JPWO2009075227A1 - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

本発明は、難燃性を改善し、米国UNDERWRITERS LABORATORIES社規格UL−94に規定されたHBF、HB、V−2相当の難燃レベルを有する積層フィルムを提供するものである。本発明の積層フィルムは、基材熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、ケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を含む化合物とを含有する塗布層が1層以上設けられ、塗布層全体の質量に対するケイ素元素を含まない難燃剤の含有率F(質量%)及び、塗布層全体の質量に対するケイ素元素の含有率S(質量%)が下記条件(i)〜(iii)を満たすものである。(i)F(質量%)≧30(ii)S(質量%)≧0.03(iii)F+S(質量%)≦60また、本発明のバックライト用ランプリフレクター、バックライトおよびLEDを搭載したバックライトは、それぞれかかる積層フィルムを用いて構成されているものである。

Description

本発明は、電子部品等に使用する難燃性を有する積層フィルムに関するものである。さらに詳しくは、液晶ディスプレイ用バックライト等に組み込む積層フィルム、太陽電池モジュールの封止フィルムやバックシート用の積層フィルム、他に、紙代替、すなわちカード、ラベル、シール、宅配伝票、ビデオプリンタ用受像紙、インクジェット、バーコードプリンタ用受像紙、ポスター、地図、無塵紙、表示板、白板、感熱転写、オフセット印刷、テレフォンカード、ICカードなどの各種印刷記録に用いられる受容シートの基材、壁紙等の建材、屋内外で使用する照明器具や間接照明器具、自動車・鉄道・航空機等に搭載する部材、回路材料用等の電子部品に使用するための積層フィルムである。
液晶テレビや太陽電池モジュールでは生産性や価格等の観点から多数の熱可塑性樹脂フィルムが使用されている。例えば液晶テレビではバックライトに、太陽電池モジュールでは裏面封止用シートに、それぞれ光源の光や太陽光を反射するための反射フィルムが用いられている。これら反射フィルムとしては、気泡により形成された多孔質の白色熱可塑性樹脂フィルムが一般的に用いられている(特許文献1参照)。
液晶テレビや太陽電池モジュールに用いられる反射フィルムにおいては、反射特性の向上が強く求められる一方、従来以上に難燃性も同時に求められている。この理由として、例えば液晶テレビにおいては、輝度の諸特性や画面の色再現性を改善するために、バックライトに使用する冷陰極管の出力を高めたり、発光ダイオード(LED)が使用されたりしており、発生する熱や漏れ電流によって使用する反射フィルムの発火・引火に対する安全性が必要だからである。例えば、液晶テレビ用バックライトの内部温度は一般的に約70℃〜90℃まで上昇し、漏れ電流の発生や駆動回路への不意な接触による発火の恐れなどがある。
しかしながら、熱可塑性樹脂フィルム自体は有機物を主成分としているため燃焼しやすかったり、反射フィルムに使用する白色熱可塑性樹脂フィルムではフィルム内部のボイド構造を有するため、一度発火が発生すると燃焼が停止しないばかりか、ボイド内部に存在する空気が燃焼を促進してしまう。これら熱可塑性樹脂フィルムにおいて難燃性を改善するための様々な方法が提案されている。例えば、ポリエステル系樹脂発泡体の樹脂内に難燃剤や難燃助剤を直接含有し難燃性を付与した方法が提案されている(特許文献2参照)。また、耐熱性樹脂であるポリカーボネート系の樹脂にシリコーン化合物を含有し、酸化チタンと共に混練・成型し難燃性を付与した方法や(特許文献3参照)、そこに難燃剤をさらに添加し、より難燃性を向上した方法が提案されている(特許文献4〜6参照)。さらに、難燃剤を樹脂や溶剤に分散含有させた難燃性塗布剤も提案されており(特許文献7、8参照)、それら難燃性塗布剤を基材熱可塑性樹脂フィルム上に塗布することにより、難燃性を付与することも可能である。
特開平8−262208号公報 特開2006−249158号公報 特開2007−2075号公報 特開2006−28267号公報 特開2006−30405号公報 特開2006−169451号公報 特開2002−69384号公報 特開2004−39273号公報
しかしながら、特許文献2〜6のように発泡性の樹脂や耐熱性樹脂に、耐熱性化合物や難燃性化合物を混練し、成型する方法では、生産性やコストの点から添加物量に実質限界があるため、反射特性や難燃性が向上しない等の問題がある。特許文献7、8のように樹脂や溶剤に難燃剤を分散含有させた難燃性塗布剤を基材熱可塑性樹脂フィルム上に塗布する方法では、難燃性付与のためには難燃剤や添加剤を多量に添加する必要があり、塗布層と基材フィルムの密着性が低く剥離が生じてしまったり、塗布剤の塗工性が悪く外観を損ねる等の問題が生じる。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、本発明は、基材熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、ケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を含む化合物とを含有する塗布層が1層以上設けられ、塗布層全体の質量に対するケイ素元素を含まない難燃剤の含有率F(質量%)及び、塗布層全体の質量に対するケイ素元素の含有率S(質量%)が下記条件(i)〜(iii)を満たす積層フィルムである。
(i)F(質量%)≧30
(ii)S(質量%)≧0.03
(iii)F+S(質量%)≦60
また、本発明のバックライト用ランプリフレクター、直下型バックライトおよびLEDを搭載した直下型バックライトは、それぞれ本発明の積層フィルムを用いて構成されているものである。
本発明によれば、米国UNDERWRITERS LABORATORIES社規格UL−94(以下、UL−94)に規定されたHBF、HB、V−2相当の難燃レベルを有する積層フィルムを提供できる。本発明の積層フィルムは液晶ディスプレイ用のエッジライト方式バックライトのリフレクター、および直下型方式バックライトの反射板、LEDを搭載したバックライトや、さらに、各種面光源の反射板や、反射特性が要求される太陽電池モジュールの封止フィルムやバックシートとして、好適に使用することができる。
本発明の積層フィルムの断面模式図の一例である。 本発明にかかる基材熱可塑性樹脂フィルムの断面模式図の一例である。
符号の説明
1:積層フィルム
2:3層構成の基材熱可塑性樹脂フィルム
3:ケイ素元素を含まない難燃剤及びケイ素元素を含む化合物を含有した塗布層
4:無機粒子及び/又は気泡を含有した層
本発明は、UL−94に規定されたHBF、HB、V−2相当の難燃レベルを有する熱可塑性樹脂フィルムについて、鋭意検討し、基材熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に塗布層を1層以上有し、その塗布層に含有する難燃剤等の添加剤の含有率、添加剤の種類について特定の条件のものを用いてみたところ、前記課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明の積層フィルムは、基材熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面にケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を含む化合物とを含有する塗布層を1層以上設けたものである。なお、塗布層中のケイ素元素は、取り扱い性、生産性、価格、入手の難易度、さらに、後述するような難燃性向上のための遅燃効果、等の理由から、分子構造内にケイ素元素を含む化合物を用いて含有することが好ましい。尚、一般的な難燃剤としてケイ素元素を含む難燃剤も知られているが、本発明においてはケイ素元素を含む難燃剤は前記「ケイ素元素を含む化合物」に含めるものとする。
かかる塗布層にケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を含む化合物とを含有することで難燃性が向上する理由は明らかではないが、ケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素を含む化合物とでは難燃性に関する効果が異なると推定している。
本発明にかかるケイ素元素を含まない難燃剤は、燃焼した際に炭化を促し酸素を遮断する効果や、窒素、窒素酸化物、水等の不燃性ガスが生成することにより燃焼に必要な相対酸素濃度を減少する効果、前記不燃性ガスが気化することにより燃焼に必要なエネルギーを失活する効果、難燃剤自身が不燃物であることにより燃焼部位の相対可燃物濃度が減少する効果、等により難燃性が向上すると推定している。
また、本発明にかかるケイ素元素を含む化合物は、燃焼した際にケイ素元素を結合骨格の一部とした複合的な炭化層が形成し酸素を遮断する効果が向上する、さらに、ケイ素元素が前記「ケイ素元素を含む化合物」として塗布層内に含有する場合は、ケイ素と他元素との結合エネルギーが高いことに起因した塗布層の耐熱性向上による遅燃効果が発生しうる、等により難燃性が向上すると推定している。
本発明の積層フィルムは、塗布層全体の質量に対するケイ素元素を含まない難燃剤の含有率F(質量%)及び、塗布層全体の質量に対するケイ素元素の含有率S(質量%)が下記条件(i)〜(iii)を満たすものである。なお、塗布層が2層以上設けられている場合、含有率Fと含有率Sは、全ての塗布層の合計質量に対する含有率である。
(i)F(質量%)≧30
(ii)S(質量%)≧0.03
(iii)F+S(質量%)≦60
かかる塗布層を設けないか、ケイ素元素を含まない難燃剤もしくはケイ素元素を含む化合物を含有しないか、またはケイ素元素を含まない難燃剤もしくはケイ素元素を含む化合物のケイ素元素のうちどちらか一方の含有率が低いと(すなわち、前記条件(i)または(ii)を満たさないと)、積層フィルムの難燃性向上効果が得られない。さらに、ケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を含む化合物のケイ素元素の合計含有率が多すぎると(すなわち、前記条件(iii)を満たさないと)、塗布層と基材熱可塑性樹脂フィルムとの密着性が低く、剥離が生じてしまう。
本発明において、ケイ素化合物を含まない難燃剤の含有率は塗布層全体に対して30質量%以上(前記条件(i))であることが必要である。含有率が30質量%未満であると、難燃性が向上せず、UL−94に規定されたHBF、HB、V−2相当の難燃レベルが得られない場合がある。かかる難燃剤の含有率は、より好ましくは40質量%以上である。また、上限は特に限定されないが55質量%を超えると塗布層と基材熱可塑性樹脂フィルムとの密着性が著しく低下し、剥離が生じたり、成形性、生産性の面からも劣る場合がある。
本発明において、前記塗布層全体の質量に対するケイ素元素の含有率は塗布層全体に対して0.03質量%以上(前記条件(ii))であることが必要である。含有率が0.03質量%未満であると、難燃性が向上せず、UL−94に規定されたHBF、HB、V−2相当の難燃レベルが得られない場合がある。かかるケイ素元素の含有率は、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは3質量%以上、最も好ましくは5質量%以上である。また、上限は特に限定されないが、10質量%を超えると塗布層と基材熱可塑性樹脂フィルムとの密着性が著しく低下し、剥離が生じる場合がある。
本発明においては、塗布層にケイ素元素を含む化合物を含有することが重要である。前述したとおり、ケイ素単体よりも特に、「ケイ素元素を含む化合物」を用いて含有することが好ましい。本発明にかかるケイ素元素を含む化合物とは、分子構造内に炭素を骨格とした官能基や分子鎖を有する有機ケイ素化合物と、その他無機元素を構造内に有する無機ケイ素化合物のことである。
かかる有機ケイ素化合物としてオルガノシラン、オルガノシラザン、オルガノシロキサン、環状オルガノシロキサン等の低分子化合物や、ポリオルガノシロキサンであるシロキサンオリゴマー、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーンレジン等の直鎖構造や分岐鎖を有する構造や環状構造のシリコーン系化合物が挙げられる。それら化合物の含有形態は粒子のような塗布層を形成する樹脂に不溶・非相溶な方法でもよく、また、液体状や溶剤に溶解・相溶する方法で添加し塗布工程後に固形の塗布層を形成するような方法でもよい。そのような意味では、塗布層を形成することが比較的容易な、ポリオルガノシロキサンであるシロキサンオリゴマー、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーンレジンや、環状ポリオルガノシロキサン等のシリコーン系化合物がより好ましく使用でき、特に好ましくは塗布層からのブリードアウトを避けるために熱、紫外線、触媒等により塗布層中の樹脂と結合を形成する反応性の官能基や塗布層中の樹脂であったり塗布工程時に使用する有機溶剤との相溶性がある官能基を分子鎖末端、分子鎖中、分岐鎖中など構造内に有する変性シリコーン系化合物であるが、特にこれらに限定されるものではない。
官能基としては、直鎖アルキル基、分岐状アルキル基、シクロアルキル基、ビニル・アリル・ヘキセニルなどのアルケニル基、フェニル・トリル・キシリル・ナフチル・ビフェニルなどのアリール基、ベンジル・フェネチルなどのアラルキル基、ラクトン・オキサゾール・イミダゾールなどの複素環を含むその他芳香族基及びその開環基、メトキシ・エトキシなどのアルコキシ基、アクリル基、メタクリル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、アリルオキシカルボニル・ベンジルオキシカルボニルなどのオキシカルボニル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられ、これら官能基のうち、塗布層中の樹脂にヒドロキシル基などの被反応性官能基を有する場合は、その被反応性官能基と反応が進行し結合を形成する官能基、すなわち、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシ基が好ましく、また、塗布層中の樹脂や塗布工程時に使用する有機溶剤との相溶性を向上させたい場合は、フェニル基、メチル基が好ましく、難燃性をより向上させたい場合は、燃焼時に架橋構造を形成するようなメタクリル基、エポキシ基が好ましく用いることができるが、用途や要求する特性によって少なくとも1種類を任意に選択して使用すればよく、2種以上を混合してもよく、特にこれらに限定されるものではない。
これら有機ケイ素化合物としては、具体的には、例えば、シリコーンレジン系ではポリエステル変性のX−24−8300、X−24−8310、X−24−8311、KR5230、KR5235(信越化学工業(株)製)、直鎖アルキル変性のX−22−8004、X−22−8053、X−22−8114、X−22−8195、X−22−8296、X−24−798A(信越化学工業(株)製)、Z−6018(東レ・ダウコーニング(株)製)、アクリル変性のKR9706(信越化学工業(株)製)、アルコキシ変性のKR213、KR9218(信越化学工業(株)製)、フェニル変性のKR282、KR271(信越化学工業(株)製)、ヒドロキシル変性のKR211、KR300、KR311、KR212(信越化学工業(株)製)、エポキシ変性のES1001N、ES1002T、ES1023(信越化学工業(株)製)、アルキッド変性のKR5206(信越化学工業(株)製)、ストレートシリコーンレジンのKR242A、KR251、KR500(信越化学工業(株)製)等が挙げられ、シリコーンゴム系ではKR114A、KR165、KR169、KR2038(信越化学工業(株)製)等が挙げられ、シリコーンオイル系ではアミノ変性のKF−868、KF−880、X−22−3820W、X−22−3939A、KF−8008、KF−8010、X−22−1660B−3(信越化学工業(株)製)、アラルキル変性のKF−410(信越化学工業(株)製)、長鎖アルキル変性のKF−412、X−22−7322(信越化学工業(株)製)、エポキシ変性のKF−1001、X−22−2000、KF−105、X−22−163シリーズ、X−22−173DX、X−22−9002(信越化学工業(株)製)、脂環式エポキシ変性のX−22−2046、KF−102、X−22−169シリーズ(信越化学工業(株)製)、ヒドロキシル変性のX−22−4039、KF−6001、KF−9701、X−22−170DX(信越化学工業(株)製)、ジオール変性のX−22−176F(信越化学工業(株)製)、カルボキシル変性のX−22−3701E、X−22−162C、X−22−3710(信越化学工業(株)製)、メタクリル変性のX−22−164シリーズ、X−22−174DX、X−22−2475(信越化学工業(株)製)、高級脂肪酸エステル変性のKF−910、X−22−715(信越化学工業(株)製)、高級脂肪酸アミド変性のKF−3935(信越化学工業(株)製)、フェニル変性のKF−50シリーズ(信越化学工業(株)製)、アミノ及びメトキシ変性のKF−862、X−22−9192(信越化学工業(株)製)、ポリエーテル変性のX−22−6266、KF−353、X−22−6191、KF−6011(信越化学工業(株)製)、フェノール変性のX−22−1821(信越化学工業(株)製)、ポリエーテル及び長鎖アルキル及びアラルキル変性のX−22−2516、KF−6004(信越化学工業(株)製)、ポリエーテル及びメトキシ変性のKF−889(信越化学工業(株)製)、エポキシ及びポリエーテル変性のKF−1002、X−22−4741(信越化学工業(株)製)、エポキシ及びアラルキル変性のX−22−3000T(信越化学工業(株)製)、長鎖アルキル及びアラルキル変性のX−22−1877(信越化学工業(株)製)等が挙げられ、オルガノシラン系ではイソシアネートシランのオルガチックスSI−310、オルガチックスSI−410、オルガチックスSIC−330、オルガチックスSIC−434、(マツモトファインケミカル(株)製)等が挙げられ、粒子の有機ケイ素化合物としてはKMP−590、KMP−701、X−52−854、X−22−8084、X−22−8171(信越化学工業(株)製)、トスパールシリーズ(日硝産業(株)製)、トレフィルシリーズ(東レ・ダウコーニング(株)製)等が挙げられるが、用途や要求する特性によって少なくとも1種類を任意に選択して使用すればよく、2種以上を混合してもよく、特にこれらに限定されるものではない。
また、かかる無機ケイ素化合物として、シリカ、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ素を含むゼオライトなどが挙げられる。
これら無機ケイ素化合物としては、具体的には、例えば、シリカ粒子ではクォートロン(登録商標)SPシリーズ(扶桑化学工業(株)製)、シリカマイクロビードシリーズ(触媒化成工業(株)製)、サイロホービックシリーズ、サイロスフェアシリーズ(富士シリシア化学(株)製)等が挙げられ、ガラスビーズではユニビーズシリーズ(ユニチカ(株)製)等が挙げられ、ケイ酸カルシウムとしてはPCMライトシリーズ(河合石灰工業(株)製)等が挙げられるが、用途や要求する特性によって少なくとも1種類を任意に選択して使用すればよく、2種以上を混合してもよく、特にこれらに限定されるものではない。
本発明において、前記ケイ素を含む化合物のうちの有機ケイ素化合物及び無機ケイ素化合物の少なくともどちらか1種類を任意に選択して使用すればよく、2種以上を混合してもよく、特にこれらに限定されるものではない。
本発明にかかる塗布層には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、各種のケイ素元素を含む化合物と一緒に触媒を添加することができる。反応性のケイ素元素を含む化合物を含有させる場合、効率よく反応が進行したり、紫外線等により開始剤となりうるためである。かかる触媒としては、アルミニウム系、亜鉛系、チタン系などが用いることができる。
本発明にかかるケイ素元素を含まない難燃剤とは、分子構造内にケイ素元素を含まない無機物及び有機物のうち、塗布層に含有することで難燃性が向上する効果を有する物質全般のことである。ケイ素元素を含む難燃剤も一般的に知られているが、前記の通りケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を含む化合物とでは難燃性に関する効果や基材熱可塑性樹脂フィルムと塗布層との密着性に関する作用が異なることから、本発明においてはケイ素元素を含む難燃剤は「ケイ素元素を含む化合物」に含めるものとする。
中でも、ケイ素元素を含まない難燃剤としてリン原子及び/又は窒素原子を含むノンハロゲン系難燃性化合物、金属および無機金属化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種類であることが好ましい。これら難燃剤は、前述したような、燃焼時の炭化促進による酸素遮断効果や、燃焼に必要な相対酸素濃度を減少したり燃焼に必要なエネルギーを失活する窒素、窒素酸化物、水等の不燃性ガスを効果的に生成したりする作用が強く、より難燃性を向上させることができる。かかる金属とは、無機金属単体のことであり、無機金属化合物とは、後述するような分子構造内に無機金属単体の元素とその他の元素を含む物質のことである。
かかるリン原子及び/又は窒素原子を含むノンハロゲン系難燃性化合物の例としては、ホスフェート、ホスフィネート、ホスフィンオキシド、リン酸ホウ素などのリン酸系誘導体化合物、テトラゾール系化合物、メラミン系化合物及び/又はそれらの構造内に有する高分子化合物などが挙げられ、さらにメラミンシアヌレート、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウム、ホスファゼンなどのように1分子内に窒素が多く含む化合物やリン及び窒素の両方が含有されている化合物も好ましく用いることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
これらリン原子及び/又は窒素原子を含むノンハロゲン系難燃性化合物としては、具体的には、例えば、SP−703H、SP−670(四国化成工業(株)製)、Exolit(登録商標)OP550、Exolit(登録商標)OP910、Exolit(登録商標)OP920、Exolit(登録商標)OP921、Exolit(登録商標)OP930、Exolit(登録商標)OP935、Exolit(登録商標)OP1230、Exolit(登録商標)OP1312、Exolit(登録商標)AP420、Exolit(登録商標)AP422、Exolit(登録商標)AP423、Exolit(登録商標)AP452、Exolit(登録商標)AP462、Exolit(登録商標)AP740、Exolit(登録商標)AP750、Exolit(登録商標)AP751、Exolit(登録商標)AP752、(クラリアントジャパン(株)製)、PX−200、TPP(大八化学工業(株)製)、アデカスタブ(登録商標)PFR、アデカスタブ(登録商標)FP−700、アデカスタブ(登録商標)FP−2200((株)ADEKA製)、SPB−100(大塚化学(株)製)、ポリリン酸メラミンPHOSMEL−100(日産化学工業(株)製)、Ciba(登録商標)MELAPUR(登録商標)MC15(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)等を使用することができる。
また、金属の例としては、アルミニウム、銀、金、銅、鉄、白金、亜鉛等が挙げられ、コストの点からアルミニウムが好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。
また、無機金属化合物としては、無機金属の元素と他の元素を分子構造内に有する物質であり、例えば他の元素が水素や酸素であれば無機金属水酸化物、無機金属酸化物が挙げられ、他の元素が前記記載のノンハロゲン系難燃剤に含まれるリンや窒素であったり、その他炭素、ホウ素等であればそれらの金属塩やその金属化合物であり、すなわち、無機金属のリン酸系誘導体の塩、無機金属の窒化物、無機金属のアンモニウム塩、無機金属の炭酸塩、無機金属の硫酸塩等が挙げられる。これら無機金属化合物の例として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、カルシウム・アルミネート水和物等の無機金属水酸化物、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、タルク等の無機金属酸化物、ホスホン酸アルミニウム、ホスフィン酸アルミニウム、ジホスフィン酸アルミニウム、ホスホン酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、ジホスフィン酸マグネシウム、ホスホン酸カルシウム、ホスフィン酸カルシウム、ジホスフィン酸カルシウム、リン酸カルシウムを主成分としたハイドロキシアパタイト等の無機金属のリン酸系誘導体の塩やその複合体、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛等の無機金属の炭酸塩、硫酸バリウム、硫化亜鉛等の無機金属の硫酸塩等が挙げられ、具体的には、例えば、水酸化アルミニウムとしてはハイジライト(登録商標)H−43H(昭和電工(株)製)等が挙げられ、アルミナとしてはALH(河合石灰工業(株)製)等を使用することができるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明においては、燃焼した際の炭化を促進するリン原子と燃焼部位の相対可燃物濃度を減少する不燃物である無機金属の両方を分子内に有するホスホン酸アルミニウム、ホスフィン酸アルミニウム、ジホスフィン酸アルミニウム、ホスホン酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、ジホスフィン酸マグネシウム、ホスホン酸カルシウム、ホスフィン酸カルシウム、ジホスフィン酸カルシウム、リン酸カルシウムを主成分としたハイドロキシアパタイト等の無機金属のリン酸系誘導体の塩やその複合体の難燃剤が特に好ましく使用でき、さらに好ましくは無機金属がイオン化した際の価数が大きく、1分子内のリン含有率を高くすることが出来るホスホン酸アルミニウム、ホスフィン酸アルミニウム、ジホスフィン酸アルミニウムである。最も好ましくは、ホスフィン酸アルミニウムである。これら無機金属のリン酸塩やその複合体としては、具体的には、例えば、Exolit(登録商標)OP930、Exolit(登録商標)OP935、Exolit(登録商標)OP1230、Exolit(登録商標)OP1312(クラリアントジャパン(株)製)、ボロネックス、HAP(丸尾カルシウム(株)製)等を使用することができる。
本発明においては、前記記載のリン原子及び/又は窒素原子を含むノンハロゲン系難燃性化合物、無機金属、無機金属化合物から選ばれた難燃剤のうち、少なくとも1種類を任意に選択して使用すればよく、2種以上を混合してもよく、特にこれらに限定されるものではない。
本発明にかかる塗布層を形成する樹脂成分の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ナイロン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、等の樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独で用いても、あるいは2種類以上の共重合体及び/又は混合物としたものを用いてもよく、また、用途によって架橋構造を有していてもよい。
本発明においては、前記のケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を塗布層に含有する形態に関しては特に限定されるものではなく、本発明の積層フィルムを使用する条件、例えば熱、光、湿度等によって難燃剤が塗布層よりブリードアウトすることを防ぎたい場合は、例えば前記の塗布層を形成する樹脂と共重合する等の方法でもよい。
本発明においては、塗布層を基材熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に形成するにあたり、任意の方法で形成することができる。例えば、ケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を含む化合物を含有した塗液をグラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコートよびディッピングなどの各種塗布方法を用いて基材熱可塑性樹脂フィルム製造時に塗布(インラインコーティング)したり、結晶配向完了後の基材熱可塑性樹脂フィルム上に塗布(オフラインコーティング)する方法などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明にかかる塗布層の厚みは、ケイ素元素の含有様態や、ケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を含む化合物の種類や、ケイ素元素を含まない難燃剤及びケイ素元素の含有率や、後述する基材熱可塑性樹脂フィルム中に含有する無機粒子の含有率等に依存するため一義的に限定することはできないが、2μm以上であることが好ましい。2μm未満であると難燃性が向上せず、UL−94に規定されたHBF、HB、V−2相当の難燃レベルが得られない場合がある。塗布層の厚みは、より好ましくは6μm以上、特に好ましくは10μm以上である。尚、ここでいう塗布層の厚みとは、ケイ素化合物を含まない難燃剤とケイ素元素を含む化合物とを含有する塗布層の総厚みのことで、基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に塗布層を有する場合や2層以上有する場合は、それら塗布層全体の合計厚みのことである。
本発明の積層フィルムは、バックライトや太陽電池モジュールとして使用すると、冷陰極管などのランプや屋外からの光、特に紫外線によって基材熱可塑性樹脂フィルムが劣化する場合があるので(例えば黄変などの光学的劣化、あるいは低分子化する分解劣化など)、基材熱可塑性樹脂フィルムに設ける塗布層を形成する樹脂中やケイ素元素を含まない難燃剤中に本発明の効果を阻害しない範囲内で、紫外線吸収剤および/あるいは光安定剤を含有するのが好ましい。
かかる紫外線吸収剤、光安定剤としては、無機系と有機系に大別されるが、含有する形態に関しては特に限定されるものではなく、かかる塗布層を形成する樹脂と混合する等の方法でも良く、かかる塗布層よりブリードアウトすることを防ぎたい場合は、例えば該塗布層を形成する樹脂と共重合する等の方法でも良い。
かかる無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、などが一般的に知られており、中でも酸化亜鉛、酸化チタンおよび酸化セリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種類がブリードアウトせず、経済性、耐光性、紫外線吸収性、光触媒活性に優れるという点から好ましく用いられる。かかる紫外線吸収剤は、必要に応じて数種類併用する場合もある。中でも酸化亜鉛が経済性、紫外線吸収性、光触媒活性という点で最も好ましい。かかる酸化亜鉛としては、FINEX−25LP、FINEX−50LP(堺化学工業(株)製)などを使用することができる。
また、かかる有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなどが挙げられる。特にベンゾトリアゾールは構造内に窒素を含有するため難燃剤としての作用も有するため好適に用いることができるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの紫外線吸収剤は、紫外線を吸収するのみであり、紫外線照射により発生する有機ラジカルを捕捉することができないため、このラジカルにより連鎖的に基材熱可塑性樹脂フィルムが劣化することがある。これらのラジカル等を捕捉するために光安定化剤が好適に併用され、かかる光安定化剤としてはヒンダードアミン(HALS)系化合物が好ましく使用される。
ここで、かかる有機系紫外線吸収剤および/または光安定化剤を固定させる共重合モノマーとしては、アクリル系、スチレン系などのビニル系モノマーが汎用性が高く、経済的にも好ましい。かかる共重合モノマーのなかでも、スチレン系ビニルモノマーは芳香族環を有しているため、黄変しやすく、耐光性という点では、アクリル系ビニルモノマーとの共重合が最も好ましく使用される。
なお、前記ベンゾトリアゾールに反応性ビニルモノマーが置換されたものとして、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(商品名:RUVA−93);大塚化学(株)製)を使用することができ、また、ヒンダードアミン系化合物に反応性ビニルモノマーが置換されたものとして、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(「アデカスタブLA−82」;(株)ADEKA製)を使用することができる。
本発明においては、かかる有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなどの有機紫外線吸収剤を含有する樹脂、あるいはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系反応性モノマーを共重合した樹脂、さらにはこれらにヒンダードアミン(HALS)系反応性モノマーなどの光安定剤を含有及び/又は共重合した樹脂を、本発明の効果を阻害しない範囲内で使用することができる。
かかるベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系反応性モノマーを共重合した樹脂、さらにはこれらにヒンダードアミン(HALS)系反応性モノマーを共重合した樹脂などを含む有機紫外線吸収樹脂は薄層で紫外線吸収効果が高く、より好ましく、そのうちベンゾトリアゾールは構造内に窒素を含有するため難燃剤としての作用も有するため特に好ましい。
これらの製造方法等については、特開2002−90515号公報の〔0019〕〜〔0039〕に詳細に開示されている。中でもアクリルモノマーと紫外線吸収剤の共重合物を有効成分として含むハルスハイブリッド(登録商標)((株)日本触媒製)などを使用することができる。
本発明にかかる基材熱可塑性樹脂フィルムは、バックライトや太陽電池モジュールの反射フィルムとして使用する場合には可視光線反射率が高ければ高い方が良い。このためには内部に気泡及び/又は非相溶の粒子を含有する白色熱可塑性樹脂フィルムが好ましく使用される。これらの白色熱可塑性樹脂フィルムとしては限定されるものではないが、多孔質の未延伸、あるいは二軸延伸ポリプロピレンフィルム、多孔質の未延伸あるいは延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリオレフィン系やポリエステル系が例として好ましく用いられ、特に成形性や生産性の点からポリエステル系が好ましく用いられる。
これらの製造方法等については特開平8−262208号公報の〔0034〕〜〔0057〕、特開2002−90515号公報の〔0007〕〜〔0018〕、特開2002−138150号公報の〔0008〕〜〔0034〕等に詳細に開示されている。中でも特開2002−90515号公報の中に開示されている多孔質白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが前述の理由で本発明にかかる基材熱可塑性樹脂フィルムとして好ましい。
更に好ましくは耐熱性や反射率の点からポリエチレンナフタレートとの混合及び/又は共重合した多孔質白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである。最も好ましくは、基材の白色熱可塑性樹脂フィルム自体の難燃性を向上させるために無機粒子を含有する多孔質白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである。
かかる基材熱可塑性樹脂フィルム中に含有する無機粒子の含有率は、基材熱可塑性樹脂フィルムの全質量に対して2質量%以上であることが好ましく、より好ましくは7質量%以上、最も好ましくは30質量%以上である。本発明において難燃性を得るためには、基材熱可塑性樹脂フィルム中に含有する無機粒子の含有率は、基材熱可塑性樹脂フィルムの全質量に対して2質量%以上であることが必ずしも必須ではなく、ケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を含む化合物とを含有する塗布層を前記条件(i)(ii)(iii)を満たした上で塗布すれば、難燃性を向上しうるには充分ではある。しかしながら、基材熱可塑性樹脂フィルム中に含有する無機粒子の含有率が2質量%以上であると、要求する難燃性を得るために、ケイ素元素を含まない難燃剤やケイ素元素を含む化合物のケイ素元素の含有率を抑えたり、塗布層をより薄くすることができ、生産性やコストの面から有利である。
本発明にかかる基材熱可塑性樹脂フィルムの構成は、使用する用途や要求する特性により適宜選択すれば良く、特に限定されるものではないが、少なくとも1層以上の構成を有する単層及び/又は2層以上の複合フィルムが好ましく、その少なくとも1層以上に気泡及び/又は無機粒子を含有していることが好ましい。
単層構成(=1層)の例としては、たとえば単層のA層のみの基材熱可塑性樹脂フィルムであり、前記A層に無機粒子及び/又は気泡を含有させた構成のものが挙げられる。その無機粒子の含有率は基材熱可塑性樹脂フィルムの全質量に対して2質量%以上であることが好ましく、より好ましくは7質量%以上、最も好ましくは10質量%以上であるが、難燃剤とケイ素元素を含む化合物とを含有する塗布層を前記条件(i)(ii)(iii)を満たした上で充分量塗布すれば、特にこれらに限定されるものではない。また、2層構成の例としては、前記A層にB層を積層した、A層/B層の2層構成の基材熱可塑性樹脂フィルムであり、これらA、B層少なくともどちらか1層中に、無機粒子及び/又は気泡を含有させた構成のものが挙げられる。その無機粒子の含有率は基材熱可塑性樹脂フィルムの全質量、つまり2層の全質量に対して2質量%以上であることが好ましく、より好ましくは7質量%以上、最も好ましくは30質量%以上であるが、難燃剤とケイ素元素を含む化合物とを含有する塗布層を前記条件(i)(ii)(iii)を満たした上で充分量塗布すれば、特にこれらに限定されるものではない。さらに、3層構成の例としては、前記同様に、A層/B層/A層やA層/B層/C層の3層を積層してなる3層積層構造の基材熱可塑性樹脂フィルムであり、各層の内少なくとも1層中に、無機粒子及び/又は気泡を含有させた構成のものが挙げられる。その無機粒子の含有率は、前記同様に、基材熱可塑性樹脂フィルムの全質量に対して2質量%以上であることが好ましく、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であるが、難燃剤とケイ素元素を含む化合物とを含有する塗布層を前記条件(i)(ii)(iii)を満たした上で充分量塗布すれば、特にこれらに限定されるものではない。3層構成の場合、生産性の観点からB層が気泡を含有する層であることが最も好ましい。
かかる基材熱可塑性樹脂フィルムに含有する無機微粒子の数平均粒子径は、0.3〜2.0μmであるのが好ましい。また、かかる無機粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム等を用いることができる。
本発明の場合、かかる無機粒子のうち、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンを使用した時が最も好ましく難燃性と反射率を得ることができるので好ましく使用される。かかる無機粒子は数平均粒子径0.3〜2.0μm、比表面積が15〜75m/g、吸油量が15〜40ml/100gであるものが、効果的に最も好ましく使用される。
次に前記基材熱可塑性樹脂フィルムのうち3層構成白色熱可塑性樹脂フィルムの製造方法について説明するが、この例に限定されるものではない。
まず、非相溶ポリマーとしてポリメチルペンテンを、低比重化剤としてポリエチレングリコール、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコール共重合物を、ポリエチレンテレフタレートに入れる。それを充分混合・乾燥させて270〜300℃の温度に加熱された押出機Bに供給する。硫酸バリウム(BaSO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化チタン(TiO)などの無機物および/または有機物添加剤を含んだポリエチレンテレフタレートを常法により押出機Aに供給する。そして、Tダイ3層口金内で押出機Bのポリマーが内層(B層)に、押出機Aのポリマーが両表層(A層)に配置されるようにして、A層/B層/A層なる構成の3層に積層する。
この溶融積層シートを、ドラム表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気力にて密着冷却固化し、未延伸フィルムを得る。該未延伸フィルムを80〜120℃に加熱したロール群に導き、長手方向に2.0〜5.0倍縦延伸し、20〜50℃のロール群で冷却する。続いて、この縦延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き90〜140℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に横延伸する。この場合、延伸倍率は、縦、横それぞれ2.5〜4.5倍に延伸するが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は9〜16倍であることが好ましい。すなわち、面積倍率が9倍未満であると得られるフィルムの白さが不良となる。また、面積倍率が16倍を越えると、延伸時に破れを生じやすくなり、製膜性が不良となる傾向がある。こうして二軸延伸されたフィルムに平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で150〜230℃の熱固定を行い、均一に徐冷し、さらに、室温まで冷却した後、巻取機で巻き取り、本発明に係る基材熱可塑性樹脂フィルムを得る。
かかる基材熱可塑性樹脂フィルムの例としては、まず、単層構成の白色フィルムとしては、ルミラー(登録商標)E20(東レ(株)製)、SY64、SY70(SKC製)、ホワイトレフスター(登録商標)WS−220(三井化学(株)製)などが挙げられ、2層構成の白色フィルムとしては、テトロン(登録商標)フィルムUXZ1、UXSP(帝人デュポンフィルム(株)製)、PLP230(三菱樹脂(株)製)などが挙げられ、3層構成の白色フィルムとしては、ルミラー(登録商標)E6SL、E6SR、E6SQ、テトロン(登録商標)フィルムUX(帝人デュポンフィルム(株)製)などが挙げられる。また、これら以外の構成である白色シートの例として、Optilon ACR3000、ACR3020(デュポン(株)製)、MCPET(登録商標)(古河電気工業(株)製)が挙げられる。
かかる基材熱可塑性樹脂フィルムおよび塗布層には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、各種の添加剤を添加することができる。かかる添加剤としては、例えば、有機および/または無機の微粒子、蛍光増白剤、架橋剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、有機の滑剤、帯電防止剤、核剤、染料、充填剤、分散剤およびカップリング剤などを添加・配合して用いることができる。
本発明の積層フィルムは、塗布層を設けた面から測定した波長400nm以上500nm以下の平均反射率と波長400nm以上700nm以下の平均反射率との差の絶対値が5.0%以下であることが好ましい。平均反射率の差の絶対値が5.0%より大きいと、液晶ディスプレイ用のバックライトに用いた際に、バックライトによっては発光色調の変化が顕著になったり、LEDを搭載したバックライトに用いた際は、発光効率がそれほど高くないとされる青色領域のLEDからの光の反射光量が減少し、LED特有の色再現性を損ねたり、ディスプレイの輝度が不足したりする場合がある。また、それを補うために青色領域のLEDの出力を高める等の対策を講じた結果、より熱が発生したり、消費電力が向上してしまったりする場合がある。平均反射率の差はより好ましくは3.0%以下、さらに好ましく1.0%以下である。平均反射率の差の絶対値を5.0%以下にする方法として、例えば、波長400nm以上500nm以下もしくは波長400nm以上700nm以下のどちらか一方の波長領域において、特定の波長領域の光を過剰に吸収、もしくは反射するような物質の、塗布層中の絶対量をできる限り少なくする方法がある。特に、前述した紫外線吸収剤は、物質によっては短波長の可視光領域から紫外領域の光を吸収するため、塗布層中の絶対量が極端に多い場合は、平均反射率の差の絶対値が5.0%より大きくなる場合もあるため、そのような際は、難燃性や基材熱可塑性樹脂フィルムの劣化を防げる範囲で適宜調整する必要がある。
本発明の積層フィルムは、塗布層を設けた面から測定した波長400〜700nmの波長における平均反射率が85%以上であることが好ましく、より好ましくは87%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上である。平均反射率が85%未満の場合には、適用する液晶ディスプレイによっては輝度が不足する場合がある。なお、両面に塗布層を設けている場合には、いずれかの塗布層から測定した平均反射率が85%以上であればよい。波長400〜700nmの波長における平均反射率を85%以上にする方法としては、例えば、基材熱可塑性樹脂フィルム内もしくは塗布面の、光を反射する界面の絶対量を増やす方法がある。特に、前述した基材白色フィルム内のボイド構造をより多く形成したり、ボイド構造を有する部分の厚みをより厚くする等の方法が挙げられる。
本発明の積層フィルムは、加熱温度90℃加熱時間30分で測定した際の加熱収縮率が、基材熱可塑性樹脂フィルム長手方向および幅方向でいずれも−0.1%以上0.2%以下であることが好ましい。より好ましくは−0.05%以上0.15%以下である。かかる加熱収縮率が−0.1%以上0.2%以下の範囲を外れると、高温に達した際に、フィルムが撓んだ状態となりやすくなる。特に、LEDを搭載したバックライト用の反射フィルムでは、高温下での使用が多いばかりか、LEDを設置する位置に合わせフィルムの打ち抜き加工を行うことが多いため、フィルムの撓みは位置ズレやバックライトに搭載後のLEDへの接触等を招きやすくなり、ひいてはバックライトの特性や安全性を損なう恐れがある。
本発明でいう、加熱温度90℃加熱時間30分で測定した積層フィルムの基材熱可塑性樹脂フィルム長手方向加熱収縮率とは、一定の大きさの積層フィルムのサンプルを準備し、室温で基材熱可塑性樹脂フィルム長手方向(基材熱可塑性樹脂フィルム製造時の押出方向)に一定の長さ(L)を測定し、そのサンプルを90℃に保持した恒温槽中に30分間放置後、同じ室温まで徐冷した後に、該Lに相当する部分の長さを測定し、その長さ(L)と初期の長さ(L)から次式(1)にて算出した数値である。
加熱収縮率(%)={(L−L)/L}×100 (1)
なお、負の数値は高分子フィルムが伸びたことをあらわす。
また、加熱温度90℃加熱時間30分で測定した積層フィルムの基材熱可塑性樹脂フィルム幅方向加熱収縮率とは、基材熱可塑性樹脂フィルム幅方向(基材熱可塑性樹脂フィルム製造時の押出方向に対して直角方向)に基材熱可塑性樹脂フィルム長手方向と同様にして測定した値をいう。
積層フィルムの加熱収縮率を−0.1%以上0.2%以下とする方法として、例えば、基材熱可塑性樹脂フィルムの製膜時や塗布層の乾燥時に熱処理を行う方法等が挙げられる。
このようにして得られる本発明の積層フィルムは、UL−94に規定されたHBF、HB、V−2相当の難燃レベルを有することができる。さらに好ましい態様によれば、長時間使用しても反射率の低下とフィルムの撓みが少ない。したがって、本発明の積層フィルムは液晶ディスプレイ用のエッジライト方式バックライトのリフレクター、直下型方式バックライト、およびLEDを搭載したバックライトの反射板に好適に使用することができる。その他にも、各種面光源の反射板や、反射特性が要求される太陽電池モジュールの封止フィルムやバックシートとしても好適に使用することができる。他に、紙代替、すなわちカード、ラベル、シール、宅配伝票、ビデオプリンタ用受像紙、インクジェット、バーコードプリンタ用受像紙、ポスター、地図、無塵紙、表示板、白板、感熱転写、オフセット印刷、テレフォンカード、ICカードなどの各種印刷記録に用いられる受容シートの基材、壁紙等の建材、屋内外で使用する照明器具や間接照明器具、自動車・鉄道・航空機等に搭載する部材、回路材料用等の電子部品としても用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。測定法および評価法を以下に示す。
(1)フィルムの難燃性
UL−94に基づいて評価した。評価結果がHBF、HB、又はV−2相当に適合する難燃性を有する場合、合格である。
(2)塗布層中のケイ素元素を含まない難燃剤の含有率
先ず、サンプルを10cm四方に切断し質量を測定する。次いで、塗布層を有機溶剤に浸漬して、塗布層を剥離採取した後のサンプルの質量を測定し、塗布層全体の質量を算出する。さらに塗布層を浸漬した後の有機溶剤を濾過し、濾物と濾液とを分離した後に、濾物の質量を測定する。次いで波長分散型蛍光X線分析装置を用いて、濾物中のケイ素元素の有無を調べた。
濾物中にケイ素元素が検出されない場合は、この濾物をまず、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、液体高速クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等、一般的な分離方法から分離可能な方法を選択し、濾物をそれぞれ単一物質に分離精製する。その後各物質について適宜濃縮及び希釈を行い、核磁気共鳴分光法(H−NMR、13C−NMR)、二次元核磁気共鳴分光法(2D−NMR)、赤外分光光度法(IR)、質量分析法(Mass)、X線回折法(XRD)、中性子回折法(ND)、低速電子線回折法(LEED)、高速反射電子線回折法(RHEED)、原子吸光分析法(AAS)、紫外光電子分光法(UPS)、X線光電子分光法(XPS)、蛍光X線元素分析法(XRF)、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−AES)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、その他元素分析、から方法を適宜選択・組み合わせて各単一物質の同定を行った。その後、ケイ素元素を含まない難燃剤に該当する物質の総質量をケイ素元素を含まない難燃剤の質量とし、その値と塗布層全体の質量で除した値を算出する。同様の方法にて5箇所の測定を行い、5箇所の平均値を「ケイ素元素を含まない難燃剤の含有率」とした。
濾物中にケイ素元素が検出された場合は、波長分散型蛍光X線分析装置を用いて、ケイ素元素の固有X線のピーク強度を測定した。その後、検出されたケイ素元素を含有する物質と同組成の濃度既知すなわち含有率既知である標準物質を用いてピーク強度と含有率との検量線を作成後、求めたサンプルのピーク強度の値におけるケイ素元素の含有率を検量線より求め、さらにそのケイ素元素の含有率からケイ素元素を含有する物質の濃度すなわち含有率を求めた。次いで、濾物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、液体高速クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等、一般的な分離方法から分離可能な方法を選択し、濾物をそれぞれ単一物質に分離精製する。その後各物質について適宜濃縮及び希釈を行い、核磁気共鳴分光法(H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR)、二次元核磁気共鳴分光法(2D−NMR)、赤外分光光度法(IR)、質量分析法(Mass)、X線回折法(XRD)、中性子回折法(ND)、低速電子線回折法(LEED)、高速反射電子線回折法(RHEED)、原子吸光分析法(AAS)、紫外光電子分光法(UPS)、X線光電子分光法(XPS)、蛍光X線元素分析法(XRF)、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−AES)、電子線マイクロアナライザ(EPMA)、その他元素分析、から方法を適宜選択・組み合わせて各単一物質の同定を行った。その後、ケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を含有する物質に該当しないその他物質の総質量を、塗布層全体の質量で除した値を算出し、これをその他物質の含有率とした。その後、濾物の質量を塗布層全体の質量で除した値を算出し、これを濾物の含有率とした。次いで、その他物質の含有率とケイ素元素を含有する物質の含有率との和を合計含有率とし、濾物の含有率と合計含有率との差を算出した。同様の方法にて5箇所の測定を行い、5箇所の平均値を「ケイ素元素を含まない難燃剤の含有率」とした。
(3)塗布層中のケイ素元素の含有率
先ず、サンプルを10cm四方に切断し質量を測定する。次いで、塗布層を有機溶剤に浸漬して、塗布層を剥離採取した後のサンプルの質量を測定し、塗布層全体の質量を算出する。次いで、塗布層を浸漬した後の有機溶剤を、適宜の有機溶剤を蒸発させて濃縮後、波長分散型蛍光X線分析装置を用いて、ケイ素元素の固有X線のピーク強度を測定した。その後、標準物質を用いてピーク強度とケイ素元素の含有率との検量線を作成後、求めたサンプルのピーク強度の値からケイ素元素の含有率を検量線より求めた。同様の方法にて5箇所の測定を行い、5箇所の平均値を「ケイ素元素の含有率」とした。
(4)塗布層の密着性
JIS K−5400(1990年)に基づいて碁盤目テープ法にて行った。規定のカッターナイフやカッターガイドを用いて、塗布面上に縦横各1mm間隔で計100個のマス目を作成し、規定のセロハンテープを貼り付け、セロハンテープ上部から消しゴムで擦り、非密着部分をなくし、塗布面の90度方向に引き剥がす。本発明においては、判定基準はJIS K−5400(1990年)より変更し、100個のマス目のうち剥がれずに残った碁盤目数を数え、下記により判定しA、B級であれば合格とし、A級が最も好ましい。
A級:残存の碁盤目数が90個以上
B級:残存の碁盤目数が50以上90個未満
C級:残存の碁盤目数が50個未満。
(5)基材熱可塑性樹脂フィルム内の無機粒子の含有率
先ず、サンプルを10cm四方に切断し(2)の方法にて塗布層を剥離し質量を測定し、基材熱可塑性樹脂フィルム全体の質量を算出する。次いで、900℃以上の高温にて樹脂を溶融・蒸発させた後に、残留した無機粒子の質量を測定する。同様の方法にて5箇所の測定を行い、各箇所において無機粒子の質量をフィルム全体の質量で除した値を算出し、5箇所の平均値を「無機粒子の含有率」とした。
(6)塗布層の厚み
サンプルを、日本ミクロトーム研究所(株)製ロータリー式ミクロトームを使用し、ナイフ傾斜角度3°にてフィルム平面に垂直な方向に切断する。得られたフィルム断面をトプコン社製走査型電子顕微鏡ABT−32を用いて観察し、基材熱可塑性樹脂フィルム上に積層している塗布層の総厚みを各片面5箇所、両面計10箇所測定しその平均値を「塗布層の厚み」とする。
(7)耐光性(黄色味変化)
紫外線劣化促進試験機アイスーパーUVテスターSUV−W131(岩崎電気(株)製)を用い、下記条件で強制紫外線照射試験を行った後、b値を求めた。3サンプルについて促進試験を実施し、それぞれ試験前後のb値を測定し、その差の平均値を耐光性(黄色味変化量)とした。
「紫外線照射条件」
照度:100mW/cm、温度:60℃、相対湿度:50%RH、照射時間:48時間
耐光性評価結果を下記により判定し、A、B級であれば合格であり、A級が最も好ましい。
A級:黄色味変化量が5未満
B級:黄色味変化量が5以上15未満
C級:黄色味変化量が15以上。
(8)平均反射率
分光光度計U−3410((株)日立製作所)にφ60積分球130−0632((株)日立製作所)および10℃傾斜スペーサーを取りつけた状態で400−700nmでの10nm間隔の反射率の平均値を算出した。標準白色板には(株)日立計測器サービス製の部品番号210−0740を用いた。5サンプルについて平均値を算出し、これを平均反射率とした。
(9)加熱収縮率
サンプルを基材熱可塑性樹脂フィルムの長手方向、幅方向各々を10mm幅×230mm長に切り出し、該長尺方向に200mm間隔のマークを入れ、金尺で正確にマーク間距離を読みとる(αmm)。該サンプルを90℃の熱風オーブンに30分間エージングした後に該サンプルのマーク間距離を上記の方法で読みとる(βmm)。上記のマーク間距離から次式で加熱収縮率を算出し%で表した。
加熱収縮率 (%)=(α−β)/α×100。
各実施例に使用したバインダー樹脂、難燃剤、ケイ素元素を含有する化合物を以下に示す。
(1)バインダー樹脂 : ベンゾトリアゾール含有アクリル系共重合体((株)日本触媒製 ハルスハイブリッド(登録商標)UV−G13 濃度40%溶液)
(2)ケイ素元素を含まない難燃剤A : ホスフィン酸アルミニウム(クラリアントジャパン(株)製 Exolit(登録商標)OP935、リン原子を含むノンハロゲン系難燃性化合物)
(3)ケイ素元素を含まない難燃剤B : ポリリン酸メラミン(日産化学工業(株)製 PHOSMEL−100、リン原子と窒素原子を含むノンハロゲン系難燃性化合物)
(4)ケイ素元素を含まない難燃剤C : 水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製 ハイジライト(登録商標)H−43H、無機金属化合物)
(5)ケイ素元素を含む化合物A : ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)製 X−24−8300 濃度25%溶液、バインダー樹脂に相溶)
(6)ケイ素元素を含む化合物B : シリコーンレジン粒子(信越化学工業(株)製 KMP−590、バインダー樹脂に不溶)
(7)ケイ素元素を含む化合物C : ケイ酸カルシウム粒子(河合石灰工業(株)、バインダー樹脂に不溶)。
(実施例1)
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:27.51g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:4.302g
ケイ素元素を含む化合物A:1.208g
を25℃にて攪拌しながら添加して塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SQ、厚み300μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手35を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面10.5μm、両面総厚み21μmの塗布層を設けて、本発明の積層フィルムを得た。
(実施例2)
塗液の組成が以下であること以外は、実施例1と同様にして本発明の積層フィルムを得た。
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:28.216g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:4.277g
ケイ素元素を含む化合物B:0.277g。
(実施例3)
塗液の組成が以下であること以外は、実施例1と同様にして本発明の積層フィルムを得た。
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:27.529g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:4.281g
ケイ素元素を含む化合物A:1.124g
ケイ素元素を含む化合物C:0.031g。
(実施例4)
塗液の組成が以下であること以外は、実施例1と同様にして本発明の積層フィルムを得た。
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:27.51g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:3.872g
ケイ素元素を含まない難燃剤B:0.430g
ケイ素元素を含む化合物A:1.208g。
(実施例5)
塗液の組成が以下であること以外は、実施例1と同様にして本発明の積層フィルムを得た。
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:27.51g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:3.872g
ケイ素元素を含まない難燃剤C:0.430g
ケイ素元素を含む化合物A:1.208g。
(実施例6)
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:42.113g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:7.394g
ケイ素元素を含む化合物A:10.228g
を25℃にて攪拌しながら添加して塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SR、厚み225μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手15を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面4.5μm、両面総厚み9μmの難燃塗布層を設けて、本発明の熱可塑性樹脂フィルムを得た。
(実施例7)
「基材熱可塑性樹脂フィルムの製造方法」
ポリエステルA層の原料ポリマーを、以下に示す配合比で混合し、押出し温度が290℃の押出機Aに供給した。
・ポリエチレンテレフタレートチップ(東レ(株)製 F20S、以降PETと省略):47質量%
・ポリエチレンテレフタレートを主成分としたイソフタル酸共重合物のチップ(東レ(株)製 F51M、以降PET/Iと省略):20質量%
・数平均粒径0.7μmの硫酸バリウム:35質量%
一方、ポリエステルB層の原料ポリマーを、以下に示す配合比で混合し、押出し温度が290℃の押出機Bに供給した。
・PET:65質量%
・メチレングリコールの共重合物(東レ・デュポン(株)製“ハイトレル”、以降PBT/PTMGと省略):5質量%
・ポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸を10mol%とポリエチレングリコールを5mol%共重合した共重合物(東レ(株)製 T794M、以降PET/I/PEGと省略):10質量%
・ポリメチルペンテン(MFRが230g/10minである三井化学(株)製ポリメチルペンテン樹脂、以降PMPと省略):20質量%
A層/B層/A層の厚み比率が4:92:4となるように積層装置を通してTダイよりシート状に成形した。
さらにこのフィルムを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを85〜98℃に加熱したロール群に導き、長手方向に3.4倍縦延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き130℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.6倍横延伸した。その後テンター内で230℃の熱固定を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取り多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートでできた3層構成の基材熱可塑性樹脂フィルムa(厚み225μm)を得た。得られた基材熱可塑性樹脂フィルムa中の基材熱可塑性樹脂フィルム全質量に対する無機粒子の含有率は、表1のとおりであった。
「積層フィルムの製造方法」
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:21.717g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:2.921g
ケイ素元素を含む化合物A:0.135g
を25℃にて攪拌しながら添加して塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
この塗布液を、前記基材熱可塑性樹脂フィルムaの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手27を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面8μm、両面総厚み16μmの塗布層を設けて、本発明の積層フィルムを得た。
(実施例8)
基材熱可塑性樹脂フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートでできた3層構成のフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製 テトロン(登録商標)フィルムUX、厚み225μm)を準備した。実施例7と同組成の塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手20を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面6μm、両面総厚み12μmの塗布層を設けて、本発明の積層フィルムを得た。
(実施例9)
「基材熱可塑性樹脂フィルムの製造方法」
ポリエステルA層の原料ポリマーを、以下に示す配合比で混合し、押出し温度が290℃の押出機Aに供給した。
・ポリエチレンテレフタレートチップ(東レ(株)製 F20S、以降PETと省略):47質量%
・ポリエチレンテレフタレートを主成分としたイソフタル酸共重合物のチップ(東レ(株)製 F51M、以降PET/Iと省略):20質量%
・数平均粒径0.7μmの硫酸バリウム:35質量%。
一方、ポリエステルB層の原料ポリマーを、以下に示す配合比で混合し、押出し温度が290℃の押出機Bに供給した。
・PET:65質量%
・メチレングリコールの共重合物(東レ・デュポン(株)製“ハイトレル”、以降PBT/PTMGと省略):5質量%
・ポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸を10mol%とポリエチレングリコールを5mol%共重合した共重合物(東レ(株)製 T794M、以降PET/I/PEGと省略):10質量%
・ポリメチルペンテン(MFRが230g/10minである三井化学(株)製ポリメチルペンテン樹脂、以降PMPと省略):20質量%
A層/B層の厚み比率が8:92となるように積層装置を通してTダイよりシート状に成形した。
さらにこのフィルムを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを85〜98℃に加熱したロール群に導き、長手方向に3.4倍縦延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き130℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.6倍横延伸した。その後テンター内で230℃の熱固定を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却して巻き取り厚み225μmの多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートでできた2層構成の基材熱可塑性樹脂フィルムbを得た。得られた基材熱可塑性樹脂フィルムb中の基材熱可塑性樹脂フィルム全質量に対する無機粒子の含有率は、表1のとおりであった。
「積層フィルムの製造方法」
実施例7と同組成の塗布液を、前記基材熱可塑性樹脂フィルムbの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手27を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面8μm、両面総厚み16μmの塗布層を設けて、本発明の積層フィルムを得た。
(実施例10)
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:17.920g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:1.975g
ケイ素元素を含む化合物A:0.020g
を25℃にて攪拌しながら添加して塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートでできた2層構成の熱可塑性樹脂フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製 テトロン(登録商標)フィルムUXZ1、厚み225μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手7を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面2μm、両面総厚み4μmの塗布層を設けて、本発明の積層フィルムを得た。
(実施例11)
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:32.809g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:5.486g
ケイ素元素を含む化合物A:3.460g
を25℃にて攪拌しながら添加して塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートでできた2層構成のフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製 テトロン(登録商標)フィルムUXZ1、厚み225μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手20を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面6μm、両面総厚み12μmの塗布層を設けて、本発明の積層フィルムを得た。
(実施例12)
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:37.207g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:6.386g
ケイ素元素を含む化合物A:6.652g
を25℃にて攪拌しながら添加して塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして酸化チタン含有の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートでできた1層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E20、厚み250μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手15を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面4.5μm、両面総厚み9μmの塗布層を設けて、本発明の積層フィルムを得た。
(実施例13)
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:42.133g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:7.394g
ケイ素元素を含む化合物A:10.228g
を25℃にて攪拌しながら添加して塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして酸化チタン含有で多孔質のポリエチレンテレフタレートでできた1層構成の熱可塑性樹脂フィルム(SKC製 SY64、厚み225μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの片面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手40を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが12μmの塗布層を設けて、本発明の積層フィルムを得た。
(実施例14)
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:42.133g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:7.394g
ケイ素元素を含む化合物A:10.228g
を25℃にて攪拌しながら添加して塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして酸化チタン含有の脂肪族ポリエステル系樹脂で構成された2層構成の熱可塑性樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製 PLP230、厚み230μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手35を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面10.5μm、両面総厚み21μmの塗布層を設けて、本発明の積層フィルムを得た。
(実施例15)
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:42.133g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:7.394g
ケイ素元素を含む化合物A:10.228g
を25℃にて攪拌しながら添加して塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして無機粒子を含有しないポリエチレン系樹脂不織布とポリエステル系樹脂との複合体で構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(デュポン(株)製 Optilon ACR3020、厚み386μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手80を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面24μm、両面総厚み48μmの塗布層を設けて、本発明の積層フィルムを得た。
(比較例1)
基材熱可塑性樹脂フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ株式会社製 ルミラー(登録商標)E6SQ、厚み300μm)を準備した。この基材熱可塑性樹脂フィルムには塗布層を設けなかった。
(比較例2)
基材熱可塑性樹脂フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(帝人デュポンフィルム(株)製 テトロン(登録商標)フィルムUX、厚み225μm)を準備した。この基材熱可塑性樹脂フィルムには塗布層を設けなかった。
(比較例3)
基材熱可塑性樹脂フィルムとして酸化チタン含有の脂肪族ポリエステル系樹脂で構成された2層構成の熱可塑性樹脂フィルム(三菱樹脂(株)製 PLP230、厚み230μm)を準備した。この基材熱可塑性樹脂フィルムには塗布層を設けなかった。
(比較例4)
基材熱可塑性樹脂フィルムとして無機粒子を含有しないポリエチレン系樹脂不織布とポリエステル系樹脂との複合体で構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(デュポン(株)製 Optilon ACR3020、厚み386μm)を準備した。この基材熱可塑性樹脂フィルムには塗布層を設けなかった。
(比較例5)
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:10.000g
を25℃にて攪拌しながら添加して、ケイ素元素を含有しない難燃剤及びケイ素元素を含有する化合物を有さない塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして酸化チタン含有の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートでできた1層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E20、厚み250μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手#80を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面24μm、両面総厚み48μmの塗布層を設けて積層フィルムを得た。
(比較例6)
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:39.593g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:1.064g
ケイ素元素を含む化合物A:0.011g
を25℃にて攪拌しながら添加して塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SQ、厚み300μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手5を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面0.75μm、両面総厚み1.5μmの塗布層を設けて積層フィルムを得た。
(比較例7)
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:30.393g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:5.097g
ケイ素元素を含む化合物A:0.020g
を25℃にて攪拌しながら添加して塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の基材熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SQ、厚み300μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手7を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面2μm、両面総厚み4μmの塗布層を設けて積層フィルムを得た。
(比較例8)
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:20.735g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:2.105g
ケイ素元素を含む化合物A:9.260g
を25℃にて攪拌しながら添加して塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の基材熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SQ、厚み300μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手7を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面2μm、両面総厚み4μmの塗布層を設けて積層フィルムを得た。
(比較例9)
バインダー樹脂:10.000g
トルエン:70.942g
ケイ素元素を含まない難燃剤A:13.570g
ケイ素元素を含む化合物A:26.648g
を25℃にて攪拌しながら添加して塗布液を作った。その後25℃にて30分間撹拌し塗布液とした。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の基材熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SQ、厚み300μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、松尾産業(株)製 バーコーター番手27を使用して塗布し、120℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面8μm、両面総厚み16μmの難燃塗布層を設けて積層フィルムを得た。
Figure 2009075227
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実施例1〜15の本発明の積層フィルムはいずれも、難燃性、密着性が合格であった。塗布層の厚みが十分であり、かつ基材熱可塑性樹脂フィルム中の無機粒子の含有率が高いものは難燃性が特に良好であった(実施例8、11)。ケイ素元素を含む化合物の種類や塗布層中の含有形態(塗布層中の樹脂との相溶状態(実施例1)、不溶の球状状態(実施例2)、混合状態(実施例3) 等)が異なる場合、また、難燃剤の種類が異なる場合でも、塗布層の密着性を充分保持した上で、難燃性を付与できた(実施例1〜5)。基材熱可塑性樹脂フィルム中の無機粒子の含有率が高ければ、その基材熱可塑性樹脂フィルムの層構成がいずれであっても、また、塗布層を設ける面が片面のみであっても、塗布層中のケイ素元素を含まない難燃剤やケイ素元素含有率を低くしたり、難燃塗布層の厚みを薄くしたりすることができた。(実施例7、9、10、12、13)。
一方、塗布層中の難燃剤及びケイ素元素の含有率を高くした場合(実施例6)、難燃塗布層の厚みを薄くしても充分な難燃性を付与することができたものの、また、基材熱可塑性樹脂フィルム中に無機粒子を含有しない場合(実施例15)や基材熱可塑性樹脂フィルムを構成する樹脂が燃焼しやすい場合(実施例14)は、塗布層中のケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素の含有率を高くし、塗布層厚みを厚くすることで難燃性は付与できたが、塗布層の密着性が劣ってしまった。
塗布層を設けないものは難燃性や耐光性が不合格、もしくは難燃性の向上が無かった(比較例1、3、4)。塗布層を設けない代わりに基材熱可塑性樹脂フィルム中の無機粒子の含有量を多くしたものは難燃性は合格であったが、加熱収縮率が悪い(比較例2)。塗布層を設けても、ケイ素化合物を含まない難燃剤及びケイ素元素を含む化合物を含有せず、代わりに塗布層の厚みを極端に厚くしたものは、難燃性は合格であったが、平均反射率の差が顕著に大きくなった(比較例5)
塗布層を設けても、難燃剤及びケイ素元素の含有率が極端に低かったり、塗布層厚みが極端に薄かったり、基材熱可塑性樹脂フィルム中の無機粒子の含有率が極端に低かったりすると、難燃性が不合格となった(比較例6)。また、塗布層を設けても、ケイ素元素を含まない難燃剤もしくはケイ素元素のどちらかの含有率が極端に低い場合、もう一方の含有率が極端に多くても、難燃性が向上せず密着性が不合格となった(比較例7、8)。さらに、塗布層中のケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素の含有率の和が多い場合は、塗布層の密着性が極端に低下した(比較例9)。

Claims (7)

  1. 基材熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、ケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を含む化合物とを含有する塗布層が1層以上設けられ、塗布層全体の質量に対するケイ素元素を含まない難燃剤の含有率F(質量%)、及び塗布層全体の質量に対するケイ素元素の含有率S(質量%)が下記条件(i)〜(iii)を満たす積層フィルム。
    (i)F(質量%)≧30
    (ii)S(質量%)≧0.03
    (iii)F+S(質量%)≦60
  2. 前記難燃剤が、リン原子及び/又は窒素原子を含むノンハロゲン系難燃性化合物、無機金属および無機金属化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種類である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記基材熱可塑性樹脂フィルムが、基材熱可塑性樹脂フィルムの全質量に対して2質量%以上の無機粒子を含有するものである請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 前記基材熱可塑性樹脂フィルムが白色フィルムである請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルムを用いて構成されているバックライト用ランプリフレクター。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルムを用いて構成されているバックライト。
  7. バックライトの光源が発光ダイオードである請求項6に記載のバックライト。
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