JPWO2009054432A1 - 口腔内速崩壊性医薬組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

薬効成分としてセチリジンまたはその塩を含有し、速やかな崩壊性と充分な硬度を併せ持つ医薬組成物を提供する。(i)セチリジンまたはその塩、(ii)シクロデキストリン類、(iii)トウモロコシデンプン、および(iv)セルロース類を含有する医薬組成物は、口腔内における速やかな崩壊性と、通常の製造工程、流通および使用に耐え得る充分な硬度を併せ持ち、さらにセチリジンまたはその塩に由来する苦味をマスクすることを見出した。

Description

本発明は、口腔内に含むときに速やかに崩壊し、通常の製造、輸送、使用に際して充分な硬度を示す医薬組成物およびその製造方法に関する。
セチリジンまたはその塩、特にセチリジン二塩酸塩(以下、単に塩酸セチリジンとも称す。)は、アレルギー性鼻炎、じんま疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚掻痒症等に用いられる選択H1受容体拮抗剤として広く用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
セチリジンまたはその塩は、優れた薬効を有するが、強い苦味があるという問題点が知られており、セチリジンまたはその塩を経口投与する場合に、セチリジンまたはその塩の苦味をマスクする必要がある。セチリジンまたはその塩の苦味をマスクした製剤としては、セチリジン二塩酸塩とシクロデキストリンを含有する経口投与用医薬組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、医薬品、食品の分野における経口用固形製剤として、錠剤、カプセル剤、散剤等が知られているが、患者がより服用しやすい剤形として、口腔内で速やかに崩壊または溶解する、口腔内速崩壊性医薬組成物が開発されている。口腔内速崩壊性医薬組成物は、口腔内における速やかな崩壊性と、通常の製造工程および流通工程に耐え得る充分な硬度を併せ持つ。通常、口腔内速崩壊性医薬組成物の、口腔内における崩壊時間としては、30秒以内が好ましいとされている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、口腔内での崩壊時間は、20秒以内であることが好ましいと記載された文献もある(特許文献3参照)。本発明者らの検討では、例えば、本邦で販売されている、エバスチン(抗アレルギー剤)を含有する口腔内速崩壊錠であるエバステルOD錠(登録商標)(大日本住友製薬株式会社製)や、ファモチジン(抗潰瘍剤)を含有する口腔内速崩壊錠であるガスターOD錠(登録商標)(アステラス株式会社製)の口腔内崩壊時間は、概ね20秒以内である。これらのことから、患者の服用コンプライアンス等を考慮した場合、口腔内速崩壊性医薬組成物の口腔内崩壊時間は、口腔内に含んで20秒以内に崩壊するものが望ましいといえる。
口腔内で速やかに崩壊する医薬組成物は、既に多数の報告がある(例えば、特許文献4、5参照)。また、シクロデキストリンを含有する口腔内速崩壊性医薬組成物としては、中田らの報告が知られている(特許文献6参照)。
しかしながら、セチリジンまたはその塩を含有する医薬組成物であって、優れた口腔内崩壊性と充分な硬度を併せ持つ医薬組成物は知られていない。
国際公開第99/01133号パンフレット 国際公開第2003/074085号パンフレット 国際公開第2005/004923号パンフレット 特開2006−298912号公報 特許第3122141号公報 特開2005−298338号公報 (財)日本医薬情報センター 「JAPIC 医療用医薬品集2006」 p.1140−1141
かかる事情を踏まえ、本発明の目的は、薬効成分としてセチリジンまたはその塩を含有し、速やかな崩壊性と充分な硬度を併せ持つ医薬組成物を開発することである。前記のとおり、セチリジンまたはその塩は強い苦味を有するが、患者が、セチリジンまたはその塩を含有する製剤であって、口腔内で崩壊/溶解するような製剤を服用する場合、特に苦味を感じやすい。したがって、本発明の目的は、薬効成分としてセチリジンまたはその塩を含有し、速やかな崩壊性と、充分な硬度を併せ持ち、さらにセチリジンまたはその塩の苦味がマスクされた、医薬組成物およびその製造方法を提供するものである。
本発明者らは鋭意研究の結果、(i)セチリジンまたはその塩、および(ii)シクロデキストリン類に加えて、(iii)トウモロコシデンプン、および(iv)セルロース類を含有する医薬組成物が、口腔内における速やかな崩壊性と、通常の製造工程、流通および使用に耐え得る充分な硬度を併せ持ち、さらにセチリジンまたはその塩に由来する苦味をマスクすることを見出し、本発明を完成した。
また、本発明者らは、(i)セチリジンまたはその塩、(ii)シクロデキストリン類、(iii)トウモロコシデンプン、および(iv)セルロース類を混合し、直接粉末圧縮法により圧縮成型することを特徴とする医薬組成物の製造方法が、口腔内速崩壊性を有する医薬組成物の製造方法として、工程数が少なく簡便なため、極めて有用な製造方法であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)(i)セチリジンまたはその塩、(ii)シクロデキストリン類、(iii)トウモロコシデンプン、および(iv)セルロース類を含有する医薬組成物、
(2)(ii)シクロデキストリン類の粒子のメジアン径が、0.5〜50μmである(1)に記載の医薬組成物、
(3)(ii)シクロデキストリン類が、β−シクロデキストリンである(1)または(2)に記載の医薬組成物、
(4)(iv)セルロース類が、粉末セルロース、結晶セルロース、カルメロースから選ばれる1種または2種以上である(1)〜(3)のいずれか1に記載の医薬組成物、
(5)(iv)セルロース類が、結晶セルロースとカルメロースの組み合わせである(1)〜(4)のいずれか1に記載の医薬組成物、
(6)(i)セチリジンまたはその塩が、セチリジン二塩酸塩である(1)〜(5)のいずれか1に記載の医薬組成物、
(7)口腔内速崩壊性である(1)〜(6)のいずれか1に記載の医薬組成物、
(8)剤形が錠剤である(1)〜(7)のいずれか1に記載の医薬組成物、
(9)(i)セチリジンまたはその塩、(ii)シクロデキストリン類、(iii)トウモロコシデンプン、および(iv)セルロース類を混合する工程と、得られた混合物を直接粉末圧縮法により圧縮成型する工程、を含むことを特徴とする医薬組成物の製造方法、
(10)(i)セチリジンまたはその塩、(ii)シクロデキストリン類、(iii)トウモロコシデンプン、および(iv)セルロース類を混合する工程の前に、(ii)シクロデキストリン類を粉砕する工程を含むことを特徴とする(9)に記載の医薬組成物の製造方法、
(11)(ii)シクロデキストリン類が、β−シクロデキストリンである(9)または(10)に記載の医薬組成物の製造方法、
(12)(iv)セルロース類が、粉末セルロース、結晶セルロース、カルメロースから選ばれる1種または2種以上である(9)〜(11)のいずれか1に記載の医薬組成物の製造方法、
(13)(iv)セルロース類が、結晶セルロースとカルメロースの組み合わせである(9)〜(12)のいずれか1に記載の医薬組成物の製造方法、
(14)(i)セチリジンまたはその塩が、セチリジン二塩酸塩である(9)〜(13)のいずれか1に記載の医薬組成物の製造方法、
(15)医薬組成物が口腔内速崩壊性である、(9)〜(14)のいずれか1に記載の医薬組成物の製造方法、
である。
本発明により、薬効成分として(i)セチリジンまたはその塩を含有し、さらに(ii)シクロデキストリン類、(iii)トウモロコシデンプン、および(iv)セルロース類を含有する医薬組成物を提供することができる。かかる医薬組成物は、口腔内における速やかな崩壊性と、通常の製造工程および流通工程に耐え得る充分な硬度を併せ持ち、さらにセチリジンまたはその塩の苦味がマスクされ、少量の水または水なしで、どこでも服用できるという長所を有するので、アレルギー性鼻炎、じんま疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚掻痒症等の患者の服用コンプライアンスを向上し、有用である。
本発明にかかるセチリジンは、化学名が、2−[2−[4−[(4−クロロフェニル)フェニルメチル]−1−ピペラジニル]エトキシ]−酢酸であり、公知の化合物である。セチリジンの塩は、医薬上容認される塩であれば、特に限定されないが、本発明におけるセチリジンの塩としては、セチリジン二塩酸塩が好ましい。
本発明にかかるシクロデキストリン類とは、シクロデキストリンまたはその誘導体である。具体的には、α−シクロデキストリンまたはその誘導体、β−シクロデキストリンまたはその誘導体、γ−シクロデキストリンまたはその誘導体等を挙げることができる。これらはいずれも公知の化合物であり、市販のものを使用することができる。本発明にかかるシクロデキストリン類としては、β−シクロデキストリンが好ましい。
本発明にかかるトウモロコシデンプンは、第15改正日本薬局方(JP15)に記載されている公知の化合物であり、市販のものを使用することができる。
本発明にかかるセルロース類は、セルロースまたはその誘導体のことである。具体的には、結晶セルロース、粉末セルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明にかかるセルロース類としては、粉末セルロース、結晶セルロース、カルメロースから選ばれる1種、または2種以上を組み合わせたものが好ましく、結晶セルロースおよび粉末セルロースから選ばれる1種と、カルメロースとの組み合わせがより好ましく、結晶セルロースとカルメロースの組み合わせがもっとも好ましい。なお、本発明にかかる結晶セルロースは、成形性の高いものが好ましい。具体的には、セオラス(登録商標)PH−101、セオラス(登録商標)PH−301、セオラス(登録商標)KG−1000(いずれも、旭化成ケミカル株式会社製)等を挙げることができ、これらのなかでもセオラス(登録商標)KG−1000がもっとも好ましい。
本発明の医薬組成物における、セチリジンまたはその塩の配合比は、本発明の医薬組成物の総重量に対して、通常、セチリジンまたはその塩として0.01〜50%を配合する。本発明においては、0.1〜40%を配合するのが好ましい。セチリジンまたはその塩が、セチリジン二塩酸塩の場合、セチリジン二塩酸塩として0.5〜30%を配合するのがより好ましい。
また、本発明の医薬組成物の剤形が錠剤の場合、本発明におけるセチリジンまたはその塩の1錠あたりの含有量は、通常0.01〜20 mgである。本発明においては、含有量が0.1〜15mgであることが好ましい。セチリジンまたはその塩が、セチリジン二塩酸塩の場合、含有量が5mgまたは10mgであることがより好ましい
本発明の医薬組成物におけるシクロデキストリン類の配合比は、本発明の医薬組成物の総重量に対して、通常、シクロデキストリン類として5〜95%を配合する。本発明においては、シクロデキストリン類を10〜90%を配合するのが好ましい。本発明にかかるシクロデキストリン類がβ−シクロデキストリンの場合、β−シクロデキストリンとして15〜85%を配合するのがより好ましい。
また、本発明にかかるシクロデキストリン類は、薬物とよく混合させるために、細かく粉砕されたものを配合するのが好ましい。具体的には、シクロデキストリン類の粒子のメジアン径は、通常、0.1〜100μmであるが、本発明においては、0.5〜50μmが好ましく、1〜40μmがより好ましい。さらに具体的には、かかるシクロデキストリン類の粒度として、シクロデキストリン粒子全体の体積基準の90%径が、100μm以下であることが好ましい。本発明においては、シクロデキストリン類を細かく粉砕して混合することにより、さらに優れた口腔内崩壊性を期待することもできる。

本発明の医薬組成物におけるトウモロコシデンプンの配合比は、本発明の医薬組成物の総重量に対して、通常、トウモロコシデンプンとして0.1〜50%を配合する。本発明においては、0.5〜30%を配合するのがより好ましい。
本発明の医薬組成物におけるセルロース類の配合比は、本発明の医薬組成物の総重量に対して、通常、セルロース類として1〜75%を配合する。本発明においては、5〜50%を配合するのがより好ましい。
また、本発明にかかるセルロース類が、結晶セルロースおよび粉末セルロースから選ばれる1種と、カルメロースとを組み合わせたものである場合、結晶セルロースおよび粉末セルロースから選ばれる1種と、カルメロースとの配合比は、1:100〜100:1が好ましく、1:9〜9:1がより好ましい。
さらに、本発明の医薬組成物における、トウモロコシデンプンとセルロース類の配合比は、1:100〜100:1が好ましく、1:9〜5:5がより好ましい。
本発明の医薬組成物には、さらに矯味剤を配合してもよい。本発明の医薬組成物に配合可能な矯味剤としては、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、クエン酸ナトリウム、グリシン、L−グルタミン酸、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、酒石酸、DL−リンゴ酸、スクラロース、ステビア抽出精製物等を挙げることができる。本発明においては、矯味剤としてアセスルファムカリウムを配合するのが好ましい。
また、本発明の医薬組成物には、さらに香料、滑沢剤、流動化剤を配合してもよい。香料としては、例えば、バニリン、l―メントール、オレンジミクロン(高砂香料)、メントールミクロン(高砂香料)、ストロベリーフレーバー(曽田香料)、ヨーグルトミクロン(高砂香料)等を挙げることができる。また、滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油等を挙げることができる。また、流動化剤としては、例えば、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、タルク、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム等を挙げることができる。
さらに本発明の医薬組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、必要に応じ、賦形剤、崩壊剤、結合剤等の医薬用添加物を配合することができる。これらの医薬用添加物は、1種を配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
本発明の医薬組成物の剤形は、経口可能な固形製剤なら特に制限はないが、例えば、顆粒剤、散剤(細粒を含む)、錠剤等を挙げることができる。本発明においては、錠剤が好ましい。
次に、本発明の医薬組成物の製造方法を説明する。
本発明の医薬組成物の製造は、一般に使用されている医薬品製剤製造装置により製造可能である。
本発明の医薬組成物の剤形が錠剤の場合、その錠剤の製造方法の1例としては、本発明にかかるセチリジンまたはその塩、シクロデキストリン類、トウモロコシデンプンおよびセルロース類、さらに必要に応じて他の医薬用添加物を混合し、必要に応じて造粒し、次いで得られた混合物または造粒物を圧縮成型することにより製造することができる。
本発明にかかるセチリジンまたはその塩、シクロデキストリン類、トウモロコシデンプンおよびセルロース類、さらに必要な他の医薬用添加物の混合は、攪拌ミキサー、対流式ミキサー等を用いればよく、造粒は、流動層造粒機、攪拌造粒機、押し出し造粒機、転動造粒機、噴霧乾燥造粒機等を用いればよい。
本発明においては、前記混合の工程の前に、シクロデキストリン類を粉砕することが好ましい。粉砕方法は特に制限はないが、例えば、流体式粉砕機、衝撃式粉砕機、カッティングミル、コンプレッションミル、篩い分け式粉砕機、タンブラー式粉砕機等にて、粉砕する。これらの方法の中では、衝撃式粉砕機で粉砕するのが、粉砕効率の面から好ましい。
次いで、得られた混合物または造粒物を圧縮成型する。一般的に圧縮成型の方法としては、湿式顆粒圧縮法、乾式顆粒圧縮法および直接粉末圧縮法等があるが、本発明においては、乾式顆粒圧縮法または直接粉末圧縮法を採用するのが好ましく、得られた混合物を造粒せず、そのまま圧縮成型する直接粉末圧縮法を採用するのが、簡便なので、もっとも好ましい。本発明においては、単発式打錠機、ロータリー式打錠機などの一般的な錠剤の成型機によって圧縮成型することが可能である。また、外部滑沢打錠機を採用し、打錠時に滑沢剤を添加することも可能である。
圧縮成型時の打錠圧は、所望の成型物の硬度、口腔内に含んだ際の崩壊性あるいは溶解性から設定すればよい。すなわち、打錠圧は、通常30〜500kgfであり、40〜400kgfが好ましく、50〜300kgfがより好ましい。
本発明の医薬組成物は、優れた崩壊性を有することを特徴としており、口腔内速崩壊性を有する。一般的に、口腔内崩壊性医薬組成物(口腔内崩壊錠等)は、30秒以内に口腔内で完全に崩壊すればよいとされる。しかしながら、本発明の医薬組成物の剤形が錠剤の場合、健康な成年男子が、該錠剤を口腔内に水なしで含んだ時、錠剤が口腔内で完全に崩壊または溶解するまでの時間(口腔内崩壊時間)は20秒以内である。
口腔内崩壊時間が20秒以内の医薬組成物は、老人、小児および水分摂取制限された患者等の使用性の観点から、極めて優れた口腔内速崩壊性を有するといえる。なお、通常の服用状態では、服用者が舌で舐めたり、舌と上顎により圧迫したりすることにより、さらに短時間で崩壊する。
また、本発明の医薬組成物は、実用に耐えうる程度に充分な硬度を有する。なお、実用に耐えうる充分な硬度とは、製造、流通、および使用に耐えうる硬度をいうが、特に本発明の医薬用組成物が錠剤の場合は、PTP包装時あるいは開放時に破損することなく耐える程度の強度をいう。具体的には、本発明の医薬組成物の剤形が錠剤の場合、該錠剤の実用に耐えうる充分な硬度とは、錠剤の大きさや形状により異なるが、本発明においては、錠剤の直径または最大長が8mm以上10mm未満の場合に硬度が1kp以上、10mm以上15mm未満の場合2kp以上、15mm以上20mm未満の場合3kp以上、20mm以上の場合4kp以上が好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.試験方法
本発明の効果をさらに詳細に説明するため、比較例および実施例で得られた錠剤について下記のような製剤特性について試験した。
(硬度試験方法)
錠剤硬度計はエルベーカー社製錠剤硬度計を用いて、錠剤の直径方向の破壊強度を測定し、その平均値を求めた。
(口腔内崩壊試験)
健康な成人男性の口腔内に、服用のための水なしで錠剤を含ませ、錠剤が口腔内から崩壊・溶解するまでの時間を測定し、その平均値を求めた。
(苦味マスキング評価試験)
健康な成人男性の口腔内に服用のための水なしで錠剤を含ませ、錠剤が口腔内で崩壊・溶解したときに、苦味を感じる(+)または、ほとんど感じない(−)を判定した。

2.添加剤の選択試験(1)
(参考例1)
ターブラーシェーカー(TC2型、シンマルエンタープライゼス)に塩酸セチリジン(UCB)0.59g、乳糖(Lactose Monohydrate、Pharmatose 100M、DMV)4.21g、粉末セルロース(ARBOCEL M−80、RETTENMAIER&SOHNE)1.18g、ケイ酸カルシウム(フローライト−RE、トクヤマ)0.27g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリン UFL2、富山化学工業)0.09g、クロスポビドン(Polyplasdone−XL、ISP.JAPAN)0.50g、アセスルファムカリウム(サネット Pharma Grade、ニュートリノヴァ・ジャパン0.20g、バニリン(富士香料化工)0.10gを入れ、10分間で混合し、混合粉末Aを得た。得られた混合粉末A2.82gと乳糖1.18gを、ガラス瓶に入れて1分間転倒させて混合し、混合粉末Bを得た。この混合粉末Bを、単発打錠機(N−30E、岡田精工)を用いて打錠した(重量:170mg、打錠圧500kgf、杵:7.5mmφ)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウム(日東化成工業)を臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(参考例2)
参考例1にて得られた混合粉末A2.82gとβ−シクロデキストリン(セルデックスB−100H、日本食品化工)1.18gを、ガラス瓶に入れて1分間転倒させて混合し、混合粉末Cを得た。この混合粉末Cを、単発打錠機を用いて打錠した(重量:170mg、打錠圧170kgf、杵:7.5mmφ)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(参考例3)
ターブラーシェーカーに塩酸セチリジン0.45g、乳糖2.74g、粉末セルロース1.18g、ケイ酸カルシウム(Aerosil 200、日本アエロジル社製)0.27g、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム0.09g、クロスポビドン0.50g、アセスルファムカリウム0.20g、バニリン0.10gを入れ、10分間で混合し、混合粉末Dを得た。得られた混合粉末D2.18gと乳糖1.82gを、ガラス瓶に入れて1分間転倒させて混合し、混合粉末Eを得た。この混合粉末Eを、単発打錠機を用いて打錠した(重量:220mg、打錠圧500kgf、杵:8.0mmφ)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(参考例4)
参考例3にて得られた混合粉末D2.18gとβ−シクロデキストリン1.82gを、ガラス瓶に入れて1分間転倒させて混合し、混合粉末Fを得た。この混合粉末Fを、単発打錠機を用いて打錠した(重量:220mg、打錠圧120kgf、杵:8.0mmφ)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。

表1
Figure 2009054432
(ステアリン酸マグネシウムの配合量は、極めて少量のため記載していない。)
参考例1〜4の錠剤の硬度および口腔内崩壊時間を測定し、苦味マスキングを評価した。結果を表2、3に示す。
表2 錠剤の硬度および口腔内崩壊時間(n=3)
Figure 2009054432
表3 苦味マスキングの評価(n=3)
Figure 2009054432
表2の結果から、塩酸セチリジンに、乳糖、粉末セルロース、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよびクロスポビドンを配合した錠剤(参考例1、3)は、優れた口腔内速崩壊性と硬度を併せ持つが、表3の結果から、口腔内に含むと苦味を感じることがわかった。一方、乳糖をシクロデキストリンに代えた錠剤(参考例2、4)は、表3の結果から、口腔内に含んだときに苦味をほとんど感じないが、口腔内崩壊時間は、20秒以上であった(表2)。
3.添加剤の選択試験(2)
(比較例1)
ターブラーシェーカーに塩酸セチリジン0.20g、β−シクロデキストリン2.00gを入れ、10分間で混合し、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、単発打錠機を用いて打錠した(重量:110mg、杵:7.0mmφ、打錠圧:100kgf、硬度3kpの場合70kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(比較例2)
ターブラーシェーカーに塩酸セチリジン0.20g、β−シクロデキストリン2.00g、粉末セルロース0.52gを入れ、10分間で混合し、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、単発打錠機を用いて打錠した(重量:136mg、杵:7.5mmφ、打錠圧:70kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(比較例3)
ターブラーシェーカーに塩酸セチリジン0.20g、β−シクロデキストリン2.00g、カルメロース(NS−300、五徳薬品)0.22gを入れ、10分間で混合し、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、単発打錠機を用いて打錠した(重量:121mg、杵:7.5mmφ、打錠圧:110kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(比較例4)
ターブラーシェーカーに塩酸セチリジン0.20g、β−シクロデキストリン2.00g、トウモロコシデンプン(日本食品化工)0.44gを入れ、10分間で混合し、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、単発打錠機を用いて打錠した(重量:132mg、杵:7.5mmφ、打錠圧:110kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(比較例5)
ターブラーシェーカーに塩酸セチリジン0.20g、β−シクロデキストリン2.00g、粉末セルロース0.52g、カルメロース0.22gを入れ、10分間で混合し、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、単発打錠機を用いて打錠した(重量:147mg、杵:7.5mmφ、打錠圧:80kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(実施例1)
ターブラーシェーカーに塩酸セチリジン0.20g、β−シクロデキストリン2.00g、粉末セルロース0.52g、トウモロコシデンプン0.44gを入れ、10分間で混合し、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、単発打錠機を用いて打錠した(重量:158mg、杵:7.5mmφ、打錠圧:110kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(実施例2)
ターブラーシェーカーに塩酸セチリジン0.20g、β−シクロデキストリン2.00g、カルメロース0.22g、トウモロコシデンプン0.44gを入れ、10分間で混合し、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、単発打錠機を用いて打錠した(重量:143mg、杵:7.5mmφ、打錠圧:110kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(実施例3)
ターブラーシェーカーに塩酸セチリジン0.20g、β−シクロデキストリン2.00g、粉末セルロース0.52g、カルメロース0.22g、トウモロコシデンプン0.44gを入れ、10分間で混合し、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、単発打錠機を用いて打錠した(重量:169mg、杵:8.0mmφ、打錠圧:130kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
なお、比較例1〜5および実施例1〜3の打錠圧は、各々の錠剤の硬度が約5kpになるように調整した。
表4
Figure 2009054432
(ステアリン酸マグネシウムの配合量は、極めて少量のため記載していない。)

硬度および口腔内崩壊時間を測定した結果を表5に、苦味マスキング評価の結果を表6に示す。
表5.錠剤の硬度および口腔内崩壊時間(n=3)
Figure 2009054432
表6.苦味マスキングの評価(n=3)
Figure 2009054432
表5の結果から、塩酸セチリジンに、β−シクロデキストリン、トウモロコシデンプン、およびセルロース類(粉末セルロースおよび/またはカルメロース)を配合した錠剤(実施例1〜3)は、20秒以内の口腔内崩壊時間と充分な硬度を併せ持つことがわかった。一方、トウモロコシデンプンやセルロース類を配合しなかった錠剤(比較例1〜5)は、いずれも口腔内崩壊時間が20秒以上であった。なお、表6の結果から、実施例1〜3、比較例1〜5の錠剤は、いずれも口腔内に含んだとき、苦味をほとんど感じなかった。
4.添加剤の選択試験(3)
(比較例6)
比較例1と同様にして得られた混合粉末を、単発打錠機を用いて、打錠圧を変えて打錠した(重量:110mg、杵:7.0mmφ、打錠圧:70kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(実施例4)
実施例1と同様にして得られた混合粉末を、単発打錠機を用いて、打錠圧を変えて打錠した(重量:158mg、杵:7.5mmφ、打錠圧:70kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(実施例5)
実施例2と同様にして得られた混合粉末を、単発打錠機を用いて、打錠圧を変えて打錠した(重量:143mg、杵:7.5mmφ、打錠圧:90kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
なお、比較例6および実施例4、5の打錠圧は、各々の錠剤の硬度が約3kpになるように調整した
硬度および口腔内崩壊時間を測定した結果を表7に、苦味マスキング評価の結果を表8に示す。
表7 錠剤の硬度および口腔内崩壊時間(n=3)
Figure 2009054432
表8 苦味マスキングの評価(n=3)
Figure 2009054432
表7の結果から、塩酸セチリジンに、β−シクロデキストリン、トウモロコシデンプン、およびセルロース類(粉末セルロースおよび/またはカルメロース)を配合した錠剤(実施例4、5)は、打錠圧を変えても、速やかな口腔内崩壊時間と充分な硬度を併せ持つことがわかった。一方、トウモロコシデンプンやセルロース類を配合しなかった錠剤(比較例6)は、打錠圧を低くしても、口腔内崩壊時間が20秒を超えることがわかった。また、表8の結果から、実施例4、5および比較例6の錠剤は、いずれも口腔内に含んだとき、ほとんど苦味を感じなかった。
5.結晶セルロースのグレード別試験
(実施例6)
メノウ乳鉢にβ−シクロデキストリン2.35g、軽質無水ケイ酸(Aerosil 200、日本アエロジル)0.235g、黄色三二酸化鉄0.100gを入れ、3分間乳棒を用いて混合し、混合粉末Gを得た。ターブラーシェーカーに混合粉末G0.269g、塩酸セチリジン0.588g、β−シクロデキストリン5.647g、粉末セルロース0.588g、トウモロコシデンプン1.898g、カルメロース0.765g、ステビア抽出物(ステビロンC、守田化学工業)0.235g、バニリン0.010gを入れ、10分間で混合し、混合粉末Hを得た。得られた混合粉末Hを、単発打錠機を用いて打錠した(重量:170mg、杵:8.0mmφ、打錠圧:140kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(実施例7)
ターブラーシェーカーに、実施例6にて得られた混合粉末G0.269g、塩酸セチリジン0.588g、β−シクロデキストリン5.647g、結晶セルロース(PH−301、旭化成ケミカルズ社製)0.588g、トウモロコシデンプン1.898g、カルメロース0.765g、ステビア抽出物0.235g、バニリン0.010gを入れ、10分間で混合し、混合粉末Iを得た。得られた混合粉末Iを、単発打錠機を用いて打錠した(重量:170mg、杵:8.0mmφ、打錠圧:130kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(実施例8)
ターブラーシェーカーに、実施例6にて得られた混合粉末G0.269g、塩酸セチリジン0.588g、β−シクロデキストリン5.647g、結晶セルロース(PH−101、旭化成ケミカルズ)0.588g、トウモロコシデンプン1.898g、カルメロース0.765g、ステビア抽出物0.235g、バニリン0.010gを入れ、10分間で混合し、混合粉末Jを得た。得られた混合粉末Jを、単発打錠機を用いて打錠した(重量:170mg、杵:8.0mmφ、打錠圧:140kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。
(実施例9)
ターブラーシェーカーに、実施例6にて得られた混合粉末G0.269g、塩酸セチリジン0.588g、β−シクロデキストリン5.647g、結晶セルロース(KG−1000、旭化成ケミカルズ)0.588g、トウモロコシデンプン1.898g、カルメロース0.765g、ステビア抽出物0.235g、バニリン0.010gを入れ、10分間で混合し、混合粉末Kを得た。得られた混合粉末Kを、単発打錠機を用いて打錠した(重量:170mg、杵:8.0mmφ、打錠圧:120kgf)。なお、打錠前に、少量のステアリン酸マグネシウムを臼・杵に塗布して打錠し、錠剤を得た。

表9
Figure 2009054432
(ステアリン酸マグネシウムの配合量は、極めて少量のため記載していない。)

硬度および口腔内崩壊時間を測定した結果を表10に示す。
表10 錠剤の硬度および口腔内崩壊時間(n=3)
Figure 2009054432
表10の結果から、実施例6〜9のいずれの錠剤も、優れた口腔内崩壊性と、充分な硬度を併せ持つことがわかった。特に結晶セルロースの中でも、成形性が高いとされる結晶セルロースを用いた場合(実施例7、9)において、より優れた口腔内崩壊性を示すことがわかった。
6.粉砕シクロデキストリンを用いた試験
(実施例10)
β−シクロデキストリン1.0kgをとり、フィッツミル粉砕機(Screen:0.50mmφ、インパクト、DKA−6、ホソカワミクロン)を用いて粉砕し、得られた粉末を更に同条件にて粉砕して、β−シクロデキストリン粉砕末とした(メジアン径:25.7μm)。また、トウモロコシデンプン、アセスルファムカリウム、結晶セルロース(KG−1000、旭化成ケミカルズ)、カルメロースを、それぞれ100号篩で篩過し、コーンスターチ篩過末、アセスルファムカリウム篩過末、結晶セルロース篩過末、カルメロース篩過末を得た。さらに、塩酸セチリジン16.67g、軽質無水ケイ酸1.667g、オレンジミクロン(H−80092、高砂香料)0.2833g、コーンスターチ篩過末56.67g、結晶セルロース篩過末33.33g、カルメロース篩過末21.67g、アセスルファムカリウム篩過末3.333g及びβ−シクロデキストリン粉砕末166.7gをとり、V型混合機(S−3、筒井理化学器械)で20分間混合し、混合粉末Lを得た。得られた混合粉末Lを、外部滑沢打錠機(VIRG0512SS2 AZ錠剤機、菊水製作所)を用いて打錠した(重量:180mg、打錠圧190kgf、杵:8.5mmφ)。なお、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを用いて、錠剤を得た。
口腔内崩壊時間および硬度を測定した結果を表12に、苦味マスキング評価を表13に示す。
表11
Figure 2009054432
(ステアリン酸マグネシウムの配合量は、極めて少量のため記載していない。)

表12 錠剤の硬度および口腔内崩壊時間(n=3)
Figure 2009054432
表13 苦味マスキングの評価(n=3)
Figure 2009054432
表12の結果から、粉砕したシクロデキストリン類(β‐シクロデキストリン)を用い、優れた口腔内崩壊性と、充分な硬度を併せ持つ錠剤を得ることができた。また、表13の結果から、シクロデキストリン類の粉砕によっても、苦味のマスキングに影響はなかった。
本発明により、セチリジンまたはその塩を含有し、充分な硬度と口腔内における速やかな崩壊性とを併せ持つ医薬組成物を提供することができる。かかるセチリジンまたはその塩を含有する医薬組成物は、セチリジンまたはその塩の苦味がマスクされ、さらに、少量の水または水なしで、どこでも服用できるという長所を有するので、アレルギー性鼻炎、じんま疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚掻痒症等の患者の服用コンプライアンスを向上し、有用である。

Claims (15)

  1. (i)セチリジンまたはその塩、(ii)シクロデキストリン類、(iii)トウモロコシデンプン、および(iv)セルロース類を含有する医薬組成物。
  2. (ii)シクロデキストリン類の粒子のメジアン径が、0.5〜50μmである請求項1に記載の医薬組成物。
  3. (ii)シクロデキストリン類が、β−シクロデキストリンである請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. (iv)セルロース類が、粉末セルロース、結晶セルロース、カルメロースから選ばれる1種または2種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  5. (iv)セルロース類が、結晶セルロースとカルメロースの組み合わせである請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. (i)セチリジンまたはその塩が、セチリジン二塩酸塩である請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  7. 口腔内速崩壊性である請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  8. 剤形が錠剤である請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  9. (i)セチリジンまたはその塩、(ii)シクロデキストリン類、(iii)トウモロコシデンプン、および(iv)セルロース類を混合する工程と、得られた混合物を直接粉末圧縮法により圧縮成型する工程、を含むことを特徴とする医薬組成物の製造方法。
  10. (i)セチリジンまたはその塩、(ii)シクロデキストリン類、(iii)トウモロコシデンプン、および(iv)セルロース類を混合する工程の前に、(ii)シクロデキストリン類を粉砕する工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の医薬組成物の製造方法。
  11. (ii)シクロデキストリン類が、β−シクロデキストリンである請求項9または10に記載の医薬組成物の製造方法。
  12. (iv)セルロース類が、粉末セルロース、結晶セルロース、カルメロースから選ばれる1種または2種以上である請求項9〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法。
  13. (iv)セルロース類が、結晶セルロースとカルメロースの組み合わせである請求項9〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法。
  14. (i)セチリジンまたはその塩が、セチリジン二塩酸塩である請求項9〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法。
  15. 医薬組成物が口腔内速崩壊性である、請求項9〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法。
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