JPWO2009063594A1 - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、表示装置が物流中に落下、転倒した場合でも、ディスプレイパネルの破損を防止する表示装置を提供する。この表示装置は、前面板(20)と背面板(30)の周縁部同士を封着部材(36)によって接合したPDP(10)と、PDP(10)を支持するシャーシ部(44)と、PDP(10)およびシャーシ部(44)を覆う筐体とを備える。筐体は、開口部(54)が設けられた前面筐体部(41)と、側面筐体部(51)と、背面筐体部(42)とで構成されている。背面筐体部(42)には絞り部(62)が設けられており、この絞り部(62)の頂上部とシャーシ部(44)とが固定部材で連結されている。
Description
本発明は、落下転倒時のガラス基板のクラックや破壊を防止するための構造を有する表示装置に関する。
近年、薄型、大型化に適した表示装置として液晶ディスプレイパネルを用いた液晶ディスプレイ装置やプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記する)を用いたプラズマディスプレイ装置が注目されて大量に生産され、販売も急拡大している。
PDPは、前面板と背面板のそれぞれがガラス基板を有する一対の板より構成されている。前面板には、前面ガラス基板上に表示電極対、誘電体層、保護層などが形成されている。一方、背面板には、背面ガラス基板にデータ電極、隔壁、蛍光体層などが形成されている。前面板と背面板はそれらの間に微小な放電空間が形成されるように対向配置され、前面板と背面板の周縁部同士の間の隙間が封着部材により封止されている。また、放電空間内にはネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などを混合してなる放電ガスが封入されている。
PDPの背面板の裏面には接着性の熱伝導シートまたは接着剤などの接合部材を介してシャーシ部が貼り付けられ、シャーシ部はその周縁部を取付金具にネジ止めされて固定されている。シャーシ部はPDPを支持固定するとともに、PDPを駆動するための駆動回路が形成された回路基板を取付けるための基板であり、且つPDPで発生した熱を効率的に放熱するという機能も有する。さらに、プラズマディスプレイ装置にはPDPや回路基板を保護するための前面枠やバックカバーが装備されている。そして、PDPの前面側には、PDPの前面板の表面から離れて前面保護ガラス基板が配置されており、この前面保護ガラス基板は、PDPの前面板の有効表示領域に対応して開口部が設けられた前面筐体部に取り付けられている。前面保護ガラス基板は色調補正やコントラスト向上、および電磁波遮断機能を有する。
このようなプラズマディスプレイ装置を、搬送中または開梱中にプラズマディスプレイ装置が前面落下(前面保護ガラス基板を下にして落下)した場合には、シャーシ部で固定された背面板に比べて、前面板は封着部材による封止部で周縁部を固定されているのみであるため、封止部を支点としてすり鉢状に撓み、前面板にクラックが入ったり割れたりする。すなわち、背面板はシャーシ部の撓みに追従して撓むだけであるが、前面板はシャーシ部の撓みによって撓まされた状態からさらに撓むことになる。このように前面板の撓みにはシャーシ部の撓みが重畳されるため、前面板には破損が生じやすくなる。
前面板のクラックや破壊を防ぐためには、例えば特開2003−131580号公報に開示されているように、前面板の表面と前面保護ガラス基板との隙間に画像表示領域周辺部に沿って枠状の弾性部材を配置することが考えられる。このようにすれば、前面板の破損の原因となる前面板の撓みをある程度は抑えられる。
しかしながら、上述したように前面板の撓みにシャーシ部の撓みが重畳されることに鑑みれば、前面板の破損を防ぐためには、前面板の撓みを直接的に抑制するよりも、シャーシ部の撓みを抑えるようにすることが望まれる。
なお、特開2007−33566号公報および特開2002−108225号公報には、PDPへの衝撃に対する対策を講じた例が開示されている。具体的に、特開2007−33566号公報には、PDPと接合部材により接着したシャーシ部上に複数のばね性構造物を設け、ばね性構造物と背面筐体部とを連結部品(スペーサー)で連結した例が開示されている。また、特開2002−108225号公報には、シャーシ部に背面筐体部を貫通する柱を立設し、この柱を背面筐体部に設けた弾性部材で支持するとともに、柱の先端に設けたストッパーと背面筐体部との間にばね部材を配設した例が開示されている。しかしながら、これらの例は、背面筐体部からPDPへ伝わる衝撃をばね性構造物またはばね部材で吸収するものであり、シャーシ部の撓みを抑えるためのものではない。
本発明は、上記の課題を解決して、前面落下によるPDPの耐衝撃性能を向上させることができる表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、前面板と背面板の周縁部同士を封着部材によって接合したディスプレイパネルと、ディスプレイパネルの背面板に接合部材によって接合したシャーシ部と、ディスプレイパネルおよびシャーシ部を覆う筐体とを備えた表示装置であって、筐体は、前面板の有効表示領域に対応して開口部が設けられた筐体部と、前面筐体部に連結された側面筐体部と、側面筐体部に連結されてシャーシ部の背面を覆う背面筐体部とで構成され、背面筐体部には、開口部側にまたは開口部と反対側に突出する絞り部が設けられ、絞り部の頂上部とシャーシ部とが固定部材で連結されていることを特徴とする表示装置を提供する。
このような構成によれば、背面筐体部に絞り部が形成されているので、背面筐体部の剛性が高くなっている。そして、この剛性が高くなった背面筐体部にシャーシ部が固定部材によって連結されている。このため、前面落下(ディスプレイパネルの表示方向が下となる向きでの落下)した場合、シャーシ部の撓みを小さく抑えてディスプレイパネルの撓みを小さくすることができ、ディスプレイパネルの破損を防止することができる。
さらに、シャーシ部がボスを有し、背面筐体部の絞り部とシャーシ部のボスとが固定部材により連結されていてもよい。このような構成によれば、シャーシ部と絞り部とを強固に連結することが可能となり信頼性を向上させることができる。
さらに、背面筐体部を金属板により構成し、金属板を絞り加工して絞り部を形成してもよい。このような構成によれば、背面筐体部を軽量化した上で絞り部を形成することができる。
さらに、絞り部は、背面筐体部を横断するように延びる突条のものであることが好ましい。このような構成によれば、絞り部がリブとなるため、背面筐体部の剛性が格段に高くなる。
さらに、絞り部は、ディスプレイパネルが成す面方向に連続するストライプ状を呈するように複数設けられていることが望ましい。このような構成によれば、背面筐体部を構成する金属板の折り曲げ加工や絞り加工などによって容易に絞り部を形成することができる。
さらに、絞り部は、ディスプレイパネルの長手方向、短手方向、ならびに長手方向および短手方向に交差する方向の少なくとも一方向に配列されていることが好ましい。このような構成によれば、絞り部を比較的たくさん設けることができる。
さらに、絞り部は、背面筐体部における相対する一対の辺間に、一方の辺の近傍から他方の辺の近傍までこれらの辺に平行に配列されていることが望ましい。このような構成によれば、背面筐体部を全領域にわたって補強することができ、背面筐体部の剛性を高めることができる。
さらに、固定部材によって、絞り部のうちの少なくとも1つがシャーシ部と連結されていることが望ましい。このような構成によれば、全体として剛性を高めた背面筐体部とシャーシ部とを簡単な構成で固定し、ディスプレイパネルの撓みを小さくすることができる。
本発明によれば、PDPなどのディスプレイパネルを含む表示装置が前面落下した場合でも、ディスプレイパネルの破壊を抑制して耐衝撃性能を向上させた表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態では、表示装置としてプラズマディスプレイ装置を例にとって説明し、ディスプレイパネルをPDPとして説明する。
(実施の形態1)
図1、図2は、それぞれ表示装置としてのプラズマディスプレイ装置に使用されるPDPの基本構成を示す主要部の分解斜視図、およびPDPの平面図である。PDP10は、前面板20と背面板30とで構成されている。前面板20は前面ガラス基板21を有し、前面ガラス基板21上には平行に配列された走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。また、走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。
図1、図2は、それぞれ表示装置としてのプラズマディスプレイ装置に使用されるPDPの基本構成を示す主要部の分解斜視図、およびPDPの平面図である。PDP10は、前面板20と背面板30とで構成されている。前面板20は前面ガラス基板21を有し、前面ガラス基板21上には平行に配列された走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。また、走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。
背面板30は背面ガラス基板31を有し、背面ガラス基板31上に平行に配列されたデータ電極32が複数形成されている。データ電極32を覆うように下地誘電体層33が形成され、さらに、その上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および下地誘電体層33上には、データ電極32毎に順次、赤色、緑色および青色の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
これら前面板20と背面板30とは、図2に示すように、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その周縁部同士がガラスフリットなどの封着部材36によって接合されることによりそれらの間の隙間が封止されている。放電空間には、例えばネオン(Ne)やキセノン(Xe)などの混合ガスが放電ガスとして封入されている。また、放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成される。そして、これらの放電セル内で放電がなされ、放電により発生する紫外線によって蛍光体層35が励起されて発光してカラー画像が表示される。なお、PDP10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えた構造であってもよい。
図3は、プラズマディスプレイ装置の主要構成を示す分解斜視図である。プラズマディスプレイ装置40は、PDP10および後述するシャーシ部44を収容する筐体を備えている。この筐体は、前面筐体部41、側面筐体部51および背面筐体部42で構成されている。前面筐体部41は、PDP10の前面側に配置された矩形板状のものである。側面筐体部51は、PDP10を厚み方向と直交する方向から取り囲む矩形筒状の形状を有しており、側面筐体部51の前端部は前面筐体部41の外周縁部に連結されている。背面筐体部42は、側面筐体部51の後端部に連結されて後述するシャーシ部44の背面を覆う、いわゆるバックカバーである。なお、本実施の形態では、前面筐体部41と側面筐体部51とが前面枠を構成している。
前面筐体部41には前面板20の有効表示領域に対応して開口部が設けられ、その開口部には、例えばガラス基板などを含む前面保護ガラス基板43が配置されている。PDP10の背面板30は、接合部材46を介してアルミニウム(Al)などの金属板により構成された、放熱板を兼ねたシャーシ部44と接合されている。接合部材46は、接着性または融着性の材料によって形成され、PDP10の背面ガラス基板31とシャーシ部44のほぼ全面を接合して、PDP10からの発熱をシャーシ部44に伝熱している。また、シャーシ部44には、PDP10を駆動するための回路ブロックを構成する回路基板45が固定されている。
前面保護ガラス基板43は光学フィルターの役割とPDP10の保護とを兼ねるものである。この前面保護ガラス基板43には、電磁波の不要輻射を抑制するために、例えば銀(Ag)蒸着などが施されている。また、背面筐体部42には、PDP10や回路基板45などで発生した熱を外部に放出するための複数の通気孔42aが設けられている。回路基板45は、シャーシ部44の背面側に取付けられてPDP10の駆動とその制御を行うための電気回路を備え、複数のフレキシブル配線板(図示せず)によって、PDP10の縁部に引き出された電極引出部(図示せず)に電気的に接続されている。
図4Aおよび図4Bは、このようなプラズマディスプレイ装置の構造を示す一部断面図であり、図4Aは静止状態における構造を示す断面図、図4BはPDP10の面を下方にしてプラズマディスプレイ装置40を落下させた際の状態を示す断面図である。
図4Aに示すように、封着部材36による封着によってその周縁部が前面板20と接合されたPDP10の背面板30は、接着シートなどの接合部材46による接着によってシャーシ部44に固定されている。シャーシ部44はその一部が延伸された取り付け金具50を有しており、取り付け金具50は、筐体の一部である側面筐体部51に設けられた取り付け部材52にビス53などによって固定されている。また、取り付け部材52は前面筐体部41にもビス53などによって固定されている。また、前面板20と前面保護ガラス基板43とは所定距離を保って離間するように構成されている。
このように構成したプラズマディスプレイ装置を、搬送中または開梱中に図4Bの矢印の方向、すなわち、前面板20の方向に落下させた場合、PDP10はシャーシ部44の撓みが重畳されてすり鉢状に撓む。しかしながら、前面板20は、周縁部が封着部材36によって背面板30に固定されているだけであり、そのために前面板20の中央領域が封着部材36を支点として大きく撓む。その結果、封着部材36が存する領域に応力が働き、封着部材36にクラックが発生したり、その領域のガラス基板に割れなどが発生する。その結果、このような前面落下の衝撃を受けることによってPDP10の破壊が発生する。
図5は、本発明の実施の形態1における表示装置であるプラズマディスプレイ装置の主要構成を示す分解斜視図である。プラズマディスプレイ装置の構成は、図3で説明した構成とその基本構成は同じであるが次の構成が異なる。
本発明の実施の形態1における表示装置であるプラズマディスプレイ装置は図3に示すプラズマディスプレイ装置と背面筐体部42の構成が大きく異なる。なお、図5に示すプラズマディスプレイ装置ではシャーシ部44に固定されてPDP10を駆動するための回路ブロックを構成する回路基板を図示していない。
すなわち、図5に示すように背面筐体部42には、背面筐体部42の剛性を高めるための絞り部62が設けられている。さらにその絞り部62の頂上部には貫通孔65が形成され、貫通孔65に対応する位置のシャーシ部44にはボス61が形成されている。そして、貫通孔65を通じて固定部材であるネジ63がボス61の中心に形成されたネジ穴に螺合されることにより、ネジ63によって絞り部62の頂上部とシャーシ部44のボス61とが連結される。
図6から図10を用いて本発明の実施の形態1における表示装置であるプラズマディスプレイ装置の構成について詳しく述べる。図6は、本発明の実施の形態1における表示装置であるプラズマディスプレイ装置の一部断面図を示し、図7は背面筐体部の背面から見た平面図、図8は図7におけるVIII−VIII線断面図、図9は図7のIX−IX線断面図、図10は図7のX−X線断面図である。
図6に示すように、プラズマディスプレイ装置40は、前面板20と背面板30とそれらの周縁部同士の間の隙間を封止する封着部材36とにより構成されるPDP10と、背面板30に接合部材46により接合したシャーシ部44と、筐体とにより構成されている。筐体は、図3を参照して説明したのと同様に、PDP10視認用の開口部54を中央に有する前面筐体部41と、前面筐体部41の外周に連設する側面筐体部51と、背面筐体部42とから構成されている。前面筐体部41にはPDP10を保護する前面保護ガラス基板43と、前面保護ガラス基板43とPDP10との間に配置した防塵部材55が設けられている。
シャーシ部44はその一部が延伸された取り付け金具50を有し、取り付け金具50が取り付け部材52の一方の端部にビス53などによって固定されているとともに、取り付け部材52の他方の端部が前面筐体部41にビス53などによって固定されている。また、前面板20と前面保護ガラス基板43とは所定距離を保って離間するように構成されている。
背面筐体部42には、開口部54と反対側に突出する絞り部62が設けられている。絞り部62は、背面筐体部42を横断するように延びる突条のものであることが好ましい。本実施形態の絞り部62は1本の直線が中央で折れ曲がったような一定の断面で延びていて、頂上部が尖っている。ここで、「背面筐体部42を横断するように延びる」とは、絞り部62の長さがその長さ方向における背面筐体部42の長さの60%以上であることをいう。本実施形態では、絞り部62の長さは、その長さ方向における背面筐体部42の長さの90%程度となっている。また、本実施形態では、絞り部62の頂上部に、絞り部62の長手方向に亘って複数(図例では3つ)の貫通孔65が設けられている。一方背面筐体部42に対向するシャーシ部44の背面には、貫通孔65の位置に対応してボス61が設けられている。背面筐体部42に形成された貫通孔65を介して、シャーシ部44のボス61と背面筐体部42とが固定部材であるネジ63により連結されている。
図7に示すように、本実施形態の絞り部62は、PDP10の長手方向に平行に延びており、PDP10の短手方向に3列に配列されている。すなわち、絞り部62は、PDP10の短手方向に連続するストライプ状を呈するように設けられている。このような構成とすることによって、背面筐体部42を構成する金属板を絞り加工などによって容易に形成することができるとともに、特に、大画面の長手方向での剛性を容易に高めることができる。なお、絞り部62の配列方向は、PDP10の長手方向である必要はなく、PDP10の短手方向であってもよいし、長手方向および短手方向に交差する斜め方向であってもよい。すなわち、絞り部62は、PDP10の成す面方向に連続するストライプ状を呈していればよい。ただし、絞り部62は、背面筐体部42における相対する一対の辺間に、一方の辺の近傍から他方の辺の近傍までこれらの辺に平行に配列されていることが好ましい。あるいは、絞り部62は、複数方向に配列されていてもよい。すなわち、絞り部62は、PDP10の長手方向、短手方向および斜め方向の少なくとも一方向に配列されていてもよい。
図8、図9および図10に示すように、それぞれ絞り部62の頂上部に貫通孔65が形成され、貫通孔65に対応する位置のシャーシ部44上にボス61が形成して背面筐体部42とシャーシ部44とをネジ63により固定するようにしている。
なお、背面筐体部42は薄い金属板で形成されている。したがって、背面筐体部42への絞り部62は、この薄い金属板を折り曲げ加工、あるいは絞り加工することによって形成が可能である。このようにして加工した絞り部62は、波型形状あるいは山形形状とすることができる。なお、絞り部62の本数や凸部の高さ、幅は、背面筐体部42を構成する薄い金属板の板厚や材質、さらにはPDP10の画面サイズなどによって決定することができる。
本発明の実施の形態によれば、背面筐体部42に絞り部62を形成させることにより、背面筐体部42の剛性を高めることができる。剛性の高まった背面筐体部42とシャーシ部44とを固定部材であるネジ63などによって連結することにより、背面筐体部42とPDP10とを一体化した剛体とすることができる。
したがって、プラズマディスプレイ装置を落下させた場合でも、背面筐体部42が撓むようなことはなく、さらに、シャーシ部44は背面筐体部42と一体化されているためにPDP10がすり鉢状となるような撓みを発生させることがない。したがって、シャーシ部44の撓みが抑制されるために前面板20の撓みも抑制することができ、封着部材36近傍でのクラック発生や、前面板20の割れなどの損傷を抑制することができる。
その結果、プラズマディスプレイ装置の落下などによる衝撃から発生するPDP10の撓みを減少することにより、プラズマディスプレイ装置の耐衝撃性と信頼性を向上させることができる。
なお、図11、図12は本発明の実施の形態1における表示装置の背面筐体部に設けた絞り部の形状の変形例を示す背面筐体部の背面から見た平面図である。図11では図7に示すPDPの短手方向に配列されたPDPの長手方向に延びる絞り部62に加え、PDPの短手方向に延びる絞り部66をPDPの長手方向に配列した例を示す。このように絞り部62,66を格子形状を呈するように設けることにより、さらに背面筐体部42の剛性を高めることができる。
また、図12は、図11に示す絞り部62,66に加え、PDP10の対角線方向にも絞り部67を付加した例を示す。このようにすれば、さらに背面筐体部42の剛性を高め、落下の際のPDP10の撓みをさらに低減することが可能となる。
なお、絞り部は、複数である必要はなく、単数であっても背面筐体部42の剛性を高めることは可能である。
(実施の形態2)
図13は本発明の実施の形態2における表示装置としてのプラズマディスプレイ装置の背面筐体部の背面から見た平面図である。図14は図13におけるXIV−XIV線断面図、図15は図13のXV−XV線断面図である。
図13は本発明の実施の形態2における表示装置としてのプラズマディスプレイ装置の背面筐体部の背面から見た平面図である。図14は図13におけるXIV−XIV線断面図、図15は図13のXV−XV線断面図である。
本発明の実施の形態2が実施の形態1と異なるところは、背面筐体部42に形成された絞り部の断面形状を台形形状としているところである。図13に示すように、本発明の実施の形態では背面筐体部42に形成された絞り部68は、PDP10の長手方向のみに並行に設けられており、その断面形状は台形形状とされている。すなわち、絞り部68の頂上部は、実施の形態1のように尖っておらずフラットになっている。PDP10は画面サイズから横長である。そのため前面落下時には、PDP10や背面筐体部42は長手方向に大きな撓みが発生する。したがって、長手方向に並行に絞り部68を設けるだけでも、背面筐体部42の剛性を高めることができPDP10の撓みを小さくすることができる。
特に、その結果、PDP10が大画面化した場合には、シャーシ部44やPDP10の撓みを抑制してガラス割れなどの破損を少なくすることが可能となり、プラズマディスプレイ装置の耐衝撃性と信頼性を向上させることができる。
なお、絞り部の断面形状は、実施の形態1や実施の形態2の形状に限定するものではないが、凸部形状として頂部にいくほどその幅が小さくなるようにすればその剛性をより高めることができる。さらに、本発明の実施の形態では開口部と反対側に突出した形状としているが、開口部側に突出する形状でもよい。また、絞り部の高さ方向の少なくとも斜面部の厚みを他の部分よりも厚くなるように構成するなども、背面筐体部の剛性を高めるのには有効である。また、このような絞り部は、いわゆる絞り加工で形成する必要もなく、金属板を折り曲げ加工することなどによって形成してもよい。
また、実施の形態1や実施の形態2では、背面筐体部に設けた絞り部の全てを固定部材であるビスによってシャーシ部と連結するようにしているが、表示装置の画面サイズや絞り部を設けた背面筐体部の剛性によっては、絞り部のうちの少なくとも1つが固定部材によりシャーシ部と連結されていればシャーシ部の撓みを抑制するのに十分な剛性を確保することも可能である。
また、背面筐体部を構成する金属板を加工するのではなく、凸形状の部材をこれらの金属板に取付けたり、棒状部材などを金属板に取付けたりすることでも背面筐体部の剛性を高めることは可能である。
さらに、固定部材としては、ネジ以外にも、例えばシャーシ部および背面筐体部に係合可能な棒状の部材等を使用することができる。
以上のように、本発明によれば、表示装置を物流中の落下衝撃によっても、緩衝梱包材を低減してディスプレイパネルの破損の発生しない表示装置を実現することが可能となり、特に大画面の表示装置などに有用である。
本発明は、落下転倒時のガラス基板のクラックや破壊を防止するための構造を有する表示装置に関する。
近年、薄型、大型化に適した表示装置として液晶ディスプレイパネルを用いた液晶ディスプレイ装置やプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記する)を用いたプラズマディスプレイ装置が注目されて大量に生産され、販売も急拡大している。
PDPは、前面板と背面板のそれぞれがガラス基板を有する一対の板より構成されている。前面板には、前面ガラス基板上に表示電極対、誘電体層、保護層などが形成されている。一方、背面板には、背面ガラス基板にデータ電極、隔壁、蛍光体層などが形成されている。前面板と背面板はそれらの間に微小な放電空間が形成されるように対向配置され、前面板と背面板の周縁部同士の間の隙間が封着部材により封止されている。また、放電空間内にはネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などを混合してなる放電ガスが封入されている。
PDPの背面板の裏面には接着性の熱伝導シートまたは接着剤などの接合部材を介してシャーシ部が貼り付けられ、シャーシ部はその周縁部を取付金具にネジ止めされて固定されている。シャーシ部はPDPを支持固定するとともに、PDPを駆動するための駆動回路が形成された回路基板を取付けるための基板であり、且つPDPで発生した熱を効率的に放熱するという機能も有する。さらに、プラズマディスプレイ装置にはPDPや回路基板を保護するための前面枠やバックカバーが装備されている。そして、PDPの前面側には、PDPの前面板の表面から離れて前面保護ガラス基板が配置されており、この前面保護ガラス基板は、PDPの前面板の有効表示領域に対応して開口部が設けられた前面筐体部に取り付けられている。前面保護ガラス基板は色調補正やコントラスト向上、および電磁波遮断機能を有する。
このようなプラズマディスプレイ装置を、搬送中または開梱中にプラズマディスプレイ装置が前面落下(前面保護ガラス基板を下にして落下)した場合には、シャーシ部で固定された背面板に比べて、前面板は封着部材による封止部で周縁部を固定されているのみであるため、封止部を支点としてすり鉢状に撓み、前面板にクラックが入ったり割れたりする。すなわち、背面板はシャーシ部の撓みに追従して撓むだけであるが、前面板はシャーシ部の撓みによって撓まされた状態からさらに撓むことになる。このように前面板の撓みにはシャーシ部の撓みが重畳されるため、前面板には破損が生じやすくなる。
前面板のクラックや破壊を防ぐためには、例えば特許文献1に開示されているように、前面板の表面と前面保護ガラス基板との隙間に画像表示領域周辺部に沿って枠状の弾性部材を配置することが考えられる。このようにすれば、前面板の破損の原因となる前面板の撓みをある程度は抑えられる。
しかしながら、上述したように前面板の撓みにシャーシ部の撓みが重畳されることに鑑みれば、前面板の破損を防ぐためには、前面板の撓みを直接的に抑制するよりも、シャーシ部の撓みを抑えるようにすることが望まれる。
なお、特許文献2および特許文献3には、PDPへの衝撃に対する対策を講じた例が開示されている。具体的に、特許文献2には、PDPと接合部材により接着したシャーシ部上に複数のばね性構造物を設け、ばね性構造物と背面筐体部とを連結部品(スペーサー)で連結した例が開示されている。また、特許文献3には、シャーシ部に背面筐体部を貫通する柱を立設し、この柱を背面筐体部に設けた弾性部材で支持するとともに、柱の先端に設けたストッパーと背面筐体部との間にばね部材を配設した例が開示されている。しかしながら、これらの例は、背面筐体部からPDPへ伝わる衝撃をばね性構造物またはばね部材で吸収するものであり、シャーシ部の撓みを抑えるためのものではない。
本発明は、上記の課題を解決して、前面落下によるPDPの耐衝撃性能を向上させることができる表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、前面板と背面板の周縁部同士を封着部材によって接合したディスプレイパネルと、ディスプレイパネルの背面板に接合部材によって接合したシャーシ部と、ディスプレイパネルおよびシャーシ部を覆う筐体とを備えた表示装置であって、筐体は、前面板の有効表示領域に対応して開口部が設けられた筐体部と、前面筐体部に連結された側面筐体部と、側面筐体部に連結されてシャーシ部の背面を覆う背面筐体部とで構成され、背面筐体部には、開口部側にまたは開口部と反対側に突出する絞り部が設けられ、絞り部の頂上部とシャーシ部とが固定部材で連結されていることを特徴とする表示装置を提供する。
このような構成によれば、背面筐体部に絞り部が形成されているので、背面筐体部の剛性が高くなっている。そして、この剛性が高くなった背面筐体部にシャーシ部が固定部材によって連結されている。このため、前面落下(ディスプレイパネルの表示方向が下となる向きでの落下)した場合、シャーシ部の撓みを小さく抑えてディスプレイパネルの撓みを小さくすることができ、ディスプレイパネルの破損を防止することができる。
さらに、シャーシ部がボスを有し、背面筐体部の絞り部とシャーシ部のボスとが固定部材により連結されていてもよい。このような構成によれば、シャーシ部と絞り部とを強固に連結することが可能となり信頼性を向上させることができる。
さらに、背面筐体部を金属板により構成し、金属板を絞り加工して絞り部を形成してもよい。このような構成によれば、背面筐体部を軽量化した上で絞り部を形成することができる。
さらに、絞り部は、背面筐体部を横断するように延びる突条のものであることが好ましい。このような構成によれば、絞り部がリブとなるため、背面筐体部の剛性が格段に高くなる。
さらに、絞り部は、ディスプレイパネルが成す面方向に連続するストライプ状を呈するように複数設けられていることが望ましい。このような構成によれば、背面筐体部を構成する金属板の折り曲げ加工や絞り加工などによって容易に絞り部を形成することができる。
さらに、絞り部は、ディスプレイパネルの長手方向、短手方向、ならびに長手方向および短手方向に交差する方向の少なくとも一方向に配列されていることが好ましい。このような構成によれば、絞り部を比較的たくさん設けることができる。
さらに、絞り部は、背面筐体部における相対する一対の辺間に、一方の辺の近傍から他方の辺の近傍までこれらの辺に平行に配列されていることが望ましい。このような構成によれば、背面筐体部を全領域にわたって補強することができ、背面筐体部の剛性を高めることができる。
さらに、固定部材によって、絞り部のうちの少なくとも1つがシャーシ部と連結されていることが望ましい。このような構成によれば、全体として剛性を高めた背面筐体部とシャーシ部とを簡単な構成で固定し、ディスプレイパネルの撓みを小さくすることができる。
本発明によれば、PDPなどのディスプレイパネルを含む表示装置が前面落下した場合でも、ディスプレイパネルの破壊を抑制して耐衝撃性能を向上させた表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態では、表示装置としてプラズマディスプレイ装置を例にとって説明し、ディスプレイパネルをPDPとして説明する。
(実施の形態1)
図1、図2は、それぞれ表示装置としてのプラズマディスプレイ装置に使用されるPDPの基本構成を示す主要部の分解斜視図、およびPDPの平面図である。PDP10は、前面板20と背面板30とで構成されている。前面板20は前面ガラス基板21を有し、前面ガラス基板21上には平行に配列された走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。また、走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。
図1、図2は、それぞれ表示装置としてのプラズマディスプレイ装置に使用されるPDPの基本構成を示す主要部の分解斜視図、およびPDPの平面図である。PDP10は、前面板20と背面板30とで構成されている。前面板20は前面ガラス基板21を有し、前面ガラス基板21上には平行に配列された走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。また、走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。
背面板30は背面ガラス基板31を有し、背面ガラス基板31上に平行に配列されたデータ電極32が複数形成されている。データ電極32を覆うように下地誘電体層33が形成され、さらに、その上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および下地誘電体層33上には、データ電極32毎に順次、赤色、緑色および青色の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
これら前面板20と背面板30とは、図2に示すように、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その周縁部同士がガラスフリットなどの封着部材36によって接合されることによりそれらの間の隙間が封止されている。放電空間には、例えばネオン(Ne)やキセノン(Xe)などの混合ガスが放電ガスとして封入されている。また、放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成される。そして、これらの放電セル内で放電がなされ、放電により発生する紫外線によって蛍光体層35が励起されて発光してカラー画像が表示される。なお、PDP10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えた構造であってもよい。
図3は、プラズマディスプレイ装置の主要構成を示す分解斜視図である。プラズマディスプレイ装置40は、PDP10および後述するシャーシ部44を収容する筐体を備えている。この筐体は、前面筐体部41、側面筐体部51および背面筐体部42で構成されている。前面筐体部41は、PDP10の前面側に配置された矩形板状のものである。側面筐体部51は、PDP10を厚み方向と直交する方向から取り囲む矩形筒状の形状を有しており、側面筐体部51の前端部は前面筐体部41の外周縁部に連結されている。背面筐体部42は、側面筐体部51の後端部に連結されて後述するシャーシ部44の背面を覆う、いわゆるバックカバーである。なお、本実施の形態では、前面筐体部41と側面筐体部51とが前面枠を構成している。
前面筐体部41には前面板20の有効表示領域に対応して開口部が設けられ、その開口部には、例えばガラス基板などを含む前面保護ガラス基板43が配置されている。PDP10の背面板30は、接合部材46を介してアルミニウム(Al)などの金属板により構成された、放熱板を兼ねたシャーシ部44と接合されている。接合部材46は、接着性または融着性の材料によって形成され、PDP10の背面ガラス基板31とシャーシ部44のほぼ全面を接合して、PDP10からの発熱をシャーシ部44に伝熱している。また、シャーシ部44には、PDP10を駆動するための回路ブロックを構成する回路基板45が固定されている。
前面保護ガラス基板43は光学フィルターの役割とPDP10の保護とを兼ねるものである。この前面保護ガラス基板43には、電磁波の不要輻射を抑制するために、例えば銀(Ag)蒸着などが施されている。また、背面筐体部42には、PDP10や回路基板45などで発生した熱を外部に放出するための複数の通気孔42aが設けられている。回路基板45は、シャーシ部44の背面側に取付けられてPDP10の駆動とその制御を行うための電気回路を備え、複数のフレキシブル配線板(図示せず)によって、PDP10の縁部に引き出された電極引出部(図示せず)に電気的に接続されている。
図4Aおよび図4Bは、このようなプラズマディスプレイ装置の構造を示す一部断面図であり、図4Aは静止状態における構造を示す断面図、図4BはPDP10の面を下方にしてプラズマディスプレイ装置40を落下させた際の状態を示す断面図である。
図4Aに示すように、封着部材36による封着によってその周縁部が前面板20と接合されたPDP10の背面板30は、接着シートなどの接合部材46による接着によってシャーシ部44に固定されている。シャーシ部44はその一部が延伸された取り付け金具50を有しており、取り付け金具50は、筐体の一部である側面筐体部51に設けられた取り付け部材52にビス53などによって固定されている。また、取り付け部材52は前面筐体部41にもビス53などによって固定されている。また、前面板20と前面保護ガラス基板43とは所定距離を保って離間するように構成されている。
このように構成したプラズマディスプレイ装置を、搬送中または開梱中に図4Bの矢印の方向、すなわち、前面板20の方向に落下させた場合、PDP10はシャーシ部44の撓みが重畳されてすり鉢状に撓む。しかしながら、前面板20は、周縁部が封着部材36によって背面板30に固定されているだけであり、そのために前面板20の中央領域が封着部材36を支点として大きく撓む。その結果、封着部材36が存する領域に応力が働き、封着部材36にクラックが発生したり、その領域のガラス基板に割れなどが発生する。その結果、このような前面落下の衝撃を受けることによってPDP10の破壊が発生する。
図5は、本発明の実施の形態1における表示装置であるプラズマディスプレイ装置の主要構成を示す分解斜視図である。プラズマディスプレイ装置の構成は、図3で説明した構成とその基本構成は同じであるが次の構成が異なる。
本発明の実施の形態1における表示装置であるプラズマディスプレイ装置は図3に示すプラズマディスプレイ装置と背面筐体部42の構成が大きく異なる。なお、図5に示すプラズマディスプレイ装置ではシャーシ部44に固定されてPDP10を駆動するための回路ブロックを構成する回路基板を図示していない。
すなわち、図5に示すように背面筐体部42には、背面筐体部42の剛性を高めるための絞り部62が設けられている。さらにその絞り部62の頂上部には貫通孔65が形成され、貫通孔65に対応する位置のシャーシ部44にはボス61が形成されている。そして、貫通孔65を通じて固定部材であるネジ63がボス61の中心に形成されたネジ穴に螺合されることにより、ネジ63によって絞り部62の頂上部とシャーシ部44のボス61とが連結される。
図6から図10を用いて本発明の実施の形態1における表示装置であるプラズマディスプレイ装置の構成について詳しく述べる。図6は、本発明の実施の形態1における表示装置であるプラズマディスプレイ装置の一部断面図を示し、図7は背面筐体部の背面から見た平面図、図8は図7におけるVIII−VIII線断面図、図9は図7のIX−IX線断面図、図10は図7のX−X線断面図である。
図6に示すように、プラズマディスプレイ装置40は、前面板20と背面板30とそれらの周縁部同士の間の隙間を封止する封着部材36とにより構成されるPDP10と、背面板30に接合部材46により接合したシャーシ部44と、筐体とにより構成されている。筐体は、図3を参照して説明したのと同様に、PDP10視認用の開口部54を中央に有する前面筐体部41と、前面筐体部41の外周に連設する側面筐体部51と、背面筐体部42とから構成されている。前面筐体部41にはPDP10を保護する前面保護ガラス基板43と、前面保護ガラス基板43とPDP10との間に配置した防塵部材55が設けられている。
シャーシ部44はその一部が延伸された取り付け金具50を有し、取り付け金具50が取り付け部材52の一方の端部にビス53などによって固定されているとともに、取り付け部材52の他方の端部が前面筐体部41にビス53などによって固定されている。また、前面板20と前面保護ガラス基板43とは所定距離を保って離間するように構成されている。
背面筐体部42には、開口部54と反対側に突出する絞り部62が設けられている。絞り部62は、背面筐体部42を横断するように延びる突条のものであることが好ましい。本実施形態の絞り部62は1本の直線が中央で折れ曲がったような一定の断面で延びていて、頂上部が尖っている。ここで、「背面筐体部42を横断するように延びる」とは、絞り部62の長さがその長さ方向における背面筐体部42の長さの60%以上であることをいう。本実施形態では、絞り部62の長さは、その長さ方向における背面筐体部42の長さの90%程度となっている。また、本実施形態では、絞り部62の頂上部に、絞り部62の長手方向に亘って複数(図例では3つ)の貫通孔65が設けられている。一方背面筐体部42に対向するシャーシ部44の背面には、貫通孔65の位置に対応してボス61が設けられている。背面筐体部42に形成された貫通孔65を介して、シャーシ部44のボス61と背面筐体部42とが固定部材であるネジ63により連結されている。
図7に示すように、本実施形態の絞り部62は、PDP10の長手方向に平行に延びており、PDP10の短手方向に3列に配列されている。すなわち、絞り部62は、PDP10の短手方向に連続するストライプ状を呈するように設けられている。このような構成とすることによって、背面筐体部42を構成する金属板を絞り加工などによって容易に形成することができるとともに、特に、大画面の長手方向での剛性を容易に高めることができる。なお、絞り部62の配列方向は、PDP10の長手方向である必要はなく、PDP10の短手方向であってもよいし、長手方向および短手方向に交差する斜め方向であってもよい。すなわち、絞り部62は、PDP10の成す面方向に連続するストライプ状を呈していればよい。ただし、絞り部62は、背面筐体部42における相対する一対の辺間に、一方の辺の近傍から他方の辺の近傍までこれらの辺に平行に配列されていることが好ましい。あるいは、絞り部62は、複数方向に配列されていてもよい。すなわち、絞り部62は、PDP10の長手方向、短手方向および斜め方向の少なくとも一方向に配列されていてもよい。
図8、図9および図10に示すように、それぞれ絞り部62の頂上部に貫通孔65が形成され、貫通孔65に対応する位置のシャーシ部44上にボス61が形成して背面筐体部42とシャーシ部44とをネジ63により固定するようにしている。
なお、背面筐体部42は薄い金属板で形成されている。したがって、背面筐体部42への絞り部62は、この薄い金属板を折り曲げ加工、あるいは絞り加工することによって形成が可能である。このようにして加工した絞り部62は、波型形状あるいは山形形状とすることができる。なお、絞り部62の本数や凸部の高さ、幅は、背面筐体部42を構成する薄い金属板の板厚や材質、さらにはPDP10の画面サイズなどによって決定することができる。
本発明の実施の形態によれば、背面筐体部42に絞り部62を形成させることにより、背面筐体部42の剛性を高めることができる。剛性の高まった背面筐体部42とシャーシ部44とを固定部材であるネジ63などによって連結することにより、背面筐体部42とPDP10とを一体化した剛体とすることができる。
したがって、プラズマディスプレイ装置を落下させた場合でも、背面筐体部42が撓むようなことはなく、さらに、シャーシ部44は背面筐体部42と一体化されているためにPDP10がすり鉢状となるような撓みを発生させることがない。したがって、シャーシ部44の撓みが抑制されるために前面板20の撓みも抑制することができ、封着部材36近傍でのクラック発生や、前面板20の割れなどの損傷を抑制することができる。
その結果、プラズマディスプレイ装置の落下などによる衝撃から発生するPDP10の撓みを減少することにより、プラズマディスプレイ装置の耐衝撃性と信頼性を向上させることができる。
なお、図11、図12は本発明の実施の形態1における表示装置の背面筐体部に設けた絞り部の形状の変形例を示す背面筐体部の背面から見た平面図である。図11では図7に示すPDPの短手方向に配列されたPDPの長手方向に延びる絞り部62に加え、PDPの短手方向に延びる絞り部66をPDPの長手方向に配列した例を示す。このように絞り部62,66を格子形状を呈するように設けることにより、さらに背面筐体部42の剛性を高めることができる。
また、図12は、図11に示す絞り部62,66に加え、PDP10の対角線方向にも絞り部67を付加した例を示す。このようにすれば、さらに背面筐体部42の剛性を高め、落下の際のPDP10の撓みをさらに低減することが可能となる。
なお、絞り部は、複数である必要はなく、単数であっても背面筐体部42の剛性を高めることは可能である。
(実施の形態2)
図13は本発明の実施の形態2における表示装置としてのプラズマディスプレイ装置の背面筐体部の背面から見た平面図である。図14は図13におけるXIV−XIV線断面図、図15は図13のXV−XV線断面図である。
図13は本発明の実施の形態2における表示装置としてのプラズマディスプレイ装置の背面筐体部の背面から見た平面図である。図14は図13におけるXIV−XIV線断面図、図15は図13のXV−XV線断面図である。
本発明の実施の形態2が実施の形態1と異なるところは、背面筐体部42に形成された絞り部の断面形状を台形形状としているところである。図13に示すように、本発明の実施の形態では背面筐体部42に形成された絞り部68は、PDP10の長手方向のみに並行に設けられており、その断面形状は台形形状とされている。すなわち、絞り部68の頂上部は、実施の形態1のように尖っておらずフラットになっている。PDP10は画面サイズから横長である。そのため前面落下時には、PDP10や背面筐体部42は長手方向に大きな撓みが発生する。したがって、長手方向に並行に絞り部68を設けるだけでも、背面筐体部42の剛性を高めることができPDP10の撓みを小さくすることができる。
特に、その結果、PDP10が大画面化した場合には、シャーシ部44やPDP10の撓みを抑制してガラス割れなどの破損を少なくすることが可能となり、プラズマディスプレイ装置の耐衝撃性と信頼性を向上させることができる。
なお、絞り部の断面形状は、実施の形態1や実施の形態2の形状に限定するものではないが、凸部形状として頂部にいくほどその幅が小さくなるようにすればその剛性をより高めることができる。さらに、本発明の実施の形態では開口部と反対側に突出した形状としているが、開口部側に突出する形状でもよい。また、絞り部の高さ方向の少なくとも斜面部の厚みを他の部分よりも厚くなるように構成するなども、背面筐体部の剛性を高めるのには有効である。また、このような絞り部は、いわゆる絞り加工で形成する必要もなく、金属板を折り曲げ加工することなどによって形成してもよい。
また、実施の形態1や実施の形態2では、背面筐体部に設けた絞り部の全てを固定部材であるビスによってシャーシ部と連結するようにしているが、表示装置の画面サイズや絞り部を設けた背面筐体部の剛性によっては、絞り部のうちの少なくとも1つが固定部材によりシャーシ部と連結されていればシャーシ部の撓みを抑制するのに十分な剛性を確保することも可能である。
また、背面筐体部を構成する金属板を加工するのではなく、凸形状の部材をこれらの金属板に取付けたり、棒状部材などを金属板に取付けたりすることでも背面筐体部の剛性を高めることは可能である。
さらに、固定部材としては、ネジ以外にも、例えばシャーシ部および背面筐体部に係合可能な棒状の部材等を使用することができる。
以上のように、本発明によれば、表示装置を物流中の落下衝撃によっても、緩衝梱包材を低減してディスプレイパネルの破損の発生しない表示装置を実現することが可能となり、特に大画面の表示装置などに有用である。
Claims (8)
- 前面板と背面板の周縁部同士を封着部材によって接合したディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルの前記背面板に接合部材によって接合したシャーシ部と、前記ディスプレイパネルおよび前記シャーシ部を覆う筐体とを備えた表示装置であって、
前記筐体は、前記前面板の有効表示領域に対応して開口部が設けられた前面筐体部と、前記前面筐体部に連結された側面筐体部と、前記側面筐体部に連結されて前記シャーシ部の背面を覆う背面筐体部とで構成され、
前記背面筐体部には、前記開口部側にまたは前記開口部と反対側に突出する絞り部が設けられ、前記絞り部の頂上部と前記シャーシ部とが固定部材で連結されていることを特徴とする表示装置。 - 前記シャーシ部がボスを有し、前記背面筐体部の前記絞り部と前記シャーシ部の前記ボスとが前記固定部材により連結されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記背面筐体部を金属板により構成し、前記金属板を絞り加工して前記絞り部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記絞り部は、前記背面筐体部を横断するように延びる突条のものであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記絞り部は、前記ディスプレイパネルが成す面方向に連続するストライプ状を呈するように複数設けられていることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
- 前記絞り部は、前記ディスプレイパネルの長手方向、短手方向、ならびに長手方向および短手方向に交差する方向の少なくとも一方向に配列されていることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
- 前記絞り部は、前記背面筐体部における相対する一対の辺間に、一方の辺の近傍から他方の辺の近傍までこれらの辺に平行に配列されていることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
- 前記固定部材によって、前記絞り部のうちの少なくとも1つが前記シャーシ部と連結されていることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
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