さい場合または被検出物質に抗体が結合しうる部位(エピトープ)が2箇所程度しかない場合、抗体で被検出物質を挟むときに抗体同士が衝突し(立体障害が生じ)、効率よくサンドイッチ反応が生じないという問題もあった。
本発明の目的は、試料液に含まれる被検出物質(親和性物質)をパルスイムノアッセイ法で検出または測定する方法であって、認識物質(例えば抗体)と被検出物質とが効率的に反応して、粒子が効率的に凝集することができる検出方法または測定方法、およびそれに用いられる検出システムまたは測定システムを提供することである。
本発明者は、交流電圧を連続して印加する代わりに、交流電圧の印加および停止を交互に繰り返すことで上記課題を解決しうることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一は、以下の親和性物質(被検出物質)の検出方法(測定方法)に関する。
[1]試料液に含まれる親和性物質をパルスイムノアッセイ法で検出する方法であって、生物学的特異的凝集反応により親和性物質に特異的に結合する認識物質がその表面に固定化されている担体粒子と、試料液とを含む混合液に交流電圧を印加して、前記担体粒子をパールチェーン化させるステップを有し、前記混合液は、第1の時間交流電圧を印加するステップおよび第2の時間交流電圧の印加を停止するステップからなるセットを複数回繰り返して、交流電圧を印加される、親和性物質の検出方法。
[2]前記第1の時間および前記第2の時間は、それぞれ15〜60秒である、[1]に記載の検出方法。
[3]前記セットは、2〜6回繰り返される、[1]または[2]に記載の検出方法。
[4]前記担体粒子は、前記親和性物質の第1の部分に特異的に結合する第1の認識物質がその表面に固定化されている第1の担体粒子と、前記親和性物質の第2の部分に特異的に結合する第2の認識物質がその表面に固定化されている第2の担体粒子とを含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の検出方法。
[5]前記担体粒子は、前記親和性物質の第1の部分に特異的に結合する第1の認識物質、および前記親和性物質の第2の部分に特異的に結合する第2の認識物質がその表面に固定化されている、[1]〜[3]のいずれかに記載の検出方法。
[6]前記担体粒子は、その表面に一種類の前記認識物質が固定化されており、前記親和性物質は、前記一種類の認識物質が特異的に結合する部分を2以上有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の検出方法。
[7]前記生物学的特異的凝集反応は、抗原抗体反応である、[1]〜[6]のいずれかに記載の検出方法。
[8]前記生物学的特異的凝集反応は、核酸の二本鎖形成反応である、[1]〜[7]のいずれかに記載の検出方法。
本発明の第二は、以下の親和性物質(被検出物質)の検出システム(測定システム)に関する。
[9]試料液に含まれる親和性物質をパルスイムノアッセイ法で検出するシステムであって、流路および前記流路に電場を形成するための電極対を有する検出チップと、前記電極対に交流電圧を印加する電圧印加手段と、前記流路の情報を取得する検出手段とを有し、前記電圧印加手段は、第1の時間交流電圧を印加するステップおよび第2の時間交流電圧の印加を停止するステップからなるセットを複数回繰り返して、前記電極対に交流電圧を印加する、親和性物質の検出システム。
本発明によれば、粒子をより効率的に凝集させることができるため、SN比の高い検出および測定を実現することができる。また、本発明によれば、認識分子が結合する部位(例えばエピトープ)が少ない親和性物質についても、高感度に検出または測定することができる。
本明細書において「検出」とは、特定の物質の有無を調べる意味だけでなく、特定の物質の濃度や量を測定する意味も含む。
本発明の検出方法は、試料液に含まれる親和性物質(被検出物質)をパルスイムノアッセイ法で検出する方法であって、担体粒子および試料液を含む混合液に交流電圧を印加して、前記担体粒子をパールチェーン化させるステップを有する。以下の説明では、このステップを、1)親和性物質に特異的に結合する認識物質をその表面に固定化されている担体粒子を準備する第1のステップと、2)試料液と第1のステップで準備した担体粒子とを含む混合液に交流電圧を印加して、担体粒子をパールチェーン化させる第2のステップとに分けて説明する。また、本発明の検出方法は、上記第2のステップの後に、任意に、3)前記交流電圧の印加を停止した後に担体粒子の凝集状態を観察する第3のステップを含んでいてもよい。
本発明の検出方法は、第2のステップにおいて混合液に交流電圧を印加する際に、交流電圧の印加および停止を交互に繰り返して、交流電圧を複数回印加することを主たる特徴とする。すなわち、本発明の検出方法は、複数回パールチェーン化させることを主たる特徴とする。
[第1のステップ]
第1のステップでは、親和性物質に特異的に結合する認識物質をその表面に固定化されている担体粒子を準備する。
認識物質を固定化される担体粒子の種類は、特に限定されない。担体粒子の例には、ラテックス粒子、セラミックス粒子、シリカ粒子、磁性粒子、金属粒子、金属コート粒子、ベントナイト、カオリン、金コロイド、赤血球細胞、白血球細胞、血小板、ゼラチン、リポソーム、花粉、微生物、およびアミノ基やスルフヒドリル基、カルボキシル基など反応性の高い官能基が修飾された粒子などが含まれる。この中ではラテックス粒子が好ましい。ラテックス粒子の例には、ポリスチレン系ラテックス粒子、ポリビニルトルエン系ラテックス粒子、ポリメタクリレート系ラテックス粒子、金属コートラテックス粒子などが含まれる。
担体粒子の直径(平均粒径)は、光学顕微鏡で識別可能な0.5μm以上、かつブラウン運動による分散が容易に生じうる100μm以下であることが好ましい。担体粒子の直径(平均粒径)は、例えば、光学顕微鏡を用いて観察したり、コールターカウンターを用いて電気抵抗を測定したり、光散乱法で散乱光変化量を測定したりすることで測定することができる。
担体粒子に固定化される認識物質は、生物学的特異的凝集反応により親和性物質に特異的に結合しうる物質であれば特に限定されず、天然の物質であってもよいし、人工の物質であってもよい。認識物質の例には、抗体や核酸、酵素、補酵素、レクチン、糖タンパク質、ヘム、ポルフィリンなどが含まれる。たとえば、抗体を認識物質とした場合は、認識物質(抗体)は抗原抗体反応により親和性物質(抗原)に特異的に結合する。また、核酸を認識物質とした場合は、認識物質(核酸)は二本鎖形成反応により親和性物質(他の核酸)に特異的に結合する。認識物質を担体粒子に固定化する方法は特に限定されず、当業者に公知の方法から適宜選択すればよい。たとえば、抗体を担体粒子に固定化する場合、疎水性相互作用を利用した物理吸着や、アミノ基やスルフヒドリル基などを利用した化学修飾などを用いることができる。
図3は、認識物質が固定化された担体粒子の一例を示す模式図である。図3Aに示されるように、認識物質が固定化された担体粒子(修飾粒子)100は、担体粒子110と、担体粒子110の表面に固定化された第1の抗体120a(第1の認識物質)および第2の抗体120b(第2の認識物質)を含む。第1の抗体120aおよび第2の抗体120bは、同一の親和性物質130に結合する抗体であるが、それぞれ異なるエピトープを認識する。すなわち、第1の抗体120aは、親和性物質130の第1のエピトープに結合し、第2の抗体120bは、親和性物質130の第2のエピトープに結合する。したがって、修飾粒子100を含む溶液中に親和性物質130が存在する場合、図3Bに示されるように、修飾粒子100は抗原抗体反応(サンドイッチ反応)により他の粒子100と会合して凝集塊を形成する。
図3の例に示されるように、1つの担体粒子には、親和性物質の第1の部分に特異的に結合する第1の認識物質と、同一の親和性物質の第2の部分に特異的に結合する第2の認識物質がその表面に固定化されていてもよい。
また、それぞれ異なる認識物質が固定化されている複数種類の担体粒子を準備してもよい。たとえば、親和性物質の第1の部分に特異的に結合する第1の認識物質をその表面に固定化されている第1の担体粒子と、同一の親和性物質の第2の部分に特異的に結合する第2の認識物質をその表面に固定化されている第2の担体粒子とを準備してもよい。
たとえば、血液中の脳性ナトリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide;以下「BNP」と略記する。)を検出する場合は、マウス抗BNPモノクローナル抗体50E1(ヒトBNP前駆体の77〜108アミノ酸残基からなるポリペプチドを抗原として作製された抗体)を第1の認識物質とし、マウス抗BNPモノクローナル抗体24C5または26E2(いずれもヒトBNPの11〜22アミノ酸残基からなるポリペプチドを抗原として作製された抗体)を第2の認識物質とすればよい。また、腫瘍マーカーの1つであるα−フェトプロテイン(α-fetoprotein;以下「AFP」と略記する)を検出する場合は、ヤギ抗AFPポリクローナル抗体C−19(ヒトAFPのC末端を認識する抗体)を第1の認識物質とし、ウサギ抗AFPポリクローナル抗体H−140(ヒトAFPの171〜310アミノ酸残基を認識する抗体)を第2の認識物質とすればよい。
1つの親和性物質に結合部位(例えばエピトープ)が複数箇所ある場合は、担体粒子に固定化される認識物質の種類は一種類であってもよい。
認識物質が固定化された担体粒子は、使用する際に各自で調製してもよいし、市販品を購入してもよい。
[第2のステップ]
第2のステップでは、試料液と第1のステップで準備した担体粒子を含む混合液に交流電圧を印加して、担体粒子をパールチェーン化させる。
試料液は、特に限定されず、検出対象や検出目的などに応じて適宜選択すればよい。試料の例には、血液、血漿、血清、それらの希釈物などが含まれる。
混合液の調製方法は、特に限定されず、当業者に公知の方法から適宜選択すればよい。たとえば、第1のステップで担体粒子を懸濁液として準備した場合は、試料液にその懸濁液を適量加えて攪拌し、さらに必要に応じてpHを調整すればよい。また、第1のステップで担体粒子を固形物(例えば、上記懸濁液の凍結乾燥物や風乾乾燥物など)として準備した場合は、その固形物に試料液を適量加えて攪拌し、さらに必要に応じてpHを調整すればよい。
混合液に外部電場を与えると、担体粒子内で双極子が誘起され、この双極子の相互作用により担体粒子が泳動し(誘電泳動)、担体粒子が電界方向と並行に一列に並ぶ(パールチェーン化;図2A参照)。このとき、混合液に親和性物質が存在すれば、担体粒子は親和性物質を介して他の担体粒子に会合するため、複数の担体粒子が凝集する。その後、交流電圧の印加を停止すると、他の担体粒子に会合できなかった担体粒子はブラウン運動により分散する(図2B参照)。従来の検出方法では、この交流電圧の印加は1回行うのみであったが、本発明の検出方法では、交流電圧の印加を複数回繰り返して行う。
以下、図4〜7を参照して、本発明の検出方法における電圧印加の方法を説明する。
図4は、混合液に交流電圧を繰り返し印加した際の担体粒子の状態を示す模式図である。また、図5〜7は、パールチェーン化した担体粒子が分散する様子を示す模式図である。図4〜7において、白い担体粒子(修飾粒子)100は、親和性物質が結合していない粒子を示し、黒い担体粒子(修飾粒子)100は、親和性物質が結合している粒子を示す。
まず、1回目の電圧印加を開始すると、印加開始前は分散していた担体粒子100(図4A参照)は、誘電泳動力によりパールチェーン140を形成する(図4B参照)。その後、電圧印加を停止すると、試料液中に親和性物質130が存在しなければ、担体粒子100は分散する。一方、試料液中に親和性物質130が存在し、かつ担体粒子100間に親和性物質130が存在すれば、これらの担体粒子100は凝集塊150を形成する(図4C参照)。
図5は、試料液中に親和性物質が存在し、かつ担体粒子間に親和性物質が存在する場合の担体粒子の様子を示す模式図である。図5Aは、電圧を印加している状態の担体粒子の様子を示す模式図であり、図5Bは、電圧印加を停止した状態の担体粒子の様子を示す模式図である。これらの図に示されるように、担体粒子100間に親和性物質130が存在すれば、これらの担体粒子100は、サンドイッチ反応により凝集塊150を形成する。
図6は、試料液中に親和性物質が存在するが、担体粒子間に親和性物質が存在しない場合の担体粒子の様子を示す模式図である。図6Aは、電圧を印加している状態の担体粒子の様子を示す模式図を示し、図6Bは、電圧印加を停止した状態の担体粒子の様子を示す模式図を示す。これらの図に示されるように、担体粒子100に親和性物質130が結合していても、担体粒子100間に親和性物質130が存在していなければ、これらの担体粒子100は分散する。
図7は、担体粒子間に親和性物質が存在しても、担体粒子が凝集できない場合の担体粒子の様子を示す模式図である。図7Aは、電圧を印加している状態の担体粒子の様子を示す模式図を示し、図7Bは、電圧印加を停止した状態の担体粒子の様子を示す模式図を示す。これらの図に示されるように、担体粒子100間に親和性物質130が存在していても、親和性物質130に認識物質が結合する部位が足りなければ、これらの担体粒子100は分散する。たとえば、親和性物質にエピトープが1つしかない場合である。また、親和性物質130の分子量が小さい場合も、認識物質間の立体障害により結合が阻害されるため、担体粒子が凝集できない可能性が高い。
図6および図7に示されるように、担体粒子に親和性物質が結合していても、担体粒子が凝集しないことがある。したがって、従来の検出方法のように電圧印加を1回行うのみでは、凝集率は低い値となり、親和性物質を高感度に検出することはできない。そこで、本発明の検出方法では、担体粒子が凝集する確率を高めるために、交流電圧を複数回印加する。
図4の説明に戻る。1回目の電圧印加を停止した後(図4C参照)、2回目の電圧印加を開始すると、分散していた担体粒子100および凝集塊150は、再びパールチェーン140を形成する(図4D参照)。その後、電圧印加を停止すると、担体粒子100間に親和性物質130が存在すれば、これらの担体粒子100は新たに凝集塊150を形成する(図4E参照)。
さらに、3回目の電圧印加を開始すると、分散していた担体粒子100および凝集塊150は、再びパールチェーン140を形成する(図4F参照)。その後、電圧印加を停止すると、担体粒子100間に親和性物質130が存在すれば、これらの担体粒子100は新たに凝集塊150を形成する(図4G参照)。
このように、交流電圧の印加および停止を繰り返してパールチェーン化を複数回行うことで、親和性物質の濃度に応じた適切な値まで凝集率を高めることができる。
各回の電圧を印加する時間は、半数以上の担体粒子がパールチェーンを形成できる時間が好ましい。本発明者らの実験では、半数以上の担体粒子がパールチェーンを形成するのに早くとも15秒はかかり、また60秒超電圧を印加してもパールチェーン化した粒子の数は変化しなかった。このことから、交流電圧を印加する時間(第1の時間)は、それぞれ15〜60秒の範囲内が好ましい。
また、交流電圧の印加は、凝集していない担体粒子が十分に分散した状態で行うことが好ましい。異なる粒子と新たにパールチェーンを形成させるためである。本発明者らの実験では、ある程度の数の担体粒子が分散するのには早くとも15秒はかかり、また60秒でほぼすべての担体粒子が分散していた。このことから、交流電圧の印加を停止する時間(第2の時間)は、それぞれ15〜60秒の範囲内が好ましい。
凝集率は、理論的には親和性物質の濃度に依存するため、交流電圧を印加する回数は、それ以上回数を増やしても凝集率が増加しない回数であることが好ましい。具体的には、交流電圧を印加する回数は、2〜10回の範囲内が好ましく、2〜6回の範囲内が特に好ましい。より正確には、交流電圧を印加するステップおよび交流電圧の印加を停止するステップからなるセットは、2〜10回(好ましくは2〜6回)繰り返されることが好ましい。
混合液に交流電圧を印加する方法(装置)は、特に限定されず、従来のパルスイムノアッセイ法と同じ方法(装置)でよい。例えば、1)ガラスなどからなる基板と、前記基板上に対向するように配置された一対の電極と、前記一対の電極の間に設けられた流路とを有する検出チップを準備し;2)各電極を交流電源供給装置に接続し;3)試料液と担体粒子を含む混合液を流路内に提供した後に電極間に交流電圧を印加すればよい。
検出チップは、上記の例に限られず、従来のパルスイムノアッセイ法で用いられてきた検出チップから選択してもよい。また、検出チップの流路内には、第1のステップで準備した担体粒子を予め配置しておいてもよい。すなわち、混合液の調製は流路内で行われてもよい。たとえば、担体粒子を含む固形物(担体粒子懸濁液の凍結乾燥物や風乾乾燥物など)を予め流路内に配置しておくことで、試料液を注入口から流路内に提供するのみで混合液を調製することができる。
混合液に印加する交流電圧の波形は、正弦波、矩形波、方形波、三角波などであればよく、連続波でもパルス波でもよい。また、周波数は、特に限定されないが、10kHz〜10MHzの範囲内であることが好ましい。
混合液に印加する交流電圧の電界強度は、5〜100V(波高値)/mmの範囲内であることが好ましい。電界強度が5V/mmよりも小さいと、パールチェーン化が生じにくくなり、凝集反応を十分に促進することができない。一方、電界強度が100V/mmより大きいと、混合液の電気分解が生じやすくなり、検出感度が低下してしまう。
図8は、検出チップの一例を示す模式図であり、図8Aは斜視図、図8Bは断面図である。これらの図に示されるように、検出チップ200は、上基板210と、下基板220と、前記上基板210と下基板220との間に配置された1対の対向電極230と、前記電極230とそれぞれ接続している1対の端子240とを有する。上基板210は、下基板220に面する面に凹部を有する。図8Bに示されるように、この凹部は、担体粒子を含む混合液を提供される流路250として機能する。
上基板210および下基板220は絶縁性の板である。上基板210および下基板220は、流路250内の担体粒子を観察する観点から少なくとも一方は透明であることが好ましい。上基板210および下基板220の材料は、例えば透明性を有する有機絶縁材料や無機絶縁材料などである。
透明性を有する有機絶縁材料の例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、シリコン樹脂、ポリフェニレンオキサイドおよびポリスルホンが含まれる。
透明性を有する無機絶縁材料の例には、アルミナ、サファイア、フォルステライト、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ガラスが含まれる。ガラスの例には、アルカリガラス、アルカリソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスが含まれる。
上基板210および下基板220の面積および厚さは、目的に応じて任意に設定することができる。また、流路250の幅および深さも、目的や提供される混合液の量に応じて任意に設定することができる。
流路250の内部表面は、親水性であってもよいし、疎水性であってもよい。また、流路250の内部表面の一部が親水性で、他の部分が疎水性であってもよい。さらに、流路250の内部表面は、担体粒子の吸着を抑制する表面処理が施されていてもよい。
上基板210または下基板220は、流路250内に液体を提供するための注入口260、および流路250内の液体を排出するための排出口270を設けられていてもよい。注入口260および排出口270は、流路250と繋がっていれば、その位置や大きさは特に限定されない。
対向電極230は、下基板220上に形成された電極である。対向電極230の形状は、流路250に平行であれば特に限定されない。対向電極230の材料は、導電性を有するものであれば特に限定されない。対向電極230の材料の例には、金、銀、銅などの無機物質が含まれる。下基板220上に対向電極230を形成する方法は特に限定されず、当業者に公知の方法から適宜選択すればよい。対向電極を形成する方法の例には、スパッタ法、印刷法、ディップコート法が含まれる。
図8に示される検出チップ200は、例えば、1)上基板210および下基板220を準備し、2)上基板210に流路250の形状の凹部を形成し、3)下基板220上に電極230を形成し、4)上基板210と下基板220とを貼り合わせることで、作製することができる。
上基板210に凹部を形成する方法は、切削技術やレーザー除去技術、インプリント技術、フォトリソグラフィーなどの当業者に公知の技術から選択することができる。必要に応じて、注入口260および排出口270を形成してもよい。
下基板220上に電極230を形成する方法は、スパッタや蒸着などの薄膜堆積技術、印刷技術などの当業者に公知の技術から選択することができる。電極薄膜が薄いほど上基板210と下基板220との間の隙間を無くすことが可能であるが、スパッタはこのような薄い電極薄膜を容易に形成することができるので好ましい。
上基板210と下基板220とを貼り合わせる方法は、当業者に公知の技術から選択することができる。
[第3のステップ]
任意に含まれる第3のステップでは、交流電圧の印加を停止した後に、担体粒子の凝集状態を観察する。
前述の通り、交流電圧の印加を停止すると、凝集していない担体粒子はブラウン運動により混合液中に分散するが、特異的結合により凝集した担体粒子は凝集した状態が維持される。したがって、担体粒子の凝集率を求めることにより、被検出物質の有無を検出したり濃度を測定したりすることができる。
凝集率の算出方法は、特に限定されず観察方法(装置)に応じて適宜選択すればよい。例えば、光学顕微鏡に接続したカメラ(CCDカメラなど)で混合液中の担体粒子の凝集状態を撮像し、得られた画像から凝集率を算出すればよい。担体粒子の凝集率は、例えば以下の式により算出することができる。

凝集率(%)=(他の粒子と会合している粒子の数)/(すべての粒子の数)×100
図9は、検出システムの構成の一例を示すブロック図である。図9に示されるように、検出システム300は、光学顕微鏡310、CCDカメラ320、画像処理ボード330、パーソナルコンピューター340および交流電源供給装置350を有する。
交流電源供給装置350は、検出チップ200の対向電極230間に交流電圧を繰り返し印加して、流路250内の担体粒子をパールチェーン化させる。交流電圧の印加を停止した後、CCDカメラ320は、光学顕微鏡310を介して検出チップ200の流路250内の担体粒子を撮像する。得られた画像は画像処理ボード330に入力される。パーソナルコンピューター340および画像処理ボード330は、他の粒子と会合している粒子の数から凝集率を算出する。
以上のように、本発明の検出方法は、交流電圧の印加および停止を繰り返してパールチェーン化を複数回行うことで、親和性物質の濃度に応じた適切な値まで凝集率を高めることができる。したがって、本発明の検出方法は、親和性物質を高感度かつ高精度に検出することができる。
以下、本発明を実施例を参照してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
本実施例では、本発明の検出方法により、抗原抗体反応を利用して甲状腺刺激ホルモン(以下「TSH」と略記する)を検出した例を示す。
1.担体粒子および試料液の準備
平均直径2μmのラテックスビーズ(Bangs Laboratories社)を担体粒子として用意し、それぞれ異なるエピトープに結合する2種類の抗TSHモノクローナル抗体(以下「抗TSH抗体」と略記する)をその表面に固定化した。具体的には、1)2種類の抗TSH抗体を含む溶液にラテックスビーズを加え、2)2時間攪拌し、3)遠心分離して上清を除去し、4)牛血清アルブミン(以下「BSA」と略記する)を添加して、抗TSH抗体を固定化された担体粒子を調製した。
TSHを緩衝溶液(150mM塩化ナトリウム、20mMグリシン、0.1% BSA、pH8.6)に溶解させて、試料液(360pM TSH溶液)を調製した。
2.検出チップの作製
本実施例では、図8に示されるパルスイムノアッセイ用の検出チップを使用した。
まず、上基板を作製した。上基板の材料には、厚さ0.1mmのホウケイ酸ガラス板(D−263;SCHOTT社)を用いた。フォトリソグラフィーおよびウェットエッチングを行い、ガラス板に流路となる凹部を形成した。流路の幅は0.75mm、長さは10mm、深さは10μmである。
次に、下基板を作製した。下基板の材料には、厚さ1.1mmのホウケイ酸ガラス板(D−263;SCHOTT社)を用いた。電極パターンを有するステンシルマスク(ステンレス製)を通してガラス板上にクロムをスパッタした後、さらに金をスパッタして、電極および端子を形成した。クロム薄膜の膜厚は5nm、金薄膜の膜厚は95nmである。クロム薄膜は、ガラス板表面と金薄膜との密着性を向上させる。長辺が対向するように配置された1対の矩形電極のそれぞれの幅は1mm、長さは5mm、矩形電極間の間隔は0.5mmである。
作製した上基板と下基板とをUV硬化性接着剤を用いて貼りあわせて、検出チップを作製した。
3.測定
電極対に印加する電圧ならびにその周波数および波形を制御するべく、電圧印加部として交流電源供給装置(33120A;Hewlett-Packard社)を測定チップの端子に接続した。
抗TSH抗体を固定化された担体粒子を試料液(360pM TSH溶液)に加えて混合し、90秒間室温で反応させた。混合液の量は9μL、混合液中の粒子の濃度は0.4重量%、混合液中のTSHの濃度は36pMである。
反応後の混合液1μLを検出チップの流路内に提供した。検出チップの電極対に交流電圧(20V、100kHz)を15秒間印加して、担体粒子をパールチェーン化させた。電圧の印加を停止してから60秒後に、倒立顕微鏡(オリンパス株式会社)を用いて流路内を透過光観察して、粒子の凝集率を求めた。透過光観察の際、各粒子が顕微鏡の焦点からずれることはなく、常に輪郭をはっきりと確認することができた。
粒子の凝集率は、以下の式により求めた。顕微鏡を用いて撮像した3枚の画像のそれぞれについて凝集率を算出し、その平均値を算出した。

凝集率(%)=(他の粒子と会合した粒子の面積)/(すべての粒子の面積)×100
上記電圧印加、電圧印加の停止および凝集率の算出を1セットとし、7セット繰り返した。
また、比較例として、検出チップの電極対に交流電圧(20V、100kHz)を60秒間印加し、電圧の印加を停止してから60秒後に流路内を透過光観察して粒子の凝集率を求めた(1セットのみ)。
4.結果
図10は、電圧の印加回数(セット数)と凝集率との関係を示すグラフである。横軸は電圧の印加回数(セット数)を示し、縦軸は凝集率を示している。黒丸は、36pM TSH溶液を試料液とした場合の結果を示し、白丸は、緩衝溶液(0M TSH溶液)を試料液とした場合の結果を示す。図10に示されるように、36pMTSH溶液を試料液とした場合、電圧の印加を繰り返すことにより、凝集率が上昇した。一方、緩衝溶液(0M TSH溶液)を試料液とした場合は、電圧の印加を繰り返しても、凝集率はほとんど変化しなかった。このことから、電圧の印加を繰り返すことで、SN比が向上することがわかる。また、電圧を6回印加した場合と7回印加した場合とで、凝集率に大きな差は見られなかった。このことから、電圧の印加を7回以上繰り返しても凝集率はほとんど向上せず、電圧を印加する回数は、6回で十分であることがわかる。
表1は、本発明の検出方法(電圧印加:15秒、4回)により求めた凝集率(実施例)と、従来の検出方法(電圧印加:60秒、1回)により求めた凝集率(比較例)を示す。
Figure 2009128209
表1に示されるように、15秒間の電圧印加を4回繰り返したときの凝集率(61.1%)は、60秒間の電圧印加を1回繰り返したときの凝集率(48.2%)よりも高い値となった。このことから、電圧の印加を繰り返すことで、粒子間の衝突確率が向上し、粒子間に抗原が存在する確率が高まったことが示唆される。
特許文献1に開示されているように、電圧の印加時間を長くすれば、パールチェーン化した粒子の数が増加し、凝集率が上昇することが知られている。しかしながら、上記の実験において、電圧の合計印加時間は、実施例(15秒、4回)と比較例(60秒、1回)とで同じ(60秒)である。このことから、本発明の検出方法によるSN比の向上は、パールチェーン化した粒子の数の増加による寄与よりも、粒子間の衝突確率の向上による寄与のほうが大きいことが示唆される。
以上のように、本発明の検出方法は、従来の検出方法よりもSN比が優れている。また、本発明の検出方法は、TSHのような2価抗原であっても、pMレベルの被検出物質を検出することができる。
本出願は、2008年4月14日出願の特願2008−104445に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明の検出方法および検出システムは、分子量の小さい2価抗原であってもサンドイッチ法により検出することができるため、被検出物質をより高感度に検出することができる。したがって、本発明の検出方法および検出システムは、例えば、血液や血漿を検体としてパルスイムノアッセイ法による検査を行う方法およびそれに用いる検出システムとして有用である。
従来の測定チップおよび測定装置の構成を示す図 従来の測定チップの流路部分を示す拡大図 認識物質が固定化された担体粒子の一例を示す模式図 交流電圧を繰り返し印加した際の担体粒子の状態を示す模式図 パールチェーン化した担体粒子が分散する様子を示す模式図 パールチェーン化した担体粒子が分散する様子を示す模式図 パールチェーン化した担体粒子が分散する様子を示す模式図 検出チップの一例を示す模式図 検出システムの構成の一例を示すブロック図 電圧の印加回数と凝集率との関係を示すグラフ

Claims (9)

  1. 試料液に含まれる親和性物質をパルスイムノアッセイ法で検出する方法であって、
    生物学的特異的凝集反応により親和性物質に特異的に結合する認識物質がその表面に固定化されている担体粒子と、試料液とを含む混合液に交流電圧を印加して、前記担体粒子をパールチェーン化させるステップを有し、
    前記混合液は、第1の時間交流電圧を印加するステップおよび第2の時間交流電圧の印加を停止するステップからなるセットを複数回繰り返して、交流電圧を印加される、
    親和性物質の検出方法。
  2. 前記第1の時間および前記第2の時間は、それぞれ15〜60秒である、請求項1に記載の検出方法。
  3. 前記セットは、2〜6回繰り返される、請求項2に記載の検出方法。
  4. 前記担体粒子は、前記親和性物質の第1の部分に特異的に結合する第1の認識物質がその表面に固定化されている第1の担体粒子と、前記親和性物質の第2の部分に特異的に結合する第2の認識物質がその表面に固定化されている第2の担体粒子とを含む、請求項1に記載の検出方法。
  5. 前記担体粒子は、前記親和性物質の第1の部分に特異的に結合する第1の認識物質、および前記親和性物質の第2の部分に特異的に結合する第2の認識物質がその表面に固定化されている、請求項1に記載の検出方法。
  6. 前記担体粒子は、その表面に一種類の前記認識物質が固定化されており、
    前記親和性物質は、前記一種類の認識物質が特異的に結合する部分を2以上有する、
    請求項1に記載の検出方法。
  7. 前記生物学的特異的凝集反応は、抗原抗体反応である、請求項1に記載の検出方法。
  8. 前記生物学的特異的凝集反応は、核酸の二本鎖形成反応である、請求項1に記載の検出方法。
  9. 試料液に含まれる親和性物質をパルスイムノアッセイ法で検出するシステムであって、
    流路および前記流路に電場を形成するための電極対を有する検出チップと、前記電極対に交流電圧を印加する電圧印加手段と、前記流路の情報を取得する検出手段とを有し、
    前記電圧印加手段は、第1の時間交流電圧を印加するステップおよび第2の時間交流電圧の印加を停止するステップからなるセットを複数回繰り返して、前記電極対に交流電圧を印加する、
    親和性物質の検出システム。
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