JPWO2009044522A1 - 慣性力センサ - Google Patents

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JPWO2009044522A1
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宏幸 相澤
宏幸 相澤
大内 智
智 大内
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Abstract

慣性力センサは、保持体と、支持部と、支持部から互いに反対の方向に延びて保持体に結合する第1と第2のアームと、支持部から延びるU次形状を実質的に有する第3から第6のアームと、第3から第6のアームにそれぞれ接続された第1から第4の錘部と、第1から第4の錘部をそれぞれ振動させる第1から第4の駆動電極と、第1から第4の錘部に加えられた角速度により第3のアームに生じる歪みを検出する感知電極とを備える。第2と第3のアームは第1と第4のアームと反対の方向に振動する。この慣性力センサは所定の軸の周りの角速度を検出する場合でも、その軸に沿った高さを小さくすることができる。

Description

本発明は、航空機、自動車、ロボット、船舶、車両等の移動体の姿勢制御やナビゲーション等、各種電子機器に用いられる、慣性力により角速度や加速度を検出する慣性力センサに関する。
従来の慣性力センサである角速度センサは、音さ形状やH形状やT形状等の各種形状を有する検出素子を振動させ、その素子に加えられた角速度により発生するコリオリ力による検出素子の歪を電気的に検知して角速度を検出する。
図11は特許文献1に記載されている従来の角速度センサの検出素子51の斜視図である。図12は図11に示す検出素子51の線12−12における断面図である。検出素子51は、2本のアーム52と、アーム52を連結する基部53とを有する音さ形状を有する。
アーム52には、アーム52を駆動して振動させる駆動電極54や、角速度に起因するアーム52の歪を感知する感知電極55が配置されている。駆動電極54や感知電極55は、圧電体56を介在させた上部電極57と下部電極58から形成されている。駆動電極54および感知電極55からは信号線59が基部53に設けられた電極パッド60まで引き出されている。電極パッド60からボンディングワイヤ等を介して検出素子51を実装する実装基板の配線パターンに電気的に接続されている。
従来の角速度センサをナビゲーション装置に用いる場合には、互いに略直交したX軸とY軸とZ軸において、例えばX軸とY軸とを含むXY平面に車両を配置する。角速度センサは車両のZ軸の周りの角速度を検出する。このような角速度センサでは、Z軸に平行にアーム52が延びるように検出素子51を配置する。駆動電極54によりアーム52を駆動してX軸に沿って方向52Aに振動させ、Z軸の周りの角速度に起因してアーム52に発生する歪を感知電極55で感知することにより、Z軸の周りの角速度を検出する。アーム52はX軸とZ軸を含むXZ平面で振動し、Z軸の周りの角速度によりアーム52がXZ平面に直角なY軸に沿って歪む。また、アーム52のうちの一方は他方と反対の方向に振動している。したがって、角速度により方向52Bに発生するコリオリ力により、アーム52のうちの一方は他方と逆の方向に歪む。
従来の角速度センサの検出素子51は、Z軸の周りの角速度を検出するためにアーム52をZ軸に沿って延びるように配置する必要があり、角速度センサのZ軸方向の高さを小さくすることが困難である。
特開2005−201652号公報
慣性力センサは、保持体と、支持部と、支持部から互いに反対の方向に延びて保持体に結合する第1と第2のアームと、支持部から延びるU次形状を実質的に有する第3から第6のアームと、第3から第6のアームにそれぞれ接続された第1から第4の錘部と、第1から第4の錘部をそれぞれ振動させる第1から第4の駆動電極と、第1から第4の錘部に加えられた角速度により第3のアームに生じる歪みを検出する感知電極とを備える。第2と第3のアームは第1と第4のアームと反対の方向に振動する。
この慣性力センサは所定の軸の周りの角速度を検出する場合でも、その軸に沿った高さを小さくすることができる。
図1Aは本発明の実施の形態における角速度センサの斜視図である。 図1Bは図1Aに示す角速度センサの裏面斜視図である。 図1Cは実施の形態における角速度センサの駆動電極と感知電極の断面図である。 図2は振動している実施の形態における角速度センサの斜視図である。 図3はZ軸の周りの角速度により歪む実施の形態における角速度センサの斜視図である。 図4はY軸の周りの角速度により歪む実施の形態における角速度センサの斜視図である。 図5は実施の形態における角速度センサの共振周波数と感度の関係を示す。 図6は振動している実施の形態における角速度センサの斜視図である。 図7は実施の形態における他の角速度センサの斜視図である。 図8は図7に示す角速度センサの裏面斜視図である。 図9は実施の形態におけるさらに他の角速度センサの分解斜視図である。 図10は図9に示す角速度センサの断面図である。 図11は従来の角速度センサの斜視図である。 図12は図11に示す角速度センサの線12−12における断面図である。
符号の説明
4A アーム
4B アーム
6A アーム
6B アーム
6C アーム
6D アーム
8 支持部
14A 錘部
14B 錘部
14C 錘部
14D 錘部
16A 駆動電極
16B 駆動電極
18C 駆動電極
18D 駆動電極
20A 感知電極
21A 感知電極
31 対向電極部
31A 対向電極
31B 対向電極
33 対向電極部
33A 対向電極
33B 対向電極
42 保持体
106A 延部(第1の延部)
106B 延部(第3の延部)
106C 延部(第5の延部)
106D 延部(第7の延部)
206A 結合部(第1の結合部)
206B 結合部(第2の結合部)
206C 結合部(第3の結合部)
206D 結合部(第4の結合部)
306A 延部(第2の延部)
306B 延部(第4の延部)
306C 延部(第6の延部)
306D 延部(第8の延部)
514A 面
514C 面
図1Aは本発明の実施の形態における慣性力センサ2001の斜視図である。図1Aに示すように互いに直角な第1の軸の第2の軸と第3の軸であるX軸とY軸とZ軸とを定義する。慣性力センサ2001は、検出素子2と、検出素子に接続された制御部1001Bとを備える。検出素子2は、支持部8と、支持部8からX軸に沿って一直線上に互いに反対に延びるアーム4A、4Bと、支持部8から延びるアーム6A〜6Dと、アーム6A〜6Dにそれぞれ接続された錘部14A〜14Dと、矩形の枠形状を有する保持体42と、保持体42に接続された可撓部21A、21Bとを備える。可撓部21A、21Bは可撓性を有し、アーム4A、4Bは可撓部21A、21Bをそれぞれ介して保持体42に結合している。保持体42と可撓部21A、21Bの間にはスリット10A、10Bがそれぞれ設けられている。アーム4A、4Bはアーム6A〜6Dより薄い。アーム4A、4Bとアーム6A〜6Dは支持部8について対称的に配置されている。
アーム6Aは、支持部8からY軸に沿って延びる延部106Aと、延部106AからX軸に沿って延びる結合部206Aと、結合部206AからY軸に沿って延部106Aと反対に延びる延部306Aとを有して実質的にU字形状を有する。延部306Aには錘部14Aが接続されている。
アーム6Bは、支持部8からY軸に沿って延びる延部106Bと、延部106BからX軸に沿って延びる結合部206Bと、結合部206BからY軸に沿って延部106Bと反対に延びる延部306Bとを有して実質的にU字形状を有する。延部306Bには錘部14Bが接続されている。アーム6Bの延部106Bは支持部8からアーム6Aの延部106Aと同じ方向に延びる。アーム6Bの結合部206Bは、アーム6Aの延部106Aから結合部206Aが延びる方向と逆の方向にアーム6Bの延部106Bから延びる。アーム6Bの延部306Bは、アーム6Aの結合部206Aから延部306Aが延びる方向と同じ方向にアーム6Bの結合部206Bから延びる。
アーム6Cは、支持部8からY軸に沿って延びる延部106Cと、延部106CからX軸に沿って延びる結合部206Cと、結合部206CからY軸に沿って延部106Cと反対に延びる延部306Cとを有して実質的にU字形状を有する。延部306Cには錘部14Cが接続されている。アーム6Cの延部106Cは支持部8からアーム6A、6Bの延部106A、106Bと逆の方向に延びる。アーム6Cの結合部206Cは、アーム6Aの延部106Aから結合部206Aが延びる方向と同じ方向に、すなわちアーム6Bの延部106Bから結合部206Bが延びる方向と逆の方向にアーム6Cの延部106Cから延びる。アーム6Cの延部306Cは、アーム6A、6Bの結合部206A、206Bから延部306A、306Bが延びる方向と逆の方向にアーム6Cの結合部206Cから延びる。
アーム6Dは、支持部8からY軸に沿って延びる延部106Dと、延部106DからX軸に沿って延びる結合部206Dと、結合部206DからY軸に沿って延部106Dと反対に延びる延部306Dとを有して実質的にU字形状を有する。延部306Dには錘部14Dが接続されている。アーム6Dの延部106Dは支持部8からアーム6Cの延部106Cと同じ方向に、すなわちアーム6A、6Bの延部106A、106Bと逆の方向に延びる。アーム6Dの結合部206Dは、アーム6A、6Cの延部106A、106Cから結合部206A、206Cが延びる方向と逆の方向に、すなわちアーム6Bの延部106Bから結合部206Bが延びる方向と同じ方向にアーム6Dの延部106Dから延びる。アーム6Dの延部306Dは、アーム6Cの結合部206Cから延部306Cが延びる方向と同じ方向に、すなわちアーム6A、6Bの結合部206A、206Bから延部306A、306Bが延びる方向と逆の方向にアーム6Dの結合部206Dから延びる。
アーム4Aは錘部14A、14C間に位置する。アーム4Bは錘部14B、14D間に位置する。
錘部14A〜14DはZ軸に直角の同じ方向に向いている面514A〜514Dをそれぞれ有する。アーム6A〜6Dは錘部14A〜14Dの面514A〜514Dと同じ方向を向いている面506A〜506Dをそれぞれ有する。
アーム6Aの延部106Aの面506Aには、錘部14Aを駆動して振動させる駆動電極16Aが配置されている。アーム6Bの延部106Bの面506Bには、錘部14Bを駆動して振動させる駆動電極16Bが配置されている。アーム6Cの延部106Cの面506Cには、錘部14Cを駆動して振動させる駆動電極18Cが配置されている。アーム6Dの延部106Dの面506Dには、錘部14Dを駆動して振動させる駆動電極18Dが配置されている。アーム6A〜6Dの延部106A〜106Dの面506A〜506Dには、アーム6A〜6Dの歪を感知する感知電極20A〜20Dがそれぞれ配置されている。
図1Bは慣性力センサ2001の検出素子2の裏面斜視図である。錘部14A〜14Dは、Z軸に沿って面514A〜514Dの反対を向いている面614A〜614Dをそれぞれ有する。面614A〜614Dは面514A〜514Dのそれぞれ反対側に位置する。アーム6A〜6Dは、Z軸に沿って面506A〜506Dの反対を向いている面606A〜606Dをそれぞれ有する。面606A〜606Dは面506A〜506Dのそれぞれ反対側に位置する。アーム6A〜6Dの延部106A〜106Dの面606A〜606Dには、アーム6A〜6Dの歪を感知する感知電極25A〜25Dがそれぞれ配置されている。
図1Cは駆動電極16A、16B、18C、18Dと感知電極20A〜20D、25A〜25Dの断面図である。電極16A(16B、18C、18D、20A〜20D、25A〜25D)は、アーム6A(6B、6C、6D)上に設けられた下部電極22と、下部電極22上に設けられた圧電体よりなる圧電層23と、圧電層23上に設けられた上部電極24とを有する。
保持体42が回路基板1001に固定されることで検出素子2は回路基板1001に実装される。回路基板1001は被検出体1001Aに固定される。検出素子2は被検出体1001Aから加えられた角加速度を検出することができる。
慣性力センサ2001が角速度を検出する動作について説明する。図2は錘部14A〜14Dを振動させている検出素子2の斜視図である。
駆動電極16A、16B、18A、16Bに交流電圧を印加して、アーム6A〜6Dを振動させて錘部14A〜14DをX軸に沿った方向X1、X2に変位させて振動させる。錘部14A〜14DはX軸に沿った振動について同じ共振周波数を有しており、交流電圧はその共振周波数を有する。
実施の形態による慣性力センサ2001では、駆動電極16A、16Bに印加する交流電圧は同位相であり、駆動電極18A、18Bに印加する交流電圧が同位相である。駆動電極16A、16Bに印加する交流電圧と、駆動電極18A、18Bに印加する交流電圧は互いに逆位相である。これにより、錘部14A、14BはX軸に沿って互いに逆の方向に振動する。錘部14C、14DはX軸に沿って互いに逆の方向に振動する。錘部14A、14CはX軸に沿って互いに逆の方向に振動する。錘部14B、14DはX軸に沿って互いに逆の方向に振動する。錘部14A、14DはX軸に沿って互いに同じ方向に振動する。錘部14B、14CはX軸に沿って互いに同じ方向に振動する。すなわち、錘部14A、14DがX軸に沿った方向X1に変位しているときには錘部14B、14CはX軸に沿った方向X1の反対の方向X2に変位し、錘部14A、14Dが方向X2に変位しているときには錘部14B、14Cは方向X1に変位する。する。このように、アーム6A、6B間の距離が狭まるときにはアーム6C、6D間の距離は広がり、アーム6A、6B間の距離が広がるときにはアーム6C、6D間の距離は狭まる。
この結果、アーム6A、6Cは互いに逆の方向に振動し、アーム6B、6Dは互いに逆の方向に振動する。また、アーム6A、6Cは互いに逆の方向に振動し、アーム6B、6Dは互いに逆の方向に振動する。
アーム4Aは支持部8からX軸に沿って延びて保持体42に結合する。アーム4Bは、支持部8からX軸に沿ってアーム4Aと反対の方向に延びて保持体42に結合する。アーム6Aの延部106AはY軸に沿って支持部8から延びる。結合部206Aは延部106AからX軸に沿って延びる。延部306Aは、延部106Aが支持部8から延びる方向と逆の方向に結合部206AからY軸に沿って延びる。アーム6Bの延部106Bは、アーム6Aの延部106Aが支持部8から延びる方向と同じ方向にY軸に沿って支持部8から延びる。結合部206Bは、アーム6Aの結合部206Aが延部106Aから延びる方向と逆の方向に延部106BからX軸に沿って延びる。延部306Bは、延部106Bが支持部8から延びる方向と逆の方向に結合部206BからY軸に沿って延びる。アーム6Cの延部106Cは、アーム6Aの延部106Aが支持部8から延びる方向と逆の方向にY軸に沿って支持部8から延びる。結合部206Cは、アーム6Aの結合部206Aが延部106Aから延びる方向と同じ方向に延部106CからX軸に沿って延びる。延部306Cは、延部106Cが支持部8から延びる方向と逆の方向に結合部206CからY軸に沿って延びる。アーム6Dの延部106Dは、アーム6Cの延部106Cが支持部8から延びる方向と同じ方向にY軸に沿って支持部8から延びる。結合部206Dは、アーム6Cの結合部206Cが延部106Cから延びる方向と逆の方向に延部106DからX軸に沿って延びる。延部306Dは、延部106Dが支持部8から延びる方向と逆の方向に結合部206DからY軸に沿って延びる。駆動電極16Aは錘部14AをX軸に沿って振動させる。駆動電極16Bは、錘部14Bを錘部14Aと反対の方向に変位させるようにX軸に沿って振動させる。駆動電極18Cは、錘部14Cを錘部14Aと反対の方向に変位させるようにX軸に沿って振動させる。駆動電極18Cは、錘部14Dを錘部14Aと同じ方向に変位させるようにX軸に沿って振動させる。感知電極20Aは、錘部14Aに加えられた角速度によりアーム6Aに生じる歪みを検出する。
図3は、検出素子2にZ軸の周りの右回りの、すなわち錘部14Aが錘部14Cに近づく方向の角速度AV1が加わった場合に発生するコリオリ力を示す検出素子2の斜視図である。図2に示すようにアーム6A〜6Dや錘部14A〜14Dが振動している状態で検出素子2に角速度AV1が加わった場合は、錘部14A〜14DのX軸に沿った振動と同期して、錘部14A〜14DにY軸に沿ってコリオリ力が発生する。すなわち、錘部14A〜14Dが方向X1に変位しているときには錘部14A〜14Dに加わるコリオリ力はY軸に沿って支持部8から離れる方向Y1に向き、錘部14A〜14Dが方向X2に変位しているときには錘部14A〜14Dに加わるコリオリ力はY軸に沿った方向Y1と反対の支持部8に近づく方向Y2に向く。このコリオリ力によりアーム6A〜6Dに歪が発生し、これらの歪みはアーム6A〜6Dにそれぞれ設けられた感知電極20A〜20Dにより感知される。感知電極20A〜20Dは歪みの大きさと方向に応じて変化する信号を出力する。図1に示す制御部1001Bはこれらの信号の極性によってコリオリ力の方向を判定し、角速度を検出することができる。
このコリオリ力を感知するための感知電極20A〜20Dの詳細について説明する。図3に示すように、感知電極20Aは感知電極120A、220Aからなり、感知電極20Bは感知電極120B、220Bからなり、感知電極20Cは感知電極120C、220Cからなり、感知電極20Dは感知電極120D、220Dからなる。感知電極120A、120B、120C、120Dは、それぞれ感知電極220A、220B、220C、220Dに比べてアーム6A、6B、6C、6DのU字形状の外周により近くに設けられている。感知電極220A、220B、220C、220Dは、それぞれ感知電極120A、120B、120C、120Dに比べてそれぞれアーム6A、6B、6C、6DのU字形状の内周により近くに設けられている。感知電極120A〜120D、220A〜220Dにより、アーム6A〜6Dの内周の歪と外周の歪を区別できる。コリオリ力が方向Y1を向いているときにアーム6A〜6DのU字形状の内周と外周で発生する歪みの方向と、コリオリ力が方向Y2を向いているときにアーム6A〜6DのU字形状の内周と外周で発生する歪みの方向とが異なる。錘部14A〜14Dが方向Y1、Y2のコリオリ力により歪むことで、アーム6A〜6DのU字形状の内周と外周とで異なるように変形する。U字形状の内周と外周に設けられた感知電極120A〜120D、220A〜220Dはその変形に応じて信号を出力し、制御部1001Bはその信号によって角速度AV1を検出する。角速度AV1と反対の方向のZ軸の周りの角速度が検出素子2に加わった場合には、上記のコリオリ力と反対の方向のコリオリ力が発生するので、制御部1001Bは感知電極20A〜20Dにより同様にその角速度を感知することができる。
図4は、検出素子2にY軸の周りの右回りの、すなわち錘部14Aの面514Aが錘部14Bの面514Bに近づく方向の角速度AV2が加わった場合に発生するコリオリ力を示す検出素子2の斜視図である。図2に示すようにアーム6A〜6Dや錘部14A〜14Dが振動している状態で検出素子2に角速度AV2が加わった場合は、錘部14A〜14DのX軸に沿った振動と同期して、錘部14A〜14DにZ軸に沿ってコリオリ力が発生する。すなわち、錘部14A〜14Dが方向X1に変位しているときにはコリオリ力はZ軸に沿った方向Z1に向き、錘部14A〜14Dが方向X2に変位しているときにはコリオリ力はY軸に沿った方向Y1と反対の方向Y2に向く。このコリオリ力によりアーム6A〜6Dに歪が発生し、これらの歪はアーム6A〜6Dに設けられた感知電極20A〜20D、25A〜25Dにより感知される。感知電極20A〜20D、25A〜25Dは歪みの大きさと方向に応じて変化する信号を出力する。図1に示す制御部1001Bはこれらの信号の極性によってコリオリ力の方向を判定することができる。
このコリオリ力を感知するための慣性力センサ2001の動作について説明する。コリオリ力が方向Z1を向いているときにアーム6A〜6Dの面506A〜506D、606A〜606Dで発生する歪みの方向と、コリオリ力が方向Z2を向いているときにアーム6A〜6Dの面506A〜506D、606A〜606Dで発生する歪みの方向とが異なる。錘部14A〜14Dが方向Z1、Z2のコリオリ力により歪むことで、アーム6A〜6Dの面506A〜506Dと面606A〜606Dとで異なるように変形する。アーム6A〜6Dの面506A〜506D、606A〜606Dに設けられた感知電極20A〜20Dと図1Bに示す感知電極25A〜25Dはその変形に応じて信号を出力し、図1に示す制御部1001Bはその信号によって角速度AV2を検出する。角速度AV2と反対の方向のY軸の周りの角速度が検出素子2に加わった場合には、上記のコリオリ力と反対の方向のコリオリ力が発生するので、感知電極20A〜20Dにより慣性力センサ2001は同様にその角速度を検出することができる。
実施の形態による慣性力センサ2001はコリオリ力という慣性力に基づいてZ軸の周りやY軸の周りの角加速度を検出する。慣性力センサ2001の検出素子2は、Z軸の周りの角速度を検出できるがZ軸に沿って長く延びた部分を有さず、Z軸の高さを小さくすることができる。さらに、慣性力センサ2001はY軸の周りの角速度も検出できる。
検出素子2では、アーム6A〜6DをX軸に沿って振動させてZ軸の周りの角速度やY軸の周りの角速度に起因したアーム6A〜6Dの歪を感知する。アーム6A〜6Dの歪はX軸に沿った振動にともなってY軸に沿った振動とZ軸に沿った振動として現れる。したがって、アーム6A〜6DはX軸とY軸とZ軸に沿って振動する。検出素子2ではアーム6A〜6DのX軸に沿った振動の周波数とY軸に沿った振動の周波数とZ軸に沿った振動の周波数とは、それぞれアーム6A〜6DのX軸に沿った共振周波数とY軸に沿った共振周波数とZ軸に沿った共振周波数である。慣性力センサ2001では、アーム6A〜6Dの歪はアーム6A〜6DのX軸に沿った振動の周波数を基準にして感知する。したがって、アーム6A〜6DのX軸に沿った共振周波数とYに沿った共振周波数とZ軸に沿った共振周波数の差を小さくすることで感度を向上させることができる。
図1Aに示すように、支持部8から延びるアーム6A、6Bの延部106A、106Bからは結合部206A、206Bは互いに反対の方向に延び、延部106A、106Bが錘部14A、14B間に位置している。また、支持部8から延びるアーム6C、6Dの延部106C、106Dからは結合部206C、206Dは互いに反対の方向に延び、延部106C、106Dが錘部14C、14D間に位置している。この構造により、アーム6A、6B間の距離とアーム6A、6B間の距離を小さくすることができるので、支持部8を介してアーム6A、6Bが互いに密に機械的に結合し、支持部8を介してアーム6C、6Dが互いに密に機械的に結合させることができる。これにより、検出素子2を高効率で駆動して錘部14A〜14Dを振動させることができ、かつ高感度で角速度を検出することができる。
図5は、慣性力センサ2001のアーム6A〜6DのX軸とY軸とZ軸に沿った共振周波数と感度の関係を示す。実施の形態による検出素子2では、アーム6A〜6DのX軸に沿った振動の共振周波数fx1が約32kHzである場合、Z軸の周りの角速度に起因するコリオリ力によるアーム6A〜6DのY軸に沿った共振周波数fy1は約22kHzであり、Y軸の周りの角速度に起因するコリオリ力によるアーム6A〜6DのZ軸方向の共振周波数fz1は約26kHzである。X軸に沿った共振周波数fx1とY軸に沿った共振周波数fy1の差Δfy1を小さくすることにより、Y軸に沿った振動に対する感度Sy1を向上でき、Z軸の周りの角速度に対する感度を高くすることができる。また、共振周波数fx1とZ軸に沿った共振周波数fz1の差Δfz1を小さくすることにより、Z軸に沿った振動に対する感度Sz1を向上でき、Y軸の周りの角速度に対する感度を高くすることができる。慣性力センサ2001では、差Δfy1、Δfz1を小さくすることができる。
図6は比較例の慣性力センサ3001の斜視図である。図1Aと図2に示す慣性力センサ2001と同じ部分には同じ参照番号を付し、その説明を省略する。慣性力センサ3001は、実施の形態による慣性力センサ2001と同じ構造の検出素子2を備え、制御部1001Bの代わりに制御部3001Bを備える。比較例の慣性力センサ3001では、制御部3001Bは駆動電極16A,16B、18C、18Dに同じ移送の交流電圧を印加し、錘部14A〜14DがX軸に沿って同時に同じ方向に変位するように振動させる。慣性力センサ3001のアーム6A〜6DのX軸とY軸とZ軸に沿った共振周波数と感度の関係を図5に示す。性力センサ3001図5の点線の周波数特性となる。アーム6A〜6DのX軸に沿った共振周波数fx2が約22kHzである場合、アーム6A〜6DのY軸に沿った共振周波数fy2は約7kHzであり、アーム6A〜6DのZ軸に沿った共振周波数fz2は約1kHzである。図5は、X軸に沿った共振周波数fx2とY軸に沿った共振周波数fy2との差Δfy2と、共振周波数fx2とZ軸に沿った共振周波数fz2との差Δfz2とを示す。図5は、慣性力センサ3001のY軸に沿った振動に対する感度Sy2とZ軸に沿った振動に対する感度Sz2を示す。
図5に示すように、実施の形態による慣性力センサ2001のX軸に沿った共振周波数fx1とY軸に沿った共振周波数fy1との差Δfy1は、比較例による慣性力センサ3001のX軸に沿った共振周波数fx2とY軸に沿った共振周波数fy2との差Δfy2より小さい。また、実施の形態による慣性力センサ2001のX軸に沿った共振周波数fx1とZ軸に沿った共振周波数fz1との差Δfz1は、比較例による慣性力センサ3001のX軸に沿った共振周波数fx2とZ軸に沿った共振周波数fz2との差Δfz2より小さい。したがって、実施の形態による慣性力センサ2001の感度Sy1、Sz1は比較例の慣性力センサ3001の感度Sy2、Sz2より大きいので、実施の形態による慣性力センサ2001は比較例の慣性力センサ3001よりも高感度でZ軸の周りの角加速度やY軸の周りの角加速度を検出することができる。
実施の形態による検出素子2のアーム4A、4Bはアーム6A〜6Dより薄いので、検出素子2に加速度が加わるとアーム4A、4Bが変形して歪む。これらの歪みを感知することにより、その加速度を検出することができる。
慣性力センサ2001は、慣性力を検出する検出素子2を備える。検出素子2は、アーム4A、4Bと、アーム4A、4Bに直角なアーム6A〜6Dと、アーム4A、4Bを支持する支持部8と、アーム6A〜6Dにそれぞれ連結した錘部14A〜14Dとを有する。アーム4A、4BをX軸方向に配置するとともにアーム6A〜6DをY軸方向に配置する。アーム6A〜6Dは、支持部8に連結した一端と、錘部14A〜14Dにそれぞれ連結した他端とをそれぞれ有する。アーム6A〜6Dは、アーム6A〜6Dの他端がアーム6A〜6D自身と対向するまで外方側に折曲された形状を有する。アーム6A〜5DをX軸方向に振動させる。X軸の正側に配置されたアーム6A、6Cは互いに逆方向に振動させる。X軸の負側に配置されたアーム6B、6Dは互いに逆方向に振動させる。Y軸の正側に配置されたアーム6A、6Bは互いに逆方向に振動させる。角速度に起因したアーム6A〜6Dの歪を感知してその角速度を検出する。
図7と図8はそれぞれ実施の形態による他の慣性力センサ2002の斜視図と裏面斜視図である。図7と図8において、図1Aと図1Bに示す慣性力センサ2001と同じ部分には同じ参照番号を付してその説明を省略する。図7と図8に示す慣性力センサ2002は、図1Aと図1Bに示す慣性力センサ2001に感知電極26A〜29A、26B〜29Bをさらに備える。
感知電極26A〜29A、26B〜29Bの詳細について説明する。
アーム4A、4Bは、錘部14A〜14Dの面514A〜514Dとアーム6A〜6Dの面506A〜506Dと同じ方向を向いている面504A、504Bをそれぞれ有する。また、アーム4A、4Bは、錘部14A〜14Dの面614A〜614Dとアーム6A〜6Dの面606A〜606Dと同じ方向を向いている面604A、604Bをそれぞれ有する。
感知電極26A、26Bはアーム4Aの面504A上にY軸に沿って配列されている。感知電極27A、27Bはアーム4Bの面504B上にY軸に沿って配列されている。感知電極28A、28Bはアーム4Aの面604A上にY軸に沿って配列されている。感知電極29A、29Bはアーム4Bの面804B上にY軸に沿って配列されている。感知電極26Bに比べて感知電極26Aは錘部14Aにより近くに位置する。感知電極26Aに比べて感知電極26Bは錘部14Cにより近くに位置する。感知電極27Bに比べて感知電極27Aは錘部14Bにより近くに位置する。感知電極27Aに比べて感知電極27Bは錘部14Dにより近くに位置する。感知電極28Bに比べて感知電極28Aは錘部14Aにより近くに位置する。感知電極28Aに比べて感知電極28Bは錘部14Cにより近くに位置する。感知電極29Bに比べて感知電極29Aは錘部14Bにより近くに位置する。感知電極29Aに比べて感知電極29Bは錘部14Dにより近くに位置する。感知電極26A〜29A、26B〜29Bは図1Cに示す感知電極20A〜20Bと同様の構造を有し、アーム上に設けられた下部電極と、下部電極上に設けられた圧電体よりなる圧電層と、圧電層上に設けられた上部電極よりなる。
アーム4A、4Bはアーム6A〜6Dより薄いので、検出素子2に加速度が加わるとアーム4A、4Bが変形して歪む。感知電極26A〜29A、26B〜29Bはアーム4A、4Bの歪を感知してその歪に応じて信号を出力し、制御部1001Bはそれらの信号に基づいて加速度を検出する。
検出素子2にY軸に沿った加速度が加わると、アーム6A〜6Cと錘部14A〜14Dが結合している支持部8はY軸に沿って変位し、アーム4A、4BはY軸に沿って変形して歪む。アーム4AがY軸に沿って変形すると、アーム4AのY軸に沿って互いに反対側に位置する2つの側部のうちの一方が伸びるときは他方が縮み、2つの側部のうちの一方が縮むときには他方が伸びる。アーム4Aのこの変形によりアーム4Aの面504A上にY軸に沿って配列されている感知電極26A、26Bはアーム4AのY軸方向の変形による歪みを感知して信号を出力する。また、アーム4Aのこの変形によりアーム4Aの面604A上にY軸に沿って配列されている感知電極28A、28Bはアーム4AのY軸方向の変形による歪みを感知して信号を出力する。同様に、アーム4BがY軸に沿って変形すると、アーム4BのY軸に沿って互いに反対側に位置する2つの側部のうちの一方が伸びるときは他方が縮み、2つの側部のうちの一方が縮むときには他方が伸びる。アーム4Bのこの変形によりアーム4Bの面504B上にY軸に沿って配列されている感知電極27A、27Bはアーム4BのY軸方向の変形による歪みを感知して信号を出力する。また、アーム4Bのこの変形によりアーム4Bの面604B上にY軸に沿って配列されている感知電極29A、29Bはアーム4BのY軸方向の変形による歪みを感知して信号を出力する。制御部1001Bは感知電極26A〜29A、26B〜29Bから出力されるこれらの信号に基づいて、Y軸に沿った加速度を検出することができる。なお、Y軸に沿った加速度を検出するために感知電極26A〜29A、26B〜29Bのすべては必要ではなく、慣性力センサ2002は感知電極26A、26Bの組と、感知電極27A、27Bの組と、感知電極28A、28Bの組と、感知電極29A、29Bの組とのうちの少なくとも1つの組から出力される信号により、制御部1001BはY軸に沿った加速度を検出することができる。
検出素子2にZ軸に沿った加速度が加わると、アーム6A〜6Cと錘部14A〜14Dが結合している支持部8はZ軸に沿って変位し、アーム4A、4BはZ軸に沿って変形して歪む。アーム4AがZ軸に沿って変形すると、アーム4Aの面504A、604Aのうちの一方が伸びるときは他方が縮み、面504A、604Aのうちの一方が縮むときには他方が伸びる。アーム4Aのこの変形により感知電極26A、26B、28A、28Bはアーム4AのZ軸方向の変形による歪みを感知して信号を出力する。同様に、アーム4AがZ軸に沿って変形すると、アーム4Bの面504B、604Bのうちの一方が伸びるときは他方が縮み、面504B、604Bのうちの一方が縮むときには他方が伸びる。アーム4Bのこの変形により感知電極27A、27B、29A、29Bはアーム4BのZ軸方向の変形による歪みを感知して信号を出力する。制御部1001Bは感知電極26A〜29A、26B〜29Bから出力されるこれらの信号に基づいて、Y軸に沿った加速度を検出することができる。なお、Z軸に沿った加速度を検出するために感知電極26A〜29A、26B〜29Bのすべては必要ではなく、慣性力センサ2002は、感知電極26A、26Bのうちの少なくとも1つと感知電極28A、28Bのうちの少なくとも1つとよりなる組と、感知電極27A、27Bのうちの少なくとも1つと感知電極29A、29Bのうちの少なくとも1つとよりなる組とのうちの少なくとも1つの組から出力される信号により、制御部1001BはZ軸に沿った加速度を検出することができる。
このように、慣性力センサ2002は検出素子2に加えられた角速度と加速度とを検出することができる。
Y軸周りの角速度に起因したZ軸方向のアーム6A〜6Dの歪を感知してY軸周りの角速度を検出する。または、Z軸周りの角速度に起因したY軸方向のアーム6A〜6Dの歪を感知してZ軸周りの角速度を検出する。
アーム4A、4Bの厚みをアーム6A〜6Dよりも薄くして、加速度に起因したアーム4A、4Bの歪を感知してその加速度を検出する。
Y軸方向の加速度に起因したZ軸方向のアーム4A、4Bの歪を感知してY軸方向の加速度を検出する。または、Z軸方向の加速度に起因したZ軸方向のアーム4A、4Bの歪を感知してZ軸方向の加速度を検出する。
図9は実施の形態によるさらに他の慣性力センサ2003の分解斜視図である。図9において、図1Aに示す慣性力センサ2001と同じ部分には同じ参照番号を付してその説明を省略する。図10は慣性力センサ2003のY軸とZ軸に平行でX軸に直角な平面における慣性力センサ2003の断面図である。図9に示す慣性力センサ2003は、図1Aと図1Bに示す慣性力センサ2001に、基板30と、対向電極31A〜34A、31B〜34Bをさらに備える。慣性力センサ2003は図7と図8に示す慣性力センサ2002と同様にY軸に沿った加速度とZ軸に沿った加速度を検出することができる。
対向電極31A〜34Aは錘部14A〜14DのZ軸に直角の面514A〜514D上にそれぞれ設けられている。基板30は錘部14A〜14Dの面514A〜514Dに対向する面630を有する。対向電極31B〜34Bは対向電極31A〜34Aにそれぞれ所定の間隔を空けて対向しており、基板30の面630上に設けられている。対向電極31B、33Bは対向電極31A、33Aに対してY軸に沿って方向DY1にずれており、対向電極32B、34Bは対向電極31A、33Aに対してY軸に沿って方向DY1の反対の方向DY2にずれている。
所定の間隔を空けて互いに対向する対向電極31A、31Bは対向電極31A、31Bの相対的な位置に応じた静電容量を形成する対向電極部31を構成する。同様に、所定の間隔を空けて互いに対向する対向電極32A、32Bは対向電極32A、32Bの相対的な位置に応じた静電容量を形成する対向電極部32を構成する。所定の間隔を空けて互いに対向する対向電極33A、33Bは対向電極33A、33Bの相対的な位置に応じた静電容量を形成する対向電極部33を構成する。所定の間隔を空けて互いに対向する対向電極34A、34Bは対向電極34A、34Bの相対的な位置に応じた静電容量を形成する対向電極部34を構成する。
アーム4A、4Bはアーム6A〜6Dより薄く、かつ可撓性を有する可撓部21A、21Bをそれぞれ介して保持体42に結合しているので、検出素子2に加速度が加わると錘部14A〜14Dが基板30に対して加速度と反対の方向に変位する。対向電極部31〜34は基板30に対する錘部14A〜14Dの変位に応じた静電容量を形成し、制御部1001Bはそれらの静電容量に基づいて加速度を検出する。
検出素子2にZ軸に沿って方向DZ2の加速度が加わると、錘部14A〜14Dは基板30に近づく方向DZ1に変位する。この変位により対向電極部31〜34が形成する静電容量は増加する。また、検出素子2にZ軸に沿って方向DZ1の加速度が加わると、錘部14A〜14Dは基板30から遠ざかる方向DZ2に変位する。これにより対向電極部31〜34が形成する静電容量は減少する。制御部1001Bはこれらの静電容量の変化により、Z軸に沿った加速度を検出することができる。
検出素子2にY軸に沿って方向DY2の加速度が加わると、錘部14A〜14Dは基板30に対して方向DY1に変位する。この変位により対向電極31A、32Aと対向電極31B、32Bがそれぞれ対向する面積が増加して、対向電極部31、32が形成する静電容量が増加する。また、この変位により、対向電極33A、34Aと対向電極33B、34Bがそれぞれ対向する面積が減少して、対向電極部33、34が形成する静電容量が減少する。制御部1001Bはこれらの静電容量の変化により、Y軸に沿った方向DY2の加速度を検出することができる。
検出素子2にY軸に沿って方向DY1の加速度が加わると、錘部14A〜14Dは基板30に対して方向DY2に変位する。この変位により対向電極31A、32Aと対向電極31B、32Bがそれぞれ対向する面積が減少して、対向電極部31、32が形成する静電容量が減少する。また、この変位により、対向電極33A、34Aと対向電極33B、34Bがそれぞれ対向する面積が増加して、対向電極部33、34が形成する静電容量が増加する。制御部1001Bはこれらの静電容量の変化により、Y軸に沿った方向DY1の加速度を検出することができる。
また、対向電極31B、33Bは対向電極31A、33Aに対してY軸に沿って方向DY2にずれていてもよく、この場合には対向電極32B、34Bは対向電極31A、33Aに対してY軸に沿って方向DY2の反対の方向DY1にずれている。この場合には、Y軸に沿った加速度が検出素子2に加わったときの対向電極部31〜34の対向電極31A〜34A、31B〜34Dが対向する面積の変化が上記と逆になるので、対向電極部31〜34が形成する静電容量の変化も上記の変化と逆になる。制御部1001Bはこれらの静電容量の変化により、Y軸に沿った加速度を検出することができる。
錘部14A〜14Dと対向する対向基板30を配置する。錘部14A〜14Dと対向基板39の各々の対向面に対向電極31A〜34D、31B〜34Dを配置する。アーム4A、4Bの厚みをアーム6A〜6Dよりも薄くする。加速度に起因した対向電極間の静電容量変化を感知してその加速度を検出する。
Y軸方向の加速度に起因したZ軸方向の対向電極間の静電容量変化を感知してY軸方向の加速度を検出する。または、Z軸方向の加速度に起因したZ軸方向の対向電極間の静電容量変化を感知してZ軸方向の加速度を検出する。
このように、慣性力センサ2003は慣性力センサ2002と同様に、検出素子2に加えられた角速度と加速度とを検出することができる。
この角速度センサは所定の軸の周りの角速度を検出する場合でも、その所定の軸方向の高さを小さくすることができるので、小型の電子機器に適用できる。
本発明は、航空機、自動車、ロボット、船舶、車両等の移動体の姿勢制御やナビゲーション等、各種電子機器に用いられる、慣性力により角速度や加速度を検出する慣性力センサに関する。
従来の慣性力センサである角速度センサは、音さ形状やH形状やT形状等の各種形状を有する検出素子を振動させ、その素子に加えられた角速度により発生するコリオリ力による検出素子の歪を電気的に検知して角速度を検出する。
図11は特許文献1に記載されている従来の角速度センサの検出素子51の斜視図である。図12は図11に示す検出素子51の線12−12における断面図である。検出素子51は、2本のアーム52と、アーム52を連結する基部53とを有する音さ形状を有する。
アーム52には、アーム52を駆動して振動させる駆動電極54や、角速度に起因するアーム52の歪を感知する感知電極55が配置されている。駆動電極54や感知電極55は、圧電体56を介在させた上部電極57と下部電極58から形成されている。駆動電極54および感知電極55からは信号線59が基部53に設けられた電極パッド60まで引き出されている。電極パッド60からボンディングワイヤ等を介して検出素子51を実装する実装基板の配線パターンに電気的に接続されている。
従来の角速度センサをナビゲーション装置に用いる場合には、互いに略直交したX軸とY軸とZ軸において、例えばX軸とY軸とを含むXY平面に車両を配置する。角速度センサは車両のZ軸の周りの角速度を検出する。このような角速度センサでは、Z軸に平行にアーム52が延びるように検出素子51を配置する。駆動電極54によりアーム52を駆動してX軸に沿って方向52Aに振動させ、Z軸の周りの角速度に起因してアーム52に発生する歪を感知電極55で感知することにより、Z軸の周りの角速度を検出する。アーム52はX軸とZ軸を含むXZ平面で振動し、Z軸の周りの角速度によりアーム52がXZ平面に直角なY軸に沿って歪む。また、アーム52のうちの一方は他方と反対の方向に振動している。したがって、角速度により方向52Bに発生するコリオリ力により、アーム52のうちの一方は他方と逆の方向に歪む。
従来の角速度センサの検出素子51は、Z軸の周りの角速度を検出するためにアーム52をZ軸に沿って延びるように配置する必要があり、角速度センサのZ軸方向の高さを小さくすることが困難である。
特開2005−201652号公報
慣性力センサは、保持体と、支持部と、支持部から互いに反対の方向に延びて保持体に結合する第1と第2のアームと、支持部から延びるU次形状を実質的に有する第3から第6のアームと、第3から第6のアームにそれぞれ接続された第1から第4の錘部と、第1から第4の錘部をそれぞれ振動させる第1から第4の駆動電極と、第1から第4の錘部に加えられた角速度により第3のアームに生じる歪みを検出する感知電極とを備える。第2と第3のアームは第1と第4のアームと反対の方向に振動する。
この慣性力センサは所定の軸の周りの角速度を検出する場合でも、その軸に沿った高さを小さくすることができる。
本発明の実施の形態における角速度センサの斜視図 図1Aに示す角速度センサの裏面斜視図 実施の形態における角速度センサの駆動電極と感知電極の断面図 振動している実施の形態における角速度センサの斜視図 Z軸の周りの角速度により歪む実施の形態における角速度センサの斜視図 Y軸の周りの角速度により歪む実施の形態における角速度センサの斜視図 実施の形態における角速度センサの共振周波数と感度の関係を示す図 振動している実施の形態における角速度センサの斜視図 実施の形態における他の角速度センサの斜視図 図7に示す角速度センサの裏面斜視図 実施の形態におけるさらに他の角速度センサの分解斜視図 図9に示す角速度センサの断面図 従来の角速度センサの斜視図 図11に示す角速度センサの線12−12における断面図
図1Aは本発明の実施の形態における慣性力センサ2001の斜視図である。図1Aに示すように互いに直角な第1の軸の第2の軸と第3の軸であるX軸とY軸とZ軸とを定義する。慣性力センサ2001は、検出素子2と、検出素子に接続された制御部1001Bとを備える。検出素子2は、支持部8と、支持部8からX軸に沿って一直線上に互いに反対に延びるアーム4A、4Bと、支持部8から延びるアーム6A〜6Dと、アーム6A〜6Dにそれぞれ接続された錘部14A〜14Dと、矩形の枠形状を有する保持体42と、保持体42に接続された可撓部21A、21Bとを備える。可撓部21A、21Bは可撓性を有し、アーム4A、4Bは可撓部21A、21Bをそれぞれ介して保持体42に結合している。保持体42と可撓部21A、21Bの間にはスリット10A、10Bがそれぞれ設けられている。アーム4A、4Bはアーム6A〜6Dより薄い。アーム4A、4Bとアーム6A〜6Dは支持部8について対称的に配置されている。
アーム6Aは、支持部8からY軸に沿って延びる延部106Aと、延部106AからX軸に沿って延びる結合部206Aと、結合部206AからY軸に沿って延部106Aと反対に延びる延部306Aとを有して実質的にU字形状を有する。延部306Aには錘部14Aが接続されている。
アーム6Bは、支持部8からY軸に沿って延びる延部106Bと、延部106BからX軸に沿って延びる結合部206Bと、結合部206BからY軸に沿って延部106Bと反対に延びる延部306Bとを有して実質的にU字形状を有する。延部306Bには錘部14Bが接続されている。アーム6Bの延部106Bは支持部8からアーム6Aの延部106Aと同じ方向に延びる。アーム6Bの結合部206Bは、アーム6Aの延部106Aから結合部206Aが延びる方向と逆の方向にアーム6Bの延部106Bから延びる。アーム6Bの延部306Bは、アーム6Aの結合部206Aから延部306Aが延びる方向と同じ方向にアーム6Bの結合部206Bから延びる。
アーム6Cは、支持部8からY軸に沿って延びる延部106Cと、延部106CからX軸に沿って延びる結合部206Cと、結合部206CからY軸に沿って延部106Cと反対に延びる延部306Cとを有して実質的にU字形状を有する。延部306Cには錘部14Cが接続されている。アーム6Cの延部106Cは支持部8からアーム6A、6Bの延部106A、106Bと逆の方向に延びる。アーム6Cの結合部206Cは、アーム6Aの延部106Aから結合部206Aが延びる方向と同じ方向に、すなわちアーム6Bの延部106Bから結合部206Bが延びる方向と逆の方向にアーム6Cの延部106Cから延びる。アーム6Cの延部306Cは、アーム6A、6Bの結合部206A、206Bから延部306A、306Bが延びる方向と逆の方向にアーム6Cの結合部206Cから延びる。
アーム6Dは、支持部8からY軸に沿って延びる延部106Dと、延部106DからX軸に沿って延びる結合部206Dと、結合部206DからY軸に沿って延部106Dと反対に延びる延部306Dとを有して実質的にU字形状を有する。延部306Dには錘部14Dが接続されている。アーム6Dの延部106Dは支持部8からアーム6Cの延部106Cと同じ方向に、すなわちアーム6A、6Bの延部106A、106Bと逆の方向に延びる。アーム6Dの結合部206Dは、アーム6A、6Cの延部106A、106Cから結合部206A、206Cが延びる方向と逆の方向に、すなわちアーム6Bの延部106Bから結合部206Bが延びる方向と同じ方向にアーム6Dの延部106Dから延びる。アーム6Dの延部306Dは、アーム6Cの結合部206Cから延部306Cが延びる方向と同じ方向に、すなわちアーム6A、6Bの結合部206A、206Bから延部306A、306Bが延びる方向と逆の方向にアーム6Dの結合部206Dから延びる。
アーム4Aは錘部14A、14C間に位置する。アーム4Bは錘部14B、14D間に位置する。
錘部14A〜14DはZ軸に直角の同じ方向に向いている面514A〜514Dをそれぞれ有する。アーム6A〜6Dは錘部14A〜14Dの面514A〜514Dと同じ方向を向いている面506A〜506Dをそれぞれ有する。
アーム6Aの延部106Aの面506Aには、錘部14Aを駆動して振動させる駆動電極16Aが配置されている。アーム6Bの延部106Bの面506Bには、錘部14Bを駆動して振動させる駆動電極16Bが配置されている。アーム6Cの延部106Cの面506Cには、錘部14Cを駆動して振動させる駆動電極18Cが配置されている。アーム6Dの延部106Dの面506Dには、錘部14Dを駆動して振動させる駆動電極18Dが配置されている。アーム6A〜6Dの延部106A〜106Dの面506A〜506Dには、アーム6A〜6Dの歪を感知する感知電極20A〜20Dがそれぞれ配置されている。
図1Bは慣性力センサ2001の検出素子2の裏面斜視図である。錘部14A〜14Dは、Z軸に沿って面514A〜514Dの反対を向いている面614A〜614Dをそれぞれ有する。面614A〜614Dは面514A〜514Dのそれぞれ反対側に位置する。アーム6A〜6Dは、Z軸に沿って面506A〜506Dの反対を向いている面606A〜606Dをそれぞれ有する。面606A〜606Dは面506A〜506Dのそれぞれ反対側に位置する。アーム6A〜6Dの延部106A〜106Dの面606A〜606Dには、アーム6A〜6Dの歪を感知する感知電極25A〜25Dがそれぞれ配置されている。
図1Cは駆動電極16A、16B、18C、18Dと感知電極20A〜20D、25A〜25Dの断面図である。電極16A(16B、18C、18D、20A〜20D、25A〜25D)は、アーム6A(6B、6C、6D)上に設けられた下部電極22と、下部電極22上に設けられた圧電体よりなる圧電層23と、圧電層23上に設けられた上部電極24とを有する。
保持体42が回路基板1001に固定されることで検出素子2は回路基板1001に実装される。回路基板1001は被検出体1001Aに固定される。検出素子2は被検出体1001Aから加えられた角加速度を検出することができる。
慣性力センサ2001が角速度を検出する動作について説明する。図2は錘部14A〜14Dを振動させている検出素子2の斜視図である。
駆動電極16A、16B、18A、16Bに交流電圧を印加して、アーム6A〜6Dを振動させて錘部14A〜14DをX軸に沿った方向X1、X2に変位させて振動させる。錘部14A〜14DはX軸に沿った振動について同じ共振周波数を有しており、交流電圧はその共振周波数を有する。
実施の形態による慣性力センサ2001では、駆動電極16A、16Bに印加する交流電圧は同位相であり、駆動電極18A、18Bに印加する交流電圧が同位相である。駆動電極16A、16Bに印加する交流電圧と、駆動電極18A、18Bに印加する交流電圧は互いに逆位相である。これにより、錘部14A、14BはX軸に沿って互いに逆の方向に振動する。錘部14C、14DはX軸に沿って互いに逆の方向に振動する。錘部14A、14CはX軸に沿って互いに逆の方向に振動する。錘部14B、14DはX軸に沿って互いに逆の方向に振動する。錘部14A、14DはX軸に沿って互いに同じ方向に振動する。錘部14B、14CはX軸に沿って互いに同じ方向に振動する。すなわち、錘部14A、14DがX軸に沿った方向X1に変位しているときには錘部14B、14CはX軸に沿った方向X1の反対の方向X2に変位し、錘部14A、14Dが方向X2に変位しているときには錘部14B、14Cは方向X1に変位する。する。このように、アーム6A、6B間の距離が狭まるときにはアーム6C、6D間の距離は広がり、アーム6A、6B間の距離が広がるときにはアーム6C、6D間の距離は狭まる。
この結果、アーム6A、6Cは互いに逆の方向に振動し、アーム6B、6Dは互いに逆の方向に振動する。また、アーム6A、6Cは互いに逆の方向に振動し、アーム6B、6Dは互いに逆の方向に振動する。
アーム4Aは支持部8からX軸に沿って延びて保持体42に結合する。アーム4Bは、支持部8からX軸に沿ってアーム4Aと反対の方向に延びて保持体42に結合する。アーム6Aの延部106AはY軸に沿って支持部8から延びる。結合部206Aは延部106AからX軸に沿って延びる。延部306Aは、延部106Aが支持部8から延びる方向と逆の方向に結合部206AからY軸に沿って延びる。アーム6Bの延部106Bは、アーム6Aの延部106Aが支持部8から延びる方向と同じ方向にY軸に沿って支持部8から延びる。結合部206Bは、アーム6Aの結合部206Aが延部106Aから延びる方向と逆の方向に延部106BからX軸に沿って延びる。延部306Bは、延部106Bが支持部8から延びる方向と逆の方向に結合部206BからY軸に沿って延びる。アーム6Cの延部106Cは、アーム6Aの延部106Aが支持部8から延びる方向と逆の方向にY軸に沿って支持部8から延びる。結合部206Cは、アーム6Aの結合部206Aが延部106Aから延びる方向と同じ方向に延部106CからX軸に沿って延びる。延部306Cは、延部106Cが支持部8から延びる方向と逆の方向に結合部206CからY軸に沿って延びる。アーム6Dの延部106Dは、アーム6Cの延部106Cが支持部8から延びる方向と同じ方向にY軸に沿って支持部8から延びる。結合部206Dは、アーム6Cの結合部206Cが延部106Cから延びる方向と逆の方向に延部106DからX軸に沿って延びる。延部306Dは、延部106Dが支持部8から延びる方向と逆の方向に結合部206DからY軸に沿って延びる。駆動電極16Aは錘部14AをX軸に沿って振動させる。駆動電極16Bは、錘部14Bを錘部14Aと反対の方向に変位させるようにX軸に沿って振動させる。駆動電極18Cは、錘部14Cを錘部14Aと反対の方向に変位させるようにX軸に沿って振動させる。駆動電極18Cは、錘部14Dを錘部14Aと同じ方向に変位させるようにX軸に沿って振動させる。感知電極20Aは、錘部14Aに加えられた角速度によりアーム6Aに生じる歪みを検出する。
図3は、検出素子2にZ軸の周りの右回りの、すなわち錘部14Aが錘部14Cに近づく方向の角速度AV1が加わった場合に発生するコリオリ力を示す検出素子2の斜視図である。図2に示すようにアーム6A〜6Dや錘部14A〜14Dが振動している状態で検出素子2に角速度AV1が加わった場合は、錘部14A〜14DのX軸に沿った振動と同期して、錘部14A〜14DにY軸に沿ってコリオリ力が発生する。すなわち、錘部14A〜14Dが方向X1に変位しているときには錘部14A〜14Dに加わるコリオリ力はY軸に沿って支持部8から離れる方向Y1に向き、錘部14A〜14Dが方向X2に変位しているときには錘部14A〜14Dに加わるコリオリ力はY軸に沿った方向Y1と反対の支持部8に近づく方向Y2に向く。このコリオリ力によりアーム6A〜6Dに歪が発生し、これらの歪みはアーム6A〜6Dにそれぞれ設けられた感知電極20A〜20Dにより感知される。感知電極20A〜20Dは歪みの大きさと方向に応じて変化する信号を出力する。図1に示す制御部1001Bはこれらの信号の極性によってコリオリ力の方向を判定し、角速度を検出することができる。
このコリオリ力を感知するための感知電極20A〜20Dの詳細について説明する。図3に示すように、感知電極20Aは感知電極120A、220Aからなり、感知電極20Bは感知電極120B、220Bからなり、感知電極20Cは感知電極120C、220Cからなり、感知電極20Dは感知電極120D、220Dからなる。感知電極120A、120B、120C、120Dは、それぞれ感知電極220A、220B、220C、220Dに比べてアーム6A、6B、6C、6DのU字形状の外周により近くに設けられている。感知電極220A、220B、220C、220Dは、それぞれ感知電極120A、120B、120C、120Dに比べてそれぞれアーム6A、6B、6C、6DのU字形状の内周により近くに設けられている。感知電極120A〜120D、220A〜220Dにより、アーム6A〜6Dの内周の歪と外周の歪を区別できる。コリオリ力が方向Y1を向いているときにアーム6A〜6DのU字形状の内周と外周で発生する歪みの方向と、コリオリ力が方向Y2を向いているときにアーム6A〜6DのU字形状の内周と外周で発生する歪みの方向とが異なる。錘部14A〜14Dが方向Y1、Y2のコリオリ力により歪むことで、アーム6A〜6DのU字形状の内周と外周とで異なるように変形する。U字形状の内周と外周に設けられた感知電極120A〜120D、220A〜220Dはその変形に応じて信号を出力し、制御部1001Bはその信号によって角速度AV1を検出する。角速度AV1と反対の方向のZ軸の周りの角速度が検出素子2に加わった場合には、上記のコリオリ力と反対の方向のコリオリ力が発生するので、制御部1001Bは感知電極20A〜20Dにより同様にその角速度を感知することができる。
図4は、検出素子2にY軸の周りの右回りの、すなわち錘部14Aの面514Aが錘部14Bの面514Bに近づく方向の角速度AV2が加わった場合に発生するコリオリ力を示す検出素子2の斜視図である。図2に示すようにアーム6A〜6Dや錘部14A〜14Dが振動している状態で検出素子2に角速度AV2が加わった場合は、錘部14A〜14DのX軸に沿った振動と同期して、錘部14A〜14DにZ軸に沿ってコリオリ力が発生する。すなわち、錘部14A〜14Dが方向X1に変位しているときにはコリオリ力はZ軸に沿った方向Z1に向き、錘部14A〜14Dが方向X2に変位しているときにはコリオリ力はY軸に沿った方向Y1と反対の方向Y2に向く。このコリオリ力によりアーム6A〜6Dに歪が発生し、これらの歪はアーム6A〜6Dに設けられた感知電極20A〜20D、25A〜25Dにより感知される。感知電極20A〜20D、25A〜25Dは歪みの大きさと方向に応じて変化する信号を出力する。図1に示す制御部1001Bはこれらの信号の極性によってコリオリ力の方向を判定することができる。
このコリオリ力を感知するための慣性力センサ2001の動作について説明する。コリオリ力が方向Z1を向いているときにアーム6A〜6Dの面506A〜506D、606A〜606Dで発生する歪みの方向と、コリオリ力が方向Z2を向いているときにアーム6A〜6Dの面506A〜506D、606A〜606Dで発生する歪みの方向とが異なる。錘部14A〜14Dが方向Z1、Z2のコリオリ力により歪むことで、アーム6A〜6Dの面506A〜506Dと面606A〜606Dとで異なるように変形する。アーム6A〜6Dの面506A〜506D、606A〜606Dに設けられた感知電極20A〜20Dと図1Bに示す感知電極25A〜25Dはその変形に応じて信号を出力し、図1に示す制御部1001Bはその信号によって角速度AV2を検出する。角速度AV2と反対の方向のY軸の周りの角速度が検出素子2に加わった場合には、上記のコリオリ力と反対の方向のコリオリ力が発生するので、感知電極20A〜20Dにより慣性力センサ2001は同様にその角速度を検出することができる。
実施の形態による慣性力センサ2001はコリオリ力という慣性力に基づいてZ軸の周りやY軸の周りの角加速度を検出する。慣性力センサ2001の検出素子2は、Z軸の周りの角速度を検出できるがZ軸に沿って長く延びた部分を有さず、Z軸の高さを小さくすることができる。さらに、慣性力センサ2001はY軸の周りの角速度も検出できる。
検出素子2では、アーム6A〜6DをX軸に沿って振動させてZ軸の周りの角速度やY軸の周りの角速度に起因したアーム6A〜6Dの歪を感知する。アーム6A〜6Dの歪はX軸に沿った振動にともなってY軸に沿った振動とZ軸に沿った振動として現れる。したがって、アーム6A〜6DはX軸とY軸とZ軸に沿って振動する。検出素子2ではアーム6A〜6DのX軸に沿った振動の周波数とY軸に沿った振動の周波数とZ軸に沿った振動の周波数とは、それぞれアーム6A〜6DのX軸に沿った共振周波数とY軸に沿った共振周波数とZ軸に沿った共振周波数である。慣性力センサ2001では、アーム6A〜6Dの歪はアーム6A〜6DのX軸に沿った振動の周波数を基準にして感知する。したがって、アーム6A〜6DのX軸に沿った共振周波数とYに沿った共振周波数とZ軸に沿った共振周波数の差を小さくすることで感度を向上させることができる。
図1Aに示すように、支持部8から延びるアーム6A、6Bの延部106A、106Bからは結合部206A、206Bは互いに反対の方向に延び、延部106A、106Bが錘部14A、14B間に位置している。また、支持部8から延びるアーム6C、6Dの延部106C、106Dからは結合部206C、206Dは互いに反対の方向に延び、延部106C、106Dが錘部14C、14D間に位置している。この構造により、アーム6A、6B間の距離とアーム6A、6B間の距離を小さくすることができるので、支持部8を介してアーム6A、6Bが互いに密に機械的に結合し、支持部8を介してアーム6C、6Dが互いに密に機械的に結合させることができる。これにより、検出素子2を高効率で駆動して錘部14A〜14Dを振動させることができ、かつ高感度で角速度を検出することができる。
図5は、慣性力センサ2001のアーム6A〜6DのX軸とY軸とZ軸に沿った共振周波数と感度の関係を示す。実施の形態による検出素子2では、アーム6A〜6DのX軸に沿った振動の共振周波数fx1が約32kHzである場合、Z軸の周りの角速度に起因するコリオリ力によるアーム6A〜6DのY軸に沿った共振周波数fy1は約22kHzであり、Y軸の周りの角速度に起因するコリオリ力によるアーム6A〜6DのZ軸方向の共振周波数fz1は約26kHzである。X軸に沿った共振周波数fx1とY軸に沿った共振周波数fy1の差Δfy1を小さくすることにより、Y軸に沿った振動に対する感度Sy1を向上でき、Z軸の周りの角速度に対する感度を高くすることができる。また、共振周波数fx1とZ軸に沿った共振周波数fz1の差Δfz1を小さくすることにより、Z軸に沿った振動に対する感度Sz1を向上でき、Y軸の周りの角速度に対する感度を高くすることができる。慣性力センサ2001では、差Δfy1、Δfz1を小さくすることができる。
図6は比較例の慣性力センサ3001の斜視図である。図1Aと図2に示す慣性力センサ2001と同じ部分には同じ参照番号を付し、その説明を省略する。慣性力センサ3001は、実施の形態による慣性力センサ2001と同じ構造の検出素子2を備え、制御部1001Bの代わりに制御部3001Bを備える。比較例の慣性力センサ3001では、制御部3001Bは駆動電極16A,16B、18C、18Dに同じ移送の交流電圧を印加し、錘部14A〜14DがX軸に沿って同時に同じ方向に変位するように振動させる。慣性力センサ3001のアーム6A〜6DのX軸とY軸とZ軸に沿った共振周波数と感度の関係を図5に示す。性力センサ3001図5の点線の周波数特性となる。アーム6A〜6DのX軸に沿った共振周波数fx2が約22kHzである場合、アーム6A〜6DのY軸に沿った共振周波数fy2は約7kHzであり、アーム6A〜6DのZ軸に沿った共振周波数fz2は約1kHzである。図5は、X軸に沿った共振周波数fx2とY軸に沿った共振周波数fy2との差Δfy2と、共振周波数fx2とZ軸に沿った共振周波数fz2との差Δfz2とを示す。図5は、慣性力センサ3001のY軸に沿った振動に対する感度Sy2とZ軸に沿った振動に対する感度Sz2を示す。
図5に示すように、実施の形態による慣性力センサ2001のX軸に沿った共振周波数fx1とY軸に沿った共振周波数fy1との差Δfy1は、比較例による慣性力センサ3001のX軸に沿った共振周波数fx2とY軸に沿った共振周波数fy2との差Δfy2より小さい。また、実施の形態による慣性力センサ2001のX軸に沿った共振周波数fx1とZ軸に沿った共振周波数fz1との差Δfz1は、比較例による慣性力センサ3001のX軸に沿った共振周波数fx2とZ軸に沿った共振周波数fz2との差Δfz2より小さい。したがって、実施の形態による慣性力センサ2001の感度Sy1、Sz1は比較例の慣性力センサ3001の感度Sy2、Sz2より大きいので、実施の形態による慣性力センサ2001は比較例の慣性力センサ3001よりも高感度でZ軸の周りの角加速度やY軸の周りの角加速度を検出することができる。
実施の形態による検出素子2のアーム4A、4Bはアーム6A〜6Dより薄いので、検出素子2に加速度が加わるとアーム4A、4Bが変形して歪む。これらの歪みを感知することにより、その加速度を検出することができる。
慣性力センサ2001は、慣性力を検出する検出素子2を備える。検出素子2は、アーム4A、4Bと、アーム4A、4Bに直角なアーム6A〜6Dと、アーム4A、4Bを支持する支持部8と、アーム6A〜6Dにそれぞれ連結した錘部14A〜14Dとを有する。アーム4A、4BをX軸方向に配置するとともにアーム6A〜6DをY軸方向に配置する。アーム6A〜6Dは、支持部8に連結した一端と、錘部14A〜14Dにそれぞれ連結した他端とをそれぞれ有する。アーム6A〜6Dは、アーム6A〜6Dの他端がアーム6A〜6D自身と対向するまで外方側に折曲された形状を有する。アーム6A〜5DをX軸方向に振動させる。X軸の正側に配置されたアーム6A、6Cは互いに逆方向に振動させる。X軸の負側に配置されたアーム6B、6Dは互いに逆方向に振動させる。Y軸の正側に配置されたアーム6A、6Bは互いに逆方向に振動させる。角速度に起因したアーム6A〜6Dの歪を感知してその角速度を検出する。
図7と図8はそれぞれ実施の形態による他の慣性力センサ2002の斜視図と裏面斜視図である。図7と図8において、図1Aと図1Bに示す慣性力センサ2001と同じ部分には同じ参照番号を付してその説明を省略する。図7と図8に示す慣性力センサ2002は、図1Aと図1Bに示す慣性力センサ2001に感知電極26A〜29A、26B〜29Bをさらに備える。
感知電極26A〜29A、26B〜29Bの詳細について説明する。
アーム4A、4Bは、錘部14A〜14Dの面514A〜514Dとアーム6A〜6Dの面506A〜506Dと同じ方向を向いている面504A、504Bをそれぞれ有する。また、アーム4A、4Bは、錘部14A〜14Dの面614A〜614Dとアーム6A〜6Dの面606A〜606Dと同じ方向を向いている面604A、604Bをそれぞれ有する。
感知電極26A、26Bはアーム4Aの面504A上にY軸に沿って配列されている。感知電極27A、27Bはアーム4Bの面504B上にY軸に沿って配列されている。感知電極28A、28Bはアーム4Aの面604A上にY軸に沿って配列されている。感知電極29A、29Bはアーム4Bの面804B上にY軸に沿って配列されている。感知電極26Bに比べて感知電極26Aは錘部14Aにより近くに位置する。感知電極26Aに比べて感知電極26Bは錘部14Cにより近くに位置する。感知電極27Bに比べて感知電極27Aは錘部14Bにより近くに位置する。感知電極27Aに比べて感知電極27Bは錘部14Dにより近くに位置する。感知電極28Bに比べて感知電極28Aは錘部14Aにより近くに位置する。感知電極28Aに比べて感知電極28Bは錘部14Cにより近くに位置する。感知電極29Bに比べて感知電極29Aは錘部14Bにより近くに位置する。感知電極29Aに比べて感知電極29Bは錘部14Dにより近くに位置する。感知電極26A〜29A、26B〜29Bは図1Cに示す感知電極20A〜20Bと同様の構造を有し、アーム上に設けられた下部電極と、下部電極上に設けられた圧電体よりなる圧電層と、圧電層上に設けられた上部電極よりなる。
アーム4A、4Bはアーム6A〜6Dより薄いので、検出素子2に加速度が加わるとアーム4A、4Bが変形して歪む。感知電極26A〜29A、26B〜29Bはアーム4A、4Bの歪を感知してその歪に応じて信号を出力し、制御部1001Bはそれらの信号に基づいて加速度を検出する。
検出素子2にY軸に沿った加速度が加わると、アーム6A〜6Cと錘部14A〜14Dが結合している支持部8はY軸に沿って変位し、アーム4A、4BはY軸に沿って変形して歪む。アーム4AがY軸に沿って変形すると、アーム4AのY軸に沿って互いに反対側に位置する2つの側部のうちの一方が伸びるときは他方が縮み、2つの側部のうちの一方が縮むときには他方が伸びる。アーム4Aのこの変形によりアーム4Aの面504A上にY軸に沿って配列されている感知電極26A、26Bはアーム4AのY軸方向の変形による歪みを感知して信号を出力する。また、アーム4Aのこの変形によりアーム4Aの面604A上にY軸に沿って配列されている感知電極28A、28Bはアーム4AのY軸方向の変形による歪みを感知して信号を出力する。同様に、アーム4BがY軸に沿って変形すると、アーム4BのY軸に沿って互いに反対側に位置する2つの側部のうちの一方が伸びるときは他方が縮み、2つの側部のうちの一方が縮むときには他方が伸びる。アーム4Bのこの変形によりアーム4Bの面504B上にY軸に沿って配列されている感知電極27A、27Bはアーム4BのY軸方向の変形による歪みを感知して信号を出力する。また、アーム4Bのこの変形によりアーム4Bの面604B上にY軸に沿って配列されている感知電極29A、29Bはアーム4BのY軸方向の変形による歪みを感知して信号を出力する。制御部1001Bは感知電極26A〜29A、26B〜29Bから出力されるこれらの信号に基づいて、Y軸に沿った加速度を検出することができる。なお、Y軸に沿った加速度を検出するために感知電極26A〜29A、26B〜29Bのすべては必要ではなく、慣性力センサ2002は感知電極26A、26Bの組と、感知電極27A、27Bの組と、感知電極28A、28Bの組と、感知電極29A、29Bの組とのうちの少なくとも1つの組から出力される信号により、制御部1001BはY軸に沿った加速度を検出することができる。
検出素子2にZ軸に沿った加速度が加わると、アーム6A〜6Cと錘部14A〜14Dが結合している支持部8はZ軸に沿って変位し、アーム4A、4BはZ軸に沿って変形して歪む。アーム4AがZ軸に沿って変形すると、アーム4Aの面504A、604Aのうちの一方が伸びるときは他方が縮み、面504A、604Aのうちの一方が縮むときには他方が伸びる。アーム4Aのこの変形により感知電極26A、26B、28A、28Bはアーム4AのZ軸方向の変形による歪みを感知して信号を出力する。同様に、アーム4AがZ軸に沿って変形すると、アーム4Bの面504B、604Bのうちの一方が伸びるときは他方が縮み、面504B、604Bのうちの一方が縮むときには他方が伸びる。アーム4Bのこの変形により感知電極27A、27B、29A、29Bはアーム4BのZ軸方向の変形による歪みを感知して信号を出力する。制御部1001Bは感知電極26A〜29A、26B〜29Bから出力されるこれらの信号に基づいて、Y軸に沿った加速度を検出することができる。なお、Z軸に沿った加速度を検出するために感知電極26A〜29A、26B〜29Bのすべては必要ではなく、慣性力センサ2002は、感知電極26A、26Bのうちの少なくとも1つと感知電極28A、28Bのうちの少なくとも1つとよりなる組と、感知電極27A、27Bのうちの少なくとも1つと感知電極29A、29Bのうちの少なくとも1つとよりなる組とのうちの少なくとも1つの組から出力される信号により、制御部1001BはZ軸に沿った加速度を検出することができる。
このように、慣性力センサ2002は検出素子2に加えられた角速度と加速度とを検出することができる。
Y軸周りの角速度に起因したZ軸方向のアーム6A〜6Dの歪を感知してY軸周りの角速度を検出する。または、Z軸周りの角速度に起因したY軸方向のアーム6A〜6Dの歪を感知してZ軸周りの角速度を検出する。
アーム4A、4Bの厚みをアーム6A〜6Dよりも薄くして、加速度に起因したアーム4A、4Bの歪を感知してその加速度を検出する。
Y軸方向の加速度に起因したZ軸方向のアーム4A、4Bの歪を感知してY軸方向の加速度を検出する。または、Z軸方向の加速度に起因したZ軸方向のアーム4A、4Bの歪を感知してZ軸方向の加速度を検出する。
図9は実施の形態によるさらに他の慣性力センサ2003の分解斜視図である。図9において、図1Aに示す慣性力センサ2001と同じ部分には同じ参照番号を付してその説明を省略する。図10は慣性力センサ2003のY軸とZ軸に平行でX軸に直角な平面における慣性力センサ2003の断面図である。図9に示す慣性力センサ2003は、図1Aと図1Bに示す慣性力センサ2001に、基板30と、対向電極31A〜34A、31B〜34Bをさらに備える。慣性力センサ2003は図7と図8に示す慣性力センサ2002と同様にY軸に沿った加速度とZ軸に沿った加速度を検出することができる。
対向電極31A〜34Aは錘部14A〜14DのZ軸に直角の面514A〜514D上にそれぞれ設けられている。基板30は錘部14A〜14Dの面514A〜514Dに対向する面630を有する。対向電極31B〜34Bは対向電極31A〜34Aにそれぞれ所定の間隔を空けて対向しており、基板30の面630上に設けられている。対向電極31B、33Bは対向電極31A、33Aに対してY軸に沿って方向DY1にずれており、対向電極32B、34Bは対向電極31A、33Aに対してY軸に沿って方向DY1の反対の方向DY2にずれている。
所定の間隔を空けて互いに対向する対向電極31A、31Bは対向電極31A、31Bの相対的な位置に応じた静電容量を形成する対向電極部31を構成する。同様に、所定の間隔を空けて互いに対向する対向電極32A、32Bは対向電極32A、32Bの相対的な位置に応じた静電容量を形成する対向電極部32を構成する。所定の間隔を空けて互いに対向する対向電極33A、33Bは対向電極33A、33Bの相対的な位置に応じた静電容量を形成する対向電極部33を構成する。所定の間隔を空けて互いに対向する対向電極34A、34Bは対向電極34A、34Bの相対的な位置に応じた静電容量を形成する対向電極部34を構成する。
アーム4A、4Bはアーム6A〜6Dより薄く、かつ可撓性を有する可撓部21A、21Bをそれぞれ介して保持体42に結合しているので、検出素子2に加速度が加わると錘部14A〜14Dが基板30に対して加速度と反対の方向に変位する。対向電極部31〜34は基板30に対する錘部14A〜14Dの変位に応じた静電容量を形成し、制御部1001Bはそれらの静電容量に基づいて加速度を検出する。
検出素子2にZ軸に沿って方向DZ2の加速度が加わると、錘部14A〜14Dは基板30に近づく方向DZ1に変位する。この変位により対向電極部31〜34が形成する静電容量は増加する。また、検出素子2にZ軸に沿って方向DZ1の加速度が加わると、錘部14A〜14Dは基板30から遠ざかる方向DZ2に変位する。これにより対向電極部31〜34が形成する静電容量は減少する。制御部1001Bはこれらの静電容量の変化により、Z軸に沿った加速度を検出することができる。
検出素子2にY軸に沿って方向DY2の加速度が加わると、錘部14A〜14Dは基板30に対して方向DY1に変位する。この変位により対向電極31A、32Aと対向電極31B、32Bがそれぞれ対向する面積が増加して、対向電極部31、32が形成する静電容量が増加する。また、この変位により、対向電極33A、34Aと対向電極33B、34Bがそれぞれ対向する面積が減少して、対向電極部33、34が形成する静電容量が減少する。制御部1001Bはこれらの静電容量の変化により、Y軸に沿った方向DY2の加速度を検出することができる。
検出素子2にY軸に沿って方向DY1の加速度が加わると、錘部14A〜14Dは基板30に対して方向DY2に変位する。この変位により対向電極31A、32Aと対向電極31B、32Bがそれぞれ対向する面積が減少して、対向電極部31、32が形成する静電容量が減少する。また、この変位により、対向電極33A、34Aと対向電極33B、34Bがそれぞれ対向する面積が増加して、対向電極部33、34が形成する静電容量が増加する。制御部1001Bはこれらの静電容量の変化により、Y軸に沿った方向DY1の加速度を検出することができる。
また、対向電極31B、33Bは対向電極31A、33Aに対してY軸に沿って方向DY2にずれていてもよく、この場合には対向電極32B、34Bは対向電極31A、33Aに対してY軸に沿って方向DY2の反対の方向DY1にずれている。この場合には、Y軸に沿った加速度が検出素子2に加わったときの対向電極部31〜34の対向電極31A〜34A、31B〜34Dが対向する面積の変化が上記と逆になるので、対向電極部31〜34が形成する静電容量の変化も上記の変化と逆になる。制御部1001Bはこれらの静電容量の変化により、Y軸に沿った加速度を検出することができる。
錘部14A〜14Dと対向する対向基板30を配置する。錘部14A〜14Dと対向基板39の各々の対向面に対向電極31A〜34D、31B〜34Dを配置する。アーム4A、4Bの厚みをアーム6A〜6Dよりも薄くする。加速度に起因した対向電極間の静電容量変化を感知してその加速度を検出する。
Y軸方向の加速度に起因したZ軸方向の対向電極間の静電容量変化を感知してY軸方向の加速度を検出する。または、Z軸方向の加速度に起因したZ軸方向の対向電極間の静電容量変化を感知してZ軸方向の加速度を検出する。
このように、慣性力センサ2003は慣性力センサ2002と同様に、検出素子2に加えられた角速度と加速度とを検出することができる。
この角速度センサは所定の軸の周りの角速度を検出する場合でも、その所定の軸方向の高さを小さくすることができるので、小型の電子機器に適用できる。
4A アーム
4B アーム
6A アーム
6B アーム
6C アーム
6D アーム
8 支持部
14A 錘部
14B 錘部
14C 錘部
14D 錘部
16A 駆動電極
16B 駆動電極
18C 駆動電極
18D 駆動電極
20A 感知電極
21A 感知電極
31 対向電極部
31A 対向電極
31B 対向電極
33 対向電極部
33A 対向電極
33B 対向電極
42 保持体
106A 延部(第1の延部)
106B 延部(第3の延部)
106C 延部(第5の延部)
106D 延部(第7の延部)
206A 結合部(第1の結合部)
206B 結合部(第2の結合部)
206C 結合部(第3の結合部)
206D 結合部(第4の結合部)
306A 延部(第2の延部)
306B 延部(第4の延部)
306C 延部(第6の延部)
306D 延部(第8の延部)
514A 面
514C 面

Claims (18)

  1. 慣性力を検出する検出素子を備え、
    前記検出素子は、
    第1のアームと、
    前記第1のアームに直角な第2のアームと、
    前記第1のアームを支持する支持部と、
    前記第2のアームにそれぞれ連結した錘部と、
    を有し、
    互いに直交するX軸とY軸とZ軸において、前記第1のアームをX軸方向に配置するとともに前記第2のアームをY軸方向に配置し、
    前記第2のアームは、前記支持部に連結した一端と、前記錘部にそれぞれ連結した他端とをそれぞれ有し、
    前記第2のアームは、前記第2のアームの前記他端が前記第2アーム自身と対向するまで外方側に折曲された形状を有し、
    前記第2のアームをX軸方向に振動させるとともに、
    前記第2のアームのうちX軸の正側に配置された第2のアームは互いに逆方向に振動させ、
    前記第2のアームのうちのX軸の負側に配置された第2のアームは互いに逆方向に振動させ、
    前記第2のアームのうちのY軸の正側に配置された前記第2のアームは互いに逆方向に振動させ、角速度に起因した前記第2のアームの歪を感知して角速度を検出する慣性力センサ。
  2. Y軸周りの角速度に起因したZ軸方向の前記第2のアームの歪を感知してY軸周りの角速度を検出する、または、Z軸周りの角速度に起因したY軸方向の前記第2のアームの歪を感知してZ軸周りの角速度を検出する、請求項1記載の慣性力センサ。
  3. 前記第1のアームの厚みを前記第2のアームよりも薄くして、加速度に起因した前記第1のアームの歪を感知して加速度を検出する、請求項1記載の慣性力センサ。
  4. Y軸方向の加速度に起因したZ軸方向の前記第1のアームの歪を感知してY軸方向の加速度を検出する、または、Z軸方向の加速度に起因したZ軸方向の前記第1のアームの歪を感知してZ軸方向の加速度を検出する、請求項3記載の慣性力センサ。
  5. 前記錘部と対向する対向基板を配置するとともに前記錘部と前記対向基板の各々の対向面に対向電極を配置し、前記第1のアームの厚みを前記第2のアームよりも薄くして、加速度に起因した前記対向電極間の静電容量変化を感知して加速度を検出する、請求項1記載の慣性力センサ。
  6. Y軸方向の加速度に起因したZ軸方向の前記対向電極間の静電容量変化を感知してY軸方向の加速度を検出する、または、Z軸方向の加速度に起因したZ軸方向の前記対向電極間の静電容量変化を感知してZ軸方向の加速度を検出する、請求項5記載の慣性力センサ。
  7. 保持体と、
    支持部と、
    前記支持部から第1の軸に沿って延びて前記保持体に結合する第1のアームと、
    前記支持部から前記第1の軸に沿って前記第1のアームと反対の方向に延びて前記保持体に結合する第2のアームと、
    前記第1の軸と直角の第2の軸に沿って前記支持部から延びる第1の延部と、
    前記第1の延部から前記第1の軸に沿って延びる第1の結合部と、
    前記第1の延部が前記支持部から延びる方向と逆の方向に前記第1の結合部から前記第2の軸に沿って延びる第2の延部と、
    を有するU字形状を実質的に有する第3のアームと、
    前記第3のアームの前記第2の延部に接続された第1の錘部と、
    前記第3のアームの前記第1の延部が前記支持部から延びる前記方向と同じ方向に前記第2の軸に沿って前記支持部から延びる第3の延部と、
    前記第3のアームの前記第1の結合部が前記第1の延部から延びる方向と逆の方向に前記第3の延部から前記第1の軸に沿って延びる第2の結合部と、
    前記第3の延部が前記支持部から延びる方向と逆の方向に前記第2の結合部から前記第2の軸に沿って延びる第4の延部と、
    を有するU字形状を実質的に有する第4のアームと、
    前記第4のアームの前記第4の延部に接続された第2の錘部と、
    前記第3のアームの前記第1の延部が前記支持部から延びる前記方向と逆の方向に前記第2の軸に沿って前記支持部から延びる第5の延部と、
    前記第3のアームの前記第1の結合部が前記第1の延部から延びる方向と同じ方向に前記第5の延部から前記第1の軸に沿って延びる第3の結合部と、
    前記第5の延部が前記支持部から延びる方向と逆の方向に前記第3の結合部から前記第2の軸に沿って延びる第6の延部と、
    を有するU字形状を実質的に有する第5のアームと、
    前記第5のアームの前記第6の延部に接続された第3の錘部と、
    前記第5のアームの前記第5の延部が前記支持部から延びる前記方向と同じ方向に前記第2の軸に沿って前記支持部から延びる第7の延部と、
    前記第5のアームの前記第3の結合部が前記第5の延部から延びる方向と逆の方向に前記第7の延部から前記第1の軸に沿って延びる第4の結合部と、
    前記第7の延部が前記支持部から延びる方向と逆の方向に前記第4の結合部から前記第2の軸に沿って延びる第8の延部と、
    を有するU字形状を実質的に有する第6のアームと、
    前記第6のアームの前記第8の延部に接続された第4の錘部と、
    前記第1の錘部を前記第1の軸に沿って振動させる、前記第3のアームに設けられた第1の駆動電極と、
    前記第2の錘部を前記第1の錘部と反対の方向に変位させるように前記第1の軸に沿って振動させる第2の駆動電極と、
    前記第3の錘部を前記第1の錘部と反対の方向に変位させるように前記第1の軸に沿って振動させる第3の駆動電極と、
    前記第4の錘部を前記第1の錘部と同じ方向に変位させるように前記第1の軸に沿って振動させる第4の駆動電極と、
    前記第1の錘部に加えられた角速度により前記第3のアームに生じる歪みを検出する第1の感知電極と、
    を備えた慣性力センサ。
  8. 前記角速度は前記第2の軸の周りに加えられ、
    前記加速度により前記第3のアームに前記歪みは前記第1の軸と前記第2の軸とに直角の第3の軸に沿って発生する、請求項7記載の慣性力センサ。
  9. 前記角速度は前記第1の軸と前記第2の軸とに直角の第3の軸の周りに加えられ、
    前記角速度により前記第3のアームに前記歪みは前記第2の軸に沿って発生する、請求項7に記載の慣性力センサ。
  10. 前記第1の錘部と前記第2の錘部と前記第3の錘部と前記第4の錘部とに加えられた加速度により前記第1のアームに発生する歪みを感知する、前記第1のアームに設けられた第2の感知電極をさらに備えた、請求項7に記載の慣性力センサ。
  11. 前記第1のアームと前記第2のアームは、前記第3のアームと前記第4のアームと前記第5のアームと前記第6のアームよりも薄い、請求項10に記載の慣性力センサ。
  12. 前記加速度は前記第2の軸に沿って前記第1の錘部と前記第2の錘部と前記第3の錘部と前記第4の錘部とに加えられ、
    前記加速度により前記第1のアームの前記歪みは前記第2の軸に沿って発生する、請求項11に記載の慣性力センサ。
  13. 前記加速度は前記第1の軸と前記第2の軸とに直角の第3の軸に沿って前記第1の錘部と前記第2の錘部と前記第3の錘部と前記第4の錘部とに加えられ、
    前記加速度により前記第1のアームに前記歪みは前記第3の軸に沿って発生する、請求項11に記載の慣性力センサ。
  14. 前記第1の錘部は前記第1の軸と前記第2の軸とに直角の第3の軸に直角の面を有しており、
    前記第1の錘部の前記面に設けられた第1の対向電極と、
    前記第1の対向電極に対向する第2の対向電極と、
    を有して第1の静電容量を形成する第1の対向電極部をさらに備え、
    前記第1の静電容量により前記第1の錘部に加えられた加速度を検出する、請求項7記載の慣性力センサ。
  15. 前記加速度は前記第3の軸に沿って前記第1の錘部に加えられている、請求項14に記載の慣性力センサ。
  16. 前記第3の錘部は前記第3の軸に直角の面を有しており、
    前記第3の錘部の前記面に設けられた第3の対向電極と、
    前記第3の対向電極に対向する第4の対向電極と、
    を有して第2の静電容量を形成する第2の対向電極部をさらに備え、
    前記第1の静電容量と前記第2の静電容量により前記第1の錘部に加えられた加速度を検出する、請求項14記載の慣性力センサ。
  17. 前記加速度は前記第2の軸に沿って前記第1の錘部に加えられている、請求項16に記載の慣性力センサ。
  18. 前記第1のアームと前記第2のアームは、前記第3のアームと前記第4のアームと前記第5のアームと前記第6のアームよりも薄い、請求項14に記載の慣性力センサ。
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