JP2004126472A - 望遠レンズ - Google Patents

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常世田 義文
Kenzaburo Suzuki
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Abstract

【課題】色収差を良好に補正し、軽量化した望遠レンズを提供する。
【解決手段】物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成される望遠レンズTLにおいて、第1レンズ群G1に回折光学面Gfを有する回折光学素子L12Eを配置して所定条件を満足するように望遠レンズTLを構成することにより、比重の重い異常分散性のガラスの使用量を低減し軽量化した望遠レンズTLを提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀塩写真やデジタル写真などに使用する望遠レンズに関し、特に、画面サイズが大きい大判カメラの望遠レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に4インチ×5インチ以上の大きさのシートフィルムを使うカメラを大判カメラと呼んでいるが、この大判カメラ用の望遠レンズとしては、例えば、図6に示される構成であるテレタイプのレンズが良く知られている。このテレタイプの望遠レンズは、光路順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成されており、第1レンズ群G1は、両凸レンズL1と両凹レンズL2の組み合わせレンズで構成され、第2レンズ群G2は物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL3と正レンズL4で構成されている。このテレタイプのレンズは第2レンズ群G2を構成する負メニスカスレンズL3の作用によりレンズ全長をその焦点距離よりも短くすることができるという特徴がある(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
写真工業編集部編,「大型カメラ用交換レンズの性能解説」,写真工業別冊ラージフォーマットカメラ,写真工業出版社,昭和47年2月15日,p.231−232(コムラー400mmF8)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した大判カメラ用の望遠レンズは、通常の分散特性のガラスを使用したレンズで構成されているため、色収差、特に光の波長の違いによって光軸上の結像位置が異なることに起因する軸上色収差の発生が大きいという問題があった。この軸上色収差を補正するために、異常分散性のガラスを用いた望遠レンズも存在するが、異常分散性のガラスは比重が大きく、その結果、製品の重量が重くなるという欠点がある。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、色収差(特に軸上色収差)を良好に補正した状態で、異常分散性のガラスの使用枚数を低減して軽量化した望遠レンズを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る望遠レンズは、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群とから構成され、第1レンズ群に回折光学面を有するように構成される。このとき、この望遠レンズの焦点距離をfとし、この望遠レンズの最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をsとし、この望遠レンズの最も物体側のレンズ面から結像面までの光軸上の距離をzとしたとき、式0.05≦s/f≦0.35及び0.3≦z/f≦0.9で表される条件を満足するように構成される。
【0007】
なお、第1レンズ群は、貼り合わせ面または分散色収差補正面を有するように構成されることが好ましい。
【0008】
また、上述の回折光学面を有する回折光学素子が、複層型の回折光学素子(例えば、実施形態における回折光学素子L12E)で構成されることが好ましい。
【0009】
また、第1レンズ群と第2レンズ群の間に、絞り及びシャッター機構(例えば、実施形態における絞りS10)を有するように構成されることが好ましい。
【0010】
そして、この望遠レンズは開放F値が6.3以上であるように構成されることが好ましい。
【0011】
また、第1レンズ群が2枚以上5枚以下のガラスを材質とするレンズで構成され、第2レンズ群が2枚以上5枚以下のガラスを材質とするレンズで構成されることが好ましい。
【0012】
また、この望遠レンズを構成する全てのレンズのアッベ数が75以下であるように構成されることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1及び図3はそれぞれ本発明の第1及び第2の実施形態に対応する望遠レンズTLの構成図であり、いずれの実施例においても、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2とを備えており、第1レンズ群G1中に、回折光学面Gfと貼り合わせ面Tf若しくは分離色収差補正面Hfとを有している。ここで、貼り合わせ面とは、隣接する2つのレンズの対向する面同士が貼り合わされてなる部分(面)をいい、分離色収差補正面とは、隣接する2つのレンズの対向する面同士の曲率半径が等しいかほぼ等しく、且つ、これらの面の間隔が極めて狭くなっている部分をいい、どちらの面も色収差の補正に大きく寄与する面である。
【0014】
図1に示す第1の実施形態に係る望遠レンズTLでは、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11、回折光学素子L12E、両凹レンズL13と両凸レンズL14との貼り合わせからなる接合レンズが設けられた構成となっている。第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹レンズL15と両凸レンズL16との貼り合わせからなる接合レンズと、両凸レンズL17と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL18との貼り合わせからなる接合レンズが設けられた構成となっている。ここで、第1レンズ群G1の回折光学素子L12Eは、物体側に位置する第1回折素子要素と、像側に位置し物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12である第2回折素子要素とを密着接合し、その接合面に回折光学面Gfが形成された密着複層型回折光学素子として構成されている。また、第1レンズ群G1の両凹レンズL13と両凸レンズL14との間には貼り合わせ面Tfが存在している。また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に開口絞りS10が配置されている。なお、図1では開口絞りS10のみを図示しているが、実際の望遠レンズTLではシャッター機構も一体に構成されている。
【0015】
図3に示す第2の実施形態に係る望遠レンズTLでは、第1レンズ群G1は、物体側から順に、回折光学素子L21Eと、両凸レンズL22と両凹レンズL23との貼り合わせからなる接合レンズが設けられた構成となっている。第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL25とが設けられた構成となっている。ここで、第1レンズ群G1の回折光学素子L21Eは、物体側に位置し物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21である第1回折素子要素と、像側に位置する第2回折素子要素とを密着接合し、その接合面に回折光学面Gfが形成された密着複層型回折光学素子として構成されている。また、第1レンズ群G1の両凸レンズL22と両凹レンズL23との間には貼り合わせ面Tfが存在している。また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に開口絞りS20が配置されている。なお、図3では開口絞りS20のみを図示しているが、実際の望遠レンズTLではシャッター機構も一体に構成されている。なお、第1及び第2の実施形態ではいずれも貼り合わせ面Tfを用いているが、分離色収差補正面Hfを用いて色収差の補正を行うことも可能である。
【0016】
ここで、回折光学面について説明する。本発明に係る望遠レンズTLでは、色収差の補正のために回折光学面Gfを有する回折光学素子L12E,L21Eを用いる。回折光学素子は、微小間隔(約1mm)当り数百本程度の細かい等間隔のスリット状若しくは溝状の格子構造を同心円状に備えて作られた回折光学面を有する光学素子であり、光が入射されると、格子ピッチ(スリットや溝の間隔)と光の波長とで定まる方向に回折光束を生じさせる性質を有している。このような回折光学面を有する回折光学素子は種々の光学系に用いられており、例えば、特定次数の回折光を一点に集めてレンズとして使用するものなどが知られている。この回折光学素子L12E,L21Eの回折光学面Gfは分散特性が通常のガラス(屈折光学素子)とは逆で光の波長の減少にともなって屈折率が減少する性質(すなわち負の分散特性)を有しており、上述の色収差を補正する大きな色消し効果が得られるため、この回折光学素子L12E,L21Eを利用することにより異常分散性のガラスを使用しないか若しくは使用枚数を減らしても、色収差を良好に補正することができ、軽量化を達成することができる。
【0017】
しかし、本発明に係る望遠レンズTLの回折光学面Gfのアッベ数は、後述の通り−3.45とゼロに近く、非常に大きな負の分散特性を有している。また、回折光学面Gfに入射する光の波長に対する屈折角の変化は、通常硝種(ガラスや樹脂など)に入射する光の波長に対する屈折角の変化とは異なる。従って、単に、回折光学面Gfを用いただけでは、色消し効果が大きく色収差が通常硝種とは逆方向に大きく発生してしまい、且つ、この回折光学面Gfで補正されずに残った色収差である2次スペクトルが焦点距離の長い望遠レンズでは大きく発生してしまう可能性がある。これらの色収差を抑えるために、通常硝種による貼り合わせ面Tfまたは分離色収差補正面Hfを用いることが好ましい。特に、これらの面を、最も物体側に近い第1レンズ群G1中に用いると、色収差補正効果をより大きくすることが可能である。
【0018】
さらに本発明に係る望遠レンズTLは、この望遠レンズTLの焦点距離をfとし、この望遠レンズTLの最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をsとし、そして、この望遠レンズTLの最も物体側のレンズ面から結像面までの光軸上の距離をzとしたとき、下の両式(1),(2)で表される条件を満足することが好ましい。
【0019】
【数1】
0.05≦s/f≦0.35 … (1)
0.3≦z/f≦0.9  … (2)
【0020】
上記式(1),(2)は、大判カメラ用望遠レンズとして好適な形状を得るための条件である。条件(1)の上限を超えると、望遠レンズTLの最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離sが長くなりすぎ、大判カメラでの使用上不便な形状となってしまう。また、条件(1)の下限を超えると、第1レンズ群の屈折力及び第2レンズ群の屈折力ともに大きくなるため、収差補正上不利となる。また、条件(2)の上限を超えると、いわゆるテレタイプのレンズ形状ではなくなり、焦点距離とほぼ等しい蛇腹間隔を必要とするようになり、使用上不便となる。また、条件(2)の下限を超えると、第1レンズ群の屈折力及び第2レンズ群の屈折力がともに大きくなってしまうため、収差補正上不利となる。なお、ここで、条件(1)の上限を0.3、下限を0.1とする内の少なくとも一つに限定すれば、さらに良い結果が得られる。また、同様に、条件(2)の上限を0.85、下限を0.35とする内の少なくとも一つに限定すれば、さらに良い結果が得られる。
【0021】
本発明に係る望遠レンズTLは、大判カメラに好適に用いる望遠レンズとするために、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に絞り及びシャッター機構を有するように構成されている。このような構成はいわゆるレンズシャッターを組み込むことで実現することができる。
【0022】
また、本発明では、望遠レンズTLの軽量化を図るために、この望遠レンズTLの開放F値(開放Fナンバー値)を6.3以上としている。開放F値の増大にともなってレンズ口径が小さくなるため、軽量化を図ることができる。
【0023】
さらに、望遠レンズTLの軽量化を図るために、望遠レンズTLを構成する全てのレンズのアッベ数νdが75以下のものを使用している。アッベ数νdが75より大きい値のガラスは、比重が大きいガラスの可能性が高く、望遠レンズの軽量化という点からは避けた方が好ましい。
【0024】
また、上述した回折光学面Gfを有する回折光学素子L12E,L21Eは、図5に示す、いわゆる複層型回折光学素子で構成されることが好ましい。複層型回折光学素子は、異なる材料により回折光学面(回折格子溝)が構成されるものであり、g線(435.8nm)からC線(656.3nm)までの広波長領域で回折効率を90%以上に高くすることが可能な回折光学素子である。なお、回折効率とは、透過型の回折光学素子において、入射する光の強度Iと一次回折光の強度Iとの割合η(=I/I×100%)とする。
【0025】
図5(B)は、互いに異なる材料からなる、鋸歯形状の第1の回折格子溝110を有する第1の回折素子要素a20と第1の回折格子溝110とは異なる高さである鋸歯形状の第2の回折格子溝120を有する第2の回折素子要素b20とから構成され、それぞれの回折格子溝110,120が対向して例えば空気130を挟んで極めて近接した距離を有して分離された状態で配置されている分離複層型回折光学素子を示している。ここで、特定の2波長に対して色消し条件を満足させるように、第1の回折格子溝110の高さd110を所定の値に決定し、第2の回折格子溝120の高さd120を所定の値に決定すると、これにより、特定の2波長に対しては回折効率が1.0となり、その他の波長に対してもかなり高い回折効率を得ることができるようになる。
【0026】
図5(A)は、互いに異なる材料からなる、第1の回折素子要素a10と第2の回折素子要素b10とが密着接合され、これらの回折素子要素の接合面に鋸歯形状の回折格子溝100を有するように構成された密着複層型回折光学素子である。図5(B)に示した分離複層型回折光学素子に比べて、製造工程が簡素化でき、量産効率が良く、入射画角に対する回折効率が良いという長所がある。なお、上述の回折格子溝100,110,120はいずれも鋸歯形状をしているが、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0027】
また、本発明に係る望遠レンズTLを高性能化するためには、少なくとも、第1レンズ群G1中に2枚以上のガラスを材料とするレンズを有し、第2レンズ群G2中に2枚以上のガラスを材料とするレンズを有するように構成されることが好ましい。これは、上述の色補正のためには少なくとも2枚のレンズが必要だからである。しかし、ガラスを材料とするレンズの枚数が増えると、望遠レンズTLの重量が重くなりすぎるため、両レンズ群とも、ガラスを材料とするレンズの枚数は5枚以内とすることが好ましい。
【0028】
【実施例】
以下、本発明に係る望遠レンズの具体的な実施例について説明する。下に示す2つの実施例では、上述した第1及び第2の実施形態に係る望遠レンズTLそれぞれに対応しており、したがって、第1及び第2の実施形態についてのレンズ構成図(図1,図3)はそれぞれ、下の第1及び第2実施例のレンズ構成を示している。なお、各実施例において回折光学素子(L12E,L21E)は、図5(A)に示した密着複層型回折光学素子を用いた。
【0029】
各実施例において非球面は、光軸に垂直な方向の高さ(入射高)をyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(非球面量またはサグ量)をZ(y)とし、基準球面の曲率半径をrとし、近軸曲率半径をRとし、円錐係数をκとし、2次の非球面係数をC、4次の非球面係数をC、6次の非球面係数をC、8次の非球面係数をC、10次の非球面係数をC10としたとき、下の式(3),(4)で表されるものとした。
【0030】
【数2】
Z(y)=(y/r)/(1+(1−κ(y/r))1/2
+C+C+C+C+C1010   …(3)
R=1/((1/r)+2C)           …(4)
【0031】
各実施例において、回折光学面の位相差は、通常の屈折率と前記非球面式(3)、(4)とを用いて行う超高屈折率法により計算した。超高屈折率法は、非球面形状を表す式と回折光学面の格子ピッチとの間の一定の等価関係を利用するものであり、本実施例において回折光学面は超高屈折率法のデータとして、すなわち、前記非球面式(3)、(4)及びその係数により示している。なお、本実施例では収差特性の算出対象としてd線、g線、C線及びF線を選んだ。本実施例において用いたd線、g線、C線及びF線の波長と、各スペクトル線に対して設定した回折光学面の具体的な屈折率の値を下の表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 2004126472
【0033】
なお、本実施例において用いた超高屈折率法については、「『回折光学素子入門』応用物理学会日本光学会監修平成9年第1版発行」に詳しい。
【0034】
(第1実施例)
下の表2に、本第1実施例における各レンズの諸元を示す。本実施例では異常分散性のガラスは使用していない。表2における面番号1〜16は本第1実施例に係る望遠レンズに関するものであり、それぞれ図1における符号1〜16に対応する。また、表2におけるrはレンズ面の曲率半径(非球面の場合には基準球面の曲率半径)を、dはレンズ面の間隔を、νdはアッベ数を、n(d)はd線に対する屈折率をそれぞれ示している。また、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔dその他の長さの単位は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることもできる。なお、非球面係数C(n=2,4,6,8,10)において「E−09」等は「×10−09」等を示す。以上の表2の記号の説明は、以降の実施例の表においても同様である。
【0035】
【表2】
Figure 2004126472
Figure 2004126472
【0036】
このように本実施例では、上記条件式(1),(2)は全て満たされており、また、開放F値が6.3以上で、各レンズのアッベ数も75以下であることが分かる。
【0037】
また、図2は第1実施例における光学系の諸収差図である。各収差図においてFNOはF値(Fナンバー値)を、Yは像高を、Dはd線を、Gはg線を、CはC線を、FはF線をそれぞれ指している。また、球面収差図では最大口径に対するF値(開放F値)を、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。さらに、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。以上の収差図の説明は、以降の他の収差図についても同様である。各収差図から明らかなように、本第1実施例では、異常分散性のガラスを使用していないにもかかわらず、諸収差が良好に補正されており、優れた結像性能が確保されていることが分かる。
【0038】
なお、本第1実施例の光学系のガラス重量は、約430gであり、異常分散性のガラスを用いた従来品の約75%の重さとなっており、軽量化された望遠レンズを提供することができる。。
【0039】
(第2実施例)
下の表3に、本第2実施例における各レンズの諸元を示す。本実施例では異常分散性のガラスは使用していない。表3における面番号1〜12は本発明の望遠レンズに関するものであり、それぞれ図3の符号1〜12に対応する。
【0040】
【表3】
Figure 2004126472
Figure 2004126472
【0041】
このように本実施例では、上記条件式(1),(2)は全て満たされており、また、開放F値が6.3以上であり、各レンズのアッベ数も75以下であることが分かる。また、図4は第2実施例における光学系の諸収差図であるが、各収差図から明らかなように、異常分散性のガラスを使用していないにもかかわらず、諸収差が良好に補正されており、優れた結像性能が確保されていることが分かる。なお、本第2実施例の光学系のガラス重量は、約1,500gであり、異常分散性のガラスを用いた従来品の約80%の重さとなっており、軽量化した望遠レンズを提供することができる。
【0042】
以上の実施例からも分かるように、本発明に係る望遠レンズは、色収差(特に軸上色収差)を良好に補正した状態で、異常分散性のガラスの使用枚数を低減することができ、軽量化した望遠レンズを提供することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る望遠レンズは、回折光学面を有した回折光学素子を使用しているため、この回折光学素子の作用で色収差(特に軸上色収差)を良好に補正することにより異常分散性のガラスの使用枚数を低減することができ、軽量化した望遠レンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る望遠レンズのレンズ構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る望遠レンズの諸収差図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る望遠レンズのレンズ構成を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る望遠レンズの諸収差図である。
【図5】本発明に係る望遠レンズに使用する複層型回折光学素子の模式断面図であり、(A)は密着複層型回折光学素子の模式断面図であり、(B)は分離複層型回折光学素子の模式断面図である。
【図6】大判カメラ用に用いられる従来の望遠レンズのレンズ構成を示す図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
Gf 回折光学面
L12E,L21E 回折光学素子
S10,S20 開口絞り

Claims (7)

  1. 物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群とを備えてなる望遠レンズにおいて、
    前記第1レンズ群に回折光学面を有し、
    前記望遠レンズの焦点距離をfとし、前記望遠レンズの最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をsとし、前記望遠レンズの最も物体側のレンズ面から結像面までの光軸上の距離をzとしたとき、両式
    0.05≦s/f≦0.35
    0.3≦z/f≦0.9
    で表される条件を満足することを特徴とする望遠レンズ。
  2. 前記第1レンズ群は、貼り合わせ面または分離色収差補正面を有することを特徴する請求項1に記載の望遠レンズ。
  3. 前記回折光学面を有する回折光学素子が、複層型の回折光学素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の望遠レンズ
  4. 前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に、絞り及びシャッター機構を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の望遠レンズ。
  5. 開放F値が6.3以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の望遠レンズ。
  6. 前記第1レンズ群が、2枚以上5枚以下のガラスを材質とするレンズで構成され、
    前記第2レンズ群が、2枚以上5枚以下のガラスを材質とするレンズで構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の望遠レンズ。
  7. 前記望遠レンズを構成する全てのレンズのアッベ数が75以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の望遠レンズ。
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