JPWO2009078357A1 - 回折光学系及び光学機器 - Google Patents

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Abstract

回折光学素子を含む回折光学系は、第1の回折光学面を有する凹レンズ成分と、第2の回折光学面を有する光学部材とを有し、凹レンズ成分と光学部材とは、第1の回折光学面と第2の回折光学面とが互いに対向するように配置され、凹レンズ成分の光軸上の厚さをtとし、回折光学系の焦点距離をfとしたとき、次式0.003<t/f<0.3の条件を満足する。

Description

本発明は、回折を応用した光学系に関し、特に観察光学系や投射光学系などに好適な光学系、光学機器に関する。
一般に、光学性能、特に収差を減じて結像性能を向上させるために、レンズの屈折を利用した光学素子(主としてガラスで作られる)が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。光学系では、基準スペクトル線に関するザイデル5収差及び色収差を十分に減ずるために、収差補正自由度を増す必要があり、該光学系を構成するレンズの枚数が止むを得ず増えてしまうことが多かった。
米国特許第6130785号公報
特に、頭部に装着する観察装置に用いる光学系や電子ビューファインダー等に用いる光学系においては、従来のように、光学性能を上げるために光学系を構成するレンズ枚数を増やしたり、光学系の色収差を十分に補正するために屈折率や分散の異なる複数の光学材料や比重の大きな光学材料(ガラス)を用いたりして、光学系の大型化や重量化を招くことは、装置構成上、不都合であるという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、観察光学系や投射光学系などに好適な、小型軽量薄型で且つ優れた光学性能を有する回折光学系、光学機器を提供することを目的とする。
本発明を例示する第1の態様に従えば、回折光学素子を含む回折光学系において、前記回折光学素子は、第1の回折光学面を有する凹レンズ成分と、第2の回折光学面を有する光学部材とを有し、前記凹レンズ成分と前記光学部材とは、前記第1の回折光学面と前記第2の回折光学面とが互いに対向するように配置され、前記凹レンズ成分の光軸上の厚さをtとし、前記回折光学系の焦点距離をfとしたとき、次式0.003<t/f<0.3の条件を満足することを特徴とする回折光学系が提供される。
本明細書において、「第1の回折光学面と第2の回折光学面とが互いに対向するように配置され」ているという表現は、「第1の回折光学面と第2の回折光学面とが互いに接するように配置され」ている状態と、「第1の回折光学面と第2の回折光学面とが互いに間隔を隔てて対向するように配置され」ている状態とを含む、広い概念に対応している。
また、本発明を例示する第2の態様に従えば、上記態様の回折光学系を有することを特徴とする光学機器が提供される。
以上説明したように、本発明によれば、例えば観察光学系や投射光学系などに好適な、小型軽量薄型で且つ優れた光学性能(特に色収差補正)を有する回折光学系、光学機器を提供することができる。
複層型の回折光学素子の模式断面図であり、(a)は分離複層型の回折光学素子の模式断面図であり、(b)は密着複層型の回折光学素子の模式断面図である。 第1実施例に係るおける光学系の構成を示す図である。 第1実施例に係る諸収差図である。 密着複層型の回折光学素子の各波長に対する回折効率を示す図である。 第2実施例に係るおける光学系の構成を示す図である。 第2実施例に係る諸収差図である。 第3実施例に係るおける光学系の構成を示す図である。 第3実施例に係る諸収差図である。 第4実施例に係るおける光学系の構成を示す図である。 第4実施例に係る諸収差図である。 第5実施例に係るおける光学系の構成を示す図である。 第5実施例に係る諸収差図である。 第6実施例に係るおける光学系の構成を示す図である。 第6実施例に係る諸収差図である。 第1実施例の光学系を投射光学系に適用した場合の諸収差図である。 回折光学系を用いたヘッドマウントディスプレイの概略構成図である。
符号の説明
11 第1光学素子要素
12 第2光学素子要素
11a,11b 回折光学面
13 格子の壁面(段差部分)
EP アイポイント
PF 密着複層型の回折光学素子
OB 観察物体
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。従来より、屈折光学系や反射光学系では達し得ない高性能化・小型化を目指して、例えば光ディスク用のピックアップ用レンズなどの光学系に回折光学面を組み込む試みが種々行われてきた。しかしながら、このような回折光学面を有する単層型の光学回折素子では、設計波長からずれた波長域の光によりフレアが発生し、画質・結像性能を損ねてしまう問題があり、その使用はレーザー光源などの単一波長や狭い波長域での使用に限られていた。
そこで、近年、複層型(または積層型)と呼ばれる回折光学素子が提案されている。このタイプの回折光学素子は、鋸歯状に形成された回折光学面(レリーフパターン)を有し、異なる屈折率および分散を有した複数の光学素子要素を分離あるいは密着させた形で積層させてなるものであり、所望の広波長域(例えば、可視光領域)のほぼ全域で高い回折効率が保たれる。すなわち、波長特性が良好であるという特徴を有している。
ここで、複層型の回折光学素子の構造について説明すると、一般に、図1(a)に示すように、第1の材質からなる第1光学素子要素11と、これとは屈折率や分散値が異なる第2の材質からなる第2光学素子要素12とから構成され、それぞれの光学素子要素の対向し合う面は図のように鋸歯状に形成されている。そして、特定の2波長に対して色消し条件を満足させるように、第1光学素子要素11の格子高さ(溝の高さ)h1を所定の値に決定し、第2光学素子要素12の格子高さh2を別の所定の値に決定する。これにより、特定の2波長に対しては回折効率が1.0となり、その他の波長に対してもかなり高い回折効率を得ることができるようになる。なお、回折効率とは、透過型の回折光学素子において、該回折光学素子に入射する光の強度Iと、回折光学素子を透過した光に含まれる一次回折光の強度Iとの割合η(=I/I)として定義される。
また、図1(b)に示すように、第1光学素子要素11における回折光学面11aの格子高さh1と、第2光学素子要素12における回折光学面12aの格子高さh2とを一致させた、密着複層型の回折光学素子PFが提案されている。この密着複層型の回折光学素子PFは、第1光学素子要素11において回折光学面が形成される面状に、第2光学素子要素12を密着接合させた構成であり、分離複層型に比べて回折光学面の格子高さの誤差感度(公差)が緩くなったり、格子面の面粗さの誤差感度(公差)が緩くなったりする等、製造し易くなるメリットがあり、生産性に優れ、量産性が高く、光学製品のコストダウンに好都合であるという利点を持っている。また、第1光学素子要素11および第2光学素子要素12のうち、いずれか一方の光学素子要素を先に精密に形成し、その後、他方の光学素子要素をUV硬化型樹脂等に流し込んで成型することもできる。この場合、先に形成した格子が型となって後に成型する格子も精密に形成でき、両者の偏心も全く生じないという利点を持っている。このように、回折光学素子を複層型にすることで、回折光学素子をほぼ全波長に対して適用することができるようになり、広波長域の白色光を利用する写真カメラの撮像レンズや可視域で使用する接眼レンズ等に容易に用いることができる。
本発明は、このような複層型の回折光学素子を応用した小型軽量薄型な光学系に関するものである。特に、回折光学素子を構成する第1光学素子要素および第2光学素子要素を所定の光学材料によって形成することで、小型軽量薄型で且つ優れた光学性能を有する光学系を得るというものである。
以下、本実施形態に係る回折光学系について説明する。本実施形態に係る回折光学系は、第1の回折光学面を有する凹レンズ成分と、第2の回折光学面を有する光学部材とを有し、前記凹レンズ成分と前記光学部材とは、前記第1の回折光学面と前記第2の回折光学面とが互いに対向するように配置されている。すなわち、凹レンズ成分と光学部材とから、複層型の回折光学素子を構成している。このように、光学系に複層型の回折光学素子を組み込むことにより、広い波長範囲に亘って色収差が良好に補正されて十分に高い回折効率が確保された、小型軽量薄型で且つ優れた光学性能を有する光学系を実現することができる。換言すれば、本実施形態の回折光学系は、複層型の回折光学素子の特性を利用することで、片側の格子形成層に屈折力を与えて収差補正自由度を増し、優れた光学性能を達成している。
なお、上記のような回折光学系は、撮影レンズ光学系、接眼光学系のような観察光学系
、あるいは物体面近くに表示素子を置いて投射光学系として用いることが可能である。
複層型の回折光学素子を構成する2つの光学素子要素は、一方の光学素子要素が相対的に高屈折率低分散の材料であり、他方の光学素子要素が相対的に低屈折率高分散の材料からなることが必要であるが、どちらの材料が物体側(光の入射側)に配置されてもかまわない。特に、密着複層型の回折光学素子では、相対的に高屈折率低分散の材料と低屈折率高分散の材料との組み合わせの選定は重要である。密着複層型の回折光学素子について、製造上の誤差感度を所望の程度まで低減させるためには、d線における2つの回折光学部材(本光学系においては、凹レンズと光学部材)の屈折率差が0.45以下であることが好ましい。また、2つの回折光学部材の屈折率差が0.2以下であれば、なお好ましい。
上記構成において、凹レンズ成分の光軸上の厚さをtとし、回折光学系の焦点距離をfとしたとき、次式(1)の条件を満足することが好ましい。
0.003<t/f<0.3 …(1)
上記条件式(1)は、回折光学系全体の薄型・軽量化の大きな要素である凹レンズ成分の厚さtを適切に規定するものである。この条件式(1)の上限値を上回ると、凹レンズ成分の厚さが厚くなり過ぎてしまい、小型軽量化を損ねるばかりか、凹レンズ成分の構成材料(樹脂)による光の吸収が増えてしまい、視野の色付きなどの不都合が生じ易くなる。一方、条件式(1)の下限値を下回ると、凹レンズ成分の厚さが薄くなり過ぎてしまい、所定の回折光が得られないおそれや、光軸近傍で成形しづらくなるという不都合がある。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(1)の上限値を0.2にすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(1)の下限値を0.005にすることが好ましい。
また、d線(波長587.6nm)における凹レンズ成分と光学部材との屈折率差をΔNdとしたとき、次式(2)の条件を満足することが好ましい。
0.005<ΔNd<0.45 …(2)
上記条件式(2)は、回折光学素子を構成する凹レンズ成分と光学部材との屈折率差ΔNdについて適切な範囲を規定するものである。この条件式(2)の上限値を上回ると、屈折率差ΔNdが大きくなり過ぎてしまい、回折光学面の格子の製造誤差に対する感度が大きくなり過ぎるという不都合が生じる。一方、条件式(2)の下限値を下回ると、回折光学面に要求される格子高さが大きくなり過ぎて、製造上不利になったり、格子の壁面(段差部分:図1(b)において符号13で示す)により影が生じて、ブレーズ光の回折効率の低下を招くとともに、格子の壁面に入射する光の散乱や反射による迷光が大きく発生して、画質を損ねる原因となったりしてしまう。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(2)の上限値を0.2にすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(2)の下限値を0.15にすることが好ましい。
また、凹レンズ成分の焦点距離をfN(<0)とし、回折光学系の焦点距離をfとしたとき、次式(3)の条件を満足することが好ましい。
−8.5<fN/f<−0.3 …(3)
上記条件式(3)は、凹レンズ成分の焦点距離fNと回折光学系の焦点距離fとの適切な比率を規定するものである。この条件式(3)の上限値を上回ると、色消しが不足してしまう。一方、条件式(3)の下限値を下回ると、色消しが過剰となるとともに、縁端の厚さが厚くなり過ぎて成形しづらくなってしまう。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(3)の上限値を−0.5にすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(3)の下限値を−5.0にすることが好ましい。
また、凹レンズ成分の光軸上の厚さをtとし、回折光学系の光軸上の総厚をsとし、瞳から像面までの距離をLとしたとき、次式(4)の条件を満足することが好ましい。
0.00015<(t・s)/L2<0.1 …(4)
上記条件式(4)は、適正な凹レンズ成分の厚さtと回折光学系の総厚sを、瞳から像面までの距離Lで規定するものである。この条件式(4)の上限値を上回ると、回折光学系の総厚sと凹レンズ成分の厚さtの少なくとも一方が大きくなり過ぎてしまい、レンズ系の大型化を招いたり、凹レンズ成分の厚さが厚くなり成形しづらかったり光の吸収が増えてしまったりという不都合が生じる。一方、条件式(4)の下限値を下回ると、回折光学系の総厚sと凹レンズ成分の厚さtの少なくとも一方が小さくなり過ぎてしまい、コマ収差の補正が不足し易くなったり、凹レンズ成分の厚さが不足により成形しづらくなったりといった不都合が生じる。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(4)の上限値を0.005にすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(4)の下限値を0.003にすることが好ましい。
また、d線、g線、C線およびF線のスペクトルの光軸方向の拡がり幅をΔとし、回折光学系の焦点距離をfとしたとき、次式(5)の条件を満足することが好ましい。
0.001<Δ/f<0.1 …(5)
上記条件式(5)は、軸上色収差の適切なる補正範囲の条件を規定するものである。この条件式(5)が上限値を上回ると、軸上色収差が大きくなり過ぎてしまい、色付いた画像となって、画質を大きく損ねてしまう。一方、条件式(5)を下限値を下回ると、格子溝のピッチが小さくなり過ぎてしまい、製造しづらくなるばかりか、狭ピッチの格子によるフレアの発生が大きくなり、画質を損ねてしまう。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(5)の上限値を0.08にすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(5)の下限値を0.002にすることが好ましい。
また、d線での回折効率をEdとし、g線での回折効率をEgとし、C線での回折効率をECとしたとき、次式(6)の条件を満足することが好ましい。
(Eg+EC)/(2×Ed)>0.8 …(6)
上記条件式(6)は、広波長域化した使用光に対する回折効率のバランスについて適切な範囲を規定するものである。この条件式(6)の下限値を下回ると、主波長であるd線に対して、相対的に短波長であるg線および長波長であるC線のうち、少なくとも一方の波長において回折効率が低下しすぎて、回折フレアが大きくなり、画質を損ねてしまう。すなわち、ブレーズされた以外の波長や画角等の光が不要な回折光となってしまい、フレアの発生が大きくなってしまい、良好な画質が得られなくなってしまう。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(6)の上限値を0.95にすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(6)の下限値を0.9にすることが好ましい。
また、凹レンズ成分の光軸上の厚さをtとし、光学部材の光軸上の厚さをdNとし、回折光学系の光軸上の総厚をsとしたとき、次式(7)の条件を満足することが好ましい。
0.03<(t+dN)/s<0.5 …(7)
上記条件式(7)は、回折レンズ部分の厚さ(凹レンズ成分の光軸上の厚さtに、光学部材の光軸上の厚さdNを加えたもの)の適切なる範囲を規定するものである。この条件式(7)の上限値を上回ると、回折レンズの部分の厚さが厚くなり過ぎてしまい、成形しづらく、樹脂による光の吸収も増えてフレアが大きくなり、良好な画質が得られなくなるため、好ましくない。一方、条件式(7)の下限値を下回ると、回折レンズ部分の厚さが薄くなり過ぎてしまい、所定の回折光が得られなり、好ましくない。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(7)の上限値を0.3にすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(7)の下限値を0.05にすることが好ましい。
また、第1の回折光学面の格子高さをhとし、凹レンズ成分の光軸上の厚さと光学部材の光軸上の厚さのうち薄い方の厚さをdとしたとき、次式(8)の条件を満足することが好ましい。
10<h/d<500 …(8)
上記条件式(8)は、薄い格子を形成するための、格子高さhと、凹レンズ成分の光軸上厚さと光学部材の光軸上厚さのうち薄い方の厚さdとの適切なる関係を規定するものである。この条件式(8)を満足することで、良好な画質を得ることができる。また、条件式(8)の上限値を上回ると、格子高さhが前記厚さdに対して相対的に高くなり過ぎ、格子形状を作りづらくなるばかりか、格子の段差部分が大きくなり、段差部分に当たった光による散乱等で迷光が発生し易くなるという不都合が生じる。一方、条件式(8)の下限値を下回ると、格子を形成する光学材料が厚くなり過ぎ、やはり格子形状を作りづらくなるばかりか、材料の内部吸収が増えてしまい、光学系全体の透過率が劣化したり、色付きが起こり易くなったり、という不都合が生じる。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(8)の上限値を300にすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(8)の下限値を20にすることが好ましい。
さらに、本実施形態の回折光学系において、より優れた光学性能および仕様を達成するために、以下の条件式を満足することが好ましい。
d線における前記凹レンズ成分と前記光学部材との屈折率差をΔNdとし、d線を基準とする前記凹レンズ成分と前記光学部材とのアッベ数の差をΔνdとしたとき、次式(9)の条件を満足することが好ましい。
50<Δνd/ΔNd<2000 …(9)
上記条件式(9)は、高い回折効率を所定の波長域に亘って得るために、密着複層型の回折光学素子を構成する、高屈折率低分散の材料と低屈折率高分散の材料の光学部材の適切な関係を規定するものである。この条件式(9)の上限値を上回ると、広波長域に亘っての高い回折効率が得られず、ブレーズされた以外の波長や画角等の光が不要な回折光となってしまい、フレアの発生が大きくなって、良好な画質が得られなくなってしまう。一方、条件式(9)の下限値を下回ると、同様に広波長域に亘っての高い回折効率が得られない。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(9)の上限値を700にすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(9)の下限値を100にすることが好ましい。
また、d線での回折効率をEdとし、g線での回折効率をEgとし、C線での回折効率をECとし、回折光学系の焦点距離をfとし、d線、g線、C線およびF線のスペクトルの光軸方向の拡がり幅をΔとしたとき、次式(10)の条件を満足することが好ましい。
(Ed+Eg+EC)・f/Δ>200 …(10)
上記条件式(10)は、適切な軸上色収差の補正範囲と回折効率の広波長域化の条件を規定するものである。この条件式(10)は、その数値が大きいほど、広波長域に亘る波長に対して回折効率が高く、軸上色収差が小さいことを示す。なお、条件式(10)の下限値を下回ると、所要の回折効率および色収差補正を達することが困難となり、好ましくない。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(10)の下限値を400にすることが好ましい。
実際に、本実施形態の回折光学系を構成する際には、以下に述べる要件を満たすことがなお好ましい。
本実施形態における回折光学系のレンズ構成は、観察側乃至スクリーン側から、第1凸レンズ成分と、第2凸レンズ成分と(第1の回折光学面が形成されている)凹レンズ成分との接合レンズとを含んで構成されている。そして、凹レンズと光学部材のうち、一方が相対的に高屈折率低分散材料で形成され、他方が相対的に低屈折率高分散材料で形成されている。なお、回折光学系を構成するベースのレンズ(本実施形態では凹レンズ)は、ガラスでも樹脂でもよいが、屈折率や分散の種類が多いガラスを用いた場合は結像性能の高性能化に有利であり、樹脂を用いた場合は(ガラスに比べて)比重が小さいため、レンズ系の軽量化に有利である。
また、第1の回折光学面は瞳に向いた凹面に配設され、前記第1の回折光学面の格子の段差部分は光軸に対して傾けて形成されていることが好ましい。この構成により、斜入射する光線による散乱や反射によるフレアを減ずることができ、良好な画質を得ることができる。また、迷光やフレアの発生を抑えるため、回折光学面の段差部分の表面(図1(b)の付番13参照)を、微細な階段状に形成したり、黒く塗ったり(いわゆる黒化処理)することが好ましい。
また、回折光学面(格子)を形成する光学部材(本光学系では凹レンズ成分および光学部材)は、成形性を良好に保ち、優れた量産性を確保するために、どちらか一方の光学素子要素を構成する材料の粘度(未硬化物粘度)が少なくとも5mPa・s以上50000mPa・s以下であることが好ましい。この粘度が5mPa・s以下であると、成形中に樹脂が流れやすくなり、精密な形状を形成することが困難となってしまい、作業性が落ちることもある。また、粘度が50000mPa・s以上であると、樹脂が流れにくく作業性が悪くなったり、気泡が混入しやすくなったりする。
さらに、回折光学面(格子)を形成する光学部材は、生産効率を向上させるため、いずれもUV硬化型樹脂を用いて形成されることが好ましい。これにより、工数を削減でき、コストダウンにも繋がり、好都合である。
また、上記のように、回折光学面(格子)を形成する光学部材がいずれも樹脂である場合、小型化・軽量化のため、これら樹脂の比重がいずれも2.0以下であることが好ましい。ガラスに比して樹脂は比重が小さいため、光学系の軽量化に非常に有効である。さらに効果を発揮するには、比重が1.6以下であることがより好ましい。
また、回折光学面(格子)を形成する光学部材のうち、いずれかの樹脂に色素を混入させて、色フィルター効果を持たせることも可能である。例えば、CCDの迷光対策のため赤外線カットフィルタなどを構成し、小型撮像光学系を構成することもできる。
また、絞りは、光学系の光路中に随意に設置することが可能であるが、不要な光線をカットして、結像に有用な光線のみを通すように構成することが好ましい。例えば、レンズ枠そのものを開口絞りとしてもよく、レンズから離れた位置にメカ部材で絞りを構成してもよい。なお、絞りの形状は、設計仕様に応じて、円形に限らず、楕円や矩形としてもよい。
また、本実施形態の回折光学系を観察光学系に用いる場合、そのルーペ倍率が2倍以上で且つ20倍以下である観察光学系に用いることが好ましい。なお、本回折光学系を組み込んで得られる複数の構成要素からなる光学系も、本発明の範囲を逸脱するものではない。さらに、屈折率分布型レンズ、結晶材料レンズなどを組み込んで得られる回折光学系に関しても同様である。
以下、各実施例を図面に基づいて説明する。以下に、表1〜表3を示すが、これらは第1〜第3実施例における各諸元の表である。いずれの表においても、面番号はアイポイントEP側からのレンズ面の順序を、rは各レンズ面の曲率半径を、dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔を、ndはd線(波長587.56nm)に対する屈折率を、ngはg線(波長435.8nm)に対する屈折率を、nCはC線(波長656.3nm)に対する屈折率を、nFはF線(波長486.1nm)に対する屈折率をそれぞれ示す。なお、曲率半径rはアイポイント側に向かって凸面の曲率を正とし、アイポイント側に向かって凹面の曲率半径をrとしている。また、曲率半径rの「0.00000」は平面を示している。また、表中において、上記の条件式(1)〜(10)に対応する値(条件式対応値)も示している。
なお、表中において、曲率半径、面間隔およびその他の長さの単位は、一般に「mm」が使われている。但し、光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
また、表中において面番号の右側に*印が付される非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、以下の式(a)で表される。また、Enは、×10nを表す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。
S(y)=(y2/r)/{1+(1−κ・y2/r21/2
+C2×y2+C4×y+C6×y+C8×y8+C10×y10 …(a)
また、表中のレンズ諸元において、回折光学面は、上記の式(a)を用いて行う超高屈折率法に従って表現されている。超高屈折率法では、密着複層型の回折光学素子の回折光学面を「薄いレンズ」と見なして、非常に高い屈折率の光学部材と非球面式とにより回折光学面の光学特性を表現するものである。このように、各実施例において、非球面レンズ面および回折光学面のいずれにも式(a)が用いられるが、非球面レンズ面に用いられる式(a)はレンズ面の非球面形状そのものを示し、回折光学面に用いられる式(a)は回折光学面の性能の諸元を示す。なお、本実施例では収差特性の算出対象として、d線(波長587.6nm、屈折率10001)、C線(波長656.3nm、屈折率11170.4255)、F線(波長486.1nm、屈折率8274.7311)およびg線(波長435.8nm、屈折率7418.6853)を選んでいる。
(第1実施例)
第1実施例について、図2〜図4及び表1を用いて説明する。第1実施例に係る接眼光学系は、図2に示すように、例えば対物系を介して形成された中間像のような観察物体OBとアイポイントEPとの間の光路中において、アイポイントEP(観察眼側)から順に、物体側レンズ面が非球面形状であり、アイポイント側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1(第1凸レンズ成分)と、アイポイントEP側レンズ面に回折光学面を介して光学部材を備えた両凹レンズL21(凹レンズ成分)と両凸レンズL22(第2凸レンズ成分)の接合レンズL2とを有して構成されている。すなわち、第1実施例では、両凹レンズL21とこれに隣接した光学部材とにより、密着複層型の回折光学素子PFを構成している。なお、この接眼光学系の全画角は32.4度である。
表1に第1実施例における各諸元の表を示す。なお、表1における面番号1〜8は、図2における面番号1〜8と対応している。表1において、面番号3に相当するレンズ面が非球面を、面番号5の屈折率データおよび非球面データが密着複層型の回折光学素子PFの回折光学面の光学特性を表現している。
(表1)
[レンズ諸元]
面番号 r d nd ng nC nF
1 0.00000 16.00000 1.000000
2 -88.00000 1.80000 1.743200 1.762050 1.738650 1.753720
3* -22.16732 0.20000 1.000000
4 -45.00000 0.25000 1.556900 1.570900 1.553600 1.564700
5* -45.00000 0.00000 A B C D
6 -45.00000 0.25000 1.518900 1.538000 1.514400 1.528900
7 60.00000 2.30000 1.772500 1.791970 1.767800 1.783370
8 -35.00000 23.03423 1.000000
A=0.10010000E-05,B=0.741868530E-04,C=0.111704255E-05,D=0.827473110E-04
[非球面データ]
第3面:
κ=1.0000 C2=0.00000E-00 C4=1.06740E-06,
C6=1.11480E-08 C8=6.50470E-10 C10=0.00000E-00
第5面:
κ=1.0000 C2=1.35920E-07 C4=-3.63580E-10
C6=4.33930E-12 C8=-1.24290E-14 C10=0.00000E-00
[条件式対応値]
t=0.25
f=23.699
ΔNd=0.038
fN=-49.515
s=4.8
L=43.834
Δ=0.0904
Eg=0.944
EC=0.965
Ed=1.000
dN=0.25
h=15.000
d=0.25
Δνd=14.38
ΔNd=0.038
Eg+Ed+EC=2.909
(1)t/f=0.01055
(2)ΔNd=0.038
(3)fN/f=-2.089
(4)(t・s)/L2=0.00062
(5)Δ/f=0.00381
(6)(Eg+EC)/(2×Ed)=0.955
(7)(t+dN)/s=0.1042
(8)h/d=60.00
(9)Δνd/ΔNd=378.42
(10)(Eg+Ed+EC)・f/Δ=762.62
表1に示す諸元の表から分かるように、本実施例に係る回折光学系では、上記条件式(1)〜(10)を全て満たすことが分かる。
図3は、第1実施例の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差を示す図である。なお、収差状況は、アイポイントEP側から光線追跡を行った結果を示している。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは観察物体OBにおける物体高(中間像の像高)を、dはd線(波長587.6nm)を、gはg線(波長435.6nm)を、FはF線(波長486.1nm)を、CはC線(波長656.3nm)をそれぞれ示している。なお、球面収差図では最大口径に対するNAの値、非点収差図と歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。また、非点収差図では実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示す。以上の収差図の説明は、他の実施例においても同様とし、その説明を省略する。各収差図から明らかなように、第1実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
なお、図4に示す曲線AおよびBは、d線での回折効率が100%となるように設定した回折効率の分布であり、曲線Aは両凹レンズL21の表面に回折格子溝が形成された単層型の回折光学素子における回折効率、曲線Bは前記両凹レンズL21とこれに回折光学面を介して隣接する光学部材とからなる複層型の回折光学素子PFにおける回折効率を示す。本実施例において、回折光学素子PFを複層型とすることで、g線からC線までの波長領域で0.95(95%)以上の高い回折効率(光強度)が得られることが分かる。
(第2実施例)
第2実施例について、図5、図6及び表2を用いて説明する。第2実施例に係る接眼光学系は、図5に示すように、アイポイントEP(観察眼側)から順に、アイポイントEP側レンズ面に回折光学面を介して光学部材を備えた両凹レンズL11(凹レンズ成分)と両凸レンズL12(第2凸レンズ成分)の接合レンズL1と、物体側レンズ面が非球面形状である両凸レンズL2(第1凸レンズ成分)とを有して構成されている。すなわち、第2実施例では、両凹レンズL11とこれに隣接した光学部材とにより、密着複層型の回折
光学素子PFを構成している。なお、この接眼光学系の全画角は31.1度である。
表2に第2実施例における各諸元の表を示す。なお、表2における面番号1〜8は、図5における面番号1〜8と対応している。表2において、面番号7に相当するレンズ面が非球面を、面番号3の屈折率データおよび非球面データが密着複層型の回折光学素子PFの回折光学面の光学特性を表現している。
(表2)
[レンズ諸元]
面番号 r d nd ng nC nF
1 0.00000 17.00000 1.000000
2 -38.00000 0.25000 1.556900 1.570900 1.553600 1.564700
3* -38.00000 0.00000 A B C D
4 -38.00000 0.25000 1.518900 1.538000 1.514400 1.528900
5 -70.00000 2.00000 1.834810 1.859530 1.828970 1.848510
6 -38.00000 0.20000 1.000000
7* 300.00000 1.80000 1.694000 1.709300 1.690240 1.702570
8 -31.37864 24.59430 1.000000
A=0.10010000E-05,B=0.741868530E-04,C=0.111704255E-05,D=0.827473110E-04
[非球面データ]
第3面:
κ=1.0000 C2=1.45000E-07 C4=-3.63580E-10
C6=4.33930E-12 C8=-1.24290E-14 C10=0.00000E-00
第7面:
κ=1.0000 C2=0.00000E-00 C4=-1.11480E-08
C6=-1.11480E-08 C8=-3.00000E-10 C10=0.00000E-00
[条件式対応値]
t=0.25
f=24.887
ΔNd=0.038
fN=-47.428
s=4.5
L=46.094
Δ=0.1268
Eg=0.944
EC=0.965
Ed=1.000
dN=0.25
h=15.000
d=0.25
Δνd=14.38
ΔNd=0.038
Eg+Ed+EC=2.909
(1)t/f=0.01005
(2)ΔNd=0.038
(3)fN/f=-1.906
(4)(t・s)/L2=0.00053
(5)Δ/f=0.00510
(6)(Eg+EC)/(2×Ed)=0.955
(7)(t+dN)/s=0.1111
(8)h/d=60.00
(9)Δνd/ΔNd=378.42
(10)(Eg+Ed+EC)・f/Δ=570.94
表2に示す諸元の表から分かるように、本実施例に係る回折光学系では、上記条件式(1)〜(10)を全て満たすことが分かる。
図6は、第2実施例の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差を示す図である。各収差図から明らかなように、第2実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
(第3実施例)
第3実施例について、図7、図8及び表3を用いて説明する。第3実施例に係る接眼光学系は、図7に示すように、アイポイントEP(観察眼側)から順に、物体側レンズ面が非球面形状であり、アイポイントEP側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(第1凸レンズ成分)L1と、両凸レンズL21(第2凸レンズ成分)とアイポイントEP側レンズ面に回折光学面を介して光学部材を備えた両凹レンズL22(凹レンズ成分)の接合レンズL2とを有して構成されている。すなわち、第3実施例では、両凹レンズL22とこれに隣接した光学部材とにより、密着複層型の回折光学素子PFを構成している。なお、この接眼光学系の全画角は34.6度である。
表3に第3実施例における各諸元の表を示す。表3における面番号1〜8は、図7における面番号1〜8と対応している。表3において、面番号3に相当するレンズ面が非球面を、面番号6の屈折率データおよび面番号7の非球面データが密着複層型の回折光学素子PFの回折光学面の光学特性を表現している。
(表3)
[レンズ諸元]
面番号 r d nd ng nC nF
1 0.00000 16.00000 1.000000
2 -193.80000 2.10000 1.524700 1.536490 1.521960 1.531290
3* -18.73440 0.20000 1.000000
4 29.07000 2.50000 1.524700 1.536490 1.521960 1.531290
5 -48.30771 0.25000 1.556900 1.570900 1.553600 1.564700
6 -48.30771 0.00000 A B C D
7* -48.30771 0.25000 1.518900 1.538000 1.514400 1.528900
8 290.70000 20.52985 1.000000
A=0.10010000E-05,B=0.741868530E-04,C=0.111704255E-05,D=0.827473110E-04
[非球面データ]
第3面:
κ=0.5000 C2=0.00000E-00 C4=-1.13540E-05,
C6=7.78480E-08 C8=-3.20250E-10 C10=0.00000E-00
第7面:
κ=1.0000 C2=-1.39320E-07 C4=3.40630E-10
C6=-3.89240E-12 C8=1.06750E-14 C10=0.00000E-00
[条件式対応値]
t=0.25
f=22.487
ΔNd=0.038
fN=-79.810
s=5.3
L=41.830
Δ=0.0777
Eg=0.944
EC=0.965
Ed=1.000
dN=0.25
h=15.000
d=0.25
Δνd=14.38
ΔNd=0.038
Eg+Ed+EC=2.909
(1)t/f=0.01112
(2)ΔNd=0.038
(3)fN/f=-3.549
(4)(t・s)/L2=0.00076
(5)Δ/f=0.00346
(6)(Eg+EC)/(2×Ed)=0.955
(7)(t+dN)/s=0.0943
(8)h/d=60.000
(9)Δνd/ΔNd=378.42
(10)(Eg+Ed+EC)・f/Δ=841.88
表3に示す諸元の表から分かるように、本実施例に係る回折光学系では、上記条件式(1)〜(10)を全て満たすことが分かる。
図8は、第3実施例の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差を示す図である。各収差図から明らかなように、第3実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
(第4実施例)
第4実施例について、図9、図10及び表4を用いて説明する。第4実施例に係る接眼光学系は、図9に示すように、対物系を介して形成された中間像のような観察物体OBとアイポイントEPとの間の光路中において、アイポイントEP(観察眼側)から順に、両凸レンズ(凸レンズ成分)L1と、観察物体OB側レンズ面に回折光学面を介して光学部材を備え、アイポイントEP側に凹面を向けた負メニスカスレンズL2(凹レンズ成分)との接合レンズを有して構成されている。すなわち、第4実施例では、負メニスカスレンズL2とこれが備える光学部材とにより、密着複層型の回折光学素子PFを構成している。なお、この接眼光学系の全画角は26.7度である。また、両凸レンズL1のアイポイントEP側レンズ面および光学部材の観察物体OB側レンズ面はともに非球面である(後述の表4における面番号2および面番号6に相当)。
表4に第4実施例における各諸元の表を示す。表4における面番号1〜6は、図9における面番号1〜6と対応している。なお、表4において、面番号4の屈折率データおよび非球面データにより、密着複層型の回折光学素子PFの回折光学面の光学特性を表現している。
(表4)
[レンズ諸元]
面番号 r d nd ng nC nF
1 0.00000 16.00000 1.000000
2* 24.00000 5.50000 1.524700 1.536490 1.521960 1.531290
3 -15.00000 0.30000 1.518900 1.538000 1.514400 1.528900
4* -28.00000 0.00000 A B C D
5 -28.00000 0.20000 1.556900 1.570900 1.553600 1.564700
6* -28.00000 22.09906 1.000000
A=0.10010000E-05,B=0.741868530E-04,C=0.111704255E-05,D=0.827473110E-04
[非球面データ]
第2面:
κ=-1.5000 C2=0.00000E-00 C4=6.32910E-05,
C6=-2.01180E-06 C8=2.66680E-08 C10=-1.70000E-10
第4面:
κ=1.0000 C2=1.20000E-07 C4=-1.96830E-09
C6=7.05190E-11 C8=-9.50000E-13 C10=5.40510E-15
第6面:
κ=-9.3788 C2=0.00000E-00 C4=-1.03200E-05
C6=-8.32630E-07 C8=1.07660E-08 C10=-6.20740E-11[条件式対応値]
t=0.30
f=24.184
ΔNd=0.038
fN=-73.974
s=6.0
L=44.099
Δ=0.0657
Eg=0.944
EC=0.965
Ed=1.000
dN=0.30
h=15.000
d=0.20
Δνd=14.38
ΔNd=0.038
Eg+Ed+EC=2.909
(1)t/f=0.0124
(2)ΔNd=0.0380
(3)fN/f=-3.0588
(4)(t・s)/L2=0.000926
(5)Δ/f=0.002717
(6)(Eg+EC)/(2×Ed)=0.95450
(7)(t+dN)/s=0.10000
(8)h/d=75.000
(9)Δνd/ΔNd=378.42
(10)(Eg+Ed+EC)・f/Δ=1070.795373
表4に示す諸元の表から、本実施例に係る回折光学系では、上記条件式(1)〜(10)を全て満たすことが分かる。
図10は、第4実施例の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差を示す図である。各収差図から明らかなように、第4実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
(第5実施例)
第5実施例について、図11、図12及び表5を用いて説明する。第5実施例に係る接眼光学系は、図11に示すように、対物系を介して形成された中間像のような観察物体OBとアイポイントEPとの間の光路中において、アイポイントEP(観察眼側)から順に、両凸レンズ(凸レンズ成分)L1と、アイポイントEP側に凹面を向けた負メニスカスレンズL2(第1凹レンズ成分)と、観察物体OB側レンズ面に回折光学面を介して光学部材を備え、アイポイントEP側に凹面を向けた負メニスカスレンズL3(第2凹レンズ成分)との接合レンズを有して構成されている。すなわち、第5実施例では、負メニスカスレンズL3とこれが備える光学部材とにより、密着複層型の回折光学素子PFを構成している。なお、この接眼光学系の全画角は15.2度である。また、両凸レンズL1のアイポイントEP側レンズ面および光学部材の観察物体OB側レンズ面はともに非球面である(後述の表5における面番号2および面番号7に相当)。
表5に第5実施例における各諸元の表を示す。表5における面番号1〜7は、図11における面番号1〜7と対応している。なお、表5において、面番号5の屈折率データおよび非球面データにより、密着複層型の回折光学素子PFの回折光学面の光学特性を表現している。
(表5)
[レンズ諸元]
面番号 r d nd ng nC nF
1 0.00000 21.00000 1.000000
2* 24.00000 5.00000 1.524700 1.536490 1.521960 1.531290
3 -15.00000 1.00000 1.582760 1.607990 1.577240 1.596450
4 -28.00000 0.20000 1.518900 1.538000 1.514400 1.528900
5* -28.00000 0.00000 A B C D
6 -28.00000 0.20000 1.556900 1.570900 1.553600 1.564700
7* -28.00000 23.43431 1.000000
A=0.10010000E-05,B=0.741868530E-04,C=0.111704255E-05,D=0.827473110E-04
[非球面データ]
第2面:
κ=-1.2000 C2=0.00000E-00 C4=6.32910E-05,
C6=-2.01180E-06 C8=2.66680E-08 C10=-1.50000E-10
第5面:
κ=1.0000 C2=9.00000E-08 C4=-1.96830E-09
C6=7.05190E-11 C8=-1.00000E-12 C10=5.40510E-15
第7面:
κ=-9.3788 C2=0.00000E-00 C4=-1.03200E-05
C6=-8.32630E-07 C8=1.07660E-08 C10=-6.20740E-11[条件式対応値]
t=0.20
f=25.712
ΔNd=0.038
fN=-49.392
s=6.4
L=50.834
Δ=0.0437
Eg=0.944
EC=0.965
Ed=1.000
dN=0.30
h=15.000
d=0.20
Δνd=14.38
ΔNd=0.038
Eg+Ed+EC=2.909
(1)t/f=0.0078
(2)ΔNd=0.0380
(3)fN/f=-1.921
(4)(t・s)/L2=0.000495
(5)Δ/f=0.001700
(6)(Eg+EC)/(2×Ed)=0.95450
(7)(t+dN)/s=0.07813
(8)h/d=75.000
(9)Δνd/ΔNd=378.42
(10)(Eg+Ed+EC)・f/Δ=1711.583707
表5に示す諸元の表から、本実施例に係る回折光学系では、上記条件式(1)〜(10)を全て満たすことが分かる。
図12は、第5実施例の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差を示す図である。各収差図から明らかなように、第5実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
(第6実施例)
第6実施例について、図13、図14及び表6を用いて説明する。第6実施例に係る接眼光学系は、図13に示すように、対物系を介して形成された中間像のような観察物体OBとアイポイントEPとの間の光路中において、アイポイントEP(観察眼側)から順に、
アイポイントEP側レンズ面に回折光学面を介して光学部材を備え、アイポイントEP側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1(凹レンズ成分)と、両凸レンズ(凸レンズ成分)L2との接合レンズを有して構成される。すなわち、第6実施例では、負メニスカスレンズL1とこれが備える光学部材とにより、密着複層型の回折光学素子PFを構成している。なお、この接眼光学系の全画角は24.2度である。また、光学部材のアイポイントEP側レンズ面および両凸レンズL2の観察物体OB側レンズ面はともに非球面である(後述の表6における面番号2および面番号6に相当)。
表6に第6実施例における各諸元の表を示す。表6における面番号1〜6は、図13における面番号1〜6と対応している。なお、表6において、面番号3の屈折率データおよび面番号4の非球面データにより、密着複層型の回折光学素子PFの回折光学面の光学特性を表現している。
(表6)
[レンズ諸元]
面番号 r d nd ng nC nF
1 0.00000 21.00000 1.000000
2* 28.00000 0.20000 1.556900 1.570900 1.553600 1.564700
3 28.00000 0.00000 A B C D
4* 28.00000 0.30000 1.518900 1.538000 1.514400 1.528900
5 15.00000 5.50000 1.490800 1.501600 1.488300 1.496900
6* -28.00000 24.32488 1.000000
A=0.10010000E-05,B=0.741868530E-04,C=0.111704255E-05,D=0.827473110E-04
[非球面データ]
第2面:
κ=-9.3788 C2=0.00000E-00 C4=1.00000E-05,
C6=8.50000E-07 C8=-1.07660E-08 C10=7.00000E-11
第4面:
κ=1.0000 C2=-1.20000E-07 C4=-1.96830E-09
C6=-7.05190E-11 C8=9.50000E-13 C10=-5.40510E-15
第6面:
κ=-1.5000 C2=0.00000E-00 C4=-5.50000E-05
C6=1.50000E-06 C8=-2.00000E-08 C10=1.60000E-10[条件式対応値]
t=0.30
f=26.355
ΔNd=0.038
fN=-73.974
s=6.0
L=48.325
Δ=0.189
Eg=0.944
EC=0.965
Ed=1.000
dN=0.30
h=15.000
d=0.20
Δνd=14.38
ΔNd=0.038
Eg+Ed+EC=2.909
(1)t/f=0.0114
(2)ΔNd=0.0380
(3)fN/f=-2.8068
(4)(t・s)/L2=0.000771
(5)Δ/f=0.007171
(6)(Eg+EC)/(2×Ed)=0.95450
(7)(t+dN)/s=0.10000
(8)h/d=75.000
(9)Δνd/ΔNd=378.42
(10)(Eg+Ed+EC)・f/Δ=405.6438889
表6に示す諸元の表から、本実施例に係る回折光学系では、上記条件式(1)〜(10)を全て満たすことが分かる。
図14は、第6実施例の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差を示す図である。各収差図から明らかなように、第6実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
比較のため、表7に、上記の各実施例において、レンズ系に回折光学素子PFがない場合は、レンズ系に回折光学素子PFがある場合に対してどのくらい色収差(軸上色収差および倍率色収差)が発生するかを示す。
(表7)
軸上色収差 倍率色収差
第1実施例 6.6倍 5.1倍
第2実施例 5.3倍 4.5倍
第3実施例 5.5倍 6.1倍
第4実施例 10.9倍 3.8倍
第5実施例 6.2倍 4.1倍
第6実施例 2.5倍 7.5倍
表7から、上記の各実施例において、レンズ系に回折光学素子がないと、レンズ系に回折光学素子PFがある場合と比べて、軸上色収差および倍率色収差ともに悪化していることが分かる。言い換えると、上記の各実施例では、接眼光学系に所要の条件を満足する(密着複層型の)回折光学素子PFが組み込まれているため、この複層型の回折光学素子PFの作用により、広波長域に亘り色収差が良好に補正されていることが分かる。このように、各実施例において、小型軽量薄型で且つ優れた光学性能を有する接眼光学系が実現されていることが分かる。
なお、上記の各実施例では、接眼光学系に密着複層型の回折光学素子PFを組み込んでいるが、これに限定されることはなく、分離複層型の回折光学素子を組み込むことにより同様の効果を得ることも可能である。
また、上記の各実施例では、接眼光学系に本発明を適用しているが、これに限定されることなく、接眼光学系以外の観察光学系や、各実施例の観察物体の位置に配置された表示素子の画像をスクリーンに対して投射する投射光学系や、凹レンズを備える一般の回折光学系に対しても、本発明を適用することができる。
ここで、投射光学系に対して上記の第1実施例の回折光学系(図2参照)を適用した場合について説明すると、例えば、正メニスカスレンズL1を0.565mmアイポイントEP側に繰り出した第1実施例の光学系を用いて、観察物体OBの位置に配置した表示素子(例えば、液晶表示装置など)の画像を、アイポイントEPの位置から1m先においたスクリーン上に投射することで、前記表示素子の画像を拡大観察することができる。なお、このとき投影倍率は41.97倍であり、表示素子の画像がスクリーン上に対角長578mm(約23インチ)で拡大投射される。図15に、第1実施例を適用した投射光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差を示す。各収差図から明らかなように、該投射光学系では諸収差が良好に補正され、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
次に、上記実施形態の回折光学系を用いた光学機器について簡単に説明する。
図16は上記実施形態の回折光学系を用いたヘッドマウントディスプレイの概略構成図である。ヘッドマウントディスプレイは、使用者の頭部に装着して該使用者に映像や音声を提供するシステムであり、ヘッドホンタイプの頭部装着部40と、頭部装着部40に取り付け可能なディスプレイユニット部50と、ディスプレイユニット部50に音声信号や映像信号を供給し、各部材に電力を供給する再生機器部60とから構成される。
頭部装着部40は、使用者への装着時に該使用者の左右の耳近傍に位置する一対のスピーカ部41と、このスピーカ部41を介して使用者の頭部を挟持する付勢力を与えるアーム部42と、一対のスピーカ部41それぞれからアーチ状に延びて使用者の耳に引っ掛けるための耳掛け部材43とから構成される。スピーカ部41は、それぞれディスプレイユニット部50の結合部51と嵌合可能な形状を有しており、外側に該ディスプレイユニット部50との電気接点44が設けられている。なお、スピーカ部41にディスプレイユニット部50を取り付けない場合は、ダミーキャップ55を取り付けることで外観を良好にしている。
次に、ディスプレイユニット部50は、スピーカ部41の外側に嵌合可能な結合部51と、結合部51に取り付けられて後述のディスプレイアーム53を収納する空間を具備する収納部52と、収納部52への収納・引き出しが可能でありその先端には液晶表示素子や上記実施形態の回折光学系などが組み込まれた表示部54が取り付けられているディスプレイアーム53とから構成される。また、ディスプレイユニット部50は、再生機器部60と接続されており、再生機器部60から供給される電力及び映像信号を表示部54に供給し、且つ、音声信号を結合部51に供給するように配線が組まれている。
結合部51は、スピーカ部41の電気接点44と接続可能な電気接点(図示略)を有しており、この電気接点(図示略)を介してスピーカ部41に音声信号を供給している。
ディスプレイアーム53は、上記したように収納部52に収納可能となっており、本ヘッドマウントディスプレイの装着時には、表示部54が使用者の眼前に位置するように、ディスプレイアーム53を収納部52から繰り出して使用する。また、非装着時には、ディスプレイアーム53を収納部52内に収納できるようになっている。
表示部54は、図16に示すように、ディスプレイアーム53による片持ち梁構造で支持している。そのため、表示部54の小型化及び軽量化が求められる。表示部54内に設けられているこの光学系は、液晶表示素子と、液晶表示素子の映像の虚像を形成する回折光学系と、液晶表示素子を照明するバックライトと、バックライトの光を集光して拡散する照明光学素子とから構成される。照明光学素子は、バックライト側が該バックライトの光を集光するためのレンズ面となっており、液晶表示素子側がスリガラス状又はマイクロレンズアレイ状の拡散面となっており、この構成によって液晶表示素子の照明分布を均一化している。なお、レンズ面はフレネルレンズ形状であってもよい。
ここで、回折光学系は、上記の本実施形態において説明した回折光学系であり、屈折作用による集光作用と回折作用を併せ持ったもので、屈折作用により生ずる色収差を回折作用で相殺させている。それゆえ、上記のようにヘッドマウントディスプレイの接眼レンズに用いて、フルカラーの映像を投影しても、高品質な映像を使用者に提供することができる。
上記実施形態では、光学機器の例としてヘッドマウントディスプレイを示したが、本実施形態の回折光学素子を利用した光学機器はこれらに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しなければ、その他様々な光学系、光学機器(例えば、カメラ、プロジェクター等)に対して応用でき、良好な光学性能を得ることができる。
以上のように、本発明を分かりやすくするため、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。

Claims (11)

  1. 回折光学素子を含む回折光学系において、
    前記回折光学素子は、第1の回折光学面を有する凹レンズ成分と、第2の回折光学面を有する光学部材とを有し、
    前記凹レンズ成分と前記光学部材とは、前記第1の回折光学面と前記第2の回折光学面とが互いに対向するように配置され、
    前記凹レンズ成分の光軸上の厚さをtとし、前記回折光学系の焦点距離をfとしたとき、次式
    0.003<t/f<0.3
    の条件を満足することを特徴とする回折光学系。
  2. d線における前記凹レンズ成分と前記光学部材との屈折率差をΔNdとしたとき、次式 0.005<ΔNd<0.45
    の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の回折光学系。
  3. 前記凹レンズ成分の焦点距離をfN(<0)とし、前記回折光学系の焦点距離をfとしたとき、次式
    −8.5<fN/f<−0.3
    の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の回折光学系。
  4. 前記凹レンズ成分の光軸上の厚さをtとし、前記回折光学系の光軸上の総厚をsとし、瞳から像面までの距離をLとしたとき、次式
    0.00015<(t・s)/L2<0.1
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回折光学系。
  5. d線、g線、C線およびF線のスペクトルの光軸方向の拡がり幅をΔとし、前記回折光学系の焦点距離をfとしたとき、次式
    0.001<Δ/f<0.1
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の回折光学系。
  6. d線での回折効率をEdとし、g線での回折効率をEgとし、C線での回折効率をECとしたとき、次式
    (Eg+EC)/(2×Ed)>0.8
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の回折光学系。
  7. 前記凹レンズ成分の光軸上の厚さをtとし、前記光学部材の光軸上の厚さをdNとし、前記回折光学系の光軸上の総厚をsとしたとき、次式
    0.03<(t+dN)/s<0.5
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の回折光学系。
  8. 前記第1の回折光学面の格子高さをhとし、前記凹レンズ成分の光軸上の厚さと前記光学部材の光軸上の厚さのうち薄い方の厚さをdとしたとき、次式
    10<h/d<500
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の回折光学系。
  9. 第1凸レンズ成分と、第2凸レンズ成分と前記凹レンズ成分との接合レンズとを含み、
    前記凹レンズ成分および前記光学部材のうち、一方が相対的に高屈折率低分散材料で形成され、他方が相対的に低屈折率高分散材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の回折光学系。
  10. 前記第1の回折光学面は瞳に向いた凹面に配設され、
    前記第1の回折光学面の格子の段差部分は光軸に対して傾けて形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の回折光学系。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の回折光学系を有することを特徴とする光学機器。
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