JPWO2008146572A1 - 透明導電膜のパターン形成方法および有機エレクトロルミネッセンス用透明導電膜樹脂基板 - Google Patents

透明導電膜のパターン形成方法および有機エレクトロルミネッセンス用透明導電膜樹脂基板 Download PDF

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Abstract

本発明は、長尺樹脂基板に光硬化性レジストをスクリーン印刷にてパターン形成、印刷後にこれを光照射してパターン形成を行う新たな方法により、ベイキング、現像の処理が不要で、安定した膜厚で、レジストが得られ、又高価な露光機も必要としない、設備的に大きなメリットを有する、工程数が少ない長尺樹脂基板の連続パターニング処理による透明導電膜のパターン形成方法を提供する。本発明の透明導電膜のパターン形成方法は、連続して搬送される透明導電膜が形成された長尺樹脂基板に光硬化性レジスト液をロータリースクリーン印刷にてパターン状に配置する工程と、光照射し硬化する光硬化工程、エッチング工程、レジスト剥離工程、水洗処理工程、脱水処理工程を有し、これらを連続的に走行させて行うことを特徴とする。

Description

本発明は、可撓性樹脂基板上に形成される透明導電膜パターンの製造方法および有機エレクトロルミネッセンス用透明導電膜樹脂基板に関する。
可撓性樹脂基板上に透明導電膜パターンを形成するには、例えば、透明導電膜付きの長尺樹脂基板に、ロールコータにてレジスト塗布を行い、露光、現像、エッチング、レジスト剥離等を行って電極パターンを形成する(例えば、特許文献1)。レジスト塗布を連続的に塗布すると、経時で膜厚が厚くなり、以降の露光以降の工程で不具合が発生してしまい、この改善の為にレジスト膜厚を一定に保つ手段が前記文献には明記されている。
又、同様に長尺樹脂基板をパターニングするにあたりレジスト塗布工程、ベイキング工程、露光工程、現像工程、エッチング工程、剥離工程を経て電極パターンを形成する別の例が記載されている(例えば、特許文献2)。
いずれの例においても、長尺樹脂基板上に電極パターンをパターニングするにあたっては、非常に多くの工程を経るため、ロール状の長尺樹脂基板を連続的に処理して電極パターンを形成後、再びロール状に巻き取るのは実際上実現しにくい。これは、一般にレジスト塗布および露光後のベイキング工程に、時間が多く必要となる問題や、レジスト塗布速度、現像時間、またエッチンク時間等、それぞれの工程時間に差があり長尺基板を連続的に処理するためにはあまりにも工程間の制約が多く連続処理するには無理が生じるためである。
そのために、より工程数が少なく、より単純な工程による、高価な露光機も必要としない、設備的にもメリットを有する、透明導電膜が形成された長尺樹脂基板を連続してパターニングできる透明導電膜のパターン形成方法が望まれていた。
特開平6−89855号公報 特開2003−24865号公報
本発明は、従来のようなパターニング方法を用いず、長尺樹脂基板に光硬化性レジストをスクリーン印刷にてパターン形成後にこれを光照射することでレジスト硬化パターンを形成する新たな方法により、ベイキング、現像の処理が不要で、安定した膜厚で、レジストが得られ、又高価な露光機も必要としない、設備的に大きなメリットを有する、工程数が少ない長尺樹脂基板の連続パターニング処理を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の手段により達成される。
1.連続して搬送される透明導電膜が形成された長尺樹脂基板に光硬化性レジスト液をロータリースクリーン印刷にてパターン状に配置する工程と、
これに光照射し硬化する光硬化工程、エッチング工程、レジスト剥離工程、水洗処理工程、脱水処理工程を有し、これらを連続的に走行させて行うことを特徴とする透明導電膜のパターン形成方法。
2.連続して搬送される透明導電膜が形成された長尺樹脂基板に光硬化性レジスト液をスクリーン印刷にてパターン状に配置する工程と、これに光照射し硬化する光硬化工程を、間欠的に行う間欠工程と、
エッチング工程、レジスト剥離工程、水洗処理工程、脱水処理工程を連続的に行う連続工程が接続された一環の工程を、連続的に行うことを特徴とする透明導電膜のパターン形成方法。
3.光硬化性レジスト液をパターン状に配置する工程が非金属メッシュを用いるスクリーン印刷であることを特徴とする前記1または2に記載の透明導電膜のパターン形成方法。
4.透明導電膜が形成された長尺樹脂基板は、バリア膜、および透明導電膜の形成が真空プロセスで形成され、かつ、両面にバリア膜が形成された長尺樹脂基板であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の透明導電膜のパターン形成方法。
5.透明導電膜がプラズマイオンプレーティングを用い形成されることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の透明導電膜のパターン形成方法。
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の透明導電膜のパターン形成方法によって作製された有機エレクトロルミネッセンス用透明導電膜樹脂基板。
本発明により、工数が少なく、またレジスト塗布、露光、および露光後のベイキング工程等、多くの複雑な工程を必要とせず、長尺基板を連続的に処理して、透明導電膜パターンを基板上に得る方法を提供することができる。また、可撓性樹脂基板において、透明導電膜パターン形成を連続的に行うことで工程の削減が可能となりコストダウンと生産性向上および、品質の高い透明導電膜パターンの形成が可能となる。
ロータリースクリーン印刷を用いる本発明の透明導電膜のパターン形成方法の概略工程図およびブロック図を示す。 スクリーン印刷を用いる本発明の透明導電膜のパターン形成方法の概略工程図およびブロック図を示す。 ロータリースクリーン印刷機による光硬化性レジスト液の印刷を模式的に示す。
符号の説明
1 ロール
2 ロータリースクリーン印刷機
3 露光装置
4 巻き取りロール
5、6 アキューム機構
20 スクリーン印刷機
21 スキージー
22 インキ
23 ロータリースクリーン
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明は、連続して搬送される透明導電膜が形成された長尺樹脂基板に
光硬化性レジスト液をスクリーン印刷にてパターン状に配置する工程、これに光照射して硬化させる光硬化工程、更に、エッチング工程、レジスト剥離工程、水洗処理工程、脱水処理工程を有しており、これらを連続的に走行させて透明導電膜パターンを基板上に形成する透明導電膜のパターン形成方法である。
なお、ここで連続的という意味は、これらの工程を順次行うことであって、これらの工程間に例えば水洗シャワー、水切り工程等他の工程が入ることを妨げない。
従って、長尺樹脂基板での透明導電膜パターンの実現手段であって、可撓性樹脂基板に、透明導電膜パターンを連続的に形成することで、工程の削減による生産性向上とコストダウンとが可能となり、品質の高い透明導電膜パターンの形成が可能となる。
本発明で用いる透明導電膜としては、インジウムチンオキサイド(ITO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、アルミジンクオキサイド(AZO)等の全光透過率が50%以上の透明な金属(酸化物)膜であり、電子デバイスの電極として利用される薄膜である。透明導電膜の成膜法は、物理気相成長法(PVD)と呼ばれる方法で行われる真空プロセスである。真空環境下において、プラズマ空間で励起した高エネルギーの原子を金属または酸化物のターゲットにぶつけてターゲット原子をはじきとばして樹脂フィルム上に成膜するスパッタ法や、酸化物ターゲットを陽極として配置し、それにプラズマビームを供給し、材料蒸発源を蒸発させ蒸発粒子の一部をイオンもしくは励起粒子とし、活性化した蒸発粒子を樹脂フィルム上に堆積させるイオンプレーティング法を利用することができる。
イオンプレーティング法は、圧力勾配型プラズマガンによりプラズマビームをITO等の原料に直接照射して蒸発させ、蒸発した原料をプラズマ雰囲気中でイオン化し、イオン化したこれらの物質が、プラズマ雰囲気中のプラズマポテンシャルにより加速され、大きなエネルギーをもって樹脂基板上に到達・堆積され、低抵抗で緻密な透明導電膜が成膜されるので、望ましい成膜法である。
ここで、透明導電膜を成膜するときの真空環境下とは、プラズマ空間を維持し、成膜種に不純物が混入しにくい環境を維持するために必要な100Pa以下の圧力環境下である。
可撓性樹脂基板上に透明導電膜パターンを形成するには、透明導電膜を形成した長尺樹脂基板に、例えば、ロールコータにてレジスト塗布を行い、露光、現像、エッチング、レジスト剥離等を行って電極パターンを形成することが通常行われる(例えば、特許文献1)。レジスト塗布後、これに露光、現像、エッチング、レジスト剥離等のプロセスを経て導電膜パターンを形成するには幾つもの複雑な工程を必要とする。レジスト塗布に限っても、これを連続的に塗布すると、経時による膜厚の変化で(厚くなる)、以降の工程(例えば露光工程)で不具合が発生しまう問題等が生じる。
本発明は、光硬化性レジスト液を、スクリーン印刷を用いてパターン状に、連続的、あるいは、間欠的に配置することで、光によるパターニングを用いずに、容易にレジストによる電極パターンを形成して、透明導電膜のエッチング処理によりこれをパターニングするものである。この方法を用い、例えば有機EL用途、また有機ELでも照明や面発光素子のような単純で簡略な電極パターンの形成において、充分な精度を得ることができる。
スクリーン印刷法は、ペースト粘度を高くすることもあり、他の印刷法に比べてパターンがきれやすく(エッジが明瞭)、有機EL素子等の電子デバイスにおけるパターン形成の精度を得る上で好ましい印刷法である。また、版(スクリーン)形成も容易でありコスト的にも利点がある。特にロータリー印刷法については、これまでパターニングに用いられた例はない。
光硬化性レジスト液(光硬化性樹脂液)を均一に塗布する工程、またこれにパターン露光を行って、レジストを硬化させ、非硬化部を現像液で除去して、レジスト像を残す一連の工程の代わりに、本発明においては光硬化性レジスト液を、スクリーン印刷、あるいはロータリースクリーン印刷を用いて、パターン状に長尺樹脂基板上に印刷して形成する。
ロータリースクリーン印刷の場合には連続して、また、スクリーン印刷の場合には印刷は断続的だが、アキューム機構を前後に設けることで印刷、透明導電膜のエッチング工程からレジスト剥離等、透明導電膜のパターニング工程を連続して行うことができる。
以下、本発明に係わる透明導電膜のパターン形成方法の好ましい実施形態について順次図を用いて説明する。
(本発明の好ましい実施形態)
請求の範囲1に記載の本発明の透明導電膜のパターン形成方法について説明する。
図1は、ロータリースクリーン印刷を用いて光硬化性レジスト液を連続して搬送される透明導電膜が形成された長尺樹脂基板上にパターン形成する本発明の透明導電膜のパターン形成方法についての概略工程図およびブロック図を示している。
図1において、1は、透明導電膜が形成された長尺樹脂基板Sのロールを示す。
透明導電膜は、蒸着、あるいはスパッタ等の真空プロセスによって、あるいはプラズマCVD法、また、ゾルゲル法等の塗布を用いた方法などいかなる方法により形成してもよいが、ドライプロセスで形成するのが好ましく、中でもプラズマイオンプレーティング法により形成された、例えばITO等からなる透明導電膜は、平滑に膜形成できるため表面性がよく有機EL用等の用途には好ましい。
長尺状樹脂基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等の可撓性のある樹脂基板があげられる。特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン等が好ましい基板としてあげられ、50μm〜400μmの厚みが好ましい。透明導電膜が形成された長尺樹脂基板はこれらの樹脂フィルム上に例えばITO膜を10nm〜500nmの厚みで形成したものである。
また下引き層、ハードコート層等を施した樹脂フィルムであってもよく、また、酸化珪素層、酸化窒化珪素等の透湿度の低い材料からなるバリア膜(ガスバリア膜)を有する樹脂基板に透明導電膜を形成したものが好ましい。
特に、バリア膜は樹脂基板(フィルム)の両面に形成されていることが好ましい。後述のエッチング、又水洗、等のウエット工程においても基材中に水分が浸透しないからである。ウエット時の基板への水分の浸入が少ないため、パターン形成後、特に有機EL素子等を形成した後、水分の浸透や、基板からのガス放出による劣化が防げる。
これらのガスバリア層もドライプロセス、例えば、スパッタ、プラズマCVD、イオンプレーティング法等により形成するのが好ましい。
バリア膜は、薄膜形成に必要な原料をガス成分として導入する必要のあるプラズマCVD法、イオンプレーティング法等に比べ、スパッタリング法は、ターゲット材料の制約が少なく、高融点材料でも比較的容易に薄膜形成できることから、真空プロセスであるスパッタ法によるのが特に好ましい。ターゲットとして、形成させるバリア膜、例えば、酸化珪素あるいは酸化窒化珪素等の構成材料と同一材料、あるいは、スパッタガスとの反応により構成材料と同一構成となる材料を用い、スパッタガスを導入し、電圧を印加、所定ガス圧の真空環境下において、プラズマを発生させスパッタリングを行わせ基板上にガスバリア膜を形成する。例えば、RFマグネトロンスパッタ装置等が用いられる。
また、大気圧プラズマCVD法を用いてもよい。例えば、200μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムを樹脂基板として用い、大気圧プラズマCVD法により、基板上に酸化珪素からなるバリア膜(厚み70nm)を、薄膜形成ガスとしてテトラエトキシシランを用い、放電ガス(不活性ガス、アルゴン、窒素等)、また添加ガス(酸素)等と混合、高周波電源で励起して形成することができる。
図1のロータリースクリーン印刷を用いた透明導電膜のパターン形成プロセスについて説明する。透明導電膜が形成された長尺樹脂基板のロール1から繰り出された長尺樹脂基板Sの透明導電膜上には、先ずパターニング工程において光硬化性レジスト液が連続的にパターニング印刷される。図において2はロータリースクリーン印刷機を模式的に示している。
図3は、パターニング工程におけるロータリースクリーン印刷機によるインク(光硬化性レジスト液)の印刷を拡大して模式的に示している。長尺樹脂基板Sは版胴であるロータリースクリーン23(繋ぎのない円柱状のスクリーン(版)を構成している)と、圧胴25の間を走行する。ロータリースクリーンの内側に配置されたスキージー21が、印刷時、ロータリースクリーン回転とともに、スクリーンの孔を通してインキ22を押し出し、基材Sに連続的に光硬化性レジスト液を印刷して、必要なレジストパターンを基材に転写する。ロータリースクリーンを予め透明導電膜上に必要な導電膜パターンを形成するようパターニング印刷できるよう作製しておくことで、連続印刷がエンドレスでできる。ロータリースクリーン印刷を用いることにより連続的にアキューム機構なしで連続印刷が可能である。
ITO膜のエッチングに用いられる光硬化性のレジストとしては例えば、東洋紡製エッチングレジストER−112N、ER−225N、ER−245N等がある。
次いで、光硬化性レジスト液は連続してベイク(乾燥)され(図では省略されている)、光硬化工程に入る。光硬化工程は露光工程であり光源としては主に紫外線が用いられる。波長は300〜450nmの範囲の波長が用いられ、用いるレジストにより指定される。
図1に模式的に示された露光装置3に用いられる紫外線源としては、低圧水銀ランプや紫外線レーザー、キセノンフラッシュランプ、冷陰極管、LED高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等がありいずれでもよい。レジストの硬化には、レジストの種類で異なってくるが50mJ/cmから5000mJ/cmの範囲の照射条件が用いられる。
ITOのエッチング用の光硬化性レジスト、例えば、前記エッチングレジストER−112N、ER−225N、ER−245N等であれば、硬化条件としては、UV光500mJ/cm周辺の照射でよい。
本発明では、予め光硬化性レジスト液を長尺樹脂基板Sの透明導電膜上にスクリーン印刷するため、フォトマスク、又、光走査によるパターン露光等の必要がない。また、露光後のパターン部以外の未硬化レジストを現像によって除去する作業である現像工程、またレジスト中の現像による溶剤や水分を除去等の必要がない。本発明においては単に、印刷後、活性光線によるレジストの光硬化を行えばよい。
光硬化後、ポストベイク(硬化促進、乾燥)を行った後(図では省略されている)、連続してエッチング工程に入る。エッチング工程では、レジストパターンが形成されていない透明導電膜の露出した部分について、エッチングを行う。エッチング方法としては、ウエットエッチング、ドライエッチング、電解エッチング等がある。
ドライエッチングは、例えば、ITO膜の場合、LD励起UVレーザー(355nm)またLD励起のYAGレーザー等を用いたエッチングを用いることができる。
連続して行うにはウエットエッチングが好ましい。ウエットエッチング、ITO膜のエッチング液としては、塩酸水溶液や塩酸酸性塩化第二鉄水溶液等が用いられ代表的である。図1におけるエッチング工程ではエッチング液槽にレジストが形成された基板を導入してウエットエッチングを行っている。図では、エッチング液槽に長尺樹脂基板を導入し、槽中を基板が搬送される様子を示している。液中アキュームロールはここでは1つであるが必要とするエッチング時間によりロール数を調整し液中浸漬時間を調整する。この工程によりレジストの形成されていない部分のITO膜はエッチングにより除去される。
エッチング後は、酸性エッチング液を流し出すため水洗を行う。浸透性をあげるため活性剤を含有する水で水洗してもよく、その後、更に水洗処理を行って充分に洗浄する。シャワーを用いてもよい。例えば水洗シャワー工程、水洗処理工程により洗浄後、好ましくは水切り・乾燥工程を経て、レジスト剥離工程に入る。レジスト剥離工程は、レジストの除去工程でありこれによりレジストで保護された領域のITO等透明導電膜が露出して、透明導電膜パターンが形成される。
レジスト剥離工程においては、剥離液として溶剤や、アルカリ等が用いられ、酸性エッチング液、また前記のレジストであれば、苛性ソーダ水溶液(1〜3%程度)を用い40℃程度の温度で、剥離することができる。また、グリコール系溶剤、2−アミノエタノールを成分とするアルカリ性の剥離液等も用いることができる。いずれにしても基板や透明導電膜に影響を与えない剥離液を用いる。
また、レジスト剥離工程として、ドライプロセス、例えば気相中で行われるアッシングを利用できる。ドライプロセスでは、レジストを気相中でオゾンやプラズマにより灰化(Ashing)することにより除去することができる。
アッシング装置は、アッシング室にオゾン、酸素などのガスを導入し、紫外線などの光をガスまたは基板に照射し、ガスとフォトレジストの化学反応によりこれを剥離する光励起アッシング装置、酸素ガス等のガスを高周波などによりプラズマ化させ、そのプラズマを利用するプラズマアッシング装置がある。
レジスト剥離工程の後、水洗、即ち、エッチング後と同様の水洗処理工程または水洗シャワー工程等による洗浄工程を経て、水切り、乾燥等の、脱水処理を行う。脱水処理工程の後、パターニングされた透明導電層を有する長尺樹脂基板Sは巻き取りロール4に巻き取られる。
脱水工程は、透明導電層中に水分が残留すると導電膜の特性上好ましくない。これを用いた有機エレクトロルミネッセンス等の特性が低下するので、加温等により脱水処理を行う。
次ぎに、もう一つの方法である請求の範囲2に記載の透明導電膜のパターン形成方法について説明する。
図2は、透明導電膜が形成された長尺樹脂基板にスクリーン印刷を用いて光硬化性レジスト液を塗布・配置して、長尺樹脂基板上に透明導電膜をパターン形成する本発明の透明導電膜のパターン形成方法について、その概略工程図およびブロック図を同じく示している。
請求の範囲2に記載の発明においては、主として光硬化性レジスト液の印刷、即ちパターニング工程およびその前後の工程が異なっており、光硬化性レジスト液の印刷によるパターニング工程について説明する。
請求の範囲2に記載のパターン形成方法においては、印刷方法としてスクリーン印刷を用いる。
図2に、スクリーン印刷を用いる本発明の透明導電膜のパターン形成方法について前記同様の概略工程図およびブロック図を示している。
図2において、20はスクリーン印刷機を模式的に示している。スクリーン(版)の内側(基板の反対側)の一端にインキ(この場合光硬化性レジスト液)を載せスキージーを往復させてインキをスクリーンの下に押し出して、スクリーンの下部に置いた基板上に転写するもので、図ではスクリーン(版)とスキージーおよびインクを模式的に示している。
スキージーの往復により印刷がされるため基板はこの間スクリーン下で静止させる。従って長尺樹脂基板を断続的に搬送してスクリーン印刷を行うことになる。
従って、透明導電膜パターン形成を一貫して連続で行うために、印刷によるパターニング工程の前後に複数ロールで構成されるアキューム機構5、6を設け(アキューム工程)、スクリーン印刷による光硬化性レジスト液の配置を行う間の搬送の停滞を吸収する。
図2では、パターニング工程の前にアキューム機構5、パターニング工程後の光硬化工程の後アキューム機構6と2つアキューム機構を設けている。これによりアキューム機構5に入る際、またアキューム機構6からでるときには長尺樹脂基板はみかけ連続搬送されている。
図2に示されるプロセスでは、活性光線による光硬化工程は、スクリーン印刷に連動して基板を静止させた状態で行う。
アキューム機構6はパターニング工程の直後でもよい。この場合、光硬化工程において連続搬送しつつ露光を行う。アキューム機構6をパターニング工程の直後に設けた場合は図1に示すプロセスと全く同じ露光装置を用い基板を搬送しつつ連続して露光を行うことができる。
光硬化の方法としては紫外線照射、前記の紫外線源を全て用いることができる。
次の、エッチング工程以降は、一貫して連続で行うことができ図1で示したものと同様に工程を組むことができる。
従って、連続して搬送される透明導電膜が形成された長尺樹脂基板に光硬化性レジスト液をスクリーン印刷にてパターン状に配置する工程と、これに光照射し硬化する光硬化工程は、間欠的に行われるが、この前後にアキューム機構を設けることで、この間欠工程と、エッチング工程、レジスト剥離工程、水洗処理工程、脱水処理工程等これを連続的に行う連続工程、とが接続された一環の工程を連続的に行うことが可能となる。
以上、これらの方法によれば、可撓性の樹脂基板にロールツウロールで連続的に透明導電膜パターン形成を行うことができ効率がよい。精密、複雑なパターンまた高度のパターン精度を要しない照明や面発光素子のような有機EL用途においては、透明導電膜のパターニングにおいて、レジストの現像後のポストベイク、また、パターン露光のためのマスクや走査露光等の描画のための装置も必要とせず、光硬化性レジストを用いて簡略な方法で長尺樹脂基板上に透明導電膜パターンを得ることができる。
なお、光硬化性レジスト液をパターン状に配置する(ロータリー)スクリーン印刷の工程に用いられるロータリースクリーンやスクリーン通常金属メッシュで形成されるが、本発明においては、非金属メッシュを用いるものがより好ましい。非金属メッシュの材料としてはポリイミドやポリアミド等の樹脂材料が好ましい。有機エレクトロルミネッセンス用透明導電膜樹脂基板として用いるとき、スクリーンに接触する基板上に金属ないし金属イオン等の影響が残ると、形成される有機EL素子の寿命の劣化、また発光にもダメージを起こす。
本発明の方法により透明導電膜パターンが形成され、ロールに巻き取られた長尺樹脂基板は所定の間隔で基板上に複数の透明導電膜パターンが配置されており、この透明導電膜を陽極として、この上に有機エレクトロルミネッセンス素子を構成するよう有機層を積層すれば有機EL素子を得ることができる。基材上に形成された各有機EL素子は、素子形成後に基板をカットし個別面発光素子としてもよいし、また有機層の形成の任意の段階でカットしてから個別に更に有機層または電極等を形成して各素子を完成させてもよい。
以上の如く、本発明により、可撓性樹脂基板にロールツウロールで、透明導電膜パターンを連続的に形成でき、それにより透明導電膜パターン形成の工程削減が可能になり、生産性が向上し、コストダウンされた品質が高い、照明や面発光素子用の有機EL素子等に使用可能な透明導電膜のパターン形成が可能となる。

Claims (6)

  1. 連続して搬送される透明導電膜が形成された長尺樹脂基板に光硬化性レジスト液をロータリースクリーン印刷にてパターン状に配置する工程と、
    これに光照射し硬化する光硬化工程、エッチング工程、レジスト剥離工程、水洗処理工程、脱水処理工程を有し、これらを連続的に走行させて行うことを特徴とする透明導電膜のパターン形成方法。
  2. 連続して搬送される透明導電膜が形成された長尺樹脂基板に光硬化性レジスト液をスクリーン印刷にてパターン状に配置する工程と、これに光照射し硬化する光硬化工程を、間欠的に行う間欠工程と、
    エッチング工程、レジスト剥離工程、水洗処理工程、脱水処理工程を連続的に行う連続工程が接続された一環の工程を、連続的に行うことを特徴とする透明導電膜のパターン形成方法。
  3. 光硬化性レジスト液をパターン状に配置する工程が非金属メッシュを用いるスクリーン印刷であることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の透明導電膜のパターン形成方法。
  4. 透明導電膜が形成された長尺樹脂基板は、バリア膜、および透明導電膜の形成が真空プロセスで形成され、かつ、両面にバリア膜が形成された長尺樹脂基板であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載の透明導電膜のパターン形成方法。
  5. 透明導電膜がプラズマイオンプレーティングを用い形成されることを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項に記載の透明導電膜のパターン形成方法。
  6. 請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記載の透明導電膜のパターン形成方法によって作製された有機エレクトロルミネッセンス用透明導電膜樹脂基板。
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