JP2010089334A - 積層フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、塗膜強度向上及び基材熱可塑性樹脂フィルムと塗布層との密着性および該塗液のポットライフを同時に満足する、塗工性・生産収率に優れた積層フィルムの製造方法を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の積層フィルムの製造方法は、次の(1)〜(3)の3つの要件を満たすことを特徴とするものである。
(1)基材熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に難燃層を有すること、
(2)該難燃層中のイソシアネート化合物の割合が3〜10重量部であること、
(3)該難燃層を塗布する際の塗布液の固形分が35重量%未満であること。
本発明の太陽電池ならびにバックライトは、前記積層フィルムを用いて構成されていることを特徴するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子部品等に使用する難燃性を有する積層フィルムに関するものである。さらに詳しくは、液晶ディスプレイ用バックライト等に組み込む積層フィルム、太陽電池モジュールの封止フィルムやバックシート用の積層フィルム、および回路材料用の積層フィルムなどの積層フィルムの製造方法に関するものである。
近年、製品安全の観点から電子部品に用いられるプラスチック製品には、ますます難燃性が要求されるようになってきた。
特に、液晶テレビや太陽電池モジュール等の成長著しい電子製品おいては、多数の熱可塑性樹脂フィルムが使用されている。例えば液晶テレビではバックライトに、太陽電池モジュールでは裏面封止用シートに、光源の光や太陽光を反射するための反射フィルムなどにそれぞれ用いられている。
これら反射フィルムとしては、内部に気泡を含有する白色熱可塑性樹脂フィルムが一般的に用いられている(特許文献1参照)。
液晶テレビや太陽電池モジュールに用いられる白色フィルムにおいては、反射特性の向上が強く求められる一方、従来以上に難燃性も同時に要求されてきた。この理由として、例えば液晶テレビにおいては、輝度の諸特性や画面の色再現性を改善するために、バックライトに使用する冷陰極管の出力を高めたり、発光ダイオード(LED)が使用されたりしており、発生する熱や漏れ電流によって使用する反射フィルムの発火・引火に対する安全性が必要だからである。例えば、液晶テレビ用バックライトの内部温度は一般的に約70℃〜90℃まで上昇し、漏れ電流の発生や駆動回路への不意な接触による発火の恐れなどがある。
しかしながら、熱可塑性樹脂フィルム自体は有機物を主成分としているため燃焼しやすく、反射フィルムに使用する白色熱可塑性樹脂フィルムではフィルム内部のボイド構造を有するため、一度発火が発生すると燃焼が停止しないばかりか、ボイド内部に存在する空気が燃焼を促進してしまうこともあった。これら熱可塑性樹脂フィルムにおいて難燃性を改善するための様々な方法が提案されている。
例えば、ポリエステル系樹脂発泡体の樹脂内に難燃剤や難燃助剤を直接含有させて難燃性を付与した方法が提案されている(特許文献2参照)。また、白色ポリエステルフィルムへの同様な手法により難燃性付与した例も提案されている(特許文献3、4参照)。さらに、難燃剤を樹脂や溶剤に分散含有させた難燃性塗布剤も提案されており(特許文献5、6参照)、それら難燃性塗布剤を基材熱可塑性樹脂フィルム上に塗布することにより、難燃性を付与することも可能である。
特開平8−262208号公報 特開2006−249158号公報 特開平5−279494号公報 特開2001−261984号公報 特開2002−69384号公報 特開2004−39273号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、塗膜強度向上及び基材熱可塑性樹脂フィルムと塗布層との密着性および該塗液のポットライフを同時に満足する、塗工性・生産収率にも優れた積層フィルムの製造方法を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、本発明の積層フィルムの製造方法は、次ぎの(1)〜(3)の3つの要件を満たすことを特徴とするものである。
(1)基材熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に難燃層を有すること、
(2)該難燃層中のイソシアネート化合物の割合が3〜10重量部であること、
(3)該難燃層を塗布する際の塗布液の固形分が35重量%未満であること、である。
かかる積層フィルムの製造方法の好ましい態様は、
前記難燃層中のバインダー樹脂が水酸基を有し、その水酸基価が20以上であること、
前記難燃層中の難燃剤が、リン原子及び/又は窒素原子を含むノンハロゲン系難燃性化合物、無機金属および無機金属化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種類であること、
前記難燃剤のPHが6以下であること、
前記基材熱可塑性樹脂フィルムがポリエステルフィルムであること、
前記基材熱可塑性樹脂フィルムが白色フィルムであること、
である。
また、本発明の太陽電池ならびにバックライトは、前記積層フィルムを用いて構成されていることを特徴するものである。
本発明によれば、基材熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に難燃層を有する積層フィルムを安定して生産ことができる。本発明で得られた積層フィルムは液晶ディスプレイ用のエッジライト方式バックライトのランプリフレクター、直下型方式バックライトの反射板、LEDを搭載したバックライト、さらに、反射特性が要求される太陽電池モジュールの封止フィルムや太陽電池バックシートとして、好適に使用することができる。
本発明は、前記課題、つまり塗膜強度向上及び基材熱可塑性樹脂フィルムと塗布層との密着性および該塗液のポットライフを同時に満足する優れた積層フィルムの製造方法について鋭意検討し、基材熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に難燃層を塗布して形成する積層フィルムの生産安定化について、該難燃層中のイソシアネート化合物の添加量及び該難燃層を形成する塗布液の固形分について、特定の条件のものを用いて形成してみたところ、前記課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明に係る該難燃層に含有されるイソシアネート化合物としては、特に限定はされないが、水酸基を有するバインダー樹脂との硬化反応によりウレタン結合形成による塗膜強度を高め、かつ基材熱可塑性樹脂フィルムとの密着性を向上させるために、2官能以上が好ましく、さらに好ましくは3官能以上であることが好ましく使用される。2官能未満では塗膜強度及び密着性が低下することがある。
該イソシアネート化合物の置換基としては、特に限定されるものではないが、耐光性及び耐候性という観点から、脂肪族系が好ましく、中でもヘキサメチレン系およびイソホロン系が特に好ましく使用される。市販品としては、ヘキサメチレン系としては“デスモジュール” (登録商標)N3200(住化バイエルウレタン(株)製)、コロネート(登録商標)HL(日本ポリウレタン(株)製)、タケネート(登録商標)D120N(三井武田ケミカル(株)製)、イソホロン系としてはタケネート(登録商標)D140N(三井武田ケミカル(株)製)などを使用することができる。
また、難燃性という観点から、イソシアネート化合物の置換基としては、シリコーン結合、リン系置換基、窒素系置換基等を有しているものが好ましい。
かかる難燃層中のイソシアネート化合物の割合としては、塗布液のポットライフが長いものであれば特に限定されないが、3〜10重量部であることが重要であり、より好ましくは5〜8重量部である。このイソシアネート化合物の割合が3重量部未満の場合、該基材熱可塑性樹脂フィルムとの密着性および塗膜強度が不十分であり、10重量部を超える場合、塗料ポットライフが低下し、生産が安定しない場合がある。
ここでいう、塗布液ポットライフとはJISK5600−2−6(1999年)に準じて試験環境23℃、50%RHにて、該塗布液が硬化あるいは2層分離するまでの時間であり、この時間が長ければ長いほどポットライフは良好であることを示す。
該難燃層を形成する塗布液の固形分としては、そのポットライフが長いものであれば、特に限定されないが、好ましくは35重量%未満、さらに好ましくは、35重量%未満、最も好ましくは33重量%未満である。35重量%を超える場合、塗布液のポットライフが急激に低下し、安定して生産をすることができない。
本発明に係る難燃層を構成するバインダー樹脂としては、特に限定されないが、有機成分を主体とする樹脂が好ましく、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を用いてもよい。中でもポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルもしくはメタクリル樹脂が耐熱性、粒子分散性、塗布性、光沢度の点から好ましく使用される。
本発明の難燃層の耐光性という点では、バインダー樹脂層中においても、紫外線吸収剤、光安定化剤が含まれていることが好ましく、さらに好ましくは含リン元素あるいは窒素元素あるいは珪素元素を有するバインダー樹脂を使用するのがよい。
本発明の積層フィルムの製造方法によって形成される積層フィルムは、バックライトや太陽電池モジュールとして使用すると、冷陰極管などのランプや屋外からの光、特に紫外線によって基材熱可塑性樹脂フィルムが劣化する場合があるので(例えば黄変などの光学的劣化、あるいは低分子化する分解劣化など)、基材熱可塑性樹脂フィルムに設ける難燃層を形成する樹脂中やケイ素元素を含まない難燃剤中に本発明の効果を阻害しない範囲内で、紫外線吸収剤および/あるいは光安定剤を含有するのが好ましい。
かかる紫外線吸収剤、光安定剤としては、無機系と有機系に大別されるが、含有する形態に関しては特に限定されるものではなく、かかる塗布層を形成する樹脂と混合する等の方法でも良く、かかる塗布層よりブリードアウトすることを防ぎたい場合は、例えば該難燃層を形成する樹脂と共重合する等の方法でも良い。
かかる無機系紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、などが一般的に知られており、中でも酸化亜鉛、酸化チタンおよび酸化セリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種がブリードアウトせず、経済性、耐光性、紫外線吸収性、光触媒活性に優れるという点から好ましく用いられる。かかる紫外線吸収剤は、必要に応じて数種類併用する場合もある。中でも酸化亜鉛あるいは酸化チタンが経済性、紫外線吸収性、光触媒活性という点で最も好ましい。
また、かかる有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなどが挙げられる。特にベンゾトリアゾールは構造内に窒素を含有するため難燃剤としての作用も有するため好適に用いることができるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの紫外線吸収剤は、紫外線を吸収するのみであり、紫外線照射により発生する有機ラジカルを捕捉することができないため、このラジカルにより連鎖的に基材熱可塑性樹脂フィルムが劣化することがある。これらのラジカル等を捕捉するために光安定化剤が好適に併用され、かかる光安定化剤としてはヒンダードアミン(HALS)系化合物が好ましく使用される。
ここで、かかる有機系紫外線吸収剤および/または光安定化剤を固定させる共重合モノマーとしては、アクリル系、スチレン系などのビニル系モノマーが、汎用性が高く、経済的にも好ましい。かかる共重合モノマーのなかでも、スチレン系ビニルモノマーは芳香族環を有しているため、黄変しやすいため、耐光性という点では、アクリル系ビニルモノマーとの共重合が最も好ましく使用される。
なお、前記ベンゾトリアゾールとしては、該ベンゾトリアゾールに反応性ビニルモノマーが置換されたものとして、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(商品名:RUVA−93);大塚化学(株)製)を使用することができ、また、ヒンダードアミン系化合物においても、これに反応性ビニルモノマーが置換されたものとして、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(「アデカスタブLA−82」;(株)ADEKA製)を使用することができる。
本発明においては、かかる有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなどの有機紫外線吸収剤を含有する樹脂、あるいはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系反応性モノマーを共重合した樹脂、さらにはこれらにヒンダードアミン(HALS)系反応性モノマーなどの光安定剤を含有及び/又は共重合した樹脂を、本発明の効果を阻害しない範囲内で使用することができる。
かかるベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系反応性モノマーを共重合した樹脂、さらにはこれらにヒンダードアミン(HALS)系反応性モノマーを共重合した樹脂などを含む有機紫外線吸収樹脂は薄層で紫外線吸収効果が高く、より好ましく、そのうちベンゾトリアゾールは構造内に窒素を含有するため難燃剤としての作用も有するため特に好ましい。
これらの製造方法等については、特開2002−90515号公報の段落〔0019〕〜〔0039〕に詳細に開示されている。中でもアクリルモノマーと紫外線吸収剤の共重合物を有効成分として含むハルスハイブリッド(登録商標)((株)日本触媒製)などを使用することができる。
本発明に係る難燃層を構成するバインダー樹脂の水酸基価は、好ましくは20以上、さらに好ましくは30以上、特に好ましくは35以上である。かかる水酸基価が20未満であると、塗膜強度あるいは密着性が低下する場合がある。上限は特に限定されないが、80以上になると、ポットライフが低下する場合があり、好ましくない。
本発明に係る難燃層を構成する難燃剤は、特に限定されるものではないが、リン原子及び/又は窒素原子を含むノンハロゲン系難燃性化合物、無機金属および無機金属化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種類であることが好ましい。これら難燃剤は、前述したような、燃焼時の炭化促進による酸素遮断効果や、燃焼に必要な相対酸素濃度を減少したり、燃焼に必要なエネルギーを失活する窒素、窒素酸化物、水等の不燃性ガスを効果的に生成したりする作用が強く、より難燃性を向上させることができる。かかる無機金属とは、無機金属単体のことであり、かかる無機金属化合物とは、後述するような分子構造内に無機金属単体の元素とその他の元素を含む物質のことである。
かかるリン原子及び/又は窒素原子を含むノンハロゲン系難燃性化合物の例としては、ホスフェート、ホスフィネート、ホスフィンオキシド、リン酸ホウ素などのリン酸系誘導体化合物、テトラゾール系化合物、メラミン系化合物及び/又はそれらの構造内に有する高分子化合物などが挙げられ、さらにメラミンシアヌレート、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウム、ホスファゼンなどのように1分子内に窒素が多く含む化合物やリン及び窒素の両方が含有されている化合物も好ましく用いることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
これらリン原子及び/又は窒素原子を含むノンハロゲン系難燃性化合物の具体例としては、具体的には、例えば、SP−703H、SP−670(四国化成工業(株)製)、Exolit(登録商標)OP550、Exolit(登録商標)OP910、Exolit(登録商標)OP920、Exolit(登録商標)OP921、Exolit(登録商標)OP930、Exolit(登録商標)OP935、Exolit(登録商標)OP1230、Exolit(登録商標)OP1312、Exolit(登録商標)AP420、Exolit(登録商標)AP422、Exolit(登録商標)AP423、Exolit(登録商標)AP452、Exolit(登録商標)AP462、Exolit(登録商標)AP740、Exolit(登録商標)AP750、Exolit(登録商標)AP751、Exolit(登録商標)AP752、(クラリアントジャパン(株)製)、PX−200、TPP(大八化学工業(株)製)、アデカスタブ(登録商標)PFR、アデカスタブ(登録商標)FP−700、アデカスタブ(登録商標)FP−2200((株)ADEKA製)、SPB−100(大塚化学(株)製)、ポリリン酸メラミンPHOSMEL−100(日産化学工業(株)製)、Ciba(登録商標)MELAPUR(登録商標)MC15(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)等を使用することができる。
また、無機金属の例としては、アルミニウム、銀、金、銅、鉄、白金、亜鉛等が挙げられ、コストの点からアルミニウムが好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。
また、無機金属化合物としては、無機金属の元素と他の元素を分子構造内に有する物質であり、例えば他の元素が水素や酸素であれば無機金属水酸化物、無機金属酸化物が挙げられ、他の元素が前記記載のノンハロゲン系難燃剤に含まれるリンや窒素であったり、その他炭素、ホウ素等であればそれらの金属塩やその金属化合物であり、すなわち、無機金属のリン酸系誘導体の塩、無機金属の窒化物、無機金属のアンモニウム塩、無機金属の炭酸塩、無機金属の硫酸塩等が挙げられる。これら無機金属化合物の例として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、カルシウム・アルミネート水和物等の無機金属水酸化物、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、タルク等の無機金属酸化物、ホスホン酸アルミニウム、ホスフィン酸アルミニウム、ジホスフィン酸アルミニウム、ホスホン酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、ジホスフィン酸マグネシウム、ホスホン酸カルシウム、ホスフィン酸カルシウム、ジホスフィン酸カルシウム、リン酸カルシウムを主成分としたハイドロキシアパタイト等の無機金属のリン酸系誘導体の塩やその複合体、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛等の無機金属の炭酸塩、硫酸バリウム、硫化亜鉛等の無機金属の硫酸塩等が挙げられ、具体的には、例えば、水酸化アルミニウムとしてはハイジライト(登録商標)H−43H(昭和電工(株)製)等が挙げられ、アルミナとしてはALH(河合石灰工業(株)製)等を使用することができるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明においては、燃焼した際の炭化を促進するリン原子と燃焼部位の相対可燃物濃度を減少する不燃物である無機金属の両方を分子内に有するホスホン酸アルミニウム、ホスフィン酸アルミニウム、ジホスフィン酸アルミニウム、ホスホン酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、ジホスフィン酸マグネシウム、ホスホン酸カルシウム、ホスフィン酸カルシウム、ジホスフィン酸カルシウム、リン酸カルシウムを主成分としたハイドロキシアパタイト等の無機金属のリン酸系誘導体の塩やその複合体の難燃剤が特に好ましく使用することができ、さらに好ましくは無機金属がイオン化した際の価数が大きく、1分子内のリン含有率を高くすることができるホスホン酸アルミニウム、ホスフィン酸アルミニウム、ジホスフィン酸アルミニウム、最も好ましくは、ホスフィン酸アルミニウムを使用することができる。
これら無機金属のリン酸塩やその複合体としては、具体的には、例えば、Exolit(登録商標)OP930、Exolit(登録商標)OP935、Exolit(登録商標)OP1230、Exolit(登録商標)OP1312(クラリアントジャパン(株)製)、ボロネックス、HAP(丸尾カルシウム(株)製)等を使用することができる。
本発明においては、前記記載のリン原子及び/又は窒素原子を含むノンハロゲン系難燃性化合物、無機金属、無機金属化合物から選ばれた難燃剤のうち、少なくとも1種類を任意に選択して使用すればよく、2種以上を混合してもよい。
本発明に係る難燃層を構成する難燃剤は、酸性を示すものである方が好ましく、PH値としては6以下が好ましく、さらに好ましくは5以下である。難燃剤のPHが6より大きい場合、バインダー樹脂と硬化剤との硬化反応が円滑に進行せず、ウレタン結合が生成しないため、基材熱可塑性樹脂フィルムとの密着性や塗膜強度が脆くなる場合がある。
また、下限は特に限定されないが3以下になると、酸性が強く、硬化反応を促進し、塗布液のポットライフを低下させ、生産安定性を低下する場合がある。
かかる難燃剤の含有率は、難燃層全体に対して、好ましくは10重量%以上であるのがよい。かかる含有率が10重量%未満であると、難燃性が向上せず、UL−94に規定されたHB、HBF、V−2相当の難燃レベルが得られない場合がある。かかる難燃剤の含有率は、好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上である。
また、上限は特に限定されないが55重量%を超えると難燃層と基材熱可塑性樹脂フィルムとの密着性が著しく低下し、剥離が生じたり、成形性、生産性の面からも劣る場合がある。
本発明に係る積層フィルムを構成する基材熱可塑性樹脂フィルムは、バックライトや太陽電池モジュールの反射フィルムとして使用する場合には可視光線反射率が高ければ高い方が良い。このためには内部に気泡及び/又は非相溶の粒子を含有する白色熱可塑性樹脂フィルムが好ましく使用される。これらの白色熱可塑性樹脂フィルムとしては限定されるものではないが、多孔質の未延伸、あるいは二軸延伸ポリプロピレンフィルム、多孔質の未延伸あるいは延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリオレフィン系やポリエステル系が例として好ましく用いられ、特に成形性や生産性の点からポリエステル系が好ましく用いられる。
これらの製造方法等については、特開平8−262208号公報の段落〔0034〕〜〔0057〕、特開2002−90515号公報の段落〔0007〕〜〔0018〕、特開2002−138150号公報の段落〔0008〕〜〔0034〕等に詳細に開示されている。中でも特開2002−90515号公報の中に開示されている多孔質白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが前述の理由で本発明にかかる基材熱可塑性樹脂フィルムとして好ましく使用することができる。
更に好ましくは耐熱性や反射率の点からポリエチレンナフタレートとの混合及び/又は共重合した多孔質白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである。最も好ましくは、基材の白色熱可塑性樹脂フィルム自体の難燃性を向上させるために無機粒子を含有する多孔質白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用することができる。
かかる基材熱可塑性樹脂フィルム中に含有する無機粒子の含有率は、基材熱可塑性樹脂フィルムの全重量に対して2重量%以上であることが好ましく、より好ましくは7重量%以上、最も好ましくは30重量%以上である。
本発明にかかる基材熱可塑性樹脂フィルムの構成は、使用する用途や要求する特性により適宜選択すれば良く、特に限定されるものではないが、少なくとも1層以上の構成を有する単層及び/又は2層以上の複合フィルムが好ましく、その少なくとも1層以上に気泡及び/又は無機粒子を含有していることが好ましい。
単層構成(=1層)の例としては、たとえば単層のA層のみの基材熱可塑性樹脂フィルムであり、前記A層に無機粒子及び/又は気泡を含有させた構成のものが挙げられる。その無機粒子の含有率は基材熱可塑性樹脂フィルムの全重量に対して2重量%以上であることが好ましく、より好ましくは7重量%以上、最も好ましくは10重量%以上である。
また、2層構成の例としては、前記A層にB層を積層した、A層/B層の2層構成の基材熱可塑性樹脂フィルムであり、これらA、B層少なくともどちらか1層中に、無機粒子及び/又は気泡を含有させた構成のものが挙げられる。その無機粒子の含有率は基材熱可塑性樹脂フィルムの全重量、つまり2層の全重量に対して2重量%以上であることが好ましく、より好ましくは7重量%以上、最も好ましくは30重量%以上であるが、
さらに、3層構成の例としては、前記同様に、A層/B層/A層やA層/B層/C層の3層を積層してなる3層積層構造の基材熱可塑性樹脂フィルムであり、各層の内少なくとも1層中に、無機粒子及び/又は気泡を含有させた構成のものが挙げられる。その無機粒子の含有率は、前記同様に、基材熱可塑性樹脂フィルムの全重量に対して2重量%以上であることが好ましく、より好ましくは7重量%以上、更に好ましくは30重量%以上である。3層構成の場合、生産性の観点からB層が気泡を含有する層であることが最も好ましい。
かかる基材熱可塑性樹脂フィルムに含有する無機微粒子の数平均粒子径は、0.3〜2.0μmであるのが好ましい。
また、かかる無機粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム等を用いることができる。
本発明の場合、かかる無機粒子のうち、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンを使用した時が最も好ましく難燃性と反射率を得ることができるので好ましく使用される。かかる無機粒子は数平均粒子径0.3〜2.0μm、比表面積が15〜75m/g、吸油量が15〜40ml/100gであるものが、効果的に最も好ましく使用される。
次に前記基材熱可塑性樹脂フィルムのうち3層構成白色熱可塑性樹脂フィルムの製造方法について説明するが、この例に限定されるものではない。
まず、非相溶ポリマーとしてポリメチルペンテンを、低比重化剤としてポリエチレングリコール、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコール共重合物を、ポリエチレンテレフタレートに入れる。それを充分混合・乾燥させて270〜300℃の温度に加熱された押出機Bに供給する。BaSO、CaCO、TiOなどの無機物および/または有機物添加剤を含んだポリエチレンテレフタレートを常法により押出機Aに供給する。そして、Tダイ3層口金内で押出機Bのポリマーが内層(B層)に、押出機Aのポリマーが両表層(A層)に配置されるようにして、A層/B層/A層なる構成の3層に積層する。
この溶融積層シートを、ドラム表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気力にて密着冷却固化し、未延伸フィルムを得る。該未延伸フィルムを80〜120℃に加熱したロール群に導き、長手方向に2.0〜5.0倍縦延伸し、20〜50℃のロール群で冷却する。続いて、この縦延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き90〜140℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に横延伸する。この場合、延伸倍率は、縦、横それぞれ2.5〜4.5倍に延伸するが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は9〜16倍であることが好ましい。すなわち、面積倍率が9倍未満であると得られるフィルムの白さが不良となる。また、面積倍率が16倍を越えると、延伸時に破れを生じやすくなり、製膜性が不良となる傾向がある。こうして二軸延伸されたフィルムに平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で150〜230℃の熱固定を行い、均一に徐冷し、さらに、室温まで冷却した後、巻取機で巻き取り、本発明に係る基材熱可塑性樹脂フィルムを得る。
かかる基材熱可塑性樹脂フィルムの例としては、まず、単層構成の白色フィルムとしては、ルミラー(登録商標)E20(東レ(株)製)、SY64、SY74(SKC製)などが挙げられ、2層構成の白色フィルムとしては、テトロン(登録商標)フィルムUXZ1、UXSP(帝人デュポンフィルム(株)製)などが挙げられ、3層構成の白色フィルムとしては、ルミラー(登録商標)E6SL、E6SR、E6SQ、テトロン(登録商標)フィルムUX(帝人デュポンフィルム(株)製)などが挙げられる。
本発明に係る積層フィルムを構成するための難燃層(塗布層)を形成する樹脂成分の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ナイロン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、等の樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独で用いても、あるいは2種類以上の共重合体及び/又は混合物としたものを用いてもよく、また、用途によって架橋構造を有していてもよい。
本発明においては、前記のケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を塗布層に含有する形態に関しては特に限定されるものではなく、本発明の積層フィルムを使用する条件、例えば熱、光、湿度等によって難燃剤が塗布層よりブリードアウトすることを防ぎたい場合は、例えば前記の塗布層を形成する樹脂と共重合する等の方法でもよい。
かかる難燃層に含まれる、乾燥の対象となる溶剤とは、物質を溶解する性質をもつ有機化合物を意味する。具体的には、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、クロルベンゼン、オルトージクロルベンゼン等の塩化芳香族炭化水素類、モノクロルメタン等のメタン誘導体、モノクロルエタン等のエタン誘導体等を含む塩化脂肪族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。中でも、芳香族炭化水素系、ケトン系、エステル系の有機溶剤が好ましい。
バインダー樹脂などを溶解するものであれば、特に限定はないが、近年のVOC(揮発性有機化合物)規制などから、トルエン、キシレンの使用は避けた方が好ましく、溶解性、汎用性、コストの点で、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましい。また乾燥速度を調整できる点で沸点の異なる2種類以上の溶剤を混合して使用することが好ましい。
本発明においては、難燃層を基材熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に形成するにあたり、任意の方法で形成することができる。例えば、ケイ素元素を含まない難燃剤とケイ素元素を含む化合物を含有した塗液をグラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、リバースキスコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート、スリットダイコート、リップコートおよびディッピングなどの各種塗布方法を用いて基材熱可塑性樹脂フィルム製造時に塗布(インラインコーティング)したり、結晶配向完了後の基材熱可塑性樹脂フィルム上に塗布(オフラインコーティング)する方法などが挙げられるが、厚膜塗布の観点でスリットダイあるいはリップコートが好ましく、また、塗工有効幅に制限が少なく、製品幅の柔軟に対応する場合には、リバースキスコートが最も好ましく使用できる。
本発明に係る積層フィルムを構成するための層の厚みは、難燃性レベルや各種特性に合わせて選択することができ、特に限定されるものではないが、0.1μm以上であることが好ましい。かかる難燃層の厚みが0.1μm未満であると、難燃性が向上せず、UL−94に規定されたHB、HBF、V−2相当の難燃レベルが得られない場合がある。かかる難燃層の厚みは、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。
尚、ここでいう難燃層の厚みとは、難燃剤、バインダー樹脂、イソシアネート化合物及びその他添加剤とを含有する塗布層の総厚みのことで、基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に塗布層を有する場合や2層以上有する場合は、それら塗布層全体の合計厚みのことを難燃層の厚みと定義する。
かかる基材熱可塑性樹脂フィルムおよび難燃層には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、各種の添加剤を添加することができる。かかる添加剤としては、例えば、有機および/または無機の微粒子、蛍光増白剤、架橋剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、有機の滑剤、帯電防止剤、核剤、染料、充填剤、分散剤およびカップリング剤などを添加・配合して用いることができる。
このようにして得られる本発明の積層フィルムは、液晶ディスプレイ用のエッジライト方式バックライトのランプリフレクター、直下型方式バックライトの反射板、LEDを搭載したバックライト、さらに、反射特性が要求される太陽電池モジュールの封止フィルムや太陽電池バックシートとして、好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。測定法および評価法を以下に示す。
(1)初期粘度
塗料調整後10分後にザーンカップ#2を用いて、試験環境23℃、50%RHにて塗料粘度を測定する。本発明においては、下記により判定し、A、B級は合格とし、C級は不合格とした。A級が最も好ましい。
A級:70秒以上
B級:55秒以上70秒未満
C級:55秒未満。
(2)塗料ポットライフ試験
JISK5600−2−6(1999年)に準じて試験環境23℃、50%RHにて塗料が硬化あるいは2層分離するまでの時間を測定する。本発明においては、下記により判定し、A、B級は合格とし、C級は不合格とした。A級が最も好ましい。
A級:10時間以上
B級:3時間以上
C級:1時間以上。
(3)生産安定性
300μmの白色ポリエステルフィルム(“ルミラー”(登録商標)E6SQ、840mm×900m)15本をリバースキス方式にて乾燥後の塗布量が10g/mになるように、連続塗工し、両面塗工を実施した。なお、15本生産する際に、塗料調合は3回(1回で調合する分は300kgであり、計900kgを調合)に分けて実施し、順次補充した。
生産安定性は(1)式から求められる生産収率から判断し、下記により判定し、A、B級は合格とし、C級は不合格とした。A級が最も好ましい。
・生産収率(%)= 合格品(本数)/15本×100 ・・・ (1)
A級:80%以上
B級:50%以上
C級:30%以下。
(4)塗布層の密着性
JIS K−5400に準じて碁盤目テープ法にて行った。規定のカッターナイフやカッターガイドを用いて、塗布面上に縦横各1mm間隔で計100個のマス目を作成し、規定のセロハンテープを貼り付け、セロハンテープ上部から消しゴムで擦り、非密着部分をなくし、塗布面の90度方向に引き剥がす。本発明においては、判定基準はJIS K−5400より変更し、100個のマス目のうち剥がれずに残った碁盤目数を数え、下記により判定しA、B級であれば合格とし、A級が最も好ましい。
A級:残存の碁盤目数が90個以上
B級:残存の碁盤目数が50以上90個未満
C級:残存の碁盤目数が50個未満。
各実施例に使用したバインダー樹脂、難燃剤、イソシアネート化合物を以下に示す。
(1)バインダー樹脂A
:ベンゾトリアゾール及び水酸基含有アクリル系共重合体((株)日本触媒製 ハルスハイブリッド(登録商標)UV−G720T 濃度40% 溶液、水酸基価(固形分)=38)
(2)難燃剤A
:ホスフィン酸アルミニウム(クラリアント製 Exolit(登録商標)OP935、PH=6)
(3)添加剤A
:シリコーンレジン粒子(信越化学工業(株)製 KMP−590)
(4)イソシアネート化合物A
:ヘキサメチレン系脂肪族ポリイソシアネート(住化バイエルウレタン株式会社製 デスモジュール(登録商標)N3200 濃度100%)
(5)溶剤
:酢酸エチルと酢酸ブチルを重量比1:1にて混合したものを使用する。
(実施例1)
・バインダー樹脂A:45.9kg
・難燃剤A:14.4kg
・添加剤A:1.1kg
・イソシアネート化合物A:2.2kg
・溶剤:56.5kg
を攪拌しながら添加して、難燃層用の塗液(塗料固形分中のイソシアネート化合物Aの割合:6重量%、塗料固形分:30重量%)を作った。
基材熱可塑性樹脂フィルムとして多孔質の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートで構成された3層構成の熱可塑性樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)E6SQ、厚み300μm)を準備した。前記塗布液を、この基材熱可塑性樹脂フィルムの両面に、リバースキス方式の塗工機を使用して塗布し、130℃、1分間で加熱乾燥して、乾燥後の厚みが各片面10μm、両面総厚み20μmの塗布層(難燃層)を設けて、本発明の積層フィルムを得た。
(実施例2)
実施例1において、難燃層用の塗液の組成が以下であること以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層フィルムを得た。
・塗料固形分中のイソシアネート化合物Aの割合:6重量%、塗料固形分:33重量%
・溶剤:45.6kg。
(比較例1)
実施例1において、難燃層用の塗液の組成が以下であること以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層フィルムを得た。
・塗料固形分中のイソシアネート化合物Aの割合:6重量%、塗料固形分:35重量%
・溶剤:39.3kg。
(比較例2)
実施例1において、難燃層用の塗液の組成が以下であること以外は、実施例1と同様にして本発明の積層フィルムを得た。
・塗料固形分中のイソシアネート化合物Aの割合:2重量%、塗料固形分:30重量%
・バインダー樹脂A:49.5kg
・イソシアネート化合物A:0.7kg
・溶剤:54.3kg
(比較例3)
実施例1において、難燃層用の塗液の組成が以下であること以外は、実施例1と同様にして本発明の積層フィルムを得た。
・塗料固形分中のイソシアネート化合物Aの割合:12重量%、塗料固形分:30重量%
・バインダー樹脂A:40.5kg
・イソシアネート化合物A:4.3kg
・溶剤:59.7kg
Figure 2010089334
実施例1〜2の本発明の積層フィルムの製造において、初期粘度、塗料ポットライフ、生産安定性および塗布層の密着性はいずれも良好であった。中でも、実施例2では実施例1より塗料固形分を3%高く設定すると、初期粘度はほとんど変わらないが、塗料ポットライフおよび生産安定性が低下している。
さらに塗料固形分を実施例1より5%高く設定すると、初期粘度も高いものとなり、不合格であった(比較例1)。
実施例1と同条件において、硬化剤を少なくした場合には、塗料ポットライフおよび生産安定性は良好であったが、密着性が低下した(比較例2)。
逆に、硬化剤を多くした場合には、塗料ポットライフが急激に悪化し、生産安定性も低い結果であった(比較例3)。

Claims (9)

  1. 次の(1)〜(3)の3つの要件を満たす積層フィルムの製造方法。
    (1)基材熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に難燃層を有すること。
    (2)該難燃層中のイソシアネート化合物の割合が3−10重量部であること。
    (3)該難燃層を塗布する際の塗布液の固形分が35重量%未満であること。
  2. 前記難燃層中のバインダー樹脂が水酸基を有し、その水酸基価が20以上である請求1に記載の積層フィルムの製造方法。
  3. 前記難燃層中の難燃剤が、リン原子及び/又は窒素原子を含むノンハロゲン系難燃性化合物、無機金属および無機金属化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種類である請求項1又は2に記載の積層フィルムの製造方法。
  4. 前記難燃剤のPHが6以下である請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
  5. 前記基材熱可塑性樹脂フィルムがポリエステルフィルムである請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
  6. 該基材熱可塑性樹脂フィルムが白色フィルムである請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルムを用いて構成されている太陽電池。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルムを用いて構成されているバックライト。
  9. 前記バックライトの光源が発光ダイオードである請求項8に記載のバックライト。
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