JPWO2009017011A1 - 金属酸化物電極触媒およびその用途、ならびに金属酸化物電極触媒の製造方法 - Google Patents

金属酸化物電極触媒およびその用途、ならびに金属酸化物電極触媒の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2009017011A1
JPWO2009017011A1 JP2009525357A JP2009525357A JPWO2009017011A1 JP WO2009017011 A1 JPWO2009017011 A1 JP WO2009017011A1 JP 2009525357 A JP2009525357 A JP 2009525357A JP 2009525357 A JP2009525357 A JP 2009525357A JP WO2009017011 A1 JPWO2009017011 A1 JP WO2009017011A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal oxide
electrode catalyst
metal
niobium
oxide electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009525357A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5254975B2 (ja
Inventor
忠利 黒住
忠利 黒住
利一 獅々倉
利一 獅々倉
小沼 博
博 小沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2009525357A priority Critical patent/JP5254975B2/ja
Publication of JPWO2009017011A1 publication Critical patent/JPWO2009017011A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5254975B2 publication Critical patent/JP5254975B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/90Selection of catalytic material
    • H01M4/9016Oxides, hydroxides or oxygenated metallic salts
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/10Fuel cells with solid electrolytes
    • H01M2008/1095Fuel cells with polymeric electrolytes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)

Abstract

白金触媒の代替材料として有用な高い酸素還元能を有する金属酸化物電極触媒を提供すること。本発明の金属酸化物電極触媒は、金属化合物(X)を酸素含有雰囲気下で熱処理して得られる金属酸化物(Y)からなる電極触媒であって、前記金属化合物(X)の金属の価数が前記金属酸化物(Y)の金属の価数よりも小さいことを特徴とする。

Description

本発明は、金属酸化物電極触媒およびその用途、ならびに金属酸化物電極触媒の製造方法に関する。
従来、燃料電池のカソード(空気極)表面や、アノード(燃料極)表面には、電極用の触媒(以下「電極触媒」とも記す。)を含む層(以下「電極触媒層」とも記す。)が設けられていた。
この電極触媒として、高い電位で安定であり、触媒能が高い白金触媒が用いられてきた。しかし、白金は価格が高く、また資源量が限られていることから、代替可能な触媒の開発が求められていた。
白金触媒に代わるカソードに用いる電極触媒として、金属酸化物電極触媒が近年着目されている。金属酸化物は、一般に酸性電解質中や高電位で腐食せず、安定である。また、金属酸化物を用いて電極表面に電極触媒の層を形成することにより、電極自体が安定に存在できる。
たとえば特許文献1(特開2004−95263号公報)では、金属酸化物を用いた電極触媒として、WO3、TiO2、ZrO2、PtO、Sb24もしくはSb23を含む燃料電池用触媒が提案されている。しかし、該燃料電池用触媒は、白金を併用することを想定しており、未だ改善の余地があった。
また、特許文献2(特開2005―63677号公報)では、酸化ルテニウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケルもしくは酸化タングステンを電極触媒として用いた燃料電池が提案されている。しかし、これらの金属酸化物を用いた電極触媒には、酸素還元能が低いという問題点があった。
特開2004−95263号公報 特開2005―63677号公報
本発明はこのような従来技術における問題点の解決を課題としており、本発明の目的は、高い酸素還元能を有する金属酸化物電極触媒およびその用途、ならびに金属酸化物電極触媒の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の製造方法により得られた金属酸化物からなる電極触媒が高い酸素還元能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、たとえば以下の(1)〜(20)に関する。
(1)
金属化合物(X)を酸素含有雰囲気下で熱処理して得られる金属酸化物(Y)からなる電極触媒であって、
前記金属化合物(X)の金属の価数が前記金属酸化物(Y)の金属の価数よりも小さいことを特徴とする金属酸化物電極触媒。
(2)
前記金属酸化物(Y)を構成する金属元素が、ニオブ、チタン、タンタルおよびジルコニウムからなる群より選ばれた一種の金属元素であることを特徴とする(1)に記載の金属酸化物電極触媒。
(3)
前記金属酸化物(Y)を構成する金属元素が、ニオブまたはチタンであることを特徴とする(1)に記載の金属酸化物電極触媒。
(4)
前記金属化合物(X)が、金属酸化物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
(5)
前記金属化合物(X)が二酸化ニオブ(NbO2)であり、前記金属酸化物(Y)が五酸化ニオブ(Nb25)であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
(6)
前記金属酸化物(Y)が斜方晶、単斜晶または立方晶の五酸化ニオブ(Nb25)であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
(7)
前記金属化合物(X)が三酸化二チタン(Ti23)であり、前記金属酸化物(Y)が酸化チタン(TiO2)であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
(8)
前記金属酸化物(Y)がルチル型の酸化チタン(TiO2)であることを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)または(7)に記載の金属酸化物電極触媒。
(9)
粉末であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
(10)
BET比表面積が、0.1〜100m2/gの範囲であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
(11)
BET比表面積が、金属化合物(X)の粉末のBET比表面積よりも大きいことを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
(12)
イオン化ポテンシャルが、4.9〜5.5eVの範囲であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
(13)
(1)〜(12)のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒を含むことを特徴とする触媒層。
(14)
さらに電子伝導性粒子を含むことを特徴とする(13)に記載の触媒層。
(15)
カソードとアノードと前記カソードおよび前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、前記カソードが(13)または(14)に記載の触媒層を有することを特徴とする膜電極接合体。
(16)
(15)に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする燃料電池。
(17)
固体高分子型燃料電池であることを特徴とする(16)に記載の燃料電池。
(18)
金属化合物(X)を酸素含有雰囲気下で熱処理して金属酸化物(Y)を得る工程を含むことを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒の製造方法。
(19)
前記熱処理の温度が400〜1200℃の範囲であることを特徴とする(18)に記載の金属酸化物電極触媒の製造方法。
(20)
前記金属酸化物(Y)を解砕する工程をさらに含むことを特徴とする(18)または(19)に記載の金属酸化物電極触媒の製造方法。
本発明の金属酸化物電極触媒は高い酸素還元能を有し、酸性電解質中において高電位条件であっても腐蝕し難く安定である。
実施例1の燃料電池用電極(1)の酸素還元能を評価したグラフである。 実施例1の電極触媒(1)のXRDスペクトルである。 実施例2の燃料電池用電極(2)の酸素還元能を評価したグラフである。 実施例2の電極触媒(2)のXRDスペクトルである。 実施例3の燃料電池用電極(3)の酸素還元能を評価したグラフである。 実施例3の電極触媒(3)のXRDスペクトルである。 比較例1の燃料電池用電極の酸素還元能を評価したグラフである。 比較例1の電極触媒のXRDスペクトルである。 比較例2の燃料電池用電極の酸素還元能を評価したグラフである。 比較例2の電極触媒のXRDスペクトルである。 比較例3の燃料電池用電極の酸素還元能を評価したグラフである。 比較例3の電極触媒のXRDスペクトルである。 実施例4の燃料電池用電極(4)の酸素還元能を評価したグラフである。 実施例4の電極触媒(4)のXRDスペクトルである。 実施例5の燃料電池用電極(5)の酸素還元能を評価したグラフである。 実施例5の電極触媒(5)のXRDスペクトルである。 比較例4の燃料電池用電極の酸素還元能を評価したグラフである。 比較例4の電極触媒のXRDスペクトルである。 比較例5の燃料電池用電極の酸素還元能を評価したグラフである。 比較例5の電極触媒のXRDスペクトルである。 比較例6の燃料電池用電極の酸素還元能を評価したグラフである。 比較例6の電極触媒のXRDスペクトルである。 比較例7の燃料電池用電極の酸素還元能を評価したグラフである。 比較例7の電極触媒のXRDスペクトルである。 実施例1の電極触媒(1)のイオン化ポテンシャルを測定した図である。
[金属酸化物電極触媒]
本発明の金属酸化物電極触媒は、金属化合物(X)を酸素含有雰囲気下で熱処理して得られる金属酸化物(Y)からなる電極触媒であって、前記金属化合物(X)の金属の価数が前記金属酸化物(Y)の金属の価数よりも小さいことを特徴としている。
金属酸化物(Y)を構成する金属元素としては、触媒能を発現しやすい遷移金属が好ましい。遷移金属の中でも酸性溶液中で電気化学的に安定な、周期律表第IVa族、Va族の遷移金属元素がさらに好ましく、ニオブ、チタン、タンタルおよびジルコニウムからなる群より選ばれた一種の遷移金属元素がより好ましい。原料が入手しやすい点でニオブまたはチタンが特に好ましい。
金属化合物(X)は、金属元素1種と金属元素以外の元素1種以上とからなる化合物である。金属化合物(X)としては例えば、金属酸化物、カルボン酸などの金属塩、アセチルアセトンなどの金属錯体等が挙げられ、安価で、熱処理の際の酸素濃度や熱処理温度の適応範囲が広く製造しやすい点で金属酸化物が好ましい。具体例としては、一酸化ニオブ(NbO)、二酸化ニオブ(NbO2)、五酸化三ニオブ(Nb35)、三酸化チタン(Ti23)、一酸化チタン(TiO)等が挙げられ、二酸化ニオブ(NbO2)、三酸化チタン(Ti23)が好ましい。
金属酸化物(Y)としては、金属化合物(X)としての二酸化ニオブ(NbO2)を酸素含有雰囲気下で熱処理して得られる五酸化ニオブ(Nb25)や、金属化合物(X)としての三酸化二チタン(Ti23)を酸素含有雰囲気下で熱処理して得られる二酸化チタン(TiO2)などが挙げられる。
金属化合物(X)は通常粉末のものが用いられる。粉末の金属化合物(X)を酸素含有雰囲気下で熱処理すると、粉末の金属酸化物(Y)が得られる。
前記五酸化ニオブ(Nb25)は斜方晶、単斜晶または立方晶であることが、高活性な結晶面を形成できる点で好ましい。また、前記二酸化チタン(TiO2)はルチル体であることが、高活性な結晶面を形成できる点で好ましい。
本発明の金属酸化物電極触媒が高い酸素還元能を有する理由は明らかではないが、本発明者らは、この理由の一つを以下のように推定している。
金属酸化物電極触媒が、高い酸素還元能を示すためには、触媒の表面に適度な酸素欠陥を有することが必要と考えられる。しかし、一般に製造される金属酸化物、たとえば試薬ベースの金属酸化物の表面には、酸素還元能が高くなるような適度な欠陥を有していないと考えられる。一方、特定の製造方法で得られた金属酸化物(Y)からなる本発明の金属酸化物電極触媒の表面には、酸素還元能が高くなるような適度な欠陥を有すると推定している。
前記特定の製造方法とは、金属化合物(X)を酸素含有雰囲気下で熱処理して金属酸化物(Y)を製造する方法であり、金属酸化物(Y)の金属の価数が前記金属化合物(X)の金属の価数よりも大きいことを特徴としている。
本発明者らは、該金属の価数の変化を伴う製造方法によって得られた金属酸化物(Y)の表面には、適度な欠陥が生じており、該金属酸化物(Y)からなる金属酸化物電極触媒は高い酸素還元能を有すると推定している。
(熱処理)
前記金属酸化物(Y)は前記金属化合物(X)を酸素含有雰囲気下で熱処理して得られる。この熱処理により、得られる金属酸化物(Y)の金属の価数は、金属化合物(X)の金属の価数よりも大きくなる。
上記金属化合物(X)を酸素含有雰囲気下で熱処理すると、通常、金属化合物(X)中の金属原子と他の原子との間の結合が切れ、金属原子と酸素原子とが結合する。金属原子と酸素原子との結合が一部なされない場合には、この熱処理により得られた金属酸化物(Y)には、酸素欠陥が形成される。本発明において、この酸素欠陥の作用により、金属酸化物(Y)からなる金属酸化物電極触媒は、高い酸素還元能を持つようになると、本発明者らは推定している。
なお、金属元素1種と金属元素以外の元素1種以上とからなる化合物から金属酸化物を得る場合の従来の一般的な製造方法では、得られた金属酸化物とその原料の金属化合物との間で金属元素の価数は変化しない。
例えば、五酸化ニオブの製造方法としては、ニオブ酸を強熱し、もしくはニオブ塩溶液を硫酸で処理して得られる白色物を強熱して五酸化ニオブを得る製造方法や、ニオブを強熱して五酸化ニオブを得る製造方法が挙げられる(化学大辞典編集委員会編集、「化学大辞典3」、縮刷版第30刷発行、共立出版株式会社、1987年2月15日、p929参照)。
二酸化チタンの製造方法としては、チタン(4価)塩水溶液からチタンの水酸化物を沈殿分離し、強熱して二酸化チタンを得る製造方法が挙げられる。さらに、4価のチタンのハロゲン化物を水蒸気、二酸化炭素とともに赤熱管中に通じさせ、イタチタン石型の二酸化チタンを得る製造方法も挙げられる(化学大辞典編集委員会編集、「化学大辞典3」、縮刷版第30刷発行、共立出版株式会社、1987年2月15日、p921参照)。
このような、従来の一般的な製造方法で得られた金属酸化物は、電極触媒として高い酸素還元能を示さない。
熱処理は、焼成装置を使って行うことが好ましい。
焼成装置としては、炉内温度を精密に制御できるため、電気炉が好ましい。
熱処理は、金属化合物(X)から金属酸化物(Y)が得られるような、酸化雰囲気で熱処理する条件であればよく、熱処理温度、熱処理時間、酸素濃度は、金属化合物(X)と金属酸化物(Y)の種類により異なる。
また、熱処理の際に必要な酸素量は金属化合物(X)の種類や、金属酸化物(Y)の種類によって異なるが、通常は、金属化合物(X)として金属酸化物を用いた場合には、金属化合物(X)として金属酸化物以外の金属化合物を用いた場合よりも必要な酸素量が少ない。これは、金属化合物(X)として例えば、金属錯体を用いた場合には金属酸化物(Y)を得る過程で配位子が酸素と置き換わる必要があるためである。
熱処理の際の酸素濃度は、上記必要な酸素量が存在していれば特に限定は無く、熱処理は一般に大気中で行うことができる。
また、炉内の雰囲気を制御することにより、反応速度をコントロールすることができる。たとえば、窒素、アルゴン等の不活性ガスを炉内に流し、炉内の雰囲気を制御しながら焼成することにより、反応速度をコントロールすることができる。真空炉においては、必要な酸素量まで減圧後、その減圧を維持して焼成する。
熱処理温度と熱処理時間は、金属化合物(X)が酸素と反応して金属酸化物(Y)が得られるのに必要なエネルギー量により異なる。熱処理温度が低く熱処理時間が短いと、必要なエネルギー量に達せず、金属酸化物(Y)が得られない。熱処理温度が高く熱処理時間が長過ぎると、得られる金属酸化物(Y)が粒成長し、結果として金属酸化物(Y)からなる金属酸化物電極触媒のBET比表面積が小さくなる傾向がある。
そのため、上記熱処理の最高到達温度は400〜1200℃の範囲であることが好ましい。また、熱処理時間は、金属化合物(X)と金属酸化物(Y)の種類や熱処理温度、酸素濃度により適宜時間を決定することができるが、通常は、10分〜5時間である。なお、熱処理時間は、昇温および降温の時間を含める。
前記金属酸化物電極触媒は、粉末であることが好ましい。粉末であると、触媒面積が大きく、触媒能に優れるため好ましい。
また、上記熱処理により得られた金属酸化物(Y)は、解砕することが好ましい。解砕することにより、金属酸化物電極触媒をより微細な粉末にすることができ、金属酸化物電極触媒を含む触媒層中に金属酸化物電極触媒を好適に分散することができる。
金属酸化物(Y)を解砕する方法としては、例えば、ロール転動ミル、ボールミル、媒体撹拌ミル、気流粉砕機、乳鉢、槽解機により解砕する方法が挙げられる。金属酸化物(Y)をより微粒とすることができる点では、気流粉砕機による解砕が好ましく、少量処理が容易となる点では、乳鉢による解砕が好ましい。
本発明の金属酸化物電極触媒のBET比表面積は、好ましくは0.1〜100m2/gであり、より好ましくは0.2〜10m2/gである。前記範囲内では触媒能が高く好ましい。
なお、本発明におけるBET比表面積の値は、市販のBET測定装置で測定可能であり、たとえば、島津製作所株式会社製 マイクロメリティクス ジェミニ2360を用いて測定することができる。
本発明の金属酸化物電極触媒は、触媒能を高めるため、粉末であることが好ましい。
前記金属酸化物電極触媒の粉末の粒径は、BET法で求めた比表面積を、粉末を球形に換算して、下記式(1)より求めることができる。
D=6/ρS・・・(1)
金属酸化物電極触媒の粉末の粒径:D(μm)
金属酸化物電極触媒の粉末の比重:ρ(g/cm3
金属酸化物電極触媒の粉末のBET比表面積:S(m2/g)
また、本発明の金属酸化物電極触媒のBET比表面積は、原料として用いられた金属化合物(X)のBET比表面積よりも大きいことが、触媒能を高くする点で好ましい。
金属酸化物(Y)からなる金属酸化物電極触媒のBET比表面積が金属化合物(X)のBET比表面積より大きくなる場合には、触媒面積が大きくなるため、該金属酸化物(Y)からなる金属酸化物電極触媒は高い酸素還元能を示すようになると推定される。
金属酸化物(Y)からなる金属酸化物電極触媒のBET比表面積を原料として用いられた金属化合物(X)のBET比表面積よりも大きくするためには、熱処理時間および熱処理温度を、金属化合物(X)と金属酸化物(Y)の種類により適宜決定することができる。たとえば、二酸化ニオブ(NbO2)から五酸化ニオブ(Nb25)を得る場合には、熱処理時間は10分から5時間、熱処理温度は800〜1000℃が好ましい。
また、本発明の金属酸化物電極触媒のイオン化ポテンシャルは、好ましくは4.9〜5.5eVの範囲であり、より好ましくは5.0〜5.4eVの範囲であり、さらに好ましくは5.1〜5.3eVの範囲である。前記金属酸化物電極触媒のイオン化ポテンシャルが前記範囲内であると、金属酸化物電極触媒は高い酸素還元能を有する。詳細は不明であるが、前記範囲内のイオン化ポテンシャルを有する金属酸化物電極触媒は、該電極触媒を形成する金属酸化物の電子状態が酸素還元に好適な状態となるため、高い酸素還元能を有すると、本発明者らは、推定している。
なお、本発明において、イオン化ポテンシャルは、後述する実施例における測定方法により得られた値である。
本発明の金属酸化物電極触媒の、下記測定法(A)に従って測定される酸素還元開始電位は、可逆水素電極を基準として、好ましくは0.4V(vs.NHE)以上である。
〔測定法(A):
電子伝導性粒子であるカーボンに分散させた電極触媒が1重量%になるように溶剤中に入れ、超音波で撹拌し懸濁液を得る。なお、カーボンとしては、カーボンブラック(比表面積:100〜300m2/g)(例えばキャボット社製 XC−72)を用い、電極触媒とカーボンとが重量比で95:5になるように分散させる。また、溶剤としては、イソプロピルアルコール:水(重量比)=2:1を用いる。
前記懸濁液を超音波をかけながら30μlを採取し、すばやくグラッシーカーボン電極(直径:5.2mm)上に滴下する。
滴下後、120℃で1時間乾燥する。乾燥することにより電極触媒を含む層が、グラッシーカーボン電極上に形成される。
次いでナフィオン(デュポン社 5%ナフィオン溶液(DE521))を純水で10倍に希釈したものを、さらに10μl滴下する。これを、120℃で1時間乾燥する。
このようにして、得られた電極を用いて、酸素雰囲気および窒素雰囲気で、0.5mol/dm3の硫酸溶液中、30℃の温度で、同濃度の硫酸溶液中での可逆水素電極を参照電極とし、5mV/秒の電位走査速度で分極することにより電流−電位曲線を測定した際の、酸素雰囲気での還元電流と窒素雰囲気での還元電流とに0.2μA/cm2以上の差が現れ始める電位を酸素還元開始電位とする。〕
上記酸素還元開始電位が0.7V(vs.NHE)未満であると、前記金属酸化物電極触媒を燃料電池のカソード用の電極触媒として用いた際に過酸化水素が発生することがある。また酸素還元開始電位は0.85V(vs.NHE)以上であることが、好適に酸素を還元するために好ましい。また、酸素還元開始電位は高い程好ましく、特に上限は無いが、理論値の1.23V(vs.NHE)である。
上述のとおり、熱処理時間、熱処理温度を好適範囲に制御すると、酸素還元開始電位を高めることができる。
本発明の金属酸化物電極触媒を用いて形成された電極は酸性電解質中において可逆水素電極電位に対して0.4V(vs.NHE)以上の電位で使用されることが好ましく、電位の上限は、電極の安定性により決まり、酸素が発生する電位のおよそ1.23V(vs.NHE)まで使用可能である。
この電位が0.4V(vs.NHE)未満の場合、金属酸化物の安定性という観点では全く問題はないが、酸素を好適に還元することができず、燃料電池用電極としての有用性は乏しい。
[金属酸化物電極触媒の製造方法]
本発明の金属酸化物電極触媒の製造方法は、前記金属酸化物電極触媒を製造するための方法であり、金属化合物(X)を酸素含有雰囲気下で熱処理し、金属酸化物(Y)を得る工程を含むことを特徴としている。
前記熱処理の温度が400〜1200℃の範囲であることが好ましい。
また、前記金属酸化物電極触媒の製造方法は、好ましくは、前記金属酸化物(Y)を解砕する工程をさらに含んでもよい。
金属化合物(X)、金属酸化物(Y)、熱処理条件等の詳細は、上述したとおりである。
[触媒層]

本発明の触媒層は、前記金属酸化物電極触媒を含むことを特徴としている。 本発明の触媒層には、さらに電子伝導性粒子を含むことが好ましい。前記金属酸化物電極触媒を含む触媒層にさらに電子伝導性粒子を含むと還元電流を高めることができる。電子伝導性粒子は、前記金属酸化物電極触媒に、電気化学的反応を誘起させるための電気的接点を生じさせるため、還元電流を高めることができる。
前記電子伝導性粒子は通常、金属酸化物電極触媒の担体として用いられる。
電子伝導性粒子としては、炭素、導電性高分子、導電性セラミクス、金属または酸化タングステンもしくは酸化イリジウムなどの導電性無機酸化物が挙げられ、それらを単独または組み合わせて用いることができる。特に、炭素は比表面積が大きいため、炭素単独または炭素とその他の電子伝導性粒子との混合物が好ましい。金属酸化物電極触媒と、炭素とを含む触媒層は、還元電流をより高めることができる。
炭素としては、カーボンブラック、グラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレンなどが使用できる。カーボンの粒径は、小さすぎると電子伝導パスが形成されにくくなり、また大きすぎると触媒層のガス拡散性が低下したり、触媒の利用率が低下する傾向があるため、10〜1000nmの範囲であることが好ましく、10〜100nmの範囲であることがよりに好ましい。
導電性高分子としては特に限定は無いが、例えばポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリアニリン、ポリアルキルアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリインドール、ポリ−1,5−ジアミノアントラキノン、ポリアミノジフェニル、ポリ(o−フェニレンジアミン)、ポリ(キノリニウム)塩、ポリピリジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン等が挙げられる。これらの中でも、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンが好ましく、ポリピロールがより好ましい。
電子伝導性粒子が炭素の場合、前記金属酸化物電極触媒と炭素との重量比(金属酸化物電極触媒:電子伝導性粒子)は、好ましくは80:20〜1000:1である。
また、本発明の触媒層には通常、さらに電解質として高分子電解質または前記導電性高分子などを含む。
高分子電解質としては、触媒層において一般的に用いられているものであれば特に限定されない。具体的には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(例えば、ナフィオン(デュポン社 5%ナフィオン溶液(DE521)など))、スルホン酸基を有する炭化水素系高分子化合物、リン酸などの無機酸をドープさせた高分子化合物、一部がプロトン伝導性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたプロトン伝導体などが挙げられる。これらの中でも、ナフィオン(デュポン社 5%ナフィオン溶液(DE521))が好ましい。
導電性高分子としては特に限定は無いが、例えばポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリアニリン、ポリアルキルアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリインドール、ポリ−1,5−ジアミノアントラキノン、ポリアミノジフェニル、ポリ(o−フェニレンジアミン)、ポリ(キノリニウム)塩、ポリピリジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン等が挙げられる。これらの中でも、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンが好ましく、ポリピロールがより好ましい。
本発明の触媒層は、高い酸素還元能を有し、酸性電解質中において高電位であっても腐蝕しがたい電極触媒を含むため、燃料電池のカソードに設けられる触媒層(カソード用触媒層)として有用である。特に固体高分子型燃料電池が備える膜電極接合体のカソードに設けられる触媒層に好適に用いられる。
前記金属酸化物電極触媒を、担体である前記電子伝導性粒子上に分散させる方法としては、気流分散、液中分散等の方法が挙げられる。液中分散は、溶媒中に金属酸化物電極触媒および電子伝導性粒子を分散したものを、触媒層形成工程に使用できるため好ましい。液中分散としては、オリフィス収縮流による方法、回転せん断流による方法または超音波による方法等があげられる。液中分散の際、使用される溶媒は、金属酸化物電極触媒や電子伝導性粒子を浸食することがなく、分散できるものであれば特に制限はないが、揮発性の液体有機溶媒または水等が一般に使用される。
また、金属酸化物電極触媒を、前記電子伝導性粒子上に分散させる際、さらに上記電解質と分散剤とを同時に分散させてもよい。
触媒層の形成方法としては、特に制限はないが、たとえば、前記金属酸化物電極触媒と電子伝導性粒子と電解質とを含む懸濁液を、後述する電解質膜またはガス拡散層に塗布する方法が挙げられる。前記塗布する方法としては、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などが挙げられる。また、前記電極触媒と電子伝導性粒子と電解質とを含む懸濁液を、塗布法またはろ過法により基材に触媒層を形成した後、転写法で電解質膜に触媒層を形成する方法が挙げられる。
[用途]
本発明の膜電極接合体は、カソードとアノードと前記カソードおよび前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、前記カソードが、本発明の触媒層を有することを特徴としている。
電解質膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系を用いた電解質膜または炭化水素系電解質膜などが一般的に用いられるが、高分子微多孔膜に液体電解質を含浸させた膜または多孔質体に高分子電解質を充填させた膜などを用いてもよい。

前記カソードは通常触媒層とガス拡散層から形成されている。
ガス拡散層としては、電子伝導性を有し、ガスの拡散性が高く、耐食性の高いものであれば何であっても構わないが、一般的にはカーボンペーパー、カーボンクロスなどの炭素系多孔質材料や、軽量化のためにステンレス、耐食材を被服したアルミニウム箔が用いられる。
また本発明の燃料電池は、上記膜電極接合体を備えることを特徴としている。
燃料電池の電極反応はいわゆる3相界面(電解質‐電極触媒‐反応ガス)で起こる。燃料電池は、使用される電解質などの違いにより数種類に分類され、溶融炭酸塩型(MCFC)、リン酸型(PAFC)、固体酸化物型(SOFC)、固体高分子型(PEFC)等がある。中でも、本発明の膜電極接合体は、固体高分子型燃料電池に使用することが好ましい。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
〔実施例1〕
(金属酸化物電極触媒の製造)
二酸化ニオブ(NbO2)の粉末((株)高純度化学研究所製、純度99.9%)5.0gをアルミナ製坩堝に入れ、電気炉(株式会社デンケン製 卓上マッフル炉 KDF P90)中で、N2を50NL/分の流量で流しながら、下記条件で熱処理した。
昇温速度:20℃/分
焼成温度:1000℃
焼成時間:2時間
熱処理後、自然冷却し、ニオブ酸化物を5.3g回収した。さらに、回収したニオブ酸化物を乳鉢で充分に解砕を行い、金属酸化物電極触媒(1)を得た。
(燃料電池用電極の製造)
酸素還元能の測定は、次のように行った。得られた金属酸化物電極触媒(1)0.095gとカーボン(キャボット社製 XC−72)0.005gをイソプロピルアルコール:純水=2:1の重量比で混合した溶液10gに入れ、超音波で撹拌、懸濁して混合した。この混合物30μlをグラッシーカーボン電極(東海カーボン社製、径:5.2mm)に塗布し、120℃で1時間乾燥した。さらに、ナフィオン(デュポン社 5%ナフィオン溶液(DE521))を10倍に純水で希釈したもの10μlを塗布し、120℃で1時間乾燥し、燃料電池用電極(1)を得た。
(酸素還元能の評価)
このようにして作製した燃料電池用電極(1)の触媒能(酸素還元能)を以下の方法で評価した。
まず、作製した燃料電池用電極(1)を、酸素雰囲気および窒素雰囲気で、0.5mol/dm3の硫酸溶液中、30℃、5mV/秒の電位走査速度で分極し、電流−電位曲線を測定した。その際、同濃度の硫酸溶液中での可逆水素電極を参照電極とした。
上記測定結果から、酸素雰囲気での還元電流と窒素雰囲気での還元電流とに0.2μA/cm2以上差が現れ始める電位を酸素還元開始電位とし、両者の差を酸素還元電流とした。
この酸素還元開始電位および酸素還元電流により作製した燃料電池用電極(1)の触媒能(酸素還元能)を評価した。
すなわち、酸素還元開始電位が高いほど、また、酸素還元電流が大きいほど、燃料電池用電極(1)の触媒能(酸素還元能)が高いことを示す。
図1に、上記測定により得られた電流−電位曲線を示す。
実施例1で作製した燃料電池用電極(1)は、酸素還元開始電位が0.9V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を有することがわかった。
(イオン化ポテンシャル)
理研計器(株)製光電子分光装置MODEL AC−2を用いて、得られた金属酸化物電極触媒(1)のイオン化ポテンシャルを測定した。得られたイオン化ポテンシャルを表1に示す。詳細な測定方法は以下のとおりである。
測定装置のサンプル台の紫外線照射部分に、スパチュラーにて、得られた金属酸化物電極触媒(1)を敷き詰めて測定した。下記測定条件で、紫外線の励起エネルギーを、4.5から5.7eVへと、低い方から高い方に向かってスキャンした。また、電極触媒によっては、4.5〜5.7eVに光電子放出が始まるしきい値が求まらない場合がある。この場合は、測定範囲を最低3.4eV〜最大6.2eVの間で変化させてスキャンした。
設定光量:500nW
計数時間:15秒
スキャン間隔:0.1eV
このとき放出される光電子を計測し、縦軸に規格化光電子収率(Yield^n)、横軸に励起エネルギー(eV)として、グラフを作成した。ここで規格化光電子収率(Yield^n)とは、単位光量当たりの光電子収率のn乗のことをいう。nの値は0.5とした。電子放出が始まるまでの励起エネルギーと電子放出が始まった後の励起エネルギーとを該測定装置で指定した。得られたグラフを図25に示す。該グラフから、光電子放出が始まるしきい値を算出し、該しきい値をイオン化ポテンシャルとした。得られたイオン化ポテンシャルを表1に示す。
(X線回折)
理学電機株式会社製 ロータフレックスを用いて、得られた金属酸化物電極触媒(1)のX線回折を行った。
図2に、試料のXRDスペクトルを示す。単斜晶の五酸化ニオブ(Nb25)であることがわかった。
(BET比表面積測定)
島津製作所株式会社製 マイクロメリティクス ジェミニ2360を用いて、原料の二酸化ニオブ(NbO2)および得られた五酸化ニオブ(Nb25)のBET比表面積を測定した。
原料の二酸化ニオブ(NbO2)のBET比表面積は、0.1m2/gであり、得られた五酸化ニオブ(Nb25)のBET比表面積は、0.5m2/gであった。
得られた五酸化ニオブ(Nb25)のBET比表面積は、原料の二酸化ニオブ(NbO2)よりも大きいことがわかった。
〔実施例2〕
(金属酸化物電極触媒の製造)
実施例1において、焼成温度を1000℃の替わりに800℃とし、焼成時間を2時間の代わりに1分間とした以外は、同様にし、ニオブ酸化物を5.3g回収した。さらに、回収したニオブ酸化物を乳鉢で充分に解砕を行い、金属酸化物電極触媒(2)を得た。
(燃料電池用電極の製造)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて金属酸化物電極触媒(2)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極(2)を得た。
(酸素還元能の評価)
燃料電池用電極(1)に替えて燃料電池用電極(2)を用いた以外は実施例1と同様にして酸素還元能の評価を行った。
図3に、上記測定により得られた電流−電位曲線を示す。
実施例2で作製した燃料電池用電極(2)は、酸素還元開始電位が0.9V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を有することがわかった。
(イオン化ポテンシャル)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて金属酸化物電極触媒(2)を用いた以外は実施例1と同様にしてイオン化ポテンシャルを測定した。得られたイオン化ポテンシャルを表1に示す。
(X線回折)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて金属酸化物電極触媒(2)を用いた以外は実施例1と同様にしてX線回折を行った。
図4に、試料のXRDスペクトルを示す。斜方晶の五酸化ニオブ(Nb25)であることがわかった。
(BET比表面積測定)
実施例1と同様にして、原料の二酸化ニオブ(NbO2)および得られた五酸化ニオブ
(Nb25)のBET比表面積を測定した。
原料の二酸化ニオブ(NbO2)のBET比表面積は、0.1m2/gであり、得られた五酸化ニオブ(Nb25)のBET比表面積は、1.1m2/gであった。
得られた五酸化ニオブ(Nb25)のBET比表面積は、原料の二酸化ニオブ(NbO2)よりも大きいことがわかった。
〔実施例3〕
(金属酸化物電極触媒の製造)
実施例1において、二酸化ニオブ(NbO2)の粉末(高純度化学製、純度99.9%
)5.0gを三酸化二チタン(Ti23)の粉末(和光純薬製)5.0gとした以外は、同様にして、チタン酸化物5.6gを回収した。さらに、チタン酸化物を乳鉢で充分に解砕を行い、金属酸化物電極触媒(3)を得た。
(燃料電池用電極の製造)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて金属酸化物電極触媒(3)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極(3)を得た。
(酸素還元能の評価)
燃料電池用電極(1)に替えて燃料電池用電極(3)を用いた以外は実施例1と同様にして酸素還元能の評価を行った。
図5に、上記測定により得られた電流−電位曲線を示す。
実施例3で作製した燃料電池用電極(3)は、酸素還元開始電位が0.8V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を示すことがわかった。
(イオン化ポテンシャル)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて金属酸化物電極触媒(3)を用いた以外は実施例1と同様にしてイオン化ポテンシャルを測定した。得られたイオン化ポテンシャルを表1に示す。
(X線回折)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて金属酸化物電極触媒(3)を用いた以外は実施例1と同様にしてX線回折を行った。
図6に、試料のXRDスペクトルを示す。ルチル体の酸化チタン(TiO2)であることがわかった。
(BET比表面積測定)
実施例1と同様にして、原料の三酸化二チタン(Ti23)および得られた酸化チタン(TiO2)のBET比表面積を測定した。
原料の三酸化二チタン(Ti23)のBET比表面積は、0.2m2/gであり、得られた酸化チタン(TiO2)のBET比表面積は、0.3m2/gであった。得られた酸化チタン(TiO2)のBET比表面積は、原料の三酸化二チタン(Ti23)よりも大きいことがわかった。
〔実施例4〕
(金属酸化物電極触媒の製造)
実施例1において、焼成温度を1000℃の替わりに800℃とした以外は、同様にし、ニオブ酸化物を5.3g回収した。さらに、回収したニオブ酸化物を乳鉢で充分に解砕を行い、金属酸化物電極触媒(4)を得た。
(燃料電池用電極の製造)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて金属酸化物電極触媒(4)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極(4)を得た。
(酸素還元能の評価)
燃料電池用電極(1)に替えて燃料電池用電極(4)を用いた以外は実施例1と同様にして酸素還元能の評価を行った。
図13に、上記測定により得られた電流−電位曲線を示す。
実施例4で作製した燃料電池用電極(4)は、酸素還元開始電位が0.9V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を有することがわかった。
(イオン化ポテンシャル)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて金属酸化物電極触媒(4)を用いた以外は実施例1と同様にしてイオン化ポテンシャルを測定した。得られたイオン化ポテンシャルを表1に示す。
(X線回折)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて金属酸化物電極触媒(4)を用いた以外は実施例1と同様にしてX線回折を行った。
図14に、試料のXRDスペクトルを示す。単斜晶系と斜方晶系のニオブ酸化物の混合物であることがわかった。
(BET比表面積測定)
実施例1と同様にして、原料の二酸化ニオブ(NbO2)および得られた五酸化ニオブ(Nb25)のBET比表面積を測定した。
原料の二酸化ニオブ(NbO2)のBET比表面積は、0.1m2/gであり、得られたニオブ酸化物のBET比表面積は、0.6m2/gであった。
得られたニオブ酸化物のBET比表面積は、原料の二酸化ニオブ(NbO2)よりも大きいことがわかった。
〔実施例5〕
(金属酸化物電極触媒の製造)
実施例1において、焼成温度を1000℃の替わりに600℃とした以外は、同様にし、ニオブ酸化物を5.3g回収した。さらに、回収したニオブ酸化物を乳鉢で充分に解砕を行い、金属酸化物電極触媒(5)を得た。
(燃料電池用電極の製造)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて金属酸化物電極触媒(5)を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池用電極(5)を得た。
(酸素還元能の評価)
燃料電池用電極(1)に替えて燃料電池用電極(5)を用いた以外は実施例1と同様にして酸素還元能の評価を行った。
図15に、上記測定により得られた電流−電位曲線を示す。
実施例5で作製した燃料電池用電極(5)は、酸素還元開始電位が0.8V(vs.NHE)であり、高い酸素還元能を有することがわかった。
(イオン化ポテンシャル)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて金属酸化物電極触媒(5)を用いた以外は実施例1と同様にしてイオン化ポテンシャルを測定した。得られたイオン化ポテンシャルを表1に示す。
(X線回折)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて金属酸化物電極触媒(5)を用いた以外は実施例1と同様にしてX線回折を行った。
図16に、試料のXRDスペクトルを示す。単斜晶系のニオブ酸化物であることがわかった。
(BET比表面積測定)
実施例1と同様にして、原料の二酸化ニオブ(NbO2)および得られたニオブ酸化物のBET比表面積を測定した。
原料の二酸化ニオブ(NbO2)のBET比表面積は、0.1m2/gであり、得られたニオブ酸化物のBET比表面積は、1.3m2/gであった。
得られたニオブ酸化物のBET比表面積は、原料の二酸化ニオブ(NbO2)よりも大きいことがわかった。
〔比較例1〕
(電極の作製)
実施例1において、金属酸化物電極触媒(1)を五酸化ニオブ(Nb25)の粉末(高純度化学製、純度99.9%)とした以外は、同様にして、電極を作製した。
(酸素還元能の評価)
実施例1と同様にして、酸素還元能の評価を行った。
図7に、当該測定により得られた電流−電位曲線を示す。
この作製した電極は、酸素還元開始電位が0.3V(vs.NHE)であり、低い酸素還元能を示すことがわかった。
(イオン化ポテンシャル)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて五酸化ニオブ(Nb25)の粉末(高純度化学製、純度99.9%)を用いた以外は実施例1と同様にしてイオン化ポテンシャルを測定した。得られたイオン化ポテンシャルを表1に示す。
(X線回折)
実施例1と同様にして、五酸化ニオブ(Nb25)の粉末(高純度化学製、純度99.9%)のX線回折を行った。
図8に、五酸化二ニオブ(Nb25)の粉末(高純度化学製、純度99.9%)のXRDスペクトルを示す。
五酸化二ニオブ(Nb25)の粉末(高純度化学製、純度99.9%)は、斜方晶であることがわかった。
(BET比表面積測定)
実施例1と同様にして、五酸化ニオブ(Nb25)の粉末のBET比表面積を測定した。
五酸化ニオブ(Nb25)の粉末のBET比表面積は、5.5m2/gであった。
〔比較例2〕
(電極の作製)
実施例1において、金属酸化物電極触媒(1)を価数の変化を伴わない製造方法で得られた酸化チタン(TiO2)の粉末(昭和電工株式会社製、スーパーチタニアF1)とした以外は、同様にして、電極を作製した。
(酸素還元能の評価)
実施例1と同様にして、酸素還元能の評価を行った。
図9に、上記測定により得られた電流−電位曲線を示す。
この作製した電極は、酸素還元開始電位が0.3V(vs.NHE)であり、低い酸素還元能を示すことがわかった。
(イオン化ポテンシャル)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて酸化チタン(TiO2)の粉末(昭和電工株式会社製、スーパーチタニアF1)を用いた以外は実施例1と同様にしてイオン化ポテンシャルを測定した。得られたイオン化ポテンシャルを表1に示す。
(X線回折)
実施例1と同様にして、酸化チタン(TiO2)の粉末(昭和電工株式会社製、スーパーチタニアF1)のX線回折を行った。
図10に、酸化チタン(TiO2)の粉末(昭和電工株式会社製、スーパーチタニアF1)のXRDスペクトルを示す。
酸化チタン(TiO2)の粉末(昭和電工株式会社製、スーパーチタニアF1)は、アナターゼ体とルチル体の混合物であることがわかった。
(BET比表面積測定)
実施例1と同様にして、酸化チタン(TiO2)の粉末のBET比表面積を測定した。
酸化チタン(TiO2)の粉末のBET比表面積は、21m2/gであった。
〔比較例3〕
(金属酸化物の製造)
実施例1において、二酸化ニオブ(NbO2)の粉末(高純度化学製、純度99.9%
)5.0gを五酸化ニオブ(Nb25)の粉末(高純度化学製、純度99.9%)5.0gとした以外は、同様にして、ニオブ酸化物5.0gを回収した。さらに、ニオブ酸化物を乳鉢で解砕した。
(電極の作製)
実施例1において、金属酸化物電極触媒(1)を上記解砕したニオブ酸化物とした以外は同様にして電極を作製した。
(酸素還元能の評価)
実施例1と同様にして、酸素還元能の評価を行った。
図11に、上記測定により得られた電流−電位曲線を示す。
この作製した電極は、酸素還元開始電位が0.3V(vs.NHE)であり、低い酸素還元能を示すことがわかった。
(イオン化ポテンシャル)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて上記解砕したニオブ酸化物を用いた以外は実施例1と同様にしてイオン化ポテンシャルを測定した。得られたイオン化ポテンシャルを表1に示す。
(X線回折)
実施例1と同様にして、ニオブ酸化物のX線回折を行った。
図12に、ニオブ酸化物のXRDスペクトルを示す。
ニオブ酸化物は、単斜晶の五酸化ニオブ(Nb25)であることがわかった。
(BET比表面積測定)
実施例1と同様にして、五酸化ニオブ(Nb25)の粉末のBET比表面積を測定した。
五酸化ニオブ(Nb25)の粉末のBET比表面積は、3.5m2/gであった。
〔比較例4〕
(金属酸化物の製造)
実施例1において、二酸化ニオブ(NbO2)の粉末(高純度化学製、純度99.9%)5.0gを四塩化チタン(TiCl)溶液(和光純薬製)5.0gとした以外は、同様にして、チタン酸化物1.6gを回収した。さらに、チタン酸化物を乳鉢で解砕した。
(電極の作製)
実施例1において、金属酸化物電極触媒(1)を上記解砕したチタン酸化物とした以外は同様にして電極を作製した。
(酸素還元能の評価)
実施例1と同様にして、酸素還元能の評価を行った。
図17に、上記測定により得られた電流−電位曲線を示す。
この作製した電極は、酸素還元開始電位が0.3V(vs.NHE)であり、低い酸素還元能を示すことがわかった。
(イオン化ポテンシャル)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて上記解砕したチタン酸化物を用いた以外は実施例1と同様にしてイオン化ポテンシャルを測定した。得られたイオン化ポテンシャルを表1に示す。
(X線回折)
実施例1と同様にして、チタン酸化物のX線回折を行った。
図18に、チタン酸化物のXRDスペクトルを示す。
チタン酸化物は、ルチル型の酸化チタンであることがわかった。
(BET比表面積測定)
実施例1と同様にして、チタン酸化物粉末のBET比表面積を測定した。
チタン酸化物粉末のBET比表面積は、0.4m2/gであった。
〔比較例5〕
(金属酸化物の製造)
実施例1において、二酸化ニオブ(NbO2)の粉末(高純度化学製、純度99.9%)5.0gを五塩化ニオブ(NbCl)(和光純薬製)5.0gとした以外は、同様にして、ニオブ酸化物2.4gを回収した。さらに、ニオブ酸化物を乳鉢で解砕した。
(電極の作製)
実施例1において、金属酸化物電極触媒(1)を上記解砕したニオブ酸化物とした以外は同様にして電極を作製した。
(酸素還元能の評価)
実施例1と同様にして、酸素還元能の評価を行った。
図19に、上記測定により得られた電流−電位曲線を示す。
この作製した電極は、酸素還元開始電位が0.3V(vs.NHE)であり、低い酸素還元能を示すことがわかった。
(イオン化ポテンシャル)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて上記解砕したニオブ酸化物を用いた以外は実施例1と同様にしてイオン化ポテンシャルを測定した。得られたイオン化ポテンシャルを表1に示す。
(X線回折)
実施例1と同様にして、ニオブ酸化物のX線回折を行った。
図20に、ニオブ酸化物のXRDスペクトルを示す。
ニオブ酸化物は、単斜晶系のニオブ酸化物であることがわかった。
(BET比表面積測定)
実施例1と同様にして、ニオブ酸化物粉末のBET比表面積を測定した。
ニオブ酸化物粉末のBET比表面積は、1.9m2/gであった。
〔比較例6〕
(金属酸化物の製造)
実施例1において、二酸化ニオブ(NbO2)の粉末(高純度化学製、純度99.9%)5.0gを五塩化ニオブ(NbCl)(和光純薬製)5.0gとし、焼成温度を1000℃の替わりに800℃とした以外は、同様にして、ニオブ酸化物2.4gを回収した。さらに、ニオブ酸化物を乳鉢で解砕した。
(電極の作製)
実施例1において、金属酸化物電極触媒(1)を上記解砕したニオブ酸化物とした以外は同様にして電極を作製した。
(酸素還元能の評価)
実施例1と同様にして、酸素還元能の評価を行った。
図21に、上記測定により得られた電流−電位曲線を示す。
この作製した電極は、酸素還元開始電位が0.3V(vs.NHE)であり、低い酸素還元能を示すことがわかった。
(イオン化ポテンシャル)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて上記解砕したニオブ酸化物を用いた以外は実施例1と同様にしてイオン化ポテンシャルを測定した。得られたイオン化ポテンシャルを表1に示す。
(X線回折)
実施例1と同様にして、ニオブ酸化物のX線回折を行った。
図22に、ニオブ酸化物のXRDスペクトルを示す。
ニオブ酸化物は、斜方晶系のニオブ酸化物であることがわかった。
(BET比表面積測定)
実施例1と同様にして、ニオブ酸化物粉末のBET比表面積を測定した。
ニオブ酸化物粉末のBET比表面積は、2.9m2/gであった。
〔比較例7〕
(金属酸化物の製造)
実施例1において、二酸化ニオブ(NbO2)の粉末(高純度化学製、純度99.9%)5.0gを五塩化ニオブ(NbCl)(和光純薬製)5.0gとし、焼成温度を1000℃の替わりに600℃とした以外は、同様にして、ニオブ酸化物2.4gを回収した。さらに、ニオブ酸化物を乳鉢で解砕した。
(電極の作製)
実施例1において、金属酸化物電極触媒(1)を上記解砕したニオブ酸化物とした以外は同様にして電極を作製した。
(酸素還元能の評価)
実施例1と同様にして、酸素還元能の評価を行った。
図23に、上記測定により得られた電流−電位曲線を示す。
この作製した電極は、酸素還元開始電位が0.3V(vs.NHE)であり、低い酸素還元能を示すことがわかった。
(イオン化ポテンシャル)
金属酸化物電極触媒(1)に替えて上記解砕したニオブ酸化物を用いた以外は実施例1と同様にしてイオン化ポテンシャルを測定した。得られたイオン化ポテンシャルを表1に示す。
(X線回折)
実施例1と同様にして、ニオブ酸化物のX線回折を行った。
図24に、ニオブ酸化物のXRDスペクトルを示す。
ニオブ酸化物は、斜方晶系のニオブ酸化物と単斜晶型のニオブ酸化物の混合物であることがわかった。
(BET比表面積測定)
実施例1と同様にして、ニオブ酸化物粉末のBET比表面積を測定した。
ニオブ酸化物粉末のBET比表面積は、5.1m2/gであった。
Figure 2009017011

Claims (20)

  1. 金属化合物(X)を酸素含有雰囲気下で熱処理して得られる金属酸化物(Y)からなる電極触媒であって、
    前記金属化合物(X)の金属の価数が前記金属酸化物(Y)の金属の価数よりも小さいことを特徴とする金属酸化物電極触媒。
  2. 前記金属酸化物(Y)を構成する金属元素が、ニオブ、チタン、タンタルおよびジルコニウムからなる群より選ばれた一種の金属元素であることを特徴とする請求項1に記載の金属酸化物電極触媒。
  3. 前記金属酸化物(Y)を構成する金属元素が、ニオブまたはチタンであることを特徴とする請求項1に記載の金属酸化物電極触媒。
  4. 前記金属化合物(X)が、金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
  5. 前記金属化合物(X)が二酸化ニオブ(NbO2)であり、前記金属酸化物(Y)が五酸化ニオブ(Nb25)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
  6. 前記金属酸化物(Y)が斜方晶、単斜晶または立方晶の五酸化ニオブ(Nb25)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
  7. 前記金属化合物(X)が三酸化二チタン(Ti23)であり、前記金属酸化物(Y)が酸化チタン(TiO2)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
  8. 前記金属酸化物(Y)がルチル型の酸化チタン(TiO2)であることを特徴とする請求項1、2、3、4または7に記載の金属酸化物電極触媒。
  9. 粉末であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
  10. BET比表面積が、0.1〜100m2/gの範囲であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
  11. BET比表面積が、金属化合物(X)の粉末のBET比表面積よりも大きいことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
  12. イオン化ポテンシャルが、4.9〜5.5eVの範囲であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒を含むことを特徴とする触媒層。
  14. さらに電子伝導性粒子を含むことを特徴とする請求項13に記載の触媒層。
  15. カソードとアノードと前記カソードおよび前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、前記カソードが請求項13または14に記載の触媒層を有することを特徴とする膜電極接合体。
  16. 請求項15に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする燃料電池。
  17. 固体高分子型燃料電池であることを特徴とする請求項16に記載の燃料電池。
  18. 金属化合物(X)を酸素含有雰囲気下で熱処理して金属酸化物(Y)を得る工程を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の金属酸化物電極触媒の製造方法。
  19. 前記熱処理の温度が400〜1200℃の範囲であることを特徴とする請求項18に記載の金属酸化物電極触媒の製造方法。
  20. 前記金属酸化物(Y)を解砕する工程をさらに含むことを特徴とする請求項18または19に記載の金属酸化物電極触媒の製造方法。
JP2009525357A 2007-07-31 2008-07-23 金属酸化物電極触媒およびその用途、ならびに金属酸化物電極触媒の製造方法 Expired - Fee Related JP5254975B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009525357A JP5254975B2 (ja) 2007-07-31 2008-07-23 金属酸化物電極触媒およびその用途、ならびに金属酸化物電極触媒の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007198853 2007-07-31
JP2007198853 2007-07-31
JP2009525357A JP5254975B2 (ja) 2007-07-31 2008-07-23 金属酸化物電極触媒およびその用途、ならびに金属酸化物電極触媒の製造方法
PCT/JP2008/063215 WO2009017011A1 (ja) 2007-07-31 2008-07-23 金属酸化物電極触媒およびその用途、ならびに金属酸化物電極触媒の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009017011A1 true JPWO2009017011A1 (ja) 2010-10-21
JP5254975B2 JP5254975B2 (ja) 2013-08-07

Family

ID=40304243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009525357A Expired - Fee Related JP5254975B2 (ja) 2007-07-31 2008-07-23 金属酸化物電極触媒およびその用途、ならびに金属酸化物電極触媒の製造方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US8182950B2 (ja)
EP (1) EP2178142A4 (ja)
JP (1) JP5254975B2 (ja)
KR (1) KR101240864B1 (ja)
CN (2) CN103794805B (ja)
CA (1) CA2722188A1 (ja)
WO (1) WO2009017011A1 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101240864B1 (ko) * 2007-07-31 2013-03-07 쇼와 덴코 가부시키가이샤 금속 산화물 전극 촉매 및 그 용도, 및 금속 산화물 전극 촉매의 제조 방법
US8226858B2 (en) * 2008-07-03 2012-07-24 Solid Cell, Inc. Interconnect material for solid oxide fuel cell and process for the preparation thereof
CN102171871B (zh) * 2008-10-06 2015-03-18 昭和电工株式会社 燃料电池用电极的制造方法及其用途
JP5225342B2 (ja) * 2010-09-07 2013-07-03 株式会社東芝 電池用電極及びその製造方法、非水電解質電池、電池パック及び活物質
US20140004444A1 (en) * 2010-09-28 2014-01-02 Isotta Cerri Fuel cell electrocatalyst
EP2658018B1 (en) * 2010-12-22 2020-06-24 Showa Denko K.K. Production process for electrode catalyst for fuel cell and uses thereof
JP2013245133A (ja) * 2012-05-25 2013-12-09 National Institute For Materials Science チタン酸化物とそれを用いた黄色顔料及び光触媒
CN104471766A (zh) * 2012-07-11 2015-03-25 昭和电工株式会社 燃料电池的运行方法和发电装置
WO2014119926A1 (ko) * 2013-01-29 2014-08-07 지브이퓨얼셀 주식회사 연료전지용 셀 제조방법
US10205174B2 (en) 2013-12-27 2019-02-12 Showa Denko K.K. Electrode catalyst ink composition
WO2015146490A1 (ja) * 2014-03-25 2015-10-01 国立大学法人横浜国立大学 酸素還元触媒及びその製造方法
CN110062652B (zh) * 2016-12-22 2020-05-05 昭和电工株式会社 氧还原催化剂
US11929512B2 (en) 2019-04-30 2024-03-12 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Oxidized surface layer on transition metal nitrides: active catalysts for the oxygen reduction reaction
JP2022101078A (ja) * 2020-12-24 2022-07-06 AZUL Energy株式会社 酸素還元用触媒及びその選定方法、酸素還元用触媒を含む液状組成物又は電極、電極を備える空気電池又は燃料電池
KR20240057173A (ko) * 2022-10-24 2024-05-02 삼성에스디아이 주식회사 전고체 전지

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6162530A (en) * 1996-11-18 2000-12-19 University Of Connecticut Nanostructured oxides and hydroxides and methods of synthesis therefor
JP2002226204A (ja) * 2001-01-26 2002-08-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 水素精製装置
CN1457320A (zh) 2001-01-26 2003-11-19 松下电器产业株式会社 氢气提纯装置和燃料电池发电系统
JP4395292B2 (ja) 2002-08-30 2010-01-06 三菱重工業株式会社 燃料電池用電極触媒、燃料電池および燃料電池システム
JP2005063677A (ja) 2003-08-11 2005-03-10 Nitto Denko Corp 燃料電池
CN101075673A (zh) 2003-08-26 2007-11-21 松下电器产业株式会社 使用锰氧化物纳米结构体的氧还原电极
JP4969025B2 (ja) * 2004-01-30 2012-07-04 三菱重工業株式会社 燃料電池用膜電極および燃料電池
CN100567138C (zh) * 2004-02-20 2009-12-09 松下电器产业株式会社 具有树枝状晶体结构的锰氧化物纳米结构体的制造方法和含有具有树枝状晶体结构的过渡金属氧化物纳米结构体的氧还原电极
WO2005080254A1 (ja) * 2004-02-20 2005-09-01 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. デンドライト的構造を有するマンガン酸化物ナノ構造体の製造方法及びデンドライト的構造を有する遷移金属酸化物ナノ構造体を含む酸素還元電極
JP2005276746A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Hitachi Ltd 燃料電池および膜電極接合体
WO2006019128A1 (ja) * 2004-08-19 2006-02-23 Japan Science And Technology Agency 金属酸化物電極触媒
JP2006299388A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Nippon Oil Corp 多孔質チタン−チタン酸化物複合体の製造方法
JP2007035298A (ja) * 2005-07-22 2007-02-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電気化学電極およびその製造方法
WO2007060777A1 (ja) * 2005-11-22 2007-05-31 Bunka Shutter Co., Ltd. 開閉装置
JP5055557B2 (ja) 2005-12-19 2012-10-24 国立大学法人横浜国立大学 直接形燃料電池用酸素還元電極
KR101240864B1 (ko) * 2007-07-31 2013-03-07 쇼와 덴코 가부시키가이샤 금속 산화물 전극 촉매 및 그 용도, 및 금속 산화물 전극 촉매의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
US8182950B2 (en) 2012-05-22
KR101240864B1 (ko) 2013-03-07
EP2178142A1 (en) 2010-04-21
EP2178142A4 (en) 2014-04-30
CN103794805B (zh) 2016-04-13
JP5254975B2 (ja) 2013-08-07
CN103794805A (zh) 2014-05-14
CN101984773A (zh) 2011-03-09
KR20100037648A (ko) 2010-04-09
CA2722188A1 (en) 2009-02-05
US20110229793A1 (en) 2011-09-22
WO2009017011A1 (ja) 2009-02-05
CN101984773B (zh) 2014-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5254975B2 (ja) 金属酸化物電極触媒およびその用途、ならびに金属酸化物電極触媒の製造方法
JP5474250B2 (ja) 電極触媒層、膜電極接合体および燃料電池
JP5411123B2 (ja) 燃料電池用触媒およびその製造方法ならびにその用途
JP5475245B2 (ja) 触媒およびその製造方法ならびにその用途
JP5144244B2 (ja) 電極触媒およびその用途、ならびに電極触媒の製造方法
JP5374387B2 (ja) 触媒およびその製造方法ならびにその用途
JP5106342B2 (ja) 触媒及びその製造方法ならびにその用途
US10090533B2 (en) Non-carbon mixed-metal oxide support for electrocatalysts
JP5650254B2 (ja) 酸素還元触媒
JP5559858B2 (ja) 電極触媒およびその用途、ならびに電極触媒の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5254975

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees