JPWO2009004713A1 - 双方向光パワーモニターとその組立体 - Google Patents

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Abstract

多チャンネル化しても小型化が可能で、光損失の少ない双方向光パワーモニターを開示する。双方向光パワーモニターは2本の光ファイバーを持ち、それらのコアの光軸をオフセットさせて対向してコア端面同士を融着させていて、光ファイバーの一方のコア端面の一部分が融着部で他方のコア端面からオフセットして突出している。U溝が2本の光ファイバーそれぞれのクラッド層に設けられて、U溝の側面がコア端面の突出した部分に対向している。U溝内に設けられている光ダイオードが、一方の光ファイバーのコア端面から他方の光ファイバーのクラッド層内に漏洩した光の3次もしくは4次の強め合った光を検出する。この双方向光パワーモニターは、一方の光ファイバーから他方へ伝播する光信号と、他方から一方へ伝播する光信号をともに小さい光伝播損失で測定することができる。

Description

本発明は、主に光通信分野において用いられる双方向光パワーモニターに係る。
近年、情報通信における技術革新は目覚しく、インターネットの普及による通信速度の高速化の要求および情報量の増加に対応するため、電気信号による通信から光信号による通信へと移行しつつある。多くの基幹となるケーブルは、多数の中継点から情報が集まってくるため、処理能力と処理速度から光ケーブルへと置き換わって来ている。光ケーブルとユーザー端末との間の通信が見直されるようになり、より安くより快適な情報通信環境の整備への要求は、ますます強くなってきている。
光通信網が整備されてくると、情報の授受が高速に行なわれるようになり、またそれに伴って新たな用途が拡大してくるため、光通信網を行き交う情報量が益々増加している。光ファイバーの処理できる情報量を上げるには、単位時間あたりの信号量を増大させるために高周波の信号を使用し、あるいは波長多重方式と称され異なる情報を持つ多数の波長の信号を一本の光ファイバーで同時に送信する技術が用いられている。また、緻密で信頼性の高い通信網を形成するには、多方向、多経路への接続を確保する必要があり、保守用途の観点からも複数の光ファイバーの利用が必須となっている。
多数の信号を光ファイバーで伝送する光通信回路を形成するために、波長多重した光信号を各波長に分波し、逆にそれぞれの波長の光信号を合波し、更に光信号の分岐や挿入を行なうWavelength Division Multiplex(以下、WDMと略す)システムが必要になる。情報量が増加すると共に、扱われる情報の重要性も高くなる。光信号の欠落に対し、どの光信号がどこで欠落したのかを迅速に把握する必要がある。光信号の接続の有無だけでなく、信号強度を確認することも必要となる。また、伝送距離が長くなると光ファイバー中を伝播するだけで光信号強度が減衰するため、光信号を増幅するためにErbium Doped Fiber Amplifier(以下、EDFAと略す)装置が必要になる。EDFAでは外部から入力した光信号の強度や増幅した後外部に出射する光信号の強度を測定して、増幅比を判断する。信頼性の高い光通信システムを構築するために光伝播回路各部にモニタリング機能を備えることが不可欠となってきている。
光信号をモニタリングするために、光カプラで光信号の一部を分岐し、分岐して取り出した光信号を光ファイバーに接続された光ダイオードで検知する手法が用いられていた。この方式では、各部品を融着接続する必要があり、実装工数低減の妨げとなっていた。また、光カプラは、光ファイバーの光信号伝播部位であるコア同士を近接して光信号を分岐させる構造をしている。コア同士の近接している部分の長さが分岐量の重要なパラメーターなので、製品のサイズを小さくすることが困難であった。最近では、特に多重化する波長数を多くして、一度に伝達できる情報量を多くしている。信号検知は各波長に分波して行なわれるため、1台の装置に必要な光パワーモニターの数が多くなる。光パワーモニターに割りあてることのできる装置内の収納スペースが限られているため、光パワーモニターの小型化が必須となってきている。
小型化された光パワーモニターの一例が、特許文献1に開示されている。開示されている光パワーモニターの構造を図12に示す。図12(A)は、複数本の光パワーモニター70をケース69に組込んだ光パワーモニター組立体75の一例で、ケースの上蓋を取り除いて示す。図12(B)は、光パワーモニター70の縦断面図である。図12(A)、図12(B)で、2本の光ファイバー51,52を有するマルチキャピラリーガラスフェルール53とGRIN(Gradient Index)レンズ54とが所定の空隙55を開けて対向している。GRINレンズ54の端面にはフィルター56が形成されており、フィルター56でGRINレンズ54を通ってきた光の反射と透過を行なう。GRINレンズ54を透過した光は空隙57を通りフォトンディテクターあるいは光ダイオード58で電気信号に変換され端子59から取り出される。フォトンディテクター58の電気出力で、光路の光の強度を得ることができる。マルチキャピラリーガラスフェルール53とGRINレンズ54とはガラスチューブ60、60′で位置決めされている。GRINレンズは中心軸から半径方向外側に向かって放射状に連続的に屈折率が変化しているガラス製の円柱である。光が外側に向かって広がれば、光の進行方向は中心軸方向に曲げられる。
図12(B)を参照して光の流れを説明する。光ファイバー51から空隙55に入った光(入力光)はGRINレンズ54を通りGRINレンズ端面のフィルター56に到達する。フィルター56に到達した光の大部分は反射しGRINレンズ54と空隙55を通り、光ファイバー52に入り出力光となる。フィルター56を透過した光は空隙57を通り、フォトンディテクター58に入り電気信号に変換され端子59から出力される。この光の経路を実線矢印で示す。逆に、光ファイバー52から光を入れると前述した光路と同様の経過をたどり、光ファイバー51から光を取り出す(出力光)ことができる。この光の経路を破線矢印で示す。説明では特許文献1に記載されている名称を用いた。本発明では、フォトンディテクターを光ダイオードと称している。
図12(B)に示した光パワーモニター70は、光が空気中に一度は放出(放射)される。空気は光ファイバーと異なった屈折率を持つため、空気中に放射された光は拡散する。拡散した光を集光するためGRINレンズに代表されるレンズは必須である。そこで、光パワーモニターの製品サイズがGRINレンズやガラスチューブのサイズに依存する。そのため、図12(A)の光パワーモニター組立体75の小型化が難しい。
導波路を用いた光パワーモニターが、特許文献2に記載されている。図13(A)にその光パワーモニターの光導波路モジュールを平面図で示し、図13(B)の断面図で光量の測定原理を説明している。基板81に略平行に複数の導波路90が形成され、導波路90を直角に横断する溝83が設けられて、導波路90が入力側86と出力側87とに分けられている。溝83に反射フィルター84が挿入され、反射フィルター84の入力側86上部に光検知器85が配され、平面導波路型光回路80を構成している。図13(B)の断面図を用いて、光量測定を光の流れを使って説明する。導波路90は、コア92を挟んで上部クラッド層91と下部クラッド層93とが設けられている。コア92を通って来た光は溝83で空気中に放出され、ほとんどの光は反射フィルター84を透過し出力側87のコア92に入る。反射フィルター84で一部の光(破線の矢印)は反射して光検出器85に入り、電気信号に変換され光路内の光の強度を測定することができる。
上記特許文献2の平面導波路型光回路80は、導波路を保持する基板の厚み、光検出器の保持機構等が小型化をする上で障害になることは容易に理解できる。また、導波路と光ファイバーを接続する部位での光損失が大きいことは周知であり、低損失化を図ることは難しい。損失を低減するため、特許文献2の光導波路を光ファイバーに置き換えることは容易に考えられる。しかし、光ファイバーに置き換えたとしても、特許文献2に示された平面導波路型光回路80と同様に入力側から入った光は一度空気中に放出される。空気中に放出された光を反射フィルターで出力側に伝わる光と光検出器に入る光とに分岐するので、光の損失を低減することが難しい。
損失が少ないと考えられる特許文献1の光パワーモニター70においても、個別のピッグテールファイバーとGRINレンズ、フォトンディテクターを使用し組み上げる限り、単一チャンネルの光パワーモニター70の小型化は、3.0mm直径×20mmが限界と考えられる。図12(A)に示すように、ケース69に収納して多チャンネル化しているので、更に製品サイズが大きくなり、小型化が難しい。
また、光信号を伝播するのに用いる光ファイバー通信回路は双方向に用いることが多い。情報をダウンロードするとともに、アップロードする必要がある。かかる用途においては双方向の光信号強度を測定する双方向光パワーモニターが要るが、特許文献2に開示された光パワーモニターでは一方向の光強度を測定するものであった。
米国特許6,603,906号公報 特開2003−329862号公報
本発明の目的は、多チャンネル化しても小型化が可能で光伝播損失の少ない双方向光パワーモニターを提供することである。
本発明の双方向光パワーモニターは、それぞれが中心にコアを、そのコアの周りにクラッド層を持つ2本の光ファイバーであって、それらコアの光軸をオフセットさせて、それらの端面同士を融着部で対向して融着しており、それら光ファイバーそれぞれのコア端面の一部分が融着部で他方のコア端面からオフセットして突出している。その2本の光ファイバーそれぞれが、そのクラッドに形成され一方の光ファイバーコア端面の他方の光ファイバーコア端面から突出した部分がその融着部側の側面と対向しているU溝を持つ。U溝それぞれの中に、受光面がU溝の側面と対向し、一方の光ファイバーコアを伝播し、その光ファイバーのコア端面の突出した部分から他方の光ファイバーのクラッド層に漏洩し、U溝に入った光を検出するための光ダイオードが設けられている。U溝の側面が一方の光ファイバーのコア端面の突出した部分から他方の光ファイバーのクラッド層中に漏洩した光が干渉して強め合う位置に設けられている。
U溝の側面が、一方の光ファイバーのコア端面の突出した部分から他方の光ファイバーのクラッド層中に漏洩した光が干渉して強め合う3次から4次の位置に設けられているのが好ましい。
光ファイバーは、光ファイバー中心に位置するコアとコアの周りを覆うクラッド層とから成り、光ファイバーコア中を伝播する光が屈折率の大きなコアと屈折率の小さなクラッド層との境界面であるコア外周面で全反射を起こし、コア内のみを光が伝播する。2本の光ファイバーの端面同士をそれらのコア光軸を互いに数μmオフセットさせて融着すると、融着部の大部分をコア端面同士の接続とクラッド層端面同士の接続が占める。コア端面同士が接続しているところでは、光は上流側光ファイバーコアから下流側光ファイバーコアに伝播する。一方、上流側光ファイバーのコア端面の一部が下流側光ファイバーのクラッド層端面に融着接続しているところでは、上流側光ファイバーコア中を伝播して融着面に到達した光が対向している下流側光ファイバークラッド層に漏洩する。漏洩した光はそのまま前方に進行するが、コアとクラッド層との間に屈折率の差があり、またコア端面のクラッド層端面に融着されている部分が三日月の形をしているので、コア端面のその部分から漏洩した光がクラッド層中で放射状に広がる。クラッド層中に放射状に広がった光はクラッド層の外周面で反射を繰返しながらクラッド層内を伝播する。反射した光が互いに干渉を起こし、クラッド層内を伝播する途中に光が互いに強め合ったり弱め合ったりしながら進行する。反射を繰返しながらクラッド層内を伝播した光が、コア端面のその部分に対向してクラッド層内に設けられたU溝の側面を透過してU溝に入る。U溝内に光ダイオードが受光面をU溝の側面に対向して設けられているので、U溝に入った光が光ダイオードで検出されて、光ダイオードで光を電流に変換し光量に比例した電気信号を得ることができる。
一方の光ファイバーのコア端面と他方の光ファイバーのコア端面とは互いに数μmオフセットして接合されているので、光伝播下流側から光ファイバーのコア接合部を見ると、上流側コア断面の下流側コアから突出した部分が三日月形に見える。三日月の最も太い幅がオフセット量に相当する。融着部の縦断面の形は、融着前の接合状態では、光ファイバーの中心軸に対しコア端面が略垂直になっており、略垂直の端面同士が数μmオフセットしている。光ファイバー端面を加熱融着するとコア端面の角が表面張力によって曲率を持ってコア端面同士が融着する。クラッド層端面の角にも同様に曲率が生じる。
コアの融着面が光ファイバー縦断面で曲率を持つ三日月形をしている。曲率を持つ面内、すなわちオフセット面(2本の光ファイバー光軸を含む面)と平行にコア端面から下流側クラッド層に出た光は、融着によって生じたコア端面の曲率のために出る光のコア光軸に対する角度が変わり、クラッド層内で反射した光同士が干渉し合って強め合いあるいは弱め合う。好ましくは、3次から4次の強め合った光をU溝の側面のところで光ダイオードで検出する。このため融着部にある光ファイバーコア断面のうち突出した部分がU溝の側面とある角度を持って対向していることが重要である。言い換えると、光ファイバーコアの光軸に対し融着部が垂直でまたU溝の側面も垂直となっていて、上流側コア端面のうち突出した部分とU溝の側面とが平行に対向している。オフセット面ではコアの融着した端面とU溝の側面とはオフセット面内である角度を持っているので、融着部にある突出した部分とU溝の側面は所定の角度を持って対向する。一方、オフセット面と垂直な面内で上流側コア端面の突出した部分から出た光は、光ファイバーのオフセット面に関して対称に進みクラッド層外周面で反射するため、干渉を起こさない。
オフセット面内で、コア端面の外周上で融着部曲率が最も小さく、すなわち曲率半径が最も大きくなる、そして反対に、オフセット面内で、2本のコア端面同士が接しているところでは融着部曲率が最も大きく、すなわち曲率半径が最も小さくなっていることが実験的に判明している。また、融着部曲率と光の出射角との関係も実験的に判明している。上流側コア端面の外周部分では光のコア光軸に関する出射角θuは5°から15°で、下流側コア端面外周と接している上流側コア端面の部分では光の出射角θdは2°から12°である。オフセットして融着した光ファイバーコア端面では、θuがθdよりも大きく、θuとθdとの差が約3°から約6°である。光の出射角が融着部の場所によって異なるために、上流側コア端面の外周近くからクラッド層内に放射した光がクラッド層内で反射を繰り返す周期と、下流側コア端面の外周に近い上流側コア端面の部分から放射した光がクラッド層内で反射を繰り返す周期とに差があるので、それらの光は干渉を起こし周期的に強め合うところと弱め合うところが生じる。最初に強め合うところを1次とすると、3次もしくは4次の強め合うところに、U溝の側面を設けることで、融着部の上流側コア端面から下流側光ファイバークラッド層内に漏洩した光を最も効率よくU溝の側面に集光することができる。
本発明の双方向光パワーモニターは、U溝とU溝に設けた光ダイオードを持つ光ファイバーをケースに納めた単一チャンネル双方向光パワーモニターとすることができる。また、複数個の双方向光パワーモニターを並列に並べて、多チャンネル双方向光パワーモニター組立体とすることもできる。複数個並べた光ダイオードに代えて、単一の多チャンネルの光ダイオードを用いると、組立体をより小型化することが可能である。本発明の双方向光パワーモニターは、光ファイバーを伝播する光の一部を融着部で上流側コア端面から下流側クラッド層に漏洩させて、漏洩した光を下流側光ファイバーのクラッド層に形成したU溝に設けた光ダイオードで検出して電気信号に変換する。クラッド層から空気中に出た光を検出するので、隣接する光ファイバーから出た光や、ケースの外から入る光がノイズとなることがある。そのため、隣接する光ファイバー間の遮光とケースの遮光は必須である。
本発明の双方向光パワーモニターでは、光ファイバークラッド層内に設けたU溝の融着部側にある側面が光ファイバーに沿って融着部から下流に4.5mm以上7.5mm以下離れた位置にあることが好ましい。
融着部のコア端面から下流側光ファイバークラッド層に漏洩する光の出射角度は、融着部にあるコア端面の各部の曲率に依存するため計算で求めることは容易ではない。数多くの実験から、3次もしくは4次の強め合う位置にU溝の側面を設けると受光感度が高くなることが判った。U溝の側面の位置は、使用する光の波長に依存するが、オフセット融着部から光ファイバーに沿って4.5mm以上7.5mm以下離れたところである。
本発明の双方向光パワーモニターでは、U溝の融着部側にある側面がU溝を持つ光ファイバーのコア光軸に対して90°±40°の角度であることが好ましい。
クラッド層内を伝播してきた光がそのクラッド層内に設けられたU溝の融着部側にある側面を透過してその側面の直ぐ内側にある光ダイオードで検出される。その側面がU溝を持つ光ファイバーコア光軸に対して垂直であるとほぼ100%の光が透過する。側面が垂直から±40°以内の角度であるときは実験的にはほぼ100%の光が透過する。U溝の側面がU溝内に傾いているとU溝の加工が困難で、さらに光ダイオードあるいは光検出器をU溝に取り付けるのが難しい。そこで、側面のコア光軸に対する角度は90°+40°/−20°であることがより好ましい。なお、ここで90°+40°はU溝の開口が底面よりも広くなるようにU溝の側面が傾いており、90°−20°は逆に側面が傾いていることを意味する。
本発明の双方向光パワーモニターは、U溝の底とU溝の設けられた光ファイバーコア外周との距離が0.5μmから8μmであることが好ましい。
上流側コア内を伝播してきた光の一部を上流側コア端面の突出した部分から下流側光ファイバークラッド層内に漏洩させて、U溝の融着部側にある側面を透過させて光ダイオードで検知するため、光をU溝の側面に確実に照射することが重要である。U溝が浅くなる、つまり融着部側にあるU溝の側面の面積が小さくなると、光の全てがU溝の側面に当たらず、クラッド層のコア近傍にある部分を伝播する光が多くなる。そのため、下流側光ファイバーコア外周とU溝の底との距離を8μm以下にすることが好ましい。一方、光ファイバーはコア内を光が伝播する構造をしているものの、厳密な境界が存在する訳ではないので、クラッド層のコア近傍の部分に漏洩して伝播する光が存在する。U溝が深くなり、コア外周とU溝の底との距離が0.5μmよりも小さくなると、クラッド層のコア近傍にある部分を伝播する光及びコア内を伝播する光がU溝に漏洩し伝播損失が大となる。このため、U溝の底とコア外周との距離が0.5μmから8μmであることが好ましい。
本発明の双方向光パワーモニターでは、2本の光ファイバーコア光軸間のオフセットが光ファイバーのコア径の0.05倍以上で0.32倍以下であることが好ましい。
オフセットを変化させると、クラッド層へ漏洩する光の量を変えることができる。コア内の光の強度分布は、ガウス分布に従うため、オフセットが大きくなるに従い光量変化が大きくなる。一般的に用いられているシングルモード光ファイバーでは、コア径は9.2μm(波長1310nm)である。2.5μmのオフセットでコア端面同士を融着した時に、受光感度は100mA/W程度である。受光感度は、光ダイオードに入る光の強さ(W)当たりの光ダイオードの出力電流(mA/W)で表わす。
本発明による双方向光パワーモニター組立体は、平行に並べて一面(上面)に形成した複数のV溝と、その面で複数のV溝と直交して形成した第一溝と、その面と対向した面(下面)に第一溝から所定距離はなれて、第一溝に平行に形成した第二溝を持つVブロックと、その複数のV溝それぞれの中に固定した上述の双方向光パワーモニターを持つ。そして、複数のV溝と直交して形成した第一溝と第二溝それぞれに、複数のV溝それぞれに入れられた複数の双方向光パワーモニターすべてに延びた光検出器が設けられている。複数の双方向光パワーモニターそれぞれの光ファイバークラッド層に形成されたU溝が、Vブロックの複数のV溝と直交した第一溝あるいは第二溝内に位置している。光検出器が、複数の双方向光パワーモニターそれぞれのU溝内にその双方向光パワーモニターの光ダイオードを持つ。
VブロックのV溝内に双方向光パワーモニターの光ファイバーが入っていて、共通の光検出器が各双方向光パワーモニターのU溝に設けられているので、双方向光パワーモニター組立体のなかで、ある双方向光パワーモニターに隣り合った双方向光パワーモニターから漏れた光、あるいは外部から入ってきた光がその双方向光パワーモニターの光ダイオードで検出されることが防がれる。しかも、VブロックのV溝の間隔を狭くすると双方向光パワーモニター組立体を小さくすることができる。
なお、第一溝と第二溝との距離は、融着部と一方のU溝側面との距離の2倍とする。
本発明による双方向光パワーモニター組立体において、複数のV溝の形成されたVブロックの面(上面)に設けられた第一溝に取り付けた光検出器が、第一溝の深さよりも大きな高さをしていて、複数のV溝の形成されたVブロックの面(上面)と反対のVブロックの面(下面)に設けられた第二溝に取り付けた光検出器が、第二溝の深さよりも小さな高さをしていることが好ましい。
双方向光パワーモニターの2本の光ファイバーがVブロックの上面に近いところに設けられていると、上面から形成した第一溝の深さを光検出器の高さよりも小さくすることができる。その2本の光ファイバーがVブロックの下面から遠くに離れて下面から形成した第二溝を、光検出器をその中に収容できるだけの深さとすることで、Vブロックをケースの内底面に安定して設けることができる。
本発明による双方向光パワーモニター組立体の製造方法では、まず中心にコアを、そのコアの周りにクラッド層を持つ2本の光ファイバーをそれらコアの光軸をオフセットしてそれらの端面同士を対向して融着し、一方の光ファイバーコア端面を他方の光ファイバーコア端面から突出した部分を持つ複数の光ファイバー融着体を準備し、別途、平行に並べて一面(上面)に形成した複数のV溝を持つVブロックを準備する。そして、Vブロックの複数のV溝それぞれに光ファイバー融着体を入れて光ファイバー融着体を各V溝に接着固定する。Vブロックの複数のV溝と直交するように複数の光ファイバー融着体のクラッド層とVブロックに共通の第一溝をVブロックの複数のV溝のある面(上面)に機械加工する。次にVブロックの複数のV溝がある面(上面)と反対の面(下面)に、第一溝から所定距離はなれて第一溝と平行に第二溝を機械加工する。複数の光ダイオードを持ち、複数の光ファイバー融着体すべてに延びている光検出器を第一溝と第二溝に入れて、光検出器の各光ダイオードが各光ファイバー融着体にある光ファイバーコア端面を他の光ファイバーコア端面から突出させた部分と対向する位置で固定する。そのようにして組み立てたものをケースに入れて固定する。
光ダイオードは、湿度により光を電流に変換する特性の経時変化が起こることが知られている。そこで、本発明の双方向光パワーモニターの密封ケース内に乾燥窒素や乾燥アルゴンを充填することが好ましい。
本発明の双方向光パワーモニターでは、U溝を持つ2本の光ファイバーを互いにオフセットして端面を対向して融着しているので、光ファイバー中を伝わる光信号の一部を取り出して光信号強度を測定することができる。そのために、小型で光伝播損失の少ない双方向光パワーモニターを実現することができた。
図1は本発明の双方向光パワーモニター組立体を上蓋を外して示す平面図で、 図2は本発明の双方向光パワーモニター組立体の縦断面図で、 図3は図1の一部の横断面を説明する模式図で、 図4(A)は2本の光ファイバー間の融着部と光ファイバーのクラッド層にあるU溝を説明する拡大縦断面図、図4(B)は2本の光ファイバー間の融着部を説明するオフセット面における縦断面図、そして図4(C)は融着部を説明する横断面図で、 図5(A)と図5(B)とは本発明の双方向光パワーモニターで融着部のコアからクラッド層に漏洩した光の進行を説明する模式図で、 図6は実施例2で説明するU溝側面における透過光比率と反射光比率をU溝側面のコア光軸に対する角度との関係で示すグラフで、 図7は実施例3で説明する受光感度と融着部からU溝側面までの距離L(mm)との関係を示すグラフで、 図8は実施例4で説明する受光感度とオフセットh/コア直径kとの関係を示すグラフで、 図9は実施例4で説明する伝播損失とオフセットh/コア直径kとの関係を示すグラフで、 図10は実施例5で説明する受光感度と伝播損失とに対するU溝の底とコア外周との距離d(μm)の関係を示すグラフで、 図11(A)から図11(F)は実施例6で説明する本発明における双方向光パワーモニター組立体の製造を説明する斜視図で、 図12は従来の光パワーモニター組立体を示し、図12(A)は斜視図で図12(B)はそのうち1個の光パワーモニターを縦断面図で示す、そして 図13は従来の平面導波路型光パワーモニターを示し、図13(A)は平面図で図13(B)は縦断面図である。
符号の説明
2,3 光ファイバー
4 Vブロック
5 融着部
6,6′ U溝
7,7′ 光検出器
14,14′ 側面
15,16 光軸
18 突出した部分
41 V溝
42 第一溝
42′ 第二溝
71,71′ 光ダイオード
以下、図面を参照しながら実施例に基づいて本発明の双方向光パワーモニターを詳細に説明する。説明を判り易くするため、同一の部品、部位には同じ符号を用いている。
図1は本発明の双方向光パワーモニター組立体を上蓋を外して示す平面図で、図2は双方向光パワーモニター組立体の縦断面図で、図3はその一部の横断面で、図4(A)は2本の光ファイバー間の融着部と光ファイバーにあるU溝を説明する拡大縦断面図で、図4(B)は2本の光ファイバー間の融着部を説明するオフセット面における縦断面図で、図4(C)は融着部を説明する横断面図で、図5(A)と図5(B)とは融着部のコアからクラッド層に漏洩した光の進行を説明する模式図である。
図1、図2および図3を参照しながら本発明の双方向光パワーモニター組立体1の構造について詳細に説明する。図1は8組の双方向光パワーモニターをケース9に組込んだ8チャンネル光パワーモニター組立体1である。ケース9から保護チューブ8、8′を介して光ファイバー2と3を外部に引き出した。樹脂(図示せず)で上蓋11をケース9の上に接着し、乾燥窒素ガスを充填している。ケース9の側壁から光ダイオード71、71′の電極10を取り出している。ケース9内を通る光ダイオード71、71′と電極10間の配線は省略した。ケース9の内底面にVブロック4を接着剤で固定している。Vブロック4には光ファイバーの間隔を精度良く保つため8個のV溝41を有し、V溝41に光ファイバー2,3が樹脂で接着されている。光ダイオード71を持つ光検出器7を光ファイバー3のU溝6内に、光ダイオード71′を持つ光検出器7′を光ファイバー2のU溝6′内に配置した。Vブロック4の上面に互いに平行に形成されている8本のV溝41に直交してVブロック4に第一溝42が形成されていて、下面に第一溝42から所定距離はなれて第一溝42と平行に第二溝42′が形成されている。第一溝42とU溝6とが同じ位置にあり、第二溝42′とU溝6′とが同じ位置にある。融着された2本の光ファイバー2、3を、以下の説明では特に断りのない限りまとめて「光ファイバー」と呼ぶことがある。また、一方の光ファイバーが光伝播上流にあって、他方の光ファイバーが下流にあるときには、それぞれを上流側光ファイバー、下流側光ファイバーと呼ぶことがある。光ファイバーがVブロックの各V溝内に設けられているので、光ファイバー間の光の干渉を防ぐことができる。
図4を用いて、各部の寸法や光の流れ等について説明する。図4(A)に示すように、光ファイバー2のコア光軸15と光ファイバー3のコア光軸16の間のオフセット量hを2μmにして、それら光ファイバー端面同士を融着した。オフセット融着を行った2本の光ファイバーの融着部5から光ファイバー3に沿って6.80mmの距離L離れた位置に、U溝6の融着部側の側面14が来るように研削加工でU溝6が形成されている。また融着部5から光ファイバー2に沿って同じ距離L離れた位置に、U溝6′の融着部側の側面14′が来るように研削加工でU溝6′が形成されている。U溝6、6′の深さが55.0μmでU溝底12とコア外周との間隔dは2.9μmであった。U溝6の融着部側の側面14がコア光軸16に対してほぼ90°の角度θであった。U溝6′はU溝6と同じ構造でU溝6と対称に形成した。側面14,14′とほぼ接するように受光面を持つ光ダイオード71,71′をそれぞれのU溝6、6′に設けた。
光ファイバー2のコア内を伝播してきた光(実線矢印)が融着部5で光ファイバー3のクラッド層に漏れた光(破線矢印)と光ファイバー3のコアに入る光(実線矢印)とに分かれる。光ファイバー3のコアに入った光は、一度も空気中に出ることなくコア内を通過する。従来の光パワーモニターでは、測定部で一度は空気中に出てから光ファイバーもしくは光導波路に戻っていた。光ダイオードに入る漏洩光以外の光は、一度も空気中に出ないことが本発明の光パワーモニターの特徴の一つであり、これが低伝播損失の得られる理由の一つである。融着部5でクラッド層に漏洩した光のうち、クラッド層内で反射を繰り返し干渉で強め合った3次もしくは4次の光がU溝6の側面14を通って光ダイオード71に入り、電気信号に変換される。また、光ファイバー3のコア内を伝播してきた光が融着部5で光ファイバー2のクラッド層に漏れた光と光ファイバー2のコアに入る光とに分かれる。光ファイバー2のコアに入った光は一度も空気中に出ることなくコア内を通過する。融着部5で光ファイバー2のクラッド層に漏洩した光のうち、クラッド層内で強め合った光がU溝6′の側面14′を通って光ダイオード71′で検出される。
図4(A)でサークルAの部分にあるコアのオフセット融着部5を、図4(B)と図4(C)を用いてより詳細に説明する。図4(B)は融着部5のオフセット面における縦断面図である。2本の光ファイバー2、3のコアの接合部は、溶融したコアが作り出すカーブ面17を持って一体化されている。このカーブ面17を通過して光ファイバー3のクラッド層に漏洩した光は、種々の角度を持ってクラッド層内に入りクラッド層外周で反射を繰り返しながら進む。反射を繰返した光は干渉を起こし、光を強め合ったり弱め合ったりする。カーブ面17は光ファイバー2のコアから種々の角度で光を光ファイバー3のクラッド層に出射するので、光の干渉を起こさせると言う重要な働きを担う。図4(C)に、光ファイバー3から見た融着部5のコア断面を示している。光ファイバー2のコア端面が光ファイバー3のコアから一部突出した部分18を形成している。図4(A)で、光ファイバー3のコアの下の部分が光ファイバー2のコアから突出して、上で説明したのと同様に突出した部分が形成されているがその働きを繰り返す必要はないであろう。
上流側コア端面の下流側コアから突出した部分18から下流側光ファイバークラッド層に漏洩した光の流れを図5に模式図で示す。図5(A)に、オフセット面における光ファイバー3のクラッド層内の光の流れを示す。コア端面の突出した部分18から出た漏洩光は、カーブ面で光の出る方向が分かれる。破線矢印で示すように角度θuで出た光と実線矢印で示すように角度θdで出た光とはクラッド層の外周境界で反射を繰返してクラッド層内を進む。このため、破線矢印と実線矢印が先端で接近した部分が光の強め合った部分である。最初に強め合ったところを1次とし、三度目(3次)もしくは四度目(4次)の強め合う位置にU溝6の側面14を設ける。側面14を通過した光が光ダイオード71に入る。強め合う部分と弱め合う部分は交互に現れる。図5(B)に、オフセット面に垂直な断面における光の流れを示す。コア端面の突出した部分18から出た光はコア光軸16(図5(B)ではそれはオフセット面に一致する。)に関して対称なので、光の干渉は生じずクラッド層外周で反射を繰返して進み側面に達する。この実施例では、θuは14.0°、θdは9.6°であった。
20個の完成した双方向光パワーモニター組立体1に、波長1550nmで光強度1.2mWの光を入射し、光パワーモニター特性を評価した。8チャンネル組立体を20個用いたので総計160チャンネルの特性を測定し、測定値の平均をとった。伝播損失は−0.72dBで受光感度は64.4mA/Wと良好な値が得られた。光ファイバーをVブロックのV溝に入れることで、クロストークは−48.3dBまで低下させることができた。保護チューブ8、8′と電極10を除いたケース9と上蓋11の外形寸法は23mmL×17mmW×2.6mmHで従来の図12(A)の光パワーモニター組立体に比べ、体積で1/5と大幅に小型化ができた。
図6にU溝の側面における透過光比率と反射光比率をU溝の側面の下流側光ファイバーコア光軸に対する角度θとの関係でグラフに示す。U溝の側面14の角度θは図4(A)に示した角度である。側面の角度θをコア光軸に対して90°から大きくしていくと130°まで透過光比率がほぼ100%に保たれている。角度θが130°を超えると反射光比率が大きくなり透過光比率が急激に低下する。角度θを90°から小さくしていくと50°まではほぼ100%であるが、50°よりも小さくなると透過光比率が急激に低下する。このことから、U溝の側面の角度θが90°±40°であるのが好ましいことが理解されるであろう。しかし、角度θが70°未満になるとU溝の形成が困難となるとともに、光ダイオードをU溝に挿入するのも困難となるので、角度θが70°から130°の範囲にあるのがより好ましい。
図7に、光ダイオードの受光感度(mA/W)と融着部からU溝の側面までの距離L(mm)との関係をグラフに示す。融着部からU溝の側面までの距離Lを0.8mmから9.0mmまで変えて、受光感度を測定した。距離L以外の、U溝の形状(角度)、寸法等は実施例1と同じとした。融着部からU溝の側面までの距離Lが、約1mm,約3mm,約5mm,約7mm,約9mmで受光感度が大きく約2mm,約4mm,約6mm,約8mmで受光感度が小さくなっているのが判る。受光感度が大きくなっているところが光の干渉で強め合ったところで、受光感度が小さくなっているところが光の干渉で弱め合ったところになる。約1mmのところが1次の干渉で光が強め合ったところになる。次数が大きくなるにつれて受光感度も高くなり、3次と4次で最も高い受光感度を示した。3次もしくは4次の干渉光を使うことで、高い受光感度を有する光パワーモニターが得られることが実証できた。
図8は、受光感度(mA/W)とオフセットh/コア直径kとの関係をグラフに示す。オフセットh/コア直径kの比を、0.02から0.32まで変えて光パワーモニターを製作した。受光感度の測定方法、U溝の位置と角度等は実施例1と同じとした。オフセットh/コア直径kが大きくなるに従い、受光感度が大きくなっている。オフセットhが大きくなると下流側クラッド層に漏れる光が多くなるため、U溝に入射する光量が多くなる。このため、光ダイオードに入射する光量が増え、受光感度が高い値を示した。受光感度が高いことは、光ファイバー内を伝播する光強度が小さくなっても、正確なモニターが可能になることを意味する。しかしこれは、光ファイバー内を伝播する光から高い割合で光を取り出すことを意味しており、伝播損失という観点からは不利になる。
図9に、伝播損失(−dB)とオフセットh/コア直径kとの関係をグラフに示す。オフセットh/コア直径kの比が大きくなると、伝播損失が大きくなることが判る。これは、光ファイバー内の伝播光の光強度が低下する割合が大きくなることを意味している。受光感度と伝播損失とのバランスから、光パワーモニターの性能が決まる。オフセットh/コア直径kを、0.05以上0.32以下とすることで、高い受光感度で伝播損失の小さい高性能な光パワーモニターが得られた。
図10に受光感度(mA/W)及び伝播損失(−dB)とU溝の底とコア外周との距離d(μm)との関係をグラフに示す。距離dを0.2μmから15μmまで変えて光パワーモニターを製作した。距離d以外の条件は実施例1と同じであった。距離dが0.5μmから8μmの範囲では、受光感度がほとんど変化しない。しかし、距離dが8μmよりも大きくなると、U溝の側面の面積が小さくなるため、受光感度が徐々に減少している。反対に、距離dが0.5μmより小さくなると、U溝の底がコアに非常に接近する。光ファイバーでは主にコア中を光が伝播するが、実際はコア近傍では若干の光がクラッド層に漏洩しており、この漏洩した光がU溝に入りモニターされる。そのため、距離dが0.5μmより小さいときは、受光感度は上がるが伝播損失も大きくなっている。距離dが0.5μmから8μmの範囲で、受光感度及び伝播損失の変化が少ない安定した光パワーモニターが得られることが実証できた。
図1から図3に示した双方向光パワーモニター組立体1の製造を図11を参照して説明する。図11(A)に示すように、2本の光ファイバー2,3をそれらのコア光軸をオフセットしてそれらの端面同士を対向して融着して、必要な数の光ファイバー融着体2aを準備する。別途、一面に複数のV溝41を形成したVブロック4を準備しておく。Vブロック4はアルミナなどのセラミックで作ることができる。V溝41は平行に形成されていて、光ファイバー融着体2aが十分に入る深さを持つ。図11(B)に示すように、Vブロック4のV溝41それぞれに光ファイバー融着体2aをその融着部が一直線になるように並べて入れる。各光ファイバー融着体2aの一方のコア端面の突出した部分を上に、他方のコア端面の突出した部分を下にして、Vブロック4のV溝41それぞれに光ファイバー融着体2aを固定する。このとき、一方のコア端面の突出した部分を下に、他方のコア端面の突出した部分を上にして、各光ファイバー融着体2aをVブロック4のV溝41に固定してもよい。どちらにしても、すべての光ファイバー融着体が同じ向きとなっている必要がある。光ファイバー融着体を接着したVブロック4に、図11(C)に示すように、V溝41と直角方向に第一溝42を機械加工して、各光ファイバー3にU溝6を形成する。U溝6はその側面が融着部から所定距離の位置に形成し、その側面が光ファイバー2のコア端面の突出した部分と光ファイバー3のクラッド層を介して対向するように形成する。次に、図11(D)に示すように、Vブロック4の下面から第二溝42′を機械加工して、各光ファイバー2の下側にU溝を形成する。U溝は、その側面が融着部から所定距離の位置に形成し、その側面が光ファイバー3のコア端面の突出した部分と光ファイバー2のクラッド層を介して対向するように形成する。上面に形成した第一溝42と下面に形成した第二溝42′おのおのに、すべての光ファイバー融着体2aをカバーする長さをした光検出器7,7′を光検出器の各光ダイオードがU溝の側面に対向するように取り付けて固定する(図11(E)参照)。図11(F)で、多チャンネル組立体をケース9に入れてVブロック4の底面をケース底に接着して、上蓋11を取り付ける。このように簡単に光パワーモニター組立体1の組立を行うことができる。
本発明では小型で光伝播損失の少ない双方向光パワーモニターが実現できた。この双方向光パワーモニターは、光通信回路に用いることができる。

Claims (8)

  1. それぞれが中心にコアを、そのコアの周りにクラッド層を持つ2本の光ファイバーであって、それらコアの光軸をオフセットさせて、それらの端面同士を融着部で対向して融着しており、それら光ファイバーそれぞれのコア端面の一部分が前記融着部で他方のコア端面からオフセットして突出しているものと、
    その2本の光ファイバーそれぞれのクラッド層に形成されて、一方の光ファイバーコア端面の前記他方の光ファイバーコア端面から突出した部分がその融着部側の側面と対向しているU溝と、
    それら2本の光ファイバーそれぞれのクラッド層に形成された前記U溝内に設けられていて、その受光面がU溝の前記側面と対向し、前記一方の光ファイバーコアを伝播し、前記一方の光ファイバーのコア端面の突出した前記部分から前記他方の光ファイバーのクラッド層に漏洩し、U溝に入った光を検出するための光ダイオードとを有し、
    U溝の前記側面が、前記一方の光ファイバーのコア端面の突出した前記部分から前記他方の光ファイバーのクラッド層中に漏洩した光が干渉して強め合う位置に設けられている双方向光パワーモニター。
  2. U溝の前記側面が、前記一方の光ファイバーのコア端面の突出した前記部分から前記他方の光ファイバーのクラッド層中に漏洩した光が干渉して強め合う3次から4次の位置に設けられている請求項1記載の双方向光パワーモニター。
  3. U溝の前記側面が、融着部から光ファイバーに沿って4.5mm以上7.5mm以下離れた位置にある請求項2記載の双方向光パワーモニター。
  4. U溝の前記側面が、前記他方の光ファイバーコア光軸に対して90°±40°の角度である請求項1記載の双方向光パワーモニター。
  5. 前記U溝の底と前記他方の光ファイバーのコア外周との距離が0.5μmから8μmである請求項1記載の双方向光パワーモニター。
  6. 前記2本の光ファイバーのコア光軸間のオフセットが、光ファイバーのコア径の0.05倍以上で0.32倍以下である請求項1記載の双方向光パワーモニター。
  7. 平行に並べて一面に形成した複数のV溝と、その面で前記複数のV溝と直交して形成した第一溝と、その面と反対の面に前記第一溝から所定距離はなれて、第一溝に平行に形成した第二溝を持つVブロックと、
    前記複数のV溝それぞれのなかに固定した請求項1記載の複数の双方向光パワーモニターと、
    前記複数のV溝に直交して形成した前記第一と第二溝それぞれに設けられて、前記複数の双方向光パワーモニターすべてに延びている光検出器を有し、
    前記複数の双方向光パワーモニターそれぞれの光ファイバークラッド層に形成されたU溝が、前記複数のV溝に直交して形成した前記第一あるいは第二溝に位置しており、
    前記光検出器が、前記複数の双方向光パワーモニターそれぞれのU溝内に入った部分に当該双方向光パワーモニターの光ダイオードを持つ
    双方向光パワーモニター組立体。
  8. 複数のV溝の形成されたVブロックの面に設けられた第一溝に取り付けた光検出器が、第一溝の深さよりも大きな高さをしており、
    複数のV溝の形成されたVブロックの面と反対のVブロックの面に設けられた第二溝に取り付けた光検出器が、第二溝の深さよりも小さな高さをしている請求項7記載の双方向光パワーモニター組立体。
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