JPWO2009084441A1 - 透明導電膜の成膜方法及び成膜装置 - Google Patents

透明導電膜の成膜方法及び成膜装置 Download PDF

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Abstract

酸化亜鉛系材料を含むターゲットを用いて、スパッタリングにより基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する透明導電膜の成膜方法であって、水素ガス、酸素ガス、及び水蒸気の群から選択される2種または3種を含む反応性ガス雰囲気中で、前記スパッタリングを行う。

Description

本発明は、透明導電膜の成膜方法及び成膜装置に関する。更に詳しくは、フラットパネルディスプレイ(FPD)、タッチパネル、太陽電池、電磁シールド、反射防止(AR)膜、発光ダイオード(LED)等、オプトエレクトロニクス分野の各種デバイスに用いて好適な透明導電膜の成膜方法及び成膜装置に関する。
本願は、2007年12月28日に日本出願された特願2007−340913号に基づき優先権を主張し、その内容を取り込むものとする。
従来、太陽電池や発光ダイオードの電極材料として、酸化インジウムに酸化スズを5〜10質量%添加したスズ添加酸化インジウム(ITO)があり、透明導電材料として利用されている。
しかしながら、ITOの原料となるインジウム(In)は希少金属であり、今後、入手困難となりコストが上昇することが予想されている。そこで、ITOに替わる透明導電材料として、豊富かつ安価な酸化亜鉛(ZnO)系材料が注目されている(例えば、特許文献1参照)。
ZnO系材料は、ZnOを僅かに還元することにより化学量論的組成から少々ずれてZnO結晶中に酸素空孔が形成されて自由電子を放出する、あるいは不純物として添加されたB、Al、Ga等がZnO結晶格子中のZnイオンの位置に入り込んでイオンとなって自由電子を放出する等により、導電性を示すn型半導体である。
ZnO系材料は、大型基板への均一成膜が可能なスパッタリングに適しており、成膜装置においては、ITO等のIn系材料のターゲットをZnO系材料のターゲットに変更することにより成膜することが可能である。また、ZnO系材料は、In系材料のように絶縁性の高い低級酸化物(InO)を含まないので、スパッタリングでの異常が発生し難い。
特開平9−87833号公報
従来のZnO系材料を用いた透明導電膜は、透明性こそ従来のITO膜と遜色ないものの、比抵抗がITO膜よりも高いという問題点があった。
そこで、ZnO系の透明導電膜の比抵抗を所望の値まで下げるために、スパッタの際にチャンバー内に還元ガスとして水素ガスを導入し、この還元雰囲気中にて成膜する方法が考えられている。
しかし、この場合、得られた透明導電膜の比抵抗は確かに低下するものの、その表面に僅かながら金属光沢が生じてしまい、透過率が低下するという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、酸化亜鉛系の透明導電膜の比抵抗を低下させるとともに、可視光線に対する透明性を維持できる透明導電膜の成膜方法及び成膜装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、酸化亜鉛系材料を用いた透明導電膜の成膜方法について鋭意検討を行った。その結果、本発明者等は、酸化亜鉛系材料からなるターゲットを用いて、スパッタ法により酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する際に、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種を含む反応性ガス雰囲気中にてスパッタを行い、さらに、水素ガスの分圧(PH2)と酸素ガスの分圧(PO2)との比R(PH2/PO2)が、
R=PH2/PO2≧5 (1)
を満たす条件下にてスパッタを行えば、酸化亜鉛系透明導電膜の比抵抗を低下させることができ、しかも、可視光線に対する透明性を維持できることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明の透明導電膜の成膜方法は、酸化亜鉛系材料を含むターゲットを用いて、スパッタリングにより基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する透明導電膜の成膜方法であって、水素ガス、酸素ガス、及び水蒸気の群から選択される2種または3種を含む反応性ガス雰囲気中で、前記スパッタリングを行う。
この成膜方法では、スパッタ法により基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する際に、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種を含む反応性ガス雰囲気中にてスパッタを行う。これにより、スパッタ法により基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する際の雰囲気を、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種を含む雰囲気、すなわち還元性ガスと酸化性ガスとの比が調和した雰囲気とすることが可能になる。よって、この雰囲気下にてスパッタを行えば、得られた透明導電膜は、酸化亜鉛結晶中の酸素空孔の数が制御されて、所望の導電率を有する膜となり、その比抵抗も低下し所望の比抵抗の値となる。
また、得られた透明導電膜は、金属光沢が生じること無く、可視光線に対する透明性を維持することが可能である。
前記スパッタリングを行うに際して、少なくとも前記水素ガス及び前記酸素ガスを前記雰囲気中に含めた場合、前記水素ガスの分圧(PH2)と前記酸素ガスの分圧(PO2)との比R(PH2/PO2)が下式(2)を満たしてもよい。
R=PH2/PO2≧5 (2)
前記スパッタリングを行う際に、前記ターゲットに印加するスパッタリング電圧を、340V以下としてもよい。
前記スパッタリングを行う際に、直流電圧に高周波電圧を重畳したスパッタリング電圧を前記ターゲットに印加してもよい。
前記スパッタリングを行う際の、前記ターゲットの表面における水平磁界の強度の最大値を、600ガウス以上としてもよい。
前記酸化亜鉛系材料が、アルミニウム添加酸化亜鉛またはガリウム添加酸化亜鉛でもよい。
本発明の透明導電膜の成膜装置は、酸化亜鉛系材料を含むターゲットを用いて、このターゲットに対向して配置された基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する透明導電膜の成膜装置であって:真空容器と;この真空容器に備えられた水素ガス導入手段、酸素ガス導入手段、水蒸気導入手段のうちの2つ以上と;前記真空容器内にターゲットを保持するターゲット保持手段と;前記ターゲットにスパッタ電圧を印加する電源と;を備えている。
この成膜装置では、真空容器が、水素ガス導入手段、酸素ガス導入手段、水蒸気導入手段のうち2つ以上を備えたことにより、酸化亜鉛系材料からなるターゲットを用いて、スパッタ法により基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する際の雰囲気を、水素ガス導入手段、酸素ガス導入手段、水蒸気導入手段のうち2つ以上を用いて、還元性ガスと酸化性ガスとの比が調和した反応性ガス雰囲気とすることが可能になる。よって、酸化亜鉛結晶中の酸素空孔の数が制御されることにより、比抵抗が低下し、金属光沢が生じること無く、可視光線に対する透明性を維持することが可能な酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜することが可能になる。
前記電源が、直流電源と高周波電源とを併用してもよい。
この成膜装置では、直流電源と高周波電源とを併用することにより、スパッタ電圧を低下させることが可能になる。これにより、結晶格子の整った酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜することが可能になり、得られた透明導電膜の比抵抗も低いものとなる。
前記ターゲット保持手段に、前記ターゲットの表面に強度の最大値が600ガウス以上の水平磁界を発生させる磁界発生手段が備えられていてもよい。
この成膜装置では、ターゲット保持手段に、ターゲットの表面に強度の最大値が600ガウス以上の水平磁界を発生させる磁界発生手段を設けたことにより、ターゲットの表面の垂直磁界が0(水平磁界が最大)となる位置に高密度プラズマが生成する。これにより、結晶格子の整った酸化亜鉛系透明導電膜を成膜することが可能になる。
本発明の透明導電膜の成膜方法によれば、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種を含む反応性ガス雰囲気中にてスパッタを行うので、酸化亜鉛系の透明導電膜の比抵抗を低下させることができ、しかも、可視光線に対する透明性を維持できる。
したがって、比抵抗が低く、可視光線に対する透明性に優れた酸化亜鉛系の透明導電膜を容易に成膜できる。
本発明の透明導電膜の成膜装置によれば、真空容器に、水素ガス導入手段、酸素ガス導入手段、水蒸気導入手段のうち2つ以上を備えたので、これらを制御することにより、真空容器内の酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する際の雰囲気を、還元性ガスと酸化性ガスとの比が調和した反応性ガス雰囲気とすることができる。
したがって、従来の成膜装置の一部を改良するだけで、比抵抗が低く、可視光線に対する透明性に優れた酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜できる。
本発明の第1の実施形態のスパッタ装置を示す概略構成図(平面図)である。 同実施形態のスパッタ装置の成膜室の主要部を示す平面断面図である。 無加熱成膜におけるHOガス(水蒸気)の効果を示すグラフである。 基板温度を250℃とした加熱成膜におけるHOガス(水蒸気)の効果を示すグラフである。 基板温度を250℃とした加熱成膜においてHガスとOガスを同時に導入した場合の効果を示すグラフである。 基板温度を250℃とした加熱成膜においてHガスとOガスを同時に導入した場合の効果を示すグラフである。 無加熱成膜におけるHガスの効果を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態のインターバック式のマグネトロンスパッタ装置の成膜室の主要部を示す断面図である。
符号の説明
1 スパッタ装置
2 仕込み/取り出し室
3 成膜室
4 粗引き排気手段
5 基板トレイ
6 基板
7 ターゲット
11 ヒータ
12 カソード
13 高真空排気手段
14 電源
15 ガス導入手段
15a スパッタガス導入手段
15b 水素ガス導入手段
15c 酸素ガス導入手段
15d 水蒸気導入手段
21 マグネトロンスパッタ装置
22 スパッタカソード機構
23 背面プレート
24 磁気回路
24a、24b 磁気回路ユニット
25 ブラケット
26 第1磁石
27 第2磁石
28 ヨーク
29 磁力線
30 垂直磁界が0となる位置
本発明の透明導電膜の成膜方法及び成膜装置を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のスパッタ装置(成膜装置)を示す概略構成図(平面図)、図2は同スパッタ装置の成膜室の主要部を示す平面断面図である。
このスパッタ装置1は、インターバック式のスパッタ装置であり、例えば、無アルカリガラス基板(図示せず)等の基板を搬入/搬出する、仕込み/取り出し室2と、上記の基板上に酸化亜鉛系透明導電膜が成膜される成膜室(真空容器)3とを備えている。
仕込み/取出し室2には、この室内を粗真空引きするロータリーポンプ等の粗引き排気手段4が設けられている。また、仕込み/取出し室2の室内には、基板を保持・搬送するための基板トレイ5が移動可能に配置されている。
一方、成膜室3の一方の側面3aには、基板6を加熱するヒータ11が縦置きに設けられている。成膜室3の他方の側面3bには、酸化亜鉛系材料のターゲット7を保持し、このターゲット7に所望のスパッタ電圧を印加するためのカソード(ターゲット保持手段)12が縦置きに設けられている。さらに、成膜室3には、この室内を高真空引きするターボ分子ポンプ等の高真空排気手段13、ターゲット7にスパッタ電圧を印加する電源14、この室内にガスを導入するガス導入手段15が成膜室3に設けられている。
カソード12は、板状の金属プレートからなり、ターゲット7がロウ材等でボンディング(固定)により固定されている。
電源14は、ターゲット7に直流電圧に高周波電圧が重畳されたスパッタ電圧を印加するためのもので、直流(DC)電源と高周波(RF)電源(図示略)とを備えている。
ガス導入手段15は、Ar等のスパッタガスを導入するスパッタガス導入手段15aと、水素ガスを導入する水素ガス導入手段15bと、酸素ガスを導入する酸素ガス導入手段15cと、水蒸気を導入する水蒸気導入手段15dとを備えている。
なお、このガス導入手段15のうち、水素ガス導入手段15b、酸素ガス導入手段15c、及び水蒸気導入手段15dについては、必要に応じて選択される。例えば、“水素ガス導入手段15bと酸素ガス導入手段15c”、“水素ガス導入手段15bと水蒸気導入手段15d”、のように2つの手段を選択して使用してもよい。
次に、上記のスパッタ装置1を用いて基板上に酸化亜鉛系透明導電膜を成膜する方法について説明する。
まず、ターゲット7をカソード12にロウ材等でボンディングして固定する。ここで、ターゲット材には、酸化亜鉛系材料、例えば、酸化アルミニウム(Al)を0.1〜10質量%添加したアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、酸化ガリウム(Ga)を0.1〜10質量%添加したガリウム添加酸化亜鉛(GZO)等が用いられる。中でも、比抵抗の低い薄膜を成膜できる点で、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)が好ましい。
次いで、基板6を仕込み/取り出し室2の基板トレイ5に収納し、仕込み/取り出し室2及び成膜室3を所定の真空度、例えば0.27Pa(2.0×10−3Torr)になるまで粗引き排気手段4で粗真空引きする。その後、基板6を仕込み/取り出し室2から成膜室3に搬入し、この基板6を、設定がオフになった状態のヒータ11の前に、ターゲット7に対向するように配置する。この基板6を、ヒータ11により100℃〜600℃の温度範囲内となるように加熱する。
次いで、成膜室3を所定の高真空度、例えば2.7×10−4Pa(2.0×10−6Torr)になるまで高真空排気手段13で高真空引きする。その後、成膜室3に、スパッタガス導入手段15aによりAr等のスパッタガスを導入するとともに、水素ガス導入手段15b、酸素ガス導入手段15c、及び水蒸気導入手段15dのうちの少なくとも2つ以上を用いて、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種のガスを導入する。
ここで、水素ガスと酸素ガスを選択した場合、水素ガスの分圧(PH2)と酸素ガスの分圧(PO2)との比R(PH2/PO2)は、
R=PH2/PO2≧5 (3)
を満たすことが好ましい。
これにより、成膜室3内の雰囲気は、水素ガス濃度が酸素ガス濃度の5倍以上の反応性ガス雰囲気となり、この反応性ガス雰囲気がR=PH2/PO2≧5を満たすことで、比抵抗1.0×10μΩ・cm以下の透明導電膜が得られる。
また、水素ガスと水蒸気(ガス)を選択した場合、水素ガスの分圧(PH2)と水蒸気(ガス)の分圧(PH2O)との比R(PH2/PH2O)は、
R=PH2/PH2O≧5 (4)
を満たすことが好ましい。
これにより、成膜室3内の雰囲気は、水素ガス濃度が水蒸気濃度の5倍以上の反応性ガス雰囲気となり、この反応性ガス雰囲気がR=PH2/PH2O≧5を満たすことで、比抵抗1.0×10μΩ・cm以下の透明導電膜が得られる。
次いで、電源14により、ターゲット7にスパッタ電圧を印加する。
このスパッタ電圧は340V以下であることが好ましい。放電電圧を下げることにより、結晶格子の整った酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜することが可能になり、得られた透明導電膜の比抵抗も低いものとなる。
このスパッタ電圧は、直流電圧に高周波電圧を重畳することが好ましい。直流電圧に高周波電圧を重畳することで、放電電圧をさらに下げることができる。
スパッタ電圧印加により、基板6上にプラズマが発生し、このプラズマにより励起されたAr等のスパッタガスのイオンがターゲット7に衝突する。この衝突により、ターゲット7からアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)等の酸化亜鉛系材料を構成する原子を飛び出させて、基板6上に酸化亜鉛系材料からなる透明導電膜を成膜する。
この成膜の過程では、成膜室3内の雰囲気が、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種以上からなる反応性ガス雰囲気となる。よって、この反応性ガス雰囲気下にて行ったスパッタリングにより酸化亜鉛結晶中の酸素空孔の数が制御された透明導電膜を得ることができる。その結果、その比抵抗も低下するので、所望の導電率及び比抵抗を有する透明導電膜を得ることができる。
特に、成膜室3内において、水素ガス濃度が酸素ガス濃度の5倍以上となっている場合、水素ガスと酸素ガスとの比が調和した反応性ガス雰囲気となる。この反応性ガス雰囲気下にて行ったスパッタリングにより酸化亜鉛結晶中の酸素空孔の数が高度に制御された透明導電膜を得ることができる。その結果、その比抵抗もITO膜相当に低下するので、所望の導電率及び比抵抗を有する透明導電膜を得ることができる。
また、得られた透明導電膜では、金属光沢が生じず、可視光線に対する透明性が維持されている。
次いで、この基板6を成膜室3から仕込み/取り出し室2に搬送し、この仕込み/取り出し室2の真空を破り、この酸化亜鉛系の透明導電膜が形成された基板6を取り出す。
このように、比抵抗が低くかつ可視光線に対する透明性が良好な酸化亜鉛系の透明導電膜が形成された基板6が得られる。
次に、本実施形態の酸化亜鉛系透明導電膜の成膜方法について、本発明者等が行った実験結果について説明する。
5インチ×16インチの大きさのAlを2質量%添加したアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)ターゲットを用い、このターゲットを直流(DC)電圧を印加する平行平板型のカソード12にロウ材で固定した。次いで、仕込み/取り出し室2に無アルカリガラス基板を入れて仕込み/取り出し室2内を粗引き排気手段4で粗真空引きを行った。次いで、この無アルカリガラス基板を高真空排気手段13で高真空引きした成膜室3に搬入し、AZOターゲットに対向配置させた。
次いで、ガス導入手段15により、Arガスを5mTorrの圧力になるよう導入した後、HOガスの分圧が5×10−5Torr、Oガスの分圧が1×10−5Torr、のいずれかになるように導入した。そして、HOガスまたはOガスの雰囲気下で、カソード12に電源14により1kWの電力を印加することにより、カソード12に取り付けたAZOターゲットをスパッタし、無アルカリガラス基板上にAZO膜を堆積させた。
図3は、無加熱成膜におけるHOガス(水蒸気)の効果を示すグラフである。図3中、Aは反応性ガスを導入しない場合の酸化亜鉛系透明導電膜の透過率を、BはHOガスをその分圧が5×10−5Torrになるように導入した場合の酸化亜鉛系透明導電膜の透過率を、CはOガスをその分圧が1×10−5Torrになるように導入した場合の酸化亜鉛系透明導電膜の透過率を、それぞれ示している。
反応性ガスを導入しない場合、透明導電膜の膜厚は207.9nm、比抵抗は1576μΩ・cmであった。
また、HOガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は204.0nm、比抵抗は64464μΩ・cmであった。
また、Oガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は208.5nm、比抵抗は2406μΩ・cmであった。
図3によれば、HOガスを導入することにより、透過率のピーク波長を膜厚を変えずに変更できることが分かった。また、反応性ガスを導入しないAに比べ、HOガスを導入したBでは全体的に透過率も上昇していた。
また、HOガスを導入した場合、比抵抗が高く、抵抗劣化が大きくなるが、透過率が高い。すなわち、この場合に得られる透明導電膜は、反射防止膜等のような低抵抗が要求されない光学部材に適用可能であることが分かった。
さらに、HOガスの無導入と導入、もしくは導入量を変化させた条件での成膜を繰り返し行うことで、層毎に屈折率が変化した積層構造の光デバイスを1枚のターゲットで得られることが分かった。
また、太陽電池のバッファー層やタンデム構造の中間電極は、膜厚が薄く、しかも膜厚方向へ電流が流れるために低抵抗への要求は弱い。これに対して、透過する光の波長のピークを調整することが要求される場合には、本発明の透明導電膜の成膜方法により、HOガスの導入量により膜厚を変えずに透過率のピーク波長を変更する。これにより、所望の波長の光を透過するバッファー層や中間電極を形成できる。
さらに、LEDや有機EL照明など特定の波長を発光する素子に本発明の透明導電膜が使用される場合、発光する波長の透過率が最大になるように透明導電膜の透過率を調整することが可能である。
次いで、無アルカリガラス基板を250℃に加熱した以外は上記と同様にして無アルカリガラス基板上にAZO膜を堆積させた。
図4は、基板温度を250℃とした加熱成膜におけるHOガス(水蒸気)の効果を示すグラフである。図4中、Aは反応性ガスを導入しない場合の酸化亜鉛系透明導電膜の透過率を、BはHOガスをその分圧が5×10−5Torrになるように導入した場合の酸化亜鉛系透明導電膜の透過率を、CはOガスをその分圧が1×10−5Torrになるように導入した場合の酸化亜鉛系透明導電膜の透過率を、それぞれ示している。なお、直流(DC)電圧を印加する平行平板型のカソードを用いた。
反応性ガスを導入しない場合、透明導電膜の膜厚は201.6nm、比抵抗は766μΩ・cmであった。
また、HOガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は183.0nm、比抵抗は6625μΩ・cmであった。
また、Oガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は197.3nm、比抵抗は2214μΩ・cmであった。
図4によれば、加熱成膜においても、無加熱成膜と同様の効果が得られることが分かった。
Oガスを導入した場合、膜厚が若干薄くなったが、膜厚の干渉によるピーク波長のシフト以上に、ピーク波長がシフトした。すなわち、基板温度を250℃に加熱した場合においても、無加熱の場合と同様の効果が得られることが分かった。
次いで、HOガスをHガスに替え、直流(DC)電圧と高周波(RF)電圧を重畳可能な平行平板型のカソードを用い、電源14により1kWのDC電力に350Wの高周波(RF)電力を重畳させたスパッタ電力をカソード12に印加し、4Aの定電流制御として、これらの条件以外は上記と同様にして無アルカリガラス基板上にAZO膜を堆積させた。
図5は、基板温度を250℃とした加熱成膜においてHガスとOガスを同時に導入した場合の効果を示すグラフである。図5中、AはHガスの分圧が15×10−5Torr、Oガスの分圧が1×10−5TorrになるようHガス及びOガスを同時に導入した場合の酸化亜鉛系透明導電膜の透過率を、BはOガスをその分圧が1×10−5Torrになるよう導入した場合の酸化亜鉛系透明導電膜の透過率を、それぞれ示している。
ガスとOガスを同時に導入した場合、透明導電膜の膜厚は211.1nmであった。
また、Oガスのみを導入した場合、透明導電膜の膜厚は208.9nmであった。
図5によれば、HガスとOガスとを同時に導入した場合、Oガスのみを導入した場合と比べて、膜厚の干渉によるピーク波長のシフト以上に、ピーク波長がシフトしていることが分かった。また、透過率もOガスのみを導入した場合と比べて向上していることが分かった。
図6は、基板温度を250℃とした加熱成膜においてHガスとOガスとを同時に導入した場合の効果を示すグラフである。Oガスの分圧を1×10−5Torr(流量換算の分圧)に固定し、Hガスの分圧を0〜15×10−5Torr(流量換算の分圧)の間で変化させた場合の酸化亜鉛系透明導電膜の比抵抗を示している。なお、得られた透明導電膜の膜厚は概ね200nmであった。
この図によれば、Hガスの圧力が0Torrから2.0×10−5Torrにかけては比抵抗が急激に低下するが、2.0×10−5Torrを超えると比抵抗が安定してくることが分かった。
同一条件で反応性ガスを導入しない場合の透明導電膜の比抵抗は422μΩ・cmであるから、HガスとOガスを同時に導入した場合においても、比抵抗の劣化が小さいことが分かった。
特に、ディスプレイ等に使用される透明導電膜では、可視光領域での透過率が高いことに加え、低抵抗であることが求められる。一般的なディスプレイの透明電極に1.0×10μΩ・cm以下であることが求められる。図6において比抵抗が1.0×10μΩ・cm以下となるのは、Hガスの圧力が5.0×10−5Torr以上の場合である。Oガスの圧力は1×10−5Torrであるから、比抵抗を1.0×10μΩ・cm以下とするために、R=PH2/PO2≧5とすることが好ましいことが分かる。
図7は、無加熱成膜におけるHガスの効果を示すグラフである。図7中、AはHガスをその分圧が3×10−5Torrとなるように導入した場合の酸化亜鉛系透明導電膜の透過率を、BはOガスをその分圧が1.125×10−5Torrになるように導入した場合の酸化亜鉛系透明導電膜の透過率を、それぞれ示している。なお、直流(DC)電圧を印加する対向型のカソードを用いた。
ガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は191.5nm、比抵抗は913μΩ・cmであった。
また、Oガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は206.4nm、比抵抗は3608μΩ・cmであった。
図7によれば、Hガスを導入することにより、透過率のピーク波長を、膜厚を変えずに変更できることが分かった。
また、Hガスを導入した場合の透過率は、Oガスを導入した場合と比べて高いことが分かった。
以上により、Hガスを導入したプロセスでは、Hガス導入量を最適化することにより、高透過率かつ低い比抵抗の酸化亜鉛系透明導電膜が得られることが分かった。
本実施形態の透明導電膜の成膜方法によれば、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択される2種以上を含む反応性ガス雰囲気中にてスパッタを行うことにより、酸化亜鉛系透明導電膜の比抵抗を低下させるとともに、可視光線に対する透明性を維持することができる。
したがって、比抵抗が低く、可視光線に対する透明性に優れた酸化亜鉛系の透明導電膜を容易に成膜することができる。
特に、透過率のピークの波長を変更したい場合には、水蒸気を導入することでピークのシフト量を大きく変更することができる。さらに、水素または酸素を導入することによりシフト量の調整も可能である。
また、特に透過率と低抵抗を高いレベルで両立させたい場合には、酸素と水素を導入することが好ましい。
本実施形態の透明導電膜の成膜装置によれば、ガス導入手段15は、Ar等のスパッタガスを導入するスパッタガス導入手段15aと、水素ガスを導入する水素ガス導入手段15bと、酸素ガスを導入する酸素ガス導入手段15cと、水蒸気を導入する水蒸気導入手段15dとが最適条件で構成されている。そのため、これらを制御することにより、酸化亜鉛系透明導電膜を成膜する際の雰囲気を、還元性ガスと酸化性ガスとの比が調和した反応性ガス雰囲気とすることができる。
したがって、従来の成膜装置の一部を改良するだけで、比抵抗が低く、可視光線に対する透明性に優れた酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜できる。
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態のインターバック式のマグネトロンスパッタ装置の成膜室の主要部を示す平面断面図である。
このマグネトロンスパッタ装置21が、上記のスパッタ装置1と異なる点は、成膜室3の一方の側面3bに酸化亜鉛系材料のターゲット7を保持し、かつ、所望の磁界を発生する縦置きのスパッタカソード機構(ターゲット保持手段)22が設けられている点である。
スパッタカソード機構22は、ターゲット7をロウ材等でボンディング(固定)した背面プレート23と、背面プレート23の裏面に沿って配置された磁気回路(磁界発生手段)24とを備えている。この磁気回路24は、ターゲット7の表面に水平磁界を発生させる。磁気回路24は、複数の磁気回路ユニット(図8では2つ)24a、24bとこれら磁気回路ユニット24a、24bを連結して一体化するブラケット25を備えている。磁気回路ユニット24a、24bそれぞれは、背面プレート23側の表面の極性が相互に異なる第1磁石26および第2磁石27と、これらが装着されるヨーク28とを備えている。
この磁気回路24では、背面プレート23側の極性が相互に異なる第1磁石26および第2磁石27により、磁力線29で表される磁界を発生させる。これにより、ターゲット7の表面上の、第1磁石26と第2磁石27との間に相当する領域においては、垂直磁界が0(水平磁界が最大)となる位置30が表れる。この位置30に高密度プラズマが生成するため、成膜速度を向上することができる。
このターゲット7の表面における水平磁界の強度の最大値は、600ガウス以上であることが好ましい。水平磁界の強度の最大値を、600ガウス以上とすることで放電電圧を下げることができる。
本実施形態の透明導電膜の成膜装置においても、第1の実施形態のスパッタ装置と同様の効果を奏する。
しかも、成膜室3の一方の側面3bに所望の磁界を発生するスパッタカソード機構22が縦置きに設けられているので、スパッタ電圧を340V以下とし、ターゲット7表面における水平磁界強度の最大値を600ガウス以上とすることにより、結晶格子の整った酸化亜鉛系透明導電膜を成膜できる。
この酸化亜鉛系透明導電膜は、成膜後に高温でアニール処理を行っても酸化され難く、その比抵抗の増加を抑制することができる。さらに、耐熱性に優れた酸化亜鉛系透明導電膜を得ることができる。
本発明の透明導電膜の成膜方法及び成膜装置は、酸化亜鉛系の透明導電膜の比抵抗を低下させるとともに、可視光線に対する透明性を維持できる。
本発明者等は、酸化亜鉛系材料を用いた透明導電膜の成膜方法について鋭意検討を行った。その結果、本発明者等は、酸化亜鉛系材料からなるターゲットを用いて、スパッタ法により酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する際に、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種を含む反応性ガス雰囲気中にてスパッタを行い、さらに、水素ガスの分圧(PH2)と酸素ガスの分圧(PO2)との比R(H2/PO2)が、
15≧(R=PH2/PO2 ≧5 (1)
を満たす条件下にてスパッタを行えば、酸化亜鉛系透明導電膜の比抵抗を低下させることができ、しかも、可視光線に対する透明性を維持できることを見出し本発明を完成させた。
この成膜方法では、スパッタ法により基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する際に、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種を含む反応性ガス雰囲気中にてスパッタを行い、さらに、水素ガスの分圧(P H2 )と酸素ガスの分圧(P O2 )との比R(=P H2 /P O2 )が、
15≧(R=P H2 /P O2 )≧5 (2)
を満たす。これにより、スパッタ法により基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する際の雰囲気を、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種を含む雰囲気、すなわち還元性ガスと酸化性ガスとの比が調和した雰囲気とすることが可能になる。よって、この雰囲気下にてスパッタを行えば、得られた透明導電膜は、酸化亜鉛結晶中の酸素空孔の数が制御されて、所望の導電率を有する膜となり、その比抵抗も低下し所望の比抵抗の値となる。
また、得られた透明導電膜は、金属光沢が生じること無く、可視光線に対する透明性を維持することが可能である。
前記ターゲットに印加するスパッタリング電圧を、340V以下としてもよい。
直流電圧に高周波電圧を重畳したスパッタリング電圧を前記ターゲットに印加してもよい。
前記ターゲットの表面における水平磁界の強度の最大値を、600ガウス以上としてもよい。
前記酸化亜鉛系材料が、アルミニウム添加酸化亜鉛またはガリウム添加酸化亜鉛でもよい。
本発明の透明導電膜の成膜装置は、酸化亜鉛系材料を含むターゲットを用いて、このターゲットに対向して配置された基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する透明導電膜の成膜装置であって真空容器とこの真空容器に備えられた水素ガス導入手段、酸素ガス導入手段、水蒸気導入手段のうちの2つ以上と前記真空容器内にターゲットを保持するターゲット保持手段と前記ターゲットにスパッタ電圧を印加する電源とを備えている。
特に、ディスプレイ等に使用される透明導電膜では、可視光領域での透過率が高いことに加え、低抵抗であることが求められる。一般的なディスプレイの透明電極に1.0×10μΩ・cm以下であることが求められる。図6において比抵抗が1.0×10μΩ・cm以下となるのは、Hガスの圧力が5.0×10−5Torr以上の場合である。Oガスの圧力は1×10−5Torrであるから、比抵抗を1.0×10μΩ・cm以下とするために、R=PH2/PO2≧5を満たすことが好ましいことが分かる。
さらに、図6に示すように、H ガスの圧力が、少なくとも5.0×10 −5 Torr以上且つ15×10 −5 Torr以下の範囲であれば、透明導電膜の比抵抗は1.0×10 μΩ・cm以下となっている。そのため、比抵抗を1.0×10 μΩ・cm以下とするために、R=P H2 /P O2 ≧5を満たすことに加え、15≧R=P H2 /P O2 を満たせばよいことが分かる。

Claims (9)

  1. 酸化亜鉛系材料を含むターゲットを用いて、スパッタリングにより基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する透明導電膜の成膜方法であって、
    水素ガス、酸素ガス、及び水蒸気の群から選択される2種または3種を含む反応性ガス雰囲気中で、前記スパッタリングを行う透明導電膜の成膜方法。
  2. 前記スパッタリングを行うに際して、少なくとも前記水素ガス及び前記酸素ガスを前記雰囲気中に含めた場合、前記水素ガスの分圧(PH2)と前記酸素ガスの分圧(PO2)との比R(PH2/PO2)が下式(1)を満たす請求項1に記載の透明導電膜の成膜方法。
    R=PH2/PO2≧5 (1)
  3. 前記スパッタリングを行う際に、前記ターゲットに印加するスパッタリング電圧を、340V以下とする請求項1に記載の透明導電膜の成膜方法。
  4. 前記スパッタリングを行う際に、直流電圧に高周波電圧を重畳したスパッタリング電圧を前記ターゲットに印加する請求項1に記載の透明導電膜の成膜方法。
  5. 前記スパッタリングを行う際の、前記ターゲットの表面における水平磁界の強度の最大値を、600ガウス以上とする請求項1に記載の透明導電膜の成膜方法。
  6. 前記酸化亜鉛系材料が、アルミニウム添加酸化亜鉛またはガリウム添加酸化亜鉛である請求項1に記載の透明導電膜の成膜方法。
  7. 酸化亜鉛系材料を含むターゲットを用いて、このターゲットに対向して配置された基板上に酸化亜鉛系の透明導電膜を成膜する透明導電膜の成膜装置であって:
    真空容器と;
    この真空容器に備えられた水素ガス導入手段、酸素ガス導入手段、水蒸気導入手段のうちの2つ以上と;
    前記真空容器内にターゲットを保持するターゲット保持手段と;
    前記ターゲットにスパッタ電圧を印加する電源と;
    を備えている透明導電膜の成膜装置。
  8. 前記電源が、直流電源と高周波電源とを併用する請求項7記載の透明導電膜の成膜装置。
  9. 前記ターゲット保持手段は、前記ターゲットの表面に強度の最大値が600ガウス以上の水平磁界を発生させる磁界発生手段を備えている請求項7または8記載の透明導電膜の成膜装置。
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