JPWO2009051162A1 - ビシクロ環化合物の製造方法 - Google Patents

ビシクロ環化合物の製造方法 Download PDF

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貴史 吉村
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Abstract

医薬、農薬や液晶等の高機能製品の原材料等として有用なビシクロ環化合物を、室温付近の温和な条件で速やかに製造することが出来る工業的に優れた製造方法を提供する。水酸基及び/又はアミノ基に由来する活性水素を3個有する化合物と、α,α−ジハロアミンとを反応させるビシクロ環化合物の製造方法であって、トリオール類、アミノジオール類またはトリアミン類とα,α−ジハロアミンを反応させることによって、ビシクロオルトエステル類、ビシクロアミドアセタール類またはシクロトリスアミノメタン類を簡便かつ効率的に製造することが可能となる。

Description

本発明は、α,α−ジハロアミンを用いるビシクロ環化合物の製造方法に関する。さらに詳しくはトリオール類、アミノジオール類またはトリアミン類と、α,α−ジハロアミンとから、それぞれビシクロオルトエステル類、ビシクロアミドアセタール類またはシクロトリスアミノメタン類などのビシクロ環化合物を製造する新規な方法に関する。
これらのビシクロ環化合物は医薬、農薬、液晶などの高機能製品の原材料として広範な用途がある。
ビシクロ環化合物、例えば、環状オルトエステル類は衛生害虫であるハエやゴキブリなどに対し防除的な生理活性を有することが知られており、構造と活性の関係が詳細に研究されている(例えば、非特許文献1参照)。
ビシクロオルトエステル類の合成に関しては、以下に示すようなポリオール類を原料にする方法が種々知られている。
方法1:トリオールにエチルカーボネートとアルカリを作用させてオキセタンを形成させ、さらに水酸基をアシル化しそれにBF3エーテラートを作用させる方法(例えば、非特許文献2参照)。
方法2:ポリオールにアルコキシを有する化合物を作用させる方法(例えば、非特許文献3参照)。
方法3:トリオールにイミド酸エステル類を作用させる方法(例えば、非特許文献4参照)。
ビシクロアミドアセタール類の合成に関してはアミノジオール類を原料にする方法が種々知られている。
方法4:アミノジオール類にシアノ基を有する化合物を作用させる方法(例えば、非特許文献5参照)。
方法5:アミノジオール類に二重結合を有する化合物を作用させる方法(例えば、非特許文献6参照)。
方法6:アミノジオール類にジメトキシメチルジメチルアミンを作用させる方法(例えば、非特許文献5参照)。
シクロトリスアミノメタン類の合成に関してはジエチレントリアミン類を原料にする方法が知られている。
方法7:ジエチレントリアミン類にジメトキシメチルジメチルアミンを作用させる方法(例えば、非特許文献7、特許文献1参照)。
これらの方法では、原料のトリオール類、アミノジオール類またはトリアミン類と、さらにこれらに作用させる化合物にも種々の置換基を持たせることで、多様な置換基を有するビシクロオルトエステル類、ビシクロアミドアセタール類またはシクロトリスアミノメタン類を製造することが可能である。例えば、方法4に於いて、ジエタノールアミンに作用させるシアノ基を有する化合物にベンゾニトリルを用いると5‐フェニル−1−アザ−4,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタンが得られ、ブチロニトリルを用いると5−プロピル−1−アザ−4,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタンが得られる。また、ジエタノールアミンの代わりビス−(2−ヒドロキシ−プロピル)アミンを用いブチロニトリルを作用させると3,7−ジメチル−5−プロピル−1−アザ−4,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタンが得られる。このことは他の化合物、即ち、ビシクロオルトエステル類やシクロトリスアミノメタン類についても同様である。
しかし、ビシクロオルトエステル類の製造に関する従来の方法、例えば、方法1は比較的高収率に目的物が得られる優れた方法ではあるが、3つの反応からなる多段工程を要し、最終工程は氷冷下8時間と低温長時間の反応を行う必要があり、工業的規模での実施はコスト的に問題がある。また、方法2は一段の反応で目的物が得られるが、生成するアルコールを系外に除去しながら反応を進める必要があるため、高真空下100℃を超える温度で反応を行う必要がある。方法3も一段の反応で目的物が得られるが、収率が20%と極めて低い。
また、ビシクロアミドアセタール類の製造に関する従来の方法としては、例えば、方法4は基質を選ぶことで種々の置換基を有するビシクロアミドアセタールの製造が可能であるが、反応時間が40時間以上と長い上に、収率が10%から30%と何れの基質に関しても低い。方法5はジエタノールアミンのアルケンへの付加反応を利用しているが、アミンが付加できるアルケンの種類に制限がある為、ハロメチル基のような特殊な置換基を持つアルケン化合物しか利用できず、一般的な方法とは言い難い。方法6では原料にジメトキシメチルジメチルアミンを用いているが、この化合物は不安定で合成することすら困難とされており、さらに、同じ骨格を有する化合物群の中で、この化合物以外には容易に入手できるものは少ない。
また、シクロトリスアミノメタン類に関しては、方法7では前記の方法5と同じくジメトキシメチルジメチルアミンを原料に用いる必要がある上に、反応温度も80℃から180℃と高温が必要であり、工業的に利用できる汎用的な方法とは言い難い。
このように、従来の方法によるビシクロオルトエステル類、ビシクロアミドアセタール類やシクロトリスアミノメタン類の合成において、反応時間が非常に長い、高温を必要とする、収率が低い等の問題点があった。
C.J.Palmer,et al.,J.Agric.Food Chem.,1989,37,213-216 E.J.Corey,et al.,Tetrahedron Lett.,1983,24,5571-5574 T.J.Dunn, et al.,J.Org.Chem.,55,1990,6368-6373 A.Guzman Duran, et al.,Synth.Commun.,33,2003,3271-3283 J.P.Guthrie ,et al.,Can.J.Chem.,2004,82,268-278 T.Martini,Tetrahedron Lett.,1972,38,3957-3960 Thomas J.Atkins,J.Am.Chem.Soc.,102,1980,6365-6369 米国特許第4085106号明細書
本発明の目的は、ビシクロ環化合物の汎用性の高い新規な合成手段を提供する事にある。
本発明者等は、この課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の水酸基及び/又はアミノ基に由来する活性水素を3個有する化合物とα,α−ジハロアミンから、従来の合成方法では不可能であった室温付近の温和な反応条件で速やかに、ビシクロオルトエステル類、ビシクロアミドアセタール類またはシクロトリスアミノメタン類を合成できることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は、以下の<1>から<5>に示す、α,α−ジハロアミンを用いるビシクロ環化合物を製造する新規な方法に関するものである。
<1>水酸基及び/又はアミノ基に由来する活性水素を3個有する化合物と、一般式(1)で表されるα,α−ジハロアミンとを反応させることを特徴とする、ビシクロ環化合物の製造方法。
Figure 2009051162
(式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。R7およびR8は炭素数1〜6のアルキル基であり、それぞれが同一であっても異なっていても良く、お互いで結合して環を形成していても良い。R9は水素原子または置換基を有することのあるアルキル基若しくはアリール基である。)
<2>一般式(2)で表されるトリオール類と、一般式(1)で表されるα,α−ジハロアミンとを反応させて、一般式(5)で表されるビシクロ環化合物を製造することを特徴とする、項<1>のビシクロ環化合物の製造方法。
Figure 2009051162
(但し、式中、R1、R2、R3は、炭素数1〜6のアルキル側鎖を有することのある炭素数1〜3のアルキレン基であり、それぞれが同一であっても異なっていても良く、それぞれが単独にまたはお互いで環を形成していても良い。R4は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、または置換基を有することのあるアルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールアルコキシカルボニル基、アルカノイル基、アロイル基、アルカノイルオキシ基若しくはアロイルオキシ基を表す。また、X、R7、R8、R9は前記と同じである。)
<3>一般式(3)で表されるアミノジオール類と、一般式(1)で表されるα,α−ジハロアミンとを反応させて、一般式(6)で表されるビシクロ環化合物を製造することを特徴とする、項<1>のビシクロ環化合物の製造方法。
Figure 2009051162
(但し、式中、R11、R12は、炭素数1〜6のアルキル側鎖を有することのある炭素数1〜3のアルキレン基であり、それぞれが同一であっても異なっていても良く、それぞれが単独にまたはお互いで環を形成していても良い。また、X、R7、R8、R9は前記と同じである。)
<4>一般式(4)で表されるトリアミン類と、一般式(1)で表されるα,α−ジハロアミンとを反応させて、一般式(7)で表されるビシクロ環化合物を製造することを特徴とする、項<1>のビシクロ環化合物の製造方法。
Figure 2009051162
(但し、式中、X、R7、R8、R9、R11及びR12は前記と同じである。R13、R14は水素原子、炭素数1から6のアルキル基若しくはシクロアルキル基、または炭素数7〜13のアラルキル基を示し、それぞれが同一であっても異なっていても良く、R13とR14は結合していても良い。)
<5>一般式(1)で表されるα,α−ジハロアミンのR9が、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基またはピリジニル基であり、R7、R8が炭素数1〜6のアルキル基または炭素数4若しくは5の環を形成し、かつXがフッ素原子である、<1>〜<4>の何れか一項に記載のビシクロ環化合物の製造方法。
Figure 2009051162
本発明によって、種々の置換基を有するトリオール類、アミノジオール類またはトリアミン類とα、α−ジハロアミン類とから、所望の置換基を有するビシクロオルトエステル類、ビシクロアミドアセタール類またはシクロトリスアミノメタン類のビシクロ環化合物を、温和な反応条件で効率良く合成することが出来、工業的規模での製造を容易にする。
本発明は、水酸基及び/又はアミノ基に由来する活性水素を3個有する化合物と、一般式(1)で表されるα,α−ジハロアミンとを反応させることを特徴とする、ビシクロ環化合物の製造方法である。
水酸基及び/又はアミノ基に由来する活性水素を3個有する化合物としては、トリオール類、アミノジオール類及びトリアミン類が挙げられ、本発明において、それぞれ下記一般式(2)〜(4)で表される化合物である。
本発明において、下記一般式(2)で表されるトリオール類と、下記一般式(1)で表されるα、α−ジハロアミン類とを反応させて、下記一般式(5)で表されるビシクロ環化合物であるビシクロオルトエステル類が合成される。
Figure 2009051162
一般式(2)及び(5)に於けるR1、R2、R3は、炭素数1〜6のアルキル側鎖を有することのある炭素数1〜3のアルキレン基であり、それぞれが同一であっても異なっていても良い。また、R1、R2、R3のそれぞれが単独にまたはお互いで環を形成していても良い。R1、R2、R3としては、それぞれメチレン基であることが好ましい。
一般式(2)及び(5)に於けるR4は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基または、置換基を有することのあるアルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールアルコキシカルボニル基、アルカノイル基、アロイル基、アルカノイルオキシ基またはアロイルオキシ基であり、これらのアルキル基、アリール基等は炭素数18以下のものが好ましく、炭素数12以下のものがより好ましい。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチルまたはネオペンチルなどの種々鎖状のアルキル基や、シクロヘキシル、デカリル、ノルボルニル、ビシクロヘキシルまたはアダマンチルなどの環状のアルキル基が挙げられる。ハロアルキル基としては、前記のアルキル基の水素原子の一部または全部をハロゲン原子で置換したものが挙げられる。アリール基としては、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、ナフチル、フルオレニル、アンスリル、メチルナフチル、ジメチルナフチル、ビフェニルまたはテトラリル等が挙げられる。また、アラルキル基としては、ベンジルまたはフェネチル等が挙げられる。
置換基としては水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、カルボキシル基、スルホニル基、または炭素数1〜12のアルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイル基若しくはアルカノイルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。
本発明に用いるトリオール類は多岐に及ぶ為、全てを示す事は出来ないが、具体的には、例えば、2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、2−ハロ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、3−ヒドロキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパンニトリル、2−(ヒドロキシメチル)−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、2−(ヒドロキシメチル)−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、2−ヘキシル−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、2−tert−ブチル−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、2−シクロヘキシル−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、2−(ヒドロキシメチル)−2−(トリフルオロメチル)プロパン−1,3−ジオール、2−(ヒドロキシメチル)−2−(パーフルオロエチル)プロパン−1,3−ジオール、2−(ヒドロキシメチル)−2−フェニルプロパン−1,3−ジオール、2−(ヒドロキシメチル)−2−p−トルイルプロパン−1,3−ジオール、2−(ヒドロキシメチル)−2−ハロフェニルプロパン−1,3−ジオール、2−(ヒドロキシメチル)−2−((ハロメチル)フェニル)プロパン−1,3−ジオール、4−(1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−イル)ベンゾニトリル、2−ベンジル−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、2−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシプロパン−1,3−ジオール、2−(ヒドロキシメチル)−2−エトキシプロパン−1,3−ジオール、2−(ヒドロキシメチル)−2−フェノキシプロパン−1,3−ジオール、2−(ベンジルオキシ)−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール、メチル−3−ヒドロキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパノエート、エチル3−ヒドロキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパノエート、フェニル−3−ヒドロキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパノエート、3−ヒドロキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパナール、4−ヒドロキシ−3,3−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン−2−オン、1−ヒドロキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ペンタン−3−オン、3−ヒドロキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−フェニルプロパン−1−オン、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−イルアセテート、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−イルベンゾエート、2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,2,3−トリオールまたは3−ヒドロキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピルベンゾエートなどを挙げることができる。
本発明において、下記一般式(3)で表されるアミノジオール類と下記一般式(1)で表されるα、α−ジハロアミン類とを反応させて、下記一般式(6)で表されるビシクロ環化合物であるビシクロオアミドアセタール類が合成される。また、下記一般式(4)で表されるトリアミン類と下記一般式(1)で表されるα、α−ジハロアミン類とを反応させて、下記一般式(7)で表されるビシクロ環化合物であるビシクロオアミドアセタール類が合成される。
Figure 2009051162
Figure 2009051162
一般式(3)、(4)、(6)及び(7)に於けるR11、R12は、炭素数1〜6のアルキル側鎖を有することのある炭素数1〜3のアルキレン基であり、それぞれが同一であっても異なっていても良い。また、R11、R12のそれぞれが単独にまたはお互いで環を形成していても良い。R11、R12としては、それぞれエチレン基であることが好ましい。
一般式(3)、(4)、(6)及び(7)に於けるR13、R14は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基若しくはシクロアルキル基、または炭素数7〜13のアラルキル基を示し、それぞれが同一であっても異なっていても良く、R13とR14は結合していても良い。
アミノジオール類、トリアミン類も多岐に及ぶ為、全てを示す事は出来ないが、具体的には、例えばジエタノールアミン、ジエチレントリアミン、1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)プロパン−2−オール、N1−(2−アミノエチル)プロパン−1,2−ジアミン、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)プロパン−1−オール、ジイソプロパノールアミン、N1−(2−アミノプロピル)プロパン−1,2−ジアミン、2−(2−ヒドロキシプロピルアミノ)プロパン−1−オール、3−(1−ヒドロキシプロパン−2−イルアミノ)ブタン−2−オール、N1−メチル−N2−(2−(メチルアミノ)エチル)エタン−1,2−ジアミン、N1−ブチル−N2−(2−(ブチルアミノ)エチル)エタン−1,2−ジアミン、N1−ベンジル−N2−(2−(ベンジルアミノ)エチル)エタン−1,2−ジアミンまたはN−(2−(2−(シクロヘキシルアミノ)エチルアミノ)エチル)シクロヘキサンアミン、1,4,7−トリアザノナンなどが挙げられる。
これら化合物との反応に用いるα,α−ジハロアミンは、一般式(1)で表される。本発明で用いるα,α−ジハロアミンは安定で取り扱い易いという利点を有する。
Figure 2009051162
一般式(1)に於けるXは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であるが、特にフッ素原子が好ましい。
一般式(1)に於けるR7、R8は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、それぞれが同一であっても異なっていても良い。また、お互いで結合して環を形成していても良い。R7、R8としては、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数4若しくは5の環である、すなわちピペリジン環若しくはピロリジン環であり、さらに好ましくはエチル基又は炭素数4の環である。
一般式(1)に於けるR9は水素原子または、置換基を有することのあるアルキル基若しくはアリール基である。R9におけるアルキル基及びアリール基としては、炭素数12以下のものが好ましい。
9におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチルまたはネオペンチルなどの種々の鎖状のアルキル基や、シクロヘキシル、デカリル、ノルボルニル、ビシクロヘキシルまたはアダマンチルなどの環状のアルキル基が挙げられる。
9におけるアリール基は、ヘテロ原子を含有しないアリール基としては、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、ナフチル、フルオレニル、アンスリル、メチルナフチル、ジメチルナフチル、ビフェニルまたはテトラリル等があり、ヘテロ原子を含有するアリール基としては、ピリジニル、キノリルまたはイソキノリル等が挙げられる。
これらのアルキル基およびアリール基には、他の官能基または他の原子若しくは原子団等が含まれる事があっても良い。官能基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、または炭素数1〜12のアルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイル基若しくはアルカノイルオキシ基等が挙げられる。
9としては、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基またはピリジニル基が好ましい。
一般式(1)で表されるα,α−ジハロアミンとしては、R9が、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基またはピリジニル基であり、R7、R8が、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基または炭素数4若しくは5の環を形成し、かつ、Xがフッ素原子であるα,α−ジハロアミンであるものが好ましい。
具体的な化合物として、以下の様なα,α−ジフルオロアミンを挙げる事が出来る。
即ち、ジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジ(イソプロピル)メタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジペンチルメタンアミン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジエチルエタンアミン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジ(イソプロピル)エタンアミン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジ(n−ブチル)エタンアミン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン、N,N−ジエチル−1,1−ジフルオロデカン−1−アミン、1,1,2,2,2−ペンタフルオロ−N,N−ジエチルエタンアミン、シクロプロピルジフルオロ−N,N−ジメチルメタンアミン、シクロプロピルジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジメチル(フェニル)メタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジエチル(フェニル)メタンアミン、1,1−ジフルオロ−N,N−ジメチル−2−フェノキシエタンアミン、N,N−ジエチル−1,1−ジフルオロペンタン−1−アミン、N,N−ジエチル−1,1−ジフルオロ−2−(ナフタレン−1−イルオキシ)プロパン−1−アミン、(N−(デカヒドロナフタレン−1−イル)ジフルオロメチル)−N−エチルエタンアミン、1,1−ジフルオロ−N−メチルエタンアミン、1,1−ジフルオロ−N,N,2−トリメチルプロパン−1−アミン、N,N−ジエチル−1,1−ジフルオロ−2−メチルプロパン−1−アミン、N,N−ジメチル−1,1−ジフルオロペンタン−1−アミン、N−(ジフルオロ(トリル)メチル)−N−エチルエタンアミン、(2,4−ジメチルフェニル)−ジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、ジフルオロ(テトラヒドロフラン−2−イル)−N,N−ジエチルメタンアミン、ジフルオロ(テトラヒドロフラン−3−イル)−N,N−ジエチルメタンアミン、N−(ジフルオロ(2−メトキシフェニル)メチル)−N−エチルエタンアミン、(クロロフェニル)ジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、(ブロモフェニル)ジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、(フルオロフェニル)ジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、(シアノフェニル)ジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、(ニトロフェニル)ジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、N−(ジフルオロ(メシチル)メチル)−N−エチルエタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジエチル(ナフタレン−2−イル)メタンアミン、ジフルオロ(4−ビフェニル)−N,N−ジエチルメタンアミン、アントラセン−2−イルジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、シクロヘキシルジフルオロ−N,N−ジエチルメタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジメチル(ピリジン−2−イル)メタンアミン、ジフルオロ−N,N−ジエチル(ピリジン−2−イル)メタンアミン、1−(ジフルオロ(フェニル)メチル)ピペリジンまたは1−(1,1−ジフルオロ−2,2−ジメチルプロピル)ピロリジン等である。
これらα,α−ジハロアミンは、例えば、特開2003−64034号公報または国際公開第06/049014号パンフレットに記載の方法で合成することができる。各々のα,α−ジハロアミンは、対応する構造のアミド化合物、即ち、一般式(1)に於けるXが酸素原子で置換された化合物から誘導することが出来る。具体的には、α,α−ジフルオロアミンの場合であれば、アミド結合部位のカルボニル基の酸素を、適当なハロゲン化剤、例えば、ホスゲン、塩化オキサリル、五塩化リンなどを用いて塩素化し、続いてその塩素をフッ化カリウムやHF/塩基などのフッ素化剤でフッ素に交換することで目的のα、α−フルオロアミンを得ることが出来る。
トリオール類、アミノジオール類またはトリアミン類とα,α−ジハロアミンの反応は、回分式、半回分式または連続式何れの方法でも実施可能である。また、加熱方法は、通常のスチーム等の熱媒体による加熱方式の他に、超音波を連続的または断続的に温度を制御しながら照射して反応を行う事も出来る。
反応温度は基質の種類によっても異なるので一概には言えないが、本反応は低温でも速やかに進行する優れた特徴を有する。好ましい反応温度範囲は0℃から80℃、より好ましくは10℃から50℃である。0℃以上の温度であれば反応速度の低下が起きることがなく、80℃以下の温度であれば、高い反応速度を保ちつつ、副反応が起きるのを抑えることができ、好適である。また、エネルギーコストの面からも無駄がなく、経済的に有利であり、好適である。
α,α−ジハロアミンの使用量は、反応基質であるトリオール類、アミノジオール類またはトリアミン類1モルに対し、α,α−ジハロアミン1モルで十分であるが、化学量論的に過剰または不足のまま反応させても良い。例えば、生成物の安定性が低く、反応終了後の生成物回収を容易にしたい場合などは、基質に対してα,α−ジハロアミンが若干少ない条件で反応させると、過剰のα,α−ジハロアミンとの分離が不要となり目的物の分離精製負荷を低減することが出来る。また生成物回収が容易な場合は、基質をより過剰に用いても特に支障はないが、それでも上限2倍モル程度が好ましく、それ以上用いても無駄になるだけで不経済である。
反応時間は、通常の熱反応では10分から360分の範囲が好ましい。超音波照射下に反応を行う場合は、0.1分から180分の範囲が好ましいが、さらに長時間照射する事も出来る。反応を進行させる上で溶媒を用いる必要は必ずしも無いが、攪拌を充分行う為や温度上昇を防ぐ為に溶媒を用いても良い。
また、好ましい溶媒は、基質であるトリオール類、アミノジオール類またはトリアミン類、α,α−ジハロアミンや生成物に対して不活性な、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族ハロゲン化炭化水素、ニトリルまたはエーテル類などであり、適宜これらから選択して組み合わせて用いる事が出来る。
該反応に用いるフルオロアミンは容易に加水分解を受け不活性化するため、反応雰囲気に対する水分管理は重要である。同じ理由で、吸湿性の基質と反応させる場合も含めて、乾燥気流下またはモレキュラーシーブスなどの適当な脱水剤を共存させて反応を行うことが望ましい。
反応は、通常、不活性雰囲気下、常圧で実施するが、加圧下で実施することも出来る。反応終了後、反応液を中和や水洗し必要があれば濾過を行うなどした後、濃縮や溶剤抽出を行う等の通常の分離手段を用いて生成物を得る事が出来る。さらに、蒸留、再結晶やカラムクロマトグラフィ等の精製手段を適用すれば高純度の製品を得る事が出来る。
以下、実施例によって本発明の方法をさらに詳しく説明する。なお、本発明はこれらの例だけに限定されるものではない。
実施例1
4−メチル−1−フェニル−2,6,7−トリオキサ−ビシクロ[2.2.2]オクタンの合成
10mlの丸底フラスコに2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジオール0.18g(1.5mmol、下記一般式(2−a))、モレキュラーシーブス4A、ジメチルホルムアミド3mlを仕込んだ。その中に0℃でN,N−ジエチル−α,α−ジフルオロ−ベンジルアミン0.21g(1mmol、下記一般式(1−a))を加え、その後、室温で2時間攪拌して反応を行った。反応終了後、反応混合溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、エーテルを用いて生成物を抽出した。抽出液を濃縮した後、アルミナカラムを用いて目的物を単離した。その結果、4−メチル−1−フェニル−2,6,7−トリオキサ−ビシクロ[2.2.2]オクタン[下記一般式(5−a)]を収率66%で単離した。
Figure 2009051162
実施例2
1−tert−ブチル−4−メチル−2,6,7−トリオキサ−ビシクロ[2.2.2]オクタンの合成
実施例1に記載の方法に於いて、ジフルオロアミンに1−(1,1−ジフルオロ−2,2−ジメチルプロピル)ピロリジン0.18g(1mmol、下記一般式(1−b))を用いた以外は同様に行った。その結果、1−tert−ブチル−4−メチル−2,6,7−トリオキサ−ビシクロ[2.2.2]オクタン[下記一般式(5−b)]を収率70%で単離した。
Figure 2009051162
実施例3
(1−フェニル−2,6,7−トリオキサ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)メチルベンゾエートの合成
10mlの丸底フラスコに3−ヒドロキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピルベンゾエート0.24g(1.0mmol、下記一般式(2−b))、クロロホルム5mlを仕込んだ。その中にN,N−ジエチル−α,α−ジフルオロ−ベンジルアミン0.30g(1.5mmol、下記一般式(1−a))を加え、その後50℃で1時間攪拌して反応を行った。反応終了後、反応混合溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、エーテルを用いて生成物を抽出した。抽出液を濃縮した後、アルミナカラムを用いて目的物を単離した。その結果、(1−フェニル−2,6,7−トリオキサ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−4−イル)メチルベンゾエート[下記一般式(5−c)]を収率60%で単離した。
Figure 2009051162
実施例4
5−m−トリル−1−アザ−4,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタンの合成
10mlの丸底フラスコにジエタノールアミン0.79g(7.5mmol、下記一般式(3−a))と塩化メチレン7.5mlを仕込んだ。その中にN,N−ジエチル−α,α−ジフルオロ−(3−メチル)ベンジルアミン1.21g(5.7mmol、下記一般式(1−c))を滴下し、その後、室温で30分間攪拌して反応を行った。反応終了後、反応混合溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加えて中和し、エーテルを用いて生成物を抽出した。抽出液を濃縮した後、クーゲルローア蒸留で目的物を単離した(釜温度150℃/0.1mmHg)。その結果、5‐m−トリル−1−アザ−4,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン[下記一般式(6−a)]を収率80%で単離した。
Figure 2009051162
実施例5
4,6−ジベンジル−5−m−トリル−1,4,6−トリアザビシクロ[3.3.0]オクタンの合成
10mlの丸底フラスコにN1−ベンジル−N2−(2−(ベンジルアミノ)エチル)エタン−1,2−ジアミン2.1g(7.5mmol、下記一般式(4−a))とクロロホルム20mlを仕込んだ。その中にN,N−ジエチル−α,α−ジフルオロ−(3−メチル)ベンジルアミン1.08g(5.7mmol、下記一般式(1−c))を滴下し、その後、室温で15分間攪拌して反応を行った。反応終了後、反応液のNMR測定を行い目的物である4,6−ジベンジル−5−m−トリル−1,4,6−トリアザビシクロ[3.3.0]オクタン[下記一般式(7−a)]の生成を確認した。
Figure 2009051162
実施例6
5−フェニル−1−アザ−4,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタンの合成
10mlの丸底フラスコにジエタノールアミン0.79g(7.5mmol、下記一般式(3−a))と塩化メチレン7.5mlを仕込んだ。その中にN,N−ジエチル−α,α−ジフルオロ−ベンジルアミン1.14g(5.7mmol、下記一般式(1−a))を滴下し、その後、40℃で30分間攪拌して反応を行った。反応終了後、反応混合溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加えて中和し、塩化メチレンを用いて生成物を抽出した。抽出液を濃縮した後、クーゲルローア蒸留で目的物を単離した(釜温度95℃/0.1mmHg)。その結果、5‐フェニル−1−アザ−4,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン[下記一般式(6−b)]を収率64%で単離した。
Figure 2009051162
実施例7
1−(4−ブロモフェニル)−4−tert−ブチル−2,6,7−トリオキサ−ビシクロ[2.2.2]オクタンの合成
10mlの丸底フラスコに2−tert−ブチル−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール0.24g(1.5mmol、下記一般式(2−c))、モレキュラーシーブス4A、ジメチルホルムアミド3mlを仕込んだ。その中に0℃でN,N−ジエチル−α,α−ジフルオロ−4−ブロモベンジルアミン0.28g(1mmol、下記一般式(1−d))を加え、その後、室温で2時間攪拌して反応を行った。反応終了後、反応混合溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンを用いて生成物を抽出した。抽出液を濃縮した後、アルミナカラムを用いて目的物を単離した。その結果、1−(4−ブロモフェニル)−4−tert−ブチル−2,6,7−トリオキサ−ビシクロ[2.2.2]オクタン[下記一般式(5−d)]を収率79%で単離した。
Figure 2009051162
医薬、農薬や液晶等の高機能製品の原材料等として有用なビシクロ環化合物を、室温付近の温和な条件で速やかに製造することが出来る工業的に優れた製造方法を提供することができる。

Claims (5)

  1. 水酸基及び/又はアミノ基に由来する活性水素を3個有する化合物と、一般式(1)で表されるα,α−ジハロアミンとを反応させることを特徴とする、ビシクロ環化合物の製造方法。
    Figure 2009051162
    (式中、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。R7およびR8は炭素数1〜6のアルキル基であり、それぞれが同一であっても異なっていても良く、お互いで結合して環を形成していても良い。R9は水素原子または置換基を有することのあるアルキル基若しくはアリール基である。)
  2. 一般式(2)で表されるトリオール類と、一般式(1)で表されるα,α−ジハロアミンとを反応させて、一般式(5)で表されるビシクロ環化合物を製造することを特徴とする、請求項1に記載のビシクロ環化合物の製造方法。
    Figure 2009051162
    (但し、式中、R1、R2、R3は、炭素数1〜6のアルキル側鎖を有することのある炭素数1〜3のアルキレン基であり、それぞれが同一であっても異なっていても良く、それぞれが単独にまたはお互いで環を形成していても良い。R4は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、または置換基を有することのあるアルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールアルコキシカルボニル基、アルカノイル基、アロイル基、アルカノイルオキシ基若しくはアロイルオキシ基を表す。また、X、R7、R8、R9は前記と同じである。)
  3. 一般式(3)で表されるアミノジオール類と、一般式(1)で表されるα,α−ジハロアミンとを反応させて、一般式(6)で表されるビシクロ環化合物を製造することを特徴とする、請求項1に記載のビシクロ環化合物の製造方法。
    Figure 2009051162
    (但し、式中、R11、R12は、炭素数1〜6のアルキル側鎖を有することのある炭素数1〜3のアルキレン基であり、それぞれが同一であっても異なっていても良く、それぞれが単独にまたはお互いで環を形成していても良い。また、X、R7、R8、R9は前記と同じである。)
  4. 一般式(4)で表されるトリアミン類と、一般式(1)で表されるα,α−ジハロアミンとを反応させて、一般式(7)で表されるビシクロ環化合物を製造することを特徴とする、請求項1に記載のビシクロ環化合物の製造方法。
    Figure 2009051162
    (但し、式中、X、R7、R8、R9、R11及びR12は前記と同じである。R13、R14は水素原子、炭素数1から6のアルキル基若しくはシクロアルキル基、または炭素数7〜13のアラルキル基を示し、それぞれが同一であっても異なっていても良く、R13とR14は結合していても良い。)
  5. 一般式(1)で表されるα,α−ジハロアミンのR9が、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基またはピリジニル基であり、R7、R8が炭素数1〜6のアルキル基または炭素数4若しくは5の環を形成し、かつXがフッ素原子である、請求項1〜4のいずれかに記載のビシクロ環化合物の製造方法。
    Figure 2009051162
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