JP2001122785A - ブロチゾラムを含有する錠剤 - Google Patents

ブロチゾラムを含有する錠剤

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耕一 和田
Seisuke Kurosaki
誠介 黒崎
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 小量の薬理学的に許容できる水性液体、口腔
内の睡液中等で迅速に崩壊する一方、移送及び流通用途
に十分安定である、活性成分としてブロチゾラムを含有
する錠剤を製造する。 【解決手段】 活性成分としてブロチゾラム、1種以上
の充填剤及び/又は崩壊剤、滑沢剤を含有し、任意に甘
味剤、酸味剤及び/又は香味剤を含有していてもよい、
全質量30〜800mg、直径4〜15mm及び硬度50N〜100Nを有
し、2mlまでの体積の水性液体中で最大60秒以内で崩壊
する錠剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば口の唾液等
の少量の水中で迅速に崩壊するブロチゾラムを含有する
新規な服用し易い錠剤に関する。
【従来の技術】ブロチゾラムは、鎮静及び催眠効果を有
するジアゼピンである。該物質自身及び最初の製造方法
は、ドイツ特許DE 2410030に開示されている。ブロチゾ
ラムは、これまで鎮静剤として多く使用されてきた。大
多数の消費者は年配者である。ブロチゾラムは、経口的
に投与されるべき錠剤として市場において入手可能であ
った。錠剤は、患者が水と一緒に飲み込むか又は噛まな
ければならないものである。しかしながら、錠剤に対す
る年配者のコンプライアンスは、特に夜間において及び
/又は水と一緒に服用すべき頻度を減少させることが分
かった。中でも、これは、年配者が多量に飲むことを、
特に夜に床に就く前に飲むことを嫌うためであり、水な
しで夜間に錠剤を服用することを好むためである。別の
分野のブロチゾラムは、外科手術の前に鎮静剤として使
用することができる。このような場合にブロチゾラムを
使用する利点は明らかである。しかしながら、水と一緒
に服用しなければならない事実は、手術前の許容性(ad
missibility)を減少させる。本発明は、本発明のブロ
チゾラム錠剤により上述の欠点を解決する新規なブロチ
ゾラム組成物に関する。本発明は、口腔内の唾液により
良好に崩壊し、水を使用せずに飲み込めるブロチゾラム
錠剤に関する。一方、当業界において、良好に崩壊する
錠剤が公知であるが、そのような錠剤には幾つかの欠点
がある。一般的に、これらの錠剤は、非常に多孔性であ
り、それ故それ程硬くはない。結果として、このような
錠剤は2つ又はそれ以上に砕くことができず、一度に錠
剤の半分のみを服用すべき場合に役に立たなくなってし
まう。また、これらの多孔性錠剤は湿気に非常に敏感で
ある。結果として、一旦ブリスターを開けてしまうと数
日間さえも保存できなくなる。これらの錠剤の他の欠点
は、製造方法に関するものである。通常、錠剤は低圧に
おいて湿った材料を圧縮し、その後、例えば凍結乾燥に
より乾燥させることにより製造するが、これは、浪費す
るよりはむしろ高価である。
【0002】
【発明の概要】本発明の目的は、小量の薬理学的に許容
できる水性液体、口腔内の唾液中等で迅速に崩壊する一
方、移送及び流通用途に十分安定であり、当業界におい
て公知の欠点を解決する、活性成分としてブロチゾラム
を含有する錠剤を製造することである。本発明の別の目
的は、口腔内の唾液により容易に崩壊する一方、2つの
安定な小片にわけるのに十分な硬度を有する、活性成分
としてブロチゾラムを含有する錠剤を製造することであ
る。本発明の別の目的は、口腔内の唾液中で容易に崩壊
し、水分を摂取したり、未発泡(unblistered)の場合
に別々に壊れることなく湿気に数日間耐える、活性成分
としてブロチゾラムを含有する錠剤を製造することであ
る。本発明の別の目的は、口腔内の唾液中で迅速に崩壊
して風味のよい溶液又は懸濁液、好ましくは懸濁液にな
る、活性成分としてブロチゾラムを含有する錠剤を製造
することである。錠剤の良好な風味は、コンプライアン
スを向上させるだけではなく、錠剤を誤用する危険性を
最小にする。
【0003】
【発明の実施の形態】本発明は、活性成分としてブロチ
ゾラム、1種以上の充填剤及び/又は崩壊剤、滑沢剤を
含有し、任意に甘味剤、酸味剤及び/又は香味剤を含有
していてもよい、水性液体中で迅速に崩壊する錠剤に関
する。好ましくは、本発明の錠剤は、唾液、最も好まし
くは口腔内の唾液中で迅速に崩壊する。本発明の錠剤
は、60秒以内、好ましくは30秒以内、最も好ましくは15
秒以内で崩壊する。崩壊過程は、前記液体の体積の2ml
まで、好ましくは0.5ml〜2ml、最も好ましくは1mlの量
で起こる。上述の錠剤の利点を満たすために、すなわち
一方で迅速に崩壊し、他方で2つの小片に分けられ、移
送及び流通するのに十分な硬度を有するために、錠剤
は、ある硬度を有することが必要である。50N〜100Nの
硬度が上述の目的のよく合致することが分かった。好ま
しいのは、硬度60N〜90Nの錠剤であり、最も好ましいの
は硬度65N〜85Nの錠剤である。好ましくは、本発明の錠
剤は、全質量30mg〜800mg、直径4〜15mmを有する。好ま
しいのは、全質量40mg〜400mgで、直径5mm〜10mm、好ま
しくは8mmの錠剤である。全質量50mg〜100mgで、直径5m
m〜7mm、好ましくは6mmの錠剤もまた好ましい。最も好
ましいのは、全質量150mg又は170mgであり、直径8mmの
錠剤、及び全質量80mg又は85mgで、直径6mmの錠剤であ
る。本発明の錠剤は、1種以上の充填剤及び/又は崩壊
剤を含有する。これらの物質は、ある大きさの錠剤を製
造し、崩壊工程を補助するのに有用であり、当業界にお
いて周知である。充填剤及び/又は崩壊剤は、ラクトー
ス、微結晶セルロース、スターチ、好ましくはコーンス
ターチ、メイズスターチ又はポテトスターチの群から選
ばれ得る。
【0004】本発明の錠剤はまた、1種以上の滑沢剤を
含有する。滑沢剤は、当業界において周知である。その
うち、好ましい滑沢剤は、軽質無水ケイ酸及び/又はマ
グネシウムステアレートの群から選ばれ得る。滑沢剤は
また、湿気結合効果を有することができる。錠剤の風味
を向上させるために、本発明の錠剤は、任意に1種以上
の甘味剤を含有してもよい。これらの甘味剤は、アスパ
ルテーム、モノアンモニウムグリシルリチネート及び/
又は当業界において公知の薬理学的に許容できる他の任
意の甘味剤から選ばれるのが好ましい。甘味剤に加えて
又はこれに代えて、本発明の錠剤は、任意に1種以上の
酸味剤を含有することができる。これらの酸味剤は、フ
マル酸一ナトリウム、クエン酸及び/又は当業界におい
て公知の薬理学的に許容できる他の任意の酸味剤から選
ばれ得る。甘味剤及び/又は酸味剤に加えて、又はこれ
らに代えて、本発明の錠剤は、任意に1種以上の香味剤
を含有することができる。香味剤はまた、冷却効果を与
える。香味剤又は冷却剤は、l-メントール及び/又はマ
ンニトールの群から選ばれるのが好ましい。本発明の錠
剤はまた、当業界において周知の薬理学的に許容できる
他の任意の添加剤を含有することができる。
【0005】本発明の錠剤は、直接打錠法(direct tab
letting process)により製造される。これは、全ての
成分はいかなる造粒方法を使用することなく圧縮される
ことを意味する。好ましくは、本発明は5900 N〜15700
N、好ましくは7800 N〜14000Nの圧力で圧縮される。980
0 N〜12000 Nの圧力で製造される、全質量170mg、直径8
mmの錠剤は約80 Nの硬度を有する。上述の特徴を有す
る錠剤及び/又は上述の方法により製造される錠剤は、
鎮静剤として又はブロチゾラムが有用であろう他の任意
の適応症に使用することができる。本発明の錠剤はま
た、好ましくは60秒以内、より好ましくは30秒以内、最
も好ましくは15秒以内でブロチゾラムの水性溶液又は水
性懸濁液を迅速に製造するために使用することができ
る。
【0006】
【実施例】実施例1 ブロチゾラム 0.250 mg ラクトース 86.820 mg 結晶セルロース 30.000 mg コーンスターチ 30.000 mg アスパルテーム 0.225 mg フマル酸一ナトリウム 0.750 mg 軽質無水ケイ酸 1.500 mg l-メントール 0.007 mg マグネシウムステアレート 0.450 mg 全質量 150 mg
【0007】実施例 2 ブロチゾラム 0.250 mg ラクトース 88.320 mg 結晶セルロース 30.000 mg コーンスターチ 30.000 mg アスパルテーム 0.225 mg フマル酸一ナトリウム 0.750 mg l-メントール 0.007 mg マグネシウムステアレート 0.450 mg 全質量 150 mg
【0008】実施例3 ブロチゾラム 0.250 mg ラクトース 89.070 mg 結晶セルロース 30.000 mg コーンスターチ 30.000 mg アスパルテーム 0.225 mg l-メントール 0.007 mg マグネシウムステアレート 0.450 mg 全質量 150 mg
【0009】実施例4 ブロチゾラム 0.250 mg ラクトース 99.330 mg 微結晶セルロース 34.032 mg コーンスターチ 34.000 mg アスパルテーム 0.260 mg フマル酸一ナトリウム 0.850mg 軽質無水ケイ酸 0.570 mg l-メントール 0.008 mg マグネシウムステアレート 0.700 mg 全質量 170 mg
【0010】実施例5 ブロチゾラム 0.250 mg ラクトース 100.180 mg 微結晶セルロース 34.032 mg コーンスターチ 34.000 mg アスパルテーム 0.260 mg 軽質無水ケイ酸 0.570 mg l-メントール 0.008 mg マグネシウムステアレート 0.700 mg 全質量 170 mg
【0011】実施例 6 ブロチゾラム 0.25 mg ラクトース 99.338 mg 微結晶セルロース 34.032 mg コーンスターチ 34 mg アスパルテーム 0.26 mg フマル酸一ナトリウム 0.85 mg 軽質無水ケイ酸 0.57 mg マグネシウムステアレート 0.7 mg 全質量 170 mg
【0012】実施例7 ブロチゾラム 0.250 mg ラクトース 99.330 mg 微結晶セルロース 34.032 mg コーンスターチ 34.000 mg モノアンモニウムグリシルリチネート 0.260 mg フマル酸一ナトリウム 0.850 mg 軽質無水ケイ酸 0.570 mg l-メントール 0.008 mg マグネシウムステアレート 0.700 mg 全質量 170 mg
【0013】実施例8 ブロチゾラム 0.250 mg ラクトース 99.330 mg 微結晶セルロース 34.032 mg コーンスターチ 34.000 mg アスパルテーム 0.260 mg クエン酸 0.850 mg 軽質無水ケイ酸 0.570 mg l-メントール 0.008 mg マグネシウムステアレート 0.770 mg 全質量 170 mg
【0014】実施例9 ブロチゾラム 0.250 mg ラクトース 89.410 mg 微結晶セルロース 34.032 mg コーンスターチ 34.00 mg アスパルテーム 0.260 mg フマル酸一ナトリウム 0.850 mg 軽質無水ケイ酸 0.570 mg マンニトール 10.000 mg マグネシウムステアレート 0.770 mg 全質量 170 mg
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/38 A61K 47/38 A61P 25/20 A61P 25/20 Fターム(参考) 4C076 AA36 BB01 CC01 DD29C DD37T DD41C DD41T DD46T DD51T DD67A DD67B EE31A EE31B EE38A EE38B FF04 FF06 FF33 FF52 GG11 4C086 AA01 CB11 MA03 MA05 MA35 MA52 ZA05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性成分としてブロチゾラム、1種以上
    の充填剤及び/又は崩壊剤、滑沢剤を含有し、任意に甘
    味剤、酸味剤及び/又は香味剤を含有していてもよい、
    全質量30〜800mg、直径4〜15mm及び硬度50N〜100Nを有
    し、2mlまでの体積の水性液体中で最大60秒以内で崩壊
    する錠剤。
  2. 【請求項2】 60N〜90Nの硬度を有することを特徴とす
    る請求項1記載の錠剤。
  3. 【請求項3】 65N〜85Nの硬度を有することを特徴とす
    る請求項1記載の錠剤。
  4. 【請求項4】 充填剤及び/又は崩壊剤が、ラクトー
    ス、微結晶セルロース、コーンスターチ、メイズスター
    チ又はポテトスターチの群から選ばれることを特徴とす
    る請求項1〜3いずれか1項記載の錠剤。
  5. 【請求項5】 滑沢剤が、軽質無水ケイ酸及び/又はマ
    グネシウムステアレートの群から選ばれることを特徴と
    する請求項1〜4いずれか1項記載の錠剤。
  6. 【請求項6】 錠剤が、アスパルテーム、モノアンモニ
    ウムグリシルリチネートの群から選ばれる1種以上の甘
    味剤を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか
    1項記載の錠剤。
  7. 【請求項7】 錠剤が、フマル酸一ナトリウム及び/又
    はクエン酸の群から選ばれる1種以上の酸味剤を含有す
    ることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の錠
    剤。
  8. 【請求項8】 錠剤が、l-メントール及び/又はマンニ
    トールの群から選ばれる1種以上の香味剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の錠剤。
  9. 【請求項9】 全質量が130mg〜180mgであり、直径が5m
    m〜10mmであることを特徴とする請求項1〜8いずれか
    1項記載の錠剤。
  10. 【請求項10】 全質量が150mg又は170mgであり、直径
    が8mmであることを特徴とする請求項1〜8いずれか1
    項記載の錠剤。
  11. 【請求項11】 全質量が50mg〜100mgであり、直径が5
    mm〜7mmであることを特徴とする請求項1〜8いずれか
    1項記載の錠剤。
  12. 【請求項12】 いかなる造粒方法を使用せずに5900N
    〜15700Nの圧力で成分を直接圧縮することによる、請求
    項1〜11いずれか1項記載の錠剤の製造方法。
  13. 【請求項13】 圧力が7800N〜14000Nであることを特
    徴とする請求項11記載の方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜11いずれか1項記載の錠
    剤の鎮静薬としての使用。
  15. 【請求項15】 請求項1〜11いずれか1項記載の錠
    剤の、2mlの水性液体に60秒以内に溶解又は懸濁する
    ための使用。
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EP1093810B1 (en) 2003-08-13

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